(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】採番装置、採番方法、及び、採番プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022045400
(22)【出願日】2022-03-22
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 裕之
(72)【発明者】
【氏名】原田 薫子
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-031249(JP,A)
【文献】特開2002-024745(JP,A)
【文献】特開2001-175714(JP,A)
【文献】特開平06-243659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の前記採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、前記子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記記憶部に記憶されている処理順番に従って、前記処理順番に対応する前記種別の前記子集団に属する前記採番対象を、前記採番対象がそれぞれ備える、前記採番対象が属する前記子集団の種別を示す種別データに基づいて前記母集団から抽出する抽出部と、
抽出された前記採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成するデータ生成部と、
を有する採番装置。
【請求項2】
前記記憶制御部は、所望の順に変更された前記処理順番を前記記憶部に記憶制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の採番装置。
【請求項3】
前記記憶制御部は、前記子集団の種別及び前記処理順番と共に、任意の条件データを前記記憶部に記憶し、
前記採番対象は、前記種別データ及び前記条件データを備え、
前記抽出部は、前記記憶部に記憶されている処理順番に従って、前記処理順番に対応する前記種別の前記子集団に属する前記採番対象を、前記採番対象がそれぞれ備える、前記採番対象が属する前記子集団の種別を示す種別データ及び任意の前記条件データに基づいて前記母集団から抽出すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の採番装置。
【請求項4】
前記記憶制御部は、前記種別データ及び前記条件データに対して、それぞれデータ抽出の際に使用するか否か、又は、抽出の際の優先順位を示す抽出条件データを付加して前記記憶部に記憶し、
前記抽出部は、前記記憶部に記憶されている処理順番に従って、前記処理順番に対応する前記種別の前記子集団に属する前記採番対象を、前記採番対象がそれぞれ備える、前記採番対象が属する前記子集団の種別を示す種別データ、任意の前記条件データ、及び、前記抽出条件データに基づいて前記母集団から抽出すること、
を特徴とする請求項3に記載の採番装置。
【請求項5】
記憶制御部が、採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の前記採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、前記子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
抽出部が、前記記憶部に記憶されている処理順番に従って、前記処理順番に対応する前記種別の前記子集団に属する前記採番対象を、前記採番対象がそれぞれ備える、前記採番対象が属する前記子集団の種別を示す種別データに基づいて前記母集団から抽出する抽出ステップと、
データ生成部が、抽出された前記採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成するデータ生成ステップと、
を有する採番方法。
【請求項6】
コンピュータを、
採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の前記採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、前記子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記記憶部に記憶されている処理順番に従って、前記処理順番に対応する前記種別の前記子集団に属する前記採番対象を、前記採番対象がそれぞれ備える、前記採番対象が属する前記子集団の種別を示す種別データに基づいて前記母集団から抽出する抽出部と、
抽出された前記採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成する
データ生成部
として機能させる採番プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採番装置、採番方法、及び、採番プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、試験会場で試験を行う場合、試験担当者は、受験者名簿に基づいて手動で採番した受験番号を事前に受験者に付与し、試験用紙等の書類を机の配列に従って受験番号順に配付する。そして、受験番号順に受験者を着席させ、本人確認を行い、試験を行う。
