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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/92 20240101AFI20241210BHJP
   H04N 1/407 20060101ALI20241210BHJP
   H04N 5/202 20230101ALI20241210BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06T5/92
H04N1/407 740
H04N5/202
G09G5/36 300
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020204288
(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公開番号】P2022091446
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】北野 勝彦
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-057234(JP,A)
【文献】特開2011-097465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 5/92
H04N 1/407
H04N 5/202
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置であって、
前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成部と、
前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正部と、
前記ガンマカーブ補正部が補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正部と、を備え、
前記ガンマカーブ補正部は、前記ガンマカーブを複数の区間に分割した区間毎に、前記参照ガンマカーブとの差異が前記第1の所定範囲に収まるように、当該区間における前記ガンマカーブの補正量を決定することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ガンマカーブ生成部は、前記入力画像の輝度の累積ヒストグラムに基づき、前記ガンマカーブを生成することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記参照ガンマカーブは、線形であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ガンマカーブ補正部は、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブと前記参照ガンマカーブとの交点、および、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブ上の隣り合う前記交点間の点の少なくとも一方に基づき、前記ガンマカーブを前記複数の区間に分割することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ガンマカーブ補正部は、前記交点と、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブ上において、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブと前記参照ガンマカーブとの差異が極大となる点から第2の所定範囲内の点とに基づき、前記ガンマカーブを前記複数の区間に分割することを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置の制御方法であって、
前記表示装置が、前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成工程と、
前記表示装置が、前記ガンマカーブ生成工程において生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正工程と、
前記表示装置が、前記ガンマカーブ補正工程において補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正工程と、を含み、
前記ガンマカーブ補正工程は、前記ガンマカーブを複数の区間に分割した区間毎に、前記参照ガンマカーブとの差異が前記第1の所定範囲に収まるように、当該区間における前記ガンマカーブの補正量を決定する工程を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機、VTR(Video Tape Recorder)、デジタルカメラ、テレビジョンカメラおよびプリンタなどの表示装置は、画質向上のために、コントラストを調整するなど、入力画像に含まれる画素の輝度(入力画像の輝度)を補正する機能を有している。入力画像の輝度を補正する技術としては、ガンマカーブを用いる技術などが挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、補正区間設定部と、補正区間分割部と、ヒストグラム算出部と、ゲイン設定部と、ガンマカーブ生成部と、ガンマカーブ合成部と、輝度変換部と、を備える画像処理装置(表示装置)が記載されている。
【0004】
補正区間設定部は、輝度補正処理を行う輝度レベルの範囲である補正区間を設定する。補正区間分割部は、補正区間を黒側区間と白側区間とに分割する。ヒストグラム算出部は、黒側区間および白側区間の輝度ヒストグラムの総数を算出する。
【0005】
ゲイン設定部は、黒側区間および白側区間の輝度ヒストグラムの総数に基づき、輝度を上げるガンマカーブおよび輝度を下げるガンマカーブのゲインを設定する。例えば、ゲイン設定部は、黒側区間の輝度ヒストグラムの総数のほうが多い場合には、補正区間(例えば、黒側区間)の輝度を上げるゲインを設定し、白側区間の輝度ヒストグラムの総数のほうが多い場合には、補正区間の出力輝度を下げるゲインを設定する。
【0006】
