(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】通信端末
(51)【国際特許分類】
G08G 5/04 20060101AFI20241210BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241210BHJP
【FI】
G08G5/04 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022059338
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2021160428の分割
【原出願日】2021-09-30
【審査請求日】2022-03-31
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】杉田 博司
(72)【発明者】
【氏名】原田 一馬
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特許第7053937(JP,B2)
【文献】特開2019-195169(JP,A)
【文献】特開2019-26022(JP,A)
【文献】特開2018-27742(JP,A)
【文献】特開2020-144870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/10
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-50/34
G06Q 90/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え
、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、近距離無線通信を介して前記飛行体情報を取得する、
通信端末。
【請求項2】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行速度に関する飛行速度情報を、表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
通信端末。
【請求項3】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行方向に関する飛行方向情報を、表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
通信端末。
【請求項4】
選択された前記対象飛行体の前記管理者へのメッセージを入力させる入力画面を表示させる表示制御部を更に備え、
前記通信制御部は、前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報と、前記入力画面で入力されたメッセージとを、前記管理装置に送信する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項5】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行位置に関する情報は、前記飛行体の飛行経路を示す経路情報を含み、
前記表示制御部は、取得した前記経路情報が示す前記飛行経路を前記表示部に表示させる、
通信端末。
【請求項6】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行位置に関する情報は、前記飛行体の飛行予定位置又は飛行予定経路を示す飛行予定情報を含み、
前記表示制御部は、取得した前記飛行予定情報が示す前記飛行予定位置又は前記飛行予定経路を前記表示部に表示させる、
通信端末。
【請求項7】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記飛行体情報取得部は、前記飛行体のうち、自端末のユーザが管理する管理飛行体の前記飛行体情報を取得し、
前記表示制御部は、取得した前記管理飛行体の前記飛行体情報に基づいて前記管理飛行体の飛行位置を前記表示部に表示させる、
通信端末。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記管理飛行体と他の飛行体の飛行位置を前記表示部に同時に表示させ、
前記選択受付部は、前記他の飛行体のうち前記管理飛行体と所定の飛行位置関係にある飛行体の中から前記対象飛行体の選択を受け付ける、
請求項
7に記載の通信端末。
【請求項9】
自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、
前記飛行体情報取得部が取得した前記飛行体情報を送信した飛行体の飛行位置に関する情報に基づいて、前記飛行体の飛行位置を表示部に表示させ、前記表示部に飛行位置が表示された一以上の前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、
選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、
を備え、
前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、
