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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電池制御システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/269 20210101AFI20241210BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241210BHJP
   H01M 10/44 20060101ALN20241210BHJP
   H02J 7/00 20060101ALN20241210BHJP
【FI】
H01M50/269
H01M50/249
H01M10/44 P
H02J7/00 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023534984
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2022010039
(87)【国際公開番号】W WO2023054863
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129267
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ヨウン フワン
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-251528(JP,A)
【文献】特開2001-119813(JP,A)
【文献】特開2013-081316(JP,A)
【文献】特開2014-176168(JP,A)
【文献】特開2018-021879(JP,A)
【文献】特開2019-118221(JP,A)
【文献】特開2019-129568(JP,A)
【文献】特開2019-176624(JP,A)
【文献】特開2021-010251(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0027450(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2174288(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/349146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0255967(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0242692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 58/10
H01M 10/44
H01M 50/249
H01M 50/269
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池制御システムであって、
第1電池モジュールグループと、
第2電池モジュールグループと、
前記第2電池モジュールグループの一端を第1コンタクタに連結または開放するように設定された第1スイッチと、
前記第1電池モジュールグループの一端を前記第2電池モジュールグループの一端または第2コンタクタに連結するように設定された第2スイッチと、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチと連結される電池管理システムと、
を含み、
前記電池管理システムは、
電池の構造変換のためのイベントを検出し、
前記検出されたイベントに基づいて、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが、前記第1コンタクタと前記第2コンタクタとの間において直列に連結されるように、または、前記第1コンタクタと前記第2コンタクタとの間において並列に連結されるように前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御し、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるかに基づいて、電池の診断のための閾値を調節するように設定される、電池制御システム。
【請求項2】
前記電池管理システムは、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を第1閾値に決め、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが並列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を、前記第1閾値よりも小さい第2閾値に決めるように設定される、請求項1に記載の電池制御システム。
【請求項3】
前記電池管理システムは、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を第1閾値に決め、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが並列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を前記第1閾値の半分である第2閾値に決めるように設定される、請求項1に記載の電池制御システム。
【請求項4】
前記電池の診断のための閾値は、
過電圧または過電力を決めるための値を含む、請求項に記載の電池制御システム。
【請求項5】
前記電池管理システムは、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループを直列に連結するために、
前記第2電池モジュールグループの一端と前記第1コンタクタが開放状態になるように前記第1スイッチを制御し、
前記第1電池モジュールグループの一端が前記第2電池モジュールグループの一端と連結されるように前記第2スイッチを制御するように設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池制御システム。
【請求項6】
前記電池管理システムは、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループを並列に連結するために、
前記第2電池モジュールグループの一端が前記第1コンタクタと連結されるように前記第1スイッチを制御し、
前記第1電池モジュールグループの一端が前記第2コンタクタに連結されるように前記第2スイッチを制御するように設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池制御システム。
【請求項7】
前記電池管理システムは、
前記電池制御システムの電池容量または位置のうち少なくとも1つに基づいて、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列であるかを決めるように設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池制御システム。
