(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20241210BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241210BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20241210BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20241210BHJP
C11D 1/62 20060101ALI20241210BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q19/10
A61K8/41
A61K8/891
A61K8/892
A61K8/36
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/39
A61K8/02
C11D1/02
C11D3/37
C11D1/62
C11D17/04
(21)【出願番号】P 2020215529
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】渡部 香織
【審査官】井上 莉子
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-108724(JP,A)
【文献】特開2012-107104(JP,A)
【文献】国際公開第2012/118210(WO,A1)
【文献】特開2020-172476(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100876(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61Q
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン性界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、
(C)長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩と、
(D)
25℃における動粘度が1.5cSt~100,000cStであるジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種と、
を含有し、
前記(A)成分が、ラウリン酸塩及びミリスチン酸塩をいずれも含む高級脂肪酸塩であり、
前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が
90モル%以上であり、
前記(A)成分の含有量が、10質量%~30質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.2質量%~1.0質量%であり、
前記(A)成分の含有量に対する、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量との質量比[{(B)+(C)}/(A)]が、
0.01~0.08であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が、10質量%~20質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.2質量%~0.8%質量%であり、
前記(C)成分の含有量が、0.005質量%~0.04質量%であり、
前記(D)成分の含有量が、0.02質量%~0.4質量%である
、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(C)成分が、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジベヘニルジメチルアンモニウム塩、ジセチルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジベヘニルメチルベンジルアンモニウム塩、トリセチルメチルアンモニウム塩、トリステアリルメチルアンモニウム塩、及びトリベヘニルメチルアンモニウム塩から選択される少なくとも1種の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩である、請求項1から2のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
フォーマー容器に充填してされてなる請求項1から3のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドソープやボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡持ち等の泡性能が良好であること、洗浄後の肌にしっとり感を付与することが望まれている。また、夏の暑い気候においては、洗浄後に肌が長時間べたつくことなくサラサラ感を付与でき、高い保湿性を有する液体皮膚洗浄組成物の提供が要望されている。
【0003】
洗浄後の肌の状態を良好にするために、例えば、脂肪酸塩と塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を有するカチオン性ポリマーとを含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、前記提案の液体皮膚洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性について満足できるものではなかった。
【0004】
また、脂肪酸塩、カチオン性高分子、油剤、シリコーン、多価アルコールを含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、前記提案の液体皮膚洗浄剤組成物は、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性について十分満足できるものではなかった。
【0005】
したがって、泡持ちに優れ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性のすべてを良好に満たす液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-262838号公報
【文献】特開2009-67734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、泡持ちに優れ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性のすべてを良好に満たす液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、液体皮膚洗浄剤組成物において、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、(C)長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩と、(D)ジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種と、を含有し、前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、前記(A)成分の含有量に対する、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量との質量比[{(B)+(C)}/(A)]が、0.005~0.08とすることにより、泡持ちに優れ、夏の暑い気候でもタオルドライ後の肌のべたつきがなく、タオルドライ後には長時間肌のサラサラ感を付与することができ、タオルドライ後の肌のしっとり感にも優れることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)アニオン性界面活性剤と、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、
(C)長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩と、
(D)ジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種と、
を含有し、
前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が40モル%以上であり、
前記(A)成分の含有量に対する、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量との質量比[{(B)+(C)}/(A)]が、0.005~0.08であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 前記(A)成分の含有量が、10質量%~20質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.2質量%~0.8%質量%であり、
前記(C)成分の含有量が、0.005質量%~0.04質量%であり、
前記(D)成分の含有量が、0.02質量%~0.4質量%である前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3> フォーマー容器に充填してされてなる前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、泡持ちに優れ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性のすべてを良好に満たす液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)アニオン性界面活性剤と、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性高分子と、(C)長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩と、(D)ジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0012】
<(A)アニオン性界面活性剤>
