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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241210BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 648A
H01L21/304 643A
H01L21/304 651B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021012134
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115510
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】林 資泰
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-033180(JP,A)
【文献】特開2015-159215(JP,A)
【文献】特開2018-026579(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0088468(US,A1)
【文献】特開2013-009007(JP,A)
【文献】特開2012-160759(JP,A)
【文献】特開2010-045214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を洗浄処理する基板処理装置において、
複数枚の基板を1つのロットとして収容するキャリアが載置されるキャリア載置部を備え、前記キャリア載置部の前記キャリアとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えたインデクサブロックと、
基板の表面洗浄処理及び/または裏面洗浄処理を行う洗浄ユニットを処理ユニットとして備えているとともに、上段と下段とに分離して区分けされ、前記上段及び前記下段に前記処理ユニットを複数個備えている処理ブロックと、
前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間に配置され、基板を載置する複数段の棚を備えているとともに、基板の表裏を反転させる反転機能を備えている反転パスユニットを、前記上段及び前記下段のそれぞれに少なくとも2個備えている反転パスブロックと、
前記各処理ユニットと前記反転パスブロックとの間で基板を搬送するセンターロボットを前記上段及び前記下段のそれぞれに備えた搬送ブロックと、
表面洗浄処理と、裏面洗浄処理と、前記表面洗浄処理及び前記裏面洗浄処理からなる両面洗浄処理とのうちのいずれか一つの処理を行う複数枚の基板を一つのロットとし、前記ロットのうち先行して処理を開始するロットを先行ロットとし、前記先行ロットに続いて処理される、前記先行ロットとは洗浄面が異なるロットを後続ロットとした場合、
前記先行ロットについて、前記上段及び前記下段の反転パスユニットの全てを介して前記処理ブロックの前記上段及び前記下段に搬送して処理を行わせ、前記先行ロットの最後の基板が前記処理ユニットでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、前記上段または前記下段の一方の反転パスユニットへの搬送を停止し、前記反転パスユニットへの搬送を停止した前記上段または前記下段の一方の前記反転パスユニットを前記後続ロットの処理用に切り換えて前記後続ロットを前記処理ブロックの前記上段または前記下段の一方で処理させるように、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間での搬送を制御する搬送制御部と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を前記切り換えタイミングとすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記上段または前記下段の一方に備えられた前記処理ユニットの個数に近い切り換え枚数に一致する時点を前記切り換えタイミングとすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうちの最後の基板が、前記上段または前記下段の他方の前記反転パスブロックを介して前記処理ブロックから前記インデクサブロックに搬送された後は、前記上段または前記下段の他方の前記反転パスブロックにも前記後続ロットの基板を搬送することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
基板を洗浄処理する基板処理装置において、
複数枚の基板を1つのロットとして収容するキャリアが載置されるキャリア載置部を備え、前記キャリア載置部の前記キャリアとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えたインデクサブロックと、
基板の表面洗浄処理及び/または裏面洗浄処理を行う洗浄ユニットを処理ユニットとして備え、前記処理ユニットを複数個備えている処理ブロックと、
前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間に配置され、基板を載置する複数段の棚を備えているとともに、基板の表裏を反転させる反転機能を備えている反転パスユニットを少なくとも2個備えている反転パスブロックと、
前記各処理ユニットと前記反転パスブロックとの間で基板を搬送するセンターロボットを備えた搬送ブロックと、
表面洗浄処理と、裏面洗浄処理と、前記表面洗浄処理及び前記裏面洗浄処理からなる両面洗浄処理とのうちのいずれか一つの処理を行う複数枚の基板を一つのロットとし、前記ロットのうち先行して処理を開始するロットを先行ロットとし、前記先行ロットに続いて処理される、前記先行ロットとは洗浄面が異なるロットを後続ロットとした場合、
前記先行ロットについて、前記反転パスユニットのいずれか一方または前記反転パスユニットの全てを介して前記処理ブロックに搬送して処理を行わせ、前記先行ロットの最後の基板が前記処理ユニットでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、前記複数個の反転パスユニットのうちの他方を前記後続ロットの処理用とし、前記後続ロットを前記処理ブロックで処理させるように、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間での搬送を制御する搬送制御部と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を前記切り換えタイミングとすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記処理ブロックに備えられた前記処理ユニットの個数の半分に近い切り換え枚数に一致する時点を前記切り換えタイミングとすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記搬送制御部は、前記先行ロットのうちの最後の基板が、一方の前記反転パスブロックを介して前記処理ブロックから前記インデクサブロックに搬送された後は、前記インデクサブロックから一方の前記反転パスブロックにも前記後続ロットの基板を搬送することを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示器や有機EL(Electroluminescence)表示装置用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板(以下、単に基板と称する)に対して、表面洗浄や裏面洗浄などの洗浄処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、インデクサブロックと、処理ブロックと、反転パスブロックとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
