(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】車両用冷却装置
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20241211BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20241211BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60K11/06
B62D25/20 G
(21)【出願番号】P 2020218223
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】水鳥 将希
(72)【発明者】
【氏名】渡部 綱一郎
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-060733(JP,A)
【文献】特開2020-194730(JP,A)
【文献】特開2011-134615(JP,A)
【文献】特開2001-105894(JP,A)
【文献】特開2011-020552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0298586(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012018907(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B60K 11/06
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される電気機器を冷却可能とするように構成される車両用冷却装置であって、
前記電気機器を冷却するように送られる空気の供給源となるブロワと、
前記ブロワからの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有し、かつ水平方向に沿って配置される第1ダクトと、
前記第1ダクトから送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクトを備え、
前記ブロワ並びに前記第1及び第2ダクトを載置した載置部と
を備え、
前記第1ダクトが、前記ブロワに接続される上流端部と、平面視にて前記上流端部に対して前記第1ダクトを流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部と、平面視にてこの空気の流れ方向にて前記上流及び下流端部間に位置する中間部とを有し、
前記第2ダクトが、前記第1ダクトの下流端部に接続される交差接続部を有し、
前記交差接続部が、前記第1ダクトの下流端部から前記交差接続部に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように前記下流端部と間隔を空けて配置される突き当り壁を有し、
前記交差接続部が、平面視にて、前記中間部から前記下流端部に流入する空気の流れ方向にて前記突き当り壁に対して前記中間部とは反対側に位置し、かつ前記載置部に接合される接合部を有し、
前記第1ダクトの下流端部の底壁が、上下方向にて前記載置部に当接している、車両用冷却装置。
【請求項2】
車両に搭載される電気機器を冷却可能とするように構成される車両用冷却装置であって、
前記電気機器を冷却するように送られる空気の供給源となるブロワと、
前記ブロワからの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有し、かつ水平方向に沿って配置される第1ダクトと、
前記第1ダクトから送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクトを備え、
前記ブロワ並びに前記第1及び第2ダクトを載置した載置部と
を備え、
前記第1ダクトが、前記ブロワに接続される上流端部と、平面視にて前記上流端部に対して前記第1ダクトを流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部と、平面視にてこの空気の流れ方向にて前記上流及び下流端部間に位置する中間部とを有し、
前記第2ダクトが、前記第1ダクトの下流端部に接続される交差接続部を有し、
前記交差接続部が、前記第1ダクトの下流端部から前記交差接続部に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように前記下流端部と間隔を空けて配置される突き当り壁を有し、
前記交差接続部が、平面視にて、前記中間部から前記下流端部に流入する空気の流れ方向にて前記突き当り壁に対して前記中間部とは反対側に位置し、かつ前記載置部に接合される接合部を有し、
前記第1ダクトの接合部が、前記第1ダクトの下流端部と一体となって、かつ前記第1ダクトの下流端部の底壁から突出するように形成されている、車両用冷却装置。
【請求項3】
前記第1ダクトの接合部が、前記第1ダクトの下流端部と一体となって、かつ前記第1ダクトの下流端部の底壁から突出するように形成されている、請求項1に記載の車両用冷却装置。
【請求項4】
前記第2ダク
トが、前記第1ダクトの下流端部にて屈曲した空気を前記第2ダク
トに流入させるように前記第1ダクトの下流端部に接続される上流端部を有し、
前記第2ダク
トの上流端部が、上下方向にて前記載置部と間隔を空けるように配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
【請求項5】
