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特許7601794逆流洗浄弁を備える流体濾過システム及びその操作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】逆流洗浄弁を備える流体濾過システム及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/96 20060101AFI20241210BHJP
   B01D 29/01 20060101ALI20241210BHJP
   B29C 48/691 20190101ALI20241210BHJP
   B29C 48/255 20190101ALI20241210BHJP
   B29C 48/27 20190101ALI20241210BHJP
   F16K 3/24 20060101ALN20241210BHJP
【FI】
B01D29/02 E
B01D29/04 520B
B29C48/691
B29C48/255
B29C48/27
F16K3/24 C
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021568204
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020033035
(87)【国際公開番号】W WO2020232322
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】62/848,456
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ミドラー ロバート
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/182192(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/182193(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00875357(EP,A1)
【文献】独国実用新案第202015009090(DE,U1)
【文献】独国特許出願公開第102005037268(DE,A1)
【文献】特表2001-521458(JP,A)
【文献】実公昭46-021177(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
B29C 48/00-48/96
F16K 3/00- 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を濾過するように構成された濾過装置であって、前記濾過装置は、
ハウジングであって、
少なくとも1つの入口開口部と、
第1のボア及び第2のボアと、
前記少なくとも1つの入口開口部から前記第1のボアに延びる少なくとも1つの第1の入口チャネル、及び前記少なくとも1つの入口開口部から前記第2のボアに延びる少なくとも1つの第2の入口チャネルと、
それぞれ前記第1のボア及び前記第2のボアと連通した第1の出口チャネル及び第2の出口チャネルと、
第1の逆流洗浄チャネル及び第2の逆流洗浄チャネルと、を画定するハウジングと、
それぞれ前記第1のボア及び前記第2のボア内で移動可能に配された第1のピストン及び第2のピストンであって、前記第1のピストンは、前記第1のピストン内にある第1のキャビティを画定し、前記第1のキャビティは、前記第1のキャビティが生産モードにあるときに、前記少なくとも1つの第1の入口チャネル及び前記第1の出口チャネルと流体連通し、前記第2のピストンは、前記第2のピストン内にある第1のキャビティを画定し、前記第2のピストンの前記第1のキャビティは、前記第2のピストンの前記第1のキャビティが前記生産モードにあるときに、前記少なくとも1つの第2の入口チャネル及び前記第2の出口チャネルと流体連通する、第1のピストン及び第2のピストンと、
前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内に配設された第1の濾過要素、及び前記第2のピストンの前記第1のキャビティ内に配設された第2の濾過要素と、
逆流洗浄弁と、を備え、
前記第1の逆流洗浄チャネルは、前記第1のボアと前記逆流洗浄弁との間に延び、前記第2の逆流洗浄チャネルは、前記第2のボアと前記逆流洗浄弁との間に延び、
前記逆流洗浄弁は、前記逆流洗浄弁内の弁チャンバを画定する内側表面を含み、前記弁チャンバは、前記濾過装置が逆流洗浄モードで操作されるときに、前記逆流洗浄弁が、(1)流体を前記弁チャンバから前記第1のキャビティに、前記第1の逆流洗浄チャネルを通して圧縮して、前記第1のキャビティ内での前記流体の圧力を増加させるように構成され、かつ、(2)開放して、圧縮された前記流体を前記第1のキャビティから前記逆流洗浄弁の外に排出するように、前記流体で満たされるように構成されている、濾過装置。
【請求項2】
前記逆流洗浄弁は、前記弁チャンバ内を並進するように構成される弁ステムと、弁座であって、前記弁座が前記弁ステムと並進するように、前記弁ステムに固定して取り付けられた弁座と、を備える、請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
前記弁ステムは、前記逆流洗浄弁の軸線に対して垂直な平面内の断面寸法を有し、前記断面寸法は、前記逆流洗浄弁が閉鎖位置にあるときに、前記弁チャンバが前記弁ステムと前記逆流洗浄弁の前記内側表面との間に空間を画定するように、前記平面内で前記弁チャンバの断面寸法を下回り、前記空間は、前記空間内で前記流体を受けるように構成されている、請求項2に記載の濾過装置。
【請求項4】
前記弁座は、前記弁ステムの断面寸法を上回る、前記逆流洗浄弁の前記軸線に対して垂直な前記平面内の断面寸法を有する、請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】
前記弁チャンバは、弁軸線に沿って互いにオフセットされている第1の端部及び第2の端部を有し、弁入口が、前記弁チャンバの前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置において、前記内側表面を通って延びる、請求項2に記載の濾過装置。
【請求項6】
弁出口は、前記弁チャンバの前記第2の端部において画定される、請求項5に記載の濾過装置。
【請求項7】
前記弁座の外側表面は、前記弁チャンバの前記第2の端部から前記弁チャンバの前記第1の端部に延びる方向に沿って、前記弁入口の少なくとも一部分を通り過ぎて移動すると、前記弁入口及び前記弁出口が流体連通する、請求項6に記載の濾過装置。
【請求項8】
前記第1のピストンは、前記第1のピストン内に、前記第1のキャビティと流体連通した第1のピストン出口を画定し、前記第1のピストン出口は、前記第1のピストンの軸線に平行な横方向に沿って細長い、請求項1に記載の濾過装置。
【請求項9】
前記第1の出口チャネルは、前記第1のボアにて内部開口部を画定し、前記内部開口部は、前記第1のピストンが生産モードと逆流洗浄モードとの間の様々な位置に移動するときに、前記第1の出口チャネル及び前記内部開口部が互いに重なり合うことができるように、前記横方向に沿って細長い、請求項8に記載の濾過装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記少なくとも1つの入口開口部から前記第1のボアに延びる少なくとも1つの第3の入口チャネル、及び前記第1のボアと流体連通した第3の出口チャネルを画定し、
前記第1のピストンは、前記第1のピストン内にある第2のキャビティを画定し、前記第2のキャビティは、前記第1のピストンの前記第1のキャビティが生産モードにあるときに、前記少なくとも1つの第3の入口チャネル及び第3の出口チャネルと流体連通し、前記第1のピストンの前記第1のキャビティは、前記第1のキャビティが前記少なくとも1つの第1の入口チャネル又は第1の出口チャネルと流体連通していない第1の隔離位置にあるときに、前記第2のキャビティが前記少なくとも1つの第1の入口チャネル及び第1の出口チャネルと流体連通する、請求項1に記載の濾過装置。
【請求項11】
前記第1のピストンは、横方向に沿って前記第1のキャビティから延びる第1の溝を画定し、前記第2のピストンは、横方向に沿って前記第1のピストンののキャビティから延びる第2の溝を画定し、前記濾過装置は、それぞれ前記第1の逆流洗浄チャネル及び前記第2の逆流洗浄チャネルと流体連通して前記第1の溝及び前記第2の溝を配置するように、前記第1のピストン及び前記第2のピストンを移動させるように構成されている、請求項1に記載の濾過装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記少なくとも1つの入口開口部を画定する上流側と、前記ハウジングの少なくとも1つの出口を画定する下流側と、を有し、前記逆流洗浄弁は、前記上流側に配設される、請求項1に記載の濾過装置。
【請求項13】
ハウジングと、前記ハウジングの第1のボア及び第2のボア内に配設された第1のピストン及び第2のピストンと、を備える濾過装置の操作方法であって、前記方法は、
前記第1のピストンを移動させて、前記第1のピストン内の第1のキャビティを、前記第1のピストンの前記第1のキャビティが前記ハウジングの少なくとも1つの第1の入口チャネル及び第1の出口チャネルと流体連通している生産モードから、前記第1のピストンの前記第1のキャビティが、前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1の入口チャネル又は第1の出口チャネルと流体連通していない第1の隔離位置に移動させることと、
前記ハウジングの第1の逆流洗浄チャネルにより、流体を、前記第2のピストンの前記第1のキャビティから、前記第1のピストンの前記第1のキャビティに配設された第1の濾過要素に流し、次いで、前記第2のピストン内の前記第1のキャビティを、前記第1の逆流洗浄チャネルから隔離することにより、前記流体で前記第1のピストンの前記第1のキャビティを加圧することと、
前記濾過装置の逆流洗浄弁を開放して、(1)この逆流洗浄弁が開放されるにつれて、前記第1の逆流洗浄チャネル内、続いて前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内の流体の圧力を増加させ、(2)前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内の加圧流体を、前記第1のピストンの前記第1のキャビティから、前記第1の逆流洗浄チャネルを通って前記逆流洗浄弁の外まで流すことと、
前記流体が前記第1の出口チャネルから、前記第1の濾過要素を通って上流方向に沿い、前記第1の逆流洗浄チャネルを通って前記逆流洗浄弁の外まで流れるように、前記第1のピストンを、前記第1のピストンの前記第1のキャビティが前記第1の出口チャネルと流体連通しているが、前記少なくとも1つの第1の入口チャネルとは流体連通していない、第2の隔離位置に移動させることにより、前記第1の濾過要素を逆流洗浄することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のピストン内の前記第1のキャビティが前記生産モードで操作されるときに、前記第1のピストン内の前記第1のキャビティが第1の圧力まで加圧され、前記逆流洗浄弁を開放する開放工程が、前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内の前記圧力を、前記第1の圧力を上回って増加させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記逆流洗浄弁を開放する開放工程は、前記逆流洗浄弁の弁チャンバ内で、前記逆流洗浄弁の弁座が前記弁チャンバ内の前記流体を弁入口を通して前記第1の逆流洗浄チャネルまで圧縮するように、前記逆流洗浄弁の前記弁座を選択方向に沿って前記逆流洗浄弁の弁入口に向けて移動させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記逆流洗浄弁を開放する開放工程は、前記弁座の外側表面が前記弁入口の少なくとも一部分を通り過ぎて移動するように、前記弁チャンバ内で前記選択方向に沿って前記弁座を更に移動させることにより、前記逆流洗浄弁を開放して、前記弁入口を弁出口と流体連通するように配置することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記弁座が前記弁チャンバ内の前記流体を圧縮する工程の前に、前記逆流洗浄弁の前記弁チャンバを前記流体で満たす工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のピストンの前記第1のキャビティを加圧する加圧工程、前記流体を前記第2のピストン内の前記第1のキャビティから流す工程、前記逆流洗浄弁を開放する開放工程、及び前記第1の濾過要素を逆流洗浄する逆流洗浄工程のそれぞれの間に、生産モードで前記第2のピストンの前記第1のキャビティを操作することを含み、前記第2のピストンの前記第1のキャビティは、前記濾過装置の少なくとも1つの第2の入口チャネル及び第2の出口チャネルと流体連通する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のピストンの前記第1のキャビティを加圧する加圧工程は、前記第1のピストンを移動させて、前記第1のピストン内の第2のキャビティを、前記第2のキャビティが前記ハウジングの少なくとも1つの第3の入口チャネル及び第3の出口チャネルと流体連通している生産モードから、前記第1のピストンの前記第2のキャビティが、流体が少なくとも1つの第1の入口チャネルから前記第2のキャビティ内の濾過要素を通って前記第1の出口チャネルの外に出るように、前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1の入口チャネル及び前記第1の出口チャネルと流体連通している生産モードに移動させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
