(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】設定システム、設定プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241211BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241211BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20241211BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
G06F3/12 330
G06F3/048
B41J29/38 203
(21)【出願番号】P 2020188119
(22)【出願日】2020-11-11
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】廣田 政人
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-134142(JP,A)
【文献】特開2014-038368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
G06F 3/048
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器における操作画面を設定する設定システムであって、
前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、
前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信
し、
前記利用者に関連付けられる前記レイアウトは、
前記利用者個人に関連付けられるユーザーレイアウトと、
前記利用者が所属するグループに関連付けられるグループレイアウトと
を含み、
前記設定システムは、前記ユーザーレイアウトと、前記グループレイアウトとの優先順位を管理し、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられている前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトのうち優先順位が高い前記レイアウトを前記電子機器に送信することを特徴とする設定システム。
【請求項2】
電子機器における操作画面を設定する設定システムであって、
前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、
前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信し、
前記電子機器に関連付けられた前記レイアウトであるデバイスレイアウトを管理し、
前記利用者に関連付けられる前記レイアウトと、前記デバイスレイアウトとの優先順位を管理し、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器に関連付けられている前記デバイスレイアウトと、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトとのうち優先順位が高い前記レイアウトを前記電子機器に送信することを特徴とする設定システム。
【請求項3】
前記設定システムに前記レイアウトを要求するためのプログラムを特定のタイミングで前記電子機器にインストールする予約を受けた場合に、前記特定のタイミングになったとき、前記プログラムを前記電子機器にインストールすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の設定システム。
【請求項4】
前記特定のタイミングになった場合に、前記プログラムがインストールされていないか、前記予約の対象の前記プログラムより古いバージョンの前記プログラムがインストールされている前記電子機器にのみ、前記予約の対象の前記プログラムをインストールすることを特徴とする請求項3に記載の設定システム。
【請求項5】
電子機器と、
前記電子機器における操作画面を設定する設定システムと
を備え、
前記設定システムは、前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、
前記電子機器は、前記レイアウトを前記設定システムに要求し、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記設定システムから受信した前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示し、
前記利用者に関連付けられる前記レイアウトは、
前記利用者個人に関連付けられるユーザーレイアウトと、
前記利用者が所属するグループに関連付けられるグループレイアウトと
を含み、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられている前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記設定システムから複数の前記レイアウトが送信されてきた場合に、前記設定システムから送信されてきた複数の前記レイアウトから1つの前記レイアウトを前記利用者に選択させ、前記利用者によって選択された前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
電子機器と、
前記電子機器における操作画面を設定する設定システムと
を備え、
前記設定システムは、前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、
前記電子機器は、前記レイアウトを前記設定システムに要求し、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記設定システムから受信した前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示し、
前記設定システムは、前記電子機器に関連付けられた前記レイアウトであるデバイスレイアウトを管理し、
前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器に関連付けられている前記デバイスレイアウトと、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトとを前記電子機器に送信し、
前記電子機器は、前記設定システムから複数の前記レイアウトが送信されてきた場合に、前記設定システムから送信されてきた複数の前記レイアウトから1つの前記レイアウトを前記利用者に選択させ、前記利用者によって選択された前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示することを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器における操作画面を設定する設定システム、設定プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器として、操作画面をカスタマイズすることができる画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子機器においては、管理者によって多数の電子機器が管理されている場合に、適切にカスタマイズされていない操作画面を表示する電子機器を管理者が見落としてしまう可能性があり、その結果、適切にカスタマイズされていない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる設定システム、設定プログラムおよび情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の設定システムは、電子機器における操作画面を設定する設定システムであって、前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の設定システムは、電子機器からレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者に関連付けられたレイアウトを電子機器に送信するので、電子機器によって表示される操作画面を電子機器の管理者が電子機器毎に電子機器上で確認しなくても設定システム上で確認することができ、その結果、管理者によって多数の電子機器が管理されている場合であっても、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0008】
本発明の設定システムにおいて、前記利用者に関連付けられる前記レイアウトは、前記利用者個人に関連付けられるユーザーレイアウトと、前記利用者が所属するグループに関連付けられるグループレイアウトとを含み、前記設定システムは、前記ユーザーレイアウトと、前記グループレイアウトとの優先順位を管理し、前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられている前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトのうち優先順位が高い前記レイアウトを前記電子機器に送信しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の設定システムは、電子機器からレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者にユーザーレイアウトおよびグループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられているユーザーレイアウトおよびグループレイアウトのうち優先順位が高いレイアウトを電子機器に送信するので、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0010】
本発明の設定システムは、前記電子機器に関連付けられた前記レイアウトであるデバイスレイアウトを管理し、前記利用者に関連付けられる前記レイアウトと、前記デバイスレイアウトとの優先順位を管理し、前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器に関連付けられている前記デバイスレイアウトと、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトとのうち優先順位が高い前記レイアウトを前記電子機器に送信しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の設定システムは、電子機器からレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者に関連付けられているレイアウトと、デバイスレイアウトとのうち優先順位が高いレイアウトを電子機器に送信するので、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0012】
本発明の設定システムは、前記設定システムに前記レイアウトを要求するためのプログラムを特定のタイミングで前記電子機器にインストールする予約を受けた場合に、前記特定のタイミングになったとき、前記プログラムを前記電子機器にインストールしても良い。
【0013】
この構成により、本発明の設定システムは、設定システムにレイアウトを要求するためのプログラムを、予約されたタイミングで電子機器にインストールするので、このプログラムの電子機器へのインストールの状況を電子機器の管理者が管理する負担を低減することができる。
【0014】
本発明の設定システムは、前記特定のタイミングになった場合に、前記プログラムがインストールされていないか、前記予約の対象の前記プログラムより古いバージョンの前記プログラムがインストールされている前記電子機器にのみ、前記予約の対象の前記プログラムをインストールしても良い。
【0015】
この構成により、本発明の設定システムは、設定システムにレイアウトを要求するためのプログラムがインストールされていないか、予約の対象のプログラムより古いバージョンのプログラムがインストールされている電子機器にのみ、予約の対象のプログラムをインストールするので、不要なインストールによるダウンタイムが電子機器に発生する可能性を低減することができる。
【0016】
