IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人 中央大学の特許一覧

特許7601367誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ
<>
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図1
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図2
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図3
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図4
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図5
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図6
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図7
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図8
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図9
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図10
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図11
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図12
  • 特許-誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20241210BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20241210BHJP
   B29C 64/40 20170101ALI20241210BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241210BHJP
   B29C 41/14 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H02N11/00 Z
B29C64/106
B29C64/40
B33Y10/00
B29C41/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020169884
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061748
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-08-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 中野 駿、小池 夏実、早川 健が、2020年5月29日付で、ロボティクス・メカトロニクス講演会2020において、出願に係る発明の内容を公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】早川 健
(72)【発明者】
【氏名】小池 夏実
(72)【発明者】
【氏名】中野 駿
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-517790(JP,A)
【文献】特表2018-503251(JP,A)
【文献】特開2008-215438(JP,A)
【文献】特表2015-518770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
B29C 64/106
B29C 64/40
B33Y 10/00
B29C 41/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電エラストマアクチュエータの製造方法であって、
液状の誘電性エラストマにモールドをディップし、その後、前記モールドを前記誘電性エラストマから引き上げる、ディップステップと、
前記ディップステップの後、前記モールド上の前記誘電性エラストマを硬化させて、前記モールド上で前記誘電性エラストマからなる膜体を得る、硬化ステップと、
前記硬化ステップの後、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去して、非平板状の3次元形状を有する前記膜体を得る、モールド除去ステップと、
前記モールド除去ステップの後、前記膜体の両面上にそれぞれ第1電極及び第2電極を設け、前記誘電エラストマアクチュエータを得る、組立ステップと、
を含み、
前記モールドは、第1溶媒によって溶けるような第1可溶性材料で構成されており、
