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特許7601884血液ポンプのための磁束強化部を有する磁気駆動装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】血液ポンプのための磁束強化部を有する磁気駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/10 20060101AFI20241210BHJP
   F04D 13/02 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H02K7/10 A
F04D13/02 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022544324
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 US2020067375
(87)【国際公開番号】W WO2021150354
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】62/964,099
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シャウアー、トラビス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クロンステット、ジョセフ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイダル、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、メーガン
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-111535(JP,A)
【文献】特開平04-224760(JP,A)
【文献】米国特許第05611679(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/10
F04D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液ポンプの磁気駆動システムであって、該磁気駆動システムは、
インペラと、
駆動シャフトと、
従動磁石アセンブリと、
磁気的に結合され、かつ磁気的に結合されることにより前記従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリと
を備え、前記従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含むとともに、前記駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含み、前記第1磁束強化部及び前記第2磁束強化部は、軟磁性材料からなり、
前記従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体からなり、前記駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体からなり、
前記第1円筒体は、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、前記第1セクションと前記第2セクションとの間に配置されるとともに前記近位端と前記遠位端との間に延びる第3セクションとを含む、磁気駆動システム。
【請求項2】
前記第1磁束強化部は、前記第1円筒体の前記遠位端に配置されるとともに前記第1円筒体の前記遠位端の少なくとも一部を覆う、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項3】
前記第1円筒体の前記第3セクションは、
第1端及び第2端を有し、前記第1端が前記第1円筒体の前記遠位端に配置されるとともに前記遠位端から前記第2端まで延びる第1部分と、
第1端及び第2端を有する第2部分であって、前記第2部分の前記第1端が前記第1部分の前記第2端に隣接して配置され、且つ、前記第2部分の前記第1端から前記第1円筒体の前記近位端まで延びる前記第2部分と
を備え、前記第1円筒体の前記第3セクションの前記第1部分は、前記第1磁束強化部を備える、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項4】
前記第1円筒体の前記第3セクションの前記第2部分は、前記第3セクションの前記第1部分の軸方向長さよりも2倍長い軸方向長さを有する、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項5】
前記第2円筒体は、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、前記第1セクションと前記第2セクションとの間に配置されるとともに前記近位端と前記遠位端との間に延びる第3セクションとを含む、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項6】
前記第2磁束強化部は、前記第2円筒体の前記近位端に配置されるとともに前記第2円筒体の前記近位端の少なくとも一部を覆う、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項7】
前記第2円筒体の前記第3セクションは、
第1端及び第2端を有し、前記第1端が前記第2円筒体の前記近位端に配置されるとともに前記近位端から前記第2端まで延びる第1部分と、
第1端及び第2端を有する第2部分であって、前記第2部分の前記第1端が前記第1部分の前記第2端に隣接して配置され、且つ、前記第2部分の前記第1端から前記第2円筒体の前記遠位端まで延びる第2部分と
を備え、前記第2円筒体の前記第3セクションの前記第1部分は、前記第2磁束強化部を備える、請求項に記載の磁気駆動システム。
【請求項8】
血液ポンプの磁気駆動システムであって、該磁気駆動システムは、
インペラと、
駆動シャフトと、
従動磁石アセンブリと、
磁気的に結合され、かつ磁気的に結合されることにより前記従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリと
を備え、
前記従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含むとともに、前記駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含み、前記第1磁束強化部及び前記第2磁束強化部は、軟磁性材料からなり、
前記従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体からなり、前記駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体からなり、
