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特許7602024車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/539 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01S7/539
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023515801
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 DE2021200125
(87)【国際公開番号】W WO2022068999
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102020212381.0
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ケクド・アビシェーク
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・ロビン
(72)【発明者】
【氏名】カワトゥミ・サハール
(72)【発明者】
【氏名】グラッツ・ニコライ
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-080639(JP,A)
【文献】特開2005-063196(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058507(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/154745(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01764630(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018103560(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52 - G01S 7/64
G01S 15/00 - G01S 15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺部にあるオブジェクトを前記車両のアシスタントシステムを用いて特徴付けるための方法(100)であって、
この方法では、前記車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって複数の超音波シグナルが発信され、
その際、オブジェクトから反射された前記複数の超音波シグナルの複数のエコーが受信され、
その際、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が割り出され、かつ複数の前記振幅に基づいて、オブジェクトの高さの分類が割り出される、
当該方法において、
オブジェクトの高さの分類は、第一振幅変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、
前記第一振幅変化が、第一のエコーの第一振幅と、前記第一のエコー後に受信された第二のエコーの第二振幅との比較によって割り出され、
前記第二振幅変化が、第二のエコーの後に受信される第三のエコーの第三振幅と、第二のエコーの第二振幅、又は、第二のエコーの後且つ第三のエコーの前に受信された第四のエコーの第四振幅とを比較することによって割り出され、
前記車両が前記オブジェクトに接近する際に、
(a)経時的な振幅増加が第一振幅変化として割り出され、経時的な振幅減少が第二振幅変化として割り出された場合に、該オブジェクトが、低いと分類されることと、
(b)第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、前記オブジェクトが低いと分類されること、
(c)第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、前記オブジェクトが高いと分類されること、
である(a)~(c)の内の少なくとも一つであること、
を特徴とする方法(100)。
【請求項2】
前記第一のエコーと前記第二のエコーが、時間的に連続するエコーであることを特徴とする請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記オブジェクトが、前記車両の近傍にある、好ましくは、前記車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの分類が割り出されることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記閾値が、前記車両の目下の速度、及び/又は、前記車両の周辺の温度、及び/又は、前記車両の周辺の湿度、及び/又は、前記車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められることを特徴とする請求項に記載の方法(100)。
【請求項6】
第一振幅変化を割り出すために、前記第一振幅と前記第二振幅とを比較すること、並びに第二振幅変化を割り出すために、前記第三振幅と前記第二振幅若しくは前記第四振幅とを比較することが、前記振幅の差、及び/又は、振幅の比を基にしていることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