前記モールド除去ステップでは、前記モールドを前記第1溶媒によって溶かすことによって、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去する、誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項2】
前記ディップステップの前に、前記モールドを製造する、モールド製造ステップを、さらに含み、
前記モールド製造ステップは、3Dプリンタによって、サポート材を使用せずに、前記第1可溶性材料を用いて前記モールドを造形する、モールド造形ステップを、含む、請求項1に記載の誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項3】
前記ディップステップの前に、前記モールドを製造する、モールド製造ステップを、さらに含み、
前記モールド製造ステップは、
3Dプリンタによって、前記第1溶媒とは異なる第2溶媒によって溶けるような第2可溶性材料からなるサポート材を使用しつつ、前記第1可溶性材料を用いて前記サポート材上に前記モールドを造形する、モールド造形ステップと、
前記モールド造形ステップの後、前記サポート材を前記第2溶媒によって溶かすことによって、前記サポート材上の前記モールドから前記サポート材を除去する、サポート材除去ステップと、
を含む、請求項1に記載の誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項4】
誘電エラストマアクチュエータの製造方法であって、
液状の誘電性エラストマにモールドをディップし、その後、前記モールドを前記誘電性エラストマから引き上げる、ディップステップと、
前記ディップステップの後、前記モールド上の前記誘電性エラストマを硬化させて、前記モールド上で前記誘電性エラストマからなる膜体を得る、硬化ステップと、
前記硬化ステップの後、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去して、非平板状の3次元形状を有する前記膜体を得る、モールド除去ステップと、
前記モールド除去ステップの後、前記膜体の両面上にそれぞれ第1電極及び第2電極を設け、前記誘電エラストマアクチュエータを得る、組立ステップと、
を含み、
前記膜体は、内部に空洞を区画しているとともに、前記空洞に連通する開口を有しており、
前記組立ステップにおいて、前記第1電極は、前記膜体の外面上に設けられ、前記第2電極は、前記膜体の内面上に設けられ、
前記組立ステップでは、前記膜体の前記空洞に内圧付与用媒体を充填し、それにより、前記膜体に予備伸長を印加する、誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項5】
前記モールド除去ステップでは、前記膜体から前記モールドを離型することによって、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去する、請求項4に記載の誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項6】
前記内圧付与用媒体は、導電性であり、前記第2電極を構成する、請求項に記載の誘電エラストマアクチュエータの製造方法。
【請求項7】
誘電性エラストマからなり、非平板状の3次元形状を有する、膜体と、
前記膜体の両面上にそれぞれ設けられた、第1電極及び第2電極と、
を備え、
前記膜体は、自然状態において、非平板状の3次元形状を有し、
前記膜体は、内部に空洞を区画しているとともに、前記空洞に連通する開口を有しており、
前記第1電極は、前記膜体の外面上に設けられており、
前記第2電極は、前記膜体の内面上に設けられており、
前記膜体の前記空洞には、内圧付与用媒体が充填されており、それにより、前記膜体には予備伸長が印加されている、誘電エラストマアクチュエータ。
【請求項8】
前記内圧付与用媒体は、導電性であり、前記第2電極を構成する、請求項に記載の誘電エラストマアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誘電エラストマからなる平板状の膜体と、膜体の両面上にそれぞれ設けられた電極と、を備えた、誘電エラストマアクチュエータがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-61878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来の誘電エラストマアクチュエータでは、膜体が平板状であった。
【0005】
本発明は、膜体が非平板状であるような誘電エラストマアクチュエータを得ることができる誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、膜体が非平板状であるような誘電エラストマアクチュエータを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法は、
液状の誘電性エラストマにモールドをディップし、その後、前記モールドを前記誘電性エラストマから引き上げる、ディップステップと、
