(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】コピー管理システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20241210BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20241210BHJP
G11B 27/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06F3/06 550
G06F3/06 301Z
G06F3/06 303Z
G06F3/06 304F
G11B20/10 311
G11B27/00 C
(21)【出願番号】P 2023043126
(22)【出願日】2023-03-17
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】早川 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 真
(72)【発明者】
【氏名】田子 顕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晋
(72)【発明者】
【氏名】八巻 貴志
(72)【発明者】
【氏名】根岸 邦尚
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-210643(JP,A)
【文献】特開平10-003745(JP,A)
【文献】特開2001-351322(JP,A)
【文献】特開2012-038376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
G11B 20/10
G11B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込む書き込み手段と、
前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定する判定手段と、
前記媒体位置が前記EODであると前記判定手段が判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記する追記手段と、
前記EODを後ろへ移動させる移動手段と、
記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持するコピー情報保持手段と、
を備えるコピー管理システム。
【請求項2】
前記書き込み手段に前記コピー情報の書き込みを指示する指示手段、
を備え、
前記書き込み手段は、
前記指示手段による指示に応じて、前記コピー情報を書き込む、
を備える請求項
1に記載のコピー管理システム。
【請求項3】
コピー管理システムが実行する処理方法であって、
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むことと、
前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定することと、
前記媒体位置が前記EODであると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記することと、
前記EODを後ろへ移動させることと、
記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持することと、
を含む処理方法。
【請求項4】
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むことと、
前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定することと、
前記媒体位置が前記EODであると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記することと、
前記EODを後ろへ移動させることと、
記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コピー管理システム、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな分野でコンピュータが使用されている。コンピュータにおいて処理されるデータは重要であるため、多くのデータに対してバックアップ(データのコピー)が行われ、コンピュータ内に記録されている。特許文献1には、関連する技術として、データの長期保存方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、データを記憶している記録媒体の老朽化などによりその記録媒体を廃棄しようとすることがある。しかしながら、その記録媒体にしか保存されていないデータが存在する可能性があり、それを容易に確認できないため、結局、記録媒体を廃棄できないことがある。そのため、データを記憶している記録媒体を廃棄しても問題ないか否かを容易に判定することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできるコピー管理システム、処理方法、およびプログラムを提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、コピー管理システムは、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込む書き込み手段と、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定する判定手段と、前記媒体位置が前記EODであると前記判定手段が判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記する追記手段と、前記EODを後ろへ移動させる移動手段と、記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持するコピー情報保持手段と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、コピー管理システムが実行する処理方法であって、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むことと、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定することと、前記媒体位置が前記EODであると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記することと、前記EODを後ろへ移動させることと、記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持することと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むことと、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置がEOD(End