ガンマカーブ生成部は、設定されたゲインに基づき、輝度を上げるガンマカーブおよび輝度を下げるガンマカーブを生成する。ガンマカーブ合成部は、輝度を上げるガンマカーブと、輝度を下げるガンマカーブとを補正区間以外で合成する。輝度変換部は、合成されたガンマカーブを用いて補正区間内の入力輝度データに対して輝度変換処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-17200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のような従来技術は、黒側区間の黒つぶれおよび白側区間の白飛びを減らすことができるが、補正区間のうち、中輝度領域を補正するガンマカーブは生成しないため、入力画像全体における各輝度に対して適切な補正をすることができない。
【0009】
そのため、上述のような従来技術では、例えば、入力画像を補正すると、特定の輝度領域が過度に強調されてしまい、自然なコントラストとならない。すなわち、画像全体のコントラストを高めることができない。
【0010】
本発明一態様は、特定の輝度の領域が過度に強調されず、自然なコントラストとなるように入力画像を補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置であって、前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成部と、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正部と、前記ガンマカーブ補正部が補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様に係る表示装置の制御方法は、補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置の制御方法であって、前記表示装置が、前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成工程と、前記表示装置が、前記ガンマカーブ生成工程において生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正工程と、前記表示装置が、前記ガンマカーブ補正工程において補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、特定の輝度の領域が過度に強調されず、自然なコントラストとなるように入力画像を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に関わる表示装置の外観を示す概略図である。
図3】入力画像の第1のヒストグラムの一例を示す図である。
図4】第2のヒストグラムの一例を示す図である。
図5】生成されたガンマカーブ、および、生成されたガンマカーブのヒストグラムの一例を示す図である。
図6】生成されたガンマカーブの補正について説明するための図である。
図7】ガンマカーブの複数の区間への分割について説明するための図である。
図8】補正されたガンマカーブ、および、補正されたガンマカーブのヒストグラムの一例を示す図である。
図9】実施形態1に係る表示装置の制御方法を示すフローチャートである。
図10】実施形態2に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図11】生成されたガンマカーブの複数の区間への分割について説明するための図である。
図12】実施形態2に係る表示装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、図1~9を用いて、実施形態1に係る表示装置1および表示装置1の制御方法を説明する。
【0016】
〔表示装置1〕
表示装置1は、補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置である。
【0017】
図1は、実施形態1に係る表示装置1の構成を示す図である。図2は、実施形態1に係る表示装置1の外観を示す概略図である。図1のように、表示装置1は、入力画像取得部11と、ガンマカーブ生成部12と、ガンマカーブ補正部13と、輝度補正部14と、表示部15と、を備えている。
【0018】
[入力画像取得部11]
入力画像取得部11は、例えば、放送波を受信する受信部(図示せず)、外部装置(BDプレイヤー、DVDプレイヤー、パーソナルコンピュータおよびゲーム機器など)からの入力を受け付ける入力部(図示せず)、記録媒体(図示せず)を読み取る読取部(図示せず)などから入力画像を取得する。
【0019】
[ガンマカーブ生成部12]
ガンマカーブ生成部12は、入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成する。図1に示す例では、ガンマカーブ生成部12は、第1のヒストグラム生成部121と、第2のヒストグラム生成部122とを備えている。
【0020】
ガンマカーブ生成部12は、入力画像の輝度の第1のヒストグラムを生成した後、第1のヒストグラムに基づいて入力画像の輝度の累積ヒストグラムである第2のヒストグラムを生成し、第2のヒストグラムに基づいてガンマカーブを生成する。
【0021】
例えば、ガンマカーブ生成部12は、第2のヒストグラムである累積ヒストグラムの形状に沿うようにガンマカーブを生成する。
【0022】
このように、入力画像の輝度の累積ヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成することにより、全ての輝度の度数がより好適に平坦化されるようにガンマカーブを生成することができる。
【0023】
以下、第1のヒストグラム生成部121および第2のヒストグラム生成部122について詳細に説明する。
【0024】
(第1のヒストグラム生成部121)
第1のヒストグラム生成部121は、入力画像取得部11が取得した入力画像に含まれる画素の輝度に基づき、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像における各輝度の度数との関係を示す第1のヒストグラムを生成する。
【0025】
(第2のヒストグラム生成部122)