前記ディップステップの後、前記モールド上の前記誘電性エラストマを硬化させて、前記モールド上で前記誘電性エラストマからなる膜体を得る、硬化ステップと、
前記硬化ステップの後、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去して、非平板状の3次元形状を有する前記膜体を得る、モールド除去ステップと、
前記モールド除去ステップの後、前記膜体の両面上にそれぞれ第1電極及び第2電極を設け、前記誘電エラストマアクチュエータを得る、組立ステップと、
を含む。
【0007】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記モールドは、第1溶媒によって溶けるような第1可溶性材料で構成されており、
前記モールド除去ステップでは、前記モールドを前記第1溶媒によって溶かすことによって、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去するようにしてもよい。
【0008】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記ディップステップの前に、前記モールドを製造する、モールド製造ステップを、さらに含み、
前記モールド製造ステップは、3Dプリンタによって、サポート材を使用せずに、前記第1可溶性材料を用いて前記モールドを造形する、モールド造形ステップを、含んでもよい。
【0009】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記ディップステップの前に、前記モールドを製造する、モールド製造ステップを、さらに含み、
前記モールド製造ステップは、
3Dプリンタによって、前記第1溶媒とは異なる第2溶媒によって溶けるような第2可溶性材料からなるサポート材を使用しつつ、前記第1可溶性材料を用いて前記サポート材上に前記モールドを造形する、モールド造形ステップと、
前記モールド造形ステップの後、前記サポート材を前記第2溶媒によって溶かすことによって、前記サポート材上の前記モールドから前記サポート材を除去する、サポート材除去ステップと、
を含んでもよい。
【0010】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記モールド除去ステップでは、前記膜体から前記モールドを離型することによって、前記モールド上の前記膜体から前記モールドを除去してもよい。
【0011】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記膜体は、内部に空洞を区画しているとともに、前記空洞に連通する開口を有しており、
前記組立ステップにおいて、前記第1電極は、前記膜体の外面上に設けられ、前記第2電極は、前記膜体の内面上に設けられてもよい。
【0012】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記組立ステップでは、前記膜体の前記空洞に内圧付与用媒体を充填し、それにより、前記膜体に予備伸長を印加してもよい。
【0013】
本発明の誘電エラストマアクチュエータの製造方法において、
前記内圧付与用媒体は、導電性であり、前記第2電極を構成してもよい。
【0014】
本発明の誘電エラストマアクチュエータは、
誘電性エラストマからなり、非平板状の3次元形状を有する、膜体と、
前記膜体の両面上にそれぞれ設けられた、第1電極及び第2電極と、
を備え、
前記膜体は、自然状態において、非平板状の3次元形状を有する。
【0015】
本発明の誘電エラストマアクチュエータにおいて、
前記膜体は、内部に空洞を区画しているとともに、前記空洞に連通する開口を有しており、
前記第1電極は、前記膜体の外面上に設けられており、
前記第2電極は、前記膜体の内面上に設けられていてもよい。
【0016】
本発明の誘電エラストマアクチュエータにおいて、
前記膜体の前記空洞には、内圧付与用媒体が充填されており、それにより、前記膜体には予備伸長が印加されていてもよい。
【0017】
本発明の誘電エラストマアクチュエータにおいて、
前記内圧付与用媒体は、導電性であり、前記第2電極を構成してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、膜体が非平板状であるような誘電エラストマアクチュエータを得ることができる誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、膜体が非平板状であるような誘電エラストマアクチュエータを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるディップステップで、モールドをディップする様子を示す図面である。
図2】本発明の第1実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるディップステップで、モールドを引き上げる様子を示す図面である。
