(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】型枠用ロードセル取付金具および型枠構造
(51)【国際特許分類】
E04G 17/065 20060101AFI20241210BHJP
E04G 19/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
E04G17/065 Z
E04G19/00 Z
(21)【出願番号】P 2021085945
(22)【出願日】2021-05-21
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000446
【氏名又は名称】岡部株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊二
(72)【発明者】
【氏名】園部 裕司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 喜照
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 郁弥
(72)【発明者】
【氏名】辻 駿
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-016037(JP,U)
【文献】特開平2-289763(JP,A)
【文献】特開平3-222725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G9/00-21/10
25/00-25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端太材押え金具における端太材当接部の反対側に取付けられ、ロードセルが固定されるロードセル固定架台と、
前記端太材押え金具および前記ロードセルを貫通するネジ棒に螺合し、前記ロードセルを前記ロードセル固定架台に固定する固定ナットとを備え、
前記ロードセル固定架台は、前記ネジ棒に螺合して前記端太材押え金具を前記端太材に押し付ける緊結ナットが収容される緊結ナット収容部と、前記緊結ナット収容部に収容された前記緊結ナットを回転させる工具が入る工具用開口部とを有することを特徴とする型枠用ロードセル取付金物。
【請求項2】
請求項1記載の型枠用ロードセル取付金具において、
前記ロードセル固定架台には、前記端太材押え金具の外表面に設けられた位置決め孔に嵌合する位置決め用凸部が設けられていることを特徴とする型枠用ロードセル取付金物。
【請求項3】
セパレータによって所定間隔を空けて設置された一対の堰板それぞれの外側を端太材および端太材押え金具によって支持する型枠構造であって、前記端太材押え金具における前記端太材の反対側に請求項1または請求項2記載の型枠用ロードセル取付金具を取り付け、その型枠用ロードセル取付金具における前記ロードセル固定架台にロードセルを前記固定ナットで固定することを特徴とする型枠構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの打設時に型枠にかかる側圧を計測するロードセルを取付ける型枠用ロードセル取付金具および型枠構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物を構築する型枠構造では、コンクリート打設時に型枠内に充填されるコンクリート圧が高くなり過ぎて、型枠が破壊することを未然に防ぐため、例えば、セパレータにコンクリートの打設時に型枠にかかる側圧を計測するロードセルを設けた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、セパレータに螺合する雌ねじ部及び型枠締付桿螺着用の螺桿を備えたロードセル本体を、型枠(堰板)と横端太材との間に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献に記載の技術では、ロードセル本体を型枠(堰板)と横端太材との間に設けているため、ロードセル本体の取り付け位置を変更する場合には、横端太材や端太材押え金具(座金)等を取り外さなければならず、施工性が悪いという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、横端太材や端太材押え金具を取り外すことなくロードセルの取付け位置を簡単に変更して施工性を向上することができる型枠用ロードセル取付金具および型枠構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するため、本発明に係る型枠用ロードセル取付金具は、端太材押え金具における端太材当接部の反対側に取付けられ、ロードセルが固定されるロードセル固定架台と、前記端太材押え金具および前記ロードセルを貫通するネジ棒に螺合し、前記ロードセルを前記ロードセル固定架台に固定する固定ナットとを備え、前記ロードセル固定架台は、前記ネジ棒に螺合して前記端太材押え金具を前記端太材に押し付ける緊結ナットが収容される緊結ナット収容部と、前記緊結ナット収容部に収容された前記緊結ナットを回転させる工具が入る工具用開口部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る型枠用ロードセル取付金具では、前記ロードセル固定架台には、前記端太材押え金具の外表面に設けられた位置決め孔に嵌合する位置決め用凸部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る型枠構造では、セパレータによって所定間隔を空けて設置された一対の堰板それぞれの外側を端太材および端太材押え金具によって支持する型枠構造であって、前記端太材押え金具における前記端太材の反対側に請求項1または請求項2記載の型枠用ロードセル取付金具を取り付け、その型枠用ロードセル取付金具における前記ロードセル固定架台にロードセルを前記固定ナットで固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンクリート打設時の型枠にかかる側圧を測定するロードセルは、端太材押え金具における端太材当接部の反対側にロードセル固定架台を介して設置され、端太材押え金具や端太材等を締結している緊結ナットとは別に設けた固定ナットによって固定する。そのため、ロードセルの取り付け位置を変更する場合でも、横端太材や端太材押え金具を取り外すことなくロードセルの取付け位置を簡単に変更することができるので、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用してロードセルを取り付けた側の型枠を示す平面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用してロードセルを取り付けた側の型枠におけるロードセル取付金具およびロードセルを設けた側を示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用してロードセルを取り付けた状態を拡大して示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用してロードセルを取り付けた側の型枠を示す正面図である。
