(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】送受話器の支持構造及び火災受信機
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20241210BHJP
H04M 1/04 20060101ALI20241210BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G08B17/00 G
H04M1/04 Z
H05K5/02 B
(21)【出願番号】P 2020111698
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】笠松 俊史
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-020748(JP,U)
【文献】実開昭58-057150(JP,U)
【文献】米国特許第06229893(US,B1)
【文献】特開昭63-313948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0022583(US,A1)
【文献】実開昭55-104865(JP,U)
【文献】実開昭54-180613(JP,U)
【文献】実開平04-010446(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
H01M 1/02 - 1/23
H05K 5/00 - 5/06
H04M 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に着脱可能に係合された送受話器と、
前記本体部から前記送受話器を取り出す方向である取り出し方向への前記送受話器の移動を規制する脱落規制部と、
前記本体部の上方に配置されるとともに、上下方向に貫通する係止孔が形成された上板部と、を備え
、
前記脱落規制部は、
前記送受話器の上部を下方に向かって押圧する押圧部と、
前記脱落規制部は、前記押圧部の前端部に接続された係止部と、を有し、
該係止部は、前記係止孔に係止されていることを特徴とする送受話器の支持構造。
【請求項2】
前記本体部の後方に配置され、前記本体部が固定された後板部を備え、
前記脱落規制部は、前記後板部に固定される固定部を有することを特徴とする請求項
1に記載の送受話器の支持構造。
【請求項3】
本体部に着脱可能に係合された送受話器と、
前記送受話器を内部に収容する収容凹部と、
前記本体部から前記送受話器を取り出す方向である取り出し方向への前記送受話器の移動を規制する脱落規制部と、を備え、
前記脱落規制部は、
前記収容凹部における前記取り出し方向の反対側に位置する後板部に接触して取り付けられる板として構成される固定板部と、
前記送受話器の上部を下方に向かって押圧する押圧部と、を有し、
前記固定板部は、
前記本体部に前記送受話器が係合されていない状態で、前方から見た際に露出し、
前記本体部に前記送受話器が係合されている状態で、前方から見た際に前記送受話器で隠れる位置で前記後板部と螺合していることを特徴とする送受話器の支持構造。
【請求項4】
前記押圧部は、前方に向かうにしたがって次第に下方に傾斜するとともに、上下方向に弾性変形可能であることを特徴とする請求項
1から3のいずれか一に記載の送受話器の支持構造。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の送受話器の支持構造を備えることを特徴とする火災受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送受話器の支持構造及び火災受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、火災受信機等の火災報知設備では、電話線を介して接続された発信機や表示機等の端末機器との間で通信ができるように送受話器が設置されていることがある(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0003】
下記の特許文献1には、火災受信機の扉等の本体にフック部が設けられ、フック部に送受話器をかけられるようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された送受話器では、振動や送受話器への接触等によって、送受話器がフック部から脱落してしまうことがある。また、送受話器に摩擦係数の高いパッキンを取り付けて、パッキンを扉等の本体に接触させて、送受話器がずれにくいようにしたものもあるが、送受話器の脱落を十分に抑制することができないという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、送受話器の脱落を抑制することができる送受話器の支持構造及び火災受信機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る送受話器の支持構造は、本体部に着脱可能に係合された送受話器と、前記本体部から前記送受話器を取り出す方向である取り出し方向への前記送受話器の移動を規制する脱落規制部と、前記本体部の上方に配置されるとともに、上下方向に貫通する係止孔が形成された上板部と、を備え、前記脱落規制部は、前記送受話器の上部を下方に向かって押圧する押圧部と、前記脱落規制部は、前記押圧部の前端部に接続された係止部と、を有し、該係止部は、前記係止孔に係止されていることを特徴とする。
