(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】電池、電力消費装置、電池の製造方法及び設備
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20241210BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241210BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241210BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241210BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241210BHJP
H01M 10/623 20140101ALI20241210BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20241210BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20241210BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20241210BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/107
H01M50/213
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/623
H01M10/643
H01M10/615
H01M10/6557
(21)【出願番号】P 2023515783
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021115578
(87)【国際公開番号】W WO2023028816
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】孫 東升
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/180436(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/132186(WO,A1)
【文献】特開平11-167908(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031467(WO,A1)
【文献】特開平10-106520(JP,A)
【文献】特開2003-223876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00 - 50/298
H01M 10/52 - 10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、ホルダと、を含み、
前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられ、
前記ホルダに第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記第1ストッパ部と係合接合するように配置され、それにより少なくとも前記電池セルの軸方向において前記電池セルの位置を制限
し、
前記第2ストッパ部は前記ホルダの前記軸方向に沿った端部に設置される電池。
【請求項2】
前記第1ストッパ部及び前記第2ストッパ部のうちの一方は係止溝であり、他方は第1突起である、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記係止溝は前記側壁の外表面に設置された環状溝である、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記側壁の内表面の前記環状溝に対応する位置に、前記電池セルの内部に突出する凸部が形成され、
前記凸部は、前記エンドカバーが前記電池セルの内部に近づく方向に移動することを制限するように配置される、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記ホルダはさらに前記第2ストッパ部に接続された本体部を含み、前記本体部は前記側壁に対応して設置され、前記第2ストッパ部と前記本体部は収容部を囲み、前記収容部は前記側壁の少なくとも一部を収容するように配置される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記本体部の前記軸方向に沿った一端に2つの前記第2ストッパ部が設置され、2つの前記第2ストッパ部は反対方向に沿って延伸して前記本体部と2つの前記収容部を形成し、2つの前記収容部は前記ホルダの互いに離れた両側に設置され、各前記収容部に1つの前記電池セルが対応して設置される、請求項
5に記載の電池。
【請求項7】
前記収容部は嵌合面を有し、前記嵌合面は前記側壁の外表面の輪郭にぴったり合わせて配置される、請求項
5又は
6に記載の電池。
【請求項8】
前記嵌合面は円弧面であり、前記嵌合面は前記電池セルの径方向に沿って前記電池セルの位置を制限するように配置される、請求項
7に記載の電池。
【請求項9】
前記電池は2つの前記ホルダを含み、2つの前記ホルダは1つの前記電池セルの外周に係合される、請求項1~
8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
2つの前記ホルダは固定連結される、請求項
9に記載の電池。
【請求項11】
前記電池は並列に配置された複数の前記ホルダを含み、複数の前記ホルダは一体成形される、請求項1~
10のいずれか一項に記載の電池。
【請求項12】
前記ホルダの対応する前記電池セルから離れた側は平面である、請求項1に記載の電池。
【請求項13】
前記側壁に2つの前記第1ストッパ部が設けられ、前記軸方向に沿って、2つの前記第1ストッパ部は前記ハウジングの側壁に間隔をおいて配置され、
各前記第2ストッパ部は1つの前記第1ストッパ部と係合接合するように配置される、請求項1~
12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記ハウジングは円柱形である、請求項1~
13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記電池はさらに筐体を含み、前記電池セルは前記筐体内に収容され、前記ホルダは前記筐体内に固定される、請求項1~
14のいずれか一項に記載の電池。
【請求項16】
前記ホルダにはさらに、前記電池セルの温度を調節するための流体を収容するように構成された流路が設けられる、請求項1~
15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
前記電池セルの軸方向に沿って、前記流路は前記ホルダの両端を貫通する、請求項
16に記載の電池。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか一項に記載の電池を含む、電力消費装置。
【請求項19】
電池セルを提供するステップであって、前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられるステップと、
第2ストッパ部が設けられるホルダを提供するステップと、
前記第2ストッパ部と前記第1ストッパ部を係合接合させて前記電池セルに対して前記電池セルの軸方向の位置制限を実現するように、前記電池セルを前記ホルダに取り付けるステップと、
を含
み、
前記第2ストッパ部は前記ホルダの前記軸方向に沿った端部に設置される電池の製造方法。
【請求項20】
提供装置と、組立装置と、を含み、
前記提供装置は、電池セル及びホルダを提供するように構成され、
前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられ、
前記ホルダに第2ストッパ部が設けられ、
前記組立装置は前記電池セルを前記ホルダに取り付けるように配置されて、前記第2ストッパ部を前記第1ストッパ部と係合接合させ、それにより少なくとも前記電池セルの軸方向において前記電池セルの位置を制限
し、