本発明の設定プログラムは、電子機器における操作画面を設定するための設定プログラムであって、前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けてコンピューターに管理させ、前記電子機器から前記レイアウトが前記コンピューターに要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器へ前記コンピューターに送信させることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の設定プログラムを実行するコンピューターは、電子機器からレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者に関連付けられたレイアウトを電子機器に送信するので、電子機器によって表示される操作画面を電子機器の管理者が電子機器毎に電子機器上で確認しなくても設定システム上で確認することができ、その結果、管理者によって多数の電子機器が管理されている場合であっても、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0018】
本発明の情報処理システムは、電子機器と、前記電子機器における操作画面を設定する設定システムとを備え、前記設定システムは、前記電子機器の利用者と、前記操作画面のレイアウトとを関連付けて管理し、前記電子機器は、前記レイアウトを前記設定システムに要求し、前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトを前記電子機器に送信し、前記電子機器は、前記設定システムから受信した前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示することを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の情報処理システムは、電子機器から設定システムにレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者に関連付けられたレイアウトを設定システムが電子機器に送信するので、電子機器によって表示される操作画面を電子機器の管理者が電子機器毎に電子機器上で確認しなくても設定システム上で確認することができ、その結果、管理者によって多数の電子機器が管理されている場合であっても、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0020】
本発明の情報処理システムにおいて、前記利用者に関連付けられる前記レイアウトは、前記利用者個人に関連付けられるユーザーレイアウトと、前記利用者が所属するグループに関連付けられるグループレイアウトとを含み、前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている前記利用者に前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられている前記ユーザーレイアウトおよび前記グループレイアウトを前記電子機器に送信し、前記電子機器は、前記設定システムから複数の前記レイアウトが送信されてきた場合に、前記設定システムから送信されてきた複数の前記レイアウトから1つの前記レイアウトを前記利用者に選択させ、前記利用者によって選択された前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示しても良い。
【0021】
この構成により、本発明の情報処理システムは、電子機器から設定システムにレイアウトが要求された場合に、この電子機器にログインしている利用者にユーザーレイアウトおよびグループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられているユーザーレイアウトおよびグループレイアウトを設定システムが電子機器に送信し、設定システムから電子機器に送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを電子機器が利用者に選択させ、利用者によって選択されたレイアウトに応じた操作画面を電子機器が表示するので、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【0022】
本発明の情報処理システムにおいて、前記設定システムは、前記電子機器に関連付けられた前記レイアウトであるデバイスレイアウトを管理し、前記設定システムは、前記電子機器から前記レイアウトが要求された場合に、この電子機器に関連付けられている前記デバイスレイアウトと、この電子機器にログインしている前記利用者に関連付けられている前記レイアウトとを前記電子機器に送信し、前記電子機器は、前記設定システムから複数の前記レイアウトが送信されてきた場合に、前記設定システムから送信されてきた複数の前記レイアウトから1つの前記レイアウトを前記利用者に選択させ、前記利用者によって選択された前記レイアウトに応じた前記操作画面を表示しても良い。
【0023】
この構成により、本発明の情報処理システムは、電子機器から設定システムにレイアウトが要求された場合に、この電子機器に関連付けられているデバイスレイアウトと、この電子機器にログインしている利用者に関連付けられているレイアウトとを設定システムが電子機器に送信し、設定システムから電子機器に送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを電子機器が利用者に選択させ、利用者によって選択されたレイアウトに応じた操作画面を電子機器が表示するので、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の設定システム、設定プログラムおよび情報処理システムは、適切ではない操作画面を表示する電子機器が存在する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図2】MFPによって構成される場合の
図1に示す画像形成装置のブロック図である。
【
図3】
図2に示すクライアントアプリによって表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図5】1台のコンピューターによって構成される場合の
図1に示す設定システムのブロック図である。
【
図6】
図5に示すデバイス情報の一例を示す図である。
【
図7】
図5に示すグループリストの一例を示す図である。
【
図8】
図5に示すユーザーリストの一例を示す図である。
【
図9】
図5に示すレイアウト管理情報の一例を示す図である。
【
図10】
図5に示すレイアウト表示条件情報の一例を示す図である。
【
図11】デバイス情報に新たな画像形成装置の情報を追加する場合の
図5に示す設定システムの動作のフローチャートである。
【
図12】デバイス一覧を表示する場合の
図5に示す設定システムの動作のフローチャートである。
【
図13】
図1に示す利用者端末に表示されるデバイス一覧の一例を示す図である。
【
図14】画像形成装置にクライアントアプリケーションプログラムをインストールする場合の
図5に示す設定システムの動作のフローチャートである。
【
図15】レイアウト表示条件情報を設定する場合の
図5に示す設定システムの動作のフローチャートである。
【
図16】
図1に示す利用者端末の表示部に表示される表示条件設定画面の一例を示す図である。
【
図17】画像形成装置の操作画面のレイアウトを保存する場合の
図5に示す設定システムの動作のフローチャートである。
【
図18】
図1に示す利用者端末の表示部に表示される操作画面編集画面の一例を示す図である。
【
図19】利用者がユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いて画像形成装置にログインする場合の
図1に示す情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【
図20】
図19に示すレイアウト特定処理の一部のフローチャートである。
【
図21】
図20に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【
図22】
図21に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【
図23】画像形成装置が利用者情報保持システムから送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システムを利用する場合の
図1に示す情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【
図24】利用者がPINコードを用いて画像形成装置にログインする場合の
図1に示す情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【
図25】画像形成装置が認証認可システムから送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システムを利用する場合の
図1に示す情報処理システムの動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
まず、本発明の一実施の形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システム10のブロック図である。
【0029】
図1に示すように、情報処理システム10は、電子機器としての画像形成装置20を備えている。情報処理システム10は、画像形成装置20以外にも、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を少なくとも1つ備えても良い。情報処理システム10における画像形成装置は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンター専用機などによって構成されている。
【0030】
情報処理システム10は、利用者によって使用される利用者端末30を備えている。情報処理システム10は、利用者端末30以外にも、利用者端末30と同様の構成の利用者端末を少なくとも1つ備えても良い。情報処理システム10における利用者端末は、例えば、PC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
【0031】
情報処理システム10は、文書の処理のワークフローとしての文書処理フローを実行する文書処理フロー実行システム40を備えている。文書処理フロー実行システム40は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。文書処理フロー実行システム40によって実行される文書処理フローは、文書が入力される入力段階と、入力段階において入力された文書に対して様々な処理を実行する文書処理段階と、文書処理段階における処理の結果を出力する出力段階とによって構成される。入力段階において文書を入力する方法としては、例えば、画像形成装置のスキャナーによって原稿から読み取られた画像を文書として入力する方法や、特定のフォルダーに配置されている文書を入力する方法や、受信した電子メールに添付されている文書を入力する方法など、様々な方法が存在する。文書処理段階における、文書に対する処理としては、例えば、文書としての画像からテキストを生成するOCR(Optical Character Recognition)処理や、文書としての画像の一部からテキストを生成するZoneOCR処理や、文書としての画像に対して傾き補正、ドットの除去、ノイズの除去などの特定の画像処理を実行する処理や、文書としての画像のフォーマットを変換する処理など、様々な処理が存在する。出力段階において処理の結果を出力する方法としては、例えば、特定のフォルダーに出力する方法や、電子メールによって特定の宛先に送信する方法など、様々な方法が存在する。文書処理フロー実行システム40は、複数の文書処理フローを保存することが可能である。
【0032】
