(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】印刷回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20241210BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20241210BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H05K1/14 B
H05K3/46 B
H05K3/46 G
H01L23/12 N
H01L23/12 Q
(21)【出願番号】P 2020197133
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0095724
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ジュン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】コ、キョン ホワン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チ ウォン
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-183714(JP,A)
【文献】特開2020-043320(JP,A)
【文献】特開2016-058472(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0081236(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 3/36
H05K 3/46
H01L 23/12 - 23/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リセス部を有し、第1回路層を含む基板部と、
前記リセス部に配置され、絶縁層及びブリッジ回路層を含むブリッジと、
前記リセス部の少なくとも一部を満たし、前記ブリッジの少なくとも一部を覆う絶縁材と、
前記絶縁材上に配置される第2回路層と、
前記絶縁材及び前記ブリッジの一部を貫通し、前記第2回路層と前記ブリッジ回路層を連結する第1ビアと、を含む、印刷回路基板。
【請求項2】
前記ブリッジ回路層は前記第1回路層よりも密度が高い、請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項3】
前記印刷回路基板は、前記絶縁材及び前記ブリッジを貫通し、前記第2回路層と前記第1回路層を連結する第2ビアをさらに含む、請求項1または2に記載の印刷回路基板。
【請求項4】
前記ブリッジ回路層は前記第2ビアの側面と接するブリッジ回路パターンを含む、請求項3に記載の印刷回路基板。
【請求項5】
前記ブリッジ回路パターンは、前記第2ビアの側面と接する領域において前記第2ビアの側面を囲む、請求項4に記載の印刷回路基板。
【請求項6】
前記第1回路層は、前記リセス部の底面の少なくとも一部の領域に配置される回路パッドを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項7】
前記回路パッドは複数であり、
複数の前記回路パッドはそれぞれ互いに離隔されて配置される、請求項6に記載の印刷回路基板。
【請求項8】
前記回路パッドは少なくとも一つ以上のホールを有する、請求項6または7に記載の印刷回路基板。
【請求項9】
前記印刷回路基板は、前記リセス部の底面と前記ブリッジとの間に配置される接着層をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項10】
前記第2ビアは、第1金属層、及び前記第1金属層上に配置される第2金属層を含み、
前記第1ビア及び前記第2回路層はそれぞれ、第3金属層、及び前記第3金属層上に配置される第4金属層を含み、
前記第1ビア及び前記第2回路層は互いに一体化される、請求項3から5のいずれか一項に記載の印刷回路基板。
【請求項11】
第1回路層を含む基板部にリセス部を形成する段階と、
前記リセス部に絶縁層及びブリッジ回路層を含むブリッジを配置する段階と、
前記リセス部の少なくとも一部を満たし、前記ブリッジの少なくとも一部を覆う絶縁材を形成する段階と、
前記絶縁材及び前記ブリッジの一部を貫通して前記ブリッジ回路層と連結される第1ビアを形成する段階と、を含む、印刷回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記絶縁材及び前記ブリッジを貫通して前記第1回路層と連結される第2ビアを形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2ビアを形成する段階はビアホールを形成する段階を含み、
前記ビアホールは前記ブリッジ回路層に含まれるブリッジ回路パターンの側面の少なくとも一部を露出させる、請求項12に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記ブリッジ回路パターンはホールを有する領域を含み、
前記ビアホールは、前記ホールに対応する領域を貫通して前記ブリッジ回路パターンの側面の少なくとも一部を露出させる、請求項13に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記リセス部を形成する段階において、前記リセス部は前記第1回路層に含まれる回路パッドの少なくとも一部を露出させる、請求項11から14のいずれか一項に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記ブリッジを配置する段階において、前記ブリッジは接着層を介して前記リセス部に配置される、請求項11から15のいずれか一項に記載の印刷回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達に伴い、幾何級数的に増加したデータを処理するためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが用いられている。
【0003】
一方、マルチチップパッケージに用いられる印刷回路基板内に微細回路を含むブリッジを内蔵して基板上に実装された半導体チップを互いに電気的に連結する技術も開発されつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの目的のうちの一つは、高密度回路層を含むブリッジが内蔵された印刷回路基板及びその製造方法を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的のうちの他の一つは、印刷回路基板の回路層と印刷回路基板に内蔵されたブリッジのブリッジ回路層を直接連結して電気的連結経路を最小限に抑えることができる印刷回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で提供される一例による印刷回路基板は、リセス部を有し、第1回路層を含む基板部と、上記リセス部に配置され、絶縁層及びブリッジ回路層を含むブリッジと、上記リセス部の少なくとも一部を満たし、上記ブリッジの少なくとも一部を覆う絶縁材と、上記絶縁材上に配置される第2回路層と、上記絶縁材及び上記ブリッジの一部を貫通し、上記第2回路層と上記ブリッジ回路層を連結する第1ビアと、を含む印刷回路基板であることができる。