前記第2ストッパ部は前記ホルダの前記軸方向に沿った端部に設置される電池の製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池技術分野に関し、具体的には、電池、電力消費装置、電池の製造方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両に多く使用される電池は一般的にリチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電式電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、出力密度が高く、サイクル回数が多く及び貯蔵時間が長い等の利点を有する。
【0003】
電池は一般的に筐体、ホルダ及び電池セルを含み、ホルダは電池セルの位置を制限して、電池セルが筐体内でぐらつくことを防止するために用いられる。しかしながら、ホルダの設計位置が合理的でなければ、電池セルの安全性に影響を与えやすく、従って、電池セルの安全性に対するホルダの影響をどのように減少させるかは、電池分野において早急に解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、電池セルの安全性に対するホルダの影響を減少させる電池、電力消費装置、電池の製造方法及び設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は電池セル及びホルダを含む電池を提供する。前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられる。前記ホルダに第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記第1ストッパ部と係合接合するように配置され、それにより少なくとも前記電池セルの軸方向において前記電池セルの位置を制限する。
【0006】
上記技術的解決手段において、電池セルの側壁における第1ストッパ部とホルダにおける第2ストッパ部が係合接合され、電池セルに対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部はエンドカバーを逃がして、電池セルの軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバーは電池セル内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル内部の圧力を解放することができ、エンドカバーは、電池セルの軸方向の位置を制限するホルダにおける第2ストッパ部の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダが電池セルの圧力解放に影響することを回避して、電池セルの圧力を即時解放し、電池セルの内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池の安全性を向上させる。
【0007】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記第1ストッパ部及び前記第2ストッパ部のうちの一方は係止溝であり、他方は第1突起である。
【0008】
上記技術的解決手段において、第1ストッパ部及び第2ストッパ部は凹凸嵌合を形成し、電池セルに対する軸方向の位置制限を実現し、第1ストッパ部及び第2ストッパ部は構造が簡単であり、その嵌合方式は単純である。
【0009】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記係止溝は前記側壁の外表面に設置された環状溝である。
【0010】
上記技術的解決手段において、係止溝は側壁の外表面に設置された環状溝であり、電池セルをホルダに取り付ける時に、係止溝と第1突起を位置決めする難度を低下させ、それにより電池セルとホルダを取り付ける難度を低下させる。
【0011】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記側壁の内表面の前記環状溝に対応する位置に、前記電池セルの内部に突出する凸部が形成される。前記凸部は、前記エンドカバーが前記電池セルの内部に近づく方向に移動することを制限するように配置される。
【0012】
上記技術的解決手段において、側壁の内表面の環状溝に対応する位置に、電池セルの内部に突出する凸部が形成され、該凸部は、エンドカバーが電池セルの内部に近づく方向に移動することを制限でき、このように電池セルの側壁に環状溝を形成することで、電池セルの側壁の構造強度を低下させないだけでなく、環状溝と第1突起との嵌合により電池セルに対する軸方向の位置を制限することができ、且つ環状溝を形成すると同時にエンドカバーの位置を制限する凸部が対応して形成されて、電池セルの製造工程を簡略化し、電池セルの製造の難度を低下させる。
【0013】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記第2ストッパ部は前記ホルダの前記軸方向に沿った端部に設置される。
【0014】
上記技術的解決手段において、第2ストッパ部はホルダの電池セルの軸方向に沿った端部に設置されてホルダを合理的に利用することができ、且つ第2ストッパ部の位置を電池セルの軸方向の端部に可能な限り近づけて、電池セルに対する軸方向の位置制限をより効果的に行う。
【0015】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記ホルダはさらに前記第2ストッパ部に接続された本体部を含み、前記本体部は前記側壁に対応して設置され、前記第2ストッパ部と前記本体部は収容部を囲み、前記収容部は前記側壁の少なくとも一部を収容するように配置される。
【0016】
上記技術的解決手段において、第2ストッパ部と本体部は収容部を囲み、収容部は電池セルの側壁の少なくとも一部を収容することができ、それにより収容部は電池セルの横方向から電池セルの位置を制限し、それにより電池セルがホルダに対してぐらつくことを減少させ、電池セルの取り付け安定性を向上させる。
【0017】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記本体部の前記軸方向に沿った一端に2つの前記第2ストッパ部が設置され、2つの前記第2ストッパ部は反対方向に沿って延伸して前記本体部と2つの前記収容部を形成し、2つの前記収容部は前記ホルダの互いに離れた両側に設置され、各前記収容部に1つの前記電池セルが対応して設置される。
【0018】
上記技術的解決手段において、2つの第2ストッパ部は反対方向に沿って延伸して本体部と2つの収容部を形成し、各収容部は、1つの電池セルを対応して収容し、ホルダを十分に利用することができ、さらに電池のホルダの数を減らして、電池の重量を軽減することができる。
【0019】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記収容部は嵌合面を有し、前記嵌合面は前記側壁の外表面の輪郭にぴったり合わせて配置される。
【0020】
上記技術的解決手段において、収容部が側壁の外表面の輪郭にぴったり合わされる嵌合面を有することで、収容部は電池セルの位置をより良好に制限することができ、電池セルがホルダに対してぐらつく可能性を低下させる。
【0021】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記嵌合面は円弧面であり、前記嵌合面は前記電池セルの径方向に沿って前記電池セルの位置を制限するように配置される。
【0022】
上記技術的解決手段において、嵌合面が電池セルの径方向に沿って電池セルの位置を制限することで、電池セルをホルダに安定して取り付けることができ、電池セルがホルダに対してぐらつく可能性を低下させる。
【0023】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記電池は2つの前記ホルダを含み、2つの前記ホルダは1つの前記電池セルの外周に係合される。
【0024】
上記技術的解決手段において、2つのホルダが1つの電池セルの外周に係合されることで、2つのホルダは電池セルの径方向及び軸方向において十分に位置を制限することができ、電池はより安定してホルダに取り付けられ、電池セルがホルダに対してぐらつく可能性を低下させる。
【0025】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、2つの前記ホルダは固定連結される。
【0026】
上記技術的解決手段において、2つのホルダが固定連結され、それにより2つのホルダが1つの電池セルの外周に係合された状態を保持することで、電池はより安定してホルダに取り付けられ、電池セルがホルダに対してぐらつく可能性を低下させる。