第2のヒストグラム生成部122は、第1のヒストグラム生成部121が生成した第1のヒストグラムに基づき、第2のヒストグラムを生成する。
【0026】
具体的には、第2のヒストグラム生成部122は、第1のヒストグラムに基づき、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像に含まれる画素の輝度のうち、ある輝度以下の合計度数である累積相対度数との関係を示す累積ヒストグラムを第2のヒストグラムとして生成する。
【0027】
〔ガンマカーブ生成部12によるガンマカーブ生成例〕
以下、図3~5を用いて、ガンマカーブ生成部12によるガンマカーブの生成の一例を説明する。
【0028】
図3は、入力画像の第1のヒストグラムの一例を示す図である。図4は、第2のヒストグラムの一例を示す図である。図5は、生成されたガンマカーブC1、および、生成されたガンマカーブC1のヒストグラムを示す図である。
【0029】
(第1のヒストグラム生成部121による第1のヒストグラム生成例)
まず、ガンマカーブ生成部12における第1のヒストグラム生成部121は、入力画像取得部11が取得した入力画像に含まれる画素の輝度に基づき、図3のように、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像における各輝度の度数との関係を示す第1のヒストグラムを生成する。図3のように、入力画像の第1のヒストグラムは、特定の輝度の度数が高く、偏りが生じている。
【0030】
(第2のヒストグラム生成部122による第2のヒストグラム生成例)
次に、第2のヒストグラム生成部122は、第1のヒストグラムに基づき、図4のように、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像における各輝度の累積相対度数との関係を示す累積ヒストグラムを第2のヒストグラムとして生成する。
【0031】
(ガンマカーブ生成部12によるガンマカーブ生成例)
次に、ガンマカーブ生成部12は、第2のヒストグラムである累積ヒストグラムに基づき、図5の生成されたガンマカーブC1の図に示すガンマカーブC1を生成する。これにより、図5の生成されたガンマカーブC1のヒストグラムを示す図のように、各補正輝度に対する度数の偏りが少なくなる。
【0032】
このように、ガンマカーブを生成することによって、第2のヒストグラムなどのヒストグラムの度数を平坦化することができる。また、第2のヒストグラムである累積ヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成することにより、全ての輝度の度数がより好適に平坦化されるようにガンマカーブを生成することができる。
【0033】
[ガンマカーブ補正部13]
ガンマカーブ補正部13は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正する。
【0034】
ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブを補正せずに用いて入力画像の輝度を補正すると、白飛びおよび黒つぶれなどが発生する可能性がある。
【0035】
これに対し、本実施形態では、ガンマカーブ補正部13によって補正されたガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する。これにより、特定の輝度の領域が過度に強調され、白飛びおよび黒つぶれが生じることを防ぎつつ、自然なコントラストとなるように入力画像の輝度を補正することができる。
【0036】
参照ガンマカーブは、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブにゲインをかけて補正する際に基準となるカーブであり、参照ガンマカーブの形状に応じて、補正後のガンマカーブの形状が変化する。参照ガンマカーブの形状は特に限定されないが、線形であってもよい。
【0037】
参照ガンマカーブが線形であることにより、生成したガンマカーブの特定の輝度領域が過度に強調されないようにガンマカーブをより好適に補正することができる。これにより、画像全体のコントラストを高めつつ、自然なコントラストの画像となるようにより好適に補正可能なガンマカーブに補正することができる。
【0038】
また、参照ガンマカーブは、黒側区間などの低輝度を下げたものであってもよい。これにより、コントラストが強調されるように、入力画像を補正することができる。
【0039】
一態様において、第1の所定範囲は、参照ガンマカーブを中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値に対して絶対値が10%以下となる範囲であってもよい。例えば、第1の所定範囲は、参照ガンマカーブを中心として、補正前輝度および補正後輝度の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲であってもよい。
【0040】
第1の所定範囲がこのような範囲であることにより、最終的に特定の輝度の領域が過度に強調されることをより好適に防ぎ、自然なコントラストとなるように入力画像全体の各輝度に対してより適切な補正することができる。
【0041】
なお、上述の例では、第1の所定範囲は、参照ガンマカーブを中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値に対して絶対値が10%以下となる範囲となっている。ただし、第1の所定範囲は、最終的に特定の輝度の領域が過度に強調されることを防ぎ、自然なコントラストとなるように入力画像全体の各輝度に対して適切な補正可能なガンマカーブに補正できる範囲であれば、任意の範囲であってよい。
【0042】
例えば、第1の所定範囲は、参照ガンマカーブを中心として、補正前輝度および補正後輝度の最大値の5%が減算された値から15%が加算された値までの範囲であってもよい。また、第1の所定範囲は、参照ガンマカーブを中心として、補正前輝度および補正後輝度の最大値の15%が減算された値から5%が加算された値までの範囲であってもよい。
【0043】
図1に示すように、ガンマカーブ補正部13は、区間分割部(ガンマカーブ補正部)141と、補正量決定部(ガンマカーブ補正部)142とを備えている。
