(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】作業機械用表示制御システム、作業機械用表示システム、作業機械、作業機械用表示制御方法及び作業機械用表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20241210BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241210BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241210BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
E02F9/26 B
G09G5/00 510C
G09G5/00 530T
G09G5/37 300
H04N7/18 J
(21)【出願番号】P 2024019945
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2021020877の分割
【原出願日】2021-02-12
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 一樹
(72)【発明者】
【氏名】川口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 頌梧
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-241631(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163381(WO,A1)
【文献】特開2015-209691(JP,A)
【文献】特開2020-105883(JP,A)
【文献】特開2007-046241(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163382(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
G09G 5/00- 5/42
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する残量表示領域と、
少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する切替表示領域と、を含む表示画面を、
表示装置に表示させる表示処理部を備え、
前記切替表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアに配置され、
前記残量表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、
前記表示処理部は、
第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置し、
前記第2モードでは、
前記切替表示領域に前記残量情報が重ならないように、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する、
作業機械用表示制御システム。
【請求項2】
前記表示画面は、稼働状態に応じた図像を表示させる図像表示領域を含み、
前記表示処理部は、前記第2モードでは、
前記切替表示領域に前記図像が重ならないように、前記第1モードに比べて、前記図像表示領域を小さく表示する、
請求項1に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記図像表示領域を前記切替表示領域の隣に表示する
、
請求項2に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記図像表示領域と前記切替表示領域との間に境界を表示する、
請求項3に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項5】
前記第2モードにおける前記図像表示領域は、前記第1モードにおける前記図像表示領域に比べ、縦方向に長い、
請求項2~4のいずれか1項に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項6】
前記第2モードにおける前記図像表示領域は、前記第1モードにおける前記図像表示領域に比べ、横方向に狭い、
請求項2~5のいずれか1項に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項7】
前記第2モードにおいて、前記図像表示領域の縦方向のサイズは、前記切替表示領域の縦方向のサイズと同じである、
請求項2~6のいずれか1項に記載の作業機械用表示制御システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の作業機械用表示制御システムと、
前記表示画面を表示する前記表示装置と、を備える、
作業機械用表示システム。
【請求項9】
請求項8に記載の作業機械用表示システムと、
前記表示装置が搭載される機体と、を備える、
作業機械。
【請求項10】
表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する残量表示領域と、
前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する切替表示領域と、
を含む前記表示画面を、表示装置に表示させることを有し、
第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置し、
前記第2モードでは、
前記切替表示領域に前記残量情報が重ならないように、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する、
作業機械用表示制御方法。
【請求項11】
表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する残量表示領域と、
前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する切替表示領域と、
を含む前記表示画面を、表示装置に表示させること、
を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、
前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置し、
前記第2モードでは、
前記切替表示領域に前記残量情報が重ならないように、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する、
作業機械用表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関連する情報の表示に用いられる作業機械用表示制御システム、作業機械用表示システム、作業機械、作業機械用表示制御方法及び作業機械用表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、作業機械(建設機械)に設けられる表示装置(モニタ)に、2種類以上の画像を同時表示する画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る装置は、所定の計器類の計測データ画像と、外部の視野を補助的に得るために設置したカメラから得られるカメラ画像と、を表示装置に表示する。計測データ画像として表示される情報は、エンジンの冷却水温計、燃料計及び作動油温計等である。