(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20241210BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01R13/52 Z
H01R13/74 Z
(21)【出願番号】P 2021013562
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】TE Connectivity Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】實藤 雄介
(72)【発明者】
【氏名】秋口 哲朗
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-319724(JP,A)
【文献】特開2003-257536(JP,A)
【文献】特開2008-047432(JP,A)
【文献】実開平07-019969(JP,U)
【文献】特開2002-025711(JP,A)
【文献】特開2008-125190(JP,A)
【文献】特開2020-202080(JP,A)
【文献】特開2010-280245(JP,A)
【文献】特開2002-095207(JP,A)
【文献】特開2015-162567(JP,A)
【文献】特開2009-070855(JP,A)
【文献】実開平04-066067(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
H01R13/73-13/74
B60R16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子を含むコネクタであって、
前記端子は、他の端子と電気的に接続するための第1端部と、基板に接続するための第2端部とを有し、
前記コネクタは、前記基板を収容するための筐体の開口部に対向して該開口部内に位置付けられるように設けられた複数の凸部を有し、
前記複数の凸部が
、コネクタ本体の全周にわたって配置されており、かつそれぞれ
前記コネクタ本体の表面から外側に向けて突出し、前記端子を横切る方向に配置され、
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、該凹部は前記凸部の形状に対応する相補的な形状を有する、コネクタ。
【請求項2】
前記複数の凸部が一直線上に整列している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記複数の凸部が等ピッチで配置されている、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記凸部が板状の形状を有する、請求項1~3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記凸部が矩形の断面形状を有する、請求項1~4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間に離隔によって形成される空間が存在する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記空間が流体物を留めるために設けられた空間である、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間の離隔距離が、前記筐体と前記コネクタ本体との間の距離よりも小さい、請求項6または7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記凸部が、流体物を留めるための通路、溝、穴および孔から成る群から選択される少なくとも1種を有する、請求項1~8のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コネクタが車載用のコネクタである、請求項1~9のいずれかに記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタに関する。より具体的には、本発明はコンピュータの基板などに接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、電子制御装置(ECU: Electronic Control Unit)に使用するための電気コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、従前の電気コネクタには克服すべき課題があることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者らは見出した。
【0005】
例えば
図11に示すように、特許文献1などに開示の従前のコネクタ100は、電子制御装置(ECU)などに含まれる基板200と電気的に接続することができる(
図11(A)参照)。従前のコネクタ100は、概して、コネクタ本体101と、その表面に一体的に形成された壁部102とを有する(
図11(B)参照)。従前のコネクタ100は、例えば
図11(B)のX
1で示す方向に他のコネクタを配置して結合することができ、X
2で示す方向に基板200を配置することができる。
【0006】
コネクタ本体101に設けられた壁部102は、コネクタ本体101の周囲を全体的に囲むように配置されている。コネクタ本体101の壁部102は、例えば、基板200を収容して保護するための筐体300の開口部の内側に位置することで筐体300を封止またはキャップすることができる(
図12(A)参照)。
従前のコネクタ100は、コネクタ本体101を貫通するように配置された複数の端子(又はコンタクト)103を有する(
図11および
図12参照)。端子103は2つの端部103aおよび103bを有する(
図12(A)参照)。端部103aを第1端部と称し、端部103bを第2端部と称する。第1端部103aは他のコネクタ400の内部に設けられた他の端子と電気的に接続することができる(
図12(B)および
図12(C)参照)。第2端部103bは、ハンダ150などを介して、基板200の電子回路と電気的に接続することができる(
図12(A)参照)。
【0007】
従前のコネクタ100は他のコネクタ400と結合することによって、2つのコネクタ(100,400)の間で電気的な接続を形成することができる(
図12(B)および
図12(C)参照)。
【0008】
コネクタ400にはハーネスと呼ばれる配線500が取り付けられており、従前のコネクタ100にコネクタ400を取り付ける際、例えば
図12(B)の矢印で示すようにハーネス500が大きく揺れる場合がある(以下、「煽り」と称する)。また、コネクタ400をコネクタ100に取り付けた後、例えば
図12(C)の矢印で示すようにハーネス500が大きく揺れたり細かく振動する場合がある(以下、「振動」と称する)。
【0009】
このような「煽り」や「振動」が発生すると、コネクタ100に設けられた端子103にストレスがかかり、端子103と基板200との接続部、具体的にはハンダ150にクラックが入ることで端子103と基板200との結合が破損して接触不良を起こす虞がある。
【0010】
このような「煽り」や「振動」は、例えば
図12に示す上下方向だけでなく、左右方向にも発生する場合がある。このような「煽り」や「振動」によって、例えば
図13(A)の矢印で示すように左方向に向かう力が発生した場合、筐体300の開口部301の内部でコネクタ100、特に壁部102が傾く虞がある(
図13(B)参照)。このような傾きが生じた場合にも端子にストレスがかかり、端子と基板との接続部、具体的にはハンダにクラックが入って端子と基板との結合が破損して接触不良を起こす虞がある。
【0011】