【0003】
ここで、特許文献1(特開2006-031215号公報)には、インターネットを介してサーバが学生証発行に必要なデータを収集及び一元化し、入学費又は授業料等の初年度費用の入金を確認する前から、一番早くに情報が手元にある合格者情報を使って学生証データベース作成作業を前倒して行う学生証発行システムが開示されている。
【0004】
具体的には、この学生証発行システムは、第1のサーバが、学校及び入学予定者からインターネットを介して入力される情報に従って学生証データベースを作成する。第2のサーバは、全ての情報が揃った入学予定者を、学生証発行データベースに登録する。そして、カード発行機が、第2のサーバから送信される学生証発行データに基づいて学生証を作成して発行する。これにより、学生証発行に関する作業負荷を平準化して、納期を大幅に短縮化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、試験を実施する際に、各企業又は試験毎に、独自のルールに基づいて受験番号の採番が行われることも多い。様々な採番ルールにそれぞれミスなく対応して採番を行うことは大変困難であり、試験担当者の負担となっていた。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、様々な採番ルールに、柔軟に対応した採番を可能とし、担当者の負担を軽減できるような採番装置、採番方法、及び、採番プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る採番装置は、採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御部と、記憶部に記憶されている処理順番に従って、処理順番に対応する種別の子集団に属する採番対象を、採番対象がそれぞれ備える、採番対象が属する子集団の種別を示す種別データに基づいて母集団から抽出する抽出部と、抽出された採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る採番方法は、記憶制御部が、採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、抽出部が、記憶部に記憶されている処理順番に従って、処理順番に対応する種別の子集団に属する採番対象を、採番対象がそれぞれ備える、採番対象が属する子集団の種別を示す種別データに基づいて母集団から抽出する抽出ステップと、データ生成部が、抽出された採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る採番プログラムは、コンピュータを、採番を行う複数の採番対象で構成される母集団に含まれる、複数の採番対象の複数の子集団の種別、及び、採番処理を施す順番である、子集団の種別毎の処理順番を記憶部に記憶する記憶制御部と、記憶部に記憶されている処理順番に従って、処理順番に対応する種別の子集団に属する採番対象を、採番対象がそれぞれ備える、前番対象が属する子集団の種別を示す種別データに基づいて母集団から抽出する抽出部と、抽出された採番対象に対して、順に採番処理を施して採番データを生成するデータ生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、様々な採番ルールに、柔軟に対応した採番を行うことができる。このため、採番における担当者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の採番装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、仮免許受付データの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、教習生基本データの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、受験番号採番マスタの一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、Where条件(抽出条件)の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の採番装置における採番動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態の採番装置における採番動作を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、採番結果となる採番結果データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる採番装置を、図面に基づいて詳細に説明する。一例として、以下、実施の形態の採番装置は、自動車教習所において、仮免許試験の技能試験の後に行われる学科試験の受験者の自動採番を行うこととして説明を進める。なお、実施の形態の採番装置は、複数の採番対象に対して採番を行う状況であれば、どのような状況にも適用でき、以下の実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の採番装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図1に示す採番装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、記憶領域である受験番号採番マスタ11が設けられている。また、記憶部2には、予め設定された任意のルールに基づいて、仮免許試験の学科試験の受験者の自動採番を可能とする採番プログラムが記憶されている。
