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特許7601987プロンプト生成システム、プロンプト生成方法及びプロンプト生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】プロンプト生成システム、プロンプト生成方法及びプロンプト生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023178391
(22)【出願日】2023-10-16
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】592131906
【氏名又は名称】みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】相澤 祐一
(72)【発明者】
【氏名】鋤田 大日
(72)【発明者】
【氏名】笠間 俊夫
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2023/0112921(US,A1)
【文献】特開2022-153441(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0005168(KR,A)
【文献】笠井 一輝,ChatGPTを最大限に活用するためのプロンプトエンジニアリング入門,2023年05月11日,https://quiita.com/kazuki13070311/items/32027f52a33f336cf1f1,インターネット [検索日:2024.09.09]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末、生成系AIに接続される制御部と、プロンプトの特徴量に対して前記生成系AIに関する情報が記録されたAI情報記憶部と、を備えたプロンプト生成システムであって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末からタスクを取得し、
前記タスクの特徴量を算出し、
前記特徴量に応じて、複数のプロンプトを生成し、
前記プロンプトの特徴量に対して、前記AI情報記憶部を用いて、前記プロンプト毎に前記生成系AIを特定し、
前記各プロンプトを前記特定した生成系AIに入力して、前記各プロンプトに対するレスポンスを取得し、
前記レスポンスを、順次、前記ユーザ端末に出力することを特徴とするプロンプト生成システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記タスクを上位プロンプトとして、前記上位プロンプトの特徴量に応じた複数の下位プロンプトを生成し、前記下位プロンプトを上位プロンプトとして、前記上位プロンプトの特徴量に応じて更に複数の下位プロンプトを生成することを特徴とする請求項に記載のプロンプト生成システム。
【請求項3】
ユーザ端末、生成系AIに接続される制御部と、プロンプトの特徴量に対して前記生成系AIに関する情報が記録されたAI情報記憶部と、を備えたプロンプト生成システムを用いて、前記生成系AIからのレスポンスの取得を支援するプロンプト生成方法であって、
前記制御部が、
前記ユーザ端末からタスクを取得し、
前記タスクの特徴量を算出し、
前記特徴量に応じて、複数のプロンプトを生成し、
前記プロンプトの特徴量に対して、前記AI情報記憶部を用いて、前記プロンプト毎に前記生成系AIを特定し、
前記各プロンプトを前記特定した生成系AIに入力して、前記各プロンプトに対するレスポンスを取得し、
前記レスポンスを、順次、前記ユーザ端末に出力することを特徴とするプロンプト生成方法。
【請求項4】
ユーザ端末、生成系AIに接続される制御部と、プロンプトの特徴量に対して前記生成系AIに関する情報が記録されたAI情報記憶部と、を備えたプロンプト生成システムを用いて、前記生成系AIからのレスポンスの取得を支援するプロンプト生成プログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザ端末からタスクを取得し、
前記タスクの特徴量を算出し、
前記特徴量に応じて、複数のプロンプトを生成し、
前記プロンプトの特徴量に対して、前記AI情報記憶部を用いて、前記プロンプト毎に前記生成系AIを特定し、
前記各プロンプトを前記特定した生成系AIに入力して、前記各プロンプトに対するレスポンスを取得し、
前記レスポンスを、順次、前記ユーザ端末に出力する手段として機能させるためのプロンプト生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成系AIを利用するためのプロンプト生成システム、プロンプト生成方法及びプロンプト生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、各種分野で、生成系AIが利用されつつある。例えば、言語モデルを利用したデータ生成方法が検討されている(例えば、特許文献1)。この文献に記載された言語モデルを利用したデータ生成方法は、原本データを利用して言語モデルの入力文となるプロンプトを構成する。次に、プロンプトを言語モデルに入力する。そして、言語モデルから新規データと新規データに対するラベル情報を生成する。
【0003】