前記従動磁石アセンブリは、第3磁束強化部をさらに備え、前記駆動磁石アセンブリは、第4磁束強化部をさらに備え、前記第1磁束強化部及び前記第3磁束強化部は、前記第1円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材からなり、前記第2磁束強化部及び前記第4磁束強化部は、前記第2円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材からなる、磁気駆動システム。
【請求項9】
血液ポンプの磁気駆動システムであって、該磁気駆動システムは、
インペラと、
前記インペラに結合されるとともに前記インペラとともに回転するように構成された駆動シャフトと、
前記インペラから近位側に配置された第1軸受アセンブリと、
前記インペラから遠位側に配置された第2軸受アセンブリと、
前記駆動シャフト及び前記インペラの少なくともいずれか一方に結合された従動磁石アセンブリと、
前記従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリと、
を備え、前記従動磁石アセンブリ及び前記駆動磁石アセンブリの少なくともいずれか一方は、磁束強化部を含み、前記従動磁石アセンブリ及び前記駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、2つ以上の極対を備え
前記従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体からなり、前記駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体からなり、
前記第1円筒体は、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、前記第1セクションと前記第2セクションとの間に配置されるとともに前記近位端と前記遠位端との間に延びる第3セクションとを含む、磁気駆動システム。
【請求項10】
磁気駆動システムを有する血液ポンプであって、前記磁気駆動システムは、
インペラと、
駆動シャフトと、
従動磁石アセンブリと、
モータに結合されるとともに前記従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリと
を備え、前記従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含むとともに、前記駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含み、前記第1磁束強化部及び前記第2磁束強化部は、軟磁性材料からなり、前記従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体からなり、前記第1円筒体は、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、前記近位端と前記遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、前記第1セクションと前記第2セクションとの間に配置されるとともに前記近位端と前記遠位端との間に延びる第3セクションとを含み、前記駆動磁石アセンブリは、前記近位端と前記遠位端とを有する第1円筒体からなる、血液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経皮的循環補助装置に関する。より具体的には、本開示は、経皮的循環補助装置で使用される磁気駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液ポンプ等の経皮的循環補助装置は、通常、モータを使用してインペラアセンブリを駆動し、装置を通る流れを提供する。装置の動作を容易にするために、こうしたモータ及びアセンブリとともに磁石アセンブリも使用される場合がある。
【発明の概要】
【0003】
例1では、血液ポンプの磁気駆動システムにおいて、磁気駆動システムは、インペラと、駆動シャフトと、従動磁石アセンブリと、従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリとを含み、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、磁束強化部を含む。
【0004】
例2では、例1の磁気駆動システムにおいて、磁束強化部は、軟磁性材料を含む。
例3では、例2の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含み、及び駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含む。
【0005】
例4では、例3の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体を含み、及び駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体を含む。
【0006】
例5では、例4の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体は、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間に配置されるとともに近位端と遠位端との間に延びる第3セクションとを含む。
【0007】
例6では、例4又は5のいずれかの磁気駆動システムにおいて、第1磁束強化部は、第1円筒体の遠位端に配置されるとともに第1円筒体の遠位端の少なくとも一部を覆う。
例7では、例5の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体の第3セクションは、第1端及び第2端を有し、第1端が第1円筒体の遠位端に配置されるとともに遠位端から第2端まで延びる第1部分と、第1端及び第2端を有し、第1端が第1部分の第2端に隣接して配置されるとともに第1端から第1円筒体の近位端まで延びる第2部分とを含み、第1円筒体の第3セクションの第1部分は、第1磁束強化部を含む。
【0008】
例8では、例7の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体の第3セクションの第2部分は、第3セクションの第1部分の軸方向長さよりもおよそ2倍長い軸方向長さを有する。
例9では、例4~8のいずれかの磁気駆動システムにおいて、第2円筒体は、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間に配置されるとともに近位端と遠位端との間に延びる第3セクションとを含む。
【0009】
例10では、例4又は9のいずれかの磁気駆動システムにおいて、第2磁束強化部は、第2円筒体の近位端に配置されるとともに第2円筒体の近位端の少なくとも一部を覆う。
