(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ウエハ型センサーユニット及びウエハ型センサーユニットを利用したデータ取得方法
(51)【国際特許分類】
G01P 5/12 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01P5/12 C
(21)【出願番号】P 2021149600
(22)【出願日】2021-09-14
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0124236
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,サンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジス
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェミョン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ドンオク
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516400(JP,A)
【文献】特開2016-118511(JP,A)
【文献】特開2013-015376(JP,A)
【文献】特開平08-306665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0217208(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101769935(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 5/12
G01P 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が支持される支持ユニットを含む基板処理装置の前記支持ユニットに支持されて工程中
に気流の風向及び風速データを取得するウエハ型センサーユニットにおいて、
ウエハ形状の回路基板と、
前記回路基板の上部面
から所定の距離離隔された位置に提供される
複数の熱線風速センサーと、を含
み、
前記複数の熱線風速センサーは、前記回路基板の上部面から0.5mm以上離隔された位置に提供される、
ウエハ型センサーユニット。
【請求項2】
前記複数の熱線風速センサーは、前記回路基板の中心
から所定の距離離隔されて配置される請求項1に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項3】
前記複数の熱線風速センサーは、組み合わせて前記回路基板の中心点を中心とする同心円の形状に配置される請求項2に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項4】
前記複数の熱線風速センサーは、前記回路基板の上部面
から同一な距離
で離隔されて提供される請求項2に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項5】
前記回路基板と前記
複数の熱線風速センサーを離隔させる離隔部材と、をさらに含む請求項1乃至請求項
4のいずれかの一項に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項6】
前記離隔部材は、断熱材で提供される請求項
5に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項7】
前記ウエハ型センサーユニットは、
前記回路基板の下部に設置される電子素子をさらに含む請求項
5に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項8】
前記電子素子は、
電源部と、
前記回路基板の信号を処理する信号処理部と、をさらに含む請求項
7に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項9】
基板が支持される支持ユニットを含む基板処理装置の前記支持ユニットに支持されて工程中
に気流の風向及び風速データを取得するウエハ型センサーユニットにおいて、
ウエハ形状の回路基板と、
前記回路基板の上部面に設置され、前記回路基板の上部面に
コーティング膜でコーティングされて提供され
る電子素子であって、前
記コーティング膜の高さは、前記回路基板
の上面部から一定
である
、電子素子と、
前記電子素子のコーティング膜の上部面
から所定の距離離隔された位置に提供される
複数の熱線風速センサーと、を含
み、
前記複数の熱線風速センサーは、前記電子素子のコーティング膜の上部面から0.5mm以上離隔された位置に提供される、
ウエハ型センサーユニット。
【請求項10】
前記複数の熱線風速センサーは、前記回路基板の中心
から所定の距離離隔されて配置される請求項
9に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項11】
前記複数の熱線風速センサーは、組み合わせて前記回路基板の中心点を中心とする同心円の形状に配置される請求項
10に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項12】
前記複数の熱線風速センサーは、前記電子素子のコーティング膜の上部面
から同一な距離
で離隔されて提供される請求項