前記(A)成分としてのアニオン性界面活性剤は、主に、泡持ちを向上させるために含有される。なお、本明細書において「泡持ち」とは、泡が消えずに維持することを意味する。
【0013】
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡持ち、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、高級脂肪酸塩が好ましい。
【0014】
-高級脂肪酸塩-
前記(A)成分の中の前記高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡持ち、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、ラウリン酸塩及びミリスチン酸塩をいずれも含む高級脂肪酸塩が好ましい。
【0015】
前記高級脂肪酸塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
前記アルカリ金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
前記アミン塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リジン塩、アルギニン塩などが挙げられる。
これらの中でも、泡持ちに優れる点で、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩が特に好ましい。
【0016】
前記高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL ラウリン酸カリLK-120(ラウリン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK-140(ミリスチン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、タイソープ MNK-40(ヤシ油脂肪酸カリウム・ミリスチン酸カリウム配合液体、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0017】
前記高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム等の前記対イオンとなる塩とを別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
【0018】
前記高級脂肪酸塩の調製に使用する前記高級脂肪酸は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NAA(登録商標)-122(ラウリン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-142(ミリスチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-160(パルミチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-180(ステアリン酸、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0019】
前記ラウリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、3質量%~12質量%が好ましく、7質量%~10質量%がより好ましい。
【0020】
前記ミリスチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、4質量%~14質量%が好ましく、8質量%~14質量%がより好ましい。
【0021】
前記パルミチン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%~9質量%が好ましく、3質量%~9質量%がより好ましい。
【0022】
前記ステアリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%~3質量%が好ましく、0.2質量%~1質量%がより好ましい。
【0023】
-ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩-
前記(A)成分の中の前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物などが挙げられる。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化1】
【0024】
前記一般式(A1)中、R7はアルキル基を示し、前記アルキル基部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0025】
前記一般式(A1)中、nはエチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数を示し、前記エチレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0026】
前記一般式(A1)中、Xは、アルカリ金属、又はアンモニウムを示す。
前記アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
【0027】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(2)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(3)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、エチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数(n)を表す。
【0028】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、Texapon(テキサポン)(登録商標) N70(BASF社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、シノリンSPE-1250(新日本理化株式会社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが挙げられる。
【0029】
-エーテルカルボン酸塩-
前記(A)成分の中の前記エーテルカルボン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。前記エーテルカルボン酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化2】
【0030】
前記一般式(A2)及び(A3)中、R8は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す、前記R8部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
【0031】
前記一般式(A2)中、R9は同一でも異なっていてもよく、炭素数2~4のアルキレン基を示し、炭素数2が好ましい。
【0032】
前記一般式(A2)中、oは1~20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
【0033】
前記一般式(A2)及び(A3)中、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0034】
前記一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0035】
前記エーテルカルボン酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エーテルカルボン酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、エナジコールEC-30(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-25F(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-30D(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-H(ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA-25NH(ラウレス-4カルボン酸)、ビューライト SHAA(ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)、ビューライト LCA(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポRLM-45NV(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポRLM-100NV(ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0036】
-アミノ酸系界面活性剤-
前記(A)成分の中の前記アミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A4)で表される化合物などが挙げられる。前記アミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【化3】
【0037】
前記一般式(A4)中、R10は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。前記R10部分の炭素数としては、8~18が好ましい。
【0038】
前記一般式(A4)中、R11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。
【0039】
前記一般式(A4)中、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は-(CH2)m-COOM2を示す。
【0040】
前記一般式(A4)中、m及びnは同一でも異なっていてもよく、0~20の数を示す。
【0041】