ここで、表示装置においては、カメラ画像に計測データ画像が重ね合わせられ、計測データ画像からカメラ画像が透視状態となるように表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記関連技術の構成では、別々の2種類の画像が重ね合わせて表示されるので、例えば、カメラ画像の暗所に暗色の計測データ画像が重ねて表示される等、状況によっては、作業機械の稼働に有用な個々の情報(画像)の視認性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、作業機械に関連する種々の情報の各々の視認性向上を図りやすい作業機械用表示制御システム、作業機械用表示システム、作業機械、作業機械用表示制御方法及び作業機械用表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御システムは、表示画面を表示装置に表示させる表示処理部を備える。前記表示画面は、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む。前記残量表示領域は、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアに配置される。前記残量表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置される。前記表示処理部は、第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置する。前記第2モードでは、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する。
【0007】
本発明の一態様に係る作業機械用表示システムは、前記作業機械用表示制御システムと、前記表示画面を表示する前記表示装置と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用表示システムと、前記表示装置が搭載される機体と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御方法は、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む表示画面を、表示装置に表示させることを有する。前記残量表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。前記作業機械用表示制御方法は、第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置し、前記第2モードでは、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する。
【0010】
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御プログラムは、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む表示画面を、表示装置に表示させることを1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。前記残量表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。前記作業機械用表示制御プログラムは、第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有し、前記第1モードでは、前記中央エリアに前記切替表示領域、前記周辺エリアに前記残量表示領域をそれぞれ配置し、前記第2モードでは、前記残量表示領域を非表示とし、前記中央エリア及び前記周辺エリアに跨って前記切替表示領域を配置する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業機械に関連する種々の情報の各々の視認性向上を図りやすい作業機械用表示制御システム、作業機械用表示システム、作業機械、作業機械用表示制御方法及び作業機械用表示制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る作業機械を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る表示システムの概略外観図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る表示制御システムにより表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る表示制御システムにより表示される表示画面の遷移状態を示す概念図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る表示制御システムにより表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る表示制御システムにより表示されるカメラ画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る表示制御システムにより表示される全表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る表示制御システムによる表示制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態1の第1変形例に係る表示制御システムにより表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る表示システム及び作業機械を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0014】
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業機械用表示制御システム1(以下、単に「表示制御システム1」という)は、
図1及び
図2に示すように、例えばバックホー等の作業機械3に関連する情報の表示に用いられる。表示制御システム1は、表示装置2を制御することにより、表示装置2に表示画面D1(
図2参照)を表示させる。本実施形態では一例として、表示装置2は、作業機械3の機体30に搭載されており、作業機械3を操作するユーザ(オペレータ)に向けて表示画面D1にて種々の情報を提示する。つまり、作業機械3を操作するユーザは、表示装置2に表示される表示画面D1を見ることで、作業機械3に関連する種々の情報を視覚的に得ることが可能である。
【0015】
本実施形態では、表示制御システム1は、
図1に示すように、表示装置2と共に作業機械用表示システム10(以下、単に「表示システム10」という)を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る表示システム10は、表示制御システム1と、表示画面D1を表示する表示装置2と、を備える。また、本実施形態では、表示システム10は、機体30と共に作業機械3を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る作業機械3は、表示システム10と、表示装置2が搭載される機体30と、を備える。
【0016】
ここで、表示システム10及び機体30は、互いに通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信(電波又は光を媒体とする通信)の適宜の通信方式により、直接的、又は通信網(ネットワーク)若しくは中継器等を介して間接的に、情報(データ)を授受できることを意味する。表示システム10と機体30とは、例えば、CAN(Controller Area Network)等の通信方式にて通信可能である。表示システム10と機体30との間の通信手段は、上記の例に限らず、適宜の通信手段によって実現される。また、表示システム10と機体30とが互いに通信可能であることは、表示制御システム1において必須の構成ではない。
【0017】
このような表示システム10を備える作業機械3においては、例えば、エンジン37(
図1参照)によって油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから機体30の各部の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ及び油圧モータ等を含む)に作動油が供給されることで、機体30が駆動する。このような作業機械3は、例えば、機体30の運転室に搭乗したユーザ(オペレータ)が、操作レバー等を操作することにより制御される。
