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特許7601734データ管理装置、データ共有システム及び方法、及びデータ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】データ管理装置、データ共有システム及び方法、及びデータ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021150921
(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公開番号】P2023043355
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2024-02-29
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】高田 智規
(72)【発明者】
【氏名】岸田 経哉
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 英明
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204279(JP,A)
【文献】特開2017-215856(JP,A)
【文献】特開2009-230370(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0198304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの所有者である第1のユーザと前記データを利用する第2のユーザとの間でのデータ共有を管理するデータ管理装置であって、
前記第1のユーザが操作する第1のユーザ端末及び前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末と通信する通信インタフェースと、
前記データ管理装置を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末から送られた、前記第1のユーザのみがアクセス可能な専用記憶領域に記憶された共有対象データの公開に関する設定情報に基づいて、前記共有対象データを加工して加工データを作成し、作成した加工データを公開するデータ加工処理部と、
前記第2のユーザ端末から送られた、前記加工データの元データである前記共有対象データの共有依頼に応答して、前記第1のユーザ端末と前記第2のユーザ端末との間でチャットを行わせるチャット管理処理部と、
前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、前記第1及び第2のユーザのみがアクセス可能な共有記憶領域を作成し、前記第1のユーザの専用記憶領域に記憶された前記共有対象データのコピー又は前記共有対象データへのシンボリックリンクを前記共有記憶領域に保存して、前記共有記憶領域へのアクセスを前記第2のユーザ端末に許可する共有処理部と、
を備える、データ管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、前記第2のユーザから利用料金の支払いと前記第1のユーザへの入金とを仲介する料金徴収処理部を更に備える、請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記共有処理部は、
前記第1のユーザ端末からの共有要求に応じて、前記共有記憶領域を作成する領域管理処理部と、
前記専用記憶領域に記憶された前記共有対象データのコピー又は前記共有対象データへのシンボリックリンクを、前記共有記憶領域に記憶させるデータ書込処理部と、
を備える、請求項1又は2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記チャット管理処理部は、前記第1のユーザ端末と前記第2のユーザ端末との間での前記チャットの内容を解析することで、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間で前記共有合意が取得されたか否か判別し、
前記共有処理部は、
前記チャット管理処理部による前記共有合意が取得されたとの判別に応じて、前記共有記憶領域を作成する領域管理処理部と、
前記専用記憶領域に記憶された前記共有対象データのコピー又は前記共有対象データへのシンボリックリンクを、前記共有記憶領域に記憶させるデータ書込処理部と、
を備える、請求項1又は2に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記専用記憶領域及び前記共有記憶領域を備える記憶部と、
請求項1乃至4の何れかに記載のデータ管理装置と、
を備える、データ共有システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記専用記憶領域を備える第1の記憶装置と、前記共有記憶領域が作成される、前記第1の記憶装置とは物理的に異なる第2の記憶装置と、を含む、請求項5に記載のデータ共有システム。
【請求項7】
データの所有者である第1のユーザと前記データを利用する第2のユーザとの間でのデータを共有するデータ共有方法であって、
コンピュータが、
前記第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から送られた、前記第1のユーザのみがアクセス可能な専用記憶領域に記憶された共有対象データの公開に関する設定情報に基づいて、前記共有対象データを加工して加工データを作成し、作成した加工データを公開する過程と、
前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末から送られた、前記加工データの元データである前記共有対象データの共有依頼に応答して、前記第1のユーザ端末と前記第2のユーザ端末との間でチャットを行わせる過程と、
前記第1のユーザと前記第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、前記第1及び第2のユーザのみがアクセス可能な共有記憶領域を作成し、前記第1のユーザの専用記憶領域に記憶された前記共有対象データのコピー又は前記共有対象データへのシンボリックリンクを前記共有記憶領域に保存して、前記共有記憶領域へのアクセスを前記第2のユーザ端末に許可する過程と、
を備える、データ共有方法。
【請求項8】
請求項1乃至4の何れかに記載のデータ管理装置が備える各処理部による処理をコンピュータに実行させるデータ管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、データ管理装置、データ共有システム及び方法、及びデータ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザ間でデータを共有する装置が幾つか提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数のユーザ端末に同一のユーザデータを記憶させ、或るユーザ(更新者)のユーザ端末においてユーザデータを更新すると、他のユーザのユーザ端末においても、そのユーザデータを更新する装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2は、あるユーザのユーザ領域に記憶されたユーザデータへのシンボリックリンクを他のユーザのユーザ領域に記憶させることで、他のユーザのユーザ領域に当該ユーザデータを仮想的に記憶させ、実データを記憶させた場合と同様の閲覧・編集作業を可能とする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-168630号公報
【文献】特開2019-200643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
データを共有する際には、データの所有者であるユーザ(以下、データ所有者と称する)と当該データを利用するユーザ(以下、データ利用者と称する)との間で、電話や電子メール等で共有合意を取得することができる。
【0007】
