(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】見守り装置、見守り方法及び見守りプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20241210BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241210BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20241210BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20241210BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G08B21/02
H04M11/00 301
F24C15/00 M
F24C15/00 T
F25D23/00 301Z
F25D11/00 101B
(21)【出願番号】P 2020144580
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 勝人
(72)【発明者】
【氏名】工藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】市原 貴史
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-178378(JP,A)
【文献】特開2005-173668(JP,A)
【文献】特開2016-212708(JP,A)
【文献】特開2003-185315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
G08B 21/02
H04M 11/00
F25D 23/00
G08B 25/04
G24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被見守り者の住居内の第1の家電機器に備え付けられたセンサから、前記被見守り者による前記第1の家電機器に対する操作を受信するセンサ情報取得部と、
見守り者の端末装置を介して前記見守り者が、1日における注目期間を入力するのを受け付ける注目期間管理部と、
前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、当該操作があった旨を前記端末装置に自動的に表示させるセンサ情報処理部と、
を備え、
前記センサ情報取得部は、
前記住居内の第3の家電機器に備え付けられたセンサから、前記第3の家電機器に対する操作を受信するとともに、当該操作の主体を受信し、
前記センサ情報処理部は、
前記注目期間内において、前記主体のうち所定の者が行う前記第3の家電機器に対する操作が受信された後の所定の期間内に、前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、
前記被見守り者が帰宅後食事を摂った旨を前記端末装置に自動的に表示さ
せ、
前記第1の家電機器は、
冷蔵庫であり、
前記第1の家電機器に対する操作は、
前記冷蔵庫の扉を開ける操作であり、
前記第3の家電機器は、
住居への入出を管理する入出管理機器であり、
前記第3の家電機器に対する操作は、
前記入出管理機器に対する操作であること、
を特徴とする見守り装置。
【請求項2】
前記センサ情報処理部は、
前記操作の回数を前記端末装置に表示させること、
を特徴とする請求項1に記載の見守り装置。
【請求項3】
前記センサ情報処理部は、
前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が受信されなかった場合、当該操作がなかった旨を前記端末装置に自動的に表示させること、
を特徴とする請求項2に記載の見守り装置。
【請求項4】
前記センサ情報処理部は、
前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が複数回受信された場合、初回に限り当該操作があった旨を前記端末装置に自動的に表示させること、
を特徴とする請求項3に記載の見守り装置。
【請求項5】
前記センサ情報取得部は、
前記住居内の第2の家電機器に備え付けられたセンサから、前記被見守り者による前記第2の家電機器に対する操作を受信し、
前記センサ情報処理部は、
前記注目期間内において、前記第1の家電機器に対する操作が受信された後の所定の期間内に前記第2の家電機器に対する操作が受信された場合、
前記被見守り者が食事を摂った旨を前記端末装置に自動的に表示さ
せ、
前記第2の家電機器は、
加熱調理器であり、
前記第2の家電機器に対する操作は、
前記加熱調理器を使用する操作であること、
を特徴とする請求項
4に記載の見守り装置。
【請求項6】
見守り装置のセンサ情報取得部は、
被見守り者の住居内の第1の家電機器に備え付けられたセンサから、前記被見守り者による前記第1の家電機器に対する操作を受信し、
前記見守り装置の注目期間管理部は、
見守り者の端末装置を介して前記見守り者が、1日における注目期間を入力するのを受け付け、
前記見守り装置のセンサ情報処理部は、
前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、当該操作があった旨を前記端末装置に自動的に表示させ、
前記センサ情報取得部は、
前記住居内の第3の家電機器に備え付けられたセンサから、前記第3の家電機器に対する操作を受信するとともに、当該操作の主体を受信し、
前記センサ情報処理部は、
前記注目期間内において、前記主体のうち所定の者が行う前記第3の家電機器に対する操作が受信された後の所定の期間内に、前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、
前記被見守り者が帰宅後食事を摂った旨を前記端末装置に自動的に表示さ
せ、
前記第1の家電機器は、
冷蔵庫であり、
前記第1の家電機器に対する操作は、
前記冷蔵庫の扉を開ける操作であり、
前記第3の家電機器は、
住居への入出を管理する入出管理機器であり、
前記第3の家電機器に対する操作は、
前記入出管理機器に対する操作であること、
を特徴とする見守り装置の見守り方法。
【請求項7】
コンピュータを、
被見守り者の住居内の第1の家電機器に備え付けられたセンサから、前記被見守り者による前記第1の家電機器に対する操作を受信するセンサ情報取得部と、
見守り者の端末装置を介して前記見守り者が、1日における注目期間を入力するのを受け付ける注目期間管理部と、
前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、当該操作があった旨を前記端末装置に自動的に表示させるセンサ情報処理部と、
して機能させるための見守りプログラムであって、
前記センサ情報取得部に対し、
前記住居内の第3の家電機器に備え付けられたセンサから、前記第3の家電機器に対する操作を受信するとともに、当該操作の主体を受信する処理を実行させ、
前記センサ情報処理部に対し、
前記注目期間内において、前記主体のうち所定の者が行う前記第3の家電機器に対する操作が受信された後の所定の期間内に、前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、
前記被見守り者が帰宅後食事を摂った旨を前記端末装置に自動的に表示させる処理を実行さ
せ、
前記第1の家電機器は、
冷蔵庫であり、
前記第1の家電機器に対する操作は、
前記冷蔵庫の扉を開ける操作であり、
前記第3の家電機器は、
住居への入出を管理する入出管理機器であり、
前記第3の家電機器に対する操作は、
前記入出管理機器に対する操作であること、
を特徴とする見守りプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守り装置、見守り方法及び見守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時先進国では、単身で生活する高齢者を、遠隔地から見守り者が見守ることが一般的になっている。また、一人で留守番する学童を、遠隔地から共働きの両親が見守ることも一般的になっている。
【0003】
特許文献1の冷蔵庫安否確認装置は、被見守り者が冷蔵庫の扉を開閉した回数が所定の閾値以下になった場合、予め登録した電子端末にその旨を送信する。特許文献2の安否確認システムは、被見守り者が郵便受けの開閉扉を操作した回数が、生活習慣を反映する平均値から乖離した場合、被見守り者に異常が発生したことを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-185315号公報
【文献】特開2015-46156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の冷蔵庫安否確認装置は、見守り者の受信時の都合、及び、被見守り者の生活実態に応じて、見守り対象の期間を設定するという発想について考慮されていることがより好ましい。例えば、特許文献1の装置では、見守り者の電子端末は、高齢者が冷蔵庫の扉を度々開閉するのを毎回受信することとなる。また、見守り者の電子端末は、学童が帰宅直後冷蔵庫を開ける少ない機会を受信し損ねることもある。特許文献2の安否確認システムは、当該発想を欠いており、結果的に、郵便受けの開閉扉を操作した回数が平均値と乖離しているか否かがわかるまでには時間を要する。そのうえ、当該システムは、学童が郵便物に興味を示さない場合、精度が落ちる。
