(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム処理方法、およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20241210BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241210BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/80 E
(21)【出願番号】P 2020108888
(22)【出願日】2020-06-24
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】吉原 一期
(72)【発明者】
【氏名】竹井 真司
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 淳培
(72)【発明者】
【氏名】金 聖容
(72)【発明者】
【氏名】▲曹▼ ▲専▼鉉
(72)【発明者】
【氏名】朱 鎭熊
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187239(JP,A)
【文献】特開2015-134066(JP,A)
【文献】ケリ姫スイーツ,Wikipedia[online],2020年05月23日,インターネット<URL:https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ケリ姫スイーツ&oldid=77686093>,[2024年3月13日検索]
【文献】REBORN通信 Vol.10,「龍が如く ONLINE」プレイヤーズサイト[online],2020年03月28日,インターネット<URL:https://ryu.sega-online.jp/news/1094/>,[2024年3月13日検索]
【文献】アクティブスキルについて※2019/10/25更新,ドラゴンボールゲーム研究所[online],2019年10月25日,インターネット<URL:https://ameblo.jp/kakuseinosenkusya/entry-12487143972.html>,[2024年3月13日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
アプリケーションにおいてユーザが所有しているか否かに関わらず利用できる利用キャラクタを少なくとも用いる第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段と、
前記アプリケーションにおいてユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタを用いる第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段と、
前記第1ゲームにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第1パラメータが、前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第1スキル発動手段と、
前記第2ゲームにおいて、前記利用キャラクタと同じキャラクタを前記所有キャラクタとして用いる場合、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第2パラメータが、前記所有キャラクタのスキルに対応付けられる条件であって、前記第1ゲームにおいて当該スキルに対応付けられていた前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第2スキル発動手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1条件は、前記第1ゲームにおいて所定のユーザ操作が行われたか否かに関する条件であり、
前記第2条件は、前記第1ゲームにおいて行われた前記所定のユーザ操作の結果、前記ゲームの進行状況が所定の条件を満たしたか否かに関する条件である、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1条件は、前記第1ゲームで行われた前記所定のユーザ操作を受け付けた回数に関する条件であり、前記第2条件は、当該所定のユーザ操作を受け付けた結果、前記ゲームの進行状況が所定の条件を満たしたことで変動するパラメータに関する条件である、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第2条件は、前記第1条件よりもその条件達成の難度が高い条件である、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1ゲームと前記第2ゲームのゲームルールは少なくとも一部共通し、当該第1ゲームにおいて前記所定のユーザ操作が行われた場合と、当該第2ゲームにおいて前記所定のユーザ操作が行われた場合とで、当該操作に基づくゲームの進行状況が同じになるような処理が実行される、請求項2~4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1ゲーム実行手段は、前記第1条件を満たす場合には、前記スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動するまでは前記ゲームの進行を制限する、請求項1~5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1スキル発動手段は、前記第1条件を満たしている状態でユーザ操作があった場合、前記スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動し、
前記第1ゲーム実行手段は、前記ゲーム内効果が発動されたことに応じて前記ゲームの進行制限を解除する、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第1ゲーム実行手段は、少なくとも1つの前記利用キャラクタと、少なくとも1つの前記所有キャラクタとを用いる前記第1ゲームを実行し、
前記第1スキル発動手段は、前記第1ゲームの進行状況が前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合には、当該利用キャラクタのスキルに関連付けられるゲーム内効果を発動し、前記第1ゲームの進行状況が前記所有キャラクタのスキルに対応付けられる前記第2条件を満たす場合には、当該所有キャラクタのスキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する、請求項1~7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲームプログラムは、
所定の付与条件を満たす場合、それぞれにスキルが対応づけられた複数のキャラクタのうち、前記利用キャラクタと同じ前記スキルが対応付けられるキャラクタを、ユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタとして当該ユーザに付与する付与手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1~8のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1ゲームおよび第2ゲームは、パズルオブジェクトの消去を目的とするパズルゲームであって、
前記第1条件は、前記パズルオブジェクトに対して前記所定のユーザ操作を行うことに関し、
前記第2条件は、前記パズルオブジェクトを消去したことで変動するパラメータに関する条件である、請求項2~
5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項11】
アプリケーションにおいてユーザが所有しているか否かに関わらず利用できる利用キャラクタを少なくとも用いる第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段と、
前記アプリケーションにおいてユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタを用いる第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段と、
前記第1ゲームにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第1パラメータが、前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第1スキル発動手段と、
前記第2ゲームにおいて、前記利用キャラクタと同じキャラクタを前記所有キャラクタとして用いる場合、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第2パラメータが、前記所有キャラクタのスキルに対応付けられる条件であって、前記第1ゲームにおいて当該スキルに対応付けられていた前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第2スキル発動手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項12】
情報処理装置を制御するコンピュータが実行するゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
アプリケーションにおいてユーザが所有しているか否かに関わらず利用できる利用キャラクタを少なくとも用いる第1ゲームを実行させ、
前記アプリケーションにおいてユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタを用いる第2ゲームを実行させ、
前記第1ゲームにおいて、ユーザ操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第1パラメータが、前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動させ、