前記一般式(A4)中、M1及びM2は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0042】
前記アミノ酸系界面活性剤の親水部のアミノ酸構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリシン、グルタミン酸、メチルアラニンが好ましい。
【0043】
前記一般式(A4)で表されるアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N-ココイル-グリシンカリウム(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)等のN-アシル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-N-カルボキシエチル-グリシンナトリウム等のN-アシル-N-カルボキシエチル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-パーム脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸及びその塩;N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンカリウムなどが挙げられる。
【0044】
前記アミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、商品名で、アミライト(登録商標)GCK-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCK-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCS-12K(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミライト(登録商標)GCS-11(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-22(N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)LS-11(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)MS-11(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(F)(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS21(N-ステアロイル-L-グルタミン酸ジナトリウム)、アミライト(登録商標)ACS-12(ココイルアラニンナトリウム)(以上、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS-P1(N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)(旭化成ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL サルコシネート MN(ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、NIKKOL アラニネート LN-30(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、アラノンACE(ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム)、アラノンAME(ミリストイルメチル-β-アラニンナトリウム)、アラノンALE(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコール L-30AN(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフティルトAT-L(ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(日油株式会社製)などが挙げられる。
【0045】
前記(A)成分のアニオン性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感の点から、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、8質量%~30質量%が好ましく、10質量%~20質量%がより好ましい。前記(A)成分の含有量が、8質量%以上であると、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感が良好であり、30質量%以下であると、タオルドライ後の肌のしっとり感が良好である。
【0046】
<(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性高分子>
前記(B)成分としてのカチオン性高分子は、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種であり、主に、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感を向上させるために含有される。
【0047】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、下記一般式(B1)で表される。
【化4】
ただし、前記一般式(B1)中、n、及びmは、各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m=100であり、前記mは40モル%以上である。
【0048】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率としては、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感の点から、65モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
前記塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記(B)成分の中の塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体における各構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(D2O)
測定器:JNM-LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0050】
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感の点から、10,000~1,000,000が好ましく、15,000~450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性高分子の重量平均分子量は、例えば、SEC-MALLS-RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α-Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0051】
前記(B)成分のカチオン性高分子の固形分30質量%~44質量%の溶液の25℃での粘度は、10mPa・s~15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s~12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0052】
前記(B)成分のカチオン性高分子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記(B)成分のカチオン性高分子の市販品としては、例えば、商品名で、以下のものなどが挙げられる。
【0053】
マーコート(MERQUAT)100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s~12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
【0054】
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分30質量%~36質量%の25℃での粘度:20mPa・s~65mPa・s、重量平均分子量15,000)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0055】
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分39質量%~43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s~6,000mPa・s、重量平均分子量450,000、前記一般式(1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0056】
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム-アクリル酸共重合体、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分35質量%~40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s~9,000mPa・s、重量平均分子量190,000、前記一般式(1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。
前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
【0057】
これらの中でも、前記(B)成分のカチオン性高分子としては、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感の点から、マーコート100、マーコート280、マーコート295が好ましい。
【0058】