【0016】
また、記憶部2には、採番プログラムを実行する際に用いられ、又は、生成される各種データが記憶される。具体的には、記憶部2には、仮免受付データ、教習生基本データ、試験コードデータ、ソート条件データ、Where条件データ、及び、採番結果データが記憶される。
【0017】
図2は、仮免許試験の学科試験を受験する教習生の仮免受付データの一例を示す図である。仮免受付データは、業務オペレータ等により記憶部2に記憶される。
図2に示すように、仮免受付データは、教習生番号、修了検定合格日、修了証明書番号、免除区分、及び、修了検定受験番号(修了検定受験NO)を含んで構成される。教習生番号は、各教習生に対して固有に付された、例えば「1111111」又は「2222222」等の番号である。修了検定合格日は、自動車教習所内における技能検定試験(修了検定試験)の合格日である。
図2は、教習生番号が「1111111」の教習生の修了検定試験の合格日は「2022年2月3日」であり、教習生番号が「5555555」の教習生の修了検定試験の合格日は「2022年1月6日」である例を示している。
【0018】
修了証明書番号は、修了検定試験に合格した教習生に対して配付される修了証明書に付される固有の番号である。
図2の例の場合、「1111111」の教習生番号の教習生の修了証明書番号は「0053」となっており、「3333333」の教習生番号の教習生の修了証明書番号は「0055」となっている。免除区分は、仮免許の学科試験の免除の可否を示す。
図2の例は、「3333333」の教習生番号の教習生のみが、仮免許の学科試験が免除されることを示している。修了検定受験番号(修了検定受験NO)は、当日の修了検定試験の受験番号である。
図2の例は、「1111111」の教習生番号の教習生の修了検定受験番号は「1番」であり、「3333333」の教習生番号の教習生の修了検定受験番号は「3番」であることを示している。
【0019】
なお、当日が「2022年2月3日」であるとすると、
図2に例示する教習生のうち、教習生番号が「1111111」、「2222222」及び「3333333」の教習生は、それぞれ当日に修了検定を合格した教習生(当日修了検定合格者)を示している(第1の受験パターン)。これに対して、教習生番号が「4444444」及び「5555555」の教習生は、前回の試験を欠席した教習生又は再受験者であることを示している(第2の受験パターン)。このような当日修了検定合格者、前回の試験の欠席者及び再受験者は、仮免学科試験直前に決定することが多い。
【0020】
図3は、教習生基本データの一例を示す図である。この
図3に示すように、教習生基本データは、教習生番号、氏名、教習車種、及び、仮免許試験の受験回数(仮免受験回数)を含んで構成される。教習生番号は、上述のように各教習生に対して固有に付された、例えば「1111111」又は「2222222」等の番号である。氏名は、例えば「教習花子」又は「教習A」等の各教習生の氏名である。
【0021】
教習車種は、その教習生が受講した車種を示している。
図3の例は、「1111111」の教習生は、マニュアルトランスミッション(MT)の普通自動車の教習(一種普通MT)を受講したことを示している。また、
図3の例は、「2222222」の教習生は、オートマチックトランスミッション(AT)の普通自動車の教習(一種普通AT)を受講したことを示している。仮免受験回数は、仮免許試験の学科試験の受験回数を示している。
図3の例は、「1111111」の教習生の受験回数は「0回(=1回目)」で、「5555555」の教習生の受験回数は「2回(=3回目)」となっている。
【0022】
なお、二種普通MT、二種普通AT、一種大型、一種中型、準中型、一種普通MT及び一種普通ATの各車種は、仮免許の取得が必要となる。
【0023】
図4は、受験番号採番マスタ11の一例を示す模式図である。この
図4に示すように、受験番号採番マスタ11には、試験コード、処理順番、ソート条件(ソート種別)、Where条件(抽出条件)、ソート順番及び昇降順が記憶(設定)される。業務オペレータは、テンプレートに基づいて、処理順番及びソート条件等の変更、追加又は削除を行う。
【0024】
試験コードは、
図5に示すように、例えば区分「1」の修了検定、区分「2」の卒業検定、区分「3」の技能審査、及び、区分「4」の仮免学科試験の中から、所望の区分が選択されて設定される。
図4の例は、区分「4」の仮免学科試験が設定された例である。
【0025】
