(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】強化されたアンチエイジング化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20241210BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241210BHJP
A61K 8/67 20060101ALI20241210BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/67
A61Q19/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020055591
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】201910694274.8
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520045491
【氏名又は名称】ゼァージァン ヤンシェンタン インスティテュート オブ ナチュラル メディケイション カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャシャ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジェンファン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-520406(JP,A)
【文献】特表2019-519549(JP,A)
【文献】特開2007-320921(JP,A)
【文献】特開平09-291013(JP,A)
【文献】特開2006-131546(JP,A)
【文献】特開2006-316033(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109077960(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチエイジング化粧品組成物における、(A)濃縮カバノキ樹液と(B)パルミトイルトリペプチド-5、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンから選択される1つ又は2つ以上の物質の組み合わせであって、前記濃縮カバノキ樹液が1.2~4倍の濃縮度を有
し、成分(A)濃縮カバノキ樹液の含有量が化粧品組成物の総重量基準で18~98重量%であり、成分(B)の含有量が化粧品組成物の総重量基準で0.005~10重量%である、組み合わせの使用。
【請求項2】
濃縮カバノキ樹液が1.2~2倍の濃縮度を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
以下を含むアンチエイジング化粧品組成物:
(A)1.2~4倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液;及び
(B)パルミトイルトリペプチド-5、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンから選択される1つ又は2つ以上の物質
であって、成分(A)濃縮カバノキ樹液の含有量が化粧品組成物の総重量基準で18~98重量%であり、成分(B)の含有量が化粧品組成物の総重量基準で0.005~10重量%である、アンチエイジング化粧品組成物。
【請求項4】
濃縮カバノキ樹液が1.2~2倍の濃縮度を有する、請求項3に記載のアンチエイジング化粧品組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が、化粧品組成物の総重量基準で0.01~8重量%である、請求項
3に記載のアンチエイジング化粧品組成物。
【請求項6】
成分(B)の含有量が、化粧品組成物の総重量基準で0.1~6重量%である、請求項
5に記載のアンチエイジング化粧品組成物。
【請求項7】
成分(B)の含有量が、化粧品組成物の総重量基準で0.5~5重量%である、請求項
6に記載のアンチエイジング化粧品組成物。
【請求項8】
さらに添加される水を含まない、請求項3~
7のいずれかに記載のアンチエイジング化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)1.05~8倍、好ましくは1.1~4倍、より好ましくは1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液と、(B)ポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンから選択される1つ又は2つ以上の物質とを含む、強化されたアンチエイジング化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カバノキはカバノキ科の落葉樹であり、現在世界中に約100種が存在し、主に北部温帯及び冷温帯に分布している。その中でも、中国には約29種が存在し、主に北東部、北西部及び南西部に分布している。カバノキの木は主に、人の干渉がほとんどなく、産業汚染のない人里離れた山岳地帯で成長している。カバノキ樹液(バーチジュースとも呼ばれる)は、切断されたカバノキ樹皮又は穴を開けた幹からの新鮮な樹液である。これは無色又は淡黄色で、沈殿物も不純物もなく、淡いカバノキの芳香がある。カバノキ樹液は、糖、アミノ酸、ビタミン、ビオチン、サイトカイニン、微量ミネラル元素、芳香油、ベツリン及びサポニンなどの多数の化合物を含有し、優れたスキンケア及びアンチエイジング効果を有する。