情報処理システム10は、情報処理システム10の利用者の認証および認可を実行する認証認可システム50を備えることが可能である。認証認可システム50は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。認証認可システム50は、画像形成装置の各種の機能の利用の制限を利用者毎に管理しており、認証した利用者、すなわち、画像形成装置にログインした利用者に関する、画像形成装置の各種の機能の利用の制限を示す認可情報を、画像形成装置や文書処理フロー実行システム40に提供することができる。認証認可システム50は、例えば利用者端末から送信されてきた印刷データをスプールしたり、スプールしている印刷データをいずれかの画像形成装置に出力したりすることができる。また、認証認可システム50は、情報処理システム10の利用者による画像形成装置の利用を管理することもできる。認証認可システム50は、利用者毎にIC(Integrated Circuit)カードのIDを登録することができる。
【0033】
情報処理システム10は、情報処理システム10の利用者の情報を保持する利用者情報保持システム60を備えることが可能である。利用者情報保持システム60は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。利用者情報保持システム60は、文書処理フロー実行システム40および認証認可システム50のいずれでもないシステムで使用される情報を保持することも可能である。
【0034】
情報処理システム10は、画像形成装置における操作画面を設定する設定システム70を備えることが可能である。設定システム70は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。
【0035】
情報処理システム10における画像形成装置と、情報処理システム10における利用者端末と、文書処理フロー実行システム40と、認証認可システム50と、利用者情報保持システム60と、設定システム70とは、LAN(Local Area Network)などのネットワーク11を介して通信可能に接続可能である。
【0036】
図2は、MFPによって構成される場合の画像形成装置20のブロック図である。
【0037】
図2に示すように、画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部26と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、画像形成装置20全体を制御する制御部28とを備えているコンピューターである。
【0038】
記憶部27は、画像形成装置20、文書処理フロー実行システム40(
図1参照。)および認証認可システム50(
図1参照。)の機能を利用者に提供するためのアプリケーションプログラムとしてのクライアントアプリケーションプログラム27aを記憶可能である。クライアントアプリケーションプログラム27aは、例えば、画像形成装置20の製造段階で画像形成装置20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から画像形成装置20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から画像形成装置20に追加でインストールされても良い。
【0039】
記憶部27は、クライアントアプリケーションプログラム27aとは異なるアプリケーションプログラム27bを記憶可能である。記憶部27は、クライアントアプリケーションプログラム27aとは異なるアプリケーションプログラムを、アプリケーションプログラム27b以外に少なくとも1つ記憶可能である。
【0040】
画像形成装置20にインストールされるアプリケーションプログラムとしては、画像形成装置20に1つのみインストールされることが可能であって、インストールされている場合に、画像形成装置20が起動されたとき、最初に起動されて認証画面を表示部22に表示するための拡張認証アプリケーションプログラムと、拡張認証アプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムである拡張アプリケーションプログラムとが存在する。クライアントアプリケーションプログラム27aは、拡張認証アプリケーションプログラムである。
【0041】
記憶部27は、画像形成装置20の認証画面におけるログインの方法を示すログイン方法情報27cを記憶可能である。ログイン方法情報27cには、ユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いてログインする方法と、PIN(Personal Identification Number)コードを用いてログインする方法と、ICカードのIDを用いてログインする方法と、これらの方法を組み合わせた方法とのいずれかの方法が示される。
【0042】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部28のCPUの作業領域として用いられる揮発性の記憶デバイスとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部28のCPUは、記憶部27または制御部28のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0043】
制御部28は、クライアントアプリケーションプログラム27aを実行することによって、クライアントアプリ28aを実現する。クライアントアプリ28aは、原稿からのスキャナー24による画像の読み取りである「スキャン」、通信部26を介して受信した印刷データに基づいた画像など、様々な画像をプリンター23によって記録媒体に印刷する「プリント出力」、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をプリンター23によって記録媒体に印刷する「コピー」、スキャナー24によって原稿から読み取った画像をファックス通信部25によってファックス通信で送信する「ファックス送信」、スキャナー24によって原稿から読み取った画像を通信部26によって送信する「スキャン送信」などの画像形成装置20の各種の機能の利用を、認証認可システム50から取得する認可情報に応じて制限することができる。
【0044】
図3は、クライアントアプリ28a(
図2参照。)によって表示部22(
図2参照。)に表示される操作画面80の一例を示す図である。
【0045】
図3に示す操作画面80には、画像形成装置20(
図1参照。)、文書処理フロー実行システム40(
図1参照。)または認証認可システム50(
図1参照。)の機能などが関連付けられたボタンが配置されている。クライアントアプリ28aは、操作画面80に配置されているボタンがタップされることによって、このボタンに関連付けられている機能などを利用することができる。操作画面80に配置されているボタンのそれぞれは、アイコン画像80aと、アイコン画像80aの背景80bと、アイコン画像80aの下側に配置されている文字列80cとによって構成されている。
【0046】
操作画面80に配置されているボタンには、例えば、文書処理フロー実行システム40に保存されている特定の文書処理フローである文書処理フローAを実行するための「ワークフロー」ボタンとしての「ワークフローA」ボタン81aと、文書処理フロー実行システム40に保存されている特定の文書処理フローである文書処理フローBを実行するための「ワークフロー」ボタンとしての「ワークフローB」ボタン81bと、文書処理フロー実行システム40に保存されている特定の文書処理フローである文書処理フローCを実行するための「ワークフロー」ボタンとしての「ワークフローC」ボタン81cと、文書処理フロー実行システム40に保存されている特定の文書処理フローである文書処理フローDを実行するための「ワークフロー」ボタンとしての「ワークフローD」ボタン81dとが存在する。「ワークフローA」ボタン81a、「ワークフローB」ボタン81b、「ワークフローC」ボタン81cおよび「ワークフローD」ボタン81dは、文書処理フロー実行システム40の機能が関連付けられたボタンである。
【0047】
操作画面80に配置されているボタンには、例えば、認証認可システム50にスプールされている、画像形成装置20にログイン中の利用者の全ての印刷データに基づいた印刷をプリンター23によって実行するための「すべて印刷」ボタン82aと、認証認可システム50にスプールされている、画像形成装置20にログイン中の利用者の印刷データから利用者によって都度選ばれた印刷データに基づいた印刷をプリンター23によって実行するための「マイジョブ」ボタン82bと、画像形成装置20にログイン中の利用者のICカードのIDを認証認可システム50に登録するための「ICカード登録」ボタン82cとが存在する。「すべて印刷」ボタン82a、「マイジョブ」ボタン82bおよび「ICカード登録」ボタン82cは、認証認可システム50の機能が関連付けられたボタンである。
【0048】
操作画面80に配置されているボタンには、例えば、利用者によって都度指定された値に応じた設定でコピーを実行するための「コピー」ボタン83aと、利用者によって都度指定された値に応じた設定でスキャン送信を実行するための「送信」ボタン83bと、利用者によって都度指定された値に応じた設定でファックス送信を実行するための「ファックス」ボタン83cと、スキャナー24によって原稿から読み取った画像を記憶部27上の特定の領域に保存したり、この領域に保存されている画像をプリンター23によって印刷したりするための「ユーザーボックス」ボタン83dと、PCなどの外部の電子機器から受信したデータを記憶部27上の特定の領域に保存したり、この領域に保存されているデータに基づいた印刷を実行したりするための「ジョブボックス」ボタン83eと、スキャナー24によって原稿から読み取った画像を画像形成装置20に接続されているUSBメモリーに保存したり、画像形成装置20に接続されているUSBメモリーに保存されているデータに基づいた印刷を実行したりするための「USB」ボタン83fと、画像形成装置20にインストールされている、クライアントアプリケーションプログラム27a以外の特定のアプリケーションプログラムを実行するための「アプリケーション」ボタン83gとが存在する。「コピー」ボタン83a、「送信」ボタン83b、「ファックス」ボタン83c、「ユーザーボックス」ボタン83d、「ジョブボックス」ボタン83e、「USB」ボタン83fおよび「アプリケーション」ボタン83gは、画像形成装置20の機能が関連付けられたボタンである。
【0049】
なお、画像形成装置20の機能が関連付けられたボタンとしては、「コピー」ボタン83a、「送信」ボタン83b、「ファックス」ボタン83c、「ユーザーボックス」ボタン83d、「ジョブボックス」ボタン83e、「USB」ボタン83fおよび「アプリケーション」ボタン83g以外にも、例えば、利用者によって都度指定された値に応じた設定でスキャンを実行するための「スキャン」ボタン、予め指定されている値に応じた設定で即座にコピーを実行するための「クイックコピー」ボタン、予め指定されている値に応じた設定で即座にスキャンを実行するための「クイックスキャン」ボタン、および、予め指定されている値に応じた設定で即座にファックス送信を実行するための「クイックファックス」ボタンが存在する。
【0050】
操作画面80に配置されているボタンには、例えば、操作画面80の1つ下の階層の操作画面に移行するための「フォルダー」ボタン84aが存在する。「フォルダー」ボタン84aがタップされることによって移行する操作画面は、操作画面80と同様に画像形成装置20、文書処理フロー実行システム40および認証認可システム50の少なくとも1つの機能が関連付けられたボタンが配置されていても良い。
【0051】
【0052】
図4に示すように、利用者端末30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、利用者端末30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0053】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられる揮発性の記憶デバイスとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0054】
図5は、1台のコンピューターによって構成される場合の設定システム70のブロック図である。
【0055】
