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特許7602038油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体
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  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図1
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  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図4A-4B
  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図5
  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図6A
  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図6B
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  • 特許-油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体
(51)【国際特許分類】
   F04B 17/03 20060101AFI20241210BHJP
   F04B 53/08 20060101ALI20241210BHJP
   F04B 53/16 20060101ALI20241210BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20241210BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F04B17/03
F04B53/08 E
F04B53/16 A
F04C15/00 E
H02K7/14 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023532511
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2021051632
(87)【国際公開番号】W WO2022125165
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】63/172,154
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/122,512
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513307933
【氏名又は名称】パーカー-ハネフィン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PARKER-HANNIFIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Blvd. Cleveland, OH 44124 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】カリディンディ,サティシュ・クマル・ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ウアード,スティーヴン・アール
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103047134(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109458328(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第10331191(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 17/03
F04B 53/08
F04B 53/16
F04C 15/00
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立体であって、前記組立体は、
内部チャンバを中に有し、かつ前端面及び後端面とこれら前端面及び後端面に形成された複数の弓形溝とを備える主筐体と、
前記主筐体の前記内部チャンバ内に配設され、(i)前記主筐体の前記内部チャンバ内に固定配置されるステータ、及び前記ステータ内に配置され、前記ステータに対して回転可能なモータ・ロータを備える電気モータと、
前記主筐体において、前記電気モータの前記モータ・ロータ内に少なくとも部分的に配置される油圧ポンプであって、前記油圧ポンプは、入口ポートから流体を受け入れ、流体流を出口ポートに供給するように構成され、前記電気モータの前記モータ・ロータに回転可能に連結されるポンプ駆動シャフトを備える、油圧ポンプと、
前記主筐体内に形成された複数の冷却流体通路であって、前記前端面に沿って配置された前記弓形溝および前記後端面に沿って配置された前記弓形溝の両方に流体結合され、前記流体が前記前端面から前記後端面まで前記主筐体を通って循環して前記主筐体を冷却するように構成された複数の冷却流体通路
を備える、組立体。
【請求項2】
前記主筐体に連結され、前記入口ポート及び前記出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロックと、
前記ポンプ・ポート・ブロック内に形成され、前記入口ポートに流体連結される入口冷却流体通路と
を更に備え、前記複数の冷却流体通路は、(i)前記入口冷却流体通路に流体連結され、前記入口ポートからの流体が前記主筐体を通じて流れることを可能にするように構成された供給冷却流体通路と、前記主筐体を通じて循環した後の流体を受け入れるように構成された戻り冷却流体通路とを備える、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記主筐体に連結され、前記入口ポート及び前記出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロックと、
前記ポンプ・ポート・ブロック内に形成され、前記出口ポートに流体連結される入口冷却流体通路と
を更に備え、前記複数の冷却流体通路は、(i)前記入口冷却流体通路に流体連結され、前記出口ポートからの流体が前記主筐体を通じて流れることを可能にするように構成された供給冷却流体通路と、前記主筐体を通じて循環した後の流体を受け入れるように構成された戻り冷却流体通路とを備える、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記複数の冷却流体通路は、前記複数の弓形溝を通じて全てが流体連結している、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記主筐体に連結され、前記入口ポート及び前記出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロック
を更に備え、前記ポンプ・ポート・ブロックは、第1の供給通路と第2の供給通路とを備え、前記第1の供給通路及び前記第2の供給通路の両方は、前記入口ポートから流体を受け入れ、前記油圧ポンプに流体を伝達する、請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記油圧ポンプは、ベーン・ポンプであり、前記ベーン・ポンプは、
ポンプ・カバーと、
ポンプ筐体、ポンプ・ロータ、前記ポンプ・ロータに組み付けられるベーンを有するベーン・カートリッジと