そこで、本発明は、見守り者が指定した期間について的確に被見守り者を見守ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の見守り装置は、被見守り者の住居内の第1の家電機器に備え付けられたセンサから、前記被見守り者による前記第1の家電機器に対する操作を受信するセンサ情報取得部と、見守り者の端末装置を介して前記見守り者が、1日における注目期間を入力するのを受け付ける注目期間管理部と、前記注目期間内において前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、当該操作があった旨を前記端末装置に自動的に表示させるセンサ情報処理部と、を備え、前記センサ情報取得部は、前記住居内の第3の家電機器に備え付けられたセンサから、前記第3の家電機器に対する操作を受信するとともに、当該操作の主体を受信し、前記センサ情報処理部は、前記注目期間内において、前記主体のうち所定の者が行う前記第3の家電機器に対する操作が受信された後の所定の期間内に、前記第1の家電機器に対する操作が受信された場合、前記被見守り者が帰宅後食事を摂った旨を前記端末装置に自動的に表示させ、前記第1の家電機器は、冷蔵庫であり、前記第1の家電機器に対する操作は、前記冷蔵庫の扉を開ける操作であり、前記第3の家電機器は、住居への入出を管理する入出管理機器であり、前記第3の家電機器に対する操作は、前記入出管理機器に対する操作であること、を特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、見守り者が指定した期間について的確に被見守り者を見守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の環境及び見守り装置の構成を説明する図である。
【
図2】(a)及び(b)は、センサ及び冷蔵庫が取得する情報を説明する図である。
【
図11】第2実施形態の環境及び見守り装置の構成を説明する図である。
【
図16】注目期間処理手順(その1)のフローチャートである。
【
図17】注目期間処理手順(その2)のフローチャートである。
【
図18】注目期間処理手順(その3)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、単身高齢者を子やその親類が見守る例、及び、共働きの両親が留守番をする学童を見守る例である。本実施形態は、被見守り者の居間における在室/不在を検知する第1の実施形態、及び、被見守り者の冷蔵庫の使用を検知する第2の実施形態を有する。
【0010】
初めに、第1の実施形態を説明する。
【0011】
(環境及び見守り装置の構成)
図1は、第1の実施形態の環境及び見守り装置の構成を説明する図である。被見守り者5が住居6に居住している。住居6には、単身高齢者である被見守り者5以外の居住者はいない。住居6は、複数の居室を有し、そのうちに居間6a、寝室6b及び台所6cが含まれる。居間6a、寝室6b及び台所6cは、廊下、壁等を間に挟んで相互に独立している。被見守り者5は、寝室6b及び台所6c以外の居室のうち居間6aにいる時間が最も長い。被見守り者5は、在宅の場合、日中の殆どを居間6aで過ごし、夜間は寝室6bで睡眠する。居間6aの壁、天井等に1台のセンサ2が設置され、台所6cには、冷蔵庫8が設置されている(詳細後記)。トイレ、浴室の記載は、省略されている。
【0012】
見守り装置1は、一般的なサーバであり、見守りサービスのセンタを構成する。このセンタは、センサ2が配置された住居ごとに複数の被見守り者を見守る。このサーバは、中央制御装置11、マウス、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、状態情報31(31a~31d詳細後記)を格納している。主記憶装置14におけるセンサ情報取得部21及びセンサ情報処理部22は、プログラムである。中央制御装置11は、これらのプログラムを補助記憶装置15から読み出し主記憶装置14にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。補助記憶装置15が見守り装置1から独立した構成であってもよい。
【0013】
見守り装置1は、ネットワーク4を介して、センサ2、冷蔵庫8及び端末装置3に接続されている。本実施形態の端末装置3は、見守り者(図示せず)によって操作される携帯式コンピュータである。しかしながら、端末装置3は、携帯式以外のコンピュータであってもよい。
【0014】
(センサ)
図2(a)及び(b)は、センサ2及び冷蔵庫8が取得する情報を説明する図である。センサ2は、任意の型式(例えば赤外線方式)の人感センサである。センサ2は、被見守り者5が居間6aにいるか否かを検知する。
図2(a)では、被見守り者5は居間6aにいる。このとき、センサ2は、被見守り者5が居間6aにいることを示す情報“在室”及びこれが生成された時刻の年月日時分秒(符号7a)を、ネットワーク4を介して見守り装置1にリアルタイムで送信する。
【0015】
図2(b)では、被見守り者5は居間6aにいない。このとき、センサ2は、被見守り者5が居間6aにいないことを示す情報“不在”及びそれが生成された時刻の年月日時分秒(符号7b)を、ネットワーク4を介して見守り装置1にリアルタイムで送信する。
【0016】
センサ情報取得部21がセンサ2からの情報を取得すると、センサ情報処理部22がその時点で情報を処理して必要な情報を記憶するとともに、端末装置3にその情報を送信する。センサ情報処理部22は、センサ2から“在室”又は“不在”情報を受け取ると、“在室”から“不在”になった時刻、“不在”から“在室”になった時刻を状態情報31に記憶する。つまり、センサ情報処理部22は、“在室”及び“不在”が変化した時点の時刻を記憶する。そして、センサ情報処理部22は、後記する見守り者の端末装置3に、“在室”であれば居間にいる旨を、“不在”であれば居間にいない旨を時刻とともに送信する。なお、センサからの“在室”又は“不在”情報は、以降説明するセンサ情報処理部22が処理した以降は、使用されない。
【0017】
(冷蔵庫)
被見守り者5は、冷蔵庫8に食料品等を保管しており、その食料品を取り出す又は収納する都度、冷蔵庫8の扉を開閉する。冷蔵庫8は、扉の開閉動作及び/又は開閉状態を認識する機構(例えばセンサ)を有しており、認識した開閉動作及び/又は開閉状態をネットワーク4を介して見守り装置1にリアルタイムで送信する。また、冷蔵庫8に後付けされたセンサ自身が認識した開閉動作及び/又は開閉状態を、ネットワーク4を介して後付けセンサが見守り装置1にリアルタイムで送信してもよい。ここでの冷蔵庫8は、居間を含む住居内に設置される家電機器(ネットワークに繋がるコネクテッド家電機器)の一例である。電子レンジ、常温食料庫、温水保温器等が、冷蔵庫8を代替してもよい。なお、配置されたセンサ2には死角があり、被見守り者5がその死角を通過するとセンサ2には検知されないという課題がある。この場合、冷蔵庫8が補助的にセンサ2の役割を果たすともいえる。
【0018】
(状態情報)
図3~
図6は、状態情報31の一例である。以降では、説明の便宜上、4つの状態情報31a~31dを順次説明する。4つの状態情報31a~31dは、それぞれ以下のパタン1~4に対応している。
【0019】
〈パタン1〉不在が、所定の時間以上連続するパタン。
〈パタン2〉不在が、所定の時間以上連続し、かつ、その所定の時間が経過するまでの間に、少なくとも1度冷蔵庫状態が“開”になるパタン。
〈パタン3〉夜間に在室が不在に変わったことに起因して、被見守り者がその後睡眠していると見守り装置1が判断している期間に、所定の回数以上冷蔵庫状態が“開”になるパタン。パタン3は、夜間運用(詳細後記)に係るパタンである。
〈パタン4〉被見守り者が睡眠していると見守り装置1が一旦判断した後、実は被見守り者は不在であったと判断を見直した場合において、睡眠していると判断している期間に、少なくとも1度冷蔵庫状態が“開”になっていたパタン。パタン4もまた、夜間運用に係るパタンである。
【0020】
図3に注目する。パタン1に対応する状態情報31aにおいては、時刻欄101に記憶された時刻に関連付けて、居間状態欄102には居間状態が、冷蔵庫状態欄103には冷蔵庫状態が、タイマ欄104にはタイマ値が、状態表示欄105には状態文言が、通知区別欄106には通知区別が記憶されている。
【0021】
時刻欄101の時刻は、
図2(a)の符号7aの情報又は
図2(b)の符号7bの情報をセンサ2が取得した時点の年月日時分秒である。本実施形態では、センサ2は、5分ごとにこれらの情報を取得する。
居間状態欄102の居間状態は、被見守り者5が居間6aにいることを示す“在室”、又は、被見守り者5が居間6aにいないことを示す“不在”のいずれかである。
冷蔵庫状態欄103の冷蔵庫状態は、冷蔵庫8の扉が開いていることを示す“開”、又は、冷蔵庫8の扉が閉じていることを示す“閉”のいずれかである。
【0022】