また、本発明に係る送受話器の支持構造は、本体部に着脱可能に係合された送受話器と、前記送受話器を内部に収容する収容凹部と、前記本体部から前記送受話器を取り出す方向である取り出し方向への前記送受話器の移動を規制する脱落規制部と、を備え、前記脱落規制部は、前記収容凹部における前記取り出し方向の反対側に位置する後板部に接触して取り付けられる板として構成される固定板部と、前記送受話器の上部を下方に向かって押圧する押圧部と、を有し、前記固定板部は、前記本体部に前記送受話器が係合されていない状態で、前方から見た際に露出し、前記本体部に前記送受話器が係合されている状態で、前方から見た際に前記送受話器で隠れる位置で前記後板部と螺合していることを特徴とする。
【0008】
このように構成された送受話器の支持構造では、脱落規制部によって送受話器が本体部から取り出し方向への移動か規制され脱落することが抑制される。
また、脱落規制部の押圧部によって、送受話器の上部は下方に向かって押圧されている。よって、送受話器が本体部に確実に係合するため、送受話器が本体部から脱落することがより一層抑制される。
また、押圧部の前端部に接続された係止部が、本体部の上方に配置された上板部の係止孔に係止されている。よって、押圧部が外れることがなく、送受話器の上部を下方に向かって確実に押圧することができる。
【0011】
また、本発明に係る送受話器の支持構造では、前記押圧部は、前方に向かうにしたがって次第に下方に傾斜するとともに、上下方向に弾性変形可能であってもよい。
【0012】
このように構成された送受話器の支持構造では、押圧部は、前方に向かうにしたがって次第に下方に傾斜するとともに、上下方向に弾性変形可能である。よって、送受話器を本体部から取り外す際に、送受話器を上方に移動させるように押圧部を上方に変形させればよいため、送受話器の取外しを容易に行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る送受話器の支持構造は、前記本体部の後方に配置され、前記本体部が固定された後板部を備え、前記脱落規制部は、前記後板部に固定される固定部を有していてもよい。
【0016】
このように構成された送受話器の支持構造では、脱落規制部の固定部は、本体部の後方に配置された後板部に固定されている。よって、前方から見た際に、脱落規制部の固定部が本体部で隠れるため、固定部が目立たない。
【0017】
また、本発明に係る火災受信機は、上記のいずれか一に記載の送受話器の支持構造を備えることを特徴とする。
【0018】
このように構成された火災受信機では、脱落規制部によって送受話器が本体部から脱落することが抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る送受話器の支持構造及び火災受信機によれば、送受話器の脱落を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態に係る送受話器の支持構造を備えた火災受信機を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る送受話器の支持構造を示す断面図である。
【
図3】一実施形態に係る火災受信機の表示パネル材から本体部及び送受話器を取り外した正面図である。
【
図4】一実施形態に係る送受話器の支持構造の脱落防止部を示す斜視図である。
【
図5】一実施形態に係る火災受信機の表示パネル材から送受話器を取り外した正面図である。
【
図7】一実施形態の変形例1に係る送受話器の支持構造を示す断面図の一部である。
【
図8】一実施形態の変形例2に係る送受話器の支持構造を示す断面図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、一実施形態に係る火災受信機について、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る火災受信機は、集合住宅や公共施設等の建物の管理人室等に設置され、建物の警戒区域ごとに火災受信機から引き出された回線に火災感知器及び火災発信機等を接続し、制御回線を介して防排煙機器として防火扉や排煙ダンパ等を接続している。
【0022】
図1は、火災受信機を示す斜視図である。
図1に示すように、火災受信機100は、筐体1と、操作表示パネル2と、送受話器の支持構造3と、を有している。
【0023】
ここで、火災受信機100において、後述する送受話器の支持構造3において、電話機本体50(
図2参照。以下同じ。)に対して送受話器60が配置される側を前方とし、反対側を後方とし、これらを結ぶ方向を前後方向とする。また、前後方向に直交する水平方向を左右方向として以下説明する。