10に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項13】
前記電子素子のコーティング膜の上部面と前記
複数の熱線風速センサーを離隔させる離隔部材と、をさらに含む請求項
9乃至請求項
12のいずれかの一項に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項14】
前記離隔部材は、断熱材で提供される請求項
13に記載のウエハ型センサーユニット。
【請求項15】
請求項1又は請求項
9に記載のウエハ型センサーユニットを利用して工程中で気流の風向及び風速データを取得する方法において、
前記
複数の熱線風速センサーが配置された各々の位置での風速を測定する段階と、
前記
複数の熱線風速センサーでの測定値を利用して風速の偏向性を判断する段階と、を含むデータ取得方法。
【請求項16】
前記
複数の熱線風速センサーが配置された各々の位置での風速を測定する段階は、
前記
複数の熱線風速センサーが配置された各々の位置でのZ-方向風速を測定する請求項
15に記載のデータ取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウエハ型センサーユニット及びウエハ型センサーユニットを利用したデータ取得方法に係る。より詳細にはZ軸方向に流れる気流を測定可能なウエハ型センサーユニットに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
半導体工程で気流の風向及び風速はパーティクル及び温度分布と密接な関係を有している。ウエハに及ぶ気流測定を通じて気流の風向及び風速を均一に制御することが重要な課題の中で1つである。既存にはウエハの表面で気流を測定することができる商用製品がないので、商用化になった風速センサーを設備内の特定位置に冶具(JIG)と共に設置して風速を測定した後、設備内気流を推定する方式を使用した。しかし、このように商用風速計を利用した気流分析は難しいさがあった。
【0003】
既存の方式は風速計を人が直接設置することによって発生する風速計の角度や高さ等のヒューマンエラーに基づいて計測結果の誤差が発生する確率が高い問題があった。また、風速計測の時、設備の構造に応じて設備を分解し、補助冶具を設置することが難解な問題点であったし、従来の特許技術としてはZ軸方向の風速を測定不可である問題点があった。また、風速計の構造及び冶具がウエハに対して発生する気流に対して障害物として作用されて気流に影響を与えることができ、ウエハとの距離差に応じる計測誤差が発生することができる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際特許公開第WO201711196A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は半導体工程での気流分析方法を改善するためのウエハ型センサーユニットを提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されることはなく、言及されなかった課題は本明細書及び添付された図面から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、基板が支持される支持ユニットを含む基板処理装置の前記支持ユニットに支持されて工程中で気流の風向及び風速データを取得するウエハ型センサーユニットが開示される。
【0008】
前記ウエハ型センサーユニットは、ウエハ形状の回路基板と、前記回路基板の上部面と所定の距離離隔された位置に提供される熱線風速センサーと、を含むことができる。
【0009】
一実施形態によれば、前記熱線風速センサーは複数に提供され、前記複数の熱線風速センサーは前記回路基板の中心で所定の距離離隔されて配置されることができる。
【0010】
一実施形態によれば、前記複数の熱線風速センサーは組み合わせて前記回路基板の中心点を中心とする同心円の形状に配置されることができる。
【0011】
一実施形態によれば、前記熱線風速センサーは前記回路基板の上部面と0.5mm以上離隔された位置に提供されることができる。
【0012】
一実施形態によれば、前記複数の熱線風速センサーは前記回路基板の上部面と同一な距離ぐらい離隔されて提供されることができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記回路基板と前記熱線風速センサーを離隔させる離隔部材をさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記離隔部材は断熱材で提供されることができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記ウエハ型センサーユニットは前記回路基板の下部に設置される電子素子をさらに含むことができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記電子素子は電源部と、前記回路基板の信号を処理する信号処理部と、をさらに含むことができる。
【0017】
本発明の他の一実施形態に係って基板が支持される支持ユニットを含む基板処理装置の前記支持ユニットに支持されて工程中で気流の風向及び風速データを取得するウエハ型センサーユニットが開示される。
【0018】