【0018】
ここで、機体30の運転室には、表示装置2が搭載されており、ユーザは、表示装置2に表示される作業機械3に関連する種々の情報を見ながら、作業機械3を操作する。一例として、表示装置2の表示画面D1に、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報が表示されることで、ユーザは、作業機械3の操作に必要な作業機械3の稼働状態に関する情報を、表示装置2で確認することができる。また、作業機械3の機体30にカメラ36が設けられている場合には、カメラ36にて撮像される作業機械3の周辺画像についても、表示装置2の表示画面D1に表示させることができる。これにより、ユーザは、作業機械3を操作する際に、例えば、運転席からの死角となりやすい作業機械3の後方等の状況を、表示装置2に表示される周辺画像にて確認することができる。
【0019】
本実施形態に係る表示制御システム1では、このような作業機械3に関連する種々の情報の各々の情報の視認性向上を図りやすい構成を実現する。これにより、例えば、作業機械3を操作するユーザが、作業機械3に関連する種々の情報を把握するために要する負担が低減され、作業機械3の操作性の向上にもつながり、ひいては、作業機械3を用いた作業の効率向上も期待される。
【0020】
[2]定義
本開示でいう「作業機械」は、各種の作業用の機械を意味し、一例として、バックホー(油圧ショベル、ミニショベル等を含む)、ホイルローダー及びキャリア等の作業車両である。作業機械3は、「車両」に限らず、例えば、作業用船舶、ドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械3は建設機械(建機)に限らず、例えば、田植機、トラクタ又はコンバイン等の農業機械(農機)であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械3が乗用タイプのバックホーであって、掘削作業、整地作業、溝掘削作業又は積込作業等を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。
【0021】
本開示でいう表示画面D1等の「画面」は、表示装置2にて表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト及び動画等を含む。すなわち、表示制御システム1は、例えば、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報を表す図像等を含む表示画面D1を、表示装置2に表示させることが可能である。ここで、表示画面D1が動画等を含む場合には、表示画面D1は一定の映像ではなく、刻一刻と変化する映像を含む。
【0022】
[3]機体
次に、作業機械3の機体30の構成について、
図1を参照して説明する。作業機械3は、作業部31と、旋回部32と、走行部33と、を機体30に備えている。本実施形態では、機体30は、冷却水温センサ34、作動油温センサ35、カメラ36及びエンジン37等を更に備えている。
【0023】
作業部31は、旋回部32にて支持されており、作業を実行する。旋回部32は、走行部33の上方に位置し、走行部33に対して、鉛直方向に沿った回転軸を中心に旋回可能に構成されている。走行部33は、地面を走行(旋回を含む)可能に構成されている。本実施形態では、上述したように作業機械3が乗用タイプのバックホーである場合を想定しているので、作業部31は、運転室に搭乗したユーザ(オペレータ)の操作に従って駆動され、掘削作業等の作業を実行する。ユーザ(オペレータ)が搭乗する運転室(例えばキャビン)は、旋回部32に設けられている。
【0024】
作業部31は、ブーム、アーム、バケット、及び油圧アクチュエータ(油圧シリンダ及び油圧モータ等を含む)等を有している。ここで、作業部31は、動力源としてのエンジン37からの動力を受けて動作する。具体的には、エンジン37によって油圧ポンプが駆動され、作業部31の油圧アクチュエータに油圧ポンプから作動油が供給されることで、作業部31が動作する。
【0025】
旋回部32は、旋回用の油圧モータ(油圧アクチュエータ)等を有している。旋回部32には、運転室の他、エンジン37等が搭載されている。走行部33は、例えば、左右一対のクローラ、及び走行用の油圧モータ(油圧アクチュエータ)等を有している。旋回部32及び走行部33の各々についても、作業部31と同様に、動力源としてのエンジン37からの動力を受けて動作する。つまり、旋回部32及び走行部33の油圧アクチュエータ(油圧モータ)に油圧ポンプから作動油が供給されることで、旋回部32及び走行部33が動作する。
【0026】
エンジン37は、上述したように各部に動力を供給する動力源として機能する。本実施形態では一例として、エンジン37はディーゼルエンジンである。エンジン37は、燃料タンクから燃料(ここでは軽油)が供給されることにより駆動する。燃料タンクには、燃料の残量を検出する残量センサが備わっており、残量センサは、検出した燃料の残量に相当する電気信号(センサ信号)を出力する。
【0027】
冷却水温センサ34は、ラジエータの冷却水の温度(冷却水温)を検出するセンサである。作動油温センサ35は、油圧ポンプから機体30各部の油圧アクチュエータに供給される作動油の温度(作動油温)を検出するセンサである。冷却水温センサ34及び作動油温センサ35は、いずれも機体30に設けられており、検出した温度(冷却水温、作動油温)に相当する電気信号(センサ信号)を出力する。
【0028】
カメラ36は、作業機械3の周辺画像を撮像する機能を有する。カメラ36は、例えば、旋回部32に設けられており、作業機械3の周辺(前、後、左、右、上、下の少なくとも一方向)の画像を撮像可能に構成されている。カメラ36が撮像する画像は、白黒画像、赤外線画像及びフルカラー画像のいずれであってもよいし、静止画及び動画のいずれであってもよい。本実施形態では一例として、カメラ36は、作業機械3の後方の画像(周辺画像)をフルカラーの動画として撮像し、周辺画像の画像データをリアルタイムで出力する。
【0029】
また、機体30は、上述した構成に加えて、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)、通信端末、燃料タンク及びバッテリ等を更に備えている。さらには、エンジン37の回転数を計測する回転数計、稼働時間を計測するアワーメータ、その他、カットオフレバー、ゲートロックレバー及びスタータキースイッチ等の状態、又は作業部31に装着されるアタッチメントの種類等を検出するセンサも、機体30に備わっている。
【0030】
[4]表示システム
次に、表示システム10の構成について、
図1及び
図2を参照して詳細に説明する。表示システム10は、上述したように表示制御システム1と、表示装置2と、を備えている。本実施形態では一例として、表示制御システム1及び表示装置2は1つの筐体に収容されており、表示システム10は、
図2に示すように、1つの筐体内に全ての機能が集約されていることとする。
【0031】
このように表示制御システム1及び表示装置2が集約された表示システム10は、機体30の運転室に搭載される。これにより、ユーザ(オペレータ)は、表示装置2に表示される表示画面D1を視認でき、また、必要に応じて表示装置2を操作することが可能である。
【0032】
表示装置2は、
図1及び
図2に示すように、表示部21と、操作部22と、を備えている。表示装置2は、表示制御システム1と通信可能に構成されており、表示制御システム1との間でデータの授受が可能である。本実施形態では一例として、表示装置2は作業機械3に用いられる専用のデバイスである。
【0033】