【0044】
(区間分割部131)
区間分割部131は、ガンマカーブを複数の区間に分割する。これにより、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎に好適にガンマカーブを補正することができる。その結果、補正後のガンマカーブに基づき、ヒストグラムを平坦化した効果を維持しつつ、黒つぶれおよび白飛びを防ぎ、自然なコントラストとなるように入力画像の輝度を補正することができる。
【0045】
区間分割部131は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの交点、および、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブ上の隣り合う前記交点間の点の少なくとも一方に基づき、ガンマカーブを複数の区間に分割してもよい。これにより、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎により好適にガンマカーブを補正することができる。
【0046】
例えば、区間分割部131は、上述の交点と、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブ上において、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点から第2の所定範囲内となる点とに基づき、ガンマカーブを複数の区間に分割してもよい。これにより、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎にさらに好適にガンマカーブを補正することができる。
【0047】
一態様において、第2の所定範囲は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点を中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値に対して絶対値が10%以下となる範囲であってもよい。例えば、第2の所定範囲は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点を中心として、補正前輝度および補正後輝度の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲であってもよい。
【0048】
第2の所定範囲がこのような範囲であることにより、ヒストグラムを平坦化した効果を維持できるように、さらに好適にガンマカーブを補正することができる。
【0049】
なお、上述の例では、第2の所定範囲は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点を中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値に対して絶対値が10%以下となる範囲となっている。ただし、第2の所定範囲としては、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われないように、区間毎に好適にガンマカーブを補正するという効果を得られる範囲であれば任意の範囲であってもよい。
【0050】
例えば、第2の所定範囲は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点を中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値の5%が減算された値から15%が加算された値までの範囲であってもよい。また、第2の所定範囲は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点を中心として、補正前輝度および補正後輝度が取りうる値の最大値の15%が減算された値から5%が加算された値までの範囲であってもよい。
【0051】
ガンマカーブを分割する区間の数としては、2以上4以下であることが好ましい。ガンマカーブを分割する区間の数が2以上4以下であることにより、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎により好適にガンマカーブを補正することができる。
【0052】
〔区間分割部131によるガンマカーブの区間分割例〕
(区間分割部131によるガンマカーブの区間分割例1)
以下、図6を用いて、区間分割部131によるガンマカーブの区間の分割の一例を説明する。図6は、生成されたガンマカーブの補正について説明するための図である。
【0053】
区間分割部131は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との交点P1、P3およびP5、ならびに、ガンマカーブC1における隣り合う交点P1、P3およびP5間のうち、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2およびP4に基づき、ガンマカーブC1を複数の区間に分割する。
【0054】
具体的には、区間分割部131は、交点P1、P3およびP5、ならびに、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2およびP4を分割点とし、これらの分割点に囲まれた区間S1、S2、S3およびS4にガンマカーブC1を分割する。
【0055】
これにより、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎に好適にガンマカーブを補正することができる。
【0056】
(区間分割部131によるガンマカーブの区間分割例2)
以下、図7を用いて、区間分割部131によるガンマカーブの区間の分割の別の一例を説明する。図7は、ガンマカーブC1の複数の区間への分割について説明するための図である。
【0057】
区間分割部131は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との交点P1、P3およびP5、ならびに、ガンマカーブC1における隣り合う交点P1、P3およびP5間のうち、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2およびP4から第2の所定範囲R2内となる点P6およびP7に基づき、ガンマカーブC1を複数の区間に分割する。
