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特許7601490センサの状態を出力するセンサアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】センサの状態を出力するセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G08C15/00 D
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023087470
(22)【出願日】2023-05-29
(65)【公開番号】P2023177304
(43)【公開日】2023-12-13
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】17/828421
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー クリーク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ペドリック
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-83226(JP,A)
【文献】特開2018-159636(JP,A)
【文献】特開昭61-213727(JP,A)
【文献】特開平6-274778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-25/04
G01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(10)であって、
センサ信号(130)を生成するセンサ(100)と、
前記センサ(100)から出力された前記センサ信号(130)を受け取り、前記センサ(100)によって検出された状態を表す信号出力(270)を出力する出力ユニット(200)と、
前記センサ(100)から出力された前記センサ信号(130)を受け取り、前記センサ(100)の状態を表す状態出力(380)を出力する状態ユニット(300)と、
前記センサ(100)および前記状態ユニット(300)に接続されたテストライン(400)と、を備え、
前記テストライン(400)は双方向であり
前記センサアセンブリ(10)の正常動作状態(N)において、前記テストライン(400)は、前記状態ユニット(300)により出力される前記状態出力(380)を出力する、センサアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記センサ(100)および前記出力ユニット(200)に接続された信号ライン(500)をさらに備え、前記信号ライン(500)は一方向であり、前記信号出力(270)を出力する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記正常動作状態(N)において、前記出力ユニット(200)は、前記信号出力(270)を前記信号ライン(500)に連続して出力し、前記状態ユニット(300)は、前記状態出力(380)を前記テストライン(400)に連続して出力する、請求項2に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記状態出力(380)は、前記センサ(100)の正常状態、限界状態、および故障状態のうちの1つを表す、請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記限界状態は、前記センサ(100)が故障に近付いていることを示す、請求項4に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記状態ユニット(300)の分圧器(310、320)において前記センサ信号(130)をフィルタリングするまたは遅延させることによってベースライン信号(134)が生成され
記状態ユニット(300)は、前記ベースライン信号(134)を複数の閾値(352、362)と比較して、前記センサ(100)の前記状態が前記正常状態であるか、前記限界状態であるか、または前記故障状態であるかを判定する、請求項4に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記信号出力(270)は、前記センサ(100)によって検出された一対の状態のうちの一方を表し、前記センサ信号(130)が前記出力ユニット(200)に受け取られると、主信号(132)が出力され、分圧器(220)において前記センサ信号(13)をフィルタリングするまたは遅延させることによってベースライン信号(134)が生成され、前記出力ユニット(200)は、前記主信号(132)と前記ベースライン信号(134)とを比較して、前記センサ(100)によって検出された