表示部21は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザ(オペレータ)に情報を提示するためのユーザインターフェースである。表示部21は、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。本実施形態では一例として、表示部21は、バックライト付きのフルカラーの液晶ディスプレイであって、
図2に示すように、横方向に長い「横長」の表示領域を有している。
【0034】
操作部22は、表示部21に表示される表示画面D1に対するユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部22は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作部22は、
図2に示すように、機械式の複数(ここでは6つ)の押釦スイッチ221~226を含む。これら複数の押釦スイッチ221~226は、表示部21の表示領域の周縁に沿うように、表示領域に近接して(
図2の例では下方に)配置されている。これら複数の押釦スイッチ221~226は、後述する表示画面D1に表示される項目に対応付けられており、複数の押釦スイッチ221~226のいずれかが操作されることにより、表示画面D1のいずれかの項目が操作(選択)される。
【0035】
また、操作部22は、タッチパネル及び操作ダイヤル等を含んでいてもよい。この場合においても、操作部22に対する操作により、表示画面D1のいずれかの項目が操作(選択)されることになる。
【0036】
表示制御システム1は、
図1に示すように、データ取得部11と、画像取得部12と、表示処理部13と、を備えている。表示制御システム1は、機体30と通信可能に構成されており、例えば、冷却水温センサ34及び作動油温センサ35の出力(センサ信号)、カメラ36の出力(周辺画像の画像データ)、並びに、その他のセンサ類の出力等を機体30から受信可能である。ここで、表示制御システム1は、これらの情報(データ)を、冷却水温センサ34、作動油温センサ35及びカメラ36等から直接的に取得してもよいし、機体30の電子制御ユニットを介して取得してもよい。
【0037】
データ取得部11は、冷却水温センサ34の出力(センサ信号)、及び作動油温センサ35の出力(センサ信号)等を含む種々のデータを、機体30から定期的又は不定期に取得する。つまり、データ取得部11は、エンジン37の冷却水の温度(冷却水温)、及び作動油の温度(作動油温)を示すデータを含む、種々のセンサの検出結果(検出値)を取得する。本実施形態では、データ取得部11は、残量センサの出力(センサ信号)、つまり燃料の残量を示すデータについても、機体30から取得する。データ取得部11で取得されたデータは、例えば、メモリ等に記憶される。
【0038】
画像取得部12は、カメラ36の出力(周辺画像の画像データ)を、機体30から定期的又は不定期に取得する。つまり、画像取得部12は、作業機械3の周辺画像(本実施形態では、作業機械3の後方の画像)を取得する。画像取得部12で取得されたデータは、例えば、メモリ等に記憶される。
【0039】
表示処理部13は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構とし、種々の処理(情報処理)を実行する。表示処理部13は、少なくとも表示画面D1を表示装置2に表示させる機能を有する。具体的には、表示処理部13は、データ取得部11及び画像取得部12で取得されるデータに基づいて表示画面D1を生成し、表示装置2を制御することによって、表示画面D1を表示装置2の表示部21に表示させる。さらに、表示処理部13は、表示装置2の操作部22が受け付けた操作に応じて動作する。
【0040】
[5]表示制御方法
以下、
図3~
図8を参照しつつ、主として表示制御システム1によって実行される作業機械用表示制御方法(以下、単に「表示制御方法」という)の一例について説明する。つまり、本実施形態に係る表示制御方法は、以下に説明する表示画面D1を、表示装置2に表示させること(処理)を有する。
【0041】
本実施形態に係る表示制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする表示制御システム1にて実行されるので、言い換えれば、作業機械用表示制御プログラム(以下、単に「表示制御プログラム」という)にて具現化される。つまり、本実施形態に係る表示制御プログラムは、表示制御方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。本実施形態に係る表示制御プログラムは、以下に説明する表示画面D1を、表示装置2に表示させること(処理)を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。このような表示制御プログラムは、例えば、表示制御システム1及び表示装置2によって協働して実行されてもよい。
【0042】
ここで、表示制御システム1は、表示制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、表示制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、作業機械3のエンジン37の起動操作等である。一方、表示制御システム1は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、表示制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、作業機械3のエンジン37の停止操作等である。
【0043】
[5.1]表示画面
ここではまず、表示制御方法によって表示装置2の表示部21に表示される表示画面D1の構成について説明する。
図3等の表示装置2の表示部21に表示される表示画面D1を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、いずれも説明のために付しているに過ぎず、実際に表示装置2に表示される訳ではない。さらに、
図3においては、表示画面D1の中心C1を示す「点」を表記しているが、この「点」も実際には表示装置2に表示されない仮想点である。
【0044】
図3に示す表示画面D1は、表示制御方法によって最初に表示されるホーム画面D11である。ホーム画面D11は、作業機械3の稼働中に、まずは表示装置2に表示されることになる基本的な表示画面D1である。表示画面D1は、ホーム画面D11から、操作部22に対する操作に従って、カメラ画面D12(
図4参照)、全表示画面D13(
図4参照)、メニュー画面、クレーン画面、モード画面、PTO画面等を含む様々な表示画面D1への遷移が可能である。
【0045】
表示画面D1としてのホーム画面D11は、
図3に示すように、残量表示領域R1(第1領域)と、切替表示領域R2(第2領域)と、を含む。ホーム画面D11は、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5、第6領域R6、第7領域R7、第8領域R8、第9領域R9及び第10領域R10を更に含む。
【0046】
具体的には、ホーム画面D11は、縦方向(上下方向)に4つの領域に分割されている。そして、上から3つの領域は、それぞれ更に横方向(左右方向)に3つの領域に分割されている。これにより、ホーム画面D11は、計10個の領域に分割される。そして、上から2段目の領域は、左から順に、残量表示領域R1、切替表示領域R2、第3領域R3となる。最下段の領域は第4領域R4となる。さらに、上から3段目の領域は、左から順に、第5領域R5、第6領域R6、第7領域R7となり、最上段の領域は、左から順に、第8領域R8、第9領域R9、第10領域R10となる。縦方向のサイズは、縦方向に分割された4つの領域の中では、上から2段目の領域(残量表示領域R1、切替表示領域R2、第3領域R3)が最も広い。横方向のサイズは、横方向に分割された3つの領域の中では、真ん中の領域(切替表示領域R2、第6領域R6、第9領域R9)が最も広い。
【0047】
ただし、これらの各領域の配置及びサイズは一例に過ぎず、適宜変更可能である。また、各領域が境界線によって明確に分割されていることは必須ではない。例えば、
