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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示装置及び駆動制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20241210BHJP
   B60K 35/22 20240101ALI20241210BHJP
   B60K 35/60 20240101ALI20241210BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241210BHJP
   G09G 5/373 20060101ALI20241210BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60K35/22
B60K35/60
G09F9/00 312
G09F9/00 351
G09F9/00 362
G09G5/373
H04N5/66 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020190033
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079076
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古石 朋久
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008870(JP,A)
【文献】特開2019-116222(JP,A)
【文献】特開2003-002083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0193644(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0135192(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19924618(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0054255(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60K 35/22
B60K 35/60
G09F 9/00
G09G 5/373
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられた収納部に少なくとも一部が収納可能な表示部に画像を表示させる表示制御部と、
前記表示部を、上下移動及び回転により駆動させることで、前記表示部の画像が表示される領域のうち、前記収納部に収納されていない領域である露出領域が、前記表示制御部が表示させる画像に示される情報の内容及び分量に応じたサイズになるように、前記露出領域を変動させる駆動制御部と、
を備え
前記表示制御部は、前記露出領域のサイズに応じて、前記表示部に表示させる画像の表示態様を変更する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記車両が走行中である場合、前記露出領域が前記車両の運転者の視界を遮らないように前記表示部を駆動させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動制御部は、前記車両が手動運転により走行中である場合、前記露出領域が前記車両の運転者の視界を遮らないように前記表示部の駆動範囲を制限し、前記車両が自動運転により走行中である場合、前記表示部の駆動範囲の制限を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
車両に備えられた収納部に少なくとも一部が収納可能な表示部に画像を表示させる表示制御工程と、
前記表示部を、上下移動及び回転により駆動させることで、前記表示部の画像が表示される領域のうち、前記収納部に収納されていない領域である露出領域が、前記表示制御工程が表示させる画像に示される情報の内容及び分量に応じたサイズになるように、前記露出領域を変動させる駆動制御工程と、
を含み、
前記表示制御工程は、前記露出領域のサイズに応じて、前記表示部に表示させる画像の表示態様を変更する
ことを特徴とする駆動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のインストルメントパネルのセンター等に配置される情報表示用ディスプレイが知られている。近年、情報表示用ディスプレイは、その用途がメータ等にも拡大され、表示する情報量が増大してきている。
【0003】