【0058】
具体的には、区間分割部131は、交点P1、P3およびP5、ならびに、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2およびP4から第2の所定範囲R2内となる点P6およびP7を分割点とし、これらの分割点に囲まれた区間S1a、S2a、S3aおよびS4aにガンマカーブC1を分割する。
【0059】
図7に示す第2の所定範囲R2は、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2およびP4を中心として、補正前輝度の最大値である図7のX軸の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲であり、かつ、補正後輝度の最大値である図7のY軸の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲である。また、点P6および点P7のX軸の値は、それぞれ、点P2および点P4の補正前輝度に、補正前輝度の最大値である図7のX軸の最大値の10%が加算された値である。
【0060】
(補正量決定部142)
補正量決定部142は、参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブの補正量を決定する。
【0061】
例えば、補正量決定部142は、ガンマカーブを複数の区間に分割した区間毎に、参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように、当該区間におけるガンマカーブの補正量を決定する。
【0062】
このように、分割した区間毎に、ガンマカーブの補正量を決定し、分割した区間毎に局所的に補正量に応じたゲインをガンマカーブにかけて補正することにより、不自然な画像にならない範囲でコントラストを向上させるように、入力画像をより好適に補正できる。
【0063】
(補正量決定部142によるガンマカーブの補正量決定例)
以下、図6および8を用いて、補正量決定部142によるガンマカーブの補正量の決定の一例を説明する。図8は、補正されたガンマカーブC1a、および、補正されたガンマカーブC1aのヒストグラムを示す図である。
【0064】
補正量決定部142は、分割点に囲まれた区間S1、S2、S3およびS4毎に、参照ガンマカーブC2との差異L1およびL2が第1の所定範囲R1に収まるように、各区間におけるガンマカーブC1の補正量を決定する。
【0065】
図6に示す第1の所定範囲R1は、参照ガンマカーブC2を中心として、補正前輝度の最大値である図6の横軸の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲であり、かつ、補正後輝度の最大値である図6のY軸の最大値の10%が減算された値から10%が加算された値までの範囲である。
【0066】
(区間S1およびS2におけるガンマカーブC1の補正量の決定)
区間S1およびS2では、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P2から垂線を下ろした参照ガンマカーブC2までの差異である、参照ガンマカーブC2との差異L1は第1の所定範囲R1に収まっている。
【0067】
このように、L1≦R1の場合、補正量決定部142は、区間S1およびS2におけるガンマカーブC1に乗算するゲイン(補正量)αの値を1に決定し、ガンマカーブC1を以下の式(1)に示すガンマカーブC1aに補正するようにガンマカーブC1の補正量を決定する。
Yout(X)=α*(Yin(X)-X)+Yref(X)・・・(1)
ここで、Xは図6のグラフのX軸の座標、Yは図6のグラフのY軸の座標、Yin(X)はガンマカーブC1、Yout(X)は補正後のガンマカーブC1a、Yref(X)は参照ガンマカーブC2を示す。
【0068】
このように補正量を決定することにより、低輝度の黒側区間である区間S1およびS2では、第2のヒストグラムである累積ヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの形状を維持し、ヒストグラムを平坦化した効果を維持することができる。
【0069】
なお、上述の例では、補正量決定部142は、参照ガンマカーブC2との差異L1と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S1およびS2におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを1に決定している。ただし、本実施形態では、補正量決定部142は、区間毎に、各区間の始点および終点のX座標を示すaおよびbを用いて、以下の式(2)および(3)に基づき、各区間におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定してもよい。
|(Yin(a)-a)-(Yin(b)-b)|>R1の場合、α=R1/|(Yin(a)-a)-(Yin(b)-b)|・・・(2)
|(Yin(a)-a)-(Yin(b)-b)|≦R1の場合、α=1・・・(3)
すなわち、補正量決定部142は、区間S1では、区間S1の始点であるX1および区間S1の終点であるX2を用いて、|(Yin(X1)-X1)-(Yin(X2)-X2)|と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S1におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定してもよい。
【0070】
また、補正量決定部142は、区間S2では、区間S2の始点であるX2および区間S2の終点であるX3を用いて、|(Yin(X2)-X2)-(Yin(X3)-X3)|と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S2におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定してもよい。
