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特許7601465フェノール誘導体及びその医薬における応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】フェノール誘導体及びその医薬における応用
(51)【国際特許分類】
   C07C 317/18 20060101AFI20241210BHJP
   C07C 323/16 20060101ALI20241210BHJP
   C07C 69/16 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 23/00 20060101ALI20241210BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 31/10 20060101ALI20241210BHJP
   A61K 31/222 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C07C317/18 CSP
C07C323/16
C07C69/16
A61P25/20
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/18
A61P25/00
A61P25/06
A61P25/08
A61P23/00
A61P1/08
A61K31/10
A61K31/222
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023568638
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2022073472
(87)【国際公開番号】W WO2022161312
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】202110117767.2
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523283999
【氏名又は名称】天地恒一▲製▼▲薬▼股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲軍▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】梁 学平
(72)【発明者】
【氏名】蒋 海港
(72)【発明者】
【氏名】王 衡新
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 俐▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 志林
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105384608(CN,A)
【文献】JAMES, R. ET AL,Synthesis, biological evaluation, and preliminary structure-activity considerations of a series of alkylphenols as intravenous anesthetic agents,Journal of Medicinal Chemistry,1980年,23(12),1350-1357
【文献】NICOLAOU, K. C. ET AL,Natural Product-like Combinatorial Libraries Based on Privileged Structures. 2. Construction of a 10 000-Membered Benzopyran Library by Directed Split-and-Pool Chemistry Using NanoKans and Optical Encoding,Journal of the American Chemical Society,2000年,122(41),9954-9967
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
(I)に示す化合物又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩であって、
ここで、
Xは
【化2】
から選択され、
は、C1-6のアルキル基、C1-6のアルケン、C1-6のアルキン、3~6員ヘテロシクロアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、アルケン、アルキン、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
、Rは、独立してH、ヒドロキシル基、F、C1-6のアルキル基、C1-6のアルケン、C1-6のアルキン、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6のアルコキシ基、CN、NH、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、アルケン、アルキン、ヘテロシクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
又は選択として、RとRは、(=O)を形成することが可能であり、
は、Hであり
又は選択として、RとRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基又はヘテロシクロ基を形成し、前記シクロアルキル基、ヘテロシクロ基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C-Cアルケニル基、C-Cアルキニル、C1-6アルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C1-6アルキル基、3~6員シクロアルキル基、NHRから選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C1-6のアルキル基又はシクロアルキル基から選択され、
Yは、Hであり、
Rは、F、Cl、Br、I、重水素、ヒドロキシル基、カルボキシル基、CN、NH、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3~5員シクロアルキル基又は3~5員ヘテロシクロ基から選択され、
nは、0、1、2、3から選択される、一般式(I)に示す化合物又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物は、一般式(II):
【化3】
(II)に示す化合物から選択され、
ここで、前記Xは
【化4】
から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化合物は、一般式(III):
【化5】
(III)に示す化合物から選択され、
ここで、
前記Xは
【化6】
から選択され、
前記R、R、R、Rは、それぞれ独立してC1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
前記Rは、H、ヒドロキシル基、C1-6のアルキル基、C1-6アルコキシ基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
前記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
前記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記Rは、H、ヒドロキシル基、C1-6のアルキル基、C1-6アルコキシ基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
前記RとRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基又はヘテロシクロ基を形成し、前記シクロアルキル基、ヘテロシクロ基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
前記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
前記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択される、請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記Rは、独立してC1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され
記Rは、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
前記Rは、F、Cl、Br、Iから選択される、請求項4に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記RとRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基を形成し、前記シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
前記Rは、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選択される、請求項5に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物は、
【化7】
【化8】
から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩と、1種又は複数種の薬学的に許容されるベクターとを含む、薬物組成物。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩及び請求項9に記載の薬物組成物の、動物又はヒトの麻酔を誘導及び/又は維持し、動物又はヒトの鎮静催眠を促進し、不安、抑うつ、不眠、悪心、嘔吐、偏頭痛、統合失調症、痙攣と癲癇を治療及び/又は予防する薬物の製造における使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学分野に関し、具体的にフェノール誘導体、及びその立体異性体、薬学的に許容される塩、及び本発明の化合物の中枢神経疾患を治療する薬物の製造における用途に関する。
【背景技術】
【0002】
GABA受容体は、中枢神経系の主要な抑制性神経伝達物質受容体であり、膜貫通ポリペプチドサブユニットの5量体から構成され、19種類の異なるサブユニットは、多種の異なるGABA受容体サブタイプを構成している。GABA受容体は、麻酔、抑うつ、不安、癲癇、記憶障害、薬物依存などの様々な疾患の発症機序と診断治療に関する。そのため、GABA受容体は、薬理学と臨床上重要な薬物作用標的である。プロポフォール及びその誘導体は、GABAを標的とする重要な化合物である。
【0003】
プロポフォールは、多種のGABA受容体サブタイプを活性化することができ、全身麻酔の誘導と維持に広く応用されている。プロポフォールの顕著な薬物動態および薬効学的性質は、迅速な効き目、短い持続時間および迅速な可逆性である。静脈内投与後、プロポフォールは、速やかに血液から心、肺、肝臓などの高灌流域に入り、高脂溶性でプロポフォールが血液脳関門を越えて容易に脳に入って全身麻酔作用を発揮する。
【0004】
プロポフォールの臨床応用の深化に伴い、その少なくない限界と欠点は続々と報告されている。プロポフォールを注射すると、患者の約70%にある程度の痛みや不快感があると報告されている。プロポフォールは、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈血圧を低下させることが証明されるため、臨床的には低血圧を引き起こす可能性がある。同時に呼吸抑制もプロポフォール使用時の無視できないリスクである。これらの副作用は、心臓血管疾患、脳損傷、慢性低血圧などの一部の臨床例でのプロポフォールの使用を大きく阻害している。
【0005】
リンプロポフォールナトリウムは、プロポフォールの水溶性プロドラッグであり、アルカリホスファターゼにより速やかに加水分解され、プロポフォール、リン酸塩及びホルムアルデヒドを放出する。リンプロポフォールナトリウムは、プロポフォールの静脈注射部位の痛みを緩和するが、依然としてプロポフォール原薬の形で効果を発揮するため、呼吸抑制と不良な血行動態効果のリスクが存在し、同時にリンプロポフォールナトリウムは、感覚異常と痒みを引き起こすことがある。
【0006】
上記のプロポフォールおよびリンプロポフォールに存在する限界と欠点に対して、より優れた薬物動態および薬効学的特性を有し、副作用の少ない新しいGABA受容体アゴニストの開発が必要である。
【0007】
特許US20050032753A1は、麻酔と鎮静のためのフェノール誘導体を記述しており、ここで、RとRは、独立してC1-8アルキル基、C1-8シクロアルキル基から選択され、Lは、共有結合、C1-12ヒドロカルビル基から選択され、Rは、-C(=O)ORから選択され、ここで、Rは、C1-12ヒドロカルビル基から選択され、
【化1】
【0008】
さらに次の式を開示し、ここで、Rは、C-Cアルキル基、C-Cアルケニル基又はC-Cアルキニルであり、Rは、C-Cアルキル基、C-Cシクロアルキル基であり、Rは、メチルであり、又は、RとRは、それらが結合している炭素原子とともにC3-8シクロアルキル基を形成し、及び、Rは、C-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、C-Cアルキニル又はC-Cシクロアルキル基である。しかし、該特許に開示された化合物は、いずれも本発明に請求される構造一般式に含まれておらず、かつ該特許にはいかなる具体的な化合物の薬効データも開示されていないため、当業者は、該特許から各置換基の違いが薬効の違いを生じるか否かを知ることができないため、該特許は、より優れた薬効を有する具体的な化合物構造を取得するために、当業者にある特定の方向に対して更なる改良を行うことを示唆しない。該特許は、本発明の化合物の構造と大きく異なり、この特許における具体的な記述が本発明の一部であるとは認められない。
【化2】
【0009】
特許CN104507899Aは、フェノール誘導体及びその製造方法、及びその中枢神経分野における用途を開示し、次の一般式を開示しており、該特許は、本発明の化合物の構造と大きく異なり、この特許における具体的な記述が本発明の一部であるとは認められない。
【化3】
【0010】
特許CN104507898Aは、フェノール誘導体及びその製造方法、及びその中枢神経分野における用途を開示し、次の一般式を開示しており、該特許は、本発明の化合物の構造と大きく異なり、この特許における具体的な記述が本発明の一部であるとは認められない。
【化4】
