IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハーの特許一覧

特許7602054駐車支援システムを動作させるための方法およびデバイス、駐車場、ならびに車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】駐車支援システムを動作させるための方法およびデバイス、駐車場、ならびに車両
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241210BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20241210BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/14 A
G08G1/09 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023546552
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022051667
(87)【国際公開番号】W WO2022167270
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】102021102299.1
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】リュック、ジャンスヌ
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0284782(US,A1)
【文献】特開2019-027894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0209886(US,A1)
【文献】特開2020-080142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)の駐車支援システム(105)を動作させるための方法であって、
a)所定のエリア(205)、特に前記車両(100)のそばのエリア(205)、に所定のパターン(PAT1~PAT6)を投影するステップ(S1)と、
b)画像を捕捉するステップ(S2)であって、前記投影(220)を有する前記所定のエリア(205)の少なくとも一部が前記画像内に見える、捕捉するステップ(S2)と、
c)前記画像に応じて前記所定のエリア(205)に配置された物体(210)を確認するステップ(S3)と、
d)前記物体(210)を使用してデジタル周囲地図(MAP0、MAP1)を更新するステップ(S4)と
を含
ステップa)が、時系列的に連続する投影(220)において前記所定のパターン(PAT1~PAT6)を順次投影することであって、異なる投影において前記パターンが互いに対して変位して投影される、順次投影することを含む、
方法。
【請求項2】
ステップc)が、前記画像内の前記パターンの歪み(225)を捕捉することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)が、レーザプロジェクタを使用して前記所定のパターン(PAT1~PAT6)を投影することを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップa)が、所定の色を使用して前記所定のパターン(PAT1~PAT6)を投影することを含み、
ステップb)が、前記所定の色に対して透明なフィルタを使用して前記画像を捕捉することを含む
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)が、所定の順序に従って複数の異なる所定のパターン(PAT1~PAT6)を時系列的に順次投影することを含む
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル周囲地図(MAP0、MAP1)に基づいて前記車両(100)の軌道を確認する
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記パターンに基づいて前記車両(100)の位置を確認する
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光通知信号(POS)を投影する
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両のカメラによって前記通知信号(POS)の前記投影を捕捉し、
前記通知信号(POS)に含まれる情報を確認し、
前記確認された情報に応じて前記車両(100)を動作させる
ことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
車両(100)の駐車支援システム(105)を動作させるためのデバイス(110)であって、前記駐車支援システム(105)が、前記車両(100)を自動的に運転するように構成され、前記デバイス(110)が、
所定のエリア(205)、特に前記車両(100)のそばのエリア(205)、に時系列的に連続する投影(220)において所定のパターン(PAT1~PAT6)を順次投影するための投影ユニット(112)であって、異なる投影において前記パターンが互いに対して変位して投影される、投影ユニット(112)と、
画像を捕捉するための捕捉ユニット(114)であって、前記投影(220)を有する前記所定のエリア(205)の少なくとも一部が前記画像内に見える、捕捉ユニット(114)と、
記画像に応じて前記所定のエリア(205)に配置された物体(210)を確認するための確認ユニット(116)と、
記物体(210)を使用してデジタル周囲地図(MAP0、MAP1)を更新するための更新ユニット(118)と
を備え、デバイス(110)。
【請求項11】
前記投影ユニット(112)が前記車両(100)の外部に配置され、前記捕捉ユニット(114)、前記確認ユニット(116)、および前記更新ユニット(118)が前記車両(100)内に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記投影ユニット(112)および前記捕捉ユニット(114)が前記車両(100)の外部に配置され、前記確認ユニット(116)および前記更新ユニット(118)が前記車両(100)内に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項10に記載のデバイス(110)を有し、前記更新されたデジタル周囲地図(MAP0、MAP1)および/または制御信号を前記駐車支援システム(105)に送信するために前記車両(100)の前記駐車支援システム(105)との通信接続(COM)を確立するための通信ユニット(302)を有する駐車場(300)。