図5に示すように、設定システム70は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部71と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部72と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部73と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部74と、設定システム70全体を制御する制御部75とを備えている。
【0056】
記憶部74は、画像形成装置のクライアントアプリケーションプログラムを設定するための設定プログラム74aを記憶している。設定プログラム74aは、例えば、設定システム70の製造段階で設定システム70にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から設定システム70に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から設定システム70に追加でインストールされても良い。
【0057】
記憶部74は、後述の設定ツール75aによって管理されている画像形成装置の情報であるデバイス情報74bを記憶可能である。
【0058】
【0059】
図6に示すデバイス情報74bは、画像形成装置毎に、製品名と、ホスト名と、IP(Internet Protocol)アドレスと、画像形成装置の識別情報であるシリアルIDと、画像形成装置の識別情報であるMAC(Media Access Control)アドレスとを含んでいる。
【0060】
図5に示すように、記憶部74は、画像形成装置にインストールするクライアントアプリケーションプログラム74cを記憶可能である。
【0061】
記憶部74は、画像形成装置の一般利用者のグループの一覧であるグループリスト74dを記憶可能である。
【0062】
図7は、グループリスト74dの一例を示す図である。
【0063】
図7に示すグループリスト74dは、後述の設定ツール75aによって管理されている、画像形成装置の一般利用者のグループを示している。
【0064】
図5に示すように、記憶部74は、画像形成装置の一般利用者の一覧であるユーザーリスト74eを記憶可能である。
【0065】
図8は、ユーザーリスト74eの一例を示す図である。
【0066】
図8に示すユーザーリスト74eは、後述の設定ツール75aによって管理されている、画像形成装置の一般利用者と、この一般利用者が所属するグループとを関連付けて示している。
図8において、「-」は、所属するグループが存在しないことを示している。すなわち、
図8によれば、「User a」は、いずれのグループにも所属していない。
【0067】
図5に示すように、記憶部74は、画像形成装置の操作画面のレイアウト74fを記憶可能である。記憶部74は、画像形成装置の操作画面のレイアウトを、レイアウト74f以外にも少なくとも1つ記憶可能である。
【0068】
記憶部74は、画像形成装置の操作画面のレイアウトを管理するレイアウト管理情報74gを記憶可能である。
【0069】
図9は、レイアウト管理情報74gの一例を示す図である。
【0070】
図9に示すレイアウト管理情報74gは、画像形成装置、グループおよび一般利用者のそれぞれの識別情報と、画像形成装置、グループおよび一般利用者の種別と、画像形成装置の操作画面のレイアウトとを関連付けて示している。
図9において、「種別」欄の値である「Device」、「Group」、「User」は、それぞれ、画像形成装置、グループ、一般利用者を示している。例えば「Group a」という識別情報で特定されるグループは、「レイアウトd」が関連付けられている。なお、
図9においては、画像形成装置の識別情報として「Device a」、「Device b」、「Device c」などが記載されている。しかしながら、画像形成装置の識別情報は、実際には、例えば、画像形成装置のシリアルIDおよびMACアドレスの少なくとも1つである。
図9において、「-」は、画像形成装置の操作画面のレイアウトが関連付けられていないことを示している。すなわち、
図9によれば、「User a」という識別情報で特定される一般利用者は、少なくとも個人としては、いずれのレイアウトも関連付けられていない。
【0071】
なお、以下において、画像形成装置に関連付けられているレイアウト、グループに関連付けられているレイアウト、一般利用者個人に関連付けられているレイアウトを、それぞれ、デバイスレイアウト、グループレイアウト、ユーザーレイアウトという。
【0072】
図5に示すように、記憶部74は、画像形成装置におけるレイアウトの表示の条件を示すレイアウト表示条件情報74hを記憶可能である。
【0073】
図10は、レイアウト表示条件情報74hの一例を示す図である。
【0074】
図10に示すように、レイアウト表示条件情報74hは、画像形成装置にレイアウトを表示させる方式を示す「表示方式」と、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトのうち表示を許可するものを示す「表示を許可するレイアウト」と、デバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトの表示の優先順位を示す「表示優先」とを含んでいる。
【0075】
「表示方式」には、画像形成装置にデバイスレイアウトのみを表示させる方式である「デバイスレイアウトのみ」と、デバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトのうち、利用者によって選択されたものを表示させる方式である「ユーザー選択」と、デバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトのうち、「表示優先」によって示される優先順位が高いものを優先して表示させる方式である「優先順」とのいずれかが設定されることが可能である。
【0076】
図10において、「表示優先」欄に示されるデバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトは、上側のものほど、優先順位が高い。すなわち、
図10に示す例では、ユーザーレイアウトの優先順位が最も高く、デバイスレイアウトの優先順位が最も低い。
【0077】
図5に示すように、制御部75は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部75のCPUの作業領域として用いられる揮発性の記憶デバイスとしてのRAMとを備えている。制御部75のCPUは、記憶部74または制御部75のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0078】
制御部75は、設定プログラム74aを実行することによって、設定ツール75aを実現する。設定ツール75aは、画像形成装置にクライアントアプリケーションプログラムをインストールすることができる。
【0079】
次に、情報処理システム10の動作について説明する。
【0080】
まず、デバイス情報74bに新たな画像形成装置の情報を追加する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0081】
図11は、デバイス情報74bに新たな画像形成装置の情報を追加する場合の設定システム70の動作のフローチャートである。
【0082】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定システム70の設定ツール75aにログインした後、デバイス情報74bに新たな画像形成装置の情報を追加する指示(以下「情報追加指示」という。)を利用者端末を介して設定ツール75aに入力することができる。なお、画像形成装置の管理者は、デバイス情報74bに情報を追加することを希望する画像形成装置(以下「情報追加希望装置」)のIPアドレスおよびホスト名の少なくともいずれか1つを情報追加指示に含める。設定ツール75aは、情報追加指示を受け付けると、
図11に示す動作を実行する。
【0083】
図11に示すように、設定ツール75aは、情報追加希望装置の製品名、ホスト名、IPアドレス、シリアルIDおよびMACアドレスを情報追加希望装置から取得する(S101)。ここで、設定ツール75aは、情報追加希望装置のIPアドレスおよびホスト名のうち情報追加指示に含まれていた少なくともいずれか1つを用いて情報追加希望装置にアクセスする。
【0084】
設定ツール75aは、S101の処理の後、S101において取得した情報をデバイス情報74bに保存して(S102)、
図11に示す動作を終了する。
【0085】
次に、設定ツール75aによって管理されている画像形成装置の一覧(以下「デバイス一覧」という。)を表示する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0086】
図12は、デバイス一覧を表示する場合の設定システム70の動作のフローチャートである。
【0087】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定システム70の設定ツール75aにログインした後、デバイス一覧を表示する指示(以下「一覧表示指示」という。)を利用者端末を介して設定ツール75aに入力することができる。設定ツール75aは、一覧表示指示を受け付けると、
図12に示す動作を実行する。
【0088】
図12に示すように、設定ツール75aは、画像形成装置にインストールされているクライアントアプリケーションプログラムのバージョン(以下「インストールバージョン」という。)を、設定ツール75a自身が管理している全ての画像形成装置から取得する(S121)。ここで、設定ツール75aは、デバイス情報74bに含まれる画像形成装置のIPアドレスおよびホスト名の少なくともいずれか1つを用いて画像形成装置にアクセスする。
【0089】
設定ツール75aは、S121の処理の後、S121において取得した情報を含むデバイス一覧を一覧表示指示の送信元の利用者端末に送信して(S122)、
図12に示す動作を終了する。
【0090】
利用者端末は、S122によって設定ツール75aからデバイス一覧が送信されてくると、設定ツール75aから送信されてきたデバイス一覧を利用者端末の表示部に表示する。
【0091】
図13は、利用者端末に表示されるデバイス一覧の一例を示す図である。
【0092】
図13に示すように、デバイス一覧には、製品名、ホスト名、IPアドレス、シリアルID、MACアドレスおよびインストールバージョンが画像形成装置毎に含まれている。なお、
図13に示すデバイス一覧において、インストールバージョンの欄の値が「無」になっている画像形成装置は、クライアントアプリケーションプログラムがインストールされていない画像形成装置である。
【0093】
次に、画像形成装置にクライアントアプリケーションプログラムをインストールする場合の設定システム70の動作について説明する。
【0094】
図14は、画像形成装置にクライアントアプリケーションプログラムをインストールする場合の設定システム70の動作のフローチャートである。
【0095】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定システム70の設定ツール75aにログインした後、画像形成装置にインストールするクライアントアプリケーションプログラムを利用者端末を介して設定ツール75aにアップロードすることができる。設定ツール75aは、クライアントアプリケーションプログラムがアップロードされると、
図14に示す動作を実行する。
【0096】
図14に示すように、設定ツール75aは、アップロードされたクライアントアプリケーションプログラムをクライアントアプリケーションプログラム74cとして記憶部74に記憶する(S141)。
【0097】
次いで、設定ツール75aは、画像形成装置へのクライアントアプリケーションプログラムのインストールの予約の指示(以下「インストール予約指示」という。)を受け付けたと判断するまで、インストール予約指示を受け付けたか否かを判断する(S142)。ここで、画像形成装置の管理者は、インストール予約指示を利用者端末を介して設定ツール75aに入力することができる。画像形成装置の管理者は、例えば、即時と、画像形成装置の管理者が指定した特定の日時と、画像形成装置の管理者が指定した毎日の特定の時間と、画像形成装置の管理者が指定した毎週の特定の曜日と、画像形成装置の管理者が指定した毎月の特定の日にちとのいずれかを、画像形成装置へのクライアントアプリケーションプログラムのインストールのタイミングとしてインストール予約指示において指定可能である。
