(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】音波共振装置
(51)【国際特許分類】
H03H 3/02 20060101AFI20241210BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20241210BHJP
G01N 29/036 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H03H3/02 B
H03H9/17 F
G01N29/036
(21)【出願番号】P 2021566260
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(86)【国際出願番号】 US2020031655
(87)【国際公開番号】W WO2020227396
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-05-02
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517090646
【氏名又は名称】コーボ ユーエス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リオ リバス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン マカロン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ワシリク
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ドーア
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-180304(JP,A)
【文献】特表2005-533265(JP,A)
【文献】特表2018-533310(JP,A)
【文献】特表2018-536157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0122912(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 3/02
H03H 9/17
G01N 29/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体装置用のバルク音波共振器構造を製造する方法であって、
基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成するステップであって、前記基板は前記第1表面の反対側の第2表面を有する、ステップと、
前記第1電極の上に圧電材料を配置するステップと、
前記圧電材料の上に第2導電性材料を配置して、第2電極の少なくとも一部を形成するステップであって、前記第2導電性材料は、前記基板の前記第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に前記第1導電性材料上に延在し、前記第1導電性材料、前記圧電材料及び前記第2導電性材料が重なり合う領域は、バルク音波共振器を形成し、前記バルク音波共振器は、第1側及び反対側の第2側を有する、ステップと、
前記バルク音波共振器の第1側に音響エネルギ管理構造を配置するステップと、
前記第2導電性材料の一部の上に、前記バルク音波共振器を越えて延びる第3導電性材料を配置するステップであって、前記第3導電性材料は
、前記基板の前記第1表面に実質垂直な方向に延び
、前記基板の前記第1表面からの高さが、前記基板の前記第1表面からの前記音響エネルギ管理構造の高さよりも大きい相互接続部を形成する、ステップと、
前記基板の前記第2表面の一部を除去して、前記バルク音波共振器の第2側にある前記第1電極において化学的機械的接続部を露出するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記基板の一部を除去することは、前記基板の厚さを低減することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板の厚さは、200マイクロメートルから400マイクロメートルに低減される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
流体装置を製造する方法であって、
バルク音波共振器構造を形成することと、
前記バルク音波共振器構造をベースに取付けることと、を含み、
前記バルク音波共振器構造を形成することは、
基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成するステップと、
前記第1導電性材料の上に圧電材料を配置するステップと、
前記圧電材料の上に第2導電性材料を配置して、第2電極の少なくとも一部を形成するステップであって、前記第2導電性材料は、前記基板の前記第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に前記第1導電性材料上に延在し、前記第1導電性材料、前記圧電材料及び前記第2導電性材料が重なり合う領域はバルク音波共振器を形成する、ステップと、
前記バルク音波共振器の第1側に音響反射器を形成するステップと、
前記第2導電性材料の一部の上に、前記バルク音波共振器を越えて延びる第3導電性材料を配置するステップであって、前記第3導電性材料は
、前記基板の前記第1表面に実質垂直な方向に延び
、前記基板の前記第1表面からの高さが、前記基板の前記第1表面からの前記音響反射器の高さよりも大きい相互接続部を形成する、ステップと、
前記基板の一部を除去して、前記バルク音波共振器の第2側にある前記第1電極を露出するステップと、
を含み、
前記バルク音波共振器構造をベースに取り付けることは、前記相互接続部を前記ベースに接続することを含む、方法。
【請求項5】
音響反射器を形成するステップは、材料の交互層を配置することを含み、前記材料の交互層は、酸化炭化ケイ素[SiOC]、窒化ケイ素[Si
3N
4]、二酸化ケイ素[SiO
2]、窒化アルミニウム[AlN]、タングステン[W]及びモリブデン[Mo]から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
流体装置を製造する方法であって、
バルク音波共振器構造を形成することと、
前記バルク音波共振器構造をベースに取付けることと、を含み、
前記バルク音波共振器構造を形成することは、
基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成するステップと、
前記第1導電性材料の上に圧電材料を配置するステップと、
前記圧電材料の上に第2導電性材料を配置して、第2電極の少なくとも一部を形成するステップであって、前記第2導電性材料は、前記基板の前記第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に前記第1導電性材料上に延在し、前記第1導電性材料、前記圧電材料及び前記第2導電性材料が重なり合う領域はバルク音波共振器を形成する、ステップと、
前記バルク音波共振器の第1側にエアキャビティを形成するステップと、
前記第2導電性材料の一部の上に、前記バルク音波共振器を越えて延びる第3導電性材料を配置するステップであって、前記第3導電性材料は
、前記基板の前記第1表面に実質垂直な方向に延び
、前記基板の前記第1表面からの高さが、前記基板の前記第1表面からの前記エアキャビティの高さよりも大きい相互接続部を形成する、ステップと、
前記基板の一部を除去して、前記バルク音波共振器の第2側にある前記第1電極を露出するステップと、
を含み、
前記バルク音波共振器構造をベースに取り付けることは、前記相互接続部を前記ベースに接続することを含む、方法。
【請求項7】
前記エアキャビティを形成するステップは、フォトイメージ可能な材料から少なくとも1つの壁及びルーフを形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
バルク音波共振器構造であって、
基板の下に設けられるバルク音波共振器であって、基板の第1表面の一部の上に配置された第1電極、前記第1電極の上に配置された圧電材料、及び前記圧電材料の上に配置された第2電極を有し、前記第1電極、前記圧電材料及び前記第2電極が重なり合う領域によって形成される、バルク音波共振器と、
前記バルク音波共振器の第1側に配置された音響エネルギ管理構造と、
前記第2電極の一部の上に配置され、前記バルク音波共振器を越えて延びるとともに
、前記基板の前記第1表面に実質垂直な方向に延び
、前記基板の前記第1表面からの高さが、前記基板の前記第1表面からの前記音響エネルギ管理構造の高さよりも大きい相互接続部と、を有し、
前記基板は、前記基板の第2表面から前記第1電極まで延びる開口部を有する、バルク音波共振器構造と、
前記開口部において前記第1電極の上に配置された機能化材料と、
前記相互接続部に電気的に接続されたベースと、
前記ベースから延びるとともに、前記バルク音波共振器構造を囲繞するチャンバー壁と、
前記基板及び前記チャンバー壁に少なくとも部分的に接合された流体チャンバーと、
を有する流体装置。
【請求項9】
前記音響エネルギ管理構造は、フォトイメージ可能な材料を含む少なくとも1つの壁及びルーフを有し、前記ルーフの面積は、100平方マイクロメートルから500,000平方マイクロメートルである、請求項8に記載の流体装置。
【請求項10】
前記音響エネルギ管理構造は音響反射器を有し、前記音響反射器は、酸化炭化ケイ素[SiOC]、窒化ケイ素[Si
3N
4]、二酸化ケイ素[SiO
2]、窒化アルミニウム[AlN]、タングステン[W]及びモリブデン[Mo]から選択された材料の交互層を含む、請求項8に記載の流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月6日に提出された米国特許仮出願第62/844,000号の非仮出願であり、その開示内容の全体は本参照を以って本明細書に含まれるものとする。
【0002】
本開示は、広くは、音波センサ及び音波共振器を組み込んだ流体装置、並びにバイオセンシング又は生化学的センシングの用途に適した関連システムを含む、音波共振装置に関する。
【背景技術】
【0003】
バイオセンサ(又は生物学的センサ)は、生物学的要素と、生物学的反応を電気信号に変換するトランスデューサとを含む分析装置である。あるバイオセンサは、特定の結合物質(例えば抗体、受容体、リガンド等)と標的種(例えば分子、タンパク質、DNA、ウイルス、細菌等)との間の選択的な生化学反応を含み、この非常に特異的な反応の生成物は、トランスデューサによって測定可能な量に変換される。他のセンサは、サンプル中に存在し得る複数のタイプ又はクラスの分子又は他の部分に結合可能な非特異的結合材料を利用し得る。「機能化材料(functionalization material)」という用語は、本明細書では一般に、特異的及び非特異的な結合材料の双方に関連して使用され得る。バイオセンサとともに使用される変換方法は、電気化学的、光学的、電気的、音響的等の様々な原理に基づき得る。これらのうち、音響変換は、高感度であるだけでなく、リアルタイムであり、ラベルフリーであり、低コストである等、多くの潜在的な利点を提供する。
【0004】
音波装置は、特定の結合材料を通るか又はその表面上を伝播する音波を使用し、それにより、伝播経路の特性へのいかなる変化も、波の速度及び/又は振幅に影響を与える。音波装置は、高周波動作を容易にするのに適したマイクロスケールの機能を提供する必要があることから、一般に微小電気機械システム(MEMS)製造技術によって製造される。音波装置のアクティブ領域の上に官能化材料が存在することにより、検体を機能化材料に結合させることができ、それにより、音波によって振動する質量が変化し、波伝播特性(例えば速度、故に共振周波数)が変化する。速度の変化は、音波装置の周波数、振幅の大きさ、及び/又は位相特性を測定することによって監視可能であり、測定されている物理量と関連させることができる。
【0005】
通常、BAW装置は、高周波動作を容易にするのに適したマイクロスケールの機能を提供する必要があることから、微小電気機械システム(MEMS)製造技術によって製造される。バイオセンサとの関連から、機能化材料(例えば、生物活性プローブ又は薬剤としても知られている特異的結合材料)は、(マイクロアレイプリンティングとしても知られている)マイクロアレイスポッティング等の種々の技術によってセンサ表面に堆積され得る。非特異的結合ユーティリティを提供する(例えば、複数のタイプ又は種の分子の結合を可能にする)機能化材料も、化学センシング等の特定の状況で使用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
共振器のアレイを製造する既存のプロセスは、多くの課題を含む。例えば、複数列の共振器が流体経路に配置されると、電気リード線の長さが増加する。例えば、流体経路の幅方向に4つの共振器がある場合、流体経路の中央にある共振器へのリード長が長くなり、高密度の共振器センサアレイに適用することが困難になる。一例として、センサアレイは2×2(計4つ)から50×50(計2500個)の範囲であり得る。さらに、センサの流路の流体高さは、ラミネート基板の高さに直接的に関係する。
【0007】