【請求項8】
電池制御システムの動作方法であって、
電池の構造変換のためのイベントを検出する動作と、
前記検出されたイベントに基づいて、第1電池モジュールグループおよび第2電池モジュールグループが、第1コンタクタと第2コンタクタとの間において直列に連結されるように、または、前記第1コンタクタと前記第2コンタクタとの間において並列に連結されるように第1スイッチおよび第2スイッチを制御する動作と、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるかに基づいて、電池の診断のための閾値を調節する動作と、
を含み、
前記第1スイッチは、前記第2電池モジュールグループの一端を前記第1コンタクタに連結または開放するように設定され、
前記第2スイッチは、前記第1電池モジュールグループの一端を前記第2電池モジュールグループの一端または前記第2コンタクタに連結するように設定される、電池制御システムの動作方法。
【請求項9】
前記電池の診断のための閾値を調節する動作は、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を第1閾値に決める動作と、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが並列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を、前記第1閾値よりも小さい第2閾値に決める動作と、をさらに含む、請求項8に記載の電池制御システムの動作方法。
【請求項10】
前記電池の診断のための閾値を調節する動作は、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を第1閾値に決める動作と、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが並列に連結された場合、前記電池の診断のための閾値を前記第1閾値の半分である第2閾値に決める動作と、をさらに含む、請求項に記載の電池制御システムの動作方法。
【請求項11】
前記電池の診断のための閾値は、
過電圧または過電力を決めるための値を含む、請求項10に記載の電池制御システムの動作方法。
【請求項12】
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御する動作は、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループを直列に連結するために、前記第2電池モジュールグループの一端と前記第1コンタクタが開放状態になるように前記第1スイッチを制御し、前記第1電池モジュールグループの一端が前記第2電池モジュールグループの一端と連結されるように前記第2スイッチを制御する動作を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の電池制御システムの動作方法。
【請求項13】
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御する動作は、
前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループを並列に連結するために、前記第2電池モジュールグループの一端が前記第1コンタクタと連結されるように前記第1スイッチを制御し、前記第1電池モジュールグループの一端が前記第2コンタクタに連結されるように前記第2スイッチを制御する動作を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の電池制御システムの動作方法。
【請求項14】
前記電池の構造変換のためのイベントを検出する動作は、
前記電池制御システムの電池容量または位置のうち少なくとも1つに基づいて、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列であるかを決める動作を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の電池制御システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年09月29日付けの韓国特許出願第10-2021-0129267号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、電池制御システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であり、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと、最近のリチウムイオン電池とをいずれも含む意味である。二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度が遥かに高いという長所がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量に作製することができるため、移動機器の電源として用いられる。また、リチウムイオン電池は、電気自動車の電源にまでその使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。二次電池は、一般的に複数の電池セルが直列および/または並列に連結された電池モジュールを含む電池パックとして用いられる。そして、電池パックは、電池管理システムにより、状態および動作が管理および制御される。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2021-10251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池パックに含まれる複数の電池モジュール(または、電池セル)は、直列または並列のうち1つで構成される。並列構成の場合は、電池容量が大きいため、長く使用可能であるのに対し、出力が低いという短所があり、直列構成の場合は、パワーがさらに大きいものの、持続時間が並列構成に比べて少ないという短所がある。
【0004】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者が明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本文書に開示された電池制御システムは、第1電池モジュールグループと、第2電池モジュールグループと、前記第2電池モジュールグループの一端を第1コンタクタに連結または開放するように設定された第1スイッチと、前記第1電池モジュールグループの一端を前記第2電池モジュールグループの一端または第2コンタクタに連結するように設定された第2スイッチと、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチと連結される電池管理システムと、を含み、前記電池管理システムは、電池の構造変換のためのイベントを検出し、前記検出されたイベントに基づいて、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるように前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御し、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるかに基づいて、電池の診断のための閾値を調節するように設定されることができる。