状態を判定する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記センサ(100)と前記テストライン(400)との間に接続されたスイッチ(600)をさらに備え、前記スイッチ(600)は、前記テストライン(400)に沿ってセルフテスト入力(410)を受け取って、前記センサアセンブリ(10)の前記正常動作状態(N)とセルフテスト状態(S)を切り替える、請求項3に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記正常動作状態(N)において、前記状態出力(380)は、前記スイッチ(600)をトリガすることなく前記テストライン(400)に送られる、請求項8に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記正常動作状態(N)において、前記状態ユニット(300)は、前記状態出力(380)を前記テストライン(400)に出力し、前記セルフテスト状態(S)において、前記状態ユニット(300)は、前記状態出力(380)を前記テストライン(400)に出力せず、前記セルフテスト状態(S)において、前記センサ(100)はセルフテスト出力(140)を出力し、前記セルフテスト出力(140)は、前記スイッチ(600)から前記センサ(100)の信号調整器(120)に送られた駆動無効信号(610)によって決定付けられる、請求項9に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記セルフテスト状態(S)において、
前記センサ(100)は、前記セルフテスト出力(140)を前記出力ユニット(200)に出力し、前記状態ユニット(300)に出力しない、請求項10に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記出力ユニット(200)および前記状態ユニット(300)は、それぞれ複数の分圧器(210、220、310、320)、比較器(230、330、340)、およびレベル検出回路(260、370)を有し、前記センサ信号(130)から前記信号出力(270)および前記状態出力(380)を生成する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記出力ユニット(200)および前記状態ユニット(300)は、コントローラ(800)によって実行される、請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項14】
センサ(100)の状態を出力する方法(700)であって、
前記センサ(100)、前記センサ(100)に接続された出力ユニット(200)、前記センサ(100)に接続された状態ユニット(300)、ならびに前記センサ(100)および前記状態ユニット(300)に接続されたテストライン(400)であって、双方向であるテストライン(400)を含むセンサアセンブリ(10)を設けることと、
前記センサ(100)のセンサ信号(130)を前記出力ユニット(200)および前記状態ユニット(300)に送ることと、
前記出力ユニット(200)を用いて、前記センサ(100)によって検出された状態を表す信号出力(270)を出力することと、
前記状態ユニット(300)を用いて、前記センサ(100)の状態を表す状態出力(380)を前記テストライン(400)に出力することと
を含
前記センサアセンブリ(10)の正常動作状態(N)において、前記テストライン(400)は、前記状態ユニット(300)により出力される前記状態出力(380)を出力する、方法。
【請求項15】
前記正常動作状態(N)において、前記出力ユニット(200)は、前記信号出力(270)を、前記センサ(100)および前記出力ユニット(200)に接続された信号ライン(500)に連続して出力し、前記状態ユニット(300)は、前記状態出力(380)を前記テストライン(400)に連続して出力し、前記状態出力(380)は、前記センサ(100)の正常状態、限界状態、および故障状態のうちの1つを表す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記テストライン(400)に沿って受け取ったセルフテスト入力(410)に基づいて、前記センサアセンブリ(10)を前記正常動作状態(N)とセルフテスト状態(S)との間で切り替えることをさらに含み、前記セルフテスト状態(S)において、前記状態ユニット(300)は、前記状態出力(380)を前記テストライン(400)に出力せず、前記センサ(100)はセルフテスト出力(140)を出力する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記セルフテスト状態(S)において、