図3】本発明の第1実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド除去ステップを説明するための図面である。
図4】本発明の第1実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド除去ステップにより得られた膜体を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド除去ステップを説明するための図面である。
図6】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第1例におけるモールド造形ステップで使用される3D造形用データを概略的に示す図面である。
図7】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第1例におけるモールド造形ステップでモールドを造形する様子を示す図面である。
図8】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第1例におけるモールド造形ステップで得られたモールドを示す図面である。
図9】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第2例におけるモールド造形ステップでモールドを造形する様子を示す図面である。
図10】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第2例におけるモールド造形ステップで得られたモールド及びサポート材を示す図面である。
図11】本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド製造ステップの第2例におけるサポート材除去ステップでサポート材を溶かす様子を示す図面である。
図12】本発明の一実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータを備えた誘電エラストマアクチュエータシステムを概略的に示す図面である。
図13図12の誘電エラストマアクチュエータの動作を説明するための図面であり、図13(a)は電圧を印加していない時の様子を示しており、図13(b)は電圧を印加した時の様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る、誘電エラストマアクチュエータの製造方法、及び、誘電エラストマアクチュエータの実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
以下では、「誘電エラストマアクチュエータ」を「DEA」(Dielectric Elastomer Actuator)と表記する場合がある。
【0021】
図12は、本発明の一実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータ(DEA)1を備えた、誘電エラストマアクチュエータ(DEA)システム2を示している。DEA1は、後述の本発明の任意の実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータ(DEA)の製造方法によって製造することができる。DEA1は、誘電性エラストマからなる膜体10と、膜体10の両面上にそれぞれ設けられた、第1電極11及び第2電極12と、を備えている。膜体10は、非平板状の3次元形状を有している。膜体10がなす3次元形状は、非平板状である限り、任意の形状とすることができる。DEA1及びDEAシステム2については、後により詳しく説明する。
【0022】
ここで、図1図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るDEAの製造方法を説明する。本発明の第1実施形態のDEAの製造方法は、ディップステップと、硬化ステップと、モールド除去ステップと、組立ステップと、を含む。
【0023】
まず、ディップステップを行う前に、予め、誘電性エラストマ槽TEに入れられた液状の誘電性エラストマEと、モールドMと、を準備する(図1)。
誘電性エラストマEは、誘電体のエラストマであれば任意でよく、例えば、シリコーン系エラストマ(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等)、ゴム、アクリル系エラストマ、ウレタン系エラストマ等が挙げられる。
モールドMは、図の例では球形状を有しているが、任意の3次元形状を有してよい。
【0024】
その後、ディップステップにおいて、液状の誘電性エラストマEにモールドMをディップし(図1)、その後、モールドMを誘電性エラストマEから引き上げる(図2)。これにより、誘電性エラストマEの粘性によって、モールドM上には、誘電性エラストマEが膜状に付着する。
【0025】
ディップステップの後、硬化ステップにおいて、モールドM上の誘電性エラストマEを硬化させて、モールドM上で誘電性エラストマEからなる膜体10を得る。誘電性エラストマEを硬化させる方法は、誘電性エラストマEの材料によって異なるが、例えば、誘電性エラストマEを加熱したり、あるいは、誘電性エラストマEを常温で乾燥させたりすることにより、行う。