但し、これは、データ利用者が、データの存在とその所有者の連絡先を把握している場合でしか有効ではなく、不特定多数のデータ利用者が、所望のデータを発見してその共有を当該データの所有者に要請するのは非常に困難である。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、データ利用者が容易に所望のデータを発見し、当該データを共有できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明に係るデータ管理装置の一態様は、データの所有者である第1のユーザとデータを利用する第2のユーザとの間でのデータ共有を管理するデータ管理装置であって、第1のユーザが操作する第1のユーザ端末及び第2のユーザが操作する第2のユーザ端末と通信する通信インタフェースと、データ管理装置を制御する制御部と、を備え、制御部は、第1のユーザ端末から送られた、第1のユーザのみがアクセス可能な専用記憶領域に記憶された共有対象データの公開に関する設定情報に基づいて、共有対象データを加工して加工データを作成し、作成した加工データを公開するデータ加工処理部と、第2のユーザ端末から送られた、加工データの元データである共有対象データの共有依頼に応答して、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末との間でチャットを行わせるチャット管理処理部と、第1のユーザと第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、第1及び第2のユーザのみがアクセス可能な共有記憶領域を作成し、第1のユーザの専用記憶領域に記憶された共有対象データのコピー又は共有対象データへのシンボリックリンクを共有記憶領域に保存して、共有記憶領域へのアクセスを第2のユーザ端末に許可する共有処理部と、を備えるようにしたものである。
【0010】
この発明に係るデータ共有システムの一態様は、専用記憶領域及び共有領域を備える記憶部と、この発明に係るデータ管理装置の一態様と、を備えるようにしたものである。
【0011】
この発明に係るデータ共有方法の一態様は、データの所有者である第1のユーザとデータを利用する第2のユーザとの間でのデータを共有するデータ共有方法であって、コンピュータが、第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から送られた、第1のユーザのみがアクセス可能な専用記憶領域に記憶された共有対象データの公開に関する設定情報に基づいて、共有対象データを加工して加工データを作成し、作成した加工データを公開する過程と、第2のユーザが操作する第2のユーザ端末から送られた、加工データの元データである共有対象データの共有依頼に応答して、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末との間でチャットを行わせる過程と、第1のユーザと第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、第1及び第2のユーザのみがアクセス可能な共有記憶領域を作成し、第1のユーザの専用記憶領域に記憶された共有対象データのコピー又は共有対象データへのシンボリックリンクを共有記憶領域に保存して、共有記憶領域へのアクセスを第2のユーザ端末に許可する過程と、を備えるようにしたものである。
【0012】
この発明に係るデータ管理プログラムの一態様は、この発明に係るデータ管理装置の一態様が備える各処理部による処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の各態様によれば、データ利用者が容易に所望のデータを発見し、当該データを共有できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、この発明の第1実施形態に係るデータ共有システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、この発明の第1実施形態に係るデータ管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るデータ管理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係るデータ管理装置による共有領域管理処理の全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、図4に示した全体の処理手順のうち公開設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、図4に示した全体の処理手順のうちチャット処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、図4に示した全体の処理手順のうち共有領域作成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、図4に示した全体の処理手順のうち共有領域削除処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図4に示した全体の処理手順のうちデータ削除処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、この発明の第2実施形態に係るデータ管理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第2実施形態に係るデータ管理装置による共有領域管理処理の全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、図11に示した全体の処理手順のうちチャット処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0016】
[第1実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1実施形態に係るデータ共有システム1の全体構成を示す図である。データ共有システム1は、複数のユーザ間でのデータ共有を提供する。
【0017】
データ共有システム1は、例えば、ユーザA端末10A、ユーザB端末10B、ユーザC端末10C、…と、クラウドストレージ20と、この発明の第1実施形態に係るデータ管理装置30と、を含む。なお、ユーザA端末10A、ユーザB端末10B、ユーザC端末10C、…を特に区別しない場合は、以下、単にユーザ端末10と記す。ユーザ端末10、クラウドストレージ20及びデータ管理装置30は、ネットワークNWを介して接続される。
【0018】
各ユーザ端末10は、当該データ共有システム1の利用者として登録された登録ユーザが使用する、例えば別々の企業に配置されたPCである。図1では、一つの企業に一つのユーザ端末10を示しているが、各企業に複数のユーザ端末10、例えばユーザA端末10Aが複数有っても良い。すなわち、ユーザA端末10A、ユーザB端末10B、ユーザC端末10C、…はそれぞれ、一つの端末で有っても良いし、複数端末を含む端末群であっても良い。
【0019】
また、データ共有システム1は、一つの企業におけるシステムとして構成しても良い。この場合、各ユーザ端末10は、一つの企業内の各支社に配置されたもの、或いは、一つの企業内の別部署に配置されたものとすることができる。
【0020】
データ共有システム1は、ユーザ端末10のそれぞれに関して、他のユーザ端末10から隔離された専用記憶領域を含む。すなわち、データ共有システム1は、それぞれ少なくとも一つのデータファイル111を記憶する、ユーザA端末10A専用のユーザA専用記憶領域11A、ユーザB端末10B専用のユーザB専用記憶領域11B、ユーザC端末10C専用のユーザC専用記憶領域11C、…を含む。これら各ユーザ端末10の専用記憶領域は、クラウドストレージに設けられても良いし、ユーザ端末10に対応する社内サーバ等に設けられても良い。図1の例では、ユーザA専用記憶領域11A、ユーザC専用記憶領域11C、…はクラウドストレージ40の個別領域41に設けられ、ユーザB専用記憶領域11Bは、図示しないユーザBサーバの個別領域12に設けられている。ここで、個別領域12,41は、ネットワークNWに接続され、他のユーザ端末10から隔離された各ユーザ端末10専用の記憶領域である。また、個別領域12は、社内LAN等によりユーザB端末10Bと接続されている。なお、ユーザA専用記憶領域11A、ユーザB専用記憶領域11B、ユーザC専用記憶領域11C、…を特に区別しない場合は、以下、単にユーザ専用記憶領域11と記す。