情報量の増大にともない、情報表示用ディスプレイを横方向に大型化すること、複数の小型の情報表示用ディスプレイを並べて配置すること等が提案されている。さらには、乗員から車両の外が見えなくなる程度にまで情報表示用ディスプレイを大きくすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-95085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、表示する画像の態様に応じてディスプレイを柔軟に配置することが難しい場合がある。例えば、引用文献1に記載の技術では、縦長の画像を表示する場合、ディスプレイに何も表示されない領域ができることがある。そのような領域は、乗員にとって有益でないばかりか、視界の邪魔になる場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示する画像の態様に応じてディスプレイを柔軟に配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、表示制御部と、駆動制御部とを有する。表示制御部は、車両に備えられた収納部に少なくとも一部が収納可能な表示部に画像を表示させる。駆動制御部は、上下移動及び回転により表示部を駆動させることで、表示部の画像が表示される領域のうち、収納部に収納されていない領域である露出領域を変動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示する画像の態様に応じてディスプレイを柔軟に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の概要を示す図である。
図2図2は、ロール機構の駆動の概要を示す図である。
図3図3は、ディスプレイの上下移動を説明する図である。
図4図4は、ディスプレイの回転を説明する図である。
図5図5は、ロール機構の構成例を示す図である。
図6図6は、ロール機構の構成例を示す図である。
図7図7は、ロール機構の構成例を示す図である。
図8図8は、ディスプレイの上下移動を説明する図である。
図9図9は、実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る表示装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する表示装置及び駆動制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
まず、図1を用いて、実施形態に係る表示装置の概要を説明する。図1は、実施形態に係る表示装置の概要を示す図である。
【0012】
図1に示すように表示装置10は、車両1の車室2内に備えられる。図1の例では、表示装置10は、インストルメントパネル3の上部に備えられている。表示装置10の設置位置は、図1に示すものに限られない。
【0013】
表示装置10は、カーナビゲーションシステム及びオーディオシステムに関する情報を表示する。また、表示装置10は、各種メータ等の車両1に関する情報を表示するものであってもよい。また、表示装置10は、タッチパネルを搭載したものであってもよい。
【0014】
ここでは、図1のように、X軸、Y軸、Z軸を定める。すなわち、X軸の正の方向(以下、単に「X軸方向」と表記)は、車両の進行方向を向いたときの右方向である。また、Y軸の正の方向(以下、単に「Y軸方向」と表記)は、車両の進行方向である。また、Z軸の正の方向(以下、単に「Z軸方向」と表記)は、車両の進行方向を向いたときの上方向である。
【0015】
実施形態の方法では、表示装置10は、車両1に備えられた収納部に少なくとも一部が収納可能な表示部に画像を表示させる。また、実施形態の方法では、表示装置10は、表示部を、上下移動及び回転により駆動させることで、表示部の画像が表示される領域のうち、収納部に収納されていない領域である露出領域を変動させる。
【0016】
これにより、ディスプレイの画像を表示していない領域が目障りであったり、視界の邪魔になることを防止できる。
【0017】
ここで、表示装置10の画面表示のためのディスプレイと一体となったユニットである表示部は、上下移動及び回転が可能である。回転は、ロール機構として機能する駆動部により実現される。図2は、ロール機構の駆動の概要を示す図である。
【0018】
図2に示すように、ベースシャーシ20に収められた駆動部12は、表示部11を、表示面に直交する回転軸12aで回転(ロール)させる。これにより、駆動部12は、表示部11の姿勢を、縦姿勢から横姿勢に変更することができる。
【0019】
縦姿勢とは、画面を表示する矩形の領域の短辺がX軸と平行になる状態である。また、横姿勢とは、画面を表示する矩形の領域の長辺がX軸と平行になる状態である。
【0020】
図3は、ディスプレイの上下移動を説明する図である。図3に示すように、表示部11は、駆動部12を介した駆動により、車両1に備えられた収納部30から完全に露出する位置と、収納部30に完全に覆われる位置との間を移動する。
【0021】
露出領域11aは、収納部30に収納されていない領域である。また、収納部30は、インストルメントパネル3のアッパーライン3aよりも下側(Z軸の負の方向)に設けられた空間である。
【0022】
図3に示すように、表示部11の上下移動に合わせて露出領域11aが変動する。なお、表示部11を上下に駆動させる方法は、引用文献1に記載された方法であってもよい。
【0023】
図4は、ディスプレイの回転を説明する図である。図4に示すように、駆動部12は、表示部11を90度回転させることにより、表示部11の状態を縦姿勢と横姿勢の間で遷移させることができる。
【0024】
図4のように、回転動作をインストルメントパネル3の収納部30の内部で行うことで、乗員の接触等による動作の阻害を防止できる。
【0025】
ここで、駆動部12によって実現されるロール機構について説明する。図5から図7は、ロール機構の構成例を示す図である。これらの図は、表示部11の背面側(Y軸の正の側)からみた駆動部12の構成を示している。図5は、縦姿勢を示している。一方、図6及び図7は、駆動部12が縦姿勢から表示部11を回転した状態を示している。これらの図では、説明の便宜上、一部の部材を透過して示している。