Of Data)であるか否かを判定することと、前記媒体位置が前記EODであると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報の元情報、コピー範囲、およびコピー日時をコピー情報として追記し、前記第1記録媒体からデータを読み出し終えたときの媒体位置が前記EODでないと判定した場合かつコピー情報領域であると判定した場合、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致していれば追記せず、前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報が一致しなければ前記第2記録媒体を特定可能な前記コピー情報を追記することと、前記EODを後ろへ移動させることと、記録媒体に書き込んだ前記コピー情報を取得する場合、前記EODまで媒体位置を移動させ、さらに1テープマーク分だけ逆方向すなわち前方向に媒体位置を移動させ、1テープマーク分のデータを読み込み、識別情報の有無により前記コピー情報であるか否かを判定し、前記コピー情報であれば前記コピー情報をバッファ部に保持することと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の各態様によれば、データを記憶している記録媒体を廃棄しても問題ないか否かを容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の第1実施形態による記録媒体におけるコピー情報領域の構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第1の例を示す図である。
【
図4】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第2の例を示す図である。
【
図5】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第3の例を示す図である。
【
図6】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムがデータをコピーする前の記録媒体におけるデータの一例を示す図である。
【
図7】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムが行うコピー先にデータを書き込む処理のイメージ図である。
【
図8】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムが行うコピー先からデータを読み出す処理のイメージ図である。
【
図9】本開示の第1実施形態によるコピー管理システムがデータをコピーした場合のコピー元の記録媒体およびコピー先の記録媒体が記憶するデータのイメージの一例を示す図である。
【
図10】本開示の第2実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第1の例を示す図である。
【
図11】本開示の第2実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第2の例を示す図である。
【
図12】本開示の第2実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第3の例を示す図である。
【
図13】本開示の第3実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第1の例を示す図である。
【
図14】本開示の第3実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第2の例を示す図である。
【
図15】本開示の第3実施形態によるコピー管理システムの処理フローの第3の例を示す図である。
【
図16】本開示の実施形態によるコピー管理システムの最小構成を示す図である。
【
図17】本開示の実施形態による最小構成のコピー管理システムの処理フローの一例を示す図である。
【
図18】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1は、データを記憶している記録媒体を廃棄しても問題ないか否かを容易に判定することのできるシステムである。
【0012】
図1は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1の構成の一例を示す図である。コピー管理システム1は、上位装置10およびストレージ装置20を備える。
【0013】
上位装置10は、ストレージ装置20と通信し、ストレージ装置20が備える後述する制御部201にデータのコピーの実行、コピー情報の取得などを指示する。
【0014】
ストレージ装置20は、制御部201(指示手段の一例)、バッファ部202、テープドライブ203a(書き込み手段の一例)、テープドライブ203b(書き込み手段の一例)、記録媒体204a、および記録媒体204bを備える。以下、テープドライブ203aおよびテープドライブ203bを総称してテープドライブ203という場合がある。また、記録媒体204aおよび記録媒体204bを総称して記録媒体204という場合がある。ストレージ装置20は、保管棚などに保管されていた記録媒体をテープドライブ203に挿入しデータを読み書きする。なお、ストレージ装置20は、記録媒体204を複数保管するライブラリ装置であってもよい。
【0015】
制御部201は、バッファ部202、テープドライブ203にアクセスして各種の制御を行う。例えば、制御部201は、
図1に示すように、コピー情報識別手段201a、コピー情報書込指示手段201b、コピー情報取得手段201c、およびコピー情報比較手段201dを備える。
【0016】
コピー情報識別手段201aにより、制御部201は、コピー元の記録媒体204aからデータを読み出した場合、読み出したデータがコピー情報であるか否かを後述する識別情報611で識別する。コピー情報の詳細については後述する。
【0017】
コピー情報書込指示手段201bにより、制御部201は、記録媒体204bへコピー情報を書き込む指示をテープドライブ203bに対して行う。
【0018】
コピー情報取得手段201cにより、制御部201は、テープドライブ203aを介して記録媒体204aから、コピー情報を取得する。
【0019】