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、動物又はヒト麻酔を誘導及び/又は維持し、鎮静催眠を促進し、不安、悪心、嘔吐、偏頭痛、痙攣、癲癇、神経変性疾患及び中枢神経系に関する疾患を治療及び/又は予防するためにより多くのより優れた薬物選択経路を提供するように、新規構造を有し、より優れた薬効を有し、副作用を効果的に低減でき、より臨床的に安全であるGABA受容体アゴニストフェノール誘導体、及びその立体異性体、及びその中枢神経分野における用途を提供することである。
【0012】
本発明の一態様によれば、一般式(I):
【化5】
(I)に示す化合物又はその立体異性体、薬学的に許容される塩を提供し、
ここで、
Xは、S、-OC(=O)-、
【化6】
から選択され、
は、C1-6のアルキル基、C1-6のアルケン、C1-6のアルキン、3~6員ヘテロシクロアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記の、アルキル基、アルケン、アルキン、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
、Rは、独立してH、ヒドロキシル基、F、C1-6のアルキル基、C1-6のアルケン、C1-6のアルキン、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6のアルコキシ基、CN、NH、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、アルケン、アルキン、ヘテロシクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
又は選択として、RとRは、(=O)を形成することが可能であり、
は、H、F、Cl、Br、I、ヒドロキシル基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3~5員シクロアルキル基又は3~5員ヘテロシクロ基から選択され、
又は選択として、RとRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基又はヘテロシクロ基を形成し、前記シクロアルキル基、ヘテロシクロ基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C-Cアルケニル基、C-Cアルキニル、C1-6アルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C1-6アルキル基、3~6員シクロアルキル基、NHRから選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C1-6のアルキル基又はシクロアルキル基から選択され、
Yは、H、Na、K、
【化7】
、-(CHCOOR12
【化8】
、C1-10アルキル基から選択され、前記アルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換され、
とRは、それぞれ独立してH、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、F、Cl、Br、I、ヒドロキシル基、アミノ、シアノ基、カルボキシル基から選択され、
又は選択として、RとRは、それが結合している原子とともに5~8員の環を形成し、前記5~8員の環は、N、O、Sから選択された0~4個のヘテロ原子を含有してもよく、
10とR11は、それぞれ独立してH、C1-6アルキル基、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、プロトン化アミン又はプロトン化アミノ酸から選択され、前記アルカリ金属イオンは、Na、K、Liから選択され、前記アルカリ土類金属イオンは、Be2+、Mg2+又はCa2+から選択され、前記アミンは、トロメタミン、トリエタノールアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン又はN-メチルグルコールアミンから選択され、前記アミノ酸は、アルギニン又はリジンから選択され、
12は、独立してH、C1-6アルキル基、3~8員シクロアルキル基又は4~8員ヘテロシクロ基から選択され、前記アルキル基、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロ基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
Rは、F、Cl、Br、I、重水素、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、CN、NH、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、3~5員シクロアルキル基又は3~5員ヘテロシクロ基から選択され、
nは、0、1、2、3から選択され、
mは、0、1、2、3、4から選択される。
【0013】
本発明によるいくつかの好ましい実施例では、前記化合物は、一般式(II):
【化9】
(II)に示す化合物から選択され、
ここで、Xは、S、
【化10】
から選択される。
【0014】
本発明による別の好ましい実施例では、前記化合物は、一般式(III):
【化11】
(III)に示す化合物から選択され、
ここで、
Xは、S、
【化12】
から選択され、
、R、R、Rは、それぞれ独立してC1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択される。
【0015】
好ましくは、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
は、H、ヒドロキシル基、C1-6のアルキル基、C1-6アルコキシ基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能である。
【0016】
好ましくは、
は、H、ヒドロキシル基、C1-6のアルキル基、C1-6アルコキシ基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
とRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基又はヘテロシクロ基を形成し、前記シクロアルキル基、ヘテロシクロ基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択される。
【0017】
好ましくは、
は、独立してC1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、
は、Hから選択され、
は、C1-6のアルキル基、3~6員シクロアルキル基から選択され、前記アルキル基、シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
Rは、F、Cl、Br、Iから選択される。
【0018】
好ましくは、
とRは、それらが結合している原子とともにベンゼン環と縮合する4~6員シクロアルキル基を形成し、前記シクロアルキル基は、任意選択的にさらに一つ又は複数のRで置換されることが可能であり、
Rは、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基から選択される。
【0019】
本発明の別の好ましい実施の形態では、
【化13】
【化14】
の化合物を含む。
【0020】
本発明の別の一態様によれば、薬物組成物を提供し、該薬物組成物は、本発明の以上に記載の化合物又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩と、1種又は複数種の薬学的に許容されるベクターとを含む。
【0021】
本発明に関する薬物組成物は、錠剤、カプセル剤、分散錠剤、顆粒剤、注射剤、脂質乳剤、エアゾール剤、粉末ミスト剤、スプレー剤、経口溶液剤、経口懸濁剤など、薬学的に許容される任意の剤形である。
【0022】
本発明は、本発明に記載の化合物、又はその立体異性体、又は薬学的に許容される塩、及びその薬物組成物の、動物又はヒトの麻酔を誘導及び/又は維持し、動物又はヒトの鎮静催眠を促進し、不安、抑うつ、不眠、悪心、嘔吐、偏頭痛、統合失調症、痙攣と癲癇を治療及び/又は予防する薬物の製造における用途をさらに提供した。
【0023】
別段の記載がない限り、明細書及び請求項において使用される用語は、次の意味を有する。
【0024】
「アルキル基」は、1~20個の炭素原子の直鎖状又は分岐状の飽和脂肪族炭化水素基であり、好ましくは1~8個の炭素原子のアルキル基であり、より好ましくは1~6個の炭素原子のアルキル基であり、さらに好ましくは1~4個の炭素原子のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
【0025】
「アルコキシ基」は、-O-アルキル基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
【0026】
「シクロアルコキシ基」は、前述のシクロアルキル基が酸素原子を介して結合した基である。3~6員のシクロアルコキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0027】
「シクロアルキル基」は、飽和または部分不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素置換基であり、シクロアルキル環は、3~20個の炭素原子を含み、好ましくは3~12個の炭素原子を含み、より好ましくは3~8個の炭素原子を含み、最も好ましくは3~6個(例えば、3、4、5または6)の炭素原子を含む。単環式シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチルなどを含み多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環、及び架橋環のシクロアルキル基を含む。
【0028】
「ヘテロシクロ基」は、飽和又は部分不飽和の単環式または多環式の環状炭化水素置換基であり、それは、3~20個の環原子を含み、ここで、一つ又は複数の環原子は、窒素、酸素又はS(O)(ここで、mは、0~4の整数である)から選択されたヘテロ原子であるが、-O-O-、-O-S-又は-S-S-の環部分を含まず、残りの環原子は炭素である。好ましくは、3~12個のシクロ原子を含み、ここで、1~4個がヘテロ原子であり、好ましくは、3~8個のシクロ原子を含み、ここで、1~3個がヘテロ原子であり、好ましくは、3~6個のシクロ原子を含み、ここで、1~3個がヘテロ原子である。単環式ヘテロシクロ基の非限定的な例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニルなどが挙げられ、好ましくは、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピロリジニルである。多環式ヘテロシクロ基は、スピロ環、縮合環、及び架橋環のヘテロ環基を含む。
【0029】
「立体異性体」は、分子内の原子の空間的配置の違いから生じる異性体であり、システ-ス異性体、対応異性体及び配座異性体を含む。
【0030】
「任意選択」、「任意選択的に」、または「選択的に」は、その後前記イベントまたは状況が発生し得るが必ずしも発生しないことであり、該記述は、イベントまたは状況が発生した場合と発生しなかった場合とを含む。例えば、「選択的にアルキル基に置換されたヘテロシクロ基」は、該アルキル基が存在してもよいが必ずしも存在しないことであり、該記述は、ヘテロシクロ基がアルキル基に置換されている場合と、ヘテロシクロ基がアルキル基に置換されていない場合とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ビーグル犬に受験化合物を投与した後の心拍数の経時変化状況図である。
図2】ビーグル犬に受験化合物を投与した後の血圧の経時変化状況図である。
図3】ビーグル犬に受験化合物を投与した後の体温の経時変化状況図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、具体的な実施例により本発明の実施プロセスと発生する有益な効果を詳細に説明するが、当業者が本発明の本質および特徴をより良く理解するのを助けることを目的としており、本発明を実施できる範囲を限定するものではない。
【0033】
実施例1
化合物1(2-イソプロピル-6-(1-(メチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化15】
【0034】
ステップ1:化合物1-2(2-イソプロピルフェニルアセテート)の合成
化合物1-1(10g、73.43mmol、1.0eq)とDMAP(897mg、9.34mmol)を200mLのジクロロメタンに加え、15℃で無水酢酸(9.74g、95.45mmol、1.3eq)を滴下し、滴下完了後にゆっくりと室温まで昇温して15℃で16h反応させた。さらに反応液を1N塩酸溶液でpH=6-7に中和してから、ジクロロメタン(150mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、溶媒をスピン蒸着して除去し、カラム分離し、V酢酸エチル:V石油エーテル=1:10を溶出剤とし、黄色透明油状化合物1-2(13.16g、収率:99.1%)を得た。
【0035】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.31(m,1H),7.24-7.18(m,2H),7.01-6.98(m,1H),3.05-3.01(m,1H),2.33(s,3H),1.23(d,J=8.0Hz,6H).
【0036】
ステップ2:化合物1-3(1-(2-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)エタン-1-オン)の合成
【0037】
化合物1-2(13.09g、73.45mmol、1.0eq)を三塩化アルミニウム(10.58g、79.32mmol、1.1eq)に混合し、その後反応混合物を140℃に加熱して5時間反応させ、TLCで反応の完了をモニタリングした後に反応液を200mLの飽和NHClに注ぎ、濾過し、分液し、有機相を溶媒から除去し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=50:1~20:1を溶出剤とし、黄色透明油状化合物1-3(1.61g、収率:12.3%)を得た。
【0038】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.70(s,1H),7.61-7.59(m,1H),7.43-7.41(m,1H),6.89-6.85(m,1H),3.40-3.35(m,1H),2.64(s,3H),1.26-1.23(m,6H).