前記第2ゲームにおいて、前記利用キャラクタと同じキャラクタを前記所有キャラクタとして用いる場合、ユーザ操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第2パラメータが、前記所有キャラクタのスキルに対応付けられる条件であって、前記第1ゲームにおいて当該スキルに対応付けられた前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動させる、ゲーム処理方法。
【請求項13】
アプリケーションにおいてユーザが所有しているか否かに関わらず利用できる利用キャラクタを少なくとも用いる第1ゲームを実行する第1ゲーム実行手段と、
前記アプリケーションにおいてユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタを用いる第2ゲームを実行する第2ゲーム実行手段と、
前記第1ゲームにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第1パラメータが、前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第1スキル発動手段と、
前記第2ゲームにおいて、前記利用キャラクタと同じキャラクタを前記所有キャラクタとして用いる場合、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第2パラメータが、前記所有キャラクタのスキルに対応付けられる条件であって、前記第1ゲームにおいて当該スキルに対応付けられていた前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する第2スキル発動手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項14】
情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定のゲーム内効果を発動することが可能なスキルを用いるゲームであって、第1のゲームモードと第2のゲームモードとを有するゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記第1のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第1のスキル発動手段と、
前記第2のゲームモードにおいて、前記ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が前記第1のゲームモードにおいて前記スキルに対応付けられた第1の使用可能条件とは異なる第2の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第2のスキル発動手段として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項15】
前記第1の使用可能条件は、所定のユーザ操作が行われた回数に基づく条件であり、
前記第2の使用可能条件は、前記所定のユーザ操作が行われたことに起因する所定のゲーム処理が行われた結果として得られる複数のゲーム処理結果のうち、特定のゲーム処理結果となった回数に基づく条件である、請求項14に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記所定のユーザの操作は、所定のオブジェクトを移動させる操作であり、
前記ゲームプログラムは、
前記第1のゲームモードにおいて、前記第1の使用可能条件が満たされた場合、前記所定のオブジェクトを移動させるための前記ユーザ操作の受付を制限するゲーム進行制限手段と、
前記スキルを使用するためのユーザの操作に応じて前記スキルに対応付けられたゲーム内効果が発動した後、前記制限を解除する制限解除手段として更にコンピュータを機能させる、請求項15に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
所定のゲーム内効果を発動することが可能なスキルを用いるゲームであって、第1のゲームモードと第2のゲームモードとを有するゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記第1のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第1のスキル発動手段と、
前記第2のゲームモードにおいて、前記ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が前記第1のゲームモードにおいて前記スキルに対応付けられた第1の使用可能条件とは異なる第2の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第2のスキル発動手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項18】
情報処理装置を制御するコンピュータが実行するゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
所定のゲーム内効果を発動することが可能なスキルを用いるゲームであって、第1のゲームモードと第2のゲームモードとを有するゲームを実行させ、
前記第1のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動させ、
前記第2のゲームモードにおいて、前記ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が前記第1のゲームモードにおいて前記スキルに対応付けられた第1の使用可能条件とは異なる第2の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動させる、ゲーム処理方法。
【請求項19】
所定のゲーム内効果を発動することが可能なスキルを用いるゲームであって、第1のゲームモードと第2のゲームモードとを有するゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記第1のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第1のスキル発動手段と、
前記第2のゲームモードにおいて、前記ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が前記第1のゲームモードにおいて前記スキルに対応付けられた第1の使用可能条件とは異なる第2の使用可能条件を満たした場合、前記スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する第2のスキル発動手段とを備える、ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のゲーム内効果が発動するスキルを用いるゲーム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム内において所定の効果を発動させることができるスキルを用いるゲームが知られている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、”Dr.Mario World”、[online]、[令和2年6月10日検索]、インターネット(URL:https://apps.apple.com/us/app/dr-mario-world/id1440129313)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、いくつかのゲームモードが含まれていることもある。例えば、所定のシナリオに沿って進めていくストーリーモードや、AIキャラクタや他のプレイヤと対戦する対戦モードや、高難度のステージで構成されるチャレンジモード等が含まれていることもある。このように、同じゲームタイトル内で複数のゲームモードが用意されていることは珍しくないが、上記スキルの使用方法、より具体的には、使用可能とするための条件については、各ゲームモード間で共通するものであった。例えば、所定のオブジェクトを消去するタイプのパズルゲームであって、当該オブジェクトを所定数消去することがスキルを使用可能とする条件である、という場合、そのゲームに含まれるどのゲームモードであっても、このスキルの使用可能条件自体は同じものであった。この点について、ゲーム展開の多様性を向上させる余地があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、同じスキルを使用することに関して、ゲーム展開の多様性を向上させることができるゲームプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、コンピュータを、第1ゲーム実行手段と、第2ゲーム実行手段と、第1スキル発動手段と、第2スキル発動手段として機能させる。第1ゲーム実行手段は、アプリケーションにおいてユーザが所有しているか否かに関わらず利用できる利用キャラクタを少なくとも用いる第1ゲームを実行する。第2ゲーム実行手段は、アプリケーションにおいてユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタを用いる第2ゲームを実行する。第1スキル発動手段は、第1ゲームにおいて、ユーザ操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第1パラメータが、利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する。なお、ここでいうゲームの進行状況とは、ゲージの溜まり具合の変化や、時間やターン数等のカウントアップ、またはカウントダウンによる変化も含む概念である。第2スキル発動手段は、第2ゲームにおいて、ユーザ操作に基づいてゲームを進行させ、当該ゲームの進行状況に応じて変化する第2パラメータが、所有キャラクタのスキルに対応付けられる条件であって、第1ゲームにおいて当該スキルに対応付けられた第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、当該スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動する。