コピー情報比較手段201dにより、制御部201は、記録媒体204bへ書き込み済みの情報(すなわち、前回書き込んだコピー情報)と、記録媒体204bへ今回書き込もうとしているコピー情報とを比較し、前回書き込んだコピー情報の内容と今回書き込もうとしているコピー情報の内容とが異なっているか否かを判定する。
【0020】
なお、制御部201が行う処理は、上述の処理に限定されない。例えば、制御部201は、これ以降で説明する処理を行うものであってもよい。
【0021】
バッファ部202は、制御部201を介して、記録媒体204から読み出したデータやコピー情報を、読み出してから記録媒体204bへ書き込むまでの間、一時的に保持する。
【0022】
テープドライブ203は、制御部201からの指示に応じて、記録媒体204について媒体位置を変更する動作を行い、記録媒体204における変更後の媒体位置に対してデータを読み書きする。媒体位置とは、記録媒体204における読み出しまたは書き込みの対象となる領域のことである。なお、テープドライブ203aは、記録媒体204aにデータを読み書きする。また、テープドライブ203bは、記録媒体204bにデータを読み書きする。
【0023】
記録媒体204は、データの読み書きが可能な記録媒体である。なお、説明の都合上、本開示の各実施形態では、記録媒体204aをコピー元の記録媒体とする。また、記録媒体204bをコピー先の記録媒体とする。
【0024】
例えば、記録媒体204aにはコピー元となるユーザーデータが記録されている。また、記録媒体204bは、記録媒体204a以上の記憶容量を有する。また、記録媒体204は、テープドライブ203にロードされた際に、制御部201が取得可能な、記録媒体204のメーカー名や記録媒体204のシリアル番号などの情報を記憶している。
【0025】
図2は、本開示の第1実施形態による記録媒体204におけるコピー情報領域6の構成の一例を示す図である。
図2におけるコピー情報領域6は、コピー情報を記憶する記憶領域である。コピー情報領域6は、
図2に示すように、データ#Nよりも後であって、EOD(End Of Data)よりも前の書き込み可能な領域である。
【0026】
コピー情報領域6は、第1領域、第2領域、および第3領域の3つの領域を有する。第1領域は、ヘッダー61を記憶する領域である。第2領域は、コピー情報62aおよびコピー情報62bを記憶する領域である。第3領域は、トレーラー63を記憶する領域である。
【0027】
ヘッダー61は、
図2に示すように、コピー情報領域6の始まりであることを識別可能にする識別情報611を含む。コピー情報62は、
図2に示すように、コピー情報62aおよびコピー情報62bを含む。コピー情報62は、記録媒体204やコピーに関する情報などの記録媒体204を特定可能な情報である。具体的には、例えば、コピー情報62aは、記録媒体204aの1巻目のコピー先記録媒体のメーカー名621a、シリアル番号622a、記録媒体204aのデータのコピー範囲623a、および記録媒体204aからコピーした日時624aを含む。また、例えば、コピー情報62bは、記録媒体204aの2巻目のコピー先記録媒体のメーカー名621b、シリアル番号622b、記録媒体204aのデータのコピー範囲623b、および記録媒体204aからコピーした日時624bを含む。
【0028】
以下、メーカー名621aおよびメーカー名621bを総称してメーカー名621という場合がある。また、シリアル番号622aおよびシリアル番号622bを総称してシリアル番号622という場合がある。また、コピー範囲623aおよびコピー範囲623bを総称してコピー範囲623という場合がある。また、コピー日時624aおよびコピー日時624bを総称してコピー日時624という場合がある。
【0029】
コピー範囲623は、コピー対象の範囲を示す。コピー範囲623は、block ID(IDentification)などを用いて表される。例えば、データ#1~データ#Nがコピー対象の範囲である場合、コピー範囲623は、データ#1の先頭block IDとデータ#Nの終端block IDとによって表される。なお、制御部201がデータのフォーマットを理解している場合には、コピー範囲623は、フォーマットにおけるデータの位置を特定するための各データ内の識別情報を用いて表されるものであってもよい。
【0030】
なお、コピー情報62は、複数のコピー情報62a、62b、62c、・・・を含む場合、コピー情報62aが記録媒体204aの1巻目、コピー情報62bが記録媒体204aの2巻目、コピー情報62cが記録媒体204aの3巻目のように、コピー元の記録媒体204aをコピーした巻数に応じて増加する。トレーラー63は、コピー情報領域6が終わること示す識別情報631を含む。
【0031】
なお、
図2には示されていないが、コピー情報領域6は、テープマークで囲まれている。また、コピー情報領域6は、LTFS(Linear Tape File System)のインデックスパーティションのアトリビュートに追加する形でもよい。
【0032】
なお、コピー管理システム1において、上位装置10およびストレージ装置20のそれぞれが行う処理は、上述の処理に限定されない。例えば、コピー管理システム1において、上位装置10およびストレージ装置20は、以下に記載する処理を行うものであってもよい。
【0033】
図3は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第1の例を示す図である。
図4は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第2の例を示す図である。
図5は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第3の例を示す図である。ここで、
図3~
図5を参照して、コピー管理システム1が行う処理について説明する。
【0034】
まず、
図3を参照して、コピー管理システム1が行うコピー先にデータを書き込む処理について説明する。
【0035】
制御部201は、テープドライブ203aを介して、コピー元の記録媒体204aからコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を取得する(ステップS101)。バッファ部202は、制御部201が取得したコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を保持する。
【0036】
制御部201は、バッファ部202に保持しているデータ(後述するステップS202の処理で読み出し済みのデータ)を、コピー先の記録媒体204bへ書き込む指示を、テープドライブ203bに対して行う(ステップS102)。また、制御部201は、バッファ部202に保持しているデータのコピー元である記録媒体204aのメーカー名621、シリアル番号622とコピー範囲623、コピー日時624を含むコピー情報62をコピー先の記録媒体204bへ書き込む指示を、テープドライブ203bに対して行う(ステップS103)。この場合、テープドライブ203bは、記録媒体204aのデータとコピー情報とを記録媒体204bに書き込むことになる。