【0026】
図5に示すように、駆動部12は、表示部11の表示面と平行に配置された基準部材となるベースプレート121を備えている。表示部11の表示面及びベースプレート121は、左右方向(X軸方向)と上下方向(Z軸方向)とで規定される平面に平行になっているものとして説明する。
【0027】
駆動部12は、表示部11の表示面と平行に配置され、表示部11に固定されたターンテーブル111を備えている。ターンテーブル111は、ベースプレート121に回転軸12aで回転可能に接続されている。このターンテーブル111が回転することで、ベースプレート121に対して表示部11が回転する。
【0028】
ターンテーブル111は、回転軸12aから相対的に遠い位置に3つの保持シャフト111a、111b、111cと、回転軸12aから相対的に近い位置に1つの作用シャフト111sとを備えている。3つの保持シャフト111a、111b、111cは、ベースプレート121に円弧状に設けられた3つのガイド溝121aにそれぞれ嵌合している。これにより、ターンテーブル111が、ベースプレート121から外れないようになっている。
【0029】
また、回転軸12aに近い作用シャフト111sも、ベースプレート121に円弧状に設けられたガイド溝121sに嵌合しており、該ガイド溝121sに沿って移動可能である。ベースプレート121は回転軸12aの方向を規定するため、ベースプレート121に対する回転軸12aの位置は一定である。したがって、この作用シャフト111sの位置を移動させて、回転軸12aと作用シャフト111sとの相対位置を変更することで、ベースプレート121に対してターンテーブル111を回転させることができる。
【0030】
また、駆動部12は、ベースプレート121に対して直線的に移動する2つのスライダ122、123を備えている。
【0031】
第1スライダ122は、3つのシャフト122bを備えている。3つのシャフト122bは、ベースプレート121に設けられた上下方向(Z軸方向)に沿った3つのガイド溝121bに嵌合している。このため、第1スライダ122は、3つのガイド溝121bに沿って上下方向(Z軸方向)にベースプレート121に対して移動可能となっている。
【0032】
また、第2スライダ123も、3つのシャフト123a、123bを備えている。3つのシャフト123a、123bは、ベースプレート121に設けられた左右方向(X軸方向)に沿った3つのガイド溝121cに嵌合している。このため、第2スライダ123は、3つのガイド溝121cに沿って左右方向(X軸方向)にベースプレート121に対して移動可能となっている。
【0033】
また、第1スライダ122は、ガイド溝122aを備えている。このガイド溝122aは、全体として上下方向(Z軸方向)に対して傾斜している。ただし、ガイド溝122aの両端部は上下方向(Z軸方向)に沿って延びている。このガイド溝122aに対して、第2スライダ123の1つのシャフト(以下、「従動シャフト」という。)123aが嵌合している。したがって、従動シャフト123aは、ベースプレート121のガイド溝121cと、第1スライダ122のガイド溝122aとの双方に嵌合している。
【0034】
また、第2スライダ123は、上下方向(Z軸方向)に沿ったガイド溝123sを備えている。このガイド溝123sに対して、ターンテーブル111の作用シャフト111sが嵌合している。したがって、作用シャフト111sは、ベースプレート121のガイド溝121sと、第2スライダ123のガイド溝123sとの双方に嵌合している。
【0035】
第1スライダ122が移動すると、第1スライダ122のガイド溝122aに嵌合した従動シャフト123aが移動する。この従動シャフト123aの移動により、第2スライダ123が移動する。第2スライダ123が移動すると、第2スライダ123のガイド溝123sに嵌合した作用シャフト111sが移動する。この作用シャフト111sの移動により、ベースプレート121に対してターンテーブル111が回転する。すなわち、ベースプレート121に対して表示部11が回転することになる。
【0036】
例えば、図5に示す縦姿勢から、第1スライダ122が下側(Z軸の負の方向)に移動すると、図6に示すように、従動シャフト123aは、2つのガイド溝121c、122aに沿って図中左側(X軸方向)に移動する。これにより、第2スライダ123も、図中左側(X軸方向)に移動する。この第2スライダ123の移動により、作用シャフト111sは、2つのガイド溝121s、123sに沿って円弧状に図中右回りで移動する。その結果、ベースプレート121に対して表示部11が回転軸12aで図中右回りに回転することになる。
【0037】
そして、図6に示す状態からさらに第1スライダ122が下側(Z軸の負の方向)に移動すると、図7に示すように、従動シャフト123a、第2スライダ123及び作用シャフト111sがさらに移動する。その結果、表示部11が、縦姿勢から回転軸12aを中心に図中右回りに90度回転して、表示面の長手方向が左右方向(X軸方向)に沿った横姿勢になる。このように表示部11が横姿勢になると、第1スライダ122の下端部に形成された嵌合溝122dが、ターンテーブル111の1つの保持シャフト111bと嵌合する。これにより、ターンテーブル111がロックされ、表示部11の横姿勢が保持される。
【0038】
