(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】タッチパネル付き表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20241210BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/041 480
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
(21)【出願番号】P 2021069536
(22)【出願日】2021-04-16
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和也
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-102113(JP,A)
【文献】特開2013-161384(JP,A)
【文献】特開2019-070956(JP,A)
【文献】特開2020-119082(JP,A)
【文献】特開2019-109673(JP,A)
【文献】特開2013-182425(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0201467(US,A1)
【文献】特開平11-314862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0040721(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0156843(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108334236(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
1/16 - 1/18
3/01
3/03
3/041 - 3/04895
3/14 - 3/153
G09F 9/00
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルとタッチパネルとを互いに重ね合わせた状態で収容する正面側ケースと、
前記正面側ケースの表示面とは反対側に固定された支持板と、
前記支持板の前記表示パネルとは反対側に配置される背面側ケースと、
前記背面側ケースと前記支持板との間に固定され、前記タッチパネルの操作に応じて前記正面側ケース及び前記支持板を前記背面側ケースに対して相対的に前記表示パネルの面内方向に振動させる振動素子と、
前記タッチパネルを押圧操作したときの圧力を検出する感圧素子とを備え、
前記背面側ケースは、前記感圧素子が取り付けられる取付面部と、前記取付面部の前記感圧素子が取り付けられた面とは反対側の面から突出されると共に、その先端が前記支持板に当接される突起部とを有し、
前記タッチパネルを押圧操作したときに、前記突起部を介して前記取付面部を撓み変形させることによって、前記感圧素子が圧力を検出することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記取付面部は、当該取付面部の周囲よりも薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記背面側ケースは、前記取付面部を挟んだ両側を切り欠く一対のスリットを少なくとも有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記感圧素子は、前記表示パネルの中央付近と平面視で重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
前記正面側ケース又は前記支持板を、前記背面側ケースに対して前記タッチパネルの面内方向に振動自在に支持するダンパー機構を備えることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項6】
前記支持板と前記背面側ケースとの間に介在される緩衝材を備える請求項1~5の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項7】
前記背面側ケースに取り付けられて、前記振動素子とケーブルを介して電気的に接続される回路基板を備える請求項1~6の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示パネルとタッチパネルとを備え、表示パネルに表示された画像に合わせて、タッチパネルを操作することにより、各種の入力を可能としたタッチパネル付き表示装置がある(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/041163号
【文献】特開2020-102113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したタッチパネル付き表示装置の中には、タッチパネルの押圧操作したときの圧力を検出する感圧素子を備えたものである。例えば、上記特許文献1には、液晶パネル(表示パネル)の四隅に4つの圧電素子(感圧素子)が配置された構成が開示されている。しかしながら、このような構成の場合、たくさんの感圧素子が必要となるため、コストが嵩むことになる。