【0007】
本発明で提供される一例による印刷回路基板の製造方法は、第1回路層を含む基板部にリセス部を形成する段階と、上記リセス部に絶縁層及びブリッジ回路層を含むブリッジを配置する段階と、上記リセス部の少なくとも一部を満たし、上記ブリッジの少なくとも一部を覆う絶縁材を形成する段階と、上記絶縁材及び上記ブリッジの一部を貫通して上記ブリッジ回路層と連結される第1ビアを形成する段階と、を含む印刷回路基板の製造方法であることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のいくつかの効果のうちの一効果は、高密度回路層を含むブリッジが内蔵された印刷回路基板及びその製造方法を提供することができることである。
【0009】
本発明のいくつかの効果のうちの他の効果は、印刷回路基板の回路層と印刷回路基板に内蔵されたブリッジのブリッジ回路層を直接連結して電気的連結経路を最小限に抑えることができる印刷回路基板及びその製造方法を提供することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】本発明による印刷回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4】(a)、(c)、(e)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大断面図、(b)、(d)、(f)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大平面図である。
【
図5】(a)、(c)、(e)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大断面図、(b)、(d)、(f)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大平面図である。
【
図6】(a)、(c)、(e)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大断面図、(b)、(d)、(f)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大平面図である。
【
図7】(a)~(d)は本発明による印刷回路基板のリセス部の底面に配置される第1回路層領域の変形例を概略的に示す拡大平面図である。
【
図8】(a)~(d)は本発明による印刷回路基板のリセス部の底面に配置される第1回路層領域の変形例を概略的に示す拡大平面図である。
【
図9a】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9b】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9c】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9d】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9e】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9f】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9g】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9h】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9i】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図9j】本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【
図10a】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の一例を概略的に示す図である。
【
図10b】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の一例を概略的に示す図である。
【
図10c】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の一例を概略的に示す図である。
【
図10d】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の一例を概略的に示す図である。
【
図11a】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11b】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11c】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11d】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11e】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11f】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図11g】本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【
図12】本発明による印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図13】本発明による印刷回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図14】本発明による印刷回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図15】本発明による印刷回路基板のさらに他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図16】本発明による印刷回路基板上に複数の半導体チップが実装されたマルチチップパッケージの一例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照し、本発明について詳細に説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小されることができる。
