(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】挿入機構を有するエアロゾル発生装置用充電器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/95 20200101AFI20241210BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241210BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20241210BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20241210BHJP
【FI】
A24F40/95
A24F40/40
A24F40/60
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2023519874
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(86)【国際出願番号】 EP2021076171
(87)【国際公開番号】W WO2022069335
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-30
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513513(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107692327(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0245689(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用充電器であって、前記装置を受容するための空洞および挿入機構を備え、
前記挿入機構が、前記装置を前記空洞の中に挿入するための挿入段階と、前記装置を充電位置内に移動するための充電段階とを含み、
前記挿入機構が、前記挿入段階の動作の終了時に、前記充電段階の動作を自動的に開始するために構成されている、充電器。
【請求項2】
前記充電段階が、前記装置の電気接点を前記充電器の電気接点と係合させるように、前記装置を自動的に移動するために構成されている、請求項1に記載の充電器。
【請求項3】
前記挿入機構が、前記挿入段階の動作の終了時に前記充電段階の動作を自動的に開始するためのアクチュエータを備える、請求項1または請求項2に記載の充電器。
【請求項4】
前記充電段階が、前記装置の電気接点を前記充電器の電気接点と係合させるように、前記装置を自動的に移動するために構成されていて、かつ前記挿入機構が、前記挿入段階の動作の終了時に前記充電段階の動作を自動的に開始するためのアクチュエータを備える、請求項1に記載の充電器。
【請求項5】
前記挿入段階が、前記装置を第一の方向に移動するために構成されていて、かつ前記充電段階が、前記装置を前記第一の方向と異なる少なくとも第二の方向に移動するために構成されている、請求項1~4のいずれかに記載の充電器。
【請求項6】
前記第二の方向が前記第一の方向に対して実質的に直角である、請求項
5に記載の充電器。
【請求項7】
前記充電段階が、前記装置の電気接点を前記充電位置にある前記充電器の電気接点上に押し付けるように、前記装置上に力を及ぼすために構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の充電器。
【請求項8】
前記充電段階が、前記充電器の前記電気接点に向かって前記装置の長軸方向軸に対して平行に前記装置の移動を引き起こすように、前記装置の長軸方向に沿って前記力を及ぼすために構成されている、請求項7に記載の充電器。
【請求項9】
前記充電段階が、前記装置上に力を及ぼすために構成された、かつ前記挿入段階の動作の終了時に起動されるために構成されたばね機構とモーター機構とのうちの一方または両方を備える、請求項7または請求項8に記載の充電器。
【請求項10】
前記機構が、ボタンを移動して充電器の外側表面の外に突出させるように構成されていて、これによって、前記ボタンを押すことによって前記機構が戻
るようになっており、前記装置上に及ぼされた前記力を解放
する、請求項9に記載の充電器。
【請求項11】
前記装置の長軸方向の側面を介した前記空洞の中への前記装置の横方向の挿入のための細長い開口部を備え、前記細長い開口部が、前記充電器の長軸方向の側面に配設されていて、前記充電器が、前記装置が前記開口部の中に挿入されている時、前記充電器の長軸方向軸が前記エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行であるように配設されている、請求項1~10のいずれかに記載の充電器。
【請求項12】
前記空洞が、前記充電位置において前記装置を完全に囲むために構成されている、請求項1~11のいずれかに記載の充電器。
【請求項13】
前記充電器が、前記空洞内の対向する壁に対称的に配設された充電端子の二組を備え、これによって、前記装置が上向きまたは下向きのいずれで挿入された場合でも充電されることができる、請求項1~12のいずれかに記載の充電器。
【請求項14】
前記挿入機構が、充電
された前記装置を前記空洞から取り出し位置内に部分的に取り外すための取り出し段階を含む、請求項1~13のいずれかに記載の充電器。
【請求項15】
前記装置の充電が完了した時、前記取り出し段階の動作が自動的に開始される、請求項14に記載の充電器。
【請求項16】