オブジェクトの高さの分類を割り出すための前記第一振幅変化と前記第二振幅変化との比較が、前記第一振幅変化と前記第二振幅変化との差、及び/又は、前記第一振幅変化と前記第二振幅変化との比を基にしていることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項8】
本方法が、サポートされた駐車プロセス、及び/又は、半自動の駐車プロセス、及び/又は、自動の駐車プロセスに用いられることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
超音波センサと請求項1~のうち何れか一項に記載の方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周辺部にあるオブジェクトを車両のアシスタントシステムを用いて特徴付けるための方法に関しこの方法では、車両がオブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって複数の超音波シグナルが発信される。この際、オブジェクトから反射された複数の超音波シグナルの複数のエコーを受信し、制御手段を用いて受信した複数のエコー各々の振幅を割り出その際、オブジェクトの高さの分類は、該振幅に基づいて割り出される。本発明は、更に、超音波センサと概方法を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波センサ類は、一般的に、空気中を約340メートル毎秒の音速で伝播する超音波シグナルを発信する送信手段を包含している。その際通常、超音波センサのメンブレンが、対応する変換エレメントによって機械的に振動される。超音波シグナルは、周辺部のオブジェクトでエコーとして反射し、超音波センサの受信手段によって検出される。送信時点と受信時点との間の走時差から、超音波シグナルの伝播速度を考慮し、オブジェクトまでの間隔、言い換えれば、距離を割出すことができる。この際、反射した超音波シグナルの振幅、又は、エコーの振幅を割り出すことができる。
【0003】
通常、超音波センサ類は、車両用としては、約7メートル以内の範囲の周辺捕捉のために使用される。特に半自動又は自動の運転マヌーバ、何よりもパーキング用途関連において、例えば、駐車距離測定、駐車スペースサーチ、又は、駐車において超音波センサ類は、大きな役割を果たしている。その際、車両は、通常、オブジェクトに対して相対的に動その際、動いている間、予め定められている時点において、各々一回の測定サイクルが実施される。各測定サイクルにおいては、超音波センサから超音波シグナルが発信される。従来の技術からは、既に、ドライバーに、超音波センサ類を用いて車両の周辺部に関する様々な情報を提供し、車両を運転する際に、特に、駐車スペースの位置確認、及び、該駐車スペース内に該車両を駐車する際にサポートする方法及びこれに対応するアシスタントシステムが既知である。例えば、駐車スペース位置特定機能を備え、且つ、車両の直接的周辺部に駐車スペースが存在しているか否か、又は、存在している駐車スペースが、該車両が駐車できるために十分に大きいか否かをドライバーに示すことができるアシスタントシステムが存在している。この様なアシスタントシステムは、正確に駐車スペースの位置と寸法を割り出すために、車両の周辺部に存在している、例えば、駐車している車両、縁石、壁や垣と言ったオブジェクトに関する情報を必要としている。
【0004】
オブジェクトまでの該車両の距離に加え、一般的には、該オブジェクトの高さも重要である。高さは、あるオブジェクト又は障害物を乗り越えることができるか否かを判定するために重要なファクタである。特に、該車両が、超音波センサの測定を基にして少なくとも半・自律的に運転されている場合、捕捉されたオブジェクトの高さを割り出すことは、望まれている。
【0005】
高さの割出しは、自動車業界において一般的に用いられている一次元(1D)超音波センサ類、即ち、距離を割り出すための超音波センサ類を用いる場合、物理的な制限から、非常に難しい。この様な超音波センサ類を用いる場合、オブジェクトの高さは、直接的に測定できない。高さを割り出すためには、例えば、付加的にカメラを用い、2D画像に基づいて高さを推定する方法、は、複数のセンサ類を用い、三角測量を応用して高さを推定する方法が、用いられる。しかしながら、カメラ又は複数のセンサ類を基にした方法は、1D超音波センサのコストと堅牢性という観点からの長所を活かしていない。
【0006】
冒頭に述べた種類のアシスタントシステム及び方法は、例えば、特許文献1(DE 10 2004 047 479 A1)より既知である。その際、車両の側方に位置するオブジェクトを車両が通過する際に、オブジェクトの高さを分するために、車両の超音波センサを用いて、複数の超音波シグナルが発信されそして当該オブジェクトによって反射された超音波シグナルエコー受信される。受信したエコーの振幅を基に、オブジェクトの高さの分類が、割り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102004047479号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明が解決しようとする課題は、車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための代案的な方法、並びに、それに対応した可能な限り低コストであるにもかかわらずオブジェクトの高さを信頼性高く分できるアシスタントシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題は、請求項1及び並列独立請求項14の総合的な教えによって解決される。本発明の目的に適った実施形態と発展形態は、従属請求項並びに以下の明細書に説明されている。
【0010】