【0098】
設定ツール75aは、インストール予約指示を受け付けたとS142において判断すると、インストール予約指示に含まれるタイミングでの画像形成装置へのクライアントアプリケーションプログラムのインストールを予約する(S143)。
【0099】
設定ツール75aは、S143の処理の後、S143において予約したタイミングになったと判断するまで、S143において予約したタイミングになったか否かを判断する(S144)。
【0100】
設定ツール75aは、S143において予約したタイミングになったとS144において判断すると、画像形成装置のクライアントアプリケーションプログラムのインストールバージョンを、設定ツール75a自身が管理している全ての画像形成装置から取得する(S145)。ここで、設定ツール75aは、デバイス情報74bに含まれる画像形成装置のIPアドレスおよびホスト名の少なくともいずれか1つを用いて画像形成装置にアクセスする。
【0101】
次いで、設定ツール75aは、クライアントアプリケーションプログラムがインストールされていない画像形成装置と、S141において記憶した、インストール対象のクライアントアプリケーションプログラム74cより古いバージョンのクライアントアプリケーションプログラムがインストールされている画像形成装置とを、S145において取得した情報に基づいて特定する(S146)。
【0102】
次いで、設定ツール75aは、S141において記憶した、インストール対象のクライアントアプリケーションプログラム74cを、S146において特定した全ての画像形成装置に配信して(S147)、
図14に示す動作を終了する。
【0103】
なお、クライアントアプリケーションプログラムが設定ツール75aから配信された画像形成装置の制御部は、設定ツール75aから配信されたクライアントアプリケーションプログラムを画像形成装置自身に即時にインストールする。
【0104】
次に、レイアウト表示条件情報74hを設定する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0105】
図15は、レイアウト表示条件情報74hを設定する場合の設定システム70の動作のフローチャートである。
【0106】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定システム70の設定ツール75aにログインした後、レイアウト表示条件情報74hの設定の開始の指示(以下「設定開始指示」という。)を利用者端末を介して設定ツール75aに入力することができる。設定ツール75aは、設定開始指示を受け付けると、
図15に示す動作を実行する。
【0107】
図15に示すように、設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの設定のための表示条件設定画面90(
図16参照。)を設定開始指示の送信元の利用者端末において表示させる(S151)。したがって、設定開始指示の送信元の利用者端末の制御部は、利用者端末自身の表示部に表示条件設定画面90を表示し、利用者端末自身の操作部を介した表示条件設定画面90に対する操作を設定システム70に送信する。
【0108】
図16は、利用者端末の表示部に表示される表示条件設定画面90の一例を示す図である。
【0109】
図16に示すように、表示条件設定画面90は、レイアウト表示条件情報74hのうち「表示方式」を設定するための領域91と、レイアウト表示条件情報74hのうち「表示を許可するレイアウト」を設定するための領域92と、レイアウト表示条件情報74hのうち「表示優先」を設定するための領域93と、レイアウト表示条件情報74hの設定を中止するためのキャンセルボタン94aと、レイアウト表示条件情報74hの設定を保存するための保存ボタン94bとを備えている。
【0110】
領域91は、「表示方式」として「デバイスレイアウトのみ」を設定するためのラジオボタン91aと、「表示方式」として「ユーザー選択」を設定するためのラジオボタン91bと、「表示方式」として「優先順」を設定するためのラジオボタン91cとを含んでいる。ラジオボタン91a~91cは、いずれか1つのみが選択可能である。
【0111】
領域92は、グループレイアウトの表示を許可することを設定するためのチェックボックス92aと、ユーザーレイアウトの表示を許可することを設定するためのチェックボックス92bとを含んでいる。
【0112】
領域93は、デバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトの優先順位を示している。領域93に示されるデバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトは、上側のものほど、優先順位が高い。画像形成装置の管理者は、領域93に示されるデバイスレイアウト、グループレイアウトおよびユーザーレイアウトの優先順位を、利用者端末の操作部を介して変更可能である。
【0113】
図15に示すように、設定ツール75aは、S151の処理の後、キャンセルボタン94aが押されたか否かを判断する(S152)。
【0114】
設定ツール75aは、キャンセルボタン94aが押されていないとS152において判断すると、保存ボタン94bが押されたか否かを判断する(S153)。
【0115】
設定ツール75aは、保存ボタン94bが押されていないとS153において判断すると、S152の処理を実行する。
【0116】
設定ツール75aは、保存ボタン94bが押されたとS153において判断すると、表示条件設定画面90において設定された、レイアウトの表示の条件をレイアウト表示条件情報74hに保存する(S154)。
【0117】
設定ツール75aは、キャンセルボタン94aが押されたとS152において判断するか、S154の処理を実行すると、利用者端末における表示条件設定画面90の表示を終了して(S155)、
図15に示す動作を終了する。
【0118】
次に、画像形成装置の操作画面のレイアウトを保存する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0119】
図17は、画像形成装置の操作画面のレイアウトを保存する場合の設定システム70の動作のフローチャートである。
【0120】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定システム70の設定ツール75aにログインした後、画像形成装置の操作画面のレイアウトの編集の開始の指示(以下「編集開始指示」という。)を利用者端末を介して設定ツール75aに入力することができる。設定ツール75aは、編集開始指示を受け付けると、
図17に示す動作を実行する。
【0121】
図17に示すように、設定ツール75aは、画像形成装置の操作画面のレイアウトの編集のための操作画面編集画面100(
図18参照。)を編集開始指示の送信元の利用者端末において表示させる(S161)。したがって、編集開始指示の送信元の利用者端末の制御部は、利用者端末自身の表示部に操作画面編集画面100を表示し、利用者端末自身の操作部を介した操作画面編集画面100に対する操作を設定システム70に送信する。
【0122】
図18は、利用者端末の表示部に表示される操作画面編集画面100の一例を示す図である。
【0123】
図18に示すように、操作画面編集画面100は、画像形成装置の操作画面のレイアウトのイメージを示す操作画面領域101を備えている。操作画面領域101には、縦3行、横6列の合計18個の矩形の領域が形成されている。1つのボタンは、1つまたは複数の矩形の領域によって形成される。すなわち、画像形成装置の操作画面には、最大で18個のボタンが配置されることが可能である。
【0124】
操作画面編集画面100は、例えば「ワークフローA」ボタン、「ワークフローB」ボタン、「ワークフローC」ボタン、「ワークフローD」ボタンなど、文書処理フロー実行システム40の機能が関連付けられたボタンを操作画面領域101に追加するための「文書処理フロー実行システム」ボタン102aと、例えば「すべて印刷」ボタン、「マイジョブ」ボタン、「ICカード登録」ボタンなど、認証認可システム50の機能が関連付けられたボタンを操作画面領域101に追加するための「認証認可システム」ボタン102bと、例えば「コピー」ボタン、「送信」ボタン、「ファックス」ボタン、「ユーザーボックス」ボタン、「ジョブボックス」ボタン、「USB」ボタン、「アプリケーション」ボタンなど、画像形成装置の機能が関連付けられたボタンを操作画面領域101に追加するための「画像形成装置」ボタン102cと、「フォルダー」ボタンを操作画面領域101に追加するための「その他」ボタン102dとを備えている。
【0125】
操作画面編集画面100は、操作画面領域101において選択されているボタンのプロパティーを設定するための「プロパティーを開く」ボタン103aと、操作画面領域101において選択されているボタンを削除するための「ボタンを削除」ボタン103bとを備えている。ボタンのプロパティーには、操作画面領域101におけるボタンの配置、サイズ、色、名前、アイコン画像が含まれている。操作画面領域101におけるボタンの色とは、操作画面領域101におけるボタンのアイコン画像の背景の色のことである。操作画面領域101におけるボタンの名前とは、操作画面領域101におけるボタンにおいてアイコン画像の下側に配置されている文字列である。
【0126】
操作画面編集画面100は、画像形成装置の操作画面のレイアウトの編集を中止するためのキャンセルボタン104aと、画像形成装置の操作画面のレイアウトを保存するための保存ボタン104bとを備えている。
【0127】
図17に示すように、設定ツール75aは、S161の処理の後、キャンセルボタン104aが押されたか否かを判断する(S162)。
【0128】
設定ツール75aは、キャンセルボタン104aが押されていないとS162において判断すると、保存ボタン104bが押されたか否かを判断する(S163)。
【0129】
設定ツール75aは、保存ボタン104bが押されていないとS163において判断すると、S162の処理を実行する。
【0130】
設定ツール75aは、保存ボタン104bが押されたとS163において判断すると、操作画面編集画面100において設定された画像形成装置の操作画面のレイアウトを記憶部74に保存する(S164)。
【0131】
設定ツール75aは、キャンセルボタン104aが押されたとS162において判断するか、S164の処理を実行すると、利用者端末における操作画面編集画面100の表示を終了して(S165)、
図17に示す動作を終了する。
【0132】
以上においては、画像形成装置の管理者がレイアウトを作成する例について説明している。しかしながら、画像形成装置の一般利用者も、同様にしてレイアウトを作成することが可能である。
【0133】
次に、デバイスレイアウトを設定する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0134】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定ツール75aにログインした後、記憶部74に記憶されているいずれかのレイアウトを、いずれかの画像形成装置のデバイスレイアウトとして設定する指示(以下「デバイスレイアウト設定指示」という。)を利用者端末を介して設定システム70に入力することができる。なお、設定ツール75aは、記憶部74に記憶されているレイアウトのうち、例えば、画像形成装置の管理者が作成したレイアウトのみ、デバイスレイアウト設定指示において管理者自身に指定させることを許可する。
【0135】
設定システム70の設定ツール75aは、デバイスレイアウト設定指示を受け付けると、受け付けたデバイスレイアウト設定指示通りにレイアウト管理情報74gを変更する。
【0136】
次に、グループレイアウトを設定する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0137】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定ツール75aにログインした後、記憶部74に記憶されているいずれかのレイアウトを、いずれかのグループのグループレイアウトとして設定する指示(以下「グループレイアウト設定指示」という。)を利用者端末を介して設定システム70に入力することができる。なお、設定ツール75aは、記憶部74に記憶されているレイアウトのうち、例えば、画像形成装置の管理者が作成したレイアウトのみ、グループレイアウト設定指示において管理者自身に指定させることを許可する。