【0071】
(区間S3およびS4におけるガンマカーブC1の補正量の決定)
区間S3およびS4では、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P4から垂線を下ろした参照ガンマカーブC2までの差異である、参照ガンマカーブC2との差異L2は第1の所定範囲R1に収まらず、L2>R1となっている。
【0072】
この場合、補正量決定部142は、区間S3およびS4において、それぞれ、第1の所定範囲R1に収まるように、ガンマカーブC1と参照ガンマカーブC2との差異が極大となる点P4を図6の矢印の方向に移動させる補正量を決定する。
【0073】
例えば、補正量決定部142は、区間S3では、区間S3の始点であるX3および区間S3の終点であるX4を用いて、ゲインαの値を以下の式(4)に示す値に決定する。また、補正量決定部142は、式(4)を上述の式(1)に代入したガンマカーブC1aに補正するようにガンマカーブC1の補正量を決定する。
α=R1/|(Yin(X3)-X3)-(Yin(X4)-X4)|・・・(4)
また、補正量決定部142は、区間S4では、区間S4の始点であるX4および区間S4の終点であるX5を用いて、ゲインαの値を以下の式(5)に示す値に決定する。また、補正量決定部142は、式(5)を上述の式(1)に代入したガンマカーブC1aに補正するようにガンマカーブC1の補正量を決定する。
α=R1/|(Yin(X4)-X4)-(Yin(X5)-X5)|・・・(5)
ガンマカーブ補正部13は、補正量決定部142が決定した補正量に基づき、図8の補正後のガンマカーブの図に示すC1aとなるようにガンマカーブC1を補正する。これにより、図8の補正後のガンマカーブのヒストグラムの図のように、高輝度の白側区間である区間S3およびS4では、白飛びを防ぎ、自然なコントラストとなるように入力画像を補正可能なヒストグラムのガンマカーブC1aにガンマカーブC1を補正できる。
【0074】
上述の例では、補正量決定部142は、参照ガンマカーブC2との差異L2と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S3およびS4におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定している。ただし、本実施形態では、補正量決定部142は、区間S3では、区間S3の始点であるX3および区間S3の終点であるX4を用いて、|(Yin(X3)-X3)-(Yin(X4)-X4)|と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S3におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定してもよい。
【0075】
また、補正量決定部142は、区間S4では、区間S4の始点であるX4および区間S4の終点であるX5を用いて、|(Yin(X4)-X4)-(Yin(X5)-X5)|と第1の所定範囲R1との大小に応じて、区間S4におけるガンマカーブC1に乗算するゲインαを決定してもよい。
【0076】
[輝度補正部14]
輝度補正部14は、ガンマカーブ補正部が補正したガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する。これにより、補正されたガンマカーブに基づき、特定の輝度の領域が過度に強調されず、自然なコントラストとなるように入力画像全体の各輝度に対して適切な補正をすることができる。
【0077】
[表示部15]
表示部15は、輝度補正部14によって輝度が補正された画像を表示する。
【0078】
〔表示装置1の制御方法〕
次に、図9を用いて、実施形態1に係る表示装置1の制御方法を説明する。図9は、実施形態1に係る表示装置1の制御方法を示すフローチャートである。
【0079】
(ステップS101)
表示装置1の入力画像取得部11は、入力画像を取得する(入力画像取得工程)。
【0080】
(ステップS102)
表示装置1のガンマカーブ生成部12における第1のヒストグラム生成部121は、入力画像取得部11が取得した入力画像に含まれる画素の輝度に基づき、第1のヒストグラムを生成する(第1のヒストグラム生成工程)。
【0081】
具体的には、第1のヒストグラム生成部121は、入力画像取得部11が取得した入力画像の画素の輝度に基づき、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像における各輝度の度数との関係を示す第1のヒストグラムを生成する。
【0082】
(ステップS103)
表示装置1のガンマカーブ生成部12における第2のヒストグラム生成部122は、第1のヒストグラム生成部121が生成した第1のヒストグラムに基づき、第2のヒストグラムを生成する(第2のヒストグラム生成工程)。
【0083】
具体的には、第2のヒストグラム生成部122は、第1のヒストグラムに基づき、入力画像に含まれる画素の輝度と、当該入力画像における各輝度の累積相対度数との関係を示す累積ヒストグラムを第2のヒストグラムとして生成する。
【0084】
(ステップS104)
表示装置1のガンマカーブ生成部12は、入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成する(ガンマカーブ生成工程)。
【0085】
例えば、ガンマカーブ生成部12は、第2のヒストグラム生成部122が生成した第2のヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成する。
【0086】
(ステップS105)
表示装置1のガンマカーブ補正部13における区間分割部131は、ガンマカーブを複数の区間に分割する(区間分割工程)。
【0087】
区間分割部131は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの交点、および、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブ上の隣り合う交点間の点の少なくとも一方に基づき、ガンマカーブを複数の区間に分割してもよい。
【0088】