【0021】
クラウドストレージ20は、公開領域21と共有領域22とを含む第1の記憶装置である。
【0022】
公開領域21は、ユーザ端末10を制限しないで、登録ユーザのどのユーザ端末10からもアクセス可能な記憶領域である。この公開領域21は、加工データ112を記憶する加工データ記憶領域211を含む。加工データ112は、ユーザ専用記憶領域11に記憶されたデータファイル111を加工したデータである。加工とは、これに限定しないが、例えば、データの有効桁数の削減等の抽象化(一般化)、個人情報やデータ発生元情報の削除等の匿名化、等を含む。
【0023】
共有領域22は、ユーザ共有記憶領域221を複数含む。ユーザ共有記憶領域221は、複数のユーザ端末10間で共有する共有データを保存する記憶領域である。例えば、ユーザ共有記憶領域221の一つは、データ所有者であるユーザA端末10Aとデータ利用者であるユーザB端末10Bとの間で共有するユーザA+B共有記憶領域である。各ユーザ共有記憶領域221は、共有対象の特定ユーザのみがアクセス可能な領域である。例えば、ユーザA+B共有記憶領域であれば、ユーザA端末10AとユーザB端末10Bとはアクセス可能であるが、ユーザC端末10Cからはアクセスができず、ユーザA及びユーザB以外のユーザのユーザ端末10に対してその存在すらも秘匿される。これらユーザ共有記憶領域221は、共有データ毎に作成される。よって、例えば、ユーザA端末10AがユーザB端末10Bと共有する領域は、複数のユーザ共有記憶領域221を含み得る。
【0024】
共有データは、データ所有者のユーザ専用記憶領域11から共有対象のデータファイル111がコピーされたものである。このように、加工データ記憶領域211にはデータファイル111を加工した加工データが記憶され、ユーザ共有記憶領域221にはデータファイル111の実データが記憶される。
【0025】
なお、ここでは、個別領域41は、共有領域22を備える第1の記憶装置であるクラウドストレージ20とは、物理的に異なる第2の記憶装置であるクラウドストレージ40に構成している。しかしながら、個別領域41は、論理的に分離しておくことで、共有領域22を構成したクラウドストレージ20に構成しても良い。また、個別領域12についても、クラウドストレージ40の個別領域41に構成しても良いし、論理的に分離しておくことで、クラウドストレージ20に構成しても良い。
【0026】
データ管理装置30は、何れかのユーザ端末10からの公開設定要求に応じて、公開対象のデータファイル111を加工して加工データ112を作成し、加工データ記憶領域211に記憶する。また、データ管理装置30は、加工データ112を閲覧した何れかのユーザ端末10からの元データの共有交渉依頼に応じて、依頼元のユーザ端末10と元データであるデータファイル111の所有者のユーザ端末10との間でのチャットを提供する。更に、データ管理装置30は、何れかのユーザ端末10からの共有要求に応じて、データ所有者のユーザ端末10とデータ利用者のユーザ端末10とが共有するユーザ共有記憶領域221をクラウドストレージ20の共有領域22に作成し、そこに共有対象のデータファイル111を記憶させる。
【0027】
(2)データ管理装置30
図2及び図3は、それぞれデータ管理装置30のハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
データ管理装置30は、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する制御部31を備え、この制御部31に対し、バス35を介して、プログラム記憶部32及びデータ記憶部33を有する記憶ユニットと、通信インタフェース(以下、通信I/Fと略記する)34と、を接続したものとなっている。
【0029】
通信I/F34は、制御部31の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを用いて、ユーザ端末10、個別領域12,41、公開領域21及び共有領域22の間で各種データの伝送を行う。
【0030】
プログラム記憶部32は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、を組み合わせて構成されたものである。こプログラム記憶部32は、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、この発明の第1実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
【0031】
データ記憶部33は、例えば、記憶媒体として、HDD又はSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、を組み合わせたものである。このデータ記憶部33は、この発明の第1実施形態を実施するために必要な記憶部として、設定情報記憶部331と、領域情報記憶部332と、一時記憶部333と、を備えている。
【0032】
設定情報記憶部331は、当該データ管理装置30を使用する登録ユーザそれぞれについてのユーザ情報と、個別領域12,41のユーザ専用記憶領域11に記憶されたデータファイル111の中から公開対象のデータとして指定されたデータファイル111それぞれについての対象データ情報と、を記憶するために使用される。
【0033】
ユーザ情報は、少なくとも、ユーザIDと、連絡先と、決済方法と、を含む。ユーザIDは、登録ユーザを一意に識別するための識別情報である。ここで、登録ユーザは、例えば、当該データ管理装置30を含むデータ共有システム1を規定の使用料金を支払って使用する契約ユーザであり、ユーザ端末10のユーザとすることができる。ユーザIDは、ユーザ登録の際にデータ管理装置30が割り当てる、番号、人が認識可能な文字列、又は文字列と番号の組み合わせである。ユーザIDは、ユーザが任意に指定した、他の登録ユーザと重複しない名称であっても良い。連絡先は、例えば、チャットルームへの招待メールを送信するための電子メールアドレスとすることができる。決済方法は、データ共有システム1の使用料金等の支払い、他ユーザからのデータ利用料等の入金を行うための決済口座又はカード番号等の決済情報である。更に、ユーザ情報は、認証のためのパスワード等の認証情報を含むことができる。また、ユーザ情報は、会社名,所属,住所,氏名,電話番号等の個人情報を含んでも良い。
【0034】
対象データ情報は、少なくとも、データIDと、ユーザIDと、加工方法と、公開期間と、を含む。データIDは、各ユーザ専用記憶領域11に記憶されたデータファイル111の内、ユーザによって公開対象として指定されたデータファイル111を一意に識別するための識別情報である。データIDは、データファイル111のファイル名であっても良いし、データファイル111を個別領域12,41に記憶する際にデータ管理装置30が割り当てる、番号、人が認識可能な文字列、又は文字列と番号の組み合わせであっても構わない。ユーザIDは、該当データファイル111の所有者であるユーザを特定するための識別情報であり、上記ユーザ情報におけるユーザIDに相当する。加工方法は、データファイル111から加工データ112を作成する際のデータファイル111の加工方法を特定する情報である。公開期間は、データファイル111から作成された加工データ112を公開領域21の加工データ記憶領域211に記憶して公開する期間を特定する情報である。これら加工方法及び公開期間は、元のデータファイル111の所有者が設定することができる。加工データIDは、公開領域21の加工データ記憶領域211に記憶された加工データ112を一意に識別するための識別情報である。対象データ情報は、加工データIDを更に含んでも良い。加工データIDは、加工データ112を加工データ記憶領域211に記憶する際にデータ管理装置30が割り当てる、番号、人が認識可能な文字列、又は文字列と番号の組み合わせである。また、加工データIDをデータIDと同一とすることで、対象データ情報が加工データIDを含まなくても良い。
【0035】