高密度BAWセンサアレイの提供が望まれる場合があり、該センサアレイは、BAWダイの反対側の流体インターフェース及び電気的接続を分離することにより、短い電気リード、低い流路高さ、及び高い信頼性という利点を提供する。当業者は、本開示の範囲を理解するであろうし、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を読めば、その追加の態様を実現するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の技術は、広くは、プリント回路基板に対してより効果的かつ容易に電気的に接続され得るバルク音波共振器センサを含む装置を製造する方法に関する。該方法は、基板の第1表面上にバルク音波共振器を形成することと、基板の反対側の表面から基板の一部を除去することと、を含み得る。該方法はまた、任意に、フリップチップの搭載を含み得る。
【0009】
本開示の原理に従ういくつかの態様は、流体装置用のバルク音波共振器構造を製造する方法に関する。該方法は、基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成する第1ステップを含むことができ、該基板は、第1表面の反対側の第2表面を有する。次に、圧電材料を第1電極上に配置することができる。次に、第2導電性材料を圧電材料の上に配置して、第2電極の少なくとも一部を形成することができる。第2導電性材料は、基板の第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に第1導電性材料上に延在する。第1導電性材料、圧電材料及び第2導電性材料が重なり合う領域は、バルク音波共振器を形成し、該バルク音波共振器は、第1側及び反対側の第2側を有する。次に、音響エネルギ管理構造が、バルク音波共振器の第1側に配置される。次に、バルク音波共振器を越えて延びる第2導電性材料の一部の上に第3導電性材料が配置され、該第3導電性材料は、音響エネルギ管理構造の上方に、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる相互接続部を形成する。最後に、基板の第2表面の一部が除去されて、バルク音波共振器の第2側にある第1電極において化学的機械的接続部が露出される。
【0010】
本開示の原理に従う他の態様は、流体装置用のバルク音波共振器構造を製造する方法に関する。該方法は、基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成する第1ステップを含むことができ、該基板は、第1表面の反対側の第2表面を有する。次に、圧電材料を第1電極上に配置することができる。次に、第2導電性材料を圧電材料の上に配置して、第2電極の少なくとも一部を形成することができる。第2導電性材料は、基板の第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に第1導電性材料上に延在する。第1導電性材料、圧電材料、及び第2導電性材料が重なり合う領域は、バルク音波共振器を形成し、該バルク音波共振器は、第1側及び反対側の第2側を有する。次に、音響エネルギ管理構造として機能する反射器構造が、バルク音波共振器の第1側に配置される。次に、バルク音波共振器を越えて延びる第2導電性材料の一部の上に第3導電性材料が配置され、該第3導電性材料は、反射器構造の上方に、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる相互接続部を形成する。最後に、基板の第の表面の一部が除去されて、バルク音波共振器の第2側にある第1電極において化学的機械的接続部が露出される。
【0011】
本開示の原理に従う他の態様は、流体装置用のバルク音波共振器構造を製造する方法に関する。該方法は、基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成する第1ステップを含むことができ、該基板は、第1表面の反対側の第2表面を有する。次に、圧電材料を第1電極上に配置することができる。次に、第2導電性材料を圧電材料の上に配置して、第2電極の少なくとも一部を形成することができる。第2導電性材料は、基板の第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に第1導電性材料上に延在する。第1導電性材料、圧電材料、及び第2導電性材料が重なり合う領域は、バルク音波共振器を形成し、該バルク音波共振器は、第1側及び反対側の第2側を有する。次に、音響エネルギ管理構造として機能するエアキャビティが、バルク音波共振器の第1側に配置される。次に、バルク音波共振器を超えて延びる第2導電性材料の一部の上に第3導電性材料が配置され、該第3導電性材料は、エアキャビティの上方に、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる相互接続部を形成する。最後に、基板の第2表面の一部が除去されて、バルク音波共振器の第2側にある第1電極において化学的機械的接続部が露出される。
【0012】
本開示の1つ又は複数の態様の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本開示に記載されている技術の他の特徴、目的及び利点は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明とともに、本開示の様々な原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1B】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1C】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1D】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1E】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1F】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1G】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1H】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1I】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図1J】本開示の態様に係るバルク音波含有構造を作製する例示的な方法における、様々な段階での装置の概略図である。
【
図2】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、犠牲層およびシリコン基板を示す概略断面図である。
【
図3】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図2の層上の酸化ケイ素層を示す概略断面図である。
【
図4】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図3の層上の窒化ケイ素層を示す概略断面図である。
【
図5】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図4の層上の犠牲層の任意の除去を示す概略断面図である。
【
図6】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図5の層上の電極及び酸化ケイ素を示す概略断面図である。
【
図7】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図6の層上の傾斜したせん断軸圧電膜を示す概略断面図である。
【
図8】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図7の圧電層上の第2電極層を示す概略断面図である。
【
図9】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図8の層上のビルドアップ層を示す概略断面図である。
【
図10】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図9の層上の保護層を示す概略断面図である。
【
図11】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図10の層の一部に亘って延びる音響エネルギ管理構造を示す概略断面図である。
【
図12】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図10の層に対して配置された基板への電気的接続のための相互接続部を示す概略断面図である。
【
図13】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図12の層と比較して基板の厚さを減少させるための、基板の一部の除去を示す概略断面図である。
【
図14A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図13の層に対して流体経路を形成するための、基板の追加部分のドライエッチングを示す概略断面図である。
【
図14B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図13の層に対して流体経路を形成するための、基板の追加部分のドライエッチングを示す斜視図である。
【
図14C】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図13の層に対して流体経路を形成するための、基板の追加部分のドライエッチングを示す斜視図である。
【
図15A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に関して、基板に取り付けられたBAWダイフリップチップを示す概略断面図である。
【
図15B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に関して、基板に取り付けられたBAWダイフリップチップを示す概略断面図である。
【
図15C】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に関して、基板に取り付けられたBAWダイフリップチップを示す斜視図である。
【
図15D】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に関して、基板に取り付けられたBAWダイフリップチップを示す横断面図である。
【
図15E】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に関して、基板に取り付けられたBAWダイフリップチップを示す横断面図である。
【
図16】本開示の態様に係る例示的な流体装置を形成する方法における、
図14のバルク音波構造に対する流体壁構造の取り付けを示す概略断面図である。
【
図17A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図16の装置に関して、フリップチップが取り付けられたダイの下にウイックされたアンダーフィルを示す概略断面図である。
【
図17B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図16の装置に関して、フリップチップが取り付けられたダイの下にウイックされたアンダーフィルを示す概略断面図である。
【
図17C】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図16の装置に関して、フリップチップが取り付けられたダイの下にウイックされたアンダーフィルを示す概略断面図である。
【
図18】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図17の装置に対するシラン化体、機能化体の印刷、及びスポッティングを示す概略断面図である。
【
図19A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図18の装置に関して、流体壁構造上に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す概略断面図である。
【
図19B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図18の装置に関して、流体壁構造上に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す概略断面図である。
【
図19C】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図18の装置に関して、流体壁構造上に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す横断面図である。
【
図20】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法における、
図18の装置に関して、流体壁構造上に流体チャンバーカバーを取り付ける追加の方法を示す概略図である。
【
図21】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において堆積された、酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜を有するシリコン基板を示す概略断面図である。
【
図22】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図21に関して、形成され、酸化ケイ素が堆積され、CMPプロセスで表面が平坦化された電極を示す概略断面図である。
【
図23】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図22に関して、堆積された傾斜したせん断軸圧電膜を示す概略断面図である。
【