両の周辺部にあるオブジェクトを車両のアシスタントシステムを用いて特徴付けるための本発明による方法では、車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサ、特に、1D超音波センサによって複数の超音波シグナルが発信される。この際、オブジェクトから反射された超音波シグナルの複数のエコーが受信され、その際、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が割り出され、これらの振幅に基づいて、オブジェクトの高さの分類が、割り出される。
【0011】
本発明によれば、オブジェクトの高さの分は、第一エコーの第一振幅と、第一エコー後に受信された第二エコーの第二振幅の比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出される。
【0012】
この際、本発明は先ず、いずれにせよ取付けられている車両のセンサを用いればオブジェクトの高さの費用対効果の高いが可能になる、更には、付加的なセンサ、正確には、他の種類のセンサ類、特にカメラを用いず、対応するセンサデータを関連する演算が複雑で干渉しやすい融合を使用しないという事実によって、特に費用対効果が高く且つ堅牢な分類がさらに促進されるという考察に基づいている。更に本発明は、超音波センサの放射パターンが、基本的に仰角の関数であり、超音波センサから捕捉領域内のオブジェクトに発信される超音波シグナルのパワーが、その仰角に依存していると言う考察も基にしている。ある高さに位置するオブジェクト、特に、車両の超音波センサの取り付け高さよりも低い高さに存在しているオブジェクトの場合、特に、該オブジェクトと動力車両、正確には、超音波センサとの間隔がある特定の距離以内である場合、仰角と、それに依存するパワーは、言い換えれば、反射された超音波シグナルの振幅は、車又は超音波センサとオブジェクトとの間の距離に依存している。この事実は、オブジェクトの高さの分類を割り出すために用いることができる。
【0013】
よって本発明では、オブジェクトの高さの分類を、オブジェクトに対して相対的に動超音波センサ、特に、1D超音波センサの複数のセンサデータのみに基づいて、第一エコーの第一振幅と第二エコーの第二振幅とを比較することによって割り出された第一振幅変化に基づいて割り出されていることを提供する
【0014】
本発明に係る形態は、費用対効果が高く、信頼性のあるオブジェクトの高さの分を可能にする方法が提供されると言う長所を有している。
【0015】
特徴付けられるべきオブジェクトは、地面、例えば、道路表面やその他の地表から延在し、地面に対して基本的に直交して延在するオブジェクトであってもよい。しかしながら、例えば、柵の横木など地面から延在していないオブジェクト、は、例えば、スロープなど地面に対して直交して延在していないオブジェクトであってもよい
【0016】
超音波センサ、特に、1D超音波センサは、例えば、車両のバンパ内またはバンパの裏側に配置ることができる。代案的に、超音波センサ、特に、1D超音波センサは、例えば、車両のドアなどの車体構成部品内または車体構成部品の裏側に配置ることも可能である。
【0017】
単一の超音波センサ、特に、一つの1D超音波センサのみを用いることも可能である。代案的には、複数の超音波センサ、特に、複数の1D超音波センサを用いることも可能である。
【0018】
ある好ましい実施形態においては、該第一エコーと第二エコーは、時間的に連続するエコーである。
【0019】
特に、「高い」と「低い」の2つのクラスは、オブジェクトの高さを分類するために用いられる。その際、オブジェクト少なくとも超音波センサの取り付け高さにある場合、要するに特に、該オブジェクトが、少なくとも超音波センサの取り付け高さに相当する高さを有している場合に、「高い」と分される。一方、オブジェクト超音波センサの取り付け高さより下にある場合、要するに特に、該オブジェクトの高さが、超音波センサの取り付け高さより低い場合、オブジェクトは「低い」と分される。
【0020】
ある更なる有利な実施形態においては、オブジェクトは、車両の近傍にある、好ましくは、車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離に位置しその際、車両が、該オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合に、オブジェクトは低いと分され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合に、オブジェクトは高いと分される。低いと分類は、特に、超音波センサの取り付け高さより下に位置するオブジェクト、要するに特に、超音波センサの取り付け高さよりも低い高さを有するオブジェクトに対して割り出される。この様なオブジェクトは、例えば、縁石である。高さの分類は、特に、少なくとも超音波センサの取り付け高さの位置にあるオブジェクト、要するに特に、少なくとも超音波センサの取り付け高さに相当する高さを有するオブジェクトに対して割り出される。この様なオブジェクトは、例えば、壁、柵、は、他の車両である。
【0021】