流体を濾過するように構成された濾過装置であって、前記濾過装置は、
逆流洗浄弁と、
ハウジングであって、
少なくとも1つの入口開口部と、
第1のボア及び第2のボアと、
前記少なくとも1つの入口開口部から前記第1のボアに延びる少なくとも1つの第1の入口チャネル、及び前記少なくとも1つの入口開口部から前記第2のボアに延びる少なくとも1つの第2の入口チャネルと、
それぞれ前記第1のボア及び前記第2のボアと連通した第1の出口チャネル及び第2の出口チャネルと、
前記第1のボアと前記逆流洗浄弁との間に延びる第1の逆流洗浄チャネル、及び前記第2のボアと前記逆流洗浄弁との間に延びる第2の逆流洗浄チャネルと、を画定するハウジングと、
前記第1のボア内で移動可能に配設された第1のピストンであって、前記第1のピストンは、前記第1のピストン内にある第1のキャビティを画定し、前記第1のピストンの前記第1のキャビティは、前記第1のピストンの前記第1のキャビティが生産モードにあるときに、前記少なくとも1つの第1の入口チャネル及び前記第1の出口チャネルと流体連通し、前記第1のピストンは、前記第1のピストンの前記第1のキャビティから離れる方向に延びる、前記第1のピストンの上流側の第1の溝を画定し、前記第1のピストンは、前記第1のピストンの前記溝を前記第1の逆流洗浄チャネルと位置合わせするように移動可能である、第1のピストンと、
前記第2のボア内で移動可能に配設された第2のピストンであって、前記第2のピストンは、前記第2のピストン内にある第1のキャビティを画定し、前記第2のピストンの前記第1のキャビティは、前記第2のピストンの前記第1のキャビティが生産モードにあるときに、前記少なくとも1つの第2の入口チャネル及び前記第2の出口チャネルと流体連通し、前記第2のピストンは、前記第2のピストンの前記第1のキャビティから離れる方向に延びる、前記第2のピストンの上流側の溝を画定し、前記第2のピストンは、前記第2のピストンの前記溝を前記第2の逆流洗浄チャネルと位置合わせするように移動可能である、第2のピストンと、
前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内に配設された第1の濾過要素と、
前記第2のピストンの前記第1のキャビティ内に配設された第2の濾過要素と、
を備えており、
前記逆流洗浄弁は、前記逆流洗浄弁内の弁チャンバを画定する内側表面を含み、前記弁チャンバは、前記濾過装置が逆流洗浄モードで操作されるときに、前記逆流洗浄弁が、(1)流体を前記弁チャンバから前記第1のピストンの前記第1のキャビティに、前記第1の逆流洗浄チャネルを通して圧縮して、前記第1のピストンの前記第1のキャビティ内での前記流体の圧力を増加させ、かつ、(2)開放して、圧縮された前記流体を前記第1のピストンの前記第1のキャビティから前記逆流洗浄弁の外に排出するように構成されている、濾過装置。
【請求項21】
各溝は、前記第1のピストンの前記第1のキャビティ及び前記第2のピストンの前記第1のキャビティのうちの対応する一方から外側に向かって離れる方向に延びる、請求項20に記載の濾過装置。
【請求項22】
各溝は、前記第1のピストンの前記第1のキャビティ及び前記第2のピストンの前記第1のキャビティのうちの対応する一方に対して開放され、前記第1のキャビティのうちの前記対応する一方と流体連通する、請求項20に記載の濾過装置。
【請求項23】
各溝は、三角形形状を有する、請求項20に記載の濾過装置。
【請求項24】
各溝は、前記第1のキャビティのうちの対応する一方の断面寸法を下回る、横方向に沿った断面寸法を有する、請求項20に記載の濾過装置。
【請求項25】
前記ハウジングは、前記第1のボア、前記第2のボア、前記第1の逆流洗浄チャネル、及び、第2の逆流洗浄チャネルを画定し、
前記第1の逆流洗浄チャネルは、前記第1のボアと前記逆流洗浄弁との間に延び、前記第2の逆流洗浄チャネルは、前記第2のボアと前記逆流洗浄弁との間に延びる、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、高粘度流体などの流体を濾過するための濾過システム、具体的には、濾過システムの濾過要素を洗浄するためのシステム及び方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/848,456号の優先権を主張するものであり、その開示は、あたかもその全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ピストン型スクリーンチェンジャとして知られている濾過装置は一般に、プラスチック溶融物などの高粘度媒体を濾過するために使用される。濾過装置は典型的には、ハウジングと、供給チャネルと、当該ハウジング内に移動可能に配列された一対のピストンと、を有する。これらのピストンはそれぞれ、少なくとも1つのキャビティを有し、少なくとも1つの濾過要素又はスクリーンは、各キャビティ内に配設される。操作の生産モードでは、ハウジング内の供給チャネルは、溶融物が対応する濾過要素を通って案内されるように、キャビティに向かって分岐する。流れの方向に見たときに、濾過要素の背後には、プラスチック溶融物が排出される出口チャネルが設けられている。出口チャネルは、ハウジングのいくつかの箇所で合わされている。少なくとも1つの濾過要素を通って溶融物が流れる際、溶融物中の不純物及びアグロメレーションは、少なくとも1つの濾過要素内にはまり込まれる可能性がある。
【0004】
濾過要素を有し、流体の流れ方向に対して基本的に垂直方向に移動可能な2つのピストンを備える濾過装置は、いくつかの利点を有する。それらの利点のうちの1つは、ピストンはフィルタキャリアであるだけでなく、ピストンの動きに応じて流路を開閉するため、追加の弁を必要としないことである。流路の好適な設計により、ピストンは、操作の生産モードから、操作の逆流洗浄モードに移動することが可能である。操作の逆流洗浄モードにおいて、フィルタにこびりついた不純物を引き離し、これらをハウジングの外に洗い流すために、流体は、濾過要素の下流側から逆流方向(すなわち、上流方向)に、濾過要素を通って導かれる。更に、濾過要素の洗浄又は交換が必要となった場合に、濾過要素にアクセスするために、ピストンは、ハウジングの外へ部分的に移動することができる。
【発明の概要】
【0005】
一実施例において、流体を濾過するように構成された濾過装置は、ハウジングと、第1のピストン及び第2のピストンと、第1の濾過要素及び第2の濾過要素と、逆流洗浄弁と、を備える。ハウジングは、少なくとも1つの入口開口部と、第1のボア及び第2のボアと、少なくとも1つの入口開口部から第1のボアに延びる少なくとも1つの第1の入口チャネル、及び少なくとも1つの入口開口部から第2のボアに延びる少なくとも1つの第2の入口チャネルと、それぞれ、第1のボア及び第2のボアと連通した第1の出口チャネル及び第2の出口チャネルと、第1の逆流洗浄チャネル及び第2の逆流洗浄チャネルと、を画定する。第1のピストン及び第2のピストンはそれぞれ、第1のボア及び第2のボア内で移動可能に配設されている。第1のピストンは、第1のピストン内にある第1のキャビティを画定し、第1のキャビティは、当該第1のキャビティが生産モードにあるときに、少なくとも1つの第1の入口チャネル及び第1の出口チャネルと流体連通する。第2のピストンは、第2のピストン内にある第1のキャビティを画定し、第2のピストンの第1のキャビティは、当該第2のピストンの当該第1のキャビティが生産モードにあるときに、少なくとも1つの第2の入口チャネル及び第2の出口チャネルと流体連通する。第1の濾過要素は、第1のピストンの第1のキャビティ内に配設され、第2の濾過要素は、第2のピストンの第1のキャビティ内に配設される。第1の逆流洗浄チャネルは、第1のボアと逆流洗浄弁との間に延び、第2の逆流洗浄チャネルは、第2のボアと逆流洗浄弁との間に延びる。逆流洗浄弁は、逆流洗浄弁内の弁チャンバを画定する内側表面を含み、弁チャンバは、濾過装置が逆流洗浄モードで操作されるときに、逆流洗浄弁が、(1)流体を弁チャンバから第1のキャビティに、第1の逆流洗浄チャネルを通して圧縮して、第1のキャビティ内での流体の圧力を増加させ、かつ、(2)開口して、圧縮された流体を、第1のキャビティから逆流洗浄弁の外に排出するように、流体で満たされるように構成されている。
【0006】
別の実施例は、ハウジングと、当該ハウジングの第1のボア及び第2のボア内に配設された第1のピストン及び第2のピストンと、を有する濾過装置の操作方法を含む。方法は、第1のピストンを移動させて、第1のピストンの第1のキャビティを、第1のキャビティがハウジングの少なくとも1つの第1の入口チャネル及び第1の出口チャネルと流体連通している生産モードから、第1のキャビティがハウジングの少なくとも1つの第1の入口チャネル又は第1の出口チャネルと流体連通していない第1の隔離位置に移動させる工程を含む。方法は、ハウジングの少なくとも1つの逆流洗浄チャネルを通して、流体を、第2のピストンの第1のキャビティから、第1のピストンの第1のキャビティ内に配設された第1の濾過要素に流し、次いで、第2のピストン内の第1のキャビティを、少なくとも1つの逆流洗浄チャネルから隔離することによる、流体での第1のキャビティの加圧工程を含む。方法は、濾過装置の逆流洗浄弁を開放して、第1のキャビティ内の加圧流体を、第1のキャビティから、第1の逆流洗浄チャネルを通って逆流洗浄弁の外まで流す工程を含む。方法は、流体が第1の出口チャネルから、第1の濾過要素を通って上流方向に沿い、第1の逆流洗浄チャネルを通って逆流洗浄弁の外まで流れるように、第1のピストンを、キャビティが第1の出口チャネルと流体連通しているが、少なくとも1つの第1の入口チャネルとは流体連通していない第2の隔離位置に移動させることによる、第1の濾過要素の逆流洗浄工程を含む。
【0007】
更に別の実施例は、流体を濾過するように構成された濾過装置である。濾過装置は、逆流洗浄弁と、ハウジングと、第1のピストン及び第2のピストンと、を備える。ハウジングは、少なくとも1つの入口開口部と、第1のボア及び第2のボアと、少なくとも1つの第1の入口チャネルと、少なくとも1つの第2の入口チャネルと、第1の逆流洗浄チャネル及び第2の逆流洗浄チャネルと、を画定する。少なくとも1つの第1の入口チャネルは、少なくとも1つの入口開口部から第1のボアに延びる。少なくとも1つの第2の入口チャネルは、少なくとも1つの入口開口部から第2のボアに延びる。第1の出口チャネル及び第2の出口チャネルはそれぞれ、第1のボア及び第2のボアと連通している。第1の逆流洗浄チャネルは、第1のボアと逆流洗浄弁との間に延び、第2のボアと逆流洗浄弁との間に延びる第2の逆流洗浄チャネル。第1のピストンは、第1のボア内で移動可能に配設されており、第1のピストン内にある第1のキャビティを画定し、第1のキャビティは、当該第1のキャビティが生産モードにあるときに、少なくとも1つの第1の入口チャネル及び第1の出口チャネルと流体連通する。第1のピストンは、第1のピストンの第1のキャビティから離れる方向に延びる、第1のピストンの上流側の溝を画定する。更に、第1のピストンは、第1のピストンの溝を第1の逆流洗浄チャネルと位置合わせするように、移動可能である。第2のピストンは第2のボア内で移動可能に配設されており、第2のピストン内にある第1のキャビティを画定し、第2のピストンの第1のキャビティは、当該第2のピストンの当該第1のキャビティが生産モードにあるときに、少なくとも1つの第2の入口チャネル及び第2の出口チャネルと流体連通する。第2のピストンは、第2のピストンの第1のキャビティから離れる方向に延びる、第2のピストンの上流側の溝を画定する。更に、第2のピストンは、第2のピストンの溝を第2の逆流洗浄チャネルと位置合わせするように、移動可能である。