【0012】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図1を参照すると、電子機器1000は、メインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040が物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることは言うまでもない。また、これらチップ関連部品1020が互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。チップ関連部品1020は、上述のチップ又は電子部品を含むパッケージの形態であってもよい。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されているか、又は連結されていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080が挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、及びDVD(digital versatile disk)などであってもよい。また、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図2を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、メインボード1110が収容されており、かかるメインボード1110には、様々な電子部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、メインボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか、又は連結されていない他の電子部品が内部に収容されている。電子部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、半導体パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。半導体パッケージ1121は、多層電子部品内蔵基板の形態のパッケージ基板上に半導体チップや受動部品などが表面実装された形態であることができるが、これに限定されるものではない。一方、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0020】
印刷回路基板
図3は本発明による印刷回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0021】
図3を参照すると、一例による印刷回路基板100Aは、コア基板部110、第1基板部120A、第2基板部120B、ブリッジ130、絶縁材151、第3回路層152、第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cを含む。但し、一例による印刷回路基板100Aは、第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cのうち一部だけを含むこともできる。また、後述する他の一例による印刷回路基板のように、コア基板部110及び第2基板部120Bは、省略可能な付加的な構成であることを事前に明らかにしておく。
【0022】
コア基板部110は、コア層111、コア層111の両面に配置されるコア回路層112、及びコア層111を貫通してコア層111の両面に配置されるコア回路層112のそれぞれを互いに連結する貫通ビア113を含むことができる。図面上において、コア層111を単数の層で示したが、印刷回路基板は、設計に応じて、複数のコア層111が積層される多層コア基板の構造を有することもできる。
【0023】
コア層111は、基板の剛性を図ることで基板の反りを抑えるなどの役割を果たすことができる。コア層111は、第1絶縁層121A及び第2絶縁層121Bのそれぞれよりも厚い厚さを有することができる。コア層111の形成材料は、特に限定されるものではないが、絶縁性を有する材料であれば、いかなるものであっても用いることができる。例えば、銅箔積層板(Copper Clad Laminate;CCL)又はアンクラッド 銅箔積層板(Unclad CCL)を用いることができる。或いは、ガラス基板やセラミック基板などのような他の種類の材料で構成されることもできるが、これらに制限されるものではない。
【0024】
コア回路層112は、設計に応じて、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。コア回路層112の形成材料としては、導電性材料を用いることができ、例えば、回路層に使用可能な公知の金属材料を用いることができる。
【0025】
貫通ビア113の形成材料として導電性材料を用いることもできる。貫通ビア113は、導電性材料で完全に充填されたものであってもよく、導電性材料がビアホールの壁に沿って形成されたものであってもよい。貫通ビア113が、導電性材料がビアホールの壁に沿って形成されたものである場合、ビアホールの内部は絶縁性物質で充填されたものであってもよい。
【0026】
第1基板部120Aは、リセス部121hを有し、第1絶縁層121A、第1絶縁層121Aに埋め込まれた第1回路層122A、及び第1絶縁層121Aに埋め込まれ、互いに異なる層に配置される第1回路層122Aを連結する第1ビア層123Aを含むことができる。このとき、第1基板部120Aに含まれる第1絶縁層121A、第1回路層122A、及び第1ビア層123Aのそれぞれの数は特に制限されない。
【0027】
図面に示すように、第1基板部120Aは、コア基板部110の一面上に配置されることができ、リセス部121hが形成された面の反対面がコア基板部110を向くように配置されることができる。
【0028】
リセス部121hは第1絶縁層121Aの少なくとも一部を貫通する。図面に示すように、リセス部121hは、第1絶縁層121Aを貫通する方向に沿って幅が狭くなる形状を有してもよく、第1絶縁層121Aを貫通する方向に沿って幅が一定の形状を有してもよい。リセス部121hの底面の少なくとも一部の領域には、第1回路層122Aに含まれる回路パッドが配置されることができる。これについては後述する。
【0029】
第1絶縁層121Aは、複数の絶縁層が積層されて形成されたものであってもよい。このとき、複数の絶縁層間の境界が区別されてもよく、複数の絶縁層が一体化されて複数の絶縁層間の境界が明確でなくてもよい。第1絶縁層121Aの形成材料としては、絶縁材料、例えば、プリプレグ(PPG)などを用いることができる。
【0030】
第1回路層122Aは、他の層に配置される第1回路層122A、コア回路層112、及び第3回路層152のうち少なくともいずれか一つと連結されることができる。第1回路層122Aは、設計デザインに応じて、様々な機能を行うことができる。例えば、第1回路層122Aは、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。第1回路層122Aの形成材料としては、導電性材料を用いることができ、例えば、回路層に使用可能な公知の金属材料を用いることができる。第1回路層122Aは、リセス部121hの底面の少なくとも一部の領域に配置される回路パッドを含むことができる。