前記第2ダク
トの内部空間の横断面が、前記第1ダクトの内部空間の横断面よりも小さくなっている、請求項4に記載の車両用冷却装置。
【請求項6】
前記第1ダクトの中間部が、その流れ方向の下流側に位置し、かつ前記下流端部に連結される中間下流区域を有し、
前記中間下流区域の頂上壁及び底壁の少なくとも一方が、前記突き当り壁と垂直に交差する仮想平面に対して傾斜している、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
【請求項7】
前記中間下流区域の頂上壁及び底壁の両方が、前記仮想平面に対して同じ角度で傾斜している、請求項6に記載の車両用冷却装置。
【請求項8】
前記第1ダクトの下流端部が、前記突き当り壁に対して上方に隣接する上側傾斜壁を有し、
前記上側傾斜壁が、前記突き当り壁と垂直に交差する仮想平面に対して、下方から上方に向かうに従って前記中間部に接近するように傾斜している、請求項1~7のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
【請求項9】
前記第1ダクトの中間部が、その流れ方向の下流側に位置し、かつ前記下流端部に連結される中間下流区域を有し、
前記中間下流区域の頂上壁及び底壁の少なくとも一方が、前記仮想平面に対して、下方から上方に向かうに従って前記中間部に接近するように傾斜しており、
前記仮想平面に対する前記上側傾斜壁の傾斜角度が、前記仮想平面に対する前記中間下流区域の頂上壁及び底壁の少なくとも一方の傾斜角度よりも大きくなっている、請求項8に記載の車両用冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される電気機器を冷却可能とするように構成される車両用冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の車両においては、この車両の電動駆動等のためにバッテリパックが搭載されることがある。典型的に、このバッテリパックは、その内部のバッテリモジュール、制御装置、インバータ等の電気機器を冷却可能とする車両用冷却装置を有しており、車両用冷却装置は、電気機器を冷却するための空気を通すように構成されるダクトを有する。
【0003】
このような車両用冷却装置の一例としては、車室内に内気又は外気を送風するブロアファンと、このブロアファンから送風される送風空気を車室内に送風する第1のダクトと、この第1のダクトから分岐され、かつブロアファンから送風される送風空気を、発熱要素を収納した収納部に送風する第2のダクトと、第1及び第2のダクトの分岐部に設けられ、かつブロアファンから送風される送風空気の送風経路を切り替える送風経路切換手段とを有する車両用発熱要素冷却装置が挙げられる。(例えば、特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記車両用冷却装置の一例において、空気の流れが分岐するとき、空気の流れ方向は、空気がダクトの分岐部の構成要素に当たることによって変えられる。このとき、ダクトの分岐部には振動が発生し易い。このような振動はビビリ音を発生させるおそれがある。さらに、ダクトの振動は、ダクトに流れる空気の流量をバラつかせるおそれがある。
【0006】
このような実情を鑑みると、車両用冷却装置のダクトの振動を低減し、これによって、ビビリ音を低減すること、空気の流量を安定させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために、一態様に係る車両用冷却装置は、車両に搭載される電気機器を冷却可能とするように構成される車両用冷却装置であって、前記電気機器を冷却するように送られる空気の供給源となるブロワと、前記ブロワからの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有し、かつ水平方向に沿って配置される第1ダクトと、前記第1ダクトから送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクトを備え、前記ブロワ並びに前記第1及び第2ダクトを載置した載置部とを備え、前記第1ダクトが、前記ブロワに接続される上流端部と、平面視にて前記上流端部に対して前記第1ダクトを流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部と、平面視にてこの空気の流れ方向にて前記上流及び下流端部間に位置する中間部とを有し、前記第2ダクトが、前記第1ダクトの下流端部に接続される交差接続部を有し、前記交差接続部が、前記第1ダクトの下流端部から前記交差接続部に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように前記下流端部と間隔を空けて配置される突き当り壁を有し、前記交差接続部が、平面視にて、前記中間部から前記下流端部に流入する空気の流れ方向にて前記突き当り壁に対して前記中間部とは反対側に位置し、かつ前記載置部に接合される接合部を有し、前記第1ダクトの下流端部の底壁が、上下方向にて前記載置部に当接している。