前記ウエハ型センサーユニットは、ウエハ形状の回路基板と、前記回路基板の上部面に設置され、前記回路基板の上部面にコーティングされて提供され、前記コーティングされて提供されるコーティング膜の高さは前記回路基板と同一な一定間隔くらい離隔されて提供される電子素子と、前記電子素子のコーティング膜の上部面と所定の距離離隔された位置に提供される熱線風速センサーと、を含むことができる。
【0019】
本発明のその他の一実施形態に係るウエハ型センサーユニットを利用して工程中で気流の風向及び風速データを取得する方法が開示される。
【0020】
前記方法は、前記熱線風速センサーが配置された各々の位置での風速を測定する段階と、前記熱線風速センサーでの測定値を利用して風速の偏向性を判断する段階と、を含むことができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記熱線風速センサーが配置された各々の位置での風速を測定する段階は、前記熱線風速センサーが配置された各々の位置でのZ-方向風速を測定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、既存の気流分析方法に比べて計測正確度を向上させることができる。
【0023】
本発明によれば、ユーザの便宜性及びPM自動化の側面で効率的であり得る。
【0024】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを示す図面である。
【
図1B】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを示す図面である。
【
図2A】本発明の他の一実施形態に係るウエハ型センサーユニットを示す図面である。
【
図2B】本発明の他の一実施形態に係るウエハ型センサーユニットを示す図面である。
【
図3A】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットの熱線風速センサーの配置構造を説明するための図面である。
【
図3B】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットの熱線風速センサーの配置構造を説明するための図面である。
【
図4】垂直平板に対する気流の影響を説明するための図面である。
【
図5A】本発明の他の一実施形態に係るウエハ型センサーユニットの熱線風速センサーの配置構造を説明するための図面である。
【
図5B】本発明の他の一実施形態に係るウエハ型センサーユニットの熱線風速センサーの配置構造を説明するための図面である。
【
図6】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを利用して風速を測定した結果を示す図面である。
【
図7】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを利用して風速を測定した結果を示す図面である。
【
図8】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを利用して風速を測定した結果を示す図面である。
【
図9】本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニットを利用して風速を測定した結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の他の長所及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されることではなく、互いに異なる様々な形態に具現されることができ、単なる本実施形態は本発明の開示が完全するようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されることであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0027】
もし定義されてなくても、ここで使用されるすべての用語(技術或いは科学用語を含む)はこの発明が属する従来技術で普遍的な技術によって一般的に収容されることと同一な意味を有する。一般的な辞書によって定義された用語は関連された技術及び/或いは本出願の本文に意味することと同一な意味を有することと解釈されることができ、そしてここで明確に定義された表現がなくても概念化されるか、或いは過度に形式的に解釈されないものである。
【0028】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によっって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら、第1構成要素は第2構成要素と称されることができ、類似に第2構成要素も第1構成要素として称されることができる。
【0029】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0030】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとすることではない。本明細書で、単数形は文句で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される‘含む’及び/又はこの動詞の様々な活用形、例えば‘含む’、‘含み’、等は言及された組成、成分、構成要素、段階、動作及び/又は素子は1つ以上の他の組成、成分、構成要素、段階、動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。本明細書で‘及び/又は’という用語は羅列された構成の各々又はこれらの様々な組合を示す。