前記(B)成分のカチオン性高分子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡持ち、タオルドライ後の肌のしっとり感、及びタオルドライ後の肌のべたつきのなさの点から、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%~1質量%が好ましく、0.2質量%~0.8質量%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が、0.1質量%以上であると、泡持ち及びタオルドライ後の肌のしっとり感が良好であり、1質量%以下であると、タオルドライ後の肌のべたつきのなさが良好である。
【0059】
<(C)長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩>
前記(C)成分としての長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩は、主に、タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性を向上させるために含有される。
【0060】
前記(C)成分の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩における長鎖アルキル基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6~24が好ましい。
【0061】
前記(C)成分の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩における長鎖アルキル基の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1つ又は2つが好ましく、1つがより好ましい。
【0062】
前記(C)成分の中の長鎖アルキル基の数が1つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記(C)成分の中の長鎖アルキル基の数が2つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジベヘニルジメチルアンモニウム塩、ジセチルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジベヘニルメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。
前記(C)成分の中の長鎖アルキル基の数が3つの長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の具体例としては、トリセチルメチルアンモニウム塩、トリステアリルメチルアンモニウム塩、トリベヘニルメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、セチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。
【0063】
前記(C)成分の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の市販品としては、例えば、商品名で、コータミン 60W(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、コータミン 24P(塩化ラウリルトリメチルアンモニウム)、コータミン 86Pコンク(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム)、コータミン 86W(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム)(以上、花王株式会社製)、VARISOFT BT85 PELLETS(ベヘントリモニウムクロリドイソプロパノール、Evonik社製)、NIKKOL CA-2450(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム溶液)、NIKKOL CA-2330(塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液)、NIKKOL CA-2580(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム溶液)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、カチナール STC-25W(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、東邦化学工業株式会社製)、カチオンAB-250AQ(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、日油株式会社製)、リポカードC-50(塩化ヤシアルキルトリメチルアンモニウム)リポカードT-28(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-30(塩化アルキル(C14-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-50(塩化アルキル(C14-18)トリメチルアンモニウム)、リポカードT-800(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカード16-29(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、リポカード16-50E(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、リポカード18-63(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム)、リポカード22-80(塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム)、リポカードCB-50(塩化アルキル(C8-18)ジメチルベンジルアンモニウム)(以上、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0064】
前記(C)成分の長鎖アルキル基含有4級アンモニウム塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.001質量%~0.05質量%が好ましく、0.005質量%~0.04質量%がより好ましい。前記(C)成分の含有量が、0.001質量%以上であると、タオルドライ後の肌のサラサラ感が良好であり、0.05質量%以下であると、タオルドライ後の肌のべたつきのなさが良好である。
【0065】
<質量比[{(B)+(C)}/(A)]>
前記(A)成分の含有量(質量%)に対する、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量(質量%)との質量比[{(B)+(C)}/(A)]は、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、0.005~0.08であるが、0.01~0.06が好ましい。前記質量比[{(B)+(C)}/(A)]が、0.005未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性が不十分となり、0.08を超えると、タオルドライ後の肌のべたつきのなさが不十分となる。
【0066】
<(D)ジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種>
前記(D)成分としてのジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種は、主に、タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性を向上させるために含有される。
【0067】
前記(D)成分の中のジメチコンは、例えば、下記一般式(D1)で表されるものなどが挙げられる。
【化5】
ただし、前記一般式(D1)中、aは構造単位のモル比率(モル%)を示し、3~20,000である。
【0068】
前記(D)成分のジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種の25℃における動粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、1.5cSt~100,000cStが好ましく、2cSt~1,000cStがより好ましい。
前記動粘度は、例えば、下記に示す方法により測定することができる。なお、以下の測定方法では、ジメチコンの動粘度について説明するが、ジメチコノールの動粘度についても同様にして測定することができる。
1g/100mL濃度のジメチコンのトルエン溶液を調製し、下記式(1)により、比粘度ηsp(25℃)を求める。次に、下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。Huggins定数K’は、中牟田,日化,77,588,1956に記載のものを用いる。次に、〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlov等の式(Doklady Akad. Nauk. U.S.S.R. 89 65. 1953参照)に代入し、分子量Mを求める。最後に、Mを下記式(4)に示すA.J.Barryの式(J.Appl.physics. 17. 1020. 1946参照)に代入し、ジメチコンの動粘度ηを求めることができる。
ηsp=(η/η0)-1 ・・・ 式(1)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕2 ・・・ 式(2)
〔η〕=2.15×10-4M0.65 ・・・ 式(3)
logη=1.00+0.0123M0.5 ・・・ 式(4)
前記式(1)中、「η0」は、トルエンの粘度を示し、「η」は、溶液の粘度を示す。前記「η0」及び前記「η」は、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0069】