これは、少なくとも超音波センサの取り付け高さにあるオブジェクトにおいては、車又は超音波センサが、該オブジェクトに向かって移動しいている間、仰角が変化しないと言うことに基づいている。よって、パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナル又はエコーの振幅は、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナルの振幅は、車両、正確に言えば、超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づいた時、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の距離が小さくなった時に、大きくなる。一方、超音波センサの取り付け高さよりも下にあるオブジェクトの場合、オブジェクトと超音波センサとの間の距離がある特定の距離以下では仰角が変化し、そして車両又は超音波センサが、該オブジェクトに向かって移動するにつれ、仰角が減少し続ける。その際、反射された超音波シグナルの振幅は、該車又は超音波センサが、そのようなオブジェクトに接近するにつれ小さくなる。実際、振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなるにつれ、大きくなる。しかしここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの振幅は、全体的に小さくなる。
【0022】
ある更なる好ましい実施形態においては、該オブジェクトの高さの分類は、第一振幅変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、その際、該第二振幅変化は、第二エコーの後に受信される第三エコーの第三振幅と、第二エコーの第二振幅とを比較することによっては、第二エコーの後且つ第三エコーの前に受信された第四エコーの第四振幅とを比較することによって割り出される。要するにこの際は、二つの振幅変化が互いに比較され、これにより、オブジェクトの高さの分類の堅牢性が、より向上される。
【0023】
この際、ある更なる好ましい実施形態においては、車両が、オブジェクトに接近する際に、経時的な振幅増加が第一振幅変化として割出され経時的な振幅減少が第二振幅変化として割出された場合に、該オブジェクトは、低いと分される。
【0024】
これは、超音波センサの取付高さよりも下にある、即ち、特に、超音波センサの取付高さよりも低い高さを有する、例えば、縁石と言ったオブジェクトであって、該オブジェクトが、特に車両の近くにまだない、好ましくは、車両の超音波センサに対して二メートルよりも遠い距離にある場合、仰角は、少なくとも90°であると言うことを基にしている。よってここでは、パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナルの振幅は、基本的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナ又はエコーの振幅は、動力車両又は超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づいた時、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の距離が小さくなった時に、最初に大きくなる。即ち、ここでは、第一振幅変化は、経時的な振幅増加をもたらす。車又は超音波センサが、オブジェクトに更に接近し、それから、該オブジェクトが、特に車両の近距離領域、好ましくは、車両の超音波センサから二メートル以下の距離に位置する場合、車両が接近するにつれ、仰角変化その際、この角度は90°よりも小さくなり、距離がさらに近づく又は縮小縮小する際に、逐次的にさらに減少するこのため、反射した超音波シグナルの振幅も、更なる接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さくなればなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの振幅が全体的に小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、経時的な振幅減少をもたらす。第一振幅変化と第二振幅変化との比較によって、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出されかつ第二振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合、オブジェクトは、低いと分される。
【0025】
ある更なる好ましい実施形態において該オブジェクトは、車両の近傍にある、好ましくは車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離に位置しその際、該車両が、オブジェクトに接近する場合、経時的な振幅の減少が第一振幅変化と第二振幅変化として割り出され、さらに、付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、オブジェクトが低いと分される。即ち、ここでは、振幅減少の程度も考慮される。
【0026】
これは、超音波センサの取付高さよりも下にある、即ち、特に、超音波センサの取付高さよりも低い高さを有する、例えば、縁石と言ったオブジェクトであって、該オブジェクトが、車両の近隣にある、好ましくは、車両の超音波センサに対して二メートルよりも近い距離に位置する場合、車又は超音波センサが、オブジェクトに向かってさらに移動する間仰角が逐次的に減少すると言うことを基にしている。その結果、反射した超音波シグナル又はエコーの振幅も、接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が小さ程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの振幅は、全体的に小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、第一振幅変化の振幅減少よりも大きな経時的な振幅減少が生じ、その結果、オブジェクトは、低いと分される。