【0031】
本明細書の全体で使用される‘~部’は少なくとも1つの機能や動作を処理する単位として、例えばソフトウェア、FPGA、又はASICのようなハードウェア構成要素を意味することができる。しかし、‘~部‘がソフトウェア又はハードウェアに限定される意味はない。‘~部’はアドレッシングできる格納媒体にあるように構成されることができ、つ又はその以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。
【0032】
一例として、‘~部’はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、クラス、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、及び変数を含むことができる。構成要素と‘~部‘で提供する機能は複数の構成要素及び‘~部‘によって分離されて遂行されてもよく、他の追加的な構成要素と統合されてもよい。
【0033】
本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1によれば、気流を測定しようとする回路基板10の上部面と一定距離くらい離隔された位置に熱線風速センサー20を配置することによって、望む位置での気流を測定することができる効果がある。また、回路基板10の上部面には最小限の熱線と配線50のみで熱線風速センサー20を設置し、信号処理部、電源部等のようなその他の電子素子40は回路基板10の下部に統合されて上部気流に影響を与える要素を最小化することができる。
【0034】
図1A乃至
図1Bは本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1を示す図面である。
【0035】
本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1は回路基板10、熱線風速センサー20及び電子素子40を含むことができる。本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1は基板が支持される支持ユニットを含む基板処理装置の前記支持ユニットに支持されて工程中で気流の風向及び風速データを取得することができる。
【0036】
一実施形態によれば、回路基板10はPCB基板であり得る。回路基板10はウエハの形状を有することができる。回路基板10はウエハに対応するサイズ及び形状に形成されることができる。電子素子40は回路基板10の下部面に配置されることができる。ウエハ型センサーユニット1に含まれることができる電子素子40は電源部、信号処理部、センサー部等を含むことができる。一実施形態によれば、ウエハ型センサーユニット1が含むことができる電子素子40は電子素子40同士を連結する配線50、マイクロコントローラユニットMCU等をさらに含むことができる。
【0037】
一実施形態によれば、電源部は動作電源を提供するバッテリーを含むことができる。一実施形態によれば、センサー部は様々な一条件をセンシングすることができるセンサーを含むことができる。一実施形態によれば、センサー部は温度センサー、圧力センサー等を含むことができる。信号処理部は、センサー部から伝達された情報に対する信号処理を遂行することができる。信号処理部は、情報を送信する通信ユニット等を含むことができる。
【0038】
一実施形態によれば、回路基板10の下部面に配置される電子素子40は表面がコーティングされて形成されることができる。一実施形態によれば、基板の下部面に配置される電子素子40はフィルムで保護されることができ、カバーで被覆されることができる。
【0039】
ウエハ型センサーユニット1の下部面のコーティングは、外部環境から電子素子40及び回路基板10を保護するために使用されるカバー及びケースであり得る。これは重さを最小化できるようにPI、テフロンフィルム、又はカバー等が使用されることができ、エポキシ、PI、アクリル樹脂等でコーティングして使用してもよい。
【0040】
本発明の実施形態によれば、回路基板10の上部面に配置される熱線風速センサー20をさらに含むことができる。熱線風速センサー20は複数に提供されることができる。熱線風速センサー20は回路基板10の上部面と一定距離くらい離隔されて配置されることができる。熱線風速センサー20は回路基板10の上部面と一定距離くらい離隔されて配置されることによって、垂直方向に流れる気流の風速を測定することができる効果がある。
【0041】
本発明の他の一実施形態によれば、熱線風速センサー20の形態は直線、楕円、コイル等の様々な形態に提供されることができる。或いは、本発明の他の一実施形態によれば、熱線のみが提供される形態又はPCBやフィルムに統合された形態に提供されてもよい。本発明の実施形態によれば、熱線風速センサー20は熱線の温度変化を利用して風速を測定することができる。
【0042】
本発明では熱線風速計を利用することによって、ウエハに隣接する領域で気流を測定可能な効果がある。本発明の実施形態に係る熱線風速センサー20を利用する場合、熱線風速計はマイクロ直径を有するワイヤを使用するので、構造物のサイズが小さく、効率的であり、構造的に最適化可能な効果がある。
【0043】
熱線風速センサー20ではない超音波方式またセンサーを小さくして構造を最小化することができるが、2つの超音波センサーが対向して設置されるか、又は反射板が必要として、気流が大きく発生するエッジ部分の測定に難しさがあるので、熱線風速センサー20を利用して気流を測定することが好ましい。