図24】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図23に関して、圧電層上の第2電極の堆積及びパターン形成を示す概略断面図である。
【
図25】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図24に関して、ビルドアップ層の堆積及びパターン形成を示す概略断面図である。
【
図26】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図25に関して、堆積物及びパターン保護層を示す概略断面図である。
【
図27】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図26に関して、共振器上の音響反射器の作製を示す概略断面図である。
【
図28】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図27に関して、基板への電気的接続のためのバンプの作製を示す概略断面図である。
【
図29】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図28に関して、基板の厚さを減少させるための、基板の一部の裏面研削を示す概略断面図である。
【
図30】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図29に関して、共振器のゾーンに流体経路を形成するための、基板の一部のドライエッチングを示す概略断面図である。
【
図31】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図30に関して、プリント回路基板に取り付けられたBAWバイオセンサダイフリップチップを示す概略断面図である。
【
図32A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図31に関して、独立した流体壁構造の取り付けを示す概略断面図である。
【
図32B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図31に関して、独立した流体壁構造の取り付けを示す斜視図である。
【
図33】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図32A及び32Bに関して、フリップチップが取り付けられたダイの下にアンダーフィルがウイックされた後の装置を示す概略断面図である。
【
図34】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図33に関して、完了したシラン化体、機能化体の印刷、及びスポッティングを示す概略断面図である。
【
図35】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図34に関して、流体壁構造上に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す概略断面図である。
【
図36】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、BAWセンサダイの露出した共振器側及び独立した壁の概略平面図である。
【
図37】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図31のBAWダイにカバーを取り付ける代替の方法を示す概略断面図である。
【
図38】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法で利用可能なシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハを示す概略断面図である。
【
図39】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図38に関して、上部シリコンのパターンハードマスク及びウェットエッチングを示す概略断面図である。
【
図40】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図39に関して、堆積された窒化ケイ素膜を示す概略断面図である。
【
図41】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図40に関して、形成され、酸化ケイ素が堆積され、CMPプロセスで表面が平坦化された電極を示す概略断面図である。
【
図42】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図41に関して、堆積された傾斜したせん断軸圧電膜を示す概略断面図である。
【
図43】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図42に関して、圧電層上の電極の堆積及びパターン形成を示す概略断面図である。
【
図44】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図43に関して、ビルドアップ層の堆積およびパターン形成を示す概略断面図である。
【
図45】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図44に関して、共振器上の音響エネルギ管理構造の例であるエアキャビティの作製を示す概略断面図である。
【
図46】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図45に関して、基板への電気的接続のためのバンプの作製を示す概略断面図である。
【
図47】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図46に関して、基板の厚さを減少させるための、基板の裏面研削を示す概略断面図である。
【
図48】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図47に関して、基板に取り付けられたBAWバイオセンサダイフリップチップを示す概略断面図である。
【
図49A】
図48に関して、独立した流体壁構造の取り付けを示す概略断面図である。
【
図49B】
図48に関して、独立した流体壁構造の取り付けを示す概略平面図である。
【
図50】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図49に関して、フリップチップに取り付けられたダイの下にウイックされたアンダーフィルを示す概略断面図である。
【
図51】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図50に関して、シラン化体、機能化体の印刷、及びスポッティングを示す概略断面図である。
【
図52A】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図51に関して、流体壁構造に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す概略断面図である。
【
図52B】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図51に関して、流体壁構造に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す平面断面図である。
【
図53】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図44に関して、共振器上の音響エネルギ管理構造の例である音響ミラーの作製を示す概略断面図である。
【
図54】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図53に関して、基板への電気的接続のためのバンプの作製を示す概略断面図である。
【
図55】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図54に関して、基板の厚さを減少させるための、基板の裏面研削を示す概略断面図である。
【
図56】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図55に関して、基板に取り付けられたBAWバイオセンサダイフリップチップを示す概略断面図である。
【
図57】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図56に関して、独立した流体壁構造の取り付けを示す概略断面図である。
【
図58】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図57に関して、フリップチップに取り付けられたダイの下にウイックされたアンダーフィルを示す概略断面図である。
【
図59】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図58に関して、シラン化体、機能化体の印刷、及びスポッティングを示す概略断面図である。
【
図60】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法において、
図59に関して、流体壁構造に取り付けられた流体チャンバーカバーを示す概略断面図である。
【
図61】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法が完了した後の、独立壁及びBAWセンサダイの相互接続側の概略平面図である。
【
図62】本開示の態様に係る例示的なバルク音波構造を形成する方法が完了した後の、独立壁及びBAWセンサダイの露出した共振器側の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面は必ずしも縮尺通りではない。図面で使用されている同様の参照符号は、同様の構成要素を指す。しかしながら、図中の構成要素を参照するために参照符号を使用することは、同じ参照符号でラベル付けされた別の図面内の構成要素を限定することを意図するものではないことは理解されよう。
【0016】
以下の詳細な説明では、化合物、組成物、装置、システム及び方法のいくつかの特定の実施形態が開示されている。本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、他の実施形態が企図され、作製され得ることが理解されるべきである。従って以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0017】
本明細書では、第1、第2等の用語を使用して様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでないことは理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称され得るし、同様に、第2の要素は第1の要素と称され得る。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、リストされた関連するアイテムの1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0018】
「下方」、「上方」、「上側」、「下側」、「上部」、「底部」、「水平」又は「垂直」等の相対的用語は、本明細書では、図示されるように、1つの要素、層又は領域の、別の要素、層又は領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語および上述した用語は、図の向きに加えて、装置の異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0019】
ここで使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「含む(comprises、comprising、include、及び/又はincluding)」なる用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。本明細書で使用される場合、特定の層又は要素に適用される「近接」及び「隣接」なる用語は、別の層又は要素に接近又は近接している状態を指し、本明細書に矛盾する記載がない限り、他の層又は要素上に当接又は直接接触する1つ又は複数の介在する層又は要素の存在の可能性を包含する。
【0020】
圧電結晶共振器の場合、音波は、基板の内部を伝搬するバルク音波(BAW)、又は基板の表面を伝播する弾性表面波(SAW)のいずれかを具体化することができる。SAW装置は、圧電材料の表面に沿ったインターデジタル変換器を利用する音波(一般に2次元レイリ波を含む)の変換を伴い、波は約1波長の侵入深さに制限される。BAW装置では、3つの波モード、すなわち、(圧縮/伸長波とも称されるせん断波を具体化する)1つの縦モードと、(横波とも称されるせん断波を具体化する)2つのせん断モードとを伝播でき、縦モード及びせん断モードはそれぞれ、粒子の動きが波の伝播方向に平行又は垂直である振動を識別する。縦モードは、波の伝播方向の圧縮と伸長によって特徴付けられるのに対し、せん断モードは、伝播方向に垂直な運動で構成される。縦モード及びせん断モードは、縦方向の作用方向に垂直な運動で構成される。
【0021】
本開示は、基板上に配置されたバルク音波(BAW)共振器を含む音波共振装置、及び該装置を形成する方法に関する。BAW共振器は、第1電極を形成する第1導電性材料、圧電材料、及び第2電極を形成する第2導電性材料を含み、圧電材料は2つの電極の間に配置される。基板内への音波の散逸を低減又は防止するように機能する音響エネルギ管理構造が、BAW共振器の一方の表面の活性領域の少なくとも一部の上に形成され、インターフェース層が、BAW共振器の活性領域の少なくとも一部の反対側の表面上に形成され、それにより活性領域の後の機能化が可能になる。