インデクサブロックは、複数枚の基板を収容したキャリアが載置されるキャリア載置部を備えている。また、インデクサブロックは、キャリアと反転パスブロックとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えている。処理ブロックは、処理ユニットとして表面洗浄ユニットと裏面洗浄ユニットとを備えている。反転パスブロックは、インデクサブロックと処理ブロックとの間に配置されている。反転パスブロックは、反転パスユニットを備えている。反転パスユニットは、基板が載置される複数段の棚を備え、処理ブロックとの間で基板を受け渡したり、基板の表裏を反転したりする。
【0004】
処理ブロックは、インデクサブロックから見て左方に、下から2台の裏面洗浄ユニットを備え、その上に2台の表面洗浄ユニットを備えた4層構造の第1処理部列を備えている。処理ブロックは、インデクサブロックから見て右方に、下から2台の裏面洗浄ユニットを備え、その上に2台の表面洗浄ユニットを備えた4層構造の第2処理部列を備えている。処理ブロックは、表面洗浄ユニット及び裏面洗浄ユニットと反転パスユニットとの間で基板を搬送する1台のメインロボットとを備えている。
【0005】
この装置では、メインロボットが処理ブロックに1台だけ配置された構成であるが、最近は、スループットを向上させるために、処理ブロックのうちの上段の2層の処理ユニットと下段の2層の処理ユニットとに対応する2台のメインロボットを搭載しているものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、最近では、上述した2つの装置を組み合わせたような装置も提案されている。具体的には、処理ブロックが上段と下段に分かれ、上段と下段のそれぞれにメインロボットが配置されている。反転パスブロックは、上段と下段にそれぞれ2台の反転パスユニットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-72490号公報(図2
【文献】特開2016-201526号公報(図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、例えば、表面洗浄を行う複数枚の基板からなるロットの処理に続いて、裏面洗浄を行う複数枚の基板からなる裏面処理を行うロットの処理を行う場合のように、洗浄面が異なるロットの処理を順次に行う際に次のような問題が生じる。
【0009】
つまり、表面洗浄を行うロットの基板は、処理ブロックの上段及び下段に均等に振り分けられるように、上段の反転パスユニットと下段の反転パスユニットに対してキャリアからインデクサロボットにより順次に振り分けられ、各処理ユニットに搬送されて表面洗浄が行われる。そして、上段及び下段における各処理ユニットにおいて全ての基板に対する表面洗浄が終了し、表面洗浄のロットの最後の基板が反転パスユニットからインデクサブロックに搬送された後、裏面洗浄のロットの基板がキャリアからインデクサロボットにより上段の反転パスユニット及び下段の反転パスユニットに均等に振り分けられ始める。
【0010】
ここで、反転パスブロックへの裏面洗浄のロットの搬送開始は、表面洗浄のロットの最後の基板が反転パスユニットからインデクサブロックへ搬出された後となっている。これは、裏面洗浄のロットを処理するには、反転パスユニットにおいて表面洗浄のロットでは行われない反転処理を必要とするためである。つまり、裏面洗浄を行う際には、処理前に表面が上向き姿勢の基板を裏面が上向きとなるように反転させ、処理後に裏面が上向き姿勢の基板を表面が上向きになるように反転させる反転処理を必要とする。そのため、一時的ではあるものの、処理ブロック内の全処理ユニットが処理を行わない、いわゆる「遊び時間」が生じるので、処理ブロックの稼働率が低下する。その結果、異なる洗浄面のロットを連続的に処理する際には、装置全体におけるスループットが低下するという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、異なる洗浄面のロットを順次に処理する際に、スループットを向上できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を洗浄処理する基板処理装置において、複数枚の基板を1つのロットとして収容するキャリアが載置されるキャリア載置部を備え、前記キャリア載置部の前記キャリアとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えたインデクサブロックと、基板の表面洗浄処理及び/または裏面洗浄処理を行う洗浄ユニットを処理ユニットとして備えているとともに、上段と下段とに分離して区分けされ、前記上段及び前記下段に前記処理ユニットを複数個備えている処理ブロックと、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間に配置され、基板を載置する複数段の棚を備えているとともに、基板の表裏を反転させる反転機能を備えている反転パスユニットを、前記上段及び前記下段のそれぞれに少なくとも2個備えている反転パスブロックと、前記各処理ユニットと前記反転パスブロックとの間で基板を搬送するセンターロボットを前記上段及び前記下段のそれぞれに備えた搬送ブロックと、表面洗浄処理と、裏面洗浄処理と、前記表面洗浄処理及び前記裏面洗浄処理からなる両面洗浄処理とのうちのいずれか一つの処理を行う複数枚の基板を一つのロットとし、前記ロットのうち先行して処理を開始するロットを先行ロットとし、前記先行ロットに続いて処理される、前記先行ロットとは洗浄面が異なるロットを後続ロットとした場合、前記先行ロットについて、前記上段及び前記下段の反転パスユニットの全てを介して前記処理ブロックの前記上段及び前記下段に搬送して処理を行わせ、前記先行ロットの最後の基板が前記処理ユニットでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、前記上段または前記下段の一方の前記反転パスユニットへの搬送を停止し、前記反転パスユニットへの搬送を停止した前記上段または前記下段の一方の前記反転パスユニットを前記後続ロットの処理用に切り換えて前記後続ロットを前記処理ブロックの前記上段または前記下段の一方で処理させるように、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間での搬送を制御する搬送制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、搬送制御部は、洗浄面が異なる先行ロットと後続ロットとを順次に処理する際に、先行ロットについて、上段及び下段の反転パスユニットの全てを介して処理ブロックの上段及び下段に搬送して処理を行わせる。搬送制御部は、先行ロットの最後の基板が処理ユニットでの処理を終えてインデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、上段または下段の一方の反転パスユニットへの搬送を停止し、反転パスユニットへの搬送を停止した上段または下段の一方の反転パスユニットを後続ロットの処理用に切り換える。したがって、先行ロットの全ての基板に対する処理が終わるまで待つことなく、後続ロットの処理を開始できる。そのため、処理ブロックの稼働率が向上できるので、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、装置全体におけるスループットを向上できる。
【0014】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を前記切り換えタイミングとすることが好ましい(請求項2)。
【0015】
搬送制御部は、処理ブロックでの処理を終えてインデクサブロックに戻った基板の枚数が、先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を切り換えタイミングとする。したがって、後続ロットの搬送開始を早くできる。
【0016】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記上段または前記下段の一方に備えられた前記処理ユニットの個数に近い切り換え枚数に一致した時点を前記切り換えタイミングとすることが好ましい(請求項3)。
【0017】
切り換え枚数が少な過ぎると、先行ロットの処理を終えるまでに時間を要することになる。一般的に、先行して投入した先行ロットは、後続ロットよりもできるだけ早く次のプロセスに移行させたいという要望がある。このような切り換え枚数とすることにより、先行ロットの処理をできるだけ早く完了させることができる。