別の一態様に係る車両用冷却装置は、車両に搭載される電気機器を冷却可能とするように構成される車両用冷却装置であって、前記電気機器を冷却するように送られる空気の供給源となるブロワと、前記ブロワからの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有し、かつ水平方向に沿って配置される第1ダクトと、前記第1ダクトから送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクトを備え、前記ブロワ並びに前記第1及び第2ダクトを載置した載置部とを備え、前記第1ダクトが、前記ブロワに接続される上流端部と、平面視にて前記上流端部に対して前記第1ダクトを流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部と、平面視にてこの空気の流れ方向にて前記上流及び下流端部間に位置する中間部とを有し、前記第2ダクトが、前記第1ダクトの下流端部に接続される交差接続部を有し、前記交差接続部が、前記第1ダクトの下流端部から前記交差接続部に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように前記下流端部と間隔を空けて配置される突き当り壁を有し、前記交差接続部が、平面視にて、前記中間部から前記下流端部に流入する空気の流れ方向にて前記突き当り壁に対して前記中間部とは反対側に位置し、かつ前記載置部に接合される接合部を有し、前記第1ダクトの接合部が、前記第1ダクトの下流端部と一体となって、かつ前記第1ダクトの下流端部の底壁から突出するように形成されている。
【発明の効果】
【0008】
一態様に係る車両用冷却装置においては、そのダクトの振動を低減することができ、これによって、ビビリ音を低減することができ、空気の流量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る冷却装置を有するバッテリパックを含む車体の底部を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るバッテリパックを車体の左側サイドフレームに取り付けるために用いられる車体取付機構及びその周辺部分を概略的に示す底側斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る車体の底部を、フロアパネルを透明視した状態で概略的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るバッテリパックを、そのアッパーケースを取り外した状態で概略的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係る冷却装置における第1ダクトの接合部及びその周辺部分を概略的に示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態に係る車両用冷却装置について説明する。本実施形態に係る車両用冷却装置(以下、必要に応じて、単に「冷却装置」という)は、車両に設置される。本実施形態に係る冷却装置を設置する車両は、電気自動車となっている。本実施形態に係る冷却装置は、車両に搭載される電気機器を冷却するように構成される。電気機器は、発熱し得るものとなっている。しかしながら、車両は、電気自動車以外の電動車両、ハイブリッド車両、エンジン車両等とすることもできる。
【0011】
本明細書の説明に用いられる
図1~
図9においては、車両を基準とした方向を次のように示す。
図1~
図7及び
図9においては、車両前方及び車両後方を、それぞれ片側矢印F及び片側矢印Bによって示す。
図1~
図5、
図8、及び
図9においては、車両前方を向いた場合の左方及び右方を、それぞれ片側矢印L及び片側矢印Rによって示す。車両幅方向は、片側矢印L及び片側矢印Rによって示される。さらに、
図2及び
図6~
図9においては、車両上方及び車両下方を、それぞれ片側矢印U及び片側矢印Dによって示す。
【0012】
なお、左方及び右方は、それぞれ車両前方を向いた場合の左方及び右方を指すものとする。水平方向は、車両の前後方向及び幅方向に沿った方向を指すものとする。車両上方及び車両下方を、場合によっては、それぞれ単に上方及び下方と呼ぶ。
【0013】
「車両用冷却装置の概略」
図1~
図9を参照して、本実施形態に係る車両用冷却装置11の概略について説明する。すなわち、本実施形態に係る車両用冷却装置11は、概略的には次のように構成される。特に
図1~
図4を参照すると、車両用冷却装置11は、複数の電気機器12a,12bのすべてを冷却可能とするように構成される。車両には、これら複数の電気機器12a,12bから成る電気機器群12が搭載される。しかしながら、冷却装置は、これら複数の電気機器のうち少なくとも1つを冷却可能とするように構成することもできる。
【0014】
図4~
図7に示すように、車両用冷却装置11は、複数の電気機器12a,12bを冷却するように送られる空気の供給源となるブロワ20を有する。
図4~
図8に示すように、冷却装置11は、ブロワ20からの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第1ダクト30を有する。第1ダクト30は、水平方向に沿って配置される。
図4~
図9に示すように、車両用冷却装置11は、ブロワ20及び第1ダクト30を載置した載置部60を有する。
【0015】
特に
図5~
図8に示すように、第1ダクト30は、ブロワ20に接続される上流端部31を有する。第1ダクト30は、平面視にて上流端部31に対して第1ダクト30を流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部32を有する。第1ダクト30は、平面視にて空気の流れ方向にて上流端部31及び下流端部32間に位置する中間部33を有する。
【0016】
特に
図6に示すように、下流端部32は、第1ダクト30の中間部33から下流端部32に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように中間部33と間隔を空けて配置される突き当り壁32aを有する。