タイマ欄104のタイマ値は、タイマが起動し始めてからの時間である。見守り装置1は、タイマを有するものとする(図示せず)。
状態表示欄105の状態文言は、見守り装置1が、端末装置3の出力装置に表示させる文字列である。
【0023】
通知区別欄106の通知区別は、“要求待ち”又は“プッシュ”のいずれかである。“要求待ち”は、見守り者が端末装置3を操作してアプリケーションを立ち上げることを起点とした、端末装置3から見守り装置1に対する要求(以降、“表示要求”と呼ぶ)があった場合に、見守り装置1が状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることを意味する。具体的には、見守り者が本アプリケーションを起動したとき、前回以降の5分毎の情報を端末装置3が見守り装置1に対して要求し、見守り装置1は端末装置3に対して状態表示を含む情報を送信する。“プッシュ”は、表示要求の有無に関係なく、見守り装置1が状態文言を端末装置3の出力装置に自動的(強制的)に表示させることを意味する。見守り装置1が“プッシュ”要求を端末装置3のアプリケーションに行うと、アプリケーションが端末装置3の出力装置に自動的(強制的)に状態文言を表示する。通知区別が“プッシュ”である状態文言は、見守り者にとって特に重要な情報である。見守り装置1は、このような状態文言を端末装置3の出力装置に表示させるときアラーム音、振動等を端末装置3に発生させるのが好ましい。
【0024】
状態情報31aの各欄の構成は、パタン2に対応する状態情報31b(
図4)においても同様である。パタン3に対応する状態情報31c(
図5)及びパタン4に対応する状態情報31d(
図6)における各欄の構成は、タイマ欄104がないことを除いて、状態情報31aの各欄の構成と同じである。
【0025】
図3から、以下のことがわかる。
・2019年4月1日17時55分00秒、居間状態は“在室”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“居間にいます”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、状態文言“居間にいます”を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。説明の簡略化のため以降では、“任意の状態文言を生成・記憶したうえで、表示要求があればその状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態”を“要求待ち状態”と呼ぶ。
【0026】
・2019年4月1日18時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、居間状態が“在室”から“不在”に変化したのを契機としてタイマを起動した。見守り装置1は、状態文言“居間にいません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0027】
・2019年4月2日18時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。このとき、タイマ値が所定の値(ここでは24時間)に達した。見守り装置1は、状態文言“24時間以上お見かけしていません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。同時に見守り装置1は、状態文言“24時間以上お見かけしていません”を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0028】
・2019年4月2日18時55分00秒、居間状態は“在室”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、居間状態が“不在”から“在室”に変化したのを契機としてタイマを停止した。見守り装置1は、状態文言“居間にいます”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0029】
図4に注目する。
図4から、以下のことがわかる。
・2019年4月1日17時55分00秒、及び、2019年4月1日18時00分00秒においては、
図3と同じ説明が当てはまる。
【0030】
・2019年4月2日02時00分00秒、居間状態及び冷蔵庫状態に変化がないまま、タイマ値が8時間に達した。見守り装置1は、状態文言“居間にいません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0031】
・2019年4月2日03時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、冷蔵庫状態が“開”となっていることに関わらず、タイマ値をリセットしなかった。見守り装置1は、状態文言“居間にいません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。また、
図4の状態表示欄105には記載しておらず、詳しくは
図8の説明で後記するが、見守り装置1は、“冷蔵庫を1回開けました”も生成する。
【0032】
・2019年4月2日18時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であり、タイマ値は“24時間”であった。2019年4月2日18時00分00秒は、タイマが起動した2019年4月1日18時00分00秒から24時間経過した時刻である。しかしながら、見守り装置1は、
図3における2019年4月2日18時00分00秒のように、状態文言“24時間以上お見かけしていません”を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させることはしなかった。その代わりに、見守り装置1は、状態文言“お見かけしませんが冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。これは、パタン1と比べて被見守り者5が24時間居間にいなくとも、冷蔵庫が少なくとも1回開いた場合、被見守り者5は24時間以内に冷蔵庫がある部屋(多くは台所)にいた可能性が大きいため、緊急性を要さないと考えられるためである。
・2019年4月2日18時55分00秒においては、
図3と同じ説明が当てはまる。
【0033】
(夜間運用)
図5の説明に入る前に、夜間運用について説明する。昼間に居間状態が“不在”となっている場合、被見守り者5は、住居内の居間以外の場所にいる、又は、外出している可能性が高い。夜間に居間状態が“不在”となっている場合、被見守り者5は、寝室6bで睡眠している可能性が高い。そこで、見守り装置1は、特定の期間(例えば18時00分~翌日04時00分)を夜間運用期間とする。そして、見守り装置1は、夜間運用期間における居間状態“不在”を、被見守り者5が睡眠している状態であると看做す。
【0034】
図5に注目する。
図5から、以下のことがわかる。
・2019年4月1日21時55分00秒、居間状態は“在室”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“居間にいます”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0035】
・2019年4月1日22時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、直前の21時55分00秒が“在室”であり、22時00分00秒に“不在”となった時刻を記憶し、“不在”が12回連続したときに睡眠と判断(図示しない2019年4月1日23時00分00秒の居間状態が引き続き“不在”となったことをもって睡眠と判断する)し、22時00分00秒以降の“居間にいません”を“お休みになっています”に書き換え、状態表示欄105に記憶した。“お休みになっています”は、“睡眠している”の意味である。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0036】
・2019年4月2日01時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、冷蔵庫状態が“開”となっていることに起因して、“カウント数=1”を生成した。当該カウント数は、所定の閾値(例えば“3”)に達していなかった。見守り装置1は、状態文言“お休みになっています”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。また、見守り装置1は、“冷蔵庫を1回開けました”も生成する。
【0037】
・2019年4月2日01時05分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、冷蔵庫状態が“開”となっていることを起因して、“カウント数=2”を生成した。当該カウント数は、所定の閾値に達していなかった。見守り装置1は、状態文言“お休みになっています”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。また、見守り装置1は、“冷蔵庫を2回開けました”も生成する。
【0038】
