(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置およびラベル貼付方法
(51)【国際特許分類】
B65C 9/40 20060101AFI20241210BHJP
B65C 9/08 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B65C9/40
B65C9/08
(21)【出願番号】P 2020152194
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンインフォメディア
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】遠山 健司
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 広行
(72)【発明者】
【氏名】小川 丈夫
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030814(JP,A)
【文献】特開昭50-071500(JP,A)
【文献】特開2010-036903(JP,A)
【文献】特開2005-157235(JP,A)
【文献】特開昭59-084727(JP,A)
【文献】実開昭50-116399(JP,U)
【文献】特開2004-059126(JP,A)
【文献】特開平10-264913(JP,A)
【文献】実開平07-033803(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00 - 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される有底筒状のカップ本体と、該カップ本体の開口を閉塞するタブ材と、を備えたカップ容器において、前記カップ容器の前記タブ材から前記カップ本体の外周面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、
前記タブ材で前記カップ本体が閉塞されたカップ容器を一方向の搬送方向に搬送する搬送コンベアと、
前記搬送コンベアで搬送される前記カップ容器の天面において、長手方向を前記搬送コンベアのコンベア幅方向に向けて前記ラベルを仮付けするラベル供給手段と、
前記ラベル供給手段の下流側で、
前記搬送コンベアを挟んで前記コンベア幅方向の少なくとも
一方側及び他方側に設けられ、前記ラベル供給手段で前記ラベルを仮付けした複数の前記カップ容器に対して同時に、前記ラベルの長手方向の端部を前記タブ材の外周縁から前記カップ本体の外周面にかけて撫で付けることで貼り付ける複数の貼付けローラーと、
を備え、
前記複数の貼付けローラーは、前記搬送方向に沿う
前記一方側及び他方側の駆動軸に対して
それぞれ同軸に回転可能で且つ一体に設けられ、前記複数の貼付けローラーのすべてが前記駆動軸上で同時に動作し且つ
前記搬送方向から見て対称の動作姿勢により連動し、
前記複数の貼付けローラーは、前記ラベルの前記端部を撫で付ける際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御される、ラベル貼付装置。
【請求項2】
前記貼付けローラーで撫で付けて前記カップ本体に貼り付けた前記ラベルの端部を押圧するラベルダメ押し手段が設けられ、
前記ラベルダメ押し手段は、前記ラベルの前記端部を押圧する際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御するようにした、請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ラベルダメ押し手段は、前記カップ本体の外周面と同じ曲面形状に形成された押圧部を有する、請求項2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
内容物が収容される有底筒状のカップ本体と、該カップ本体の開口を閉塞するタブ材と、を備えたカップ容器において、前記カップ容器の前記タブ材から前記カップ本体の外周面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼付方法であって、
前記タブ材で前記カップ本体が閉塞され搬送コンベアによって一方向の搬送方向に搬送される前記カップ容器の天面に対して、長手方向を前記搬送コンベアのコンベア幅方向に向けて前記ラベルを仮付けする工程と、
複数の前記カップ容器に仮付けされた前記ラベルの端部を、