【0022】
本開示の態様によれば、音波構造装置は、バイオセンサ、機能化材料(例えば、特定の結合材料)に適したマイクロスケール形状の生成に適した微小電気機械システム(MEMS)技術を使用して製造可能である。原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)、又は物理蒸着(PVD)等の堆積技術を、1つ又は複数のマスク(例えばフォトリソグラフィマスク)と組み合わせて使用して、形成される装置の様々な部分をパターン化することができる。
【0023】
BAW装置を製造する上記方法は、以下のステップを含む。
1.反射ベース、底部電極、傾斜せん断軸AIN、及び上部電極を備えた共振器を製造する。
2.錫を備えた銅ピラー等のフリップチップ相互接続バンプを製造する。
3.電極を保護する水蒸気バリア層を堆積させる。適切な材料の例は、CVD Si3N4又はALD Al2O3である。
4.自己組織化単分子膜(SAM)用の接着層を、水蒸気バリア層に堆積させる。適切な材料の例は、SiO2、TiO2又はHfO2を含む。これらの材料は、原子層堆積(ALD)又は化学蒸着(CVD)によって堆積可能である。
5.基板のスロット上のラミネート基板にダイを取り付ける。基板のスロットは、流体チャネルを画定する。スイッチ、キャパシタ及び抵抗等の追加の構成要素を基板上に取り付けて、RFセンサモジュールを作製する。
6.自己組織化単分子膜(SAM)を堆積させる。適切な材料の例は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。このSAMコーティングは、SiO2層と有機ポリマーとの間の結合又は接合を改善するために適用される。
7.バイオ受容体とも称される機能化体は、マイクロアレイスポッティングニードルで印刷される。
8.SAMのラベルのない領域を化学的にブロックする。これにより、サンプルのテスト時に検体がSAMに望ましくなく付着することが防止される。結合していない過剰なケミカルブロッキング物質は、装置から洗い流される。
9.流体パッケージが製造される。流体パッケージの例は、接着剤を有するパンチ又はレーザカットされたラミネートの複数層である。層は予め切断され、機械加工されてから、感圧接着剤で貼付され保持される。
10.検体はセンサキャビティを通過して機能化体に結合し、共振器はせん断RF周波数で駆動され、結合した検体の周波数シフトを検出する。
【0024】
このような方法は、流体チャネルから電気バンプを分離するために長い電気リードを含む装置を製造する。さらに、ダイと同じ側に流体接続部及び電気接続部を備えた共振器の高密度アレイを形成することは困難である。上記のように形成されたBAWセンサをプリント回路基板に取り付けるフリップチップは、センサを基板に接続する1つの方法である。BAWを含むダイは、最終的には流体チャネルを形成する基板のスロットに取り付けられる。PCBの厚さは、流体チャネルの高さを決定する。流体チャネルの高さを下げるには、PCBの厚さを減らす必要がある。
【0025】
これらの問題は、センサのアレイを検討する際に強調される。共振器の複数の列が流体経路に配置されると、電気リード線の長さが長くなる。例えば、流体経路の幅方向に4つの共振器がある場合、流体経路の中央にある共振器へのリード長は長くなる。これにより、高密度の共振器センサアレイに対処することが困難になる。例えば、センサアレイは2×2(合計4)から50×50(合計2500)の範囲であり得る。コストとパフォーマンスのトレードオフとして有利な3×3(合計9)のアレイでさえ、以前に利用されていた方法で製造することは困難である。典型的に使用されるPCBの現在の厚さは、200マイクロメートルのオーダーであり、故に流体チャネルの厚さを決定する。
【0026】
本開示の態様によれば、実施例は、回路基板と電気的及び/又は機械的に接続するために、相互接続ピラーを備えたフリップチップ接続を採用する。音響エネルギ管理構造、例えば、エアキャビティ又は音響ミラーは、共振器の第1側上で使用可能である。共振器の反対側の第2側は、センサのアクティブ部分として使用するために露出可能である。開示された方法はまた、基板材料の一部を除去するステップを含む。基板の一部を除去するステップのタイミングは重要である。その理由は、プロセスの早い段階で除去すると、基板が壊れやすくなり、いくつかの操作での処理が困難になるからである。
【0027】
いくつかの方法に係る製造の様々な段階にある装置が、例えば、
図1A~1Gに開示されている。
図1Aは、第1表面103及び反対側の第2表面104を有する基板102を示す。基板102は、例えばシリコンを含み得る。基板は、いずれかの表面上に形成された様々な構造体又は層を有することができ、開示された方法で利用することができる。
【0028】
図1Bは、基板102の第1表面103の少なくとも一部の上に、第1導電性材料106が配置された後の基板102を示す。第1導電性材料106又はそれから形成される第1電極は、基板102に隣接又は最も近い第1表面105と、第1表面103の反対側の第2表面107とを有するものとして説明できる。第1導電性材料を配置するステップは、堆積ステップ、パターン化ステップ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、導電性材料は、基板の第1表面の少なくとも一部、又は基板の第1表面上に形成された任意の構造体又は装置上に堆積可能であり、次に導電性材料は、堆積後の1つ又は複数のステップでパターン化され得る。原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)又は物理蒸着(PVD)等の堆積技術を、1つ又は複数のマスク(例えばフォトリソグラフィマスク)と組み合わせて使用して、第1の導電性材料の一部をパターン化することができ、必要に応じて、本明細書で論じられる他の任意の層、材料又は構造体もパターン化できる。いくつかの実施形態では、第1導電性材料は、複数の材料、複数の層、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、第1導電性材料は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、それらの組み合わせ、それらの合金、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、第1導電性材料は、Al、その合金、又は少なくとも1つのAl層を含む多層構造体を含む。いくつかの実施形態では、第1導電性材料は、例えばAl又は少なくとも1つのAlCu層及びタングステン(W)層を含む二層構造を含み得る。
【0029】
図1Cは、第1電極の少なくとも一部の上に圧電材料110を配置した後の装置を示す。いくつかの実施形態では、圧電材料は、第1電極の全ての部分に堆積可能である。いくつかの実施形態では、圧電材料は、基板の第1表面、又は第1表面上に形成された任意の装置若しくは構造体の上に配置されていない第1電極の全ての部分に堆積可能である。いくつかの実施形態では、傾斜したc軸六方晶系構造の圧電材料(例えば、AlN又はZnO)を圧電材料として利用することができる。
【0030】
ある実施形態では、圧電材料は、基板の面の法線に対して主に非平行である(そして非垂直でもあり得る)配向分布を有するc軸を含む窒化アルミニウム又は酸化亜鉛材料を含み得る。そのようなc軸配向分布は、せん断変位の生成を可能にし、このことは、センサ内及び/又はマイクロ流体装置内等の液体を用いたMEMS共振装置の動作を有益に可能にする。ある実施形態では、圧電材料は、長手方向の配向を有するc軸を含む。
【0031】
基板の面の法線に主に非平行である配向分布を有するc軸を含む六方晶系構造の圧電材料を形成する方法は、2016年10月13日に出願された米国特許出願第15/293,063号に開示されており、この出願は本参照により本明細書に組み込まれる。傾斜したc軸配向を有する圧電材料を形成するさらなる方法は、1987年2月3日に発行された米国特許第4,640,756号に開示されており、この特許は本参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
図1Dは、圧電材料の少なくとも一部の上に第2導電性材料を配置した後の装置を示す。第2導電性材料を配置するステップは、堆積ステップ、パターン化ステップ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、導電性材料は、圧電材料の少なくとも一部に堆積可能であり、次に導電性材料は、
図1Dに示すように、堆積後の1つ又は複数のステップでパターン化されて、第2電極112を形成し得る。第2導電性材料は、基板の第1表面に実質平行に延びる。第2電極112の少なくとも一部は、第1電極106と重なる。第1電極106、圧電材料110及び第2電極112の3つが重なり合う領域でのこれらのスタックは、バルク音波共振器114を形成する。バルク音波共振器114は、基板102の第1表面103に平行でありかつ最も遠い第1側112を有する。
【0033】
図1Eは、バルク音波共振器114の第1側の部分に音響管理構造116を形成した後の装置を示す。音響エネルギ管理構造は、例えば、エアキャビティ又は反射器のスタックを含み得る。音響管理構造の目的は、装置内に音響エネルギを含ませることである。反射器スタックは音響ミラーとして機能し、機械的強度が優れているという利点を有する。エアキャビティは、エネルギの保持については良好に機能するが、全体的に機械的に弱い装置でも機能する場合があり、すなわち、機械的強度の不足に対処するために他の構造を追加することができる。
【0034】
ある実施形態では、エネルギ管理構造は、エアギャップ又はボイドキャビティである。キャビティは、2つの側壁及び「ルーフ」層を形成し、それにより、それぞれ、ルーフと壁との下方及び間にキャビティを形成することで形成可能である。壁及びルーフは、フォトイメージ化が可能なエポキシ材料等のフォトイメージ化可能材料等のフォトリソグラフィ材料を使用して形成可能である。そのような材料の特定の例は、TMMF(登録商標)(東京応化工業株式会社)又はSU-8(MicroChem Inc、マサチューセッツ州ニュートン)を含み得る。壁及びルーフの形状は、例えば、3~80マイクロメートルの厚さ、又は10~30マイクロメートルの厚さを有し得る。壁幅の寸法(例えば、一方の壁から他方の壁までの距離)は例えば、3~30マイクロメートル、又は5~15マイクロメートルであり得る。ルーフの面積は、例えば、100~500,000平方マイクロメートル、又は2500~200,000平方マイクロメートルであり得る。
【0035】
ある実施形態では、音響エネルギ管理構造は、音響反射器である。音響反射器は、音波を反射するのに役立ち、故に、基板内での音波の散逸を低減又は防止する。ある実施形態では、音響反射器は、異なる材料(例えば、酸化炭化ケイ素[SiOC]、窒化ケイ素[Si3N4]、二酸化ケイ素[SiO2]、窒化アルミニウム[AlN]、タングステン[W]及びモリブデン[Mo])の交互層を含むことができ、任意に、1/4波長ブラッグミラーに組み込まれ得る。ある実施形態では、他のタイプの音響反射器も使用可能である。
【0036】
音響エネルギ管理構造の可能な実施形態についてのさらなる詳細は、開示された方法の特定の実施形態に関して以下で議論される。
【0037】
図1Fは、第2導電性材料112の一部の上に第3導電性材料118を堆積した後の装置を示す。第1、第2及び第3導電性材料は、互いに同じでも異なってもよいことに留意すべきである。第3導電性材料は、バルク音波共振器112を越えて延びる第2導電性材料の一部の上に堆積される。別の言い方をすれば、第3導電性材料は、バルク音波共振器のどの部分にも重ならないが、第2導電性材料の一部には重なる。第3導電性材料は、音響エネルギ管理構造の上方に(基板102の第1表面103に垂直な方向に)延びる相互接続部を形成する。第3導電性材料は、ピラー構造118として説明又は形成可能であり、ピラー構造118は、それに接触する別の装置又は構造体に電気的に接続可能である。
【0038】
図1Gは、基板102の一部を除去して第1電極106の第1表面105を露出させることを含む次のステップ後の装置を示す。基板の一部を除去するステップは、1つ又は複数のプロセスを含み得る。いくつかの実施形態では、基板の一部を除去することは、機械的処理ステップ及び化学的処理ステップの双方を含み得る。いくつかの実施形態では、基板の一部を除去する第1ステップは、基板全体にわたって実質一定の厚さを除去することができる。いくつかの実施形態では、この第1ステップの次に、基板のいくつかの部分でのみ、追加的に基板材料を除去することを行うことができる。いくつかの実施形態では、機械的除去ステップの後に、例えば、化学的除去ステップを行うことができる。そのような実施形態では、第1ステップは、100~600マイクロメートル、100~550マイクロメートル、200~400マイクロメートル、又は250~350マイクロメートル、又は約300マイクロメートルの厚さで基板を残すことができる。基板の例示的な初期の厚さは、約725マイクロメートルであり得る。
【0039】
第1電極106の第1表面105を露出させるステップは、使用又はさらなる処理のために、バルク音波センサ114の第2側を露出させる。この時点で、バルク音波共振器114の第2表面は、電極材料106、又は第1電極材料が基板上に堆積される前に基板上に配置された他のいくつかの層を露出させることができることに留意すべきである。
【0040】
