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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】インプラント
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01L19/06 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022561406
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020060074
(87)【国際公開番号】W WO2021204382
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】597159765
【氏名又は名称】フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー.
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】リヒター、マルティーン
(72)【発明者】
【氏名】グリューンエルベル、ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】キーブラー、ゼバスティアン
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10258284(US,B1)
【文献】特開2013-181951(JP,A)
【文献】特開2015-111055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
A61B 5/00-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント(10,10′,10″)であって、
小室(12c)を有するハウジング(12)と、
センサ部(14)と、
第1の圧力側部(12s1)において前記小室(12c)を覆う第1の膜(20s1)と、第2の圧力側部(12s2)において前記小室(12c)を覆う第2の膜(20s2)と、を備え、
前記小室(12c)は、前記第1の膜(20s1)及び前記第2の膜(20s2)と接触するとともに、前記第1の膜(20s1)と前記第2の膜(20s2)との間で前記小室(12c)内に配置された前記センサ部(14)に接触する圧力伝達手段を含み、
センサ制御部(16)が前記ハウジング(12)内に配置され、
前記センサ部(14)は、前記小室(12c)の前記第1の圧力側部(12s1)における圧力と前記小室(12c)の前記第2の圧力側部(12s2)における圧力との圧力差を決定するように構成され、
前記小室(12c)は、前記第1の圧力側部(12s1)から前記ハウジング(12)を介して前記第2の圧力側部(12s2)まで延び、前記ハウジング(12)は、前記小室(12c)を第1の部分と第2の部分とに分離するダイアフラム(15)を含み、前記ダイアフラム(15)は前記センサ部(14)を保持し、
前記第1の膜(20s1)は第1の箔(20s1)を含み、前記第2の膜(20s2)は第2の箔(20s2)を含み、前記小室(12c)は、前記小室(12c)を密閉するように、前記第1の圧力側部(12s1)において前記第1の箔(20s1)で覆われ、且つ、前記第2の圧力側部(12s2)において前記第2の箔(20s2)で覆われ、
前記インプラント(10,10′,10″)は、2つの異なる圧力側部を分離する生体膜に接続される固定具を含み、前記センサ部(14)は、前記2つの異なる圧力側部間の圧力差を決定する、インプラント。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記センサ部(14)は膜を含み、前記膜は、前記膜の第1の側面に対して前記第1の圧力側部(12s1)から付加された圧力と、前記センサ部(14)の前記膜の第2の側面に対して前記第2の圧力側部(12s2)から付加された圧力との間の相対圧を測定するように構成される、インプラント。
【請求項3】
請求項1に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記センサ部(14)は、第1の圧力センサ及び第2の圧力センサを有するセンサ構成を含み、前記第1の圧力センサは、前記第1の圧力側部(12s1)における圧力を測定するように構成され、前記第2の圧力センサは、前記第2の圧力側部(12s2)における圧力を測定するように構成される、インプラント。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記ハウジング(12)は、前記センサ部(14)及び/又は前記センサ制御部(16)が取り付けられるダイアフラム(15)を含み、且つ/又は、
前記ダイアフラム(15)は、前記小室(12c)を貫通する、インプラント。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記第1の圧力側部(12s1)における前記第1の箔(20s1)及び前記第2の圧力側部(12s2)における前記第2の箔(20s2)は前記小室(12c)を密閉し、且つ/又は、