【0008】
上記構成例によれば、第1のゲームにおいては第1条件の達成で発動するスキルについて、第2ゲームでは、これとは別の第2条件の達成によって発動することができる。すなわち、同じゲームタイトル内に設けられている第1のゲームと第2のゲームとで、同じスキルについての発動条件を異ならせている。これにより、同じスキルの使用についてのユーザ体験を異ならせることができ、ゲーム展開の多様性を向上させることができる。
【0009】
他の構成例として、第1条件は、第1ゲームにおいて所定のユーザ操作が行われたか否かに関する条件であり、第2条件は、第1ゲームにおいて行われた所定のユーザ操作の結果、ゲームの進行状況が所定の条件を満たしたか否かに関する条件としてもよい。
【0010】
上記構成例によれば、第1条件は単に所定の操作を行うだけで達成可能であるのに対し、第2条件は、操作の結果、所定の結果が伴うことが必要となる。そのため、条件達成のしやすさに差異を設けることができる。これにより、スキルの使用に関して、第1ゲームにおけるユーザ体験と第2ゲームにおけるユーザ体験とを異なるものにでき、ゲームの多様性を高めることができる。
【0011】
他の構成例として、第1条件は、第1ゲームで行われた所定のユーザ操作を受け付けた回数に関する条件であり、第2条件は、当該所定のユーザ操作を受け付けた結果、ゲームの進行状況が所定の条件を満たしたことで変動するパラメータに関する条件であってもよい。
【0012】
更に他の構成例として、第2条件は、第1条件よりもその条件達成の難度が高いような条件としてもよい。
【0013】
上記構成例によれば、第1条件の達成に基づくスキルの発動頻度を高めることができる。
【0014】
更に他の構成例として、第1ゲームと第2ゲームのゲームルールは少なくとも一部共通し、当該第1ゲームにおいて所定のユーザ操作が行われた場合と、当該第2ゲームにおいて所定のユーザ操作が行われた場合とで、当該操作に基づくゲームの進行状況が同じになるような処理を実行してもよい。
【0015】
更に他の構成例として、第1ゲーム実行手段は、第1条件を満たす場合には、スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動するまではゲームの進行を制限してもよい。
【0016】
更に他の構成例として、第1スキル発動手段は、第1条件を満たしている状態でユーザ操作があった場合、スキルに関連付けられるゲーム内効果を発動し、第1ゲーム実行手段は、ゲーム内効果が発動されたことに応じてゲームの進行制限を解除するようにしてもよい。
【0017】
上記構成例によれば、第1条件に対応するスキルを定期的にユーザに使用させることができる。これにより、第1条件に対応するスキルの発生頻度を高め、普段のプレイとは異なったユーザ体験を提供することができる。
【0018】
更に他の構成例として、少なくとも1つの利用キャラクタと、少なくとも1つの所有キャラクタとを用いる第1ゲームを実行し、第1スキル発動手段は、第1ゲームの進行状況が前記利用キャラクタのスキルに対応付けられる第1条件を満たす場合には、当該利用キャラクタのスキルに関連付けられるゲーム内効果を発動し、第1ゲームの進行状況が所有キャラクタのスキルに対応付けられる前記第2条件を満たす場合には、当該所有キャラクタのスキルに関連付けられるゲーム内効果を発動してもよい。
【0019】
上記構成例によれば、ユーザが所有していないキャラクタであっても第1ゲームにおいては、利用キャラクタとしてそのスキルを利用することができる。これにより、ユーザが所有しているキャラクタと所有していないキャラクタの双方のスキルを用いるゲームを楽しませることができ、ゲーム展開を多様なものとすることができる。
【0020】
更に他の構成例として、ゲームプログラムは、所定の付与条件を満たす場合、それぞれにスキルが対応づけられた複数のキャラクタのうち、利用キャラクタと同じスキルが対応付けられるキャラクタを、ユーザが所有するキャラクタである所有キャラクタとして当該ユーザに付与する付与手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。
【0021】
更に他の構成例として、第1ゲームおよび第2ゲームは、パズルオブジェクトの消去を目的とするパズルゲームであってもよい。更に、第1条件は、パズルオブジェクトに対して所定のユーザ操作を行うことに関し、第2条件は、パズルオブジェクトを消去したことで変動するパラメータに関する条件であってもよい。
【0022】
上記構成例によれば、パズルゲームの興趣性をより高めることができる。
【0023】
構成例の一例は、情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、コンピュータを、ゲーム実行手段と、第1のスキル発動手段と、第2のスキル発動手段として機能させる。ゲーム実行手段は、所定のゲーム内効果を発動することが可能なスキルを用いるゲームであって、第1のゲームモードと第2のゲームモードとを有するゲームを実行する。第1のスキル発動手段は、第1のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1の使用可能条件を満たした場合、スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する。第2のスキル発動手段は、第2のゲームモードにおいて、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させた結果、ゲームの状況が第1のゲームモードにおいてスキルに対応付けられた第1の使用可能条件とは異なる第2の使用可能条件を満たした場合、当該スキルに対応付けられたゲーム内効果を発動する。
【0024】
上記構成例によれば、第1のゲームモードにおいては第1の使用可能条件の達成で発動するスキルについて、第2のゲームモードでは、これとは別の第2の使用可能条件の達成によって発動することができる。これにより、同じスキルの使用についてのユーザ体験を異ならせることができ、ゲーム展開の多様性を向上させることができる。
【0025】
更に他の構成例として、第1の使用可能条件は、所定のユーザ操作が行われた回数に基づく条件であり、第2の使用可能条件は、当該所定のユーザ操作が行われたことに起因する所定のゲーム処理が行われた結果として得られる複数のゲーム処理結果のうち、特定のゲーム処理結果となった回数に基づく条件であってもよい。更には、所定のユーザの操作は、所定のオブジェクトを移動させる操作であってもよい。そして、ゲームプログラムは、第1のゲームモードにおいて第1の使用可能条件が満たされた場合、所定のオブジェクトを移動させるためのユーザ操作の受付を制限するゲーム進行制限手段と、スキルを使用するためのユーザの操作に応じてスキルに対応付けられたゲーム内効果が発動した後、当該制限を解除する制限解除手段として更にコンピュータを機能させてもよい。
【0026】
上記構成例によれば、第1のゲームモードにおいて、所定のスキルをある程度定期的にユーザに使用させることができる。これにより、そのスキルがどのようなものであるかをユーザに実践してもらい、その理解を深めてもらうことができる。また、ゲーム展開について、第2のゲームモードの場合とは異なるユーザ体験を提供することもできる。
【発明の効果】
【0027】
本実施形態によれば、同じゲーム内で、同じスキルに対して、当該ゲーム内に設けられている第1のゲームと第2のゲームとでその発動条件を異ならせている。これにより、ゲーム展開の多様性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】情報処理装置102の構成の一例を示すブロック図
【
図8】情報処理装置102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例
【
図9】キャラクタマスタデータ302のデータ構成の一例
【
図10】第2のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャート
【
図11】第2のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャート
【
図12】PCスキル使用処理の詳細を示すフローチャート
【
図13】第1のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャート
【
図14】第1のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャート
【
図15】第1のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャート
【
図16】講師ゲージ処理の詳細を示すフローチャート
【
図17】講師スキル使用処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、一実施形態について説明する。
【0030】
[情報処理装置のハードウェア構成]
まず、本実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。本実施形態では、情報処理装置102として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。以下の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理装置(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。但し、他の実施形態では、入力操作については、情報処理装置と無線あるいは有線で接続された物理的なコントローラを用いる形態でもよいし、例えば、情報処理装置と一体となるよう構成された入力装置を用いる形態でもよい。