【0138】
設定システム70の設定ツール75aは、グループレイアウト設定指示を受け付けると、受け付けたグループレイアウト設定指示通りにレイアウト管理情報74gを変更する。
【0139】
以上においては、画像形成装置の管理者がグループレイアウトを設定する例について説明している。しかしながら、画像形成装置の一般利用者も、自身が所属するグループのグループレイアウトについては、同様にしてグループレイアウトを設定することが可能である。
【0140】
次に、ユーザーレイアウトを設定する場合の設定システム70の動作について説明する。
【0141】
画像形成装置の管理者は、利用者端末を介して設定ツール75aにログインした後、記憶部74に記憶されているいずれかのレイアウトを、いずれかの一般利用者のユーザーレイアウトとして設定する指示(以下「ユーザーレイアウト設定指示」という。)を利用者端末を介して設定システム70に入力することができる。なお、設定ツール75aは、記憶部74に記憶されているレイアウトのうち、例えば、画像形成装置の管理者が作成したレイアウトのみ、ユーザーレイアウト設定指示において管理者自身に指定させることを許可する。
【0142】
設定システム70の設定ツール75aは、ユーザーレイアウト設定指示を受け付けると、受け付けたユーザーレイアウト設定指示通りにレイアウト管理情報74gを変更する。
【0143】
以上においては、画像形成装置の管理者がユーザーレイアウトを設定する例について説明している。しかしながら、画像形成装置の一般利用者も、自身のユーザーレイアウトについては、同様にしてユーザーレイアウトを設定することが可能である。
【0144】
次に、利用者がユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いて画像形成装置20にログインする場合の情報処理システム10の動作について説明する。
【0145】
図19は、利用者がユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いて画像形成装置20にログインする場合の情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0146】
図19に示す動作は、ユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いてログインする方法が画像形成装置20におけるログイン方法情報27cに示されている場合の動作である。
【0147】
図19に示すように、画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、利用者が画像形成装置20にログイン中ではない場合、利用者が画像形成装置20にログインするための認証画面を表示部22に表示する(S181)。ここで、クライアントアプリ28aは、ユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いてログインする方法がログイン方法情報27cに示されているので、S181において表示する認証画面におけるログインの方法として、ユーザー名およびパスワードの組み合わせを用いてログインする方法を採用する。
【0148】
クライアントアプリ28aは、S181において表示した認証画面においてログインが指示されると、利用者のログインを利用者情報保持システム60に要求する(S182)。この要求には、S181において表示した認証画面に利用者によって操作部21を介して入力されたユーザー名およびパスワードの組み合わせが含まれている。
【0149】
利用者情報保持システム60は、S182における要求を受けると、利用者のログインを許可するか否かを決定する(S183)。ここで、利用者情報保持システム60は、利用者情報保持システム60自身が保持しているユーザー名およびパスワードの組み合わせの中に、S182における要求に含まれているユーザー名およびパスワードの組み合わせが含まれている場合、すなわち、利用者の認証が成功した場合に、利用者のログインを許可することを決定する。一方、利用者情報保持システム60は、利用者情報保持システム60自身が保持しているユーザー名およびパスワードの組み合わせの中に、S182における要求に含まれているユーザー名およびパスワードの組み合わせが含まれていない場合、すなわち、利用者の認証が失敗した場合に、利用者のログインを許可しないことを決定する。
【0150】
利用者情報保持システム60は、利用者のログインを許可しないことをS183において決定すると、利用者のログインを許可しないことを画像形成装置20に通知する(S184)。したがって、画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、ログインの失敗を表示部22に表示して(S185)、
図19に示す動作を終了する。
【0151】
一方、利用者情報保持システム60は、利用者のログインを許可することをS183において決定すると、利用者情報保持システム60が利用者のログインを許可したことを示すチケットを発行し(S186)、S186において発行したチケットを画像形成装置20に送信する(S187)。
【0152】
画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、S187において利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを受信すると、操作画面のレイアウトを設定システム70に要求する(S188)。クライアントアプリ28aは、利用者情報保持システム60がログインを許可した利用者の識別情報と、画像形成装置20自身の識別情報、すなわち、シリアルIDおよびMACアドレスの少なくとも1つとをS188における要求に含める。なお、以下において、画像形成装置のクライアントアプリから設定システムへのレイアウトの要求を「レイアウト要求」という。
【0153】
設定システム70の設定ツール75aは、S188におけるレイアウト要求を受けると、操作画面のレイアウトをレイアウト管理情報74gに基づいて特定するレイアウト特定処理を実行する(S189)。
【0154】
図20は、
図19に示すレイアウト特定処理の一部のフローチャートである。
図21は、
図20に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
図22は、
図21に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0155】
図20~
図22に示すように、設定システム70の設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」を判断する(S201)。
【0156】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「デバイスレイアウトのみ」であるとS201において判断すると、レイアウト要求に含まれる、画像形成装置の識別情報にレイアウト管理情報74gにおいて関連付けられているデバイスレイアウト(以下「対象のデバイスレイアウト」という。)を特定して(S202)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0157】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「ユーザー選択」であるとS201において判断すると、対象のデバイスレイアウトを特定する(S203)。
【0158】
次いで、設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S204)。
【0159】
設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可するとS204において判断すると、レイアウト要求に含まれる、利用者の識別情報にユーザーリスト74eにおいて関連付けられているグループ(以下「対象のグループ」という。)が存在するか否かを判断する(S205)。
【0160】
設定ツール75aは、対象のグループが存在するとS205において判断すると、対象のグループにレイアウト情報74gにおいて関連付けられているグループレイアウト(以下「対象のグループレイアウト」という。)が存在するか否かを判断する(S206)。
【0161】
設定ツール75aは、対象のグループレイアウトが存在するとS206において判断すると、対象のグループレイアウトを追加で特定する(S207)。
【0162】
設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可しないとS204において判断するか、対象のグループが存在しないとS205において判断するか、対象のグループレイアウトが存在しないとS206において判断するか、S207の処理が終了すると、ユーザーレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S208)。
【0163】
設定ツール75aは、ユーザーレイアウトの表示を許可するとS208において判断すると、レイアウト要求に含まれる、利用者の識別情報にレイアウト情報74gにおいて関連付けられているユーザーレイアウト(以下「対象のユーザーレイアウト」という。)が存在するか否かを判断する(S209)。
【0164】
設定ツール75aは、対象のユーザーレイアウトが存在するとS209において判断すると、対象のユーザーレイアウトを追加で特定する(S210)。
【0165】
設定ツール75aは、ユーザーレイアウトの表示を許可しないとS208において判断するか、対象のユーザーレイアウトが存在しないとS209において判断するか、S210の処理が終了すると、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0166】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「優先順」であるとS201において判断すると、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がグループレイアウトであるか否かを判断する(S211)。
【0167】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がグループレイアウトであるとS211において判断すると、グループレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S212)。
【0168】
設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可するとS212において判断すると、対象のグループが存在するか否かを判断する(S213)。
【0169】
設定ツール75aは、対象のグループが存在するとS213において判断すると、対象のグループレイアウトが存在するか否かを判断する(S214)。
【0170】
設定ツール75aは、対象のグループレイアウトが存在するとS214において判断すると、対象のグループレイアウトを特定して(S215)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0171】
設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可しないとS212において判断するか、対象のグループが存在しないとS213において判断するか、対象のグループレイアウトが存在しないとS214において判断すると、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がユーザーレイアウトであるか否かを判断する(S216)。
【0172】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がユーザーレイアウトであるとS216において判断すると、ユーザーレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S217)。