前記ハウジング(12)は、前記センサ制御部(16)を密閉する、インプラント。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記第1の圧力側部(12s1)の圧力は、前記第1の箔(20s1)及び前記圧力伝達手段(13)を介して前記センサ部(14)に付加され、前記第2の圧力側部(12s2)における圧力は、前記第2の箔(20s2)及び前記圧力伝達手段(13)を介して前記センサ部(14)に付加され、又は、
前記第1の圧力側部(12s1)における圧力は、前記第1の箔(20s1)及び前記圧力伝達手段(13)を介して前記センサ部(14)の第1の側面に付加され、前記第2の圧力側部(12s2)における圧力は、前記第2の箔(20s2)及び前記圧力伝達手段(13)を介して前記センサ部(14)の第2の側面に付加される、インプラント。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記第1及び/又は第2の箔(20s2)は、チタン箔、薄いチタン箔、又はPEEK箔を含む、インプラント。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記小室(12c)、又は前記小室(12c)の第1の部分及び第2の部分は、前記圧力伝達手段(13)を形成するオイル(13)、液体、又は鋳造物が充填され、且つ/又は、
前記小室(12c)、又は前記小室(12c)の第1の部分及び第2の部分は、前記圧力伝達手段(13)を形成するオイル(13)、液体、又は鋳造物が充填され、前記制御部(16)は、前記オイル(13)、前記液体、又は前記鋳造物に埋め込まれる、インプラント。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記小室(12c)、又は前記小室(12c)の第1の部分及び第2の部分は、液体、オイル(13)又は鋳型を案内するための案内部を含む、インプラント。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)であって、
前記ハウジング(12)は、前記小室(12c)、前記センサ部(14)、又は前記ハウジング(12)の箔若しくは第1及び第2の箔(20s2)を取り囲む、フィルタ、フィルタバッグ、格子、フィルタを含む格子、剛性格子又は有孔の構成要素を含む、インプラント。
【請求項11】
カフ用貯留部であって、
請求項1~10のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)を備え、
前記インプラント(10,10′,10″)は、カフ用貯留部の一部として実現され、
前記センサ部(14)は、前記カフ用貯留部内の、又は前記カフ用貯留部と周囲との間の2つの異なる圧力間の圧力差を決定する、カフ用貯留部。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のインプラント(10,10′,10″)を製造する方法であって、前記小室(12c)内及び/又は2枚の箔間に前記センサ部(14)を配置するステップを備える、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記小室(12c)及び/又は前記2枚の箔間の領域に注入を行うステップを備え、且つ/又は、
前記注入を行うステップは、前記箔及び/又は前記第1及び第2の箔(20s2)を前記ハウジング(12)に取り付ける前又は後に実行される、方法。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は、差圧センサを有するインプラント、及びこれを製造する方法に関する。一般的には、各実施形態は、体内の圧力差測定の概念に関する。
【背景技術】
【0002】
人体内、又は体内の圧力測定に関して多数の用途が現在存在する。例として以下が挙げられる。
【0003】
・眼と体液との圧力差測定
・括約筋用のカフ用貯留部の圧力とカフとの圧力差測定
・血管血液貯蔵部圧又は心圧と体圧との圧力差測定
しかしながら、体圧は一定ではない。環境の圧力が変化すると、体圧は大気圧に従う。その理由に以下が挙げられる。
【0004】
・所与の場所における大気圧の通常の変化に起因する圧力変化
・高度(例えば登山時)に起因する圧力変化
・航空機内の圧力変化
これらの大気圧変化の大きさは、圧力差測定と同程度、又はそれを上回るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第4460568号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1a~図1cを参照して説明する先行文献は、圧力センサを開示するものである。図1aは、植込み可能な絶対圧センサ、例えばHELGAと称する圧力センサである。この圧力センサは、密閉型チタン製ハウジング内の液体中に埋め込まれる。薄いチタン箔が圧力を生体から液体、そしてセンサへ伝達する。
【0007】