取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備え、
前記表示制御部は、前記飛行体の飛行位置と所定のエリアを示す情報を前記表示部に表示させ、
前記選択受付部は、前記飛行体のうち前記所定のエリアに位置する飛行体の中から前記対象飛行体の選択を受け付ける、
通信端末。
【請求項10】
前記通信制御部は、自端末のユーザを識別するユーザ識別情報を含む発信元情報を、前記管理者識別情報と共に送信する、
請求項1から
9のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項11】
前記飛行体情報取得部は、前記飛行体情報を、前記飛行体から直接受信し、又は移動体通信網を介して前記飛行体から受信する、
請求項1から
10のいずれか1項に記載の通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、管理システム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人飛行体であるドローンが普及している。飛行体を管理するユーザや飛行体を監視する監視者は、飛行中の飛行体の位置を、例えば自端末の画面で確認することができる。この画面は、複数の飛行体を表示可能であり、例えばユーザの管理する飛行体の周囲の他の飛行体の存在を確認しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、他の飛行体と自身の飛行体とが飛行中に近づく場合や、一部の飛行体が飛行禁止エリア付近を飛行する場合がある。これらの場合、飛行体のユーザや監視者は、飛行体の衝突を回避させたり、飛行禁止エリアにおける飛行を回避させたりするために、対象となる飛行体の管理者に連絡をとる必要がある。しかし、従来のシステムでは、当該管理者の電話番号を確認して電話をするため、煩雑な作業を強いられていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行体の管理者に容易に連絡できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、を備える、通信端末を提供する。
【0007】
また、前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、近距離無線通信を介して前記飛行体情報を取得することとしてもよい。
【0008】
また、前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行速度に関する飛行速度情報を、表示部に表示させる表示制御部を更に備えることとしてもよい。
【0009】
また、前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行方向に関する飛行方向情報を、表示部に表示させる表示制御部を更に備えることとしてもよい。
【0010】
また、選択された前記対象飛行体の前記管理者へのメッセージを入力させる入力画面を表示させる表示制御部を更に備え、前記通信制御部は、前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報と、前記入力画面で入力されたメッセージとを、前記管理装置に送信することとしてもよい。
【0011】
また、前記飛行体情報取得部は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体の飛行位置を更に含む前記飛行体情報を取得し、取得した一以上の前記飛行体情報が示す飛行体の飛行位置を、表示部に表示させる表示制御部を更に備えることとしてもよい。
【0012】
また、前記飛行位置に関する情報は、前記飛行体の飛行経路を示す経路情報を含み、前記表示制御部は、取得した前記経路情報が示す前記飛行経路を前記表示部に表示させることとしてもよい。
【0013】
また、前記飛行位置に関する情報は、前記飛行体の飛行予定位置又は飛行予定経路を示す飛行予定情報を含み、前記表示制御部は、取得した前記飛行予定情報が示す前記飛行予定位置又は前記飛行予定経路を前記表示部に表示させることとしてもよい。
【0014】
また、前記飛行体情報取得部は、前記飛行体のうち、自端末のユーザが管理する管理飛行体の前記飛行体情報を取得し、前記表示制御部は、取得した前記管理飛行体の前記飛行体情報に基づいて前記管理飛行体の飛行位置を前記表示部に表示させることとしてもよい。
【0015】
また、前記表示制御部は、前記管理飛行体と他の飛行体の飛行位置を前記表示部に同時に表示させ、前記選択受付部は、前記他の飛行体のうち前記管理飛行体と所定の飛行位置関係にある飛行体の中から前記対象飛行体の選択を受け付けることとしてもよい。
【0016】
また、前記表示制御部は、前記飛行体の飛行位置と所定のエリアを示す情報を前記表示部に表示させ、前記選択受付部は、前記飛行体のうち前記所定のエリアに位置する飛行体の中から前記対象飛行体の選択を受け付けることとしてもよい。
【0017】
また、前記通信制御部は、自端末のユーザを識別するユーザ識別情報を含む発信元情報を、前記管理者識別情報と共に送信することとしてもよい。
【0018】
また、前記飛行体情報取得部は、前記飛行体情報を、前記飛行体から直接受信し、又は移動体通信網を介して前記飛行体から受信することとしてもよい。