本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、「煽り」や「振動」によるストレスをより軽減することができるコネクタを提供することである。
【0012】
また、従前のコネクタ100では、例えば
図14の矢印で示すようにコネクタ本体101の壁部102と筐体300の開口部301との間から水滴などの流体物が浸入して基板が接触不良を引き起こす虞がある。このようなことから、本発明は、流体物の浸入をさらに抑制することができるコネクタを提供することを副次的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成されたコネクタの発明に至った。
【0014】
例えば
図1に示すようにコネクタ本体1の表面から外側に向けて突出する複数の凸部2を端子3を横切る方向(例えば
図1(C)に示すY軸方向および/またはZ軸方向)に配置し、このような凸部2を基板を収容するための筐体30の開口部の内側に位置付けることで(
図2および
図3参照)、コネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても、このような複数の凸部2によって力を分散させて逃すことができ、端子3にかかるストレスをより低減できることを見出した。また、このような複数の凸部2を設けることで水滴などの流体物の浸入をさらに抑制できることを見出した。
【0015】
本発明では、端子を含むコネクタが提供され、当該コネクタにおいて、
前記端子は、他の端子と電気的に接続するための第1端部と、基板に接続するための第2端部とを有し、
前記コネクタは、前記基板を収容するための筐体の開口部に対向して該開口部内に位置付けられるように設けられた複数の凸部を有し、
前記複数の凸部が、それぞれコネクタ本体の表面から外側に向けて突出し、前記端子を横切る方向に配置されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、「煽り」や「振動」によるストレスを軽減することができるコネクタおよび流体物の浸入をさらに抑制することができるコネクタが得られる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでなく、また、付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るコネクタを模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係るコネクタを模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態に係るコネクタの凸部と筐体の開口部に設けられた凹部との関係を模式的に示す概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態に係るコネクタの凸部と筐体の開口部(具体的にはストッパを有する開口部)に設けられた凹部との関係を模式的に示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の他の実施形態に係るコネクタの凸部と他の筐体の開口部に設けられた凹部との関係を模式的に示す概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の別の実施形態に係るコネクタの凸部と別の筐体の開口部との関係を模式的に示す概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態に係るコネクタの凸部と筐体の開口部との関係を模式的に示す概略図である。
【
図8】
図8は、コネクタの凸部を模式的に示す概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の別の実施形態に係るコネクタの凸部と筐体の開口部との関係を模式的に示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の別の実施形態に係るコネクタを模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、従前のコネクタを模式的に示す斜視図である(A:基板側から見た従前のコネクタの斜視図、B:他の端子と接続する側から見た従前のコネクタの斜視図)。
【
図12】
図12は、従前のコネクタと他のコネクタとの結合を模式的に示す概略図である(A:コネクタの断面図、B:コネクタ(断面図)および他のコネクタ(側面図)、C:コネクタ(断面図)と他のコネクタ(側面図)との結合)。
【
図13】
図13は、従前のコネクタを模式的に示す断面図である(A:上側から見た従前のコネクタおよび筐体の断面図、B:従前のコネクタの壁部および筐体の開口部のみを模式的に示す断面図)。
【
図14】
図14は、従前のコネクタを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、電気的な接続に使用することができるコネクタに関する。より具体的には、本開示は端子(3)を含むコネクタ(10)に関する(
図1参照)。
本開示のコネクタ(10)において、端子(3)は、他の端子(図示せず)と電気的に接続するための第1端部(3a)と、基板(20)に接続するための第2端部(3b)とを有する(
図1(A)および
図1(B)参照)。
本開示のコネクタ(10)は、基板(20)を収容するための筐体(30)の開口部に対向して開口部の内部に位置付けられるように設けられた複数の凸部(2)を有する(
図1および
図2参照)。
このような複数の凸部(2)が、それぞれコネクタ本体(1)の表面から外側に向けて突出し、端子(3)を横切る方向(例えば
図1(C)に示すY軸方向および/またはZ軸方向)に配置されている。
【0019】
本開示において使用する用語について説明する。
【0020】
(コネクタ)
「コネクタ」は、少なくとも1つの端子を含み、他のコネクタと電気的に接続することができる部品または部材を意味する。
コネクタはコネクタ本体を有する。コネクタ本体の形状に特に制限はない。コネクタ本体は箱形の形状を有することが好ましい(
図1参照)。コネクタ本体の断面形状は四角形などの矩形であることが好ましい。コネクタ本体の角部は丸められていてもよい。
コネクタ本体は2つの端面(又は縁部)(1a,1b)を有する。コネクタ本体の一方の端面(1a)は他のコネクタと物理的に結合(例えば係合および/または嵌合)することができる。コネクタ本体の他方の端面(1b)は他の構造体と物理的に結合(例えば係合および/または嵌合)することができる。他の構造体として、コンピュータ、例えば電子制御装置(ECU: Electronic Control Unit)、より具体的には車載用の電子制御装置などの筐体またはハウジングなどが挙げられるが、これらに限定されない。コネクタ本体の2つの端面(1a,1b)は互いに対向して位置すること、具体的には平行の関係で位置付けられることが好ましい。
【0021】
コネクタ本体の他のコネクタと結合することができる端面は、他のコネクタの少なくとも一部を収容するための嵌合部を有していることが好ましい(
図1(C)参照)。
コネクタ本体の他の構造体と結合することができる端面は嵌合部を有していても、嵌合部を有していなくてもよい。
コネクタ本体は、コネクタの端面(例えば端面1b)を突き抜ける少なくとも1つの端子を固定することができる(
図1(A)および
図1(B)参照)。
【0022】
本開示のコネクタは、コネクタ本体の表面から外側に向けて突出する「複数の凸部」を有することを特徴とする。複数の凸部は、以下にて説明する端子(例えば
図1に示す端子3)を横切る方向(例えば
図1(C)に示すY軸方向および/またはZ軸方向)に配置されていることが好ましい。ここで、端子を横切る方向は、図示する形態のように端子の長手軸方向に対して垂直な方向をも含むが、それに限定されるものではない。