【0044】
一実施形態によれば、熱線風速センサー20を利用して風速を測定する方式は高温に加熱された熱線が風速によって冷却される程度に応じてレファレンス値との差によって電圧を出力して風速を測定することができる。
【0045】
即ち、本発明の実施形態によれば、回路基板10の表面でZ軸の風速を測定するために熱線風速センサー20が離隔されて提供されることができる。一実施形態によれば、熱線風速センサー20の配置構造を回路基板10の中心点を基準とした同心円配置を通じて風量の偏向性を確認することもできる。
【0046】
また、
図1の実施形態によれば、回路基板10の下部面に電子素子40を配置し、回路基板10の上部面には熱線風速センサー20及び熱伝達及び連結のための配線50のみが露出される構造が開示されている。本発明の実施形態によれば、基板の下部にウエハ型センサーユニット1の電子素子40を配置し、基板の上部面に気流測定のためのセンサー及び配線50のみが配置されるようにして気流測定に必要である外部要因を最小化してより正確な気流測定結果を得ることができる効果がある。
【0047】
図2A乃至
図2Bは本発明の他の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1を示す図面である。
【0048】
図2によれば、本発明の他の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1が開示される。
図1と同一な特徴部に対しては説明を省略する。
【0049】
図2の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1が
図1の実施形態と異なる点は次の通りである。
【0050】
図2によれば、電子素子40が回路基板10の下部面ではない上部面に配置されることができる。一実施形態に係る電子素子40は
図1の実施形態のように信号処理部及び電源部、センサー部等を含むことができる。
図2の一実施形態に係る電子素子40は信号処理部及び電源部を含み、前記電子素子40は表面がコーティングされて提供されることができる。一実施形態によれば、回路基板10の上部面に設置される電子素子40はコーティングされて提供されることができ、コーティングされて提供されるコーティング膜の高さは回路基板10と一定間隔くらい離隔されて提供されることができる。回路基板10上に設置された電子素子40をコーティングするために提供されるコーティング膜の高さは回路基板10の全面積で同一な高さに提供されることができる。これは
図2の実施形態で電子素子のコーティング膜の上部に熱線風速センサー20が配置され、全て同一な高さ上で熱線風速センサー20が配置されるようにしようとすることである。
【0051】
図2によれば、熱線風速センサー20は電子素子40のコーティング膜の上部面と一定距離くらい離隔されて提供されることができる。
【0052】
図2のような実施形態を通じてロボット等にウエハ型センサーユニット1の下部面を支持して移送するようにする時、
図1の実施形態に比べて下部面が平らに提供されるので、容易に移送が可能な効果がある。
【0053】
また、電子素子40のコーティング膜の上部面と一定間隔くらい離隔されて配置されることによって、
図1の実施形態のように気流を測定する時、基板の上部面の他の素子による外部要因の影響が少ないので、均一な気流を測定することができる効果がある。
【0054】
図3A乃至
図3Bは本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1の熱線風速センサー20の配置構造を説明するための図面である。
【0055】
図3Aの一実施形態によれば、熱線風速センサー20は熱線の形態や面積が同心円基準に一定であるように配置されることができる。
【0056】
図3Aの一実施形態によれば、熱線風速センサー20は基板の中心点を基準に作られる同心円に同一な面積又は方向になるように配置されることができる。一実施形態によれば、基板内の同心円を基準として垂直又は接線に配置されることができる。
図3Aの一実施形態によれば、同心円を基準として均一に配置されたセンサー間の差を通じて気流の偏向性を分かる。
【0057】
図3Bの他の一実施形態によれば、複数の熱線風速センサー20は互いに組み合わせて基板の中心点を基準とする複数の同心円を形成するように配置されてもよい。
図3Bの一実施形態によれば、基板の中心部分、エッジ部分、ミドル部分に1つ又は複数のセンサーが設置されて上部で回路基板10の表面に加えられる風速を測定してもよい。このような実施形態を通じて回路基板10の様々な位置での風速を測定することができる効果が存在する。
【0058】
一実施形態によれば、熱線風速センサー20が複数に提供される場合、各々の位置での風速を測定し、各位置での熱線風速センサー20での測定値を利用して風速の偏向性を判断することができる。各位置での熱線風速センサー20で測定することは各位置でのZ-方向風速を測定することであり得る。
【0059】
各位置での熱線風速センサー20の値が同一である場合、すべての方向での気流が同様に流れる場合であり得る。
【0060】
同心円の形態に配列された熱線風速センサー20の中で一部での測定値が異なる場合、気流の方向性を確認することができる。
【0061】
図4は垂直平板に対する気流の影響を説明するための図面である。
【0062】
図4での例示のように気流が垂直に印加される場合には、基板の表面上で気流を測定する場合、速度が0であると測定される問題点があった。
