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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】コネクタ及びその導通検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20241210BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H01R13/42 F
H01R43/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022179764
(22)【出願日】2022-11-09
(65)【公開番号】P2024069012
(43)【公開日】2024-05-21
【審査請求日】2024-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】榛地 陽
(72)【発明者】
【氏名】松永 貴士
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-055765(JP,U)
【文献】特開平09-274982(JP,A)
【文献】実開平03-084563(JP,U)
【文献】特開平09-105764(JP,A)
【文献】特開2007-103177(JP,A)
【文献】特開2016-103375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/53
H01R43/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子収容室が設けられたブロック部を有する共に、前記ブロック部に隣接して、端子半挿入検知用のフロントホルダを前方から挿入するためのフロントホルダ挿入スペースを有するコネクタハウジングを備え、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されている状態でも前記フロントホルダが装着されていない状態でも使用可能な、コネクタであって、
前記コネクタハウジングの周壁には、前端から後方に向けて導通検査装置に対する誤嵌合検知用の溝が形成されており、
前記誤嵌合検知用の溝は、前記フロントホルダ挿入スペースに前記フロントホルダが挿入された際に前記フロントホルダに設けられた突起が嵌まるように構成され、
前記誤嵌合検知用の溝は、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタの導通検査を行う導通検査装置の嵌合口に前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングを嵌合した際には、前記合口に設けられた凸部を受け入れることで前記コネクタハウジングの嵌合を可能とし、且つ、前記嵌合口に前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングを嵌合した際には、前記溝を塞ぐ前記フロントホルダの前記突起と干渉することで前記コネクタハウジングの嵌合を不可とする、ように構成された、
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されていないコネクタの導通検査を行う導通検査装置であって、
検査時に前記コネクタハウジングの嵌合する嵌合口に凸部が設けられており、
前記凸部は、前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングが前記嵌合口に嵌合されるときに前記誤嵌合検知用の溝に受け入れられることで前記コネクタハウジングの嵌合を可能とし、且つ、前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングが嵌合されたときに前記溝を塞ぐ前記フロントホルダの前記突起と干渉することで前記コネクタハウジングの嵌合を不可とする、
導通検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されているコネクタの導通検査を行う導通検査装置であって、
検査時に前記コネクタハウジングの嵌合する嵌合口の奥壁にフロントホルダ検知部が設けられており、
前記フロントホルダ検知部は、前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングが前記嵌合口に嵌合されたときに前記フロントホルダが有ることを検知し、且つ、前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングが嵌合されたときに前記フロントホルダが無いことを検知する、
導通検査装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコネクタと、請求項2に記載の導通検査装置と、請求項3に記載の導通検査装置と、を備えた、コネクタの導通検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びその導通検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等のワイヤハーネスに使用されるコネクタは、主にコネクタハウジングと端子とからなる。これらのコネクタには、防水のためのパッキンを備えたものや、フロントホルダを備えたものなどがある。フロントホルダは、コネクタハウジングに端子を組み込んだ後で、コネクタハウジングに前方から挿入されることにより、端子の半挿入を検知したり、その上で更に端子に対する係止力を強めたりする部品である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