【0026】
硬化ステップの後、モールド除去ステップにおいて、モールドM上の膜体10からモールドMを除去して、膜体10を得る(図3)。モールド除去ステップにより得られる膜体10は、自然状態において、非平板状の3次元形状を有しており、具体的には、モールドMの外形状に沿った3次元形状を有する(図4)。ここで、「自然状態」とは、膜体10に外力が加わっていない状態を指す。
第1実施形態では、より具体的に、モールド除去ステップにおいて、膜体10からモールドMを離型することによって、モールドM上の膜体10からモールドMを除去する(図3)。これにより、膜体10からモールドMを簡単に除去することができる。
ここで、膜体10からモールドMを「離型する」とは、外力によってモールドMを膜体10から引き離すことを指す。
第1実施形態において、モールドMを構成する材料は、例えば、金属、樹脂等、任意でよい。また、第1実施形態において、モールドMは、任意の方法で製造されてよく、例えば、金型成型により製造されてもよいし、あるいは、3Dプリンタによる造形によって製造されてもよい。
【0027】
モールド除去ステップの後、組立ステップでは、膜体10の両面上にそれぞれ第1電極11及び第2電極12を設ける等して、DEA1(図12)を得る。
【0028】
なお、モールド除去ステップの前にディップステップ及び硬化ステップを1回のみ行ってもよいし、あるいは、硬化ステップの前にディップステップを複数回にわたって繰り返して行ったり、モールド除去ステップの前にディップステップ及び硬化ステップを複数回にわたって繰り返して行ったりすることにより、膜体10の厚さを増大させてもよい。
【0029】
本発明の第1実施形態に係るDEAの製造方法によれば、上述したディップステップ、硬化ステップ、及びモールド除去ステップを経て、非平板状の3次元形状を有する膜体10を得るので、膜体10が非平板状であるようなDEA1を得ることができる。
【0030】
つぎに、図5図11を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るDEAの製造方法を説明する。本発明の第2実施形態のDEAの製造方法は、モールド除去ステップの内容が第1実施形態とは異なる。ディップステップ、硬化ステップ、及び組立ステップは、第1実施形態と同様である。
図5は、本発明の第2実施形態に係る誘電エラストマアクチュエータの製造方法におけるモールド除去ステップを説明するための図面である。
第2実施形態では、モールドMは、第1溶媒S1によって溶けるような第1可溶性材料で構成されている。第1溶媒S1及び第1可溶性材料は、それぞれ任意であるが、例えば、第1溶媒S1を水とし、第1可溶性材料を水溶性材料(例えば、水溶性ポリビニルアルコール(PVA)等)としてもよいし、あるいは、第1溶媒S1を油とし、第1可溶性材料を油溶性材料としてもよいし、あるいは、第1溶媒S1を有機溶剤とし、第1可溶性材料をABS樹脂やASA樹脂等としてもよい。ただし、第1溶媒S1は、膜体10を溶かすことができないものとする。
第2実施形態において、モールド除去ステップでは、モールドMを第1溶媒S1によって溶かすことによって、モールドM上の膜体10からモールドMを除去し(図5)、それにより、膜体10を得る(図4)。具体的には、例えば、図5に示すように、硬化ステップ後のモールドM及び膜体10を、第1溶媒槽T1に入った第1溶媒S1に漬けることで、モールドMを第1溶媒S1によって溶かす。
【0031】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、膜体10が非平板状であるようなDEA1を得ることができる。また、第2実施形態によれば、モールド除去ステップにおいてモールドMを第1溶媒S1によって溶かす(図5)ので、第1実施形態のようにモールド除去ステップにおいて膜体10からモールドMを離型する場合(図3)に比べて、膜体10の形状を、離型できないような形状とすることもできるので、膜体10の形状の自由度を向上でき、例えば、膜体10の形状を複雑な形状とすることも可能となる。
【0032】
本発明の第2実施形態のDEAの製造方法は、ディップステップの前に、モールドMを製造する、モールド製造ステップを、さらに含んでもよい。
モールド製造ステップにおいて、モールドMは、任意の方法で製造されてよい。
例えば、モールド製造ステップは、図6図8に示す第1例や、図9図11に示す第2例のように、3DプリンタPによって、第1可溶性材料を用いてモールドMを造形する、モールド造形ステップを、含んでもよい。モールドMを3DプリンタPによって造形することにより、例えばモールドMを金型成型により製造する場合に比べて、モールドMの形状の自由度を向上できる。
以下、図6図8に示す第1例と、図9図11に示す第2例とについて、順次説明する。
【0033】