【0173】
設定ツール75aは、ユーザーレイアウトの表示を許可するとS217において判断すると、対象のユーザーレイアウトが存在するか否かを判断する(S218)。
【0174】
設定ツール75aは、対象のユーザーレイアウトが存在するとS218において判断すると、対象のユーザーレイアウトを特定して(S219)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0175】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がユーザーレイアウトではないとS216において判断するか、ユーザーレイアウトの表示を許可しないとS217において判断するか、対象のユーザーレイアウトが存在しないとS218において判断すると、対象のデバイスレイアウトを特定して(S202)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0176】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がグループレイアウトではないとS211において判断すると、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がユーザーレイアウトであるか否かを判断する(S220)。
【0177】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がユーザーレイアウトであるとS220において判断すると、ユーザーレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S221)。
【0178】
設定ツール75aは、ユーザーレイアウトの表示を許可するとS221において判断すると、対象のユーザーレイアウトが存在するか否かを判断する(S222)。
【0179】
設定ツール75aは、対象のユーザーレイアウトが存在するとS222において判断すると、対象のユーザーレイアウトを特定して(S219)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0180】
設定ツール75aは、ユーザーレイアウトの表示を許可しないとS221において判断するか、対象のユーザーレイアウトが存在しないとS222において判断すると、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がグループレイアウトであるか否かを判断する(S223)。
【0181】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がグループレイアウトであるとS223において判断すると、グループレイアウトの表示を許可するか否かをレイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」に基づいて判断する(S224)。
【0182】
設定ツール75aは、グループレイアウトの表示を許可するとS224において判断すると、対象のグループが存在するか否かを判断する(S225)。
【0183】
設定ツール75aは、対象のグループが存在するとS225において判断すると、対象のグループレイアウトが存在するか否かを判断する(S226)。
【0184】
設定ツール75aは、対象のグループレイアウトが存在するとS226において判断すると、対象のグループレイアウトを特定して(S215)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0185】
設定ツール75aは、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において1番目の優先順位がユーザーレイアウトではないとS220において判断するか、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」において2番目の優先順位がグループレイアウトではないとS223において判断するか、グループレイアウトの表示を許可しないとS224において判断するか、対象のグループが存在しないとS225において判断するか、対象のグループレイアウトが存在しないとS226において判断すると、対象のデバイスレイアウトを特定して(S202)、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理を終了する。
【0186】
例えば、ユーザーリスト74e、レイアウト情報74gがそれぞれ
図8、
図9に示すものであって、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「ユーザー選択」であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」がグループレイアウトおよびユーザーレイアウトの両方の表示を許可する設定である場合に、「User a」が「Device a」でログインを要求したとき、設定ツール75aは、対象のグループが存在しないとS205において判断するとともに、対象のユーザーレイアウトが存在しないとS209において判断するので、デバイスレイアウトであるレイアウトaのみを特定する(S203)。
【0187】
また、ユーザーリスト74e、レイアウト情報74gがそれぞれ
図8、
図9に示すものであって、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「ユーザー選択」であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」がグループレイアウトおよびユーザーレイアウトの両方の表示を許可する設定である場合に、「User b」が「Device b」でログインを要求したとき、設定ツール75aは、デバイスレイアウトであるレイアウトbと、グループレイアウトであるレイアウトdと、ユーザーレイアウトであるレイアウトgとを特定する(S203、S207およびS210)。
【0188】
また、ユーザーリスト74e、レイアウト情報74gがそれぞれ
図8、
図9に示すものであって、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「優先順」であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」がグループレイアウトおよびユーザーレイアウトの両方の表示を許可する設定であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」が優先度が高い順に「ユーザーレイアウト」、「グループレイアウト」、「デバイスレイアウト」を示す場合に、「User a」が「Device a」でログインを要求したとき、設定ツール75aは、対象のユーザーレイアウトが存在しないとS222において判断するとともに、対象のグループが存在しないとS225において判断するので、デバイスレイアウトであるレイアウトaのみを特定する(S202)。
【0189】
また、ユーザーリスト74e、レイアウト情報74gがそれぞれ
図8、
図9に示すものであって、レイアウト表示条件情報74hの「表示方式」が「優先順」であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示を許可するレイアウト」がグループレイアウトおよびユーザーレイアウトの両方の表示を許可する設定であって、レイアウト表示条件情報74hの「表示優先」が優先度が高い順に「ユーザーレイアウト」、「グループレイアウト」、「デバイスレイアウト」を示す場合に、「User b」が「Device b」でログインを要求したとき、設定ツール75aは、対象のユーザーレイアウトが存在すとS222において判断するので、ユーザーレイアウトであるレイアウトgのみを特定する(S219)。
【0190】
図19に示すように、設定システム70の設定ツール75aは、S189の処理の後、S189において特定したレイアウトを画像形成装置20に送信する(S190)。
【0191】
画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、S190において設定システム70から送信されてきたレイアウトを受信すると、S190において設定システム70から送信されてきたレイアウトが1つである場合に、このレイアウトに応じた操作画面を表示部22に表示して(S191)、
図19に示す動作を終了する。
【0192】
一方、クライアントアプリ28aは、S190において設定システム70から送信されてきたレイアウトが複数である場合に、S190において設定システム70から送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを利用者に選択させるためのレイアウト選択画面を表示部22に表示する(S192)。
【0193】
そして、クライアントアプリ28aは、レイアウト選択画面において選択されたレイアウトに応じた操作画面を表示部22に表示して(S193)、
図19に示す動作を終了する。
【0194】
次に、画像形成装置20が利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合の情報処理システム10の動作について説明する。
【0195】
図23は、画像形成装置20が利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合の情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0196】
画像形成装置20の利用者は、表示部22に表示されている操作画面の例えば「ワークフロー」ボタンを操作部21を介して押すなどして、文書処理フロー実行システム40の機能の利用を画像形成装置20に指示することができる。
【0197】
画像形成装置20は、文書処理フロー実行システム40の機能の利用が指示されると、
図23に示すように、文書処理フロー実行システム40の機能の利用を文書処理フロー実行システム40に要求する(S241)。画像形成装置20は、S187(
図19参照。)において利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを、S241における要求に含める。
【0198】
文書処理フロー実行システム40は、S241における要求を受けると、S241における要求に含まれるチケットの正当性を利用者情報保持システム60に問い合わせる(S242)。
【0199】
利用者情報保持システム60は、S242における問い合わせを受けると、S242において正当性が問い合わせられたチケットの正当性を判断する(S243)。
【0200】
利用者情報保持システム60は、S242において正当性が問い合わせられたチケットが正当ではないとS243において判断すると、チケットが正当ではない旨を文書処理フロー実行システム40に回答する(S244)。したがって、文書処理フロー実行システム40は、S241において要求された機能の利用を許可しない旨を画像形成装置20に通知する(S245)。
【0201】
一方、利用者情報保持システム60は、S242において正当性が問い合わせられたチケットが正当であるとS243において判断すると、チケットが正当である旨を文書処理フロー実行システム40に回答する(S246)。したがって、文書処理フロー実行システム40は、S241において要求された機能を実行し(S247)、S247における実行の結果を画像形成装置20に通知する(S248)。
【0202】
以上においては、画像形成装置20が利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合について説明したが、画像形成装置20が利用者情報保持システム60から送信されてきたチケットを使用して認証認可システム50を利用する場合についても同様である。
【0203】
次に、利用者がPINコードを用いて画像形成装置20にログインする場合の情報処理システム10の動作について説明する。
【0204】
図24は、利用者がPINコードを用いて画像形成装置20にログインする場合の情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0205】
図24に示す動作は、PINコードを用いてログインする方法が画像形成装置20におけるログイン方法情報27cに示されている場合の動作である。