を備え、前記ポンプ駆動シャフトは、軸受けを介して前記ポンプ・カバーによって支持される、請求項1に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月8日出願の米国仮出願第63/122,512号及び2021年4月8日出願の米国仮出願第63/172,154号の優先権を主張するものであり、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気モータは、油圧ポンプを駆動するために使用し得る。例えば、電気モータのロータに連結される出力シャフトは、ロータの回転により油圧ポンプの回転群を回転させて流体流をもたらし得るように、油圧ポンプのシャフトに連結し得る。
【0003】
インバータ及びモータ・コントローラを含む電子駆動デバイスは、典型的には、モータから分離し、ケーブルを介して電気モータ・ステータのワイヤ巻線に接続される。油圧ポンプ及び電子駆動デバイスを電気モータと統合する組立体を有することが望ましい場合がある。このように、シャフト、軸受け等の機械構成要素は、油圧ポンプとモータとの間で共有し得る。組立体の寿命を延ばすため、電気モータ及び油圧ポンプの構成要素を適切に支持し、こうした構成要素を潤滑した状態で維持することが望ましい場合もある。
【0004】
典型的には、油圧システムは、電気モータ及び油圧ポンプのコントローラに加えて、アクチュエータを制御するシステム・コントローラを有し得る。したがって、複数のコントローラは、これらを接続するケーブル及び信号で互いに連絡し得る。したがって、組立体の電子駆動デバイスを、油圧ポンプによって駆動されるアクチュエータに関連するアクチュエータのセンサ情報を受信するように構成することが望ましい場合があり、この場合、電子駆動デバイスは、電気モータ及び油圧ポンプを制御し、アクチュエータに対して指令された運動を達成し得る。このように、システム・コントローラは、電気モータ・コントローラと統合して単一コントローラにし、個別のコントローラの間のケーブル、バス又は信号をなくし得る。
【0005】
更なる空洞現象は、圧力及び流体速度の変化による液体気化のために、ポンプの入口で生じることがある。空洞現象は、ポンプ構成要素の摩耗を生じさせ、ポンプの性能に影響を与えることがある。したがって、空洞現象を妨げ得る特徴を有する組立体を構成することが望ましい場合がある。
【0006】
動作中、熱が生成され、組立体の構成要素に損傷を生じさせることがある。電気モータの構成要素を冷却することが望ましい場合がある。更に、個別の冷却流体回路を有するのではなく、ポンプ流体を使用して電気モータを冷却する冷却回路を組立体内に統合することが望ましい場合がある。
【0007】
本明細書で行う開示が提示されるのは、これら及び他の考慮事項に対してである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、油圧ポンプ及び電子駆動デバイスが統合された電気モータのためのシステム及び組立体に関する実装形態を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の例示的実装形態では、本開示は、組立体を記載し、組立体は、内部チャンバを中に有する主筐体と、主筐体の内部チャンバ内に配設された電気モータであって、(i)主筐体の内部チャンバ内に固定配置されたステータ、及び(ii)ステータ内に配置され、ステータに対して回転可能なモータ・ロータを備える電気モータと、主筐体において、電気モータのモータ・ロータ内に少なくとも部分的に配置された油圧ポンプであって、油圧ポンプは、入口ポートから流体を受け入れ、流体流を出口ポートに供給するように構成され、電気モータのモータ・ロータに回転可能に連結されるポンプ駆動シャフトを備える、油圧ポンプと、主筐体内に形成され、主筐体を冷却するように主筐体を通じて流体を循環可能にするように構成された複数の冷却流体通路とを備える。
【0010】
第2の例示的実装形態では、本開示は、システムを記載し、システムは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有するアクチュエータと、アクチュエータの第1のチャンバ及び第2のチャンバを往復する流体流を制御するように構成された弁組立体と、第1の例示的実装形態の組立体とを備え、出口ポートは、油圧ポンプが弁組立体を介して流体流をアクチュエータに供給するように、弁組立体に流体連結される。
【0011】
上記の概要は、例示にすぎず、決して限定を意図するものではない。上記した例示的な態様、実装形態及び特徴に加えて、更なる態様、実装形態及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明の参照によって明らかになるであろう。
【0012】
例示的な例に特有であると考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に示す。しかし、例示的な例及び好ましい使用モード、更なる目的及びこれらに対する説明は、添付の図面と併せて読む際に本開示の例示的な例に対する以下の詳細な説明を参照することによって、最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的実装形態による、組立体の斜視図である。
図2】例示的実装形態による、図1の組立体の断面側面図である。
図3】別の例示的実装形態による、図1の組立体の斜視分解図である。
図4A】例示的実装形態による、図2の組立体の断面図である。
図4B】例示的実装形態による、モータ・ロータを支持するポンプ駆動シャフトを示す詳細な断面図である。
図5】例示的実装形態による、動作中の組立体内の流体経路を示す図2の断面図である。
図6A】例示的実装形態による、主筐体の前側を示す図1の組立体の主筐体の斜視図である。
図6B】例示的実装形態による、主筐体の後側を示す主筐体の斜視図である。
図6C】例示的実装形態による、主筐体を通る冷却流体の循環を示す主筐体の斜視透明図である。
図7】例示的実装形態による、回転位置センサの磁石及びモータ・ロータの磁石の磁気方位を示す図1の組立体の部分断面前面図である。
図8】例示的実装形態による、開回路構成で動作する図1の組立体を含む油圧システムの図である。
図9】例示的実装形態による、閉回路構成で動作する図1の組立体を有する油圧システムの図である。
図10】例示的実装形態による、組立体の部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、組立体を有するように、油圧ポンプ並びに電子駆動デバイス(モータ及びアクチュエータのコントローラ及びインバータを含む)を電気モータと統合する又は電気モータ内に組み込むことに関し、構成要素の共有によって費用を低減し、空間を節約し、信頼性を向上させる小型構成をもたらす。
【0015】
ポンプへの入口は、流体供給能力を向上させ、空洞現象が発生する可能性を低減するように構成される。電気モータのロータは、2つの点、即ちロータの外面及び内面で適切に支持され、支持の向上をもたらす一方で、ロータ内に油圧ポンプの構成要素を少なくとも部分的に配設可能にする。油圧ポンプの駆動シャフトは、スプライン接続部を介して電気モータのロータに駆動可能に接続され、スプライン接続部は、潤滑した状態で維持され、封止され、組立体の寿命及び性能を向上させるようにする。
【0016】
更に、組立体の電気モータの主筐体は、通路又は経路を備える冷却回路を有するように構成され、通路又は経路は、主筐体を通じてジグザグであり、ポンプ流体の一部分を循環させ、主筐体を冷却するように構成される。
【0017】
センサは、油圧ポンプの駆動シャフト及び電気モータのロータの速度を示すセンサ情報を提供するように、電子駆動デバイスの1つのボードに組み付けられる。センサは、磁石と、シャフトが回転する際の磁界の変化を測定し、シャフトの速度を測定するように構成されたセンサ・チップとを有する。センサの磁石の磁気方位は、センサの性能及び精度を向上させるように、電気モータ・ロータの磁石の方位と位置合わせされる。