前記センサ(100)は、前記セルフテスト出力(140)を前記出力ユニット(200)に出力し、前記状態ユニット(300)に出力しない、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサアセンブリに関し、より詳細には、センサアセンブリのセンサの状態を出力するセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
センサアセンブリのセンサは、通常、出力ラインまたはピンと、入力ラインまたはピンとを有する。センサによって検知された変数を表す信号が、出力ラインに出力される。入力ラインは、セルフテスト信号をセンサに入力して、センサが適切に機能しているかどうかを判定するために使用され、センサは、セルフテスト信号を受け取ったことに応えて、センサが故障状態にあるかどうかを判定するために評価可能な所定の信号を出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
セルフテストはセンサの故障を示すことができるが、センサの状態は、セルフテスト信号を受け取ったときにのみ、要求に応じて出力される。それ以外の場合、センサの状態はわからず、センサは、セルフテスト信号によって開始される故障判定より前に、信頼性のない信号を出力することがある。さらに、セルフテストにおいてセンサから出力される所定の信号の評価は、センサが動作しているかどうか、またはセンサが既に故障状態に達しているかどうかのみを示す。セルフテスト信号によって促されるセンサの出力は、センサが故障に近付いているときに中間指示を与えることができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
センサアセンブリは、センサ信号を生成するセンサと、センサから出力されたセンサ信号を受け取る出力ユニットおよび状態ユニットと、センサおよび状態ユニットに接続されたテストラインとを備える。出力ユニットは、センサによって検出された状態を表す信号出力を出力する。状態ユニットは、センサの状態を表す状態出力を出力する。テストラインは双方向であり、状態出力を出力する。
【0005】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態によるセンサアセンブリの概略ブロック図である。
図2】センサアセンブリの出力ユニットの概略ブロック図である。
図3】センサアセンブリの状態ユニットの概略ブロック図である。
図4A】第1の閾値および第2の閾値を伴う、センサアセンブリのセンサの主信号およびベースライン信号のグラフである。
図4B図4Aのグラフの部分Bの拡大図である。
図5】センサアセンブリを使用してセンサの状態を出力する方法のフローチャートである。
図6】別の実施形態によるセンサアセンブリの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で、添付図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が本開示の概念を当業者に伝えるように提供される。加えて、以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかである。
【0008】
一実施形態によるセンサアセンブリ10が、図1に示されている。センサアセンブリ10は、センサ100と、センサ100に接続された出力ユニット200と、センサ100に接続された状態ユニット300と、スイッチ600を介して状態ユニット300に接続されたテストライン400と、出力ユニット200に接続された信号ライン500とを備える。
【0009】
図1に示すように、センサ100は、検知要素110と信号調整器120とを含む。検知要素110は、測定された変数の状態を検知し、信号調整器120は、駆動信号に基づいて検知要素110と相互作用して、検知要素110によって検知された状態を表すセンサ信号130を生成し出力する。
【0010】
一実施形態において、信号調整器120は、超音波を発生する圧電結晶であり、検知要素110は、超音波を受け取り、かつ検知要素110によって検知された状態に基づいて超音波を電気信号に変換する圧電結晶である。別の実施形態において、検知要素110と信号調整器120とは、例えば、パルスエコーモードで動作する単一の圧電トランシーバであってよい。
さらなる実施形態において、信号調整器120は、励起信号を供給する任意のタイプの要素であってよく、検知要素110は、信号調整器120からの励起信号に対して、検知要素110によって検知された状態を表す応答信号を供給する任意のタイプの要素であってよい。様々な実施形態において、信号調整器120が、検知要素110から測定された変数の状態を受け取り、電圧信号などの測定可能な電気信号としてセンサ信号130を出力するのであれば、信号調整器120は、電圧調節、フィルタリング、増幅、および/または緩衝のための部品をさらに含むことができる。一実施形態において、詳細に後述するスイッチ600は、信号調整器120の一部であってもよい。
