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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20241210BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A41D13/11 H
A41D13/11 D
A62B18/02 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021024348
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126330
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】関根 洋平
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-075411(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212467(JP,U)
【文献】特開2012-029990(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2151743(KR,B1)
【文献】特開2022-063398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体部と、耳掛部と、顎掛部と、を具備し、
前記マスク本体部は、使用者の口を塞ぐように構成され、
前記耳掛部は、前記使用者の耳に掛けられるように構成され、
前記顎掛部は、前記使用者の顎またはその近傍を覆うように構成され、
着用時に於いて、前記顎掛部は、その内面が顎の先端部に填まり込み、その外面が前記マスク本体部の内面と滑るように構成され、
前記耳掛部は、前記マスク本体部を開口することで形成された耳掛孔であり、前記顎掛部の両端部は、前記マスク本体部に接続し、
前記顎掛部が前記マスク本体部に接続する接続部は、前記耳掛孔の前後方向中心よりも後方側に配置されることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記接続部は、前記耳掛孔の後端よりも後方側に配置されることを特徴とする請求項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻および口を覆うマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、風邪や新型コロナウイルス等の感染症に罹患することを防止するためにマスクが着用されている。この種のマスクは、四角い平面状のガーゼ等の柔軟性のある素材からなる本体部と、その本体部の両側に取り付けた耳掛紐とによって構成されている。
【0003】
しかしながら、マスクは、口や頬の動きに伴って、マスクの本体部がずれてくるという欠点があった。この欠点に対処するために、本体部の上縁付近や両側縁に針金等の変形可能な部材を入れ、手で針金等を鼻や頬の外形に合致するよう変形させて、本体部の外縁を鼻や頬の外形に密着させて、本体部のずれを防止するものが提供されている。
【0004】
また、以下の特許文献1および特許文献2に、装着時におけるずれを防止するマスクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3228108号公報
【文献】特開2020-84339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1および特許文献2に記載されたマスクでは、装着時におけるマスクのずれを防止する観点から改善の余地があった。
【0007】
具体的には、特許文献1では、装着時に顎の下部分に引っかける顎下紐部を有するが、顎下紐部は本体部の両端部に接続されているのみであり、本体部のずれ上がりを防止する大きな効果を期待できない。また、顎下紐部が使用者の顎を下方から締め付けることで、使用者が不快感を催す恐れもある。
【0008】