【0019】
本発明の第2の態様においては、飛行体の管理装置と、前記管理装置とで通信を行う通信端末とを具備する管理システムであって、前記通信端末は、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得する飛行体情報取得部と、前記飛行体情報取得部が取得した一以上の前記飛行体情報が示す前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付ける選択受付部と、選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信する通信制御部と、を備え、前記管理装置は、前記通信端末から受信した前記管理者識別情報に基づいて、前記管理者の端末を特定する端末特定部と、特定した前記端末に、前記通信端末から受信した前記メッセージ又は前記通信端末のユーザとチャットを行うためのチャットルームの識別情報を送信する管理側通信制御部と、を備える、管理システムを提供する。
【0020】
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、自端末のユーザ以外の管理者が管理する飛行体から、前記飛行体の前記管理者の管理者識別情報を含む飛行体情報を、無線通信を介して取得するステップと、取得した一以上の前記飛行体情報が示す前記飛行体の中から、メッセージを送信する管理者又はチャットを行う管理者が管理する対象飛行体の選択を受け付けるステップと、選択された前記対象飛行体の管理者の前記管理者識別情報、及び前記管理者へのメッセージ又は前記管理者とのチャット開始要求を、管理装置に送信するステップと、を有する、通信制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、飛行体の管理者に容易に連絡できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一の実施形態に係る管理システムSの構成を説明するための模式図である。
【
図2】通信端末100の構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】表示部120の表示例を説明するための模式図である。
【
図6】管理装置200の構成を説明するためのブロック図である。
【
図7】対象飛行体の管理者への連絡のために通信端末100が行う処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<管理システムの概要>
一の実施形態に係る管理システムの概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、一の実施形態に係る管理システムSの構成を説明するための模式図である。管理システムSは、複数の飛行体10の飛行を管理するシステムである。管理システムSは、
図1に示すように、複数の飛行体10a、10bと、通信端末100と、管理装置200を有する。なお、飛行体10a、10bを総称して、飛行体10とも呼ぶ。
【0024】
飛行体10は、例えばドローン等の無人飛行体であり、監視、点検、空撮、配送等が可能である。飛行体10には、周囲を撮像する撮像部が搭載されている。飛行体10は、所定の飛行経路を飛行し、所定の作業を行う。
図1に示す飛行体10aは、通信端末100のユーザが所有する飛行体であり、飛行体10bは、他のユーザである管理者Aが管理する飛行体であるものとする。
【0025】
通信端末100は、飛行体10aのユーザが使用する端末である。ユーザは、通信端末100に飛行体10aの飛行計画に関する情報等を入力可能である。通信端末100は、飛行体10aと通信可能である。なお、通信端末100は、飛行体10aのユーザに限定されず、特定の飛行体10の管理者ではなく飛行中の飛行体10を監視する監視者が使用する端末であってもよい。
【0026】
管理装置200は、飛行体10の飛行等を管理する。管理装置200は、通信端末100と通信可能である。例えば、管理装置200は、通信端末100でユーザが入力した情報に基づいて飛行計画を生成し、生成した飛行計画に沿って飛行体10を飛行させるための飛行許可又は飛行認証を飛行体10のユーザ(管理者)に与える。
【0027】
ところで、複数の飛行体10が飛行中に近づく場合や、一部の飛行体10が飛行禁止エリア付近を飛行する場合がある。これらの場合、飛行体10のユーザや監視者は、飛行体10の衝突を回避させたり、飛行禁止エリアにおける飛行を回避させたりするために、対象となる飛行体10の管理者に連絡をとる必要がある。
【0028】
本実施形態の管理システムSは、対象となる飛行体10の管理者に容易に連絡できるようにするために、以下の処理を行う。
まず、通信端末100は、飛行体10から飛行体情報を取得する(処理(1))。飛行体情報は、飛行体10の管理者の管理者識別情報と、飛行体10の飛行位置に関する情報とを含んでいる。例えば、通信端末100は、飛行体10bの管理者Aの管理者識別情報と飛行体10bの飛行位置に関する情報とを含む飛行体情報を、飛行体10bから取得する。同様に、通信端末100は、飛行体10aからも飛行体情報を取得する。
【0029】