【0031】
図1は、本実施形態にかかる情報処理装置102の機能ブロック図である。
図1において、情報処理装置102は、プロセッサ111と、メモリ113と、操作部115と、表示部116とを備えている。プロセッサ111は、後述する情報処理を実行したり、情報処理装置102の全体的な動作を制御したりするためのシステムプログラム(図示せず)を実行することで、情報処理装置102の動作を制御する。なお、プロセッサ111は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ113は、プロセッサ111によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ113は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部115は、例えば、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置である。表示部116は、典型的には液晶表示装置である。なお、本実施形態に係る処理では、操作部115及び表示部116として、液晶画面と一体化したタッチパネルを想定する。他の実施形態では、操作部115として、タッチパネル以外の所定のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0032】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
次に、本実施形態で実行される情報処理の概要について説明する。本実施形態では、情報処理の一例として、ゲームアプリケーションを実行するためのゲーム処理を例に説明する。まず、当該ゲーム処理によって実現されるゲームアプリケーション(以下、単にゲームと呼ぶ)の概要について説明する。本実施形態で想定するゲームは、いわゆるマッチ3ゲームに類するパズルゲームである。
図2に、本実施形態で想定するゲームのゲーム画像の一例を示す。
図2で示すゲーム画像は、大きく分けて3つのエリアを含んでいる。すなわち、情報エリア201、フィールドエリア202、操作エリア203の3つのエリアを含んでいる。フィールドエリア202には、円形のパズルオブジェクト204が複数表示されている。本例では、これらパズルオブジェクト204について、3種類のパズルオブジェクト204がある例で説明する(
図2では、各パズルオブジェクト204の模様の違いで種類の違いを示している)。本ゲームは、このフィールドエリア内のパズルオブジェクト204を全て消去することを目的とするゲームである。基本的なゲームルールとしては、同じ種類のパズルオブジェクト204を縦または横に3つ以上揃えることで、そのパズルオブジェクト204を消去することができる。また、この他、後述する「スキル」の使用によってもパズルオブジェクト204の消去は可能である。
【0033】
本ゲームにおける基本的な操作に関して説明する。まず、操作エリア203には、その左端付近にプレイヤキャラクタ206の画像が表示され、その周囲を囲うようにして、円環状のスキルゲージ207が表示されている、更に、操作エリア203の略中央付近にはパズルオブジェクト204が表示されている。この操作エリア203内に表示されているパズルオブジェクト204は、ユーザの直接的な操作対象となるものである。以下の説明では、このパズルオブジェクト204のことを特に、操作対象オブジェクトと呼ぶ。そして、ユーザは、この操作対象オブジェクトをドラッグ&ドロップ操作することで、フィールドエリア202内の所定の位置に当該操作対象オブジェクトを配置することができる。配置された操作対象オブジェクトは、その位置から真上方向に自動的に移動していく。その結果、他のパズルオブジェクト204と接触すれば、その移動は停止する。そして、このときに、上記のように同じ種類のパズルオブジェクト204が3つ以上縦または横に揃っているか否かを判定するマッチング判定処理が行われる。その結果、揃っていれば、そのパズルオブジェクト204は消去される。フィールドエリア202内への操作対象オブジェクトの配置が終われば、次の操作対象オブジェクトが操作エリア203内に出現する。このように、ユーザは、操作対象オブジェクトを次々にフィールドエリア202内に配置していき、フィールドエリア202内に最初から配置されているパズルオブジェクト204を全て消去することを目指してプレイすることになる。
【0034】
ここで、情報エリア201について説明すると、情報エリア201内の右側には、フィールドエリア202内に残っているパズルオブジェクト204の数が示される。また、左側には、まだ出現していない操作対象オブジェクトの残数が示される。そのため、本ゲームは、限られた数の操作対象オブジェクトを用いてフィールドエリア202内のパズルオブジェクト204を全て消去する、というゲームとなっている。
【0035】
次に、本ゲームにおける「スキル」および「キャラクタ」に関して説明する。上記のように、本ゲームでは、所定の使用可能条件を満たすことで使用可能となるスキルを使用することでもパズルオブジェクト204を消去することが可能である。このスキルは、キャラクタ毎に対応づけられているものとなっている。具体的には、本ゲームでは、複数種類のキャラクタが用意されており、キャラクタ毎にスキルの効果は異なっている。つまり、複数のキャラクタがそれぞれ異なるスキルを有している、という構成となっている。例えば、「キャラクタA」が有する「スキルA」は、フィールドエリア202内に残っているパズルオブジェクト204のうち、一番下の横一段を消去するという効果がある。また例えば、「キャラクタB」が有する「スキルB」は、L字型にパズルオブジェクト204を消去する効果がある。また例えば、「キャラクタC」が有する「スキルC」は、ランダムに縦一列を消去する効果がある。なお、本実施形態では「スキル」という名称を用いているが、他のゲームでは、例えば「技」や「魔法」、「特殊能力」等と呼称されることもある。
【0036】
また、本ゲームでは、上記スキルを使用するためには所定の条件を満たす必要がある。具体的には、パズルオブジェクト204を消去する毎に、上記スキルゲージ207が所定量上昇する。なお、
図2で示したスキルゲージ207のゲージ量の表示については、0時に相当する位置から時計回りにゲージが延びていくようにしてゲージの溜まり具合が示されるものとする。ユーザがパズルオブジェクト204を消していくに連れて、スキルゲージ207が溜まっていく(基本的には、消した数に比例して上昇していく)。なお、スキルゲージ207の上昇度合いは一定とは限らず、例えばパズルオブジェクト204の消去でコンボが発生した場合、一度の上昇幅がより大きくなるようにしてもよい。また、一度に消去した数が大きいほど、上昇幅をより大きくしてもよい。このようにしてスキルゲージ207を溜めていき、最大値まで溜まると、上記スキルが使用可能となる。このとき、例えば、スキルゲージ207が点滅する等して、スキルが使用可能になったことが視覚的にユーザに提示される。この状態で、ユーザが任意のタイミングでプレイヤキャラクタ206をタップ操作することで、そのプレイヤキャラクタ206に対応づけられているスキルを使用することができる。
図3に、当該スキルの使用操作を行った場合のゲーム画像の一例を示す。スキルを使用すると、スキル内容に応じて所定のパズルオブジェクト204が消去されるような「スキル演出」が表示される。本例では、キャラクタAが有するスキルAを使ったものとする。当該スキルAは上記のように「一番下の横一段を消去する」というものである。そのため、
図3に示すスキル演出では、プレイヤキャラクタ206のカットイン画像と、一番下の横一段にかかるパズルオブジェクト204を消去するようなエフェクト画像が表示されている。なお、このスキル演出中は、操作対象オブジェクト等に対する操作は受け付けないものとする。このスキル演出が終了すれば、フィールドエリア202の状態は、当該一番下の横一段にあったパズルオブジェクト204が消去された状態に変化していることになる。また、これに伴い、スキルゲージ207も初期値(空の状態)に戻る。
【0037】
このように、本ゲームでは、複数のキャラクタおよびスキルが用意されているが、ユーザは最初からこれらキャラクタの全てを使えるわけではない。本ゲームでは、ゲームの初回起動時(例えばチュートリアルにおいて)に所定のキャラクタが1体だけユーザに付与される。その後は、所定の付与条件を達成することで、ユーザはその他のキャラクタを入手可能である。例えば、ユーザは、ゲーム内で入手した所定のアイテムを消費することでキャラクタ抽選処理を実行することができ、その抽選結果として所定のキャラクタがユーザに付与され得る。またその他、所定のクエストのクリア報酬として所定のキャラクタが付与され得る。以下の説明では、ユーザが入手済みのキャラクタのことを「所有キャラクタ」と呼び、まだ入手していないキャラクタのことを「非所有キャラクタ」と呼ぶ。また、以下の説明では、ユーザが「キャラクタA」および「キャラクタB」の2体のキャラクタを所有している場合を例に説明する。そして、本ゲームをプレイする際は、いずれか一体を選択して使用するものとする。上記
図2の例は、キャラクタAがプレイヤキャラクタ206として表示されている例であるとする。
【0038】
ところで、本ゲームでは、2つのゲームモードが存在する。このうちの一つは、上述したような画面が表示され、上記説明のような操作によって進行するゲームモードである。そして、もう一つは、上記プレイヤキャラクタ206に加えて、更に他のキャラクタが登場するゲームモードである。より具体的には、このゲームモードでは、プレイヤキャラクタが「生徒」という役回りとなり、他のキャラクタが「講師」という役回りで登場する。そして、講師が生徒に「ミッション」という形で、所定のクリア条件を提示する。例えば、「ある種類のパズルオブジェクトをn個消去せよ」、等である。そして、ユーザがミッションクリアを目指してゲームを進行させている最中に、講師が「手助けする」という体裁で、講師のスキルが利用できるものとなっている。以下の説明では、このような複数のキャラクタが登場するゲームモードのことを「第1のゲームモード」と呼び、上述したようなゲームモードのことを「第2のゲームモード」と呼ぶ。なお、第1のゲームモードは、例えば、期間限定でプレイ可能なイベント的なゲームモードであり、第2のゲームモードは、常設されているゲームモードであって、本ゲームの基本となるようなゲームモードである。