前記搬送コンベアを挟んで前記コンベア幅方向の少なくとも一方側及び他方側に設けられる複数の貼付けローラーを使用して前記タブ材の外周縁から前記カップ本体の外周面にかけて撫で付ける工程と、
を有し、
前記複数の貼付けローラーは、前記搬送方向に沿う
前記一方側及び他方側の駆動軸に対して
それぞれ同軸に回転可能で且つ一体に設けられ、前記複数の貼付けローラーのすべてが前記駆動軸上で同時に動作し且つ
前記搬送方向から見て対称の動作姿勢により連動し、
前記複数の貼付けローラーは、前記ラベルの前記端部を撫で付ける際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御するようにした、ラベル貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置およびラベル貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カップ容器として、例えば特許文献1に示されるような内容物が収容される有底筒状のカップ本体と、カップ本体の開口を閉塞するタブ材と、を備えた構成のものが知られている。このようなカップ容器では、カップ容器のタブ材からカップ本体の上部外周面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼付装置がある。
【0003】
このようなラベル貼付装置では、内容物が収容されタブ材でカップ本体が閉塞されたカップ容器を一方向に搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアで搬送されるカップ容器の上面にラベルを供給するラベル供給手段と、が設けられ、供給されたラベルがタブ材とカップ本体の上部外周面にわたって貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のようなラベル貼付装置によるラベル供給手段は、カップ容器の搬送方向を回転中心として回転可能なブラシを回転させ、そのブラシを搬送方向に直交する方向に進退移動させることで、カップ本体にラベルを撫で付けるようにして貼り付ける方法となっている。しかしながら、この場合には、ブラシとラベルとの摩擦や当たり具合によってラベルがずれた状態でカップ容器に貼り付けられるおそれがあった。
【0006】
また、従来のラベル貼付装置では、カップ容器のタブ材のタブの位置に重なってラベルが配置される場合には、ラベルがずれて貼り付けられることや、ラベルが浮いてしまい貼り付け状態が低下するという問題があった。しかも、ラベルの浮きによる不良は、画像検査による検出が難しく、不良品として取り除くことができずに不良品のまま出荷されてしまうおそれがあった。
【0007】
さらに、従来のラベル供給手段では、カップ容器の搬送移動を一時停止させて貼り付ける。つまり、製造中で搬送されるカップ容器は、不連続の搬送となることから、製品の大量生産には限界があり、連続的な搬送中にラベルの貼り付け作業が行われることが求められており、その点で改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、タブを有するタブ材を備えたカップ容器であっても精度よくかつ確実にラベルをカップ本体に貼り付けることができ、しかもラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができるラベル貼付装置およびラベル貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様は、内容物が収容される有底筒状のカップ本体と、該カップ本体の開口を閉塞するタブ材と、を備えたカップ容器において、前記カップ容器の前記タブ材から前記カップ本体の外周面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、前記タブ材で前記カップ本体が閉塞されたカップ容器を一方向の搬送方向に搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアで搬送される前記カップ容器の天面において、長手方向を前記搬送コンベアのコンベア幅方向に向けて前記ラベルを仮付けするラベル供給手段と、前記ラベル供給手段の下流側で、前記搬送コンベアを挟んで前記コンベア幅方向の少なくとも一方側及び他方側に設けられ、前記ラベル供給手段で前記ラベルを仮付けした複数の前記カップ容器に対して同時に、前記ラベルの長手方向の端部を前記タブ材の外周縁から前記カップ本体の外周面にかけて撫で付けることで貼り付ける複数の貼付けローラーと、を備え、前記複数の貼付けローラーは、前記搬送方向に沿う前記一方側及び他方側の駆動軸に対してそれぞれ同軸に回転可能で且つ一体に設けられ、前記複数の貼付けローラーのすべてが前記駆動軸上で同時に動作し且つ前記搬送方向から見て対称の動作姿勢により連動し、前記複数の貼付けローラーは、前記ラベルの前記端部を撫で付ける際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御される。