また、所望の課題(タスク)を解決するために、言語モデルを効率的に使用するためのプロンプトの設計や最適化を行なうプロンプトエンジニアリングも注目されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-18624号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、“GPTTM活用支援サービス「ATHEUS for Generative AI」”,[online],2023年5月1日,みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、[令和5年8月11日検索],インターネット<URL:https://www.mizuho-rt.co.jp/ai_powerhouse/technology/technology/technology-03/gptatheus-for-generative-ai.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、タスクに基づいたプロンプトにより言語モデルを利用する場合には、プロンプトエンジニアリング等のスキルがないと、的確なレスポンスを得られないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するプロンプト生成システムは、ユーザ端末、生成系AIに接続される制御部を備える。そして、前記制御部が、前記ユーザ端末からタスクを取得し、前記タスクの特徴量を算出し、前記特徴量に応じて、複数のプロンプトを生成し、前記各プロンプトを前記生成系AIに入力して、前記各プロンプトに対するレスポンスを取得し、前記レスポンスを、順次、前記ユーザ端末に出力する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率的に生成系AIを利用することにより、的確なレスポンスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態のプロンプト生成システムの説明図。
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図。
図3】実施形態のプロンプトの説明図。
図4】実施形態の処理手順の説明図。
図5】実施形態の処理手順の説明図。
図6】別例の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図5に従って、プロンプト生成システム、プロンプト生成方法及びプロンプト生成プログラムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、タスクに基づいたプロンプトを生成する場合を想定する。ここで、タスクとは、ユーザが生成系AIに実行させる作業であり、例えば、テキスト、コード、画像、音楽等を生成するタスク等がある。プロンプトは、タスクを実行するために生成系AIに与えられた具体的な指示の内容である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態のプロンプト生成システムは、ネットワークで相互に接続されたユーザ端末10、支援サーバ20、複数のAIシステム30を用いる。
(ハードウェア構成例)
図2は、ユーザ端末10、支援サーバ20、AIシステム30等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
【0012】
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0013】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0014】
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイやタッチパネル等である。
【0015】
記憶装置H14は、ユーザ端末10、支援サーバ20、AIシステム30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0016】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、支援サーバ20、AIシステム30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各種処理に対応する各種プロセスを実行する。例えば、プロセッサH15は、ユーザ端末10、支援サーバ20、AIシステム30のアプリケーションプログラムが起動された場合、後述する各処理を実行するプロセスを動作させる。
【0017】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、例えば、以下で構成し得る。
【0018】
〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路
〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0019】
(プロンプトの構成)
図3を用いて、本実施形態のプロンプトの構成を説明する。本実施形態では、タスクT1を上位プロンプトとして、複数のプロンプトに分解されたプロンプト群d10により、所望のアウトプットT2を得る場合を想定する。例えば、プロンプト群d10では、プロンプトp10,p20,p30を順次実行することにより、アウトプットT2を取得する。更に、プロンプトp10を上位プロンプトとして、プロンプト群d11やプロンプト群d12のように、下位プロンプトに分解することも可能である。この場合、機械学習により、タスクT1から、適切なアウトプットT2を導出するために分解されたプロンプト群を予測する。