【0003】
皮膚の老化は、身体を保護及び調節する皮膚の能力の低下を意味し、したがって、内部及び外部環境の変化に適応できず、皮膚の色及び状態などの全体的な外観のいくらかの変化を示し、その結果、皮膚の弾力性の低下又は消失、皮膚のたるみ、しわの増加、乾燥肌、菲薄化、容易な落屑、かゆみ、くすんだ肌色、つやのなさ、ならびに濃い斑点及びいぼの併発をもたらす。人口の高齢化及び生活水準の継続的な改善に伴い、消費者の抗しわに対する意識は高まり続けており、ますます多くの消費者が、若い外観を維持するための化粧品を使用したがっている。統計によると、アンチエイジング化粧品は、中国の化粧品市場で最も成長が早く、最も有望なカテゴリーになっている。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明は、強化されたアンチエイジング化粧品組成物における、(A)濃縮カバノキ樹液と(B)ポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンから選択される1つ又は2つ以上の物質の組み合わせであって、濃縮カバノキ樹液が1.05~8倍、好ましくは1.1~4倍、より好ましくは1.2~2倍の濃縮度を有する組み合わせの使用に関する。
【0005】
別の態様では、本発明は、(A)1.05~8倍、好ましくは1.1~4倍、より好ましくは1.2~2倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液と、(B)ポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンから選択される1つ又は2つ以上の物質とを含む、強化されたアンチエイジング化粧品組成物を提供する。
【0006】
本発明によるアンチエイジング化粧品組成物は、細胞外マトリックス中のI型、III型、IV型、VII型、XVII型コラーゲン、エラスチン及びラミニンの合成を促進し、マトリックスメタロプロテイナーゼMMP-1の発現を低下させ、ヒアルロン酸の産生を促進し、表皮、真皮、及び真皮-表皮接合部の構造的完全性及び機能性を強化し、皮膚の弾力性を改善し、しわを減らすと同時に、皮膚のバリアを改善し、経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss)を減らし、抗炎症及び鎮静化の効果を有し、それによって有意なアンチエイジング、特に抗しわ効果をもたらすことができる。
【0007】
アンチエイジング化粧品組成物は、さらに添加される水を含まないが、組成物の成分の各々に本質的に含まれる水分を排除しない。
【0008】
好ましい実施形態では、アンチエイジング化粧品組成物が、EDTA塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム及びグルコン酸等などのキレート剤を含まない。
【0009】
本発明に関与するカバノキ樹液は、ベタラアルバ(Betalaalba)、ヨーロッパダケカンバ(Betula pubescens)、ベチュラ・ペンデュラ(Betula Pendula)及びシラカンバ(Betula platyphylla)の4つの変種を含むカバノキ科(Betulaceae)カバノキ属(Betula)から得られる。カバノキ樹液は、雪が溶け始めてから木が葉を出すまで、カバノキの木の幹の基部に人工的に穴を開けて、ここから回収することによって得られる沈殿物も不純物もない無色透明で栄養価の高いカバノキ樹液である。カバノキ樹液は市販されており、そのまま使用されており(この場合、これはまた非濃縮カバノキ樹液、又はカバノキ樹液原液とも呼ばれる)、例えば、Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltdから購入することができる。
【0010】
本発明で使用される濃縮カバノキ樹液は、上記の市販のカバノキ樹液原液製品を濃縮することによって得られる。加熱濃縮、低温及び真空濃縮、ならびに膜濃縮等などの濃縮方法は、当技術分野で知られている。本発明では、濃縮が、好ましくは低温凍結濃縮又は膜濃縮プロセスによって行われる。例えば、市販のカバノキ樹液原液製品を低温乾燥装置に導入し、-40~-70℃に冷却し、低温及び真空濃縮プロセスのために0.1~30Paに真空引きして、1.05~8倍の濃縮度を有する濃縮カバノキ樹液を得る。
【0011】
本発明者らは、驚くべきことに、非濃縮カバノキ樹液原液と比較して、1.05~8倍、好ましくは1.1~4倍、より好ましくは1.2~2倍の濃縮度を有するカバノキ樹液濃縮物とポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及び/又はアデノシンの組み合わせが、化粧品組成物のアンチエイジング、特に抗しわ効果を有意に改善することができることを発見した。これは、濃縮カバノキ樹液とポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及び/又はアデノシンの組み合わせが相乗効果をもたらすことを示している。
【0012】