【0018】
図1は、例示的実装形態による、組立体100の斜視図を示し、図2は、組立体100の断面側面図を示し、図3は、組立体100の斜視分解図を示す。図1図3を一緒に説明する。
【0019】
組立体100は、一緒に統合された電気モータ102と油圧ポンプ104と電子駆動デバイス106とを備える。組立体100は、内部チャンバ110を中に有する主筐体108を含み、内部チャンバ110の中に、電気モータ102及び油圧ポンプ104の構成要素が配設される。
【0020】
電気モータ102は、主筐体108の内部チャンバ110内に固定配置されたステータ112を含む。ステータ112は、磁界を生成するように構成される。詳細には、ステータ112は、ステータ112の本体(例えば、薄層積層体)の回りに巻かれたワイヤ巻線(図示せず)を含むことができ、電流がワイヤ巻線を通じて供給されると、磁界が生成される。
【0021】
電気モータ102は、ステータ112内に配置されるモータ・ロータ114を更に含む。電気モータ102は、ステータ112とモータ・ロータ114との間の環状空間内でモータ・ロータ114に組み付けられた磁石116を更に含み得る。一例では、磁石116は、図3に示すように、軸方向に離間し、モータ・ロータ114回りに配設される磁石の2つの周方向アレイを含む。
【0022】
磁石116は、ステータ112によって生成される磁界と相互作用し、モータ・ロータ114を回転させ、トルクを生成するように構成される。他の例示的実装形態では、永久磁石を含まない異なる種類の電気モータを使用し得る。
【0023】
油圧ポンプ104は、主筐体108内に組み付けられ、少なくとも部分的に、電気モータ102のモータ・ロータ114及びステータ112内に組み付けられる。組立体100は、入口ポート118と出口ポート120とを有するポンプ・ポート・ブロック117を有する。ポンプ・ポート・ブロック117は、複数の締結器又はボルト121等のボルトを介して主筐体108に連結される。
【0024】
油圧ポンプ104は、例えば、ベーン・ポンプとして構成し得る。特に、油圧ポンプ104は、ポンプ・カバー124と、ベーン・カートリッジ126とを有する。ベーン・カートリッジ126は、ポンプ筐体128と、ポンプ・ロータ130と、ベーン131及びベーン132等のベーンと、ポンプ駆動シャフト134とを有する。
【0025】
モータ・ロータ114は、円筒部分136と、スピンドル部分138とを有する。スピンドル部分138は、軸受け142を介して電子駆動デバイス106の電子デバイス筐体140内に支持され、軸受け142は、モータ・ロータ114のスピンドル部分138の外面回りに配設され、モータ・ロータ114が主筐体108及び電子デバイス筐体140に対して回転することを可能にする。更に、ポンプ駆動シャフト134は、モータ・ロータ114に更なる支持をもたらす。
【0026】
図4Aは、図2の断面図を示し、図4Bは、詳細断面図を示し、図4Bは、例示的実装形態による、モータ・ロータ114を支持するポンプ駆動シャフト134を示す。特に、図4Bは、図4Aの断面図の拡大図であり、ポンプ駆動シャフト134とモータ・ロータ114のスピンドル部分138との間の境界面を示す。
【0027】
ポンプ駆動シャフト134は、モータ・ロータ114に回転可能に連結される。図3及び図4Bを一緒に参照すると、ポンプ駆動シャフト134は、スプライン144を有し、スプライン144は、ポンプ駆動シャフト134の外面回りに形成され、モータ・ロータ114のスピンドル部分138の内面上に形成されたそれぞれのスプライン146と係合するように構成される。このように、モータ・ロータ114は、ポンプ駆動シャフト134に駆動可能に接続され、組立体100の動作中、ポンプ駆動シャフト134に回転運動を伝達するように構成される。
【0028】
上述のように、モータ・ロータ114、及び特にモータ・ロータ114のスピンドル部分138は、軸受け142を介してスピンドル部分138の外面回りに支持される。更に、ポンプ駆動シャフト134は、直径増大部分147と、肩部148とを有し、これら2つの部分は、図4Bに示すようにモータ・ロータ114のスピンドル部分138の内面に支持をもたらす。したがって、モータ・ロータ114は、2つの領域又は点、即ち、軸受け142によって支持されるモータ・ロータ114の外面回りの領域、及びモータ・ロータ114がポンプ駆動シャフト134によって支持されるモータ・ロータ114の内面回りの領域で支持される。この構成の場合、ポンプ駆動シャフト134は、モータ・ロータ114に支持の拡大をもたらし、動作中のモータ・ロータ114の位置合わせ不良又はねじれを排除し得る。
【0029】
動作中、モータ・ロータ114が回転する際、スプラインとポンプ駆動シャフト134との係合により、モータ・ロータ114の回転運動を生じさせ、ポンプ駆動シャフト134に伝達される。スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部は、潤滑した状態で維持することが望ましい場合がある。そのような潤滑により、組立体100の構成要素(例えば、モータ・ロータ114及びポンプ駆動シャフト134)の寿命を延ばす。例えば、グリースを使用し、スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部を潤滑し得る。
【0030】
グリース又は任意の潤滑流体は、スプライン係合部の領域で維持することが望ましい場合がある。したがって、組立体100は、ポンプ駆動シャフト134の外面回りに形成された溝内に配設される第1の封止体150(例えば、Oリング)を含む。更に、組立体100は、モータ・ロータ114のスピンドル部分138内に挿入されるキャップ152を含み、キャップ152は、キャップ152のそれぞれの外面回りに形成された溝内に配設される第2の封止体154(例えば、Oリング)を有する。
【0031】
第1の封止体150及び第2の封止体154は、スプライン144、146にまたがる。このように、スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部の領域にある潤滑剤は、封止され、第1の封止体150と第2の封止体154との間に留まる。この構成の場合、潤滑剤は、スプライン係合部の領域の外側に漏出することがない。
【0032】
図2図3に戻って参照すると、組立体100は、別の軸受け156を更に含み、別の軸受け156は、ポンプ駆動シャフト134の外面回りに配設され、ポンプ駆動シャフト134に支持をもたらす。特に、軸受け156は、ポンプ駆動シャフト134の外面とポンプ・カバー124の内面との間に配設され、ポンプ駆動シャフト134がポンプ・カバー124に対して回転することを可能にする。組立体は、シャフト封止体158を更に含み、シャフト封止体158も、ポンプ駆動シャフト134の外面とポンプ・カバー124の内面との間に配設され、油圧ポンプ104からの流体が電気モータ102内に漏出するのを妨げるように構成される。
【0033】
図5は、図2の断面図を示し、例示的実装形態による、動作中の組立体100内の流体経路を示す。図2及び図5を一緒に参照すると、入口ポート118で受け入れられた流体は、第1の供給通路160及び第2の供給通路162を通じて流れる。流体は、第1の供給通路160からポンプ・チャンバ164に流れる。流体は、第2の供給通路162から、ベーン・カートリッジ126内に形成された弓形流体通路165及び弓形流体通路166にも通じて流れ、第1の供給通路からの流体をポンプ・チャンバ164で合流させる。
【0034】
1つの供給通路ではなく2つの供給通路があると、油圧ポンプ104への供給能力を有利に増大し得る。より多くの流体が油圧ポンプ104に供給されるほど、空洞現象が発生する可能性が低減する又はなくなる。