【0024】
筐体1は、配線を収容可能な筐体本体部11と、筐体本体部11の前面を開閉可能な扉部12と、を有している。扉部12は、筐体本体部11の側部に設けられたヒンジ(不図示)により開閉可能に接続されている。
【0025】
筐体本体部11の内部には、図示しない火災感知器や防排煙設備等の端末機器からの検出信号や作動状態を伝える信号等、外部からの信号や電力供給を火災受信機100が受け取るためのもの機能部(不図示)が収容されている。
【0026】
操作表示パネル2は、筐体1の扉部12の前面に設けられている。操作表示パネル2は、不図示の操作表示パネル基板と、表示パネル材21と、を有している。
【0027】
不図示の本体基板から操作表示パネル基板に伝達された制御信号に基づいて、不図示のスピーカーにより警報音を発信したり、表示パネル材21に設けられた操作スイッチの操作に基づいて、警報音を停止したりすることが可能である。
【0028】
表示パネル材21は、操作表示パネル基板の前方に配置されている。表示パネル材21の前面には、各種操作表示部22が設けられている。
【0029】
次に、表示パネル材21に設けられた送受話器の支持構造3について説明する。
図2は、受話器の支持構造を示す断面図である。
図2に示すように、送受話器の支持構造3は、収容凹部30と、脱落防止材(脱落規制部)40と、電話機本体(本体部)50と、送受話器60と、を備えている。
【0030】
図1に示すように、収容凹部30は、表示パネル材21の表面から後方に向かって凹むように形成されている。収容凹部30に、送受話器60が収容されている。
【0031】
図3は、表示パネル材21から電話機本体50及び送受話器60を取り外した正面図である。
図2及び
図3に示すように、収容凹部30は、上板部31と、下板部32と、側板部33と、後板部34と、を有している。
【0032】
図2に示すように、上板部31、下板部32及び側板部33は、表示パネル材21の前面(
図3参照。以下同じ)から後方に向かって延びている。上板部31及び下板部32は、略水平面に沿って配置されている。側板部33は、略鉛直面に沿って配置されている。後板部34は、上板部31、下板部32及び側板部33の後端部に連結されている。後板部34は、略鉛直面に沿って配置されている。上板部31の前部には、上下方向に貫通する係止孔31hが形成されている。
【0033】
脱落防止材40は、電話機本体50から送受話器60を取り出す方向である取り出し方向への送受話器60の移動を規制するものである。本実施形態では、電話機本体50から送受話器60を前方(取り出し方向)に取り出すようになっている。脱落防止材40は、固定板部(固定部)41と、押圧板部(押圧部)46と、係止板部(係止部)48と、を有している。
【0034】
図4は、脱落防止材40を示す斜視図である。
図4に示すように、固定板部41は、板状に形成されている。固定板部41の板厚方向は、前後方向を向いている。固定板部41には、前後方向に貫通する取付孔41hが形成されている。
【0035】
図2に示すように、固定板部41は、収容凹部30の後板部34の前面に配置されている。
【0036】
図4に示すように、固定板部41の下部には、左右方向両側に広がる幅広板部43が設けられている。幅広板部43の左右両端部には、それぞれ前方に延びる端部板部43aが設けられている。
【0037】
押圧板部46は、固定板部41の上端部から前方に延びている。押圧板部46は、板状に形成されている。押圧板部46の板厚方向は、上下方向を向いている。押圧板部46は、前方に向かうにしたがって次第に下方に向かって傾斜している。押圧板部46は、上下方向に弾性変形可能とされている。脱落防止材40は、金属材料や樹脂材料等で構成されている。
【0038】
係止板部48は、押圧板部46の前端部に設けられている。係止板部48は、上向き片48aと、係止片48bと、を有している。
【0039】
上向き片48aは、押圧板部46の前端部から、前方に向かうにしたがって次第に上方に向かって傾斜している。係止片48bは、上向き片48aの上端部から前方に延びている。
【0040】
図2に示すように、係止板部48の上向き片48aの前端部は、収容凹部30の上板部31の係止孔31hの前端部に配置されている。係止板部48の係止片48bは、上板部31の上面に沿って配置されている。このように、脱落防止材40の係止板部48は、収容凹部30の上板部31の係止孔31hに係止されている。
【0041】
電話機本体50は、本体固定部51と、送受話器係合部56と、を有している。電話機本体50は、表示パネル材21の収容凹部30の内部に配置されている。
【0042】
収容凹部30の後板部34の前面に脱落防止材40の固定板部41が配置され、固定板部41の前面に本体固定部51が配置されている。本体固定部51の左右両側面に沿って、脱落防止材40の端部板部43a(
図4参照。以下同じ。)が配置されている。
【0043】
本体固定部51には、不図示の電話線が接続され、外部と通信可能とされている。本体固定部51の上部には、上方に突出する係合突起51aが設けられている。
【0044】