【0008】
例示的実施例の以下の説明は、添付図面と共に読んだ場合によりよく理解することができる。開示したシステム及び方法の潜在的な実施例は、描写したものに限定されないものと理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施例に従った濾過装置の正面斜視図である。
図2図1の濾過装置の背面斜視図である。
図3】ピストンの第1の濾過要素及び第2の濾過要素が分解された位置にある、一実施例に従った、図1の濾過装置のピストンの正面斜視図である。
図4図3のピストンの背面斜視図である。
図5】第1のピストン及び第2のピストンが生産モードにあり、入口チャネルを隠線で示す、図1の濾過装置の正面図である。
図6】第1のピストン及び第2のピストンが生産モードにあり、濾過装置の入口チャネル及びマニホールドチャネルを隠線で示す、図1の濾過装置の平面断面図である。
図7】濾過装置の出口チャネルを隠線で示す、図1の濾過装置の背面図を示す。
図8】マニホールドチャネルを隠線で示す、図1の濾過装置のマニホールドの斜視図である。
図9】濾過装置の第1の逆流洗浄弁及び第2の逆流洗浄弁のうちの1つを通り、逆流洗浄弁が開放位置にある一実施例に従った、図1の濾過装置の側面断面図である。
図10】濾過装置の第1の逆流洗浄弁及び第2の逆流洗浄弁のうちの1つを通って取られ、逆流洗浄弁が閉鎖位置にある一実施例に従った、図1の濾過装置の側面断面図である。
図11】一実施例に従った図1の濾過装置の操作方法の、簡略化したフロー図である。
図12】第1のピストン及び第2のピストンが互いに、逆流洗浄チャネルを通して流体連通し、濾過装置の逆流洗浄チャネル及び入口チャネルが隠線で示される、図1の濾過装置の斜視図である。
図13図12の図の一部の拡大図である。
図14】第1のピストン及び第2のピストンが図12に示すように位置する、図1の濾過装置の正面図である。
図15】第1のピストン及び第2のピストンが図12に示すように位置する、図1の濾過装置の背面図である。
図16】濾過装置の第1の濾過要素が隔離位置にある、図1の濾過装置であって、第1の濾過要素が濾過装置の入口チャネル及び出口チャネルからは隔離されているが、逆流洗浄チャネルを通して第2の濾過要素と流体連通している、濾過装置の斜視図である。
図17図16の図の一部の拡大図である。
図18】第1のピストン及び第2のピストンが図16に示すように位置する、図1の濾過装置の正面図である。
図19】第1のピストン及び第2のピストンが図16に示すように位置する、図1の濾過装置の背面図である。
図20】第1の濾過要素が分離位置にある図1の濾過装置であって、第1の濾過要素が入口チャネル及び出口チャネルから隔離されており、第2の濾過要素から隔離されている、濾過装置の斜視図である。
図21図20の図の一部の拡大図である。
図22】第1のピストン及び第2のピストンが図20に示すように位置する、図1の濾過装置の正面図である。
図23】第1のピストン及び第2のピストンが図20に示すように位置する、図1の濾過装置の背面図である。
図24】第1の濾過要素が逆流洗浄位置にある図1の濾過装置であって、第1の濾過要素が濾過装置の入口チャネルから隔離されており、濾過装置の出口チャネルと流体連通している、濾過装置の正面図である。
図25】第1のピストン及び第2のピストンが図24に示すように位置する、図1の濾過装置の背面図である。
図26】別の実施例に従った濾過装置の正面斜視図である。
図27図26の濾過装置の背面斜視図である。
図28】濾過装置の、一対の対向する逆流洗浄弁を通って取られた、両方の逆流洗浄弁が閉鎖位置にある一実施例に従った、図26の濾過装置の側面断面図である。
図29】濾過装置の、一対の対向する逆流洗浄弁を通って取られた、逆流洗浄弁のうちの第1の逆流洗浄弁が閉鎖位置にあり、逆流洗浄弁のうちの第2の逆流洗浄弁が開放位置にある一実施例に従った、図26の濾過装置の側面断面図である。
図30】濾過装置の、一対の対向する逆流洗浄弁を通って取られた、逆流洗浄弁のうちの第1の逆流洗浄弁が開放位置にあり、逆流洗浄弁のうちの第2の逆流洗浄弁が閉鎖位置にある一実施例に従った、図26の濾過装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
流体濾過装置及びその操作方法を本明細書に記載する。いくつかの実施例では、濾過装置の第1のピストンの第1のキャビティは、濾過装置の入口チャネル及び出口チャネルから隔離されており、第1のキャビティを生産モードから外すことができる。次に、第1のキャビティは、流体流れを、第1の逆流洗浄チャネルから、第1のキャビティ内に配設される第1の濾過要素に印加することにより加圧されることができる。いくつかの実施例では、第1のキャビティ内の圧力は、生産モードの第1のキャビティの通常の動作圧力を上回って高めることができる。加圧されたキャビティ内の流体を次に、逆方向(すなわち、上流の方向)に第1の濾過要素を通る雰囲気及び流体流れに放出して、第1の濾過要素から不純物及びアグロメレーションを洗浄することができる。本プロセスは、濾過装置の1つ以上の他のキャビティにも同様に実施することができる。
【0011】
図1及び図2を参照すると、濾過装置100を実施例に従って示してある。一般に、濾過装置100は、複数の濾過要素を備え、濾過要素のそれぞれは、生産モードと逆流洗浄モードとの間で選択的に切り替えることができる。濾過要素が生産モードにある場合、濾過要素は、流体を受け、流体を濾過して不純物及びアグロメレーションを取り除き、濾過した流体を、更なる処理のために濾過装置100の下流の処理と連通させるように構成されている。流体は、溶融した熱可塑性プラスチックなどの高粘度流体、又は、任意の他の好適な流体であり得る。濾過要素が逆流洗浄モードにある場合、濾過装置100は、流体の流れを、濾過要素を通して逆流させて、濾過要素から不純物及びアグロメレーションを引き離し、これらを濾過装置100から洗い流すように構成されている。
【0012】
濾過装置100は、ハウジング102であって、当該ハウジング102を通る第1のボア104(1)及び第2のボア104(2)を画定するハウジング102を備える。第1のボア104(1)及び第2のボア104(2)は、横方向Aに沿って、ハウジングを通って延びることができる。濾過装置100は、第1のボア104(1)内に配設される第1のピストン106(1)と、第2のボア104(2)内に配設される第2のピストン106(2)と、を備える。第1のピストン106(1)は、第1のボア104(1)内を横方向Aに沿って並進するように構成されている。濾過装置100は、第1のボア104(1)内で、第1のピストン106(1)を横方向Aに沿って並進させるように構成されている第1のアクチュエータ108(1)を備えるが、第1のアクチュエータ108(1)は、濾過装置100とは別の構成要素として配置可能であることが理解されよう。同様に、第2のピストン106(2)は、第2のボア104(2)内で横方向Aに沿って並進するように構成されている。濾過装置100は、第2のボア104(2)内で、第2のピストン106(2)を横方向Aに沿って並進させるように構成されている第2のアクチュエータ108(2)を備えるが、第2のアクチュエータ108(2)は、濾過装置100とは別の構成要素として配置可能であることが理解されよう。各アクチュエータ108(1)及び108(2)は、任意の好適なアクチュエータ、例えば、(限定されないが)油圧アクチュエータ、空気圧シリンダ、又は圧電アクチュエータなどのリニアアクチュエータであり得る。
【0013】
濾過装置100は、濾過装置100の逆流洗浄を可能にするように構成された、少なくとも1つの逆流洗浄弁を有することができる。一実施例において、濾過装置100は、第1の逆流洗浄弁134(1)と、第2の逆流洗浄弁134(2)と、を備えることができる。各逆流洗浄弁134(1)及び134(2)は、ハウジング102の上流側102aに配設することができる。しかし、代替実施形態において、逆流洗浄弁134(1)及び134(2)の一方又は両方を、ハウジング102の下流側102bに配設することができることに注意されたい。第1の逆流洗浄弁134(2)は、第2の逆流洗浄弁134(2)から、横方向Aに沿ってオフセットすることができる。
【0014】
ハウジング102は、縦方向Lに沿って互いにオフセットされた上流側102a及び下流側102bを有することができる。ハウジング102は、横方向Aに沿って互いにオフセットされた第1の側面102c及び第2の側面102dを有することができる。ハウジング102は、横断方向Tに沿って互いにオフセットされた上端102e及び下端102fを有することができる。ハウジングは、示すように直方体の形状であり得る、又は、任意の好適な代替形状を有することができる。第1のボア104及び第2のボア106は、横方向Aに沿って、ハウジング102を通って延びることができる。第1のボア104及び第2のボア106は、横断方向Tに沿って互いにオフセットすることができる。
【0015】
図3及び図4を見ると、濾過装置100の第1のピストン108の実施例を示してある。第1のピストン108(1)及び第2のピストン108(2)のそれぞれを、図3及び図4に示すように実施することができる。ピストン108は、横方向Aに沿って互いにオフセットされた第1の端部108a及び第2の端部108bを有する。ピストン108は、第1の端部108aと第2の端部108bとの間に延びる、外側表面108cを有する。一実施例において、ピストン108は、横方向Aに対して垂直な平面に沿って、円形状の断面形状を有することができる。したがって、ピストン108は、円筒形状を有することができ、外側表面108cは、曲面状の外側表面であり得る。しかしながら、代替実施例において、ピストン108は、他の好適な断面形状、例えば、長方形形状を有することができる。
【0016】
ピストン108は、ピストン108内に少なくとも1つのキャビティを画定することができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つのピストン108は、第1のキャビティ109及び第2のキャビティ110を含むことができる。各キャビティ109、110は、選択方向に沿って、ピストン108の外側表面108c内に向かって延びることができる。一実施例において、選択方向は、縦方向Lであり得る。各キャビティ109、110は、流体を受けるように構成されたピストン108の上流側の上で、ピストン108内に向かって延びることができる。各キャビティ109、110は、選択方向に対して垂直な平面に、円形の断面形状を有することができるが、各キャビティは、別の好適な断面形状を有することができることが理解されよう。
【0017】
ピストン108は、少なくとも1つのキャビティのそれぞれから延びる溝107を画定することができる。各溝107は、ピストン108の外側表面108c内に向かって延びることができる。各溝107は、ピストン108の上流側において画定することができる。しかしながら、逆流洗浄弁134(1)及び134(2)のうちの一方又は両方が、ハウジング102の下流側102bにあるといった代替実施例において、各溝107は、ピストン108の下流側にて画定することができる。各溝107は、横方向Aに沿って、キャビティ109、110のうちの対応する一方から外側に離れる方向に延びることができ、キャビティ109、110のうちの対応する一方に対しては開いていることができる。各溝107は、以下で更に詳細に論じるように、キャビティ109、110のうちの対応する一方を加圧するために使用することができる。一実施例において、各溝107は、横方向A及び横断方向Tに沿って延びる平面内に三角形形状を有することができるが、他の形状が、本開示の範囲内で想倒される。各溝107は、横断方向Tに沿った、キャビティ109、110のうちの対応する一方の断面寸法を下回る、横断方向Tに沿った断面寸法を有する。各溝107は、キャビティ109、110のうちの対応する一方と流体連通している。
【0018】