【0035】
ポンプ・ロータ130は、サイクロイド内面を有するポンプ筐体128内で偏心して支持されるように構成される。ポンプ・ロータ130は、三日月形の空洞がポンプ・ロータ130とポンプ筐体128との間に形成されるように、ポンプ筐体128の内面壁の近くに位置する。ベーン131、132等のベーンは、ポンプ・ロータ130の細穴内に嵌合する。
【0036】
(モータ・ロータ114が回転する際に)ポンプ駆動シャフト134が回転すると、ポンプ・ロータ130も回転する。ポンプ・ロータ130が回転する際、遠心力、油圧、プッシュロッド及び/又はばねは、ベーン131、132をポンプ筐体128の内面に向かって径方向外側に押す。次に、流体は、図2に示す穴167等の穴を介してポンプ・チャンバ164からポンプ筐体128に押し進められる又は吸い込まれる。特に、流体は、ベーン131、132、ポンプ・ロータ130及びポンプ筐体128によって生成されるポケットに入る。
【0037】
ポンプ・ロータ130が回転し続けるにつれて、ベーン131、132は、三日月形空洞の反対側に流体を押し流し、流体がポンプ筐体128内の排出穴を通じて押し出される。次に、流体は、出口ポート120に押し進められ、流体は、出口ポート120から組立体100を出る。次に、流体は、図7図8に対して以下で説明するように、組立体100に流体連結されたアクチュエータに供給される。
【0038】
ベーン・ポンプは、説明のための一例として本明細書で使用される。ギヤ・ポンプ又はピストン・ポンプ等の他の種類のポンプも使用し得ることを理解されたい。
【0039】
入口ポート118で受け入れられ、油圧ポンプ104に供給される流体に加えて、流体は、主筐体108の冷却流体としても使用される。特に、図2及び図5を参照すると、ポンプ・ポート・ブロック117は、入口冷却流体通路168を有し、入口冷却流体通路168は、入口ポート118から分岐するか、又は入口ポート118に流体連結され、主筐体108内の供給冷却流体通路170と位置合わせされる。次に、冷却流体は、主筐体108を通じて循環し、主筐体108内の戻り冷却流体通路172に戻り、次に、出口冷却流体通路174を通じて流れ、次に、ポンプ・チャンバ164に入る入口ポート118からの流体に合流する。
【0040】
図6Aは、例示的実装形態による、主筐体108の前側を示す主筐体108の斜視図を示し、図6Bは、主筐体108の後側を示す主筐体108の斜視図を示し、図6Cは、主筐体108を通じた冷却流体の循環を示す主筐体108の斜視透過図を示す。冷却流体の循環を、図6A図6Cを一緒に参照しながら説明する。図示のように、主筐体108は、複数の冷却流体通路と、主筐体108の前端面176及び後端面178内に形成される弓形溝とを有し、弓形溝は、複数の冷却流体通路の冷却流体通路を流体連結し、冷却流体の循環を促進する。
【0041】
上記のように、入口ポート118からの流体の一部分は、供給冷却流体通路170に供給される。供給冷却流体通路170の入口は、図6Aにおいて主筐体108の前端面176上に示される。冷却流体は、図6Cに示される供給冷却流体通路170を横断し、図6Bに示す後端面178に至る。後端面178は、弓形溝179を有し、弓形溝179は、供給冷却流体通路170から出た流体を受け入れ、後端面178に沿って、主筐体108内に形成された冷却流体通路180及び冷却流体通路181に流体を誘導する。冷却流体は、冷却流体通路180、181を横断し、前端面176に戻る。
【0042】
前端面176は、弓形溝182を有し、弓形溝182は、冷却流体通路180から出た流体を受け入れ、前端面176に沿って流体を冷却流体通路183に誘導する。同様に、前端面176は、弓形溝184を有し、弓形溝184は、冷却流体通路181から出た流体を受け入れ、前端面176に沿って流体を冷却流体通路185に誘導する。次に、冷却流体は、冷却流体通路183、185を横断し、後端面178に戻る。
【0043】
後端面178は、弓形溝186を有し、弓形溝186は、冷却流体通路183から出た流体を受け入れ、後端面178に沿って流体を冷却流体通路187に誘導する。同様に、後端面178は、弓形溝188を有し、弓形溝188は、冷却流体通路185から出た流体を受け入れ、後端面178に沿って流体を冷却流体通路189に誘導する。次に、冷却流体は、冷却流体通路187、189を横断し、前端面176に戻る。
【0044】
前端面176は、弓形溝190を有し、弓形溝190は、冷却流体通路187から出た流体を受け入れ、前端面176に沿って流体を冷却流体通路191に誘導する。同様に、前端面176は、弓形溝192を有し、弓形溝192は、冷却流体通路189から出た流体を受け入れ、前端面176に沿って流体を冷却流体通路193に誘導する。次に、冷却流体は、冷却流体通路191、193を横断し、後端面178に戻る。
【0045】
後端面178は、弓形溝194を有し、弓形溝194は、冷却流体通路191、193から出た流体を受け入れ、後端面178に沿って流体を戻り冷却流体通路172に誘導する。上述のように、戻り冷却通路172を通じて戻る冷却流体は、ポンプ・ポート・ブロック117内の出口冷却流体通路174を通じて流れ(図2を参照)、次に、ポンプ・チャンバ164内の入口ポート118からの流体に合流する。
【0046】
したがって、流体は、図6Cに示すように、主筐体108の前端面176と後端面178との間をジグザグに動く又は前後に循環する。図2に示すように、主筐体108は、電子デバイス筐体140に組み付けられ、電子デバイス筐体140は、円筒突起195を有し、円筒突起195の外面は、主筐体108の内面と接続する。円筒突起195の外面に形成された環状溝内に配設される封止体196は、冷却流体を封止し、電気モータ102が中に配設される内部チャンバに流体が入るのを妨げる。
【0047】
図3に戻って参照すると、電子デバイス筐体140は、ボルト197等のボルトを介して主筐体に連結される。電子デバイス筐体140は、ボルト199等の複数のボルトを介して電子機器筐体カバー198に更に連結される。この構成の場合、電子デバイス筐体140及び電子機器筐体カバー198は、電子駆動デバイス106の電子ボード及び構成要素が中に配設される囲壁を形成する。このように、電子駆動デバイス106は、組立体100内で電気モータ102及び油圧ポンプ104と統合される。
【0048】
電子駆動デバイス106は、コントローラ・ボード200及びインバータ・ボード202等の1つ又は複数の電子ボードを含むことができ、これらは、図示のように電気的に連結され、互いに軸方向にずれている。コントローラ・ボード200及びインバータ・ボード202は、プリント回路板(PCB)として構成し得る。PCBは、導電性トラック、パッド、並びに非導電性基板のシート層上及び/若しくはシート層間の銅薄板の1つ又は複数のシート層からエッチングされた他の特徴を使用して、電子構成要素(例えば、マイクロプロセッサ、集積チップ、キャパシタ、レジスタ等)を機械的に支持し、電気的に接続する。構成要素は、PCB上に全体的にはんだ付けされ、構成要素をPCBに電気的に接続し、機械的に締結する。
【0049】
インバータ・ボード202は、スタンドオフ204等のスタンドオフを介してコントローラ・ボード200から分離し、コントローラ・ボード200に連結し得る。インバータ・ボード202は、複数の母線を含むことができ、複数の母線は、導電性であり、直流(DC)電力を受け、インバータ・ボード202に組み付けられる構成要素に電力を供給するように構成される。
【0050】
一例として、DC電力は、バッテリからインバータ・ボード202に供給し得る。この構成の場合、DC電力は、母線に供給され、次に、母線は、インバータ・ボード202の他の構成要素に電力を送る。
【0051】