引用文献2では、マスクの本体内部で、鼻に掛ける引っ掛け部を有しているが、係る構成では、口が開閉することによるマスクのずれを防止することは難しい課題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、使用者の口の開閉に伴うずれを抑制することができるマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のマスクは、マスク本体部と、耳掛部と、顎掛部と、を具備し、前記マスク本体部は、使用者の口を塞ぐように構成され、前記耳掛部は、前記使用者の耳に掛けられるように構成され、前記顎掛部は、前記使用者の顎またはその近傍を覆うように構成され、着用時に於いて、前記顎掛部は、その内面が顎の先端部に填まり込み、その外面が前記マスク本体部の内面と滑るように構成され、前記耳掛部は、前記マスク本体部を開口することで形成された耳掛孔であり、前記顎掛部の両端部は、前記マスク本体部に接続し、前記顎掛部が前記マスク本体部に接続する接続部は、前記耳掛孔の前後方向中心よりも後方側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使用者の口の開閉に伴うずれを抑制することができるマスクを提供すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係るマスクを示す図であり、(A)はマスクを示す側面図であり、(B)はマスクを示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るマスクを使用者が装着した状態を示す図であり、(A)は使用者がマスクを装着した状態を示す側面図であり、(B)はマスクを装着した使用者が口を閉じている状態を示す拡大側面図であり、(C)はマスクを装着した使用者が口を開いている状態を示す拡大側面図である。
図3】本発明の他の形態に係るマスクを示す図であり、(A)はマスクを示す側面図であり、(B)はマスクを示す正面図である。
図4】本発明の他の形態に係るマスクを使用者が装着した状態を示す図である。
図5】本発明の更なる他の形態に係るマスクを示す図であり、(A)はマスクを示す側面図であり、(B)はマスクを示す正面図である。
図6】本発明の更なる他の形態に係るマスクを示す図であり、(A)はマスクを示す側面図であり、(B)はマスクを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明に於いて、前方とはマスク10を使用する使用者14が向く方向であり、後方とは前方の逆方向であり、左右方向とは前方からマスク10を見た場合の左右である。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
【0028】
図1(A)はマスク10を示す側面図であり、図1(B)はマスク10を示す正面図である。
【0029】
図1(A)を参照して、マスク10は、マスク本体部11と、耳掛部12と、顎掛部13と、を具備する。ここでは、マスク本体部11は、ウレタン生地等の布地から成り、使用者14の顔面に密着する立体マスクを例示している。
【0030】
マスク本体部11は、後述する使用者14の口15および鼻28を塞ぐように構成される。また、マスク本体部11は、後述する使用者14の顎17から鼻孔を塞ぐことができる大きさおよび形状を呈している。
【0031】
耳掛部12は、後述する使用者14の耳16に、後方から掛けられるように構成されている。
【0032】
顎掛部13は、後述する使用者14の顎17またはその近傍を覆うように構成されている。
【0033】
紐状部19は、マスク本体部11の上側後端部から略紐状に伸びる部位であり、耳掛部12および顎掛部13は、紐状部19の一部として形成される。具体的には、紐状部19の上部に、耳に掛けられる湾曲形状を呈する耳掛部12が形成される。また、紐状部19の下部に、下方に向かって略直線状に伸びる顎掛部13が形成されている。
【0034】
顎掛部13の下端である端部29は、紐状部19の中間部よりも幅広に形成されている。例えば、顎掛部13の端部29の幅L1は、1.5cm以上とされている。このようにすることで、後述するように、マスク10を使用者14が着用した際に、使用者の顎の先端部を、顎掛部13で覆うことがでる。
【0035】
顎掛部13の下端には、端部29が形成されている。端部29は、下方に向かって膨らむ湾曲形状を呈している。端部29は、紐状部19の中央部分に相当する部位であり、着用状況下では、後述する顎17の先端部18を覆う部位である。端部29が湾曲形状を呈していることで、後述する使用者14がマスク10を着用した際に、端部29が顎17の先端部18を包み込む。これにより、後述するように、着用状況下にてマスク本体部11がずれない効果を奏することができる。
【0036】
図1(B)を参照して、マスク本体部11は、左方側マスク部23と、右方側マスク部24と、を有する。この図では、マスク10の構成を明示するために、左方側マスク部23の顎掛部13の下端と、右方側マスク部24の顎掛部13の下端とを分離して示している。実際のマスク10では、左方側マスク部23の顎掛部13の下端と、右方側マスク部24の顎掛部13の下端とは、縫合されている。かかる事項は、後述する正面図でも同様である。また、左方側マスク部23および右方側マスク部24は、夫々、一枚の布地を所定形状に切り抜くことで形成される。
【0037】