通信端末100は、飛行体情報を取得した飛行体10の飛行位置を表示部120に表示させる(処理(2))。例えば、表示部120には、地図上に複数の飛行体10が示されており、互いに位置関係を容易に把握できる。
【0030】
通信端末100は、表示された飛行体10の中から、通信端末100のユーザが行った対象飛行体の選択を受け付ける(処理(3))。例えば、通信端末100のユーザは、表示部120を見て、自身の飛行体10aに飛行体10bが近づくおそれがあると判断した場合には、飛行体10bを対象飛行体として選択する。
【0031】
通信端末100は、ユーザが選択した対象飛行体の管理者の管理者識別情報、及び管理者へのメッセージを、管理装置200に送信する(処理(4))。例えば、通信端末100は、飛行体10bの管理者Aの管理者識別情報及び管理者Aへのメッセージを、管理装置200に送信する。管理者Aへのメッセージは、例えば、飛行体10bが飛行を継続すると飛行体10aに接近するおそれがある旨の内容である。
【0032】
管理装置200は、通信端末100から受信したメッセージを、対象飛行体の管理者に送信する(処理(5))。例えば、管理装置200は、通信端末100から受信した管理者識別情報から管理者Aを特定し、特定した管理者Aが使用する端末等にメッセージを送信する。
【0033】
なお、上記では、通信端末100は、対象飛行体の管理者へのメッセージを管理装置200に送信することとしたが、これに限定されない。例えば、通信端末100は、対象飛行体の管理者とのチャット開始要求を管理装置200に送信してもよい。かかる場合には、通信端末100のユーザは、チャットを介して管理者と連絡をとることができる。
【0034】
<通信端末の構成>
通信端末100の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、通信端末100の構成を説明するためのブロック図である。通信端末100は、
図2に示すように、通信部110、表示部120、入力部130、記憶部140及び制御部150を有する。
【0035】
通信部110は、通信端末100が飛行体10や管理装置200との間で情報を送受信するための通信インタフェースである。例えば、通信部110は、飛行体10から飛行体情報を受信する。飛行体情報は、飛行体10の管理者を示す管理者識別情報と、飛行体10の飛行位置に関する情報を含む。また、通信部110は、通信端末100においてユーザが入力した情報等を管理装置200に送信する。
【0036】
通信部110は、飛行体情報を、飛行体10から直接受信する。例えば、通信部110は、近距離無線通信技術であるBLE(Bluetooth Low Energy)を利用して、飛行体10から飛行体情報を直接受信する。ただし、これに限定されず、通信部110は、移動体通信網を介して飛行体10から飛行体情報を受信してもよい。また、通信部110は、通信端末100の近くに位置する飛行体10からは飛行体情報を直接受信し、離れて位置する飛行体10からは移動体通信網を介して飛行体情報を受信してもよい。すなわち、通信部110が飛行体10毎に適した通信方式に切り替えて飛行体情報を受信する。
【0037】
表示部120は、各種情報を通信端末100の管理者等に視覚的に通知するためのインタフェースである。例えば、表示部120は、飛行体情報を受信した飛行体10の飛行位置を表示する。これにより、通信端末100のユーザは、自身の飛行体10と周辺の飛行体10の位置を容易に把握できる。
【0038】
入力部130は、通信端末100のユーザが入力操作等を行うためのデバイスである。例えば、ユーザは、入力部130を介して、表示部120に表示された飛行体10の中から一の飛行体の選択操作を行う。また、ユーザは、表示部120に表示された入力画面においてメッセージ等の入力操作を行う。
【0039】
記憶部140は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部140は、制御部150が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部140は、通信部110が受信した飛行体情報を飛行体10毎に記憶する。
【0040】
制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部150は、記憶部140が記憶しているプログラムを実行することにより、飛行体情報取得部152、表示制御部153、選択受付部154及び通信制御部155として機能する。
【0041】
飛行体情報取得部152は、飛行体10から、飛行体10の管理者の管理者識別情報と飛行位置に関する情報とを含む飛行体情報を取得する。すなわち、飛行体情報取得部152は、通信部110が飛行体10から受信した飛行体情報を取得する。例えば、飛行体情報取得部152は、通信端末100のユーザが管理する飛行体10から所定距離の範囲内に位置する飛行体10から、当該飛行体10の飛行体情報を取得する。
【0042】
飛行体情報取得部152は、飛行体10のうち、自端末のユーザが管理する管理飛行体の飛行体情報を取得してもよい。ここでは、管理飛行体が
図1に示す飛行体10aであり、飛行体情報取得部152は、飛行体10aからも飛行体情報を取得する。
【0043】