インバータ・ボード202は、インバータ・ボード202で受けたDC電力を3相交流(AC)電力に変換する電力変換器として構成でき、3相交流(AC)電力は、ステータ112のワイヤ巻線に供給し、電気モータ102を駆動し得る。例えば、インバータ・ボード202は、半導体スイッチング・マトリックスを含むことができ、半導体スイッチング・マトリックスは、インバータ・ボード202に組み付けられ、プラスDC端子及びマイナスDC端子に電気的に接続されるように構成される。インバータ・ボード202は、インバータ・ボード202とコントローラ・ボード200との間の軸方向空間内に配設される複数のキャパシタを含み得る。
【0052】
半導体スイッチング・マトリックスは、3相電力変換のためにDCを支持する半導体スイッチング・デバイスのあらゆる構成を含み得る。例えば、半導体スイッチング・マトリックスは、3相を含むことができ、ブリッジ要素は、入力DC端子に電気的に連結され、3相AC出力端子に接続される。
【0053】
一例では、半導体スイッチング・マトリックスは、複数のトランジスタ(例えば、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を含む。トランジスタは、例えば、パルス幅変調器(PWM)信号を介して、起動又は「オン」状態と停止又は「オフ」状態との間で切替え可能であり、パルス幅変調器(PWM)信号は、コントローラ・ボード200に組み付けられるマイクロプロセッサによって供給される。マイクロプロセッサは、1つ又は複数のプロセッサを備え得る。プロセッサは、汎用プロセッサ(例えば、INTEL(登録商標)シングル・コア・マイクロプロセッサ若しくはINTEL(登録商標)マルチコア・マイクロプロセッサ)又は専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、グラフィックス・プロセッサ若しくは特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ)を含み得る。プロセッサは、本明細書全体にわたって説明する動作を実施するため、コンピュータ可読プログラム命令(CRPI)を実行するように構成し得る。プロセッサは、ソフトウェアコーディング機能に加えて、又はその代替として、(例えば、CRPIを介して)ハードコーディング機能を実行するように構成し得る。
【0054】
半導体スイッチング・マトリックスのトランジスタがPWM信号を介して特定の時間で起動、停止される際、AC電圧波形は、AC出力端子で生成される。したがって、AC出力端子における電圧波形は、パルス幅変調され、電位DC+と電位DC-との間を動く。次に、AC電圧波形は、ステータ112のワイヤ巻線に供給され、電気モータ102を駆動する。コントローラ・ボード200及びインバータ・ボード202は、いくつかの接合部を含み、コントローラ・ボード200とインバータ・ボード202との間、及び組立体100の他の構成要素又は外部構成要素への信号及び電力の送受信を促進し得る。
【0055】
電子駆動デバイス106は、複数のセンサを含み得る。例えば、電子駆動デバイス106は、電気モータ102の動作温度及び/又は油圧ポンプ104を通って流れる油圧流体の流体温度を示す情報を提供するように構成された温度センサを含み得る。電子駆動デバイス106は、ステータ112の巻線内の電流レベルを示す情報を提供するホール効果電流センサも含み得る。
【0056】
電子駆動デバイス106は、組立体100の流体の圧力レベルを示す圧力センサを更に含み得る。電子駆動デバイス106は、モータ・ロータ114及びポンプ駆動シャフト134の角度位置を示すセンサ情報を提供するように構成された回転位置センサも含み得る。回転位置センサ情報は、電気モータ102を制御するマイクロプロセッサによって使用され、モータ・ロータ114によって生成される速度及びトルクを閉ループフィードバック制御構成で制御し得る。
【0057】
例えば、コントローラ・ボード200は、図2に示すように、モータ・ロータ114のスピンドル部分138の付近に組み付けられるセンサ・チップ又はエンコーダ206を含み得る。エンコーダ206は、キャップ152内に配設された磁石208と相互作用するように構成し得る。エンコーダ206は、モータ・ロータ114の角度位置又は運動をアナログ又はデジタル出力信号に変換する電気-機械デバイスとして構成され、アナログ又はデジタル出力信号は、電気モータ102を制御するマイクロプロセッサに提供される。例示的実装形態では、エンコーダ206によって提供されるセンサ情報の精度を強化するため、磁石208の磁極性は、電気モータ102のそれぞれの磁石(即ち、磁石116)のそれぞれの磁極性と位置合わせされる又は同じ方位を有する。
【0058】
図7は、例示的実装形態による組立体100の部分断面前面図を示し、エンコーダ206の磁石208及びモータ・ロータ114の磁石116の磁気方位を示す。図示のように、磁石208の北「N」及びモータ・ロータ114の磁石116の「N」は、同じ方向又は方位である。
【0059】
図1図3に示すように、電子駆動デバイス106は、中空プラスチック構成要素として構成された電気コネクタ210を更に含むことができ、電気コネクタ210は、コントローラ・ボード200の導電性トラックに電気的に接続される複数の導体ピンを収容する。メス・ピンを有するコネクタのソケット(図示せず)は、導体ピンがコネクタ・ソケットのメス・ピンに接触するように、電気コネクタ210に組み付けられる又は挿入し得る。ワイヤは、電気コネクタ210の導体ピンに信号を供給し、電気コネクタ210の導体ピンから信号を受信するようにメス・ピンに接続し得る。
【0060】
この構成の場合、電子駆動デバイス106は、電気コネクタ210を介して様々な入力及びセンサ信号を受信し、受信した情報に応答して指令を提供し得る。例えば、電子駆動デバイス106は、中央コントローラ、又は機械の入力デバイス(例えば、ホイール・ローダ、バックホー若しくは掘削機等の油圧機械のジョイスティック)からの指令信号を受信し得る。指令信号は、油圧ポンプ104によって供給される所望の流体圧力及び流体流量を示す。次に、電子駆動デバイス106は、ステータ112に供給されるAC電力を制御し、ポンプ駆動シャフト134で特定の速度及びトルクを生成し、所望の流体圧力レベル及び流量をもたらし得る。電子駆動デバイス106は、電気コネクタ210を介して(例えば、エンコーダ206からの)センサ信号を別の中央コントローラに供給することもできる。
【0061】
したがって、電子駆動デバイス106は、組立体100によって制御されるアクチュエータだけでなく、組立体100のコントローラとしても使用し得る。特に、電子駆動デバイス106は、組立体100の内部のセンサ及びアクチュエータに関連するセンサから指令入力及びセンサ信号を受信し、応答して、電気モータ102及び油圧ポンプ104を制御し、所望の又は指令されたアクチュエータの運動を達成する。
【0062】
図8は、例示的実装形態による、開回路構成で動作する組立体100を含む油圧システム300を示す。図8において、油圧流管は、実線として示される一方で、指令及びセンサ信号は、破線で示される。バッテリ等の電源又は発電機は、直流電力を組立体100に供給するように構成される。電源は、図の見た目の煩雑さを低減するため、図示しない。
【0063】
油圧システム300は、流体を低圧(例えば、0~70psi)で貯蔵し得る流体の流体槽302も含む。組立体100の入口ポート118は、流体槽302に流体連結される。したがって、組立体100は、上記したように、流体槽302からの流体を入口ポート118を通じて受け入れ、次に、流体を出口ポート120を通じて排出する。
【0064】
油圧システム300は、マニホルド又は弁組立体304も含む。弁組立体304は、流体通路と、複数のソレノイド作動弁(例えば、1つ又は複数の方向制御弁、流れ制御弁、負荷保持弁等)とを含む。ソレノイド作動弁は、そのような流体通路を通る流体の流れを制御する。
【0065】