【0027】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記電池は並列に配置された複数の前記ホルダを含み、複数の前記ホルダは一体成形される。
【0028】
上記技術的解決手段において、電池は並列に配置された複数のホルダを含み、複数の電池セルを取り付けることができ、電池の電気エネルギーを増大させることができる。複数のホルダは一体成形され、製造しやすく、且つ組み立てて電池を形成する時に、並列に配置される複数のホルダの間を連結する必要がなく、電池の製造工程を簡略化し、電池の製造の難度を低下させる。
【0029】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記ホルダの対応する前記電池セルから離れた側は平面である。
【0030】
上記技術的解決手段において、ホルダの対応する電池セルから離れた側が平面であることで、ホルダの取り付けを容易にし、さらにホルダと他の構造をよりよく係合させることができる。
【0031】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記側壁に2つの前記第1ストッパ部が設けられ、前記軸方向に沿って、2つの前記第1ストッパ部は前記ハウジングの側壁に間隔をおいて配置される。各前記第2ストッパ部は1つの前記第1ストッパ部と係合接合するように配置される。
【0032】
上記技術的解決手段において、側壁に2つの第1ストッパ部が設けられ、各第2ストッパ部は1つの第1ストッパ部と係合接合するように配置され、それにより電池セルに対する軸方向の位置制限をより強固にする。
【0033】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記ハウジングは円柱形である。
【0034】
上記技術的解決手段において、電池セルのハウジングは円柱形であり、すなわちハウジングは規則的な構造であり、電池セルをホルダに取り付けやすい。
【0035】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記電池はさらに筐体を含み、前記電池セルは前記筐体内に収容され、前記ホルダは前記筐体内に固定される。
【0036】
上記技術的解決手段において、ホルダは筐体に固定され、ホルダが筐体内でぐらつくことを防ぎ、それにより電池セルが筐体内でぐらつく可能性を低下させる。
【0037】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記ホルダにはさらに、前記電池セルの温度を調節するための流体を収容するように構成された流路が設けられる。
【0038】
上記技術的解決手段において、流路内には、電池セルの温度を調節することができる流体を収容し、環境温度が低い場合、電池セルの温度が高くなるように調整して、電池セルを正常に動作させ、環境温度又は電池セルの温度が高すぎる場合、流路内に収容された流体が電池セルの温度を低下させて、電池セルを正常に動作させ電池の安全を保証することができる。流路は電池セルの温度を調節する流体を収容して、電池セルの温度を調節するだけでなく、ホルダの重量を軽減して、電池の重量を軽減することができる。
【0039】
本願の第1態様のいくつかの実施例において、前記電池セルの軸方向に沿って、前記流路は前記ホルダの両端を貫通する。
【0040】
上記技術的解決手段において、流路はホルダの両端を貫通し、流路を流れる流体が電池セルと熱交換しやすく、電池セルの温度調節の効率を向上させる。
【0041】
第2態様によれば、本願の実施例は第1態様の実施例が提供する電池を含む電力消費装置を提供する。
【0042】
上記技術的解決手段において、電池セルの側壁における第1ストッパ部とホルダにおける第2ストッパ部が係合接合され、電池セルに対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部はエンドカバーを逃がして、電池セルの軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバーは電池セル内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル内部の圧力を解放することができ、エンドカバーは、電池セルの軸方向の位置を制限するホルダにおける第2ストッパ部の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダが電池セルの圧力解放に影響することを回避して、電池セルの圧力を即時解放し、電池セルの内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池セルの安全性を向上させ、それにより電力消費の安全を向上させる。
【0043】
第3態様によれば、本願の実施例は、
電池セルを提供するステップであって、
前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられるステップと、
第2ストッパ部が設けられるホルダを提供するステップと、
前記第2ストッパ部と前記第1ストッパ部を係合接合させて前記電池セルに対して前記電池セルの軸方向の位置制限を実現するように、前記電池セルを前記ホルダに取り付けるステップと、を含む、電池の製造方法を提供する。
【0044】
上記技術的解決手段において、電池セルにおける第1ストッパ部とホルダにおける第2ストッパ部を係合接合させることにより、電池セルに対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部はエンドカバーを逃がして、電池セルの軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバーは電池セル内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル内部の圧力を解放することができ、エンドカバーは、電池セルの軸方向の位置を制限するホルダにおける第2ストッパ部の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダが電池セルの圧力解放に影響することを回避して、電池セルの圧力を即時解放し、電池セルの内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池セルの安全性を向上させる。
【0045】
第4態様によれば、本願の実施例は、提供装置と、組立装置と、を含む電池の製造設備を提供する。前記提供装置は、電池セル及びホルダを提供するように構成される。前記電池セルは密封接続されたハウジング及びエンドカバーを含み、前記ハウジングの側壁に第1ストッパ部が設けられる。前記ホルダに第2ストッパ部が設けられ、前記組立装置は前記電池セルを前記ホルダに取り付けるように配置されて、前記第2ストッパ部を前記第1ストッパ部と係合接合させ、それにより少なくとも前記電池セルの軸方向において前記電池セルの位置を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に説明し、理解すべきことは、以下の図面は本願のいくつかの実施例を示しているに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものと見なすべきではなく、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の関連する図面を取得することができる。
【0047】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る車両の構造概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る電池の構造概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの分解図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る電池セルをホルダに取り付けた概略図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る電池セルの断面図である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係るホルダの構造概略図である。
【