飛行体情報中の管理者識別情報は、飛行体10の管理者を特定する識別情報である。例えば、飛行体情報取得部152は、
図1に示す飛行体10bの管理者Aを特定する識別情報(例えば、管理者ID)を取得する。管理者の識別情報は、例えば管理装置200等によって予め設定されている。
【0044】
飛行体情報中の飛行位置に関する情報は、飛行体10の飛行経路を示す経路情報を含んでもよい。すなわち、飛行体情報取得部152は、飛行体10が直前まで実際に飛行した経路を示す経路情報を取得する。例えば、飛行体情報取得部152は、飛行体10から所定間隔で受信する飛行体情報に含まれる飛行位置を繋げることで、飛行体10の飛行経路を取得する。
【0045】
また、飛行位置に関する情報は、飛行体10の飛行予定位置又は飛行予定経路を示す飛行予定情報を含んでもよい。すなわち、飛行体情報取得部152は、飛行体10が継続して飛行する際の予定経路の情報を取得する。飛行予定位置や飛行予定経路は、例えば、管理装置300が生成した飛行体10の飛行計画を受信することで特定される。
【0046】
表示制御部153は、表示部120の表示を制御する。本実施形態では、表示制御部153は、飛行体情報取得部152が取得した飛行体情報に基づいて、飛行体10の飛行位置を表示部120に表示させる。具体的には、表示制御部153は、飛行体情報に含まれる飛行位置に関する情報に基づいて、飛行体10の位置を表示部120の表示画面に表示させる。
【0047】
表示制御部153は、通信端末100のユーザが管理する管理飛行体(具体的には、
図1に示す飛行体10a)の飛行体情報に基づいて、管理飛行体の飛行位置を表示部120に表示させる。すなわち、表示制御部153は、飛行体情報取得部152が取得した管理飛行体の飛行体情報に基づいて、管理飛行体の飛行位置を表示部120に表示させる。
【0048】
表示制御部153は、管理飛行体と他の飛行体10の飛行位置を表示部120に同時に表示させてもよい。例えば、表示制御部153は、一の表示画面に、管理飛行体と周囲の飛行体10とを共に表示させる。これにより、通信端末100のユーザは、管理飛行体と他の飛行体10の全体の位置を把握できる。
【0049】
図3は、表示部120の表示例を説明するための模式図である。ここでは、地図上に、3つの飛行体10a、10b、10cを示すアイコンが表示されている。当該アイコンは、ユーザが選択可能な図形となっている。飛行体10aが、通信端末100のユーザが管理する飛行体であり、飛行体10b、10cが、他の管理者が管理する飛行体である。表示制御部153は、飛行体10a、10b、10cの飛行方向が分かるように矢印で向きを示している。表示制御部153は、飛行体10a、10b、10cを識別する識別記号AA1、BB1、CC1を表示させてもよい。さらに、表示制御部153は、識別記号AA1、BB1、CC1と共に、飛行体10a、10b、10cの高度及び飛行速度を表示させてもよい。通信端末100のユーザは、
図3に示す表示を見ることで、自身の飛行体10aと他の管理者が管理する飛行体10bが近づくおそれがあることを把握できる。
【0050】
表示制御部153は、飛行体情報取得部152が取得した経路情報が示す飛行経路を表示部120に表示させてもよい。例えば、表示制御部153は、
図3に示すように、飛行体10aの飛行経路R1(実線で示す経路)を表示させる。
図3では飛行体10aの飛行経路R1のみが示されているが、表示制御部153は、飛行体10b、10cの飛行経路を表示してもよい。
【0051】
また、表示制御部153は、飛行体情報取得部152が取得した飛行予定情報が示す飛行予定位置又は飛行予定経路を表示部120に表示させてもよい。例えば、表示制御部153は、
図3に示すように、飛行体10aの飛行予定経路R2(破線で示す経路)を表示させる。これにより、通信端末100のユーザは、自身の飛行体10aが飛行予定経路を飛行する際に他の飛行体に近づくか否かを推測できる。
【0052】
選択受付部154は、通信端末100のユーザの選択操作や入力操作を受け付ける。本実施形態では、選択受付部154は、ユーザが連絡を希望する管理者が管理する飛行体10(以下、対象飛行体と呼ぶ)の選択を受け付ける。選択受付部154は、表示部120に飛行位置が表示された一以上の飛行体10の中から対象飛行体の選択を受け付ける。例えば、ユーザは、自己の飛行体10に近づくおそれがある飛行体を、対象飛行体として選択する。
【0053】
選択受付部154は、管理飛行体と所定の飛行位置関係にある飛行体10の中から、対象飛行体の選択を受け付けてもよい。例えば、ユーザが、
図3に示す飛行体10b、10cのうちの、飛行体10aから所定距離内に位置する飛行体10bを選択すると、選択受付部154は、飛行体10bを対象飛行体として受け付ける。一方で、ユーザが、飛行体10aから所定距離外に位置する飛行体10cを選択すると、選択受付部154は、飛行体10cを対象飛行体としては受け付けない。これにより、衝突のおそれがない飛行体10cが選択されて場合に、飛行体10cの管理者にメッセージ等を送信することを抑制できる。
【0054】
表示制御部153は、選択された対象飛行体の管理者へのメッセージを入力させる入力画面を表示させる。例えば、表示制御部153は、飛行体10の飛行位置を示す画面に重畳するように、入力画面を表示させる。
【0055】