【0010】
本発明の他の態様は、内容物が収容される有底筒状のカップ本体と、該カップ本体の開口を閉塞するタブ材と、を備えたカップ容器において、前記カップ容器の前記タブ材から前記カップ本体の外周面にわたってラベルを貼り付けるラベル貼付方法であって、前記タブ材で前記カップ本体が閉塞され搬送コンベアによって一方向の搬送方向に搬送される前記カップ容器の天面に対して、長手方向を前記搬送コンベアのコンベア幅方向に向けて前記ラベルを仮付けする工程と、複数の前記カップ容器に仮付けされた前記ラベルの端部を、前記搬送コンベアを挟んで前記コンベア幅方向の少なくとも一方側及び他方側に設けられる複数の貼付けローラーを使用して前記タブ材の外周縁から前記カップ本体の外周面にかけて撫で付ける工程と、を有し、前記複数の貼付けローラーは、前記搬送方向に沿う前記一方側及び他方側の駆動軸に対してそれぞれ同軸に回転可能で且つ一体に設けられ、前記複数の貼付けローラーのすべてが前記駆動軸上で同時に動作し且つ前記搬送方向から見て対称の動作姿勢により連動し、前記複数の貼付けローラーは、前記ラベルの前記端部を撫で付ける際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御するようにした。
【0011】
上記態様によれば、搬送コンベアによって一方向に搬送されるカップ容器の天面に対して、長手方向を搬送コンベアのコンベア幅方向に向けてラベルを仮付けした後、複数のカップ容器に仮付けされたラベルの端部を、複数の貼付けローラーを使用してタブ材の外周縁からカップ本体の外周面にかけて撫で付けて貼り付けることができる。複数の貼付けローラーによってラベルの端部を撫で付ける際に、貼付けローラーを上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、カップ容器の搬送移動に追従するように制御することができる。このように本態様によれば、搬送コンベア上のカップ容器の搬送移動を停止させることなく、かつ複数のカップ容器に対して同時にラベルの端部を貼り付けることができる。そのため、ラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができる。
【0012】
また、本態様によれば、搬送移動されるカップ容器に対して貼付けローラーを追従させる構成であり、ラベルの端部を撫で付ける時間を増やすことができることから、ラベルの端部を精度よくかつ確実にカップ本体に貼り付けることができる。
さらに、本態様によれば、タブを有するタブ材を備えたカップ容器であって、タブにラベルが重なる場合であっても、貼付けローラーがラベルの端部と同時にタブも押し下げるため、タブ腰によるラベルのずれやラベルの浮き抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係るラベル貼付装置は、前記貼付けローラーで撫で付けて前記カップ本体に貼り付けた前記ラベルの端部を押圧するラベルダメ押し手段が設けられ、前記ラベルダメ押し手段は、前記ラベルの前記端部を押圧する際に、上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、前記カップ容器の搬送移動に追従するように制御するようにしたことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ラベルダメ押し手段によって貼付けローラーで撫で付けてカップ本体に貼り付けたラベルの端部をさらに押圧することで、より確実にラベルの端部をカップ本体に圧着させることができる。このとき、ラベルダメ押し手段を上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、カップ容器の搬送移動に追従するように制御するため、搬送コンベア上のカップ容器の搬送移動を停止させることなくラベルの端部をさらにカップ本体に対して圧着させることができる。そのため、ラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明に係るラベル貼付装置は、前記ラベルダメ押し手段は、前記カップ本体の外周面と同じ曲面形状に形成された押圧部を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、押圧部の押圧面形状がカップ本体の外周面の曲面形状と同じ形状となるので、より効果的なダメ押しとしての圧着が可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のラベル貼付装置およびラベル貼付方法によれば、タブを有するタブ材を備えたカップ容器であっても精度よくかつ確実にラベルをカップ本体に貼り付けることができる。