この時点で露出(又は適用)される可能性のある追加の層は、インターフェース層を含み得る。インターフェース層は、バルク音波共振器114のアクティブ表面の機能化を可能にするか、より容易に可能にするように作用し得る。ある実施形態では、インターフェース層は、バルク音波共振器のアクティブ領域全体に亘って自己組織化単分子膜(SAM)を受けるようにパターン化或いは利用可能であり、それによりインターフェース層上に付与されたSAM及び機能化(例えば特異的結合)材料は、アクティブ領域全体にオーバーラップすることが可能になる。他の実施形態では、インターフェース層上にブロッキング層をパターン化でき、或いはインターフェース層の一部のみを、アクティブ領域の一部のみの上でSAMを受けるために利用可能であり、それによりインターフェース層上に付与されたSAM及び機能化材料は、アクティブ領域の一部のみにオーバーラップすることが可能になる。
【0041】
ある実施形態では、フォトリソグラフィを使用して、MEMS共振装置の一部の上でインターフェース材料又はブロッキング材料のパターン化を促進することができる。フォトリソグラフィは、光を使用して、フォトマスクから基板上の感光性化学フォトレジストに幾何学的パターンを転写することを含み、半導体製造技術における当業者には周知のプロセスである。フォトリソグラフィで採用される典型的なステップには、ウェハのクリーニング、フォトレジストの塗布(ポジティブ又はネガティブなフォトレジストのいずれをも含む)、マスクの位置合わせ、並びに露光及び現像が含まれる。所望の表面上のフォトレジストにおいて形状が画定された後、フォトレジスト層の1つ又は複数のギャップをエッチングすることによってインターフェース層をパターン化し、次に、(例えば、液体フォトレジストストリッパを使用して、酸素含有プラズマの塗布を介するアッシングによって、又は他の除去プロセスによって)フォトレジスト層を除去することができる。
【0042】
ある実施形態では、インターフェース層は、オルガノシランSAM層の形成に適したヒドロキシル化酸化物表面を含み得る。ヒドロキシル化酸化物表面を含む好ましいインターフェース材料は、二酸化ケイ素[SiO2]である。インターフェース層を形成するためにヒドロキシル化酸化物表面を含む代替材料は、二酸化チタン[TiO2]及び五酸化タンタル[Ta2O5]を含む。ヒドロキシル化酸化物表面を含む他の代替材料は当業者に周知であり、これらの代替材料は本開示の範囲内であると見做される。
【0043】
他の実施形態では、インターフェース層は、チオールベースのSAMを受けるのに適した金又は他の貴金属(例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金又は銀)を含む。
【0044】
腐食を受ける電極材料を含む特定の実施形態では、上側電極とインターフェース層との間に気密層をも設けてもよい。貴金属(例えば金、白金等)が上側電極に使用される場合は、気密層は不要となり得る。設けられた場合の気密層は、好ましくは、水蒸気透過率が低い(例えば、0.1(g/m2/日)以下の)誘電体材料を含む。これらの層の堆積に続いて、SAMがインターフェース層上に形成可能であり、SAMは好ましくはオルガノシラン材料を含む。気密層は、反応性電極材料(例えばアルミニウム又はアルミニウム合金)を腐食性液体環境での攻撃から保護し、局所的にパターン化されたインターフェース層は、SAMの適切な化学結合を促進する。
【0045】
ある実施形態では、気密層及び/又はインターフェース層は、原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CAV)又は物理蒸着(PVD)等の1つ又は複数の堆積プロセスによって付与され得る。上記プロセスのうち、ALDは、装置の形状に対して良好なステップカバレッジを備えた優れたコンフォーマルコーティングを提供し、ピンホールのない層構造を提供する能力があるため、少なくとも気密層の堆積に適している(また、インターフェース層の堆積にも好ましい場合がある)。さらに、ALDは均一に薄い層を形成することができ、均一な薄い層により、装置の性能を低下させる音響振動の減衰が比較的少なくなる。カバレッジの適切性は、気密層(存在する場合)にとって、その下にある電極の腐食を回避するために重要である。ALDが気密層の堆積に使用される場合、ある実施形態では、気密層は、約10nmから約25nmの範囲の厚さを含み得る。ある実施形態では、気密層の厚さは、約15nmであり、又は約12nmから約18nmである。逆に、CVD等他のプロセスが使用される場合、気密層は、約80nmから約150nm以上の範囲、又は約80nmから約120nmの範囲の厚さを含み得る。上記プロセスの両方を考慮すると、気密層の厚さは、約5nmから約150nmの範囲であり得る。インターフェース層の堆積にALDが使用される場合、インターフェース層は、約5nmから約15nmの範囲の厚さを含み得る。ある実施形態では、インターフェース層は、約10nmの厚さであり、又は約8nmから約12nmの範囲の厚さを含み得る。ある実施形態では、他のインターフェース層の厚さ範囲を使用してもよいし、ALD以外の他の堆積技術を使用してもよい。ある実施形態において、気密層及びインターフェース層は、真空環境下で逐次的に付与可能であり、それにより、2層間の高品質のインターフェースが促進される。
【0046】
設けられた場合の気密層は、ある実施形態によれば、誘電体材料として機能し、低い水蒸気透過率(例えば、0.1(g/m2/日)以下)を有する酸化物、窒化物又は酸窒化物材料を含み得る。ある実施形態では、気密層は、Al2O3又はSiNのうち少なくとも1つを含む。ある実施形態では、インターフェース層は、SiO2、TiO2又はTa2O5のうち少なくとも1つを含む。ある実施形態では、複数の材料を単一の気密層内に統合することができ、かつ/又は気密層は、異なる材料の複数の副層(サブレイヤ)を含み得る。好ましくは気密層は、その下にある音響共振器構造の反応性金属(例えばアルミニウム又はアルミニウム合金)電極構造との適合性を促進するためにさらに選択される。バルク音波共振器の電極材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金が頻繁に使用されるが、そのような電極には様々な遷移金属及び遷移後金属を使用できる。
【0047】
インターフェース層(任意に、その下にある気密層の上に配置される)の堆積に続き、SAMが好ましくはインターフェース層の上に形成される。SAMは通常、固体表面に対して強い親和性を示す化学基を持つ両親媒性分子に該固体表面を曝すことによって形成される。ヒドロキシル化酸化物表面を含むインターフェース層が使用される場合、オルガノシランSAM層は、ヒドロキシル化酸化物表面への付着のために特に好ましい。有機シランSAMは、シリコン-酸素(Si--O)結合を介して表面結合を促進する。より具体的には、オルガノシラン分子は、加水分解に敏感な基及び有機基を含み、故に、無機材料を有機ポリマーに結合するのに有用である。オルガノシランSAMは、ヒドロキシル化された表面を微量の水の存在下でオルガノシラン材料に曝露して中間体シラノール基を形成することで形成可能である。次に、これらの基はヒドロキシル化表面の遊離ヒドロキシル基と反応して、オルガノシランを共有結合で固定化する。ヒドロキシル化酸化物表面を含むインターフェース層と互換性のある、可能なオルガノシランベースのSAMの例には、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、及びオクタデシルトリメトキシシラン(OTMS)が含まれ、これらのエトキシ変異体及びクロロ変異体も含まれる。SAMに使用できる追加のシランには、ポリ(エチレングリコール)(PEG)共役変異体が含まれる。当業者は、他の代替例が存在することを認識し、これらの代替例は、本開示の範囲内であると見做される。例示的なSAMは、少なくとも0.5nm以上の範囲の厚さを含み得る。好ましくはSAMは、局所的にパターン化されたインターフェース層に容易に結合するが、他の隣接する材料層(例えば、気密層、圧電材料、及び/又はブロッキング材料層)には容易に結合しない。
【0048】
金又は他の貴金属を含むインターフェース層を使用する場合、チオールベース(例えばアルカンチオールベース)のSAM層を使用することができる。アルカンチオールは、主鎖としてのアルキル鎖、テール基、及びS--Hヘッド基を持つ分子である。チオールは、これらの金属に対する硫黄の強い親和性のために、貴金属のインターフェース層に使用される場合がある。使用可能なチオールベースのSAMの例には、1-ドデカンチオール(DDT)、11-メルカプトウンデカン酸(MUA)、及びヒドロキシル末端(ヘキサエチレングリコール)ウンデカンチオール(1-UDT)が含まれるが、これらに限定されない。これらのチオールは同じ主鎖を含むが、異なる末端基、すなわち、DDTのメチル基(CH3)、MUAのカルボキシル基(COOH)、及びヒドロキシル末端ヘキサエチレングリコール基(HO--(CH2CH2O)6)を含む。ある実施形態では、SAMは、無水エタノール等の適切な溶媒を使用して、チオール溶液中で金表面をインキュベートすることによって形成可能である。
【0049】
SAMの形成に続き、該SAMは、少なくとも1つの機能化(例えば、特異的結合)材料を受けること等によって、生物学的に機能化され得る。ある実施形態では、特定の結合材料は、マイクロアレイスポッティングニードル又は他の適切な方法を使用して、SAMの上に付与可能である。SAM及びその下にあるインターフェース層は、共振器構造(基板を含む)の一部のみの上に高い寸法公差でパターン化され(例えば、インターフェース層を画定するフォトリソグラフィを使用して)、次に、付与された特定の結合材料が好ましくはSAMに対してのみ付着する。故に、マイクロアレイスポッティングのみから得られるよりも高い寸法公差が、特定の結合材料の位置決めにおいて達成され得る。
【0050】
図1Hは、追加の処理後の装置を示す。
図1Hの装置は、例えば、他の装置への電気的接続を行うために、裏返され、次に第2基板120上に配置される。装置は、例えばプリント回路基板(PCB)であり得る第2基板120に電気的に接続される。第2基板120は、例えば電気接点パッド122を介して、装置に接続可能である。
図1Hの装置はまた、第2基板120上に形成された流体壁122を含む。流体壁は、薄いポリマー材料及び/又はラミネートのレーザカット「ステンシル」層等の任意の適切な材料で形成可能であり、任意に、1つ又は複数の自己接着性表面(例えば粘着テープ)を含む。任意に、そのような壁は、SAM層、機能化層、及び/又はブロッキング層を、SU-8ネガティブエポキシレジスト又は他のフォトレジスト材料で堆積する前に、形成可能である。
図1Hの装置はまた、カバー124又はキャップ層を含む。カバー124は、適切な材料(例えば、好ましくは実質不活性なポリマー、ガラス、シリコン、セラミック等)の層に、ポートを(例えばレーザ切断又はウォータジェット切断によって)画定し、流体壁122の上面にカバー又はキャップ層を接着することで形成可能である。カバー124及び流体壁122の組み合わせは、流体チャネル126を形成する。
【0051】
図1Iは、YYYYで示される機能化、及びXXXXXで示されるブロッキングの後の装置を示す。機能化のための特異的結合材料の例には、抗体、受容体、リガンド等が含まれるが、これらに限定されない。特定の結合材料は、好ましくは、予め定められた標的種(例えば分子、タンパク質、DNA、ウイルス、細菌等)を受容するように構成される。特異的結合材料を含む機能化層は、約5nm~約1000nm、又は約5nm~約500nmの範囲の厚さを含み得る。ある実施形態では、多重共振装置(すなわち、複数の活性領域を含む共振装置)の異なる活性領域の上に、異なる特異的結合材料のアレイを設けることができ、該アレイは任意に、比較(又は「参照」)領域として機能するように、特異的結合材料を欠く1つ又は複数の活性領域と組み合わせてもよい。ある実施形態では、機能化材料は、非特異的な結合有用性を提供し得る。
【0052】
図1Jは、カバー124が取り付けられる流体壁を形成するステップの代替例を提供する。この実施例では、カバー124は、チャネル128を形成する電極材料に直接取り付けられる。
【0053】
図2~20は、本開示の一実施例に係る、バルク音波共振器を含む流体装置を形成するより具体的な方法を示す。一般に、原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)若しくは物理蒸着(PVD)等の堆積技術、又は他の技術を使用して、材料を堆積することができる。1つ又は複数のマスク(例えばフォトリソグラフィマスク)、停止層、エッチング層等もまた、本明細書において堆積された任意の材料の一部をパターン化して、開示された層又は構造を形成するために使用可能である。
図2~20に記載の構造及び装置は、3つの共振器構造、関連する電気的な接続部及び構造を形成する方法を示すが、明確化のために、一般的には繰り返される構造のうちの1つのみに参照番号が付与される。
【0054】
図2は概ね、第1表面201及び第2表面202を有する基板200を示す。犠牲層203は、第1表面201の一部の上に形成されている。犠牲層は、基板200の第2側202が部分的に除去されたときに、説明された方法によって形成された共振装置を保護し得る。基板は、例えばシリコン基板であり、犠牲材料は、例えばアルミニウムである。犠牲層は通常、共振器が形成されることになる領域に堆積され、パターン化される。
【0055】
図3は、実行すべき追加のプロセスステップのための平面を形成することを意図したステップ後の構造を示す。具体的には、犠牲材料202及び基板200の第1表面201の露出部分の上に、追加の酸化ケイ素材料を堆積させることができる。酸化ケイ素材料の堆積に続いて、化学機械研磨(CMP)プロセスを行うことができ、例えば、犠牲層203と同じ高さの上面を有する平面状の酸化ケイ素層204を形成することができる。換言すれば、酸化ケイ素層204の上面は、