【0206】
図24に示すように、画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、利用者が画像形成装置20にログイン中ではない場合、利用者が画像形成装置20にログインするための認証画面を表示部22に表示する(S261)。ここで、クライアントアプリ28aは、PINコードを用いてログインする方法がログイン方法情報27cに示されているので、S261において表示する認証画面におけるログインの方法として、PINコードを用いてログインする方法を採用する。
【0207】
クライアントアプリ28aは、S261において表示した認証画面においてログインが指示されると、利用者のログインを認証認可システム50に要求する(S262)。この要求には、S261において表示した認証画面に利用者によって操作部21を介して入力されたPINコードが含まれている。
【0208】
認証認可システム50は、S262における要求を受けると、利用者のログインを許可するか否かを決定する(S263)。ここで、認証認可システム50は、認証認可システム50自身が保持しているPINコードの中に、S262における要求に含まれているPINコードが含まれている場合、すなわち、利用者の認証が成功した場合に、利用者のログインを許可することを決定する。一方、認証認可システム50は、認証認可システム50自身が保持しているPINコードの中に、S262における要求に含まれているPINコードが含まれていない場合、すなわち、利用者の認証が失敗した場合に、利用者のログインを許可しないことを決定する。
【0209】
認証認可システム50は、利用者のログインを許可しないことをS263において決定すると、利用者のログインを許可しないことを画像形成装置20に通知する(S264)。したがって、画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、ログインの失敗を表示部22に表示して(S265)、
図24に示す動作を終了する。
【0210】
一方、認証認可システム50は、利用者のログインを許可することをS263において決定すると、認証認可システム50が利用者のログインを許可したことを示すチケットを発行し(S266)、S266において発行したチケットを画像形成装置20に送信する(S267)。
【0211】
画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、S267において認証認可システム50から送信されてきたチケットを受信すると、操作画面のレイアウトを設定システム70に要求する(S268)。クライアントアプリ28aは、認証認可システム50がログインを許可した利用者の識別情報と、画像形成装置20自身の識別情報、すなわち、シリアルIDおよびMACアドレスの少なくとも1つとをS268におけるレイアウト要求に含める。
【0212】
設定システム70の設定ツール75aは、S268におけるレイアウト要求を受けると、操作画面のレイアウトをレイアウト管理情報74gに基づいて特定するレイアウト特定処理を実行する(S269)。
【0213】
S269におけるレイアウト特定処理は、
図20~
図22に示すレイアウト特定処理と同様である。
【0214】
設定システム70の設定ツール75aは、S269の処理の後、S269において特定したレイアウトを画像形成装置20に送信する(S270)。
【0215】
画像形成装置20のクライアントアプリ28aは、S270において設定システム70から送信されてきたレイアウトを受信すると、S270において設定システム70から送信されてきたレイアウトが1つである場合に、このレイアウトに応じた操作画面を表示部22に表示して(S271)、
図24に示す動作を終了する。
【0216】
一方、クライアントアプリ28aは、S270において設定システム70から送信されてきたレイアウトが複数である場合に、S270において設定システム70から送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを利用者に選択させるためのレイアウト選択画面を表示部22に表示する(S272)。
【0217】
そして、クライアントアプリ28aは、レイアウト選択画面において選択されたレイアウトに応じた操作画面を表示部22に表示して(S273)、
図24に示す動作を終了する。
【0218】
図24においては、利用者がPINコードを用いて画像形成装置20にログインする場合について説明したが、利用者がICカードのIDを用いて画像形成装置20にログインする場合についても同様である。ただし、利用者がICカードのIDを用いて画像形成装置20にログインする場合には、画像形成装置20に接続されている図示していないICカードリーダーによって読み取られたICカードのIDがPINコードに代えて使用される。
【0219】
次に、画像形成装置20が認証認可システム50から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合の情報処理システム10の動作について説明する。
【0220】
図25は、画像形成装置20が認証認可システム50から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合の情報処理システム10の動作のシーケンス図である。
【0221】
画像形成装置20の利用者は、表示部22に表示されている操作画面の例えば「ワークフロー」ボタンを操作部21を介して押すなどして、文書処理フロー実行システム40の機能の利用を画像形成装置20に指示することができる。
【0222】
画像形成装置20は、文書処理フロー実行システム40の機能の利用が指示されると、
図25に示すように、文書処理フロー実行システム40の機能の利用を文書処理フロー実行システム40に要求する(S281)。画像形成装置20は、S267(
図24参照。)において認証認可システム50から送信されてきたチケットを、S281における要求に含める。
【0223】
文書処理フロー実行システム40は、S281における要求を受けると、S281における要求に含まれるチケットの正当性を認証認可システム50に問い合わせる(S282)。
【0224】
認証認可システム50は、S282における問い合わせを受けると、S282において正当性が問い合わせられたチケットの正当性を判断する(S283)。
【0225】
認証認可システム50は、S282において正当性が問い合わせられたチケットが正当ではないとS283において判断すると、チケットが正当ではない旨を文書処理フロー実行システム40に回答する(S284)。したがって、文書処理フロー実行システム40は、S281において要求された機能の利用を許可しない旨を画像形成装置20に通知する(S285)。
【0226】
一方、認証認可システム50は、S282において正当性が問い合わせられたチケットが正当であるとS283において判断すると、チケットが正当である旨を文書処理フロー実行システム40に回答する(S286)。したがって、文書処理フロー実行システム40は、S281において要求された機能を実行し(S287)、S287における実行の結果を画像形成装置20に通知する(S288)。
【0227】
以上においては、画像形成装置20が認証認可システム50から送信されてきたチケットを使用して文書処理フロー実行システム40を利用する場合について説明したが、画像形成装置20が認証認可システム50から送信されてきたチケットを使用して認証認可システム50を利用する場合についても同様である。
【0228】
以上に説明したように、設定システム70は、画像形成装置からレイアウトが要求された場合に(S188またはS268)、この画像形成装置にログインしている利用者に関連付けられたレイアウトを画像形成装置に送信する(S189~S190またはS269~S270)ので、画像形成装置によって表示される操作画面を画像形成装置の管理者が画像形成装置毎に画像形成装置上で確認しなくても設定システム70上で確認することができ、その結果、管理者によって多数の画像形成装置が管理されている場合であっても、適切ではない操作画面を表示する画像形成装置が存在する可能性を低減することができる。
【0229】
設定システム70は、画像形成装置からレイアウトが要求された場合に(S188またはS268)、この画像形成装置にログインしている利用者にユーザーレイアウトおよびグループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられているユーザーレイアウトおよびグループレイアウトのうち優先順位が高いレイアウトを画像形成装置に送信する(S211~S226および「S190またはS270」)ので、適切ではない操作画面を表示する画像形成装置が存在する可能性を低減することができる。
【0230】
設定システム70は、画像形成装置からレイアウトが要求された場合に(S188またはS268)、この画像形成装置にログインしている利用者に関連付けられているレイアウトと、デバイスレイアウトとのうち優先順位が高いレイアウトを画像形成装置に送信する(「S202およびS211~S226」および「S190またはS270」)ので、適切ではない操作画面を表示する画像形成装置が存在する可能性を低減することができる。
【0231】
情報処理システム10は、画像形成装置から設定システム70にレイアウトが要求された場合に(S188またはS268)、この画像形成装置にログインしている利用者にユーザーレイアウトおよびグループレイアウトの両方が関連付けられているとき、この利用者に関連付けられているユーザーレイアウトおよびグループレイアウトを設定システム70が画像形成装置に送信し(S204~S210および「S190またはS270」)、設定システム70から画像形成装置に送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを画像形成装置が利用者に選択させ(S192またはS272)、利用者によって選択されたレイアウトに応じた操作画面を画像形成装置が表示する(S193またはS273)ので、適切ではない操作画面を表示する画像形成装置が存在する可能性を低減することができる。
【0232】
情報処理システム10は、画像形成装置から設定システム70にレイアウトが要求された場合に(S188またはS268)、この画像形成装置に関連付けられているデバイスレイアウトと、この画像形成装置にログインしている利用者に関連付けられているレイアウトとを設定システム70が画像形成装置に送信し(S203~S210および「S190またはS270」)、設定システム70から画像形成装置に送信されてきた複数のレイアウトから1つのレイアウトを画像形成装置が利用者に選択させ(S192またはS272)、利用者によって選択されたレイアウトに応じた操作画面を画像形成装置が表示する(S193またはS273)ので、適切ではない操作画面を表示する画像形成装置が存在する可能性を低減することができる。
【0233】
設定システム70は、設定システム70にレイアウトを要求するクライアントアプリケーションプログラムを、予約されたタイミングで画像形成装置にインストールする(S144でYESおよびS147)ので、クライアントアプリケーションプログラムの画像形成装置へのインストールの状況を画像形成装置の管理者が管理する負担を低減することができる。
【0234】
設定システム70は、クライアントアプリケーションプログラムがインストールされていないか、予約の対象のクライアントアプリケーションプログラムより古いバージョンのクライアントアプリケーションプログラムがインストールされている画像形成装置にのみ、予約の対象のクライアントアプリケーションプログラムをインストールする(S145~S147)ので、不要なインストールによるダウンタイムが画像形成装置に発生する可能性を低減することができる。
【0235】
本発明の電子機器は、本実施の形態において画像形成装置であるが、例えばPCなど、画像形成装置以外の電子機器でも良い。
【符号の説明】
【0236】
10 情報処理システム
20 画像形成装置(電子機器)
27a クライアントアプリケーションプログラム(設定システムにレイアウトを要求するためのプログラム)
70 設定システム
74a 設定プログラム
74c クライアントアプリケーションプログラム(設定システムにレイアウトを要求するためのプログラム)
74d レイアウト
80 操作画面