(A)濃縮カバノキ樹液の含有量は、アンチエイジング化粧品組成物の総重量基準で約18~98重量%、好ましくは約20~95重量%、より好ましくは約22~92重量%、最も好ましくは約30~90重量%である。
【0013】
成分(B)中のポリペプチドは、マトリックスタンパク質、特にコラーゲンの合成を促進することができる当技術分野で既知のものであり、エラスチン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン及びフィブロネクチンの産生を増加させて抗しわ効果を提供することもできる。本発明で使用することができるポリペプチドの例としては、それだけに限らないが、ジペプチド-2、ジペプチド-4、トリペプチド-1、テトラペプチド-21、ペンタペプチド-3、ヘキサペプチド-3、ヘキサペプチド-8、ヘキサペプチド-9、ヘキサペプチド-10、パルミトイルジペプチド-5、パルミトイルジペプチド-7、パルミトイルトリペプチド-1、パルミトイルトリペプチド-5、パルミトイルテトラペプチド-3、パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルペンタペプチド-3、パルミトイルペンタペプチド-4、パルミトイルヘキサペプチド-6、パルミトイルオリゴペプチド、アセチルテトラペプチド-3、アセチルテトラペプチド-5、アセチルテトラペプチド-9、アセチルペンタペプチド-3、アセチルヘキサペプチド-3、アセチルヘキサペプチド-8、アセチルオクタペプチド-1、カルノシン、銅ペプチド、オリゴペプチド-1、ミリストイルペンタペプチド-11、ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート、デカルボキシカルノシンHCL、及びこれらの任意の組み合わせ、好ましくはパルミトイルトリペプチド-5、パルミトイルテトラペプチド-7、アセチルヘキサペプチド-3、ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート、パルミトイルオリゴペプチド、ヘキサペプチド-9、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリペプチドは、好ましくはパルミトイルトリペプチド-5、パルミトイルテトラペプチド-7、アセチルヘキサペプチド-3、ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート、パルミトイルオリゴペプチド、ヘキサペプチド-9、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。上記の物質は全て市販されている。
【0014】
成分(B)中のヒアルロン酸ナトリウムの例としては、それだけに限らないが、高分子量ヒアルロン酸ナトリウム(1800~2200KDa)、中分子量ヒアルロン酸ナトリウム(1000~1800KDa)、低分子量ヒアルロン酸ナトリウム(10~1000KDa)、加水分解ヒアルロン酸ナトリウム(1~10KDa)、及びアセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの1つ又は複数が挙げられる。ヒアルロン酸ナトリウムは、当技術分野で既知の方法によって調製することができ、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムは、最初に、発酵法によって植物由来培地(ペプトン、グルコース等)から調製される。ヒアルロン酸ナトリウムも、例えばHuaxi Furuida Biomedical Co.,Ltdから市販されている。
【0015】
成分(B)中のレチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、トコフェロール、ユビキノン及びアデノシンも当技術分野で既知の成分であり、全て市販されている。
【0016】
成分(B)の含有量は、アンチエイジング化粧品組成物の総重量基準で約0.005~10重量%、好ましくは約0.01~8重量%、より好ましくは約0.1~6重量%、最も好ましくは約0.5~5重量%である。
【0017】
上述の成分(A)及び(B)に加えて、アンチエイジング化粧品組成物は、場合により(C)スキンケア化粧品で一般的に使用される成分を含んでもよい。例としては、それだけに限らないが、ビヒクル、有効成分、及び賦形剤が挙げられる。これらの成分は全て当技術分野で既知であり、当業者は必要に応じて成分(C)の種類及び量を選択することができる。例えば、成分(C)の含有量は、典型的にはアンチエイジング化粧品組成物の総重量基準で約0~70重量%である。
【0018】
ビヒクルは、希釈剤、分散剤、及び担体などの当技術分野で既知のものである。例としては、それだけに限らないが、エタノール、ジプロピレングリコール、及びブタンジオールが挙げられる。化粧品組成物中のビヒクルの含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で0.5~20%である。
【0019】
有効成分は、当技術分野で既知のものである。例としては、それだけに限らないが、皮膚軟化剤、保湿剤、及び他の抗しわ有効成分が挙げられる。
【0020】