【請求項14】
前記車両(100)を自動的に運転するための駐車支援システム(105)を有し、請求項10に記載のデバイス(110)を有する車両(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車支援システムを動作させるための方法およびデバイス、そのようなデバイスを有する駐車場、ならびに車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のユーザのための駐車プロセスをより効率的にするために、駐車を自動化することが望ましい。これは、自動バレーパーキングと呼ぶことができる。この場合、ユーザは、自動バレーパーキングシステムへの中継点で車両を移送し、自動バレーパーキングシステムは、車両の制御を引き継ぎ、車両を自律的に空き駐車スペースに制御し、そこに駐車する。したがって、ユーザはまた、中継点で再び車両を引き継ぐことができる。そのような自動バレーパーキングシステムは、例えば、車両および車両の周囲を捕捉するために、車両の外部に配置されたセンサ、特にカメラ、レーダーデバイス、および/またはライダーデバイスを使用する。このようにして、捕捉されたデータに基づいて車両に制御信号が出力され、車両が制御される。これらのシステムは、スペース利用を最適化することができるため、ユーザだけでなく、駐車場または駐車区域のオペレータにとっても有利である。さらに、任意の遠隔制御可能な車両をそのようなシステムで使用することができ、車両自体は、周囲の捕捉および制御のための複雑な技術を必要としない。
【0003】
そのようなシステムにおける1つの既知の問題は、より小さいおよび/または移動する障害物、特に子供または動物などの生物が、センサによって不十分にまたは不正確にしか捕捉されないことである。それにもかかわらず、十分なレベルの安全性を確保するためには、非常に高いレベルの技術的対価を支払わなければならず、例えば、非常に多くのカメラが使用され、これにより、システムが非常に複雑かつ高価になる。
【0004】
車両自体が周囲を捕捉するためのセンサおよび自律制御ユニットを有する場合、車両は自律的に運転することができる。自動バレーパーキングの場合、制御ユニットは方位決定を有しないため、駐車区域または駐車場の地図の知識が追加で必要である。このような地図が提供されている場合でも、例えば、車両が駐車区域または駐車場に進入するとき、車両の位置特定は、複雑な手段の使用によってのみ達成される。特に、センサによって捕捉することができ、駐車区域または駐車場内の一意の位置を識別する通知または標識は、分散して配置されなければならない。GPSなどの手段による位置特定は、特に駐車場が複数の階を有し、それらが上下に配置されている場合には、建物の内部では不可能であるか、または十分な精度では不可能である。
【0005】
米国特許出願公開第2020/0209886号明細書は、駐車場の天井に配置されたレーザスキャナが、自律車両を案内するために使用される道路上の経路を投影するシステムおよび方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2020/0209886号明細書
【発明の概要】
【0007】
この背景に抗して、本発明の目的の1つは、車両の駐車支援システムの動作を改善することである。
【0008】
第1の態様によれば、車両の駐車支援システムを動作させるための方法が提案される。本方法は、
a)所定のエリア、特に車両のそばのエリア、に所定のパターンを投影するステップと、
b)画像を捕捉するステップであって、投影を有する所定のエリアの少なくとも一部が捕捉画像内で見える、捕捉するステップと、
c)捕捉画像に応じて所定のエリアに配置された物体を確認するステップと、
d)捕捉物体を使用してデジタル周囲地図を更新するステップとを含む。
【0009】
この方法は、車両の車線内に位置する物体をより高い信頼性および精度で捕捉することができるという利点を有する。したがって、駐車支援システムの動作中、特に、自動駐車プロセス中のような、車両の自律運転中の安全性レベルを高めることができる。
【0010】
「駐車支援システム」という用語は、この場合、駐車プロセス中、特に自律的に実施される駐車プロセス中に車両を支援および/または制御する任意のシステムを意味すると理解される。駐車支援システムは、車両に一体化されたユニットを備えることができ、基盤施設、例えば駐車場内に配置されたユニットを備えることができ、および/または互いに機能的接続および/または通信接続を有する分散して配置された複数のユニットを備えることができる。
【0011】
駐車支援システムは、特に車両を自律的に制御および/または運転するように構成される。駐車支援システムが車両の外部に配置されている場合、これは遠隔制御と呼ぶこともできる。駐車支援システムは、SAE分類体系による自動化レベル4または5を有することが好ましい。SAE分類体系は、自動車の標準化団体であるSAE Internationalによって、2014年にJ3016、「路上自動車自動運転システムに関連する用語の分類および定義」として公開された。これは、6つの異なる自動化度に基づいており、システムの必要な介入のレベルおよび運転者の必要な注意を考慮している。SAE自動化度は、完全に手動のシステムに対応するレベル0から、レベル1~2の運転者支援システム、部分的に自律的なシステム(レベル3および4)、および運転者がもはや必要ではない完全に自律的なシステム(レベル5)に及ぶ。自律車両(無人運転車、自己運転車、ロボット車としても知られる)は、その周囲を検知し、人間の入力なしで周囲をナビゲートすることができる車両であり、SAE自動化レベル5に適合する。
【0012】
本方法の第1のステップa)は、所定のエリアに所定のパターンを投影することを含む。所定のエリアは、例えば、駐車場内のエリアである。所定のエリアは、特に車両のそばのエリアである。
【0013】
所定のパターンは、所定の様式で配置された光学的特徴、例えば、幾何学的規則に従って配置された線を含み、直線または曲線であってもよく、開いていてもよく、または閉じた形状を形成してもよい。所定のパターンとしては、例えば、チェス盤パターン、菱形パターン、円形、三角形、波線等が挙げられる。これらのパターンの異なるパターンを組み合わせて、新しいパターンを形成することができる。所定のパターンは、光学的特徴として必ずしも線を含む必要はなく、点パターンなどであってもよい。
【0014】