【
図5】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の斜視図、正面図、側面図である。
【
図6】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の平面図、
図5(c)におけるA-A線断面図、底面図である。
【
図7】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用したロードセルの取付け手順1,2を示す正面図である。
【
図8】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具を使用したロードセルの取付け手順3,4を示す正面図である。
【
図9】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態2の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の斜視図、正面図、側面図である。
【
図10】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態2の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の平面図、底面図、
図9(c)におけるB-B線断面図である。
【
図11】(a)~(d)それぞれ本発明に係る実施形態3の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の斜視図、底面図、正面図、
図11(c)におけるC-C線断面図である。
【
図12】本発明に係る実施形態3の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台および端太材押え金具の斜視図である。
【
図13】(a)~(f)それぞれ本発明に係る実施形態4の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台の斜視図、正面図、底面図、正面図、左側面図、右側面図、
図13(e)におけるD-D線断面図である。
【
図14】本発明に係る実施形態4の型枠用ロードセル取付金具を構成するロードセル固定架台および端太材押え金具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る型枠用ロードセル取付金具および型枠構造の実施形態1~3について図面を参照して説明する。尚、下記に説明する実施形態1~3は、あくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態1~3に限定されるものではなく、本発明の技術思想の創作の範囲内で適宜変更可能である。
【0010】
実施形態1.
本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1および型枠構造について説明する。まず、実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1が使用されてロードセル9が設置された型枠構造から説明する。
【0011】
<型枠構造の構成>
コンクリートを打設する型枠は、
図1に示すように堰板2,2を所定間隔に保持するために設けられたセパレータ8aの両側に堰板2,2それぞれの外側を縦端太材3aおよび横端太材3bによって支持して構成されるもので、横端太材3bはネジ棒5に螺合する緊結ナット6によって締結された端太材押え金具7によって押えられて構成されている。
【0012】
ネジ棒5は、それぞれ、セパレータ8aの両側に接続されたコーン8bの軸部(図示せず)にネジ棒5の先端に設けられた軸足4を介して連結されている。尚、
図1に示す型枠構造では、実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1を使用してロードセル9を、図上右側の端太材押え金具7の外側に設けた状態を示している。
【0013】
端太材押え金具7は、
図3や
図4等に示すように、ネジ棒5が貫通するネジ棒貫通孔(図示せず。)が形成された背板部7aと、背板部7aの左右両側から90度折り曲げられて対向するように延びる一対の側板部7b,7bとから構成されている。一対の側板部7b,7bの先端面には丸パイプ等で構成された横端太材3bを確実に押えることが出来るように横端太材3bの外形に応じて切欠いた端太材当接部7b1が2箇所設けられており、この2箇所の端太材当接部7b1で2本の横端太材3bを押えるように構成されている。尚、以上説明した型枠を構成する部材や構造は周知である。
【0014】
<実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1等の構成>
実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1は、例えば、
図1~
図4に示すように横端太材3bを押える端太材押え金具7の外側、つまり端太材当接部7b1や横端太材3bとは反対側に設けられるもので、ロードセル固定架台11と固定ナット12との間に設置されるロードセル9を固定するものである。
【0015】
(ロードセル固定架台11)
ロードセル固定架台11は、
図5および
図6に示すように、ロードセル9が設置されるセル固定用台座部11aと、セル固定用台座部11aの下面に設けられる脚部11bと、脚部11bの下端部にセル固定用台座部11aに対向するように設けられた架台設置用台座部11cとから構成されている。
【0016】