領域情報記憶部332は、クラウドストレージ20の共有領域22に作成されるユーザ端末10間の複数のユーザ共有記憶領域221のそれぞれに関する領域情報を記憶するために使用される。ユーザ共有記憶領域221に関する領域情報は、少なくとも、対象データ、領域位置、共有期限、共有者及び利用料金を含む。対象データは、該当ユーザ共有記憶領域221に記憶される共有データとなる、ユーザ専用記憶領域11に記憶されたデータファイル111を特定する識別情報であり、設定情報記憶部331の対象データ情報におけるデータIDに対応する。領域位置は、ネットワークNWを介して該当ユーザ共有記憶領域221にアクセスするための、該当ユーザ共有記憶領域221の記憶位置を特定するアドレス情報である。これは、クラウドストレージ20のIPアドレス、HDDやSSD等のドライブレターやフォルダ名等の物理的/論理的位置、等を含み得る。共有期限は、該当ユーザ共有記憶領域221によって共有データであるデータファイル111を共有する期間を示す情報である。共有者は、該当ユーザ共有記憶領域221の共有対象者であるデータ所有者とデータ利用者とを特定するユーザIDを含む。利用料金は、データ利用者がデータ所有者に対して支払う金額を示す情報である。
【0036】
一時記憶部333は、制御部31が処理の途中で生成する様々なデータ及び情報を一時的に記憶するために使用される。
【0037】
制御部31は、この発明の第1実施形態に係る処理機能として、設定情報取得処理部311と、データ加工処理部312と、チャット管理処理部313と、領域管理処理部314と、データ書込処理部315と、を備えている。これらの処理部311~315は、何れも例えばプログラム記憶部32に格納されたプログラムを制御部31のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0038】
設定情報取得処理部311は、各ユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送されたユーザ情報或いは対象データ情報の設定指示を通信I/F34を介してそれぞれ受信する処理を行う。設定情報取得処理部311は、更に、それら受信された設定指示に含まれるユーザ又は対象データ情報を、設定情報記憶部331に記憶させる処理を行う。
【0039】
データ加工処理部312は、設定情報記憶部331に記憶された対象データ情報に基づいて、各ユーザ専用記憶領域11に記憶された公開対象のデータファイル111を加工して加工データを作成する処理を行う。データ加工処理部312は、更に、作成した加工データを、通信I/F34によりネットワークNWを介して、公開領域21に加工データ112として記憶することで、当該データ共有システム1の登録ユーザに公開する処理を行う。
【0040】
チャット管理処理部313は、公開領域21の加工データ112を閲覧して、元データの利用を欲した、データ利用者となるユーザのユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送された共有交渉要求を、通信I/F34を介して受信する処理を行う。チャット管理処理部313は、更に、共有交渉要求の受信に応答して、設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報及びユーザ情報に基づいて、データ利用者となるユーザとデータファイル111を所有するデータ所有者であるユーザとでチャットを行うチャットルームを作成し、通信I/F34によりネットワークNWを介して、データ所有者のユーザIDに対応する連絡先へチャットルームへの招待を送信する処理を行う。そして、チャット管理処理部313は、このチャットルーム上でデータ所有者のユーザ端末10とデータ利用者のユーザ端末10との間で行われるチャットを制御する処理を行う。
【0041】
領域管理処理部314は、上記チャットで共有の合意が取得された場合にデータ所有者のユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送されてくる共有要求を、通信I/F34を介して受信する処理を行う。領域管理処理部314は、更に、共有要求に応答して、通信I/F34によりネットワークNWを介してクラウドストレージ20にユーザ共有記憶領域221の作成指示を送信する処理を行う。これにより、クラウドストレージ20の共有領域22に、複数ユーザ端末10間のユーザ共有記憶領域221が作成される。また、領域管理処理部314は、その作成したユーザ共有記憶領域221に関する領域情報を領域情報記憶部332に記憶させる処理を行う。
【0042】
データ書込処理部315は、領域情報記憶部332に記憶しているユーザ共有記憶領域221に関する領域情報に基づいて、通信I/F34によりネットワークNWを介してデータ所有者のユーザ専用記憶領域11から共有対象データのデータファイル111を読み出して、一時記憶部333に記憶する処理を行う。データ書込処理部315は、更に、その一時記憶部333に記憶したデータファイル111を、通信I/F34によりネットワークNWを介して、該当するユーザ共有記憶領域221に書き込む処理を行う。
【0043】
(動作例)
次に、以上のように構成されたデータ共有システム1の動作を説明する。
【0044】
各ユーザ端末10からの、ユーザ登録の動作、データ共有システム1を使用する際の認証動作、対応するユーザ専用記憶領域11へのデータファイルの保存や読み出しといったファイル操作の動作、等は既知であるので、その説明を省略する。以下、複数ユーザ端末10間での共有データの共有に係わるデータ管理装置30の処理動作を、図4乃至図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0045】
先ず、データ管理装置30の全体の処理手順を説明する。図4は、このデータ管理装置30による共有領域管理処理の全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0046】
データ管理装置30の制御部31は、ステップS31として、設定情報取得処理部311の制御の下、何れかのユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送された公開設定指示を通信I/F34を介して受信したか否か判断する。データ所有者であるユーザは、ユーザ端末10から認証を行い、認証後のメニュー画面で所有データファイル111の公開設定を選択して進んだ設定画面において、公開に関する設定を行うことができる。なお、特に図示はしていないが、制御部31は、認証画面、メニュー画面及び設定画面を、Webブラウザ画面として、ユーザ端末10に提供するWebサーバの機能を備えることができる。そして、Webブラウザの設定画面における所定の送信操作に応じて、ユーザ端末10から対象データについての公開設定指示が送信される。公開設定指示を受信したと判断した場合、制御部31は、ステップS31においてYESと判断し、ステップS32の処理動作に進む。また、公開設定指示を受信していないと判断した場合には、制御部31は、ステップS31においてNOと判断し、ステップS33の処理動作に進む。
【0047】
ステップS32において、制御部31は、設定情報取得処理部311及びデータ加工処理部312の制御の下、公開設定処理を実行する。この公開設定処理は、データ所有者のユーザ端末10から送信されてくる公開対象のデータファイル111についての対象データ情報を取得し、その対象データ情報に基づいて該当データファイル111を加工して、公開領域21の加工データ記憶領域211に加工データ112として記憶する処理動作であり、その詳細は後述する。その後、制御部31は、ステップS33の処理動作に進む。
【0048】
ステップS33において、制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、何れかのユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送されたデータ共有交渉依頼を通信I/F34を介して受信したか否か判断する。なお、このデータ共有システム1の登録ユーザは、ユーザ端末10から認証を行い、例えば、認証後のメニュー画面で公開データの閲覧を選択して進んだ閲覧画面において、公開領域21の加工データ記憶領域211に記憶された加工データ112を閲覧することができる。そして、閲覧した加工データ112の元データの利用を所望するユーザが、閲覧画面において加工データ112を指定して共有交渉操作を行うことで、ユーザ端末10からデータ共有交渉依頼が送信される。データ共有交渉依頼を受信したと判断した場合、制御部31は、ステップS33においてYESと判断し、ステップS34の処理動作に進む。また、データ共有交渉依頼を受信していないと判断した場合には、制御部31は、ステップS33においてNOと判断し、ステップS35の処理動作に進む。