一例では、弁組立体304は、組立体100に連結される。例えば、弁組立体304は、ポンプ・ポート・ブロック117に組み付け得る。したがって、弁組立体304は、入口ポート118及び出口ポート120を往復する流体流を制御し得る。
【0066】
コントローラ・ボード200は、弁組立体304のソレノイド作動弁のソレノイド・コイルに供給される電流及び電圧信号を制御する電子弁ドライバを含み、ソレノイド弁の作動及び動作状態を制御し得る。このように、電子駆動デバイス106は、ソレノイド作動弁の動作状態及び弁組立体304を通る流体流を制御するように構成し得る。
【0067】
弁組立体304は、アクチュエータ306を往復する流体流を誘導するように構成される。アクチュエータ306は、シリンダ308と、シリンダ308内に摺動可能に収容されるピストン310とを含む。ピストン310は、ピストン・ヘッド312と、シリンダ308の中心長手方向軸方向に沿ってピストン・ヘッド312から延在するロッド314とを含む。ピストン・ヘッド312は、シリンダ308の内側空間を第1のチャンバ316及び第2のチャンバ318に分割する。
【0068】
電子駆動デバイス106は、油圧システム300内の様々なセンサ又は入力デバイスからの信号を介してセンサ情報を含む入力又は入力情報を受信し、応答して、電気信号を油圧システム300の様々な構成要素に供給し得る。例えば、電子駆動デバイス106は、ピストン310に連結された位置センサ及び/又は速度センサからのアクチュエータ・センサ情報を受信し得る。アクチュエータ・センサ情報は、ピストン310の位置x及び速度
を示す。追加又は代替として、電子駆動デバイス106は、第1のチャンバ316に連結された圧力センサ320及び/又は第2のチャンバ318に連結された圧力センサ322から、チャンバ316、318内の流体の圧力レベルpを示す情報又はピストン310に加えられる負荷の大きさを示す情報を受信し得る。
【0069】
上述のように、電子駆動デバイス106は、組立体100のセンサ(例えば、エンコーダ206)から、モータ・ロータ114の速度、油圧ポンプ104から排出された流体の圧力レベル等を示すセンサ情報も受信し得る。電子駆動デバイス106は、ピストン310に対して指令された又は所望の速度を示す(例えば、機械のジョイスティックからの)入力も受信し得る。次に、電子駆動デバイス106は、組立体100の電気モータ102及び弁組立体304に信号を供給し、所望の指令された速度で制御された様式でピストン310を移動し得る。
【0070】
例えば、ピストン310を拡張させる(即ち、図8ではピストン310を上に移動させる)には、電子駆動デバイス106は、電気モータ102を作動し、これにより、油圧ポンプ104が入口ポート118を通じて流体槽302から流体を引き込み、次に、出口ポート120を通じて弁組立体304に流体を供給する。電子駆動デバイス106は、1つ又は複数の弁への指令信号も送信し、弁組立体304を第1の状態で動作させる。したがって、出口ポート120を介して組立体100から供給される加圧流体は、弁組立体304を通じて第1のチャンバ316に流れる。ピストン310が拡張するにつれて、第2のチャンバ318から押し出された流体は、弁組立体304に流れ、流体を流体槽302に誘導する。電子駆動デバイス106は、特定の速度及びトルクで電気モータ102を動作させ、特定の圧力で特定の流量をアクチュエータ306に供給し、ピストン310を所望の速度で移動させる一方で、第1のチャンバ316及び/又は第2のチャンバ318内の圧力レベルを制御する。
【0071】
ピストン310を後退させるには、電子駆動デバイス106は、指令信号を1つ又は複数の弁に送信し、弁組立体304を第2の状態で動作し得る。第2の状態では、弁組立体304は、出口ポート120から受け入れた流体を第2のチャンバ318に誘導する。ピストン310が後退するにつれて、第1のチャンバ316内の流体は、第1のチャンバ316から弁組立体304に押し出され、流体を流体槽302に誘導する。
【0072】
動作中、電気モータ102が油圧ポンプ104を駆動する場合、又は油圧ポンプ104が電気モータ102を発電機として駆動する場合、組立体100を使用し得る。したがって、油圧ポンプ104は、4コドラント2方向ポンプとして動作可能な油圧ポンプ/モータとして構成し得る。4コドラント2方向ポンプは、油圧アクチュエータへの流体力の供給だけでなく、エネルギー回収も可能である。
【0073】
油圧システム300は、開回路又は開ループ・システムと呼ぶことができ、組立体100は、流体槽302から流体を引き込み、次に、弁組立体304を介してアクチュエータ306に流体を供給し、アクチュエータ306から排出された流体は、弁組立体304を介して流体槽302に戻る。代替的に、組立体100は、閉回路構成で使用でき、流体は、油圧ポンプ104とアクチュエータ306との間でループ状に循環する。
【0074】
図9は、例示的実装形態による、閉回路構成で動作する組立体100を有する油圧システム400を示す。油圧システム300の構成要素と同様の油圧システム400の構成要素は、同じ参照番号で示される。
【0075】
油圧システム400において、組立体100の油圧ポンプ104は、出口ポート120から弁組立体402を通じて第1のチャンバ316又は第2のチャンバ318に流体を供給し、アクチュエータ306の他方のチャンバから排出された流体は、組立体100の入口ポート118に戻る。したがって、流体は、組立体100の油圧ポンプ104とアクチュエータ306との間を循環する。
【0076】
ロッド314が第2のチャンバ318を通じて延在する、ピストン310の構成のために、第1のチャンバ316に入る又は第1のチャンバ316から排出される流体の流体流量は、第2のチャンバ318に入る又は第2のチャンバ318から排出されるそれぞれの流体流量より大きい。油圧システム400は、ブースト回路404を含み、ブースト回路404は、流体流量をブーストするか、又は第1のチャンバに供給される若しくは第1のチャンバから排出される流体流量と、第2のチャンバに供給される若しくは第2のチャンバから排出される流体流量との差による過剰な流れがあれば消費するように構成される。
【0077】
ブースト回路404は、例えば、チャージ・ポンプを含むことができ、チャージ・ポンプは、流体槽302から流体を引き込み、弁組立体402に流体連結されたブースト流管406にブースト流体流を供給するように構成される。弁組立体402は、弁を含むことができ、弁は、ピストン310が拡張している際の入口ポート118への流体流量を増大するために組立体100の入口ポート118に流体を供給する前に、ブースト流管406からの補給流体流と、第2のチャンバ318から排出される流体との合流を促進する。
【0078】
別の例では、ブースト回路404は、加圧流体を貯蔵するように構成されたアキュムレータを備えることができ、流体槽302は、使用しなくてよい。別の例では、油圧システムは、複数のアクチュエータと、組立体100と同様の複数の組立体とを含み、ブースト回路404は、他のアクチュエータからの過剰な流れを受け入れ、この流れをブースト流としてアクチュエータ306に供給し得る。
【0079】
ブースト回路404は、ブースト流管406を通じて流れる過剰流体を受け入れ、流体槽302(又はシステム内の他のアクチュエータ)へのそのような過剰流体の経路をもたらするようにも構成し得る。特に、ピストン310が後退しており、第1のチャンバ316から排出される流体が、第2のチャンバ318が必要な消費流体を上回る場合、過剰流は、弁組立体402を通じてブースト流管406に供給され、次にブースト回路404に供給され、ブースト回路404は流体流を流体槽302(又はシステム内の他のアクチュエータ)に誘導する。
【0080】