マスク本体部11の左方部分を左方側マスク部23が形成し、マスク本体部11の右方部分を右方側マスク部24が形成している。また、左方側マスク部23と、右方側マスク部24とは、マスク10の中央を上下方向に沿って伸びる対称線に対して線対称な形状を呈している。
【0038】
左方側マスク部23は、マスク本体部11の左方半分を形成する左方側マスク本体部25と、左方側マスク本体部25の左側上端から伸びる紐状部19と、を有している。紐状部19に、耳掛部12および顎掛部13が形成される。
【0039】
同様に、右方側マスク部24は、マスク本体部11の右方半分を形成する右方側マスク本体部26と、右方側マスク本体部26の右側上端から伸びる紐状部19と、を有している。紐状部19に、耳掛部12および顎掛部13が形成される。
【0040】
また、左方側マスク部23の左方側マスク本体部25の右辺部と、右方側マスク部24の右方側マスク本体部26の左辺部とは、縫い目21に沿って縫合されている。縫い目21は、上下方向に沿って直線状に伸びている。
【0041】
図2(A)はマスク10を装着した状態を示す側面図であり、図2(B)はマスク10を装着した使用者14が口15を閉じている状態を示す拡大側面図であり、図2(C)はマスク10を装着した使用者14が口15を開いている状態を示す拡大側面図である。
【0042】
図2の各図では、使用者14の顔面であってマスク10により覆われる部分を一点鎖線で示し、マスク本体部11に隠れる顎掛部13を点線で示している。また、図2の各図では、使用者14の肌、顎掛部13およびマスク本体部11を離して示しているが、実際は、これらは相互に密着している。
【0043】
図2(A)を参照して、マスク10のマスク本体部11が、使用者14の顔面の鼻28よりも下の部分を覆っている。具体的には、マスク本体部11は、鼻28の下部、鼻孔、口15および顎17を覆っている。顎掛部13の耳掛部12は、耳16に後方から掛けられている。また、顎掛部13は顎17の先端部18を覆うように掛けられている。このようにすることで、マスク本体部11により使用者14の鼻28および口15を覆い、飛沫等の交換を抑制し、新型コロナウイルス感染症等の疫病の蔓延を防止できる。
【0044】
図2(B)を参照して、顎掛部13が顎17の近傍を覆う構成を詳述する。顎掛部13は、顎17の先端部18を包み込むように覆っている。このようにすることで、顎17およびその周辺部において、マスク本体部11の内面は、顎掛部13の外面に接する。換言すると、顎17およびその周辺部において、マスク本体部11の内面は、使用者14の肌には接しない。
【0045】
また、顎掛部13の中央部である端部29が、前方に向かって膨らむ湾曲形状を呈しているため、顎17の先端部18は、端部29に填まり込む。このようにすることで、顎掛部13が、顎17の先端部18からずれることを防止できる。
【0046】
ここで、マスク本体部11の内面と、顎掛部13の外面との間の摩擦係数は、両者とも布系の部材であるため、比較的小さい。一方、マスク本体部11の内面と、使用者14の肌との間における摩擦係数は、使用者14の肌が水分を含むため、比較的大きい。このことから、マスク本体部11の上方部分は使用者14の顔面の肌に密着する一方、マスク本体部11の下方部分は顎掛部13と滑りやすい状況となっている。
【0047】
図2(C)を参照して、会話等を行うべく使用者14が口15を開けると、マスク本体部11の下方部分は、顎掛部13と接触している部分が滑る。一方、マスク本体部11の上方部分は、使用者14の鼻28やその周囲の肌と密着したままである。その後、使用者14が口15を閉じると、マスク本体部11は全体として移動することなく、マスク本体部11の内面と接触している顎掛部13が、マスク本体部11の内面を滑りながら上方に移動する。一方、マスク本体部11の上方部分は、使用者14の鼻28やその周囲の肌と密着したままである。
【0048】
上記のことから、マスク10の使用時において、顎掛部13とマスク本体部11の下方部分とが滑ることで、口の開閉に伴って、マスク本体部11の上方部分が下方に移動することを抑制し、マスク本体部11が使用者14の口15や鼻28からずれてしまうことを防止できる。
【0049】
図3(A)は他の形態に係るマスク10を示す側面図であり、図3(B)はマスク10を示す正面図である。この図に示すマスク10の基本的な構成は、図1等に示したものと同様であり、耳掛孔20を有している点が異なる。
【0050】
図3(A)を参照して、マスク本体部11の後端部近傍を略円形に開口することで、耳掛孔20が形成されている。
【0051】
また、顎掛部13とマスク本体部11とが接続する箇所を接続部27とした場合、接続部27は耳掛孔20の後端よりも後方側に配置されている。このようにすることで、紐状部19および顎掛部13の長さを充分に確保することができる。よって、マスク10の使用時において、紐状部19および顎掛部13の可動範囲を大きくし、顎掛部13とマスク本体部11とが滑ることで、マスク本体部11のずれを防止する効果を大きくすることができる。