図3の例でも、切替表示領域R2と第3領域R3とは境界線によって明確に分割されているのに対して、残量表示領域R1と切替表示領域R2との間には境界線は存在しない。もちろん、残量表示領域R1と切替表示領域R2とが境界線によって明確に分割されていてもよい。
【0048】
残量表示領域R1は、縦方向に長い矩形状の領域である。残量表示領域R1には、監視対象物の残量に関する残量情報G1が表示される。ここで、監視対象物は、作業機械3の稼働に伴って消費される物体(液体、気体を含む)である。本実施形態では一例として、監視対象物は、エンジン37の燃料(例えば軽油)を含む。つまり、残量表示領域R1には、監視対象物である燃料の残量に関する残量情報G1が表示される。表示処理部13は、データ取得部11で取得した残量センサの出力(センサ信号)に基づいて、表示画面D1(ホーム画面D11)中の残量情報G1を生成する。
【0049】
本実施形態では、残量情報G1は、棒グラフである。つまり、残量情報G1は、監視対象物(ここでは燃料)の残量を指数化し、棒グラフの長さ(高さ)によって表す情報である。残量情報G1が、グラフ(棒グラフ)にて表示されることにより、ユーザにとっては、視認性がよく、監視対象物の残量を感覚的に理解できる、という利点がある。残量情報G1は、監視対象物での残量に関する情報であればよく、残量そのものを数値等で表す情報だけでなく、例えば、図像(アイコン)の絵柄等により残量を段階的に表す情報、及び監視対象物の消費量を表すことで残量を間接的に表す情報等であってもよい。
【0050】
切替表示領域R2は、横方向に長い矩形状の領域である。切替表示領域R2には、表示対象情報が表示される。ここで、表示対象情報は、少なくとも作業機械3に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される情報である。
図3の例では、切替表示領域R2には、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2が表示されている。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、作業機械3に関連する第1情報である。つまり、
図3に示すホーム画面D11は、切替表示領域R2に表示対象情報として第1情報(冷却水温情報G3及び作動油温情報G2)が表示されている状態の表示画面D1である。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、いずれも作業機械3に関連する情報であって、特に作業機械3の稼働状態に関する情報である。
【0051】
つまり、切替表示領域R2には、第1情報として、作業機械3の稼働状態に関する情報を表示可能である。表示処理部13は、データ取得部11で取得した冷却水温センサ34の出力(センサ信号)に基づいて、表示画面D1(ホーム画面D11)中の冷却水温情報G3を生成する。同様に、表示処理部13は、データ取得部11で取得した作動油温センサ35の出力(センサ信号)に基づいて、表示画面D1(ホーム画面D11)中の作動油温情報G2を生成する。
【0052】
本実施形態では、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、いずれもアナログメータを模したグラフである。アナログメータにおいては、針G21,G31が回転し、針G21,G31の位置によって値が提示される。つまり、冷却水温情報G3は、作業機械3の稼働状態に含まれる冷却水温を指数化し、グラフの針G31の位置によって表す情報である。同様に、作動油温情報G2は、作業機械3の稼働状態に含まれる作動油温を指数化し、グラフの針G21の位置によって表す情報である。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2が、グラフにて表示されることにより、ユーザにとっては、視認性がよく、作業機械3の稼働状態を感覚的に理解できる、という利点がある。冷却水温情報G3及び作動油温情報G2は、冷却水温及び作動油温を数値等で表す情報だけでなく、例えば、図像(アイコン)の絵柄等により冷却水温及び作動油温を段階的に表す情報等であってもよい。
【0053】
要するに、本実施形態では、第1情報は、作業機械3の稼働状態に関する情報である。
これにより、ユーザにとっては、表示画面D1の切替表示領域R2に表示される第1情報から、作業機械3の稼働状態を把握することができる。さらに、本実施形態では、第1情報は、稼働状態を指数化して表す情報である。そのため、ユーザにとっては、作業機械3の稼働状態を詳細に把握することができる。
【0054】
ところで、切替表示領域R2に表示される表示対象情報は、第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される情報であって、上述した第1情報(冷却水温情報G3及び作動油温情報G2)に限らない。つまり、切替表示領域R2には、第1情報とは別の情報であって、作業機械3に関連する第2情報を、第1情報に代えて表示可能である。
【0055】
本実施形態では、第2情報の一例として、カメラ36で撮像された周辺画像G4(
図6参照)等がある。つまり、第2情報は、作業機械3の周辺画像を含む情報である。このように、切替表示領域R2に表示される表示対象情報が、第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中で切り替えられることにより、例えば、そのときの状況に応じてユーザが必要とする情報を、表示画面D1にて優先的に表示することができる。
【0056】
第3領域R3は、縦方向に長い矩形状の領域である。第3領域R3には、作業機械3の各部の稼働状態に応じた図像(アイコン)Im1が表示される。第3領域R3には、複数の図像Im1を表示可能であって、個々の図像Im1のデザイン(絵柄)によって、例えば、バッテリ、シートベルト、冷却水温、作動油温等の、いずれの状態を表すかを示す。ここで、各図像Im1は、例えば、表示色又はサイズ等の表示態様によって、稼働状態を示す。表示処理部13は、作業機械3の各部の稼働状態を検知する種々のセンサ(冷却水温センサ34及び作動油温センサ35を含む)の出力を用いて、作業機械3の各部の状態を判断する。そして、表示処理部13は、いずれかの部位で異常値が検知された場合には、その部位の図像Im1の表示色等の表示態様を変化させる等により、警告表示を行う。
【0057】
第4領域R4は、表示画面D1の全幅にわたって延びる帯状の領域である。第4領域R4には、表示画面D1に対する操作のための各項目が表示される。
図3では一例として、第4領域R4には、「メニュー」、「クレーン」、「モード」、「カメラ」、「PTO」、「切替」の6つの項目が、この順で左から並べて配置されている。これら6つの項目には、その真下に位置する操作部22の6つの押釦スイッチ221~226がそれぞれ対応付けられている。例えば、「メニュー」の項目には押釦スイッチ221が、「クレーン」の項目には押釦スイッチ222が、それぞれ対応付けられている。そのため、例えば、「カメラ」の項目に対応する押釦スイッチ224がユーザU1(
図2参照)により操作されると、「カメラ」の項目が操作(選択)されることになる。
【0058】
さらに、本実施形態では、操作部22の操作ダイヤル(又はカーソルキー)等の操作にも対応するように、第4領域R4においては、いずれかの項目がハイライト表示される。
図3の例では「メニュー」の項目がハイライト表示されており、操作ダイヤル(又はカーソルキー)等の操作により、ハイライト表示される項目が切り替わる。ユーザU1においては、所望の項目をハイライト表示させた状態で決定ボタンを操作することにより、所望の項目を選択することが可能である。そのため、例えば、「カメラ」の項目にハイライト表示を移動させた状態で決定ボタンが操作されると、「カメラ」の項目が操作(選択)されることになる。また、操作部22がタッチパネルを含む場合には、ユーザU1は、表示画面D1上の所望の項目をタッチする操作により、所望の項目を選択することが可能である。