【0006】
本文書に開示された電池制御システムの動作方法は、電池の構造変換のためのイベントを検出する動作と、前記検出されたイベントに基づいて、第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるように第1スイッチおよび第2スイッチを制御する動作と、前記第1電池モジュールグループおよび前記第2電池モジュールグループが直列または並列に連結されるかに基づいて、電池の診断のための閾値を調節する動作と、を含み、前記第1スイッチは、前記第2電池モジュールグループの一端を第1コンタクタに連結または開放するように設定され、前記第2スイッチは、前記第1電池モジュールグループの一端を前記第2電池モジュールグループの一端または第2コンタクタに連結するように設定されることができる。
【発明の効果】
【0007】
本文書に開示された一実施形態に係る電池制御システムは、電池パックの並列および直列構造を状況に応じて自由に用いることで、これらの長所を極大化することができる。
【0008】
本文書に開示された一実施形態に係る電池制御システムは、電池パックの並列および直列構造の変更時にも電池の診断を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】多様な実施形態に係る電池管理装置を含む一般的な電池パックの構成を示すブロック図である。
図2】多様な実施形態に係る電池制御システムの構成を示すブロック図である。
図3】多様な実施形態に係る電池制御システムの直列構造を示すブロック図である。
図4】多様な実施形態に係る電池制御システムの並列構造を示すブロック図である。
図5】多様な実施形態に係る電池の構造および閾値を制御する動作フローチャートを示す。
図6】多様な実施形態に係る電池の構造および閾値を制御する動作フローチャートを示す。
図7】多様な実施形態に係る電池管理方法を実行するコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本文書に開示された多様な実施形態について詳しく説明する。本文書において、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を付し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0011】
本文書に開示されている多様な実施形態に対し、特定の構造的または機能的説明は、単に実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本文書に開示された多様な実施形態は、種々の形態で実施されてもよく、本文書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0012】
多様な実施形態で用いられた「第1」、「第2」、「1番目」、または「2番目」などの表現は、多様な構成要素を、順序および/または重要度に関係なく修飾してもよく、当該構成要素を限定しない。例えば、本文書に開示された実施形態の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、それと同様に、第2構成要素も第1構成要素に変更して命名してもよい。
【0013】
本文書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含んでもよい。
【0014】
技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態の技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有してもよい。一般的に用いられる辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上の意味と同一または類似の意味を有するものと解釈されてもよく、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本文書に開示された実施形態を排除するように解釈されてはならない。
【0015】
図1は、多様な実施形態に係る電池管理装置を含む一般的な電池パックの構成を示すブロック図である。
具体的に、図1は、本文書に開示された一実施形態に係る電池パック10と、上位システムに含まれている上位制御器20と、を含む電池制御システム1を概略的に示す。
【0016】
図1に示されたように、電池パック10は、複数の電池モジュール12、センサ14、スイッチング部16、および電池管理システム100を含むことができる。この際、電池パック10には、電池モジュール12、センサ14、スイッチング部16、および電池管理システム100が複数備えられることができる。
【0017】
複数の電池モジュール12は、充放電可能な少なくとも1つの電池セルを含むことができる。この際、複数の電池モジュール12は、直列または並列に連結されていてもよい。
センサ14は、電池パック10に流れる電流を検出することができる。この際、検出信号は、電池管理システム100に伝達されることができる。
【0018】
スイッチング部16は、電池モジュール12の(+)端子側または(-)端子側に直列に連結され、電池モジュール12の充放電電流の流れを制御することができる。例えば、スイッチング部16は、電池パック10の仕様に応じて少なくとも1つのリレー、電磁接触器などを用いることができる。
【0019】
電池管理システム100は、電池パック10の電圧、電流、温度などをモニターし、過充電および過放電などを防止するように制御管理することができ、例えば、RBMSを含むことができる。
【0020】
電池管理システム100は、上述した各種パラメータを測定した値の入力を受けるインターフェースであり、複数の端子、およびこれらの端子と連結され、入力を受けた値の処理を行う回路などを含むことができる。また、電池管理システム100は、スイッチング部16、例えば、リレーまたは接触器などのON/OFFを制御することもでき、電池モジュール12に連結され、電池モジュール12それぞれの状態を監視することができる。
【0021】
上位制御器20は、電池モジュール12を制御するための制御信号を電池管理システム100に伝送することができる。これにより、電池管理システム100は、上位制御器20から印加される制御信号に基づいて動作が制御されることができる。また、電池モジュール12は、ESS(Energy Storage System)に含まれた構成であってもよい。この場合、上位制御器20は、複数の電池パック10を含む電池バンクの制御器(BBMS)または複数のバンクを含むESS全体を制御するESS制御器であってもよい。ただし、電池パック10は、このような用途に限定されるものではない。