皮膚軟化剤の例としては、それだけに限らないが、オリーブ油、マカダミアナッツ油、スイートアーモンド油、グレープシード油、アボカド油、コーン油、ゴマ油、大豆油、ピーナッツ油、メドウフォーム種子油、ベニバナ種子油、イヌバラ(Rosa canina)果実油、アルガニア・スピノサ(Argania spinosa)核油、ホホバ(Simmondsia chinensis)種子油、ヒマワリ種子油、オオミテングヤシ(Mauritia flexuosa)果実油、スクアラン、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、水素化ポリイソブチレン、イソセタン、イソドデカン、炭酸ジエチルヘキシル、炭酸ジオクチル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、水素化ポリデセン、トリエチルヘキサノイン、ヘキサン酸セチルエチル、ビス-ジエトキシジグリコールシクロヘキサン1,4-ジカルボキシラート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エルカ酸オレイル、オクチルドデカノールミリスタート、オクチルドデカノール、ポリジメチルシロキサン、オクチルポリメチルシロキサン、セチルジメチコン、シクロペンタジメチルシロキサンなどが挙げられる。固体皮膚軟化剤の例としては、それだけに限らないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、スクアリルアルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、ラノリン、オゾケライト、ホホバ種子ワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス、水添コメヌカロウ、水添ココグリセリル、ベヘン酸/エイコサン二酸グリセリル、ミリスチン酸ミリスチル、ビス-ジグリセリルポリアシルアジパート-2、ブチロスパーマム・パーキー(butyrospermum parkii)(シアバター)、及びアストロカリウムムルムル(astrocaryum murumuru)種子脂の1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の皮膚軟化剤の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で1~50%である。
【0021】
保湿剤の例としては、それだけに限らないが、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール-8、ポリエチレングリコール-32、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG/PPG-17/6コポリマー、グリセレス-7、グリセレス-26、グリセリルグルコシド、PPG-10メチルグルコースエーテル、PPG-20メチルグルコースエーテル、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセロール、スクロース、トレハロース、ラムノース、マンノース、ラフィノース、ベタイン、エリスリトール、キシリトール、尿素、乳酸グリセレス-5、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウム、加水分解スクレロチウムガム、プルラン、トレメラム(tremellam)、及びタマリンド(tamarindus indica)種子多糖体の1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の保湿剤の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で1~30%である。
【0022】
他の抗しわ有効成分の例としては、それだけに限らないが、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、酵母エキス、オリザノール、テトラヒドロクルクミン、エラグ酸、乳清タンパク質、サリチロイルフィトスフィンゴシン、シリマリン、セリシン、トコフェリルリン酸ナトリウム、アラントイン、リボ核酸(RNA)、ブドウ(Vitis vinifera)種子抽出物、プロテカルプス(Pterocarpus marsupium)樹皮抽出物、チャノキ(Camellia sinensis)ポリフェノール、ワイン抽出物、リンゴ種子抽出物、ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)芽抽出物、アフリカバオバブ(Adansonia digitata)抽出物、アルテミア(Artemia)抽出物、イリス・フロレンティナ(Iris florentina)根抽出物、ヘスペリジン、ジンセノシド、タンジン(Salvia miltiorrhiza)抽出物、ニコチンアミド、ウルソール酸、リコペン、コーヒーノキ(Coffea arabica)抽出物、乳酸、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)油、セラミド、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、ヒドロキシステアリン酸、サリチル酸、エルゴチオネイン、リゾレシチン、リポ酸、グリコーゲン、レスベラトロール、フェルラ酸、ビフィズス菌培養溶解緩衝液及び乳酸球菌培養溶解緩衝液の1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の他の抗しわ有効成分の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で0.01~10%である。