【0049】
ステップS34において、制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、チャット処理を実行する。このチャット処理は、データ共有交渉依頼を送信したユーザのユーザ端末10と、指定された加工データ112の元データであるデータファイル111の所有者のユーザ端末10との間でチャットを行わせる処理動作であり、その詳細は後述する。その後、制御部31は、ステップS35の処理動作に進む。
【0050】
ステップS35において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、何れかのユーザ端末10から送信されネットワークNWを介して伝送された共有要求を通信I/F34を介して受信したか否か判断する。チャットにおいてデータファイル111の共有に合意したデータ所有者は、ユーザ端末10において所定の共有要請操作を行うことで、ユーザ端末10からこの共有要求が送信される。共有要求を受信したと判断した場合、制御部31は、ステップS35においてYESと判断し、ステップS36の処理動作に進む。また、共有要求を受信していないと判断した場合には、制御部31は、ステップS35においてNOと判断し、ステップS37の処理動作に進む。
【0051】
ステップS36において、制御部31は、領域管理処理部314及びデータ書込処理部315の制御の下、共有領域作成処理を実行する。この共有領域作成処理は、共有領域22にユーザ共有記憶領域221を作成して共有データを記憶する処理動作であり、その詳細は後述する。その後、制御部31は、ステップS37の処理動作に進む。
【0052】
ステップS37において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、共有期限を経過したユーザ共有記憶領域221が有るか否か判断する。すなわち、制御部31は、領域情報記憶部332に記憶されているユーザ共有記憶領域221に関する領域情報それぞれについて、その領域情報に含まれる、ユーザ共有記憶領域221によって共有データであるデータファイル111を共有する期間を示す情報である共有期限を確認する。共有期限を経過したユーザ共有記憶領域221が有ると判断した場合、制御部31は、ステップS37においてYESと判断し、ステップS38の処理動作に進む。また、共有期限を経過したユーザ共有記憶領域221が無いと判断した場合には、制御部31は、ステップS37においてNOと判断し、ステップS39の処理動作に進む。
【0053】
ステップS38において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、共有領域削除処理を実行する。この共有領域削除処理は、共有期限が経過したユーザ共有記憶領域221を削除する処理動作であり、その詳細は後述する。その後、制御部31は、ステップS39の処理動作に進む。
【0054】
ステップS39において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、公開期間を経過した加工データ112が有るか否か判断する。すなわち、制御部31は、設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報それぞれについて、その対象データ情報に含まれる公開期間を確認する。公開期間を経過した加工データ112が有ると判断した場合、制御部31は、ステップS39においてYESと判断し、ステップS3Aの処理動作に進む。また、公開期間を経過した加工データ112が無いと判断した場合には、制御部31は、ステップS39においてNOと判断し、上記ステップS31の処理動作に進む。
【0055】
ステップS3Aにおいて、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、データ削除処理を実行する。このデータ削除処理は、公開領域21の加工データ記憶領域211から公開期間が経過した加工データ112を削除する処理動作であり、その詳細は後述する。その後、制御部31は、上記ステップS31の処理動作に進む。
【0056】
(1)公開設定処理
図5は、データ管理装置30の制御部31により実行される上記ステップS32の公開設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0057】
制御部31は、設定情報取得処理部311の制御の下、先ず、ステップS321において、ユーザ端末10から受信した公開設定は、公開要求であったか否か判断する。公開設定は、公開を開始することを要求する公開要求と、更改を終了することを要求する公開終了要求とを含む。公開要求であると判断した場合、制御部31は、ステップS321においてYESと判断し、ステップS322の処理動作に進む。また、公開要求ではない、つまり公開終了要求であると判断した場合には、制御部31は、ステップS321においてNOと判断し、ステップS328の処理動作に進む。
【0058】
ステップS322において、制御部31は、設定情報取得処理部311の制御の下、ネットワークNWを介してユーザ端末10から送信されてきた対象データ情報を、通信I/F34を介して取得する。
【0059】
そして、ステップS323において、制御部31は、設定情報取得処理部311の制御の下、その取得した対象データ情報を設定情報記憶部331に記憶する。
【0060】
次に、ステップS324において、制御部31は、データ加工処理部312の制御の下、設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報に基づいて、ユーザ専用記憶領域11に記憶されている対象データであるデータファイル111を通信I/F34によりネットワークNWを介して読み出す。読み出されたデータファイル111は、一時記憶部333に記憶される。
【0061】
ステップS325において、制御部31は更に、データ加工処理部312の制御の下、設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報における加工方法に基づいて、一時記憶部333に記憶しているデータファイル111を加工して、加工データを作成する。
【0062】
そして、ステップS326においては、制御部31は、データ加工処理部312の制御の下、作成した加工データを、通信I/F34によりネットワークNWを介して公開領域21の加工データ記憶領域211に加工データ112として記憶することで、それを登録ユーザに公開する。なおこのとき、制御部31は、加工データ112を特定する加工データIDを、設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報に追加しても良い。
【0063】
その後、ステップS327において、制御部31は、データ加工処理部312の制御の下、このステップS32の公開設定処理における各処理動作において一時記憶部333に記憶させた一時記憶情報を削除する。そして、制御部31は、この公開設定処理の処理動作を終了して、上記ステップS33の処理動作へと進む。
【0064】
また、上記ステップS321において受信した公開設定は公開要求ではなく公開終了要求であったと判断された場合の処理動作であるステップS328では、制御部31は、設定情報取得処理部311の制御の下、指定されたデータファイル111に該当する設定情報記憶部331に記憶されている対象データ情報に基づいて、対応する加工データ112を公開領域21の加工データ記憶領域211から削除する。
【0065】
更に、制御部31は、ステップS329において、設定情報取得処理部311の制御の下、設定情報記憶部331から指定されたデータファイル111に該当する対象データ情報を削除する。その後、制御部31は、この公開設定処理の処理動作を終了して、上記ステップS33の処理動作へと進む。
【0066】
(2)チャット処理
図6は、データ管理装置30の制御部31により実行される上記ステップS34のチャット処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、以下の処理動作を実行する。