セル固定用台座部11aは、ロードセル9が円盤状ないしは高さが低い円筒状の形状であるため、その形状や大きさに合わせて平面視、円形状に形成されており、その中心にはネジ棒5が貫通するネジ棒貫通孔11a1が形成されている。そのため、ネジ棒貫通孔11a1の内径は、ネジ棒5の外径よりも大きく、かつ、ロードセル9の外径よりも小さく形成してロードセル9を設置できるように構成している。
【0017】
脚部11bは、ロードセル9の形状や大きさに合わせて円筒状に形成され、ネジ棒5に螺合して端太材押え金具7を横端太材3bに押し付ける緊結ナット6が収容される緊結ナット収容部11b1を有すると共に、その緊結ナット収容部11b1に収容された緊結ナット6を回転させるモンキースパナ等の工具が入る半円形状の工具用開口部11b2を有する。そのため、脚部11bは、緊結ナット6の幅および厚さよりも大きい内幅および高さを有する。
【0018】
架台設置用台座部11cは、セル固定用台座部11aと同様に、平面視、円形状に形成され、ネジ棒5に螺合された緊結ナット6の外径よりも大きい緊結ナット通し孔11c1が設けられている。尚、ロードセル固定架台11は、緊結ナット収容部11b1および工具用開口部11b2が設けられた脚部11bをセル固定用台座部11aと架台設置用台座部11cとで挟むように構成して、ロードセル固定架台11全体の強度ないしは耐力の向上を図っている。
【0019】
(固定ナット12)
固定ナット12は、ネジ棒5に螺合してロードセル9をロードセル固定架台11のセル固定用台座部11aに固定すると共に、一時的に端太材押え金具7等を介して横端太材3bを固定するナットであり、緊結ナット6と同様に六角ナットを使用している。
【0020】
<ロードセル9>
ロードセル9は、コンクリート打設時の型枠にかかる側圧を計測するもので、一般的に流通しており、円盤状ないしは高さが低い円筒状の形状で、その中心にはネジ棒5が貫通するネジ棒貫通孔(図示せず。)が設けられている。
【0021】
<実施形態1のロードセル取付金具1の使用方法>
次に、以上のように構成された実施形態1のロードセル取付金具1の使用方法について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように堰板2,2を所定間隔に保持するために設けられたセパレータ8aに堰板2,2の外側をそれぞれ縦端太材3aおよび横端太材3bを介して端太材押え金具7によって押えている型枠構造では、両側の端太材押え金具7それぞれはネジ棒5に螺合する緊結ナット6によって固く締結されている。
【0023】
このような型枠構造に実施形態1のロードセル取付金具1を使用してロードセル9を設置する場合、いずれか一方側、例えば、
図7(a)に示すようにネジ棒5に、実施形態1のロードセル取付金具1を構成するロードセル固定架台11と、ロードセル9と、固定ナット12とをこの順に通す。
【0024】
その後、固定ナット12を螺合して、
図7(b)に示すようにロードセル固定架台11を端太材押え金具7の外側に固定すると共に、ロードセル固定架台11のセル固定用台座部11aにロードセル9を固定する。
【0025】
次に、
図8(a)に示すように端太材押え金具7を締結している緊結ナット6を緩め、その後に型枠内にコンクリートを打設する。
【0026】
緊結ナット6を緩めておくことで、固定ナット12のみで横端太材3b等を固定している状態になるため、コンクリート打設時に型枠にかかる側圧を正確に計測することができる。
【0027】
コンクリート打設完了後、ロードセル9を取り外す場合は、再度、ロードセル固定架台11の脚部11bの工具用開口部11b2(
図5および
図6参照。)からモンキースパナ等の工具を挿入し、
図8(b)に示すように緊結ナット6を締め付けて端太材押え金具7を横端太材3bに押し付けて固定した上で、ロードセル9等を固定している固定ナット12を緩めてネジ棒5から取り外し、その後、ロードセル9、ロードセル固定架台11を取り外す。
【0028】
<実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1のまとめ>
以上説明したように、実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1は、端太材押え金具7の外側にセル固定用台座部11a、脚部11b及び架台設置用台座部11cとで構成され、端太材押え金具7を緊結する緊結ナット6を収容する緊結ナット収容部11b1と、緊結ナット収容部11b1に収容された緊結ナット6を回転させる工具が入る工具用開口部11b2とを設けたロードセル固定架台11と、ネジ棒5に螺合し、ロードセル固定架台11のセル固定用台座部11aにロードセル9を固定し、一時的に端太材押え金具7等を介して横端太材3bを固定する固定ナット12とを備えている。
【0029】
そのため、本発明に係る実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1および型枠構造によれば、コンクリート打設時の型枠にかかる側圧を測定するロードセル9は、端太材押え金具7の外側、すなわち端太材当接部7b1の反対側に設けたロードセル固定架台11を介し取り付けられ固定ナット12で固定されるため、ロードセル9の取り付け位置を変更する場合でも、横端太材3bや端太材押え金具7を取り外すことなくロードセル9の取付け位置を簡単に変更することが可能となるので、施工性を向上させることができる。
【0030】
特に、実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1では、ロードセル固定架台11は緊結ナット収容部11b1および工具用開口部11b2が設けられている脚部11bをセル固定用台座部11aと架台設置用台座部11cとで挟むように構成しているため、ロードセル固定架台11全体の強度ないしは耐力を向上することができる。
【0031】
尚、上記実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1では、
図6および
図7等に示すようにロードセル固定架台11の脚部11b下端部に架台設置用台座部11cを設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、例えば、
図9(a)~(c)および
図10(a)~(c)に示すように、架台設置用台座部11cを省略したロードセル固定架台11’を使用しても勿論良い。
【0032】
実施形態2.