【0005】
一方、上記特許文献2には、タッチパネルの操作に応じて振動(触感)を発生させる振動素子を備えた構成が開示されている。このような構成の場合、タッチパネルを操作したときに、振動素子の振動が感圧素子に伝わると、タッチパネルを押圧操作したときの圧力を適切に検出できなくなる虞れがある。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、タッチパネルの押圧操作したときの圧力を効率良く且つ適切に検出することを可能としたタッチパネル付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 表示パネルとタッチパネルとを互いに重ね合わせた状態で収容する正面側ケースと、
前記正面側ケースの表示面とは反対側に固定された支持板と、
前記支持板の前記表示パネルとは反対側に配置される背面側ケースと、
前記背面側ケースと前記支持板との間に固定され、前記タッチパネルの操作に応じて前記正面側ケース及び前記支持板を前記背面側ケースに対して相対的に前記表示パネルの面内方向に振動させる振動素子と、
前記タッチパネルを押圧操作したときの圧力を検出する感圧素子とを備え、
前記背面側ケースは、前記感圧素子が取り付けられる取付面部と、前記取付面部の前記感圧素子が取り付けられた面とは反対側の面から突出されると共に、その先端が前記支持板に当接される突起部とを有し、
前記タッチパネルを押圧操作したときに、前記突起部を介して前記取付面部を撓み変形させることによって、前記感圧素子が圧力を検出することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
〔2〕 前記取付面部は、当該取付面部の周囲よりも薄肉に形成されていることを特徴とする前記〔1〕に記載のタッチパネル付き表示装置。
〔3〕 前記背面側ケースは、前記取付面部を挟んだ両側を切り欠く一対のスリットを少なくとも有することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のタッチパネル付き表示装置。
〔4〕 前記感圧素子は、前記表示パネルの中央付近と平面視で重なる位置に設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
〔5〕 前記正面側ケース又は前記支持板を、前記背面側ケースに対して前記タッチパネルの面内方向に振動自在に支持するダンパー機構を備えることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
〔6〕 前記支持板と前記背面側ケースとの間に介在される緩衝材を備える前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
〔7〕 前記背面側ケースに取り付けられて、前記振動素子とケーブルを介して電気的に接続される回路基板を備える前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、タッチパネルの押圧操作したときの圧力を効率良く且つ適切に検出することを可能としたタッチパネル付き表示装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るタッチパネル付き表示装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すタッチパネル付き表示装置の構成を示す透視平面図である。
【
図3】
図2中に示す線分A-Aによるタッチパネル付き表示装置の断面図である。
【
図4】
図1に示すタッチパネル付き表示装置が備える弾性変位部の構成を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示すタッチパネル付き表示装置のタッチパネルを押圧操作した状態を示す断面図である。
【
図6】
図1に示すタッチパネル付き表示装置の変形例を示す透視平面図である。
【
図7】
図1に示すタッチパネル付き表示装置における弾性変位部の配置を例示した透視平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0011】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図5に示すタッチパネル付き表示装置1について説明する。
なお、
図1は、タッチパネル付き表示装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、タッチパネル付き表示装置1の構成を示す透視平面図である。
図3は、
図2中に示す線分A-Aによるタッチパネル付き表示装置1の断面図である。
図4は、タッチパネル付き表示装置1が備える弾性変位部14の構成を示す斜視図である。
図5は、タッチパネル付き表示装置1のタッチパネル3を押圧操作した状態を示す断面図である。
【0012】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向をタッチパネル付き表示装置1の水平面内における長手方向(長さ方向)、Y軸方向をタッチパネル付き表示装置1の水平面内における短手方向(幅方向)、Z軸方向をタッチパネル付き表示装置1の水平面内と直交する鉛直方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0013】