【0037】
図6は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1がデータをコピーする前の記録媒体204におけるデータの一例を示す図である。
図7は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1が行うコピー先にコピー情報を書き込む処理のイメージ図である。コピー管理システム1は、ステップS101~ステップS103の処理により、
図6に示すコピー元の記録媒体204aがコピー情報を含まず、コピー先の記録媒体204bのデータが空である状態から、
図7に示すコピー元の記録媒体204aがコピー情報を含み(コピー元の記録媒体204aには、後述する処理によりコピー先の記録媒体204bのメーカー名、シリアル番号とコピー範囲、コピー日時の情報を含むコピー情報が書き込まれる)、コピー先の記録媒体204bが、記録媒体204aが記憶しているデータおよび記録媒体204aのメーカー名、シリアル番号とコピー範囲、コピー日時の情報を含むコピー情報を記憶している状態となる。
【0038】
次に、
図4を参照して、コピー管理システム1が行うコピー元からデータを読み出す処理について説明する。
【0039】
制御部201は、テープドライブ203bを介してコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を事前に取得する(ステップS201)。バッファ部202は、制御部201が取得したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を保持する。
【0040】
制御部201は、コピー元の記録媒体204aからデータを読み出すことをテープドライブ203aに指示する(ステップS202)。テープドライブ203aは、指示に応じてコピー元の記録媒体204aからデータを読み出す。バッファ部202は、テープドライブ203aが読み出したデータを保持する。制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであるか否かを判定する(ステップS203)。
【0041】
制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODではないと判定した場合(ステップS203においてNO)、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がコピー情報領域6であるか否かを判定する(ステップS204)。制御部201は、その媒体位置がコピー情報領域6ではないと判定した場合(ステップS204においてNO)、テープドライブ203aに媒体位置を次の領域へ変更するよう指示する(ステップS205)。そして、制御部201は、ステップS202の処理に戻す。
【0042】
また、制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであると判定した場合(ステップS203においてYES)、コピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とコピー範囲、コピー日時を含むコピー情報を追記する指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS206)。テープドライブ203aは、その指示に応じて、コピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名621a、シリアル番号622aなど)とコピー範囲623a、コピー日時624aを、記録媒体204aにコピー情報62aとして追記する。また、制御部201は、記録媒体204aのEODを後ろへ移動させる(ステップS207)。そして、制御部201は、処理を終了する。
【0043】
また、制御部201は、媒体位置がコピー情報領域6である(ステップS204においてYES)と判定した場合、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とを比較する。そして、制御部201は、比較結果に基づいて、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致するか否かを判定する(ステップS208)。
【0044】
制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致しない(異なっている)と判定した場合(ステップS208においてNO)、コピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名621b、シリアル番号622bなど)とコピー範囲623b、コピー日時624bを、コピー情報領域6にコピー情報62bとして、コピー元の記録媒体204aに追記する指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS206)。テープドライブ203aは、その指示に応じて、コピー情報領域6にコピー情報62bとしてコピー元の記録媒体204aに追記する。また、制御部201は、記録媒体204aのEODを後ろへ移動させる(ステップS207)。
【0045】
また、制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致すると判定した場合(ステップS208においてYES)、処理を終了する。
【0046】
図8は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1が行うコピー元にコピー情報を書き込む処理のイメージ図である。コピー管理システム1は、ステップS201~ステップS208の処理により、
図8に示すコピー元の記録媒体204aがコピー情報を含む状態となる。つまり、コピー管理システム1は、ステップS201からステップS208の処理により、
図8に示すように、ステップS208の処理で書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが異なっていると判定した場合、ステップS201でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名621b、シリアル番号622bなど)とコピー範囲623b、コピー日時624bをコピー情報62bとして、コピー元の記録媒体204aに追記する。
【0047】
次に、
図5を参照して、コピー管理システム1が行うコピー情報を取得する処理について説明する。
【0048】