図6図8に示すモールド製造ステップの第1例は、モールド造形ステップにおいて、3DプリンタPによって、サポート材を使用せずに、第1可溶性材料を用いてモールドMを造形する。より具体的に、モールド製造ステップの第1例は、3次元形状データ作成ステップと、3D造形用データ生成ステップと、モールド造形ステップと、を含む。
まず、3次元形状データ作成ステップにおいて、コンピュータを用いて、モールドMの3次元形状を表す3次元形状データ(例えば、3次元CADデータ)を作成する。
つぎに、3D造形用データ生成ステップにおいて、コンピュータを用いて、3次元形状データ作成ステップで作成した3次元形状データを、3D造形用データD(図6)に変換する。3D造形用データDは、3DプリンタPの造形部P2が造形を行う際に3DプリンタPの制御部P1によって読み込まれるものであり、制御部P1が、造形部P2に、造形物としてのモールドMを、造形させるように構成されている。3D造形用データDは、例えば、造形物としてのモールドMの各層の2次元形状を表すスライスデータを含む。
つぎに、モールド造形ステップにおいて、3DプリンタPによってモールドMの造形を行う(図7)。3DプリンタPは、例えば、光造形方式、粉末焼結積層方式、熱溶融積層方式(FDM方式)、インクジェット方式等、任意の造形方式を用いて造形を行ってよい。図7では、熱溶融積層方式(FDM方式)によって造形を行う様子を示している。3DプリンタPは、例えば、CPU等によって構成された制御部P1と、制御部P1による制御に従って造形を行う造形部P2と、造形される造形物としてのモールドMを載せるための支持台P5と、支持台P5及び造形物としてのモールドMが収容される収容体P6と、を備える。造形部P2は、モデル材MMを用いて造形物を造形するように構成されたモデル材ノズルP3を有している。モデル材ノズルP3は、本例のように3DプリンタPが熱溶融積層方式(FDM方式)を用いて造形する場合、モデル材MMを吐出するように構成される。モデル材MMとしては、第1可溶性材料を用いる。このように構成された3DプリンタPは、モールド造形ステップにおいて、制御部P1が、3D造形用データDを読み込み、読み込んだ3D造形用データDに含まれる3次元形状に基づいて、造形部P2に、モデル材MMを用いて各層を順次造形させていく。この際、3DプリンタPは、サポート材を使用せずに(すなわち、サポート材によって造形物としてのモールドMを支持せずに)、第1可溶性材料をモデル材MMとして用いてモールドMを造形する。
モールド造形ステップにより、第1可溶性材料からなるモデル材MMから構成されたモールドMが得られる(図8)。
上述したモールド製造ステップの第1例は、サポート材を用いないので、モールド造形ステップの後にサポート材を除去するステップが不要であり、モールド製造ステップが簡易なものとなる。
【0034】
図9図11に示すモールド製造ステップの第2例は、モールド造形ステップにおいて、3DプリンタPによって、第1溶媒S1(図5)とは異なる第2溶媒S2(図11)によって溶けるような第2可溶性材料からなるサポート材SMを使用しつつ、第1可溶性材料を用いてサポート材SM上にモールドMを造形する。より具体的に、モールド製造ステップの第2例は、第1例について上述した3次元形状データ作成ステップ、3D造形用データ生成ステップ、及びモールド造形ステップに加えて、サポート材除去ステップを含む。3次元形状データ作成ステップ及び3D造形用データ生成ステップは、上述した第1例と同様である。
モールド造形ステップで用いる3DプリンタPは、造形部P2が、モデル材ノズルP3に加えて、造形中に造形物としてのモールドMを支持するサポート材SMを吐出するように構成されたサポート材ノズルP4を、さらに有している。サポート材SMとしては、第1溶媒S1(図5)とは異なる第2溶媒S2(図11)によって溶けるような第2可溶性材料を用いる。第2溶媒S2及び第2可溶性材料は、第2溶媒S2が第1溶媒S1と異なるものである限り、それぞれ任意であるが、例えば、第2溶媒S2を水とし、第2可溶性材料を水溶性材料(例えば、水溶性ポリビニルアルコール(PVA)等)としてもよいし、あるいは、第2溶媒S2を油とし、第2可溶性材料を油溶性材料としてもよいし、あるいは、第2溶媒S2を有機溶剤とし、第2可溶性材料をABS樹脂やASA樹脂等としてもよい。ただし、第2溶媒S2は、モールドMを溶かすことができないものとする。このように構成された3DプリンタPは、モールド造形ステップにおいて、制御部P1が、3D造形用データDを読み込み、読み込んだ3D造形用データDに含まれる3次元形状に基づいて、造形部P2に、モデル材MM及びサポート材SMを用いて各層を順次造形させていく。この際、3DプリンタPは、第2可溶性材料からなるサポート材SMを使用しつつ(すなわち、サポート材SMによって造形物としてのモールドMのオーバーハング部を支持しつつ)、第1可溶性材料をモデル材MMとして用いてサポート材SM上にモールドMを造形する(図9)。
モールド造形ステップにより、第2可溶性材料からなるサポート材SMによって支持された、第1可溶性材料からなるモデル材MMから構成されたモールドMが得られる(図10)。