【0022】
図2図4は、多様な実施形態に係る電池制御システムの構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、電池制御システム1(または、電池パック10)は、複数の電池モジュール(電池モジュール1~6)と、複数の電池モジュールのうち一部と連結され、電池の構造を変換するように設定される第1スイッチ210および第2スイッチ220と、複数の電池モジュールと連結される第1コンタクタ230および第2コンタクタ240と、各構成と連結される電池管理システム(battery management system、BMS)100と、を含むことができる。実施形態によっては、電池制御システム1は、電流を測定することができるように、第1コンタクタ230と複数の電池モジュールとの間に電流センサ250をさらに含むことができる。
【0023】
複数の電池モジュールは、2以上のグループに分類することができる。例えば、複数の電池モジュールは、電池モジュール1~3を含む第1電池モジュールグループ201と、電池モジュール4~6を含む第2電池モジュールグループ202に分類することができるが、各電池モジュールグループに含まれる電池モジュールの数と電池モジュールグループの数は、図2に示された例に制限されない。また、以下の説明は各電池モジュールが同一性能の電池セルを同一個数で含む実施形態を前提にするが、セルの性能および個数は必ずしも同一である必要はない。
【0024】
第1コンタクタ230と第2コンタクタ240は、それぞれ正極コンタクタ(positive contactor)と負極コンタクタ(negative contactor)であってもよい。例えば、電池制御システム1が含まれた装置(例えば、車両または建設機械など)の始動がオン/オフになる場合、第1コンタクタ230および第2コンタクタ240も共にオン/オフになることができる。第1コンタクタ230は、第1電池モジュールグループ201(例えば、電池モジュール1)に連結され、第2コンタクタ240は、第2電池モジュールグループ202(例えば、電池モジュール6)に連結されることができる。
【0025】
第1スイッチ210の第1段は、第1コンタクタ230に連結され、第2段は、第2電池モジュールグループ202(例えば、電池モジュール4)に連結されることができる(例えば、経路A)。または、第1スイッチ210の第2段は、電池管理システム100の制御により、第2電池モジュールグループ202と開放(open)状態になることができる。
【0026】
第2スイッチ220の第1段は、第1電池モジュールグループ201(例えば、電池モジュール3)と連結され、第2段は、電池管理システム100の制御により、第2電池モジュールグループ202(例えば、電池モジュール4)(例えば、経路B1)または第2コンタクタ240に連結されることができる(例えば、経路B2)。
【0027】
電池管理システム100は、電池制御システム1の各構成と連結され、電池制御システム1の全般的な動作を行うことができる。図2~4は、電池管理システム100がスイッチ210、220に限って連結される構造を示しているが、電池管理システム100は、電池の診断および性能の測定のために測定装置(例えば、電流センサ250)や複数の電池モジュールにさらに連結されることができる。
【0028】
電池管理システム100は、第1電池モジュールグループ201と第2電池モジュールグループ202が直列または並列に連結されるように第1スイッチ210および第2スイッチ220を制御することができる。例えば、電池の構造が直列である場合、図3に示されたように、電池管理システム100は、第1スイッチ210が第2電池モジュールグループ202と開放状態になり、第2スイッチ220が第2電池モジュールグループ202に連結されるように制御することができる。他の例を挙げると、電池の構造が並列である場合、図4に示されたように、電池管理システム100は、第1スイッチ210が第2電池モジュールグループ202に連結され、第2スイッチ220が第2コンタクタ240に連結されるように制御することができる。
【0029】
実施形態において、電池管理システム100は、電池の構造変換のためのイベント検出に基づいて、電池の構造を直列または並列に決めることができる。例えば、電池管理システム100は、電池容量が指定された臨界容量未満である場合、電池持続時間を増加させるために電池の構造を並列に決めることができる。他の例を挙げると、電池管理システム100は、電池制御システム1の位置(または、車両の位置)に基づいて、電池の構造を決めることができる。例えば、車両の位置が都心地域である場合、電池性能を維持するために、電池管理システム100は、電池の構造を並列に決めることができる。その逆に、電池管理システム100は、電池容量が臨界容量以上であるかまたは車両の位置が都心地域ではない場合(例えば、高速道路)、電池の構造を直列に決めることができる。
【0030】
実施形態において、電池管理システム100は、電池の構造に基づいて、電池の診断のための閾値を調節することができる。例えば、各電池モジュールの電圧がn(ここで、nは整数)であると仮定するとき、図3に示されたように電池の構造が直列である場合、電池パックの最大総電圧Vtotalは、第1電池モジュールグループ201の最大総電圧V1と第2電池モジュールグループ202の最大総電圧V2の和である6nであるため、電池管理システム100は、過電圧の診断のための閾値を6nまたはそれ以上の値に決めることができる。図4に示されたように電池の構造が並列である場合、電池パックの最大総電圧Vtotalは、第1電池モジュールグループ201の最大総電圧V1(または、第2電池モジュールグループ202の最大総電圧V2)である3nであるため、電池管理システム100は、過電圧の診断のための閾値を3nまたはそれ以上の値に決めることができる。電池の構造にかかわらず電流が一定であると、電池電圧の減少に応じて電池電力(パワー)が減少するため(P=VI、ここで、Pは電力、Vは電圧、Iは電流)、実施形態に係る電池管理システム100は、過電圧の検出のための閾値と同一の原理で過電力の測定のための閾値を電池の構造に応じて変更することができる。電池パック10におけるパックオーバー(pack over)(例えば、過電圧または過電力)が検知されると、電池管理システム100は、電池の状態がフォールト(fault)であると決め、電池の動作(または、車両の動作)を中止するかまたは通知を出力することができる。電池パック単位の電池の診断と同一の原理で、電池管理システム100は、電池の構造に応じて電池セルの診断のための閾値を変更することができる。また、電池管理システム100は、パックアンダー(pack under)または過電流(over current)にも同一の原理を適用して閾値を変更することができる。