例11では、例9の磁気駆動システムにおいて、第2円筒体の第3セクションは、第1端及び第2端を有し、第1端が第2円筒体の近位端に配置されるとともに近位端から第2端まで延びる第1部分と、第1端及び第2端を有し、第1端が第1部分の第2端に隣接して配置されるとともに第1端から第2円筒体の遠位端まで延びる第2部分とを含み、第2円筒体の第3セクションの第1部分は、第2磁束強化部を含む。
【0010】
例12では、例4の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、第3磁束強化部をさらに含むとともに、駆動磁石アセンブリは、第4磁束強化部をさらに含み、第1磁束強化部及び第3磁束強化部は、第1円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材を含み、第2磁束強化部及び第4磁束強化部は、第2円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材を含む。
【0011】
例13では、例1~12のいずれかの磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、2つ以上の極対を含む。
例14では、磁気駆動システムを有する血液ポンプにおいて、磁気駆動システムは、インペラと、駆動シャフトと、従動磁石アセンブリと、モータに結合され、且つ従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリとを含み、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、磁束強化部を含む。
【0012】
例15では、例14の磁気駆動システムにおいて、磁束強化部は、軟磁性材料を含む。
例16では、血液ポンプの磁気駆動システムにおいて、磁気駆動システムは、インペラと、インペラに結合され、且つインペラとともに回転するように構成された駆動シャフトと、駆動シャフト及びインペラの少なくとも一方に結合された従動磁石アセンブリと、従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリとを含み、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、磁束強化部を含む。
【0013】
例17では、例16の磁気駆動システムにおいて、磁束強化部は、軟磁性材料を含む。
例18では、例17の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含み、及び駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含む。
【0014】
例19では、例18の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体を含み、及び駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体を含む。
【0015】
例20では、例19の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体は、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間に配置されるとともに近位端と遠位端との間に延びる第3セクションとを含む。
【0016】
例21では、例19の磁気駆動システムにおいて、第1磁束強化部は、第1円筒体の遠位端に配置されるとともに第1円筒体の遠位端の少なくとも一部を覆う。
例22では、例20の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体の第3セクションは、第1端及び第2端を有する第1部分であって、第1端は、第1円筒体の遠位端に配置され、第1部分は、遠位端から第2端まで延びる、第1部分と、第1端及び第2端を有する第2部分であって、第1端は、第1部分の第2端に隣接して配置され、第2部分は、第1端から第1円筒体の近位端まで延びる、第2部分とを含み、第1円筒体の第3セクションの第1部分は、第1磁束強化部を含む。
【0017】
例23では、例22の磁気駆動システムにおいて、第1円筒体の第3セクションの第2部分は、第3セクションの第1部分の軸方向長さよりもおよそ2倍長い軸方向長さを有する。
【0018】
例24では、例19の磁気駆動システムにおいて、第2円筒体は、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間に配置されるとともに近位端と遠位端との間に延びる第3セクションとを含む。
【0019】
例25では、例24の磁気駆動システムにおいて、第2磁束強化部は、第2円筒体の近位端に配置されるとともに第2円筒体の近位端の少なくとも一部を覆う。
例26では、例24の磁気駆動システムにおいて、第2円筒体の第3セクションは、第1端及び第2端を有する第1部分であって、第1端は、第2円筒体の近位端に配置され、第1部分は、近位端から第2端まで延びる、第1部分と、第1端及び第2端を有する第2部分であって、第1端は、第1部分の第2端に隣接して配置され、第2部分は、第1端から第2円筒体の遠位端まで延びる、第2部分とを含み、第2円筒体の前3セクションの第1部分は、第2磁束強化部を含む。
【0020】
例27では、例19の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリは、第3磁束強化部をさらに含み、及び駆動磁石アセンブリは、第4磁束強化部をさらに含み、第1磁束強化部及び第3磁束強化部は、第1円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材を含み、第2磁束強化部及び第4磁束強化部は、第2円筒体の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材を含む。
【0021】
例28では、例16の磁気駆動システムにおいて、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、2つ以上の極対を含む。
例29では、磁気駆動システムを有する血液ポンプにおいて、磁気駆動システムは、インペラと、インペラに結合され、且つインペラとともに回転するように構成された駆動シャフトと、駆動シャフト及びインペラの少なくとも一方に結合された従動磁石アセンブリと、モータに結合され、且つ従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリとを含み、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、磁束強化部を含む。
【0022】