【0018】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうちの最後の基板が、前記上段または前記下段の他方の前記反転パスブロックを介して前記処理ブロックから前記インデクサブロックに搬送された後は、前記上段または前記下段の他方の前記反転パスブロックにも前記後続ロットの基板を搬送することが好ましい(請求項4)。
【0019】
搬送制御部は、先行ロットの処理に使用していた上段または下段の他方の処理ブロックも後続ロットの処理に使用する。したがって、後続ロットの処理時間を短縮できる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、基板を洗浄処理する基板処理装置において、複数枚の基板を1つのロットとして収容するキャリアが載置されるキャリア載置部を備え、前記キャリア載置部の前記キャリアとの間で基板を搬送するインデクサロボットを備えたインデクサブロックと、基板の表面洗浄処理及び/または裏面洗浄処理を行う洗浄ユニットを処理ユニットとして備え、前記処理ユニットを複数個備えている処理ブロックと、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間に配置され、基板を載置する複数段の棚を備えているとともに、基板の表裏を反転させる反転機能を備えている反転パスユニットを少なくとも2個備えている反転パスブロックと、前記各処理ユニットと前記反転パスブロックとの間で基板を搬送するセンターロボットを備えた搬送ブロックと、表面洗浄処理と、裏面洗浄処理と、前記表面洗浄処理及び前記裏面洗浄処理からなる両面洗浄処理とのうちのいずれか一つの処理を行う複数枚の基板を一つのロットとし、前記ロットのうち先行して処理を開始するロットを先行ロットとし、前記先行ロットに続いて処理される、前記先行ロットとは洗浄面が異なるロットを後続ロットとした場合、前記先行ロットについて、前記反転パスユニットのいずれか一方または前記反転パスユニットの全てを介して前記処理ブロックに搬送して処理を行わせ、前記先行ロットの最後の基板が前記処理ユニットでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、前記複数個の反転パスユニットのうちの他方を前記後続ロットの処理用とし、前記後続ロットを前記処理ブロックで処理させるように、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間での搬送を制御する搬送制御部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、搬送制御部は、洗浄面が異なる先行ロットと後続ロットとを順次に処理する際に、先行ロットについて、反転パスユニットのいずれか一方または反転パスユニットの全てを介して処理ブロックに搬送して処理を行わせる。搬送制御部は、先行ロットの最後の基板が処理ユニットでの処理を終えてインデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、複数個の反転パスユニットのうちの他方を後続ロットの処理用とし、後続ロットを処理ブロックで処理させる。したがって、先行ロットの全ての基板に対する処理が終わるまで待つことなく、後続ロットの処理を開始できる。そのため、処理ブロックの稼働率が向上できるので、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、装置全体におけるスループットを向上できる。
【0022】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を前記切り換えタイミングとすることが好ましい(請求項6)。
【0023】
搬送制御部は、処理ブロックでの処理を終えてインデクサブロックに戻った基板の枚数が、先行ロットの全枚数より少ない所定枚数となる時点を切り換えタイミングとする。したがって、後続ロットの搬送開始を早くできる。
【0024】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうち、前記処理ブロックでの処理を終えて前記インデクサブロックに戻った基板の枚数が、前記処理ブロックに備えられた前記処理ユニットの個数の半分に近い切り換え枚数に一致する時点を前記切り換えタイミングとすることが好ましい(請求項7)。
【0025】
切り換え枚数が少な過ぎると、先行ロットの処理を終えるまでに時間を要することになる。一般的に、先行して投入した先行ロットは、後続ロットよりもできるだけ早く次のプロセスに移行させたいという要望がある。このような切り換え枚数とすることにより、先行ロットの処理をできるだけ早く完了させることができる。
【0026】
また、本発明において、前記搬送制御部は、前記先行ロットのうちの最後の基板が、一方の前記反転パスブロックを介して前記処理ブロックから前記インデクサブロックに搬送された後は、前記インデクサブロックから一方の前記反転パスブロックにも前記後続ロットの基板を搬送することが好ましい(請求項8)。
【0027】
搬送制御部は、先行ロットの処理に使用していた一方の反転パスブロックも後続ロットの搬送に使用する。したがって、後続ロットの処理時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る基板処理装置によれば、搬送制御部は、洗浄面が異なる先行ロットと後続ロットとを順次に処理する際に、先行ロットについて、上段及び下段の反転パスユニットの全てを介して処理ブロックの上段及び下段に搬送して処理を行わせる。搬送制御部は、先行ロットの最後の基板が処理ユニットでの処理を終えてインデクサブロックに戻るより前の切り換えタイミングにて、上段または下段の一方の反転パスユニットへの搬送を停止し、反転パスユニットへの搬送を停止した上段または下段の一方の反転パスユニットを後続ロットの処理用に切り換える。したがって、先行ロットの全ての基板に対する処理が終わるまで待つことなく、後続ロットの処理を開始できる。そのため、処理ブロックの稼働率が向上できるので、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、装置全体におけるスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施例1に係る基板処理装置の全体構成を示す斜視図である。
図2】基板処理装置の側面図である。
図3】処理ブロックにおける処理ユニットの配置を示す模式図である。
図4】基板処理装置の制御系に係るブロック図である。
図5】実施例1における処理例を示すタイムチャートである。
図6】従来例における処理例を示すタイムチャートである。
図7】実施例2に係る基板処理装置の側面図である。
図8】処理ブロックにおける処理ユニットの配置を示す模式図である。
図9】基板処理装置のブロック図である。
図10】実施例2における処理例を示すタイムチャートである。
図11】従来例における処理例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、基板処理装置の側面図である。図3は、処理ブロックにおける処理ユニットの配置を示す模式図である。
【0032】
本実施例に係る基板処理装置1は、基板Wに対して洗浄処理を行う装置である。具体的には、基板処理装置1は、基板Wの表面を洗浄する表面洗浄処理と、基板の裏面を洗浄する裏面洗浄処理と、基板Wの表面及び裏面を順次に洗浄する両面洗浄処理とを実施することができる装置である。この基板処理装置1は、インデクサブロック3と、反転パスブロック5と、処理ブロック7と、搬送ブロック9とを備えている。
【0033】
インデクサブロック3は、処理対象である基板Wを反転パスブロック5との間で受け渡す。反転パスブロック5は、インデクサブロック3と処理ブロック7との間に配置されている。反転パスブロック5は、基板Wの表裏を反転させることなく、基板Wをそのままインデクサブロック3と搬送ブロック9との間で受け渡したり、基板Wの表裏を反転させて搬送ブロック9との間で基板Wを受け渡ししたりする。搬送ブロック9は、反転パスブロック5と処理ブロック7との間における基板Wの搬送を行う。処理ブロック7は、基板Wの表面を洗浄したり、基板Wの裏面を洗浄したりする洗浄ユニットSSRを複数個備えている。洗浄ユニットSSRは、表面を上方に向けた基板Wを受け入れて表面洗浄処理を行う。また、洗浄ユニットSSRは、裏面を上方に向けた基板Wを受け入れて裏面洗浄処理を行う。つまり、洗浄ユニットSSRは、一度には、表裏のいずれか一方にしか洗浄処理を行うことができない。洗浄ユニットSSRは、例えば、裏面洗浄処理を終え、反転パスブロック5において表面が上方に向けられた基板Wに対して表面洗浄処理を行うことにより、基板Wに対して両面洗浄処理を行う。