【0011】
一実施形態において、検知要素110は、水分の存在を検出し、例えば、医療用途などにおいて、チューブを満たしている液体が、液体中に存在する気泡(そこ以外は湿潤状態であるのに乾燥している状態)を有するかどうかを検出する。他の実施形態において、検知要素110は、加速度、力、振動、圧力、または様々な用途のための他の測定された変数を検出することができる。
【0012】
センサアセンブリ10の正常動作状態Nにおいて、センサ100は、センサ信号130を出力ユニット200および状態ユニット300のそれぞれに出力する。最初に正常動作状態Nについてより詳細に説明し、次に、センサアセンブリ10のセルフテスト状態Sについて説明する。
【0013】
図1に示すように、正常動作状態Nにおいて、出力ユニット200は、センサ100から出力されたセンサ信号130を受け取り、センサ信号130およびセンサ信号130によって検出された状態を表す信号出力270を出力する。
【0014】
図2に示すように、出力ユニット200は、第1の出力分圧器210と、第2の出力分圧器220と、第1の出力分圧器210および第2の出力分圧器220に接続された第1の出力比較器230とを含む。第1の出力分圧器210および第2の出力分圧器220は、それぞれセンサ信号130を受け取る。第1の出力分圧器210は主信号132を出力し、この主信号132は、センサ信号130を直接表し、センサ信号130と共に変化する。図示の実施形態において、第2の出力分圧器220は、センサ信号130をフィルタリングしてまたは遅延させて、ベースライン信号134を生成し、このベースライン信号134は、センサ信号130および主信号132よりも長い時定数もしくは低い周波数における動的な応答または変化を有する。
【0015】
主信号132およびベースライン信号134は、図4Aおよび図4Bに示され、これらの図は、主信号132が、ベースライン信号134よりも、センサ100によって検出された状態の動的な応答であることを示す。様々な実施形態において、センサ100は、全体的なセンサ挙動、性能、または効率を示すベースライン信号134と、検知要素110によって検出された測定状態をより動的に示す主信号132とを有する任意のタイプのセンサ100であってよい。
【0016】
図2に示す第1の出力比較器230は、主信号132とベースライン信号134とを比較し、主信号132がベースライン信号134よりも大きいか小さいかを表す第1の出力比較232を出力する。一実施形態において、第1の出力比較232は電圧信号である。図4Aおよび図4Bに示す主信号132およびベースライン信号134の例示的なグラフにおいて、主信号132がベースライン信号134よりも大きくまたは小さくなるように経時的に変化するにつれて、第1の出力比較232は変化する。
【0017】
図2に示すように、出力ユニット200は、電圧基準器240と、電圧基準器240に接続された第2の出力比較器250とを含む。電圧基準器240は、予め設定された値を有する基準電圧242を出力する任意のタイプの電子部品であってよい。第2の出力比較器250は、センサ信号130と基準電圧242とを受け取り、センサ信号130と基準電圧242とを比較する。第2の出力比較器250は、センサ信号130が基準電圧242よりも大きいか小さいかを表す第2の出力比較252を出力する。
【0018】
図2に示すように、出力ユニット200は出力レベル検出回路260を含み、この出力レベル検出回路260は、第1の出力比較器230から第1の出力比較232を受け取り、第2の出力比較器250から第2の出力比較252を受け取る。出力レベル検出回路260は、第1の出力比較232および第2の出力比較252に基づいて信号出力270を出力する。ベースライン信号134が主信号132よりも大きいことを第1の出力比較232が示す場合、出力レベル検出回路260は、第1の状態の信号出力270を出力する。逆に、主信号132がベースライン信号134よりも大きいことを第1の出力比較232が示す場合、出力レベル検出回路260は、第2の状態の信号出力270を出力する。信号出力270の状態を決定付ける主信号132とベースライン信号134との経時的な例示的関係が、図4Bに示されている。
【0019】
出力レベル検出回路260に送られた第2の出力比較252は、第1の出力比較器230に関する問題が信号出力270に影響を与えることを防ぐ。第1の出力比較器230が振動しているまたは動作不良である場合、出力レベル検出回路260は、第2の出力比較252により、信号出力270の第1の状態および第2の状態のうちの一方を常に示す。
【0020】