ピストン108は、少なくとも1つのピストン出口を画定することができる。いくつかの実施例では、少なくとも1つのピストン出口は、第1のピストン出口111及び第2のピストン出口112を含むことができる。各ピストン出口111、112は、キャビティ109、110のうちの対応する一方に向かう選択方向に沿って、ピストン108の外側表面108c内に向かって延びることができる。各ピストン出口111、112は、流体を分配するように構成されたピストン108の下流側上で、ピストン108内に向かって延びることができる。したがって、各ピストン出口111、112は、下流方向に沿って、対応するキャビティ109、110からオフセットすることができる。一実施例において、下流方向は、縦方向Lと位置合わせすることができる。各ピストン出口111、112は、対応するキャビティ109、110と流体連通することができる。
【0019】
各ピストン出口111、112は、横方向Aに沿って細長くてもよい。したがって、各ピストン出口111、112は、横断方向Tに沿ったピストン出口111、112の高さを上回る、横方向Aに沿った幅を有することができる。ピストン出口111及び112の形状が細長いことにより、一方のキャビティ109、110が、ピストン108が異なる位置間で移動すると、ハウジングの少なくとも1つの入口チャネル118及び出口チャネル120(共に以下で論じる)と流体連通したままにし、これにより他方のキャビティ109、110を逆流洗浄することができる。各ピストン出口111、112は、横方向Aに沿って互いにオフセットされた、第1の端部111a、112a及び第2の端部111b、112bを有することができる。各ピストン出口111、112は、その第1の端部111a、112aと、その第2の端部111b、112bとの間に、中間部分111c、112cを有することができる。各出口111、112の第1の端部111a、112a及び第2の端部111b、112bはそれぞれ、中間部分111c、112cに対して拡大することができる。例えば、第1の端部111a、112a及び第2の端部111b、112bはそれぞれ、中間部分111c、112cの高さを上回る高さを有することができる。一実施例において、各出口111、112の第1の端部111a、112a及び第2の端部111b、112bはそれぞれ、円形の断面形状を有することができ、中間部分111c、112cは、長方形の断面形状を有することができる。しかし、各ピストン出口111、112は、別の好適な形状を有することができることが理解されよう。
【0020】
濾過装置100は、各ピストン108用の少なくとも1つの濾過要素を備えることができる。各キャビティ109、110は、複数の濾過要素のうちの少なくとも1つを受けるように構成されている。例えば、第1のキャビティ109は、第1の濾過要素114を受けるように構成することができ、第2のキャビティ110は、第2の濾過要素115を受けるように構成することができる。各濾過要素は、流動抵抗を生み出す小型開口部を備える金網などのスクリーン、又は、濾過装置100により受けられる特定の流体を濾過するのに好適な、任意の他の好適な濾過要素であり得る。
【0021】
ここで図5及び図6を見ると、それぞれ、生産モードでの濾過装置100の、濾過装置の正面図及び平面図を示す。図5及び図6において、ハウジング102は、ハウジング102の複数のチャネルを示すために透明に図示する。第1のピストン106(1)は、第1のピストン106(1)内に配設される少なくとも1つの濾過要素114(1)を備える第1のキャビティ109(1)を含むことができる。いくつかの実施例では、第1のピストン106(1)は、第1のピストン106(1)内に配設される少なくとも1つの濾過要素115(1)を備える第2のキャビティ110(1)を含むことができる。同様に、第2のピストン106(2)は、第2のピストン106(2)内に配設される少なくとも1つの濾過要素114(2)を備える第1のキャビティ109(2)を含むことができる。いくつかの実施例では、第2のピストン106(2)は、第2のピストン106(2)内に配設される少なくとも1つの濾過要素115(2)を備える第2のキャビティ110(2)を含むことができる。第1のピストン106(1)及び第2のピストン106(2)が生産モードにあるとき、第1のキャビティ109(1)及び109(2)は、横断方向Tに沿って互いに位置合わせすることができ、第2のキャビティ110(1)及び110(2)は、横断方向Tに沿って互いに位置合わせすることができる。
【0022】
ハウジング102は、ハウジング102内で少なくとも1つの入口開口部116を画定する。入口開口部116は、ハウジング102の上流側102aにて画定することができる。ハウジング102は、ハウジング102内に複数の入口チャネル118を画定し、各入口チャネルは、少なくとも1つの入口開口部116から、ボア104(1)、104(2)のうちの対応する一方に延びる。ハウジング102は、各キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118を画定することができる。いくつかの実施例では、ハウジング102は、各キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)に対する2つ以上の入口チャネル118を画定することができる。各チャネル118は、横方向Aに沿って方向構成要素を有する方向に沿って、少なくとも1つの入口開口部116から延びることができる。更に、又は代替的に、各チャネル118は、横断方向Tに沿って方向構成要素を有する方向に沿って、少なくとも1つの入口開口部116から離れる方向に延びることができる。
【0023】
ハウジング102は、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(1)と、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(2)と、を画定することができる。第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(1)は、第1のボア104(1)と流体連通し、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(2)は、第2のボア104(2)と流体連通している。第1のピストン106(1)が生産モードにあるとき、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(1)は、第1のキャビティ109(1)と流体連通する。第2のピストン106(2)が生産モードにあるとき、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(2)は、第1のキャビティ109(2)と流体連通する。
【0024】
同様に、第1のピストン106(1)及び第2のピストン106(2)がそれぞれ、第1のキャビティ及び第2のキャビティを有する実施例において、ハウジング102は、第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(3)、及び第2のピストン106(2)の第2のキャビティ110(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(4)を画定することができる。第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(3)は、第1のボア104(1)と流体連通し、第2のピストン106(2)の第2のキャビティ110(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(4)は、第2のボア104(2)と流体連通している。第1のピストン106(1)が生産モードにあるとき、第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(3)は、第2のキャビティ110(1)と流体連通する。第2のピストン106(2)が生産モードにあるとき、第2のピストン106(2)の第2のキャビティ110(2)に対する少なくとも1つの入口チャネル118(4)は、第2のキャビティ110(2)と流体連通する。
【0025】
図6及び図7を参照すると、ハウジング102は、ハウジング102内の複数の出口チャネル120(例えば、120(1)、120(2)、120(3)、120(4))を画定し、各出口チャネル120は、ボア104(1)及び104(2)のうちの対応する一方から延びる。各出口チャネル120は、濾過装置100を通る流体流れの方向に対して、入口開口部116の下流に位置付けられている。ハウジング102は、各キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)に対する少なくとも1つの出口チャネル120を画定することができる。生産モードにあるとき、各出口チャネル120は、下流方向に沿って、キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)のキャビティのうちの対応する1つから離れる方向に延びることができる。生産モードにおいて、流体は、入口チャネル118(1)、118(2)、118(3)、118(4)から濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)を通り、出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、120(4)に流れる。濾過要素は、キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)を通る流体流れを制限し、結果として、入口チャネルでの圧力は、出口チャネルでの圧力よりも高くなることができる。換言すれば、生産モードにおいて、入口チャネル118(1)、118(2)、118(3)、118(4)内の流体は、第1の圧力であり得、出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、120(4)内の流体は、第1の圧力未満の第2の圧力であり得る。したがって、各濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)は、濾過要素の上流の高圧側、及び濾過要素の下流の低圧側を有することができる。
【0026】
各出口チャネル120は、ボア104(1)、104(2)のうちの対応する一方において、内側開口部122を画定することができる。いくつかの実施例では、各内側開口部122の寸法及び形状は、ピストン出口111、122のうちの対応する一方の寸法及び形状に一致することができる。例えば、各内側開口部122(例えば、122(1)、122(2)、122(3)、122(4))は、横方向Aに沿って細長くてもよい。したがって、各内側開口部122は、横断方向Tに沿った内側開口部122の高さを上回る、横方向Aに沿った幅を有することができる。各内側開口部122は、横方向Aに沿って互いにオフセットされた第1の端部122a及び第2の端部22bを有することができる。各内側開口部122は、第1の端部122aと第2の端部122bとの間の、中間部分122cを有することができる。各内側開口部122の第1の端部122a及び第2の端部122bはそれぞれ、中間部分122cに対して拡大することができる。例えば、第1の端部122a及び第2の端部122bはそれぞれ、中間部分122cの高さを上回る高さを有することができる。一実施例において、各内側開口部122の第1の端部122a及び第2の端部122bはそれぞれ、円形の断面形状を有することができ、中間部分122cは、長方形の断面形状を有することができる。しかしながら、各内側開口部122は、別の好適な形状を有することができることが理解されよう。
【0027】
各出口チャネル120は、外側開口部124(例えば、124(1)、124(2)、124(3)、124(4))を画定することができる。各外側開口部124は、チャネル120の内側開口部122の下流で画定することができる。例えば、各外側開口部124は、ハウジング102の下流側102bで画定することができる。各外側開口部124は、示すような円形状、又は任意の他の好適な形状を有することができる。各チャネル120は、チャネル120が下流方向に沿って延びるにつれて、内側開口部122から外側開口部124に向けて内向きに細くなることができる。
【0028】