【0027】
ある更なる好ましい実施形態において該オブジェクトは、車両の近傍、好ましくは車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離に位置しその際、該車両が、オブジェクトに接近する場合、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、オブジェクトが高いと分される。即ち、ここでは、振幅増加の程度も考慮される。
【0028】
これは、少なくとも超音波センサの取付高さに位置する、即ち、特に、少なくとも超音波センサの取付高さに相当する高さを有する、例えば、壁、柵、は、車両と言ったオブジェクトの場合、該オブジェクトが、車両の近、好ましくは、車両の超音波センサに対して二メートルよりも近い距離を有している場合でも、車又は超音波センサが、オブジェクトに向かって移動する間、仰角が変化しないと言うことを基にしている。よって、パワー、正確には、反射された超音波シグナルの振幅は、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナル又はエコーの振幅は、車又は超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の距離が小さくなる時に、大きくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、第一振幅変化の振幅増加よりも大きな経時的な振幅増加として得られ、その結果、オブジェクトは、高いと分される。
【0029】
ある更なる好ましい実施形態においては、付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの分類が割り出される。この様にすることで、オブジェクトの高さの分類の割出しの信頼性が、更に向上する。付加的又は代案的に、第二振幅変化が考慮されるある実施形態では、好ましくは、オブジェクトの高さの分類は、付加的又は代案的に、第二振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、割り出される。
【0030】
ある更なる好ましい実施形態においては、その際、該閾値は、車両の目下の速度、及び/、車両の周辺の温度、及び/、車両の周辺の湿度、及び/、車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められる。車両周辺の温度は、空気伝減衰に顕著な影響を与えることから、温度は、対応するセンサによって捕捉し、それに応じて閾値を合わせることができる。尚、湿度も同様である。これにより、更に信頼性のあるオブジェクトの高さの分を達成できる。
【0031】
ある更なる好ましい実施形態においては、振幅の比較は、振幅の差、及び/は、振幅の比を基にしている。
【0032】
ある更なる好ましい実施形態においては、振幅変化の比較は、振幅変化の差、及び/は、振幅変化の比を基にしている。
【0033】
ある更なる好ましい実施形態においては、本方法は、サポートされた駐車プロセス、及び/は、半自動の駐車プロセス、及び/は、自動の駐車プロセスに用いられる。
【0034】
ある更なる好ましい実施形態においては、オブジェクトの高さの分は、超音波センサのセンサデータのみを基にしている。即ち、特に他のセンサ類、例えば、カメラやレーダセンサを、高さの分類の割出しには、用いない。
【0035】
更に、本件の発明は、超音波センサと制御手段を有するアシスタントシステムも包含している。その際、該制御手段は、本発明に係る方法を実施できる様に設計されている。
【0036】
尚、本発明に係る方法に対して記述された長所及び好ましい実施形態は、本発明に係るアシスタントシステムにおいても同様に有効である。
【0037】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいてより詳しく説明する
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、超音波センサの放射パターンを仰角に応じて示している放射チャートを示す。
図2図2は、仰角を図1る超音波センサの、あるオブジェクトからの距離関数として表すグラフを示す。
図3図3、車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法のフローチャートを示す
【発明を実施するための形態】
【0039】
互いに対応する部分は、全ての図において常に同じ符号がつけられている。
【0040】
図1には、超音波センサの放射パターンを仰角に応じて示している放射チャートが示されている。これから明らかなように、超音波センサの放射パターン1は、仰角の関数である、即ち、超音波センサから捕捉領域内のオブジェクトに放射される超音波シグナルのパワーは、その仰角に依存している。
【0041】
あるオブジェクトが、仰角90°、即ち、少なくとも車両の超音波センサの取り付け高さにある場合、車両が、正確には、該超音波センサが、オブジェクトに接近しても、仰角は変化しない。該パワー、言い換えれば、反射された超音波シグナル又はエコーの振幅は、超音波センサとオブジェクトとの間の距離にだけ依存している。よって、反射された超音波シグナルの振幅は、該車又は超音波センサが、高いオブジェクトに接近するにつれ逐次的に大きくなる。
【0042】
両の超音波センサの取り付け高さよりも低い高さを有しているオブジェクトの場合は、仰角、ひいては反射された超音波シグナルのパワー又は振幅は、車両又は超音波センサとオブジェクトとの間の距離に依存して、変化する。車又は超音波センサが、オブジェクトに接近する場合、仰角は、逐次的に減少し、該超音波センサが、オブジェクト間近に達すると近似的に0°に至るまで小さくなる。