【0031】
第1ビア層123Aは、第1絶縁層121Aの一部を貫通して第1回路層122Aを他の層に配置される第1回路層122A及び/又はコア回路層112と互いに連結することができる。第1ビア層123Aの形成材料としても導電性材料を用いることができ、テーパー状や円筒状などの公知の形状が適用されることができる。
【0032】
第2基板部120Bは、第2絶縁層121B、第2絶縁層121Bに埋め込まれた第2回路層122B、及び第2絶縁層121Bに埋め込まれ、互いに異なる層に配置される第2回路層122Bを連結する第2ビア層123Bを含むことができる。
【0033】
第2基板部120Bは、コア基板部110の第1基板部120Aが配置された一面の反対面である他面上に配置されることができる。
【0034】
一方、第2基板部120Bには、第1基板部120Aとは異なり、リセス部が形成されなくてもよく、第2基板部120B側にはブリッジ130が配置されなくてもよい。
【0035】
第2絶縁層121B、第2回路層122B、及び第2ビア層123Bのそれぞれに対しては、第1絶縁層121A、第1回路層122A、及び第1ビア層123Aのそれぞれの説明が実質的に同一に適用することができる。
【0036】
ブリッジ130は、第1基板部120A上に配置され、図面に示すように、リセス部121hに配置されることができる。ブリッジ130は、絶縁層131及びブリッジ回路層132を含むことができる。ブリッジ回路層132は複数であってもよく、絶縁層131も複数であってもよい。ブリッジ130は、基板上に実装される複数の半導体チップを互いに電気的に連結する役割を果たす。
【0037】
絶縁層131は有機絶縁層であってもよいが、これに制限されるものではなく、ガラス、シリコン、セラミックなどの絶縁材料で形成されることができる。絶縁層131が有機絶縁層である場合には、複数の絶縁層を積層する公知の印刷回路基板の製造工程を介してブリッジ130を製造することができる。
【0038】
ブリッジ回路層132は、高密度の回路層であってもよく、第1回路層122Aよりも密度が高い。また、第2回路層122Bよりも密度が高くてもよい。これにより、ブリッジ回路層132は、第1回路層122A及び/又は第2回路層122Bよりも微細な回路を有することができる。ブリッジ回路層132は、第1ビア153Aと接することができ、第1ビア153Aを介して第3回路層152及び第1回路層122Aのそれぞれと連結されることができる。また、ブリッジ回路層132は、第2ビア153Bを介して第3回路層152と連結されることもできる。
【0039】
一方、一例による印刷回路基板100Aは、リセス部121hの底面とブリッジ130との間に配置される接着層140をさらに含むことができる。接着層140は、ブリッジ130をリセス部121hの底面に固定する役割を果たすことができる。このとき、第1ビア153Aは、絶縁材151及びブリッジ130を貫通して接着層140をさらに貫通することができる。接着層140の形成材料としては、公知のテープなどを用いることができる。
【0040】
絶縁材151は、リセス部121hの少なくとも一部を満たし、ブリッジ130の少なくとも一部を覆うことができる。例えば、絶縁材151は、リセス部121hとブリッジ130との間の空間を満たし、リセス部121h及びブリッジ130上にそれぞれ延長されてリセス部121h及びブリッジ130のそれぞれの一面を覆うことができる。絶縁材151の形成材料としては、絶縁材料を用いることができ、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0041】
第3回路層152は、絶縁材151上に配置され、第1回路層122A及びブリッジ回路層132のうち少なくともいずれか一つと連結されることができる。第3回路層152は、設計に応じて、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。第3回路層152の形成材料としては、導電性材料を用いることができ、例えば、回路層に使用可能な公知の金属材料を用いることができる。
【0042】
一方、一例による印刷回路基板100Aは、第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0043】
第1ビア153Aは、絶縁材151及びブリッジ130を貫通し、第3回路層152と第1回路層122Aを連結することができる。このとき、第1ビア153Aは、第3回路層152及び第1回路層122Aのそれぞれと接して第3回路層152と第1回路層122Aを直接連結することができる。一例による印刷回路基板100Aが接着層140をさらに含む場合、第1ビア153Aは、接着層140をさらに貫通することができる。第1ビア153A及び第3回路層152は、一体化されてもよく、互いに境界を有して区別されてもよい。
【0044】
一例による印刷回路基板100Aは、第1ビア153Aを介して第3回路層152と第1回路層122Aを直接連結することができる。これにより、第3回路層152と第1回路層122Aとの間の電気的連結経路を最小限に抑えることができる。
【0045】
第2ビア153Bは、絶縁材151を貫通して第3回路層152とブリッジ回路層132を互いに連結することができる。
図15に示すように、第2ビア153Bがブリッジ130の内側に埋め込まれたブリッジ回路層132と連結される場合、第2ビア153Bは、絶縁材151及びブリッジ130の一部を貫通することができる。このとき、第2ビア153Bは、絶縁材151及び絶縁層131の一部を貫通することができる。第2ビア153B及び第3回路層152は一体化されることができる。但し、これに制限されるものではなく、第2ビア153B及び第3回路層152は互いに境界を有して区別されることもできる。
【0046】
第3ビア153Cは、絶縁材151及び第1絶縁層121Aを貫通し、第3回路層152と第1回路層122Aを互いに連結することができる。図面に示すものとは異なり、第1回路層122Aの一部は、第1絶縁層121A上に露出して絶縁材151で覆われることができる。このとき、第3ビア153Cは、絶縁材151だけを貫通することもできる。第3ビア153C及び第3回路層152は一体化されることができる。但し、これに制限されるものではなく、第3ビア153C及び第3回路層152は互いに境界を有して区別されることもできる。
【0047】
第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cのそれぞれの形成材料としても導電性材料を用いることができ、テーパー状、円筒状などの公知の形状が適用されることができる。
【0048】