また、本発明のラベル貼付装置およびラベル貼付方法によれば、ラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるラベル貼付装置を上方から見た平面図である。
【
図3】カップ容器にラベルを仮付けした状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すタブ位置調整手段を上方から見た平面図である。
【
図7】タブ位置調整手段の動作を説明するための側面図である。
【
図8】ラベル折込み撫付け手段を上方から見た平面図である。
【
図9】
図8に示すラベル折込み撫付け手段を搬送方向から見た正面図である。
【
図11】ラベル折込み撫付け手段の貼付けローラーの動作を説明するための側面図である。
【
図12】ラベル折込み撫付け手段の貼付けローラーの動作を説明するための要部を拡大した正面図である。
【
図13】ラベルダメ押し手段を上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。
【0020】
本実施形態によるラベル貼付装置1は、
図1及び
図2に示すように、例えばプリン、ヨーグルト、ゼリー等の内容物を収容するカップ容器2の開口部を塞ぐタブ材22にラベル3を貼り付ける装置である。
【0021】
図3に示すように、カップ容器2は、内容物が収容される有底筒状のカップ本体21と、カップ本体21の開口を閉塞するタブ材22と、を備えている。カップ本体21は、横断面視で円形状の有底筒状に形成されている。
以下、横断面がなす円形状の中心を通る直線を容器軸Oという。容器軸Oに沿うタブ材22(開口端21a)側を上側、カップ本体21の底側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
【0022】
カップ本体21は、上側から下側に向かうに従い漸次縮径している。カップ本体21は、略円筒状の胴部21Aと、胴部21Aの下端を塞ぐカップ底21Bと、を有している。カップ本体21の開口端21aには、全周にわたって径方向の外側に向けて突出するフランジ部23を有している。このフランジ部23の上面には蓋部材からなるタブ材22が貼着されて、開口端21aが封止されている。つまり、内容物が収容されたカップ本体21は、タブ材22によって密閉されている。カップ本体21は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、若しくはポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂で形成されている。
【0023】
カップ本体21の開口端21aに貼着されるタブ材22は、外周縁22aのうち周方向の一部に径方向の外側に向けて突出する鍔状の開封用のタブ22Aを有している。タブ材22は、本実施形態においてシート状の透明フィルムからなり、装飾や文字情報などが印刷されていてもよい。
タブ22Aは、カップ容器2の開封操作を容易に行うために設けられ、開封容易性を確保するために左右方向中央が突出した輪郭形状となっている。
【0024】
カップ容器2には、タブ材22からカップ本体21の上部外周面21cにかけて帯状のラベル3が貼り付けられる。ラベル3は、長さ方向に延びるラベル中央部31と、ラベル中央部31の長さ方向の両端部3aに幅寸法が拡大されたラベル拡大部32と、を有している。ラベル3は、
図1及び
図2に示すラベル貼付装置1によってカップ容器2に貼り付けられた状態で、タブ材22のタブ22Aに対して周方向にずらした位置に貼り付けられる。
【0025】
ラベル3の貼り付け手順としては、先ずラベル中央部31がタブ材22の上面(カップ容器2の天面2a)に仮付けされる。このときラベル3の両端部3a、3aは、カップ本体21の上部外周面21c側に折り込まれていない状態となっている。次に、ラベル3の両端部3a、3aが下向きに折り込まれ、カップ本体21の上部外周面21cに貼り付けられる。