図10】本願の別の実施例に係るホルダの第1視野角の構造概略図である。
【
図11】本願の別の実施例に係るホルダの第2視野角の構造概略図である。
【
図12】本願のいくつかの実施例に係る電池セルと2つのホルダを組み立てた後の構造投影図である。
【
図13】本願のいくつかの実施例に係る電池セルと2つのホルダを組み立てる前の構造投影図である。
【
図14】本願のいくつかの実施例に係る並列に配置された複数のホルダの構造概略図である。
【
図15】本願のいくつかの実施例に係る2列のホルダの配置概略図である。
【
図16】本願のいくつかの実施例に係る2列のホルダを含む電池の構造概略図である。
【
図17】本願のいくつかの実施例に係る3列のホルダの配置概略図である。
【
図18】本願のいくつかの実施例に係る3列のホルダを含む電池の構造概略図である。
【
図19】本願の別の実施例に係る電池の構造概略図である。
【
図20】本願のさらに別の実施例に係る電池の構造概略図である。
【
図21】本願のいくつかの実施例に係る電池の製造方法のフローチャートである。
【
図22】本願の実施例に係る電池の製造設備の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明し、明らかなことだが、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本明細書の図面に記載され示される本願の実施例の構成要素は、一般的に様々な異なる構成で配置及び設計され得る。
【0049】
したがって、図面に提供される本願の実施例の以下の詳細な説明は、特許請求される本願の範囲を限定することを意図するものではなく、本願の選択された実施例のみを示すものである。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0050】
なお、本願における実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0051】
なお、類似の符号及びアルファベットは以下の図面において類似の項目を示し、従って、ある項目が1つの図面において定義されていれば、後続の図面においてそれをさらに定義し且つ解釈する必要はない。
【0052】
なお、本願の実施例の説明において、指示する方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、又は該出願の製品を使用する時に通常配置する方位又は位置関係であり、又は当業者が通常理解する方位又は位置関係であり、それらは本願の説明を容易にして、説明を簡略化するためのものであるに過ぎず、対象の装置や要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを示す又は暗示するものではなく、従ってそれらは本願を限定するものと理解すべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、区別して説明するためのものであるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するものと理解すべきではない。
【0053】
リチウムイオン蓄電池はそのエネルギー密度が大きく、サイクル特性に優れる等の顕著な利点により、二次電池の主流製品となり、且つ携帯型電子機器、自動車、携帯電話、宇宙船等の分野に広く応用されている。
【0054】
電池は一般的に電池セル及び電池セルの位置を制限するためのホルダを含み、電池セルはハウジング、エンドカバー及び電極アセンブリを含み、エンドカバーは電池セルの軸方向の一端に密封接続され、ハウジング及びエンドカバーは共に電極アセンブリを収容する収容キャビティを画定する。電池セルは充放電の過程で内部圧力又は温度が急激に増大するリスクがあり、電池セルの内部圧力又は温度が一定値まで増大した時に解放されなければ、火災又は爆発等の安全上の事故が発生しやすいため、電池の安全性を保証するために、一般的にエンドカバーに減圧機構が設置され、電池内部の圧力又は温度が閾値に達すると、減圧機構が作動し、減圧機構を介して電池内部の圧力を解放することができる。
【0055】
発明者は、電池には電池セルのハウジングの構造強度に要件があるため、減圧機構は一般的にエンドカバーに設置され、いくつかの電池セル構造においては、電池セルに専用の減圧機構を設置せず、エンドカバー自体を減圧機構とすることができ、電池内部の圧力又は温度が閾値に達すると、エンドカバーが作動することにより、エンドカバーと筐体との連結関係が破壊され、それにより電池内部の圧力が解放されることに注目した。電池セルに専用の減圧機構が設けられるか又はエンドカバー自体によって減圧されるかに関わらず、減圧の位置はいずれも電池セルの軸方向の少なくとも一端にある。
【0056】
ホルダの電池セルに対する位置制限は軸方向の位置制限を含み、ホルダにおけるストッパ部によって電池セルの軸方向の少なくとも一端に当接し、それにより電池セルに対する軸方向の位置制限を実現する。ホルダのストッパ部は減圧機構又はエンドカバーの作動を遮っており、減圧機構又はエンドカバーが電池セル内部の圧力解放を実現するためには、まずホルダのストッパ部による遮蔽を克服する必要があり、電池セルの減圧が直ちになされないか又は減圧がなされないと、火災、爆発等の安全上の事故を引き起こし得る。
【0057】
これに基づき、電池セルの圧力解放に対するホルダの影響を改善するために、発明者による鋭意研究の結果は以下のとおりである。電池に関し、電池セルの側壁における第1ストッパ部とホルダにおける第2ストッパ部を係合接合させることにより、電池セルに対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部はエンドカバーを逃がして、電池セルの軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバーは電池セル内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル内部の圧力を解放することができ、エンドカバーは、電池セルの軸方向の位置を制限するホルダにおける第2ストッパ部の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダが電池セルの圧力解放に影響することを回避して、電池セルの圧力を即時解放し、電池セルの内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池の安全性を向上させる。
【0058】
本願の実施例に記載の電池セルは、電池を使用する電力消費装置に適用される。
【0059】
電力消費装置は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具、電動工具などであってもよい。車両はガソリン自動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車等であってもよい。宇宙船は航空機、ロケット、スペースシャトル及びスペースシップ等を含む。電動玩具はゲーム機、電動自動車玩具、電動船舶玩具及び電動航空機玩具等の固定式又は移動式の電動玩具を含む。電動工具は電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、電動インパクトドライバ、コンクリートバイブレータ及び電動カンナ等の金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含む。本願の実施例は上記電力消費装置について特に限定しない。
【0060】
以下の実施例は説明の便宜上、電力消費装置として車両を例に説明する。
【0061】
図1を参照し、
図1は本願のいくつかの実施例に係る車両1000の構造概略図である。車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は車両1000の底部又は前側又は後側に設置されてもよい。電池100は、車両1000へ電力を供給するために用いることができ、例えば、車両1000の動作電源として用いることができる。
【0062】
車両1000はさらにコントローラ200及びモータ300を含むことができ、コントローラ200は、電池100がモータ300へ電力を供給するように制御するために用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力の必要を賄う。
【0063】