一方、一例による印刷回路基板100Aは、絶縁材151上に配置され、第3回路層152の少なくとも一部を露出させる開口部を有する保護層160をさらに含むことができる。保護層160の形成材料としては、絶縁材料、例えば、ソルダーレジスト(Solder Resist)を用いることができる。
【0049】
また、一例による印刷回路基板100Aは、保護層160上に配置され、第3回路層152と連結される連結導体170をさらに含むこともできる。連結導体170の形成材料としては、導電性材料、例えば、導電性ポスト(post)及び/又はソルダーボール(solder ball)を用いることができる。
【0050】
一方、図面に示すように、第2基板部120B上にも絶縁材151、第3回路層152、第3ビア153c、及び保護層160のうち少なくとも一つ以上が配置されることができる。このとき、第2基板部120Bはリセス部を有さないため、絶縁材151は、第2基板部120Bの一面を覆うように形成されることができる。但し、設計に応じて、第2基板部120B上に絶縁材151が配置されなくてもよく、第3回路層152が第2絶縁層121B上に直接配置されてもよい。
【0051】
図4~
図6(a)、(c)、(e)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大断面図、
図4~
図6(b)、(d)、(f)は本発明による印刷回路基板のブリッジ回路層及び第1ビア領域を概略的に示す拡大平面図である。
【0052】
図4(a)及び
図4(b)はそれぞれ一例による印刷回路基板100Aによるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0053】
図面を参照すると、ブリッジ回路層132は、第1ビア153Aの側面と接するブリッジ回路パターンを含むことができる。
【0054】
ブリッジ回路パターンは、ホール(hole)を有する領域を含むことができる。例えば、ブリッジ回路パターンは、リング(ring)状を有することができる。このとき、第1ビア153Aを形成するためのビアホール形成時に、ビアホールは、ブリッジ回路パターンのホール(hole)に対応する領域を貫通することができ、ブリッジ回路パターンの側面の少なくとも一部を露出させることができる。これにより、第1ビア153Aはブリッジ回路パターンのホール(hole)を満たすことができ、ブリッジ回路パターンは第1ビア153Aの側面と接する領域における第1ビア153Aの側面を囲むことができる。
【0055】
図4(c)及び
図4(d)はそれぞれ一実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0056】
上述した第1ビア153Aを形成するためのビアホール加工時にビアホールの直径がブリッジ回路パターンのホールの直径よりも大きく加工される場合、ビアホールが形成される領域におけるブリッジ回路パターンの一面は加工されずに残ることができる。これにより、ブリッジ回路パターンの一面の少なくとも一部はビアホールを介して露出することができ、ビアホールを満たす第1ビア153Aはブリッジ回路パターンの露出した面を覆うことができる。このとき、ブリッジ回路パターンの露出した一面は第3回路層152と向かい合う面であることができる。
【0057】
また、ビアホールは、ブリッジ回路パターンのホールの周囲に沿ってさらに加工されることができる。このとき、ブリッジ回路パターンは加工されないため、さらに加工される下部ビアホール領域はブリッジ回路パターンを露出させる上部ビアホール領域よりも狭い幅を有することができる。
【0058】
図4(e)及び
図4(f)はそれぞれ一実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0059】
上述のように、ビアホールは、ブリッジ回路パターンのホールの周囲に沿ってさらに加工されることができ、この際にさらに加工される下部ビアホール領域はブリッジ回路パターンのホール(hole)よりも大きい直径を有することができる。これにより、第1ビア153Aの側面と接するブリッジ回路パターンの少なくとも一部は、ビアホールの領域に突出することができる。
【0060】
図5(a)及び
図5(b)はそれぞれ他の実施例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0061】
図面を参照すると、他の実施例の場合、
図4(a)及び
図4(b)に示す構造におけるブリッジ回路層132は、絶縁層131に埋め込まれず、絶縁層131の一面上に配置される。
【0062】
図5(c)及び
図5(d)はそれぞれ他の実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0063】
図面を参照すると、
図4(c)及び
図4(d)についての説明で上述したように、第1ビア153Aを形成するためのビアホール加工時にビアホールの直径がブリッジ回路パターンのホールの直径よりも大きく加工される場合、ビアホールが形成される領域におけるブリッジ回路パターンの一面は加工されずに残ることができる。これにより、ブリッジ回路パターンの一面の少なくとも一部はビアホールを介して露出することができ、ビアホールを満たす第1ビア153Aはブリッジ回路パターンの露出した面を覆うことができる。このとき、ブリッジ回路パターンの露出した一面は、第3回路層152と向かい合う面であることができる。
【0064】
図5(e)及び
図5(f)はそれぞれ他の実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0065】
上述のように、ビアホールはブリッジ回路パターンのホールの周囲に沿ってさらに加工されることができ、この際にさらに加工される下部ビアホール領域はブリッジ回路パターンのホール(hole)よりも大きい直径を有することができる。これにより、第1ビア153Aの側面と接するブリッジ回路パターンの少なくとも一部は、ビアホールの領域に突出することができる。
【0066】
図6(a)及び
図6(b)はそれぞれ他の実施例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0067】
図面を参照すると、他の実施例の場合、
図4(a)及び
図4(b)に示す構造におけるブリッジ回路パターンは、ホール(hole)を有する領域を含まず、ブリッジ回路パターンの端部が第1ビア153Aの側面と接する。
【0068】
一方、第1ビア153Aを形成するためのビアホール加工時に、ブリッジ回路パターンの端部と隣接するようにビアホールを形成することができる。このようにビアホールを形成する場合、ビアホールは、ブリッジ回路パターンの側面を露出させることができる。これにより、ビアホールを満たす第1ビア153Aは、露出したブリッジ回路パターンの側面と接することができる。
【0069】
図6(c)及び
図6(d)はそれぞれ他の実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0070】