しかしながら、これは単なる絶対圧センサであるため、環境の引き起こす圧力変化によって、圧力値が正しく用いられ得ない状況が生じる。その背景として、用途によっては例えばインプラントと周囲の体液との間の圧力差が重要なものとなることが挙げられる。従って、環境条件に起因して体液圧が変化した場合、インプラントの圧力もまた変更する必要がある。絶対圧の値は有用ではない。
【0008】
図1bは、センサがオイル中に埋め込まれるHELGAセンサに類似のセンサを示す。このセンサにも同様の問題がある。
【0009】
米国特許第460568号では、植込み可能な差圧センサが開示されている。図1cに同特許の図1を示す。この圧力センサは2枚のダイアフラムを用いる。しかしながら、圧力センサとダイアフラムとの間には固定の関係が存在する。そのため、圧力センサに対する大きな応力及びドリフトという問題が生じ得る。図1dは差圧センサを示す(www.eastsensor.com/blog/capacitance-differential-pressure-transmitter-working-principle/を参照)。
【0010】
本発明の目的は、上述の問題を解決できるインプラントの概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【0012】
本発明の実施形態によると、インプラントであって、ハウジングと、センサ部とを備えるものが提供される。当該インプラントは、更に、第1の圧力側部において小室(チャンバ)を覆う第1の膜と、第2の圧力側部において前記小室を覆う第2の膜(例えば、前記インプラントの周囲に対して前記インプラントを密閉するためのもの)と、を備える。前記小室は、前記第1の膜及び前記第2の膜と接触するとともに、前記第1の膜と前記第2の膜との間で前記小室内に配置された前記センサ部に接触する圧力伝達手段を含む。更に、センサ制御部が前記ハウジング内に配置される。前記センサ部は、前記小室の前記第1の圧力側部における圧力と前記小室の前記第2の圧力側部における圧力との圧力差を決定するように構成される。
【0013】
実施形態によっては、前記センサ部は膜を含むことができ、前記膜は、前記膜の第1の側面に対して前記第1の圧力側部から付加された圧力と、前記膜の第2の側面に対して前記第2の圧力側部から付加された圧力との間の相対圧を測定するように構成される。この実施形態には、相対圧・差圧を直接測定できるという利点がある。別の実施形態によると、前記センサ制御部は、第1の圧力センサ及び第2の圧力センサを含むことができ、前記第1の圧力センサは、前記第1の圧力側部における圧力を測定するように構成され、前記第2の圧力センサは、前記第2の圧力側部における圧力を測定するように構成される。ここで、前記差圧は、前記2つの絶対圧から決定され、前記差圧の算出は、前記センサ部によって実行される。
【0014】
本発明の実施形態は、インプラントのハウジングが小室、例えばハウジング内に設けられた孔・開口等によって形成された小室を有するものであれば、第1の圧力側部からの第1の圧力と、第2の圧力側部からの第2の圧力とをセンサに付加することができるように小室内にセンサ部を配置することが可能であるという原理に基づく。これにより、(圧力伝達手段内に配置された)圧力差測定センサ部を低応力でパッケージングするという課題から、(膜によって)密閉するという課題を局所的に分離することができる。例えば、前記小室は、前記第1の圧力側部から前記第2の圧力側部まで延びて前記ハウジングを貫通することができる。この構成によって、圧力センサは、両側部の間の差圧を直接決定することができる。
【0015】
実施形態によっては、前記ハウジングは、前記センサ部及び/又は前記センサ制御部をその上に配置できるダイアフラムを含むことができる。例えば、前記ダイアフラムは、前記小室内に配置することができる。ここで、前記ダイアフラムは、実施形態によっては、前記小室を第1の部分と第2の部分とに隔てることができ、これにより前記センサ部をダイアフラムに取り付けて前記小室の中心に配置することができる。
【0016】
更なる実施形態によると、前記第1の圧力側部に対する第1の膜としての第1の箔、又は前記第2の圧力側部に対する第2の膜としての第2の箔を用いることができる。ここで、前記ハウジングは、前記第1の箔と前記第2の箔とを含む。前記箔同士の間に前記センサ部が配置されるように前記箔を配置することができる。実施形態によっては、前記第1の箔は、前記第1の圧力側部において前記小室を覆い、前記第2の箔は前記第2の圧力側部において前記小室を覆う。実施形態によっては、前記第1の圧力側部における前記第1の箔及び前記第2の圧力側部における前記第2の箔が前記小室を密閉する(即ち、前記センサ部は前記小室内に配置される)。更なる実施形態によると、前記センサ制御部もまた、例えば前記第1の箔及び前記第2の箔を用いて前記ハウジング内に密閉することができる。実施形態によっては、前記第1の圧力側部の圧力は、前記第1の箔を介して前記圧力センサに付加され、前記第2の圧力側部における圧力は、前記第2の箔を介して前記圧力センサに付加される。詳細には、前記第1の圧力側部における圧力が、前記第1の箔を介して前記圧力センサの第1の側面に付加される一方、前記第2の圧力側部における圧力が、前記第2の箔を介して前記圧力センサの第2の側面に付加されるようにすることができる。センサ部を第1及び第2の箔に接触させずに前記第1及び第2の箔を前記ハウジングに接続してハウジングを密閉することには、センサ部が製造プロセス中に影響を受けないという利点がある。その一方で前記箔は、2つの異なる側部における圧力を「順送りする」ことができる。実施形態によっては、前記第1及び第2の箔は、チタン箔、薄いチタン箔、又はPEEK箔(ポリエーテルエーテルケトン)で形成することができる。