図2に示されるステップで堆積されパターン化された犠牲層202の上面と平面をなす。酸化ケイ素層204、犠牲層、又はその双方は、追加の構造を形成するための平坦化された層として機能するだけでなく、開示されたプロセスにおける後のステップ中に、シリコンエッチング停止層、機能化結合表面、又はその双方としても機能し得る。任意に、酸化ケイ素材料は、それがより厚い場合、いくつかの温度補償特性も提供し得る。例えば、少なくとも300ナノメートルの厚さを有する酸化ケイ素材料は、装置の温度補償に役立つ場合がある。酸化ケイ素材料の特定の厚さは、例えば、装置の動作周波数、装置内の材料、装置内の様々な材料の厚さ、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に依存し得る。
【0056】
図4は、犠牲層202及び酸化ケイ素層204の上に、不動態化層206が形成された後の構造を示す。不動態化層206は、例えば防湿層として機能し得る。例示的な不動態化層は、例えば窒化ケイ素、及び酸化アルミニウム(例えば、ALD堆積されたAlO)を含み得る。不動態化層は、装置の保護に役立ち得る防湿特性を提供し得る。
【0057】
図5は、犠牲層202が除去された後の構造を示す。犠牲層202は、例えば構造の非基板側から犠牲層202をエッチングして共振器ギャップ208を形成することにより、除去することができる。いくつかの特定の実施形態では、フォトレジストパターンを付与し、犠牲層202の上の不動態化層206を通して穴(図示せず)をエッチングすることができる。穴(図示せず)をエッチングすることができる。この特定の材料のセットに利用できる例示的なエッチャントは、体積比で16のH
3PO
4:1のHNO
3:1のCH
3COOH:2のH
2Oを含む組成物を表す「16-1-1-2」を含み得る。この組成物は、窒化ケイ素又はシリコンをエッチングしないが、酸化アルミニウムをエッチングする。不動態化層206及び犠牲層202に他の材料が使用された場合、当業者は、可能なエッチャント組成物に気付くであろう。共振器ギャップ208の形成により、最終的に形成される共振器を、最終的な使用のために探査及びトリミングすることが可能になる。
【0058】
図6は、第1電極210が上に形成された後の構造を示す。第1電極210の形成又は堆積は、材料の堆積、材料のパターン化、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。次に、酸化ケイ素材料212が構造上に堆積され、(例えばCMPを使用して)平坦化されて、後続のプロセスステップのための平面表面が形成された。第1電極に適した導電性材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの材料の組み合わせを含み得る。
【0059】
図7は、酸化ケイ素材料212の露出面上に、圧電材料214を堆積した後の構造を示す。傾斜したせん断軸圧電膜として有用な適切な材料の一例は、基板の法線とは異なる角度で堆積され得る窒化アルミニウムである。バルク圧電材料の堆積前に、任意の傾斜圧電シード層を使用することもできる。傾斜したせん断軸圧電膜は、ある角度で堆積された窒化アルミニウムのシード層と、基板に垂直に堆積された窒化アルミニウムのバルク圧電膜とから構成され得る。傾斜したシード層は、バルクせん断フィルムの微細構造の傾斜を促進可能であり、故にせん断圧電特性を提供し得る。
【0060】
図8は、圧電層214上に第2電極216を形成又は堆積した後の装置を示す。第2電極216の形成は、材料の堆積、材料のパターン化、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。第1電極に適した導電性材料は例えば、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの材料の組み合わせを含み得る。第2電極216の材料は、第1電極210の材料と同じであってもよいし、異なってもよい。第1電極210、圧電層210及び第2電極216が重なる(1つ又は複数の)領域は、バルク音波共振器220を形成する。
【0061】
図9は、ビルドアップ層122の形成後の装置を示す。ビルドアップ層は、第2電極から延びるリードの長さに沿った寄生損失を低減し得る任意の構造である。適切なビルドアップ材料のいくつかの例には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせが含まれる。
【0062】
図10は、第2不動態化層224の形成後の装置を示す。第2不動態化層224は、第1不動態化層に関して説明した材料を含むことができ、第1不動態化層と同じ又は同様の機能を提供し得る。材料、特性及び性質(例えば厚さ等)は、第1不動態化層と同じであってもよいし、異なってもよい。第2不動態化層は、活性領域内(例えばバルク音波共振器220上)に堆積されないか、該領域内に存在しないか、或いは以下でさらに説明するように、相互接続部が形成される第2電極上に堆積されない。
【0063】
図11は、音響エネルギ管理構造226の形成後の装置を示す。この実施例での音響エネルギ管理構造226は、エアキャビティである。音響エネルギ管理構造は、共振器を覆うので、材料、化学物質、又はその双方が共振器に接触して減衰することから保護することもできる。音響エネルギ管理構造の作製に使用可能な材料は、例えば、TMMF(登録商標)(東京応化工業株式会社)又はSU-8(MicroChem Inc、マサチューセッツ州ニュートン)のような、フォトレジスト又はフォトイメージ化が可能なエポキシを含み得る。エアキャビティ226を含む音響エネルギ管理構造は、2つの構造、例えば壁層及びルーフ層で作製することができる。
【0064】
図12は、次のステップ、すなわちバルク音波共振器220と重ならない領域内の第2電極材料の少なくとも一部の上に配置された相互接続部228の形成後の装置を示す。相互接続部228は、音波共振器220と他の構造又は装置との間を、電気的、機械的、又は電気的かつ機械的に接続するように機能する。相互接続部は、電気的相互接続バンプとして形成可能である。相互接続部は、例えば錫を含む銅のピラーで形成可能である。錫を含むめっき銅のピンの製造には、領域をパターン化するためのフォトレジストの使用、チタンや銅等の任意のめっきシード層の堆積、相互接続部のめっき、並びに任意のめっきシード層及びフォトレジストの除去が含まれる。
【0065】
図13は、基板の第2表面202の一部が除去されて、変更された第2表面230が露出した後の装置を示す。このステップは、薄くするステップや、裏面研削プロセス等の非選択的な局所除去ステップによって実現可能である。裏面研削は、所望の基板厚さを提供する。最終的なマイクロ流体チャネルの高さが、この背面230から、独立して形成された壁の上部までの距離によって規定される場合(後のプロセスステップを参照)等のいくつかの例では、この時点での基板の厚さが重要である。流体チャネルは、以下でさらに説明される。いくつかの任意の実施形態では、基板を早期に薄くすることができ、その後、一時的なキャリアを利用して、いくつかの処理ステップに機械的安定性を提供し得る。
【0066】
図14Aは、変更された第2表面230から基板の選択的部分が除去されて、上部基板表面233が形成された後の構造を示す。特に、除去された基板の領域は、音波共振器220の下方に位置する領域である。音波共振器220の周囲を越える材料も、任意に除去可能である。基板の材料が除去されると、窒化ケイ素等の気密層が露出され、酸化ケイ素等のインターフェース層が露出される。
【0067】
犠牲層がまだ除去されていない実施形態では、犠牲層をこの時点で除去することができる。このことは、
図14Aの装置に示されている。犠牲層が基板の除去のためにまだ無傷である場合、それは裏側のドライエッチング中に電極を保護するのに役立ち得る。基板の一部のこの選択的除去を達成するための特定のプロセスは、共振器220の領域に亘るドライシリコンエッチングを含む。このプロセスを完了するための1つの特定の例示的方法は、ウェハの裏側をフォトレジストでコーティングすることであり、典型的には、ドライエッチングの場合、これは5~10マイクロメートル程度の厚さのレジストであり得る。裏側の位置合わせツールは、表側の位置合わせマークに記録され、フォトレジストを露光することができる。フォトレジストを現像することができ、六フッ化硫黄(SF
6)及びオクタフルオロシクロブタン(C
4F
8)不動態化層を交互に深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)することによって、シリコンをエッチングすることができる。フォトレジストの代替マスキングプロセスは、裏面にアルミニウムを堆積し、レーザ加工でパターンを開くことである。他の有用なシリコンエッチングプロセスは、水酸化カリウム(KOH)又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を使用し、活性領域に沿って基板を選択的に除去する異方性湿式化学エッチングを含み得る。この場合、壁のプロファイルは54.7度になり、例えば、基板内のシリコンの<111>面に続く壁である。
【0068】
図14Bは、基板200を第2表面202から見た装置を示す。
図14Bは、音波共振器220と、音波共振器220を露出させるために形成されたトレンチ235とを示す。
図14Cは、基板200を第1表面201から見た装置を示す。この表面からは、エアキャビティ226及びピラー228として例示される音響エネルギ管理構造が見える。
【0069】
図15Aは、センサボード240にフリップチップを取り付けた後の装置を示す。一実施例では、相互接続部、ピラー228は、例えば、有機はんだ付け性保存剤(OSP)を用いて銅パッド242上に錫ではんだ付けすることによって電気的に接続される。他の代替例は、ボンドパッド上にはんだ付けされたダイ上のはんだボールを含み得る。相互接続バンプのあるダイの側には流体は存在しない。
【0070】
図15Bは、
図15Aの装置の断面を示し、センサボード240及び基板200を示す。
図15Cは、基板200の第2表面202から見た構造を示し、音波共振器220を露出するトレンチ235を示す。
【0071】
図15Dは、センサボードの底面241から見た図を示す。ピラー228、エアキャビティ226及び音波共振器220のそれぞれの位置が示されている。
図15Eは、センサボードの上面243から見た図を示す。残りの基板200及び音波共振器220のそれぞれの位置。最終的に、領域245は、基板が音波共振器220の第1電極層210を露出する深さまでエッチングされ、それにより流体チャネルの底部が形成される場所を示す。
【0072】
図16~19は、独立した壁を備えた流体チャネルを形成する1つの方法を示す。
図16は、流体壁構造250を形成又はセンサボード240に取り付けた後の装置を示す。いくつかの例示的実施形態では、流体壁構造250は、接着剤252でセンサボード240に取り付け可能である。流体壁構造は、樹脂の射出成形、金属若しくはガラスの機械加工、又は他の適切な方法から形成可能である。大量生産では、流体壁構造が配置されている場所で、自動ロボットシステムを使用して接着剤を分配することができる。壁構造は、テープ・リール形式又はトレイのいずれかで、接着剤上に受けられ得る。壁構造は、接着剤上に配置可能である。接着剤は、オーブンで硬化する。流体壁構造は、共振器から壁の上部までの所望の流体チャネル高さに対応するように構成される。最終的な流体チャネルのチャネル高さ254は、第1電極210の表面から流体壁構造250の上部までとして説明できる。
【0073】
図17Aは、フリップチップに取り付けられたダイの下に、接着剤アンダーフィル256が堆積された後の構造を示す。
図17Bは、構造の第1の断面を示し、接着剤アンダーフィル256を示す。
図17Cは、構造の等角図を示し、これも接着剤アンダーフィル256を示す。ディスペンサ先端からの接着剤は、ダイの面近くに配置され得る。取り付けられたダイの下の接着剤は、毛細管力でウイックされ(吸い上げられ)る。次に、接着剤を硬化させるためにベークステップを実行し得る。アンダーフィル及び流体壁構造接着剤の双方を硬化させるために、ベークステップを完了し得る。アンダーフィル接着剤の目的は、センサの使用時に使用される流体の化学的攻撃から、ダイの隆起領域を保護することである。
【0074】
図18は、機能化(
図18ではYYYとして図示)及びブロッキング(
図18ではXXXXXXとして図示)後の構造を示す。
図18は、センサ上の化学的機能化を示す。先ずシラン化ステップを行って接着促進剤の単分子層を表面にコーティングし、次に機能化体を共振器上に印刷し、最後に、機能化されていない表面をブロックして非特異的結合を防ぐことができる。機能化体は、目的の検体を結合するように構成されたバイオ受容体であり得る。機能化は、例えばタンパク質である。
【0075】
図19A及び19B(断面)は、流体壁構造250に流体チャネルカバー260が取り付けられた後の構造を示す。
図19A及び19Cの構造はまた、流体入口262及び流体出口264を示す。適切な流体チャンバーカバーの例は、粘着テープ又はステッカーである。カバーは、寸法、入口ポート及び出口ポートのために、パンチ加工又はレーザ加工され得る。カバーは、例えば圧力をかけて所定位置に取り付けることができる。
【0076】
図20は、流体チャネルを形成する
図16~19の代替例を示す。
図20では、流体チャンバーカバー260は、フリップチップに取り付けられ、アンダーフィル接着剤256を有する基板(220)/センサボード(240)構造に取り付けられる。この実施形態では、流体チャンバーカバー260は、上部基板表面233に直接取り付け可能である。この実施形態では、流体チャンバーカバー260は、粘着テープ又はステッカーであり得る。流体チャンバーカバー260は、入口ポート及び出口ポートの寸法及び形成のために、パンチ加工又はレーザ加工され得る。流体チャンバーカバー260は、例えば圧力をかけて所定位置に取り付けることができる。