上記実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1では、平面視、円形状のセル固定用台座部11a、脚部11bおよび架台設置用台座部11cからなるロードセル固定架台11または架台設置用台座部11cを省略したセル固定用台座部11aおよび脚部11bからなるロードセル固定架台11’によって説明したが、実施形態2のロードセル取付金具1’では、方形状のロードセル固定架台13を使用した例について説明する。尚、固定ナット12は実施形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
【0033】
図11(a)~(d)は、それぞれ、本発明に係る実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’を構成するロードセル固定架台13の斜視図、底面図、正面図、
図11(c)におけるC-C線断面図、
図12は、その実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’を構成するロードセル固定架台13および端太材押え金具7’の斜視図である。
【0034】
実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’では、平面視、正方形状のセル固定用台座部13aと、セル固定用台座部13aの4か所の角部の下面に設けられる4本の脚部13bとで構成したロードセル固定架台13を使用する。
【0035】
セル固定用台座部13aの中心には、型枠押え金具を構成するネジ棒5が貫通するネジ棒貫通孔13a1が設けられており、そのネジ棒貫通孔13a1の内径は、ネジ棒5の外径よりも大きく、かつ、ロードセル9の外径よりも小さく形成してロードセル9を設置できるように構成している。
【0036】
4本の脚部13bは、上述した実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1のロードセル固定架台11,11’とは異なり、棒状のもので、その4本の脚部13bによって囲まれた端太材押え金具7’の外表面とセル固定用台座部13aとの間に緊結ナット6が収容されることになる。つまり、実施形態2のロードセル固定架台13の場合、4本の脚部13bの間で囲まれる空間が緊結ナット6が収容される緊結ナット収容部になると共に、2本の脚部13bの間がモンキースパナ等の工具が入る工具用開口部となる。
【0037】
そして、4本の脚部13bの先端には、それぞれ、脚部13bの外径よりも小さくした位置決め部13b1を設けている。
【0038】
そのため、
図12に示すように実施形態2のロードセル固定架台13が取り付けられる端太材押え金具7’の背板部7a’外表面にネジ棒5が通るネジ棒貫通孔7a1’を設けると共に、4本の脚部13bそれぞれの位置決め部13b1が嵌合する位置決め孔7a2’を設けている。
【0039】
従って、本発明に係る実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’および型枠構造によれば、ロードセル9は、端太材押え金具7’の外側、すなわち端太材当接部7b1’の反対側に設けたロードセル固定架台13のセル固定用台座部13aに固定ナット12によって固定するため、実施形態1の型枠用ロードセル取付金具1と同様に、ロードセル9の取り付け位置を変更する場合でも、横端太材3bや端太材押え金具7を取り外すことなくロードセル9の取付け位置を簡単に変更することが可能となり、施工性を向上させることができる。
【0040】
特に、実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’の場合、ロードセル固定架台13の脚部は4本の棒状の脚部13bで構成しているため、緊結ナット収容部や工具用開口部を広く確保することが可能となり、この点でも施工性を向上させることができる。
【0041】
また、本発明に係る実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’によれば、ロードセル固定架台13の4本の脚部13b下端にはそれぞれの位置決め部13b1を設け、端太材押え金具7’の位置決め孔7a2’に嵌合するように構成したため、ロードセル固定架台13のズレや脱落等も防止することができ、施工性を向上させることができると共に、脚部13bの位置決め部13b1が端太材押え金具7’の位置決め孔7a2’に嵌合することによってロードセル固定架台13全体の強度ないしは耐力の向上を図ることができる。
【0042】
尚、実施形態2の型枠用ロードセル取付金具1’では、4本の棒状の脚部13bそれぞれに位置決め部13b1を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、位置決め部13b1を省略しても勿論良い。
【0043】
実施形態3.