【0017】
小室、例えば前記第1の箔及び前記第2の箔によって閉じられる小室は、圧力伝達媒体として空気、オイル、液体、又は鋳物を充填することができる。オイル又は液体、好ましくは非伝導性、生体適合性及び非腐食性を有する液体又は鋳造物には非圧縮性のものを用いることで、箔からセンサに対して最適な態様で圧力を付加することができる。実施形態によっては、前記小室並びに/又は前記第1の箔及び前記第2の箔は、液体、オイル又は鋳型を注入時に案内するための案内部を含むことができる。
【0018】
更なる実施形態によると、前記ハウジングは、フィルタ、格子、フィルタを含む格子、剛性格子又は有孔の構成要素を含むことができる。上述の要素は、例えば前記第1の圧力側部及び前記第2の圧力側部において前記小室を取り囲み、且つ/又は前記両圧力側部から前記センサ部を取り囲み、且つ/又は前記ハウジングの前記第1の箔及び前記第2の箔を取り囲む。この剛性格子には、生体を構成する物質によって箔又は小室又はセンサ部が閉じ込められることを防止できるという利点がある。
【0019】
別の実施形態においては、上述のインプラントを製造する方法が提供される。ここで、前当該方法は、前記小室内(例えば前記2枚の箔間)に前記センサ部を配置するステップを備える。実施形態によっては、当該方法は更に、前記小室及び/又は前記2枚の箔間の領域に注入を行うステップを備えることができる。ここで、前記注入を行うステップは、前記箔(第1及び第2の箔)を前記ハウジングに取り付ける前又は後に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1a】インプラントに関する先行技術における解決策の概略図である。
図1b】インプラントに関する先行技術における解決策の概略図である。
図1c】インプラントに関する先行技術における解決策の概略図である。
図1d】インプラントに関する先行技術における解決策の概略図である。
図2】第1の実施形態に従うインプラントの基本的実現例の概略図である。
図3a】インプラントに関して発展させた実現例であって、実施形態によっては2つの異なるセンサ部を用いるものを示す概略図である。
図3b】インプラントに関して発展させた実現例であって、実施形態によっては2つの異なるセンサ部を用いるものを示す概略図である。
図4a】別の実施形態に従うインプラントの別の実現例の概略図である。
図4b】別の実施形態に従う体内に植込まれた図4aのインプラントの概略図である。
図5】更なる実施形態に従う図3aのインプラントを発展させた変形例を示す概略図である。
図6a】更なる実施形態に従う図4aのインプラントを発展させた変形例を示す概略図である。
図6b】更なる実施形態に従う図4aのインプラントを発展させた変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。同一又は類似の機能を有する要素又は構造については、その説明が相互に適用可能且つ交換可能となるように同一の参照番号を付与する。
【0022】
図2は、小室12cを含むハウジング12を備えるインプラント10を示す。この小室内にセンサ部14を配置することができる。ハウジング12内の任意の場所にセンサ制御部16を配置することができる。
【0023】
小室14cは、例えば、ハウジング12の第1の側部からハウジング12の第2の側部まで延びる孔によって形成することができる。両側部を12s1,12s2で示す。側部12s1を介して、第1の圧力P1をセンサ14に付加することができ、第2の圧力P2をセンサ14に付加することができる。2つの側部12s1,12s2から2つの圧力レベルP1,P2が付加されるため、2つの側部12s1,12s2を第1の圧力側部及び第2の圧力側部とも称する。
【0024】
実施形態によっては、圧力センサ14は、2つの圧力側部12s1,12s2から2つの圧力P1,P2が当たる膜とすることができる。ここで、圧力P1は膜の第1の側面に当たり、圧力P2は膜の第2の側面に当たる。この膜は、P1,P2間の圧力差に応じて移動するが、この移動は、(好ましくは)ピエゾ電気式若しくはピエゾ抵抗式、又は容量式の態様で決定することができる。例えば、ピエゾ抵抗式圧力(差圧)センサでは、ひずみゲージと膜とを組み合わせたものを用いてその膜の反りを、そしてそこから付加圧力を決定する。ピエゾ電気式では、石英等の特定の材料を膜に用いることで、膜に対するひずみを、そしてそこから圧力を直接測定することができる。これに代えて、第1の電極を膜で構成し、第2の電極を膜に平行に配置された格子によって構成しても良い。この構成によって、(差圧)圧力センサを形成する。これに代わる変形例では、センサ部14を2つの独立した圧力センサによって形成しても良く、この場合、各圧力センサが2つの圧力P1,P2の一方を決定することにより、例えばセンサ制御部16を用いてP1,P2間の差圧を算出することができる。膜20s1,20s2とセンサ部14との間には、いわゆる圧力伝達媒体・手段、例えば流体又はオイルが配置され、それぞれ第1の圧力側部12s1及び第2の圧力側部12s2から圧力p1,p2をセンサ14へ伝達する。このように、センサ部14を圧力伝達手段に埋め込むことができる。