所定のパターンは、好ましくは、パターンの2つの隣接して配置された光学的特徴、例えば2つの線の間隔が5~30cm、好ましくは5~20cm、好ましくは5~15cm、より好ましくは13cm未満、さらにより好ましくは11cm未満であるように投影される。光学的特徴が互いに近いほど、より小さい物体が捕捉され得る。しかしながら、エリアを完全に照らすために必要な光学的特徴の数が増加し、投影を捕捉する際に必要な分解能および物体を確認するために必要な計算性能が増加する。
【0015】
好ましい実施形態では、所定のパターンは、11cmの最小サイズを有する物体がパターンによって捕捉されるように設計される。
【0016】
所定のパターンは、車両または基盤施設内の車両の外部に配置された投影ユニット、特にレーザプロジェクタによって生成および投影され得る。投影ユニットは、LCDユニット、マイクロレンズアレイ、および/またはマイクロミラーアレイを備えることができる。投影ユニットは、レーザビームを走査して所定のパターンを投影するように構成することができる。
【0017】
パターンが投影される所定のエリアは、特に、車両の将来の車線または軌道を含む。投影は、車両の存在とは無関係であり得る。所定のエリアは、好ましくは車両によって位置特定されるが、例えば車両の前方または車両の後方に位置する。エリアはまた、車両の周りに側方に延びることができる。例えば、エリアは、車両の前方に複数メートル、例えば5メートルにわたって延びる。エリアは、特に車両まで延びることができ、車両(より正確には、車両の地面への投影)を含むことができる。
【0018】
この所定のパターンの投影により、エリアが走査されると言える。
【0019】
所定のパターンは、特に、250nm~2500nmのスペクトル範囲の波長で投影される。投影ユニットの実施形態に応じて、パターンは、広帯域スペクトル、狭帯域スペクトル、および/または複数の狭帯域線を含むスペクトルで投影することができる。
【0020】
本方法の第2のステップb)は、画像を捕捉することを含み、投影を有する所定のエリアの少なくとも一部が、捕捉画像内に見える。
【0021】
画像は、車両または基盤施設内の車両の外部に配置された捕捉ユニット、特にカメラによって捕捉され得る。
【0022】
画像は、好ましくは、投影を生成する光ビームに対する特定の最小視差を使用して捕捉される。したがって、所定のエリア内に位置する物体による所定のパターンの変化を高い信頼性および精度で確実に確認することができる。
【0023】
本方法の第3のステップc)は、捕捉画像に応じて所定のエリアに配置された物体を確認することを含む。
【0024】
したがって、投影を有するエリア内に物体が位置する場合、所定のパターンの投影は、物体によって変化するか、または影響を受ける。例えば、陰影が発生する(すなわち、パターンの個々の光学的特徴が、投影の画像のいくつかの部分に存在しない)、パターンの光学的特徴のうちの1つ以上のいくつかの部分が歪む(すなわち、影響を受けた光学的特徴は、投影の画像内で予想される点以外の点に伸びる)、および/または反射角度の変化に起因して光学的特徴の強度の局所的な変動が発生する。
【0025】
投影の画像に捕捉され得る所定のパターンのこれらの変化に基づいて、少ない計算労力で物体の存在を確認することができる。
【0026】
実施形態では、投影の捕捉画像が所定のパターンと比較され、所定のパターンの変化は、投影の領域内の物体を示す。
【0027】
第4のステップd)は、捕捉物体を使用してデジタル周囲地図を更新することを含む。
【0028】
デジタル周囲地図は、特に、車両の実際の周囲のデジタル表現を含む。デジタル周囲地図は、好ましくは、現場計画、建物計画などの場所に関する構造条件を反映する地図に基づく。デジタル周囲地図は、センサによって捕捉された、他の道路ユーザ、特に他の車両および歩行者などの移動物体をさらに含み得る。さらに、デジタル周囲地図は、センサによって捕捉された道路標示および/または他の交通管理指示を含み得る。さらに、デジタル周囲地図は、構成などの基礎となる面の情報の項目を含み得る。
【0029】
デジタル周囲地図は、特に座標系を含み、その原点は、例えば恒久的に指定されるか(世界座標系)、またはその原点は車両の地点に固定される。
【0030】
駐車支援システムは、特に、デジタル周囲地図に基づいて車両の経路計画を実行するように構成される。すなわち、駐車支援システムは、デジタル周囲地図に基づいて車両の将来の軌道を計画する。
【0031】
本方法の一実施形態によれば、ステップc)は、
捕捉画像内の投影パターンの歪みを捕捉することを含む。
【0032】
本方法のさらなる実施形態によれば、ステップa)は、
レーザプロジェクタを使用して所定のパターンを投影することを含む。
【0033】
本方法のさらなる実施形態によれば、ステップa)は、
所定の色を使用して所定のパターンを投影することを含み、
ステップb)は、
所定の色に対して透明なフィルタを使用して画像を捕捉することを含む。
【0034】
所定の色は、例えば、1つ以上の特定の波長範囲を含む。それぞれの波長範囲は、好ましくは、最大20nm、好ましくは最大15nm、より好ましくは最大10nmの半値幅を有する狭い範囲を含む。したがって、「特定の色」は、例えばレーザなどの発光線に対応する複数の狭い波長範囲を含み得る。
【0035】
この実施形態は、捕捉ユニットによってパターンの投影を捕捉することができる信号対雑音比を増加させることができるという利点を有する。これは、特に、使用されるフィルタが、1つ以上の狭い波長範囲に対してのみ透明である狭帯域フィルタである場合に当てはまる。
【0036】
「透明」という用語は、この場合、フィルタが対応する波長に対して10%超、好ましくは50%超、好ましくは70%超、より好ましくは90%超の透過率を有することを意味すると理解される。フィルタは、所定の色以外の色に対しては透明でないことが好ましい。
【0037】
本方法のさらなる実施形態によれば、ステップa)は、
時系列的に連続する投影において所定のパターンを順次投影することであって、異なる投影においてパターンが互いに対して変位して投影される、順次投影することを含む。
【0038】
また、そのエリアにわたってパターンが「走査される」とも言える。これは、投影によって捕捉されない物体が配置され得る、投影のパターンの2つの光学的特徴の間にある領域が、後の投影の光学的特徴が領域を通って延びるため、後続の投影のうちの1つによって捕捉され得るという利点を有する。したがって、パターンを使用したエリアの走査を順次増加させることができる。これは、所定のパターンが、例えば、光学的特徴間にかなり大きな間隔、例えば11cmを超える間隔を有する場合に有利である。
【0039】
ステップb)は、この場合、特にパターンの各投影の画像を捕捉することを含み、ステップc)は、各捕捉画像に対して実行される。
【0040】
本方法のさらなる実施形態によれば、ステップa)は、
所定の順序に従って複数の異なる所定のパターンを時系列的に順次投影することを含む。