【0039】
以下、第1のゲームモードの概要について説明する。
図4に、第1のゲームモードにかかるゲーム画像の一例を示す。
図4に示すゲーム画像も、上記
図2の場合と同様に、情報エリア201、フィールドエリア202、操作エリア203の3つのエリアを含んでいる。なお、ここでは、第1のゲームモードをプレイする際に、ユーザがキャラクタBを選択したものとする。そのため、操作エリア203に表示されるプレイヤキャラクタ206としては、上記
図2の場合とは異なり、キャラクタBが示されている。
【0040】
フィールドエリア202は、上記第2のゲームモードと同様に、パズルオブジェクト204が複数表示されている。この第1のゲームモードでも、パズルオブジェクト204の消去方法は第2のゲームモードと同様に、同じ種類のものを3つ以上縦または横に並べる、というものである。そのため、基本的なゲームルール(パズルオブジェクト204の消し方)は第2のゲームモードと共通であるといえる。
【0041】
次に、第2のゲームモードと異なる点について説明する。第2のゲームモードでは、情報エリア201には、講師キャラクタ211と講師ゲージ212とが表示されている。その他、上記第2のゲームモードと同じく、フィールドエリア202内のパズルオブジェクト204の残数、および、操作対象オブジェクトの残数も示されている。また、
図4の例では、講師キャラクタ211として、上記キャラクタAが表示されている。つまり、本実施形態では、講師キャラクタ211がキャラクタA、プレイヤキャラクタ206がキャラクタBとなっている状態の第1ゲームモードについて説明する。
【0042】
なお、第1のゲームモードでは複数のゲームステージが用意されており、各ステージ毎に講師キャラクタ211は異なっている。この講師キャラクタ211は、非所有キャラクタの一例であって、ユーザ自身が所有するものではなく、第1のゲームモードをプレイするために用意されたキャラクタである(なお、ユーザが所有する所有キャラクタと、講師キャラクタ211の種類が同じになることは有り得るが、本実施例ではこれらは別のものとして扱うこととする。)。そのため、第1のゲームモードにおいては、講師キャラクタは、非所有キャラクタであるため、プレイヤキャラクタ206と講師キャラクタ211とは必ず異なるキャラクタとなる。講師キャラクタ211は定期的に変更されてよく、例えば、一定の期間ごとに講師キャラクタ211(に対応づけられた、ユーザに提示されるステージ)が入れ替わっても良い。なお、このような非所有キャラクタについては、上記のようなキャラクタ抽選処理によって、入手する機会をユーザに与えている。
【0043】
当該第1のゲームモードでは、ユーザは、プレイヤキャラクタのスキルの他、講師キャラクタ211のスキルも利用することができる。つまり、2人分のキャラクタのスキルを利用してゲームを進めることができる。このように、講師キャラクタのスキルも使用可能とすることは、特に講師キャラクタ211が非所有キャラクタの場合には、ユーザ自身が所有していないキャラクタのスキルを試用する機会を提供することにもなる。また、講師キャラクタ211が所有キャラクタである場合でも、例えば普段あまり使っていないキャラクタであるような場合に、そのキャラクタがどんなスキルを持っているのかを再確認あるいは再発見させる機会を提供することもできる。
【0044】
また、当該第1のゲームモードをクリアすることで、所定の報酬がユーザに付与される。この報酬とは、例えば、上記第2のゲームモードにおいて使用可能な、ゲームを有利に進めることができるアイテム等である。これにより、ユーザに、このような報酬を得るために第1のゲームモードをプレイさせる動機を提供することができる。
【0045】
次に、第1のゲームモードにおけるスキルの使用方法について説明する。第1のゲームモードにおけるプレイヤキャラクタ206のスキルの使用方法については、上記第2のゲームモードの場合と同様である。一方、講師キャラクタ211のスキルは、講師ゲージ212を最大値まで溜めることで使用可能となるが、当該ゲージの溜め方は、上記第2のゲームモードとは異なっている。換言すれば、講師キャラクタ211のスキルの使用条件は、プレイヤキャラクタ206のスキルの使用条件とは異なるものとなっている。具体的には、プレイヤキャラクタ206のスキルの使用条件(スキルゲージ207の溜め方)は、パズルオブジェクト204を消去することであるのに対して、講師キャラクタ211のスキルの使用条件は、「操作対象オブジェクトを3回配置する」こととなっている。つまり、ユーザが操作対象オブジェクトをフィールドエリア内に配置する操作を行えば、その配置位置や、パズルオブジェクト204の消去が発生したか否かに関わらず、講師ゲージ212を1段階分上昇させることができる。
図4では、講師ゲージ212は3段階(3つの横長長方形)に分けられて示されている。そのため、ユーザが操作対象オブジェクトを3回配置すると、講師ゲージ212が最大値まで溜まることになる。
【0046】
図5に、講師ゲージ212が最大値まで溜まったときのゲーム画像の一例を示す。第1のゲームモードでは、講師ゲージ212が最大値まで溜まると、情報エリア201に表示されていた講師キャラクタ211が、操作エリア203内の操作対象オブジェクトの表示位置に重畳するように移動する。また、講師キャラクタ211の画像も点滅等の視覚エフェクトが加えられ、講師キャラクタ211のスキルが可能になったことがユーザに視覚的に示される。そして、ユーザが講師キャラクタ211をタップ操作することで、その講師キャラクタ211に対応付けられたスキルを使用することができる。この例では、講師キャラクタ211はキャラクタAであるため、上記と同様に「一番下の横一段を消去する」という効果が発動することになる。
図6に、当該講師キャラクタ211のスキルを使用した場合のスキル演出の一例を示す。
図6では、講師キャラクタ211がカットイン表示され、一番下の横一段にかかるパズルオブジェクト204を消去するようなエフェクト画像が表示されている。そして、このスキル演出が終われば、
図7に示すように、フィールドエリア202の状態は、当該一番下の横一段にあったパズルオブジェクト204が消去された状態に変化していることになる。また、これに伴い、講師ゲージ212も初期状態に戻る。更に、講師キャラクタ211の表示位置も、元の位置に戻り、操作エリア203も、操作対象オブジェクトが表示されている状態に戻る。このように、第1のゲームモードにおいては、操作対象オブジェクトを3回配置する度に、講師キャラクタ211のスキルが使用可能な状態となる。
【0047】
ここで、上記のように操作対象オブジェクトが表示されていた位置に講師キャラクタ211が表示されることになるが、この状態では、ユーザは、操作対象オブジェクトを操作することはできずに、講師キャラクタ211のスキルを使用することしかできない状態となる(但し、スキルゲージ207が最大まで溜まっていれば、プレイヤキャラクタ206のスキルの使用との2択状態となる)。そのため、講師キャラクタ211のスキルが使用可能な状態になった場合、更なる操作対象オブジェクトの配置ができないため、パズルゲームの進行は実質的に制限された状態となる。換言すれば、本例の場合、3回操作する度に、半強制的に講師キャラクタ211のスキルをユーザに使用させるような構成となっている。そして、ゲーム進行を制限した後、講師キャラクタ211のスキルの使用操作をユーザが行うことで、このゲーム進行の制限が解除されることになる。
【0048】
なお、講師キャラクタのスキルに関して、上記のようにゲーム進行を制限した後、ユーザの操作で解除するようにしたのは、次のような理由による。まず、仮に講師キャラクタ211のスキルの発動タイミングをユーザに一任すると、プレイヤキャラクタ206のスキルの発動タイミングに加えて、講師キャラクタ211のスキルの発動タイミングについてもユーザは検討する必要がある。これは、特にゲームに不慣れな初心者ユーザにとって、ゲームが難しくなりすぎる可能性がある。また、ある程度慣れているユーザでも、講師キャラクタ211が非所有キャラクタである場合は、そのスキルの特性等について十分に把握していないことも考えられ、この場合もゲームの難度が高くなりすぎることが考えられる。また、逆にユーザの操作無しで自動的に講師キャラクタのスキルを発動するようにしてしまうと、ユーザからすれば、ユーザの意思に関係無く講師キャラクタ211が勝手にスキルを発動しているように見えてしまい、ゲームの進行にストレスを感じてしまう可能性がある。このような観点から、本実施形態では、ゲーム進行を一旦制限して、ユーザの操作で講師キャラクタ211のスキルを発動させてからゲーム進行の制限を解除するという構成としている。なお、他の実施形態では、例えばゲーム設定画面で、講師キャラクタ211のスキル発動方法として上記のような自動または手動操作のどれを利用するかをユーザが選択可能なようにしてもよい。
【0049】