前記取り出し段階が、前記取り出し段階の動作をユーザーが手動で開始するためのユーザーインターフェースを備える、請求項14に記載の充電器。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の充電器と、エアロゾル発生装置
とを備えるキット。
【請求項18】
エアロゾル発生装置を充電する方法であって、
請求項1~16のいずれか一項に記載の充電器を提供する工程と、
エアロゾル発生装置を提供する工程と、
前記装置を第一の方向に沿って前記空洞の中に移動する工程と、
前記装置を第二の方向に沿って前記充電位置内に移動する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル発生装置用の充電器に関する。本開示は、充電器と、エアロゾル発生装置と、随意にエアロゾル発生物品とを備えるキットにさらに関する。本開示はエアロゾル発生装置の充電方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル発生物品中に含有されたエアロゾル形成基体を燃焼することなく加熱してもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中への挿入のために構成されたロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品が加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバー内に、またはその周りに配設されている。こうしたエアロゾル発生装置のヒーターは多くの場合、装置の再充電可能電池によって電力供給される。
【0003】
使用していない時にエアロゾル発生装置を解放可能に保持し、かつ再充電するために、エアロゾル発生装置用の別個の充電器を提供することがさらに知られている。充電器自体は、再充電可能であってもよい電池によって電力供給されてもよい。別の方法として、または追加的に、充電器は外部電源を介して装置を充電してもよい。
【0004】
充電器は、本体と、本体内に収容された再充電可能な電力供給源と、電気的に作動するエアロゾル発生装置を受容するための空洞とを備えてもよい。典型的に、エアロゾル発生装置は、充電のためにエアロゾル発生装置を挿入するために空洞と同軸に整列される必要がある。一部の充電器は、対応する電気接点を一致させるために、充電ユニットに対するエアロゾル発生装置の特定の回転配向を必要とさえする。
【0005】
エアロゾル発生装置は多くの場合、細長い形状を有する、またはロッド状のエアロゾル発生物品に適合する。エアロゾル発生装置は典型的に、大きさが第二および第三の幅寸法よりも大きい、第一の長軸方向寸法を有する高いアスペクト比を有する。エアロゾル発生装置を保持するための充電器は多くの場合、ユーザーが装置を中に挿入する必要がある狭い開口部を画定するハウジングを備える。狭い開口部は典型的に、エアロゾル発生装置の幅に類似する幅を有する。エアロゾル発生装置をこれらのケースの中に挿入するユーザーは概して、エアロゾル発生装置を狭い開口部と密接に整列させてエアロゾル発生装置をケースの中に挿入し、その後エアロゾル発生装置をケースの中に長軸方向に摺動させてエアロゾル発生装置と充電器の間の適正な電気的接続を確実にすることが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザーがエアロゾル発生装置と充電器を電気的に接続することができる容易さを改善することが望ましいことになる。片手のみを使用して装置を中に挿入することができる充電器を有することが望ましいことになる。見なくても装置を中に挿入することができる充電器を有することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置と充電ユニットの間の電気的接続を改善するための手段を提供することがさらに望ましいことになる。ユーザーがエアロゾル発生装置を充電装置から取り外すことができる速さと容易さを改善することも望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置用の充電器が提供されている。充電器は、装置を受容するための空洞を備えてもよい。充電器は挿入機構を備えてもよい。挿入機構は、装置を空洞の中に挿入するための挿入段階を含んでもよい。挿入機構は、装置を充電位置内に移動するための充電段階を含んでもよい。挿入機構は、挿入段階の動作の終了時に充電段階の動作を自動的に開始するために構成されてもよい。
【0008】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置用の充電器が提供されている。充電器は、装置および挿入機構を受容するための空洞を備える。挿入機構は、装置を空洞の中に挿入するための挿入段階を含む。挿入機構は、装置を充電位置内に移動するための充電段階をさらに含む。挿入機構は、挿入段階の動作の終了時に充電段階の動作を自動的に開始するために構成されている。
【0009】
本明細書で使用される「挿入段階」「充電段階」「取り出し段階」という用語はそれぞれ、エアロゾル発生装置の挿入、充電、取り出しの動作シーケンスのための充電器の挿入機構の構成要素の構成を指す。
【0010】
挿入段階の動作は、エアロゾル発生装置を少なくとも第一の方向に沿って当初の挿入位置から最終的な挿入位置内に移動することを含んでもよい。挿入段階の動作の終了時に、装置は最終的な挿入位置にあってもよい。空洞は、最終的な挿入位置において装置を完全に囲むために構成されてもよい。充電段階の動作は、エアロゾル発生装置を少なくとも第二の方向に沿って最終的な挿入位置から充電位置内に移動することを含んでもよい。充電段階の動作の終了時に、装置は充電位置にあってもよい。空洞は、充電位置において装置を完全に囲むために構成されてもよい。装置は、充電位置にある時に充電されてもよい。取り出し段階の動作は、エアロゾル発生装置を充電位置から取り出し位置内に移動することを含んでもよい。取り出し位置は、当初の挿入位置に対応してもよい。取り出し段階の動作は、充電段階と挿入段階の逆動作を含んでもよい。取り出し段階の動作は、エアロゾル発生装置を充電位置から当初の挿入位置に戻るように逆に移動することを含んでもよい。