【0023】
凸部の数に特に制限はなく、2以上であり、例えば2以上50以下、より具体的な例では2以上20以下である。
【0024】
本開示のコネクタは、このような複数の凸部を有することによって、コネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力を分散させて逃すことができる。また、このような複数の凸部2を設けることで水滴などの流体物の浸入をさらに抑制できる。尚、このような複数の凸部によって奏される効果は、以下に記載の具体的な実施形態において説明する。
【0025】
複数の凸部がコネクタ本体の表面上で整列していることが好ましい。
複数の凸部が一直線上に整列していることがより好ましい(
図1(A)ならびに
図2(A)および
図2(B)参照)。
「複数の凸部が一直線上に整列している」とは、複数の凸部のうち少なくとも2つの凸部がコネクタ本体の1つの面上において同一線上に配置されていることを意味し、コネクタ本体の全周に亘って、2以上の凸部が各面において同一線上に配置されていてもよい。
複数の凸部が整列する直線は、以下にて説明する端子を横切る方向(例えば
図1(C)のY軸方向および/またはZ軸方向)に沿う直線であることが好ましい。
複数の凸部が一直線上に整列することでコネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力をより分散させて逃すことができる。
【0026】
複数の凸部がコネクタ本体の「全周」にわたって配置されていることが好ましい(
図2(B)参照)。
本開示において複数の凸部がコネクタ本体の「全周」にわたって配置されているとは、以下にて説明する端子を横切る方向(例えば
図1(C)のY軸方向および/またはZ軸方向)に沿って複数の凸部がコネクタ本体の周りを取り囲むことを意味する。尚、コネクタ本体の周りを取り囲む凸部の数に特に制限はない。
複数の凸部がコネクタ本体の全周にわたって配置されていることでコネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力をより分散させて逃すことができる。
【0027】
複数の凸部は、離隔(又は離間)されて配置されていることが好ましい。その間隔は、「ピッチ」と呼ばれてよく、2つの凸部の間の距離を意味する。ピッチは等間隔であっても、不規則(ランダム)であってもよい。例えば
図3(B)に示すピッチP
1およびP
2が同一であっても、異なっていてもよい。
例えば、複数の凸部が等ピッチで配置されていることが好ましい。一例では、複数の凸部が等ピッチで配置されていることによってコネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力をより均一に分散させて逃すことができる。別例では、例えばコネクタ本体が受ける「煽り」や「振動」の外力のベルトルが所定または特定である場合、当該特定のベクトルに対抗するようにピッチを設けるため、等ピッチ以外の配置が好ましい。
【0028】
凸部はその本体が「板状」の形状を有することが好ましい(
図1および
図2参照)。本開示において「板状」とは、2つの主面が互いに対向して位置付けられている形状を意味する(
図8(A)参照)。ただし、図示する形態のように2つの主面が互いに対向して平行して位置付けられるものに限定されない。
2つの主面は、以下にて説明する端子を横切る方向(例えば
図1(C)のY軸方向および/またはZ軸方向)に沿って配置されることが好ましい。
凸部の少なくとも本体が板状であることによってコネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力をより分散させて逃すことができる。
【0029】
凸部の主面の形状に特に制限はない。
凸部の主面は略矩形の形状を有することが好ましい。
本開示において「略矩形」とは、正方形や長方形などの四角形、台形、菱形、平行四辺形などの形状を意味する(
図6および
図8(A)参照)。
【0030】
凸部は矩形の断面形状を有することが好ましい。「矩形の断面形状」とは、正方形や長方形などの四角形、台形、菱形、平行四辺形などの略矩形の形状を有する断面の形状を意味する。
このような断面は、凸部の主面に対して垂直方向の断面であっても、凸部の主面に平行する方向の断面であってもよい。
凸部の主面に対して垂直方向の断面および凸部の主面に平行する方向の断面の形状がいずれも略矩形であることが好ましい。
凸部は、例えば全体として、板状で箱形の形状を有することが好ましい。
このような板状の凸部は外力を受けた場合にフレキシブルに弾性的に変形してもよい。
凸部が略矩形の断面形状を有することによってコネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても力をより均一に分散させて逃すことができる。
【0031】
コネクタ本体および凸部は、従来公知の製造方法によって、樹脂などの材料から一体的または別々に製造されてよい。コネクタ本体および凸部は成形によって製造されてよい。凸部のみ外付けであってもよい。コネクタ本体および凸部を構成する樹脂に特に制限はない。コネクタ本体および凸部において使用する樹脂は同一であっても異なっていてもよい。
【0032】
(端子)
「端子」は、電気を通す性質、換言すると導電性を有し、他のコネクタに含まれる端子(以下、「他の端子」と称する場合もある)と電気的に接続することができる部品または部材を意味する。
端子の形状に特に制限はなく、線形、例えば棒状、板状などの細長い形状を有することが好ましい。
端子は2つの端部を有する。一方の端部は、他の端子に電気的に接続することができる(以下、「第1端部」と称する)(
図1(B)の「第1端部3a」を参照のこと)。他方の端部は、例えばコンピュータなどに含まれる基板に電気的に接続することができる(以下、「第2端部」と称する)(
図1(A)の「第2端部3b」を参照のこと)。
端子は導体から構成されていることが好ましい。導体として、例えば金属および/または合金などが挙げられる。金属および/または合金に含まれ得る金属元素として、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などが挙げられる。導体として、銅、アルミニウム、ステンレス鋼および真鍮(黄銅またはブラスと称される場合もある)から成る群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
端子が金属および/または合金などの材料から構成される場合、さらにメッキ層または表面処理層を有していてよい。メッキ層または表面処理層はクロムまたはニッケルなどの元素を含むことが好ましい。
端子は、コネクタ本体に設けられた少なくとも1つの貫通孔を通して、圧入により挿入されてコネクタ本体に固定されることが好ましい。
少なくとも1本(ただし100本以下)の端子がコネクタ本体に固定されることが好ましい。
【0033】
(他のコネクタ)
「他のコネクタ」は、本開示のコネクタと少なくとも電気的に接続することができる部品または部材を意味する。
他のコネクタは、本開示のコネクタに含まれる端子に対応する少なくとも1つの端子を含む(ただし100本以下)(以下、「他の端子」と称する)。
他のコネクタは、従来公知の市販のコネクタであってよい。例えば
図12(B)に示すようなハーネス(500)が取り付けられたコネクタ(400)を他のコネクタとして使用することができる。
ハーネスは配線の束であってよく、各配線は他の端子にそれぞれ電気的に接続されていてよい。
他のコネクタとして、コンピュータに接続するためのコネクタを使用してよい。