また、上記スキルゲージ207を溜めるためにはパズルオブジェクト204を消去する必要があるのに対して、講師ゲージ212を溜めるには操作対象オブジェクトを配置すれば良いだけであり、後者の方がより達成しやすい条件となっている。すなわち、後者の条件は、「操作対象オブジェクトを操作エリア203からフィールドエリア202に配置する」という操作を行うだけでよい。これに対し、前者の条件は、操作対象オブジェクトを配置した結果、パズルオブジェクト204の消去、という事象の発生まで求められるものとなっている。つまり、操作対象オブジェクトを配置しても、配置位置次第で、パズルオブジェクト204が消去されない場合もあり得るため、後者の条件よりは達成の難度が高いものといえる。また、後者の条件は、「操作対象オブジェクトを配置」という、ゲームの進行には欠かせない操作を条件としている。このことは、結果的に、第1のゲームモードでは、講師キャラクタ211のスキルを定期的に(本例で3回操作する度に)ユーザに使用させることになる。これにより、プレイヤキャラクタ206の場合に比べて、より簡単な条件でスキルの使用条件を満たすことができ、その結果、講師キャラクタ211のスキルが発動する機会が多くなる。また、プレイヤキャラクタ206のスキルも利用できるため、ユーザは、講師キャラクタ211とプレイヤキャラクタ206との2種類のスキルを用いながらゲームを進めることもできる。これにより、第2のゲームモードの場合とは異なったゲーム体験をユーザに提供できる。例えば、第2のゲームモードの場合よりも頻繁にスキルが発動するゲーム展開となり、ゲームのテンポが早くなる等のゲーム体験が提供できる。
【0050】
ところで、上記説明した例では、同じキャラクタAについて、第2のゲームモードではプレイヤキャラクタ206となり、第1のゲームモードでは講師キャラクタ211となる例となっていた。そのため、キャラクタAとそのスキルに着目すると、同じ効果を有する「スキルA」を使用するための条件が、第1のゲームモードと第2のゲームモードとで異なっているという構成にもなっている。すなわち、上記の例の場合において、第1のゲームモードでは、「操作対象オブジェクトの配置を3回行う」という条件を達成することでスキルAを使用することができる。一方、第2のゲームモードでは、「パズルオブジェクト204の消去」を繰り返し、スキルゲージ207が最大まで溜まることで、同じスキルAを使用することができる。このように、本実施形態のパズルゲームでは、同じ効果を有する同じスキルであっても、第1のゲームモードと第2のゲームモードとで、その発動条件が異なっている。これにより、あるスキルについて、ゲームモード毎に異なる条件でその効果を発動させることができ、上記のような異なるゲーム体験を提供できる。その結果、ゲームの展開を多様なものとすることができる。
【0051】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図8~
図17を参照して本実施形態のパズルゲーム処理をより詳細に説明する。
【0052】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。
図8は、情報処理装置102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例を示している。メモリ113には、ゲームプログラム301、キャラクタマスタデータ302、ゲームステージデータ303、所有キャラクタデータ304、講師キャラクタデータ305、操作データ306、フィールドデータ307、消去指示データ308、PCゲージデータ309、PCスキル使用フラグ310、講師ゲージデータ311、講師スキル使用フラグ312、等が格納される。
【0053】
ゲームプログラム301は、本実施形態に係るパズルゲーム処理を実行するためのゲームプログラムである。
【0054】
キャラクタマスタデータ302は、本パズルゲームに登場するキャラクタ全てについて定義したデータである。
図9に、キャラクタマスタデータ302のデータ構成の一例を示す。キャラクタマスタデータ302は、テーブル形式のデータであり、キャラクタID321、スキル内容情報322、画像データ323という項目を少なくとも有している。キャラクタID321は、そのキャラクタを一意に識別するための情報である。スキル内容情報322は、そのキャラクタが有するスキルの効果内容を示す情報である。例えば、消去するパズルオブジェクト204の特定方法等が定義されている。画像データ323は、そのキャラクタの外観等を示す画像データである。
【0055】
図8に戻り、次に、ゲームステージデータ303は、パズルゲームを構成する各ゲームステージの内容を定義したデータである。第1のゲームモード用の各ゲームステージのデータと、第2のゲームモード用の各ゲームステージのデータが含まれている。各ゲームステージのデータには、フィールドエリア202の初期状態を示す情報や、出現させる操作対象オブジェクトを示す情報等が含まれている。また、第1のゲームモード用のステージデータには、そのステージに登場する上記講師キャラクタ211を示す情報等も含まれている。
【0056】
所有キャラクタデータ304は、ユーザが所有している上記所有キャラクタを特定するための情報である。キャラクタをユーザに付与するための所定の処理(抽選処理等)に結果、ユーザが新たなキャラクタを付与された場合(入手した場合)は、そのキャラクタを示すキャラクタID321が適宜このデータに追加される。
【0057】
講師キャラクタデータ305は、上述した講師キャラクタ211を定義したデータである。そのデータ構成については、基本的には上記キャラクタマスタデータ302と同様の構成であり、上記キャラクタID321の代わりに、講師キャラクタ211を特定するためのIDが設定される構成であるとする。なお、当該講師キャラクタデータ303は、必要に応じてその内容が変更・更新され得る。例えば、第1のゲームモードが上述したような期間限定のイベント的なゲームモードである等で、講師キャラクタ211を定期的に変更する場合を想定する。このよう場合は、例えばイベント開催のタイミングで、所定のサーバから必要なデータを受信することで、講師キャラクタデータ305の内容は、そのときに開催されるイベントに登場する講師キャラクタ211を示す情報に更新される。
【0058】
操作データ306は、操作部115に対して行われた各種操作内容を示すデータである。本実施形態では、操作部115としてのタッチパネルへの入力の有無、タッチ座標等を示すデータや、図示しない各種ボタンの押下状態等を示すデータが含まれている。当該操作データ313の内容は、操作部115からの信号に基づき、所定の周期で更新されるものとする。
【0059】
フィールドデータ307は、上述したフィールドエリア202の現在状態を示すためのデータである。例えば、上記フィールドエリア202を横10×縦10のマス目で構成されるフィールドとして管理し、各マスについて、上記パズルオブジェクト204の有無を示す情報が含まれる。また、パズルオブジェクト204が有る場合は、その種類を示す情報も含まれる。
【0060】
消去指示データ308は、上記マッチング判定処理や上記スキルの使用操作の結果、フィールドエリア202から消去すべきパズルオブジェクトを特定するためのデータである。
【0061】
PCゲージデータ309は、プレイヤキャラクタ206のスキルゲージ207に対応するデータである。すなわち、上記スキルゲージ207の溜まり度合いを示すデータである。
【0062】
PCスキル使用フラグ310は、プレイヤキャラクタ206のスキル(以下、PCスキルと呼ぶ)の使用が指示されたか否かを示すためのデータである。PCスキルの使用が指示されるとオンに設定され、スキル演出の表示中はオンの状態が継続し、PCスキルの演出表示が終了すればオフに設定される。
【0063】
講師ゲージデータ311は、上記講師キャラクタ211の講師ゲージ212に対応するデータである。すなわち、上記講師ゲージ212の溜まり度合いを示すデータである。
【0064】
講師スキル使用フラグ312は、講師キャラクタ211のスキル(以下、講師スキルと呼ぶ)の使用が指示されたか否かを示すためのデータである。講師スキルの使用が指示されるとオンに設定され、講師スキルの演出表示中はオンの状態が維持され、講師スキルの演出表示が終了すればオフに設定される。
【0065】
その他、メモリ113には、ゲーム処理に必要な各種データが必要に応じて適宜生成され、また、格納される。
【0066】
[ゲーム処理の詳細]
次に、フローチャートを参照して、本実施形態にかかるパズルゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、主に上記第1のゲームモードおよび第2のゲームモードに関する処理について説明し、その他のゲーム処理については説明を割愛する。また、説明の便宜上、先に上記第2のゲームモードに関する処理を説明してから、第1のゲームモードに関する処理について説明する。
【0067】
[第2のゲームモードの処理について]
図10~
図11は、第2のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャートである。図示しないメニュー画面から、ユーザが第2のゲームモードでプレイを開始するための所定の操作を行うことで、
図10に示す処理が開始される。
【0068】
まず、ステップS1で、プロセッサ111は、ステージ選択処理を実行する。具体的には、操作データ306に基づき、ユーザが用いるプレイヤキャラクタ206と、プレイするステージとを決定する処理である。
【0069】
次に、ステップS2で、プロセッサ111は、プレイ準備処理を実行する。具体的には、上記決定したステージに対応するゲームステージのデータをゲームステージデータ304から取得し、これに基づいて、フィールドエリア202の内容を構築する。またその他、プレイヤキャラクタ206の画像等を用いて、上記
図2に示したようなゲーム画像を生成し、表示部116に出力する。その後、プロセッサ111は、そのステージのプレイ開始演出を行い、ユーザからの操作受け付けを開始する。
【0070】
次に、ステップS3で、プロセッサ111は、PCスキル使用フラグ310がオンであるか否かを判定する。つまり、上記PCスキルの演出表示中の状態であるか否かを判定する。当該判定の結果、PCスキル使用フラグ310がオンではない場合は(ステップS3でNO)、ステップS5で、プロセッサ111は、操作データ306を取得する。次に、ステップS6で、プロセッサ111は、操作データ306で示される操作内容がPCスキルの使用操作であるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ111は、操作データ306およびPCゲージデータ309に基づき、スキルゲージ207が最大まで溜まっている状態で、プレイヤキャラクタ206の表示位置においてタップ操作が行われたか否かを判定する。その結果、PCスキルの使用操作が行われている場合は(ステップS6でYES)、ステップS7で、プロセッサ111は、PCスキル使用フラグ310にオンを設定する。その後、後述するステップS13に処理を進める。