・2019年4月2日01時10分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、冷蔵庫状態が“開”となっていることを起因して、“カウント数=3”を生成した。当該カウント数は、所定の閾値に達した。見守り装置1は、状態文言“お休みになっています”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。また、見守り装置1は、“冷蔵庫を3回開けました”も生成する。
【0039】
・2019年4月2日08時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、夜間の冷蔵庫開のカウント数が所定の閾値(ここでは3回)に達したことに起因して、“夜間冷蔵庫の使用が3回以上ありました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。同時に見守り装置1は、状態文言“夜間冷蔵庫の使用が3回以上ありました”を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。夜間冷蔵庫の使用通知を朝の8時にプッシュ通知する理由は、前記のパタン1のような緊急度ではないものの、重要度が高いと考えられ見守り者に対して確実に知らせる必要があるためである。夜間の冷蔵庫の開閉が1晩限りであれば問題にならないが、毎晩となると何かしら異変が起こっている可能性があると見守り者に気付きを与える効果がある。
【0040】
図6の説明に入る前に、夜間運用における睡眠から不在への見直しについて説明する。夜間において“不在”が連続し、翌日の所定の時刻(例えば12時00分)以降に“在室”に変化した場合、被見守り者5は、知人宅等に外出した後、帰宅した可能性が高い。そこで、見守り装置1は、まず、夜間において“不在”が12回連続した時点で、被見守り者5が睡眠していると判断する。見守り装置1は、次に、翌日の12時00分になってもなお“不在”が“在室”に変化しない場合、見守り者5が睡眠しているとの判断を見直し、遡及的に“不在”であったと判断する。
【0041】
図6に注目する。
図6から、以下のことがわかる。
・2019年4月1日21時55分00秒、及び、2019年4月1日22時00分00秒においては、
図5と同じ説明が当てはまる(2019年4月1日23時00分00秒において睡眠と判断し、過去1時間分の状態文言“居間にいません”を“お休みになっています”に置き換える点も同様)。
【0042】
・2019年4月2日01時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、冷蔵庫状態が“開”となっていることに起因して、“カウント数=1”を生成した。当該カウント数は、所定の閾値に達していなかった。見守り装置1は、状態文言“お休みになっています”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。また、見守り装置1は、“冷蔵庫を1回開けました”も生成する。
【0043】
・2019年4月2日12時00分00秒、居間状態は“不在”であり冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、過去の状態文言“お休みになっています”を“居間にいません”に書き換え、状態文言“居間にいません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、見守り装置1は、要求待ち状態であった。
【0044】
2019年4月2日01時00分00秒のレコードと2019年4月2日12時00分00秒のレコードとを比較する。2019年4月2日01時00分00秒においては、見守り装置1は、被見守り者5が睡眠していると判断している。2019年4月2日12時00分00秒においては、見守り装置1は、被見守り者5が“不在”であると判断している。この場合、見守り装置1は、2019年4月2日12時00分00秒の時点で、2019年4月1日22時00分00秒以降のすべてのレコードの状態文言の“お休みになっています”を“居間にいません”に更新する。
【0045】
(処理手順)
以降で、処理手順を説明する。説明の便宜上、処理手順を、基本処理手順及び夜間処理手順の2つに分ける。夜間処理手順においては、見守り装置1は、“不在”を被見守り者5が睡眠している状態であると判断している。
【0046】
図7は、基本処理手順のフローチャートである。基本処理手順は、状態情報31a(
図3)及び状態情報31b(
図4)に対応している。フローチャートの途中で、適宜
図9及び
図10を参照する。
ステップS201において、見守り装置1のセンサ情報取得部21は、“不在”を受信する。具体的には、第1に、センサ情報取得部21は、センサ2から居間状態“不在”を受信する。
第2に、センサ情報取得部21は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31a(
図3)の、時刻が“20190401 18:00:00”であるレコードである。
【0047】
ステップS202において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、所定の期間連続して“不在”を受信したか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、現在時点におけるタイマ値が所定の値(例えば24時間)に達している場合(ステップS201“Yes”)、ステップS203に進み、それ以外の場合(ステップS201“No”)、そのまま待機する。なお、本実施形態では、所定の期間をタイマによりカウントする構成としているが、センサ情報処理部22は、連続した“不在”数を計数してもよい。所定の期間が24時間である場合、“不在”数は、288回である(センサ2から居間状態が5分毎に送信される場合)。
【0048】
ステップS203において、センサ情報処理部22は、所定の期間に“開”を受信したか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、状態情報31の直近の過去24時間分のレコードのうち少なくとも1本が冷蔵庫状態“開”を含む場合(ステップS203“Yes”)、ステップS204に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS203“No”)、ステップS205に進む。
【0049】
ステップS204において、センサ情報処理部22は、“お見かけしませんが冷蔵庫を使用しました”を生成し、要求待ち状態とする。具体的には、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31b(
図4)の、時刻が“20190402 18:00:00”であるレコードである。いま、見守り者が操作端末3の生活リズム表示ボタン(図示せず)を押下したとする。すると、センサ情報処理部22は、端末装置3の出力装置に、生活リズム画面(
図8)を表示させる。
図7の途中であるが、一旦
図8に注目する。
【0050】
図8は、
図4における端末装置3に表示される生活リズム画面41の一例である。生活リズム画面41は、状態グラフ42及び冷蔵庫開扉サイン43“冷蔵庫を1回開けました”を表示する。状態グラフ42は、“不在”、“在室”及び“睡眠”を時系列で色分け表示する。“在室”は、被見守り者5の活動量(“少”、“中”及び“多”)に応じて、さらに3種類に色分け表示される。画面41は、夜間に“不在”と判断されている例である。
【0051】
冷蔵庫開扉サイン43は、“冷蔵庫を1回開けました”というメッセージで、ある日の03時00分頃に、冷蔵庫状態が“開”になったことを示している。当該時刻における居間状態グラフ42の色彩は“不在”を示している。ここまで、
図4における冷蔵庫開扉サイン43を説明したが、例えば
図5のケースでは、ある日の01時00分頃に3回冷蔵庫状態が“開”になったため、冷蔵庫開扉サイン43として“冷蔵庫を3回開けました”というメッセージが表示される。
図7に戻る。
【0052】
ステップS205において、センサ情報処理部22は、状態文言“24時間以上お見かけしていません”を生成し、端末装置にプッシュ通知表示させる。具体的には、第1に、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31a(
図3)の、時刻が“20190402 18:00:00”であるレコードである。
第2に、センサ情報処理部22は、端末装置3の出力装置に状態文言“24時間以上お見かけしていません”をプッシュ通知表示させるための指示を端末装置3に送信する。すると、端末装置3の出力装置は、当該状態文言を表示する。
図9に注目する。
【0053】
図9は、プッシュ通知画面51の一例である。24時間以上不在でかつ冷蔵庫を開閉していないことから、被見守り者5に何かがあった可能性がある。よって、この情報は見守り者にとって重要であるため、プッシュ通知を行うことで、緊急度が高い情報のみを見守り者に強く伝えることができる。画面の中央に、状態文言“24時間以上お見かけしていません”が大きく表示されている。端末装置3は、この表示に併せ、アラーム音、振動等を発生してもよい。