【0034】
基板処理装置1は、インデクサブロック3と、反転パスブロック5と、処理ブロック7及び搬送ブロック9とがこの順番で並ぶように配置されている。
【0035】
以下の説明においては、インデクサブロック3と、反転パスブロック5と、処理ブロック7及び搬送ブロック9とが並ぶ方向を「前後方向X」(水平方向)とする。特に、処理ブロック7からインデクサブロック3へ向かう方向を「前方XF」とし、前方XF方向の反対方向を「後方XB」とする。前後方向Xと水平方向で直交する方向を「幅方向Y」とする。さらに、インデクサブロック3の正面から見た場合に、幅方向Yの一方向を適宜に「右方YR」とし、右方YRの反対の他方向を「左方YL」とする。また、垂直な方向を「上下方向Z」(高さ方向、垂直方向)とする。なお、単に「側方」や「横方向」などと記載するときは、前後方向X及び幅方向Yのいずれにも限定されない。
【0036】
インデクサブロック3は、キャリア載置部13と、インデクサロボットIRとを備えている。本実施例における基板処理装置1は、例えば、4個のキャリア載置部13を備えている。具体的には、幅方向Yに4個のキャリア載置部13を備えている。各キャリア載置部13は、キャリアCが載置される。キャリアCは、複数枚(例えば、25枚)の基板Wを積層して収納するものであり、各キャリア載置部13は、例えば、図示しないOHT(Overhead Hoist Transport:天井走行無人搬送車とも呼ばれる)との間でキャリアCの受け渡しを行う。OHTは、クリーンルームの天井を利用してキャリアCを搬送する。キャリアCとしては、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)が挙げられる。
【0037】
インデクサブロック3は、キャリア載置部13の後方XBにインデクサロボットIRが配置されている。インデクサロボットIRは、キャリアCとの間で基板Wを受け渡すとともに、反転パスブロック5との間で基板Wを受け渡す。インデクサロボットIRは、1台だけがインデクサブロック3に配置されている。このインデクサロボットIRは、基部が幅方向Yにおいて移動しないように、位置が固定して取り付けられている。インデクサロボットIRは、例えば、昇降可能な多関節アームを備えている。インデクサロボットIRは、4個のキャリアCと、後述する反転パスブロック5に対してアクセス可能になっている。
【0038】
反転パスブロック5は、インデクサブロック3の処理ブロック7側でインデクサブロック3に対して一体的に取り付けられている。反転パスブロック5は、反転パスユニット31を備えている。反転パスユニット31は、上段反転パスユニット33と、下段反転パスユニット35とを備えている。
【0039】
上段反転パスユニット33は、反転パスユニットRP1と、反転パスユニットRP2とを備えている。反転パスユニットRP1は、反転パスユニットRP2の上部に配置されている。下段反転パスユニット35は、反転パスユニットRP3と、反転パスユニットRP4とを備えている。反転パスユニットRP3は、反転パスユニットRP4の上部に配置されている。各反転パスユニットRP1~RP4は、基板Wを載置する複数段の棚を備えている。各反転パスユニットRP1~RP4は、複数段の棚を幅方向Yの軸心周りに回転可能に構成されている。各反転パスユニットRP1~RP4は、複数段の棚に載置された基板Wをそのまま単に受け渡す機能と、複数段の棚を同時に回転させることにより、載置された基板Wの表裏を反転させる反転機能とを備えている。
【0040】
反転パスブロック5の後方XBには、処理ブロック7と搬送ブロック9とが配置されている。処理ブロック7は、搬送ブロック9を挟んで左方YLと右方YRとに対向して配置されている。
【0041】
各処理ブロック7は、例えば、上段UFと下段DFとにそれぞれ二層の処理ユニットPUを備えている。各処理ブロック7は、上段UFと下段DFとに分離して区分けされている。各処理ブロック7は、例えば、前後方向Xに2個の処理ユニットPUを備えている。つまり、1つの処理ブロック7は、例えば、8個の処理ユニットPUを備え、2個の処理ブロック7の全体で16個の処理ユニットPUを備えている。
【0042】
以下の説明においては、各処理ユニットPUを区別する必要がある場合には、図3に示すように、左方YLで前方XFの処理ユニットPUの上から下に向かって配置されている4台の処理ユニットPUをそれぞれ処理ユニットPU11~PU14とする。右方YRで前方XFの処理ユニットPUの上から下に向かって配置されている4台の処理ユニットPUをそれぞれ処理ユニットPU21~PU24とする。左方YLで後方XBの処理ユニットPUの上から下に向かって配置されている4台の処理ユニットPUをそれぞれ処理ユニットPU31~PU34とする。右方YRで後方XBの処理ユニットPUの上から下に向かって配置されている4台の処理ユニットPUをそれぞれ処理ユニットPU41~PU44とする。
【0043】
処理ブロック7のうち、左方YLで前方XFの4台の処理ユニットPU11~PU14をタワーユニットTW1と称する。処理ブロック7のうち、右方YRで前方XFの4台の処理ユニットPU21~PU24をタワーユニットTW2と称する。処理ブロック7のうち、左方YLで後方XBの4台の処理ユニットPU31~PU34をタワーユニットTW3と称する。処理ブロック7のうち、右方YRで後方XBの4台の処理ユニットPU41~PU44をタワーユニットTW4と称する。
【0044】
実施例1では、例えば、各タワーユニットTW1~TW4が処理ユニットPUとして基板Wの表面及び裏面のいずれも洗浄処理を行うことができる洗浄ユニットSSRを備えている。つまり、各処理ユニットPU11~PU14、PU21~24、PU31~34、PU41~44が全て洗浄ユニットSSRで構成されている。
【0045】
搬送ブロック9は、上段UFと下段DFに対応する位置にそれぞれセンターロボットCR1,CR2が配置されている。センターロボットCR1は、反転パスブロック5における上段反転パスユニット33と、処理ブロック7の上段UFにおける各処理ユニットPUとの間において基板Wの搬送を行う。詳細には、センターロボットCR1は、反転パスユニットRP1,RP2と、処理ブロック7の上段UFにおける各処理ユニットPUとの間で基板Wを受け渡す。センターロボットCR2は、反転パスブロック5における下段反転パスユニット35と、処理ブロック7の下段DFにおける各処理ユニットPUとの間で基板Wの搬送を行う。詳細には、センターロボットCR2は、反転パスユニットRP3,RP4と、処理ブロック7の下段DFにおける各処理ユニットPUとの間で基板Wを受け渡す。
【0046】
センターロボットCR1は、上段UFにおいて、鉛直方向Z及び前後方向Xに移動可能に構成されている。センターロボットCR1は、上段UFにおいて、処理ユニットPU11,PU12,PU31,PU32,PU21,PU22,PU41,PU42との間で基板Wを受け渡す。換言すると、センターロボットCR1は、タワーユニットTW1,TW2,TW3,TW4における上段UFに相当する処理ユニットPUと、上段UFの反転パスユニットRP1,RP2にアクセス可能に構成されている。
【0047】
センターロボットCR2は、下段DFにおいて、鉛直方向Z及び前後方向Xに移動可能に構成されている。センターロボットCR2は、下段DFにおいて、処理ユニットPU13,PU14,PU23,PU24,PU33,PU34,PU43,PU44との間で基板Wを受け渡す。換言すると、センターロボットCR2は、タワーユニットTW1,TW2,TW3,TW4における下段DFに相当する処理ユニットPUと、下段DFの反転パスユニットRP3,RP4にアクセス可能に構成されている。
【0048】
ここで、図4を参照する。図4は、基板処理装置の制御系に係るブロック図である。
【0049】