【0011】
シーケンスを動作するために構成された段階の構成要素は同時に、別のシーケンスを動作するために構成された別の段階の構成要素であってもよい。例えば、ばね機構は挿入段階の一部であってもよく、挿入シーケンス中に圧縮されてもよい。同時に、ばね機構は取り出し段階の一部であってもよく、取り出しシーケンス中に緩められてもよい。
【0012】
本発明の充電器を提供することによって、エアロゾル発生装置の挿入は簡略化されてもよい。本発明の充電器は、薄暗い場所の条件で、またはユーザーが道路に対して連続的な視覚焦点および注意を保ちながら自動車を運転している時に、特に有利である場合がある。本発明の充電器を提供することによって、ユーザーがエアロゾル発生装置と充電器を電気的に接続することができる速さと容易さは改善される場合がある。本発明の充電器の中へのエアロゾル発生装置の挿入は、ユーザーの両手の連携した移動を必要としない場合がある。本発明の充電器によって、片手のみを使用することによって装置を中に挿入することができる充電器を提供できる場合がある。本発明の充電器によって、見なくても装置を中に挿入することができる充電器を提供できる場合がある。これは、本発明の充電器の挿入機構によって達成され、充電器に向かうエアロゾル発生装置の向き、位置付け、移動の微調整を引き継いでもよい。
【0013】
本発明の充電器を提供することによって、現在の充電器において存在する場合がある追加的なヒンジ留めされたカバーは不要になる場合がある。それによって、充電器の取り扱いは簡略化される場合がある。本発明の充電器を提供することによって、エアロゾル発生装置と充電ユニットの間の電気的接続は改善される場合がある。本発明の充電器を提供することによって、ユーザーがエアロゾル発生装置を充電装置から取り外すことができる速さと容易さは改善される場合がある。
【0014】
挿入段階は、装置を第一の方向で移動するために構成されてもよく、また充電段階は、装置を第一の方向と異なる少なくとも第二の方向で移動するために構成されてもよい。第二の方向は、第一の方向に対して実質的に直角であってもよい。第一の方向は、装置の長軸方向と充電器の長軸方向とのうちの一方または両方に対して直角であってもよい。
【0015】
挿入段階は、装置を第一の方向に沿って直線的に移動することと回転的に移動することとのうちの一方または両方のために構成されてもよい。充電段階は、装置を第二の方向に沿って直線的に移動することと回転的に移動することとのうちの一方または両方のために構成されてもよい。
【0016】
挿入段階は、装置を第一の方向に沿って、装置の長軸方向軸に対して直角な方向で直線的に移動することと、装置の長軸方向軸の周りに回転的に移動することとの両方のために構成されてもよい。
【0017】
挿入段階は、装置を第一の方向に沿って、装置の長軸方向軸に対して直角な方向で直線的に移動することと、装置の長軸方向軸を旋回することによって回転的に移動することとの両方のために構成されてもよい。装置の長軸方向軸を旋回することは、挿入段階の動作中の、充電器の長軸方向軸に対する装置の長軸方向軸の回転移動を指してもよい。例えば、装置の長軸方向軸は、当初の挿入位置において充電器の長軸方向軸に対して傾けられていてもよく、また装置の長軸方向軸は、最終的な挿入位置において充電器の長軸方向軸に対して共線状であってもよい。
【0018】
充電器は、モーター機構、好ましくはモーター駆動ギアを備えてもよい。挿入機構は、モーター機構、好ましくはモーター駆動ギアを備えてもよい。
【0019】
充電器は、第一の方向に沿って装置を移動するために、ばね機構とモーター機構のうちの一方または両方を備えてもよい。充電器は、第二の方向に沿って装置を移動するために、ばね機構とモーター機構のうちの一方または両方を備えてもよい。
【0020】
挿入段階は、挿入段階の動作の少なくとも一部の間に起動されるために構成されたばね機構とモーター機構のうちの一方または両方を備えてもよい。
【0021】
充電段階は、充電位置にある充電器の電気接点上に装置の電気接点を押し付けるように、装置上に力を及ぼすために構成されてもよい。充電段階は、充電器の電気接点に向かって装置の長軸方向軸に対して平行な装置の移動を引き起こすように、装置の長軸方向に沿って力を及ぼすために構成されてもよい。充電段階は、装置上に力を及ぼすために構成された、かつ挿入段階の動作の終了時に起動されるために構成されたばね機構とモーター機構とのうちの一方または両方を備えてもよい。機構は、装置が空洞の後壁に対して完全に押された時に起動されるように構成されてもよい。機構は、ボタンを移動して充電器の外側表面の外に突出させるように構成されてもよく、これによって、ボタンを押すことによって機構は戻って、装置上に及ぼされた力を解放してもよい。
【0022】
充電器は、装置の長軸方向の側面を介した空洞の中への装置の横方向の挿入のために、細長い開口部を備えてもよい。長軸方向の側面は概して、装置または充電器の最も長い側面を指す。装置をその長軸方向の側面を介して細長い開口部の中に挿入することによって、挿入寸法は最大化される。ユーザーにとって、装置をその長軸方向の側面を介して、より大きい長軸方向の開口部の中に挿入することは、装置を装置のより小さい側面を介して、対応するより小さい開口部に挿入することと比較して、より簡単である場合がある。例えば、自動車の運転者にとって、道路に対して連続的な視覚焦点および注意を保ちながら、装置をより大きい開口部の中に入れることは、より簡単である場合がある。