【0039】
ステップ3:化合物1-4(2-(1-ヒドロキシエチル)-6-イソプロピルフェノール)の合成
【0040】
化合物1-3(800mg、4.49mmol、1.0eq)を15mLの乾燥したメタノールに加え、さらにNaBH(255mg、6.73mmol、1.5eq)を加えて室温で0.5時間反応させた。反応液を10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、DCM(50mL×4)で抽出し、有機相を合わせて溶媒をスピン除去し、黄色油状化合物1-4(809mg、収率:100%)を得た。
【0041】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.13(s,1H),7.15-7.13(m,1H),6.85-6.81(m,2H),5.10-5.04(m,1H),3.41-3.32(m,1H),2.40(s,1H),1.62(d,J=8.0Hz,3H),1.28-1.20(m,6H).
【0042】
ステップ4:化合物1-5(2-イソプロピル-6-(1-(メチルチオ)エチル)フェノール)の合成
【0043】
化合物1-4(0.75g、4.16mmol)を窒素ガスの保護でメチルメルカプタン(2.40g、10%のプロピレングリコール溶液、4.99mmol、1.2eq)に加え、さらに反応液に塩酸(230mg、6.24mmol、1.5eq)を滴下し、反応系を25℃で攪拌して16時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=15:1~12:1であり、黄色油状化合物1-5(440mg、収率:50.3%)を得た。
【0044】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38(s,1H),7.17-7.15(m,1H),6.92-6.90(m,1H),6.85-6.82(m,1H),4.07-4.02(m,1H),3.40-3.32(m,1H),1.94(d,J=4.0Hz,3H),1.65(d,J=8.0Hz,3H),1.26-1.21(m,6H).
【0045】
ステップ5:化合物1(2-イソプロピル-6-(1-(メチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【0046】
窒素ガスの保護で、化合物1-5(140mg、0.666mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(240mg、1.332mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、0~5℃で1.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=2:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=10:1であり、黄色油状化合物1(60.0mg、収率:37.3%)を得た。
【0047】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.26-7.24(m,1H),7.12-7.10(m,1H),7.01-6.97(m,1H),6.85(s,1H),4.63-4.58(m,1H),3.37-3.30(m,1H),2.76(s,3H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.26-1.23(m,6H).
【0048】
実施例2
化合物2(2-イソプロピル-6-(1-(メチルスルフィニル)エチル)フェノール)の合成
【化16】
【0049】
窒素ガスの保護で、化合物1-5(100mg、0.475mmol)をDCM(5mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(48.62mg、0.237mmol、0.5e.q)を反応にゆっくりと加え、0~5℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料がほぼ完全に反応したことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、無色油状化合物2(28.0mg、収率:26.0%)を得た。
【0050】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.67(s,1H),7.20-7.18(m,1H),6.86-6.82(m,1H),6.80-6.78(m,1H),3.76-3.70(m,1H),3.45-3.38(m,1H),2.45(s,3H),1.89(d,J=8.0Hz,3H),1.24-1.21(m,6H).
【0051】
実施例3
化合物3(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルチオ)エチル)フェノール)の合成
【化17】
【0052】
ステップ1:化合物3-2(1-(2-(ブタ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル)エタン-1-オン)の合成
化合物3-1(5.00g、73.43mmol、1.0e.q)とNaOH(2.94g、73.42mmol)をDMF(80mL)に加え、15℃で30mins攪拌した後、1-クロロ-2-ブテン(システ-ス混合物、4.32g、47.74mmol、1.3e.q)をゆっくりと滴下し、滴下完了後に系を15℃で引き続き16時間反応させた。TLC検出反応完了後、さらに反応液を200mLの氷水にゆっくりと注ぎ、さらにn-ヘキサン(200mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、溶媒をスピン除去し、黄色透明油状化合物3-2(6.99g、収率:100%)を得た。
【0053】
ステップ2:化合物3-3(1-(3-(ブタ-3-エン-2-イル)-2-ヒドロキシフェニル)エチル-1-オン)の合成
【0054】
化合物3-2(6.99g、36.72mmol、1.0eq)を50mLの片口バイアルに加え、窒素ガスの保護で、空気を還流して凝縮し、反応混合物を210~215℃に加熱して3.5時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後酢酸エチルで希釈し、混合し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=50:1/20:1を溶出剤とし、黄色透明油状化合物3-3(1.60g、収率:22.9%)を得た。
【0055】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.70(s,1H),7.63-7.61(m,1H),7.39-7.36(m,1H),6.88-6.85(m,1H),6.05-6.00(m,1H),5.11-5.05(m,2H),3.98-3.97(m,1H),2.64(s,3H),1.34(d,J=4.0Hz,3H).
【0056】
ステップ3:化合物3-4(1-(3-(1-シクロプロピルエチル)-2-ヒドロキシフェニル)エチル-1-オン)の合成
【0057】
窒素ガスの保護で、100mLの三口フラスコを3~5回置換して、DCM(10mL)を加え、反応系を-5~0℃に冷却し、反応液にジエチル亜鉛(9.46mL、2.0M、18.92mmol)をゆっくりと滴下し、約10分で加え完了し、その後5~0℃で(氷エタノール浴)トリフルオロ酢酸(2.16mg、18.92mmol)を加え、約5分後、ジヨードメタン(6.76g、25.23mmol)をDCM(5mL)に溶解して注射器で反応液に加え、系温度を-5~0℃に維持した。60分後、化合物3-3(1.2g、6.31mmol)をDCM(5mL)に溶解して反応にゆっくりと滴下し、滴下完了後に氷浴を撤去し、反応を25℃に昇温させ、引き続き攪拌して48時間反応させた。HNMR及びTLC(Vヘキサン:VEA=10:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、さらに飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=60:1~15:1であり、黄色油状化合物3-4(1.1g、収率:85.3%)を得た。
【0058】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.63(s,1H),7.63-7.60(m,1H),7.56-7.54(m,1H),6.91-6.87(m,1H),2.64(s,3H),2.52-2.48(m,1H),1.34-1.27(m,3H),1.03-0.99(m,1H),0.56-0.50(m,1H),0.38-0.30(m,1H),0.24-0.20(m,1H),0.17-0.15(m,1H).
【0059】
ステップ4:化合物3-5(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール)の合成
【0060】
化合物3-4(1.1g、5.39mmol、1.0eq)を乾燥したメタノール(15mL)に加え、さらにNaBH(265mg、7.00mmol、1.5eq)を少しずつ加え、室温で0.5時間反応させた。反応液を10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、DCM(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせて濃縮して溶媒を除去し、黄色透明油状化合物3-5(1.10g、収率:99.1%)を得た。
【0061】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.08(s,1H),7.26-7.24(m,1H),7.02-6.98(m,1H),6.86-6.83(m,1H),5.28-5.06(m,1H),2.53-2.46(m,1H),1.62-1.60(m,3H),1.31-1.26(m,3H),1.03-0.99(m,1H),0.56-0.54(m,1H),0.39-0.37(m,1H),0.22-0.20(m,1H),0.17-0.15(m,1H).
【0062】
ステップ5:化合物3(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルチオ)エチル)フェノール)の合成
【0063】
化合物3-5(1.3g、6.30mmol)を15mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でメチルメルカプタン(3.94g、10%のプロピレングリコール溶液、8.19mmol、1.2e.q.)を加え、さらに反応液に塩酸(344mg、9.45mmol、1.5eq)を滴下し、反応系を25℃で攪拌して4時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物3(500mg、収率:33.6%)を得た。
【0064】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.34(m,1H),7.27-7.25(m,1H),6.93-6.91(m,1H),6.87-6.83(m,1H),4.09-4.02(m,1H),2.57-2.52(m,1H),1.94(d,J=8.0Hz,3H),1.65(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.24(m,3H),1.04-0.95(m,1H),0.53-0.50(m,1H),0.35-0.30(m,1H),0.20-0.15(m,2H).
【0065】
実施例4
化合物4(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化18】
【0066】
窒素ガスの保護で、化合物3(100mg、0.423mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5℃~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(165mg、0.846mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状物化合物4(40.0mg、収率:35.4%)を得た。
【0067】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.34(m,1H),7.14-7.12(m,1H),7.02-6.98(m,1H),6.84(s,1H),4.65-4.59(m,1H),2.76(s,3H),2.59-2.54(m,1H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.25(m,3H),1.06-0.99(m,1H),0.60-0.54(m,1H),0.46-0.40(m,1H),0.26-0.13(m,2H).
【0068】
実施例5
化合物5(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルスルフィニル)エチル)フェノール)の合成
【化19】
【0069】
窒素ガスの保護で、化合物3(100mg、0.423mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(77.30mg、0.381mmol、0.9eq)を反応にゆっくりと加え、0~5℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状化合物5(40.0mg、収率:37.7%)を得た。
【0070】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.61(s,1H),7.32-7.30(m,1H),6.88-6.79(m,2H),3.77-3.71(m,1H),2.59-2.56(m,1H),2.45(s,3H),1.88(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.28(m,3H),1.04-1.01(m,1H),0.53-0.50(m,1H),0.37-0.32(m,1H),0.21-0.16(m,2H).
【0071】
実施例6
化合物6(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化20】
ステップ1:化合物6-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルチオ)エチル)フェノール)の合成
【0072】
化合物3-5(1.0g、4.85mmol)を10mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でイソプロピルチオール(443.0mg、5.82mmol、1.2e.q.)を加え、さらに反応液に塩酸(230mg、6.30mmol、1.3e.q.)を滴下し、反応系を15℃で攪拌して16時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物6-1(600mg、収率:46.8%)を得た。
【0073】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.70(d,J=8.0Hz,1H),7.26-7.24(m,1H),6.92-6.90(m,1H),6.86-6.82(m,1H),4.20-4.15(m,1H),2.70-2.63(m,1H),2.58-2.51(m,1H),1.63(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.24(m,3H),1.17-1.14(m,6H),1.04-0.99(m,1H),0.56-0.52(m,1H),0.39-0.34(m,1H),0.22-0.15(m,2H).