【0031】
図5は、多様な実施形態に係る電池の構造および閾値を制御する動作フローチャートを示す。以下の動作フローチャートに示される動作は、電池制御システム1またはその構成要素(例えば、電池管理システム100)により実現されることができる。
【0032】
図5を参照すると、動作510において、電池制御システム1は、電池の構造変換のためのイベントを検出することができる。実施形態によると、電池制御システム1は、電池パック10の構造が直列であるかまたは並列であるかを決めることができる。
【0033】
動作520において、電池制御システム1は、検出されたイベントに基づいて、第1電池モジュールグループ201および第2電池モジュールグループ202が直列または並列に連結されるように第1スイッチ210および第2スイッチ220を制御することができる。
【0034】
動作530において、電池制御システム1は、電池の直列または並列構造に基づいて、電池の診断のための閾値を調節することができる。
【0035】
図6は、多様な実施形態に係る電池の構造および閾値を制御する動作フローチャートを示す。
図6を参照すると、動作610において、電池制御システム1は、電池容量または電池制御システム1の位置のうち少なくとも1つを確認することができる。
【0036】
動作620において、電池制御システム1は、確認された値に基づいて、電池モジュールグループ(第1、第2グループ)が直列に連結されなければならないかまたは並列に連結されなければならないかを決めることができる。
【0037】
電池の構造が直列に連結されなければならないと、電池制御システム1は、動作630において、第2電池モジュールグループ202の一端と第1コンタクタ340が開放状態になるように第1スイッチ210を制御し、動作640において、第1電池モジュールグループ201の一端が第2電池モジュールグループ202の一端と連結されるように第2スイッチ220を制御することができる。また、動作650において、電池制御システム1は、電池の診断のための閾値を第1閾値に決めることができる。
【0038】
電池の構造が並列に連結されなければならないと、電池制御システム1は、動作660において、第2電池モジュールグループ202の一端が第1コンタクタ230に連結されるように第1スイッチ210を制御し、動作670において、第1電池モジュールグループ201の一端が第2コンタクタ240に連結されるように第2スイッチ220を制御することができる。また、動作680において、電池制御システム1は、電池の診断のための閾値を第2閾値に決めることができる。ここで、第2閾値は、第1電池モジュールグループ201と第2電池モジュールグループ202の割合に応じて決めることができる。例えば、第1電池モジュールグループ201および第2電池モジュールグループ202に含まれた電池モジュールの数が同一である場合、電池制御システム1は、第2閾値が第1閾値の半分(または、半分+a、ここで、aはマージン値)になるように決めることができる。
【0039】
図7は、多様な実施形態に係る電池管理方法を実行するコンピューティングシステムを示すブロック図である。
図7を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るコンピューティングシステム30は、MCU32、メモリ34、入出力I/F36、および通信I/F38を含むことができる。
【0040】
MCU32は、メモリ34に格納されている各種プログラム(例えば、特性値の算出プログラム、クラス分類および寿命推定プログラムなど)を実行させ、このようなプログラムを介して電池セルの電圧、電流などを含む各種データを処理し、前述した図2に示した電池管理装置の機能を行うようにするプロセッサであってもよい。
【0041】
メモリ34は、電池セルの特性値の算出、クラス分類および寿命推定に関する各種プログラムを格納することができる。また、メモリ34は、電池セルそれぞれの電圧、電流、特性値データなどの各種データを格納することができる。
【0042】
このようなメモリ34は、必要に応じて複数備えられてもよい。メモリ34は、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリとしてのメモリ34は、RAM、DRAM、SRAMなどが用いられることができる。不揮発性メモリとしてのメモリ34は、ROM、PROM、EAROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが用いられることができる。上記で列挙したメモリ34の例は単なる例示にすぎず、これらの例に限定されるものではない。
【0043】
入出力I/F36は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)と、ディスプレイ(図示せず)などの出力装置と、MCU32との間を連結してデータを送受信できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0044】
通信I/F340は、サーバと各種データを送受信できる構成であり、有線または無線通信を支援できる各種装置であってもよい。例えば、通信I/F38を介して、別に備えられた外部サーバから電池セルの特性値の算出、クラス分類および寿命推定のためのプログラムや各種データなどを送受信することができる。
【0045】
このように、本文書に開示された一実施形態に係るコンピュータプログラムは、メモリ34に記録され、MCU32により処理されることで、例えば、図1または図2に示した各機能を行うモジュールとして実現されてもよい。
【0046】
以上、本文書に開示された実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するかまたは結合して動作するものと説明されたからといって、本文書に開示された実施形態が必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本文書に開示された実施形態の目的の範囲内であれば、その全ての構成要素が1つ以上に選択的に結合して動作してもよい。
【0047】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、当該構成要素が内在できることを意味するため、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいものと解釈されなければならない。技術的または科学的な用語を含む全ての用語は、他に定義しない限り、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されなければならず、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0048】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された実施形態の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7