【0025】
実施形態によっては、小室12は、それぞれの箔(膜)によって覆うことができる。例えば、第1の箔20s1を小室12の第1の側部12s1に設けるとともに、第2の箔20s2を第2の側部12s2に設けることができる。これら2枚の箔20s1,20s2は、小室12を2つの側部12s1,12s2から覆い、これにより例えば小室12c及び小室内に配置された各構成要素を密閉する。詳細には、圧力センサ14は、2枚の箔20s1,20s2間に配置することができる。ここで、2枚の箔20s1,20s2は、圧力P1,P2をセンサ14へ「順送りする」ように構成することができる。
【0026】
更なる図面を参照して、実施形態に従う更なる任意の特徴について説明する。
【0027】
これら更なる実施形態と、特に様々な用途における利点とについて説明する前に、当該用途の分野について説明する。好ましくは、圧力測定装置は、人体内圧を測定するために用いることができる。
【0028】
・人体とは、多数の異なる圧力領域(脳、眼、内耳、大腸)を有する系であり、圧力差に応じて流れが生じるものである。これらの圧力差は、極めて大きい場合もあり(例えば体圧)、極めて小さい場合もある。現在利用できる唯一の技術は、2つの絶対圧を測定してその差分を取るというものである。体圧は大気圧に伴って変動するため、これらの測定圧力もまた大気圧に伴って変動する。そのため、体内のこれら小さな圧力差を測定することは極めて困難である。
【0029】
・体内の2カ所の実際の圧力差を測定する技術が存在すれば、生体機能について多くの情報が得られると考えられる。
【0030】
従って、必要とされているのは絶対圧センサではなく、生体ダイアフラムで隔てられた2カ所の圧力差が測定可能な圧力差センサである。
【0031】
差圧を測定するには、圧力センサは両方の測定対象の圧力領域に接触している必要がある。次に、圧力センサは電気接触している必要があり、それに伴いインプラントのシステム制御への電気接続も必要である。これらの電気接触部は密閉されている必要がある。しかしながら、圧力センサは応力に対して極めて敏感である。密閉、例えばチタン製ハウジングへの密閉接着では、高い応力衝撃が生じる。
【0032】
そのため、2つの圧力領域との圧力接触点を有する圧力センサチップを、圧力センサに対して大きな応力を引き起こすことなくインプラントに対して密閉接着することはほぼ不可能である。
【0033】
しかしながら、上述のように、ハウジングが小室を構成するようにインプラントの設計を改良することでこの問題を解決することができる。この解決策は、圧力センサ・差圧センサを小室内に配置して密閉すること、そしてその際、例えば内部センサ部に外部圧力を伝えるように構成された箔を用いることに基づく。このような箔であれば、応力のない態様で設けることができる。そのような箔、ここでは薄いチタン箔を含む実施形態について、図3a及び図3bを参照して説明する。図3a及び図3bの両方の実施形態は、使用されるセンサが異なっている点を除いて同様のものである。
【0034】
図3aは、ハウジング12が(小室12cの第1及び第2の側部に対して設けられた)2つのハウジング部分12a,12bを含むインプラント10を示す。小室12c内に差圧センサ14が配置される。この実施形態では、圧力センサ14をダイアフラム15に取り付けることで圧力分離(例えば非密閉性)を可能にしている。ダイアフラム15は、インプラント10・ハウジング12の長手方向に沿って延びて、小室12cを第1の小室部分12c1と第2の小室部分12c2とに分離する。第1の小室12c1は、側部12s1側に配置され、第2の小室12c2は第2の側部12s2側に配置される。なお、このダイアフラムによって小室12cを小室12cの上部と下部とに分離することが可能となり、ダイアフラム15は以下のような生体に対して極めて薄い箔によって実現することができる。
【0035】
・一方では、インプラントのハウジングに対して密閉して取り付けられる。
【0036】
・他方で、箔の幾何学的寸法及びヤング率によって定義される板剛度は、測定対象の圧力変化の引き起こす箔の固有応力が測定信号に大きな影響を与えない程度に低い板剛度であることが求められる。
【0037】
これに代えて、ダイアフラム15を硬い、或いは低柔軟性のものとしても良い。
【0038】
小室12c1は、薄い箔、この場合は薄いチタン箔17s1で覆われ、小室12c2はこれと類似の箔、例えば同様の箔17s2で覆われる。これら2枚の箔17s1,17s2を用いて小室12を周囲に対して密閉する。