【0059】
第5領域R5には、後述する提示情報Im2(
図5参照)が表示される。第6領域R6には、例えば、作業機械3において稼働中の作業部31に関する情報が表示される。第7領域R7には、例えば、エンジン37の回転数(
図5参照)等、作業機械3の稼働状態に関する情報が表示される。第8領域R8には、例えば、現在時刻が表示される。第9領域R9には、例えば、現在表示されている表示画面D1が属する項目を示す情報が表示される。第10領域R10には、例えば、作業機械3の稼働時間(アワーメータ)に関する情報が表示される。
【0060】
上述したような表示画面D1(ホーム画面D11)において、切替表示領域R2は、表示画面D1の中心C1を含む中央エリアに配置される。つまり、
図3に示すように、表示画面D1において、表示画面D1の中心C1を含む中央エリア(切替表示領域R1と同一範囲とする)を規定すると、第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報は中央エリアに表示される。一方、残量表示領域R1は、表示画面D1の中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置される。つまり、
図3に示すように、表示画面D1において、表示画面D1の中心C1を含む中央エリアを規定すると、残量情報G1は、表示画面D1の端に近い周辺エリアに表示される。
【0061】
要するに、本実施形態に係る表示制御システム1は、表示画面D1を表示装置2に表示させる表示処理部13を備える。表示画面D1は、残量表示領域R1と、切替表示領域R2と、を含む。残量表示領域R1は、作業機械3の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報G1を表示する領域である。切替表示領域R2は、少なくとも作業機械3に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。切替表示領域R2は、表示画面D1の中心C1を含む中央エリアに配置される。残量表示領域R1は、表示画面D1の中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置される。
【0062】
この構成によれば、表示画面D1に常に表示されることが好ましい残量情報G1については、表示画面D1の端(周辺エリア)に、他の情報の表示と重複することなく表示しやすくなる。一方、例えば、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2等の第1情報については、表示画面D1の中央(中央エリア)に表示されることで、作業機械3の稼働時に優先される情報を、特に目立つ視認性のよい位置に表示しやすくなる。しかも、切替表示領域R2に関しては表示される情報を切替可能であるので、視認性のよい位置(中央エリア)に表示される情報を、その時々で切り替えることが可能である。したがって、本実施形態に係る表示制御システム1によれば、作業機械3に関連する種々の情報の各々の視認性向上を図りやすい、という利点がある。
【0063】
ところで、表示処理部13は、
図4に示すように、ユーザの操作に応じて、表示装置2に表示される表示画面D1を、ホーム画面D11から他の画面(カメラ画面D12、全表示画面D13等)へ遷移させる。
【0064】
ここでは一例として、
図4に示すように、開始操作により、まず表示装置2の表示部21には、ホーム画面D11が表示される。そして、ホーム画面D11が表示されている状態で、「カメラ」の項目に対応する押釦スイッチ224の操作等により、「カメラ」の項目が操作(選択)されると、ホーム画面D11からカメラ画面D12に遷移する。カメラ画面D12が表示されている状態で、「カメラ」の項目が操作(選択)されると、カメラ画面D12から全表示画面D13に遷移する。さらに、全表示画面D13が表示されている状態で、いずれかの項目が操作(選択)されると、全表示画面D13からホーム画面D11に遷移する。ただし、表示画面D1の遷移のための操作、及び遷移の順序等は上記例に限らず、適宜変更可能である。
【0065】
つまり、表示装置2に表示される表示画面D1は、例えば、
図5に示すようなホーム画面D11から、
図6に示すようなカメラ画面D12へと切替可能である。さらに、表示装置2に表示される表示画面D1は、例えば、
図7に示すような全表示画面D13にも切替可能である。
【0066】
図6に示すカメラ画面D12は、
図5に示すホーム画面D11から、切替表示領域R2の表示内容のみが変更された画面である。つまり、切替表示領域R2以外の表示に関しては、カメラ画面D12とホーム画面D11とで同じである。
【0067】
カメラ画面D12の切替表示領域R2には、表示対象情報として第1情報(冷却水温情報G3及び作動油温情報G2)に代えて、第2情報が表示されている。ここでは、第2情報は、作業機械3の周辺画像G4を含む情報である。表示処理部13は、画像取得部12で取得したカメラ36の出力(画像データ)に基づいて、表示画面D1(カメラ画面D12)中の周辺画像G4を生成する。したがって、カメラ画像D12によれば、表示画面D1の中央(中央エリア)に表示される周辺画像G4にて、ユーザにとって死角となりやすい作業機械3の周辺(ここでは後方)を容易に確認することができる。ここで、周辺画像G4は、一例として、エンジン37の稼働中であって、作業機械3の操作を禁止するカットオフレバーが解除、つまり操作の禁止が解除されることをトリガにして表示される。
【0068】
図7に示す全表示画面D13は、
図6に示すカメラ画面D12に比較して、周辺画像G4が表示される切替表示領域R2を拡大した画面である。
図7の例では、全表示画面D13は、切替表示領域R2及び第3領域R3の2つの領域のみを含み、表示画面D1の大半が切替表示領域R2となり、表示画面D1の右端部のみが第3領域R3となる。つまり、全表示画面D13においては、残量表示領域R1が非表示となり、中央エリアから、カメラ画面D12等では残量表示領域R1が表示される周辺エリアにかけて、切替表示領域R2が拡大表示される。
【0069】
要するに、本実施形態に係る表示処理部13は、第1モード及び第2モードを含む複数の表示モードを有している。表示処理部13は、第1モードでは、中央エリアに切替表示領域R2、周辺エリアに残量表示領域R1をそれぞれ配置する。表示処理部13は、第2モードでは、残量表示領域R1を非表示とし、中央エリア及び周辺エリアに跨って切替表示領域R2を配置する。そのため、表示処理部13は、ホーム画面D11及びカメラ画面D12については、第1モードで表示し、全表示画面D13については、第2モードで表示する。
【0070】
この構成によれば、表示処理部13が、第2モードで動作中、つまり全表示画面D13を表示することで、切替表示領域R2を拡大表示できる。したがって、ユーザにとっては、切替表示領域R2に表示される情報の視認性が向上する。本実施形態では、全表示画面D13では、切替表示領域R2には基本的に第2情報としての周辺画像G4が表示されることとするが、この構成に限らない。つまり、全表示画面D13においては、切替表示領域R2に、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2等の第1情報が表示されてもよい。
【0071】
ところで、
図5のホーム画面D11は、第5領域R5に提示情報Im2が表示された状態を示している。
図5の例では、冷却水温について異常値が検知された場合を想定する。つまり、表示処理部13は、例えば、第3領域R3に表示される各種の図像Im1に対応する作業機械3の各部の稼働状態について、種々のセンサ(冷却水温センサ34及び作動油温センサ35を含む)の出力を用いて、作業機械3の各部の状態を判断している。一例として、冷却水温について、30度以上、110度未満が正常値の範囲として規定されている場合に、冷却水温が30度未満、又は110度以上になれば、表示処理部13は、冷却水温について異常値を検知する。そして、このような異常値が検知されると、表示処理部13は、第3領域R3内の異常値に対応する図像Im1の表示色等の表示態様を変化させつつ、第5領域R5に提示情報Im2を表示する。さらに、