図7に示すように、ハウジング102は、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する出口チャネル120(1)を画定することができ、出口チャネル120(1)は、内側開口部122(1)及び外側開口部124(1)を有する。ハウジング102は、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)に対する出口チャネル120(2)を画定することができ、出口チャネル120(2)は、内側開口部122(2)及び外側開口部124(2)を有する。第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する出口チャネル120(1)は、第1のボア104(1)と流体連通しており、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)に対する出口チャネル120(2)は、第2のボア104(2)と流体連通している。第1のピストン106(1)が生産モードにあるとき、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)に対する出口チャネル120(1)は、第1のピストン106(1)の第1のピストン出口111と流体連通する。第2のピストン106(2)が生産モードにあるとき、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(1)に対する出口チャネル120(2)は、第2のピストン106(2)の第1のピストン出口111に流体連通する。
【0029】
ここで図2及び図8を参照すると、濾過装置100は、ハウジング102の下流側102bに配設されるマニホールド126を含むことができる。マニホールド126は、複数の出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、及び120(4)からの流体流れを受け、当該流体流れを濾過装置100の出口126cへと合わせるように構成することができる。マニホールド126は、上流側126a及び下流側126bを有することができる。出口126cは、下流側126bに配設することができる。マニホールド126は、複数のマニホールドチャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)を有することができる。各マニホールドチャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)は、上流側126aにて、マニホールド入口開口部130(1)、130(2)、130(3)、130(4)を画定することができる。したがって、各マニホールドチャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)は、出口126cから、マニホールド入口開口部130(1)、130(2)、130(3)、130(4)のうちの対応する1つに延びることができる。各マニホールドチャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)は、横方向Aに沿って方向構成要素を有する方向に沿って、出口126cから延びることができる。更に、又は代替的に、各マニホールドチャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)は、横断方向Tに沿って方向構成要素を有する方向に沿って、出口126cから延びることができる。代替実施例において、マニホールド126は、濾過装置100から省略可能であることが理解されよう。例えば、チャネル128(1)、128(2)、128(3)、128(4)、及び出口126cは、ハウジング102により画定することができる。
【0030】
図9図10図12、及び図13を見ると、ハウジング102は、ハウジング102内の複数の逆流洗浄チャネル132(1)、132(2)、132(3)、132(4)などの、少なくとも1つの逆流洗浄チャネルを画定することができる。各逆流洗浄チャネルは、ハウジング102の上流側102aから、ボア104(1)、104(2)のうちの対応する一方に延びることができる。ハウジング102は、各キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)に対する逆流洗浄チャネルを画定することができる。各逆流洗浄チャネル132(1)、132(2)、132(3)、132(4)は、横方向Aに沿って、少なくとも1つの入口116から外側にオフセットすることができる。各逆流洗浄チャネルは、少なくとも1つの入口116、及び入口チャネル118(1)、118(2)、118(3)、118(4)から完全に離間していることができる。
【0031】
ハウジング102は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)を画定することができる。第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)は、横断方向Tに沿って互いにオフセットすることができる。第1の逆流洗浄チャネル132(1)は、第1の逆流洗浄弁134(1)の入口と第1のボア104(1)との間に延びることができる。したがって、第1の逆流洗浄チャネル132(1)は、第1の逆流洗浄弁134(1)及び第1のボア104(1)と流体連通している。第1のピストン106(1)が逆流洗浄モードにあるときに、第1の逆流洗浄チャネル132(1)は、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)と流体連通するように構成される。第2の逆流洗浄チャネル132(2)は、第1の逆流洗浄弁134(1)の入口と第2のボア104(2)との間に延びることができる。したがって、第2の逆流洗浄チャネル132(2)は、第1の逆流洗浄弁134(1)及び第2のボア104(2)と流体連通している。第2のピストン106(2)が逆流洗浄モードにあるときに、第2の逆流洗浄チャネル132(2)は、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)と流体連通するように構成される。第2の逆流洗浄チャネル132(2)は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)とも流体連通することができる。
【0032】
同様に、第1のピストン106(1)及び第2のピストン106(2)がそれぞれ、第1のキャビティ及び第2のキャビティを有する実施例において、ハウジング102は、第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)を画定することができる。第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)は、横断方向Tに沿って互いにオフセットすることができる。第3の逆流洗浄チャネル132(3)は、第2の逆流洗浄弁134(2)の入口と第1のボア104(1)との間に延びる。したがって、第3の逆流洗浄チャネル132(3)は、第2の逆流洗浄弁134(2)及び第1のボア104(1)と流体連通している。第1のピストン106(1)が逆流洗浄モードにあるときに、第3の逆流洗浄チャネル132(3)は、第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)と流体連通するように構成される。第4の逆流洗浄チャネル132(4)は、第2の逆流洗浄弁134(2)の入口と第2のボア104(2)との間に延びる。したがって、第4の逆流洗浄チャネル132(4)は、第2の逆流洗浄弁134(2)及び第2のボア104(2)と流体連通するように構成される。第2のピストン106(2)が逆流洗浄モードにあるときに、第4の逆流洗浄チャネル132(4)は、第2のピストン106(2)の第2のキャビティ110(2)と流体連通するように構成される。
【0033】
より具体的に図9及び図10を参照すると、第1の逆流洗浄弁134(1)は、開放位置(図9)と閉鎖位置(図10)との間を選択的に移動するように構成することができる。開放位置において、第1の逆流洗浄弁134(1)は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)を、濾過装置100の外側の雰囲気と流体連通させて配置する。閉鎖位置において、第1の逆流洗浄弁134(1)は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)を、濾過装置100の外側の雰囲気と流体連通しないように閉鎖する。第1の逆流洗浄弁134(1)は、以下に更に詳細に記載する逆流洗浄操作の間に、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)内で圧力が増加するように構成される、圧力増強遮断弁であり得る。あるいは、第1の逆流洗浄弁134(1)は、図28図30に示すような遮断弁134(1)(限定されない)などの、標準的な遮断弁、又は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)内で圧力を増加させることなく開閉可能な、任意の他の好適な遮断弁であり得る。
【0034】
同様に、第2の逆流洗浄弁134(2)は、開放位置(図9)と閉鎖位置(図10)との間を選択的に移動するように構成することができる。第1の逆流洗浄チャネル134(1)及び第2の逆流洗浄弁134(2)における断面は同一であってもよく、それ故、図9及び図10は、第1の逆流洗浄チャネル134(1)及び第2の逆流洗浄弁134(2)のいずれかを描写することができることに留意されたい。開放位置において、第2の逆流洗浄弁134(2)は、第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)を、濾過装置100の外側の雰囲気と流体連通させて配置する。閉鎖位置において、第2の逆流洗浄弁134(2)は、第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)を、濾過装置100の外側の雰囲気と流体連通しないように閉鎖する。第2の逆流洗浄弁134(2)は、以下に更に詳細に記載する逆流洗浄操作の間に、第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)内で圧力が増加するように構成される、圧力増強弁であり得る。あるいは、第2の逆流洗浄弁134(2)は、図28図30に示すような遮断弁134(1)(限定されない)などの、標準的な遮断弁、又は、第3の逆流洗浄チャネル132(3)及び第4の逆流洗浄チャネル132(4)内で圧力を増加させることなく開閉可能な、任意の他の好適な遮断弁であり得る。
【0035】
上述のように、一実施例において、第1の逆流洗浄弁134(1)及び/又は第2の逆流洗浄弁134(2)は、圧力増強逆流洗浄弁として実施することができる。図9及び図10は、圧力増強逆流洗浄弁の一例を示す。しかし、圧力増強逆流洗浄弁は、別の好適な方法で構成することができることが理解されよう。圧力増強逆流洗浄弁は、弁入口134a及び弁出口134bを有する。弁入口134aは、逆流洗浄チャネル132(1)及び132(2)などの、少なくとも1つの逆流洗浄チャネルと流体連通することができる。圧力増強逆流洗浄弁134は、圧力増強逆流洗浄弁134内に弁チャンバ134dを画定する内側表面134cを有することができる。弁チャンバ134dは、弁軸線Aに沿って互いにオフセットされた、第1の端部及び第2の端部を有することができる。一実施例において、弁軸線Aは、横断方向Tに沿って延びることができる。弁入口134aは、弁入口134aが、弁チャンバ134dの第1の端部と第2の端部との間の位置において弁チャンバ134dに対して開放されるように、内側表面134cを通って延びることができる。弁出口124bは、弁チャンバ134dの第2の端部において画定することができる。弁出口124bは、弁軸線Aが弁出口124bを通って延びるように位置付けることができる。
【0036】
圧力増強逆流洗浄弁は、弁チャンバ134d内で並進するように構成される弁ステム134eを有することができる。弁ステム134eは、弁軸線Aに沿って並進するように構成することができる。弁は、弁ステム134eに固定して取り付けられた弁座134fを、弁座134fが弁ステム134eと並進するように含むことができる。弁は、弁入口134aの反対側で弁軸線Aに沿って、弁座134fを並進させるように構成される。弁座134fは、内側表面134g、内側表面134gとは反対側の外側表面134h、及び弁座内側表面134gと弁座外側表面134hとの間に延びる封止面134jを有する。封止面134jは、弁チャンバ134の内側表面134cに対して封止するように構成される。
【0037】