例えば、区間分割部131は、上述の交点と、および、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブ上において、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブと参照ガンマカーブとの差異が極大となる点とに基づき、ガンマカーブを複数の区間に分割してもよい。
【0089】
(ステップS106)
表示装置1のガンマカーブ補正部13における補正量決定部142は、参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブの補正量を決定する。
【0090】
例えば、補正量決定部142は、ガンマカーブ生成部12が生成したガンマカーブを複数の区間に分割した区間毎に、参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように、当該区間におけるガンマカーブの補正量を決定する(補正量決定工程)。
【0091】
(ステップS107)
表示装置1のガンマカーブ補正部13は、ガンマカーブ生成工程において生成したガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正する(ガンマカーブ補正工程)。
【0092】
例えば、ガンマカーブ補正部13は、分割された複数の区間毎に決定された補正量に基づき、ガンマカーブ生成工程において生成したガンマカーブを補正する。
【0093】
(ステップS108)
表示装置1の輝度補正部14は、ガンマカーブ補正工程において補正したガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する(輝度補正工程)。
【0094】
(ステップS109)
表示装置1の表示部15は、輝度補正工程において輝度が補正された画像を表示する(表示工程)。
【0095】
〔変形例〕
(変形例1)
上述の例では、ガンマカーブ生成部12は、第1のヒストグラム生成部121と、第2のヒストグラム生成部122とを備えている。また、ガンマカーブ生成部12は、入力画像の輝度の第1のヒストグラムを生成した後、第1のヒストグラムに基づいて入力画像の輝度の累積ヒストグラムである第2のヒストグラムを生成し、第2のヒストグラムに基づいてガンマカーブを生成する。
【0096】
ただし、本実施形態では、ガンマカーブ生成部12は、入力画像の輝度分布に基づき、輝度の度数が平坦化されたガンマカーブを生成することができれば、任意の方法によってガンマカーブを生成してもよい。例えば、ガンマカーブ生成部12は、第1のヒストグラム生成部121および第2のヒストグラム生成部122のいずれかまたは両方を備えていなくてもよい。
【0097】
一例として、ガンマカーブ生成部12は、第1のヒストグラム生成部121のみを備え、第1のヒストグラム生成部121によって生成された第1のヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成してもよい。
【0098】
ガンマカーブ生成部12は、第2のヒストグラム生成部122のみを備え、第2のヒストグラム生成部122によって入力画像から累積ヒストグラムを直接生成し、累積ヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成してもよい。
【0099】
ガンマカーブ生成部12は、入力画像取得部11を介して外部の受信部、外部装置または読取部などから入力画像と共に取得した第1のヒストグラムまたは第2のヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成してもよい。
【0100】
また、ガンマカーブ生成部12は入力画像取得部11を介して外部の受信部、外部装置または読取部などから入力画像と共に第1のヒストグラムおよび第2のヒストグラム以外のヒストグラムを取得し、当該ヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成してもよい。
【0101】
ただし、ガンマカーブ生成部12は、全ての輝度の度数がより好適に平坦化されるようにガンマカーブを生成することができるため、第2のヒストグラムである累積ヒストグラムに基づき、ガンマカーブを生成することが好ましい。
【0102】
(変形例2)
表示装置1は、ハイダイナミックレンジ処理部(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0103】
例えば、ハイダイナミックレンジ処理部は、輝度補正部によって輝度を補正された入力画像の画像信号における被写体のダイナミックレンジを拡張するハイダイナミックレンジ処理を行ってもよい。これにより、ハイライト部分の白飛びおよびシャドウ部分の黒つぶれを防止しつつ、コントラストを強調するように入力画像を補正することができる。
【0104】
ハイダイナミックレンジ処理としては、例えば、PQ(Perceptual Quan tization)などの絶対輝度方式およびHLG(Hybrid log gamma)方式などの相対輝度方式の公知のハイダイナミックレンジ処理が挙げられるが、特に限定されない。
【0105】
<実施形態2>
本発明に係る表示装置は、実施形態2に係る表示装置1Xのように、ガンマカーブを複数の均等な区間に分割してもよい。
【0106】
以下、図10~12を用いて、実施形態2に係る表示装置1Xを説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0107】
〔表示装置1X〕
図10は、実施形態2に係る表示装置1Xの構成を示すブロック図である。図10のように、表示装置1Xは、実施形態1におけるガンマカーブ補正部13の代わりに、ガンマカーブ補正部13Xを備えている。この点以外は、実施形態2に係る表示装置1Xは、実施形態1に係る表示装置1と同様の構成である。
【0108】
[ガンマカーブ補正部13X]
ガンマカーブ補正部13Xは、実施形態1における区間分割部131の代わりに、区間分割部131Xを備えている。この点以外は、ガンマカーブ補正部13Xは、実施形態1におけるガンマカーブ補正部13と同様の構成である。
【0109】
(区間分割部131X)