【0026】
ラベル貼付装置1は、カップ容器2にラベル3を貼り付けるための装置である。
図1及び
図2に示すように、ラベル貼付装置1は、搬送コンベア40と、タブ位置調整手段50と、ラベル供給手段60と、ラベル折込み撫付け手段70と、ラベルダメ押し手段80と、を備えている。
【0027】
搬送コンベア40は、
図1及び
図2において、紙面右側から左側に向けて移動される。このときの移動方向に沿う方向を搬送方向Xとし、搬送方向Xにおける移動方向の手前側を上流側、後側を下流側とする。また、搬送方向Xを上下方向Yで上方からみて直交する左右方向を左右方向Zとする。
タブ位置調整手段50、ラベル供給手段60、ラベル折込み撫付け手段70、及びラベルダメ押し手段80は、その順で搬送コンベア40の搬送方向Xの上流から下流に向かって配置されている。
【0028】
搬送コンベア40は、
図2に示すように、一定速度で移動して複数のカップ容器2をカップ底21Bを下にした姿勢にして搬送方向Xで上流から下流に連続的に搬送する。搬送されるカップ容器2は、搬送方向Xに所定間隔をあけて供給される。搬送コンベア40は、駆動プーリー42と、従動プーリー43に巻き回されて無端状に形成されている。
【0029】
搬送コンベア40には、カップ容器供給部Sが設けられており、その上流側から既にカップ本体21の開口端21aにタブ材22(
図3参照)が貼着された状態のカップ容器2が供給される。供給されるカップ容器2は、搬送コンベア40の左右方向Zの中央部に配置される。カップ容器2の周方向の向きは、カップ容器供給部Sに供給された状態においてとくに制限されていない。すなわち、カップ容器供給部Sにおいて搬送されるカップ容器2のタブ22Aの向きは周方向にばらついた状態となっている。
【0030】
搬送コンベア40は、
図4~
図6に示すように、カップ容器2が載置される位置で貫通する複数の貫通穴41を有している。貫通穴41は、搬送方向Xに沿って長く延び、左右方向Zに複数(ここでは4つ)配列されている。カップ容器供給部S(
図1及び
図2参照)において搬送コンベア40の表面40a上に連続的に供給されるカップ容器2は、少なくともいずれかの貫通穴41上に載置されて搬送される。
【0031】
図5では、見やすくするために紙面左から2番目に位置するカップ容器2が載置される部分にのみ貫通穴41が設けられているが、搬送コンベア40上に載置されるすべてのカップ容器2に対応するように貫通穴41が設けられている。
貫通穴41の形状は、本実施形態のように搬送方向Xに延びる長孔であることに制限されることはなく、円形、矩形、多孔形状(メッシュ形状)等、搬送コンベア40の下方から上方に向けてエアEを吹き出すことができる任意の形状に設定することが可能である。また、貫通穴41が設けられる領域は、
図5に示すように、カップ容器2のカップ本体21のカップ底21Bに対して均一に下記に示すエア供給部51からのエアEが当たるように配置されることが好ましい。
【0032】
タブ位置調整手段50は、カップ容器供給部Sの下流側に配置され、カップ容器2の向きをラベル3の貼り付け位置からずらした向きに調整する。
図4~
図6に示すように、タブ位置調整手段50は、搬送コンベア40の下方から貫通穴41を通じてコンベア上に向けてエアEを吹き出して搬送されカップ容器2を搬送コンベア40の表面40aから浮かせるエア供給部51と、搬送されるカップ容器2における左右方向Zの両側に位置し、エア供給部51で吹き出したエアEによって浮き上がった状態のカップ容器2を容器軸O周りに回転(
図5に示す矢印F1方向)させてカップ容器2の向きを変えるための複数の接触ローラー52(カップ方向変更部)と、を有している(
図7参照)。
【0033】
エア供給部51は、カップ容器2を浮上させる所定の区間において複数の貫通穴41からエアEが連続的に吹き上がるように吹き出す構成となっている。エア供給部51は、図示しないコンプレッサ等の加圧ポンプ等に接続されており、適宜な吹き出し圧でエアEが噴出されるようになっている。
エアEの吹き出し圧は、浮き上がるカップ容器2がその接地摩擦が無くなる程度に僅かに浮き上がる程度に設定されている。
図7に示すように、カップ容器2の向きを調整する区間では、カップ容器2は浮き上がり、搬送方向Xの下流側に移動してエアEの吹き出し区間を外れたカップ容器2は搬送コンベア40の表面40aに接地し、下流側へ搬送される。
【0034】
接触ローラー52は、
図4~