モールド造形ステップの後、サポート材除去ステップにおいて、サポート材SMを第2溶媒S2によって溶かすことによって、サポート材SM上のモールドMからサポート材SMを除去し(図11)、それにより、モールドMを得る。具体的には、例えば、図11に示すように、モールド造形ステップ後のモールドM及びサポート材SMを、第2溶媒槽T2に入った第2溶媒S2に漬けることで、サポート材SMを第2溶媒S2によって溶かす。
上述したモールド製造ステップの第2例は、造形中にサポート材を用いるので、オーバーハング部を有しサポート材が必要となるような形状のモールドMを造形することができる。また、サポート材SMを構成する第2可溶性材料を溶かすための第2溶媒S2(図11)は、モールドMを構成する第1可溶性材料を溶かすための第1溶媒S1(図5)とは異なるので、サポート材除去ステップにおいて、第2溶媒S2によってモールドMを溶かすことがない。
【0035】
ただし、第2実施形態では、モールド製造ステップにおいて、モールドMは、金型成型によって製造されてもよい。
【0036】
上述の本発明の各実施形態に係るDEAの製造方法により製造されることができる、本発明の一実施形態に係るDEA1は、例えば、図12及び図13に示すものとなる。図12は、本発明の一実施形態に係るDEA1を備えたDEAシステム2を概略的に示している。図13は、図12のDEA1の動作を説明するための図面であり、図13(a)はDEA1に電圧を印加していない時の様子を示しており、図13(b)はDEA1に電圧を印加した時の様子を示している。DEA1は、誘電性エラストマからなる膜体10と、膜体10の両面上にそれぞれ設けられた、第1電極11及び第2電極12と、を備えている。図12図13のDEA1の膜体10は、図4に示す膜体10と同じである。膜体10は、DEA1の一部を構成している状態、かつ、DEA1に電圧が印加されていない状態において、非平板状の3次元形状を有している(図13(a))。また、膜体10は、単体で見たときに、自然状態において、非平板状の3次元形状を有している(図4)。本例において、膜体10は、略球形状(具体的には、中空球形状に開口10Bを設けた形状)を有しているが、膜体10がなす3次元形状は、非平板状である限り、任意の形状とすることができる。
【0037】
DEAシステム2(図12)は、DEA1を駆動させるように構成されている。DEAシステム2は、DEA1に加えて、DEA1の第1電極11及び第2電極12に電気的に接続された電源装置23を備える。電源装置23は、DEA1に電圧を印加したり、DEA1への電圧の印加を停止したりする。電源装置23は、例えば、直流電源とすることができる。
【0038】
DEA1は、電源装置23によって電圧が印加されると、第1電極11及び第2電極12どうしが静電気力によって引き合うことで、膜体10のなす3次元形状が膨張するように、膜体10が伸びる(図13(b))。その後、DEA1は、電源装置23によって電圧の印加が停止されると、膜体1のなす3次元形状が収縮するように、膜体10が縮んで、元の形状及び大きさに戻る(図13(a))。DEA1は、非平板状の3次元形状を有するので、電圧が印加された際に、従来の平板状のDEAとは異なる変形動作をすることができる。
【0039】
第1電極11及び第2電極12をそれぞれ構成する材料は、導電性があり、かつ、膜体10の伸縮動作を阻害しないものであれば、任意でよく、例えば、導電性グリース(例えば、カーボングリース)、伸縮性電極、導電性液体(例えば、水)等が好適である。
第1電極11及び第2電極12は、それぞれ、膜体10上の一か所(一部分又は全体)のみに設けられてもよいし、あるいは、膜体10上の複数個所に設けられてもよい。
【0040】
膜体10は、図4図12図13の例のように、内部に空洞10Aを区画しているとともに、空洞10Aに連通する開口10Bを1つ又は複数有していてもよい。
このような膜体10を備えたDEA1を製造するにあたっては、上述の本発明の各実施形態のDEAの製造方法において、まず、ディップステップにおいて、好ましくはモールドMの一部のみを液状の誘電性エラストマEにディップし(図1図2)、それにより、モールドM上に形成される膜体10が空洞10A及び開口10Bを有するようにし(図3図5)、その後のモールド除去ステップにおいて、膜体10の開口Bを介してモールドMを膜体10から除去する(図3図5)。それにより、上述のような膜体10を得る。その後、組立ステップにおいて、第1電極11は、膜体10の外面上に設けられ、第2電極12は、膜体10の内面上に設けられることで、DEA1が得られる(図12図13)。それにより得られたDEA1においては、第1電極11は、膜体10の外面上に設けられており、第2電極12は、膜体10の内面上に設けられている。この場合、第1電極11は、導電性グリース(例えば、カーボングリース)又は伸縮性電極が好適である。また、第2電極12は、導電性グリース(例えば、カーボングリース)、伸縮性電極、又は、導電性液体(例えば、水)が好適である。図12図13の例においては、第1電極は、カーボングリースであり、第2電極は、水である。第2電極12が導電性液体である場合、第2電極12は、膜体10の空洞10A内に充填されると、好適である。