【0020】
(各情報処理装置の機能)
図1を用いて、この機械学習に用いるユーザ端末10、支援サーバ20、AIシステム30の機能を説明する。
【0021】
ユーザ端末10は、本システムを利用するユーザが用いるコンピュータ端末である。
支援サーバ20は、生成系AIを利用するためのコンピュータシステムである。この支援サーバ20は、制御部21、AI情報記憶部22、分解候補記憶部23、評価情報記憶部24を備えている。
【0022】
制御部21は、後述する処理(管理段階、学習段階、予測段階等を含む処理)を行なう。このためのプロンプト生成プログラムを実行することにより、制御部21は、管理部211、学習部212、予測部213等として機能する。
【0023】
管理部211は、複数のAIシステム30を利用する処理を実行する。
学習部212は、AIシステム30に入力するプロンプトの分割を学習する処理を実行する。
予測部213は、タスクに応じて、複数のプロンプトに分解して、AIシステム30を用いて、レスポンスを取得して、アウトプットを生成する処理を実行する。
【0024】
AI情報記憶部22には、プロンプトに対応したAIシステム30に関するAI管理情報が記録されている。AI管理情報は、プロンプトに適したAIシステム30が登録された場合に記録される。このAI管理情報には、特徴量に対してAI識別子が記録される。
【0025】
特徴量は、プロンプトの特徴量である。例えば、この特徴量としては、分散表現を用いることができる。
AI識別子は、この特徴量のプロンプトを用いるAIシステム30を特定するための識別子である。
【0026】
分解候補記憶部23には、タスクである上位プロンプトを下位プロンプトに分解するための分解候補管理情報が記録されている。分解候補管理情報は、準備処理の実行時に登録される。この分解候補管理情報には、分解候補ID、上位特徴量に対して、複数の下位プロンプト(プロンプト群)が記録される。
【0027】
分解候補IDは、各分解候補を特定するための識別子である。
上位特徴量は、分解候補における上位概念である上位プロンプトの特徴量である。例えば、上位特徴量には、分散表現を用いることができる。
下位プロンプトは、上位概念である上位プロンプトを、複数のプロンプト群に分解した下位概念の複数のプロンプト(プロンプト群)である。
【0028】
評価情報記憶部24には、AIシステム30から取得したレスポンスに応じて、各分解候補を評価した評価管理情報が記録される。この評価管理情報は、準備段階処理が行なわれた場合に記録される。評価情報記憶部24には、分解候補IDに対して評価結果が記録される。
【0029】
分解候補IDは、各分解候補を特定するための識別子である。
評価結果は、上位プロンプト及び各下位プロンプトについて、AIシステム30から取得したレスポンスの評価結果である。
【0030】
AIシステム30は、プロンプトに対してレスポンスを生成する生成系AIである。AIシステム30は、生成系AIの構造を決定する要素である計算モデルやパラメータに応じて構成される。
【0031】
(準備処理)
図4を用いて、準備処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、タスクの定義処理を実行する(ステップS11)。具体的には、制御部21の管理部211は、ユーザ端末10からタスクを取得する。この場合、インプットに対するレスポンスを評価するための指標である評価基準を準備しておく。
【0032】
次に、支援サーバ20の制御部21は、インプットの定義処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部21の管理部211は、ユーザ端末10から取得したタスクをインプット(上位プロンプト)として定義して特徴量を算出する。
【0033】
次に、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトの分解候補の生成処理を実行する(ステップS13)。具体的には、制御部21の管理部211は、インプットからアウトプットを取得するための複数の下位プロンプト(プロンプト群)を、ユーザ端末10から取得する。この場合、ユーザ端末10から、複数の分解候補を取得することも可能である。そして、管理部211は、取得した下位プロンプトに対して分解候補IDを付与するとともに、上位プロンプトであるタスクの特徴量に関連付けて、下位プロンプトを分解候補記憶部23に記録する。
【0034】
次に、支援サーバ20の制御部21は、分解候補毎及び下位プロンプト毎に、以下の処理を繰り返す。
ここで、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトに応じてAIシステムの特定処理を実行する(ステップS14)。具体的には、制御部21の管理部211は、分解候補を構成する各下位プロンプトの特徴量を算出する。次に、管理部211は、AI情報記憶部22から、各下位プロンプトの特徴量に対応したAIシステム30を特定する。
【0035】