他のコネクタの形状に特に制限はない。他のコネクタは、本開示のコネクタに適合することができる相補的な形状を有していてよい。換言すると、本開示のコネクタは、他のコネクタの形状に適合することができる相補的な形状を有していてよい。具体的には、本開示のコネクタと他のコネクタとが互いに嵌合するような形状を有していてよい。
【0034】
(他の端子)
「他の端子」は、本開示のコネクタに含まれる端子と電気的に接続することができる部品または部材である。例えば、本開示のコネクタに含まれる端子がオス端子である場合、他の端子はメス端子であってよい。他の端子は、従来公知の市販の端子を特に制限なく使用することができる。
【0035】
(基板)
「基板」は、電子回路を有する板状の部品または部材又は電子回路を形成することができる板状の部品または部材を意味する。基板はコンピュータなどに使用することができるプリント回路基板であることが好ましい。
基板に形成され得る電子回路は端子を介して本開示のコネクタと電気的に接続することができる。基板と端子との電気的な接続は、従来と同様にハンダによる結合であってよい(
図12参照)。
基板は、上面視で正方形または長方形などの四角形を含む略矩形の形状を有することが好ましい。
【0036】
(コンピュータ)
「コンピュータ」とは、基板上に電子回路が形成されて成る演算用の装置またはデバイスを意味する。基板にはトランジスタなどの半導体素子やコンデンサなどを含む電子回路が形成されてよい。
コンピュータとして、例えば電子制御装置(ECU: Electronic Control Unit)、より具体的には車載用の電子制御装置などが挙げられる。車載用の電子制御装置として、例えば、エンジンおよび/またはモータなどを制御するための演算用の装置またはデバイスが挙げられる。コンピュータは、概して、電子回路が形成された基板を収容するための筐体を有する。
【0037】
(筐体)
「筐体」は、基板を収容することができ、収容された基板およびその上に形成された電子回路を保護するための部品または部材であり、ハウジングまたはケースと呼ばれる場合もある(
図1(C)参照)。筐体は、断面が正方形または長方形などの四角形を含む略矩形の箱形の形状を有することが好ましい。
筐体は、本開示のコネクタを配置および/または位置決めするための開口部を有し、筐体本体の内部の空間に基板を収容することができる。このような観点から、本開示のコネクタはキャップとして機能することができる部品または部材ともいえる。
筐体は、金属製であっても樹脂製であってもよいが、放熱性の観点から金属製であることが好ましい。
筐体は、例えばカップ状部材および蓋状部材の2パーツ構成を有していてよい。カップ状部材および蓋状部材の両方が金属製であってもよい。カップ状部材および蓋状部材のいずれか一方、好ましくはカップ状部材が金属製であってもよい。このとき、蓋状部材は樹脂製であってもよい。
【0038】
「カップ状部材」とは、胴部に相当する側面部とそれに連続する主面部(典型的な態様では、例えば上面)を有して成り、内側に中空部が形成され得るような部材を意味する。カップ状部材は、上面視で正方形または長方形などの四角形を含む略矩形の形状を有することが好ましい。
「蓋状部材」とは、カップ状部材に対して蓋をするように設けられ得る部材を意味する。蓋状部材は、例えば同一平面状に延在する単一部材(典型的には平板状の部材)であってよい。蓋状部材は、カップ状部材に対応して、上面視で正方形または長方形などの四角形を含む略矩形の形状を有することが好ましい。
カップ状部材と蓋状部材とが互いに係合または嵌合により結合して筐体を構成することが好ましい(
図1(C)および
図2参照)。カップ状部材と蓋状部材との結合は、ネジなどを使用した締結であってよい。
【0039】
筐体の「開口部」とは、筐体において本開示のコネクタを配置および/または位置決めするために設けられた空間または開口を構成しる部分(例えば壁部など)であって、コネクタ本体に設けられた複数の凸部の少なくとも一部を受容または収容することができる筐体の一部(例えば壁部など)を意味する(
図2参照)。このような「開口部」は、「受容部」、「収容部」または「嵌合部」などと称してもよい。開口部は、本開示のコネクタに対向するように設けられていることが好ましい。開口部は、例えば筐体の主面を除く側面に設けられていてよい。ここで、筐体の主面とは、最も大きな面積を有する面を意味し、例えば、筐体の上面および/または下面を意味する。
【0040】
開口部は、コネクタ本体の一部が通過することができる開口を有する。開口の形状および寸法に特に制限はなく、コネクタ本体の形状に対応する略相補的な形状および寸法を有することが好ましい(
図1(C)ならびに
図2(A)および(B)参照)。
【0041】
筐体の開口部は、コネクタ本体に設けられた複数の凸部を受容するために、複数の凹部(例えば
図3(A)の上方からの概略断面で示す凹部32)を有していてよい。
【0042】
凹部の数に特に制限はなく、2以上であり、例えば2以上50以下、より具体的には2以上20以下である。
【0043】
筐体の開口部に設けられた凹部は、コネクタ本体に設けられた凸部の形状に対応し得る相補的な形状を有することが好ましい(
図3(A)および
図5(A)参照)。
本開示において「相補的な形状」とは、寸法が異なる相似的な形状を意味し、コネクタの凸部の少なくとも一部を受容することができる形状であればコネクタの凸部に類似する形状であってよく、厳密に同じ形状でなくてもよい。
【0044】
凹部は矩形の断面形状を有することが好ましい。矩形の断面形状として、例えば、正方形や長方形などの四角形、台形、菱形、平行四辺形などの略矩形の形状を有していてよい(
図3(A)および
図5(A)参照)。
【0045】
筐体の開口部に複数の凹部を設けることによって、コネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても、コネクタ本体に設けられた凸部ともに、受けた力をより分散させて逃すことができる。
【0046】
筐体の開口部に設けられた凹部とコネクタ本体に設けられた凸部との間には離隔(又は離間)によって形成され得る空間(S)が存在していてよい(
図3(B)および
図5(B)参照)。
【0047】
空間(S)を設けることによって、コネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても、コネクタ本体に設けられた凸部ともに、受けた力を緩和することができ、力をより分散させて逃すことができる。
【0048】
本開示において「煽り」とは、少なくとも1回大きく揺れることを意味する。より具体的には本開示のコネクタに取り付けられた他のコネクタのハーネスが大きく揺れること又は波打つことで発生し得るコネクタの揺れを意味する。「煽り」は、例えば、製造時の組立ラインにおいて本開示のコネクタに他のコネクタを接続する際に発生し得る。また、本開示のコネクタの使用時、例えば車載時や整備時などにも発生し得る。
【0049】
本開示において「振動」とは、周期的または非周期的に小刻みに揺れることを意味する。より具体的には本開示のコネクタに取り付けられた他のコネクタのハーネスが小刻みに振動することで発生し得る揺れを意味する。例えば、「振動」は、製造時の組立ラインにおいて本開示のコネクタに他のコネクタを接続する際に発生し得る。また、本開示のコネクタの使用時、例えば車載時や整備時などにも発生し得る。
【0050】
このような「煽り」および「振動」は、上下方向および左右方向だけでなく、あらゆる方向の揺れを含む。また、本開示では、「煽り」および「振動」をあわせて、単に「揺れ」と称する場合もある。
【0051】
本開示のコネクタがこのような「揺れ」による外力を受けた場合であっても、コネクタ本体に設けられた複数の凸部によって、受けた力をより分散させて逃すことができる。ひいては、コネクタ本体に設けられた端子にかかるストレスをより低減することができる。その結果、端子と基板との結合、より具体的にはハンダによる結合を保護することができ、非所望な接触不良を回避することができる。