逆に、図7に示す横姿勢の状態から、第1スライダ122が上側(Z軸方向)に移動すると、図6に示すように、従動シャフト123aは、2つのガイド溝121c、122aに沿って図中右側(X軸の負の方向)に移動する。これにより、第2スライダ123も、図中右側(X軸方向)に移動する。この第2スライダ123の移動により、作用シャフト111sは、2つのガイド溝121s、123sに沿って円弧状に図中左回りで移動する。その結果、ベースプレート121に対して表示部11が回転軸12aで図中左回りに回転することになる。
【0039】
そして、図6に示す状態からさらに第1スライダ122が上側(Z軸方向)に移動すると、図5に示すように、従動シャフト123a、第2スライダ123及び作用シャフト111sがさらに移動する。その結果、表示部11が、表示面の短手方向が左右方向(X軸方向)に沿った縦姿勢の縦姿勢に戻ることになる。このように表示部11が縦姿勢になると、第1スライダ122の上端部に形成された嵌合溝122cが、ターンテーブル111の1つの保持シャフト111aと嵌合する。これにより、ターンテーブル111がロックされ、表示部11の縦姿勢が保持される。
【0040】
また、駆動部12は、駆動力を発生する駆動源となるモータ129と、モータ129の駆動力を伝達する複数のギア124とを備えている。これらモータ129及び複数のギア124は、ベースプレート121に配置される。
【0041】
また、第1スライダ122は、上下方向(Z軸方向)に沿ったラックギア122gを備えている。このラックギア122gには、複数のギア124の一つが係合している。したがって、モータ129の駆動力は、複数のギア124を介して第1スライダ122に伝達される。モータ129が回転すると、第1スライダ122は、3つのガイド溝121bに沿って上下方向(Z軸方向)に移動する。
【0042】
また、駆動部12は、駆動部12によって変更される表示部11の姿勢を検出するための2つの位置スイッチ128a、128bを備えている。一方の上部位置スイッチ128aは、ベースプレート121の上部に配置される。図5に示すように、上部位置スイッチ128aは、可動範囲の上端部に移動した第1スライダ122の一部と接触してオンとなる。これにより、上部位置スイッチ128aは、表示部11の姿勢が縦姿勢であることを検出する。
【0043】
また、他方の下部位置スイッチ128bは、ベースプレート121の下部に配置される。図7に示すように、下部位置スイッチ128bは、可動範囲の下端部に移動した第1スライダ122の一部と接触してオンとなる。これにより、下部位置スイッチ128bは、表示部11の姿勢が横姿勢であることを検出する。
【0044】
図8は、ディスプレイの上下移動を説明する図である。図8に示すように、表示部11は、縦姿勢の場合であっても、横姿勢の場合と同様に駆動する。つまり、表示部11は、駆動部12を介した駆動により、車両1に備えられた収納部30から完全に露出する位置と、収納部30に完全に覆われる位置との間を移動する。
【0045】
図9は、実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。図9に示すように、表示装置10は、表示部11、駆動部12、記憶部13及び制御部14を有する。
【0046】
表示部11は、画像を表示するディスプレイを備える。駆動部12は、表示部11を上下移動及び回転により駆動させる。
【0047】
表示装置10の記憶部13及び制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0048】
また、記憶部13は、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、各種プログラムの情報等を記憶することができる。
【0049】
なお、表示装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0050】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部14の表示制御部141及び駆動制御部142として機能する。
【0051】
表示制御部141は、車両1に備えられた収納部30に少なくとも一部が収納可能な表示部11に画像を表示させる。
【0052】
駆動制御部142は、表示部11を、上下移動及び回転により駆動させることで、表示部11の画像が表示される領域のうち、収納部30に収納されていない領域である露出領域11aを変動させる。
【0053】
なお、駆動制御部142は、ロール機構等を実現する駆動部12を介して表示部11を駆動させる。
【0054】
駆動制御部142は、表示制御部141が表示させる画像に示される情報の内容及び分量に応じて表示部11を駆動させる。
【0055】
例えば、画像に1行だけの文字列が表示される場合、露出領域11aが当該文字列を視認可能な最低限の大きさになるように、駆動制御部142は表示部11を駆動させる。
【0056】
一方、車両1が後方に進行する際に、車両1の後方を映した画像が表示制御部141によって表示される場合がある(いわゆるバックモニタ)。この場合、駆動制御部142は、露出領域11aが最大になるように、表示部11を上側に移動させる。
【0057】
これは、バックモニタの画像は、利便性及び安全性を考慮するとなるべく大きく表示された方が望ましいためである。
【0058】