一実施形態において、信号出力270は、第1の状態で、例えばチューブの液体を検知する用途における湿潤状態を示す0V信号であり、第2の状態で、例えば乾燥状態またはチューブの液体における気泡を示す5V信号である。他の実施形態において、第1の状態および第2の状態を示すために使用される信号出力270の電圧を入れ替えてもよく、そうでなければ異なる値を有していてもよい。
【0021】
図1に示すように、正常動作状態Nにおいて、状態ユニット300は、センサ100から出力されたセンサ信号130を受け取り、センサ100の状態を表す状態出力380を出力する。
【0022】
図3に示すように、状態ユニット300は、それぞれセンサ信号130を受け取る第1の状態分圧器310と第2の状態分圧器320とを含む。第1の状態分圧器310と第2の状態分圧器320とは、それぞれセンサ信号130をフィルタリングしてまたは遅延させて、前述したベースライン信号134を出力する。
【0023】
図3に示すように、状態ユニット300は、第1の状態分圧器310に接続された第1の状態比較器330と、第1の閾値分圧器350と、第2の状態分圧器320に接続された第2の状態比較器340と、第2の閾値分圧器360とを含む。第1の閾値分圧器350は、予め設定された電圧値である第1の閾値352を第1の状態比較器330に出力し、第2の閾値分圧器360は、第1の閾値352とは異なる、予め設定された電圧である第2の閾値362を第2の状態比較器340に出力する。第1の閾値分圧器350および第2の閾値分圧器360のそれぞれは、センサアセンブリ10の内部または外部の供給源から電圧を受け取って、第1の閾値352および第2の閾値362を出力することができる。
一実施形態において、例えば図4Aに示すように、第1の閾値352は約0.3Vであってよく、第2の閾値362は約1.3Vであってよい。他の実施形態において、第1の閾値352と第2の閾値362とは、その値が互いに異なっていて第2の閾値362が第1の閾値352よりも大きければ、他の値を有していてもよい。
【0024】
図3に示す第1の状態比較器330は、ベースライン信号134と第1の閾値352とを比較し、ベースライン信号134が第1の閾値352よりも大きいか小さいかを表す第1の状態比較332を出力する。同様に、第2の状態比較器340は、ベースライン信号134と第2の閾値362とを比較し、ベースライン信号134が第2の閾値362よりも大きいか小さいかを表す第2の状態比較342を出力する。一実施形態において、第1の状態比較332および第2の状態比較342は、それぞれ電圧信号である。
【0025】
図3に示すように、状態ユニット300は状態レベル検出回路370を含み、この状態レベル検出回路370は、第1の状態比較器330から第1の状態比較332を受け取り、第2の状態比較器340から第2の状態比較342を受け取る。状態レベル検出回路370は、第1の状態比較332および第2の状態比較342に基づいて、状態出力380を出力する。状態出力380は、センサ100の3つの状態のうちの1つを表す。
すなわち、第1の状態比較332および第2の状態比較342により、ベースライン信号134が第1の閾値352および第2の閾値362の両方よりも大きいと示される場合、状態出力380は第1の状態にあり、ベースライン信号134が第1の閾値352よりも大きく第2の閾値362よりも小さいと示される場合、状態出力380は第2の状態にあり、ベースライン信号134が第1の閾値352および第2の閾値362の両方よりも小さいと示される場合、状態出力380は第3の状態にある。状態出力380の状態を決定付けるベースライン信号134と閾値352、362との経時的な例示的関係が、図4Aに示されている。
【0026】
図示の実施形態において、ベースライン信号134を、1つのより小さい第1の閾値352および1つのより大きい第2の閾値362と比較する。別の実施形態において、ベースライン信号134が所望の量を超えて増加することも可能である場合、ベースライン信号134を、一対の第1の閾値352および一対の第2の閾値362と比較してもよい。本実施形態において、第2の閾値362間のベースライン信号134は、第1の状態を示し、第2の閾値362のうちの一方と第1の閾値352のうちの一方との間のベースライン信号134は、第2の状態を示し、第1の閾値352のいずれからも外れたベースライン信号134は、第3の状態を示す。
【0027】
一実施形態において、状態出力380は、第1の状態で、例えばセンサ100の正常状態を示す0V信号であり、第2の状態で、例えばセンサ100の限界状態を示す1.25V信号であり、第3の状態で、例えばセンサ100の故障状態を示す2.5V信号である。別の実施形態において、状態出力380は、第2の状態および第3の状態の両方で2.5V信号であってよい。さらなる実施形態において、3つの状態を示すために使用される状態出力380の電圧を入れ替えてもよく、そうでなければ異なる値を有していてもよい。
【0028】