次に、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトのレスポンスの取得処理を実行する(ステップS15)。具体的には、制御部21の管理部211は、各下位プロンプトを、順次、特徴量に対応したAIシステム30に入力する。そして、管理部211は、下位プロンプトに対応するレスポンスを取得する。
【0036】
そして、支援サーバ20の制御部21は、分解候補毎に、分解候補を構成する全ての下位プロンプトについて終了するまで、以上の処理を繰り返す。
【0037】
次に、支援サーバ20の制御部21は、レスポンスの評価処理を実行する(ステップS16)。具体的には、制御部21の管理部211は、分解候補についての下位プロンプトの全レスポンスをアウトプットとして、順次、ユーザ端末10に出力する。そして、管理部211は、ユーザ端末10から、評価基準を用いて、順次、出力されたレスポンスを、アウトプットとして評価した結果を取得し、評価結果として、評価情報記憶部24に記録する。
【0038】
次に、支援サーバ20の制御部21は、機械学習処理を実行する(ステップS17)。具体的には、制御部21の学習部212は、分解候補記憶部23に記録された上位特徴量、分解候補を構成する下位プロンプト、評価情報記憶部24に記録された評価結果を教師データとして用いて機械学習を行なう。この場合、学習部212は、上位特徴量から、評価基準に応じた高い評価結果の分解候補(下位プロンプト群)を予測する学習モデルを生成する。
【0039】
(予測処理)
図5を用いて、予測処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、タスクの定義処理を実行する(ステップS21)。具体的には、制御部21の管理部211は、ユーザ端末10からタスクを取得する。
【0040】
次に、支援サーバ20の制御部21は、インプットの定義処理を実行する(ステップS22)。具体的には、制御部21の管理部211は、ユーザ端末10から、タスクについての上位プロンプトとして定義して特徴量を算出する。
【0041】
次に、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトへの分解要否判断処理を実行する(ステップS23)。具体的には、制御部21の予測部213は、算出した特徴量に対応する分解候補管理情報を分解候補記憶部23において検索する。ここで、分解候補管理情報を、分解候補記憶部23において特定できない場合には、予測部213は、分解不要と判定して、上位プロンプトを用いる。
【0042】
次に、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトへの分解処理を実行する(ステップS24)。具体的には、制御部21の予測部213は、分解候補記憶部23において分解候補管理情報を特定した場合には、学習モデルを用いて、分解候補の下位プロンプトを予測する。この場合、予測部213は、予測した下位プロンプトを上位プロンプトとして、再度、学習モデルを適用して、更に下層の下位プロンプトを予測するようにしてもよい。この処理を繰り返すことにより、複数階層の下位プロンプトが構成される。
【0043】
次に、支援サーバ20の制御部21は、Aiシステムの特定処理を実行する(ステップS25)。具体的には、制御部21の予測部213は、予測した下位プロンプトの特徴量を算出する。そして、予測部213は、AI情報記憶部22において、特徴量に応じたAIシステム30を特定する。
【0044】
次に、支援サーバ20の制御部21は、レスポンスの取得処理を実行する(ステップS26)。具体的には、制御部21の予測部213は、特定したAIシステム30に、下位プロンプトを、順次入力して、レスポンスを取得する。
【0045】
次に、支援サーバ20の制御部21は、出力処理を実行する(ステップS27)。具体的には、制御部21の管理部211は、全ての下位プロンプトについてのレスポンスを取得した場合、レスポンスを、順次、ユーザ端末10に出力する。
【0046】
(実施形態の作用)
上位概念の上位プロンプトに応じた分解候補を用いるので、分解された下位概念のプロンプトによりレスポンスを取得できる。
【0047】
(実施形態の効果)
(1)本実施形態においては、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトの分解候補の生成処理(ステップS13)、下位プロンプトのレスポンスの取得処理(ステップS15)を実行する。これにより、タスク(上位プロンプト)を複数の下位プロンプトに分解する分解候補を用いた教師情報を生成することができる。
【0048】
(2)本実施形態においては、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトに応じてAIシステムの特定処理を実行する(ステップS14)。これにより、プロンプトの特徴量に応じて適切なレスポンスを実現可能なAIシステム30を利用することができる。
【0049】
(3)本実施形態においては、支援サーバ20の制御部21は、レスポンスの評価処理を実行する(ステップS16)。これにより、適切なアウトプットを実現可能な分解候補を学習することができる。
【0050】
(4)本実施形態においては、支援サーバ20の制御部21は、機械学習処理を実行する(ステップS17)。これにより、タスクを実現する複数の下位プロンプトを予測することができる。
【0051】
(5)本実施形態においては、支援サーバ20の制御部21は、下位プロンプトへの分解処理を実行する(ステップS24)。これにより、タスクを実現する上位プロンプトを、複数のプロンプトに分解して、的確なレスポンスを取得することができる。