【0039】
この実施形態では、ハウジング12は、制御システム14用の別の密閉部分を含む。この場合、制御システム14は密閉型チタン製ハウジング内に配置される。
【0040】
実施形態によっては、小室12、特に第1の小室部分12c1及び第2の小室部分12c2は、オイル又は鋳造物で充填することができる。これを参照番号13で示す。オイル又は鋳造物の目的は、箔17s1,17s2に付加された圧力を圧力センサ14の膜に対して付加することである。なお、センサ用小室12c内の圧力センサ14はこのオイルに埋め込まれる。オイルに代えて、非伝導性、非圧縮性を有する無害の液体、例えば生体適合性オイル13を用いても良い。また、液体に関して、好ましい実施形態では、好ましくは泡を生じない非圧縮性液体を小室12cに注入することも可能である。気体は圧縮可能であるため、泡が生じると、測定に影響を及ぼす恐れがある。
【0041】
この実施形態では、人体内において、2つの異なる体内圧が測定できるようにインプラントを配置することができる。例えば、第2の圧力側部12s2で体圧P2を測定する一方、第1の圧力側部12s1で貯留部の圧力又はカフ圧P1を測定することができる。
【0042】
換言すると、この実施形態によれば、圧力測定小室12内に配置された差圧センサ14を使用して測定を行うことで、小室12cの上部領域12c1と下部領域12c2との間の圧力差を測定することができる。ここで、圧力センサ14は、小室12cの上部分12c1と下部分12c2とを分離するダイアフラム15上に取り付けられる。更なる実施形態では、ダイアフラム15は剛性を有する。このダイアフラムを導電体に収納することによって、圧力センサをシステム制御部16に導いてセンサ14の読み取りを行うことができる。圧力センサ14を小室12cに取り付けるには、圧力センサを低応力で取り付ける先行技術の方法を適用すれば良い。
【0043】
図3bは、ハウジング12、小室12c、制御部16、及びダイアフラム15についてはインプラント10と同様のインプラント10′を示す。このインプラント10′は更に、小室12cを覆う2枚の箔17s1,17s2を備える。この小室12c内に、2つの圧力センサ14s1,14s2が配置される。これら2つの圧力センサ14s1,14s2をダイアフラム15の2つの対向する側面に配置することで、圧力センサ14s1は側部12s1における圧力P1を決定するように構成される一方、圧力センサ14s2は側部12s2における圧力P2を決定するように構成される。換言すると、2つの絶対圧センサ14s1,14s2は、一方が上方の小室に接触し、他方が下方の小室に接触するように取り付けられる。差圧は2つの圧力値間の差を算出することで決定することができる。このパッケージングは、堅い分離小室に孔が必要ないため、図3aのパッケージングと比較して簡略且つ容易に行うことができる。
【0044】
インプラント10,10′の両方の実施形態において、密閉の課題及び差圧測定の課題を解決することができる。更なる実施形態によると、小室12c内に追加のセンサ、例えばN個のセンサ(両方とも差圧センサ又は絶対圧センサ)を配置することができる。例えば、複数のN個のセンサをダイアフラム15に固定することができる。
【0045】
図4a及び図4bを参照して、別のインプラント10″について説明する。図4aは、ハウジング12″を備えるインプラント10″を示す。このハウジング内に比較的大型の小室12c″を形成することができる。図3a及び図3bを参照して説明したように、ダイアフラム15″は、小室12c″を封入する箔17s1″,17s2″に略平行に延びて小室12c″を貫通することができる。ダイアフラム15″にセンサ14及び制御要素16a″,16t″(例えばASIC及びトランスポンダ)を配置することができる。2つの構成要素16a″,16t″は、圧力センサ14に対して同じ側に配置しても、又は異なる側に配置しても良い。
【0046】
3個の構成要素16a″,14,16t″はいずれも、液体又はオイルが充填され得る小室12c″内に配置される。このように、電子機器16a″,16t″及びセンサ14はオイル13に埋め込まれる。この配置により、圧力差測定ユニット10″を小型化することができる。ここで、センサの厚みは1mm以下とすることができる。
【0047】
図4bを参照して、人体に圧力差センサ・インプラント10″を固定する方法について説明する。ここで、インプラント10″は、生体ダイアフラム22に取り付けることとする。このダイアフラム22は、2つの圧力ゾーンP1,P2同士を分離する。ハウジング12″(この場合はチタン製ハウジング)は、生体適合性固定材料23を用いて生体ダイアフラム22に取り付けることができる。好ましくは、チタン製センサ要素10″に生体適合性材料を組み合わせて、チタン製ハウジングと生体ダイアフラム22とを外科医が固定するようにすることができる。
【0048】