ステップS204又はS205の後、基本処理手順を終了する。
【0054】
図10は、夜間処理手順のフローチャートである。夜間処理手順は、状態情報31c(
図5)及び状態情報31d(
図6)に対応している。
ステップS301において、見守り装置1のセンサ情報取得部21は、“在室”から“不在”に変化し、以降連続して“不在”を受信する。具体的には、センサ情報取得部21は、センサ2から居間状態“在室”から“不在”に変化し、以降連続して12回(タイマで1時間を計数してもよい)“不在”を受信する。
【0055】
ステップS302において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、睡眠していると判断する。具体的には、第1に、センサ情報処理部22は、夜間運用期間に“不在”を連続して受信したことに起因して、連続した“不在”は被見守り者5が睡眠していることを示すと判断する。
第2に、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31c(
図5)の、時刻が“20190401 22:00:00”であるレコードである。
【0056】
ステップS303において、見守り装置1のセンサ情報取得部21は、“開”を受信する。具体的には、センサ情報取得部21は、冷蔵庫8から冷蔵庫状態“開”を受信する。
【0057】
ステップS304において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、所定の回数以上“開”を受信したか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、“不在”は被見守り者5が睡眠していることを示すと判断している期間において、冷蔵庫状態“開”を含む状態情報31のレコードの本数が所定の数に達している場合(ステップS304“Yes”)、ステップS307に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS304“No”)、ステップS305に進む。
【0058】
ステップS305において、センサ情報処理部22は、“お休みになっています”を生成し、要求待ち状態とする。具体的には、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31d(
図6)の、時刻が“20190402 01:00:00”であるレコードである。いま、見守り者が操作端末3で本アプリケーションを開いたとする。すると、センサ情報処理部22は、端末装置3の出力装置に、生活リズム画面(
図8)を表示させる。このとき、冷蔵庫開扉サイン43は、“冷蔵庫を1回開けました”である。ステップS305の後、ステップS306に進む。夜間に冷蔵庫を1~2回しか使用していない場合は、例えば喉が渇いたから睡眠途中に水を飲んだだけと推測できる。よって、ステップS305では、センサ情報処理部22は、“お休みになっています”を生成して睡眠が継続していると判断する。
【0059】
ステップS306において、センサ情報処理部22は、“不在”のまま翌日12時00分になったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、“不在”は被見守り者5が睡眠していることを示すと判断している期間において、居間状態“不在”を含む状態情報31のレコードが所定の時刻まで連続している場合(ステップS306“Yes”)、ステップS310に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS306“No”)、ステップS304に戻る。ここでの“所定の時刻”とは、例えば翌日の12時00分00秒である。ここで“連続している”とは、その間に、“在室”を挟まないという意味である。
【0060】
ステップS307において、センサ情報処理部22は、“お休みになっています”を生成し、要求待ち状態とする。具体的には、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31d(
図5)の、時刻が“20190402 01:10:00”であるレコードである。いま、見守り者が端末装置3で本アプリケーションを開いたとする。すると、センサ情報処理部22は、端末装置3の出力装置に、生活リズム画面41(
図8)を表示させる。このとき、冷蔵庫開扉サイン43は、“冷蔵庫を3回開けました”である。ステップS307の後、ステップS308に進む。
【0061】
ステップS308において、センサ情報処理部22は、状態文言“夜間冷蔵庫の使用が3回以上ありました”を生成し、端末装置に表示させる。ここでの“3回”は、任意に定められた回数である。具体的には、第1に、センサ情報処理部22は、状態情報31のレコードを作成する。このとき作成されるレコードは、例えば、状態情報31c(
図5)の、時刻が“20190402 08:00:00”であるレコードである。
第2に、センサ情報処理部22は、端末装置3の出力装置に状態文言“夜間冷蔵庫の使用が3回以上ありました”を表示させるための指示を端末装置3に送信する。すると、端末装置3の出力装置は、当該状態文言を表示する。
【0062】
ステップS309において、センサ情報処理部22は、“不在”のまま翌日12時00分になったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、“不在”は被見守り者5が睡眠していることを示すと判断している期間において、居間状態“不在”を含む状態情報31のレコードが所定の時刻まで連続している場合(ステップS309“Yes”)、ステップS310に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS309“No”)、夜間処理手順を終了する。ここで“所定の時刻”とは、例えば翌日の12時00分00秒である。ここで“連続している”とは、その間に“在室”を挟まないという意味である。
【0063】
ステップS310において、センサ情報処理部22は、居間状態を“睡眠”から“不在”に見直す。具体的には、センサ情報処理部22は、ステップS302の判断を見直し、被見守り者5は“不在”であったと再度事後的に判断する。その後、夜間処理手順を終了する。
【0064】
なお、“表示要求”は、見守り者が端末装置3を操作してアプリケーションを立ち上げることを起点とした、端末装置3から見守り装置1に対する要求であるとした。しかし、“表示要求”は、端末装置3を操作する見守り者からの要求、例えば見守り者がアプリケーションの更新アイコンを押下することによる要求でも、その他これに類する要求でもよい。
【0065】
次に、第2の実施形態を説明する。
【0066】
(環境及び見守り装置の構成)
図11は、第2の実施形態の環境及び見守り装置の構成を説明する図である。
図1に比して
図11が異なる点は、以下の通りである。
・見守り装置1は、プログラムとしての注目期間管理部23を備える。
・住居6は、玄関6dを備え、玄関6dは、外部から出入りするドア10を備える。
・台所6は、加熱調理器9を備える。ここでの加熱調理器9は、扉開閉式の電子レンジ等である。
・被見守り者5は、単身高齢者でもよいし、共働きの両親と暮らす学童(中高生を含む)でもよい。
・状態情報31は、後記する状態情報31e、31f、31g及び31hを含む。
【0067】
見守り装置1は、ネットワーク4を介して、加熱調理器9及びドア10に接続されている。加熱調理器9は、扉の開閉動作及び/又は開閉状態を認識する機構(例えばセンサ)を有しており、認識した開閉動作及び/又は開閉状態を、ネットワーク4を介して見守り装置1にリアルタイムで送信する。ドア(入出管理機器)10もまた、自身の開閉動作及び/又は開閉状態を認識する機構(例えばセンサ)を有しており、認識した開閉動作及び/又は開閉状態を、ネットワーク4を介して見守り装置1にリアルタイムで送信する。つまり、見守り装置1のセンサ情報取得部21は、冷蔵庫8(第1の家電機器)、加熱調理器9(第2の家電機器)及びドア10(第3の家電機器)に備え付けられたセンサから、被見守り者5によるそれらの機器に対する操作を受信する。
【0068】
(状態情報)
図12~
図15は、状態情報31の一例である。以降では、説明の便宜上、4つの状態情報31e~31hを順次説明する。4つの状態情報31e~31hは、それぞれ以下のパタン5~8に対応している。
【0069】
〈パタン5〉見守り者が指定した注目期間(詳細後記)において、被見守り者が冷蔵庫8の扉を開けるパタン。
〈パタン6〉注目期間において、被見守り者が冷蔵庫8の扉を開けないパタン。
〈パタン7〉注目期間において、被見守り者が、冷蔵庫8の扉を開けた直後に加熱調理器9の扉を開けるパタン。
〈パタン8〉注目期間において、被見守り者が、ドア10を開けた直後に冷蔵庫8の扉を開けるパタン。
【0070】
パタン5に対応する状態情報31e(
図12)及びパタン6に対応する状態情報31f(
図13)においては、時刻欄101に記憶された時刻に関連付けて、冷蔵庫状態欄103には冷蔵庫状態が、状態表示欄105には状態文言が、通知区別欄106には通知区別が記憶されている。これらの各欄の説明は、
図3において前記したものと同様である。