【0067】
先ず、制御部31は、ステップS341において、チャットルームを作成し、該チャットルームに係わる情報を一時記憶部333に記憶する。例えば、制御部31は、設定情報記憶部331から、共有交渉依頼を受けた加工データ112の対象データ情報、及び、その加工データ112の元データである対象データファイル111の所有者についてのユーザ情報を読み出して、一時記憶部333に記憶する。また、チャット内容を保持するための領域を一時記憶部333に確保する。
【0068】
次に、制御部31は、ステップS342において、閲覧画面に重畳する又は切り替えるチャット画面を、通信I/F34によりネットワークNWを介して、共有交渉依頼元のユーザ端末10へ送信する。
【0069】
そして、制御部31は、ステップS343において、通信I/F34によりネットワークNWを介して、一時記憶部333に記憶したユーザ情報に基づいて、データ所有者であるユーザの連絡先へ、チャットルームへの招待を送信する。
【0070】
その後、制御部31は、ステップS344において、通信I/F34により、データ所有者のユーザ端末10から該当するチャットルームへの入室指示を受信したか否か判断する。入室指示を受信していないと判断した場合、制御部31は、ステップS344においてNOと判断し、このステップS344の処理動作を繰り返す。入室指示を受信したと判断した場合、制御部31は、ステップS344においてYESと判断し、ステップS345の処理動作に進む。
【0071】
ステップS345において、制御部31は、データ所有者の入室があったことを示すようにチャット画面を更新する。
【0072】
そして、ステップS346において、制御部31は、更新されたチャット画面を、通信I/F34によりネットワークNWを介して、共有交渉依頼元のユーザ端末10及びデータ所有者のユーザ端末10へ送信する。
【0073】
その後、ステップS347において、制御部31は、ネットワークNWを介して共有交渉依頼元又はデータ所有者のユーザ端末10から送信されてくる、チャット画面にて入力された入力情報を、通信I/F34を介して取得する。取得した入力情報は、一時記憶部333に記憶される。
【0074】
ステップS348において、制御部31は、入力情報は終了であったか否か判断する。入力情報が終了ではないと判断した場合、制御部31は、ステップS348においてNOと判断し、上記ステップS345の処理動作に進む。入力情報は終了であったと判断した場合、制御部31は、ステップS348においてYESと判断し、ステップS349の処理動作に進む。こうしてステップS345乃至ステップS348の処理動作を繰り返すことで、チャットルームにより、データ所有者とデータを利用したいユーザとの間で、データファイル111の共有合意の交渉が行われる。
【0075】
ステップS349において、制御部31は、このステップS34のチャット処理における各処理動作において一時記憶部333に記憶させた一時記憶情報を削除する。そして、制御部31は、このチャット処理動作を終了して、上記ステップS35の処理動作へと進む。
【0076】
(3)共有領域作成処理
図7は、データ管理装置30の制御部31により実行される上記ステップS36の共有領域作成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0077】
制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、先ず、ステップS361において、共有に合意したデータ所有者が、共有要請操作において入力した共有対象のデータファイルに関する入力情報を、通信I/F34を介して取得する。取得した入力情報は、一時記憶部333に記憶される。入力情報は、例えば、共有するデータファイル111、共有期限、データ利用者、利用料金、等を含む。
【0078】
次に、ステップS362において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、一時記憶部333に記憶した入力情報に基づいて領域情報を作成し、領域情報記憶部332に記憶させる。ここでは、領域情報には、未だ、領域位置は含まれない。
【0079】
そして、ステップS363において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、クラウドストレージ20の共有領域22に、共有元ユーザ端末10と共有先ユーザ端末10との間で共有する記憶領域であるユーザ共有記憶領域221を作成する。このユーザ共有記憶領域221の作成は、制御部31が、通信I/F34によりネットワークNWを介してクラウドストレージ20にユーザ共有記憶領域221の作成指示を送信することで行うことができる。このとき、制御部31は、領域情報記憶部332に記憶させた領域情報に、その作成したユーザ共有記憶領域221の記憶位置を特定するアドレス情報である領域位置を追加する。
【0080】
その後、制御部31は、ステップS364において、データ書込処理部315の制御の下、通信I/F34によりネットワークNWを介して、共有元のユーザ専用記憶領域11から共有データとなるデータファイル111を読み出し、共有先となるユーザ共有記憶領域221にそれを保存する。すなわち、制御部31は、先ず、一時記憶部333に記憶された領域情報に基づいて、通信I/F34によりネットワークNWを介して、該当するユーザ専用記憶領域11から共有データとなるデータファイル111を読み出して、一時記憶部333に記憶する。そして、制御部31は、同じく領域情報に基づいて、保存先となるユーザ共有記憶領域221を特定し、一時記憶部333に記憶したデータファイル111を、通信I/F34によりネットワークNWを介して、該当のユーザ共有記憶領域221に書き込む。
【0081】
その後、ステップS365において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、データ利用者に、通信I/F34によりネットワークNWを介して共有許可通知を送信する。すなわち、制御部31は、設定情報記憶部331から、該当ユーザの連絡先を取得して、その連絡先へ共有許可通知を送信する。共有許可通知は、ユーザ共有記憶領域221の領域位置を含むことができる。
【0082】
また、制御部31は、ステップS366において、領域管理処理部314の制御の下、領域情報記憶部332に記憶した領域情報における利用料金に基づいて、データ利用者が支払う利用料金と、データ所有者が取得する利用料金とを決定する。各利用料金は、領域情報における利用料金であっても良いし、それに更に当該データ共有システム1による決済手数料を加えても良い。
【0083】
そして、ステップS367において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、設定情報記憶部331からデータ所有者及びデータ利用者のユーザ情報を読み出し、それぞれのユーザ情報に含まれる決済方法に基づいて、決定した利用料金の決済処理を行う。すなわち、データ利用者に対しては請求処理を行い、データ所有者には入金処理を行う。入金処理は、当該データ共有システム1の利用料金の減額であっても良い。
【0084】
その後、ステップS368において、制御部31は、データ書込処理部315の制御の下、このステップS36の共有領域作成処理における各処理動作において一時記憶部333に記憶させた一時記憶情報を削除する。そして、制御部31は、この共有領域作成処理の処理動作を終了して、上記ステップS37の処理動作へと進む。
【0085】
(4)共有領域削除処理
図8は、データ管理装置30の制御部31により実行される上記ステップS38の共有領域削除処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0086】
制御部31は、先ず、ステップS381において、領域管理処理部314の制御の下、通信I/F34によりネットワークNWを介して、共有期限が超過したユーザ共有記憶領域221を削除する。
【0087】