区間分割部131Xは、ガンマカーブを複数の均等な区間に分割する。これにより、効率的にガンマカーブを分割しつつ、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブの特徴が失われるほどガンマカーブの原型を崩さないように、区間毎に好適にガンマカーブを補正することができる。
【0110】
(区間分割部131Xによるガンマカーブの区間分割例)
以下、図11を用いて、区間分割部131Xによるガンマカーブの区間の分割の一例を説明する。図11は、生成されたガンマカーブC1の複数の区間への分割について説明するための図である。
【0111】
区間分割部131Xは、4つの均等な区間S1X、S2X、S3XおよびS4XにガンマカーブC1を分割する。このように、2以上4以下の数にガンマカーブC1を等分割することにより、効率的にガンマカーブC1を分割しつつ、第2のヒストグラムなどのヒストグラムを平坦化したガンマカーブC1の特徴が失われないように区間毎に好適にガンマカーブC1を補正できる。
【0112】
〔表示装置1Xの制御方法〕
次に、図12を用いて、実施形態2に係る表示装置1Xの制御方法を説明する。図12は、実施形態2に係る表示装置1Xの制御方法を示すフローチャートである。図12のステップS201~S204およびS206~S209は、図10のステップS101~S104およびS106~S109と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0113】
(ステップS205)
表示装置1Xのガンマカーブ補正部13Xにおける区間分割部131Xは、ガンマカーブを複数の均等な区間に分割する(区間分割工程)。
【0114】
〔ソフトウェアによる実現例〕
表示装置1および1Xの制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0115】
後者の場合、表示装置1および1Xは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0116】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置であって、前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成部と、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正部と、前記ガンマカーブ補正部が補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正部と、を備える。
【0117】
本発明の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、前記ガンマカーブ生成部は、前記入力画像の輝度の累積ヒストグラムに基づき、前記ガンマカーブを生成する構成としてもよい。
【0118】
本発明の態様3に係る表示装置は、上記態様1または2において、前記参照ガンマカーブは、線形である構成としてもよい。
【0119】
本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様1~3のいずれかにおいて、前記ガンマカーブ補正部は、前記ガンマカーブを複数の区間に分割した区間毎に、前記参照ガンマカーブとの差異が前記第1の所定範囲に収まるように、当該区間における前記ガンマカーブの補正量を決定する構成としてもよい。
【0120】
本発明の態様5に係る表示装置は、上記態様4において、前記ガンマカーブ補正部は、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブと前記参照ガンマカーブとの交点、および、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブ上の隣り合う前記交点間の点の少なくとも一方に基づき、前記ガンマカーブを前記複数の区間に分割する構成としてもよい。
【0121】
本発明の態様6に係る表示装置は、上記態様5において、前記ガンマカーブ補正部は、前記交点と、前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブ上において前記ガンマカーブ生成部が生成した前記ガンマカーブと前記参照ガンマカーブとの差異が極大となる点から第2の所定範囲内の点とに基づき、前記ガンマカーブを前記複数の区間に分割する構成としてもよい。
【0122】
本発明の態様7に係る表示装置の制御方法は、補正前輝度と補正後輝度との関係を表すガンマカーブに基づいて入力画像の輝度を補正する表示装置の制御方法であって、前記表示装置が、前記入力画像の輝度分布に基づき、ガンマカーブを生成するガンマカーブ生成工程と、前記表示装置が、前記ガンマカーブ生成工程において生成した前記ガンマカーブを、あらかじめ設定された参照ガンマカーブとの差異が第1の所定範囲に収まるように補正するガンマカーブ補正工程と、前記表示装置が、前記ガンマカーブ補正工程において補正した前記ガンマカーブに基づいて前記入力画像の輝度を補正する輝度補正工程と、を含む。
【0123】
本発明の各態様に係る表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記表示装置をコンピュータにて実現させる表示装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0124】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0125】
1、1X 表示装置
12 ガンマカーブ生成部
13、13X ガンマカーブ補正部
14 輝度補正部
131、131X 区間分割部(ガンマカーブ補正部)
132 補正量決定部(ガンマカーブ補正部)
C1、C1a ガンマカーブ
C2 参照ガンマカーブ
L1、L2 差異
P1、P3、P5 交点
P2、P4、P6、P7 点
R1 第1の所定範囲
R2 第2の所定範囲
S1、S1a、S1X、S2、S2a、S2X、S3、S3a、S3X、S4、S4a、S4X 区間
α ゲイン(補正量)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12