【0052】
ここで、接続部27は、耳掛孔20の後端よりも前方側に形成することもできる。例えば、接続部27は、前後方向において、耳掛孔20の中央よりも後方側に配置されても良いし、耳掛孔20の前端よりも後方側に配置されても良い。このような場合であっても、マスク本体部11のずれを防止する効果を奏することができる。
【0053】
図3(B)を参照して、耳掛孔20は、左方側マスク本体部25および右方側マスク本体部26の両方に形成されている。
【0054】
図4は、図3に示したマスク10を、使用者14が装着した状態を示す図である。
【0055】
使用者14がマスク10を装着すると、使用者14の耳16に、耳掛孔20が掛けられる。その他の構成は、図2(A)に示した場合と同様である。耳掛孔20を有することで、使用者14は、より安定的に且つ容易に、マスク10を装着することができる。
【0056】
図5(A)は他の形態に係るマスク10を示す側面図であり、図5(B)はマスク10を示す正面図である。この図に示すマスク10の基本的な構成は、図1等に示したものと同様であり、顎掛部13および耳掛紐部22の構成が異なる。
【0057】
図5(A)を参照して、耳掛紐部22は、使用時に使用者14の耳16に掛ける紐状の部位である。耳掛紐部22の上端はマスク本体部11の後方上端に接続され、耳掛紐部22の下端はマスク本体部11の後方下端に接続される。耳掛紐部22としては、例えば、柔軟性、伸縮性、耐久性等に優れた繊維状材料が採用される。
【0058】
顎掛部13は、マスク本体部11の内面であって下部に収納されている。顎掛部13は、マスク本体部11と同様の布地等から成る。ここでは、顎掛部13をハッチングで示している。顎掛部13がマスク本体部11の内側に収納されるとこで、マスク本体部11を折り畳んだ際に、顎掛部13が外部に飛び出すことがなく、マスク10を全体的にコンパクトにすることができる。
【0059】
図5(B)を参照して、顎掛部13は、マスク本体部11の下側辺に沿って、左右方向に沿って伸びている。顎掛部13の左端部は、マスク本体部11の下辺近傍であって左端部分に接続されている。また、顎掛部13の右端部は、マスク本体部11の下辺近傍であって右端部分に接続されている。顎掛部13とマスク本体部11とは、例えば、縫合により接続される。一方、左右方向における顎掛部13の中間部は、マスク本体部11に対して移動可能とされている。
【0060】
係る構成のマスク10であっても、使用者14がマスク10を装着すると、顎掛部13が使用者14の顎17の先端部18を覆い、且つ顎掛部13の外面が、マスク本体部11の内面に接触する。よって、使用者14の使用状況下において、使用者14が口を開いた際に、マスク本体部11の下端部の内面と、顎掛部13の外面とが良好に滑り、マスク10がずれることを防止できる。
【0061】
図6(A)は他の形態に係るマスク10を示す側面図であり、図6(B)はマスク10を示す正面図である。この図に示すマスク10の基本的な構成は、図1等に示したものと同様であり、顎掛部13がマスク本体部11の内側に配置されている点が異なる。
【0062】
図6(A)を参照して、マスク本体部11の後方側に耳掛孔20が形成されており、また、マスク本体部11の下部の内側に顎掛部13が配置されている。
【0063】
図6(B)を参照して、顎掛部13はマスク本体部11の下辺に沿って配置されている。また、左右方向における顎掛部13の端部は、マスク本体部11に内側から接続されている。よって、図5(B)に示した場合と同様に、装着時におけるマスク本体部11のずれを抑制できる。
【0064】
ここで、顎掛部13は、耳掛部12を介してマスク本体部11と連続する布材である。よって、ここに示すマスク10は、縫合された連続する布地として構成されている。
【0065】
前述した本実施形態により、以下のような主要な効果を奏することができる。
【0066】
図2(B)を参照して、マスク10によれば、着用時に於いて、マスク本体部11の内面が、顎掛部13の外面に接することで、マスク10を着用した際に、使用者14が口15を開け閉めすることで、顎17の位置が上下方向に変位したとしても、マスク本体部11の内面と顎掛部13の外面とが良好に滑ることから、マスク本体部11がずれることが抑止される。
【0067】
更に、顎掛部13が顎17の先端部18に接触することで、顎17の先端部18がマスク本体部11の内面に直に接することを抑制し、顎17の先端部18の移動によりマスク本体部11がずれてしまうことを防止できる。
【0068】
図1(A)を参照して、耳掛部12および顎掛部13が、紐状部19の一部として形成されることで、マスク10の構成を簡略化し、更に、マスク10の製造に要する布地を少なくすることで低コストを実現できる。