例30では、例29の血液ポンプにおいて、磁束強化部は、軟磁性材料を含む。
例31では、例30の血液ポンプにおいて、従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含み、及び駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含む。
【0023】
例32では、例31の血液ポンプにおいて、従動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第1円筒体を含み、及び駆動磁石アセンブリは、近位端及び遠位端を有する第2円筒体を含む。
【0024】
例33では、例32の血液ポンプにおいて、第1円筒体は、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクションと、近位端と遠位端との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクションと、第1セクションと第2セクションとの間に配置されるとともに近位端と遠位端との間に延びる第3セクションとを含む。
【0025】
例34では、例32の血液ポンプにおいて、第1磁束強化部は、第1円筒体の遠位端に配置されるとともに第1円筒体の遠位端の少なくとも一部を覆う。
例35では、磁気駆動システムを有する血液ポンプにおいて、磁気駆動システムは、インペラと、インペラに結合され、且つインペラとともに回転するように構成された駆動シャフトと、駆動シャフト及びインペラの少なくとも一方に結合された従動磁石アセンブリと、モータに結合され、且つ従動磁石アセンブリを駆動するように構成された駆動磁石アセンブリとを含み、従動磁石アセンブリは、第1磁束強化部を含み、及び駆動磁石アセンブリは、第2磁束強化部を含み、第1及び第2磁束強化部は、それぞれ軟磁性材料を含み、従動磁石アセンブリ及び駆動磁石アセンブリの少なくとも一方は、2つ以上の極対を含む。
【0026】
複数の実施形態について開示するが、現時点で開示する主題のさらに他の実施形態は、開示する主題の例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。従って、図面及び詳細な説明は、限定的ではなく、本質的に例示的であるとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な経皮的機械的循環補助装置(本明細書では同義で「血液ポンプ」とも称する)の一部の側断面図。
図2A】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図。
図2B】本明細書に開示する主題の実施形態による、図2Aに示す磁気駆動システムの概略側面図。
図3A】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図。
図3B】本明細書に開示する主題の実施形態による、図3Aに示す磁気駆動システムの概略側面図。
図4A】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図。
図4B】本明細書に開示する主題の実施形態による、図4Aに示す磁気駆動システムの概略側面図。
図5A】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図。
図5B】本明細書に開示する主題の実施形態による、図5Aに示す磁気駆動システムの概略側面図。
図6A】本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図。
図6B】本明細書に開示する主題の実施形態による、図6Aに示す磁気駆動システムの概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
開示する主題は、様々な変更形態及び代替形態に適用可能であるが、図面には例として具体的な実施形態を示しており、そうした具体的な実施形態について以下で詳細に説明する。しかしながら、本発明は、本明細書に開示する主題を、記載する特定の実施形態に限定するものではない。逆に、本開示は、本明細書に開示する主題の範囲内にあるすべての変更形態、均等物及び代替形態を、添付の特許請求の範囲によって定義するように包含するように意図されている。
【0029】
本明細書に開示する主題の実施形態は、循環補助装置のための効率的な磁気駆動システムを促進することができる磁気結合設計を含む。実施形態によれば、磁気結合を強化するように磁場を集中させるために、磁束強化部が使用される。
【0030】
図1は、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な経皮的機械的循環補助装置100(本明細書では同義で「血液ポンプ」とも称する)の一部の側断面図を示す。図1に示すように、循環補助装置100は、モータハウジング104内に配置されたモータ102を含む。モータ102は、装置100を通る血液の流れを提供するようにインペラアセンブリ106を駆動するように構成される。インペラアセンブリ106は、インペラアセンブリハウジング108内に配置され、インペラアセンブリハウジング108内に複数の出口開口110が画定される。実施形態によれば、モータハウジング104及びインペラアセンブリハウジング108は、互いに一体化され得る。他の実施形態では、モータハウジング104及びインペラアセンブリハウジング108は、取外し可能に又は恒久的に互いに結合されるように構成された別個の構成要素であり得る。
【0031】
モータ102にコントローラ(図示せず)が動作可能に結合され、コントローラは、モータ102を制御するように構成される。コントローラは、実施形態では、モータハウジング104に配置され得るか、又は他の実施形態ではハウジング104の外側に(例えば、カテーテルハンドル、独立したハウジング等の中に)配置され得る。実施形態では、コントローラは、複数の構成要素を含むことができ、それらの1つ又は複数は、ハウジング104内に配置され得る。実施形態によれば、コントローラは、1つ若しくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、1つ若しくは複数のプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、1つ若しくは複数のコンプレックスPLD(Complex PLD)(CPLD)、1つ若しくは複数のカスタム特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、1つ若しくは複数の専用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、1つ若しくは複数の中央処理装置(CPU:central processing unit)、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれら及び/若しくは他の構成要素の任意の組合せであり得るか、それを含み得るか、又はそれに含まれ得る。本明細書では、コントローラは、単数形で言及するが、コントローラは、複数のインスタンスで実装し、複数のコンピューティング装置にわたって分散し、複数の仮想マシン内でインスタンス化することなどができる。