【0041】
例えば、順序は、チェス盤パターン、菱形パターン、三角形パターン、および波形パターンを含み、これらが連続して投影される。
【0042】
ステップb)は、この場合、特にパターンの各投影の画像を捕捉することを含み、ステップc)は、各捕捉画像に対して実行される。
【0043】
本方法のさらなる実施形態によれば、本方法は、
デジタル周囲地図に基づいて車両の軌道を確認することを含む。
【0044】
軌道は、衝突を回避するために、特にデジタル周囲地図内の物体を考慮して確認される。
【0045】
本方法のさらなる実施形態によれば、本方法は、
投影パターンに基づいて車両の位置を確認することを含む。
【0046】
この実施形態では、投影ユニットは、特に車両の外部に配置され、定位置に固定される。したがって、車両は投影に対して移動することができる。さらに、パターンの投影は、車両自体を捕捉することができる。その後、車両を物体として確認することができる。投影ユニットの固定された配置により、パターンは、基盤施設に対する定義された指定の相対位置で投影され得る。したがって、例えば、定義された固定位置に現れる特定の光学的特徴を投影することが可能である。デジタル周囲地図内の固定座標は、固定位置に対応する。さらなる光学的特徴のそれぞれの位置は、さらなる光学的特徴の定義された光学的特徴に対する相対位置から結論付けられ得る。したがって、車両の位置は、その位置が定義されている投影の定義された光学的特徴またはさらなる光学的特徴に対する車両の相対位置から結論付けられ得る。
【0047】
視覚的に言えば、固定投影は、車両が移動する座標系として見ることができ、座標系内の各位置は、デジタル周囲地図内の位置に一意に割り当てられる。
【0048】
本方法のさらなる実施形態によれば、本方法は、
光通知信号を投影することを含む。
【0049】
光通知信号は、例えば、自律制御車両が運転しているという通知を含む場合、他の道路ユーザに有用であり得、車両自体を制御するためにも使用され得る。通知信号は、ここでは「フォローミー」機能の観点から使用することができる。車両は、好ましくは、この目的のために、通知信号を捕捉するように構成されたセンサを含み、捕捉された通知信号に従って車両を自律的に運転するように構成された制御ユニットを有する。
【0050】
本方法のさらなる実施形態によれば、本方法は、
車両のカメラによって通知信号の投影を捕捉し、
通知信号に含まれる情報を確認し、
確認された情報に応じて車両を動作させることを含む。
【0051】
情報は、特に、方向情報を含み得る。さらに、情報は停止信号を含み得る。
【0052】
第1の態様の方法は、例えば、以下に説明するシナリオで実行することができる。このシナリオでは、デバイスは分散して配置され、投影ユニットおよび捕捉ユニットは、駐車場として設計された基盤施設内の車両の外部に配置され、確認ユニットおよび更新ユニットは、例えば、車両を自律的に運転するように構成された車両の駐車支援システムの一部として、車両内に配置される。車両および駐車場はいずれも、それぞれ通信ユニットを含み、したがって互いに通信可能である。車両のユーザは、車両と共に駐車場の入口まで運転する。通信接続が確立され、車両は駐車場に登録する。この場合、例えば、駐車場の輪郭を含むデジタル周囲地図が車両に送信され、同様に空き駐車スペースおよび車両を空き駐車スペースに導く経路も車両に送信される。ユーザが車両から離れ、自律運転モードが開始される。駐車支援システムが車両の制御を引き継ぎ、送信された経路に沿って延びる軌道を確認する。可動物体は、デジタル周囲地図に含まれない。物体との衝突を回避するために、各場合で、自律運転車両の前方および/または周囲の定義された領域に所定のパターンが投影され、投影が捕捉される。捕捉画像は、車両内の確認ユニットに送信され、これにより、物体が投影のエリア内に位置するかどうかが確認される。したがって、駐車支援システムが軌道を計画する際に基づくデジタル周囲地図が更新される。したがって、特に、可動物体はそれぞれ現時点で捕捉され、軌道の計画において考慮に入れることができる。したがって、車両は、自律的に空き駐車スペースに安全に到達することができる。空き駐車スペースに到達すると、車両は駐車することができ、例えば、この目的のために超音波センサを使用する。
【0053】
第2の態様によれば、車両の駐車支援システムを動作させるためのデバイスが提案される。駐車支援システムは、車両を自動運転するように構成される。本デバイスは、
所定のパターンを所定のエリアに投影するための投影ユニットと、
投影を有する所定のエリアの少なくとも一部が捕捉画像内に見える画像を捕捉するための捕捉ユニットと、
捕捉画像に応じて所定のエリアに配置された物体を確認するための確認ユニットと、
捕捉物体を使用してデジタル周囲地図を更新するための更新ユニットとを備える。
【0054】
このデバイスは、第1の態様による方法について説明したのと同じ利点を有する。したがって、提案された方法について説明された実施形態および特徴は、提案されたデバイスに当てはまる。
【0055】
それぞれのユニット、特に確認ユニットおよび更新ユニットは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装することができる。ハードウェアでの実装の場合、それぞれのユニットは、例えば、コンピュータまたはマイクロプロセッサの形態であってもよい。ソフトウェアでの実装の場合、それぞれのユニットは、コンピュータプログラム製品、機能、ルーチン、アルゴリズム、プログラムコードの一部、または実行可能オブジェクトの形態であってもよい。さらに、本明細書で言及されるユニットの各々はまた、車両および/または駐車場などの建物の上位制御システムの一部の形態であってもよい。上位制御システムは、例えば、サーバおよび/またはドメインコンピュータなどの中央電子制御ユニット、および/またはエンジン制御ユニット(ECU)の形態とすることができる。
【0056】
デバイスの様々なユニットは、特に、分散して配置することができ、互いに機能的接続および/または通信接続を有する。デバイスは、車両に一体化されたユニットを備えることができ、例えば駐車場などの基盤施設内に配置されたユニットを備えることができ、および/または分散して配置された複数のユニットを備えることができる。
【0057】
車両は、デバイスによって動作可能な駐車支援システムを含む。この場合、駐車支援システムは、デバイスの一部または全部のユニットを一体化することができる。駐車支援システムは、少なくとも1つの制御デバイスを備え、少なくとも1つの制御デバイスは、デバイスから制御信号を受信し、制御信号に従って車両を動作させる(車両の遠隔制御)ように構成される。
【0058】