制御部51は、上述した基板処理装置1の全体を統括的に制御する。具体的には、制御部51は、CPUやメモリによって構成されている。制御部51は、基板Wの洗浄処理に関する処理内容を規定した複数種類のレシピを予め記憶している。レシピは、基板Wに行う洗浄処理の時間や、洗浄に用いる処理液、洗浄時における基板Wの回転数などを規定している。
【0050】
制御部51は、インデクサロボットIRの鉛直方向Zの昇降動作や側方への多関節アームの伸縮動作を制御する。制御部51は、反転パスユニットRP1~RP4における反転動作を制御する。制御部51は、センターロボットCR1,CR2における鉛直方向Zの昇降動作や側方へのアームの進退動作を制御する。制御部51は、全ての処理ユニットPUの洗浄処理動作を制御する。
【0051】
制御部51は、上述したようにインデクサロボットIRと、反転パスユニットRP1~RP4と、センターロボットCR1,CR2と、全ての洗浄ユニットPUとについて制御し、インデクサブロック3におけるキャリア載置部13のキャリアCに収容されている複数枚の基板Wに対して順次に洗浄処理を行う。制御部51は、キャリアCに収容されている複数枚の基板Wを1つのロットとして取り扱い、ロットごとに各部を操作して、各ロットに対してレシピに応じた洗浄処理を行わせる。
【0052】
ここで、図5を参照する。図5は、実施例1における処理例を示すタイムチャートである。以下の説明においては、一例として、表面洗浄処理のロットに続いて、洗浄面が表面洗浄処理とは異なる裏面洗浄処理のロットを投入して、これらを順次に処理する場合について説明する。図5においては、時間を横軸とし、インデクサロボットIRや反転パスユニットRP1,RP2などの各リソースを縦軸としている。インデクサロボットIRにおける(Send)は、キャリアCから反転パスブロック5への送り動作を意味し、インデクサロボットIRにおける(Back)は、反転パスブロック5からキャリアCへの戻り動作を意味する。センターロボットCR1、CR2における(Send)は、反転パスブロック5から処理ブロック7への送り動作を意味し、センターロボットCR1、CR2における(Back)は、処理ブロック7から反転パスブロック5への戻り動作を意味する。
【0053】
図5では、一例として、表面洗浄処理のロットを先行して処理し、このロットの後に続いて裏面洗浄処理のロットを処理する。図5では、表面洗浄処理のロットにおける1枚の基板Wを矩形状で表し、洗浄処理前の基板Wでは、右下に黒三角マークを付してある。洗浄処理後の基板Wについては、右下の黒三角マークを外してある。同様に、裏面洗浄処理のロットにおける1枚の基板Wを八角形状で表し、洗浄処理前の基板Wでは、右下に黒三角マークを付してある。洗浄処理後の基板Wについては、右下の黒三角マークを外してある。反転パスユニットRP1~RP4にて基板Wに対して反転処理を行う場合には、上下方向の矢線を付してある。図5では、一例として、1ロットを16枚の基板Wで構成し、矩形状または八角形状の中に基板Wの番号を付してある。
【0054】
制御部51は、表面洗浄処理のロットについて、洗浄処理前の1~16番の基板Wを順次に搬送する。具体的には、処理開始時点(図5中の0時点)から1番目の基板Wを対象にしてインデクサロボットIRが送り動作を行い、1番目の基板WをカセットCから上段UFの反転パスユニットRP1に搬送する。次に、反転パスユニットRP1にある1番目の基板WをセンターロボットCR1が処理ユニットPU11に搬送する。処理ユニットPU11は、レシピに応じた表面洗浄処理を1番目の基板Wに対して行う。表面洗浄処理が終わると、センターロボットCR1が戻り動作を行って、1番目の基板Wを反転パスユニットRP2に搬送する。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP2の1番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、t1時点においてカセットCに1番目の基板Wを搬送する。
【0055】
制御部51は、このように1番目の基板Wに続いて、表面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の2番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける1番目の基板Wの送り動作に続いて、2番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから2番目の基板Wを上段UFの反転パスユニットRP2に搬送する。次に、反転パスユニットRP2にある2番目の基板WをセンターロボットCR1が処理ユニットPU12に搬送する。処理ユニットPU12は、レシピに応じた表面洗浄処理を2番目の基板Wに対して行う。表面洗浄処理が終わると、センターロボットCR1が戻り動作を行って、2番目の基板Wを反転パスユニットRP1に搬送する。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP1の2番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに2番目の基板Wを搬送する。
【0056】
制御部51は、上記の2番目の基板Wの処理に続いて、表面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の3番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける2番目の基板Wの送り動作に続いて、3番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから3番目の基板Wを下段DFの反転パスユニットRP3に搬送する。次に、反転パスユニットRP3にある3番目の基板WをセンターロボットCR2が下段DFの処理ユニットPU13に搬送する。処理ユニットPU13は、レシピに応じた表面洗浄処理を3番目の基板Wに対して行う。表面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、3番目の基板Wを反転パスユニットRP4に搬送する。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP4の3番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに3番目の基板Wを搬送する。
【0057】
制御部51は、3番目の基板Wの処理に続いて、表面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の4番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける3番目の基板Wの送り動作に続いて、4番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから4番目の基板Wを下段DFの反転パスユニットRP4に搬送する。次に、反転パスユニットRP4にある4番目の基板WをセンターロボットCR2が下段DFの処理ユニットPU14に搬送する。処理ユニットPU14は、レシピに応じた表面洗浄処理を4番目の基板Wに対して行う。表面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、4番目の基板Wを反転パスユニットRP3に搬送する。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP3の4番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに4番目の基板Wを搬送する。
【0058】
上述したように制御部51は、表面洗浄処理のロットについて1~16番目の基板Wをその順で順次に搬送して処理を行わせる。これにより、0時点においてカセットCから1番目の基板Wが送り出され、t1時点においてカセットCに1番目の基板Wが戻され、t2時点においてカセットCから16番目の基板Wが送り出されてカセットCから搬送され、t5時点において表面洗浄処理のロットの最後となる16番目の基板Wが戻り動作を完了する。
【0059】
制御部51は、表面洗浄処理のロットについて、その16番目の基板WがカセットCに戻されるよりも前の「切り換えタイミング」において、下段DFに対する表面洗浄処理のロットの搬送を停止する。さらに、下段DFに対して裏面洗浄処理のロットの1番目の基板Wについて搬送を開始する。