処理順番は、仮免学科試験を受験する複数の教習生(採番対象の一例)で構成される母集団に含まれる、複数の教習生の種別毎の子集団に対する、採番処理の処理順番を示す。すなわち、この実施の形態の例の場合、仮免学科試験を受験する全教習生で母集団が構成される。この母集団には、例えば「一種中型」、「一種普通MT」、「二種普通AT」、「学科試験の免除者」、及び「修了検定の当日合格者」等の各種別の子集団が含まれる。処理順番は、この種別毎の子集団に対する採番処理の処理順番を示している。
【0026】
ソート条件(ソート種別)は、上述の母集団(仮免学科試験を受験する全教習生)から抽出する子集団の種別を指定するためのデータである。このソート条件は、
図6に示すように、例えば「11」~「28」及び「41」~「47」の区分の中から所望の区分を選択して設定可能となっている。具体的には、区分「11」は「教習生コード(教習生番号)」、区分「12」は「一種大型・一種中型・準中型」、区分「13」は「一種普通MT」、区分「14」は「一種普通AT」となっている。
【0027】
また、区分「15」は「修了検定の当日合格日(修検当日合格)」、区分「16」は「修了検定の当年合格日(修検当年合格)」、区分「17」は「修了証明書番号(修了証明書No.)」、区分「18」は「学科試験の免除者(免除Flag:免除区分)」となっている。また、区分「19」は「仮免受験回数」、区分「20」は「当日修検定受験番号(当日修検受験No.)」、区分「21」は「二種大型・二種中型」、区分「22」は「二種普通MT・二種普通AT」となっている。
【0028】
また、区分「23」は「二種普通MT」、区分「24」は「二種普通AT」、区分「25」は「一種普通MT・一種普通AT」、区分「26」は「二種大型・二種通型・準中型」、区分「27」は「二種普通MT・一種普通MT」、区分「28」は「二種普通AT・一種普通AT」となっている。
【0029】
また、区分「41」は「一種大型」、区分「42」は「一種中型」、区分「43」は「二種大型」、区分「44」は「二種中型」、区分「45」は「二種大型・一種大型」、区分「46」は「二種中型・一種中型」、区分「47」は「準中型」となっている。
【0030】
このうち、区分「12」~区分「14」、区分「21」~区分「28」及び区分「41」~区分「47」は、それぞれ教習車種を示している。また、区分「11」の「教習生コード」、区分「17」の「修了証明書No.」、区分「19」の「仮免受験回数」、及び、区分「20」の「当日修検受験No.」は、それぞれソート順として使用される。
【0031】
次に、Where条件(抽出条件)は、ソート条件として指定された子集団の種別(種別データ及び条件データの一例)に対して、それぞれデータ抽出の際に使用するか否か、又は、抽出の際の優先順位を示すデータ(抽出条件データの一例)である。このWhere条件としては、
図7に示すように区分「0」の「無視」、区分「1」の「=」及び区分「2」の「<>」が設けられている。区分「0」の「無視」は、子集団の抽出には使用しないソート条件であることを示す。例えば、「一種中型」の子集団を抽出する際に、「修了証明書No.」のソート条件に「無視」のWhere条件が付加されていた場合、「一種中型」の子集団は抽出するが、その際に、「修了証明書No.」は使用せずに抽出することを示す。
【0032】
区分「1」の「=」は、その子集団のみを抽出することを意味する。例えば「一種中型」のソート条件に対して、「=」のWhere条件が付加されていた場合、「一種中型」の子集団のみ抽出することを示す。区分「2」の「<>」は、優先順位を示している。換言すると、区分「2」の「<>」は、そのソート条件以上の子集団を抽出するか、又は、そのソート条件以下の子集団を抽出するか、ということを示す。
【0033】
次に、
図4に示す「ソート順番」は、ソートを行うか否かを示すデータであり、ソートを行う場合は「1」が、ソートを行わない場合は「0」が選択される。昇降順は、昇順にソートを行うか、又は、降順にソートを行うか、ということを選択するためのデータである。例えば、「修了証明書No.」のソート条件に対して、「1」のソート順番及び「昇順」の昇降順が選択されていた場合、「No.1」→「No.2」→「No.3」・・・等のように、修了証明書の若い番号から順に並ぶようにソートを行うことを意味している。反対に、「修了証明書No.」のソート条件に対して、「1」のソート順番及び「降順」の昇降順が選択されていた場合、「No.100」→「No.99」→「No.98」・・・等のように、大きな番号から小さな番号の順に修了証明書が並ぶようにソートを行うことを意味している。
【0034】
(採番装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている採番プログラムを実行することで、記憶制御部21、抽出部22、及び、データ生成部23として機能する。記憶制御部21は、業務オペレータ等の設定に従って、
図4に示した受験番号採番マスタ11に対して所望の採番ルールに対応する受験番号採番マスタデータ(処理順番、ソート条件、Where条件等)を記憶する。また、記憶制御部21は、受験番号採番マスタ11に基づいて抽出して採番を行った結果となる採番結果データを記憶部2に記憶する。さらに、記憶制御部21は、
図2に示した仮免受付データ、