図5は、ハウジング12を備えるインプラント10を示す。小室12cはオイルが充填される。これに関して、2つの異なる注入方法が利用可能である。第1の方法として、第2の箔17s2をハウジング12に密閉して取り付ける前に注入を実行することができる。その利点として、注入手順又は注入ポートが不要であることが挙げられる。しかしながら、密閉プロセスのプロセスパラメータ中に液体を扱うことは困難な場合がある。もう1つの方法として、箔17s1,17s2をハウジング12に密閉して取り付けた後に注入を行うことができる。この場合、注入ポート(図示せず)を用いて小室区域12c1,12c2内に注入を行う。これらのポートは以下のように配置することができる。
【0049】
・例えば、小室の上部分及び下部分の両方について入口及び出口、即ち4つの注入ポートが必要である。
【0050】
・箔と比較すると、これら注入ポートを注入後に密閉する方が容易である場合がある。
【0051】
・小室内に泡を生じさせずに注入しやすくするために、両方の小室に「案内構造」を設けることができる。これらの構造は、小室の端縁に泡が残留することを防ぐように蛇行形状とすることができる。案内構造は、圧力測定機能を乱さないものであることが求められる。
【0052】
オイルに代えて、極めて弱い鋳造性だが(空気と比較して)非圧縮性の化合物を液体オイルの代わりに用いても良い。圧力センサダイアフラムの取り付けプロセスにおいて、第2のチタン箔を密閉して取り付ける前に上記鋳造物を小室に充填させることができる。
【0053】
図5に示すように、小室12cへの注入中に小室内で空気泡13aが生じ得る。このセンサ小室12c内の気体泡13aの影響について以下に説明する。
【0054】
センサ小室(上部小室又は下部小室)内で、体積Vgas、気圧pの空気(又は気体)の泡が生じると、測定精度に影響を及ぼす。
【0055】
計算:薄いチタン箔の流体容量Cm
【0056】
【数1】

偏差が小さい場合、幾何学による板の理論、薄いチタン箔のヤング率及びポアソン比から上記流体容量を分析的に算出することができる。
【0057】
気体泡(大気圧pを仮定)の流体容量は、状態の等温式によって近似的に求めることができる。
【0058】
【数2】

dpの圧力変化は、気体泡の体積を変化させる。
【0059】
【数3】



この体積変化に従って、薄いチタン箔もまた動く場合がある。
【0060】
【数4】

薄いチタン箔の反りについては、固有圧dpiが必要である。
【0061】
【数5】

固有圧dpiは、気体泡の測定誤りに対する気体泡の寄与分となる。
【0062】
実施形態によっては、小室12cに液体の代わりに空気を充填しても良い。その利点として、注入手順が不要であるため製造プロセスを簡略化できる点が挙げられる。しかしながら、
・測定中、空気の圧縮性に応じてチタン製ダイアフラムが動く。反ったチタン箔の固有応力は測定に影響を及ぼす。
【0063】
・絶対圧が変化した場合(例えば航空機内の患者)、閉じ込められた空気泡の流体容量が変化し、それに伴い圧力測定の補正因子も変化する。
【0064】
なお、制御電子機器16に関して、実施形態によっては温度センサをインプラント10と一体化することで、例えば発熱等による体内の温度変化を補償することができる。
【0065】
次に、材料に関して付言する。
【0066】
原理的に、長期インプラントに適格の材料であれば、いずれの材料を用いても良い。例えば、インプラント用の材料としてPEEKが利用可能であるが、薄いPEEK箔で密閉することはほぼ不可能である。実際には、ハウジング及び箔の両方においてチタンが好ましい解決策であると考えられる。
【0067】
なお、箔に関して、箔の厚みが20~50μm、横方向の寸法(圧力測定領域)が5~15mmのチタン箔であれば、上述の機能が確保されると考えられる。
【0068】
追加の特徴について、図6a及び図6bを参照して説明する。
【0069】
図6aは、図4bの植込み状態を示す図であり、インプラント10″が生体適合性固定材料23を用いて生体ダイアフラム22に取り付けられている。
【0070】
体内の圧力又は圧力差の測定における問題として、一定期間後に圧力センサが生体構成物質26の中に閉じ込められ得ることがある。これにより以下の2つの問題が生じ得る。
【0071】
・生体構成物質26の層が圧力感知側部12s1,12s2に堆積してダイアフラムに機械的応力が生じ、圧力センサの測定結果に影響を及ぼす。
【0072】
・この層は圧力バリアとなることがあり、これにより該バリアにおいて圧力降下が生じ得る。
【0073】
この問題に対する解決策を図6bに示す。図6bに示す構成は、インプラント10″がフィルタバッグ28fによって改良されている点を除いて図6aに示す構成と同じである。このフィルタバッグ28fは、支持体28と組み合わせることができ、圧力感知用チタン製ダイアフラム10″と生体26とを分離する役割を有する。このフィルタバッグ28fを剛性格子28で支持することで、測定用ダイアフラムに対する機械的な衝撃、力又は圧力を防ぐことができる。これにより、極めて小さな分子(水、酸素、CO2、グルコース等)のみがフィルタ28fを通過することができ、細胞又はその他の層化し得る分子は通過できない。なお、フィルタ28f又はフィルタバッグ28fを含む格子28に代えて、従来の格子、剛性格子又は一般的に有孔の構成要素を用いても良い。有孔の構成要素、フィルタ28f又は格子の孔は、好ましくは、細胞又はその他の凝集し且つ/又は圧力感知用チタン製ダイアフラムに堆積し得る生体構成物質よりも小さくすることができる(例えば200nm未満、又は50nm未満)。