本願のいくつかの実施例において、電池100は車両1000の動作電源としてだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0064】
図2、
図3を参照し、
図2は本願のいくつかの実施例に係る電池100の構造概略図であり、
図3は本願のいくつかの実施例に係る電池セル10の分解図である。電池100は、電池セル10及びホルダ20を含む。電池セル10は密封接続されたハウジング11及びエンドカバー12を含み、ハウジング11の側壁111に第1ストッパ部13が設けられる。ホルダ20に第2ストッパ部21が設けられ、第2ストッパ部21は第1ストッパ部13と係合接合するように配置され、それにより少なくとも電池セル10の軸方向において電池セル10の位置を制限する。
【0065】
電池セル10はハウジング11、エンドカバー12及び電極アセンブリ14を含むことができる。ハウジング11は開口112を有し、電極アセンブリ14はハウジング11内に収容され、エンドカバー12は開口112をカバーするために用いられる。
【0066】
電池セル10のハウジング11の側壁111とは、電池セル10の軸線の外周を囲む壁を指す。第1ストッパ部13は側壁111の外面に設けられる。
【0067】
ハウジング11は円筒、直方体等の様々な形状であってもよい。ハウジング11の形状は、電極アセンブリ14の具体的な形状によって決定される。例えば、電極アセンブリ14が円筒構造である場合、ハウジング11は円筒構造を選択することができ、電極アセンブリ14が直方体構造である場合、ハウジング11は直方体構造を選択することができる。
図2及び
図3は、ハウジング11及び電極アセンブリ14が円筒である場合を例示的に示す。
【0068】
ハウジング11の材質はいくつもあり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金等であってもよく、本願の実施例はこれについて特に限定しない。
【0069】
電極アセンブリ14は正極シート(図示せず)、負極シート(図示せず)及びセパレータ(図示せず)を含むことができる。電極アセンブリ14は、正極シート、セパレータ及び負極シートを捲回して形成された捲回式構造であってもよく、正極シート、セパレータ及び負極シートを積層配置して形成された積層式構造であってもよい。電極アセンブリ14はさらに正極タブ(図示せず)及び負極タブ(図示せず)を含み、正極シートにおける正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極タブとし、負極シートにおける負極活物質層が塗布されていない負極集電体を負極タブとすることができる。
【0070】
エンドカバー12はハウジング11の開口112をカバーして、密閉された収容キャビティ(図示せず)を形成するために用いられ、収容キャビティは電極アセンブリ14を収容するために用いられる。収容空間はさらに電解質、例えば電解液を収容するために用いられる。エンドカバー12は電極アセンブリ14の電気エネルギーを出力する部材として、エンドカバー12における電極端子は電極アセンブリ14と電気的に接続するために用いられ、即ち電極端子は電極アセンブリ14のタブに電気的に接続され、例えば、電極端子とタブは集電体(図示せず)を介して接続されて、電極端子とタブの電気的接続を実現する。
【0071】
なお、ハウジング11の開口112は1つであってもよく、2つであってもよい。
図3に示すように、ハウジング11の開口112が1つであれば、エンドカバー12も1つであってもよく、該エンドカバー12に2つの電極端子を設置することができ、2つの電極端子はそれぞれ電極アセンブリ14の正極タブ及び負極タブと電気的に接続するために用いられ、エンドカバー12における2つの電極端子はそれぞれ正極電極端子及び負極電極端子であり、又は電極アセンブリ14の正極タブはエンドカバー12の電極端子と電気的に接続され、電極アセンブリ14の負極タブはハウジング11と電気的に接続され、エンドカバー12はハウジング11と絶縁接続される。エンドカバー12とハウジング11との絶縁接続を実現するために、いくつかの実施例において、電池セル10はさらに絶縁部材15を含み、絶縁部材15はエンドカバー12とハウジング11との間に設けられ、エンドカバー12とハウジング11とを分離し、エンドカバー12とハウジング11との絶縁接続を実現する。ハウジング11の開口112が2つであれば、例えば、2つの開口112はハウジング11の対向する両側に設置され、エンドカバー12が2つであってもよく、2つのエンドカバー12はそれぞれハウジング11の2つの開口112をカバーする。この場合、1つのエンドカバー12における電極端子が正極電極端子であり、電極アセンブリ14の正極タブと電気的に接続するために用いられ、他方のエンドカバー12における電極端子が負極電極端子であり、電極アセンブリ14の負極シートと電気的に接続するために用いられるものであってもよい。
【0072】
第2ストッパ部21はホルダ20に設置され、第1ストッパ部13と第2ストッパ部21との係合接合が実現することは、第1ストッパ部13と第2ストッパ部21とが電池セル10の軸方向に沿って当接するか又は電池セル10の軸方向に沿って、第1ストッパ部13と第2ストッパ部21とが凹凸嵌合することであってもよい。
【0073】
電池セル10の側壁111における第1ストッパ部13とホルダ20における第2ストッパ部21とが係合接合することは、電池セル10に対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部21はエンドカバー12を逃がして、電池セル10の軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバー12は電池セル10内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル10内部の圧力を解放することができ、エンドカバー12は、電池セル10の軸方向の位置を制限するホルダ20における第2ストッパ部21の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダ20が電池セル10の圧力解放に影響することを回避して、電池セル10の圧力を即時解放し、電池セル10の内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池100の安全性を向上させる。
【0074】
いくつかの実施例において、第1ストッパ部13及び第2ストッパ部21のうちの一方は係止溝であり、他方は第1突起である。
【0075】
係止溝の切り込みの向きは電池セル10の軸方向と鋭角又は鈍角を呈するように配置されるべきである。いくつかの実施例において、係止溝の切り込みは電池セル10の横方向と一致し、電池セル10の横方向とは電池セル10の軸方向と垂直である方向を指し、電池セル10のハウジング11が円柱形である実施例において、電池セル10の横方向は電池セル10の径方向であってもよい。
【0076】
電池セル10の軸方向に沿って、係止溝の幅は第1突起の電池セル10の軸方向に沿ったサイズと同じであり、電池セル10がホルダ20に対して軸方向にぐらつくことを防ぐ。
【0077】
第1ストッパ部13と第2ストッパ部21は凹凸嵌合を形成し、電池セル10に対する軸方向の位置制限を実現し、第1ストッパ部13と第2ストッパ部21は構造が簡単であり、その嵌合方式は単純である。
【0078】
いくつかの実施例において、係止溝は側壁111の外表面に設置された環状溝である。
【0079】
環状溝とは、係止溝がハウジング11の側壁111の周方向に沿って延伸し、且つハウジング11の側壁111の周方向において環状に設けられた閉鎖構造である。電池セル10のハウジング11が円柱形である実施例において、環状溝は半径が一定の円形構造であり、電池セル10のハウジング11が方形である実施例において、環状溝はハウジング11の側壁111の周方向における輪郭と一致する方形構造である。
【0080】
係止溝は側壁111の外表面に設置された環状溝であり、係止溝は電池セル10の周方向に沿った任意の位置においていずれも第2ストッパ部21と係合接合を形成することができ、電池セル10をホルダ20に取り付ける時に、係止溝と第1突起とを位置決めする難度を低下させ、それにより電池セル10とホルダ20を取り付ける難度を低下させる。別の実施例において、係止溝はホルダ20に設置されてもよく、第1突起はハウジング11の側壁111の外表面に設置される。
【0081】
図4、
図5を参照し、