図3に示した教習生基本データ、及び、
図5に示した試験コードデータ等を、予め記憶部2に記憶する。
【0035】
抽出部22は、受験番号採番マスタ11に設定された採番ルールに基づいて、教習生を抽出する。データ生成部23は、抽出された教習生を順に採番処理して採番データを生成する。
【0036】
(採番動作)
次に、実施の形態の採番装置1における採番動作を説明する。
図8は、この採番動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている採番プログラムを実行することで、この
図8のフローチャートに示す各処理を実行する。まず、ステップS1では、抽出部22が、
図4に示した受験番号採番マスタ11を参照し、処理順番「1」の「ソート条件」、「Where条件」、「ソート順番」及び「昇降順」を第1の処理条件として検出する。
【0037】
次に、抽出部22は、仮免受付データ及び教習生基本データを参照し、受験番号採番マスタ11から検出した第1の処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データを抽出する。ステップS2では、抽出部22が、第1の処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データの有無を監視している。第1の処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データが存在しない場合は、ステップS3において、処理条件の番号を「1つ」インクリメントして、処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データを抽出する。これにより、前回の処理条件が第1の処理条件であった場合、次は、第2の処理条件である、処理順番「2」に対応する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データが抽出される。
【0038】
なお、
図8のステップS3における「n」は2以上の自然数で、ステップS2及びステップS3の処理を繰り返す毎に、抽出部22により「1」ずつインクリメントされる。
【0039】
抽出部22は、ステップS2及びステップS3を繰り返し実行することで、
図4に示す処理順番「2」→処理順番「3」→処理順番「4」→処理順番「5」→処理順番「6」→処理順番「7」の順に、各処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データを抽出する。
【0040】
次に、処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データを抽出すると(ステップS2:Yes)、ステップS4に処理が進む。ステップS4では、データ生成部23が、抽出された仮免受付データ及び教習生基本データに基づいて、「処理順番」、「ソート順番」及び「昇降順」に対応する採番処理を行う。このような採番処理は、ステップS5で、未採番処理のデータが存在しないものと判別されるまで(ステップS5:No)、繰り返し行われる(ステップS5:Yes)。
【0041】
図9は、このような採番処理の一例を示す模式図である。このうち、
図9(a)は、仮免受付データの一例を示し、
図9(b)は、教習生基本データの一例を示している。また、
図9(c)は、受験番号採番マスタ11の一例を示している。この
図9の例は、抽出部22が、
図9(c)に示すように、処理順番「5」の処理条件に一致する教習生の仮免受付データ及び教習生基本データを抽出した例である。
【0042】
図9(c)に示す処理順番「5」の処理条件は、修了検定の合格日が当日の(修検定当日合格)、「二種普通AT・一種普通AT」の教習生であり、仮免学科試験が免除されていない教習生を抽出する処理条件である。このため、抽出部22は、
図9(a)に示す仮免受付データを参照することで、修了検定の合格日が当日である、「2022年2月3日」に修了検定を合格し、仮免学科試験が免除されていない、教習生番号が「2222222」の教習生を抽出する。また、抽出部22は、
図9(b)に示す教習生基本データを参照することで、上述の処理条件に対応する「一種普通AT」の教習生である、教習生番号が「2222222」の教習生を抽出する。
【0043】
次に、データ生成部23は、受験番号採番マスタ11のソート順番及び昇降順に基づいて、抽出された仮免受付データ及び教習生基本データに対して採番処理を施した採番データを生成する。
図10に採番データの一例を示す。この
図10に示すように、採番データは、仮免受験番号、教習生番号、修了検定合格日、修了証明書番号、免除区分、修了検定受験NO.、教習車種、及び、仮免受験回数を含んで構成される。
【0044】
例えば、受験番号採番マスタ11に設定された処理順番が、
1:免除者
2:当日合格者の一種普通MT
3:当日合格者の一種普通AT
4:当日以外合格者の一種普通MT
5:当日以外合格者の一種普通AT
であったとする。
【0045】
この場合、データ生成部23は、