【0074】
フィルタ28fの面積は、想定されるインプラント期間中に圧力センサ16が完全に閉じ込められて生体とチタン膜上の領域との間で顕著な圧力降下が生じることがない程度の大きさとする。
【0075】
また、フィルタ領域を通過して応力をチタン膜10″に引き起こし得る物質がなくなる。
【0076】
なお、差圧センサ及び/又はインプラント10,10′,10″は、体内の2つの異なる圧力側部・ゾーンを分離する人体膜に接続するための固定具を含み得る。もう1つの応用例として、カフ用貯留部と組み合わせた用途が挙げられる。
【0077】
この場合、上述の差圧測定を人工植込み可能な尿道括約筋補綴に使用することができる。(また、これに代えて、他の生体括約筋機能、例えば肛門括約筋、上部食道括約筋、幽門括約筋、回盲括約筋等の代替物としての用途が挙げられる。)
・水圧作動式インプラントであって、尿道を閉じることで患者が失禁を我慢できる状態にしたり、尿道を開けて患者に排尿させたりできるもの
・水圧作動流体には食塩水を用い、機械駆動式又は電気駆動式ポンプによって移動させられる。
【0078】
・尿道の開閉には、膨らませることのできる細長い風船(いわゆるカフ)を尿道周りに環状に巻きつけて以前のヒト括約筋の閉じる機能を代替させる。
【0079】
・膨らませることのできる第2の貯留部(いわゆるバルーン貯留部)を患者の腹部内に配置し、ポンプで汲み入れた流体を貯蔵させる。カフが開いた時に排尿が行われる。
【0080】
・システム制御、及び尿道組織の過度の圧迫を防ぐために、周囲の体圧と比べて尿道閉鎖圧力を測定することが重要である。
【0081】
この場合、以下の圧力を決定することができる。
【0082】
・腹部の体圧測定は、バルーン貯留部流体ライン内の圧力を感知することで行うことができる。
【0083】
・尿道閉鎖圧力測定は、カフ流体ライン内で行うことができる。
【0084】
このように、インプラント内で2つの流体ライン間に設けられた差圧センサから上述のセンサ値を得ることができる。
【0085】
この用途における任意の仕様として以下が挙げられる。
【0086】
・流体ラインとセンサ電子機器との間の密閉性
・尿道カフ圧と生体腹部圧力との間の完全な差圧測定
この用途において、植込み可能な差圧センサは、体液でなく食塩水溶液を有する環境に埋め込まれる。両圧力側部のいずれにも体液は存在しない。この場合、ダイアフラム(図6)を保護する追加の措置は不要である。
【0087】
更に、この圧力センサは、食塩水溶液貯留部と体液との圧力差を測定する用途で用いることもできる。
【0088】
装置の文脈でいくつかの局面を記載したが、これらの各局面は対応の方法の記載をも表すものであり、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で記載した局面は、対応の装置の対応のブロック若しくは項目又は特徴の記載をも表す。方法ステップのうちのいくつか又はその全ては、ハードウェア装置、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能コンピュータ又は電子回路によって(又はこれを用いて)実行され得る。実施形態によっては、最も重要な方法ステップのうちの1つ以上は、そのような装置によって実行され得る。
【0089】
本発明に従ういくつかの実施形態は、データキャリアであって、電子的に読み出し可能な制御信号を格納しており、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することで本願明細書に記載の方法の1つが実行されるようにすることが可能なデータキャリアを含む。
【0090】
更なる実施形態は、本願明細書に記載の方法の1つを実行するように構成又は適合された処理手段、例えばコンピュータ又はプログラム可能論理装置を含む。
【0091】
更なる実施形態は、本願明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
【0092】
実施形態によっては、プログラム可能論理装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いて、本願明細書に記載の方法におけるいくつか又は全ての機能を実行しても良い。実施形態によっては、フィールドプログラマブルゲートアレイは、マイクロプロセッサと協働して、本願明細書に記載の方法の1つを実行しても良い。一般的に、当該方法は、どのようなハードウェア装置によって実行しても良い。
【0093】
上述の各実施形態は、単に本発明の原理を例示するものである。本願明細書に記載の構成及び詳細を変更及び変形したものが当業者には明らかであることが理解される。従って、本願明細書における各実施形態の記載及び説明として提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6a
図6b