上記実施形態1,2の型枠用ロードセル取付金具1,1’では、ロードセル固定架台11,11’,13は複数の部材を接合して構成して説明したが、実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”では、一枚の金属板をカットおよび折り曲げて形成したロードセル固定架台14の例について説明する。尚、固定ナット12は実施形態1,2のものと同じであるため、説明を省略する。
【0044】
図13(a)~(f)は、それぞれ、本発明に係る実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”を構成するロードセル固定架台14の斜視図、正面図、底面図、正面図、左側面図、右側面図、
図13(e)におけるD-D線断面図、
図14は、その実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”を構成するロードセル固定架台14および端太材押え金具7”の斜視図である。
【0045】
実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”のロードセル固定架台14は、
図13(a)~(e)に示すように、ロードセル9の大きさを考慮しながら一枚の金属板を長方形状にカットした後に、ロードセル9を収容できるようにコ字形状に折り曲げて背板部14aと、第1側面部14bと、第1側面部14bよりも上下方向に短い第2側面部14cとを設け、背板部14aにはネジ棒貫通孔14a1を設けている。
【0046】
そして、第1側面部14bには上下方向の切込みを2本入れてその2本の切込みの間の部分はそのままでその両側の部分を第2側面部14cの上下方向の長さと同じ箇所で第2側面部14c側に向かって折り曲げて折曲げ部14b1,14b1を設けると共に、折曲げ部14b1,14b1の間を位置決め部14b2としている。
【0047】
実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”のロードセル固定架台14の場合、背板部14aと第1側面部14bと第2側面部14cとによって囲まれた空間が緊結ナット6が収容される緊結ナット収容部になると共に、モンキースパナ等の工具が入る工具用開口部となる。
【0048】
そのため、
図14に示すように実施形態3のロードセル固定架台14が取り付けられる端太材押え金具7”の背板部7a”外表面にネジ棒5が通るネジ棒貫通孔7a1’を設けると共に、位置決め部14b2か嵌合する方形状の位置決め孔7a2”を設けている。
【0049】
従って、本発明に係る実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”および型枠構造によれば、実施形態1,2の型枠用ロードセル取付金具1,1’と同様に、ロードセル9の取り付け位置を変更する場合でも、横端太材3bや端太材押え金具7を取り外すことなくロードセル9の取付け位置を簡単に変更することが可能となるので、施工性を向上させることができると共に、ロードセル固定架台14をコ字形状に形成しているため、工具用開口部を広く確保することが可能となり、この点でも施工性を向上させることができる。
【0050】
また、本発明に係る実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”では、ロードセル固定架台14の第1側面部14bに位置決め部14b2を設け、端太材押え金具7”の位置決め孔7a2”に嵌合するように構成したため、ロードセル固定架台14の脱落等も防止することができ、施工性を向上させることができると共に、位置決め部14b2が端太材押え金具7”の位置決め孔7a2”に嵌合することによってロードセル固定架台14全体の強度ないしは耐力の向上を図ることができる。
【0051】
尚、実施形態3の型枠用ロードセル取付金具1”では、ロードセル固定架台14の第1側面部14bに位置決め部14b2を設けて説明したが、本発明ではこれに限らず、位置決め部14b2を省略しても勿論良い。
【符号の説明】
【0052】
1,1’,1”…型枠用ロードセル取付金具、11,11’…ロードセル固定架台、11a…セル固定用台座部、11a1…ネジ棒貫通孔、11b…脚部、11b1…緊結ナット収容部、11b2…工具用開口部、11c…架台設置用台座部、11c1…緊結ナット通し孔、12…固定ナット、13…ロードセル固定架台、13a…セル固定用台座部、13b…脚部、13b1…位置決め部、14…ロードセル固定架台14、14a…背板部、14a1…ネジ棒貫通孔、14b…第1側面部、14b1,14b1…折曲げ部、14b2…位置決め部、14c…第2側面部、2…堰板、3a…縦端太材、3b…横端太材、4…軸足、5…ネジ棒、6…緊結ナット、7,7’,7”…端太材押え金具、7a,7a’,7a”…背板部、7a1,7a1’,7a1”…ネジ棒貫通孔、7a2’,7a2”…位置決め孔,7b’,7b”…側板部、7b1,7b1’,7b1”…端太材当接部、8a…セパレータ、8b…コーン、9…ロードセル。