【0077】
この図では、共振器は基板のエッチングされたトレンチ内に見ることができ、さらにダイの端部領域をエッチングして、入口及び出口の流体ポート用のスペースを作ることができる。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。センサのテストを完了するために、流体をカバーの流体入口に流し、次に該流体を、共振器を横切って流体出口から流す。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。目的の検体は、化学的機能化体に結合可能であり、バルク音響ウェハ装置の振幅-大きさ特性を変化させる。
【0078】
図21~36は、バルク音波共振器と、音波管理構造としての反射鏡とを含む流体装置を製造する他の例示的方法を示す。当業者は、上述の製造プロセス(例えば
図2~10に図示)をこの方法とともに使用して、代替の反射ミラー及び装置を含む構造を形成し得ることを理解するであろう。
【0079】
図21は、表面に酸化ケイ素及び窒化ケイ素が堆積された、シリコン等の基板を示す。酸化ケイ素は、シリコンエッチングストッパとしても、装置の機能化結合表面としても機能する。さらに、より厚い酸化ケイ素層は、デバイスの温度補償層として機能し得る。窒化ケイ素層は、装置を保護するための防湿層である。
【0080】
図22は、電極材料及び酸化ケイ素の追加と、それに続く、表面を平面にするための酸化ケイ素のCMPプロセスとを示す。適切な電極材料は、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせを含み得る。
【0081】
図23は、圧電フィルム、例えば傾斜したせん断軸圧電フィルムの堆積を示す。適切な材料は、窒化アルミニウムを含み得る。せん断軸フィルムは、バルクせん断フィルムの傾斜を促進するためのシード層を含み得る。
【0082】
図24は、圧電体上での電極の堆積及びパターン形成を示す。適切な電極材料は、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせを含み得る。2つの電極が圧電材料と重なる部位は、共振器を形成する。
【0083】
図25は、ビルドアップ層の堆積及びパターン形成を示す。ビルドアップ層の目的は、リードの長さについての寄生損失を減らすことである。適切なビルドアップ材料は、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせを含み得る。
【0084】
図26は、保護層の堆積及びパターン形成を示す。適切な保護層の例は、窒化ケイ素である。保護層は、活性領域、又は銅ピラーが形成される場所には堆積されない。
【0085】
図27は、共振器の領域における音響反射器の堆積及びパターン化を示す。音響反射器の目的は、音響エネルギを共振器に戻し、装置の性能を向上させることである。音響反射器は、酸化ケイ素及びパターン化されたタングステンの交互層、又は酸化ケイ素及び窒化アルミニウムの交互層で作製可能である。
【0086】
図28は、電気的相互接続バンプの作製を示す。適切な材料は、錫を含む銅のピラーを含む。錫を有するめっき銅ピンの製造には、フォトレジストを使用して領域をパターン化すること、チタンや銅等のめっきシード層を堆積すること、相互接続バンプをめっきすること、そしてめっきシード層及びフォトレジストを除去することが含まれる。
【0087】
図29は、基板が裏面研削された後の装置を示す。裏面研削の目的は、必要な基板厚さを実現することである。独立壁の流体については、基板厚さは、共振器センサに隣接する流体チャネルの高さを規定する。エッチングされたダイ基板の流体については、基板厚さは流体チャネルのチャネル高さを規定する。以下の図は、これを明らかにする。
【0088】
図30は、基板が共振器のゾーンでドライシリコンエッチングされた後の装置を示す。このプロセスを完了する1つの方法は、ウェハの裏面をフォトレジストでコーティングすることであり、典型的には、ドライエッチングの場合、レジストの厚さは5~10マイクロメートル程度である。フォトレジストを露出させるために、前面の位置合わせマークに位置合わせする裏面の位置合わせツールを使用する。フォトレジストは現像される。シリコンをSF
6及びC
4F
8不動態化層で交互に深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)して、直線的な側壁をエッチングする。フォトレジストに対する交互マスキングプロセスは、裏面にアルミニウムを蒸着し、レーザ加工でパターンを開くことである。
【0089】
図31は、基板にフリップチップを取り付けた後の装置を示す。相互接続の実施形態の1つは、錫を有するダイ上の銅ピラーを、有機はんだ付け性保存剤(OSP)を備えた銅パッド上にはんだ付けすることである。他の方法は、金の接合パッド上にはんだ付けされたダイ上のはんだボールである。
【0090】
図32~36は、独立した壁で画定された流体チャネルを含む例を示す。
図32Aは、基板への流体壁の取り付けを示す。流体壁構造は、樹脂の射出成形、金属又はガラスの機械加工から形成可能である。大量生産では、流体壁構造が配置されている部位において、ロボットを用いて接着剤が塗布される。大量生産では、壁構造はテープ・リール形式又はトレイのいずれかで受けられる。壁構造は、ロボットによって接着剤上に配置される。接着剤はオーブンで硬化される。流体壁構造は、共振器から壁の上部までの所望の流体チャネル高さを実現するように構成される。相互接続バンプを備えるダイの側には、流体は存在しない。流体壁構造はサイズスケールで図示されておらず、実際には、壁の幅は流体カバーの接合を可能にするために広くなる。
図32Bは、相互接続バンプの反対側であるダイの側と、独立した壁構造との双方の平面図を示す。この図では、共振器は基板のエッチングされた部分に見られる。カバーテープは示されていないが、カバーの入口開口及び出口開口が示されている。センサテストを完了するために、流体は、流体入口に流入し、共振器を備えたダイを横切って、流体出口から流出する。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。
【0091】
図33は、フリップチップが取り付けられたダイの下の接着剤アンダーフィルを示す。ディスペンスチップからの接着剤は、ダイの面近くに配置される。毛細管力により、取り付けられたダイの下の接着剤が吸い上げられる。接着剤を硬化させるためにベークステップが実行される。アンダーフィル接着剤の目的は、センサ使用時に使用される流体からの化学的攻撃からダイの隆起領域を保護することである。
【0092】
図34は、バイオセンサの機能化の化学的性質を示す。先ずシラン化ステップを完了して接着促進剤の単分子層を表面上にコーティングし、次に機能化体を共振器上に印刷し、次に表面のブロッキングをして非特異的結合を防止する。機能化体は、目的の検体を結合するように構成されたバイオ受容体である。機能化体は、例えばタンパク質であり得る。
【0093】
図35は、流体チャンバーカバーが取り付けられた後の装置を示す。適切な流体チャンバーカバーの例は、粘着テープ又はステッカーである。カバーは、寸法、入口ポート及び出口ポートに応じてパンチ加工又はレーザ加工される。カバーは、圧力をかけて所定位置に取り付けられる。
図35は、流体チャンバーカバーがBAWダイに取り付けられた後の装置を示す。適切な流体チャンバーカバーの例は、粘着テープ又はステッカーである。カバーは、寸法、入口ポート及び出口ポートに応じてパンチ加工又はレーザ加工される。カバーは、圧力をかけて所定位置に取り付けられる。
【0094】
図36は、相互接続バンプの反対側であるダイの側の平面図を示す。この図では、共振器は基板のエッチングされた部分内に見られ、さらにダイの端部領域がエッチングされて、流体入口ポート及び流体出口ポート用のスペースが形成される。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。センサテストを完了するために、流体がカバーの流体入口に流入し、次に流体は共振器を横切って流体出口から流出する。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。目的の検体は化学的機能化体に結合し、バルク音響ウェハ装置の振幅-大きさ特性を変化させる。
【0095】
図32~36は、独立した壁で画定された流体チャネルを含む例を示し、
図37は、それらのプロセスステップの代替例である。
図37では、流体チャンバーカバー260は、フリップチップに取り付けられ、アンダーフィル接着剤256を有する基板(220)/センサボード(240)構造に取り付けられる。この実施形態では、流体チャンバーカバー260は、上部基板表面233に直接取り付け可能である。この実施形態では、流体チャンバーカバー260は、粘着テープ又はステッカーであり得る。流体チャンバーカバー260は、入口ポート及び出口ポートの寸法及び形成のために、パンチ加工又はレーザ加工され得る。流体チャンバーカバー260は、例えば圧力をかけて所定位置に取り付けることができる。
【0096】
この図では、共振器は基板のエッチングされたトレンチ内に見ることができ、さらにダイの端部領域をエッチングして、入口及び出口の流体ポート用のスペースを形成することができる。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。センサのテストを完了するために、流体をカバーの流体入口に流し、次に該流体を、共振器を横切って流体出口から流すことができる。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。目的の検体は、化学的機能化体に結合可能であり、バルク音響ウェハ装置の振幅-大きさ特性を変化させる。
【0097】
図38~54は、バルク音波共振器を含む流体装置を製造する他の方法を示す。
図38は、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ基板を示す。当業者は、上述の製造プロセスのいかなる部分も、この方法で使用できることを理解するであろう。
【0098】
図39は、二酸化ケイ素又は窒化ケイ素等のハードマスクのパターン化、及び上部シリコンを異方的にウェットエッチングすることを示す。ウェットエッチングは、TMAH又はKOHを使用して行うことができる。
図40は、ウェットエッチングされた酸化ケイ素ハードマスクの除去、及び窒化ケイ素層の堆積を示す。窒化ケイ素層は、装置を保護するための防湿層である。
図41は、電極の付与を示す。適切な電極材料には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせが含まれる。
図42は、傾斜したせん断軸圧電フィルムの堆積を示す。適切な材料は窒化アルミニウムである。せん断軸フィルムは、バルクせん断フィルムの傾斜を促進するためのシード層を含み得る。
図43は、圧電体上の電極の堆積及びパターン化を示す。適切な電極材料には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせが含まれる。2つの電極が圧電材料と重なる部位が共振器を形成する。
図44は、ビルドアップ層の堆積及びパターン化を示す。ビルドアップ層の目的は、リード長についての寄生損失の低減である。適切なビルドアップ材料には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、タングステン、又はこれらの金属の組み合わせが含まれる。
図45は、共振器用の保護的なキャビティの作製を示す。保護的なキャビティの目的は、材料が共振器に接触して減衰させるのを防ぐことである。キャビティの作製に適した材料には、フォトイメージ化が可能なTMMFが含まれる。これは2つの層、すなわち壁層及びルーフ層によって実現可能である。
図46は、電気的相互接続バンプの作製を示す。適切な材料には、錫を含む銅のピラーが含まれる。錫を含むめっき銅ピンの製造には、フォトレジストを使用して領域をパターン化すること、チタンや銅等のめっきシード層を堆積すること、相互接続バンプをめっきすること、そしてめっきシード層及びフォトレジストを除去することが含まれる。
図47は、基板が除去された後の装置を示す。薄化又は除去プロセスは、ドライエッチング(SF
6)又はウェットエッチング(TMAH)によってシリコンをエッチングすることで完了し得る。他のオプションは、ウェハを裏面研削して基板を除去することである。
【0099】
図48は、ボードにフリップチップを取り付けた後のデバイスを示している。相互接続の実施形態の1つは、ダイ上にスズを有する銅ピラーが、有機はんだ付け性保存剤(OSP)を備えた銅パッド上にはんだ付けされることである。別の代替手段は、金のボンドパッドにはんだ付けされたダイ上のはんだボールである。
【0100】
図49Aは、基板への流体壁の取り付けを示す。流体壁構造は、樹脂の射出成形、金属又はガラスの機械加工から形成可能である。大量生産では、流体壁構造が配置されている部位において、ロボットを用いて接着剤が塗布される。大量生産では、壁構造はテープ・リール形式又はトレイのいずれかで受けられる。壁構造は、ロボットによって接着剤上に配置される。接着剤はオーブンで硬化される。流体壁構造は、共振器から壁の上部までの所望の流体チャネル高さを実現するように構成される。
図49Bは、基板にフリップチップが取り付けられたBAWセンサダイの側と、独立した壁構造とを示す平面図を示す。相互接続バンプを備えるダイの側には、流体は存在しない。流体壁構造はサイズスケールで図示されておらず、実際には、壁の幅は流体カバーの接合を可能にするために広くなる。
【0101】