弁ステム134eは、同一平面内の弁チャンバ134dの断面寸法を下回る、弁軸線Aに対して垂直な平面内の断面寸法を有することができる。したがって、弁が閉鎖位置にあるとき、空間134kを、弁チャンバ134dの内側表面134cと弁ステム134eとの間に画定することができる。一実施例において、空間134kは、弁軸線Aに対して垂直な平面内に、環状断面形状を有することができる。空間134kは、空間134k内で流体を受けるように寸法決めすることができる。弁チャンバ134の封止面134jは、同一平面内の弁ステム134eの断面寸法を上回り、かつ同一平面内の弁チャンバ134dの断面寸法に実質的に等しい、弁軸線Aに対して垂直な平面内での断面寸法を有することができる。以下に更に詳細に記載するように、逆流洗浄操作の間に、空間134kを流体で満たすことができ、弁を開くことで流体を逆流洗浄チャネルに押し進めることができ、これにより、逆流洗浄チャネル内の圧力が増加する。
【0038】
ここで図11を見ると、濾過装置100の操作方法200が論じられる。図5図7を更に参照すると、方法200は、第1の濾過要素114(1)及び第2の濾過要素114(2)を備える濾過装置100の操作工程202、並びに、生産モードにあり(含まれる場合)、各逆流洗浄弁134(1)、134(2)が閉鎖位置にある、第3の濾過要素115(1)及び第4の濾過要素115(2)を含む。例えば、第1のピストン106(1)の第1の濾過要素114(1)が、少なくとも1つの入口チャネル118(1)と流体連通し、含まれる場合、第1のピストン106(1)の第2の濾過要素115(1)が、少なくとも1つの流体チャネル118(3)と流体連通するように、第1のピストン106(1)を第1のボア104(1)内に位置付けることができる。更に、第1のピストン106(1)の第1のピストン出口111(1)は、第1のピストン106(1)の第1の出口チャネル120(1)と位置合わせされ、含まれる場合、第1のピストン106(1)の第2のピストン出口112(1)は、第3の出口チャネル120(3)と位置合わせされる。
【0039】
同様に、第2のピストン106(2)の第1の濾過要素114(2)が、少なくとも1つの入口チャネル118(2)と流体連通し、含まれる場合、第2のピストン106(2)の第2の濾過要素114(4)が、少なくとも1つの流体チャネル118(4)と流体連通するように、第2のピストン106(2)を第2のボア104(2)内に位置付けることができる。更に、第2のピストン106(2)の第1のピストン出口111(2)は、第2の出口チャネル120(2)と位置合わせされ、含まれる場合、第2のピストン106(2)の第2のピストン出口112(2)は、第4の出口チャネル120(4)と位置合わせされる。
【0040】
濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)が生産モードにあると、工程202は、入口開口部116にて濾過される流体を受けることを含むことができる。各濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)は、対応する少なくとも1つの入口チャネル118(1)、118(2)、118(3)、118(4)を通る、入口開口部116からの流体を受ける。流体は、各濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)を通って、下流方向に沿って、対応するピストン出口111(1)、111(2)、112(1)、112(2)に、そして、各ピストン出口から、対応する出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、120(4)に流れる。流体が各濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)を通って流れると、濾過要素は、濾過要素の上流側における圧力が、濾過要素の下流側における圧力を上回るように、濾過要素を通る流体流れを制限することができる。
【0041】
ここで図11図15を参照すると、濾過要素のうちの1つ以上を生産モードで操作した後、方法200は、濾過装置100の、選択キャビティ109(1)、109(2)、110(1)、110(2)、続いて、選択濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)を逆流洗浄する工程204~212を含むことができる。説明を簡単にするために、選択キャビティが第1のキャビティ109(1)であり、選択濾過要素が第1のピストン106(1)の第1の濾過要素114(1)である方法を記載する。しかしながら、工程204~212は、4つの濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、115(2)のいずれかを逆流洗浄するために、同様に行うことができることが理解されよう。
【0042】
方法200は任意選択的に、第1の逆流洗浄弁134(1)の出口134bの外へと第1の逆流洗浄チャネル132(1)を洗い流すことにより、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)に対応する第1の逆流洗浄チャネル132(1)などの、少なくとも1つの逆流洗浄チャネルを洗浄し、第1の逆流洗浄チャネル132(1)内に配設されたあらゆる劣化した物質を、濾過装置100の外側の雰囲気に排出する工程204を含むことができる。工程204は加えて、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)及び第1の濾過要素114(2)に対応する第2の逆流洗浄チャネル132(2)を洗浄することができる。劣化した物質は、温度下で停留する、ある量の流体であってもよい。例えば、流体がプラスチック溶融物である場合、流体は変色し(例えば、茶色になり)、選択逆流洗浄チャネル132(1)内で停留すると、経時的に炭化する可能性がある。したがって、第1の逆流洗浄チャネル132(1)を洗浄して、第1の逆流洗浄チャネル132(1)内にある、劣化したあらゆる流体を排出するのが有益な場合がある。
【0043】
工程204は、第1の逆流洗浄チャネル132(1)が第1のキャビティ109(1)の溝107(1)と流体連通するまで、第1のボア104(1)内で第1のピストン106(1)を移動させる工程を含むことができる。この位置では、第1のピストン106(1)は、依然として生産モードにあり、流体は、選択濾過要素114(1)を通って第1の出口チャネル120(1)まで、及び第2のフィルタ115(1)(実施される場合)を通って第3の出口チャネル120(3)まで、流れ続けることができる。図15に示すように、第1のピストン106(1)の第1のピストン出口111(1)及び第2のピストン出口112(1)は、依然としてある程度重なり合い、故に、ハウジング102の出口チャネル120(1)及び120(3)と流体連通している。更に、工程204は、第2の逆流洗浄チャネル132(2)が第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)の溝107(2)と流体連通するまで、第2のボア104(2)内で第2のピストン106(2)を移動させる工程を含むことができる。この位置では、第2のピストン106(2)は、依然として生産モードにあり、流体は、第2のピストン106(2)の第1のフィルタ114(2)を通って第2の出口チャネル120(2)まで、及び第2のフィルタ115(2)(実施される場合)を通って第4の出口チャネル120(4)まで、流れ続けることができる。図15に示すように、第2のピストン106(2)の第1のピストン出口111(2)及び第2のピストン出口112(2)は、依然としてある程度重なり合い、故に依然として、ハウジング102の出口チャネル120(2)及び120(4)と流体連通している。工程204は、第1のピストン106(1)及び第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(1)及び109(2)により受けられた流体がそれぞれ、第1の逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(2)を通して、第1の逆流洗浄弁134(1)から雰囲気に分配されるように、第1の逆流洗浄弁134(1)を開放位置(例えば、図9に示すような)に移動させる工程を含むことができる。
【0044】
方法200は任意選択的に、所定の期間の後、第1の逆流洗浄弁134(1)を閉鎖位置(例えば、図10に示すような)に移動させる工程206を含むことができる。第1の逆流洗浄弁134(1)が圧力増強逆流洗浄弁である実施例において、工程206は、逆流洗浄弁124(1)のチャンバ134kを流体で満たすことを含むことができる。具体的には、弁座134fが、弁チャンバ134kの第1の端部から延びる方向に沿って、弁入口134aを通り過ぎて弁チャンバ134kの第2の端部まで移動すると、チャンバ134kを流体で満たすことができる。工程206において、ピストン106(1)及び106(2)は、工程204における位置と比較して移動せず、濾過要素114(1)、114(2)、115(1)、及び115(2)は、生産モードのままであることができる。
【0045】
ここで図11及び図16図19を見ると、方法は、第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)を隔離し、加圧する工程208を含むことができる。具体的には、工程208は、第1のピストン106(1)を第1の隔離位置に移動させる工程を含むことができ、この工程において、第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)は、少なくとも1つの第1の入口チャネル118(1)及び第1の出口チャネル120(1)から隔離され、流体は、第1の濾過要素114(1)を通ってハウジング102の外に流れることができない。したがって、図18に示すように、第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)は、入口チャネル118(1)、118(2)、118(3)、118(4)のいずれとも流体連通していない。更に、図19に示すように、第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)に対応する第1のピストン出口111(1)は重なり合わないため、出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、120(4)のいずれとも流体連通しない。第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)(実施される場合)は、生産モードのままであり得る。したがって、図18及び図19に示すように、第2のキャビティ110(1)は、少なくとも第1のチャネル118(1)とある程度重なり合い、故に流体連通することができ、第1のピストン106(1)の第2のピストン出口112(1)は、ハウジング102の第1の出口チャネル120(1)とある程度重なり合い、故に流体連通することができる。第1の逆流洗浄弁134(1)は、閉鎖位置のままであることができ、第2のピストン106(2)は、工程206の終了時に、その位置から移動しない。したがって、キャビティ109(2)、キャビティ110(1)(実施される場合)、及びキャビティ110(2)(実施される場合)は、生産モードのままであることができる。
【0046】
第1の隔離位置において、第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)は、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)と流体連通することができる。第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)が第1の隔離位置にあると、工程208は、流体を第1の濾過要素114(1)に流すことにより第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)を加圧することを含むことができる。具体的には、工程208は、流体を、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)から、例えば、第1のキャビティ109(2)の溝107(2)から、第2の逆流洗浄チャネル132(2)及び第1の逆流洗浄チャネル132(1)を通って第1の濾過要素114(1)の上流側まで流すことを含むことができる。流体が第1のキャビティ109(1)内まで流れると、第1のキャビティ109(1)は、第1の濾過要素114(1)の上流側及び下流側の両方における圧力が実質的に等しくなるように加圧する。図示する実施例において、流体は、第1の濾過要素114(1)の上流側に流れる。しかしながら、第1の逆流洗浄弁134(1)、並びに逆流洗浄チャネル132(1)及び132(2)は、第1の濾過要素114(1)の下流側に流体を流すように構成可能であることが理解されよう。