【0023】
賦形剤の例としては、それだけに限らないが、乳化剤、増粘剤、防腐剤、及び芳香剤等が挙げられる。
【0024】
乳化剤の例としては、それだけに限らないが、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、セスキステアリン酸メチルグルコース、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、PEG-40硬化ヒマシ油、PPG-26-ブテス-26、ステアリン酸PEG-4ポリグリセリル-2、PEG-60硬化ヒマシ油、ステアレス-2、ステアレス-21、PPG-13-デシルテトラデセス-24、セテアリルグルコシド、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE、ココグルコシド、セテアレス-25、ステアリン酸PEG-40、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ミリスチン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸スクロース、及びポリステアリン酸スクロースの1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の乳化剤の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で0.5~10%である。
【0025】
増粘剤の例としては、それだけに限らないが、カルボマー、アクリレート及びその誘導体、キサンタンガム、アラビアガム、ポリエチレングリコール-14M、ポリエチレングリコール-90M、スクシニル多糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの高分子ポリマーの1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の増粘剤の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で0.1~10%である。
【0026】
防腐剤の例としては、それだけに限らないが、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジニル尿素、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クロルフェネシン(chlorophenesin)、デヒドロ酢酸ナトリウム、カプリルヒドロキサム酸、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、p-ヒドロキシアセトフェノン、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、ウンデシレン酸グリセリル、カプリル酸ソルビタン、エチルヘキシルグリセロール、及びシャクヤク根抽出物の1つ又は複数が挙げられる。化粧品組成物中の防腐剤の含有量は当技術分野で既知であり、例えば、典型的には成分(C)の総重量基準で0.01~2%である。
【0027】
本発明によるアンチエイジング化粧品組成物は、当技術分野で既知の適切な方法のいずれかによって調製することができる。例えば、溶解タンク、乳化ポット、分散機、移送ポンプ等などの化粧品の分野で一般的に使用される装置を使用して組成物を調製することができる。調製中、水溶性物質を水相溶解ケトルに装入し、油溶性物質を油相溶解ケトルに装入し、2つのケトルをそれぞれ約80℃に加熱する;凝集した原材料の場合、分散機を使用して事前に分散させることができる。溶解が完了したら、油相と水相を乳化ポットに移し、約5~15分間均質化及び乳化する。乳化が完了したら、バルクを室温まで冷却し、場合により芳香剤、防腐剤などを添加し、必要に応じて製品のpHを調整する。
【0028】
上記の調製方法は、剤形の要件に応じて変更又は調整することができる。アンチエイジング化粧品組成物は、軟膏、クリーム、ローション、エッセンス等などの種々の製品形態に調製することができる。
【0029】
例
本発明を、例を参照して、さらに以下で詳細に説明する。しかしながら、これらの例及び比較例は、本発明を具体的に説明するためにのみ使用され、いかなる形でも本発明の添付の特許請求の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
【0030】
例1:組成物A、A1、B、B1、B2、B3、B4、C、C1、C2、D、D1、D2、E、E1、E2、F、F1、F2、Jの調製
上記組成物の具体的な配合は以下の通りとした:
【表1】
【0031】
上記組成物を以下のように調製した:
1.Daxinganling Chaoyue Wild Berry Development Co.,Ltd.から購入した新鮮なカバノキ樹液(ベチュラ・バルバ(Betula Blba)樹液)原液を、低温乾燥装置に導入し、-65℃に冷却し、0.1Paに真空引きし、1.2倍、4倍及び9倍の程度まで濃縮した。
2.原材料1、2、3、4、5、6、7、8、9、10及び/又は11を混合して、対応する組成物を得た。
【0032】
例2:アンチエイジング関連遺伝子の発現に対する組成物A、A1、B、B1、B2、B3、B4、C、C1、C2、D、D1、D2、E、E1、E2、F、F1、F2、Jの効果