本デバイスの一実施形態によれば、投影ユニットは車両の外部に配置され、捕捉ユニット、確認ユニットおよび更新ユニットは車両内または車両上に配置される。
【0059】
本デバイスのさらなる実施形態によれば、投影ユニットおよび捕捉ユニットは車両の外部に配置され、確認ユニットおよび更新ユニットは車両内に配置される。
【0060】
さらなる実施形態では、確認ユニットは、車両の外部に追加的に配置され、その結果、更新ユニットのみが車両内に配置される。
【0061】
第3の態様によれば、第2の態様によるデバイスを有し、更新されたデジタル周囲地図および/または制御信号を駐車支援システムに送信するために車両の駐車支援システムとの通信接続を確立するための通信ユニットを有する駐車場が提案される。
【0062】
駐車場は、車両が、駐車支援システムとも呼ばれ、少なくともデバイスから制御信号を受信し、制御信号に従って車両を動作させる(車両の遠隔制御)ように構成された少なくとも1つの制御デバイスを含む場合、車両による自動駐車プロセスを実行するように構成される。
【0063】
任意選択的に、車両の駐車支援システムは、受信したデジタル周囲地図に基づいて、空き駐車場所自体への適切な軌道を確認し、軌道に沿って車両を自律的に運転するように構成することができる。
【0064】
第4の態様によれば、車両を自動運転するための駐車支援システムを有し、第2の態様によるデバイスを有する車両が提案される。
【0065】
この車両は、特に、自動駐車プロセスを実行するデバイスおよび駐車支援システムによって可能である。駐車プロセスは、空き駐車スペースまで運転することを含み、駐車および発車を含むことができ、車両のユーザは、例えば中継領域で車両から離れて、自律駐車機能を作動させる。その後、車両は空き駐車スペースまで自律的に運転して、駐車する。例えば、モバイル無線ネットワークまたは別の無線データネットワークを介して受信される呼び出し信号を介して、車両を作動させることができ、すると、車両は駐車スペースから自律的に中継領域まで運転し、そこでユーザは再び車両を引き継ぐ。これは、自動バレーパーキングシステムとも呼ばれ得る。
【0066】
車両は、例えば、自動車またはさらにはトラックである。好ましくは、車両は、車両の運転状態を捕捉し、車両の周囲を捕捉するように構成されたいくつかのセンサユニットを備える。特に、車両は、デバイスの一部である投影ユニットおよび捕捉ユニットを備える。車両のセンサユニットのさらなる例は、カメラ、レーダー(無線検出および測距)またはライダー(光検出および測距)、超音波センサ、位置センサ、車輪角センサ、および/または車輪速度センサなどの画像捕捉デバイスである。センサユニットはそれぞれ、例えば、捕捉センサ信号に基づいて部分的に自律的または完全に自律的な運転を実行する駐車支援システムまたは運転支援システムにセンサ信号を出力するように構成される。
【0067】
本発明のさらなる可能な実施態様はまた、例示的な実施形態に関して上述または後述する特徴または実施形態の明示的に言及されていない組み合わせを含む。当業者はまた、この場合、本発明のそれぞれの基本形態に対する改良または追加として個々の態様を追加するであろう。
【0068】
本発明のさらなる有利な構成および態様は、以下に記載される本発明の従属請求項および例示的な実施形態の主題である。本発明は、添付の図面を参照して好ましい実施形態に基づいて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】車両を俯瞰した概略図を示す。
図2】所定のパターンの投影の一例を示す。
図3】デジタル周囲地図の更新の例示的な実施形態を示す。
図4A】駐車支援システムを動作させるためのデバイスの例示的な実施形態を示す。
図4B】駐車支援システムを動作させるためのデバイスの別の例示的な実施形態を示す。
図4C】駐車支援システムを動作させるためのデバイスのさらに別の例示的な実施形態を示す。
図4D】駐車支援システムを動作させるためのデバイスのさらに別の例示的な実施形態を示す。
図5A】所定のパターンの例を示す。
図5B】所定のパターンの別の例を示す。
図5C】所定のパターンのさらに別の例を示す。
図5D】所定のパターンのさらに別の例を示す。
図5E】所定のパターンのさらに別の例を示す。
図5F】所定のパターンのさらに別の例を示す。
図6】所定のパターンの投影のさらなる例を示す。
図7】障害物を有する投影の概略図を示す。
図8A】光通知信号の投影の例示的な実施形態を示す。
図8B】光通知信号の投影の別の例示的な実施形態を示す。
図9A】駐車支援システムを動作させるためのデバイスのさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
図9B】駐車支援システムを動作させるためのデバイスのさらなる例示的な実施形態の別の概略図を示す。
図10】駐車支援システムを動作させるための方法の例示的な実施形態の概略ブロック図を示す。
図11】駐車支援システムを動作させるためのデバイスの例示的な実施形態の概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
特に明記しない限り、同一または機能的に同一の要素には、図面において同じ参照符号が付されている。
【0071】
図1は、車両100を俯瞰した概略図を示す。車両100は、例えば、周囲200に配置される自動車である。自動車100は、例えば制御ユニットの形態の駐車支援システム105を有する。さらに、車両100は、駐車支援システム105を動作させるように構成されたデバイス110を含む。デバイス110は、この例では、2つの投影ユニット112、すなわち前方に向けられた1つの投影ユニット112および後方に向けられた1つの投影ユニット112と、複数の捕捉ユニット114と、確認ユニット116と、更新ユニット118とを備える。投影ユニット112は、特にレーザプロジェクタの形態であり、車両100によって所定のエリア205(図2参照)に所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5F参照)を投影するように構成される。捕捉ユニット114は、例えば、視覚カメラ、レーダー、および/またはライダーを備える。捕捉ユニット114はそれぞれ、自動車100の周囲200から各領域の画像を捕捉し、光センサ信号として出力することができる。さらに、自動車100には、複数の周囲センサデバイス130が配置されており、これらは、例えば超音波センサであり得る。超音波センサ130は、環境200内に配置された物体からの距離を検出し、対応するセンサ信号を出力するように構成される。捕捉ユニット114および/または超音波センサ130によって捕捉されたセンサ信号によって、駐車支援システム105および/またはデバイス110は、部分的に自律的に、またはさらには完全に自律的に自動車100を運転することができる。図1に示す捕捉ユニット114および超音波センサ130に加えて、車両100が様々な他のセンサデバイスを有するようにすることができる。これらの例は、マイクロフォン、加速度センサ、車輪速度センサ、操舵角センサ、電磁的に伝達可能なデータ信号を受信するための結合された受信機を有するアンテナなどである。