本実施形態のタッチパネル付き表示装置1は、
図1、
図2及び
図3に示すように、表示パネル2と、タッチパネル3と、正面側ケース4と、背面側ケース5と、振動素子6と、制御基板7と、ダンパー機構8とを備えている。
【0014】
表示パネル2は、画像を表示するものである。本実施形態では、表示パネル2として、例えば液晶表示パネル(LCD)を用いている。なお、表示パネル2には、上述した液晶表示パネル以外にも、例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示パネル(OLED)などを用いることができる。表示パネル2は、全体として略矩形平板状を為して、正面側ケース4の正面側にフック構造やネジ止め等により取り付けられている。
【0015】
なお、
図1に示すタッチパネル付き表示装置1において、表示パネル2に表示される画像は、Z軸の正方向側から視認することができる。すなわち、このタッチパネル付き表示装置1は、Z軸の正方向側に表示面を備えている。
【0016】
タッチパネル3は、表示パネル2に表示された画像に合わせて、画面を操作することによって各種の入力を行うものである。本実施形態では、タッチパネル3として、例えば静電容量式のタッチパネル(CTP)を用いている。なお、タッチパネル3には、上述した静電容量式以外にも、例えば抵抗膜方式などの別の方式のものを用いることができる。
【0017】
タッチパネル3は、全体として略矩形平板状を為すと共に、表示パネル2よりも大きい外形を有している。タッチパネル3は、表示パネル2とクッション材9を介して表示面側に重ね合わされた状態で、正面側ケース4の正面側に両面テープなどの接着材10を介して取り付けられている。
【0018】
正面側ケース4は、背面側ケース5と共に本体ケース11を構成するものであり、例えばプラスチックなどの樹脂成形体からなる。正面側ケース4は、互いに重ね合わせた表示パネル2とタッチパネル3とを収容するように、全体として略矩形枠状に形成されている。
【0019】
背面側ケース5は、正面側ケース4と共に本体ケース11を構成するものであり、例えばプラスチックなどの樹脂成形体からなる。背面側ケース5は、正面側ケース4と一体に組み合わされるように、全体として略矩形箱状に形成されている。また、背面側ケース5は、正面側ケース4よりも小さい外形を有して、正面側ケース4の背面側から正面側ケース4の内側へと嵌め込むことが可能となっている。
【0020】
なお、本実施形態では、正面側ケース4及び背面側ケース5に、例えばABS樹脂又はABS樹脂とPC樹脂との混合樹脂材料を用いているが、これらの材料に必ずしも限定されるものではない。
【0021】
振動素子6は、タッチパネル3の操作に応じて正面側ケース4を振動させるものであり、例えば、リニア共振アクチュエータ(LRA)や、ボイスコイルモーター(VCM)、ピエゾ(圧電)素子、偏心モーター(ERM)などからなる。
【0022】
振動素子6は、正面側ケース4の表示面とは反対側、すなわち正面側ケース4の背面側に支持板12を介して取り付けられている。支持板12は、例えば、ステンレス鋼(SUS)やアルミニウム、ニッケル合金等の金属、又は樹脂などからなり、正面側ケース4の背面側を覆うように、全体として略矩形平板状に形成されている。
【0023】
支持板12は、正面側ケース4の背面側にネジ止め等により取り付けられている。背面側ケース5は、この支持板12の表示パネル2とは反対側に配置されている。振動素子6は、この支持板12の背面側の中央付近(表示パネル2の中央付近と平面視で重なる位置)に取り付けられている。また、背面側ケース5の略中央部には、支持板12に取り付けられた振動素子6の周囲を囲む開口部5aが設けられている。本実施形態では、振動素子6がタッチパネル付き表示装置1の長手方向に振動する。
【0024】
制御基板7は、振動素子6の駆動を制御する駆動回路等が設けられた回路基板からなる。制御基板7は、背面側ケース5にネジ止め等により取り付けられている。また、制御基板7は、ケーブル13aを介して振動素子6と電気的に接続されている。
【0025】
ダンパー機構8は、正面側ケース4と背面側ケース5との間に介在されると共に、背面側ケース5に対して正面側ケース4をタッチパネル3の面内方向に振動自在に支持するものである。本実施形態では、タッチパネル付き表示装置1の水平面内において、振動素子6を挟んだタッチパネル付き表示装置1の長手方向の両側に、2つのダンパー機構8が設けられている。
【0026】
具体的に、このダンパー機構8は、
図2、
図3及び
図4に示すように、背面側ケース5に設けられた弾性変位部14と、支持板12に固定される第1の固定部15と、弾性変位部14に固定される第2の固定部16とを有している。
【0027】
弾性変位部14は、第2の固定部16が設けられた固定片14aと、固定片14aを挟んだ両側から互いに反対方向(本実施形態ではタッチパネル付き表示装置1の短手方向)に延長された一対の弾性片14b,14cとを有している。
【0028】