図7に示すように、エア供給部51によって浮上させたカップ容器2におけるタブ材22のタブ22Aの位置を左右方向Zを向く位置から外れた位置に回転させてずらす。接触ローラー52は、上下方向Yを向く回転軸52aを有し、回転軸52aを中心に回転可能に設けられている。接触ローラー52は、カップ容器2の左右方向Zに張り出したタブ22Aに接触可能に設けられている。接触ローラー52は、搬送方向Xに沿って搬送コンベア40の左右交互に配置されている。接触ローラー52は、
図6に示すように、搬送されるカップ容器2のフランジ部23の側方に位置し、フランジ部23およびタブ材22の外周縁22aには接しない位置であって、上述したように左右方向Zに突出するタブ22Aに対しては接触可能に設けられている。
【0035】
タブ位置調整手段50では、搬送コンベア40上を搬送方向Xに移動し、エア供給部51のエアEで浮き上がって接地摩擦がなくなったカップ容器2におけるタブ材22のタブ22Aが接触ローラー52に接した場合に、容器軸O周りに回転して周方向に向きを変える。これによりタブ22Aは、搬送方向Xの上流側を向き、少なくとも左右方向Zを向く位置から外れた位置となる。
【0036】
タブ位置調整手段50のエア供給部51において、搬送コンベア40の下方から貫通穴41を通じて搬送コンベア40上に向けてエアEが吹き出されることで、カップ容器2を搬送コンベア40から浮上させることができる。そして、左右方向Z両側に位置する接触ローラー52において、エアEによって浮上した状態のカップ容器2を容器軸O周りに回転させてカップ容器2の向きを変えることができる。
【0037】
そのため、搬送コンベア40上で搬送されるカップ容器2のタブ22Aを左右方向Zを向く位置から外れた位置に回転させることができる。このように本実施形態では、タブ22Aを有するタブ材22を備えたカップ容器2であっても、ラベル3の貼り付け位置からタブ22Aをずらした位置とすることができる。そのため、タブ22Aとラベル3とが重なって貼り付けられることを防止できるから、精度よくかつ確実にラベル3をカップ本体21に貼り付けることができる。
【0038】
図2に示すように、ラベル供給手段60は、搬送方向Xでタブ位置調整手段50の下流側に互いに間隔をあけて2台配置されている。ラベル供給手段60は、タブ位置調整手段50でカップ容器2の向きが調整され搬送コンベア40で搬送されるカップ容器2の天面2aに対してラベル3をそのラベル長手方向を左右方向Zに向けた状態で供給するラベル供給部61を備えている。すなわち、
図3に示すように、搬送されるカップ容器2の天面2aに貼り付けられたラベル3は、その長手方向の両端部3a、3aがカップ容器2から左右方向Zの外側に張り出した状態となる(
図1参照)。
【0039】
ラベル供給部61は、ラベル3を把持した状態で搬送されるカップ容器2の天面2aに対して近接離反するように移動する。ラベル供給部61では、ラベル3を把持した状態でラベル3のラベル中央部31の貼着面を天面2aに向けて近接するように移動させてから、天面2aにラベル3を押し当てて貼り付けた後、天面2aから離反させる動作が行われる。その後、ラベル供給部61には、次のカップ容器2に供給するラベル3が把持され、上記の供給動作が繰り返される。
【0040】
なお、本実施形態では、2台のラベル供給手段60によって搬送方向Xに連続的に搬送されるカップ容器2に対してラベル3を仮に貼り付けるように供給しているが、搬送されるカップ容器2に対して対応可能な供給能力を有するものであれば1台のラベル供給手段60であってもよい。
【0041】
図8及び
図9に示すように、ラベル折込み撫付け手段70は、搬送方向Xでラベル供給手段60の下流側において、搬送コンベア40の左右両側に設けられている。
ラベル折込み撫付け手段70では、
図3に示すように、カップ容器2の天面2aに仮付けされているラベル3の端部3aをカップ本体21のフランジ部23で折り込むとともに、上部外周面21cに撫で付けて貼り付ける動作が行われる。
【0042】
図8~
図10に示すように、ラベル折込み撫付け手段70は、ラベル供給手段60でラベル3を供給して仮付けした複数のカップ容器2に対して同時に、ラベル3の長手方向の端部3aをカップ本体21のフランジ部23(上端)から上部外周面21c(外周面)にかけて下方に撫で付け可能に設けられた複数(本実施形態では5つ)の貼付けローラー71と、複数の貼付けローラー71を連続的に搬送移動されるカップ容器2に追従させる追従駆動部72と、を備えている。
【0043】
図9及び
図10に示すように、貼付けローラー71は、追従駆動部72に支持された支持アーム73の先端部73aに回転可能に設けられている。貼付けローラー71の回転軸71aは、搬送方向Xに向けられている。