そして、削除したユーザ共有記憶領域221に関する領域情報の削除に先立って、ステップS382において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、共有データのデータ所有者であるユーザ並びにデータ利用者であるユーザに、ユーザ共有記憶領域221を削除したことを、例えば電子メールによって報告する。制御部31は、領域情報記憶部332に記憶されている、削除したユーザ共有記憶領域221に該当する領域情報の共有者の連絡先を、設定情報記憶部331から取得することができる。
【0088】
その後、制御部31は、ステップS383において、領域管理処理部314の制御の下、削除したユーザ共有記憶領域221に該当する領域情報を、領域情報記憶部332から削除する。そして、制御部31は、この共有領域削除処理の処理動作を終了して、上記ステップS39の処理動作へと進む。
【0089】
(5)データ削除処理
図9は、データ管理装置30の制御部31により実行される上記ステップS3Aのデータ削除処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0090】
制御部31は、先ず、ステップS3A1において、領域管理処理部314の制御の下、通信I/F34によりネットワークNWを介して、公開期限が超過した加工データ112を削除する。
【0091】
そして、削除した加工データ112に関する対象データ情報の削除に先立って、ステップS3A2において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、加工データ112の元となったデータファイル111の所有者であるユーザに、公開した加工データ112を削除したことを、例えば電子メールによって報告する。制御部31は、領域情報記憶部332に記憶されている、削除した加工データ112に該当するデータファイル111の所有者の連絡先を、設定情報記憶部331から取得することができる。
【0092】
その後、制御部31は、ステップS3A3において、領域管理処理部314の制御の下、削除した加工データ112に該当する対象データ情報を、領域情報記憶部332から削除する。そして、制御部31は、このデータ削除処理の処理動作を終了して、上記ステップS31の処理動作へと進む。
【0093】
(作用・効果)
以上述べたようにこの発明の第1実施形態に係るデータ管理装置30は、第1のユーザであるデータ所有者と第2のユーザであるデータ利用者との間でのデータ共有を管理するデータ管理装置であって、データ所有者が操作する第1のユーザ端末であるユーザ端末10及びデータ利用者が操作する第2のユーザ端末であるユーザ端末10と通信する通信I/F34と、データ管理装置30を制御する制御部31と、を備え、制御部31は、データ加工処理部312と、チャット管理処理部313と、共有処理部としての領域管理処理部314及びデータ書込処理部315と、を備えるようにしている。データ加工処理部312は、第1のユーザのユーザ端末10から送られた、第1のユーザのみがアクセス可能なユーザ専用記憶領域11に記憶された共有対象データであるデータファイル111の公開に関する設定情報に基づいて、当該データファイル111を加工して加工データ112を作成し、作成した加工データ112を公開する。チャット管理処理部313は、第2のユーザのユーザ端末10から送られた、加工データ112の元データであるデータファイル111の共有依頼に応答して、第1のユーザのユーザ端末10と第2のユーザのユーザ端末10との間でチャットを行わせる。領域管理処理部314は、第1のユーザと第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、第1及び第2のユーザのみがアクセス可能なユーザ共有記憶領域221を作成し、データ書込処理部315は、第1のユーザのユーザ専用記憶領域11に記憶された共有対象データであるデータファイル111のコピーをユーザ共有記憶領域221に保存する。そして、領域管理処理部314は、ユーザ共有記憶領域221の領域位置を含む共有許可通知を第2のユーザのユーザ端末10に送信することで、ユーザ共有記憶領域221へのアクセスを第2のユーザのユーザ端末10に許可する。
従って、共有対象データであるデータファイル111を加工した加工データ112を公開することで、データ利用者となる第2のユーザが容易に所望のデータを発見し、当該データを共有できるようになり、データの有効利用が促進される。また、データファイル111の実データを公開するのではなく、それを加工した加工データ112を公開するので、データファイル111の流出を防止しながら、データの有効利用化が図れる。更に、データ所有者である第1のユーザとデータ利用者となる第2のユーザとの間にチャット環境を提供することで、共有交渉を容易に行うことができる。
【0094】
更に、第1実施形態に係るデータ管理装置30においては、制御部31の領域管理処理部314は、第1のユーザと第2のユーザとの間で共有合意が取得されたとき、第2のユーザから利用料金の支払いと第1のユーザへの入金とを仲介する料金徴収処理部として機能する。
よって、データファイル111を共有することで報酬が得られることで、データ所有者は積極的に当該データ共有システム1を利用するようになり、データ流通の促進を図ることができる。
【0095】
なお、領域管理処理部314は、データ所有者である第1のユーザのユーザ端末10からの共有要求に応じて、ユーザ共有記憶領域221を作成する。
よって、チャットによって共有合意が取得されたことを、データ所有者からの共有要求により判断して、データファイル111の共有を開始することができる。
【0096】
[第2実施形態]
次に、この発明の第2実施形態に係るデータ管理装置30について説明する。第1実施形態では、共有合意後に、データ共有に必要な情報をデータ所有者が入力するものとしている。これに対して、この第2実施形態は、共有合意に至ったチャットの内容を解析することで、データ管理装置30が自動的にデータ共有に必要な情報を取得するようにしたものである。
【0097】
ここでは、構成例、動作例及び作用・効果において上記第1実施形態と異なる部分のみを説明し、同様の部分についてはその説明を省略する。
【0098】
(構成例)
図10は、この発明の第2実施形態に係るデータ管理装置30のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0099】
本実施形態では、データ管理装置30の制御部31におけるチャット管理処理部313は、一時記憶部333に記憶されたチャット内容を読み出して解析し、データ共有に必要な情報を取得して、領域情報記憶部332に領域情報を記憶する処理を行う。
【0100】
またこの際、共有合意が取得されたか否かもチャット内容から取得するので、データ所有者からの共有要求は不要となる。
【0101】
(動作例)
図11は、第2実施形態に係るデータ管理装置30による共有領域管理処理の全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0102】
上記ステップS33において、データ共有交渉依頼を受信していないと判断した場合には、制御部31は、ステップS33においてNOと判断し、本実施形態においては、ステップS37の処理動作に進む。また、データ共有交渉依頼を受信したと判断した場合、制御部31は、ステップS33においてYESと判断し、ステップS34の処理動作に進み、このステップS34の処理動作終了後は、本実施形態では、ステップS37の処理動作に進む。すなわち、第1実施形態におけるステップS35及びステップS36の処理動作を省略している。
【0103】
その代わりとして、ステップS34のチャット処理において、制御部31は、データ共有交渉依頼を送信したユーザのユーザ端末10と、データ所有者のユーザ端末10との間でチャットを行うだけではなく、領域管理処理部314及びデータ書込処理部315の制御の下、ユーザ共有記憶領域221の作成と、そこへの共有データであるデータファイル111の書込とを実施する。
【0104】
(1)チャット処理
図12は、データ管理装置30の制御部31により実行される、本実施形態に係る上記ステップS34のチャット処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS341乃至ステップS349の処理動作は、第1実施形態で説明した通りである。但し、本実施形態においては、上記ステップS348において、入力情報が終了ではないと判断した場合、制御部31は、ステップS348においてNOと判断し、上記ステップS345ではなくて、ステップS3410の処理動作に進む。