【0043】
図2は、仰角を図1る超音波センサのあるオブジェクトからの距離の関数として表すグラフを示している。その際、該オブジェクトは、車両に取付けられた超音波センサの取り付け高さよりも40cm低い高さを有している。ここでは、該オブジェクトは、縁石として構成されている。
【0044】
グラフからは、オブジェクトが、未だ車両の近傍にない場合、特に、車両の超音波センサまで二メートル以上の距離がある場合、仰角は、近似的に90°であることが解る。要するに、この領域においては、反射された超音波シグナルのパワー、正確には、振幅は、本質的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存している。その際、反射された超音波シグナルの振幅は、車又は超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の距離が小さくなる時に、大きくなる。
【0045】
又は超音波センサが、オブジェクトに更に接近し、その結果、該オブジェクトが、車両の近距離領域、特に、車両の超音波センサまで二メートル以下の距離に入った場合、更なる接近により、仰角は、逐次的に有意に減少して行く。その結果、反射した超音波シグナルの振幅も、更なる接近と共に、逐次的に小さくなる。実際、振幅自体は、オブジェクトと超音波センサとの距離が短くなる程、大きくなる。しかしながらここでは、距離が短くなるにつれ、仰角が、小さくなると言うファクタが優勢になり、これに起因し、反射された超音波シグナルの振幅は、全体的に小さくなる。
【0046】
図3、車両の周辺部にあるオブジェクトを特徴付けるための方法100のフローチャートである。その際、該車両は、制御手段と、車両の前のバンパに配置され、図1る放射パターンを有する1D超音波センサを備えたアシスタントシステムを包含している。該車両は、2.5メートルの距離から、その前方をオブジェクトに向けて徐々に接近し、その際、該超音波センサが、連続的に複数の超音波シグナルを発信する。ここで言うオブジェクトは、車両内の超音波センサの取り付け高さよりも約40cm低い高さを有する縁石である。
【0047】
ステップ101では、第一エコーが受信され、第一エコーの第一振幅が割り出される。
【0048】
ステップ102では、第一エコーに経時的に続く第二エコーが受信され、第二エコーの第二振幅が割り出される。
【0049】
ステップ103では、第一振幅変化が、第一振幅と第二振幅を比較することによって割り出される。本ケースでは、振幅増加が割り出される。なぜなら、測定時点において該オブジェクトは、未だ車両の近傍にない、即ち、車両の超音波センサまで二メートル以上の距離を有しているため、仰角は、近似的に90°である。この領域においては、反射された超音波シグナルのパワー、正確には、振幅は、本質的に、オブジェクトと超音波センサとの間の距離にのみ依存しているのである。その際即ち、反射された超音波シグナルの振幅は、車又は超音波センサが、そのようなオブジェクトに近づく、即ち、該オブジェクトと超音波センサとの間の距離が小さくなる時に、大きくなる。即ち、ここでは、第一振幅変化は、経時的な振幅増加として得られる。
【0050】
測定時点において該オブジェクトは、未だ車両の近傍になかったため、割り出された振幅変化を基にしたオブジェクトの高さの最終的な分は、実施されず、方法100は、ステップ102に戻る。これにより、更なる、時間的に第二エコーに続く第三エコーが受信され、第三エコーの第三振幅が、割出される。
【0051】
続いて、ステップ103において、第二振幅変化が、第二振幅と第三振幅を比較することによって割り出される。この間、該車両が、オブジェクトの方向にさらに移動し、更なる測定が実施された時点には、該オブジェクトが、車両の近傍に位置する、即ち、具体的には、車又は超音波センサから0.5メートルの距離に位置するため、第二振幅変化として、振幅減少が割出される。これは、仰角が、この領域においては、90°よりも有意に小さく、そのため、反射された超音波シグナルの振幅が全体的に減少したことによるが、その結果として、第三エコーの第三振幅は、第二エコーの第二振幅よりも小さくなる。即ち、ここでは、第二振幅変化は、経時的な振幅減少として得られる。
【0052】
ステップ104では、オブジェクトの高さの分類が割り出される。この際、第一振幅変化と第二振幅変化との比較が実施される。本件のケースでは、第一振幅変化として経時的な振幅増加が、第二振幅変化として経時的な振幅減少が割り出されたため、該オブジェクトは、低いと分される。
【0053】
この方法100に基づいて、オブジェクトの高さ、本件のケースでは、縁石の高さは、費用対効果が高く且つ信頼性の高いやり方によって分類することができる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
車両の周辺部にあるオブジェクトを前記車両のアシスタントシステムを用いて特徴付けるための方法(100)であって、
この方法では、前記車両が、オブジェクトに対して相対的に動き、アシスタントシステムの超音波センサによって複数の超音波シグナルが発信され、
その際、オブジェクトから反射された前記複数の超音波シグナルの複数のエコーが受信され、
その際、制御手段を用いて、受信した複数のエコーの各々の振幅が割り出され、かつ前記複数の振幅に基づいて、オブジェクトの高さの分類が割り出される、
当該方法において、
オブジェクトの高さの分類は、第一のエコーの第一振幅と、前記第一のエコー後に受信された第二のエコーの第二振幅との比較によって割り出された第一振幅変化に基づいて、割り出されることを特徴とする方法(100)。
2.