固定片14aは、背面側ケース5の面内方向に対して平行な平板形状を有している。本実施形態の固定片14aは、円板形状又はタッチパネル付き表示装置1の長手方向に沿った長円板形状を有している。
【0029】
一対の弾性片14b,14cは、背面側ケース5の面内方向に対して垂直な平板形状を有している。本実施形態の弾性片14b,14cは、タッチパネル付き表示装置1の短手方向に沿って延長された長板形状を有している。すなわち、これら一対の弾性片14b、14cは、振動素子6の振動方向であるタッチパネル付き表示装置1の長手方向に対して垂直な平板形状を有している。
【0030】
弾性変位部14は、背面側ケース5に設けられた開口部5bの内側に懸架された状態で設けられている。すなわち、この弾性変位部14は、背面側ケース5と一体に形成されたものからなる。開口部5bは、弾性変位部14の周囲を囲むように矩形状に開口している。弾性変位部14は、弾性片14b,14cの一端側が固定片14aと連結され、弾性片14b,14cの他端側が開口部5bを形成する背面側ケース5と連結されることによって、開口部5bの内側に懸架された状態で設けられている。
【0031】
これにより、弾性変位部14では、一対の弾性片14b,14cの撓み変形を利用して、これら一対の弾性片14b,14cと連結された固定片14aを背面側ケース5の面内方向(本実施形態ではタッチパネル付き表示装置1の長手方向)に弾性変位させることが可能となっている。
【0032】
また、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述した弾性変位部14を背面側ケース5と一体に形成することで、このタッチパネル付き表示装置1の製造コストを下げることが可能である。
【0033】
なお、弾性変位部14については、上述した背面側ケース5と一体に形成されたものに必ずしも限定されるものではなく、背面側ケース5と別体に形成したものを、背面側ケース5の開口部5bの内側に懸架した状態で設けることも可能である。この場合、弾性変位部14には、上述した背面側ケース5とは異なる材質のものを用いることが可能である。
【0034】
第1の固定部15は、支持板12の固定片14aと対向する位置から背面側ケース5側に向かって突出された台座部15aと、この台座部15aに形成されたネジ孔15bとを有している。一方、第2の固定部16は、固定片14aを貫通する貫通孔16aを有している。ダンパー機構8では、この貫通孔16aを通して固定具であるネジ17をネジ孔15bに螺合することによって、第1の固定部15と第2の固定部16とを一体に固定している。
【0035】
また、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1は、支持板12と背面側ケース5との間に介在される少なくとも1つ又は複数(本実施形態では6つ)の緩衝材18を備えている。緩衝材18は、上述したクッション材9などのように、振動を吸収可能な材料の中から適宜選択して用いることができる。緩衝材18は、支持板12と背面側ケース5との間に挟み込まれた状態で、支持板12と背面側ケース5とが重なり合う範囲に適宜配置されている。これにより、支持板12から背面側ケース5へと伝わる振動を抑制したり、共振を防いだりすることが可能である。
【0036】
以上のような構成を有する本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述した支持板12と背面側ケース5との間に介在されるダンパー機構8によって、背面側ケース5に対して正面側ケース4をタッチパネル3の面内方向(本実施形態ではタッチパネル付き表示装置1の長手方向)に振動自在に支持している。
【0037】
これにより、振動素子6が取り付けられた可動側となる正面側ケース4から、制御基板7が取り付けられた固定側となる背面側ケース5へと伝わる振動を抑制することが可能である。また、振動素子6から伝わる振動により制御基板7等が悪影響を受けることを防ぐことが可能である。
【0038】
また、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述した背面側ケース5に対して正面側ケース4をタッチパネル3の面内方向に振動させることによって、振動素子6からの振動を効率良く且つ均一に正面側ケース4へと伝えることが可能である。これにより、従来よりも小型の振動素子6を用いることも可能である。
【0039】
以上のように、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、タッチパネル3の操作に応じて振動素子6からの振動を効率良く伝えることができ、なお且つ、正面側ケース4から背面側ケース5へと伝わる振動を抑制することが可能である。
【0040】
ところで、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1は、
図2及び
図3に示すように、タッチパネル3を押圧操作したときの圧力を検出する感圧素子20を備えている。
【0041】
感圧素子20は、例えば圧電素子からなり、背面側ケース5の背面側の中央付近(表示パネル2の中央付近と平面視で重なる位置)に取り付けられている。感圧素子20は、ケーブル13bを介して制御基板7と電気的に接続されている。