【0052】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、ユーザ端末10、支援サーバ20、複数のAIシステム30を用いる。ハードウェア構成は、これらに限定されるものではない。例えば、一つのAIシステム30を用いてもよい。また、AIシステム30を、支援サーバ20内に設けるようにしてもよい。
【0053】
・上記実施形態では、AI情報記憶部22には、プロンプトを用いるAIシステム30に関するAI管理情報が記録されている。ここで、プロンプトが変化した場合にも安定したレスポンスを取得できるAIシステム30に関する情報を登録するようにしてもよい。例えば、ノイズに対してロバスト性が高いベストプラクティス(AIシステム30)を、プロンプトの特徴量に関連付けて登録する。ここで、ノイズとは、同じ内容のプロンプトの表記を変更するための情報である。ノイズとしては、例えば、文字列や記号の追加や変更等を用いる。
【0054】
図6を用いて、AIシステム30に関する情報を登録するAI登録処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、プロンプト毎に以下の処理を実行する。
ここでは、支援サーバ20の制御部21は、プロンプトの取得処理を実行する(ステップS31)。具体的には、制御部21の管理部211は、評価に用いるプロンプト候補を取得する。そして、管理部211は、プロンプト候補の特徴量を算出する。
【0055】
次に、支援サーバ20の制御部21は、ノイズ毎に以下の処理を実行する。
ここでは、支援サーバ20の制御部21は、ノイズの取得処理を実行する(ステップS32)。具体的には、制御部21の管理部211は、プロンプト候補に付加するノイズを取得する。
【0056】
そして、支援サーバ20の制御部21は、ノイズ付加処理を実行する(ステップS33)。具体的には、管理部211は、処理対象のプロンプト候補に、ノイズを付加する。
次に、支援サーバ20の制御部21は、AIシステム毎に、レスポンスの取得処理を実行する(ステップS34)。具体的には、制御部21の学習部212は、評価対象のAIシステム30を、順次特定する。そして、学習部212は、ノイズを付加したプロンプト候補を、評価対象のAIシステム30に送信し、レスポンスを取得し、仮記憶する。
そして、以上の処理を、すべてのノイズについて終了するまで繰り返す。
【0057】
次に、支援サーバ20の制御部21は、ロバスト評価処理を実行する(ステップS35)。具体的には、制御部21の学習部212は、各AIシステム30からのレスポンスについて、ノイズの影響を比較する。ここでは、学習部212は、異なるノイズを含めたプロンプト候補に対して、レスポンスの違いを特定する。
【0058】
次に、支援サーバ20の制御部21は、ベストプラクティスの登録処理を実行する(ステップS36)。具体的には、制御部21の学習部212は、ノイズを含めた場合にも、レスポンスの変化が最も少ないAIシステム30を特定する。そして、学習部212は、AI情報記憶部22に、プロンプト候補の特徴量に関連付けて、ベストプラクティスとして、特定したAIシステム30を登録する。
そして、以上の処理を、すべてのプロンプト候補について終了するまで繰り返す。
【0059】
・上記実施形態では、ノイズとして、プロンプトに文字列を追加する。ノイズの追加方法は、これに限定されるものではない。例えば、プロンプトに対して、外部データを検索して必要な知識を取り出して追加するようにしてもよい。この場合には、この外部データにノイズを加えてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、レスポンスの評価処理を実行する(ステップS16)。ここでは、評価基準に応じた評価結果を、ユーザ端末10から取得する。これに代えて、支援サーバ20の制御部21が、評価基準に応じてレスポンスを評価して、評価情報記憶部24に記録するようにしてもよい。この場合には、制御部21は、レスポンスのスコアリングを行なう評価モデルを備える。
・上記実施形態では、上位プロンプトを複数の下位プロンプトに分割する。ここで、分割された複数のプロンプトにおいて、先行プロンプトのレスポンスを、後続プロンプトの変数値として利用してもよい。この場合には、後続プロンプトに、先行プロンプトのレスポンスを入力するための変数を設定しておく。
【符号の説明】
【0061】
10…ユーザ端末、20…支援サーバ、21…制御部、211…管理部、212…学習部、213…予測部、22…AI情報記憶部、23…分解候補記憶部、24…評価情報記憶部、30…AIシステム。
【要約】
【課題】効率的に生成系AIを利用するためのプロンプト生成システム、プロンプト生成方法及びプロンプト生成プログラムを提供する。
【解決手段】支援サーバ20は、ユーザ端末10、AIシステム30に接続される制御部21を備える。そして、制御部21が、ユーザ端末10からタスクを取得し、タスクの特徴量を算出し、特徴量に応じて、複数のプロンプトを生成する。次に、制御部21が、各プロンプトをAIシステム30に入力して、各プロンプトに対するレスポンスを取得し、レスポンスを、順次、ユーザ端末10に出力する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6