【0047】
図20図23を参照すると、第1のキャビティ109(1)が、所望の時間所望の圧力まで加圧されると、工程208は、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)を、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)から隔離する工程を含むことができる。具体的には、工程208は、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)が第2の逆流洗浄チャネル132(2)と流体連通しなくなるように、第2のピストン106(2)を移動させる工程を含むことができる。
【0048】
図22及び図23に示すように、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)は、第2の少なくとも1つのチャネル118(2)とある程度重なり合い、故に流体連通することができ、第2のピストン106(2)の第1のピストン出口111(2)は、ハウジング102の第2の出口チャネル120(2)とある程度重なり合い、故に流体連通することができる。第1の逆流洗浄弁134(1)は、閉鎖位置のままであることができ、第1のピストン106(1)は、その隔離位置から移動しない。したがって、濾過要素114(2)、濾過要素115(2)(実施される場合)、及び濾過要素115(1)(実施される場合)は、生産モードのままであることができる。
【0049】
図9図10、及び図11を参照すると、第1のキャビティ109(1)が、所望の時間所望の圧力まで加圧されると、方法は、第1のキャビティ109(1)内の流体を雰囲気に排出することで第1のキャビティ109(1)内の圧力を開放するために、図9に示すように、第1の逆流洗浄弁134(1)を開放位置まで移動させる工程210を含むことができる。したがって、工程210は、流体を第1のキャビティ109(1)から第1の逆流洗浄チャネル132(1)を通って弁出口134(b)の外まで流すことを含むことができる。
【0050】
逆流洗浄弁134(1)が圧力増強逆流洗浄弁である実施例において、第1の逆流洗浄弁134(1)を開放する工程210は、第1の逆流洗浄弁134が開放されると、第1の逆流洗浄チャネル132(1)内、続いて第1のキャビティ109(1)内の圧力を、第3の圧力まで増加させる工程を含むことができる。第3の圧力は、第1の圧力(すなわち、第1の濾過要素114(1)が生産モードにあるときの第1の濾過要素114(1)での上流圧力)よりも高くすることができる。ピストン106(1)とハウジング102との間を封止することは、第1のキャビティ109(1)内の圧力を第3の圧力で維持するのに十分でなければならない。具体的には、圧力を増加させる工程は、弁座134fを選択方向に沿って、チャンバ134kの第1の端部に向けて、故に、弁入口134aに向けて移動させることを含むことができ、これにより、弁チャンバ134k内の流体が、弁入口134aから第1の逆流洗浄チャネル132(1)まで通って、続いて第1のキャビティ109(1)で圧縮される。工程210は、弁座134f、具体的には、弁座外側表面134hが、弁入口134aの少なくとも一部分を通り過ぎて移動し、これにより第1の逆流洗浄弁134(1)を開放して、弁入口134a及び弁出口134bを流体連通して配置するように、弁座134fを選択方向に沿って、弁チャンバ134kの第1の端部に向けて更に移動させることを含むことができる。弁座134fの外側表面134hが、弁チャンバの第2の端部から弁チャンバの第1の端部に延びる方向に沿って、弁入口134aの少なくとも一部分を通り過ぎて移動すると、第1のキャビティ109(1)内の流体は、弁出口134bを通って雰囲気に排出され、これにより、第1のキャビティ109(1)内の圧力を開放する。第1のキャビティ109(1)内の圧力を、第1の圧力を超えて増加させた後、急速に圧力を低下させることにより、流体に、上流方向に、第1の濾過要素114(1)上でより大きな力を引き起こさせ、不純物及びアグロメレーションを第1の濾過要素114(1)から引きはがすことができる。圧力のこの増加及び急速な低下により、濾過要素114(1)に強力で爆発のような影響を生じることができ、これにより、濾過要素114(1)内に埋め込まれたあらゆる不純物又はアグロメレーションを引きはがす。
【0051】
ここで図11図24、及び図25を見ると、方法200は、第1の濾過要素114(1)を流体で逆流洗浄する工程212を含むことができる。工程212は、第1のピストン106(1)を第2の隔離位置に移動させる工程を含むことができ、この工程では、第1のキャビティ109(1)を第1の逆流洗浄チャネル132(1)と流体連通させたまま、第1の入口チャネル118(1)から隔離しながら、第1のキャビティ109(1)は、ハウジング102の第1の出口チャネル120(1)と流体連通する。図24に示すように、第1のキャビティ109(1)は、入力チャネルのいずれとも流体連通していない。更に、図25に示すように、第1のピストン出口111(1)は、ハウジング102の第1の出口チャネル120(1)と重なり合い、流体連通する。工程212は、流体を第1の出口チャネル120(1)から、上流方向に沿って第1の濾過要素114(1)を通り、第1の逆流洗浄チャネル132(1)を通って、第1の逆流洗浄弁134(1)の弁出口134bの外へと雰囲気に流すことを含む。濾過装置100の出口126c(図6に標示する)における流体の圧力は、流体を出口126cから第1の出口チャネル120(1)まで逆流させることができる。図24及び図25に示すように、第1のピストン106(1)の第2の濾過要素115(1)(実施される場合)、第2のピストン106(2)の第1の濾過要素114(2)及び第2のピストン106(2)の第2の濾過要素115(2)(実施される場合)は、生産モードのままであり得る。
【0052】
第1の濾過要素114(1)が逆流洗浄された後、方法200は、図5図7に示すように、第1の濾過要素114(1)を生産モードに戻す工程214を含むことができる。あるいは、方法200は、濾過装置100の別の濾過要素に対して、工程208~212、並びに任意選択的に、工程204及び206を行うことができる。
【0053】
図1及び図2は、ハウジング102の上流側102aに配設された、少なくとも1つの逆流洗浄弁134(1)及び134(2)を有する濾過装置100の一実施例を示すが、本開示の実施例は、これに限定されない。代替実施例においては、少なくとも1つの逆流洗浄弁を、ハウジング102の下流側102bに配設することができる。例えば、第1の逆流洗浄弁134(1)及び第2の逆流洗浄弁134(2)を、ハウジング102の下流側102bに配設することができる。このような実施例において、第1の逆流洗浄弁134(1)に対応する、少なくとも1つの逆流洗浄チャネル132(1)及び132(2)、並びに、第2の逆流洗浄弁134(2)に対応する少なくとも1つの逆流洗浄チャネル132(3)及び132(4)はそれぞれ、ハウジング102の下流側102bに配設することができる。
【0054】
更に他の実施例において、濾過装置は、上流側102aにおける少なくとも1つの逆流洗浄弁、及び、下流側102bにおける少なくとも1つの逆流洗浄弁を有することができる。例えば、そして、図26及び図27を参照すると、濾過装置300は、ハウジング102の上流側102aに配設された第1の逆流洗浄弁134(1)及び第2の逆流洗浄弁134(2)、並びに、ハウジング102の下流側102bに配設された第3の逆流洗浄弁134(3)及び第4の逆流洗浄弁134(4)を有することができる。逆流洗浄弁134(1)、134(2)、134(3)、及び134(4)のうちの1つ以上、最大全てが、上述した圧力増強遮断弁であり得る。更に、又は代替的に、逆流洗浄弁134(1)、134(2)、134(3)、及び134(4)のうちの1つ以上は、標準遮断弁であり得る。いくつかの実施例では、濾過装置は、1つ以上の圧力増強弁及び1つ以上の標準遮断弁を有することができる。
【0055】
図28図30は、濾過装置300が、ハウジング102の上流側102aに配設された、第1の標準遮断弁134(1)及び第2の標準遮断弁134(2)などの、少なくとも1つの標準遮断弁、並びに、ハウジング102の下流側102bに配設された、第1の圧力増強弁134(3)及び第2の圧力増強弁134(4)などの、少なくとも1つの圧力増強弁を含む実施例を示す。他の実施例では、少なくとも1つの標準遮断弁134(1)が、ハウジング102の下流側102bに代替的に配設可能であり、少なくとも1つの圧力増強弁134(3)が、上流側102aに代替的に配設可能であることが理解されよう。
【0056】
一実施例において、標準遮断弁134(1)は、図28図30に示すように実施することができるが、標準遮断弁は、任意の他の好適な逆流洗浄弁として実施することができる。標準遮断弁134(1)は、弁入口134a及び弁出口134bを有する。弁入口134aは、逆流洗浄チャネル132(1)及び132(2)などの、少なくとも1つの逆流洗浄チャネルと流体連通することができる。逆流洗浄チャネル132(1)及び132(2)は、ハウジング102の上流側102aから延び、故に、上流逆流洗浄チャネルとみなすことができる。
【0057】
標準遮断弁134(1)は、標準遮断弁134(1)内に弁チャンバ134dを画定する内側表面134cを有することができる。弁チャンバ134dは、弁軸線Aに沿って互いにオフセットされた、第1の端部及び第2の端部を有することができる。一実施例において、弁軸線Aは、横断方向Tに沿って延びることができる。弁入口134aは、弁入口134aが、弁チャンバ134dの第1の端部と第2の端部との間の位置において弁チャンバ134dに対して開放されるように、内側表面134cを通って延びることができる。弁出口124bは、弁チャンバ134dの第2の端部において画定することができる。弁出口124bは、弁軸線Aが弁出口124bを通って延びるように位置付けることができる。
【0058】
標準遮断弁134(1)は、弁チャンバ134d内を並進するように構成される弁ステム134mを有することができる。弁ステム134mは、弁軸線Aに沿って並進するように構成することができる。弁ステム134mは、弁チャンバ134の内側表面134cを封止するように構成される封止面134を有することができる。弁ステム134mは、内側表面134cを封止するように寸法決めされた、弁軸線Aに対して垂直な平面内の断面寸法を有することができる。図9及び図10の圧力増強弁とは異なり、標準遮断弁134(1)は、標準遮断弁134(1)内で流体を受けるように構成される空間134kを欠くことができる。
【0059】
圧力増強弁134(3)は、図9及び図10に関して上述したように構成することができるか、又は任意の他の好適な方法で実施することができる。ハウジング102は、逆流洗浄弁134(3)に対応する、ハウジング102内の少なくとも1つの逆流洗浄チャネル、例えば、第1の逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の逆流洗浄チャネル132(3)を画定することができる。図示しないが、ハウジング102は、第1の逆流洗浄チャネル及び第2の逆流洗浄チャネルなどの、逆流洗浄弁134(4)に対応する、ハウジング102内の少なくとも1つの逆流洗浄チャネルを画定することができる。各逆流洗浄チャネル133(1)、132(2)は、ハウジング102の下流側102bから、ボア104(1)、104(2)のうちの対応する一方に延びる。したがって、各逆流洗浄チャネル133(1)及び132(2)は、下流逆流洗浄チャネルであるとみなされ得る。ハウジング102は、各キャビティ109(1)、110(1)、109(2)、110(2)に対する下流逆流洗浄チャネルを画定することができる。各下流逆流洗浄チャネル132(1)、132(2)は、横方向Aに沿って、濾過装置300の少なくとも1つの出口から外側にオフセットすることができる。各下流逆流洗浄チャネル132(1)、132(2)は、少なくとも1つの出口から、及び出口チャネル120(1)、120(2)、120(3)、120(4)から、完全に離間することができる。
【0060】