図50は、フリップチップに取り付けられたダイの下の接着剤アンダーフィルを示す。ディスペンスチップからの接着剤は、ダイの面近くに配置される。毛細管力により、取り付けられたダイの下の接着剤が吸い上げられる。接着剤を硬化させるためにベークステップが実行される。アンダーフィル接着剤の目的は、センサ使用時に使用される流体からの化学的攻撃からダイの隆起領域を保護することである。
【0102】
図51は、バイオセンサの機能化の化学的性質を示す。先ずシラン化ステップを完了して接着促進剤の単分子層を表面上にコーティングし、次に機能化体を共振器上に印刷し、次に表面のブロッキングをして非特異的結合を防止する。機能化体は、目的の検体を結合するように構成されたバイオ受容体である。機能化体は、例えばタンパク質であり得る。
【0103】
図52Aは、流体チャンバーカバーが取り付けられた後の装置を示す。適切な流体チャンバーカバーの例は、粘着テープ又はステッカーである。カバーは、寸法、入口ポート及び出口ポートに応じてパンチ加工又はレーザ加工される。カバーは、圧力をかけて所定位置に取り付けられる。
図52Bは、相互接続バンプ及び独立壁構造の反対側であるダイの側の平面図を示す。この図では、共振器は基板のエッチングされた部分内に見られる。カバーテープは示されていないが、カバーの入口開口及び出口開口が示されている。センサテストを完了するために、流体は、流体入口に流入し、共振器を備えたダイを横切って、流体出口から流出する。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。
【0104】
図38~44に示すプロセスは、
図53~62に示すプロセスステップを使用して完了可能であり、それにより、
図38~44によって形成されるエアキャビティの代わりに共振器ミラーを含む装置が形成される。
図38~44によって実行されたプロセスステップが完了すると、
図53~62に示すように、構造はその上に形成された音響ミラーを有する。このように、
図38~44及び53~62のプロセスは、バルク音波共振器を含む流体装置を製造する他の例示的方法を示す。この実施例によれば、流体装置は、エッチングされたシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ及び音響反射器を含む。当業者は、上述の製造プロセスもこの方法で使用できることを理解するであろう。
【0105】
図53は、共振器上に音響ミラーを作製した後の装置を示す。音響反射器の目的は、音響エネルギを共振器に戻し、装置の性能を向上させることである。音響反射器は、酸化ケイ素及びパターン化されたタングステンの交互層、又は酸化ケイ素及び窒化アルミニウムの交互層で作製可能である。
【0106】
図54は、電気的相互接続バンプの作製を示す。適切な材料には、錫を含む銅のピラーが含まれる。錫を使用しためっき銅ピンの作製には、フォトレジストを使用して領域をパターン化すること、チタンや銅等のめっきシード層を堆積すること、相互接続バンプをめっきすること、そしてめっきシード層及びフォトレジストを除去することが含まれる。
【0107】
図55は、基板が除去された後の装置を示す。薄化又は除去プロセスは、ドライエッチング(SF6)又はウェットエッチング(TMAH)でシリコンをエッチングすることで完了可能である。他のオプションは、ウェハを裏面研削して基板を除去することである。
【0108】
図56は、基板にフリップチップを取り付けた後の装置を示す。相互接続の実施形態の1つは、ダイ上の錫を有する銅ピラーを、有機はんだ付け性保存剤(OSP)を用いて銅パッド上にはんだ付けすることである。他の方法は、金の接合パッド上にはんだ付けされたダイ上のはんだボールである。
【0109】
図57は、基板への流体壁の取り付けを示す。流体壁構造は、樹脂の射出成形、金属又はガラスの機械加工から形成可能である。大量生産では、流体壁構造が配置されている部位に、ロボットを用いて接着剤が分配される。大量生産では、壁構造はテープ・リール形式又はトレイのいずれかで受けられる。壁構造はロボットによって接着剤上に配置される。接着剤はオーブンで硬化される。流体壁構造は、共振器から壁の上部までの所望の流体チャネル高さを実現するように構成される。
【0110】
図58は、フリップチップが取り付けられたダイの下の接着剤アンダーフィルを示す。ディスペンスチップからの接着剤は、ダイの面近くに配置される。毛細管力により、取り付けられたダイの下の接着剤が吸い上げられる。接着剤を硬化させるためにベークステップが実行される。アンダーフィル接着剤の目的は、センサ使用時に使用される流体からの化学的攻撃からダイの隆起領域を保護することである。
【0111】
図59は、バイオセンサの機能化の化学的性質を示す。先ずシラン化ステップを完了して接着促進剤の単分子層を表面上にコーティングし、次に機能化体を共振器上に印刷し、次に表面のブロッキングをして非特異的結合を防止する。機能化体は、目的の検体を結合するように構成されたバイオ受容体である。機能化体は、例えばタンパク質であり得る。
【0112】
図60は、流体チャンバーカバーが取り付けられた後の装置を示す。適切な流体チャンバーカバーの例は、粘着テープ又はステッカーである。カバーは、寸法、入口ポート及び出口ポートに応じてパンチ加工又はレーザ加工される。カバーは、圧力をかけて所定位置に取り付けられる。
【0113】
図61は、基板にフリップチップが取り付けられたBAWセンサダイの側と、独立した壁構造とを示す平面図を示す。相互接続バンプを備えるダイの側には、流体は存在しない。流体壁構造はサイズスケールで図示されておらず、実際には、壁の幅は流体カバーの接合を可能にするために広くなる。
【0114】
図62は、相互接続バンプの反対側であるダイの側と、独立した壁構造との双方の平面図を示す。この図では、共振器は基板のエッチングされた部分に見られる。カバーテープは示されていないが、カバーの入口開口及び出口開口が示されている。センサテストを完了するために、流体は、流体入口に流入し、共振器を備えたダイを横切って、流体出口から流出する。基板のエッチングされたシリコン部分は、共振器に隣接して流体を流すためのチャネルを提供する。
【0115】
本明細書に開示される様々な態様は、詳細な説明及び添付図面に具体的に提示された組み合わせとは異なる組み合わせができることを理解されたい。実施例に応じて、本明細書に記載の任意のプロセス又は方法における特定の行為又はイベントは、異なる順序で実行され、追加され、併合され、又は完全に省略され得る(例えば、技術を実行する際、記載された全ての行為又はイベントは必要でない場合がある)。本発明は、特許請求の範囲に定義されている。但し以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストを示す。これらの実施例の特徴のいずれか1つ又は複数は、本明細書に記載の他の実施例、実施形態、又は態様のいずれか1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0116】
実施例1は、流体装置用のバルク音波共振器構造を製造する方法であって、基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成するステップであって、基板は第1表面の反対側の第2表面を有する、ステップと、第1電極の上に圧電材料を配置するステップと、圧電材料の上に第2導電性材料を配置して、第2電極の少なくとも一部を形成するステップであって、第2導電性材料は、基板の第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に第1導電性材料上に延在し、第1導電性材料、圧電材料及び第2導電性材料が重なり合う領域は、バルク音波共振器を形成し、バルク音波共振器は、第1側及び反対側の第2側を有する、ステップと、バルク音波共振器の第1側に音響エネルギ管理構造を配置するステップと、第2導電性材料の一部の上に、バルク音波共振器を越えて延びる第3導電性材料を配置するステップであって、第3導電性材料は、音響エネルギ管理構造の上方に、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる相互接続部を形成する、ステップと、基板の第2表面の一部を除去して、バルク音波共振器の第2側にある第1電極において化学的機械的接続部を露出するステップと、を含む方法である。
【0117】
実施例2は、実施例1において、バルク音波共振器の第1側に反射器構造を配置するステップは、フォトレジスト材料から壁及び上部を形成して、バルク音波共振器の上に保護キャビティを画定することを含む、方法である。
【0118】
実施例3は、実施例1において、バルク音波共振器の第1側に反射器構造を形成するステップは、材料の層を配置して、バルク音波共振器の上に音響ミラーを形成することを含む、方法である。
【0119】
実施例4は、実施例1において、基板の上に犠牲層を配置してパターン化することと、犠牲層の上に不動態化層を配置することと、をさらに含み、不動態化層は第1導電性材料を配置する前に配置され、基板の第1部分の上に第1導電性材料を配置することは、第1導電性材料が犠牲層の上に位置合わせされるように第1導電性材料をパターン化することを含み、不動態化層は、第1導電性材料に重なる領域において、第1電極の少なくとも一部を形成する、方法である。
【0120】
実施例5は、実施例4において、不動態化層に隣接する犠牲層を除去することをさらに含む、方法である。
【0121】
実施例6は、実施例1において、基板の一部を除去することは、基板の厚さを低減することを含む、方法である。
【0122】
実施例7は、流体装置を製造する方法であって、バルク音波共振器構造を形成することと、バルク音波共振器構造をベースに取付けることと、を含み、バルク音波共振器構造を形成することは、基板の第1表面の一部の上に第1導電性材料を配置して、第1電極の少なくとも一部を形成するステップと、第1導電性材料の上に圧電材料を配置するステップと、圧電材料の上に第2導電性材料を配置して、第2電極の少なくとも一部を形成するステップであって、第2導電性材料は、基板の第1表面と実質平行に延在し、少なくとも部分的に第1導電性材料上に延在し、第1導電性材料、圧電材料及び第2導電性材料が重なり合う領域はバルク音波共振器を形成する、ステップと、バルク音波共振器の第1側に反射器構造を配置するステップと、第2導電性材料の一部の上に、バルク音波共振器を越えて延びる第3導電性材料を配置するステップであって、第3導電性材料は、反射器構造の上方に、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる相互接続部を形成する、ステップと、基板の一部を除去して、バルク音波共振器の第2側にある第1電極を露出するステップと、を含み、バルク音波共振器構造をベースに取り付けることは、相互接続部をベースに接続することを含む、方法である。
【0123】
実施例8は、実施例7において、バルク音波反射器構造とベースとの間に接着剤を配置することをさらに含む、方法である。
【0124】
実施例9は、実施例7において、第2電極の上に機能化材料を配置することをさらに含む、方法である。
【0125】
実施例10は、実施例7において、バルク音波共振器構造の周囲を囲繞するチャンバー壁をベースに取り付けることをさらに含む、方法である。
【0126】
実施例11は、実施例10において、流体入口及び流体出口を有するカバーをチャンバー壁の上に配置することをさらに含む、方法である。
【0127】
実施例12は、実施例7において、第2電極に隣接する基板内に流体経路を画定することをさらに含む、方法である。
【0128】
実施例13は、実施例7において、基板の一部を除去することは、基板の厚さを低減することを含む、方法である。
【0129】
実施例14は、実施例7において、バルク音波共振器をベースに取り付けた後に、第2電極の上に機能化材料を配置することをさらに含む、方法である。
【0130】
実施例15は、バルク音波共振器構造であって、基板の下に設けられるバルク音波共振器であって、基板の第1表面の一部の上に配置された第1電極、第1電極の上に配置された圧電材料、及び圧電材料の上に配置された第2電極を有し、第1電極、圧電材料及び第2電極が重なり合う領域によって形成される、バルク音波共振器と、バルク音波共振器の第1側に配置された反射器構造と、第2電極の一部の上に配置され、バルク音波共振器を越えて延びるとともに、反射器構造の高さ方向の上方を、基板の第1表面に実質垂直な方向に延びる、相互接続部と、を有し、基板は、基板の第2表面から第1電極まで延びる開口部を有する、バルク音波共振器構造と、開口部において第1電極の上に配置された機能化材料と、相互接続部に電気的に接続されたベースと、ベースから延びるとともに、バルク音波共振器構造を囲繞するチャンバー壁と、基板及びチャンバー壁に少なくとも部分的に接合された流体チャンバーと、を有する流体装置。
【0131】
実施例16は、実施例15において、バルク音波共振器構造は、キャビティ反射器を含む、流体装置である。
【0132】
実施例17は、実施例15において、バルク音波共振器構造は、フィルムバルク音波共振器である、流体装置である。
【0133】
実施例18は、実施例15において、基板は流体チャネルを含む、流体装置である。
【0134】
実施例19は、実施例15において、バルク音波共振器構造は複数のバルク音波共振器を有し、バルク音波共振器の各々は、関連する反射器構造及び相互接続部を有し、相互接続部は、各バルク音波共振器をベースに個別にかつ電気的に接続する、流体装置である。
【0135】
実施例20は、実施例19において、複数のバルク音波共振器は、基板に沿って行及び列のパターンで配置される、流体装置である。
【0136】
本開示が好適な実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細において変更を行うことが可能であることを認識するであろう。