前記(D)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(D)成分の市販品としては、例えば、商品名で、KF-96Lシリーズ、KF-96Aシリーズ、KF-6011、KF-615A、KF-945A(以上、信越化学工業株式会社製)、TSF451シリーズ、SILSOFTシリーズ、SF3802A(以上、モメンティブ社製)、DOWSIL SH200シリーズ、DOWSIL BY11-007、DOWSIL BY11-026、DOWSIL BY25-320、XIAMETER 1503Fluid、DOWSIL SS-2804、DOWSIL FZ-2222、DOWSIL FZ-2250(以上、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
【0070】
また、前記(D)成分は、シリコーンエマルジョンとなっているものを使用してもよい。前記シリコーンエマルジョンとしては、例えば、商品名で、DOWSIL BY22-068、DOWSIL BY22-080、DOWSIL BY22-034、DOWSIL BY22-050、DOWSIL BY22-060(以上、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。
【0071】
前記(D)成分のジメチコン及びジメチコノールより選ばれる少なくとも1種の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性の点から、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%~0.5質量%が好ましく、0.02質量%~0.4質量%がより好ましい。前記(D)成分の含有量が、0.01質量%以上であると、タオルドライ後の肌のしっとり感及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性が良好であり、0.5質量%以下であると、タオルドライ後の肌のべたつきのなさが良好である。
【0072】
<その他の成分>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分の各成分以外にも、本発明を損なわない範囲で、必要に応じて、液体皮膚洗浄剤組成物などに通常用いられる成分をその他の成分として配合することができる。
【0073】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分及び前記(C)成分以外の界面活性剤、前記(B)成分以外の水溶性高分子、油分、前記(D)成分以外のシリコーン類、アルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アミノ酸類、ビタミン類等の薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、動植物抽出物又はその誘導体、キレート剤、保湿剤、増粘剤、紫外線吸収剤又は散乱剤、色素、香料、顔料、水不溶性高分子化合物粉体などが挙げられる。
【0074】
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0075】
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、低級アルコールであっても、高級アルコールであってもよい。前記アルコール類の具体例としては、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0076】
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0077】
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0078】
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0079】
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0081】
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸、塩酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0082】
前記紫外線吸収剤又は散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0083】
前記ビタミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸及びその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0084】
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0085】
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0086】
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0087】
-pH-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9.5~11.0が好ましく、9.8~10.6がより好ましい。
前記pHは、例えば、ガラス電極色水素イオン濃度指示計 HM-30R(TOA DKK社製 電極タイプGST-5721)を使用して測定することができる。
【0088】
-粘度-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、使用する容器などに応じて適宜選択することができるが、4mPa・s~40mPa・sが好ましく、8mPa・s~30mPa・sがより好ましい。
例えば、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器と、305メッシュ及び200メッシュの多孔質膜体を各1枚使用する際において、使用する温度条件下で、前記液体皮膚洗浄剤組成物の粘度は、30mPa・s以下が好ましく、25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0089】
-容器-
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、特に制限はなく、通常の容器に充填して使用される。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプディスペンサー容器、チューブ、フォーマー容器、袋状容器などが挙げられる。これらの中でも、フォーマー容器が好ましい。
【0090】
前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、公知のフォーマー容器の中から適宜選択することができ、例えば、ノンガス型の泡吐出容器、噴射剤と耐圧容器を使用したエアゾール容器などが挙げられる。これらの中でも、ノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
【0091】
前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器は、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製等のものを使用することができる。より具体的には、フォーマー容器としては、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、及び特開2005-193972号公報に記載されたフォーマー容器などを使用することができる。
【0092】
前記ノンガス型の泡吐出容器は、泡形成部材を有し、具体的には、泡を形成するための多孔質膜体(材質は、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、前記液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
【0093】
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100メッシュ以上が好ましく、100~400メッシュがより好ましく、200~305メッシュが特に好ましい。
また、前記多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2~4枚が好ましい。
【0094】
-製造方法-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分、更に必要に応じて、前記その他の成分、及び精製水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量として配合)を混合して得ることができる。
具体的には、70℃~80℃に加温した精製水に前記(A)成分を溶解し、40℃以下に冷却してから、前記(B)成分、並びに、前記(C)成分及び前記(D)成分を含むシリコーンエマルジョンを添加して製造することができる。前記シリコーンエマルジョンは、前記(D)成分を70℃に加温しながら混合する。また、前記(C)成分と、精製水とを別途70℃に加温しながら混合して溶解させる。前記(D)成分を含む混合物に、前記(C)成分を含む混合物を加え、30℃まで冷却して得ることができる。
【0095】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0096】
-用途-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手などに使用することができる。
前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フォーマー容器に充填し、泡状に吐出して使用することが好ましい。
【0097】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、泡持ちに優れ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性のすべてを良好に満たすため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。
【実施例】
【0098】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0099】