制御部201は、媒体位置をEODに変更させる指示を、テープドライブ203に対して行う(ステップS301)。次に、制御部201は、媒体位置を1テープマーク分だけ逆方向(すなわち、前方向)に変更させる指示を、テープドライブ203に対して行う(ステップS302)。制御部201は、テープドライブ203に対して、現在の媒体位置から1テープマーク分のデータ読み込みを指示する。制御部201は読み込んだデータから、現在の媒体位置がコピー情報領域6であるか否かを、識別情報611により判定する(ステップS303)。
【0049】
制御部201は、ステップS303で読み込んだデータがコピー情報領域6であると判定した場合(ステップS303においてYES)、バッファ部202にコピー情報62を保持する(ステップS304)。また、制御部201は、ステップS303で読み込んだデータがコピー情報領域6ではないと判定した場合(ステップS303においてNO)、ステップS303で読み込んだデータを破棄し(ステップS305)、処理を終了する。
【0050】
図9は、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1がデータをコピーした場合のコピー元の記録媒体およびコピー先の記録媒体が記憶するデータのイメージの一例を示す図である。コピー管理システム1が上述のような処理を行うことにより、
図9に示すように、コピー元の記録媒体204aは、コピー先の記録媒体204b、204cのメーカー名、シリアル番号とコピー範囲、コピー日時を含むコピー情報(
図9では「コピー情報B」、「コピー情報C」と記載)を記憶する。また、コピー先の記録媒体204b、204cのそれぞれは、コピー元の記録媒体204aが記憶するデータと、記録媒体204aのメーカー名、シリアル番号とコピー範囲、コピー日時を含むコピー情報(
図9では「コピー情報A」と記載)とを記憶する。
【0051】
以上、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1について説明した。コピー管理システム1において、テープドライブ203(書き込み手段の一例)は、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である記録媒体204a(第1記録媒体の一例)に前記データのコピー先である記録媒体204b(第2記録媒体の一例)を特定可能なコピー情報を書き込み、前記記録媒体204bに前記記録媒体204aを特定可能なコピー情報を書き込む。
【0052】
このコピー管理システム1により、記録媒体が記憶しているデータと同一のデータ(すなわち、データのコピー)が別の記録媒体に存在しているのか否かを容易に特定することができる。その結果、そのデータを記憶している記録媒体を廃棄しても問題ないか否かを容易に判定することができる。
【0053】
また、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1によれば、データのコピー先である記録媒体を直ちに特定できる。その結果、コピー管理システム1において、記録媒体の運用方針の変更や廃棄時にデータの削除が可能であるかを上位装置に負担をかけずに容易に判断することができる。
【0054】
また、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1によれば、記録媒体においてコピーを含めた特定のデータをすべて削除したい場合に、削除対象のデータのコピー先の記録媒体を容易に特定することができる。
【0055】
また、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1によれば、必ずデータのコピーを作成する構成において上位装置が保持するデータ管理情報が破損した場合であっても、データのコピー先の記録媒体を容易に特定することができる。
【0056】
<第2実施形態>
(コピー管理システムの構成)
本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1は、パーティション機能を有する記録媒体204を備える。
【0057】
(コピー管理システムが行う処理)
図10は、本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第1の例を示す図である。ここでは、
図10を参照して、制御部201が行うコピー先の記録媒体204bにデータを書き込む処理について説明する。
【0058】
制御部201は、テープドライブ203aを介して、コピー元の記録媒体204aのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を取得する(ステップS401)。そして、制御部201は、取得したコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)をバッファ部202に保持する。
【0059】
また、制御部201は、テープドライブ203bに対して、バッファ部202に保持しているデータ(後述する
図11におけるステップS502の処理により読み出し済み)を、コピー先の記録媒体204bへ書き込む指示を行う(ステップS402)。制御部201は、テープドライブ203bに、コピー先の記録媒体204bにおけるコピー情報専用のパーティションまで媒体位置の変更を指示する(ステップS403)。そして、制御部201は、バッファ部202に保持しているコピー元である記録媒体204aのメーカー名621、シリアル番号622とコピー範囲623、コピー日時624を含むコピー情報62を、コピー先の記録媒体204bへ書き込む指示を、テープドライブ203bに対して行う(ステップS404)。この場合、テープドライブ203bは、記録媒体204aのコピー情報62を記録媒体204bに書き込むことになる。なお、コピー情報62は、記録媒体204bのコピー情報専用のパーティションに書き込まれる。
【0060】
図11は、本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第2の例を示す図である。次に、
図11を参照して、コピー管理システム1が行うコピー元からデータを読み出す処理について説明する。
【0061】
制御部201は、テープドライブ203bを介して、コピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を事前に取得する(ステップS501)。バッファ部202は、制御部201が取得したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を保持する。
【0062】