【0052】
筐体の開口部に設けられた凹部とコネクタ本体に設けられた凸部との間に設けられた空間(S)(
図3(B)および
図5(B)参照)は、例えば毛管現象および/または表面張力などによって、水滴などの流体物を空間(S)に留めることができる。ひいては、筐体内部への流体物の浸入をより手前側で防止することができる。その結果、水滴などの流体物による端子や基板の腐食を防止することができ、非所望な接触不良を回避することができる。
【0053】
本開示において「流体物」とは、水、アルコール、オイルなどの流体を意味し、様々な添加剤などを含んでいてよい。流体物は、液体であっても、水滴や水蒸気などの粒状物であってよい。流体物は、洗浄用の水滴や水蒸気などであってよい。本開示の発明は、このような流体物に対して、顕著な防滴性能を奏することができる。
【0054】
筐体の開口部に設けられた凹部とコネクタ本体に設けられた凸部との間の離隔距離(例えば
図3(B)に示すd
1~d
9および
図5(B)に示すd
10~d
18ならびに
図7(B)に示すD
2およびD
4など)が、筐体とコネクタ本体との間の距離(例えば
図7(B)に示すD
5など)よりも小さいことが好ましい。
このような構成とすることで、例えば毛管現象および/または表面張力などによって、水滴などの流体物を筐体の開口部に設けられた凹部とコネクタ本体に設けられた凸部との間に設けられた空間(例えば
図3~
図6に示す空間Sおよび
図7に示す空間S
1など)に留めることができ、筐体とコネクタ本体との間に設けられた空間(例えば
図7に示すS
2など)への流体物の浸入を防止することができる。
【0055】
さらに、コネクタ本体に形成された凸部は、水滴などの流体物を留めるための通路(例えば
図8(B)に示すような凸部の下部に設けられた通路50など)、溝(又は切り込み)、穴(又は凹み)および孔(又は貫通孔)から成る群から選択される少なくとも1種を有していてよい。
このような通路、溝、穴および/または孔を凸部に設けることによって、水滴などの流体物をさらに留めることができる。これらは流体物の筐体内部への浸入をより抑制することができる。
このような通路、溝、穴および/または孔は凸部の任意の場所または領域に形成することができる。これらは凸部の主面および/または上面および/または側面および/または下部などに設けられてよい。また、このような流体物を留める観点から、凸部は多孔性の材料から構成されていてもよい。
【0056】
本開示のコネクタは、上記の構成を有することによって、水滴などの流体物を筐体の開口部で留めることができる。ひいては、筐体内部への浸入をより抑制することができ、非所望な接触不良を回避することができる。
【0057】
本開示において「装置」とは、少なくとも、電子回路を有する基板と、この基板を収容するための筐体と、端子を含むコネクタとを含む装置またはデバイスを意味する。具体的には、上記のコンピュータなどを含む装置またはデバイスを意味する。
【0058】
「電子回路」とは、概して、トランジスタなどの半導体素子やコンデンサなどを含む電気回路を意味する。このような電子回路に特に制限はない。
【0059】
以下、本発明を具体的な実施形態を挙げて説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図面における各種の要素および構成は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および/または寸法比などは実物と異なり得る。
【0060】
各図面において、例えば
図1(C)に示すX
1-X
2方向のX軸と、このX軸に直行するY
1-Y
2方向のY軸とに平行なX-Y面のZ
1-Z
2方向の法線をZ軸とするXYZ座標系に基づいてコネクタの形状を説明する。説明の便宜上、Z
1の方向を上方と称し、Z
2の方向を下方と称する場合もある。また、XYZ座標系の中心に向かう方向を内側方向または内側もしくは内部と称し、中心から遠ざかる方向を外側方向または外側もしくは外部と称する場合もある。
【0061】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態に係るコネクタは、例えば
図1および
図2に示す通り、端子3を含むコネクタ10であって、
端子3は、他の端子(図示せず)と電気的に接続するための第1端部(3a)と、基板に接続するための第2端部(3b)とを有し、
コネクタ10は、基板20を収容するための筐体30の開口部31に対向して開口部31の内部に位置付けられるように設けられた複数の凸部2を有し、
複数の凸部2が、それぞれコネクタ本体1の表面から外側に向けて突出し、端子3を横切る方向(例えば
図1(C)のY軸方向および/またはZ軸方向)に配置されている。尚、端子3は、例えば
図1(C)に示すX軸方向に配置されていてよい。
【0062】
例えば
図1および
図2に示すように本開示の第1実施形態に係るコネクタ10は、コネクタ本体1と、コネクタ本体1の表面から外側方向に突出する複数の凸部2を有する。コネクタ本体1は、その一部を貫通して配置された端子3を有する。
端子3は、2つの端部(3a,3b)を有し、第1端部(3a)は、他の端子(図示せず)と電気的に接続することができ、第2端部(3b)は、基板20と電気的に接続することができる(
図1(A)ならびに
図2(C)参照)。
端子3の第2端部(3b)は、従来と同様にハンダなどによって基板20に設けられた電子回路と結合することができる(
図12参照)。端子3は、棒状であっても、板状であってもよい。端子3は、ハンダによる基板20への結合を考慮すると、強度およびハンダによる結合面積の観点から板状であることが好ましい。
基板20は、X-Y面に平行して存在し、コネクタ本体1の下面と結合していてよい(
図1(A)および
図2(C)参照)。
【0063】
ここで、
図1(A)は、基板20の側から見たコネクタ10の斜視図である。
図1(B)は、他の端子(図示せず)と接続する側から見たコネクタ10の斜視図である。
図1(C)は、筐体30とともに他の端子(図示せず)と接続する側から見たコネクタ10の斜視図である(ただし、筐体30の側面は、説明の便宜上、省略している)。
【0064】
コネクタ10の本体1に設けられた複数の凸部2は、少なくともその一部が筐体30の開口部31に対向して、筐体30の開口部31の内部または内側に位置付けられていてよい(
図2(C)参照)。
【0065】
ここで、
図2(A)は、コネクタの部分断面を示す(
図2(B)のZ-Z’での断面を示す)。
図2(B)は、筐体30とともに他の端子(図示せず)と接続する側から見たコネクタを示す。
図2(C)は、
図2(B)のコネクタのX-X’での断面を示す。
図2(D)は、
図2(B)のコネクタのY-Y’での断面を示す。
【0066】
コネクタ10の本体1に設けられた複数の凸部2と、筐体30の開口部31との関係を
図3に示す。尚、
図3、特に
図3(B)は、
図2(A)の上方から見た部分断面に対応する。
【0067】
ここで、
図3(A)は、筐体30に設けられた開口部31を模式的に示す。開口部31は、コネクタ本体1に設けられた複数の凸部2の少なくとも一部を受容することができる。また、開口部31は、コネクタ10(特にコネクタ本体1)を配置および/または位置決めするために設けられた空間または開口を有する(
図2、特に
図2(B)参照)。
【0068】
開口部31は、コネクタ本体1に設けられた複数の凸部2に対応し得る形状を有する複数の凹部(点線で囲まれた部分)32を有する。図示する形態では、コネクタ本体1に設けられた複数の凸部2は、例えば