【0072】
デバイス110は、例えば、図11に基づいてより詳細に説明されるように設計され、図10に基づいて説明される方法を実行するように構成される。
【0073】
図2は、車両100による所定のエリア205上の所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)の投影220の一例を示す。例えば、これは、図1に基づいて説明された車両100である。投影220は、車両100に配置された投影ユニット112(図1図4図7図9もしくは図11を参照)および/または車両100の外部に配置された投影ユニット112によって生成され得る。投影は、車両(図示せず)とは独立して別の所定のエリアに生成され得、その場合、投影ユニットは車両の外部に配置されることに留意されたい。この例は、例えば、図5Aに示される所定のパターンPAT1に関する。このパターンPAT1は、互いに垂直に配置された、平行に延びる線を有する2つの線ファミリーを含む。このパターンは、チェス盤パターンと呼ぶこともできる。平面エリアにおいて、所定のパターンPAT1の投影220は、所定のパターンPAT1に対応する、すなわち、線は、互いに平行かつ垂直に延びる。しかしながら、例えば、物体210が位置するため、パターンが投影される面が曲線に延びる点では、投影220は、必ずしも所定のパターンPAT1に対応しない。これは図2に例として示されており、このとき、投影220は、曲線に延びる線225によって示されるように、物体210のエリアでは歪んで見える。
【0074】
パターンの投影220は、例えば、車両100に配置された捕捉ユニット112(図1図4図7図9または図11を参照)によって画像として捕捉される。パターン225の歪みに基づいて、この歪みを引き起こす物体210が対応する領域内に位置するはずであると確認することができる。したがって、確認ユニット116(図1図4図7図9または図11を参照)は、捕捉画像に基づいて物体210を確認するように構成される。
【0075】
実施形態(図示せず)では、物体210の形状がパターン225の歪みに基づいて結論付けられるようにすることができる。代替的または追加的に、歪み225に基づいて物体分類を実行することもでき(図示せず)、これは、ニューラルネットワークによって、特にGAN(敵対的生成ネットワーク)および/またはCNN(畳み込みニューラルネットワーク)によって実行されることが好ましい。
【0076】
図3は、デジタル周囲地図MAP0、MAP1の更新の例示的な実施形態を示す。デジタル周囲地図MAP0、MAP1は、定義された時点における車両100の実際の周囲200(図1を参照)の表現であり、デジタル周囲地図MAP0、MAP1は、必要に応じて周囲200のいくつかまたはすべての捕捉された特徴を含む。図3の例では、デジタル周囲地図MAP0、MAP1は、周囲200の俯瞰図を示す。
【0077】
この例では、車両100は、例えば駐車場に位置し、デジタル周囲地図MAP0には、駐車車両310および柱304が存在する。実施形態では、デジタル周囲地図MAP0、MAP1は、駐車案内システムなどの車両100の外部に配置されたシステムによって少なくとも部分的に指定されるようにすることができる。指定されたデジタル周囲地図MAP0は、例えば、駐車場の輪郭を含み、車線、および柱304などの建物構造が既にその中に含まれている。
【0078】
車両100は、例えば、車両100の駐車支援システム105(図1を参照)によって自律的に制御され、駐車支援システム105は、デバイス110(図1または図11を参照)によって動作可能である。例えば、図2に基づいて説明したように、物体210が車両100の前方に位置することが、確認ユニット116(図1図4図7図9または図11を参照)によって、投影220(図2を参照)の捕捉画像に基づいて確認される。その際、更新ユニット118(図1図4図7図9または図11を参照)が、デジタル周囲地図MAP0を更新し、更新された周囲地図MAP1は、確認された物体210を含む。したがって、自律運転車両100と物体210との衝突を回避することができる。
【0079】
図4A図4Dは、車両100の駐車支援システム105(図1を参照)を動作させるためのデバイス110の4つの異なる例示的な実施形態を示す。4つの例すべてにおいて、デバイス100は、投影ユニット112と、捕捉ユニット114と、確認ユニット116と、更新ユニット118とを備える。それぞれの投影ユニット112は、所定のエリア205(図2を参照)、特に車両100のそばのエリアに所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)を投影する220ように構成され、捕捉ユニット114は、投影220の画像を捕捉するように構成される。確認ユニット116は、捕捉画像に応じて物体210(図2または図3を参照)を確認するように構成され、更新ユニット118は、デジタル周囲地図MAP0、MAP1(図3を参照)を更新するように構成される。
【0080】
図4Aは、すべてのユニットを有するデバイス110が車両100に配置された第1の実施形態を示す。これは、「スタンドアロン」解決策と呼ぶこともできる。
【0081】
図4Bは、投影ユニット112が基盤施設内の車両100の外部に配置された第2の実施形態を示す。基盤施設は、この例では駐車場300であり、投影ユニット112は、特に駐車場300の天井に配置されている。
【0082】
図4Cは、投影ユニット112および捕捉ユニット114が基盤施設内の車両100の外部に配置された第3の実施形態を示す。基盤施設は、この例では駐車場300であり、投影ユニット112および捕捉ユニット114は、駐車場300の天井に互いにオフセットして配置されている。オフセット配置により、投影ユニット112と捕捉ユニット114との間に視差が生じ、これにより、物体の捕捉が向上する。さらに、この例では、車両100および駐車場300は、互いに無線通信接続COMを確立するように構成されたそれぞれの通信ユニット102、302を有する。この例では、特に、捕捉ユニット114による捕捉画像は、通信接続COMを介して送信され、その結果、車両に配置された確認ユニット116は、捕捉画像に応じて物体210(図2または図3を参照)を確認することができる。
【0083】