コピー元の記録媒体204aからデータを読み出すことをテープドライブ203aに指示する(ステップS502)。テープドライブ203aは、指示に応じてコピー元の記録媒体204aからデータを読み出す。バッファ部202は、テープドライブ203aが読み出したデータを保持する。制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであるか否かを判定する(ステップS503)。
【0063】
制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODではないと判定した場合(ステップS503においてNO)、テープドライブ203aに、記録媒体204aにおける媒体位置を次の領域へ変更する指示を行う(ステップS504)。そして、制御部201は、ステップS502の処理に戻す。
【0064】
また、制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであると判定した場合(ステップS503においてYES)、テープドライブ203aに、記録媒体204aにおけるコピー情報専用のパーティションまで媒体位置の変更を指示する(ステップS505)。そして、制御部201はテープドライブ203aに対して、1テープマーク分のデータ読み込みを指示する。制御部201は読み込んだデータから、コピー情報専用のパーティションに、コピー情報があるか否かを識別情報611により判定する(ステップS506)。
【0065】
制御部201は、コピー情報専用のパーティションに、コピー情報がないと判定した場合(ステップS506においてNO)、バッファ部202に保持しているデータのコピー先である記録媒体204bのメーカー名621a、シリアル番号622aとコピー範囲623a、コピー日時624aを、コピー元の記録媒体204aのコピー情報専用のパーティションへコピー情報62aとして書き込む指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS507)。この場合、テープドライブ203aは、記録媒体204bのコピー情報を記録媒体204aに書き込むことになる。なお、コピー情報は、記録媒体204aのコピー情報専用のパーティションに書き込まれる。そして、制御部201は、処理を終了する。
【0066】
また、制御部201は、コピー情報専用のパーティションに、コピー情報があると判定した場合(ステップS506においてYES)、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS501でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とを比較する。そして、制御部201は、比較結果に基づいて、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS501でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致するか否かを判定する(ステップS508)。
【0067】
制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS501でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致しないと判定した場合(ステップS508においてNO)、コピー情報領域6にコピー情報62bとして、バッファ部202に保持しているデータのコピー先である記録媒体204bのメーカー名621b、シリアル番号622bとコピー範囲623b、コピー日時624bを、コピー元の記録媒体204aのコピー情報専用のパーティションへ書き込む指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS507)。
【0068】
また、制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS501でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致すると判定した場合(ステップS508においてYES)、処理を終了する。
【0069】
図12は、本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第3の例を示す図である。次に、
図12を参照して、コピー管理システム1が行うコピー情報を取得する処理について説明する。
【0070】
制御部201は、テープドライブ203にコピー情報専用のパーティションまで媒体位置の変更を指示する(ステップS601)。制御部201は、コピー情報専用のパーティションからコピー情報を読み出す指示を、テープドライブ203に対して行う(ステップS602)。この場合、テープドライブ203は、記録媒体204における所定のパーティションからコピー情報を読み出すことになる。
【0071】
以上、本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1について説明した。制御部201は、テープドライブ203にコピー情報専用のパーティションまで媒体位置の変更を指示しコピー情報の書き込みを指示する。テープドライブ203は、記録媒体204のそれぞれにおける所定のパーティションにコピー情報を書き込む。
【0072】
本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1では、コピー情報を書き込む場合、チェックサムが変わってしまう。また、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1では、データを追記した場合、コピー情報がEODの前ではなくなり、コピー情報の取得や追記ができなくなる。
【0073】
本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1により、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1に比べて、コピー元の記録媒体204aにコピー情報を書き込んでも、チェックサムが変わらないという効果が得られる。また、このコピー管理システム1により、本開示の第1実施形態によるコピー管理システム1に比べて、コピー情報を記録済みの記録媒体204にユーザーデータを追記しても、コピー情報専用のパーティションによって、記録済みのコピー情報が無効にならないという効果が得られる。
【0074】
<第3実施形態>
(コピー管理システムの構成)
本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1は、第2実施形態によるコピー管理システム1におけるコピー情報専用のパーティションの代わりに記録媒体204を格納するカートリッジが有するカートリッジメモリにコピー情報を記録する。
【0075】
(コピー管理システムが行う処理)