図4は本願のいくつかの実施例に係る電池セル10をホルダ20に取り付けた概略図であり、
図5は
図4におけるI部の拡大図である。第2ストッパ部21は第1ストッパ部13内に入って設けられ、第1ストッパ部13の電池セル10の軸方向に沿った2つの溝壁はそれぞれ第2ストッパ部21の両側に当接するために用いられ、それにより電池セル10の軸方向の位置を制限する。
【0082】
図6、
図7を参照し、
図6は本願のいくつかの実施例に係る電池セル10の断面図であり、
図7は
図6におけるII部の拡大図である。いくつかの実施例において、側壁111の内表面の環状溝に対応する位置に、電池セル10の内部に突出する凸部113が形成される。凸部113は、エンドカバー12が電池セル10の内部に近づく方向に移動することを制限するように配置される。
【0083】
エンドカバー12は、ハウジング11の軸方向の一端に設置される。エンドカバー12が電池セル10に近づく内部に向かって移動することを制限するために、ハウジング11の内表面に凸部113が設けられ、凸部113はエンドカバー12の電池セル10の内部に面する側に位置し、凸部113はエンドカバー12の電池セル10の内部に面する側でエンドカバー12に当接し、凸部113とエンドカバー12は絶縁接続することができる。凸部113は、側壁111の内表面の環状溝に対応する位置に形成され、凸部113は環状溝と適合する環状構造であり、環状の凸部113は、エンドカバー12に対する当接面24の面積を大きくすることができ、エンドカバー12が電池セル10に近づく内部に沿って移動することをより効果的に制限する。
【0084】
また、側壁111の内表面の環状溝に対応する位置に、電池セル10の内部に突出する凸部113が形成され、該凸部113は、エンドカバー12が電池セル10の内部に近づく方向に移動することを制限でき、このように電池セル10の側壁111に環状溝を形成することで、電池セル10の側壁111の構造強度を低下させないだけでなく、環状溝と第1突起との嵌合により電池セル10の軸方向に対する位置を制限することができ、且つ環状溝を形成すると同時にエンドカバー12の位置を制限する凸部113が対応して形成されて、電池セル10の製造工程を簡略化し、電池セル10の製造の難度を低下させる。
【0085】
図8、
図9を参照し、
図8は本願のいくつかの実施例に係るホルダ20の構造概略図であり、
図9は
図8におけるIII部の拡大図である。第2ストッパ部21の第1ストッパ部13に挿設される端面にノッチ211が設けられ、ノッチ211は電池セル10の軸方向に沿って第2ストッパ部21の両側を貫通し、ノッチ211は当接面を有し、当接面は環状溝のノッチ211に対向する底壁と適合する。
【0086】
引き続き
図8、
図9を参照し、いくつかの実施例において、第2ストッパ部21はホルダ20の軸方向に沿った端部に設置される。
【0087】
第2ストッパ部21はホルダ20の軸方向に沿った端部に設置され、第1ストッパ部13はハウジング11の側壁111に設置され、電池セル10の軸方向に沿って、電池セル10のエンドカバー12が設けられた一端をホルダ20から延出させることができ、電池セル10の電気エネルギーの出力を容易にする。第2ストッパ部21はホルダ20の電池セル10の軸方向に沿った端部に設置されてホルダ20を合理的に利用することができ、且つ第2ストッパ部21の位置を電池セル10の軸方向の端部に可能な限り近づけて、電池セル10の軸方向に対してより効果的な位置制限を行う。他の実施例において、第2ストッパ部21はホルダ20の他の位置、例えば、ホルダ20の中央に設置されてもよい。ハウジング11の内表面に凸部113が形成される実施例において、第2ストッパ部21はホルダ20の電池セル10の軸方向に沿った一端に設置され、凸部113は電極アセンブリ14(
図3、
図6に示す)領域を逃がすことができ、電池セル10のエネルギー密度を向上させる。
【0088】
図8、
図9を参照し、いくつかの実施例において、ホルダ20はさらに第2ストッパ部21に接続された本体部22を含み、本体部22は側壁111に対応して設置され、第2ストッパ部21と本体部22は収容部23を囲み、収容部23は側壁111の少なくとも一部を収容するように配置される。
【0089】
収容部23は、電池セル10の軸方向に沿ってノッチ211に連通する。収容部23は入口を備え、入口はハウジング11の側壁111を収容部23に進入させるために用いられる。収容部23が側壁111の少なくとも一部を収容するように配置されるとは、側壁111の一部が収容部23内に制限されて収容されてもよく、側壁111の全てが収容部23内に制限されて収容されてもよいという意味である。
【0090】
本体部22は側壁111に対応して設置されることは、本体部22は側壁111に対向して設置され、本体部22の延伸方向は側壁111の軸方向と一致することでもよい。
【0091】
第2ストッパ部21と本体部22は収容部23を囲み、収容部23は電池セル10の側壁111の少なくとも一部を収容することができ、それにより収容部23は電池セル10の横方向から電池セル10の位置を制限し、それにより電池セル10がホルダ20に対してぐらつくことを減少させ、電池セル10の取り付け安定性を向上させる。
【0092】
図10、
図11を参照し、
図10は本願の別の実施例に係るホルダ20の第1視野角の構造概略図であり、
図11は本願の別の実施例に係るホルダ20の第2視野角の構造概略図である。いくつかの実施例において、本体部22の軸方向に沿った一端に2つの第2ストッパ部21が設置され、2つの第2ストッパ部21は反対方向に沿って延伸して本体部22と2つの収容部23を形成し、2つの収容部23はホルダ20の互いに離れた両側に設置され、各収容部23に1つの電池セル10が対応して設置される。
【0093】
2つの第2ストッパ部21は反対方向に沿って延伸して本体部22と2つの収容部23を形成し、各収容部23に1つの電池セル10を対応して収容することで、ホルダ20を十分に利用することができ、さらに電池100のホルダ20の数を減らして、電池100の重量を軽減することができる。
【0094】
いくつかの実施例において、収容部23は嵌合面231を有し、嵌合面231は側壁111の外表面の輪郭にぴったり合わせて配置される。
【0095】
嵌合面231が側壁111の外表面の輪郭にぴったり合わせて配置されることは、電池セル10がホルダ20に取り付けられた後、側壁111の外表面の収容部23に面する部分が嵌合面231にぴったり合わせられることを指し、電池セル10が円柱形である実施例において、側壁111の外表面は円柱面であり、嵌合面231は半径が側壁111の半径に等しい円弧面である。電池セル10が方形である実施例において、側壁111の外表面は方形面であり、嵌合面231は側壁111の外表面の収容部23に面する部分に適合する形状である。
【0096】
第2ストッパ部21が第1突起である実施例において、第1突起は嵌合面231に対して突出し、即ち第2ストッパ部21は嵌合面231から突出する。第1突起が嵌合面231から突出するサイズは係止溝の電池セル10の径方向に沿った深さと同じであり、それにより第1突起が係止溝に入り込むと、ハウジング11の側壁111の外表面は嵌合面231にぴったり合わせられ、第1突起の嵌合面231から離れた一端は係止溝の底壁に当接する。
【0097】
収容部23が側壁111の外表面の輪郭に適合する嵌合面231を有することで、収容部23は電池セル10の位置をより効果的に制限することができ、電池セル10がホルダ20に対してぐらつく可能性を低下させる。
【0098】
いくつかの実施例において、嵌合面231は円弧面であり、嵌合面231は電池セル10の径方向に沿って電池セル10の位置を制限するように配置される。
【0099】
嵌合面231は、電池セル10の径方向に沿って電池セル10の位置を制限するように配置され、嵌合面231は、側壁111の周方向に沿って延伸し且つ側壁111の外表面の一部を覆う。
【0100】
嵌合面231が電池セル10の径方向に沿って電池セル10の位置を制限することで、電池セル10をホルダ20に安定して取り付けることができ、電池セル10がホルダ20に対してぐらつく可能性を低下させる。
【0101】
図12、
図13を参照し、
図12は本願のいくつかの実施例に係る電池セル10と2つのホルダ20を組み立てた後の構造投影図であり、
図13は本願のいくつかの実施例に係る電池セル10と2つのホルダ20を組み立てる前の構造投影図である。いくつかの実施例において、電池100は2つのホルダ20を含み、2つのホルダ20は1つの電池セル10の外周に係合される。