図8(A)に示すような板状の箱形の形状を有することから、筐体30の開口部31に設けられた凹部32は、このような凸部2の形状に対応し得る相補的な形状を有することが好ましい。より具体的には、凹部32は、箱形の形状を有していてよい。
【0069】
例えば
図3(B)に示す通り、コネクタ本体1に設けられた複数の凸部2は、筐体30の開口部31に設けられた複数の凹部32の内部に全体的または部分的に収容することができる(
図1(C)ならびに
図2(A)および
図2(B)参照)。
【0070】
複数の凸部2は、
図3(B)の破線で示す通り、一直線上に整列していることが好ましい。複数の凸部2が一直線上に整列していることで、コネクタが「煽り」や「振動」を受けた場合であっても、筐体30の開口部31、特に凹部32の壁部と面や点、好ましくは面で接触することで受けた力をより均一に分散させることができる。ひいては、端子3にかかるストレスをより低減することができ、接触不良を抑制することができる。
【0071】
複数の凸部2は、コネクタ本体1の全周にわたって配置することができる(
図2(B)参照)。コネクタ本体1の角部に凸部を配置する場合、凸部は図示する形態のようにL字形の形状を有していてよい。凸部がこのようなL字形の形状を有することによって、従来のようにコネクタが「煽り」や「振動」を受けてコネクタが傾いた場合であっても(
図13参照)、受けた力を角部で首尾よく分散させることができる。
【0072】
複数の凸部2は、等ピッチで配置されていることが好ましい。例えば
図3(B)に示す通り、任意の2つの凸部の間のピッチP
1およびP
2は同一であることが好ましい。
任意の2つの凸部の間のピッチは、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0073】
凸部2が板状の形状を有する場合、例えば
図8(A)に示す凸部2の長手方向の寸法L
1は、特に制限なく、任意に決定することができる。
凸部2の高さ方向(長手方向に対して垂直な方向)の寸法L
2は、特に制限なく、任意に決定することができる。
凸部2の厚み方向の寸法L
3は、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0074】
凸部2は、例えば
図3(B)に示す通り、矩形の断面形状を有することが好ましい。図示する形態のように凸部2の断面形状は、長方形などの四角形に限定されず、台形、菱形、平行四辺形などの略矩形の形状であってもよい(
図5(B)参照)。
【0075】
筐体30の開口部31に設けられた凹部32(好ましくは壁部)とコネクタ本体1に設けられた凸部2との間には離隔(又は離間)によって形成され得る空間(S)が存在してよい(
図3(A)および
図3(B)参照)。
【0076】
空間(S)が存在することで、凹部32の内部で凸部2の運動を制限しつつ、コネクタが「煽り」や「振動」を受けた場合に凸部2が横方向(換言すると
図1(C)に示すY軸方向)および/または縦方向(換言すると
図1(C)に示すX軸方向)に移動して凹部32の壁面と接触することで受けた力をより均一に分散させることができる。ひいては、端子3にかかるストレスをより低減することができ、接触不良をより抑制することができる。
【0077】
空間(S)は各凸部2の周囲に存在してよく、凹部32と凸部2との離隔距離に特に制限はない。例えば
図3(B)に示す横方向(Y軸方向)の離隔距離(又は離間距離)d
1~d
6は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、任意に決定することができる。
縦方向(X軸方向)の離隔距離(又は離間距離)d
7~d
9は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、任意に決定することができる。
【0078】
例えば
図3(C)に示すように、コネクタが「煽り」や「振動」を受けてコネクタ本体が従来と同様に斜めに傾いた場合(
図13(B)参照)、凹部32の壁面がブロックごとに凸部2の運動を制限することができ、なおかつ凸部2と凹部32とが接触すること、好ましくは面同士で接触することによってコネクタ本体が受けた力を凹部32の壁面に伝えることができ、受けた力をより分散させることができる。その結果、コネクタ本体に設けられた端子へのストレスを顕著に低減することができる。このような効果は、横方向(Y軸方向)だけでなく、縦方向(X軸方向)および/または上下方向(Z軸方向)から力を受けた場合にも奏することができる。換言すると、あらゆる方向から力を受けた場合であっても、コネクタは同様の効果を奏することができる。
【0079】
このような効果を増大させるために、例えば
図4に示す通り、凹部32の周囲にストッパ33を設けてよい。ストッパ33は、縦方向(X軸方向)において上記の効果を顕著に奏することができる。ストッパ33は開口部31と一体的または別々に形成されていてよい。
【0080】
さらなる改良として、例えば
図5(A)および
図5(B)に示す通り、開口部31’に設けられ得る凹部32’および凸部2’の断面形状をともに台形に変更してもよい。
【0081】
凹部32’および凸部2’の断面形状を台形とすることで、コネクタ本体が横方向(Y軸方向)から力を受けた場合であっても、縦方向(X軸方向)および/または上下方向(Z軸方向)から力を受けた場合であっても、さらに斜め方向から力を受けた場合であっても(
図5(C)参照)、受けた力をより均一に分散させることができる。換言すると、コネクタ本体があらゆる方向から力を受けた場合であっても、同様の効果をより顕著に奏することができる。
【0082】
例えば
図5(B)に示す通り、凸部2’と凹部32’との間に存在する空間(S)は、凸部2’と凹部32’とが互いに相似的な形状を有することで形成され得ることが好ましい。換言すると、凸部2’および凹部32’を構成する面が互いに略平行に位置することが好ましい。
【0083】
例えば
図5(B)に示す離隔距離(又は離間距離)d
10~d
15は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、任意に決定することができる。
例えば
図5(C)に示すようにコネクタ本体が傾く場合、離隔距離d
10~d
15は、d
10からd
15にかけて徐々に大きくしてもよい(換言するとd
15からd
10にかけて徐々に小さくしてもよい)。また、コネクタ本体が
図5(C)に示す方向とは反対方向に傾く場合、離隔距離d
10~d
15は、d
15からd
10にかけて徐々に大きくしてもよい(換言するとd
10からd
15にかけて徐々に小さくしてもよい)。そうすることによって、より大きな角度で傾いた場合にも対応してストレスを顕著に低減することができる。
図5(B)に示す縦方向(X軸方向)の離隔距離(又は離間距離)d
16~d
18は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ独立して、任意に決定することができる。
【0084】
ここで、凸部の主面の形状は、例えば
図6(A)に示す長方形などの四角形に限定されず、例えば
図6(B)に示すような台形などの略矩形であってよい。このような形状を有することで縦横方向(X軸方向およびY軸方向)だけでなく上下方向(Z軸方向)において斜めに傾いた場合にも凸部2’’と開口部31’’との接触面積を増加させることができ、受けた力をより均一に分散させることができる。
【0085】
このように本開示の第1実施形態に係るコネクタは、複数の凸部を設けることによって、コネクタ本体が「煽り」や「振動」による外力を受けた場合であっても、受けた力を面や点、好ましくは面で受けることで力を分散させて逃すことができる。ひいては、コネクタ本体に設けられた端子にかかるストレスをより低減することができる。その結果、端子と基板との結合、より具体的にはハンダによる結合を保護することができ、非所望な接触不良を回避することができる。