図13は、本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第1の例を示す図である。ここでは、
図13を参照して、制御部201が行うコピー先の記録媒体204bにデータを書き込む処理について説明する。
【0076】
制御部201は、テープドライブ203aを介して、コピー元の記録媒体204aのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を取得する(ステップS701)。そして、制御部201は、取得したコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)をバッファ部202に保持する。
【0077】
また、制御部201は、テープドライブ203bに対して、バッファ部202に保持しているデータ(後述する
図14におけるステップS802の処理により読み出し済み)を、コピー先の記録媒体204bへ書き込む指示を行う(ステップS702)。制御部201は、バッファ部202に保持しているデータのコピー元である記録媒体204aのメーカー名621、シリアル番号622とコピー範囲623、コピー日時624を含むコピー情報62を、コピー先の記録媒体204bを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリへ書き込む指示を、テープドライブ203bに対して行う(ステップS703)。この場合、テープドライブ203bは、記録媒体204aのコピー情報62を、記録媒体204bを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリに書き込むことになる。
【0078】
図14は、本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第2の例を示す図である。次に、
図14を参照して、コピー管理システム1が行うコピー元からデータを読み出す処理について説明する。
【0079】
制御部201は、テープドライブ203bを介して、コピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を事前に取得する(ステップS801)。バッファ部202は、制御部201が取得したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)を保持する。
【0080】
コピー元の記録媒体204aからデータを読み出すことをテープドライブ203aに指示する(ステップS802)。テープドライブ203aは、指示に応じてコピー元の記録媒体204aからデータを読み出す。バッファ部202は、テープドライブ203aが読み出したデータを保持する。制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであるか否かを判定する(ステップS803)。
【0081】
制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODではないと判定した場合(ステップS803においてNO)、テープドライブ203aに、記録媒体204aにおける媒体位置を次の領域へ変更を指示する(ステップS804)。そして、制御部201は、ステップS802の処理に戻す。
【0082】
また、制御部201は、テープドライブ203aが記録媒体204aからデータを読み出し終えたときの媒体位置がEODであると判定した場合(ステップS803においてYES)、コピー元の記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリが記憶するデータを、そのカートリッジメモリから読み出す指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS805)。そして、制御部201は、記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリに、コピー情報があるか否かを識別情報611により判定する(ステップS806)。
【0083】
制御部201は、記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリに、コピー情報がないと判定した場合(ステップS806においてNO)、バッファ部202に保持しているデータのコピー先である記録媒体204bのメーカー名621a、シリアル番号622aとコピー範囲623a、コピー日時624aを、コピー元の記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリへコピー情報62aとして書き込む指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS807)。この場合、テープドライブ203aは、記録媒体204bのコピー情報を、記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリに書き込むことになる。
【0084】
また、制御部201は、記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリに、コピー情報があると判定した場合(ステップS806においてYES)、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS801でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とを比較する。そして、制御部201は、比較結果に基づいて、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS801でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致するか否かを判定する(ステップS808)。
【0085】
制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS801でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致しないと判定した場合(ステップS808においてNO)、バッファ部202に保持しているデータのコピー先である記録媒体204bのメーカー名621b、シリアル番号622bとコピー範囲623b、コピー日時624bを、コピー元の記録媒体204aを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリへ書き込む指示を、テープドライブ203aに対して行う(ステップS807)。
【0086】
また、制御部201は、書き込み済みであるコピー元の記録媒体204aが記憶するコピー情報62aと、ステップS801でバッファ部202が保持したコピー先の記録媒体204bのコピー情報の元情報(メーカー名、シリアル番号など)とが一致すると判定した場合(ステップS808においてYES)、処理を終了する。