図4Dは、デバイス100全体が基盤施設内に配置された第4の実施形態を示す。図4Cと同じく、この例では、車両100および駐車場300は、互いに無線通信接続COMを確立するように構成されたそれぞれの通信ユニット102、302を有する。しかしながら、この場合は、捕捉画像の代わりに、例えば、更新された周囲地図MAP0、MAP1(図3を参照)が車両100に送信される。車両100または車両100の駐車支援システム105(図1を参照)は、例えば、空き駐車スペースに到達するために、デジタル周囲地図MAP0、MAP1に基づいて軌道を確認するように構成される。代替的に、車両100の軌道は、基盤施設内の対応するユニットによって確認することもでき、制御信号のみが車両100に送信される(車両100の遠隔制御)。
【0084】
図5A図5Fは、所定のパターンPAT1~PAT6の異なる例を示す。
【0085】
図5Aの所定のパターンPAT1は、例えば、チェス盤パターンである。図5Bの所定のパターンPAT2は、例えば、菱形パターンである。図5Cの所定のパターンPAT3は、例えば、三角形パターンである。図5Dの所定のパターンPAT4は、例えば、波形パターンである。図5Eの所定のパターンPAT5は、例えば、さらなる三角形パターンである。図5Fの所定のパターンPAT6は、例えば、円形パターンである。
【0086】
図5A図5Fに基づいて示される所定のパターンは、単なる例であることに留意されたい。例えば、所定のパターンPAT1~PAT6の組み合わせなど、他の任意の所定のパターンが考えられる。所定のパターンPAT1~PAT6は、特に、隣接する光学的特徴の間隔、例えば2つの隣接する線の線間隔が静的投影で最大11cmであるように投影される。動的投影、すなわち、投影が定義された時間間隔で変位し、および/または異なるパターンが異なる時間間隔で投影される場合、単一のパターンの線間隔は11cmより大きくすることもできる。2つの連続するパターンの線間隔は、好ましくは最大11cmであり、すなわち、時系列的に連続する投影パターンが重ね合わされる場合、最大の線間隔は11cmである。したがって、少なくとも11cmのサイズの物体が投影220によって捕捉され、したがってデバイス110によって確認可能であることが確保される。
【0087】
図6は、所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)の投影220のさらなる例を示し、これは、例えば、図5Aのチェス盤パターンPAT1である。この例では、車両100の位置特定を支援するためにどのようにパターンの投影220が使用され得るかを説明する。駐車場300(図4B図4Dまたは図9を参照)などの閉鎖スペース内で車両100を位置特定することは、GPSなどの位置信号がないために困難であり、そのため、以下に説明するように駐車場300内の車両100の位置を確認することが特に有利である。この例では、投影ユニット112(図1図4図7図9または図11を参照)は、例えば図4B図4Dに基づいて示されるように、基盤施設内の定位置に固定して配置されている。
【0088】
投影ユニット112の固定された配置により、パターンは、基盤施設に対する定義された指定の相対位置で投影され得る。したがって、例えば、側壁から2メートルなどの正確に所定の間隔を有する線を投影することが可能である。図6では、投影220の線にH1~H10およびV1~V15の番号が付されている。例えば、各線の位置は、デジタル周囲地図MAP0、MAP1(図3を参照)において指定される。水平線H1~H10に基づいて、車両100の横断方向の位置を確認することができ、垂直線V1~V15に基づいて、車両100の長手方向の位置を確認することができる。
【0089】
ここで、車両100が投影220に沿って移動するとき、車両100はパターンの固定線を通過する。すなわち、投影220の一部は地面に生成されず、むしろ車両100上に存在する(明確にするために図示せず)。さらに、図6は、投影220が車両100の本体の下のいくつかの点で突出していることを示しており、これは、地面からの本体の高さおよび車両100に対する投影220の投影角度に依存する。特に、地面に接触する車両100の車輪HR、VRでは、投影220が地面からそれぞれの車輪HR、VRに変化する遷移点が車両100のそれぞれの車輪HR、VRの現在位置を正確にマークするので、正確な位置特定が可能である。
【0090】
この例では、長手方向における前輪VRの位置が線V10、V11に基づいて確認され、確認された位置は、線V10、V11の位置間の値に対応し、長手方向における後輪HRの位置が線V2、V3に基づいて確認され、確認された位置は、線V2、V3の位置間の値に対応する。車両100の横断方向の位置は、車両右側の線H3、H4に基づいて確認され、確認された位置は、線H3、H4の位置間の値に対応する。
【0091】
位置特定は、車両100に配置された捕捉ユニット114(図1図4図7図9または図11を参照)を使用して、または基盤施設内の定位置に固定して配置された捕捉ユニット114を使用して実行することができる。捕捉ユニット114が車両100に配置されている場合、投影された光学的特徴の少なくとも1つが、他の特徴と区別され得るように識別されることが必要である。その後、この光学的特徴は、投影220の捕捉画像において確認することができ、光学的特徴の位置に対応する位置が、デジタル周囲地図MAP0、MAP1において定義および指定される。その後、光学的特徴に対する車両100の相対位置を、したがってデジタル周囲地図MAP0、MAP1における車両100の絶対位置も確認することができる。
【0092】
図7は、2つの障害物210を有する投影220の概略図を示す。投影ユニット112は、この例では駐車場300の天井に配置されている。捕捉ユニット114は、駐車場300の天井の別の位置に配置されている。図7を使用して、それぞれの位置210が所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)の投影220をどのように変化させ得るかを説明する。
【0093】
投影220の第1のビームR1は、物体210の側方に入射する。物体210の側面は、捕捉ユニット114の視点からは見えない。したがって、駐車場300の床に第1のビームR1によって生成されるべき光学的特徴は、投影220の画像に含まれず、そのことから物体210の存在が結論付けられ得る。
【0094】
投影220の第2のビームR2は、物体210の上側に入射し、これは、捕捉ユニットから見える。したがって、駐車場300の床に第2のビームR2によって生成されるべき光学的特徴は、予想位置に対して変位して見える。また、この領域では、所定のパターンPAT1~PAT6に対して投影220が歪んで見えるとも言える。そのことから、物体210の存在が結論付けられ得る。
【0095】