【0032】
図1に示すように、インペラアセンブリ106は、駆動シャフト112と、該駆動シャフト112に結合されたインペラ114とを含み、駆動シャフト112は、インペラ114とともに回転するように構成される。図示するように、駆動シャフト112は、少なくとも部分的にインペラ114内に配置される。実施形態では、駆動シャフト112は、例えば、鋼、チタン合金、コバルトクロム合金、ニチノール、高強度セラミック等、任意の数の異なる剛性材料から作製することができる。インペラアセンブリ106は、駆動シャフト112に結合され、且つ少なくとも部分的に駆動シャフト112を包囲する従動磁石アセンブリ116をさらに含む。実施形態では、従動磁石アセンブリ116は、駆動シャフト112及び/又はインペラ114に結合することができる。従動磁石アセンブリ116は、モータ102の一部である駆動磁石アセンブリ118によって駆動することができる任意のタイプの磁気ロータであり得る。このように、モータ102内の駆動磁石アセンブリ118によって従動磁石アセンブリ116に磁場が印加されると、従動磁石アセンブリ116が回転し、駆動シャフト112及びインペラ114を回転させる。実施形態では、モータ102、駆動シャフト112、インペラ114、従動磁石アセンブリ116及び駆動磁石アセンブリ118は、磁気駆動システムと称することができる。
【0033】
本明細書に記載するように、従動磁石アセンブリ116及び駆動磁石アセンブリ118の少なくとも一方は、磁束強化部を含む。実施形態では、従動磁石アセンブリ116及び/又は駆動磁石アセンブリ118は、2つ以上の磁束強化部を含むことができる。加えて、従動磁石アセンブリ116及び/又は駆動磁石アセンブリ118は、2つ以上の磁極対を含むことができる。磁束強化部は、例えば、鉄、鉄-ケイ素合金、ニッケル-鉄合金及びソフトフェライト等の軟磁性材料を含むことができる。
【0034】
図示するように、インペラアセンブリ106は、駆動シャフト112によってその向きが維持され、駆動シャフト112は、第1端120が第1軸受アセンブリ122によって保持され、第2端124が第2軸受アセンブリ126によって保持される。実施形態によれば、第1軸受アセンブリ122及び第2軸受アセンブリ126は、異なるタイプの軸受を含むことができる。実施形態によれば、第1軸受アセンブリ122及び/又は第2軸受アセンブリ126は、潤滑を含み得、他の実施形態では、一方及び/又は他方は、潤滑を含まなくてもよい。
【0035】
図1に示す例示的な循環補助装置100は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な循環補助装置100はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図1に示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0036】
図2Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システム200の上面概略図を示し、図2Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、図2Aに示す磁気駆動システム200の概略側面図を示す。実施形態によれば、磁気駆動システム200及び/又はその任意の数の様々な構成要素は、図1に示す循環補助装置100の対応する構成要素と同じであるか又は同様であり得る。
【0037】
図2A及び図2Bに示すように、磁気駆動システム200は、駆動磁石アセンブリ204によって駆動されるように構成された従動磁石アセンブリ202を含む。実施形態によれば、従動磁石アセンブリ202及び駆動磁石アセンブリ204の各々は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の極対を含むことができる。従動磁石アセンブリ202は、近位端208及び遠位端210を有する第1円筒体206を含む。同様に、駆動磁石アセンブリ204は、近位端214及び遠位端216を有する第2円筒体212を含む。
【0038】
第1円筒体206は、近位端208と遠位端210との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション218と、近位端208と遠位端210との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション220と、第1セクション218と第2セクション220との間に配置されるとともに近位端208と遠位端210との間に延びる第3セクション222とを含む。図示するように、第1セクション218は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション220は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。
【0039】
図2Bに示すように、第1円筒体206の第3セクション222は、第1端226及び第2端228を有する第1部分224を含み、第1端226は、第1円筒体206の遠位端210に配置される。第1部分224は、第1円筒体206の遠位端210から第2端228まで延びる。第1円筒体206の第3セクション222は、第1端232及び第2端234を有する第2部分230も含み、第1端232は、第1部分224の第2端228に隣接して配置される。第2部分230は、第1端232から第1円筒体206の近位端208まで延びる。
【0040】
実施形態では、第1円筒体206の第3セクション222の第1部分224は、第1磁束強化部であり得るか、又は第1磁束強化部を含み得る。例えば、第1部分224は、軟磁性材料の部分であり得る。第1円筒体206の第3セクション222の第1部分224のサイズ(例えば、体積、長さ及び/又は他の寸法)は、従動磁石アセンブリ202と駆動磁石アセンブリ204との磁気結合を最大化、最適化又は他の方法で促進するために、第1部分224を通る磁束を最大化するように設計することができる。例えば、実施形態では、第1円筒体206の第3セクション222の第2部分230は、第3セクション222の第1部分224の軸方向長さ238よりもおよそ2倍長い軸方向長さ236を有する。第3セクション222の第2部分230は、非磁性材料を含む。
【0041】