【0063】
より詳細には、熱線風速センサー20が基板と離隔されなく、基板上に付着されて提供される場合には上部から基板の垂直方向(z方向)に流れる気流は基板の表面で0m/s風速になって測定範囲外になる問題点があった。したがって、本発明では基板の垂直方向に流れる気流を測定するために
図5の実施形態のように回路基板10の表面で熱線を離隔して微細気流を計測することができる。これは
図5でより詳細に説明される。
【0064】
図5A乃至
図5Bは本発明の他の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1の熱線風速センサー20の配置構造を説明するための図面である。
【0065】
図5によれば、熱線風速センサー20は基板の上部面に蜜着されなく、一定の高さに離隔されて設置されることができる。一定の高さは数mm乃至数cmであり得る。
【0066】
このように熱線風速センサー20が一定高さに離隔されて設置される理由は次の通りである。
【0067】
熱線風速センサー20で熱線を通じて風速を計測する原理は温度の変化を測定することが核心であるが、回路基板10上に熱線が密着されれば、熱特性が変化するので、正確な測定結果を得る難しい問題点がある。したがって、本発明の実施形態に係る熱線風速センサー20は基板の上部面から離隔されて提供されることができる。一実施形態によれば、熱線風速センサー20が基板の上部表面又は電子素子40と離隔される高さは気流の強さ又はセンサー感度に応じて異なる高さに設置されることができる。熱線風速センサー20が基板の上部表面又は電子素子40と離隔される高さに応じて測定結果が大きく変わるので、気流の均一性を測定するためにはすべての熱線風速センサー20が同一な高さに設置することができる。
【0068】
一実施形態によれば、熱線風速センサー20はピンの形態に回路基板10と離隔されて固定されて提供されることができる。
【0069】
本発明の他の実施形態によれば、離隔されて設置される熱線風速センサー20及び回路基板10の間には離隔部材30が含まれることができる。一実施形態によれば、離隔部材30は断熱材で成されることができる。離隔部材30が断熱材でなされるように提供されることを通じて、熱線風速センサー20の熱損失を最小化することができる効果がある。
【0070】
図6乃至
図9は本発明の実施形態に係るウエハ型センサーユニット1を利用して風速を測定した結果を示す図面である。
【0071】
図6はファンフィルターユニットの強さにしたがう風速が変化されて提供されることを示す図面である。
【0072】
図6によれば、ファンフィルターユニットの強さ(0~200Pa)に比例して風速出力が増加されることを確認することができる。
図6の一実施形態によれば、ウエハ型センサーユニット1のエッジ部分の風速出力は2.0乃至2.8であり得る。ウエハ型センサーユニット1の中心部分の風速出力は0.2乃至0.4であり得る。
【0073】
図7はウエハに設置された熱線風速センサー20の方向に沿って風速が異なりに測定されることを示す図面である。
【0074】
図7を参照すれば、初期位置(0°)基準180°方向に設置された熱線風速センサー20で測定した結果が約6%減少することを確認することができる。
図7を参照すれば、熱線風速センサー20が設置される方向に沿って風速が異なりに測定されることによって、気流の方向を計ることができる効果がある。
【0075】
図8はセンサーの位置に応じて風速が異なりに測定されることを示す図面である。
【0076】
図8を参考すれば、エッジの熱線風速センサー20は固定され、センターの熱線風速センサー20の位置が変更される場合を示す。これによれば、類似な位置にあるが、断熱材損失によってセンサー高さの差に応じる風速強さが異なることと推定される。また、ウエハ型センサーユニット1の表面で風速強さはエッジ部分が最も強く、その次が中心部分、そしてミドル部分であることと測定される。
【0077】
図9は熱線風速センサー20の位置が離隔されて提供されることによって、風速測定結果が異なりに提供されることを示す図面である。
【0078】
図9によれば、同一な風速でもセンサーの高さに応じて出力が変化される結果を示す。
図9によれば、熱線風速センサー20が回路基板10と0.5mmくらい離隔された場合にも風速を容易に測定することができることを確認することができる。これを通じて熱線風速センサー20と回路基板10との間の高さ調節を通じてウエハ型センサーユニット1の風速を様々な条件で測定することができる。
【0079】
以上の実施形態は本発明の理解を助けるために提示されたことであって、本発明の範囲を制限しなく、これから多様な変形可能な実施形態も本発明の範囲に属することであることを理解しなければならない。本発明で提供される図面は本発明の最適の実施形態を示したものに過ぎない。本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の技術的思想によって定められなければならないものであり、本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の文言的記載その自体に限定されることではなく、実質的には技術的価値が均等な範疇の発明まで及ぶことであることを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0080】
1 ウエハ型センサーユニット
10 回路基板
20 熱線風速センサー
30 離隔部材
40 電子素子
50 配線