【0044】
追従駆動部72は、
図10に示すように、貼付けローラー71を回転軸71a周りに回転可能に支持する支持アーム73と、搬送方向Xに延びる水平ガイドレール741に沿って案内される水平スライダー74と、水平スライダー74に固定されるとともに上下方向Yに伸縮する伸縮シリンダ75と、伸縮シリンダ75の先端75aに固定され搬送方向Xに向けて延びる駆動軸76と、動力部77と、を備えている。
【0045】
動力部77は、支持アーム73、水平スライダー74、及び伸縮シリンダ75を駆動する。そして、支持アーム73、水平スライダー74、及び伸縮シリンダ75は、5つの貼付けローラー71がそれぞれに対応するカップ容器2に追従しながらラベル3の端部3aを撫で付けて貼り付けるように図示しない制御装置によって制御される。
【0046】
図9に示すように、支持アーム73は、上下方向Yに延びる第1アーム部731と、第1アーム部731の上端から左右方向Zでカップ容器2側に向けて延びる第2アーム部732と、を有し、搬送方向Xからみて略L型形状に形成されている。支持アーム73は、
図8及び
図9に示すように、貼付けローラー71毎に設けられている。これら5本の支持アーム73は、基端部73bにおいて各別に駆動軸76に対して回転可能に設けられている。5本の支持アーム73は、1本の駆動軸76に支持され、駆動軸76の追従移動とともに一体で追従移動する。
【0047】
図10に示すように、水平スライダー74を案内する水平ガイドレール741は、5つの貼付けローラー71で搬送移動されるカップ容器2に仮付けされているラベル3の端部3aを搬送移動に追従して撫で付けることが可能な長さに設けられている。
水平スライダー74は、水平ガイドレール741に案内されて搬送方向Xに沿って往復移動される。水平スライダー74は、搬送方向Xに一定の間隔をあけて2つ設けられている。
【0048】
伸縮シリンダ75は、水平スライダー74のそれぞれに固定され、駆動軸76、支持アーム73及び貼付けローラー71を上下方向Yに移動させる。伸縮シリンダ75の伸縮長は、貼付けローラー71による上下方向Yのラベル撫で付け長さに合わせて設定されている。
【0049】
駆動軸76は、支持架台78を介して一対の伸縮シリンダ75の先端75aに固定されている。駆動軸76には、その長手方向に間隔をあけて上述した5つの支持アーム73が回転可能に支持されている。支持アーム73及び貼付けローラー71の搬送方向Xの間隔は、搬送コンベア40上で搬送される複数のカップ容器2の配置間隔と同じに設定されている。
【0050】
追従駆動部72によって駆動制御される貼付けローラー71の動作としては、
図11及び
図12に示すように、先ずフランジ部23に当接し、カップ本体21に対して押圧するように貼付けローラー71を付勢させつつ下方に撫で付けるように移動させる。このとき、貼付けローラー71は支持アーム73の先端部73aで回転するので、ラベル3の端部3aはフランジ部23(
図3参照)で折り込まれ、さらにカップ本体21の上部外周面21cに貼り付けられる。
【0051】
図1及び
図2に示すように、ラベルダメ押し手段80は、搬送方向Xでラベル折込み撫付け手段70の下流側において、搬送コンベア40の左右両側に設けられている。
図13に示すように、ラベルダメ押し手段80は、貼付けローラー71で撫で付けて貼り付けたラベル3の端部3aをさらに押圧してカップ本体21に密着させるためのものである。
【0052】
ラベルダメ押し手段80は、左右方向Z及び上下方向Yに移動可能な第1ベース部81と、第1ベース部81に対して搬送方向Xに移動可能な第2ベース部82と、第2ベース部82上に固定され左右方向Zで搬送コンベア40の中心に向けて突出した押圧アーム83と、押圧アーム83の突出先端83aに設けられカップ本体21の上部外周面21cを押圧する押圧板84(押圧部)と、を備えている。
【0053】
押圧板84の押圧面84aは、カップ本体21の上部外周面21cに一致する曲面形状に形成されている。
【0054】
ラベルダメ押し手段80は、図示しない駆動手段によって、第1ベース部81、第2ベース部82が駆動され、搬送移動するカップ容器2に追従するように制御される。これにより、カップ本体21の上部外周面21cに貼り付けたラベル3の端部3aを押圧板84の押圧面84aで押圧する構成となっている。
【0055】
ラベルダメ押し手段80は、ラベル3の端部3aを押圧する際に、上下方向Yの移動と搬送方向Xの移動とを同時に動作させて、カップ容器2の搬送移動に追従するように制御するように構成されている。