このように、膜体10が、内部に空洞10Aを区画しているとともに、空洞10Aに連通する開口10Bを1つ又は複数有している場合、DEA1に電圧が印加されると、膜体10の空洞10Aが膨張して膜体10のなす3次元形状が膨張するように、膜体10が伸びる(図13(b))。このような膜体10が有する3次元形状としては、図4図12図13の例のような略球形状(具体的には、中空球形状に開口10Bを設けた形状)の他に、例えば、心臓や肺等の臓器の形状が挙げられる。臓器の形状を有する膜体10を備えたDEA1は、例えば、臓器シミュレータに好適に用いることができる。
【0041】
上述のように、膜体10が、内部に空洞10Aを区画しているとともに、空洞10Aに連通する開口10Bを1つ又は複数有している場合、図12図13の例のように、DEA1の膜体10の空洞10Aには、内圧付与用媒体13が充填されており、それにより、膜体10には予備伸長が印加されていてもよい。膜体10に予備伸長が印加されていることにより、膜体10がより柔らかくなる。膜体10は、エラストマとして一般に、一定の初期ひずみ(予備伸長)を印加した後の方が、ばね定数が低く抑えられるからである。そのため、DEA1に電圧が印加された際に、膜体10がより大きく伸びるようになる。
このようなDEA1を得るにあたっては、例えば、上述の本発明の各実施形態のDEAの製造方法における組立ステップにおいて、膜体10の空洞10Aに内圧付与用媒体13を充填し、それにより、膜体10に予備伸長を印加する。
内圧付与用媒体13を構成する材料は、膜体10に均一に予備伸長を印加する観点から、液体(例えば、水)又は気体(例えば、空気(大気))が好適である。
この場合、DEAシステム2は、図12の例のように、膜体10の開口10Bを介して膜体10の空洞10Aに内圧付与用媒体13を供給するように構成された内圧付与用媒体供給装置22を備えると、好適である。この場合、膜体10の空洞10Aには、内圧付与用媒体供給装置22によって、内圧付与用媒体13が充填される。図12の例において、内圧付与用媒体供給装置22は、膜体10の開口10Bを介して、膜体10の空洞10Aに、液体(例えば、水)からなる内圧付与用媒体13を供給するように構成されている。図12の例において、内圧付与用媒体供給装置22は、内圧付与用媒体13を貯蔵する媒体槽221と、媒体槽221と膜体10の空洞10Aとの間で圧力付与用媒体13を流通させるように構成されたホース222と、を有している。ホース222の膜体10側の一端は、筒状の治具21を介して、膜体10の開口10Bに接続されている。ただし、内圧付与用媒体供給装置22は、図12の例とは異なる構成を有していてもよい。
【0042】
内圧付与用媒体13は、図12図13の例のように、第2電極12を構成してもよい。この場合、内圧付与用媒体13は、導電性である。この場合、内圧付与用媒体13は、図12図13の例のように、導電性液体(例えば、水)であると、好適である。内圧付与用媒体13が第2電極12を構成する場合、内圧付与用媒体13が、内圧付与機能と電極機能との両方の機能を兼ね備えるので、第2電極12を別途設ける必要がなくなり、DEA1の構造の簡単化が可能である。
ただし、内圧付与用媒体13を非導電性とし、第2電極12を別途設けてもよい。その場合、第2電極12は、導電性グリース(例えば、カーボングリース)又は伸縮性電極であると、好適である。
【0043】
また、DEA1の膜体10の空洞10Aには、内圧付与用媒体13が充填されていなくてもよく、ひいては、膜体10には予備伸長が印加されていなくてもよい。
【0044】
膜体10の厚さは、DEA1の性能向上の観点から、例えば0.1~1.0mmが好適である。このような薄い厚さを持つ非平板状の3次元形状の膜体10は、上述したディップステップを含む製造方法以外の製法(例えば、3Dプリンタによる造形)によって製造することは、難しい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のDEAの製造方法によって製造されるDEA、及び、本発明のDEAは、任意の用途に用いることができ、例えば、臓器シミュレータに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 誘電エラストマアクチュエータ(DEA)
10 膜体
10A 空洞
10B 開口
11 第1電極
12 第2電極
13 内圧付与用媒体
2 誘電エラストマアクチュエータ(DEA)システム
21 治具
22 内圧付与用媒体供給装置
221 媒体槽
222 ホース
23 電源装置
M モールド
E 誘電性エラストマ
TE 誘電性エラストマ槽
S1 第1溶媒
T1 第1溶媒槽
S2 第2溶媒
T2 第2溶媒槽
D 3D造形用データ
P 3Dプリンタ
P1 制御部
P2 造形部
P3 モデル材ノズル
P4 サポート材ノズル
P5 支持台
P6 収容体
MM モデル材
SM サポート材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13