【0023】
開口部の側壁は、装置を空洞の中に案内するために、空洞に向かって漏斗形状を備えてもよい。言い換えれば、開口部のサイズは、空洞の内部に向かう方向で減少してもよい。ユーザーは、大きい充電器の開口部をより簡単に見つける場合がある。ユーザーは、充電器開口部の一つ以上の壁を漸進的に狭くするガイダンスによって助けられて、装置を充電器内部に簡単に適切に挿入してもよい。
【0024】
細長い開口部は、充電器の長軸方向の側面に配設されてもよい。充電器は、装置が開口部の中に挿入されている時、充電器の長軸方向軸がエアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行であるように配設されてもよい。
【0025】
空洞は、充電位置において装置を完全に囲むために構成されてもよい。充電器の内部は、保護等級IP64に従う、またはそれを上回る防水性および防塵性であってもよい。これは有利なことに、充電器が装置を水およびダストから保護することを可能にする場合がある。IP(すなわち保護等級)の定格は、国際標準EN 60529で定義されている。これらは、異物(例えば、ツールまたは埃)および水分の侵入に対する電気筐体の密封有効性の水準を定義するために使用される。IP64は、完全にダストを防ぐ筐体、すなわち連続的な気流に対して試験された、ダストおよびその他の微粒子に対する、真空シールを含む完全な保護を指す。IP64は、振動スプレーを用いて最低10分間試験されたすべての方向からの水滴から保護されている筐体(有害な影響のない限定された侵入は許容される)をさらに指す。
【0026】
充電器は、エアロゾル発生装置の充電端子の対応する組に接続されるために構成された充電端子の組を備えてもよい。充電器は、空洞内の対向する壁に対称的に配設された充電端子の二組を備えてもよく、これによって、装置が上向きまたは下向きのいずれで挿入された時でも充電されることができる。それ故にユーザーは、装置の向きに注意を払うことなく、装置を充電器の中に挿入してもよい。これは、充電器の取り扱いを簡略化する場合がある。
【0027】
充電器は、移動可能な後部壁を備えてもよい。移動可能な後部壁は、空洞内に据え付けられてもよい。移動可能な後部壁は、挿入段階と取り出し段階のうちの一方または両方の一部であってもよい。移動可能な後部壁は、エアロゾル発生装置に接触するために構成されてもよい。移動可能な後部壁は、挿入段階の動作中に空洞内で、かつ空洞の壁に対して移動するために構成されてもよい。移動可能な後部壁は、取り出し段階の動作中に逆移動のために構成されてもよい。移動可能な後部壁は、充電器のばね機構とモーター機構のうちの一方または両方によって移動されてもよい。
【0028】
挿入段階は、装置を把持するためのクランプを備えてもよい。クランプは、装置の挿入を簡略化する場合がある。クランプは、充電器の中へ挿入された時、装置の正しい向きを支持してもよい。クランプは、充電器の移動可能な後部壁上に据え付けられてもよい。挿入段階は、装置を把持するための磁性表面を備えてもよい。充電器の移動可能な後部壁は、磁性表面を備えてもよい。装置は、対応する磁性表面を有してもよい。
【0029】
充電器は、車両内での使用のために構成されてもよい。充電器は、充電器を車両の中に据え付けるための手段を備えてもよい。例えば、充電器は、自動車の空気吹き出し口用ブラケットまたはオートバイのハンドルバー用ホルダーを備えてもよい。
【0030】
挿入機構は、充電済み装置を空洞から取り出し位置内に少なくとも部分的に取り外すための取り出し段階を含んでもよい。これは、装置がユーザーによって簡単に把持されることを可能にする場合がある。取り出し段階の動作は、装置が充電されている時に自動的に開始されてもよい。取り出し段階は、ユーザーが取り出し段階の動作を手動で開始するためのユーザーインターフェースを備えてもよい。ユーザーインターフェースは、ボタンを備えてもよい。
【0031】
取り出し段階は、充電段階と挿入段階のうちの一方または両方の少なくとも一部の逆動作のために構成されてもよい。
【0032】
本発明は、本明細書に記載の通りの充電器とエアロゾル発生装置とを備えるキットにさらに関する。キットはエアロゾル発生物品を備えてもよい。充電器、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品のうちの一方または両方は、細長い形状を有してもよい。充電器の長軸方向軸は、エアロゾル発生装置が充電器の中に挿入されている時、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行であってもよい。
【0033】
本発明はエアロゾル発生装置を充電する方法にさらに関する。方法は、本明細書に記載の通りの充電器を提供することを含む。方法は、エアロゾル発生装置を提供することをさらに含む。方法は、装置を第一の方向に沿って空洞の中に移動することと、装置を第二の方向に沿って充電位置内に移動することとをさらに含む。装置の長軸方向軸は、装置が第一の方向と第二の方向のうちの一方または両方に沿って移動されている間、充電器の長軸方向軸に対して実質的に平行であってもよい。第一の方向は、第二の方向に対して実質的に直角であってもよい。
【0034】
方法は、充電位置において装置を充電する工程をさらに含んでもよい。
【0035】
方法は、装置を充電位置から取り出し位置内に取り出す工程をさらに含んでもよい。装置を充電位置から取り出し位置内に取り出す工程は、第二の方向に沿った、および第一の方向に沿った、充電位置から出る装置の逆移動を含んでもよい。
【0036】