【0071】
パタン7に対応する状態情報31g(
図14)の構成は、状態情報31eの構成に加熱調理器状態(欄103b)を加えたものである。加熱調理器状態欄103bの加熱調理器状態は、加熱調理器9の扉が開いていることを示す“開”、又は、加熱調理器9の扉が閉じていることを示す“閉”のいずれかである。パタン8に対応する状態情報31h(
図15)の構成は、状態情報31eに玄関状態(欄103c)を加えたものである。玄関状態欄103cの玄関状態は、ドア10が開いていることを示す“開”、又は、ドア10が閉じていることを示す“閉”のいずれかである。
【0072】
図12から、以下のことがわかる。
・見守り者は、注目期間として、毎日の7時00分00秒から8時00分00秒を指定している(二重線の上の太線枠内)。注目期間において、見守り者は、単身の高齢者が毎朝規則正しく起床し朝食を摂ることを確認しようとしている。
・2019年4月2日7時00分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“冷蔵庫を使用していません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0073】
・2019年4月2日7時05分00秒、冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、状態文言“朝食時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
・2019年4月2日7時10分00秒、冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、状態文言“朝食時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。通知区分が“プッシュ”であった場合、このとき見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。通知区分が“要求待ち”であった場合、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0074】
・因みに、注目期間外においては、仮に冷蔵庫状態が“開”であっても、見守り装置1は、状態文言を生成しない。したがって、注目期間外においては、状態表示欄105及び通知区別欄106は空欄である(二重線の下の例でも同様)。このことは、
図13~
図15においても同様に当てはまる。
【0075】
二重線の下において、見守り者、被見守り者及び住居6は、二重線の上とは異なる。
・見守り者は、注目期間として、毎日の12時00分00秒から16時00分00秒を指定している(二重線の下の太線枠内)。注目期間において、見守り者は、自身の留守中に子供が学校から帰宅し一人で昼食を摂ることを確認しようとしている。
・2019年4月2日12時00分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“冷蔵庫を使用していません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0076】
・2019年4月2日12時05分00秒、冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、状態文言“帰宅時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
・2019年4月2日12時10分00秒、冷蔵庫状態は“開”であった。見守り装置1は、状態文言“帰宅時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。通知区分が“プッシュ”であった場合、このとき見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。通知区分が“要求待ち”であった場合、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0077】
図13から、以下のことがわかる。
図13の二重線の上における見守り者、被見守り者及び住居6は、
図12の二重線の上におけるものと同じである(単身高齢者のケース)。
・見守り者は、前記したように注目期間として、毎日の7時00分00秒から8時00分00秒を指定している(二重線の上の太線枠内)。この注目期間において、冷蔵庫状態は、連続して“閉”であった。
・2019年4月3日8時05分00秒、注目期間の終了直後、見守り装置1は、状態文言“朝食時間帯に冷蔵庫を使用しませんでした”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0078】
図13の二重線の下における見守り者、被見守り者及び住居6は、
図12の二重線の下におけるものと同じである(学童のケース)。
・見守り者は、前記したように注目期間として、毎日の12時00分00秒から16時00分00秒を指定している(二重線の下の太線枠内)。この注目期間において、冷蔵庫状態は、連続して“閉”であった。
・2019年4月3日16時05分00秒、注目期間の終了直後、見守り装置1は、状態文言“帰宅時間帯に冷蔵庫を使用しませんでした”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0079】
図14から、以下のことがわかる。
図14の二重線の上における見守り者、被見守り者及び住居6は、
図12の二重線の上におけるものと同じである(単身高齢者のケース)。
・見守り者は、前記したように注目期間として、毎日の7時00分00秒から8時00分00秒を指定している(二重線の上の太線枠内)。
【0080】
・2019年4月4日7時00分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、加熱調理器状態も“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“冷蔵庫、加熱調理器を使用していません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0081】
・2019年4月4日7時05分00秒、冷蔵庫状態は“開”であり、加熱調理器状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“朝食時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0082】
・2019年4月4日7時10分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、加熱調理器状態は“開”であった。このように、冷蔵庫状態が“開”となった後所定の期間(例えば10分)内に、加熱調理器状態が“開”となった場合、被見守り者は、起床後、食料を冷蔵庫から取り出し、加熱調理器で調理している可能性が高い。そこで、このとき、見守り装置1は、状態文言“朝食をお摂りになったようです”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0083】
図14の二重線の下における見守り者、被見守り者及び住居6は、
図12の二重線の下におけるものと同じである(学童のケース)。
・見守り者は、前記したように注目期間として、毎日の12時00分00秒から16時00分00秒を指定している(二重線の下の太線枠内)。
【0084】
・2019年4月4日12時00分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、加熱調理器状態も“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“冷蔵庫、加熱調理器を使用していません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0085】
・2019年4月4日12時05分00秒、冷蔵庫状態は“開”であり、加熱調理器状態は“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“帰宅時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0086】
・2019年4月4日12時10分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、加熱調理器状態は“開”であった。このように、冷蔵庫状態が“開”となった後所定の期間(例えば10分)内に、加熱調理器状態が“開”となった場合、被見守り者は、留守中の住居に帰宅後、食料を冷蔵庫から取り出し、加熱調理器で調理している可能性が高い。そこで、このとき、見守り装置1は、状態文言“昼食をお摂りになったようです”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0087】
図15から、以下のことがわかる。
図15における見守り者、被見守り者及び住居6は、
図12の二重線の下におけるものと同じである(学童のケース)。
・見守り者は、前記したように注目期間として、毎日の12時00分00秒から16時00分00秒を指定している(二重線の下の太線枠内)。