【0060】
具体的には、表面洗浄処理のロットのうち16番目の基板Wが送り出された直後のt2時点から、裏面洗浄処理のロットについて、その1番目の基板WをインデクサロボットIRにより送り動作を行って、1番目の基板WをカセットCから下段DFの反転パスユニットRP3に搬送し、反転パスユニットRP3が1番目の基板Wに対して反転処理を行う。換言すると、表面洗浄処理のロットの全ての基板Wがインデクサブロック3に戻る前に、下段反転パスユニット35への表面洗浄処理のロットの搬送を停止し、下段反転パスユニット35に対して裏面洗浄処理のロットを搬送し始める。次に、反転パスユニットRP3にある1番目の基板WをセンターロボットCR2が処理ユニットPU13に搬送する。処理ユニットPU13は、レシピに応じた裏面洗浄処理を1番目の基板Wに対して行う。裏面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、1番目の基板Wを反転パスユニットRP4に搬送し、反転パスユニットRP4が1番目の基板Wに対して反転処理を行う。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP4の1番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、t5時点においてカセットCに1番目の基板Wを搬送する。
【0061】
制御部51は、このように1番目の基板Wの処理に続いて、裏面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の2番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける1番目の基板Wの送り動作に続いて、2番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから2番目の基板Wを下段DFの反転パスユニットRP4に搬送し、反転パスユニットRP4が2番目の基板Wに対して反転処理を行う。次に、反転パスユニットRP4にある2番目の基板WをセンターロボットCR2が処理ユニットPU14に搬送する。処理ユニットPU14は、レシピに応じた裏面洗浄処理を2番目の基板Wに対して行う。裏面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、2番目の基板Wを反転パスユニットRP3に搬送し、反転パスユニットRP3が2番目の基板Wに対して反転処理を行う。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP3の2番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに2番目の基板Wを搬送する。
【0062】
制御部51は、上記の2番目の基板Wの処理に続いて、裏面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の3番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける2番目の基板Wの送り動作に続いて、3番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから3番目の基板Wを下段DFの反転パスユニットRP3に搬送し、反転パスユニットRP3が基板Wに対して反転処理を行う。次に、反転パスユニットRP3にある3番目の基板WをセンターロボットCR2が処理ユニットPU23に搬送する。処理ユニットPU23は、レシピに応じた裏面洗浄処理を3番目の基板Wに対して行う。裏面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、3番目の基板Wを反転パスユニットRP4に搬送し、反転パスユニットRP4が3番目の基板Wに対して反転処理を行う。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP4の3番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに3番目の基板Wを搬送する。
【0063】
制御部51は、上記の3番目の基板Wの処理に続いて、裏面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の4番目の基板Wを搬送する。具体的には、インデクサロボットIRにおける3番目の基板Wの送り動作に続いて、4番目の基板Wを対象にインデクサロボットIRが送り動作を行う。これにより、カセットCから4番目の基板Wを下段DFの反転パスユニットRP4に搬送し、反転パスユニットRP4が4番目の基板Wに対して反転処理を行う。次に、反転パスユニットRP4にある4番目の基板WをセンターロボットCR2が処理ユニットPU24に搬送する。処理ユニットPU24は、レシピに応じた裏面洗浄処理を4番目の基板Wに対して行う。裏面洗浄処理が終わると、センターロボットCR2が戻り動作を行って、4番目の基板Wを反転パスユニットRP3に搬送し、反転パスユニットRP3が4番目の基板Wに対して反転処理を行う。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP3の4番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、カセットCに4番目の基板Wを搬送する。
【0064】
制御部51は、上段UFから表面洗浄処理のロットにおける最後の16番目の基板Wが反転パスブロックRP1を介してインデクサロボットIRで戻り動作されるt4時点の後において、上段UFに対しても裏面洗浄処理のロットを搬送し始める。つまり、t4時点において、裏面洗浄処理のロットにおける9番目の基板Wを上段UFの反転パスユニットRP2に搬送し、反転パスユニットRP2が9番目の基板Wに対して反転処理を行う。そして、10番目の基板Wが上段UFで処理され、11番目の基板Wが下段DFで処理されるように、上段UFと下段DFの両方を用いて処理が行われる。このようにして処理が行われると、Te1時点で2ロット分の基板Wに対する処理が完了する。
【0065】
なお、上述した表面洗浄処理のロットが本発明における「先行ロット」に相当し、裏面洗浄処理のロットが本発明における「後続ロット」に相当する。また、上述した制御部51が本発明における「搬送制御部」に相当する。
【0066】
上述した実施例1によると、表面洗浄処理のロットの最後の基板Wが処理ユニットPU22での処理を終えてインデクサブロック3に戻るt4時点より前の切り換えタイミングであるt3時点にて、下段DFの反転パスユニットRP3,RP4への表面洗浄処理のロットの搬送を停止し、搬送を停止した下段DFの反転パスユニットRP3,RP4を裏面洗浄処理のロットの処理用に切り換える。したがって、表面洗浄処理のロットの全ての基板Wに対する処理が終わるt5時点まで待つことなく、裏面洗浄処理のロットの処理を開始できる。そのため、処理ブロック7の稼働率が向上できるので、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、装置全体におけるスループットを向上できる。
【0067】
また、上記の例では、制御部51は、表面洗浄処理のロットの基板Wが全てインデクサブロック3に戻ったt4時点からは、表面洗浄処理のロットの処理に使用していた上段UFの処理ブロック7も裏面洗浄処理のロットの処理に使用する。したがって、裏面洗浄処理のロットの処理時間を短縮できる。
【0068】
また、制御部51は、処理ブロック7での処理を終えてインデクサブロック3に戻った基板Wの枚数が、表面洗浄処理のロットの全枚数(16枚)より少ない所定枚数(7枚)となる時点t3を切り換えタイミングとする。したがって、裏面洗浄処理のロットの搬送開始を早くできる。
【0069】
なお、制御部51は、表面洗浄処理のロットのうち、処理ブロック7での処理を終えてインデクサブロック3に戻った基板Wの枚数が、上段UFまたは下段DFの一方に備えられた処理ユニットPUの個数に近い切り換え枚数に一致した時点を切り換えタイミングとしてもよい。この場合には、上段UFまたは下段DFの一方に備えられた処理ユニットPUの個数が8個であるので、8枚前後の6~9枚の基板Wが処理されてインデクサブロック3に戻った時点を切り換えタイミングとしてもよい。切り換え枚数が少な過ぎると、先行ロットの処理を終えるまでに時間を要することになる。一般的に、先行して投入した先行ロットは、後続ロットよりもできるだけ早く次のプロセスに移行させたいという要望がある。このような切り換え枚数とすることにより、先行ロットの処理をできるだけ早く完了させることができる。