図1に示すテストライン400および信号ライン500は、センサ100に接続された2本のラインであり、それに沿って信号が送られる。テストライン400および信号ライン500は、それぞれトランジスタ-トランジスタロジック(TTL)ラインであってよい。テストライン400および信号ライン500は、本明細書において「ライン」と称されるが、別の実施形態において、センサ100に接続された2本のピンであってもよく、それに沿って信号が送られる。図示の実施形態において、テストライン400および信号ライン500は、単に2本のラインまたはピンであり、それに沿って信号をセンサ100とやり取りすることができる。
【0029】
図1に示すように、テストライン400は、状態ユニット300を介してセンサ100に接続され、スイッチ600にも接続されている。テストライン400は双方向である。正常動作状態Nにおいて、テストライン400は、状態ユニット300から状態出力380を受け取り、状態出力380を出力する。セルフテスト入力410も、テストライン400に入力することができ、これにより、詳細に後述するように、スイッチ600をトリガして、センサアセンブリ10を正常動作状態Nからセルフテスト状態Sに変更することができる。
【0030】
図1に示すように、信号ライン500は、センサ100および出力ユニット200に接続されている。信号ライン500は一方向であり、すなわち、入力を受け取ることができず、出力ユニット200から受け取った信号出力270を出力する。
【0031】
図1に示すスイッチ600は、閾値電圧を超えたときに切り替わることのできる任意のタイプの電気回路スイッチであってよい。一実施形態において、スイッチ600は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチである。スイッチ600の閾値電圧は、状態出力380のすべての状態の電圧よりも大きく、セルフテスト入力410の電圧よりも小さい。一実施形態において、閾値電圧は2.5V~5Vである。
【0032】
次に、主に図5を参照しながら、センサアセンブリ10を使用してセンサ100の状態を出力する方法700について、より詳細に説明する。
【0033】
センサアセンブリ10は、正常動作状態Nから開始する。図5に示す正常動作状態Nの第1のステップ702において、図1に示すように、センサ100は、前述したようにセンサ信号130を出力ユニット200および状態ユニット300に出力する。センサ100は、正常動作状態Nにおいて、出力ユニット200および状態ユニット300の両方にセンサ信号130を連続して出力するまたは送る。
【0034】
図5のステップ704において、図2に関して前述したように、出力ユニット200は、センサ信号130およびセンサ信号130によって検出された状態を表す信号出力270を信号ライン500に出力する。同様に、ステップ706において、図3に関して前述したように、状態ユニット300は、センサ100の状態を表す状態出力380をテストライン400に出力する。状態出力380は十分に低い電圧を有し、ステップ706においてスイッチ600はトリガされない。正常動作状態Nにおいて、出力ユニット200は、信号出力270を信号ライン500に連続して出力し、状態ユニット300は、状態出力380をテストライン400に連続して出力する。
【0035】
図5のステップ708において、信号出力270が評価される。信号出力270は、センサ信号130においてセンサ100により検出された状態を表し、信号出力270の第1の状態または第2の状態の重要性は、用途に応じて決まる。例えば、例示的な液体の気泡の検出用途において、信号出力270の第2の状態は、乾燥状態またはチューブの液体における気泡を示すことができ、これは警告その他の動作を促すことができ、一方、信号出力270の第1の状態は、チューブの液体の正常な湿潤状態を示すことができる。センサアセンブリ10の他の用途において、信号出力270の第1の状態と第2の状態とは、異なる措置を促す場合がある。
【0036】
図5のステップ710において、状態出力380が評価される。状態出力380の第1の状態は、センサ100が正常に動作しているセンサ100の正常状態を示す。状態出力380の第2の状態は、センサ100の限界状態を示す。センサ100は、限界状態で、動作を続けて有用な信号出力270を提供することができるが、限界状態は、センサ100が故障に近付いていることを示す。状態出力380の第3の状態は、信号出力270に信頼性がない、センサ100の故障状態を示す。
【0037】
図5に示すステップ712においてセルフテスト入力410がテストライン400に入力されない限り、センサアセンブリ10は、正常動作状態Nのままであり、信号出力270および状態出力380の両方を連続して出力する。セルフテスト入力410がテストライン400に入力されると、センサアセンブリ10はセルフテスト状態Sに切り替わる。