いくつかの構成形態は、図1図8に示す例示的実装形態で実施し得る。例えば、主筐体108を、個別筐体として構成された電子デバイス筐体140に連結するのではなく、筐体の両方を単一筐体に結合し得る。別の例として、他の種類のポンプを使用し得る。また、別の例示的実装形態では、ギアボックスを使用し、モータ・ロータ114をポンプ駆動シャフト134に連結し得る。また、油圧ポンプ104は、ステータ112内に部分的に配設される一方で、別の例示的実装形態では、ポンプは、ステータの巻線内に完全に配設し得る。また別の例示的実装形態では、(図5及び図6A図6Cに関して説明したように冷却流体通路を通じて)主筐体108を冷却するのに入口ポート118を通って受け入れた入口流体を使用するのではなく、出口ポート120からの流体を冷却流体として使用し得る。
【0081】
図10は、例示的実装形態による、組立体500の部分断面側面図を示す。組立体100の構成要素と同様の組立体500の構成要素は、同じ参照番号で示される。電子駆動デバイス106は、図10に部分的に示されるが、組立体500は、図1図3に示す同様の電子駆動デバイスで構成し得ることを理解されたい。
【0082】
組立体500は、主筐体501を有する。組立体500も、入口ポート504と出口ポート506とを有するポンプ・ポート・ブロック502を有する。入口ポート504で受け入れた流体は、第1の供給通路508及び第2の供給通路510を通じて流れ、第1の供給通路508及び第2の供給通路510の両方は、流体流をポンプ・チャンバ164に供給する。次に、油圧ポンプ104は、流体を押し出し、出口ポート506から流体を排出する。
【0083】
入口ポート118で受け入れた流体を使用して主筐体108を冷却する組立体100とは対照的に、組立体500では、出口ポート506に供給される流体を使用して主筐体501を冷却する。特に、ポンプ・ポート・ブロック502は、出口ポート506から分岐する又は出口ポート506に流体連結される入口冷却流体通路512を有する。次に、流体は、主筐体501内の供給冷却流体通路514に供給される。次に、冷却流体は、主筐体501を通じて循環し、主筐体501内の戻り冷却流体通路516に戻り、次に、入口ポート504からポンプ・チャンバ164に入る流体に合流する。したがって、油圧ポンプ104に供給される流体ではなく、油圧ポンプ104から排出された流体を使用して主筐体501を冷却する。
【0084】
上述の詳細な説明は、添付の図面を参照して開示されるシステムの様々な特徴及び動作を説明するものである。本明細書で説明する例示的実装形態は、限定を意味するものではない。開示するシステムのいくつかの態様は、多種多様な異なる構成で構成され、組み合わせることができ、これら全ての構成が本明細書で企図される。
【0085】
更に、文脈が別段に示唆しない限り、図面のそれぞれで示される特徴は、互いに組み合わせて使用し得る。したがって、図面は、1つ又は複数の全体的な実装形態の構成要素の態様として全体的に見るべきであり、全ての例示される特徴が、必ずしも各実装形態で必要ではないことを理解されたい。
【0086】
更に、本明細書又は特許請求の範囲における要素、ブロック若しくはステップのあらゆる列挙は、明快にするためである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック若しくはステップが特定の構成に従う、又は特定の順序で実行されることを必要とする、又は暗示すると解釈すべきではない。
【0087】
更に、デバイス又はシステムは、図面で提示する機能を実施するために使用又は構成し得る。いくつかの例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素は、これらの機能を実施するように構成し、構成要素がそのような機能の実施を可能にするように実際的に構成し、組み立て得る。他の例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素は、特定の様式で動作する際等、機能の実施に適合する、機能の実施を可能にする、又は機能の実施に適しているように構成し得る。
【0088】
用語「実質的に」とは、列挙した特性、パラメータ又は値を厳密に達成する必要はないが、例えば、許容差、測定誤差、測定精度限度、及び当業者に公知である他の係数を含む偏差又は差異が、特性が意図して提供する効果を排除しない量で生じてよいことを意味する。
【0089】
本明細書で記載する構成は、例示する目的にすぎない。したがって、当業者は、他の構成及び他の要素(例えば、機械、インターフェース、動作、順序及び動作の分類等)を代わりに使用でき、いくつかの要素を所望の結果に従って完全に省いてよいことを了解するであろう。更に、説明される要素の多くは、あらゆる適切な組合せ及び場所において、個別の若しくは分散した構成要素として、他の構成要素と併せて実装し得る機能的な実体である。
【0090】
様々な態様及び実装形態を本明細書で開示しているが、他の態様及び実装形態は、当業者に明らかであろう。本明細書で開示される様々な態様及び実装形態は、例示する目的であり、限定を意図するものではなく、真の範囲は、特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲と共に、以下の特許請求の範囲によって示される。また、本明細書で使用する用語は、特定の実装形態を表す目的にすぎず、限定を意図するものではない。
【0091】
したがって、本開示の実施形態は、以下に挙げ、列挙される例示的実施形態(enumerated example embodiment、EEE)の1つに関連し得る。
【0092】
EEE1は、組立体であり、組立体は、内部チャンバを中に有する主筐体と、主筐体の内部チャンバ内に配設され、(i)主筐体の内部チャンバ内に固定配置されるステータ、(ii)及びステータ内に配置され、ステータに対して回転可能なモータ・ロータを備える電気モータと、主筐体において、電気モータのモータ・ロータ内に少なくとも部分的に配置される油圧ポンプであって、油圧ポンプは、入口ポートから流体を受け入れ、流体流を出口ポートに供給するように構成され、電気モータのモータ・ロータに回転可能に連結されるポンプ駆動シャフトを備える油圧ポンプと、主筐体内に形成され、主筐体を冷却するように主筐体を通じて流体を循環可能にするように構成された複数の冷却流体通路とを備える。
【0093】
EEE2は、EEE1に記載の組立体であり、組立体は、主筐体に連結され入口ポート及び出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロックと、ポンプ・ポート・ブロック内に形成され入口ポートに流体連結される入口冷却流体通路とを更に備え、複数の冷却流体通路は、(i)入口冷却流体通路に流体連結され、入口ポートからの流体が主筐体を通じて流れることを可能にするように構成された供給冷却流体通路と、(ii)主筐体を通じて循環した後の流体を受け入れるように構成された戻り冷却流体通路とを備える。
【0094】
EEE3は、EEE1又は2に記載の組立体であり、組立体は、主筐体に連結され、入口ポート及び出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロックと、ポンプ・ポート・ブロック内に形成され、出口ポートに流体連結される入口冷却流体通路とを更に備え、複数の冷却流体通路は、(i)入口冷却流体通路に流体連結され、出口ポートからの流体が主筐体を通じて流れることを可能にするように構成された供給冷却流体通路と、(ii)主筐体を通じて循環した後の流体を受け入れるように構成された戻り冷却流体通路とを備える。
【0095】
EEE4は、EEE1~3のいずれかに記載の組立体であり、主筐体は、前端面及び後端面であって、複数の冷却流体通路は前端面と後端面との間で主筐体を横断する、前端面及び後端面と、前端面及び後端面に沿って配設され、複数の冷却流体通路の冷却流体通路を流体連結するように構成され、前端面から後端面まで主筐体を通じて流体が前後に循環することを可能にする複数の弓形溝とを備える。