【0070】
ここで、図6を参照する。図6は、従来例における処理例を示すタイムチャートである。
【0071】
従来例においては、表面洗浄処理のロットについて、最後の基板Wが処理を終えてインデクサブロック3に戻ったt3時点において、裏面洗浄処理のロットについての基板Wに対する処理が開始される。したがって、従来例における処理では、Te2時点で2ロット分の基板Wに対する処理が完了する。図5図6とでは、図示の関係上、時間軸が同じ長さでは描かれていないが、図6におけるTe2時点は、上述した実施例1における完了時点であるTe1よりも遅い。したがって、上述した実施例1は、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、従来例より装置全体におけるスループットを向上できることがわかる。また、上述した本実施例1は、従来例に比較して、各処理ユニットPUが処理を行っていない、いわゆる「遊び時間」が少なくなっていることがわかる。この点からも、実施例1が効率的に各処理ユニットPUを利用できており、スループットが向上していることがわかる。
【実施例2】
【0072】
次に、図面を参照して本発明の実施例2について説明する。図7は、実施例2に係る基板処理装置の側面図である。図8は、実施例2に係る基板処理装置の側面図である。
【0073】
以下の説明においては、上述した実施例1における基板処理装置1と相違する構成についてのみ説明し、共通する構成については詳細な説明を省略する。
【0074】
実施例2における基板処理装置1Aは、反転パスブロック5Aと、処理ブロック7Aと搬送ブロック9Aとが上述した実施例1における基板処理装置1と構成が異なる。
【0075】
反転パスブロック5Aは、反転パスユニット31Aを備えている。反転パスユニット31Aは、2個の反転パスユニットRP1,RP2を備えている。反転パスユニットRP1は、反転パスユニットRP2の上方に配置されている。反転パスユニットRP2は、反転パスユニットRP1の下方に配置されている。
【0076】
処理ブロック7Aは、上述した実施例1における処理ブロック7のように上段UF及び下段DFに分離された構成とは異なる。つまり、処理ブロック7Aは、処理ユニットP11が鉛直方向Zで区分けされた構成とはなっていない。処理ブロック7Aは、例えば、全体で16個の処理ユニットPUを備えている。
【0077】
処理ブロック7Aは、実施例1の基板処理装置1と同様に、処理ユニットPU11~14からなるタワーユニットTW1と、処理ユニットPU21~PU24からなるタワーユニットTW2と、処理ユニットPU31~PU34からなるタワーユニットTW3と、処理ユニットPU41~44からなるタワーユニットTW4とを備えている。
【0078】
搬送ブロック9Aは、1個のセンターロボットCR1だけを備えている。センターロボットCR1は、鉛直方向Z及び前後方向Xに移動可能に構成されている。センターロボットCR1は、反転パスブロック5Aと、処理ユニットPU11~PU14,PU21~PU24,PU31~PU32,PU41~PU44との間で基板Wを受け渡す。換言すると、センターロボットCR1は、タワーユニットTW1,TW2,TW3,TW4における全ての処理ユニットPUに対してアクセス可能に構成されている。
【0079】
ここで、図9を参照する。図9は、基板処理装置のブロック図である。
【0080】
制御部51Aは、上述した基板処理装置1Aの全体を統括的に制御する。制御部51Aは、インデクサロボットIRの鉛直方向Zの昇降動作や側方への多関節アームの伸縮動作を制御する。制御部51Aは、反転パスユニットRP1,RP2における反転動作を制御する。制御部51Aは、センターロボットCR1における鉛直方向Zの昇降動作や側方へのアームの進退動作を制御する。制御部51Aは、全ての処理ユニットPUの洗浄処理動作を制御する。
【0081】
ここで、図10を参照する。図10は、実施例2における処理例を示すタイムチャートである。以下の説明においては、上述した実施例1の説明と同様に、一例として、表面洗浄処理のロットに続いて、洗浄面が表面洗浄処理とは異なる裏面洗浄処理のロットを投入して、これらを順次に処理する場合について説明する。
【0082】
制御部51Aは、表面洗浄処理のロットについて、洗浄処理前の1~16番の基板Wを順次に搬送する。具体的には、処理開始時点(図10中の0時点)から1番目の基板Wを対象にしてインデクサロボットIRが送り動作を行い、1番目の基板WをカセットCから反転パスユニットRP1に搬送する。次に、反転パスユニットRP1にある1番目の基板WをセンターロボットCR1が処理ユニットPU11に搬送する。処理ユニットPU11は、レシピに応じた表面洗浄処理を1番目の基板Wに対して行う。表面洗浄処理が終わると、センターロボットCR1が戻り動作を行って、1番目の基板Wを反転パスユニットRP1に搬送する。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP1の1番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、t11時点においてカセットCに1番目の基板Wを搬送する。
【0083】
制御部51Aは、このように1番目の基板Wの処理に続いて、表面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の2番目の基板Wを搬送する。そして、制御部51Aは、表面洗浄処理のロットについて2~16番目の基板Wをその順で順次に搬送して処理を行わせる。これにより、0時点においてカセットCから1番目の基板Wが送り出され、t11時点においてカセットCに1番目の基板Wが戻され、t12時点においてカセットCから16番目の基板Wが送り出されてカセットCから搬送され、t15時点において表面洗浄処理のロットの最後となる16番目の基板Wが戻り動作を完了する。
【0084】
制御部51Aは、表面洗浄処理のロットについて、その16番目の基板WがカセットCに戻されるt15時点よりも前の「切り換えタイミング」において、反転パスブロックRP2に対して裏面洗浄処理のロットの搬送を開始する。具体的には、表面洗浄処理のロットのうち16番目の基板Wが送り出された直後のt13時点から、裏面洗浄処理のロットについて、1番目の基板WをインデクサロボットIRにより送り動作を行って、1番目の基板WをカセットCから反転パスユニットRP2に搬送し、反転パスユニットRP2が1番目の基板Wに対して反転処理を行う。次に、反転パスユニットRP2にある1番目の基板WをセンターロボットCR1が処理ユニットPU11に搬送する。処理ユニットPU11は、レシピに応じた裏面洗浄処理を1番目の基板Wに対して行う。裏面洗浄処理が終わると、センターロボットCR1が戻り動作を行って、1番目の基板Wを反転パスユニットRP1に搬送し、反転パスユニットRP1が1番目の基板Wに対して反転処理を行う。インデクサロボットIRは、反転パスユニットRP1の1番目の基板Wを対象に戻り動作を行って、t15時点においてカセットCに1番目の基板Wを搬送する。
【0085】
制御部51Aは、このように1番目の基板Wの処理に続いて、裏面洗浄処理のロットの基板Wのうち、洗浄処理前の2番目の基板Wを搬送し、順次に残りの基板Wを搬送する。
【0086】
制御部51Aは、表面洗浄処理のロットにおける最後の16番目の基板Wが反転パスブロックRP1を介してインデクサロボットIRで戻り動作されるt14時点の後、反転パスユニットRP1に対しても裏面洗浄処理のロットを搬送し始める。つまり、t14時点において、裏面洗浄処理のロットにおける9番目の基板Wを反転パスユニットRP1に搬送し、反転パスユニットRP1が9番目の基板Wに対して反転処理を行う。そして、10番目の基板Wが反転パスユニットRP2で処理され、11番目の基板Wが反転パスユニットRP1で処理されるように、2個の反転パスユニットRP1,RP2の両方を用いて処理が行われる。このようにして処理が行われると、Te3時点で2ロット分の基板Wに対する処理が完了する。