【0086】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態に係るコネクタは、端子3を含むコネクタであって、
端子3は、他の端子(図示せず)と電気的に接続するための第1端部(3a)と、基板に接続するための第2端部(3b)とを有し、
コネクタは、基板20を収容するための筐体30の開口部31に対向して開口部31の内部に位置付けられるように設けられた複数の凸部2を有し、
複数の凸部2が、それぞれコネクタ本体1の表面から外側に向けて突出し、端子3を横切る方向(例えばY軸方向および/またはZ軸方向)に配置されていて、
筐体30の開口部31は、複数の凸部2を受容するための複数の凹部32を有し、
筐体30の開口部31に設けられた凹部32とコネクタ本体1に設けられた凸部2との間に離隔(又は離間)によって形成され得る空間(S1)が存在し、
空間(S1)が流体物を留めるために設けられた空間である。
【0087】
第2実施形態のコネクタは、第1実施形態のコネクタ10と同様であるが、例えば
図7(B)の部分的な断面図で示す通り、開口部31に設けられた凹部32(
図3(A)参照)とコネクタ本体1に設けられた凸部2との間に離隔(又は離間)によって形成される空間(S
1)が水滴などの流体物を留めるために設けられていることを特徴とする。
【0088】
例えば
図7(A)の斜視図で示す通り、水滴などの流体物が矢印の方向に沿って浸入する場合がある。しかし、第2実施形態のコネクタでは、開口部31に設けられた凹部32(好ましくは壁部)とコネクタ本体1に設けられた凸部2との間の離隔によって形成され得る空間(S
1)によって、流体物を空間(S
1)に留めることができる。より具体的には、毛管現象および/または表面張力によって流体物を空間(S
1)に留めることができる。その結果、流体物が筐体30とコネクタ本体1との間に形成され得る空間(S
2)にまで浸入することを手前側で未然に防止することができる。第2実施形態のコネクタでは、このような凸部2が複数存在することによって、防滴効果などが飛躍的に向上する。
【0089】
尚、空間(S1)は、従来の部品間のクリアランスよりも大きくすることで形成され、このような空間(S1)の容積を増大させることでより多くの流体物を留めることができる。このような発明および効果は、従来の部品間のクリアランスを小さくすることを目的とする発明からは容易に想到し得ないものである。また、特許文献1に記載の発明のようにシール材を使用することを前提とした発明からも容易に想到し得ないものである。
【0090】
筐体30の開口部31に設けられた凹部32(好ましくは壁部)とコネクタ本体1に設けられた凸部2との間の離隔距離(例えば
図7(B)に示すD
2およびD
4)は、筐体30とコネクタ本体1との間の距離(例えば
図7(B)に示すD
5)よりも小さいことが好ましい。これらの距離を調節することで毛管現象および/または表面張力によって流体物を空間(S
1)にさらに容易かつ迅速に留めることができる。
【0091】
距離D5に対する距離D2またはD4の比(D2/D5またはD4/D5の比)は、1未満であればよく、任意に決定することができる。
【0092】
離隔距離D2およびD4は、同一であっても、異なっていてもよい。距離D2は、離隔距離D4よりも小さいことが好ましい。そうすることで、流体物の浸入をより手前側で抑制することができる。
距離D2およびD4は、それぞれ独立して、任意に決定することができる。
【0093】
距離D
2および/または距離D
4の値は、
図3および
図5に示すd
1~d
18の値と同一であっても異なっていてもよい。尚、
図3および
図5に示すd
1~d
18の値は、流体物の浸入をより手前側で抑制するという観点から、距離D
5よりも小さいことが好ましい。
【0094】
距離D5は、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0095】
筐体30の開口部31において、凹部の高さ方向(Z軸方向)の寸法D1に対する離隔距離D2の比(D2/D1の比)は、特に制限なく、任意に決定することができる。
筐体30の開口部31において、凹部の縦方向(X軸方向)の寸法D3に対する離隔距離D4の比(D4/D3の比)は、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0096】
図7において、凸部2は開口部31の内部に配置されているが、凸部2の外側表面は、開口部31の外側表面と面一であってよい。
【0097】
凸部2は、流体物を留めるための通路、溝、穴および孔から成る群から選択される少なくとも1種を有していてよい。このような通路、溝、穴および孔においても水滴などの流体物を留めることができる。
【0098】
例えば
図8(B)ならびに
図9および
図10に示す通り、いくつかの凸部2は通路50を有していてよい。尚、通路50は、貫通していなくてもよい。換言すると、通路50は、溝であってもよい。
通路50は、凸部2の下部、より具体的には通路50がコネクタ本体1と接するように形成されていてよい。図示する形態では、通路50は、凸部2の下部の中央に位置するが、通路50の位置に特に制限はない。
【0099】
凸部2の長手方向(例えばY軸方向)の寸法L1に対する通路50の長手方向(例えばY軸方向)の寸法L50の比(L50/L1の比)は、特に制限なく、任意に決定することができる。
L50は、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0100】
例えば
図9に示す通り、通路50の高さ方向(例えばZ軸方向)の距離D
50は、筐体30とコネクタ本体1との間の距離D
5よりも小さいことが好ましく、凸部2と凹部32との離隔距離D
2および/またはD
4よりも小さいことがさらに好ましい。
【0101】
距離D5に対する距離D50の比(D50/D5の比)は1未満である。D50/D5の比がさらに小さい値であることが好ましい。
【0102】
D50の値は、特に制限なく、任意に決定することができる。
【0103】
図10は、通路50を有する凸部2を含む本開示の第2実施形態に係るコネクタを示す。
図10(A)は、コネクタの部分断面を示す(
図10(B)のZ-Z’での断面を示す)。
図10(B)は、筐体30とともに他の端子(図示せず)と接続する側から見たコネクタを示す。
図10(C)は、
図10(B)のコネクタのX-X’での断面を示す。
図10(D)は、
図2(B)のコネクタのY-Y’での断面を示す。
【0104】
凸部2は、通路50の代わりに又は通路50とともに、溝、穴および/または孔を有していてよい。例えば凸部2の頂部において、溝、穴および/または孔が形成されていてよい。尚、このような通路、溝、穴および/または孔は、第1実施形態の凸部において形成されていてもよい。
【0105】
本開示のコネクタは、防水タイプのコネクタであっても、非防水タイプのコネクタであってもよい。より具体的には、防水性能を高めるためにコネクタ本体1と開口部31との間および/または凸部2と開口部31との間にシール材を配置してよい。
【0106】
[第3実施形態]
電子回路を有する基板20と、
前記基板20を収容するための筐体30と、
端子3を含むコネクタ10とを含む装置であって、
前記端子3は、他の端子(図示せず)と電気的に接続するための第1端部(3a)と、基板に接続するための第2端部(3b)とを有し、
前記コネクタ10は、前記基板20を収容するための筐体30の開口部31に対向して該開口部31の内部に位置付けられるように設けられた複数の凸部2を有し、
前記複数の凸部2が、それぞれコネクタ本体1の表面から外側に向けて突出し、前記端子3を横切る方向(例えばY軸方向および/またはZ軸方向)に配置されている、装置。