実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全量は100質量%であり、全て純分換算した値である。また、(A)成分の含有量(質量%)に対する、(B)成分及び(C)成分の合計含有量(質量%)との質量比[(B)+(C)/(A)]は、小数点以下第4位を四捨五入し、小数点以下第3位まで求め、記載した。
【0100】
(実施例1~33及び比較例1~11)
下記表1~表7に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を以下の方法に準じて調製した。
(D)成分又は(D)成分の比較成分と、共通成分であるポリオキシエチレン(POE)(20)セチルエーテルと、プロピレングリコールとを70℃に加温しながら混合し、混合物1を得た。また、(C)成分と、精製水とを別途70℃に加温しながら混合して溶解させ、混合物2を得た。前記混合物2を、前記混合物1に加え、ホモミキサーで混合した後、攪拌しながら30℃まで冷却して、シリコーンエマルジョンを調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物で必要となる量の45質量%になる量の精製水を70℃~80℃に加温し、これに(A)成分を加えて溶解し、40℃以下に冷却した後、(B)成分及び前記シリコーンエマルジョンを添加した。その後、所定のpH(pH10.0)に満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、pHを10.0に調整後、ラウリン酸アミドプロピルベタイン及び香料を加え、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
なお、前記各液体皮膚洗浄剤組成物を調製する際、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。また、pHは、pHメーター(HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られ実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、株式会社吉野工業所製]に充填し、以下の評価に用いた。
【0101】
実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「泡持ち」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「タオルドライ後の肌のべたつきのなさ」、及び「タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性」を評価及び判定した。結果を下記表1~表7に示した。
【0102】
<泡持ち>
専門評価者10名が、実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物を手のひらに5プッシュ(約15g)取り、手で全身を洗浄後に「泡持ち」を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。結果は、前記専門評価者10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「泡持ち」の評価基準-
4点 : 身体を洗い終わる頃、洗い始めに身体に付けたほとんどの泡が残っている
3点 : 身体を洗い終わる頃、洗い始めに身体に付けた8割~5割ほどの泡が残っている
2点 : 身体を洗い終わる頃、洗い始めに身体に付けた2割~4割ほどの泡が残っている
1点 : 身体を洗い終わる頃、洗い始めに身体に付けた泡がほとんど残っていない
-「泡持ち」の判定基準-
◎ : 評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○ : 評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△ : 評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
× : 評点平均値が、2.0点未満
【0103】
<タオルドライ後の肌のしっとり感>
専門評価者10名が、実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物を5プッシュ(約15g)手に取り、手で全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、38℃の恒温室にて30分間安静にした後、「タオルドライ後の肌のしっとり感」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、前記専門評価者10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のしっとり感」の評価基準-
4点 : しっとり感を強く感じる
3点 : しっとり感を感じる
2点 : しっとり感をやや感じる
1点 : しっとり感を感じない
-「タオルドライ後の肌のしっとり感」の判定基準-
◎ : 評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○ : 評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△ : 評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
× : 評点平均値が、2.0点未満
【0104】
<タオルドライ後の肌のべたつきのなさ>
専門評価者10名が、実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物を5プッシュ(約15g)手に取り、手で全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした。その後、38℃の恒温室にて30分間安静にした後、「タオルドライ後の肌のべたつきのなさ」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、前記専門評価者10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のべたつきのなさ」の評価基準-
4点 : 全くべたつきを感じない
3点 : ややべたつきを感じる
2点 : かなりべたつきを感じる
1点 : 非常にべたつきを感じる
-「タオルドライ後の肌のべたつきのなさ」の判定基準-
◎ : 評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○ : 評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△ : 評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
× : 評点平均値が、2.0点未満
【0105】
<タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性>
専門評価者10名が、実施例1~33及び比較例1~11の各液体皮膚洗浄剤組成物を5プッシュ(約15g)手に取り、手で全身を洗浄後、40℃の温水ですすぎ流し、タオルドライした後、30℃の室内にて8時間安静にした後の「タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性」を下記評価基準に基づいて評価した。結果は、前記専門評価者10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。
-「タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性」の評価基準-
4点 : サラサラ感を強く感じる
3点 : サラサラ感を感じる
2点 : サラサラ感をやや感じる
1点 : サラサラ感を感じない
-「タオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性」の判定基準-
◎ : 評点平均値が、3.5点以上4.0点以下
○ : 評点平均値が、3.0点以上3.5点未満
△ : 評点平均値が、2.0点以上3.0点未満
× : 評点平均値が、2.0点未満
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
実施例1~33及び比較例1~11で使用した各成分の詳細について、下記表8に示す。
【0114】
【表8】
※1:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA-142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(旭硝子株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※3:塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(マーコート550PR、日本ルーブリゾール株式会社製)は、下記一般式(1)で表される構造を有する高分子化合物であり、下記一般式(1)中のnが0であり、mが30であり、zが70である。
※4:アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート3330PR、日本ルーブリゾール株式会社製)は、下記一般式(1)で表される構造を有する高分子化合物であり、下記一般式(1)中のnが34であり、mが31であり、zが35である。
【化6】
ただし、前記一般式(1)中、n、m、及びzは、各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m=100である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマー容器に好適に用いることができ、泡持ちに優れ、タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のべたつきのなさ、及びタオルドライ後の肌のサラサラ感の持続性のすべてを良好に満たすため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。