図面を参照すると、第1ビア153Aを形成するためのビアホール加工時に、ビアホールが形成される領域におけるブリッジ回路パターンの一面は加工されずに残ることができる。これにより、ブリッジ回路パターンの一面の少なくとも一部はビアホールを介して露出することができ、ビアホールを満たす第1ビア153Aはブリッジ回路パターンの露出した面を覆うことができる。このとき、ブリッジ回路パターンの露出した一面は、第3回路層152と向かい合う面であることができる。
【0071】
図6(e)及び
図6(f)はそれぞれ他の実施例の変形例によるブリッジ回路層132及び第1ビア153Aの領域を示す断面図及び平面図である。
【0072】
上述のように、ビアホールは、ブリッジ回路パターンのホールの周囲に沿ってさらに加工されることができ、この際にさらに加工される下部ビアホール領域はブリッジ回路パターンの側部に配置されたビアホール領域よりも大きな直径を有することができる。これにより、第1ビア153Aの側面と接するブリッジ回路パターンの少なくとも一部は、ビアホールの領域に突出することができる。
【0073】
図7及び
図8(a)~(d)は本発明による印刷回路基板のリセス部の底面に配置される第1回路層領域の変形例を概略的に示す拡大平面図である。
【0074】
一例による印刷回路基板100Aの第1回路層122Aは、リセス部121hの底面の少なくとも一部の領域に配置される回路パッドを含む。このとき、第1ビア153Aは、回路パッドと接して回路パッドと第3回路層152を連結することができる。
【0075】
図7(a)を参照すると、第1回路層122Aの回路パッドは、単一のパッドであることができ、リセス部121hの底面全体を覆うように配置されることができる。
【0076】
図7(b)、
図7(c)、
図8(a)、及び
図8(b)を参照すると、第1回路層122Aの回路パッドは複数の回路パッドであることができ、複数の回路パッドはそれぞれ互いに離隔されて配置されることができる。このとき、複数の回路パッドはそれぞれ、四角形や円形などの様々な形状を有することができる。
【0077】
図8(c)及び
図8(d)を参照すると、第1回路層122Aの回路パッドは少なくとも一つ以上のホールを有することができ、第1絶縁層121Aの一部の領域はホールを介して露出することができる。このとき、回路パッドに形成されるホールは、ガス抜き(degassing)の役割を果たすことができる。
【0078】
一方、第1回路層122Aに含まれる回路パッドは様々な形状を有することができる。これにより、設計に応じて、様々な役割を果たすことができる。例えば、回路パッドはそれぞれ、グランド(GrouND:GND)パッド、パワー(PoWeR:PWR)パッド、信号(Signal:S)パッドなどの役割を果たすことができ、様々な目的のために、電気的経路を提供することができる。
【0079】
図9a~
図9jは本発明による印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【0080】
図9aを参照すると、先ずコア層111を設ける。コア層111は、両面に金属箔111mが付着した金属箔積層板であることができる。
【0081】
次に、
図9bを参照すると、コア層111の両面にコア回路層112を形成し、コア層111を貫通してコア層111の両面に配置されるコア回路層112のそれぞれを互いに連結する貫通ビア113を形成する。コア回路層112及び貫通ビア113は、レーザードリルや機械ドリルなどを用いてビアホールを形成した後、公知のめっき工程を介して形成することができる。このとき、金属箔111mはシード(seed)層の役割を果たすことができる。
【0082】
次に、
図9cを参照すると、コア基板部110の一面及び他面上にそれぞれ第1絶縁層121A、第1回路層122A、及び第1ビア層123Aを含む第1基板部120Aと、第2絶縁層121B、第2回路層122B、及び第2ビア層123Bを含む第2基板部120Bとを形成する。
【0083】
第1絶縁層121A及び第2絶縁層121Bはそれぞれ、複数の絶縁層を積層する方法で形成することができる。例えば、未硬化状態のプリプレグを積層した後、硬化する方法で形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0084】
第1回路層122A、第2回路層122B、第1ビア層123A、及び第2ビア層123Bもそれぞれ、レーザードリルや機械ドリルなどを用いてビアホールを形成した後、公知のめっき工程を介して形成することができる。
【0085】
次に、
図9dを参照すると、第1基板部120Aにリセス部121hを形成する。リセス部121hの形成方法は、特に制限されず、レーザードリルや機械ドリルなどの公知の方法を用いることができる。リセス部121hは、第1基板部120Aの一部だけを貫通するように形成することができる。このとき、第1回路層122Aに含まれる回路パッドが加工停止層の役割を果たすことができる。これにより、リセス部121hは回路パッドの少なくとも一部を露出させることができ、リセス部121hの底面の少なくとも一部の領域には回路パッドが配置されることができる。このとき、回路パッドが配置されない領域において第1絶縁層121Aがさらに深く加工されることができる。そのため、リセス部121hの底面は、リセス部121hを介して露出する第1回路層122Aの回路パッドの一面と段差を有することができる。また、リセス部121hの底面は平坦ではない構造を有することができる。例えば、リセス部121hの一領域における底面は、他の領域における底面よりも高いか又は低い位置に位置することができる。
【0086】
次に、
図9eを参照すると、リセス部121hにブリッジ130を配置する。このとき、ブリッジ130は、接着層140を介してリセス部121hの底面に固定する方法を用いて配置することができる。
【0087】
次に、
図9fを参照すると、第1基板部120A上に絶縁材151を形成する。このとき、第2基板部120B上にも絶縁材151を形成することができる。絶縁材151は、リセス部121hの少なくとも一部を満たし、ブリッジ130の少なくとも一部を覆うように形成することができる。絶縁材151は、ABFなどを積層した後、硬化する方法で形成することができる。
【0088】
次に、
図9gを参照すると、第1ビアホール153Ah、第2ビアホール153Bh、及び第3ビアホール153Chをそれぞれ形成する。第1ビアホール153Ah、第2ビアホール153Bh、及び第3ビアホール153Chはそれぞれ、レーザードリルや機械ドリルなどを用いて形成することができる。第1ビアホール153Ahは絶縁材151及びブリッジ130を貫通して接着層140をさらに貫通するように形成することができる。第2ビアホール153Bhは絶縁材151を貫通するように形成することができ、ブリッジ130の一部をさらに貫通するように形成することもできる。第3ビアホール153Chは絶縁材151及び第1絶縁層121Aを貫通するように形成することができ、絶縁材151だけを貫通するように形成することもできる。第1ビアホール153Ah、第2ビアホール153Bh、及び第3ビアホール153Chはそれぞれ、レーザードリルや機械ドリルなどを用いて形成することができる。