図10に示すように、学科試験の「免除者(免除)」である教習生番号が「3333333」の教習生を仮免受験番号「1」に採番した採番データを生成する。また、データ生成部23は、「当日合格者の一種普通MT」の教習生である、教習生番号が「1111111」の教習生を仮免受験番号「2」に採番した採番データを生成する。また、データ生成部23は、「当日合格者の一種普通AT」の教習生である、教習生番号が「2222222」の教習生を仮免受験番号「3」に採番した採番データを生成する。
【0046】
また、データ生成部23は、「当日以外合格者の一種普通MT」の教習生である、教習生番号が「4444444」の教習生を仮免受験番号「4」に採番した採番データを生成する。また、データ生成部23は、「当日以外合格者の一種普通AT」の教習生である、教習生番号が「5555555」の教習生を仮免受験番号「5」に採番した採番データを生成する。
【0047】
このように、実施の形態の採番装置は、受験番号採番マスタ11に設定された任意のルールに基づく採番処理を可能とすることができる。
【0048】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の採番装置1は、パラメータ化されて記憶部2に記憶された採番ルールに基づいて採番対象の採番を行う。また、パラメータ(処理条件)は、任意に変更可能となっている。これにより、様々な採番ルール及び複雑な採番ルールにも柔軟に対応して採番を行うことができる。このため、採番を行う際の担当者の負担を軽減できる。また、特定の担当者以外であっても、限られた時間の中で効率的かつミスなく採番を行うことができる。
【0049】
また、採番ミスが発生することで、試験後の書類作成にもミスが発生する不都合を生ずる。しかし、実施の形態の採番装置1は、正確に採番を行うことができるため、このような不都合を防止できる。
【0050】
また、実施の形態の採番装置1は、受験番号採番マスタ11に設定された処理条件に基づいて、迅速に採番が可能であるため、例えば仮免許試験の学科試験等のように、試験の実施直前に受験対象者が確定する試験にも対応することができる。
【0051】
また、例えば昇順降順、「=」又は「<>」等の符号を用いて、順位付けの要素に対して多様な設定を行うことができるため、業務に不慣れな担当者でも正しい採番を行うことができる。
【0052】
例えば、仮免許試験の学科試験を学科教室で実施するにあたり、顔写真が添付された教習原簿と照合して本人確認が行われる。学科教室では、受験者を受験番号順に着席させ、実施の形態の採番装置1により得られた採番結果に基づいて受験番号順とした教習原簿と照合することで、本人確認作業ミスの防止及び効率化を図ることができる。
【0053】
また、仮免許試験の学科試験の前に行う技能試験の受検番号と、仮免許試験の学科試験で用いる受験番号を連動させることで、受験番号の入力の手間を軽減し、試験管による各受験者の認識を容易化できる。
【0054】
また、再受験者又は学科試験の免除者は、徴収する料金が異なる。また、合格者又は不合格者に対する書類作成業務も効率的に行うことが好ましい。実施の形態の採番装置1は、簡単、迅速かつ正確に、ルールに従った採番を行うことができるため、料金の徴収による入金業務、及び、合格者又は不合格者に対する書類作成業務も簡単、迅速かつ正確に行うことができ、業務を行う者の時間的及び心理的負担を軽減できる。
【0055】
また、仮免許試験の学科試験は、警察(公安委員会)からの委託業務のため、公正かつミスがないように慎重に行う必要がある。しかし、実施の形態の採番装置1は、簡単、迅速かつ正確に、ルールに従った採番を行うことができるため、警察(公安委員会)の意向に沿った業務を行うことができる。
【0056】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0059】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、採番装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、採番装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて採番装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0064】
また、この採番装置1の採番プログラムは、採番装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための採番プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した採番装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、採番装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば試験の受験番号の採番等のように、母集団に属する各採番対象の採番に利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 採番装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 受験番号採番マスタ
21 記憶制御部
22 抽出部
23 データ生成部