例えば、表示部11が縦姿勢であり、表示制御部141が表示させる画像が横長の画像である場合、駆動制御部142は、表示部11を回転させ横姿勢にする。逆に、例えば、表示部11が横姿勢であり、表示制御部141が表示させる画像が縦長の画像である場合、駆動制御部142は、表示部11を回転させ縦姿勢にする。
【0059】
このように、駆動制御部142は、露出領域11aが、表示制御部141が表示させる画像の表示態様に応じたサイズになるように、表示部11を駆動させる。この場合、表示態様は、画像の大きさ、縦長であるか横長であるか等に相当する。
【0060】
これにより、表示装置10は、露出領域11aを、情報を視認可能であり、かつ視界の邪魔にならない最適な大きさに調整することができる。
【0061】
表示部11は、乗員が手動で駆動させることができるように構成されていてもよい。例えば、乗員は、手で表示部11を押し下げたり引き上げたりすることで、上下に駆動させることができる。
【0062】
そして、表示制御部141は、乗員が表示部11を手動で駆動させた後の露出領域11aの大きさに合うように、画像の大きさを変更する。このように、表示制御部141は、露出領域11aのサイズに応じて、表示部11に表示させる画像の表示態様を変更する。
【0063】
これにより、表示の内容や量に応じて、運転者が任意に表示サイズを選択可能になり、運転中に目障りとなるような表示を防止することができる。
【0064】
また、露出領域11aの大きさによっては、車両1の運転者の視界を遮ってしまう場合がある。そこで、駆動制御部142は、車両1が走行中である場合、露出領域11aが車両1の運転者の視界を遮らないように表示部11を駆動させる。これにより、運転中の安全を確保することができる。
【0065】
例えば、駆動制御部142は、国土交通省によって定められた直接前方視界の技術基準を満たす範囲で表示部11を駆動させるようにしてもよい。
参考文献:国土交通省 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示[2003.09.26]別添29(直接前方視界の技術基準) <https://www.mlit.go.jp/jidosha/>
【0066】
ただし、車両1が特に自動運転レベル5に相当するような自動運転を行っている場合、表示部11は運転者の視界を遮る範囲まで移動してもよい。その場合、駆動制御部142は、車両1が手動運転により走行中である場合、露出領域11aが車両1の運転者の視界を遮らないように表示部11の駆動範囲を制限し、車両1が自動運転により走行中である場合、表示部11の駆動範囲の制限を解除する。
【0067】
また、車両1が停車中である場合も、制限を解除するようにしてもよい。これにより、停車中や自動運転中等においては、視界を遮るほどの大画面で情報量の多い表示や動画等を視聴することができる。
【0068】
図10を用いて、実施形態に係る表示装置10において実行される処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る表示装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0069】
図10に示すように、まず、表示装置10は、ディスプレイ(表示部)に表示される画像の表示態様が変更されたか否かを確認する(ステップS101)。
【0070】
ディスプレイに表示される画像の表示態様が変更された場合(ステップS101:Yes)、表示装置10は、ディスプレイを駆動し、画像の表示態様に応じて露出領域のサイズを変更する(ステップS102)。
【0071】
一方、画像の表示態様が変更されていない場合(ステップS101:No)、表示装置10は、手動でディスプレイが駆動されたか否かを確認する(ステップS103)。
【0072】
手動でディスプレイが駆動された場合(ステップS103:Yes)、表示装置10は、駆動後の露出領域のサイズに応じて画像の表示態様を変更する(ステップS104)。手動でディスプレイが駆動された場合(ステップS103:No)、表示装置10は処理を終了する。
【0073】
このように、表示装置10は、表示制御部141と、駆動制御部142とを有する。表示制御部141は、車両1に備えられた収納部30に少なくとも一部が収納可能な表示部11に画像を表示させる。駆動制御部142は、上下移動及び回転により表示部11を駆動させることで、表示部11の画像が表示される領域のうち、収納部30に収納されていない領域である露出領域11aを変動させる。
【0074】
上述してきたように、表示部11は、上下移動だけでなく回転することもできる。このため、本実施形態によれば、表示する画像の態様に応じてディスプレイを柔軟に配置することができる。
【0075】
また、従来、情報を表示していない状態の平板なディスプレイを大型化したり、多数並べることも提案されているが、そのような案ではインテリアのデザインを損ねることがある。それに対し、本実施形態では、ディスプレイの配置の自由度が高いため、インテリアのデザインを損なわないようにすることもできる。
【0076】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 車両
2 車室
3 インストルメントパネル
10 表示装置
11 表示部
12 駆動部
13 記憶部
14 制御部
20 ベースシャーシ
30 収納部
141 表示制御部
142 駆動制御部
図1
図2
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図10