上述したような従動磁石アセンブリ202と同様に、駆動磁石アセンブリ204は、近位端214及び遠位端216を有する第2円筒体212を含む。第2円筒体212は、近位端214と遠位端216との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション240と、近位端214と遠位端216との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション242と、第1セクション240と第2セクション242との間に配置されるとともに近位端214と遠位端216との間に延びる第3セクション244とを含む。図示するように、第1セクション240は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション242は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。このように、駆動磁石アセンブリ204が回転し、各磁極が、従動磁石アセンブリ202のセクションに関連付けられた反対の磁極と整列する方向に移動する際、駆動磁石アセンブリ204は、従動磁石アセンブリ202の回転をもたらす。
【0042】
図2Bに示すように、第2円筒体212の第3セクション244は、第1端248及び第2端250を有する第1部分246を含み、第1端248は、第2円筒体212の近位端214に配置される。第1部分246は、第2円筒体212の近位端214から第2端250まで延びる。第2円筒体212の第3セクション244は、第1端254及び第2端256を有する第2部分252も含み、第1端254は、第1部分246の第2端250に隣接して配置される。第2部分252は、第1端254から第2円筒体212の遠位端216まで延びる。
【0043】
実施形態では、第2円筒体212の第3セクション244の第1部分246は、第2磁束強化部であり得るか、又は第2磁束強化部を含み得る。例えば、第1部分246は、軟磁性材料の部分であり得る。第2円筒体212の第3セクション244の第1部分246のサイズ(例えば、体積、長さ及び/又は他の寸法)は、従動磁石アセンブリ202と駆動磁石アセンブリ204との磁気結合を最大化、最適化又は他の方法で促進するために、第1部分246を通る磁束を最大化するように設計することができる。例えば、実施形態では、第2円筒体212の第3セクション244の第1部分246及び第2部分252は、第1円筒体206の対応する部分と同じ又は同様の長さ比を有することができる。第3セクション244の第2部分252は、非磁性材料を含む。
【0044】
実施形態によれば、上述したように、従動磁石アセンブリ202及び/又は駆動磁石アセンブリ204は、2つ以上の極対を含むことができる。すなわち、例えば、各円筒体は、複数のセクションを含むことができ、セクションの各対は、反対の磁極と、それらの間に配置された磁束強化部とを有する。従って、実施形態では、各セクションは、例えば、パイ片形状等、弓形と異なる形状である断面を有することができる。いくつかの実施形態では、各セクションは、円筒状であり得る。製造を容易にするために、実施形態では、磁石アセンブリの円筒体は、非磁性材料から作製することができ、その中に画定された、磁石が配置されるチャンバを含むことができる。磁束強化部(軟磁性材料の部分)は、磁石チャンバの隣接する対間に配置された他のチャンバに配置することができる。
【0045】
図2A及び図2Bに示す例示的な磁気駆動システム200は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な磁気駆動システム200はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図2A及び図2Bに示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0046】
実施形態では、磁束強化部は、円筒体の端部に配置することができる。図3Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システム300の上面概略図を示し、図3Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、図3Aに示す磁気駆動システムの概略側面図を示す。実施形態によれば、磁気駆動システム300及び/又はその任意の数の様々な構成要素は、図1に示す循環補助装置100の対応する構成要素と同じであるか又は同様であり得る。
【0047】
図3A及び図3Bに示すように、磁気駆動システム300は、駆動磁石アセンブリ304によって駆動されるように構成された従動磁石アセンブリ302を含む。実施形態によれば、従動磁石アセンブリ302及び駆動磁石アセンブリ304の各々は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の極対を含むことができる。従動磁石アセンブリ302は、近位端308及び遠位端310を有する第1円筒体306を含む。同様に、駆動磁石アセンブリ304は、近位端314及び遠位端316を有する第2円筒体312を含む。
【0048】
第1円筒体306は、近位端308と遠位端310との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション318と、近位端308と遠位端310との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション320と、第1セクション318と第2セクション320との間に配置されるとともに近位端308と遠位端310との間に延びる第3セクション322とを含む。図示するように、第1セクション318は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション320は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。第3セクション322は、非磁性材料から形成することができる。
【0049】
同様に、第2円筒体312は、近位端314と遠位端316との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション324と、近位端314と遠位端316との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション326と、第1セクション324と第2セクション326との間に配置されるとともに近位端314と遠位端316との間に延びる第3セクション328とを含む。図示するように、第1セクション324は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション326は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。第3セクション328は、非磁性材料から形成することができる。
【0050】