充電器は一次電源を備えてもよい。エアロゾル発生装置は二次電源を備えてもよい。外部電力接続は、充電器の電気回路に連結されてもよい。例えば、外部電力接続は、USBまたはマイクロUSB接続と互換性があってもよい。外部電力接続は、エアロゾル発生装置を充電するための電力を提供するために使用されてもよい。
【0037】
充電器は電力貯蔵ユニットを含んでもよい。例えば、充電器は電池を含んでもよい。電池は、エアロゾル発生装置を充電するための携帯型の電力を提供するために使用されてもよい。充電器の電池は、エアロゾル発生装置の電池よりも多くの電荷を蓄積できる場合がある。
【0038】
充電器は、一次電源による二次電源の充電のためにエアロゾル発生装置と係合するように構成されたドッキング配設を有してもよい。ドッキング配設は、連結部材として機能する電気接点の一つ以上の組を備えてもよい。連結部材は、データ接点、例えばエアロゾル発生装置と充電装置の間のデータ転送を可能にするデータ接点を備えてもよい。
【0039】
充電器は、エアロゾル発生装置を受容するように構成されてもよい。充電器は、エアロゾル発生装置を受容するための任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。典型的に、充電器は携帯型である。言い換えれば、充電器は、ユーザーによって携行されるのに適切なサイズおよび形状を有する。充電器は、紙巻たばこのパケットに類似するサイズおよび形状を有してもよい。充電器は、任意の適切な最大横断断面および任意の適切な長さを有してもよい。一部の実施形態において、充電器は、紙巻たばこの従来のパックと実質的に類似した形状、最大横断断面、長さを有してもよい。充電器は、約50mm~約200mmの長さを有してもよい。充電器は、約10mm~約50mmの外径、または最大横断断面を有してもよい。充電器は、任意の適切な形状の横断断面を有してもよい。例えば、充電器は、実質的に円形、楕円形、三角形、正方形、菱形、台形、五角形、六角形、または八角形の横断断面を有してもよい。充電器は、その長さに沿って実質的に一定の横断断面を有してもよい。充電器は、その長さに沿って実質的に長方形の横断断面を有してもよい。特定の実施形態において、充電器は実質的に直方体であってもよい。
【0040】
ハウジングは概して、充電装置の形状を形成してもよい。ハウジングは一つ以上の壁を備えてもよい。特定の実施形態において、ハウジングは実質的に直方体であってもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンが挙げられる。特定の実施形態において、材料は軽量であり、脆くない。
【0041】
エアロゾル発生装置は手持ち式装置であってもよい。言い換えれば、エアロゾル発生装置は、ユーザーの手の中に保持されるのに適切な任意のサイズおよび形状を有してもよい。エアロゾル発生装置は、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこに類似するサイズおよび形状を有してもよい。エアロゾル発生装置は携帯型であってもよい。エアロゾル発生装置は、任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。エアロゾル発生装置は、任意の適切な形状の横断断面を有してもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、実質的に円形、楕円形、三角形、正方形、菱形、台形、五角形、六角形または八角形の横断断面を有してもよい。一部の特定の実施形態において、エアロゾル発生装置は、実質的に円形の横断断面を有する。エアロゾル発生装置は、その長さに沿って実質的に一定の横断断面を有してもよい。エアロゾル発生装置は、その長さに沿って実質的に円形の横断断面を有してもよい。装置は、その長軸方向軸を中心とした回転対称を有してもよい。装置は、その長軸方向軸を中心とした1よりも大きい次数の回転対称を有してもよい。装置は、その長軸方向軸を中心として実質的に軸対称であってもよい。特定の実施形態において、エアロゾル発生装置は、実質的に円形の円筒状であってもよい。
【0042】
エアロゾル発生装置は、任意の適切な直径(最大横断断面)および任意の適切な長さを有してもよい。エアロゾル発生装置は細長くてもよい。一部の特定の実施形態において、エアロゾル発生装置は、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこと実質的に類似する形状、直径、長さを有してもよい。エアロゾル発生装置は約30mm~約150mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生装置は約5mm~約30mmの外径を有してもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端の間に延びる本体とを有する細長いエアロゾル発生装置であってもよい。
【0044】
本明細書で使用される「上流」「下流」「近位」「遠位」という用語は、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびケースの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0045】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、下流端または近位端または口側端と、反対側の上流端または遠位端との間の方向を記述するために使用され、また「横断方向」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を記述するために使用される。