・見守り者は、2人の学童のうち年少の“Aさん”の帰宅に注目している。具体的には、見守り装置1は、Aさんがドア10を開けたことをドア10が検知した場合にのみ、端末装置3の出力装置に対して状態文言をプッシュ通知表示させる。ドア10は、Aさんがドア10に対してかざすカード等から、Aさんを検知する。
【0088】
・2019年4月5日12時00分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、玄関状態も“閉”であった。見守り装置1は、状態文言“玄関は開いていません、冷蔵庫を使用していません”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0089】
・2019年4月5日12時05分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、玄関状態は“開”であった。そして、ドア10は、Aさんがドアを開けたことを検知した。見守り装置1は、状態文言“Aさんが帰宅したようです”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0090】
・2019年4月5日12時10分00秒、冷蔵庫状態は“開”であり、玄関状態は“閉”であった。このように、玄関状態が“開”となった後所定の期間(例えば10分)内に、冷蔵庫状態が“開”となった場合、被見守り者は、留守中の住居に帰宅後、食料を冷蔵庫から取り出した可能性が高い。そこで、このとき、見守り装置1は、状態文言“Aさんが帰宅後昼食をお摂りになったようです”を生成し、状態表示欄105に記憶し、端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させた。
【0091】
・2019年4月5日12時30分00秒、冷蔵庫状態は“閉”であり、玄関状態は“開”であった。そして、ドア10は、Bさんがドアを開けたことを検知した。見守り装置1は、状態文言“Bさんが帰宅したようです”を生成し、状態表示欄105に記憶した。このとき、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。
【0092】
・2019年4月5日12時35分00秒、冷蔵庫状態は“開”であり、玄関状態は“閉”であった。このとき、見守り装置1は、状態文言“Bさんが帰宅後昼食をお摂りになったようです”を生成し、状態表示欄105に記憶した。そして、表示要求があれば、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置に表示させることができる状態であった。このとき、見守り装置1は、当該状態文言を端末装置3の出力装置にプッシュ通知表示させることはない。なぜならば、見守り者は、Bさんには注目していないからである。
【0093】
(処理手順)
図16は、注目期間処理手順(その1)のフローチャートである。注目期間処理手順(その1)は、
図12及び
図13に対応している。
ステップS401において、見守り装置1の注目期間管理部23は、注目期間を受け付ける。具体的には、注目期間管理部23は、見守り者が端末装置3を介して、例えば“毎日7時00分00秒~8時00分00秒”のように注目期間を入力するのを受け付ける。
【0094】
ステップS402において、注目期間管理部23は、通知区分規則を受け付ける。具体的には、注目期間管理部23は、見守り者が端末装置3を介して、以下のような通知区分規則を入力するのを受け付ける。
・注目期間において冷蔵庫状態が“開”になった場合、見守り装置1は、その都度その旨をプッシュ通知表示する、又は、初回に限りその旨をプッシュ通知表示する。
・注目期間において冷蔵庫状態が1度も“開”にならなかった場合、見守り装置1は、注目期間終了の直後、その旨をプッシュ通知表示する。
前記から明らかなように、通知区分規則とは、見守り装置1が注目期間において“要求待ち”及び“プッシュ”を使い分ける規則である。
【0095】
ステップS403において、注目期間管理部23は、注目期間が到来したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が始まった場合(ステップS403“Yes”)、ステップS404に進み、それ以外の場合(ステップS403“No”)、そのまま待機する。
【0096】
ステップS404において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となった場合(ステップS404“Yes”)、ステップS405に進み、それ以外の場合(ステップS404“No”)、ステップS407に進む。
【0097】
ステップS405において、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”であるか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”である場合(ステップS405“Yes”)、ステップS406に進み、それ以外の場合(ステップS405“No”)、ステップS407に進む。センサ情報処理部22は、ステップS402において受け付けた通知区分規則を参照して、当該タイミングにおける通知区分が“プッシュ”又は“要求待ち”のいずれであるかを判断する。
【0098】
ステップS406において、センサ情報処理部22は、“○○時間帯に冷蔵庫を使用しました”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。当該表示は、例えば、
図12の7時05分00秒のレコードに対応する。
【0099】
ステップS407において、見守り装置1の注目期間管理部23は、注目期間が終了したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が終了した場合(ステップS407“Yes”)、ステップS408に進み、それ以外の場合(ステップS407“No”)、ステップS404に戻る。
【0100】
ステップS408において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、プッシュ通知表示の機会があったか否かを判断する。注目期間が到来した後、ステップS406を一度も経由することなく、注目期間が終了する場合がある(
図17及び
図18においても同様)。そこで、センサ情報処理部22は、ステップS406を少なくとも一度経由した場合(ステップS408“Yes”)、ステップS410に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS408“No”)、ステップS409に進む。
【0101】
ステップS409において、センサ情報処理部22は、“○○時間帯に冷蔵庫を使用しませんでした”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。当該表示は、例えば、
図13の8時05分00秒のレコードに対応する。その後、注目期間処理手順(その1)を終了する。
【0102】
ステップS410において、センサ情報処理部22は、まとめ回数を端末装置3にプッシュ表示させる。具体的には、センサ情報処理部22は、注目期間を均等な長さを有する複数の区分期間に分割する。そしてセンサ情報処理部22は、区分期間ごとのプッシュ表示の回数、及び/又は、冷蔵庫状態が“開”となった回数を、端末装置3にプッシュ通知表示させる(
図19参照)。その後、注目期間処理手順(その1)を終了する。
【0103】
図19は、生活リズム画面41の一例である。この例の注目期間は、“8時00分~11時00分”である。センサ情報処理部22は、注目期間を60分ごとに3つの区分期間に分割し、区分期間ごとに、冷蔵庫状態が“開”となった回数を端末装置3に表示させている。センサ情報処理部22は、個々の区分期間が終了する都度、当該区分期間における回数を表示させてもよい。
【0104】
図17は、注目期間処理手順(その2)のフローチャートである。注目期間処理手順(その2)は、
図14に対応している。
ステップS421は、
図16のステップS401と同じである。
ステップS422において、見守り装置1の注目期間管理部23は、通知区分規則を受け付ける。具体的には、注目期間管理部23は、見守り者が端末装置3を介して、以下のような通知区分規則を入力するのを受け付ける。
・注目期間において冷蔵庫状態が“開”になった後所定の期間(例えば10分)内に、加熱調理器状態が“開”になった場合、見守り装置1は、その旨をプッシュ通知表示する。
【0105】
ステップS423において、注目期間管理部23は、注目期間が到来したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が始まった場合(ステップS423“Yes”)、ステップS424に進み、それ以外の場合(ステップS423“No”)、そのまま待機する。
【0106】
ステップS424において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となった場合(ステップS424“Yes”)、ステップS425に進み、それ以外の場合(ステップS424“No”)、ステップS428に進む。