【0074】
ステップ2:化合物6(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【0075】
窒素ガスの保護で、化合物6-1(100mg、0.378mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(154mg、85%、0.756mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5 時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状物化合物6(50.0mg、収率:44.6%)を得た。
【0076】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.31(m,1H),7.10-7.08(m,1H),6.97-6.93(m,1H),4.60-4.58(m,1H),3.18-3.10(m,1H),2.60-2.54(m,1H),1.81(d,J=8.0Hz,3H),1.31-1.27(m,6H),1.26-1.17(m,3H),1.04-0.98(m,1H),0.56-0.52(m,1H),0.37-0.34(m,1H),0.22-0.15(m,2H).
【0077】
実施例7
化合物7(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルスルフィニル)エチル)フェノール)の合成
【化21】
【0078】
窒素ガスの保護で、化合物6-1(100mg、0.378mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(69.1mg、0.341mmol、0.9eq)を反応にゆっくりと加え、0~5℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状化合物7(30.0mg、収率:28.3%)を得た。
【0079】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.31(m,1H),7.10-7.08(m,1H),6.97-6.93(m,1H),4.60-4.58(m,1H),2.68-2.63(m,1H),2.45-2.38(m,1H),1.81(d,J=8.0Hz,3H),1.31-1.27(m,6H),1.26-1.17(m,3H),1.04-0.98(m,1H),0.56-0.54(m,1H),0.39-0.32(m,1H),0.22-0.17(m,2H).
【0080】
実施例8
化合物8(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(シクロプロピルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化22】
ステップ1:化合物8-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(シクロプロピルチオ)エチル)フェノール)の合成
【0081】
化合物3-5(1.0g、4.85mmol)を10mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でシクロプロピルチオール(431.2mg、5.82mmol、1.2eq)を加え、さらに反応液に濃塩酸(230mg、6.30mmol、1.3eq)を滴下し、反応系を15℃で攪拌して12時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物8-1(490mg、収率:38.5%)を得た。
【0082】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.34(m,1H),7.27-7.25(m,1H),6.93-6.91(m,1H),6.87-6.83(m,1H),4.09-4.02(m,1H),2.57-2.52(m,1H),2.05-2.00(m,1H),1.94(d,J=8.0Hz,3H),1.65(d,J=8.0Hz,3H),1.04-0.95(m,2H),0.74-0.58(m,2H),0.59-0.50(m,1H),0.39-0.30(m,2H),0.24-0.12(m,2H).
【0083】
ステップ2:化合物8(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(シクロプロピルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【0084】
窒素ガスの保護で、化合物8-1(100mg、0.381mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(155mg、0.762mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色固体化合物8(60.0mg、収率:53.4%)を得た。
【0085】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.34(m,1H),7.14-7.12(m,1H),7.02-6.98(m,1H),6.84(s,1H),4.65-4.59(m,1H),2.59-2.54(m,1H),2.45-2.35(m,1H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.24(m,3H),1.04-0.95(m,1H),0.83-0.80(m,1H),0.65-0.60(m,2H),0.53-0.50(m,1H),0.45-0.40(m,1H),0.35-0.30(m,1H),0.20-0.15(m,2H).
【0086】
実施例9
化合物9(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(シクロプロピルスルフィニル)エチル)フェノール)の合成
【化23】
【0087】
窒素ガス保護で、化合物8-1(100mg、0.381mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してゆっくりとm-クロロペルオキシ安息香酸(69.6mg、0.343mmol、0.9eq)を反応に加え、0~5℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色透明油状化合物9(38.0mg、収率:35.8%)を得た。
【0088】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.63(s,1H),7.35-7.32(m,1H),6.89-6.75(m,2H),3.77-3.71(m,1H),2.59-2.56(m,1H),2.45-2.34(m,1H),1.88(d,J=8.0Hz,3H),1.30-1.24(m,3H),1.04-0.95(m,1H),0.83-0.80(m,1H),0.65-0.60(m,2H),0.53-0.50(m,1H),0.45-0.40(m,1H),0.35-0.30(m,1H),0.20-0.15(m,2H).
【0089】
実施例10
化合物10(1-(2-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)酢酸エチル)の合成
【化24】
【0090】
ステップ1:化合物10-1(1-(2-(ベンジルオキシ)-3-イソプロピルフェニル)エタン-1-オン)の合成
【0091】
化合物1-3(2.00g、11.22mmol、1.0eq)を100mLの片口バイアルに加え、乾燥したメタノール(40mL)及び炭酸カリウム(2.33g、16.83mmol、1.5e.q)を加え、その後ベンジルクロライド(1.85g、14.59mmol、1.3e.q)を加え、窒素ガスの保護で、反応混合物を30℃に加熱して2h反応させた。TLC検出反応が終了し、その後酢酸エチルで希釈し、混合し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=100:1~50:1を溶出剤とし、黄色油状化合物10-1(2.5g、収率:83.3%)を得た。
【0092】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.66-7.64(m,1H),7.47-7.43(m,2H),7.37-7.35(m,3H),6.88-6.84(m,2H),5.06(s,2H),2.46-2.42(m,1H),2.26(s,3H),1.34-1.21(m,6H).
【0093】
ステップ2:化合物10-2(1-(2-(ベンジルオキシ)-3-イソプロピルフェニル)エタン-1-オール)の合成
【0094】
化合物10-1(2.0g、7.45mmol、1.0eq)を100mLの片口バイアルに加え、乾燥したメタノール(30mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.31g、8.20mmol、1.1e.q)を加え、反応混合物を15℃で0.5時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後DCMで希釈し、抽出(100mL×2)し、カラム精製し、溶出極性は、V石油エーテル:V酢酸エチル=15:1~5:1であり、黄色油状化合物10-2(2.00g、収率:100.0%)を得た。
【0095】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.65-7.61(m,1H),7.48-7.44(m,2H),7.39-7.35(m,3H),6.88-6.84(m,2H),5.08(s,2H),3.65(s,1H),2.46-2.42(m,2H),1.91(d,J=8.0Hz,3H),1.34-1.21(m,6H).
【0096】
ステップ3:化合物10-3(1-(2-(ベンジルオキシ)-3-イソプロピルフェニル)酢酸エチル)の合成
【0097】
化合物10-2(1.5g、5.55mmol、1.0e.q)を100mLの一口フラスコに加え、乾燥したDCM(30mL)及びDMAP(0.678g、5.55mmol、1.0e.q)を加え、その後無水酢酸(736.3mg、7.21mmol、1.3e.q)を加え、反応混合物を15℃で0.5時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後DCMで希釈し、抽出し(100mL×2)、1N 塩酸で反応液を洗浄し、抽出し、分液し、乾燥し、黄色透明油状化合物10-3(1.50g、収率:86.7%)を得た。
【0098】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.65-7.61(m,1H),7.48-7.44(m,2H),7.39-7.35(m,3H),6.88-6.84(m,2H),6.05-6.00(m,1H),5.08(s,2H),2.46-2.42(m,1H),2.12(s,3H),1.93(d,J=8.0Hz,3H),1.34-1.21(m,6H).
【0099】
ステップ4:化合物10(1-(2-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)酢酸エチル)の合成
【0100】
水素ボール(15psi)の保護で、化合物10-3(300mg、0.96mmol、1.0eq)を乾燥したTHF(10mL)及びパラジウム炭素(200g、pd:10%)に加え、反応混合物を水素ボール(15psi)において15℃で5時間反応させた。TLC検出反応が終了し、反応化合物を珪藻土で濾過し、洗浄し、乾燥し、濃縮して製品を得、カラムクロマトグラフィーにより精製し、浅黄色油状化合物10(100mg、収率:46.9%)を得た。
【0101】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.64(s,1H),7.19-7.18(m,2H),6.94-6.90(m,1H),6.05-6.00(m,1H),3.40-3.33(m,1H),2.08(s,3H),1.65(d,J=8.0Hz,3H),1.24-1.21(m,6H).
【0102】
実施例11
化合物11(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化25】
ステップ1:化合物11-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルチオ)エチル)フェノール)の合成
【0103】
化合物3-5(1.0g、4.85mmol)を窒素ガスの保護でエタンチオール(361mg、5.81mmol、1.2eq)に加え、さらに反応液に塩酸(229mg、6.30mmol、1.3eq)を滴下し、反応系を15℃で攪拌して10時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物11-1(700mg、収率:57.7%)を得た。
【0104】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.27-7.25(m,1H),6.93-6.91(m,1H),6.86-6.83(m,1H),4.18-4.12(m,1H),2.58-2.52(m,1H),2.40-2.34(m,2H),1.64(d,J=8.0Hz,3H),1.31-1.28(m,3H),1.19-1.15(m,3H),1.05-0.97(m,1H),0.55-0.54(m,1H),0.35-0.30(m,1H),0.20-0.16(m,2H).