【0046】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、構成要素、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびケースの遠位端または上流端と近位端または下流端との間の最大長軸方向寸法を記述するために使用される。
【0047】
本明細書で使用される「直径」という用語は、構成要素、例えばエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の最大横断方向寸法を記述するために使用される。
【0048】
本明細書で使用される「横断断面」という用語は、構成要素、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびケースの主要な軸と直角を成す方向における、構成要素、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、および充電装置の断面をそれぞれ記述するために使用される。
【0049】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱すること、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼の代替として、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0050】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。
【0051】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を含むカートリッジとのうちの一方または両方と相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0052】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル形成基体とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル形成基体が、エアロゾル発生物品の一部を形成する時、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムにおいて、エアロゾル形成基体およびエアロゾル発生装置は協働して、エアロゾルを発生する。
【0053】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0054】
実施例1:エアロゾル発生装置用充電器であって、装置を受容するための空洞および挿入機構を備え、
挿入機構が、装置を空洞の中に挿入するための挿入段階と、装置を充電位置内に移動するための充電段階とを含み、
挿入機構が、挿入段階の動作の終了時に、充電段階の動作を自動的に開始するために構成されている、充電器。
実施例2:挿入段階が、装置を第一の方向に移動するために構成されていて、かつ充電段階が、装置を第一の方向と異なる少なくとも第二の方向に移動するために構成されている、実施例1に記載の充電器。
実施例3:挿入段階が、第一の方向に沿って装置を直線的に移動することと回転的に移動することとのうちの一方または両方のために構成されている、実施例2に記載の充電器。
実施例4:充電段階が、第二の方向に沿って装置を直線的に移動することと回転的に移動することとのうちの一方または両方のために構成されている、実施例2または実施例3に記載の充電器。
実施例5:第一の方向が、装置の長軸方向と充電器の長軸方向とのうちの一方または両方に対して直角である、実施例2~4のいずれかに記載の充電器。
実施例6:第二の方向が第一の方向に対して実質的に直角である、実施例2~5のいずれかに記載の充電器。
実施例7:充電段階が、装置の電気接点を充電位置にある充電器の電気接点上に押し付けるように、装置上に力を及ぼすために構成されている、実施例1~6のいずれかに記載の充電器。
実施例8:充電段階が、充電器の電気接点に向かって装置の長軸方向軸に対して平行に装置の移動を引き起こすように、装置の長軸方向に沿って力を及ぼすために構成されている、実施例7に記載の充電器。
実施例9:充電段階が、装置上に力を及ぼすために構成された、かつ挿入段階の動作の終了時に起動されるために構成されたばね機構とモーター機構とのうちの一方または両方を備える、実施例7または実施例8に記載の充電器。
実施例10:装置が空洞の後壁に対して完全に押された時に、機構が起動されるように構成されている、実施例9に記載の充電器。
実施例11:機構が、ボタンを移動して充電器の外側表面の外に突出させるように構成されていて、これによって、ボタンを押すことによって機構が戻ってもよく、装置上に及ぼされた力を解放してもよい、実施例9または実施例10に記載の充電器。
実施例12:挿入段階が、挿入段階の動作の少なくとも一部の間に起動されるために構成されたばね機構とモーター機構のうちの一方または両方を備える、実施例1~11のいずれかに記載の充電器。
実施例13:装置の長軸方向の側面を介した空洞の中への装置の横方向の挿入のために、細長い開口部を備える、実施例1~12のいずれかに記載の充電器。
実施例14:開口部の側壁が、装置を空洞の中に案内するために、空洞に向かって漏斗形状を有する、実施例13に記載の充電器。
実施例15:細長い開口部が充電器の長軸方向側に配設されている、実施例13または実施例14に記載の充電器。
実施例16:充電器が、装置が開口部の中に挿入されている時、充電器の長軸方向軸がエアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行であるように配設されている、実施例15に記載の充電器。
実施例17:空洞が、充電位置において装置を完全に囲むために構成されている、実施例1~16のいずれかに記載の充電器。