【0069】
図3(A)を参照して、マスク本体部11を開口することで形成された耳掛孔20を有していることで、マスク本体部11を使用者14の顔面に好適に密着させることができる。よって、使用者14が口15を開けた際、マスク本体部11の上方部分は使用者14の顔面に密着して動かない一方、マスク本体部11の下方部分と顎掛部13とは滑るので、マスク本体部11が使用者14の顔面からずれてしまうことを防止する効果を顕著にできる。
【0070】
図2(A)を参照して、顎掛部13を長く確保することができ、使用者14が会話するために口15を開けた際であっても、顎17の先端部18を顎掛部13で覆い、顎17の先端部18がマスク本体部11に接することで、マスク本体部11がずれてしまうことを防止できる。
【0071】
図5(A)を参照して、マスク10を畳む状態で、顎掛部13をマスク本体部11の内側に収納することができるので、顎掛部13の外部へのはみ出しを抑制し、マスク10を全体的にコンパクトにすることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
前述した実施形態から把握できる発明を、その効果と主に下記する。
本発明のマスクは、マスク本体部と、耳掛部と、顎掛部と、を具備し、前記マスク本体部は、使用者の口を塞ぐように構成され、前記耳掛部は、前記使用者の耳に掛けられるように構成され、前記顎掛部は、前記使用者の顎またはその近傍を覆うように構成され、着用時に於いて、前記マスク本体部の内面は、前記顎掛部の外面に接することを特徴とする。本発明のマスクによれば、着用時に於いて、マスク本体部の内面が、顎掛部の外面に接することで、マスク着用時に使用者が口を開閉する際に、顎の位置が上下方向に変位したとしても、マスク本体部の内面と顎掛部の外面とが良好に滑ることから、マスク本体部がずれることが抑止される。
また、本発明のマスクでは、前記顎掛部は、顎の先端部に接触するように構成されていることを特徴とする。本発明のマスクによれば、顎掛部が顎の先端部に接触することで、顎の先端部がマスク本体部の内面に直に接することを抑制し、顎の先端部の移動によりマスク本体部がずれてしまうことを防止できる。
また、本発明のマスクでは、前記マスク本体部の端部から紐状に伸びる紐状部と、を更に具備し、前記耳掛部および前記顎掛部は、前記紐状部の一部として形成されることを特徴とする。本発明のマスクによれば、耳掛部および顎掛部が、紐状部の一部として形成されることで、マスクの構成を簡略化し、更に、マスクの製造に要する布地を少なくすることで低コストを実現できる。
また、本発明のマスクでは、前記耳掛部は、前記マスク本体部を開口することで形成された耳掛孔であり、前記顎掛部の一端は、前記マスク本体部に接続していることを特徴とする。本発明のマスクによれば、マスク本体部を開口することで形成された耳掛孔を有していることで、マスク本体部を使用者の顔面に好適に密着させることができる。よって、使用者が口を開けた際、マスク本体部は使用者の顔面に密着して動かない一方、マスク本体部と顎掛部とは滑るので、マスク本体部が使用者の顔面からずれてしまうことを防止する効果を顕著にできる。
また、本発明のマスクでは、前記顎掛部と前記マスク本体部との接続部は、前記耳掛孔の前端近傍に配置されることを特徴とする。本発明のマスクによれば、顎掛部を長く確保することができ、使用者が会話するために口を開けた際であっても、顎の端部を顎掛部で覆い、顎の端部がマスク本体部に接することがなく、マスク本体部がずれてしまうことを防止できる。
また、本発明のマスクでは、前記接続部は、前記耳掛孔の前後方向中心によりも後方側に配置されることを特徴とする。本発明のマスクによれば、顎掛部を更に長く確保することができ、マスク本体部がずれてしまうことを防止できる。
また、本発明のマスクでは、前記接続部は、前記耳掛孔の後端によりも後方側に配置されることを特徴とする。本発明のマスクによれば、顎掛部を特に長く確保することができ、マスク本体部がずれてしまうことを防止できる。
また、本発明のマスクでは、前記顎掛部の端部は、前記マスク本体部の内面に接続することを特徴とする。本発明のマスクによれば、マスクを畳む状態で、顎掛部をマスク本体部の内側に収納することができるので、顎掛部の外部へのはみ出しを抑制し、マスクを全体的にコンパクトにすることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 マスク
11 マスク本体部
12 耳掛部
13 顎掛部
14 使用者
15 口
16 耳
17 顎
18 先端部
19 紐状部
20 耳掛孔
21 縫い目
22 耳掛紐部
23 左方側マスク部
24 右方側マスク部
25 左方側マスク本体部
26 右方側マスク本体部
27 接続部
28 鼻
29 端部


図1
図2
図3
図4
図5
図6