【0089】
次に、
図9hを参照すると、第1ビアホール153Ah、第2ビアホール153Bh、及び第3ビアホール153Chをそれぞれ満たすことで第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cをそれぞれ形成し、且つ第3回路層152を形成する。第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153C、及び第3回路層152はそれぞれ、公知のめっき工程を介して形成することができ、これについては
図10a~
図11gの説明で詳述する。
【0090】
次に、
図9iを参照すると、絶縁材151上に保護層160を形成する。保護層160は、ソルダーレジスト(solder resist)などの絶縁材料を積層した後、硬化する方法などで形成することができる。また、保護層160に第3回路層152の少なくとも一部を露出させる開口部を形成する。
【0091】
次に、
図9jを参照すると、保護層160上に連結導体170を形成する。連結導体170は、公知のめっき工程を介して形成することができ、保護層160に形成される開口部を満たすように形成され、第3回路層152と連結されることができる。
【0092】
図10a~
図10dは本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の一例を概略的に示す図である。
【0093】
図10aを参照すると、絶縁材151、ブリッジ130、及び接着層140を貫通する第1ビアホール153Ah、絶縁材151を貫通する第2ビアホール153Bh、及び絶縁材151及び第1絶縁層121Aを貫通する第3ビアホール153Chをそれぞれ形成する。また、絶縁材151の表面、及び第1ビアホール153Ah、第2ビアホール153Bh、及び第3ビアホール153Chのそれぞれの壁面に沿って第1金属層211を形成する。第1金属層211は、無電解めっきを介して形成することができ、シード層の役割を果たすことができる。
【0094】
次に、
図10bを参照すると、絶縁材151上にフォトレジスト(photo resist)層300を形成する。このとき、フォトレジスト(photo resist)層300には、露光及び現像工程を介して第1ビア153A、第2ビア153B、第3ビア153C、及び第3回路層152が形成される領域に開口部が形成されることができる。
【0095】
次に、
図10cを参照すると、第1ビア153A、第2ビア153B、第3ビア153C、及び第3回路層152が形成される領域における第1金属層211上に第2金属層212を形成する。第2金属層212は、電解めっきを介して形成することができる。
【0096】
次に、
図10dを参照すると、フォトレジスト(photo resist)層300、及びフォトレジスト(photo resist)層300で覆われる第1金属層211を除去する。フォトレジスト(photo resist)層300は剥離する方法で除去することができ、第1金属層211はエッチング方法で除去することができる。
【0097】
一例による製造工程によると、第1ビア153A、第2ビア153B、第3ビア153C、及び第3回路層152はそれぞれ、第1金属層211及び第2金属層212を含む。第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cはそれぞれ、第3回路層152とともに形成されて第3回路層152と一体化されるように形成されることができる。
【0098】
図11a~
図11gは本発明による印刷回路基板の第1~第3ビア及び第3回路層の製造工程の他の一例を概略的に示す図である。
【0099】
図11aを参照すると、絶縁材151、ブリッジ130、及び接着層140を貫通する第1ビアホール153Ahを形成し、絶縁材151の表面、及び第1ビアホール153Ahの壁面に沿って第1金属層211を形成する。第1金属層211は、無電解めっきを介して形成することができ、シード層の役割を果たすことができる。
【0100】
次に、
図11bを参照すると、第1金属層211上に第2金属層212を形成する。第2金属層212は電解めっきを介して形成することができる。
【0101】
次に、
図11cを参照すると、絶縁材151の一面上に配置される第1金属層211及び第2金属層212を除去する。第1金属層211及び第2金属層212は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程などを介して除去することができる。これにより、第1ビア153Aが形成される。
【0102】
次に、
図11dを参照すると、絶縁材151を貫通する第2ビアホール153Bh、及び絶縁材151及び第1絶縁層121Aを貫通する第3ビアホール153Chをそれぞれ形成する。また、絶縁材151及び第1ビア153Aの表面、及び第2ビアホール153Bh及び第3ビアホール153Chの壁面に沿って第3金属層213を形成する。第3金属層213は、無電解めっきを介して形成することができ、シード層の役割を果たすことができる。
【0103】
次に、
図11eを参照すると、絶縁材151上にフォトレジスト(photo resist)層300を形成する。このとき、フォトレジスト(photo resist)層300には、露光及び現像工程を介して第1ビア153A、第2ビア153B、第3ビア153C、及び第3回路層152が形成される領域に開口部が形成されることができる。
【0104】
次に、
図11fを参照すると、第2ビア153B、第3ビア153C、及び第3回路層152が形成される領域における第3金属層213上に第4金属層214を形成する。第4金属層214は電解めっきを介して形成することができる。
【0105】
次に、
図11gを参照すると、フォトレジスト(photo resist)層300、及びフォトレジスト(photo resist)層300で覆われる第3金属層213を除去する。フォトレジスト(photo resist)層300は剥離する方法で除去することができ、第3金属層213はエッチング方法で除去することができる。
【0106】
他の一例による製造工程によると、第1ビア153Aは、第1金属層211、及び第1金属層211上に配置される第2金属層212を含む。また、第3回路層152、第2ビア153B、及び第3ビア153Cはそれぞれ、第3金属層213、及び第3金属層213上に配置される第4金属層214を含む。第2ビア153B及び第3ビア153Cはそれぞれ、第3回路層152とともに形成されて第3回路層152と一体化されるように形成されることができる。
【0107】
図12は本発明による印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0108】