【0071】
一方、ステップS6の判定の結果、PCスキルの使用操作が行われていない場合は(ステップS6でNO)、ステップS8で、プロセッサ111は、操作対象オブジェクトを移動させる操作が行われたか否かを判定する。当該移動させる操作とは、具体的には、操作対象オブジェクトを操作エリア203内からフィールドエリア202に移動させる操作と、フィールドエリア内で操作対象オブジェクトを移動させる操作である。これらの操作が行われていた場合は(ステップS8でYES)、ステップS9で、プロセッサ111は、操作内容に基づき、操作対象オブジェクトを移動させる。更に、プロセッサ111は、この移動が反映されるように、フィールドデータ307の内容も適宜更新する。その後、ステップS11の処理に進む。一方、移動操作が行われていない場合は(ステップS8でNO)、ステップS10で、プロセッサ111は、フィールドエリア内に存在している操作対象オブジェクトを自動的に真上方向に所定距離だけ移動させる処理を実行する。更に、プロセッサ111は、この移動が反映されるように、フィールドデータ307の内容も適宜更新する。これにより、ユーザが直接操作していない場合でも、他のパズルオブジェクト204と接触していない操作対象オブジェクトについては自動的に真上方向に移動していくことになる。
【0072】
次に、ステップS11で、プロセッサ111は、マッチング判定処理を行う。具体的には、プロセッサ111は、まず、フィールドデータ307を参照して、縦または横に3つ以上揃っている同じ種類のパズルオブジェクト204が存在するか否かを判定する。当該判定の結果、このようなパズルオブジェクト204が存在していれば、そのパズルオブジェクト204を特定する情報(例えばフィールドエリア内における位置座標等)を消去指示データ308に設定する。
【0073】
次に、ステップS12で、プロセッサ111は、消去処理を実行する。具体的には、プロセッサ111は、上記消去指示データ308を参照し、そこで特定されているパズルオブジェクト204がフィールドエリア202からなくなるように、フィールドデータ307の内容を更新する。更に、当該消去対象にかかるパズルオブジェクト204が消去する演出が表示されるように、ゲーム画像の表示設定を行う。更に、プロセッサ111は、消去したパズルオブジェクト204の内容に応じて、PCゲージデータ309の内容を更新する。すなわち、スキルゲージ207を上昇させる処理を行う。その後、スキルゲージ207が最大まで溜まったか否かを判定する。その結果、最大まで溜まっていれば、プロセッサ111は、スキルゲージ207が溜まったことを示す演出(例えばスキルゲージ207の点滅)の表示設定を行う。これにより、後述するゲーム画像の表示処理において、パズルオブジェクト204が消去されるときの演出やスキルゲージ207が点滅する演出等が行われる。なお、消去指示データ308で特定されているパズルオブジェクト204が無い場合(消去すべきパズルオブジェクト204が無い場合)は、当該消去処理は実質的には行われないことになる。
【0074】
次に、
図11のステップS13で、プロセッサ111は、上記の処理の結果を反映したゲーム画像を生成し、表示部116に表示する処理を実行する。
【0075】
次に、ステップS14で、プロセッサ111は、ゲームの終了条件が満たされたか否かを判定する。すなわち、ステージクリアの条件が達成されたか(ステージクリア成功)、あるいは、これ以上ゲームを進行させることができない状態となったか(ステージクリア失敗)を判定する。ゲーム終了条件がまだ満たされていない場合は(ステップS14でNO)、上記ステップS3に戻り、処理が繰り返される。一方、ゲーム終了条件が満たされていれば(ステップS14でYES)、ステップS15で、プロセッサ111は、結果表示処理を実行する。例えば、ステージをクリアした場合は、所定の成功演出を表示する。逆に、ステージクリアに失敗していた場合は、所定の失敗演出を表示する。その後、当該パズルゲーム処理を終了する。
【0076】
次に、上記ステップS3の判定の結果、PCスキル使用フラグ310がオンであると判定された場合(ステップS3でNO)の処理について説明する。この場合は、
図10のステップS4で、プロセッサ111は、PCスキル使用処理を実行する。
図12は、当該PCスキル使用処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、まず、ステップS21で、プロセッサ111は、PCスキルの演出表示が終了したか否かを判定する。これは例えば、PCスキルの演出を開始してから所定フレーム数の時間が経過したか否か等で判定される。当該判定の結果、PCスキルの演出表示がまだ終わっていない場合は(ステップS21でNO)、ステップS22で、プロセッサ111は、上記ステップS13のゲーム画像表示処理においてPCスキル演出が表示されるように表示設定を行う。その演出内容については、今回使用されたプレイヤキャラクタ206のスキル内容情報322に基づいて決定される。
【0077】
次に、ステップS23で、プロセッサ111は、今回使用されたPCスキルの内容に応じてパズルオブジェクト204を適宜消去し、その内容が反映されるようにフィールドデータ307の内容を更新する。その後、PCスキル使用処理は終了する。
【0078】
一方、上記ステップS21の判定の結果、PCスキルの演出表示が終わった場合は(ステップS21でYES)、ステップS24で、プロセッサ111は、PCゲージデータ309をクリアして、スキルゲージ207を初期状態に戻す。次に、ステップS25で、プロセッサ111は、PCスキル使用フラグ310にオフを設定する。その後、PCスキル使用処理は終了する。
【0079】
PCスキル使用処理が終われば、ここで設定された内容に基づき、上記ステップS13でゲーム画像の生成と表示が行われる。その結果、PCスキル使用フラグ310がオンの間は、上記
図3で示したようなスキル演出が表示されることになる。
【0080】
以上で、第2のゲームモードの処理の説明を終了する。
【0081】
[第1のゲームモードの処理の詳細]
次に、第1のゲームモードの処理の詳細について説明する。なお、第1のゲームモードの処理の一部は、第2のゲームモードの処理と実質的に同じ処理となっている。そのため、第2のゲームモードの処理を重複するような部分については、詳細な説明は省略する。
【0082】
図13~
図15は、第2のゲームモードの処理の詳細を示すフローチャートである。図示しないメニュー画面から、第1のゲームモードでプレイを開始するための所定の操作をユーザが行うことで、
図13~
図15に示す処理が開始される。
【0083】
図13において、まず、ステップS31で、プロセッサ111は、ステージ選択処理を実行する。続くステップS32で、プロセッサ111は、プレイ準備処理を実行する。これらの処理は、基本的には上記ステップS1およびS2の処理と同様である。そのため、詳細な説明は割愛するが、ステップS2の処理と異なる点として、ステップS32において、講師キャラクタ211に関する処理も適宜行われる。具体的には、プロセッサ111は、講師キャラクタデータ305を参照し、第1のゲームモードに登場する講師キャラクタ211のデータが読み込む。そして、プロセッサ111は、当該データに基づいて講師キャラクタ211の画像を生成する処理も行う
【0084】
次に、ステップS33で、プロセッサ111は、講師スキル使用フラグ312がオンであるか否かを判定する。当該判定の結果、講師スキル使用フラグ312がオフの場合は(ステップS33でNO)、ステップS34で、プロセッサ111は、PCスキル使用フラグ310がオンであるか否かを判定する。当該判定の結果、PCスキル使用フラグ310がオンの場合は(ステップS34でYES)、ステップS35で、プロセッサ111は、PCスキル使用処理を実行する。この処理は、上記ステップS4と同様の処理であるため、詳細説明は割愛する。一方、PCスキル使用フラグ310がオフの場合は(ステップS34でNO)、ステップS36で、プロセッサ111は、操作データ306を取得する。次に、ステップS37で、プロセッサ111は、操作データ306で示される操作内容が、上述したようなPCスキルの使用操作であるか否かを判定する。その結果、PCスキルの使用操作が行われている場合は(ステップS37でYES)、ステップS38で、プロセッサ111は、PCスキル使用フラグ310にオンを設定し、後述するステップS43に処理を進める。
【0085】
一方、ステップS37の判定の結果、PCスキルの使用操作が行われていない場合は(ステップS37でNO)、ステップS39で、プロセッサ111は、操作対象オブジェクトを移動させる操作が行われたか否かを判定する。その結果、移動操作が行われていない場合は(ステップS39でNO)、ステップS41で、プロセッサ111は、上記ステップS10で説明したような操作対象オブジェクトを自動的に真上方向に所定距離だけ移動させる処理を実行する。その後、ステップS43に処理が進められる。
【0086】
一方、上記ステップS39の判定の結果、移動操作が行われていれば(ステップS39でYES)、ステップS40で、プロセッサ111は、操作内容に基づき、操作対象オブジェクトを移動させる。更に、プロセッサ111は、この移動が反映されるように、フィールドデータ307の内容も適宜更新する。
【0087】
次に、ステップS42で、プロセッサ111は、講師ゲージ処理を実行する。これは、上記移動操作に伴って、上記講師ゲージ212を上昇させるための処理である。