【0087】
図15は、本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1の処理フローの第3の例を示す図である。次に、
図15を参照して、コピー管理システム1が行うコピー情報を取得する処理について説明する。
【0088】
制御部201は、記録媒体204を格納するカートリッジが有するカートリッジメモリからコピー情報を読み出す指示を、テープドライブ203に対して行う(ステップS901)。この場合、テープドライブ203は、記録媒体204を格納するカートリッジが有するカートリッジメモリからコピー情報を読み出すことになる。
【0089】
以上、本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1について説明した。制御部201は、記録媒体204を格納するカートリッジが有するカートリッジメモリからコピー情報を書き込む指示を、テープドライブ203に対して行う。テープドライブ203は、記録媒体204のそれぞれを格納するカートリッジが有するカートリッジメモリにコピー情報を書き込む。
【0090】
本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1では、記録媒体204がライトプロテクトされているとコピー情報を書き込めなくなる。
【0091】
本開示の第3実施形態によるコピー管理システム1により、本開示の第2実施形態によるコピー管理システム1に比べて、記録媒体204がライトプロテクトされている場合であってもコピー情報を記録できるという効果が得られる。
【0092】
図16は、本開示の実施形態によるコピー管理システム1の最小構成を示す図である。コピー管理システム1は、書き込み手段100を備える。書き込み手段100は、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体および前記データのコピー先である第2記録媒体の両方に、前記第1記録媒体および前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込む。書き込み手段100は、例えば、
図1に例示されている制御部201、テープドライブ203a、およびテープドライブ203bのそれぞれが有する機能を用いて実現することができる。
【0093】
図17は、本開示の実施形態による最小構成のコピー管理システム1の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成のコピー管理システム1の処理について
図17を参照して説明する。
【0094】
コピー管理システム1において、書き込み手段100は、データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体および前記データのコピー先である第2記録媒体の両方に、前記第1記録媒体および前記第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込む(ステップS1001)。
【0095】
以上、本開示の実施形態による最小構成のコピー管理システム1について説明した。このコピー管理システム1により、データを記憶している記録媒体を廃棄しても問題ないか否かを容易に判定することができる。
【0096】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0097】
本開示の実施形態について説明したが、上述のコピー管理システム1、上位装置10、ストレージ装置20、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0098】
図18は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図18に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。例えば、上述のコピー管理システム1、上位装置10、ストレージ装置20、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0099】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0100】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0101】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0102】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0103】
(付記1)
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込む書き込み手段、
を備えるコピー管理システム。
【0104】
(付記2)
前記書き込み手段は、
前記第1記録媒体および前記第2記録媒体のそれぞれにおける所定のパーティションに前記コピー情報を書き込む、
付記1に記載のコピー管理システム。
【0105】
(付記3)
前記書き込み手段は、
前記第1記録媒体を格納する第1カートリッジおよび前記第2記録媒体を格納する第2カートリッジのそれぞれが備えるメモリに前記コピー情報を書き込む、
付記1または付記2に記載のコピー管理システム。
【0106】
(付記4)
前記書き込み手段に前記コピー情報の書き込みを指示する指示手段、
を備え、
前記書き込み手段は、
前記指示手段による指示に応じて、前記コピー情報を書き込む、
を備える付記1から付記3の何れか1つに記載のコピー管理システム。
【0107】
(付記5)
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むこと、
を含む処理方法。
【0108】
(付記6)
データをコピーする場合に、前記データのコピー元である第1記録媒体に前記データのコピー先である第2記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込み、前記第2記録媒体に前記第1記録媒体を特定可能なコピー情報を書き込むこと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1・・・コピー管理システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・上位装置
20・・・ストレージ装置
201・・・制御部
202・・・バッファ部
203、203a、203b・・・テープドライブ
204、204a、204b・・・記録媒体