図12を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Bにおけるブリッジ回路層132は、異なる形状を有するブリッジ回路パターンを含むことができる。
【0109】
例えば、ブリッジ回路層132は、
図4~
図6で上述したホール(hole)を有する領域を含み、且つリング状を有するブリッジ回路パターン、及び端部が第1ビア153Aの側面と接するブリッジ回路パターンをともに含むことができる。但し、これは、ブリッジ回路層132に含まれるブリッジ回路パターンが多様な形状を有することができることを示すための例示に過ぎず、本発明が上述した例示に制限されるものではない。
【0110】
図13は本発明による印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0111】
図13を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Cは、リセス部121hの底面がリセス部121hを介して露出する第1回路層122Aの回路パッドの一面と段差を有する。図面上において、リセス部121hの底面がリセス部121hを介して露出する回路パッドの一面と他面との間のレベルに位置することを示したが、これに制限されるものではなく、例えば、リセス部121hの底面は、リセス部121hを介して露出する回路パッドの他面よりも低いレベルに位置することもできる。
【0112】
一方、接着層140は、リセス部の底面に配置され、リセス部121hを介して露出する回路パッドの少なくとも一部を覆うことができる。例えば、接着層140は、リセス部の底面に配置され、リセス部121hを介して露出する回路パッドの一面及び側面のそれぞれの一部を覆うことができる。
【0113】
上述のように、リセス部121hの形成時に、第1回路層122Aに含まれる回路パッドが加工停止層の役割を果たすことができる。このとき、回路パッドが配置されない領域において第1絶縁層121Aがさらに深く加工されることができる。これにより、他の一例による印刷回路基板100Cのように、リセス部121hの底面がリセス部121hを介して露出する第1回路層122Aの回路パッドの一面と段差を有することができる。また、リセス部121hの底面は平坦ではない構造を有することができ、例えば、リセス部121hの一領域における底面は、他の領域における底面よりも高いか又は低い位置に位置することができる。
【0114】
図14は本発明による印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0115】
図14を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Dは、コア基板部110及び第2基板部120Bを含まない。
【0116】
これにより、他の一例による印刷回路基板100Dは、リセス部121hを有する第1基板部120A、ブリッジ130、絶縁材151、第3回路層152、第1ビア153A、第2ビア153B、及び第3ビア153Cを含む。
【0117】
その他の内容は一例による印刷回路基板100Aの説明で上述したものと実質的に同一であるため詳細な説明を省略する。
【0118】
図15は本発明による印刷回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0119】
図15を参照すると、他の一例による印刷回路基板100Eの第2ビア153Bは、絶縁材151及びブリッジ130の一部を貫通してブリッジ130の内側に埋め込まれたブリッジ回路層132と連結される。このとき、
図15に示すように、第2ビア153Bは、絶縁材151及び絶縁層131の一部を貫通することができる。
【0120】
その他の内容は一例による印刷回路基板100Aの説明で上述したものと実質的に同一であるため詳細な説明を省略する。
【0121】
図16は本発明による印刷回路基板上に複数の半導体チップが実装されたマルチチップパッケージの一例を概略的に示す断面図である。
【0122】
図16を参照すると、一例による印刷回路基板100A上に複数の半導体チップ410A、410B、410Cが配置されることができ、複数の半導体チップ410A、410B、410Cは成形材420によって固定することができる。
【0123】
複数の半導体チップは、第1半導体チップ410A、第2半導体チップ410B、及び第3半導体チップ410Cを含むことができる。但し、半導体チップの数は、特に制限されず、例えば、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0124】
第1半導体チップ410A、第2半導体チップ410B、及び第3半導体チップ410Cはそれぞれ、連結導体170との連結のためのパッドを含むことができる。
【0125】
一方、ブリッジ130は、複数の半導体チップのうち少なくとも2以上を互いに連結する役割を果たすことができる。例えば、ブリッジ130は、複数であってもよく、第1半導体チップ410Aと第2半導体チップ410Bを互いに連結するブリッジ、及び第2半導体チップ410Bと第3半導体チップ410Cを互いに連結するブリッジを含むことができる。
【0126】
第1半導体チップ410A及び第3半導体チップ410Cはそれぞれ、HBM(High Bandwidth Memory)であることができ、第2半導体チップ410Bは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)のいずれかを含むものであることができる。
【0127】
或いは、第1半導体チップ410A及び第3半導体チップ410Cはそれぞれ、HBM(High Bandwidth Memory)であることができ、第2半導体チップ410Bは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)のいずれかを含むものであることができる。
【0128】
或いは、第1半導体チップ410A、第2半導体チップ410B、及び第3半導体チップ410Cはそれぞれ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であることができる。
【0129】
但し、第1半導体チップ410A、第2半導体チップ410B、及び第3半導体チップ410Cの種類がそれぞれ上述した例に制限されるものではない。
【0130】
本発明において、「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。
【0131】
また、本発明において、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0132】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0133】
尚、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。