【0087】
なお、上述した表面洗浄処理のロットが本発明における「先行ロット」に相当し、裏面洗浄処理のロットが本発明における「後続ロット」に相当する。また、上述した制御部51Aが本発明における「搬送制御部」に相当する。
【0088】
実施例2によると、表面洗浄処理のロットの最後の基板Wが処理ユニットPU44での処理を終えてインデクサブロック3に戻るt14時点より前の切り換えタイミングであるt13時点にて、反転パスユニットRP2を裏面洗浄処理のロットの処理用とする。したがって、表面洗浄処理のロットの全ての基板Wに対する処理が終わるt15時点まで待つことなく、裏面洗浄処理のロットの処理を開始できる。そのため、処理ブロック7Aの稼働率が向上できるので、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、装置全体におけるスループットを向上できる。
【0089】
また、上記の例では、制御部51Aは、表面洗浄処理のロットの基板Wが全てインデクサブロック3に戻ったt14時点からは、表面洗浄処理のロットの処理に使用していた反転パスユニットRP1も裏面洗浄処理のロットの処理に使用する。したがって、裏面洗浄処理のロットの処理時間を短縮できる。
【0090】
また、制御部51Aは、処理ブロック7Aでの処理を終えてインデクサブロック3に戻った基板Wの枚数が、表面洗浄処理のロットの全枚数(16枚)より少ない所定枚数(7枚)となる時点t13を切り換えタイミングとする。したがって、裏面洗浄処理のロットの搬送開始を早くできる。
【0091】
なお、制御部51Aは、表面洗浄処理のロットのうち、処理ブロック7Aでの処理を終えてインデクサブロック3に戻った基板Wの枚数が、処理ブロック7Aにおける処理ユニットPUの個数の半分に近い切り換え枚数に一致した時点を切り換えタイミングとしてもよい。この場合には、処理ブロック7Aに備えられた処理ユニットPUの個数が16個であるので、8枚前後の6~9枚の基板Wが処理されてインデクサブロック3に戻った時点を切り換えタイミングとしてもよい。切り換え枚数が少な過ぎると、先行ロットの処理を終えるまでに時間を要することになる。一般的に、先行して投入した先行ロットは、後続ロットよりもできるだけ早く次のプロセスに移行させたいという要望がある。このような切り換え枚数とすることにより、先行ロットの処理をできるだけ早く完了させることができる。
【0092】
ここで、図11を参照する。図11は、従来例における処理例を示すタイムチャートである。
【0093】
従来例においては、表面洗浄処理のロットについて、最後の基板Wが処理を終えてインデクサブロック3に戻ったt15時点において、裏面洗浄処理のロットについての基板Wに対する処理が開始される。したがって、従来例における処理では、Te4時点で2ロット分の基板Wに対する処理が完了する。図10図11とは、図示の関係上、時間軸が同じ長さでは描かれていないが、Te4時点は、上述した実施例2における完了時点であるTe3よりも遅い。したがって、上述した実施例2は、異なる洗浄処理面のロットを連続的に処理する際であっても、従来例より装置全体におけるスループットを向上できることがわかる。また、本実施例2は、従来例に比較して、各処理ユニットPUが処理を行っていない、いわゆる「遊び時間」が少なくなっていることがわかる。この点からも、実施例2が効率的に各処理ユニットPUを利用できており、スループットが向上していることがわかる。
【0094】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0095】
(1)上述した各実施例では、図2,3及び図7,8のような構成を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、これらのような構成に限定されない。例えば、処理ブロック7,7Aは、少なくとも2個の処理ユニットPUを備えていればよい。
【0096】
(2)上述した各実施例では、処理ユニットPUが表面洗浄処理と裏面洗浄処理とをともに実施できる構成とした。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、表面洗浄処理を行う表面洗浄ユニットと、裏面洗浄処理を行う裏面洗浄ユニットとを個別に備える構成であってもよい。
【0097】
(3)上述した実施例1では、上段UFに2個の反転パスユニットRP1,RP2を備え、下段DFに2個の反転パスユニットRP3,RP4を備えている構成を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。つまり、本発明は、上段UF及び下段DFのそれぞれに反転パスユニットが2個以上備わっていればよく、3個以上備える構成であってもよい。また、上述した実施例2では、2個の反転パスユニットRP1,RP2を備えている構成を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。つまり、本発明は、2個以上の反転パスユニットを備えていればよく、3個以上備える構成であってもよい。
【0098】
(4)上述した実施例2では、2個の反転パスユニットRP1,RP2のうちの一方の反転パスユニットRP1だけを使って表面処理用のロットを処理している。しかしながら、本発明は、このような実施形態に限定されない。例えば、表面処理用のロットについて、2個の反転パスユニットRP1,RP2を両方使って処理を行い、途中で他方の反転パスユニットRP2を裏面洗浄処理のロットに切り換えて処理を行うようにしてもよい。
【0099】
(5)上述した各実施例では、切り換えタイミングがt3,t13時点、切り換え枚数が7枚に設定されている。しかしながら、本発明はこのような設定に限定されない。つまり、先行ロットである表面洗浄処理のロットにおける最後の基板Wが処理を終える前に、後続ロットである裏面洗浄処理のロットにおける最初の基板Wがインデクサブロック3から反転パスブロック5,5Aに搬送され始めるように搬送を制御すればよい。
【0100】
(6)上述した各実施例では、表面洗浄処理のロットに続いて裏面洗浄処理のロットを処理する場合を例にとって説明した。しかしながら、本発明は、このような場合に限定されるものではない。例えば、裏面洗浄処理のロットに続いて表面洗浄処理のロットを処理したり、両面洗浄処理のロットと表面洗浄処理または裏面洗浄処理のロットを処理したりする場合であっても本発明を適用できる。なお、両面洗浄処理では、例えば、反転パスブロック5において裏面が上向きとなるように反転され、処理ユニットPUにおいて裏面が洗浄処理される。その後、反転パスブロック5において表面が上向きとなるように反転され、処理ユニットPUにおいて表面が洗浄処理される。そして、反転パスブロック5において、そのままの姿勢でインデクサブロック3に搬送される。
【0101】
(7)上述した各実施例では、インデクサブロック3が1個のインデクサロボットIRを備えている。しかしながら、本発明は、インデクサブロック3におけるインデクサロボットIRの個数に限定されない。また、インデクサロボットIRは、多関節アームの構成に限定されない。つまり、インデクサロボットIRは、基台部が幅方向Yや前後方向Xに移動する構成を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明は、基板に対して表面洗浄処理、裏面洗浄処理、両面洗浄処理などの洗浄処理を行う基板処理装置に適している。
【符号の説明】
【0103】
1,1A … 基板処理装置
W … 基板
3 … インデクサブロック
5,5A … 反転パスブロック
7,7A … 処理ブロック
9,9A … 搬送ブロック
13 … キャリア載置部
IR … インデクサロボット
31 … 反転パスユニット
33 … 下段反転パスユニット
35 … 下段反転パスユニット
RP1~RP4 … 反転パスユニット
UF … 上段
DF … 下段
PU … 処理ユニット
PU11~14,PU21=24,PU31~34,PU41~44 … 処理ユニット
TW1~TW4 … タワーユニット
SSR … 洗浄ユニット
CR1,CR2 … センターロボット
51,51A … 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11