図5の例では、第9領域R9にも、「エラー発生中」のように、異常値が検知されていることを示す提示情報Im3が表示されている。
【0072】
ここで、提示情報Im2,Im3は、第1情報(冷却水温情報G3及び作動油温情報G2)に関連する情報である。具体的には、提示情報Im2,Im3は、第1情報について異常値が検知されていることを示す、警告表示である。さらに、提示情報Im2,Im3は、第1情報(冷却水温)を表す図像(アイコン)を含む。つまり、提示情報Im2,Im3は、第1情報に関連する図像を含む。本実施形態では特に、提示情報Im2は、その図像の表示態様(表示色又はサイズ等)によって、異常値の内容を表現する。一例として、冷却水温が30度未満であれば提示情報Im2は青色の図像となり、冷却水温が110度以上であれば提示情報Im2は赤色の図像となる。このように、提示情報Im2,Im3が図像を含むことで、ユーザが、提示情報Im2,Im3が表す内容を理解しやすい。
【0073】
さらに、
図5の例では、第4領域R4の右端の項目が、「切替」(
図3参照)から警告Im5に変化している。つまり、異常値が検知された場合に、表示処理部13は、提示情報Im2,Im3を表示しつつ、第4領域R4に警告Im5の項目を表示する。この状態で、例えば、警告Im5に対応する押釦スイッチ226がユーザU1(
図2参照)により操作されると、警告Im5の項目が操作(選択)されることになる。警告Im5の項目が操作されると、そのとき発生しているエラー(異常値)の詳細表示が表示画面D1にて行われる。
【0074】
また、本実施形態では、提示情報Im2,Im3は、
図6に示すように、切替表示領域R2に第2情報(周辺画像G4)が表示されたカメラ画面D12においても表示される。つまり、表示処理部13は、少なくとも第1情報が切替表示領域R2に表示されていない状態において、第1情報に関連する提示情報Im2,Im3を表示画面D1に表示する。これにより、第1情報が表示されていない状態でも、提示情報Im2,Im3によって、第1情報に関連する情報をユーザに提示することが可能である。本実施形態では、第1情報が表示されていない状態(カメラ画面D12)だけでなく、第1情報が表示されている状態(ホーム画面D11)においても、提示情報Im2,Im3が表示される。ただし、
図7に示すように、全表示画面D13においては、提示情報Im2,Im3のうちの提示情報Im3のみが表示される。
【0075】
また、本実施形態では、少なくとも提示情報Im2は、第5領域R5、つまり切替表示領域R2以外の領域に表示される。第5領域R5は、残量表示領域R1の下方に位置する。要するに、表示処理部13は、提示情報Im2を、表示画面D1における切替表示領域R2以外の位置に表示する。これにより、提示情報Im2が切替表示領域R2に表示される第1情報又は第2情報等に重複することなく、各情報の視認性が向上する。さらに、表示処理部13は、提示情報Im2を、表示画面D1における残量表示領域R1の下方に表示する。これにより、提示情報Im2が残量表示領域R1に表示される残量情報G1に重複することなく、各情報の視認性が向上する。
【0076】
[5.2]全体処理
次に、表示制御方法に係る処理の全体の流れについて、
図8を参照して説明する。
図8は、表示制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図8に示すように、表示制御システム1の表示処理部13は、まず表示装置2にホーム画面D11を表示する。つまり、表示処理部13は、表示画面D1(ホーム画面D11)の切替表示領域R2には作業機械3の稼働状態に関する第1情報(例えば冷却水温情報G3及び作動油温情報G2)を表示する(S1)。さらに、表示処理部13は、表示画面D1(ホーム画面D11)の残量表示領域R1には残量情報G1を表示する(S2)。このとき、表示処理部13にて稼働状態及び残量情報G1を表示するに際して、表示制御システム1は、データ取得部11で取得したデータを使用する。この状態で、表示処理部13は、画像表示操作、つまり「カメラ」の項目の操作(選択)がなされるか否かを監視する(S3)。画像表示操作がなされなければ(S3:No)、表示処理部13は、ホーム画面D11の表示を継続する(S1,S2)。
【0078】
画像表示操作がなされると(S3:Yes)、表示処理部13は、表示装置2にカメラ画面D12を表示する。つまり、表示処理部13は、表示画面D1(カメラ画面D12)の切替表示領域R2に作業機械3の周辺画像G4を表示する(S4)。画像取得部12による画像データの取得処理は、周辺画像G4を表示する場合、つまり処理S4に際して、初めて実行されてもよい。この状態で、表示処理部13は、モード切替操作、つまり「カメラ」の項目の操作(選択)がなされるか否かを監視する(S5)。
【0079】
モード切替操作がなされると(S5:Yes)、表示処理部13は、表示装置2に全表示画面D13を表示する。つまり、表示処理部13は、残量表示領域R1を非表示とし、表示画面D1(全表示画面D13)の切替表示領域R2を全画面(拡大)表示する(S6)。一方、モード切替操作がなされなければ(S5:No)、表示処理部13は、処理S6をスキップし、カメラ画面D12の表示を継続する。
【0080】
そして、表示処理部13は、カメラ画面D12又は全表示画面D13の表示中に、画像表示終了の操作、つまり「カメラ」の項目の操作(選択)がなされるか否かを監視する(S7)。画像表示終了の操作がなされなければ(S7:No)、表示処理部13は、カメラ画面D12又は全表示画面D13の表示を継続する(S4~S6)。画像表示終了の操作がなされると(S7:Yes)、表示処理部13は、処理S1に戻り、表示装置2にホーム画面D11を表示する。
【0081】
ここで、データ取得部11によるデータの取得処理、及び表示処理部13による異常値の検知(判断)処理については、上記フローチャートの各処理のバックグラウンド処理として、常時(又は定期的に)実行されている。そのため、上記フローチャートのいずれの処理を実行中であっても、異常値の検知処理にて、異常値が検知された場合には、表示処理部13は、提示情報Im2,Im3を表示する。
【0082】
ただし、
図8に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
【0083】
[6]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0084】
図9は、第1変形例に係る表示制御システム1によって表示される表示画面D1(ホーム画面D11)を示している。本変形例では、エンジン37に、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが付設された作業機械3を想定する。尿素SCRシステムは、排気ガスに対して尿素水を噴射することで、排気ガスに含まれるNOxを除去する。このような構成の作業機械3においては、燃料だけでなく、尿素水タンク内の尿素水についても、適宜補充が必要である。そこで、本変形例では、残量表示領域R1に表示される残量情報G1が、燃料の残量に関する燃料残量情報G11に加えて、尿素水の残量に関する尿素水残量情報G12を含む。燃料残量情報G11及び尿素水残量情報G12は、いずれも棒グラフである。また、本変形例では、第7領域R7に、燃料消費率が表示されている。
【0085】
このように、残量表示領域R1に表示される残量情報G1は、燃料の残量に限らず、種々の監視対象物の残量に関する情報を含み得る。残量情報G1は、複数の監視対象物の残量に関する情報を同時に表示してもよいし、個別に表示してもよい。さらに、例えば、監視対象物に何を含むかは、表示処理部13が作業機械3の機体30との通信により自動的に判断してもよいし、手動で設定してもよい。
【0086】