図4は、入力画面124を説明するための模式図である。ここでは、ユーザが飛行体10bを対象飛行体として選択したものとする。表示制御部153は、ユーザが飛行体10bを選択すると、飛行体10bの管理者にメッセージを入力する入力画面124を表示させる。入力画面124は、メッセージを入力する入力欄124aと、送信ボタン124bを含む。ユーザが、入力欄124aにメッセージを入力した後に、送信ボタン124bを押すと、メッセージが管理装置30に送信される。
【0056】
通信制御部155は、ユーザが対象飛行体の管理者と連絡すべく、管理装置200に当該管理者に関する情報等を送信する。本実施形態では、通信制御部155は、ユーザが選択した対象飛行体の管理者の管理者識別情報、及び管理者へのメッセージを、管理装置200に送信する。これにより、管理装置200は、受信した管理者識別情報に関連付けて予め記憶した管理者の連絡先(アドレス)を特定し、当該アドレスに基づき当該管理者にメッセージを転送することができる。また、管理装置200は、受信した管理者識別情報に含まれる管理者の連絡先(アドレス)を特定し、当該アドレスに基づき当該管理者にメッセージを転送することもできる。
【0057】
管理者識別情報は、管理者を特定する情報を含む。管理者識別情報は、例えば、管理者の氏名や連絡先を含む。管理者へのメッセージは、ユーザが管理者に向けて入力したメッセージである。例えば、通信制御部155は、管理者へのメッセージとして表示部120の入力画面124で入力されたメッセージを、管理装置200に送信する。具体的には、通信制御部155は、
図4に示す入力画面124でユーザが入力したメッセージを、管理装置200に送信する。
【0058】
通信制御部155は、自端末のユーザを識別するユーザ識別情報を含む発信元情報を、管理者識別情報と共に送信してもよい。例えば、通信制御部155は、通信端末100のユーザを識別するユーザ識別情報を含む発信元情報を送信する。発信元情報は、例えば、ユーザの氏名や連絡先の情報を含む。
【0059】
上記では、通信制御部155は、管理者識別情報と管理者へのメッセージとを管理装置200に送信することとしたが、これに限定されない。例えば、通信制御部155は、管理者識別情報とともに、管理者とのチャット開始要求を管理装置200に送信してもよい。チャット開始要求を受信した管理装置200は、受信した管理者識別情報により特定される管理者と発信元識別情報により特定される発信元ユーザの間でチャットを行うためのチャットルームIDを管理者識別情報と発信元識別情報とに関連付けて発行し、ルームIDを管理者の端末(管理者端末と呼ぶ)と発信元ユーザの端末(発信元端末と呼ぶ)に送信する。管理装置200は、管理者端末または発信元端末から当該ルームIDとともにメッセージを受信することで、ルームIDに関連付けられた他方の管理者またはユーザの端末にメッセージを送信することができる。
なお、通信端末100において前述のチャットルームのルームIDを管理者識別情報と発信元識別情報とに関連付けて生成してもよく、この場合には、通信制御部155は、管理者へ送信を要求するメッセージと共にルームID及び管理者識別情報を管理装置200に送信する。管理装置200は、メッセージとルームIDを、管理者識別情報に基づき管理者端末に送信する。
【0060】
(変形例)
上記では、通信端末100のユーザが、自己の飛行体10に近づく他の飛行体10の管理者に連絡をとるケースについて説明した。以下では、通信端末100の所有者が飛行体10の飛行を監視する監視者であり、所定エリアを飛行する飛行体10の管理者に連絡をとる変形例について説明する。
【0061】
図5は、変形例を説明するための模式図であり、監視者が利用する通信端末100の表示画面を示す。表示制御部153は、飛行体10a、10b、10cの飛行位置と、所定のエリアを示す情報を表示部120に表示させる。表示制御部153は、所定のエリアを示す情報として、例えば、飛行禁止エリアYを一点鎖線で囲んで表示する。ここでは、飛行体10cが飛行禁止エリアYを飛行しており、飛行禁止エリアYに関する情報(当該エリアの位置情報)は、予め通信端末100が取得しているものとする。
【0062】
選択受付部154は、表示部120に表示された飛行体10a、10b、10cのうち所定のエリアに位置する飛行体の中から、対象飛行体の選択を受け付ける。例えば、監視者が飛行禁止エリアYに位置する飛行体10cを選択すると、選択受付部154は、飛行禁止エリアYに位置する飛行体10cを対象飛行体として受け付ける。一方で、選択受付部154は、飛行禁止エリアY外に位置する飛行体10a、10bを監視者が選択しても、飛行体10a、10bを対象飛行体としては受け付けない。
【0063】
通信制御部155は、選択受付部154が受け付けた対象飛行体である飛行体10cの管理者の管理者識別情報と、当該管理者へのメッセージとを、管理装置200に送信する。なお、通信制御部155は、メッセージの代わりに管理者とのチャット開始要求を、管理装置200に送信してもよい。これにより、
図5に示す飛行体10cの管理者と連絡をとり、飛行体10cが飛行禁止エリアを飛行することを回避できる。
【0064】
<管理装置の構成>