本体固定部51の後部の上部には、上方に突出する取付部52が設けられている。取付部52には、前後方向に貫通する取付孔52hが形成されている。
【0045】
本体固定部51の取付部52は、脱落防止材40の固定板部41の前面に配置されている。螺子52aが、取付部52の取付孔52h及び固定板部41の取付孔41hに挿通され、収容凹部30の後板部34に螺合されている。
【0046】
本体固定部51の後部の下部には、下方に突出する取付部53が設けられている。取付部53には、前後方向に貫通する取付孔53hが形成されている。螺子53aが、取付部53の取付孔53hに挿通され、収容凹部30の後板部34に螺合されている。
【0047】
送受話器係合部56は、本体固定部51の前部に設けられている。送受話器係合部56は、本体固定部51の上方から本体固定部51の下方にまで延びている。
【0048】
図5は、表示パネル材21から送受話器60を取り外した正面図である。
図5に示すように、送受話器係合部56の上下には、それぞれ送受話器係合孔57,58が形成されている。送受話器係合部56は、送受話器係合部56に形成された前後方向に貫通する貫通孔である。
【0049】
図2に示すように、送受話器60は、把持部61と、上部ヘッド62と、を有している。送受話器60は、電話機本体50に着脱可能とされている。以下の説明において、送受話器60が電話機本体50に係合された状態(
図2等に示す状態)の図を用いて、方向を規定するものとする。
【0050】
把持部61は、電話機本体50の本体固定部51の前方に配置されている。上部ヘッド62は、把持部61の上部から後方に突出している。上部ヘッド62は、電話機本体50の上側の送受話器係合孔57内に配置されている。
【0051】
上部ヘッド62の下部には、上方に凹む係合凹部62aが形成されている。係合凹部62aには、電話機本体50の係合突起51aが係合されている。
【0052】
図6は、
図2の上部の拡大図であり、送受話器60が電話機本体50に取り付けられる前の脱落防止材40の状態を二点鎖線で示し、送受話器60が電話機本体50に取り付けられた際の脱落防止材40の状態を実線で示している。
図6に示すように、送受話器60の上部ヘッド62が電話機本体50の送受話器係合孔57内に配置され、送受話器60の係合凹部62aに電話機本体50の係合突起51aが係合されて、送受話器60は電話機本体50に取り付けられている。
【0053】
この状態で、脱落防止材40の押圧板部46及び係止板部48は、二点鎖線で示す元の位置から、実線で示すように上方に変位している。押圧板部46は、送受話器60の上部ヘッド62の上面を下方に押圧している。
【0054】
送受話器60を電話機本体50から取り外す際には、送受話器60を一度上方に持ち上げて、送受話器60の係合凹部62aと電話機本体50の係合突起51aとの係合を解除して、送受話器60と手前に引けばよい。送受話器60を一度上方に持ち上げる際には、脱落防止材40の押圧板部46及び係止板部48は、更に上方に変位する。送受話器60が電話機本体50から取り外されると、脱落防止材40は、弾性変形して、二点鎖線で示す元の状態に戻る。
【0055】
このように構成された火災受信機100によれば、脱落防止材40によって送受話器60が電話機本体50から脱落することが抑制される。
【0056】
また、脱落防止材40の押圧板部46によって、送受話器60の上部は下方に向かって押圧されている。よって、送受話器60の係合凹部62aに電話機本体50の係合突起51aが確実に係合するため、送受話器60が電話機本体50から脱落することがより一層抑制される。
【0057】
また、送受話器60を一度上に持ち上げずに、単に手前に引いても、送受話器60が脱落防止材40の押圧板部46によって下方に向かって押圧され、送受話器60の係合凹部62aに電話機本体50の係合突起51aが係合しているため、送受話器60が電話機本体50から外れることがない。
【0058】
また、押圧板部46は、前方に向かうにしたがって次第に下方に傾斜するとともに、上下方向に弾性変形可能である。よって、送受話器60を電話機本体50から取り外す際に、送受話器60を上方に移動させるように押圧板部46を上方に変形させればよいため、送受話器60の取外しを容易に行うことができる。
【0059】
また、押圧板部46の前端部に接続された係止板部48が、電話機本体50の上方に配置された上板部31の係止孔31hに係止されている。よって、押圧板部46が外れることがなく、送受話器60の上部を下方に向かって確実に押圧することができる。
【0060】
また、脱落防止材40の固定板部41は、電話機本体50の後方に配置された後板部34に固定されている。よって、前方から見た際に、脱落防止材40の固定板部41が電話機本体50で隠れるため、固定板部41が目立たない。
【0061】
(変形例1)
次に、上記に示す実施形態の変形例1に係る火災受信機について、主に
図7を用いて説明する。以下の説明において既に説明したものと共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0062】