図16は、当該講師ゲージ処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、まず、ステップS61で、プロセッサ111は、上記移動操作の内容が、操作対象オブジェクトを操作エリア203内からフィールドエリア202に移動させるような移動操作であったか否かを判定する。例えば、操作対象オブジェクトをドラッグ操作したときのタッチ開始座標が操作エリア203内の操作対象オブジェクトの表示位置であったか否か、等で判定可能である。当該判定の結果、操作対象オブジェクトを操作エリア203内からフィールドエリア202に移動させるような移動操作ではない場合は(ステップS61でNO)、講師ゲージ処理は終了する。一方、このような移動操作であった場合は(ステップS61でYES)、ステップS62で、プロセッサ111は、講師ゲージ212が1段階上がるように、講師ゲージデータ311を更新する。
【0088】
次に、ステップS63で、プロセッサ111は、講師ゲージデータ311に基づき、講師ゲージ212が最大まで溜まったか否かを判定する。当該判定の結果、まだ最大まで溜まっていない場合は(ステップS63でNO)、プロセッサ111は、講師ゲージ処理を終了する。一方、最大まで溜まった場合は(ステップS63でYES)、ステップS64で、プロセッサ111は、講師スキル使用フラグ312にオンを設定する。次に、ステップS65で、プロセッサ111は、上記
図5で示したように、講師キャラクタ211の画像の表示位置が、操作エリア203内の操作対象オブジェクトが表示されていた位置となるように、表示内容の設定を行う。その後、講師ゲージ処理は終了する。
【0089】
次に、
図14のステップS43で、プロセッサ111は、上記ステップS11と同様の処理となるマッチング判定処理を行う。続くステップS44で、プロセッサ111は、上記ステップS12と同様の処理となる消去処理を行う。
【0090】
次に、ステップS45で、プロセッサ111は、プロセッサ111は、上記の処理の結果を反映したゲーム画像を生成し、表示部116に表示する処理を実行する。次に、ステップS46で、プロセッサ111は、上記ステップS14と同様のゲーム終了の判定を行う。終了条件を満たしている場合は(ステップS46でYES)、ステップS47で、プロセッサ111は、上記ステップS15と同様の結果表示処理を実行して、第2のゲームモードの処理を終了する。一方、終了条件が満たされていない場合は(ステップS46でNO)、上記ステップS33に戻り、処理が繰り返される。
【0091】
図13に戻り、次に、上記ステップS33の判定の結果、講師スキル使用フラグ312がオンの場合の処理(ステップS33でYES)について説明する。この場合は、
図15のステップS48で、プロセッサ111は、操作データ306を取得する。次に、ステップS49で、プロセッサ111は、操作データ306で示される操作内容が講師スキルの使用操作であるか否かを判定する。具体的には、上記
図5のような状態において、講師キャラクタ211がタップ操作されたか否かを判定する。講師スキルの使用操作が行われていない場合は(ステップS49でNO)、上記ステップS45に処理が進められる。その結果、ユーザから講師スキルの使用操作が行われるまで、上記
図5のような状態のゲーム画像が表示され続けることになり、ゲームの進行が実質的に制限されている状態となる。
【0092】
一方、ステップS49の判定の結果、講師スキルの使用操作が行われた場合は(ステップS49でYES)、ステップS50で、プロセッサ111は、講師スキル使用処理を実行する。
図17は、当該講師スキル使用処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、まず、ステップS71で、プロセッサ111は、講師スキルの演出表示が終了したか否かを判定する。当該判定の結果、講師スキルの演出表示がまだ終わっていない場合は(ステップS71でNO)、ステップS72で、プロセッサ111は、上記ステップS45のゲーム画像表示処理においてPCスキル演出が表示されるように表示設定を行う。その演出内容については、講師キャラクタデータ305に定義されている、今回登場している講師キャラクタ211のスキル内容を示す情報に基づいて決定される。
【0093】
次に、ステップS73で、プロセッサ111は、講師キャラクタデータ305を参照し、今回使用された講師スキルの内容に応じて、消去するパズルオブジェクト204を特定する。そして、プロセッサ111は、当該特定したパズルオブジェクト204がフィールドエリア202から消去されるように、フィールドデータ307の内容を更新する。その後、講師スキル使用処理は終了する。
【0094】
一方、上記ステップS71の判定の結果、PCスキルの演出表示が終わった場合は(ステップS71でYES)、ステップS74で、プロセッサ111は、講師ゲージデータ311をクリアして、講師ゲージ212を初期状態に戻す。次に、ステップS75で、プロセッサ111は、講師スキル使用フラグ312にオフを設定する。次にステップS76で、プロセッサ111は、講師キャラクタ211の表示位置が元の位置に戻るように、ゲーム画像の表示設定を行う。その後、講師スキル使用処理は終了する。
【0095】
図15に戻り、講師スキル使用処理が終われば、上記ステップS45に処理が進められ、ゲーム画像が表示される。
【0096】
以上で、第2のゲームモードの処理の詳細説明を終了する。
【0097】
このように、本実施形態では、パズルゲームにおいて、あるスキルに対して、当該パズルゲーム内に設けられている第1のゲームと第2のゲームとでその発動条件を異ならせている。この点、従来のゲームでは、あるゲームにおいて複数のゲームモードが設けられていたとしても、あるスキルの発動条件については、各ゲームモード間で共通であることが一般的である。しかし、本実施形態のような構成であれば、同じスキルについて、その発動条件が異なる第1のゲームと第2のゲームとで異なるため、第1のゲームと第2のゲームとでスキル使用についてのユーザ体験を異ならせることができる。例えば、あるスキルについて、あるゲームモードでは発動する頻度が低くなりがちな場合でも、違うゲームモードでは発動頻度が高い状態でプレイできるようになり、ユーザ体験としてはかなり異なるものとなる。これにより、ゲームの多様性を向上させることができる。
【0098】
[変形例]
なお、上述の実施形態では、マッチ3ゲームであるパズルゲームを例に説明したが、上記のような「スキル」(またはこれに準ずる要素、例えば技や魔法等)が設けられている他のパズルゲームにも上記の処理は適用可能である。また、パズルゲームに限らず、他のジャンルのゲームに対しても上記の処理は適用可能である。例えば、プレイヤユニットが敵ユニットを一定数倒すことで使用可能になるスキルがあるようなシミュレーションゲーム等に対しても、適用可能である。
【0099】
また、上記実施形態では、講師スキルの使用条件に関して、パズルオブジェクト204をフィールドエリア202内に移動することで講師ゲージ212を溜める例を挙げた。この他、例えば、講師ゲージ212は時間経過に応じて自動的に溜まっていくような構成としてもよい。その他、講師スキルの使用条件として、PCスキルの使用条件よりは達成するための難度が低い条件を用いればよい。これにより、同じスキルを使用するにも関わらず、ゲーム毎にスキル使用についてのユーザ体験を異ならせることができる。
【0100】
また、上記実施形態では、講師キャラクタ211として、所有キャラクタまたは非所有キャラクタを用いる例を示した。この他、講師キャラクタ211として、ユーザには付与されない専用のキャラクタを用いるようにしてもよい。そして、当該専用キャラクタが、ユーザに付与され得る各キャラクタのスキルを有するような構成としてもよい。この場合は、例えば、あるスキルAについて、第1のゲームモードで専用の講師キャラが発動する場合は、第1条件の達成によって発動可能となる。また、このスキルAを有するキャラクタをユーザが入手することも可能である。そして、入手後に第2のゲームモードで使用する場合は、第2条件を達成することで当該スキルAが発動可能となる。このような場合も、対応づけられているキャラクタは異なるが、その効果は同じとなる同一スキルについて、ゲームモードによってその発動条件が異なり、当該スキルの使用についてのユーザ体験は異なるものとなる。
【0101】
また、上記のような専用キャラクタを用いる場合、上記実施形態のような、キャラクタとスキルとの対応付け(キャラクタがスキルを有する構成)を行わないようにしてもよい。例えば、プレイヤキャラクタが上記のような所定の付与処理によって、複数のスキルを入手可能な構成とし、上記所有キャラクタと非所有キャラクタの代わりに所有スキルと非所有スキルとする構成を用いてもよい。この場合、上記第2のゲームモードにおけるステージ選択の際に、今回のプレイで用いるスキルを所有スキルの中から1つユーザに選ばせる構成としてもよい。また、第1のゲームモードでは、ステージ毎に使用可能なスキルが1つ対応づけられる構成とし、上記専用キャラクタがこのスキルを使用するような構成としてもよい。更に他の実施形態では、このような専用キャラクタも用いない構成としてもよい。例えば、第1のゲームモードでは、上記講師キャラクタや専用キャラクタは登場せずに、所有スキルであるか非所有スキルであるかにかかわらず、上記ステージに対応づけられたスキルを第1の発動条件の下で使用するようにしてもよい。そして、第2のゲームモードでは、ステージ選択の際に所有スキルの中から1つを選択させ、各スキルに対応づけて設定されている第2の条件の下でこのスキルを使用するような構成としてもよい。
【0102】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理にかかる一連の処理が単一の装置において実行される場合を説明したが、他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。
【0103】
その他、いわゆるクラウドゲーミングの構成を採用してもよい。例えば、情報処理装置102は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として情報処理装置102にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0104】
102 情報処理装置
111 プロセッサ
113 メモリ
115 操作部
116 表示部