第1円筒体306の遠位端310に第1磁束強化部330が配置され、該第1磁束強化部330は、第1円筒体306の遠位端310の少なくとも一部を覆う。同様に、第2円筒体312の近位端314に第2磁束強化部332を配置することができ、該第2磁束強化部332は、第2円筒体312の近位端314の少なくとも一部を覆うことができる。磁束強化部330及び332は、例えば、軟磁性材料から作製されたディスクであり得る。
【0051】
実施形態によれば、上述したように、従動磁石アセンブリ302及び/又は駆動磁石アセンブリ304は、2つ以上の極対を含むことができる。すなわち、例えば、各円筒体は、複数のセクションを含むことができ、セクションの各対は、反対の磁極と、それらの間に配置された磁束強化部とを有する。従って、実施形態では、各セクションは、例えば、パイ片形状等、弓形と異なる形状である断面を有することができる。いくつかの実施形態では、各セクションは、円筒状であり得る。製造を容易にするために、実施形態では、磁石アセンブリの円筒体は、非磁性材料から作製することができ、その中に画定された、磁石が配置されるチャンバを含むことができる。
【0052】
図3A及び図3Bに示す例示的な磁気駆動システム300は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な磁気駆動システム300はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図3A及び図3Bに示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0053】
実施形態では、磁束強化部は、それぞれの隣接するセクション間に非磁性材料がわずかにのみ設けられるか又はまったく設けられていない1つ又は複数の極対を有するように構成される円筒体の端部に設けることができる。図4Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システムの上面概略図を示し、図4Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、図4Aに示す磁気駆動システム400の概略側面図を示す。実施形態によれば、磁気駆動システム400及び/又はその任意の数の様々な構成要素は、図1に示す循環補助装置100の対応する構成要素と同じであるか又は同様であり得る。
【0054】
図4A及び図4Bに示すように、磁気駆動システム400は、駆動磁石アセンブリ404によって駆動されるように構成された従動磁石アセンブリ402を含む。実施形態によれば、従動磁石アセンブリ402及び駆動磁石アセンブリ404の各々は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の極対を含むことができる。従動磁石アセンブリ402は、近位端408及び遠位端410を有する第1円筒体406を含む。同様に、駆動磁石アセンブリ404は、近位端414及び遠位端416を有する第2円筒体412を含む。
【0055】
図示するように、第1円筒体406は、近位端408と遠位端410との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション418と、近位端408と遠位端410との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション420とを含む。図示するように、第1セクション418は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション420は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。
【0056】
同様に、第2円筒体412は、近位端414と遠位端416との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション422と、近位端414と遠位端416との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション424とを含む。図示するように、第1セクション422は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション424は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。
【0057】
第1円筒体406の遠位端410に第1磁束強化部426が配置され、それは、第1円筒体406の遠位端410の少なくとも一部を覆う。同様に、第2円筒体412の近位端414に第2磁束強化部428を配置することができ、それは、第2円筒体412の近位端414の少なくとも一部を覆うことができる。磁束強化部426及び428は、例えば、軟磁性材料から作製されたディスクであり得る。磁束強化部のサイズ(例えば、体積、長さ及び/又は他の寸法)は、従動磁石アセンブリ402と駆動磁石アセンブリ404との磁気結合を最大化、最適化又は他の方法で促進するために、磁束強化部を通る磁束を最大化するように設計することができる。
【0058】
実施形態によれば、上述したように、従動磁石アセンブリ402及び/又は駆動磁石アセンブリ404は、2つ以上の極対を含むことができる。すなわち、例えば、各円筒体は、複数のセクションを含むことができ、セクションの各対は、反対の磁極を有する。従って、実施形態では、各セクションは、例えば、パイ片形状等、弓形と異なる形状である断面を有することができる。いくつかの実施形態では、各セクションは、円筒状であり得る。製造を容易にするために、実施形態では、磁石アセンブリの円筒体は、非磁性材料から作製することができ、その中に画定された、磁石が配置されるチャンバを含むことができる。
【0059】
図4A及び図4Bに示す例示的な磁気駆動システム400は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な磁気駆動システム400はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図4A及び図4Bに示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0060】
実施形態では、磁束強化部は、円筒体の側部に取り付けられた機構であるか又はそれを含み得る。図5Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システム500の上面概略図を示し、図5Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、図5Aに示す磁気駆動システムの概略側面図を示す。実施形態によれば、磁気駆動システム500及び/又はその任意の数の様々な構成要素は、図1に示す循環補助装置100の対応する構成要素と同じであるか又は同様であり得る。
【0061】