【0107】
ステップS425において、センサ情報処理部22は、加熱調理器状態が“開”となったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となった後所定の期間内(例えば10分)に、加熱調理器状態が“開”となった場合(ステップS425“Yes”)、ステップS426に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS425“No”)、ステップS428に進む。
【0108】
ステップS426において、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”であるか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”である場合(ステップS426“Yes”)、ステップS427に進み、それ以外の場合(ステップS426“No”)、ステップS428に進む。センサ情報処理部22は、ステップS422において受け付けた通知区分規則を参照して、当該タイミングにおける通知区分が“プッシュ”又は“要求待ち”のいずれであるかを判断する。
【0109】
ステップS427において、センサ情報処理部22は、“○食をお摂りになったようです”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。当該表示は、例えば、
図14の7時10分00秒のレコードに対応する。当該表示は、冷蔵庫8を開けるという操作及び加熱調理器9を開けると言う操作が連続してあった旨を示す。
ステップS428において、見守り装置1の注目期間管理部23は、注目期間が終了したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が終了した場合(ステップS428“Yes”)、ステップS429に進み、それ以外の場合(ステップS428“No”)、ステップS424に戻る。
【0110】
ステップS429において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、プッシュ通知表示の機会があったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、ステップS427を少なくとも一度経由した場合(ステップS429“Yes”)、注目期間処理手順(その2)を終了する。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS429“No”)、注目ステップS430に進む。
【0111】
ステップS430において、センサ情報処理部22は、“○食をお摂りになっていないようです”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。その後、注目期間処理手順(その2)を終了する。
【0112】
図18は、注目期間処理手順(その3)のフローチャートである。注目期間処理手順(その3)は、
図15に対応している。
ステップS441は、
図16のステップS401と同じである。
ステップS442において、見守り装置1の注目期間管理部23は、通知区分規則を受け付ける。具体的には、注目期間管理部23は、見守り者が端末装置3を介して、以下のような通知区分規則を入力するのを受け付ける。
・特定の被見守り者(例えばAさん)の動作によって玄関状態が“開”になった後所定の期間内(例えば10分)に冷蔵庫状態が“開”になった場合、見守り装置1は、その旨をプッシュ通知表示する。
【0113】
ステップS443において、注目期間管理部23は、注目期間が到来したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が始まった場合(ステップS443“Yes”)、ステップS444に進み、それ以外の場合(ステップS443“No”)、そのまま待機する。
【0114】
ステップS444において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、玄関状態が所定の被見守り者によって“開”となったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、所定の被見守り者(例えばAさん)玄関状態が“開”となった場合(ステップS444“Yes”)、ステップS445に進み、それ以外の場合(ステップS444“No”)、ステップS448に進む。
【0115】
ステップS445において、センサ情報処理部22は、冷蔵庫状態が“開”となったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、玄関状態が“開”となった後所定の期間内(例えば10分)に、冷蔵庫状態が“開”となった場合(ステップS445“Yes”)、ステップS446に進む。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS445“No”)、ステップS448に進む。
【0116】
ステップS446において、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”であるか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、通知区分が“プッシュ”である場合(ステップS446“Yes”)、ステップS447に進み、それ以外の場合(ステップS446“No”)、ステップS448に進む。センサ情報処理部22は、ステップS442において受け付けた通知区分規則を参照して、当該タイミングにおける通知区分が“プッシュ”又は“要求待ち”のいずれであるかを判断する。
【0117】
ステップS447において、センサ情報処理部22は、“○○さんが帰宅後○食をお摂りになったようです”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。当該表示は、例えば、
図15の12時10分00秒のレコードに対応する。当該表示は、ドア10を開けるという操作及び冷蔵庫8を開けると言う操作が連続してあった旨を示す。
ステップS448において、見守り装置1の注目期間管理部23は、注目期間が終了したか否かを判断する。具体的には、注目期間管理部23は、注目期間が終了した場合(ステップS448“Yes”)、ステップS449に進み、それ以外の場合(ステップS448“No”)、ステップS444に戻る。
【0118】
ステップS449において、見守り装置1のセンサ情報処理部22は、プッシュ通知表示の機会があったか否かを判断する。具体的には、センサ情報処理部22は、ステップS447を少なくとも一度経由した場合(ステップS449“Yes”)、注目期間処理手順(その3)を終了する。センサ情報処理部22は、それ以外の場合(ステップS449“No”)、ステップS450に進む。
【0119】
ステップS450において、センサ情報処理部22は、“○○さんが帰宅後○食をお摂りになっていないようです”を生成し、端末装置3にプッシュ通知表示させる。その後、注目期間処理手順(その3)を終了する。
【0120】
(本実施形態の効果)
本実施形態の見守り装置の効果は以下の通りである。
(1)見守り装置は、見守り者が指定する注目期間においてのみ、被見守り者が家電機器を使用した旨を見守り者にプッシュ通知表示することができる。
(2)見守り装置は、被見守り者が家電機器を使用した回数を見守り者に表示することができる。
(3)見守り装置は、注目期間に被見守り者が家電機器を使用しなかった旨をプッシュ通知表示することができる。
(4)見守り装置は、注目期間に被見守り者が家電機器を複数使用した場合、初回に限り、被見守り者が家電機器を使用した旨をプッシュ通知表示することができる。
(5)見守り装置は、被見守り者が冷蔵庫(常時電源オン状態)を使用する場合に適用することができる。
【0121】
(6)見守り装置は、注目期間に被見守り者が、注目する家電機器を使用した直後に他の家電機器を使用した旨をプッシュ通知表示することができる(安心感が向上する)。
(7)見守り装置は、被見守り者が冷蔵庫を使用した直後に加熱調理器を使用する場合に適用することができる(食事準備を検知する)。
(8)見守り装置は、他の家電機器を使用した直後に注目する家電製品を使用した旨をプッシュ通知表示することができる(安心感が向上する)。
(9)見守り装置は、他の家電機器を使用した被見守り者を特定することができる(注目するべき被見守り者を限定する)。
(10)見守り装置は、被見守り者が入出管理機器を使用する場合に適用することができる(入出管理機器の人物認識機能をそのまま活用する)。
【0122】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 見守り装置
2 センサ
3 端末装置
4 ネットワーク
5 被見守り者
8 冷蔵庫(第1の家電機器)
9 加熱調理器(第2の家電機器)
10 ドア(第3の家電機器)
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 センサ情報取得部
22 センサ情報処理部
23 注目期間管理部
31 状態情報