【0056】
次に、上述したラベル貼付装置1およびラベル貼付方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、
図4~
図7に示すように、搬送コンベア40によって一方向に搬送されるカップ容器2の天面2aに対して、ラベル供給手段60で長手方向を搬送コンベア40の左右方向Zに向けてラベル3を仮付けした後、複数のカップ容器2に仮付けされたラベル3の端部3aを、ラベル折込み撫付け手段70の複数の貼付けローラー71を使用してタブ材22の外周縁22aからカップ本体21の上部外周面21cにかけて撫で付けて貼り付けることができる。
【0057】
複数の貼付けローラー71によってラベル3の端部3aを撫で付ける際に、貼付けローラー71を上下方向Yの移動と搬送方向Xの移動とを同時に動作させて、カップ容器2の搬送移動に追従するように制御することができる。このように本実施形態によれば、搬送コンベア40上のカップ容器2の搬送移動を停止させることなく、かつ複数のカップ容器2に対して同時にラベル3の端部3aを貼り付けることができる。そのため、ラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、搬送移動されるカップ容器2に対して貼付けローラー71を追従させる構成であり、ラベル3の端部3aを撫で付ける時間を増やすことができることから、ラベル3の端部3aを精度よくかつ確実にカップ本体21に貼り付けることができる。
さらに、本実施形態によれば、タブ22Aを有するタブ材22を備えたカップ容器2であって、タブ22Aにラベル3が重なる場合であっても、貼付けローラー71がラベル3の端部3aと同時にタブ22Aも押し下げるため、タブ腰によるラベル3のずれやラベル3の浮き抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、
図13に示すように、ラベルダメ押し手段80によって貼付けローラー71で撫で付けてカップ本体21に貼り付けたラベル3の端部3aをさらに押圧することで、より確実にラベル3の端部3aをカップ本体21に圧着させることができる。このとき、ラベルダメ押し手段80を上下方向の移動と搬送方向の移動とを同時に動作させて、カップ容器2の搬送移動に追従するように制御するため、搬送コンベア40上のカップ容器2の搬送移動を停止させることなくラベル3の端部3aをさらにカップ本体21に対して圧着させることができる。そのため、ラベル貼り付け工程の高速化を図ることで製造効率を向上させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、ラベルダメ押し手段80の押圧板84の押圧面84aの形状がカップ本体21の上部外周面21cの曲面形状と同じ形状となるので、より効果的なダメ押しとしての圧着が可能である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【0062】
例えば、本実施形態では、ラベル折込み撫付け手段70に5つの貼付けローラー71を備えた構成としているが、貼付けローラー71の数量は5つであることに限定されることはなく、複数配置されていればよく、適宜設定することができる。
【0063】
また、本実施形態では、ラベル折込み撫付け手段70の下流側に押圧部(押圧板84)を有するラベルダメ押し手段80を設けているが、このラベルダメ押し手段80を省略することも可能である。
また、ラベル折込み撫付け手段70の貼付けローラー71の形状をカップ本体21の外周面と同じ曲面形状に形成した押圧部であってもよい。この場合には、貼付けローラー71によってラベル3の端部3aの撫で付けと同時にダメ押しを行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ラベル貼付装置
2 カップ容器
2a 天面
3 ラベル
3a 端部
21 カップ本体
21c 上部外周面
22 タブ材
22A タブ
23 フランジ部
40 搬送コンベア
41 貫通穴
50 タブ位置調整手段
52 接触ローラー(カップ方向変更部)
60 ラベル供給手段
61 ラベル供給部
70 ラベル折込み撫付け手段
71 貼付けローラー
71a 回転軸
72 追従駆動部
73 支持アーム
74 水平スライダー
75 伸縮シリンダ
76 駆動軸
77 動力部
80 ラベルダメ押し手段
84 押圧板(押圧部)
E エア
O 容器軸
X 搬送方向
Y 上下方向
Z 左右方向(コンベア幅方向)