【0106】
ステップS3410において、制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、一時記憶部333に記憶した入力情報、つまりチャットの内容を解析する。解析した内容は、一時記憶部333に記憶される。
【0107】
そして、ステップS3411において、制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、一時記憶部333に記憶した解析内容がデータファイル111の共有合意を示す文言を含むか否か判断する。この判断を容易にするため、例えば、共有合意が得られた際に入力するキーワードを入力することを、予めユーザに通知しておくようにしても良い。共有合意を示す文言を含まないと判断した場合、制御部31は、ステップS3411においてNOと判断し、上記ステップS345の処理動作に進む。共有合意を示す文言を含むと判断した場合、制御部31は、ステップS3411においてYESと判断し、ステップS3412の処理動作に進む。
【0108】
ステップS3412において、制御部31は、チャット管理処理部313の制御の下、一時記憶部333に記憶した解析内容から、領域情報の作成に必要な共有期限及び利用料金の情報を抽出する。抽出した情報は、一時記憶部333に記憶される。なお、領域情報の作成には、更に対象データ及び共有者の情報が必要であるが、データ利用者については上記ステップS33のデータ共有交渉依頼の受信時に取得済みであり、また、対象データについても、上記ステップS341のチャットルーム作成時に取得済みである。
【0109】
そして、ステップS3413において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、上記ステップS362と同様に、一時記憶部333に記憶した入力情報に基づいて領域情報を作成し、領域情報記憶部332に記憶させる。
【0110】
次に、ステップS3414において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、上記ステップS363と同様に、クラウドストレージ20の共有領域22にユーザ共有記憶領域221を作成し、また、領域情報記憶部332に記憶させた領域情報に、その作成したユーザ共有記憶領域221の領域位置を追加する。
【0111】
その後、制御部31は、ステップS3415において、データ書込処理部315の制御の下、上記ステップS364と同様に、共有元のユーザ専用記憶領域11からデータファイル111を読み出してユーザ共有記憶領域221に保存する。
【0112】
そして、ステップS3416において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、上記ステップS365と同様に、データ利用者に共有許可通知を送信する。
【0113】
また、制御部31は、ステップS3417において、領域管理処理部314の制御の下、上記ステップS366と同様に、領域情報記憶部332に記憶した領域情報における利用料金に基づいて、データファイル111の共有について合意した利用料金を決定する。
【0114】
そして、ステップS3418において、制御部31は、領域管理処理部314の制御の下、上記ステップS367と同様に、設定情報記憶部331に記憶されたデータ所有者及びデータ利用者のユーザ情報に含まれる決済方法に基づいて、決定した利用料金の決済処理を行う。その後、制御部31は、上記ステップS349の処理動作に進む。
【0115】
(作用・効果)
以上述べたようにこの発明の第2実施形態に係るデータ管理装置30においては、チャット管理処理部313は、データ所有者である第1のユーザのユーザ端末10とデータ利用者となる第2のユーザのユーザ端末10との間でのチャットの内容を解析することで、第1のユーザと第2のユーザとの間で共有合意が取得されたか否か判別し、領域管理処理部314は、このチャット管理処理部313による共有合意が取得されたとの判別に応じて、ユーザ共有記憶領域221を作成し、データ書込処理部315が、ユーザ専用記憶領域11に記憶された共有対象データのコピーを、ユーザ共有記憶領域221に記憶させる。
よって、チャット内容から共有合意が取得されたことを自動的に判別してデータファイル111の共有を開始することができるようになる。従って、データ所有者による特別の共有要求操作が不要となるので、データ所有者の手間を省略することができる。
【0116】
[その他の実施形態]
第1及び第2実施形態では、ユーザデータの全てをユーザ共有記憶領域221に記憶させているが、データファイル111の少なくとも一部のデータを切り出したり、実データを匿名化・抽象化(一般化)した形式に加工した加工データとしたりすることで、元データとは異なる新規データファイルを作成し、それを共有データとして記憶させるようにしても良い。
【0117】
また、第1及び第2実施形態では、ユーザ専用記憶領域11のユーザデータをユーザ共有記憶領域221にコピーするものとしているが、非特許文献2のように、ユーザ共有記憶領域221にはユーザデータへのシンボリックリンクを記憶させることで、仮想的にユーザデータを記憶させるようにしても良い。
【0118】
また、第1及び第2実施形態では、共有データ毎にユーザ共有記憶領域221を作成するものとしているが、一つのユーザ共有記憶領域221に複数の共有データを記憶するようにしても良い。その場合は、ユーザ共有記憶領域221の全ての共有データが削除されるまで、ユーザ共有記憶領域221自体の削除は保留される。
【0119】
また、第1及び第2実施形態では、公開領域21の加工データ112を、データ共有システム1の登録ユーザにのみ閲覧可能としたが、登録ユーザ以外に対しても公開するようしても良い。データ所有者が登録ユーザにのみ公開するか、一般公開するかを指定できるようにしても良い。登録ユーザ以外の一般ユーザが加工データの元となったデータファイル111を利用する場合には、当該データ共有システム1の登録ユーザとなれば良い。或いは、登録ユーザとならない場合には、登録ユーザよりも高額の利用料金の支払いにより、一時的なユーザ共有記憶領域221を作成し、データファイル111を利用できるようにしても良い。
【0120】
なお、図4乃至図9、及び、図11乃至図12のフローチャートに示した処理ステップの順序は一例であり、この順に限定するものではない。例えば、図6におけるステップS342とステップS343とは、順序が逆であっても良い。各処理ステップは、先行の又は後続する処理ステップと齟齬が生じない限り、処理順序等を変更しても良いし、併行処理するようにしても構わない。
【0121】
また、第2実施形態では、ステップS349において一時記憶部333に記憶したチャット内容を削除するものとしているが、共有合意取得の証拠として、チャット内容を別途保存しておくようにしても良い。
【0122】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されても良い。
【0123】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0124】
1…データ共有システム
10…ユーザ端末
10A…ユーザA端末
10B…ユーザB端末
10C…ユーザC端末
11…ユーザ専用記憶領域
11A…ユーザA専用記憶領域
11B…ユーザB専用記憶領域
11C…ユーザC専用記憶領域
12,41…個別領域
20,40…クラウドストレージ
21…公開領域
22…共有領域
30…データ管理装置
31…制御部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
34…通信インタフェース(通信I/F)
35…バス
111…データファイル
112…加工データ
211…加工データ記憶領域
221…ユーザ共有記憶領域
311…設定情報取得処理部
312…データ加工処理部
313…チャット管理処理部
314…領域管理処理部
315…データ書込処理部
331…設定情報記憶部
332…領域情報記憶部
333…一時記憶部
NW…ネットワーク

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