フロントホルダは、一般的に、仮係止位置から本係止位置まで挿入されるようになっている。そして、端子が半挿入状態であった場合は、フロントホルダが仮係止位置から本係止位置まで挿入できなくなることで、端子が半挿入であることを検知する。
【0004】
ところで、部品コストを低減するために、フロントホルダを装着できるコネクタハウジングには、フロントホルダを装着しない状態でもコネクタとして使用できるものがある。このように、フロントホルダを装着するタイプとフロントホルダを装着しないタイプの両コネクタでコネクタハウジングを共通化する場合は、コネクタハウジングを製作する際の金型コストを大幅に減らすことができる。しかも、相手側のコネクタについても共通化が可能になるメリットがある。その場合、フロントホルダを廃止したコネクタの端子半挿入の検知は、ワイヤハーネスの製品化の段階での導通検査装置(導通チェック機)に端子半挿入検知部を設けることで補っている。
【0005】
また、導通検査装置としては、例えば、フロントホルダ有りコネクタの専用の導通検査装置と、フロントホルダ無しコネクタの専用の導通検査装置とがあり、フロントホルダが有るタイプと無いタイプのそれぞれのコネクタに専用の導通検査装置を用いて導通検査を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2022-23658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ワイヤハーネスの製品化の段階において、フロントホルダ無しコネクタ専用の導通検査装置に、フロントホルダ無しコネクタを組み付けるべきところを、誤って、フロントホルダ有りコネクタを装着してしまう可能性がある。そうした場合、導通検査装置の端子半挿入検知部がフロントホルダに干渉することでフロントホルダを破損させてしまい、コネクタの交換が必要になるおそれがある。また、反対に、フロントホルダ有りコネクタ専用の導通検査装置に、フロントホルダ有りコネクタを組み付けるべきところを、誤って、フロントホルダ無しコネクタを装着してしまう可能性もある。そうした場合、フロントホルダが無いことによって、正しく導通検査を行えない可能性がある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤ったタイプを導通検査装置に装着できないようにしたコネクタと、そのコネクタの導通検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタ及び導通検査装置は、下記を特徴としている。
【0010】
端子収容室が設けられたブロック部を有する共に、前記ブロック部に隣接して、端子半挿入検知用のフロントホルダを前方から挿入するためのフロントホルダ挿入スペースを有するコネクタハウジングを備え、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されている状態でも前記フロントホルダが装着されていない状態でも使用可能な、コネクタであって、
前記コネクタハウジングの周壁には、前端から後方に向けて導通検査装置に対する誤嵌合検知用の溝が形成されており、
前記誤嵌合検知用の溝は、前記フロントホルダ挿入スペースに前記フロントホルダが挿入された際に前記フロントホルダに設けられた突起が嵌まるように構成され、
前記誤嵌合検知用の溝は、前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタの導通検査を行う導通検査装置の嵌合口に前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングを嵌合した際には、前記合口に設けられた凸部を受け入れることで前記コネクタハウジングの嵌合を可能とし、且つ、前記嵌合口に前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングを嵌合した際には、前記溝を塞ぐ前記フロントホルダの前記突起と干渉することで前記コネクタハウジングの嵌合を不可とする、ように構成された、
コネクタ。
【0011】
上記前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されていないコネクタの導通検査を行う導通検査装置であって、
検査時に前記コネクタハウジングの嵌合する嵌合口に凸部が設けられており、
前記凸部は、前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングが前記嵌合口に嵌合されるときに前記誤嵌合検知用の溝に受け入れられることで前記コネクタハウジングの嵌合を可能とし、且つ、前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングが嵌合されたときに前記溝を塞ぐ前記フロントホルダの前記突起と干渉することで前記コネクタハウジングの嵌合を不可とする、
導通検査装置。
【0012】
上記前記コネクタハウジングに前記フロントホルダが装着されているコネクタの導通検査を行う導通検査装置であって、
検査時に前記コネクタハウジングの嵌合する嵌合口の奥壁にフロントホルダ検知部が設けられており、
前記フロントホルダ検知部は、前記フロントホルダが装着されている前記コネクタハウジングが前記嵌合口に嵌合されたときに前記フロントホルダが有ることを検知し、且つ、前記フロントホルダが装着されていない前記コネクタハウジングが嵌合されたときに前記フロントホルダが無いことを検知する、