実施例18:充電器の内部が、IP64に従う、またはそれ以上の防水性および防塵性である、実施例1~17のいずれかに記載の充電器。
実施例19:充電器が、空洞内の対向する壁に対称的に配設された充電端子の二組を備え、これによって、装置が上向きまたは下向きのいずれで挿入された場合でも充電されることができる、実施例1~18のいずれかに記載の充電器。
実施例20:挿入段階が、装置を把持するためのクランプを備える、実施例1~19のいずれかに記載の充電器。
実施例21:挿入段階が、装置を把持するための磁性表面を備える、実施例1~20のいずれかに記載の充電器。
実施例22:充電器が車両内での使用のために構成されている、実施例1~21のいずれかに記載の充電器。
実施例23:充電器が、充電器を車両の中に据え付けるための手段を備える、実施例1~22のいずれかに記載の充電器。
実施例24:挿入機構が、充電済み装置を空洞から取り出し位置内に部分的に取り外すための取り出し段階を含む、実施例1~23のいずれかに記載の充電器。
実施例25:装置が充電されている時、取り出し段階の動作が自動的に開始される、実施例24に記載の充電器。
実施例26:取り出し段階が、取り出し段階の動作をユーザーが手動で開始するためのユーザーインターフェースを備える、実施例24に記載の充電器。
実施例27:ユーザーインターフェースがボタンを備える、実施例26に記載の充電器。
実施例28:取り出し段階が、充電段階と挿入段階のうちの一方または両方の少なくとも一部の逆動作のために構成されている、実施例24~27のいずれかに記載の充電器。
実施例29:挿入機構が、モーター機構、好ましくはモーター駆動ギアを備える、実施例1~28のいずれかに記載の充電器。
実施例30:実施例1~29のいずれかに記載の充電器と、エアロゾル発生装置と、随意にエアロゾル発生物品とを備えるキット。
実施例31:充電器、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品のうちの一方または両方が細長い形状を有する、実施例30に記載のキット。
実施例32:充電器の長軸方向軸が、エアロゾル発生装置が充電器の中に挿入されている時、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して平行である、実施例30または実施例31に記載のキット。
実施例33:エアロゾル発生装置を充電する方法であって、
実施例1~29のいずれかに記載の充電器を提供する工程と、
エアロゾル発生装置を提供する工程と、
装置を第一の方向に沿って空洞の中に移動する工程と、
装置を第二の方向に沿って充電位置内に移動する工程と、を含む、方法。
実施例34:装置の長軸方向軸が、装置が第一の方向と第二の方向のうちの一方または両方に沿って移動されている間、充電器の長軸方向軸に対して実質的に平行である、実施例33に記載の方法。
実施例35:第一の方向が第二の方向に対して実質的に直角である、実施例33または実施例34に記載の方法。
実施例36:充電位置において装置を充電する工程を含む、実施例33~35のいずれかに記載の方法。
実施例37:装置を充電位置から取り出し位置内に取り出す工程を含む、実施例33~36のいずれかに記載の方法。
実施例38:装置を充電位置から取り出し位置内に取り出す工程が、第二の方向に沿った、および第一の方向に沿った、充電位置から出る装置の逆移動を含む、実施例37に記載の方法。
【0055】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0056】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】
図1a~
図1cは、本発明の充電器の挿入段階の動作を示す。
【
図2】
図2aおよび
図2bは、本発明の充電器の充電段階の動作を示す。
【
図3】
図3a~
図3cは、本発明の充電器の取り出し段階の動作を示す。
【
図4】
図4a~
図4cは、本発明の充電器の挿入段階および充電段階の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1a~
図1cは、本発明の充電器10の挿入段階の動作を示す。充電器10およびエアロゾル発生装置12は、断面図で示されている。充電器10は、装置12を受容するための空洞14を備える。充電器10は挿入機構を備える。挿入機構は、装置12を空洞14の中に挿入するための挿入段階を含む。
【0059】
充電器10は、装置12の長軸方向の側面を介した空洞14の中への装置12の横方向の挿入のために、細長い開口部16を備える。細長い開口部16は、充電器10の長軸方向の側面に配設されている。挿入方向は矢印によって図示されている。充電器10は、装置12が開口部16の中に挿入されている時、充電器10の長軸方向軸がエアロゾル発生装置12の長軸方向軸に対して平行であるように配設されている。開口部16の側壁18は、装置12を空洞14の中に案内するために、空洞14に向かって漏斗形状を有する。
【0060】
挿入段階は、
図1aに示す通り、装置12を把持するための、かつ装置12の挿入を開始するためのクランプ20を備える。クランプ20は、充電器10の移動可能な後部壁22上に据え付けられている。挿入段階は、
図1bに示す通りの当初の挿入位置から、
図1cに示す通りの最終的な挿入位置内に装置12を第一の方向で直線的に移動するためにさらに構成されている。第一の方向は、装置12の長軸方向と充電器10の長軸方向との両方に対して直角である。
【0061】
挿入機構は、挿入段階の動作中に起動されるために構成された第一のばね機構24を備える。第一のばね機構24は、装置12の挿入中、および移動可能な後部壁22の移動中に圧縮される。挿入段階の動作の終わりを
図1cに示す。
【0062】
図1a~