この例では、アンチエイジング関連遺伝子の発現に対する上記組成物A、A1、B、B1、B2、B3、B4、C、C1、C2、D、D1、D2、E、E1、E2、F、F1、F2、Jの効果を試験し、比較した。
実験機器:蛍光定量PCR(Roche)、クリーンベンチ(Su Jing)、CO2インキュベーター(Binder)、マイクロプレートリーダー(BIO-TEK)、マイクロオシレーター。
実験試薬及び材料:ヒト初代線維芽細胞、6ウェルプレート、線維芽細胞用培養培地、RNA抽出キット、逆転写キット、Trizol溶解緩衝液等。
【0033】
線維芽細胞に基づく遺伝子発現の分析ステップは以下の通りであった:
(1)接種:細胞を6ウェル培養プレートに5E5細胞/ウェルの密度で接種し、5%CO2を含むインキュベーターで、37℃で一晩インキュベートした;
(2)投与:6ウェル培養プレートの細胞播種率が約60%に達したら、各群の試験物質を添加し、試験物質の各群に6複製ウェルを提供した;
(3)試料回収:5%CO2を含むインキュベーターに、37℃で24時間接種した後、培養培地を廃棄し、各ウェルに1mLのTrizolを添加し、細胞を溶解した後、試料を回収した;
(4)PCR検出:RNAを抽出し、cDNAに逆転写し、蛍光定量PCRによって検出した;
(5)分析:2-ΔΔCT法を使用して結果を計算し、T検定法を統計分析に使用した。
【0034】
【0035】
結果は、ブランク対照Jと比較して、他の全ての組成物がI型、III型、IV型、VII型コラーゲン、エラスチン及びラミニンの遺伝子発現レベルを改善することができることを示し、カバノキ樹液、濃縮カバノキ樹液、パルミトイルトリペプチド-5、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、トコフェロール及び/又はユビキノンを含む組成物が、一定の抗しわ効果を有することを示した。しかしながら、組成物B2、C2、D2、E2及びF2と組成物A1、B、C、D、E及びFの結果をそれぞれ比較することによって、1.2倍濃縮カバノキ樹液とパルミトイルトリペプチド-5、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、トコフェロール又はユビキノンの組み合わせが、各タンパク質の遺伝子発現レベルを有意に増加させることが明確に分かり、相乗効果をもたらすことを完全に示した;特に、組成物B2、B3、B4、C2、D2、E2及びF2と組成物B1、C1、D1、E1、及びF1の結果を比較することによって、非濃縮カバノキ樹液と比較して、濃縮カバノキ樹液とポリペプチド、ヒアルロン酸ナトリウム、レチノール、トコフェロール又はユビキノンの組み合わせが、化粧品組成物の抗しわ効果を有意に改善し、濃縮カバノキ樹液は約1.05~8倍、好ましくは約1.1~4倍の濃縮度を有することが明確に分かる。
【0036】
例3:アンチエイジング関連タンパク質の発現に対する組成物G、G1及びG2の効果
この例では、アンチエイジング関連タンパク質の発現に対する組成物G、G1及びG2の効果を試験し、比較した。
実験機器:クリーンベンチ(Su Jing)、免疫洗浄マイクロプレートウォッシャー(BIO-RAD)、マイクロプレートリーダー(BIO-TEK)、CO2インキュベーター(Binder)
実験試薬及び材料:ヒト初代線維芽細胞、12ウェル培養プレート、線維芽細胞用培養培地、様々な指標用のELISAキット等。
【0037】
実験方法:
(1)接種:細胞を12ウェル培養プレートに2E5/ウェルの密度で接種し、5%CO2を含むインキュベーターで、37℃でインキュベートし、培地を2日毎に交換した;
(2)投与:細胞融合が再び60%超に達したら、各群の試験物質を添加し、試験物質の各群に6複製ウェルを提供した;
(3)試料回収:5%CO2を含むインキュベーターに、37℃で48時間接種した後、培養培地を廃棄し、各ウェルに1mLのTrizolを添加し、細胞を溶解した後、試料を回収した;
(4)検出:指標はELISAキットの決定方法に従って決定した。
(5)分析:T検定法を統計分析に使用した。
【0038】
【0039】
結果は、アデノシン単独と比較して、カバノキ樹液又は1.2倍濃縮カバノキ樹液とアデノシンを含む組成物G1及びG2が、繊維芽細胞におけるアンチエイジング関連タンパク質の発現レベルを有意に増加させることを示し、カバノキ樹液又は濃縮カバノキ樹液とアデノシンが相乗効果をもたらすことを示した。さらに、G1とG2を比較すると、濃縮カバノキ樹液が、カバノキ樹液原液よりもポリペプチドに対して有意に高い相乗効果を有することが分かる。
【0040】
例4:組成物H、H1、H2及びJ1の調製
H:パルミトイルトリペプチド-5
H1:カバノキ樹液原液+パルミトイルトリペプチド-5
H2:1.2倍濃縮カバノキ樹液+パルミトイルトリペプチド-5
J1:ブランク対照(水ベース、カバノキ樹液なし、ペプチドなし)
【0041】
【0042】
上記組成物を以下のように調製した:
1.油相:原材料6、8、9、10、11、13、14、15及び16を油相ポットに添加し、80℃に加熱し、溶解し、よく混合した;
2.原材料4、17及び19を室温でよく混合した;
3.原材料12、18及び21を室温でよく混合した;
4.水相:原材料1、2、3、5及び7を80℃に加熱し、ステップ2からの混合物を添加し、溶解し、よく混合した;