導通検査装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、誤ったタイプのコネクタを導通検査装置に装着できないようにすることができるので、未然に導通検査装置に対する誤嵌合のトラブルを回避できる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態のコネクタで、フロントホルダを使用しないタイプのコネクタの斜め前方上側から見た斜視図である。
図2図2は、図1のコネクタの斜め前方下側から見た斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態のコネクタで、フロントホルダを使用するタイプのコネクタのフロントホルダ仮係止状態での斜め前方上側から見た斜視図である。
図4図4は、図3のコネクタの斜め前方下側から見た斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態のコネクタで、フロントホルダを使用するタイプのコネクタのフロントホルダ本係止状態での斜め前方上側から見た斜視図である。
図6図6は、図5のコネクタの斜め前方下側から見た斜視図である。
図7図7は、フロントホルダ無しタイプのコネクタ専用の導通検査装置と、それに対するフロントホルダ(F/H)無しタイプのコネクタ及びフロントホルダ(F/H)有りタイプのコネクタの適合可否の区別を示す図である。
図8図8は、フロントホルダ有りタイプのコネクタ専用の導通検査装置と、それに対するフロントホルダ(F/H)有りタイプのコネクタ及びフロントホルダ(F/H)無しタイプのコネクタの適合可否の区別を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0017】
図1図6は、本発明の実施形態のコネクタを示す図であり、図1及び図2は、フロントホルダを使用しないタイプのコネクタの構成を示す図、図3図6は、フロントホルダを使用したタイプのコネクタの構成を示す図である。なお、図3及び図4は、フロントホルダが仮係止位置にあるときの状態を示し、図5及び図6は、フロントホルダが仮係止位置から本係止位置に挿入された状態を示している。
【0018】
これらの2つのタイプのコネクタ10、20は、フロントホルダ30が有るか無いかの違いがあるだけで、他は同様の構成のものである。図1図6に示すように、フロントホルダ無しのコネクタ10及びフロントホルダ有りのコネクタ20は、両タイプで共通化されたコネクタハウジング11を有している。
【0019】
コネクタハウジング11は、端子収容室12(端子収容室の前端の相手オス端子の挿入孔で代用)が設けられたブロック部13を有する共に、該ブロック部13に隣接して、端子半挿入検知用のフロントホルダ30を前方から挿入するためのフロントホルダ挿入スペース14を有している。このコネクタハウジング11の底面周壁には、図1及び図2に示すように、前端から後方に向けて導通検査装置に対する誤嵌合検知用の溝16が形成されている。
【0020】
この誤嵌合検知用の溝16は、図3図6に示すように、フロントホルダ挿入スペース14にフロントホルダ30が挿入された際に、フロントホルダ30に設けられた突起36が嵌まることで塞がれるものとして設けられている。
【0021】
図7は、フロントホルダ無しタイプのコネクタ10専用の導通検査装置40と、それに対するフロントホルダ無しタイプのコネクタ10及びフロントホルダ有りタイプのコネクタ20の適合可否の区別を示す図、図8は、フロントホルダ有りタイプのコネクタ20専用の導通検査装置50と、それに対するフロントホルダ有りタイプのコネクタ20及びフロントホルダ無しタイプのコネクタ10の適合可否の区別を示す図である。
【0022】
コネクタハウジング11に形成された誤嵌合検知用の溝16は、図7に示すように、フロントホルダ無しコネクタ10専用の導通検査装置の嵌合口41に当該コネクタハウジング11を嵌合した際に導通検査装置40の嵌合口41に設けられた凸部46を受け入れるものとして設けられている。
【0023】
フロントホルダ有りのコネクタ20を組み立てる場合は、まず、フロントホルダ30を、コネクタハウジング11のフロントホルダ挿入スペース14の仮係止位置まで挿入して仮係止する(図3及び図4の状態)。次にその状態で、コネクタハウジング11の各端子収容室に後方から端子を挿入する。適正位置まで挿入された端子は、各端子収容室に設けられたランスで抜け止め係止される。次に、フロントホルダ30を本係止位置まで更に挿入する。フロントホルダ30を本係止位置まで挿入できないときには、端子の半挿入があると検知する。端子の半挿入がなければ、フロントホルダ30は本係止位置まで挿入されて本係止され、それにより、ランスの撓みを拘束するなどして端子に対する係止力を強める働きをする。
【0024】
フロントホルダ無しのコネクタ10を組み立てる場合は、フロントホルダ30を挿入しない状態で、コネクタハウジング11の各端子収容室12に後方から端子を挿入して、各端子をランスで係止することにより組み立てを完了する。
【0025】
次に専用の導通検査装置40、50について簡単に説明する。
図7に示す導通検査装置40は、コネクタハウジング11にフロントホルダ30が装着されていない場合のフロントホルダ無しコネクタ10専用の導通検査装置である。この導通検査装置40では、検査時にコネクタハウジング11の嵌合する嵌合口41の内底面に凸部46が設けられている。
【0026】
この凸部46は、フロントホルダ無しのコネクタ10が嵌合口41に嵌合されるときに、開放された誤嵌合検知用の溝16に受け入れられる。それにより、コネクタ10の嵌合がそのまま可能となり、コネクタ10の導通検査が行われる。また、誤ってフロントホルダ有りのコネクタ20が嵌合されたときには、誤嵌合検知用の溝16を塞ぐフロントホルダ30の突起36と導通検査装置40の凸部46とが干渉することになり、コネクタ20の嵌合が不可(導通検査装置40にコネクタ20が取り付かない)となって、そのことにより誤嵌合であると診断されて、それ以上の導通検査が行われなくなる。