前記第一のエコーと前記第二のエコーが、時間的に連続するエコーであることを特徴とする上記1に記載の方法(100)。
3.
前記オブジェクトが、前記車両の近傍にある、好ましくは、前記車両の超音波センサに対して二メートル以内の間隔を有しており、前記車両が、前記オブジェクトに接近する際に、第一振幅変化として、経時的な振幅減少が割り出された場合は、低いと分類され、第一振幅変化として、経時的な振幅増加が割り出された場合は、高いと分類されることを特徴とする上記1又は2に記載の方法(100)。
4.
前記オブジェクトの高さの分類が、第一振幅変化と第二振幅変化との比較によって割り出され、前記第二振幅変化が、第二のエコーの後に受信される第三のエコーの第三振幅と、第二のエコーの第二振幅とを比較することによって、又は、第二のエコーの後且つ第三のエコーの前に受信された第四のエコーの第四振幅とを比較することによって割り出されることを特徴とする上記1~3の何れか一つに記載の方法(100)。
5.
前記車両が前記オブジェクトに接近する際に、経時的な振幅増加が第一振幅変化として割り出され、経時的な振幅減少が第二振幅変化として割り出された場合に、該オブジェクトが、低いと分類されることを特徴とする上記4に記載の方法(100)。
6.
前記オブジェクトが、前記車両の近傍にある、好ましくは、前記車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、前記車両が、該オブジェクトに接近する場合において、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅減少が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、前記オブジェクトが低いと分類されることを特徴とする上記4に記載の方法(100)。
7.
前記オブジェクトが、前記車両の近傍にある、好ましくは、前記車両の超音波センサに対して二メートル以内の距離にあり、前記車両が、前記オブジェクトに接近する場合において、第一振幅変化と第二振幅変化として、それぞれ、経時的な振幅増加が割り出され、且つ付加的に、第二振幅変化が、第一振幅変化よりも大きい場合に、前記オブジェクトが高いと分類されることを特徴とする上記4~6のうち何れか一つに記載の方法(100)。
8.
付加的に第一振幅変化の絶対値が、予め与えられている閾値よりも大きい場合に、オブジェクトの高さの分類が割り出されることを特徴とする上記1~7のうち何れか一つに記載の方法(100)。
9.
前記閾値が、前記車両の目下の速度、及び/又は、前記車両の周辺の温度、及び/又は、前記車両の周辺の湿度、及び/又は、前記車両の超音波センサの取り付け高さに依存して予め定められることを特徴とする上記8に記載の方法(100)。
10.
振幅の比較が、振幅の差、及び/又は、振幅の比に基づいていることを特徴とする上記1~9のうち何れか一つに記載の方法(100)。
11.
振幅変化の比較が、振幅変化の差、及び/又は、振幅変化に基づいていることを特徴とする上記4~10のうち何れか一つに記載の方法(100)。
12.
本方法が、サポートされた駐車プロセス、及び/又は、半自動の駐車プロセス、及び/又は、自動の駐車プロセスに用いられることを特徴とする請求項1~11のうち何れか一つに記載の方法(100)。
13.
オブジェクトの高さの分類が、超音波センサのセンサデータのみに基づいていることを特徴とする上記1~12のうち何れか一つに記載の方法(100)。
14.
超音波センサと上記1~13のうち何れか一つに記載の方法(100)を実施するために設計された制御手段を備えたアシスタントシステム。
図1
図2
図3