本開示における表示制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における表示制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、表示制御システム1に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
【0087】
また、表示システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは表示制御システム1に必須の構成ではなく、表示システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている表示システム10等の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。さらに、表示制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0088】
また、作業機械3の動力源は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、モータ(電動機)、又はエンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源であってもよい。動力源がモータ等の電動機を含む場合には、動力源は、燃料(軽油又はガソリン等)に加えて又は代えて、バッテリに蓄積された電気エネルギを消費して駆動する。この場合、例えば、バッテリの残容量に相当するSOC(State Of Charge)等が、残量情報G1として、表示画面D1に表示されてもよい。
【0089】
また、カメラ36で撮像される周辺画像は、作業機械3の後方の画像に限らず、例えば、作業機械3の後方の画像に加えて又は代えて、作業機械3の前方、左方、右方、上方及び下方の少なくとも一方向の画像を含んでもよい。カメラ36が複数設けられている場合には、これら複数のカメラ36を切り替えることにより、例えば、作業機械3の後方の画像と前方の画像とを切り替えて表示画面D1に表示できてもよい。
【0090】
また、表示装置2は、専用のデバイスに限らず、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の汎用端末であってもよい。さらに、表示部21は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのように、表示画面D1を直接的に表示する態様に限らず、例えば、プロジェクタのように、投影により表示画面D1を表示する構成であってもよい。表示部21の表示領域は、横長に限らず、縦長であってもよい。
【0091】
また、操作部22の情報の入力の態様として、押釦スイッチ221~226、タッチパネル及び操作ダイヤル以外の態様を採用してもよい。例えば、操作部22は、キーボード、マウス等のポインティングディバイス、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
【0092】
また、切替表示領域R2に表示される第1情報は、冷却水温情報G3及び作動油温情報G2に限らない。一例として、第1情報は、冷却水温情報G3又は作動油温情報G2の一方のみであってもよいし、第6領域R6に表示されているような、稼働中の作業部31に関する情報等を含んでもよい。
【0093】
また、残量表示領域R1及び切替表示領域R2についても、上記配置及びサイズは一例に過ぎず、適宜変更可能である。例えば、切替表示領域R2が周辺エリア、残量表示領域R1が中央エリアに配置されてもよい。さらに、残量表示領域R1及び切替表示領域R2の少なくとも一方が適宜省略されてもよい。
【0094】
(実施形態2)
本実施形態に係る表示システム10Aは、
図10に示すように、作業機械3Aの機体30と別に設けられている点で、実施形態1に係る表示システム10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0095】
本実施形態では一例として、作業機械3Aは、自動運転により動作(自律走行)する。具体的には、作業機械3Aは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて機体30の位置(緯度及び軽度)を検出する位置検出部、及び作業機械3Aの姿勢を検出する姿勢検出部等を含んでいる。
【0096】
表示制御システム1A及び表示装置2Aを備える表示システム10Aは、作業機械3Aの外部に配置されたタブレット端末等で実現される。本実施形態では、表示制御システム1Aは通信部14を備えている。作業機械3Aの機体30は機体側通信部38を備えている。通信部14と機体側通信部38とは、インターネット等の通信網N1を介して、互いに通信可能に構成されている。
【0097】
このような構成によれば、作業機械3Aの機体30と別に設けられた表示システム10Aであっても、機体30との通信により、実施形態1と同様の表示画面D1を表示装置2Aに表示させることができる。
【0098】
本実施形態の変形例として、作業機械3Aは、自動運転により動作する構成に限らず、ユーザ(オペレータ)の遠隔操作により動作してもよい。この場合、ユーザは、例えば、表示装置2Aに表示される表示画面D1を見ながら、作業機械3Aを遠隔操作する。
【0099】
実施形態2に係る構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0100】
<発明の付記>
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御システムは、表示画面を表示装置に表示させる表示処理部を備える。前記表示画面は、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む。前記残量表示領域は、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアに配置される。前記残量表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置される。
【0101】
本発明の一態様に係る作業機械用表示システムは、前記作業機械用表示制御システムと、前記表示画面を表示する前記表示装置と、を備える。
【0102】
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用表示システムと、前記表示装置が搭載される機体と、を備える。
【0103】
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御方法は、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む表示画面を、表示装置に表示させることを有する。前記残量表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。
【0104】
本発明の一態様に係る作業機械用表示制御プログラムは、残量表示領域と、切替表示領域と、を含む表示画面を、表示装置に表示させることを1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。前記残量表示領域は、前記表示画面の中心を含む中央エリアの周囲に位置する周辺エリアに配置され、作業機械の稼働に伴って消費される監視対象物の残量に関する残量情報を表示する領域である。前記切替表示領域は、前記表示画面の前記中央エリアに配置され、少なくとも前記作業機械に関連する第1情報及び第2情報を含む複数の情報の中から切替可能に選択される表示対象情報を表示する領域である。
【符号の説明】
【0105】
1,1A (作業機械用)表示制御システム
2,2A 表示装置
3,3A 作業機械
10,10A (作業機械用)表示システム
13 表示処理部
C1 中心
D1 表示画面
G1 残量情報
G2 作動油温情報(第1情報)
G3 冷却水温情報(第1情報)
G4 周辺画像(第2情報)
Im2,Im3 提示情報
R1 残量表示領域
R2 切替表示領域