【0027】
また、図8に示す導通検査装置50は、コネクタハウジング11にフロントホルダ30が装着されている場合のフロントホルダ有りコネクタ20専用の導通検査装置である、この導通検査装置50では、検査時にコネクタハウジング11の嵌合する嵌合口51の奥壁にフロントホルダ検知部52が設けられている。
【0028】
このフロントホルダ検知部52は、フロントホルダ有りのコネクタ20が嵌合口51に嵌合されたときにフロントホルダ30が有ることを検知する。また、誤ってフロントホルダ無しのコネクタ10が嵌合されたときに、フロントホルダ30が無いことを検知する。これにより、部品欠品異常と診断され導通検知が中止される。
【0029】
このように導通検査装置40、50に対するフロントホルダ無しコネクタ10とフロントホルダ有りコネクタ20の誤嵌合を防止できるので、コネクタハウジング11の共通化が可能になり、金型コスト低減に寄与することができる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0031】
ここで、上述した本発明の実施形態に係るコネクタ及び導通検査装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 端子収容室(12)が設けられたブロック部(13)を有する共に、前記ブロック部(13)に隣接して、端子半挿入検知用のフロントホルダ(30)を前方から挿入するためのフロントホルダ挿入スペース(14)を有するコネクタハウジング(11)を備え、
前記コネクタハウジング(11)の周壁には、前端から後方に向けて導通検査装置(40、50)に対する誤嵌合検知用の溝(16)が形成されており、
前記誤嵌合検知用の溝(16)は、前記フロントホルダ挿入スペース(14)にフロントホルダ(30)が挿入された際に前記フロントホルダ(30)に設けられた突起(36)が嵌まると共に、前記フロントホルダを有さないコネクタ(10)の導通検査装置(40)の嵌合口(41)に当該コネクタハウジング(11)を嵌合した際に前記導通検査装置(40)の嵌合口(41)に設けられた凸部(46)を受け入れる、
コネクタ(10、20)。
【0032】
上記[1]の構成のコネクタによれば、フロントホルダの装着の有無に応じてそれぞれ導通検査装置が用意されている場合に、フロントホルダが装着されているコネクタをフロントホルダが装着されていないコネクタ用の導通検査装置に嵌合させようとしたり、逆にフロントホルダが装着されていないコネクタをフロントホルダが装着されているコネクタ用の導通検査装置に嵌合させようとしても、導通検査装置にコネクタが嵌合しないようにすることができるので、未然に導通検査装置に対する誤嵌合のトラブルを回避できる。
【0033】
[2] 上記[1]に記載のコネクタハウジング(11)にフロントホルダ(30)が装着されていないコネクタ(10)の導通検査を行う導通検査装置(40)であって、
検査時に前記コネクタハウジング(11)の嵌合する嵌合口(41)に凸部(46)が設けられており、
前記凸部(46)は、前記フロントホルダを有さないコネクタハウジング(11)が前記嵌合口(41)に嵌合されるときに前記誤嵌合検知用の溝(16)に受け入れられることで前記コネクタハウジング(11)の嵌合を可能とし、且つ、前記フロントホルダ(30)を有するコネクタハウジング(11)が嵌合されたときに前記溝(16)を塞ぐフロントホルダ(30)の突起(36)と干渉することで前記コネクタハウジング(11)の嵌合を不可とする、
導通検査装置(40)。
【0034】
上記[2]の構成の導通検査装置によれば、フロントホルダが装着されていないコネクタを導通検査の対象としているにもかかわらず、フロントホルダが装着されているコネクタが嵌合されようとしても、当該コネクタが嵌合されることを防止できるので、未然に導通検査装置に対する誤嵌合のトラブルを回避できる。
【0035】
[3] 上記[1]に記載のコネクタハウジング(11)にフロントホルダ(30)が装着されているコネクタ(20)の導通検査を行う導通検査装置(50)であって、
検査時に前記コネクタハウジング(11)の嵌合する嵌合口(51)の奥壁にフロントホルダ検知部(52)が設けられており、
前記フロントホルダ検知部(52)は、前記フロントホルダ(30)を有するコネクタハウジング(11)が前記嵌合口(51)に嵌合されたときに前記フロントホルダ(30)が有ることを検知し、且つ、前記フロントホルダ(30)を有さないコネクタハウジング(11)が嵌合されたときに前記フロントホルダ(30)が無いことを検知する、
導通検査装置(50)。
【0036】
上記[3]の構成の導通検査装置によれば、フロントホルダが装着されているコネクタを導通検査の対象としているにもかかわらず、フロントホルダが装着されていないコネクタが嵌合されようとしても、フロントホルダが装着されていないことを検知できるので、未然に導通検査装置に対する誤嵌合のトラブルを回避できる。
【符号の説明】
【0037】
10 フロントホルダ無しコネクタ
11 コネクタハウジング
12 端子収容室
13 ブロック部
14 フロントホルダ挿入スペース
16 誤嵌合検知用の溝
20 フロントホルダ有りコネクタ
30 フロントホルダ
36 突起
40 フロントホルダ無しコネクタ専用の導通検査装置
41 嵌合口
46 凸部
50 フロントホルダ有りコネクタ専用の導通検査装置
51 嵌合口
52 フロントホルダ検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8