5.乳化:水相と油相を乳化タンクに添加し、80℃に保持し、3000rpmで5分間均質化及び乳化し、乳化が完了したら、原材料20を添加した;
6.攪拌しながら40℃に冷却する際、原材料22及びステップ3からの混合物を添加し、よく攪拌し、排出して組成物の各々を得た。
【0043】
例5:光老化3D全層皮膚モデルに対する組成物H、H1、H2及びJ1の効果
この例では、光老化3D全層皮膚モデルに対する上記のフェイスクリーム組成物H、H1、H2及びJ1の効果を試験し、比較した。
実験機器:クリーンベンチ(Su Jing)、CO2インキュベーター(Binder)、UVA及びUVB照射器、マイクロプレートリーダー(BIO-TEK)、凍結ミクロトーム(Leica)。
実験試薬及び材料:3D全層皮膚モデル(実験室で自作)、様々な指標用のELISA試験キット、MTTキット等。
【0044】
実験手順は以下の通りとした:
(1)3D全層皮膚モデルの構築:3D全層皮膚モデルを、ケラチノサイト及び線維芽細胞を使用して構築した;
(2)モデリング及び投与:モデルが工場を出るとき、すなわち0日目に、SSUV照射処理(UVA:30J/cm2;UVB:50mJ/cm2)を毎日行い、次いで、一定量の試料を対応するモデルの表面に施用した;モデル対照では、モデル培養培地のみを施用し、試験物質の各群に6複製ウェルを提供し、1日1回、合計4日間施用を行った;
(3)試料回収及び検出:モデリング及び投与後、培養培地を回収し、ELISAキットを使用してMMP1を決定した;各群から3つのモデルを取得し、MTTキットを使用してモデル生存率を決定し、残りの3つのモデルを組織固定及びIHC染色に供して、表皮と真皮との間の接合部のIV型コラーゲン含有量を決定した;
(4)分析:T検定法を統計分析に使用した。
【0045】
【0046】
結果は、組成物Hと比較して、組成物H1及びH2がFulKutisの組織活力を有意に増加させ、表皮と真皮との間の接合部でIV型コラーゲンの発現を促進しながら、細胞外マトリックスのMMP-1の発現を有意に減少させることを示し、カバノキ樹液又は濃縮カバノキ樹液とポリペプチドの組み合わせが抗しわ効果を有意に改善することができることを完全に示し、これらが有意な相乗効果をもたらすことを示した。さらに、H1をH2と比較すると、濃縮カバノキ樹液が、カバノキ樹液原液よりもポリペプチドに対して有意に高い相乗効果を有することが分かる。
【0047】
例6:ヒト皮膚形態に対する組成物H及びH2の効果
この例では、組成物H及びH2を2週間及び4週間使用した後の、対象の左右の目尻のしわの変化、ならびに頬の水分及びTEWLの変化を試験し、それによって組成物H及びH2をその抗しわ効果、皮膚水分量及び皮膚バリア機能改善について評価するために、しわグレード1~5の対象を選択した。
【0048】
顔半分対照試験法を使用して、対象を製品を使用する前と製品を2週間及び4週間使用した後で以下の通り試験した:
1)Primosを使用して対象の左右の目尻を撮影し、ソフトウェアを使用して、しわの量、しわの面積、しわの深さ等を含むしわのパラメータを計算した;
2)Corneometerを使用して、左右の頬の皮膚水分量を試験した;
3)Tewameterを使用して、左右の頬の経表皮水分蒸散量(TEWL値)を試験した。
【0049】
朝と晩に洗顔した後、ローションの使用後に、適切な量の試験試料を左右の顔(目の周りの領域を含む)に施用した。元々のスキンケアの習慣を試験を通して維持し、対象が以前使用していたフェイスクリームのみを試験試料に置き換えた。
【0050】
使用した試験機器は以下であった:
Primos(Canfield、米国)
皮膚水分テスターCorneometer(Courage&Khazaka、ドイツ)
TEWLテスターTewameter(Courage&Khazaka、ドイツ)
【0051】
対象:以下の基準を満たす対象を選択する:
1)しわレベルの標準写真に従って、しわグレード1~5の対象をピックアップし、しわは疾患によって引き起こされたものではなかった;
2)試験部位は、結果に影響する可能性のある皮膚処置、美容及びその他の試験を受けていない;
3)過去1か月間にホルモン剤及び免疫抑制剤を使用していない者;
4)現在又は過去3か月間に試験部位で他の臨床試験に参加していない者;
【0052】
これらのうち、以下のいずれかを満たす者は除外する:
1)妊娠中又は授乳中の女性;
2)重度の全身性疾患、免疫不全又は自己免疫疾患のある人;
3)過去1週間に抗ヒスタミン薬を使用した者、又は過去1か月に免疫抑制剤を使用した者;
4)過去2か月間に試験部位で抗炎症薬を使用した者;
5)インスリン依存性糖尿病の患者;
6)治療中の呼吸器疾患がある患者;
7)アレルギー、アレルギー性皮膚炎等がある人、皮膚疾患の病歴がある者;
8)皮膚科治療を受けている者;
9)大きな面積の痣、傷、白斑、色素性母斑、ケロイド、及び試験領域での試験に影響を及ぼすその他の皮膚特性を有する者。
【0053】
その他の要件:
1)試験中、試験に影響を及ぼす可能性のある他の製品の使用は禁止を禁止した;
2)試験中、同じ顔の固定設備及び方法を使用した;
3)試験環境、試験時間及び試験場所は以下の通り:
1)試験領域には、目尻、額及び頬が含まれていた;試験前に、対象はフェイスクリームを使用して洗顔し、化粧紙で拭いた;
2)標準的な部屋に20分間座り、水及び飲料を飲まず、試験領域を露出し、リラックスし、試験領域に触れないようにした;