【0102】
2つのホルダ20が1つの電池セル10の外周に係合されることは、2つのホルダ20が係合された後に電池セル10の側壁111の外表面における一部の領域を覆うことでもよい、又は2つのホルダ20が係合されて電池セル10の周方向に沿って形成される密閉された領域が電池セル10の側壁111の外表面を覆うことでもよい。
【0103】
図13に示すように、各ホルダ20は当接面24を有し、収容部23は当接面24に形成され、2つのホルダ20のうちの1つのホルダ20の当接面24は、他のホルダ20の当接面24に当接するように配置され、それにより2つのホルダ20のうちの1つのホルダ20の収容部23と他のホルダ20の収容部23は共に両端が開放された収容空間を画定し、収容空間はハウジング11の側壁111の少なくとも一部を収容するように構成される。
【0104】
2つのホルダ20が1つの電池セル10の外周に係合されることで、2つのホルダ20は電池セル10の径方向及び軸方向において十分に位置を制限することができ、電池100はホルダ20により安定して取り付けられ、電池セル10がホルダ20に対してぐらつく可能性を低下させる。
【0105】
いくつかの実施例において、2つのホルダ20は固定連結される。
【0106】
2つのホルダ20は接着、ボルト接続等の方式によって固定連結を実現することができる。例えば、2つのホルダ20の当接面24の間に接着剤を設けて、接着剤で2つのホルダ20の固定連結を実現し、又はボルトを2つのホルダ20に順に貫通させて2つのホルダ20の固定連結を実現する。他の実施例においては、2つのホルダ20に連結関係がなくてもよく、この場合は2つのホルダ20の当接面24をぴったり合わせるだけでよい。
【0107】
2つのホルダ20が固定連結され、それにより2つのホルダ20が1つの電池セル10の外周に係合された状態を保持することで、電池100はホルダ20により安定して取り付けられ、電池セル10がホルダ20に対してぐらつく可能性を低下させる。
【0108】
図14を参照し、
図14は本願のいくつかの実施例に係る並列に配置された複数のホルダ20の構造概略図である。いくつかの実施例において、電池100は、並列に配置された複数のホルダ20を含み、複数のホルダ20は一体成形される。
【0109】
複数のホルダ20は第1方向Aに沿って並列に配置され、複数のホルダ20は並列に配置され、各ホルダ20にいずれも電池セル10が取り付けられると、各ホルダ20に対応する電池セル10の軸方向は一致する。
【0110】
複数のホルダ20が一体成形されるとは、複数のホルダ20が一体成形の方法を用いて形成された一体成形構造であることを指す。一体成形の方法は注入、射出成形、プレス等を含む。他の実施例において、複数のホルダ20はボルト、ネジ、接着等の方式で連結を実現することもできる。
【0111】
電池100は、並列に配置された複数のホルダ20を含み、複数の電池セル10を取り付けることができ、電池100の電気エネルギーを増大させることができる。実際の必要に応じて、電池100は1つのホルダ20のみを含んでもよい。複数のホルダ20は一体成形され、製造しやすく、且つ組み立てて電池100を形成する時に、並列に配置される複数のホルダ20の間を連結する必要がなく、電池100の製造工程を簡略化し、電池100の製造の難度を低下させる。
【0112】
一実施例において、電池100は複数列のホルダ20を含み、複数列のホルダ20は第2方向Bに沿って配置され、複数列のホルダ20の配置方向は複数のホルダ20の並列方向に垂直であり、即ち第1方向Aは第2方向Bに垂直であり、各列のホルダ20は第1方向Aに沿って並列に配置された複数のホルダ20を含む。隣接する2列のホルダ20は1列の電池セル10の外周に係合され、電池セル10の径方向に対する位置を制限する。
【0113】
図15、
図16を参照し、
図15は本願のいくつかの実施例に係る2列のホルダ20の配置概略図であり、
図16は本願のいくつかの実施例に係る2列のホルダ20を含む電池100の構造概略図である。電池100は第2方向Bに沿って配置された2列のホルダ20を含み、説明の便宜上、2列のホルダ20をそれぞれ第1列20a及び第2列20bと定義し、各列のホルダ20は第1方向Aに沿って並列に配置された複数のホルダ20を含み、第1列20aのホルダ20の数は第2列20bのホルダ20の数と同じであり、第1列20aのホルダ20は第2列20bのホルダ20と一対一に対応して設置され、各ホルダ20に1つの収容部23が設けられ、第1列20aの各ホルダ20における収容部23の入口と、それに対応する第2列20bのホルダ20における収容部23の入口とは第1方向Aに沿って対向して設置され、第1列20aの各ホルダ20と、それに対応する第2列20bのホルダ20とは共に、対応する電池セル10の位置を制限する。
【0114】
いくつかの実施例において、電池100は第1方向Aに沿って配置された少なくとも3列のホルダ20を含む。
図17、
図18を参照し、
図17は本願のいくつかの実施例に係る3列のホルダ20の配置概略図であり、
図18は本願のいくつかの実施例に係る3列のホルダ20を含む電池100の構造概略図であり、説明の便宜上、少なくとも3列のホルダ20における端部に位置する2列のホルダ20をそれぞれ第1列20a及び第2列20bと定義し、残りは中間列20cであり、各列のホルダ20は第2方向Bに沿って並列に配置された複数のホルダ20を含み、各列のホルダ20の数は同じであり、各ホルダ20に1つの収容部23が設けられ、隣接する2列の対応するホルダ20は共に電池セル10の位置を制限する。
【0115】
第1列20a及び第2列20bのホルダ20に1つの収容部23が設けられ、中間列20cの各ホルダ20に互いに離れた2つの収容部23が設けられる。
【0116】
いくつかの実施例において、ホルダ20の対応する電池セル10から離れた側は平面である。
【0117】
電池セル10が2列のホルダ20を含む実施例において、各ホルダ20の電池セル10から離れた側はいずれも平面であり、電池セル10が少なくとも3列のホルダ20を含む実施例において、両端に位置する第1列20a及び第2列20bのホルダ20の電池セル10から離れた側は平面である。
【0118】
ホルダ20の対応する電池セル10から離れた側が平面であることで、ホルダ20の取り付けを容易にし、さらにホルダ20と他の構造をよりよく係合させることができる。
【0119】
いくつかの実施例において、側壁111に2つの第1ストッパ部13が設けられ、軸方向に沿って、2つの第1ストッパ部13はハウジング11の側壁111に間隔をおいて配置される。各第2ストッパ部21は1つの第1ストッパ部13と係合接合するように配置される。
【0120】
2つの第1ストッパ部13は電池セル10の軸方向に沿って間隔をおいて配置され、2つの第1ストッパ部13の構造は同じであっても異なっていてもよい。例えばいくつかの実施例において、2つの第1ストッパ部13はいずれも側壁111に設置される環状溝であり、別の例として、2つの第1ストッパ部13のうちの1つは係止溝であり、もう1つは第2突起(図示せず)である。
【0121】
電池セル10の軸方向に沿って、2つの第1ストッパ部13の間の距離はホルダ20の電池セル10の軸方向に沿ったサイズを超えない。
【0122】
2つの第1ストッパ部13は電池セル10の軸方向に沿って間隔をおいて配置され、対応して、ホルダ20には電池セル10の軸方向に沿って間隔をおいて設置される2つの第2ストッパ部21が設置され、第2ストッパ部21は第1ストッパ部13と一対一で対応して設置され、各第2ストッパ部21は1つの第1ストッパ部13と係合接合するように配置されて、電池セル10に対する軸方向の位置制限をより強固にする。
【0123】
いくつかの実施例において、ハウジング11は円柱形である。なお、ハウジング11は長方形構造であってもよい。
【0124】
電池セル10のハウジング11は円柱形であり、すなわちハウジング11は規則的な構造であり、電池セル10をホルダ20に取り付けやすい。
【0125】
図19を参照し、
図19は本願の別の実施例に係る電池100の構造概略図である。いくつかの実施例において、電池100はさらに筐体30を含み、電池セル10は筐体30内に収容され、ホルダ20は筐体30内に固定される。
【0126】