ハウジング102は、逆流洗浄弁134(3)用の、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)を画定することができる。第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)は、横断方向Tに沿って互いにオフセットすることができる。第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)は、逆流洗浄弁134(3)の入口と第1のボア104(1)との間に延びる。したがって、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)は、逆流洗浄弁134(3)及び第1のボア104(1)と流体連通している。第1のピストン106(1)が逆流洗浄モードにあるときに、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)は、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)と流体連通するように構成される。第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)は、逆流洗浄弁134(3)の入口と第2のボア104(2)との間に延びる。したがって、第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)は、逆流洗浄弁134(3)及び第2のボア104(2)と流体連通している。第2のピストン106(2)が逆流洗浄モードにあるときに、第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)は、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)と流体連通するように構成される。第2の下流逆流洗浄チャネル133(3)は、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)ともまた流体連通することができる。
【0061】
同様に、第1のピストン106(1)及び第2のピストン106(2)がそれぞれ、第1のキャビティ及び第2のキャビティを有する実施例において、ハウジング102は、第3の下流逆流洗浄チャネル及び第4の下流逆流洗浄チャネル(図示せず)を画定することができる。第3の下流逆流洗浄チャネル及び第4の下流逆流洗浄チャネルは、横断方向Tに沿って互いにオフセットすることができる。第3の下流逆流洗浄チャネルは、逆流洗浄弁134(4)の入口と第1のボア104(1)との間に延びることができる。したがって、第3の下流逆流洗浄チャネル133(3)は、逆流洗浄弁134(4)及び第1のボア104(1)と流体連通することができる。第1のピストン106(1)が逆流洗浄モードにあるときに、第3の下流逆流洗浄チャネル133(3)は、第1のピストン106(1)の第2のキャビティ110(1)と流体連通するように構成することができる。第4の下流逆流洗浄チャネルは、逆流洗浄弁134(4)の入口と第2のボア104(2)との間に延びることができる。したがって、第4の下流逆流洗浄チャネル133(4)は、逆流洗浄弁134(4)及び第2のボア104(2)と流体連通するように構成される。第2のピストン106(2)が逆流洗浄モードにあるときに、第4の下流逆流洗浄チャネルは、第2のピストン106(2)の第2のキャビティ110(2)と流体連通するように構成することができる。
【0062】
逆流洗浄弁134(3)は、開放位置(図29)と閉鎖位置(図28)との間を選択的に移動するように構成することができる。開放位置において、逆流洗浄弁134(3)は、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)を、濾過装置300の外側の雰囲気と流体連通して配置する。閉鎖位置において、逆流洗浄弁134(3)は、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)を、濾過装置100の外側の雰囲気と流体連通しないように閉じる。同様に、逆流洗浄弁134(4)は、開放位置と閉鎖位置との間を選択的に移動するように構成することができる。開放位置において、逆流洗浄弁134(4)は、第3の下流逆流洗浄チャネル及び第4の下流逆流洗浄チャネルを、濾過装置300の外側の雰囲気と流体連通させて配置する。閉鎖位置において、逆流洗浄弁134(4)は、第3の下流逆流洗浄チャネル及び第4の下流逆流洗浄チャネルを、濾過装置300の外側の雰囲気と流体連通しないように閉じる。
【0063】
図11、及び図28図30を参照すると、濾過装置300は、数少ない顕著な例外はあるが、濾過装置100の方法と同様の方法で操作することができる。例えば、第1の下流逆流洗浄チャネル132(1)及び第2の上流逆流洗浄チャネル132(2)の洗浄に加えて、又はこの代わりに、工程204は、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)を逆流洗浄弁134(3)の出口134bから外へ洗い流すことにより、少なくとも1つの下流逆流洗浄チャネル、例えば、第1のピストン106(1)の第1のキャビティ109(1)及び第1の濾過要素114(1)に対応する第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)を洗浄して、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)に置かれた、劣化したあらゆる物質を、濾過装置300の外側の雰囲気に排出することを含むことができる。工程204は加えて、第2のピストン106(2)の第1のキャビティ109(2)及び第1の濾過要素114(2)に対応する第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)を洗浄することができる。第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)及び第2の下流逆流洗浄チャネル133(2)を洗浄するために、逆流洗浄弁134(3)を、図9に弁104(1)で示すのと同様の方法で、開放位置に移動させることができる。
【0064】
別の実施例として、工程210は、図29に示すように、ハウジング102の下流側102bに配設された圧力増強逆流洗浄弁134(3)を開き、逆流洗浄弁134(3)が開かれると、第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)内、続いて第1のキャビティ109(1)内の圧力を第3の圧力まで増加させることを含むことができる。上述のように、第3の圧力は、第1の圧力(すなわち、第1の濾過要素114(1)が生産モードにあるときの第1の濾過要素114(1)での上流圧力)よりも高くすることができる。圧力を増加させる工程は、圧力増強逆流洗浄弁134(3)の弁座134fを、選択方向に沿ってチャンバ134kの第1の端部に向けて、故に弁入口134aに向けて移動させることを含むことができ、これにより、弁チャンバ134k内の流体が、弁入口134aから第1の下流逆流洗浄チャネル133(1)を通って、続いて第1のキャビティ109(1)内で圧縮される。
【0065】
いくつかの実施例では、第1のキャビティ109(1)内の圧力は、第1の逆流洗浄弁134(1)を通って排出することができる。具体的には、逆流洗浄弁134(3)の弁座134fの移動は、図29に示すように、逆流洗浄弁134(3)の弁入口134a及び弁出口134bを、互いに流体連通して配置する前に停止することができる。次に、工程210は、図30に示すように、第1の逆流洗浄弁134(1)を開放して、逆流洗浄弁134(1)の弁入口134a及び弁出口134bを、互いに流体連通して配置し、これにより、第1のキャビティ109(1)内の流体が、逆流洗浄弁134(1)の弁出口134bを通って雰囲気に排出されることにより、第1のキャビティ109(1)内の圧力を開放する工程を含むことができる。
【0066】
代替の実施例において、工程210は、流体を、第1の逆流洗浄弁134(1)を通してではなく、逆流洗浄弁134(3)を通して排出することを含むことができる。具体的には、工程210は、更に、弁座134f、特に弁座外側表面が、図9に示すものと同様の方法で弁入口134aの少なくとも一部分を通り過ぎて移動するように、逆流洗浄弁134(3)の弁座134fを選択方向に沿って、弁チャンバ134kの第1の端部に向けて移動させ、これにより、逆流洗浄弁134(3)を開いて、弁入口134a及び弁出口134bを流体連通して配置することを含むことができる。逆流洗浄弁134(3)の弁座134fの外側表面が、弁チャンバの第2の端部から弁チャンバの第1の端部に延びる方向に沿って、弁入口134aの少なくとも一部分を通り過ぎて移動すると、第1のキャビティ109(1)内の流体は、逆流洗浄弁134(3)の弁出口134bを通って雰囲気に放出されることにより、第1のキャビティ109(1)内の圧力を開放することができる。
【0067】
図に示す実施例の図解及び説明は、単に例示目的のためのものであり、本開示を限定するものとみなされてはならないことに留意すべきである。本開示は様々な実施例を想倒することを、当業者は理解するであろう。更に、上述の実施例により上述した着想は、単独で、又は、上述の他の実施例のいずれかと組み合わせて用いることができることと理解されるべきである。図解した実施例に関して上述した様々な代替実施例を、特に断りのない限り、本明細書に記載する全ての実施例に適用可能であることが更に理解されなければならない。
【0068】
別段の明示がない限り、各数値及び範囲は、「約」、「およそ」、又は「実質的に」という語が、その値又は範囲の前に付いているかのように、概数的であるものと解釈されなければならない。
【0069】
別途特に明記しない限り、又は、使用する文脈の中で別様に理解されない限り、とりわけ「することができる(can/could)」、「である場合がある(might/may)」、「例えば」などの、本明細書で使用する条件付きの言葉は、特定の特徴、要素、及び/又は工程を特定の実施例では含むが他の実施例では含まないことを伝達する、と一般的に意図される。したがって、このような条件付きの言葉は一般に、特徴、要素、及び/若しくは工程が、1つ以上の実施例で何らかの方法で必要であるか、又は、1つ以上の実施例が必ず、これらの形質、要素、及び/若しくは工程を含むことを示唆しないことが意図される。用語「備える」、「含む」、「有する」などは同義であり、オープンエンドの様式で包括的に用いられ、追加の要素、特徴、作用、操作などを除外しない。
【0070】
特定の実施例を記載してきたが、これらの実施例は例示のためだけに提示されており、本明細書にて開示した発明の範囲の限定を意図するものではない。したがって、前述の説明はいずれも、任意の特定の特徴、性能、工程、モジュール、若しくはブロックが必要である、又は不可欠であることを示唆することを意図するものではない。実際に、本明細書に記載する新規の方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよく、更に、本明細書に記載する方法及びシステムの形態の様々な省略、置換、及び変化を、本明細書にて開示した本発明の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲及びその等価物は、そのような形態又は変更が、本明細書にて開示した特定の本発明の範囲及び趣旨に収まるように網羅することが意図される。
【0071】
本明細書で説明する例示的な方法の工程は、必ずしも記載の順序で行われる必要はないことが理解され、このような方法の順序は、単に例示的なものとして理解されなければならない。同様に、本発明の様々な実施例と一致する方法において、追加の工程はこのような方法に含むことができ、特定の工程は省略するか又は組み合わせることができる。
【0072】
以下の方法クレームにおける構成要素は、もしあれば、対応するラベリングを備えて特定の順序で引用されているが、クレームの引用が別の場合において、それらの構成要素のいくつか又は全てを実施するための特定の順序を暗示する場合を除いて、それらの構成要素は必ずしも、その特定の順序での実施に限定されることが意図されるわけではない。
【0073】
構成要素又は工程などの特徴を説明するための「a」又は「one」への、本明細書における言及は、追加の特徴、又は当該特徴の複数形を除外するものではないことが理解されよう。例えば、特徴のうちの「1つ」を有する又は規定する装置への言及は、当該装置が、当該特徴のうちの少なくとも1つを有する又は規定する限り、当該特徴のうちの2つ以上を有する又は規定することを除外するものではない。同様に、複数の特徴のうちの「1つ」への本明細書における言及は、当該特徴のうちの2つ以上、最大で全てを含むことを、本発明で除外するものではない。例えば、「X及びYのうちの1つ」を有する又は規定する装置への言及は、装置がX及びYの両方を有することを除外するものではない。
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