3)左右の目尻を製品施用領域とブランク対照領域にランダムに分割して統計的バランスを確保した;
4)試験時には、同じ顔の固定設備及び固定方法を使用し、Primosの説明書に従って、製品の使用前ならびに製品を2週間及び4週間使用した後の対象の左右の目尻のしわの写真を収集し、Corneometer及びTewameterをそれぞれ使用して、対象の頬の両側の水分及びTEWL値を試験した。
【0054】
対象の数:39人が登録し、5人が途中でやめ、合計34人の活動的対象となり、平均年齢は45.5±8.5歳であった。試験結果は以下の通りであった。
(1)しわの量
【表6】
【0055】
しわの量を使用して目尻のしわの量を特徴付け、値が高いほどしわが多くなり、逆もまた同様であった。H2の使用後、しわの量は徐々に減少し、しわの量は4週間で有意に減少した(p<0.01)。使用前と比較して、Hを4週間使用した後、しわの面積に有意な差はなかった(P>0.05)。4週間の使用後、H2とHの差は極めて有意であり(p<0.01)、H2が皮膚のしわを減らす効果を有することを示した。
(2)しわの深さ
【表7】
【0056】
しわの深さを使用して目尻のしわの深さを特徴付け、値が高いほどしわが深くなり、逆もまた同様であった。H2の使用後、しわの深さは徐々に減少し、しわの深さは4週間で有意に減少した(p<0.01)。使用前と比較して、Hを4週間使用した後、しわの深さに有意な差はなかった(P>0.05)。4週間の使用後、H2とHの差は極めて有意であり(p<0.01)、H2が皮膚のしわを減らす効果を有することを示した。
(2)しわの面積
【表8】
【0057】
しわの面積を使用して目尻のしわの総面積を特徴付け、値が高いほどしわが多くなり、逆もまた同様であった。H2の使用後、しわの面積は徐々に減少し、しわの面積は4週間で有意に減少した(p<0.01)。使用前と比較して、Hを4週間使用した後、しわの面積に有意な差はなかった(P>0.05)。4週間の使用後、H2とHの差は極めて有意であり(p<0.01)、H2が皮膚のしわを減らす効果を有することを示した。
4)水分量
【表9】
【0058】
水分量を使用して皮膚の角質層の水分量を特徴付け、値が高いほど、皮膚水分量が高くなり、逆もまた同様であった。H2の使用後、皮膚水分量は徐々に増加し、増加は4週間で極めて有意であった(p<0.01)。使用前と比較して、Hを4週間使用した後、皮膚水分量に有意な差はなかった(P>0.05)。4週間の使用後、H2とHの差は極めて有意であり(p<0.01)、H2が皮膚水分量を増加させる効果を有することを示した。
(5)TEWL
【表10】
【0059】
TEWLを使用して皮膚のバリア機能を特徴付け、値が高いほど、皮膚バリア機能が悪く、逆もまた同様であった。H2の使用後、TEWL値は徐々に減少し、減少は4週間で有意であった(p<0.05)。使用前と比較して、Hを4週間使用した後、TEWL値に有意な差はなかった(P>0.05)。4週間の使用後、H2とHの差は極めて有意であり(p<0.01)、H2が皮膚バリア機能を修復する効果を有することを示した。
【表11】
【0060】
抗しわアイクリーム組成物を以下のように調製した:
1.油相:原材料1、3、4及び5を油相ポットに添加し、80℃に加熱し、溶解し、よく混合した;
2.原材料6、7、9、10及び11を室温でよく混合した;
3.水相:原材料2を80℃に加熱し、ステップ3からの混合物を添加し、溶解し、よく混合した;
4.乳化:水相と油相を乳化タンクに添加し、80℃に保持し、3000rpmで5分間均質化及び乳化し、乳化が完了したら、原材料12を添加した;
5.原材料8を添加し、攪拌しながら40℃に冷却し、ステップ2からの混合物を添加し、よく攪拌し、排出して抗しわアイクリーム組成物を得た。
【0061】
顔半分対照試験法を使用して、20人の対象を製品を使用する前と製品を4週間使用した後で以下の通り試験した:
1)Primosを使用して対象の左右の目尻を撮影し、ソフトウェアを使用して、しわの量、しわの面積、しわの深さ等を含むしわのパラメータを計算した;
2)Corneometerを使用して、左右の目尻の皮膚水分量を試験した;
【0062】
結果は、20人のうち18人の対象が、目尻の皮膚水分量が有意に増加し、このうち16人が有意に浅く軽いしわ、しわ面積の減少、及びしわの量の減少を示した。
【0063】
【0064】
抗しわミルク組成物を以下のように調製した:
1.油相:原材料4、5、6、7、10、12、13及び14を油相ポットに添加し、80℃に加熱し、溶解し、よく混合した;
2.原材料1、2、8、9、17及び19を室温でよく混合した;
3.原材料3、18及び20を室温でよく混合した;
4.水相:ステップ2からの混合物を80℃に加熱し、ステップ3からの混合物を添加し、溶解し、よく混合した;
5.乳化:水相と油相を乳化タンクに添加し、80℃に保持し、3000rpmで5分間均質化及び乳化し、乳化が完了したら、原材料16を添加した;
6.原材料8を添加し、攪拌しながら40℃に冷却し、原材料11、12及び15を添加し、よく攪拌し、排出して抗しわエマルジョン組成物を得た。
【0065】
19人の対象を上記のローション組成物で4週間処置し、使用について主観的評価を行った。その中で、18人が皮膚水分量の有意な増加及び滑らかで繊細で弾力のある皮膚を報告し;15人がほうれい線及び目のしわの有意な改善を報告した。