【0038】
図5に示すステップ714において、セルフテスト入力410は、テストライン400に沿ってスイッチ600に送られる。セルフテスト入力410は、スイッチ600の起動閾値よりも大きく、スイッチ600を起動する。スイッチ600が起動されると、図5のステップ716に示すように、スイッチ600から信号調整器120への駆動無効信号610が、信号調整器120の駆動信号を無効にし、それにより、センサ100は、センサ信号130の代わりに、図1に示すセルフテスト出力140を出力する。駆動無効信号610により決定付けられるセルフテスト出力140は、既定の値である。セルフテスト状態Sにおいて、スイッチ600は状態ユニット300を迂回し、セルフテスト状態Sにおいて、状態出力380はテストライン400に出力されない。
【0039】
セルフテスト状態Sにおいて、セルフテスト出力140は、出力ユニット200によって処理され、信号出力270として信号ライン500に出力される。図5に示すセルフテスト状態Sのステップ718において、セルフテスト出力140を表す信号出力270が、セルフテスト入力410と比較される。セルフテスト出力140は、セルフテスト入力410に一致する信号出力270を生成するものである。セルフテスト状態Sにおいて信号出力270がセルフテスト入力410に一致しない場合、センサ100の故障状態を判定することができる。
【0040】
図5に示すステップ720において、センサアセンブリ10は、セルフテスト入力410がテストライン400に入力される限り、セルフテスト状態Sのままであり、センサ100の故障状態について信号出力270の評価を続ける。テストライン400へのセルフテスト入力410の入力が終了すると、スイッチ600は元に戻り、図5に示すように、センサアセンブリ10は正常動作状態Nで進む。
【0041】
センサアセンブリ10は、例えば、正常動作状態Nのステップ710またはセルフテスト状態Sのステップ718におけるセンサ100の故障状態判定によりセンサアセンブリ10が動作停止されるまで、正常動作状態Nまたはセルフテスト状態Sのままである。
【0042】
図1図5に示すセンサアセンブリ10において、出力ユニット200、状態ユニット300、およびスイッチ600は、マイクロプロセッサを必要とすることなく上記の機能を実現し、それにより、センサアセンブリ10のコストが削減される。図6に示すセンサアセンブリ10’の別の実施形態において、コントローラ800が、前述した出力ユニット200、状態ユニット300、およびスイッチ600の機能を果たすことができる。図1図5に関して図示し前述した実施形態と比較して、同一の参照数字は同一の要素を指し、コントローラ800に関する図6に示す実施形態の違いについて、主に詳細に説明する。
【0043】
図6に示すように、コントローラ800は、プロセッサ810と、プロセッサ810に接続されたメモリ820とを含む。メモリ820は、プロセッサ810により実行されると本明細書に記載のモジュールの機能を果たすモジュールとして複数のアルゴリズムを格納する、非一過性のコンピュータ可読媒体である。メモリ820は、出力モジュール822、状態モジュール824、およびスイッチモジュール826を格納する。出力モジュール822は、プロセッサ810により実行されると、前述した出力ユニット200のすべての機能を果たし、状態モジュール824は、プロセッサ810により実行されると、前述した状態ユニット300のすべての機能を果たし、スイッチモジュール826は、プロセッサ810により実行されると、前述したスイッチ600のすべての機能を果たす。
したがって、コントローラ800により、センサアセンブリ10’は、前述したセンサアセンブリ10と同じ機能を果たすことができ、正常動作状態Nにおいて、信号ライン500の信号出力270およびテストライン400の状態出力380の両方を連続して出力し、セルフテスト状態Sにおいて、センサ100のセルフテスト出力140を表す信号出力270を出力するが、必要な部品はより少なくなる。
【0044】
前述した実施形態によるセンサアセンブリ10、10’により、センサアセンブリ10、10’に通信ラインを追加することなく、センサ100の状態のより信頼性の高い判定が可能になる。センサアセンブリ10、10’は、状態出力380を連続して出力し、信号出力270も信号ライン500に出力され、要求に応じたセルフテスト入力410より前にセンサ100の状態を提供する。センサアセンブリ10、10’は、故障状態より前に状態出力380の限界状態を示して、センサ100がまだ有効な信号出力270を出力している間に、差し迫った故障の警告を発することもできる。センサアセンブリ10、10’により、双方向テストライン400を介したセルフテスト状態Sの開始がさらに可能になる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6