【0096】
EEE5は、EEE1~4のいずれかに記載の組立体であり、組立体は、主筐体に連結され、入口ポート及び出口ポートを備えるポンプ・ポート・ブロックを更に備え、ポンプ・ポート・ブロックは、第1の供給通路と第2の供給通路とを備え、第1の供給通路及び第2の供給通路の両方は、入口ポートから流体を受け入れ、油圧ポンプに流体を伝達する。
【0097】
EEE6は、EEE1~5のいずれかに記載の組立体であり、油圧ポンプは、ベーン・ポンプであり、ベーン・ポンプは、ポンプ・カバーと、そしてポンプ筐体、ポンプ・ロータ、ポンプ・ロータに組み付けられるベーンを有するベーン・カートリッジとを備え、ポンプ駆動シャフトは、軸受けを介してポンプ・カバーによって支持される。
【0098】
EEE7は、EEE1~6のいずれかに記載の組立体であり、モータ・ロータは、(i)油圧ポンプが少なくとも部分的に中に配設される円筒部分と、(ii)ポンプ駆動シャフトがモータ・ロータのスピンドル部分に回転可能に連結されるスピンドル部分とを備える。
【0099】
EEE8は、EEE7に記載の組立体であり、スピンドル部分は、軸受けを介してスピンドル部分の外面上で支持され、ポンプ駆動シャフトは、スピンドル部分の内面に更なる支持をもたらす直径増大部分を有する。
【0100】
EEE9は、EEE7又は8に記載の組立体であり、ポンプ駆動シャフトは、スプライン係合部を介してモータ・ロータのスピンドル部分に回転可能に連結され、組立体は、第1の封止体と第2の封止体とを備え、スプライン係合部は、潤滑材が第1の封止体と第2の封止体との間のスプライン係合部で封止されるように、第1の封止体と第2の封止体との間に挿入される。
【0101】
EEE10は、EEE9に記載の組立体であり、組立体は、モータ・ロータのスピンドル部分の端部に配設されるキャップを更に備え、第1の封止体は、ポンプ駆動シャフトの外面回りで第1の溝内に配設され、第2の封止体は、キャップのそれぞれの外面回りで第2の溝内に配設される。
【0102】
EEE11は、EEE1~10のいずれかに記載の組立体であり、組立体は、主筐体に連結される電子デバイス筐体と、電子機器筐体カバーであって、電子機器筐体カバー及び電子デバイス筐体によって囲壁が形成されるように、電子デバイス筐体に連結される電子機器筐体カバーと、囲壁内に配設される1つ又は複数の電子ボードとを更に備える。
【0103】
EEE12は、EEE11に記載の組立体であり、1つ又は複数の電子ボードは、半導体スイッチング・マトリックスが上に組み付けられるインバータ・ボードであって、半導体スイッチング・マトリックスは、直流電力を3相交流電力に変換して電気モータを駆動するように構成された複数の半導体スイッチング・デバイスを備える、インバータ・ボードと、インバータ・ボードから軸方向にずれ、インバータ・ボードに電気的に連結されるコントローラ・ボードとを備え、コントローラ・ボードは、スイッチング信号を生成し、半導体スイッチング・マトリックスを動作させるように構成されたプロセッサを備える。
【0104】
EEE13は、EEE12に記載の組立体であり、コントローラ・ボードは、エンコーダを更に備え、エンコーダは、コントローラ・ボードに組み付けられ、モータ・ロータに連結される磁石と相互作用し、モータ・ロータの回転位置を示すプロセッサにセンサ情報を提供するように構成され、磁石の極性は、電気モータのそれぞれの磁石のそれぞれの極性と位置合わせされる。
【0105】
EEE14は、油圧システムであり、油圧システムは、第1のチャンバ及び第2のチャンバを有するアクチュエータと、アクチュエータの第1のチャンバ及び第2のチャンバを往復する流体流を制御するように構成された弁組立体と、組立体と
を備え、組立体は、内部チャンバを中に有する主筐体と、主筐体の内部チャンバ内に配設され、(i)主筐体の内部チャンバ内に固定配置されるステータ、及び(ii)ステータ内に配置され、ステータに対して回転可能なモータ・ロータを備える電気モータと、主筐体において、電気モータのモータ・ロータ内に少なくとも部分的に配置される油圧ポンプであって、油圧ポンプは、入口ポートから流体を受け入れ、弁組立体に流体連結される出口ポートに流体流を供給するように構成され、油圧ポンプは、弁組立体を介してアクチュエータに流体流を供給するように構成され、油圧ポンプは、電気モータのモータ・ロータに回転可能に連結されるポンプ駆動シャフトを備える油圧ポンプと、主筐体内に形成され、主筐体を冷却するように流体が主筐体を通じて循環可能にするように構成された複数の冷却流体通路とを備える。
【0106】
EEE15は、EEE14に記載の油圧システムであり、油圧システムは、流体槽を更に備え、組立体は、ポンプ・ポート・ブロックを更に備え、ポンプ・ポート・ブロックは、主筐体に連結され、入口ポート及び出口ポートを備え、入口ポートは油圧ポンプが流体槽から流体を引き込むように流体槽に流体連結され、弁組立体はアクチュエータから排出された流体を流体槽に供給するように流体槽に流体連結される。
【0107】
EEE16は、EEE14又は15に記載の油圧システムであり、組立体は、(i)アクチュエータから排出された流体を、入口ポートで弁組立体を通じて受け入れ、(ii)出口ポートを介して弁組立体を通じてアクチュエータに流体を供給するように構成される。
【0108】
EEE17は、EEE16に記載の油圧システムであり、油圧システムは、弁組立体に流体連結されるブースト回路を更に備え、ブースト回路は、ブースト流体流を供給し、第1のチャンバに供給される又は第1のチャンバから排出される流体の流体流量と、第2のチャンバに供給される又は第2のチャンバから排出される流体の流体流量との差による過剰流体流を受け入れるように構成される。
【0109】
EEE18は、EEE14~17のいずれかに記載の油圧システムであり、組立体は、主筐体に連結される電子デバイス筐体と、電子デバイス筐体に連結される電子機器筐体カバーであって、電子機器筐体カバー及び電子デバイス筐体によって囲壁が形成される、電子機器筐体カバーと、1つ又は複数の電子ボードとを更に備え、1つ又は複数の電子ボードは、囲壁内に配設され、(i)半導体スイッチング・マトリックスが上に組み付けられるインバータ・ボードであって、半導体スイッチング・マトリックスは、直流電力を3相交流電力に変換して電気モータを駆動するように構成された複数の半導体スイッチング・デバイスを備える、インバータ・ボードと、(ii)インバータ・ボードから軸方向にずれ、インバータ・ボードに電気的に連結されるコントローラ・ボードとを備え、コントローラ・ボードは、プロセッサを備え、プロセッサは、スイッチング信号を生成し、半導体スイッチング・マトリックスを動作するように構成される。
【0110】
EEE19は、EEE18に記載の油圧システムであり、コントローラ・ボードは、エンコーダを更に備え、エンコーダは、コントローラ・ボードに組み付けられ、モータ・ロータの回転位置を示すプロセッサにセンサ情報を送信するように構成される。
【0111】
EEE20は、EEE19に記載の油圧システムであり、アクチュエータは、ピストンを含み、コントローラ・ボードのプロセッサは、(i)エンコーダからのセンサ情報、(ii)ピストンの位置、ピストンの速度、並びに第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力レベルの1つ又は複数を示すアクチュエータ・センサ情報、並びに(iii)ピストンに対して指令された速度を示す入力情報を受信し、応答して、指令信号を提供し、電気モータを駆動し、弁組立体を動作させ、ピストンに対して指令された速度を達成するように構成される。
図1
図2
図3
図4A-4B】
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10