【0105】
ステップ2:化合物11(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【0106】
窒素ガスの保護で、化合物11-1(200mg、0.798mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(325mg、1.60mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、浅黄色油状化合物11(180.0mg、収率:82%)を得た。
【0107】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38-7.33(m,1H),7.12-7.10(m,2H),6.99-6.96(m,1H),4.59-4.55(m,1H),2.94-2.88(m,2H),2.58-2.54(m,1H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.34-1.32(m,3H),1.30-1.27(m,3H),1.05-1.01(m,1H),0.58-0.56(m,1H),0.42-0.40(m,1H),0.23-0.15(m,2H).
【0108】
実施例12
化合物12(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルフィニル)エチル)フェノール)の合成
【化26】
【0109】
窒素ガスの保護で、化合物11-1(200mg、0.798mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(146mg、0.718mmol、0.9eq)を反応にゆっくりと加え、0~5℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状化合物12(40.0mg、収率:18.8%)を得た。
【0110】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.79(s,1H),7.32-7.29(m,1H),6.86-6.79(m,2H),3.82-3.80(m,1H),2.64-2.56(m,2H),2.40 -2.34(m,1H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.34-1.29(m,3H),1.24-1.19(m,3H),1.05-1.00(m,1H),0.54-0.51(m,1H),0.38-0.35(m,1H),0.21-0.16(m,2H).
【0111】
実施例13
化合物13(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルチオ)プロピル)フェノール)の合成
【化27】
【0112】
ステップ1:化合物13-2(1-(2-(ブタ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル)プロパン-1-オン)の合成
【0113】
化合物13-1(10.0g、66.59mmol、1.0eq)とNaOH(4.0g、99.88mmol、1.5e.q)を無水DMF(150mL)に加え、15℃で30分攪拌した後、15℃でクロロブテン(システ-ス混合物、7.24g、79.91mmol、1.3eq)を滴下し、滴下完了後にゆっくりと室温15℃まで昇温して16時間反応させた。さらに反応液を500mLの氷水にゆっくりと注ぎ、さらにn-ヘキサン(400mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、溶媒をスピン除去し、粗物混合し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、溶出極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=200:1であり、黄色透明油状化合物13-2(7.7g、収率:56.6%)を得た。
【0114】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.70-7.66(m,1H),7.43-7.41(m,1H),7.00-6.93(m,2H),5.87-5.71(m,2H),4.68-4.54(m,2H),3.04-2.98(m,2H),1.78(d,J=8.0Hz,3H),1.18-1.16(m,3H).
【0115】
ステップ2:化合物13-3(1-(3-(ブタ-3-エン-2-イル)-2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン)の合成
【0116】
化合物13-2(7.70g、37.72mmol、1.0eq)を50mLの片口バイアルに加え、窒素ガスの保護で、空気を還流して凝縮し、反応混合物を210~215℃に加熱して4.0時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後酢酸エチルで希釈し、混合し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=100:1~50:1を溶出剤とし、黄色油状化合物13-3(6.80g、収率:88.3%)を得た。
【0117】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.81(s,1H),7.66-7.64(m,1H),7.37-7.35(m,1H),6.88-6.84(m,1H),6.05-6.01(m,1H),5.08-5.06(m,2H),4.01-3.97(m,1H),3.06-3.02(m,2H),1.34(d,J=4.0Hz,3H),1.24-1.20(m,3H).
【0118】
ステップ3:化合物13-4(1-(3-(1-シクロプロピルエチル)-2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン)の合成
【0119】
窒素ガスの保護で、100mLの三口フラスコを3~5回置換して、DCM(20mL)を加え、反応系を-5~0℃に冷却し、ジエチル亜鉛(14.69mL、2.0 M、29.37mmol)をゆっくりと滴下し、約10分で加え完了し、その後氷エタノール浴にトリフルオロ酢酸(3.35g、29.37mmol)を加え、約5分後、ジヨードメタン(10.49g、39.16mmol)をDCM(5mL)に溶解して注射器で反応液に加え、系温度を-5~0℃に維持した。60分後、化合物13-3(2.00g、9.79mmol)をDCM(5mL)に溶解して滴を反応にゆっくりと加え、滴下完了後に氷浴を撤去し、-5-0℃で反応させて3時間攪拌し、その後反応を15℃に昇温し、引き続き攪拌して48時間反応させた。H NMR及びTLC(Vヘキサン:VEA=10:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、さらに飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=100:1~50:1であり、黄色油状化合物13-4(1.80g、収率:84.1%)を得た。
【0120】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.73(s,1H),7.66-7.63(m,1H),7.55-7.53(m,1H),6.90(t,J=8.0Hz,1H),3.08-3.03(m,2H),2.52-2.48(m,1H),1.31(d,J=4.0Hz,3H),1.24-1.20(m,3H),1.03-0.97(m,1H),0.59-0.53(m,1H),0.41-0.35(m,1H),0.26-0.20(m,1H),0.16-0.12(m,1H).
【0121】
ステップ4:化合物13-5(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-ヒドロキシプロピル)フェノール)の合成
【0122】
化合物13-4(3.30g、15.14mmol、1.0eq)を50mLの乾燥したメタノールに加え、さらにNaBH(624mg、16.49mmol、1.1eq)を加えて室温で0.5時間反応させた。反応液を10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、DCM(200mL×3)で抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、VPE:VEA=100:1~20:1であり、黄色油状化合物13-5(2.00g、収率:60.1%)を得た。
【0123】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.10(s,1H),7.25-7.23(m,1H),6.82-6.79(m,2H),4.75(t,J=8.0Hz,1H),2.52-2.45(m,2H),1.98-1.84(m,2H),1.30(dd,J=8.0Hz,2.0Hz,3H),1.05- 1.01(m,1H),0.98(t,J=8.0Hz,3H),0.56-0.52(m,1H),0.41-0.35(m,1H),0.22-0.14(m,2H).
【0124】
ステップ5:化合物13(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルチオ)プロピル)フェノール)の合成
【0125】
化合物13-5(400mg、1.82mmol)を10mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でメチルメルカプタン(1.05g、10%のプロピレングリコール溶液、2.18mmol、1.2eq)を加え、さらに反応液に塩酸(72.82mg、2.00mmol、1.1eq)を滴下し、反応系を25℃で6時間攪拌して反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液を水で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:0~100:1であり、黄色油状化合物13(110mg、収率:24.2%)を得た。
【0126】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.43(d,J=4.0Hz,1H),7.26-7.25(m,1H),6.87-6.81(m,2H),3.80(t,J=8.0Hz,1H),2.58-2.53(m,1H),2.00-1.92(m,2H),1.88(d,J=2.0Hz,3H),1.30(dd,J=8.0Hz,4.0Hz,3H),1.03-1.00(m,1H),0.98(t,J=8.0Hz,3H),0.54-0.52(m,1H),0.38-0.35(m,1H),0.20-0.14(m,2H).
【0127】
実施例14
化合物14(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(メチルスルホニル)プロピル)フェノール)の合成
【化28】
【0128】
窒素ガスの保護で、化合物13(100mg、0.439mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(164mg、0.878mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=2:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=10:1であり、黄色油状物化合物14(85.0mg、収率:75.2%)を得た。
【0129】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35-7.32(m,1H),7.10-7.05(m,1H),7.00-6.96(m,1H),4.48-4.28(m,1H),2.73(s,3H),2.62-2.54(m,1H),2.48-2.42(m,1H),2.32-2.18(m,1H),1.30(dd,J=8.0,4.0Hz,3H),1.04-0.99(m,1H),0.95(t,J=8.0Hz,3H),0.59-0.54(m,1H),0.44-0.42(m,1H),0.24-0.12(m,2H).
【0130】
実施例15
化合物15(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルスルホニル)プロピル)フェノール)の合成
【化29】
ステップ1:化合物15-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルチオ)プロピル)フェノール)の合成
【0131】
化合物13-5(200mg、0.91mmol)を5mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でイソプロピルチオール(82.97mg、1.09mmol、1.2eq)を加え、さらに反応液に塩酸(36.41mg、0.998mmol、1.1eq)を滴下し、反応系を25℃で6時間攪拌して反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=10:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:0~100:1であり、黄色油状化合物15-1(250mg、収率:98.8%)を得た。
【0132】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.78(d,J=8.0Hz,1H),7.26-7.24(m,1H),6.85-6.79(m,2H),3.91(q,J=12.0,8.0,4.0Hz,1H),2.62-2.52(m,2H),1.99-1.84(m,2H),1.30-1.27(m,3H),1.22(dd,J=8.0,4.0Hz,3H),1.16(dd,J=8.0,4.0Hz,3H),1.05-0.98(m,1H),0.96(dt,J=8.0Hz,3H),0.56-0.49(m,1H),0.39-0.31(m,1H),0.21-0.13(m,2H).
【0133】
ステップ2:化合物15(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(イソプロピルスルホニル)プロピル)フェノール)の合成
【0134】
窒素ガスの保護で、化合物15-1(200mg、0.719mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(291mg、1.438mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=3:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=15:1であり、白色固体化合物15(160mg、収率:71.7%)を得た。
【0135】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.08(d,J=8.0Hz,1H),7.33-7.31(m,1H),7.00-6.79(m,2H),4.68-4.52(m,1H),3.12-3.06(m,1H),2.63-2.55(m,1H),2.46-2.29(m,2H),1.34-1.24(m,9H),1.02-1.00(m,1H),0.89(t,J=8.0Hz,3H),0.57-0.53(m,1H),0.42-0.35(m,1H),0.23-0.12(m,2H).