筐体30は電池セル10及びホルダ20に取り付け空間31を提供するために用いられる。いくつかの実施例において、筐体30は第1部分32及び第2部分33を含むことができ、第1部分32と第2部分33を相互に被せることにより、電池セル10を収容するための取り付け空間31を画定する。なお、第1部分32と第2部分33との接続箇所はシール部材(図示せず)によって実際に密封することができ、シール部材はシールリング、シーラント等であってもよい。
【0127】
第1部分32及び第2部分33は、直方体、円柱体等の様々な形状であってもよい。第1部分32は片側が開放した中空構造であってもよく、第2部分33も片側が開放した中空構造であってもよく、第2部分33の開放側を第1部分32の開放側に被せて、取り付け空間31を有する筐体30を形成する。なお、第1部分32は片側が開放した中空構造で、第2部分33が板状構造であってもよく、第2部分33を第1部分32の開放側に被せて、取り付け空間31を有する筐体30を形成する。
【0128】
ホルダ20はボルト、ネジ、接着等の方式で筐体30の取り付け空間31内に固定することができる。
【0129】
ホルダ20は筐体30に固定され、ホルダ20が筐体30内でぐらつくことを防ぎ、それにより電池セル10が筐体30内でぐらつく可能性を低下させる。
【0130】
電池100において、電池セル10は、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル10が複数であれば、複数の電池セル10の間は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、直並列接続とは複数の電池セル10に直列接続だけでなく並列接続もあることを指す。複数の電池セル10の間を直接、直列接続又は並列接続又は直並列接続し、次いで複数の電池セル10で構成された全体を筐体30内に収容することができる。なお、複数の電池セル10が、まず直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池100モジュールを構成し、複数の電池100モジュールがさらに直列接続又は並列接続又は直並列接続されて一体に形成され、筐体30内に収容されてもよい。
【0131】
いくつかの実施例において、電池100はさらにバス部材(図示せず)を含むことができ、複数の電池セル10の間はバス部材によって電気的な接続が実現されて、複数の電池セル10の直列接続又は並列接続又は直並列接続を実現する。
【0132】
図20を参照し、
図20は本願のさらに別の実施例に係る電池100の構造概略図である。いくつかの実施例において、ホルダ20にはさらに、電池セル10の温度を調節するための流体を収容するように構成された流路25が設けられる。
【0133】
流体は流路25に収容され、ホルダ20を介して電池セル10と熱交換を行い、電池セル10の温度を調節することができる。流体は、気体であっても又は液体であってもよい。電池100の正常な動作に必要とされる温度に基づいて電池セル10の温度を調節することができ、環境温度が低い場合、流路25内の流体は電池セル10の温度が高くなるように調整し、電池セル10を正常に動作させ、環境温度又は電池セル10の温度が高すぎる場合、流路25内の流体は電池セル10の温度を低下させ、電池セル10を正常に動作させ電池100の安全を保証する。
【0134】
流路25は電池セル10の温度を調節する流体を収容して、電池セル10の温度を調節するだけでなく、ホルダ20の重量を軽減して電池100の重量を軽減することができる。
【0135】
いくつかの実施例において、流路25は電池セル10の軸方向に沿って、ホルダ20の両端を貫通する。
【0136】
流路25は電池セル10の軸方向に沿ってホルダ20の両端を貫通し、流体は流路25の一端から流路25に流入し、流路25の他端から流路25から流出し、流体は流路25を流れる過程でホルダ20を介して電池セル10と熱交換を行い、電池セル10の温度を調節することができる。
【0137】
各ホルダ20には、少なくとも1つの流路25が対応して設けられている。
【0138】
流路はホルダ20の両端を貫通し、流路25を流れる流体が電池セル10と熱交換しやすく、電池セル10の温度調節の効率を向上させる。
【0139】
図12、13に示すように、本願のいくつかの実施例は電池100を提供し、電池100は電池セル10及び2つのホルダ20を含み、電池セル10は円柱形であり、電池セル10の軸方向に沿って、ハウジング11の側壁111に2つの第1ストッパ部13が間隔をおいて配置され、各第1ストッパ部13は環状溝である。各ホルダ20に収容部23が形成され、収容部23の嵌合面231は円弧面であり、電池セル10の軸方向に沿って、各収容部23の両端に第2ストッパ部21が設けられ、各第2ストッパ部21にノッチ211が設けられ、電池セル10はノッチ211内に係入されて、第2ストッパ部21を第1ストッパ部13に挿設する。2つのホルダ20は電池セル10の径方向から電池セル10の外周に対向して係合され、且つ周方向に密閉され軸方向の両端が開放された被覆空間を形成し、電池セル10の軸方向の両端は密閉空間から延出し且つそれぞれ2つの第2ストッパ部21の外側に位置し、それによりエンドカバー12を密閉空間の外に位置させる。
【0140】
本願の実施例はさらに電力消費装置を提供し、電力消費装置は上記任意の実施例が提供する電池100を含む。
【0141】
図21を参照し、
図21は本願のいくつかの実施例に係る電池100の製造方法のフローチャートである。電池100の製造方法は、
電池セル10を提供するステップであって、
電池セル10は密封接続されたハウジング11及びエンドカバー12を含み、ハウジング11の側壁111に第1ストッパ部13が設けられるステップS100と、
第2ストッパ部21が設けられるホルダ20を提供するステップS200と、
第2ストッパ部21を第1ストッパ部13と係合接合させて電池セル10に対して電池セル10の軸方向の位置制限を実現するように、電池セル10をホルダ20に取り付けるステップS300と、を含む。
【0142】
電池セル10における第1ストッパ部13とホルダ20における第2ストッパ部21との係合接合により、電池セル10に対する軸方向の位置制限を実現するだけでなく、第2ストッパ部21はエンドカバー12を逃がして、電池セル10の軸方向上の空間を提供し、それによりエンドカバー12は電池セル10内部の圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル10内部の圧力を解放することができ、エンドカバー12は、電池セル10の軸方向の位置を制限するホルダ20における第2ストッパ部21の制限を克服する必要がなく作動して、圧力を解放することができ、ホルダ20が電池セル10の圧力解放に影響することを回避して、電池セル10の圧力を即時解放し、電池セル10の内部圧力が大きすぎて爆発する等のリスクを軽減して、電池セル10の安全性を向上させる。
【0143】
図22を参照し、
図22は本願の実施例に係る電池の製造設備2000の構造概略図である。電池の製造設備2000は、提供装置2100及び組立装置2200を含む。提供装置2100は、電池セル10及びホルダ20を提供するように構成される。電池セル10は密封接続されたハウジング11及びエンドカバー12を含み、ハウジング11の側壁111に第1ストッパ部13が設けられる。ホルダ20に第2ストッパ部21が設けられ、組立装置2200は電池セル10をホルダ20に取り付けるように配置され、第2ストッパ部21を第1ストッパ部13と係合接合させ、それにより少なくとも電池セル10の軸方向において電池セル10の位置を制限する。
【0144】
以上の記載は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は様々な修正及び変更が可能である。本願の主旨及び原則の範囲内でなされる任意の修正、等価置換、改良等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0145】
1000 車両
100 電池
10 電池セル
11 ハウジング
111 側壁
112 開口
113 凸部
12 エンドカバー
13 第1ストッパ部
14 電極アセンブリ
15 絶縁部材
20 ホルダ
21 第2ストッパ部
211 ノッチ
22 本体部
23 収容部
231 嵌合面
24 当接面
20a 第1列
20b 第2列
20c 中間列
25 流路
30 筐体
31 取り付け空間
32 第1部分
33 第2部分
200 コントローラ
300 モータ
2000 電池の製造設備
2100 提供装置
2200 組立装置
A 第1方向
B 第2方向