【0107】
本開示の装置に含まれ得る基板、筐体およびコネクタは、上記で説明したものを必要に応じて任意に組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態および第2実施形態に含まれる構成を必要に応じて任意に組み合わせて使用してよい。
【0108】
本開示の装置は、電子制御装置(ECU)、具体的には車載用の電子制御装置として使用することができる。より具体的には、自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車載用のコンピュータとして使用することができる。
【0109】
最後に本発明の態様について付言的に述べておく。上述した発明は、限定されないものの以下の態様を含んでいる。
【0110】
(態様1)
端子を含むコネクタであって、
前記端子は、他の端子と電気的に接続するための第1端部と、基板に接続するための第2端部とを有し、
前記コネクタは、前記基板を収容するための筐体の開口部に対向して該開口部内に位置付けられるように設けられた複数の凸部を有し、
前記複数の凸部が、それぞれコネクタ本体の表面から外側に向けて突出し、前記端子を横切る方向に配置されている、コネクタ。
(態様2)
前記複数の凸部が一直線上に整列している、態様1に記載のコネクタ。
(態様3)
前記複数の凸部が前記コネクタ本体の全周にわたって配置されている、態様1または2に記載のコネクタ。
(態様4)
前記複数の凸部が等ピッチで配置されている、態様1~3のいずれかに記載のコネクタ。
(態様5)
前記凸部が板状の形状を有する、態様1~4のいずれかに記載のコネクタ。
(態様6)
前記凸部が矩形の断面形状を有する、態様1~5のいずれかに記載のコネクタ。
(態様7)
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、該凹部は前記凸部の形状に対応する相補的な形状を有する、態様1~6のいずれかに記載のコネクタ。
(態様8)
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間に離隔によって形成される空間が存在する、態様1に記載のコネクタ。
(態様9)
端子を含むコネクタであって、
前記端子は、他の端子と電気的に接続するための第1端部と、基板に接続するための第2端部とを有し、
前記コネクタは、前記基板を収容するための筐体の開口部に対向して該開口部内に位置付けられるように設けられた複数の凸部を有し、
前記複数の凸部が、それぞれコネクタ本体の表面から外側に向けて突出し、前記端子を横切る方向に配置されていて、
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、
前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間に離隔によって形成される空間が存在し、
前記空間が流体物を留めるために設けられた空間である、コネクタ。
(態様10)
前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間の離隔距離が、前記筐体と前記コネクタ本体との間の距離よりも小さい、態様9に記載のコネクタ。
(態様11)
前記凸部が、流体物を留めるための通路、溝、穴および孔から成る群から選択される少なくとも1種を有する、態様9または10に記載のコネクタ。
(態様12)
前記複数の凸部が一直線上に整列している、態様9~11のいずれかに記載のコネクタ。
(態様13)
前記複数の凸部が前記コネクタ本体の全周にわたって配置されている、態様9~12のいずれかに記載のコネクタ。
(態様14)
前記複数の凸部が等ピッチで配置されている、態様9~13のいずれかに記載のコネクタ。
(態様15)
前記凸部が板状の形状を有する、態様9~14のいずれかに記載のコネクタ。
(態様16)
前記凸部が矩形の断面形状を有する、態様9~15のいずれかに記載のコネクタ。
(態様17)
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、該凹部は前記凸部の形状に対応する相補的な形状を有する、態様9~16のいずれかに記載のコネクタ。
(態様18)
前記コネクタが車載用のコネクタである、態様1~17のいずれかに記載のコネクタ。
(態様19)
電子回路を有する基板と、
前記基板を収容するための筐体と、
端子を含むコネクタとを含む装置であって、
前記端子は、他の端子と電気的に接続するための第1端部と、基板に接続するための第2端部とを有し、
前記コネクタは、前記基板を収容するための筐体の開口部に対向して該開口部内に位置付けられるように設けられた複数の凸部を有し、
前記複数の凸部が、それぞれコネクタ本体の表面から外側に向けて突出し、前記端子を横切る方向に配置されている、装置。
(態様20)
前記複数の凸部が一直線上に整列している、態様19に記載の装置。
(態様21)
前記複数の凸部が前記コネクタ本体の全周にわたって配置されている、態様19または20に記載の装置。
(態様22)
前記複数の凸部が等ピッチで配置されている、態様19~21のいずれかに記載の装置。
(態様23)
前記凸部が板状の形状を有する、態様19~22のいずれかに記載の装置。
(態様24)
前記凸部が矩形の断面形状を有する、態様19~23のいずれかに記載の装置。
(態様25)
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、該凹部は前記凸部の形状に対応する相補的な形状を有する、態様19~24のいずれかに記載の装置。
(態様26)
前記筐体の開口部は、前記複数の凸部を受容するための複数の凹部を有し、前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間に離隔によって形成される空間が存在する、態様19に記載の装置。
(態様27)
前記空間が流体物を留めるために設けられた空間である、態様26に記載の装置。
(態様28)
前記筐体の開口部に設けられた凹部と前記コネクタ本体に設けられた凸部との間の離隔距離が、前記筐体と前記コネクタ本体との間の距離よりも小さい、態様26または27に記載の装置。
(態様29)
前記凸部が、流体物を留めるための通路、溝、穴および孔から成る群から選択される少なくとも1種を有する、態様19~28のいずれかに記載の装置。
(態様30)
電子制御装置として使用される、態様19~29のいずれかに記載の装置。
(態様31)
車載用の電子制御装置として使用される、態様19~30のいずれかに記載の装置。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示のコネクタは、電気的な接続に使用することができ、その用途に特に制限はない。本開示のコネクタは、例えばコンピュータなどの基板に接続することができる。より具体的には本開示のコネクタは電子制御装置、特に自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車載用の電子制御装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 コネクタ本体
1a 第1端面
1b 第2端面
2 凸部
3 端子
3a 第1端部
3b 第2端部
10 コネクタ
20 基板
30 筐体(又はハウジング)
31 開口部
32 凹部
33 ストッパ
50 通路
P ピッチ
S 空間
100 従前のコネクタ
101 従前のコネクタ本体
102 壁部
103 端子
103a 第1端部
103b 第2端部
150 ハンダ(又は接続部)
200 従前の基板
300 従前の筐体
301 従前の開口部
400 他のコネクタ
500 ハーネス(又は配線)