【0042】
背面側ケース5は、この感圧素子20が取り付けられる取付面部21と、取付面部21を挟んだ両側を切り欠く一対のスリット22と、取付面部21の感圧素子20が取り付けられた面(背面)とは反対側の面(正面)から突出されると共に、その先端が支持板12に当接される突起部23とを有している。
【0043】
取付面部21は、この取付面部21の周囲よりも薄肉に形成されている。一対のスリット22は、この取付面部21を挟んだ両側を長手方向に切り欠くことによって形成されている。突起部23は、感圧素子20の略中央部と平面視で重なる位置から支持板12側に向かって円柱状に突出されると共に、その先端が丸みを帯びた球面形状を有している。
【0044】
以上のような構成を有する本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、
図5に示すように、タッチパネル3を押圧操作したときに、突起部23を介して取付面部21を撓み変形させることが可能である。
【0045】
すなわち、このタッチパネル付き表示装置1では、タッチパネル3を押圧操作したときの押圧量(押込量)に応じて、支持板12が背面側ケース5側へと変位し、この支持板12に当接された突起部23を介して取付面部21を撓み変形させることが可能である。
【0046】
取付面部21は、この取付面部21の周囲よりも薄肉に形成されることによって撓み易くなっている。また、取付面部21は、この取付面部21を挟んだ両側に一対のスリット22を設けることによって、更に撓み易くすることが可能である。
【0047】
これにより、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、取付面部21の撓み変形に応じた起電力を感圧素子20が発生させることで、タッチパネル3を押圧操作したときの圧力(押込量)を検出することが可能である。
【0048】
したがって、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述した表示パネル2に表示された画像に合わせて、タッチパネル3を押圧操作したときに、その圧力(押込量)に応じた各種の入力を行うことが可能である。
【0049】
以上のように、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述したタッチパネル3の押圧操作したときの圧力を1つの感圧素子20により効率良く検出することが可能である。
【0050】
また、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、上述した突起部23の先端のみが支持板12に接触する構成のため、支持板12との接触面積を少なくして、タッチパネル3を操作したときに、振動素子6の振動が感圧素子20側へと伝わりにくい構造となっている。なお、突起部23は、支持板12に常時接触している構成に限らず、タッチパネル3を操作した直後に支持板12と接触する構成とすることも可能である。
【0051】
これにより、本実施形態のタッチパネル付き表示装置1では、振動素子6の振動による影響を受けることなく、タッチパネル3の押圧操作したときの圧力を感圧素子20により適切に検出することが可能である。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記タッチパネル付き表示装置1では、上述した一対のスリット22が設けられた構成となっているが、例えば
図6に示すように、一対のスリット22の一端側における間を切り欠くスリット22を更に追加した構成としてもよい。すなわち、感圧素子20の周囲を囲む四角形の3辺に位置するように、3つのスリット22を設けた構成としてもよい。
【0053】
また、上記タッチパネル付き表示装置1では、上述した2つのダンパー機構8が配置された構成を例示しているが、少なくとも1つ又は複数のダンパー機構8を配置することが可能である。
【0054】
例えば、上記タッチパネル付き表示装置1において、4つのダンパー機構8を配置した構成を
図7に示す。この
図7に示す構成では、タッチパネル付き表示装置1の水平面内において、その中央付近に配置された振動素子6及び感圧素子20の周囲を囲む四角形の各辺の中央部に位置するように、4つのダンパー機構8が配置されている。
【0055】
なお、上記タッチパネル付き表示装置1の用途については、特に限定されるものではなく、例えば、複写機(複合機)、プリンタなどのOA機器のタッチ操作パネルや、車載のタッチ操作パネルなどの適用可能な用途に対して、このタッチパネル付き表示装置1を幅広く使用することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…タッチパネル付き表示装置 2…表示パネル 3…タッチパネル 4…正面側ケース 5…背面側ケース 5b…開口部 6…振動素子 7…制御基板 8…ダンパー機構 9…クッション材 10…接着材 11…本体ケース 12…支持板 13a,13b…ケーブル 14…弾性変位部 14a…固定片 14b,14c…弾性片 15…第1の固定部 16…第2の固定部 17…ネジ(固定具) 18…緩衝材 20…感圧素子 21…取付面部 22…スリット 23…突起部