投影220の第3のビームR3は、物体210の傾斜面に入射する。したがって、ビームR3の反射角度が影響を受け、これは、例えば、第3のビームR3によって生成されるべき光学的特徴の輝度の変化のために、認識可能である。そのことから、物体210の存在が結論付けられ得る。
【0096】
上述の3つの例は、所定のパターンPAT1~PAT6の投影220の画像において物体210がそれに基づいて確認可能である光学的効果の網羅的なリストを形成するものではなく、単に説明のために使用される。
【0097】
図8A図8Bは、定義された情報を含む光通知信号POSの投影の例示的な実施形態を示す。この例では、投影ユニット112は車両100の外部に配置され、車両100は捕捉ユニット114を含み、それを使用して光通知信号POSを捕捉する。車両100の駐車支援システム105(図1を参照)は、捕捉画像に基づいて光通知信号POSに含まれる情報を確認し、この情報に応じて車両100を自律的に制御するように構成される。
【0098】
図8Aでは、光通知信号POSは、特に、車両100が運転されるべき確認された軌道を車両100に表示するために使用される。駐車支援システム105は、表示された軌道に沿って車両100を自律的に運転するように構成される。
【0099】
光通知信号POSは、特に、他の道路ユーザのための信号効果を展開することもできる。例えば、光通知信号POSの破線は、自律運転車両100の車線を示す。したがって、他の道路ユーザは、それが自律運転車両100であると報され、車両100の車線を空けておくことができる。実施形態(図示せず)では、視覚的に明確に知覚可能な光通知信号POSが車両100の周りの所定のエリアに投影されるようにすることができ、これは自律運転車両100を明確に示す。
【0100】
図8Bでは、光通知信号POSは、物体210との衝突を回避するために、特に確認された物体210の前方で車両を停止させるために使用される。駐車支援システム105は、光通知信号POSに従って車両100を停止させるように構成される。
【0101】
図9A図9Bはそれぞれ、車両100の駐車支援システム105(図1を参照)を動作させるためのデバイス110のさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。図9Aは側面図を示し、図9Bは上方から見た図を示し、車両100は駐車場300に位置する。この例では、投影ユニット112は、車両100の外部に、車道のすぐ上で柱304に、例えば1~5cmの高さに配置されている。捕捉ユニット114は、駐車場300の天井に配置されている。
【0102】
この例の投影ユニット112は、所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)として1つの線のみを投影し、光は地面のすぐ上を伝搬する。リフレクタ306が地面の所定の位置に配置され、光がリフレクタ306に入射し、リフレクタ306から反射される。リフレクタ306は、例えば、投影ユニット112の高さに対応する高さを有する。投影ユニット112とリフレクタとの間のエリアに物体210が含まれない場合、投影220は、リフレクタ306の経路に沿って延びる線である。
【0103】
しかしながら、物体210がエリア内に位置する場合、光は物体に入射し、物体から反射される。これは、投影220の画像において歪んだパターン225として認識され得る。さらに、陰影222が、投影ユニット112から物体210を介した並びの位置に対応するリフレクタ306のエリアに生じる。したがって、物体210の存在が結論付けられ得る。
【0104】
図10は、駐車支援システム105、例えば図1の車両100の駐車支援システム105を動作させるための方法の例示的な実施形態の概略ブロック図を示す。第1のステップS1において、所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)が、所定のエリア205(図2を参照)、特に車両100(図1図4図6図8または図9を参照)のそばのエリアに投影される。第2のステップS2において、車両100の周囲200(図1を参照)の画像が捕捉され、投影220(図2図4、または図6図9を参照)を有する所定のエリア205の少なくとも一部が、捕捉画像内に見える。第3のステップS3において、所定のエリア(205)に配置された物体210(図2図3図7または図9を参照)が、捕捉画像に応じて確認される。第4のステップS4において、捕捉物体210を使用して、デジタル周囲地図MAP0、MAP1(図3を参照)が更新される。
【0105】
図11は、駐車支援システム105、例えば図1の車両100の駐車支援システム105を動作させるためのデバイス110の例示的な実施形態の概略ブロック図を示す。デバイス110は、所定のエリア205(図2を参照)、特に車両100のそばのエリアに所定のパターンPAT1~PAT6(図5A図5Fを参照)を投影するための投影ユニット112と、車両100の周囲200(図1を参照)の画像を捕捉するための捕捉ユニット114であって、投影220(図2図4、または図6図9を参照)を有する所定のエリア205の少なくとも一部が捕捉画像内に見える、捕捉ユニット114と、捕捉画像に応じて所定のエリア205(図2図3図7または図9を参照)に配置された物体210を確認するための確認ユニット116と、捕捉物体210を使用してデジタル周囲地図MAP0、MAP1を更新するための更新ユニット118とを備える。
【0106】
デバイス110は、特に、図10に基づいて説明した方法を実行するように構成される。
【0107】
本発明を例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0108】
100 車両
102 通信ユニット
105 駐車支援システム
110 デバイス
112 投影ユニット
114 捕捉ユニット
116 確認ユニット
118 更新ユニット
130 センサ
200 周囲
205 エリア
210 物体
220 投影
222 陰影
225 歪んだパターン
300 駐車場
302 通信ユニット
304 障害物
306 リフレクタ
310 駐車車両
COM 通信接続
H1~H10 線
HR 後輪
MAP0 デジタル周囲地図
MAP1 デジタル周囲地図
PAT1 所定のパターン
PAT2 所定のパターン
PAT3 所定のパターン
PAT4 所定のパターン
PAT5 所定のパターン
PAT6 所定のパターン
POS 光通知信号
R1 光ビーム
R2 光ビーム
R3 光ビーム
S1 方法ステップ
S2 方法ステップ
S3 方法ステップ
S4 方法ステップ
V1-V15 線
VR 前輪
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11