図1cはまた、圧縮状態にある第二のばね機構26を示す。第二のばね機構26は、下記で説明の通り、充電段階の一部である。
【0063】
充電器10は、
図2aおよび
図2bに示す通り、装置を最終的な挿入位置から充電位置内に移動するための充電段階を含む。
【0064】
図2aは、装置が最終的な挿入位置にある時の挿入段階の動作の終わりを示す
図1cと主に同一である。
図1cと
図2aの間の唯一の違いは、
図2aがカウンターばね機構28を示していることである。カウンターばね機構28は、第二のばね機構26よりも弱い。カウンターばね機構28は、装置12の取り出しを支持するために使用されてもよい。
【0065】
挿入機構は、挿入段階の動作の終了時に充電段階の動作を自動的に開始するために構成されている。充電段階は、
図2bの矢印によって示される通り、装置を第一の方向と異なる第二の方向で直線的に移動するために構成されている。第二の方向は、第一の方向に対して実質的に直角である。
図2bは、最終的な充電位置を示す。
図2bに示す通り、空洞14は、充電位置において装置12を完全に囲むために構成されている。
【0066】
充電段階は、充電器10の電気接点30に向かって装置12の長軸方向軸に対して平行な装置12の垂直の移動を引き起こすように、装置12の長軸方向に沿って力を及ぼすために構成されている。充電段階は、充電位置にある充電器10の電気接点30上に装置12の電気接点を押し付けるように、装置上に力を及ぼすために構成されている。第二のばね機構26は、装置12上に力を及ぼすために構成されている。第二のばね機構26は、挿入段階の動作の終了時に自動的に起動されるように構成されている。第二のばね機構26は、装置12が空洞14の後壁に対して完全に押された(移動可能な後部壁22が左側に向かって完全に押されたことを意味する)時に、起動されるように構成されている。
図2aに示す通り、第二のばね機構26は、挿入段階の動作の終了時に、移動可能な後部壁22によってもはや遮られていない。それ故に第二のばね機構26は、
図2bに示す通り、充電器10の電気接点30上で装置12の電気接点を押すように垂直に移動することができる。クランプ20は、装置12の正しい下向きの移動を補助してもよい。さらに、充電器10は、
図2bにおいて第二のばね機構26で下向きに移動した垂直軸部材32と、横断方向軸部材34との噛み合うギアを備える。噛み合うギアは、垂直軸部材32の垂直下向きの移動を、横断方向軸部材34の直線的な外向きの移動へと変換するために役立つ場合がある。横断方向軸部材34の外向きの移動によって、横断方向軸部材34の端にあるボタン36は、充電器10の外側表面上で移動する。ボタン36は充電器10の外に突出し、これによって、ボタン36を押すことによって機構は戻って、第二のばね機構26によって、装置12上に及ぼされた力を解放してもよい。
【0067】
追加的に、第一のばね機構24(
図2に図示せず)は、垂直軸部材34によってその圧縮された状態で保持されていて、これは、
図2bに示す通り下向きに移動した時、移動可能な後部壁22を適所に保持する。別の方法として、または追加的に、第一のばね機構24はまた、回転フックまたは電磁石によって適所に保持されてもよい。
【0068】
図3a~
図3cは、追加的な取り出し段階を有する本発明の充電器10を示す。充電器10は、
図1および
図2に示すものと同じ充電器10であってもよい。
図3に示す充電器10の挿入機構は、充電済み装置12を空洞14から、ユーザーによって装置12が簡単に把持されることができる取り出し位置内に部分的に取り外すために構成された取り出し段階を含む。
【0069】
図3aは、
図2bにも示されている通りの充電位置を示す。取り出し段階の動作は、装置12が充電された時に自動的に開始されてもよい。追加的に、または別の方法として、ユーザーは、ボタン36を押すことによって、取り出し段階の動作を手動で開始してもよい。取り出しは、垂直軸部材32および横断方向軸部材34の噛み合うギアに接続されたモーター駆動ギア38によって実現される。モーター駆動ギア38はまた、
図2aに示す通りの挿入段階の動作の終わりから、
図2bに示す通りの最終的な充電位置へと装置をもたらすために、逆動作で使用されてもよい。
【0070】
図3bは、湾曲した矢印によってモーター駆動ギア38の回転を示す。横断方向軸部材34は、別の矢印40によって示されている通り、充電器10内部で引き出される。垂直軸部材32と横断方向軸部材34の間のギア接続に起因して、垂直軸部材32は上向きに動いて、第二のばね機構26を圧縮し、装置12上の圧力を解放する。次いでカウンターばね機構28は、装置12を上に押すことができ、
図3cの矢印42によって示されている通り、開口部経路に戻す。
【0071】
図3bは、垂直軸部材32および横断方向軸部材が完全に引っ込んでいることを示す。その後、第二のばね機構26は、移動可能な後部壁22をもはや塞いではいない。次いで第一のばね機構24は、装置12を充電器10の外向きに押すことができ、
図3cに示す通り、ユーザーは簡単に装置を取り出すことができる。
図3cはそれ故に、取り出し位置を示す。取り出し位置は、当初の挿入位置に対応する。
【0072】
図1~
図3の比較は、取り出し段階が充電段階と挿入段階の逆動作のために構成されていることを視覚化する。
【0073】
図4a~
図4cは、上記で説明した通りの本発明の充電器10の挿入段階および充電段階の動作を連続的に示す。
図4a~
図4cの実施形態において、充電器10は、空洞14内の対向する壁にて対称的に配設された充電端子30の二組を備え、これによって装置12は、上向きまたは下向きのいずれで挿入された時でも充電されることができる。これは
図4cに示されていて、ここで装置12は、その最終的な充電位置にある。