管理装置200の構成について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、管理装置200の構成を説明するためのブロック図である。管理装置200は、
図6に示すように、通信部210、記憶部240及び制御部250を有する。
【0065】
通信部210は、飛行体10や通信端末100との間で情報を送受信する。例えば、通信部210は、通信端末100が送信した対象飛行体の管理者の管理者識別情報や当該管理者へのメッセージ等を受信する。また、通信部210は、対象飛行体の管理者が使用する端末に情報を送信可能である。
【0066】
記憶部240は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部240は、制御部250が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部240は、飛行体10の管理者の識別情報と、当該管理者の使用する端末情報とを対応づけた管理者情報を記憶する。
【0067】
制御部250は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部250は、記憶部240が記憶しているプログラムを実行することにより、情報取得部252、端末特定部253及び管理側通信制御部254として機能する。
【0068】
情報取得部252は、通信部210が通信端末100から受信した情報を取得する。例えば、情報取得部252は、通信端末100から送信された、対象飛行体の管理者の管理者識別情報と、当該管理者へのメッセージを取得する。また、情報取得部252は、通信端末100の発信元情報を取得する。
【0069】
情報取得部252は、管理者へのメッセージの代わりに、管理者とのチャット開始要求とを取得してもよい。この場合、情報取得部252は、通信端末100のユーザと対象飛行体の管理者が参加できるチャットルームのルームIDを生成する。なお、通信端末100においてルームIDが既に生成された場合には、情報取得部252がルームIDを生成する必要がない。
【0070】
端末特定部253は、通信端末100から受信した管理者識別情報に基づいて、管理者の端末を特定する。例えば、端末特定部253は、受信した管理者識別情報と、記憶部240に記憶された管理者情報とを参照して、管理者の端末を特定する。
【0071】
管理側通信制御部254は、特定した端末に、通信端末100から受信したメッセージを送信する。例えば、管理側通信制御部254は、
図4の入力画面124に入力されたメッセージを、飛行体10bの管理者の端末に通信部210を介して送信する。管理側通信制御部254は、メッセージの代わりに、通信端末のユーザとチャットを行うためのチャットルームの識別情報(例えばルームID)を送信してもよい。
【0072】
<通信端末が行う処理例>
図7は、対象飛行体の管理者への連絡のために通信端末100が行う処理の一例を説明するためのフローチャートである。本処理は、通信端末100のユーザが管理する飛行体10が飛行を行っているところから開始される。
【0073】
まず、飛行体情報取得部152は、飛行体10の管理者の管理者識別情報及び飛行位置に関する位置情報を含む飛行体情報を、飛行体10から取得する(ステップS102)。例えば、飛行体情報取得部152は、ユーザが管理する飛行体10から所定距離内を飛行する飛行体10から飛行体情報を取得する。
【0074】
次に、表示制御部153は、取得した飛行体情報に基づいて、飛行体10の飛行位置を表示部120に表示させる(ステップS104)。例えば、表示制御部153は、ユーザが管理する飛行体10と周囲の飛行体10を、表示部120に表示させる。これにより、ユーザは、表示部120を見て、自己の飛行体10と他の飛行体10の位置関係を把握できる。
【0075】
ユーザが、表示部120に表示された飛行体10の中から一の飛行体10を選択すると(ステップS106:Yes)、表示制御部153は、メッセージの入力画面124を表示させる(ステップS108)。
【0076】
ユーザが入力画面124にメッセージを入力すると(ステップS110:Yes)、通信制御部155は、対象飛行体の管理者の管理者識別情報と、入力されたメッセージとを、管理装置200に送信する(ステップS112)。管理者識別情報及びメッセージを受信した管理装置200は、例えば、対象飛行体の管理者の端末等にメッセージを転送する。
【0077】
<本実施形態における効果>
上述した本実施形態の通信端末100は、表示部120に飛行位置が表示された飛行体10の中から対象飛行体が選択されると、対象飛行体の管理者の管理者識別情報、及び管理者へのメッセージ又は管理者とのチャット開始要求を、管理装置200に送信する。
これにより、管理装置200が、対象飛行体の管理者にメッセージを転送したり、通信端末100のユーザと管理者にチャットを行わせたりすることで、通信端末100のユーザが対象飛行体の管理者と容易に連絡できる。
【0078】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0080】
10 飛行体
100 通信端末
120 表示部
124 入力画面
152 飛行体情報取得部
153 表示制御部
154 選択受付部
155 通信制御部
200 管理装置
253 端末特定部
254 管理側通信制御部