【0136】
実施例16
化合物16(2-(シクロプロピル(メチルスルホニル)メチル)-6-イソプロピルフェノール)の合成
【化30】
【0137】
ステップ1:化合物16-2(シクロプロピル(2-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)メタノン)の合成
【0138】
化合物16-1(4.0g、29.37mmol、1.0eq)を100mLの片口バイアルに加え、乾燥したDCM(60mL)及びシクロプロパンカルボン酸クロリド(3.68g、35.24mmol、1.2e.q)を加え、その後反応に四塩化チタン(6.69g、35.24mmol、1.2e.q)をゆっくりと加え、窒素ガスの保護で、反応混合物を-30℃に維持して2時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後酢酸エチルで希釈し、混合し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=100:1~50:1を溶出剤とし、黄色油状化合物16-2(200mg、収率:3.3%)を得た。
【0139】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 12.96(s,1H),7.86(d,J=8.0Hz,1H),7.45(d,J=8.0Hz,1H),6.93(t,J=6.0Hz,1H),3.41-3.32(m,1H),2.75-2.68(m,1H),1.32-1.27(m,1H),1.26(d,J=6.0Hz,6H),1.11-1.06(m,1H),1.05-0.99(m,2H).
【0140】
ステップ2:化合物16-3(2-(シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル)-6-イソプロピルフェノール)の合成
【0141】
化合物16-2(200mg、0.979mmol、1.0eq)を100mLの片口バイアルに加え、乾燥したメタノール(8mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(40.75mg、1.08mmol、1.1e.q)を加え、反応混合物を15℃で0.5時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後DCMで希釈し、抽出し(30mL×2)、カラム精製し、溶出剤極性は、V石油エーテル:V酢酸エチル=15:1~5:1であり、赤褐色油状化合物16-3(200mg、収率:99.0%)を得た。
【0142】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.29(s,1H),7.19(,J=8.0Hz,1H),6.96(d,J=8.0Hz,1H),6.85(t,J=8.0Hz,1H),4.14(d,J=8.0Hz,1H),3.39(m,1H),2.47(s,1H),1.52-1.41(m,1H),1.27(d,J=6.0Hz,6H),0.74-0.66(m,2H),0.48-0.41(m,2H).
【0143】
ステップ3:化合物16-4(2-(シクロプロピル(メチルチオ)メチル)-6-イソプロピルフェノール)の合成
【0144】
化合物16-3(200mg、0.97mmol)を窒素ガスの保護でメチルメルカプタン(0.606g、10% のプロピレングリコール溶液、1.26mmol、1.3eq)に加え、さらに反応液に濃塩酸(42.4mg、1.16mmol、1.2eq)を滴下し、反応系を25℃で攪拌して4時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物16-4(50mg、収率:21.8%)を得た。
【0145】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.56(s,1H),7.20-7.19(m,1H),6.98-6.95(m,1H),6.89-6.85(m,1H),3.42-3.38(m,1H),3.22-3.19(m,1H),1.94(s,3H),1.48-1.41(m,1H),1.28-1.25(m,6H),0.79-0.73(m,1H),0.65-0.60(m,1H),0.46-0.41(m,1H),0.36-0.30(m,1H).
【0146】
ステップ4:化合物16(2-(シクロプロピル(メチルスルホニル)メチル)-6-イソプロピルフェノール)の合成
【0147】
窒素ガスの保護で、化合物16-4(50mg、0.210mmol)をDCM(8mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(84.9mg、0.42mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で反応させて0.5時間攪拌した。TLC(Vヘキサン:VEA=2:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色固体化合物16(20.1mg、収率:35.1%)を得た。
【0148】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.24-7.22(m,2H),7.03(t,J=8.0Hz,1H),6.85-6.82(m,1H),3.72(d,J=8.0Hz,1H),3.37-3.31(m,1H),2.92(s,3H),1.75-1.66(m,1H),1.25-1.22(m,6H),1.06-1.02(m,1H),0.78-0.74(m,2H),0.25-0.20(m,1H).
【0149】
実施例17
化合物17(2-(1-(メチルスルホニル)エチル)-6-(ペント-3-イル)フェノール)の合成
【化31】
ステップ1:化合物17-2(2-(ペント-2-エン-3-イル)フェノール)の合成
【0150】
窒素ガスの保護で、化合物17-1(5.0g、33.29mmol、1.0eq)を200mLの三口フラスコに加え、乾燥したTHF(60mL)を加え、-15℃で反応にエチル臭化マグネシウム(19.98mL、2.0 M in THF、39.95mmol、1.2e.q)をゆっくりと加え、反応混合物を-15℃に置いて2時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後酢酸エチルで希釈し、混合し、カラム分離し、V石油エーテル:V酢酸エチル=100:1~50:1を溶出剤とし、黄色油状化合物17-2(4.0g、収率:74.6%)を得た。
【0151】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.63(s,1H),7.24-7.16(m,2H),6.97-6.94(m,1H),6.76-6.73(m,1H),6.06-6.00(m,1H),2.06-2.00(m,5H),1.06-1.02(m,3H).
【0152】
ステップ2:化合物17-3(2-(ペント-3-イル)フェノール)の合成
【0153】
水素ガス(15Psi)保護で、化合物17-2(4.0g、24.66mmol、1.0eq)を250mLの片口バイアルに加え、乾燥したメタノール(60mL)を加え、15℃で反応にパラジウム炭素(800mg、Pd:10%)を加え、反応混合物を15℃の水素ガス(15Psi)に置いて12時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後珪藻土で濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥し、濃縮し、灰色油状化合物17-3(4.0g、収率:95.0%)を得た。
【0154】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.67(s,1H),7.24-7.16(m,2H),6.97-6.94(m,1H),6.76-6.73(m,1H),2.45-2.42(m,1H),2.06-2.00(m,4H),1.06 -1.02(m,6H).
【0155】
ステップ3:化合物17-4(2-(ペント-3-イル)フェニルアセテート)の合成
【0156】
窒素ガスの保護で、化合物17-3(4.0g、24.35mmol、1.0eq)を250mLの片口バイアルに加え、乾燥したDCM(60mL)を加え、15℃で 反応にトリエチルアミン(3.7g、36.53mmol、1.5e.q.)及び無水酢酸(2.98g、29.22mmol、1.2e.q.)を加えた。反応混合物を15℃に置いて12時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後稀塩酸でpH=6-7に中和し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、無色油状化合物17-4(4.5g、収率:89.6%)を得た。
【0157】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.24 -7.16(m,2H),6.97-6.94(m,1H),6.76-6.73(m,1H),2.45-2.42(m,1H),2.36(s,3H),2.06-2.00(m,4H),1.06-1.02(m,6H).
【0158】
ステップ4:化合物17-5(1-(2-ヒドロキシ-3-(ペント-3-イル)フェニル)エタン-1-オン)の合成
【0159】
窒素ガスの保護で、化合物17-4(4.5g、21.81mmol、1.0eq)を100mLの片口バイアルに加え、乾燥したDCM(60mL)を加え、15℃で 反応に三塩化アルミニウム(3.78g、28.36mmol、1.3e.q.)を少しずつ加えた。反応混合物を140℃に加熱して4時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後DCMで希釈し、濾過し、抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色油状化合物17-5(2.26g、収率:50.1%)を得た。
【0160】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.37(s,1H),7.24-7.16(m,1H),6.97-6.94(m,1H),6.76-6.73(m,1H),2.45-2.42(m,1H),2.18(s,3H),2.06-2.02(m,4H),1.08-1.04(m,6H).
【0161】
ステップ5:化合物17-6(2-(1-ヒドロキシエチル)-6-(ペント-3-イル)フェノール)の合成
【0162】
窒素ガスの保護で、化合物17-5(2.0g、9.70mmol、1.0eq)を乾燥したメタノール(30mL)に加え、15℃で反応に水素化ホウ素ナトリウム(0.440g、11.61mmol、1.2e.q.)を少しずつ加えた。反応混合物を20℃で1時間反応させた。TLC検出反応が終了し、その後DCMで希釈し、抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、黄色油状化合物17-6(2.01g、収率:99.0%)を得た。
【0163】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.37(s,1H),7.24-7.17(m,1H),6.97-6.94(m,1H),6.76-6.73(m,1H),2.54(s,1H),2.45-2.42(m,1H),2.06-1.98(m,4H),1.91(s,3H),1.24-1.17(m,6H).
【0164】
ステップ6:化合物17-7(2-(1-(メチルチオ)エチル)-6-(ペント-3-イル)フェノール)の合成
【0165】
化合物17-6(2.0g、9.60mmol)を窒素ガスの保護でメチルメルカプタン(5.54g、10% のプロピレングリコール溶液、11.52mmol、1.2eq)に加え、さらに反応液に塩酸(420mg、11.52mmol、1.2eq)を滴下し、反応系を15℃で攪拌して12時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=80:1~25:1であり、浅黄色油状化合物17-7(1.1g、収率:48.1%)を得た。
【0166】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.63(s,1H),7.26-7.21(m,1H),7.12-7.06(m,1H),6.96-6.86(m,1H),4.05-4.00(m,1H),2.45-2.42(m,1H),2.06-1.98(m,4H),1.94(s,3H),1.63(d,J=8.0Hz,3H),1.21-1.14(m,6H).