図7は、一実施形態の変形例1に係る送受話器の支持構造を示す断面図の一部である。
図7に示すように、本変形例では、収容凹部30の上板部31には係止孔31hが形成されていない。脱落防止材40Aの押圧板部46の前端部には、延出板部47が設けられている。
【0063】
延出板部47は、上向き片47aと、前向き片47bと、を有している。上向き片47aは、押圧板部46の前端部から、前方に向かうにしたがって次第に上方に向かって傾斜している。前向き片47bは、上向き片47aの上端部から前方に延びている。前向き片47bは、収容凹部30の上板部31の下方に配置されている。
【0064】
送受話器60が電話機本体50に取り付けられた状態で、脱落防止材40Aの押圧板部46及び延出板部47は、二点鎖線で示す元の位置から、実線で示すように上方に変位している。押圧板部46は、送受話器60の上部ヘッド62の上面を下方に押圧している。
【0065】
送受話器60を電話機本体50から取り外す際には、送受話器60を一度上方に持ち上げて、送受話器60の係合凹部62aと電話機本体50の係合突起51aとの係合を解除して、送受話器60と手前に引けばよい。送受話器60を一度上方に持ち上げる際には、脱落防止材40Aの押圧板部46及び延出板部47は、更に上方に変位する。送受話器60が電話機本体50から取り外されると、脱落防止材40Aは、弾性変形して、二点鎖線で示す元の状態に戻る。
【0066】
このように構成された火災受信機100によれば、脱落防止材40Aによって送受話器60が電話機本体50から脱落することが抑制される。
【0067】
また、脱落防止材40Aの押圧板部46によって、送受話器60の上部は下方に向かって押圧されている。よって、送受話器60の係合凹部62aに電話機本体50の係合突起51aが確実に係合するため、送受話器60が電話機本体50から脱落することがより一層抑制される。
【0068】
(変形例2)
次に、上記に示す実施形態の変形例2に係る火災受信機について、主に
図8を用いて説明する。
【0069】
図8は、一実施形態の変形例2に係る送受話器の支持構造を示す断面図の一部である。
図8に示すように、本変形例では、脱落防止材40Bの押圧板部46Bの前端部には、補強板部49が設けられている。補強板部49は、押圧板部46Bの前端部に設けられ、押圧板部46Bの上面に沿って配置されている。補強板部49によって、押圧板部46Bの前端部は補強されている。
【0070】
送受話器60が電話機本体50に取り付けられた状態で、脱落防止材40Bの押圧板部46B及び補強板部49は、二点鎖線で示す元の位置から、実線で示すように上方に変位している。押圧板部46Bは、送受話器60の上部ヘッド62の上面を下方に押圧している。
【0071】
送受話器60を電話機本体50から取り外す際には、送受話器60を一度上方に持ち上げて、送受話器60の係合凹部62aと電話機本体50の係合突起51aとの係合を解除して、送受話器60と手前に引けばよい。送受話器60を一度上方に持ち上げる際には、脱落防止材40Bの押圧板部46B及び補強板部49は、更に上方に変位する。送受話器60が電話機本体50から取り外されると、脱落防止材40Bは、弾性変形して、二点鎖線で示す元の状態に戻る。
【0072】
このように構成された火災受信機100によれば、脱落防止材40Bによって送受話器60が電話機本体50から脱落することが抑制される。
【0073】
また、脱落防止材40Bの押圧板部46Bによって、送受話器60の上部は下方に向かって押圧されている。よって、送受話器60の係合凹部62aに電話機本体50の係合突起51aが確実に係合するため、送受話器60が電話機本体50から脱落することがより一層抑制される。
【0074】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0075】
例えば、上記に示す実施形態では、送受話器の支持構造3として、火災受信機100を例に挙げて説明したがこれに限られず、送受話器が設置される電話機や、インターホン等にも適用可能である。
【0076】
また、上記に示す実施形態では、脱落防止材40は、表示パネル材21の収容凹部30に固定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、脱落規制部が送受話器60の上部ヘッド62の上面に設けられていて、送受話器60を電話機本体50に取り付けた状態で、脱落規制部が収容凹部30の上板部31と送受話器60の上部ヘッド62との間に配置されて、上部ヘッド62を下方に押圧する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…筐体
2…操作表示パネル
3…送受話器の支持構造
30…収容凹部
31…上板部
31h…係止孔
34…後板部
40,40A,40B…脱落防止材(脱落規制部)
41…固定板部
46…押圧板部(押圧部)
48…係止板部(係止部)
48a…上向き片
48b…係止片
50…電話機本体(本体部)
51…本体固定部
51a…係合突起
60…送受話器
62a…係合凹部
100…火災受信機