図5A及び図5Bに示すように、磁気駆動システム500は、駆動磁石アセンブリ504によって駆動されるように構成された従動磁石アセンブリ502を含む。実施形態によれば、従動磁石アセンブリ502及び駆動磁石アセンブリ504の各々は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の極対を含むことができる。他の実施形態では、図5A及び図5Bに示すように、磁場が駆動シャフト(図示せず)に対して垂直に整合した単一の永久磁石を含むことができる。従動磁石アセンブリ502は、近位端508及び遠位端510を有する第1円筒体506を含む。同様に、駆動磁石アセンブリ504は、近位端514及び遠位端516を有する第2円筒体512を含む。
【0062】
従動磁石アセンブリ502は、第1磁束強化部518を含み、駆動磁石アセンブリ504は、対応する第2磁束強化部520を含む。同様に、従動磁石アセンブリ502は、第3磁束強化部522をさらに含み、駆動磁石アセンブリ504は、第4磁束強化部524をさらに含む。図示するように、第1磁束強化部518及び第3磁束強化部522は、第1円筒体506の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材であり、第2磁束強化部520及び第4磁束強化部524は、第2円筒体512の外側において反対の磁極に隣接して配置された側部鉄材である。図示するように、磁束強化部は、それぞれの円筒体506及び512の軸方向長さ全体には延びない。磁束強化部のサイズ(例えば、体積、長さ及び/又は他の寸法)は、従動磁石アセンブリ502と駆動磁石アセンブリ504との磁気結合を最大化、最適化又は他の方法で促進するために、磁束強化部を通る磁束を最大化するように設計することができる。
【0063】
図5A及び図5Bに示す例示的な磁気駆動システム500は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な磁気駆動システム500はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図5A及び図5Bに示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0064】
実施形態において、磁束強化部は、軟磁性材料の代わりの永久磁石を含むことができる。図6Aは、本明細書に開示する主題の実施形態による例示的な磁気駆動システム600の上面概略図を示し、図6Bは、本明細書に開示する主題の実施形態による、図6Aに示す磁気駆動システム600の概略側面図を示す。実施形態によれば、磁気駆動システム600及び/又はその任意の数の様々な構成要素は、図1に示す循環補助装置100の対応する構成要素と同じであるか又は同様であり得る。
【0065】
図6A及び図6Bに示すように、磁気駆動システム600は、駆動磁石アセンブリ604によって駆動されるように構成された従動磁石アセンブリ602を含む。実施形態によれば、従動磁石アセンブリ602及び駆動磁石アセンブリ604の各々は、任意の数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の極対を含むことができる。従動磁石アセンブリ602は、近位端608及び遠位端610を有する第1円筒体606を含む。同様に、駆動磁石アセンブリ604は、近位端614及び遠位端616を有する第2円筒体612を含む。図6A及び図6Bに示すように、従動磁石アセンブリ602及び駆動磁石アセンブリ604の各々は、ハルバッハ配列を含む。
【0066】
第1円筒体606は、近位端608と遠位端610との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション618と、近位端608と遠位端610との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション620と、第1セクション618と第2セクション620との間に配置されるとともに近位端608と遠位端610との間に延びる第3セクション622とを含む。図示するように、第1セクション618は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション620は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。第3セクション622は、第1セクション618及び第2セクション620の磁場に対して垂直に向けられた磁場を有する永久磁石を含むことができる。
【0067】
同様に、第2円筒体612は、近位端614と遠位端616との間に延びるとともに弓形断面を有する第1セクション624と、近位端614と遠位端616との間に延びるとともに弓形断面を有する第2セクション626と、第1セクション624と第2セクション626との間に配置されるとともに近位端614と遠位端616との間に延びる第3セクション628とを含む。図示するように、第1セクション624は、近位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる一方、第2セクション626は、遠位方向に向けられる磁場を有する永久磁石を含むことができる。第3セクション628は、第1セクション624及び第2セクション626の磁場に対して垂直に向けられた磁場を有する永久磁石を含むことができる。
【0068】
図6A及び図6Bに示す例示的な磁気駆動システム600は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関して、いかなる限定も示唆するように意図されない。例示的な磁気駆動システム600はまた、そこに図示する任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関連するいかなる依存性又は要件も有するものとして解釈されるべきではない。さらに、図6A及び図6Bに示す様々な構成要素は、実施形態では、当該実施形態に示す他の構成要素(及び/又は図示しない構成要素)の様々なものと統合することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にあるとみなされる。
【0069】
本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示的な実施形態に対する様々な変更形態及び追加形態がなされ得る。例えば、上述した実施形態は、特定の特徴について言及しているが、本開示の範囲は、特徴の異なる組合せを有する実施形態及び記載した特徴をすべて含むわけではない実施形態も含む。従って、本開示の範囲は、請求項の範囲内にあるすべてのそうした代替形態、変更形態及び変形形態をそのすべての均等物とともに包含するように意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B