【0167】
ステップ7:化合物17(2-(1-(メチルスルホニル)エチル)-6-(ペント-3-イル)フェノール)の合成
【0168】
窒素ガス保護で、化合物17-7(400mg、1.68mmol)をDCM(12mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してゆっくりとm-クロロペルオキシ安息香酸(681.3mg、3.36mmol、2.0eq)を反応に加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=2:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:1であり、黄色油状化合物17(100mg、収率:22.0%)を得た。
【0169】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.65(s,1H),7.26-7.18(m,1H),7.12-7.06(m,1H),6.96-6.86(m,1H),4.62-4.58(m,1H),2.78(s,3H),2.35-2.30(m,1H),2.06-1.98(m,4H),1.83(d,J=8.0Hz,3H),1.21-1.14(m,6H).
【0170】
実施例18
化合物18(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルホニル)プロピル)フェノール)の合成
【化32】
ステップ1:化合物18-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルチオ)プロピル)フェノール)の合成
【0171】
化合物13-5(200mg、0.91mmol)を5mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でエタンチオール(67.7mg、1.09mmol、1.2eq)を加え、さらに反応液に塩酸(36.41mg、0.998mmol、1.1eq)を滴下し、反応系を25℃で6時間攪拌して反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=10:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=1:0~100:1であり、黄色油状化合物18-1(210mg、収率:87.5%)を得た。
【0172】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.58(d,J=4.0Hz,1H),7.26-7.24(m,1H),6.86-6.80(m,2H),3.90(d,J=8.0Hz,1H),2.58-2.53(m,1H),2.34-2.28(m,2H),1.99-1.88(m,2H),1.30(dd,J=8.0 ,4.0Hz,3H),1.16-1.12(m,3H),1.04-0.98(m,1H),0.96(t,J=8.0Hz,3H),0.55-0.51(m,1H),0.39-0.33(m,1H),0.21-0.13(m,2H).
【0173】
ステップ2:化合物18(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルホニル)プロピル)フェノール)の合成:
窒素ガス保護で、化合物18-1(200mg、0.820mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してゆっくりとm-クロロペルオキシ安息香酸(306mg、1.64mmol、2.0eq)を反応に加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=2:1)原料を消費し切ったことを検出すると、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=15:1であり、黄色油状化合物18(200mg、収率:89.3%)を得た。
【0174】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34-7.31(m,1H),7.03-7.00(m,1H),6.97-6.93(m,1H),4.47-4.05(m,1H),2.90-2.83(m,2H),2.64-2.53(m,1H),2.46-2.28(m,2H),1.31-1.27(m,6H),1.05-0.98(m,1H),0.92(t,J=8.0Hz,3H),0.59-0.52(m,1H),0.43-0.40(m,1H),0.23-0.10(m,2H).
【0175】
実施例19
化合物19(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-((2,2,2-トリフルオロエチル)スルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化33】
ステップ1:化合物19-1(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-((2,2,2-トリフルオロエチル)チオ)エチル)フェノール)の合成
【0176】
化合物3-5(1.0g、4.85mmol)を10mLのアセトニトリルに加え、窒素ガスの保護でトリフルオロエチルチオール(674mg、5.81mmol、1.2eq)を加え、さらに反応液に塩酸(229mg、6.30mmol、1.3eq)を滴下し、反応系を15℃で攪拌して10時間反応させ、TLC(Vヘキサン:VEA=5:1)原料の大部分を消費し切ったことを検出すると、反応を停止した。反応液をHOで希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=50:1~20:1であり、黄色油状化合物19-1(800mg、収率:65.7%)を得た。
【0177】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.27-7.25(m,1H),6.93-6.91(m,1H),6.86-6.83(m,1H),4.16-4.08(m,1H),2.93-2.82(m,2H),2.58-2.52(m,1H),1.64(d,J=8.0Hz,3H),1.31-1.28(m,3H),1.05-0.97(m,1H),0.59-0.54(m,1H),0.38-0.33(m,1H),0.20-0.16(m,2H).
【0178】
ステップ2:化合物19(2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-((2,2,2-トリフルオロエチル)スルホニル)エチル)フェノール)の合成:
窒素ガスの保護で、化合物19-1(200mg、0.657mmol)をDCM(10mL)に溶解し、系温度を-5~0℃に維持してm-クロロペルオキシ安息香酸(265.9mg、1.314mmol、2.0eq)を反応にゆっくりと加え、15℃で0.5時間反応させた。TLC(Vヘキサン:VEA=1:1)検出原料を消費し、反応を停止し、反応液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗物をカラムクロマトグラフィーで精製し、溶出剤極性は、Vn-ヘキサン:V酢酸エチル=15:1であり、無色油状化合物19(185.0mg、収率:83.7%)を得た。
【0179】
特徴データ:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.63-7.59(m,1H),7.32-7.27(m,2H),7.10-7.06(m,1H),4.75-4.68(m,1H),3.94-3.88(m,2H),2.56-2.54(m,1H),1.92(d,J=8.0Hz,3H),1.35-1.24(m,3H),1.05-1.00(m,1H),0.59-0.54(m,1H),0.42-0.40(m,1H),0.28-0.16(m,2H).
【0180】
実施例20
化合物20(2-((R)-1-シクロプロピルエチル)-6-((S)-1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化34】
【0181】
特徴データ:H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.36(dd,J=7.6,1.7Hz,1H),7.12(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.10(s,1H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),4.60(q,J=7.3Hz,1H),2.93(q,J=7.5Hz,2H),2.65-2.53(m,1H),1.85(d,J=7.2Hz,3H),1.38-1.28(m,6H),1.08-0.99(m,1H),0.62-0.56(m,1H),0.49-0.38(m,1H),0.28-0.22(m,1H),0.20-0.14(m,1H).
【0182】
実施例21
化合物21(2-((S)-1-シクロプロピルエチル)-6-((R)-1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化35】
【0183】
特徴データ:H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.36(d,J=7.6Hz,1H),7.13(d,J=8.0Hz,1H),7.11(s,1H),7.01(t,J=7.7Hz,1H),4.60(q,J=7.3Hz,1H),2.94(q,J=7.4Hz,2H),2.69-2.52(m,1H),1.85(d,J=7.4Hz,3H),1.36-1.30(m,6H),1.09-1.00(m,1H),0.62-0.56(m,1H),0.49-0.37(m,1H),0.26-0.21(m,1H),0.20-0.15(m,1H).
【0184】
実施例22
化合物22(2-((S)-1-シクロプロピルエチル)-6-((S)-1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化36】
【0185】
特徴データ:H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.37(dd,J=7.6,1.7Hz,1H),7.13(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.11(s,1H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),4.60(q,J=7.3Hz,1H),2.93(q,J=7.5Hz,2H),2.74-2.46(m,1H),1.85(d,J=7.3Hz,3H),1.41-1.25(m,6H),1.10-0.97(m,1H),0.62-0.56(m,1H),0.47-0.40(m,1H),0.28-0.22(m,1H),0.20-0.14(m,1H).
【0186】
実施例23
化合物23(2-((R)-1-シクロプロピルエチル)-6-((R)-1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)の合成
【化37】
【0187】
特徴データ:H NMR(400MHz,Chloroform-d)δ 7.36(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.13(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.11(s,1H),7.00(t,J=7.7Hz,1H),4.60(q,J=7.3Hz,1H),2.93(q,J=7.5Hz,2H),2.66-2.54(m,1H),1.85(d,J=7.3Hz,3H),1.39-1.23(m,6H),1.08-1.00(m,1H),0.62-0.56(m,1H),0.47-0.41(m,1H),0.27-0.21(m,1H),0.20-0.14(m,1H).
【0188】
実施例20-23の製造方法:HPLC法を採用して、製造設備とキラルカラムでキラル異性体である2-(1-シクロプロピルエチル)-6-(1-(エチルスルホニル)エチル)フェノール)化合物11(1.5g、5.3mmol)をキラル分割した。
【0189】
分離条件:キラルカラムCHIRALCEL OJ-H、移動相:Vn-ヘキサン:Vエタノール=90:10、流速25mL/min、UV=214nm、カラム温度35℃。
【0190】
ピークアウト時間が6.908min、10.044min、11.829minである成分をそれぞれ収集して減圧濃縮した。
【0191】
ここで、
(1)得られたピークアウト時間が6.908minである油状物660mgは、一対の鏡像異性体である。1回再分割後、ピークアウト時間が8.831minと10.374minである成分をそれぞれ収集して減圧濃縮した。
【0192】
(1)ピークアウト時間が8.831minである化合物20(350mg、白色固体、HPLC純度:99.05%、Chiral-HPLC純度:100.00%、収率23.3%)を得、
(2)ピークアウト時間が10.374minである化合物21(290mg、白色固体、HPLC純度:99.47%、Chiral-HPLC純度:99.94%、収率19.3%)を得、
【0193】
(2)ピークアウト時間が10.044minである化合物22(354mg、白色固体、HPLC純度:97.10%、Chiral-HPLC純度:99.88%、収率23.6%)を得、
【0194】
(3)ピークアウト時間が11.829minである化合物23(322mg、白色固体、HPLC純度:98.43%、Chiral-HPLC純度:99.53%、収率21.5%)を得た。
【0195】
実施例24 生物テスト例
実験1 マウスの反正反射実験
SPF級ICRマウス、18-22g、雌雄半分ずつ。成熟したマウス麻酔モデルを利用して本発明の化合物の全身麻酔効果を研究した。化合物は、10%DMSO、15% solutol(HS15)、75%Salineの溶媒で必要な濃度に配置して予備した。実験動物は、実験環境に適応した後、禁水なしで12h断食し、10mL/kgの投与体積で静脈注射後、麻酔誘導時間(投与後から反正反射が消失するまでの時間)、麻酔持続時間(反正反射が消失してから反正反射が回復するまでの時間)を記録した。半数有効量(ED50)、半数死亡量(LD50)、治療指数(TI、即ちLD50/ED50)、麻酔誘導時間、麻酔持続時間、最大許容投与量でその麻酔効果と安全性を評価した。ここで、対照群1(プロポフォール)、対照群2(シクロポフォール、ラセミ体)、対照群3(シクロポフォール、R配置)それぞれ以下の構造式を有し、具体的な実験結果を表1に示す。
【0196】
【化38】
【0197】
【表1】
【0198】
実験結論:本発明の化合物は、対照群1、対照群2、対照群3と比べ、治療指数が大きく、安全係数が高く、より広い治療幅を有した。そのED50値がより小さいことは、本発明のこれらの化合物の有効投与量が少なく、より高い活性を有することを説明した。その対応する製剤における水相の遊離濃度が低く、注射痛を回避する効果が予測された。
【0199】
実験2 ラットの反正反射実験
SDラットは、雌雄半分ずつ、禁水なしで12h断食し、10mL/kgの投与体積で静脈注射後、麻酔誘導時間(投与後から反正反射が消失するまでの時間)、麻酔持続時間(反正反射が消失してから反正反射が回復して覚醒するまでの時間)、麻酔回復時間(覚醒してから完全に回復するまでの時間)を記録した。半数有効量(ED50)、半数死亡量(LD50)、治療指数(TI、即ちLD50/ED50)、麻酔誘導時間、麻酔持続時間、最大許容投与量でその麻酔効果と安全性を評価した。
【0200】
【表2】
【0201】
実験結論:本発明の化合物20は、対照群3と比べ、治療指数が大きく、安全係数が高く、より広い治療幅を有した。そのED50値がより小さいことは、本発明の化合物20の有効投与量が対照群3よりも少なく、より高い活性を有することを説明した。
【0202】
実験3 パッチクランプ技術による本発明の化合物の安定に過剰発現したGABA(α1β2γ2)受容体電流に対する影響の検出
γ-アミノ酪酸(GABA)は、中枢神経系の重要な抑制性アミノ酸類神経伝達物質であり、GABA受容体と結合することにより機能を発揮する。GABA受容体は、GABA、GABA、GABAの3つのサブタイプに分けられ、ここで、GABA受容体は、三者の中で最も重要な1種であり、GABA受容体は、陰イオン選択性イオンチャンネルであり、塩化物イオンの透過性を高め、ニューロンの興奮性を下げることができる。GABA受容体は、全身麻酔の制御に関与しており、抑うつ症、不眠、不安、癲癇などの神経・精神障害と密接に関連している。全細胞パッチクランプ技術を採用して本発明の化合物のGABA(α1β2γ2)受容体に対するアロステリック調節作用を研究した。
【0203】
GABA(α1β2γ2)受容体を安定に発現するHEK293細胞系を採用し、GABA(α1β2γ2)受容体の遺伝子情報は、以下のとおりである。GABA-α1:NM_000806、GABA-β2:NM_021911、GABA-γ2:NM_198904。全細胞パッチクランプは、GABA受容体電流の電圧刺激を以下のように記録した。全細胞封止を形成した後に細胞膜電圧を-70mVにクランプした。Gap-freeモードで細胞表面に低から高濃度の被験物及び100M GABAを順次噴射した後の電流のピーク値を記録した。被験物の投与方式:各濃度の被験物を1~2回投与した後に細胞外液で1min洗浄して次の濃度を検出し、最後に100μM GABAを対照として投与した。試験データは、EPC-10アンプ(HEKA)によって採集されてPatchMaster(HEKA)ソフトウェアに記憶された。微小電極延伸装置を用いてキャピラリーガラス管を延伸して記録電極とした。倒立顕微鏡で微小電極マニピュレータを操作して記録電極を細胞に接触させ、負圧吸引を与え、GΩ封止を形成した。GΩ封止を形成した後に急速容量補償(pF)を行い、そして引き続き負圧を与え、細胞膜を吸引破壊し、全細胞記録モードを形成した。そしてスローキャパシタンスの補償を行って膜容量(pF)及び直列抵抗を記録した。漏電補償を与えなかった。細胞を敷いたカバーガラスを倒立顕微鏡内の記録浴槽に置き、被検物作動液および化合物を含まない外液を重力灌流法により低濃度から高濃度まで順次記録浴槽に流して細胞に作用させ、記録中に真空ポンプを用いて液交換を行った。複数の細胞を独立して繰り返し検出した。すべての電気生理学的試験は、室温で行われた。
【0204】
3回の独立した重複試験で本発明の化合物のGABA(α1β2γ2)受容体に対するアロステリック調節作用を検出し、フィッティングによりサンプルのGABA(α1β2γ2)受容体に対する半活性化濃度(EC50)を算出し、試験結果は、以下のとおりである。
【0205】
【表3】
【0206】
実験結論:GABA(α1β2γ2)のアロステリック調節を行う半活性化濃度(EC50)は、本発明の化合物20が1.556μMであり、対照群3のEC50が10.40μMである。対照群3と比べ、本発明の化合物20は、GABA(α1β2γ2)のアロステリック調節作用がより強く、GABA(α1β2γ2)を刺激することで麻酔効果を発揮できることを説明した。
【0207】
実験4 本発明の化合物のラット体内における薬物動態の研究
雄性SDラット(200-300g)12匹をランダムに、対照群3、化合物20の2群に分けた(n=6)。1mg/kg(対照群3)、1mg/kg(化合物20)をそれぞれ静脈注射し、投与体積は、5mL/kgであり、溶媒は、5%DMSO+10%solutol(HS15)+85%Salineとした。投与前と投与後2min、4min、8min、12min、15min、30min、1h、1.5hと2hに採血し、遠心で血漿を採取し、LC-MS分析を行うまでに-80℃の冷蔵庫に保存し、測定用とした。サンプル処理後、LCMS/MSで血漿中の物質を定量分析し、血漿中の原型化合物濃度を検出した。検証を行った薬物動態学的コンピュータプログラムにより、このような方式で得られた血漿濃度/時曲線を用いて薬物動態学パラメータを計算した。実験結果を表4に示す。
【0208】
【表4】
【0209】
実験結論:本発明の化合物20は、対照群3の薬物動態特性と類似し、ラットの体内代謝除去が速く、麻酔効果と一致し、麻酔後の覚醒がより速く、同時に体内蓄積毒性を回避し、良好な薬物動態特性を有した。
【0210】
実験5 本発明の化合物のビーグル犬体内における薬物動態の研究
雄性ビーグル犬(6-10kg)6匹をランダムに、対照群3、化合物20の2群に分けた(n=3)。0.5mg/kg(対照群3)、0.5mg/kg(化合物20)をそれぞれ静脈注射し、投与体積は、1mL/kgであり、溶媒は、5%DMSO+10%solutol(HS15)+85%Salineとした。投与前と投与後2min、5min、10min、20min、30min、1h、1.5h、2h、3hに採血し、遠心で血漿を採取し、LC-MS分析を行うまでに-80℃の冷蔵庫に保存し、測定用とした。サンプル処理後、LCMS/MSで血漿中の物質を定量分析し、血漿中の原型化合物濃度を検出した。検証を行った薬物動態学的コンピュータプログラムにより、このような方式で得られた血漿濃度/時曲線を用いて薬物動態学パラメータを計算した。実験結果を表5に示す。
【0211】
【表5】
【0212】
実験結論:本発明の化合物20は、対照群3の薬物動態特性と類似し、ビーグル犬の体内代謝除去が速く、体内蓄積毒性を回避し、良好な薬物動態特性を有した。
【0213】
実験6 本発明の化合物のビーグル犬における血行動態効果の研究
本試験は、emka PACK 4G遠隔測定システムを採用して対照群3と化合物20を静脈注射した後の覚醒ビーグル犬の心電図、血圧、体温に対する影響を検出し、臨床使用の安全性を評価するために参照情報を提供した。
【0214】
4匹のビーグル犬に交差投与し、静脈注射ごとに溶媒対照品(5%DMSO+10%solutol+85%Saline)、対照群3(2mg/kg)、化合物20(0.5mg/kg)と化合物20(1mg/kg)を2mL/kgの容積で投与した。投与日の観察は、投与前及び投与後1h以内にそれぞれ行われ、各投与期間内に投与前、投与後30min、1h、2hと3hにそれぞれ1回肛門温度を測定し、各投与期間内に投与前0.5hから投与後3hまで心電図パラメータを連続的に採集した。採集開始後15minに1回血圧を採集し、投与後2min、5min、10min、20min、30min、1h、2hと3hに1回ずつ採集した。投与前(採集開始後30min)と投与後2min、5min、10min、20min、30min、1h、2hと3hの各時点的心電、血圧データ及び体温と投与日の臨床観察結果を分析して評価した。実験結果を図1図2図3に示す。
【0215】
実験結論:実験の結果、対照群3と化合物20を動物に投与した後1h以内に心拍数が緩慢になる変化があり、1h間に回復できることを示した。投与後各群の動物の血圧の各指標は、いずれも低下したが、幅が大きくなく、その収縮期血圧の低下は、明らかではなく、依然として正常範囲内にあった。投与後各群の動物の体温指標にいずれも異常は見られなかった。本発明の化合物20によるビーグル犬の心率、血圧と体温への影響が小さいことを説明し、本発明の化合物20が安全性に優れていると予測される。
図1
図2
図3