図4~
図6及び
図9に示すように、第1ダクト30は、載置部60に接合される接合部34を有する。この接合部34は、平面視にて、第1ダクト30の中間部33から下流端部32に流入する空気の流れ方向にて突き当り壁32aに対して中間部33とは反対側に位置する。
【0017】
さらに、本実施形態に係る車両用冷却装置11は、概略的には次のように構成することができる。特に
図6に示すように、第1ダクト30の下流端部32の底壁32bは、上下方向にて載置部60に当接している。しかしながら、第1ダクトの下流端部の底壁は、上下方向にて載置部と間隔を空けることもできる。
【0018】
図4~
図6及び
図9を参照すると、第1ダクト30の接合部34は、第1ダクト30の下流端部32の底壁32bから突出するように形成される。この接合部34は、第1ダクト30の下流端部32と一体になっている。
【0019】
冷却装置11は、第2ダクト40を含む。第2ダクト40は、第1ダクト30から送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクト本体41を含む。第2ダクト本体41は、第1ダクト30の下流端部32にて屈曲した空気を第2ダクト本体41に流入させるように下流端部32に接続される上流端部41aを有する。第2ダクト本体41の上流端部41aは、上下方向にて載置部60と間隔を空けるように配置される。第2ダクト本体41の内部空間の横断面は、第1ダクト30の内部空間の横断面よりも小さくなっている。
【0020】
特に
図6に示すように、第1ダクト30の中間部33は、その流れ方向の下流側に位置する中間下流区域35を有する。この中間下流区域35は、第1ダクト30の下流端部32に連結される。中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの両方が、突き当り壁32aと略垂直に交差する仮想平面P(
図6にて仮想線により示す)に対して傾斜する。しかしながら、中間下流区域の頂上壁及び底壁の一方のみを、突き当り壁と略垂直に交差する仮想平面に対して傾斜させることもできる。さらに、中間下流区域の頂上壁及び底壁の両方は、仮想平面に対して略平行にすることもできる。
【0021】
第1ダクト30の下流端部32はまた、突き当り壁32aに対して上方に隣接する上側傾斜壁32cを有する。上側傾斜壁32cは、上記仮想平面Pに対して、下方から上方に向かうに従って第1ダクト30の中間部33に接近するように傾斜する。
【0022】
仮想平面Pに対する上側傾斜壁32cの傾斜角度αは、仮想平面Pに対する中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの両方における傾斜角度β,γよりも大きくなっている。しかしながら、仮想平面に対する上側傾斜壁の傾斜角度は、仮想平面に対する中間下流区域の頂上壁及び底壁の一方のみにおける傾斜角度よりも大きくすることもできる。仮想平面に対する上側傾斜壁の傾斜角度は、仮想平面に対する中間下流区域の頂上壁及び底壁の両方における傾斜角度よりも小さくすることもできる。
【0023】
「車両の詳細」
図1~
図4を参照すると、車両は、詳細には次のように構成することができる。
図1~
図4を参照すると、車両には、バテッリパック10が搭載される。
図4に示すように、このバテッリパック10は、それぞれ複数の電気機器12a,12bとして構成される複数のバッテリモジュール12a,12bを有する。言い換えれば、バテッリパック10は、電気機器群12として構成されるバッテリモジュール群12を有する。
【0024】
図1~
図4を参照すると、車両の車体1は、車両の室内のフロア(図示せず)を構成するフロアパネル2を有する。バッテリパック10は、フロアパネル2の下方に配置される。車体1はまた、幅方向に互いに間隔を空けて配置される2つのサイドメンバ3を有する。各サイドメンバ3は細長形状に形成されている。各サイドメンバ3は、前後方向に沿って配置されている。バッテリパック10は、平面視にて、2つのサイドメンバ3の間に位置する。2つのサイドメンバ3は、フロアパネル2の下方に位置する。各サイドメンバ3の上面はフロアパネル2の下面に接合される。
【0025】
図3に示すように、車体1は、2つのサイドメンバ3を連結するように幅方向に延びるクロスメンバ4を有する。クロスメンバ4は、バッテリパック10の上方に位置する。クロスメンバ4はまた、平面視にて、バッテリパック10を横切るように延びる。
図3においては、車体1は、2つのクロスメンバ4を有する。しかしながら、車体は、1つ又は3つ以上のクロスメンバを有することもできる。
【0026】
「バッテリパックの詳細」
図1~
図9を参照すると、バッテリパック10は、詳細には次のように構成することができる。
図4~
図9を参照すると、バッテリパック10は、バッテリモジュール群12に加えて、上記冷却装置11を有する。バッテリパック10は、上記載置部60を有する支持台13を含む。支持台13はまた、載置部60を支持する脚部61を含む。載置部60には、上下方向に貫通する貫通孔60aが形成されている。
【0027】
バッテリパック10は、載置部60上に載置される内部装置14を含む。内部装置14は、冷却装置11の第1ダクト30近傍に位置する。この内部装置14は、複数のバッテリモジュール12a,12bの充電、放電等を制御可能とするバッテリ制御装置14とすることができる。しかしながら、電気機器は、バッテリ制御装置に限定されない。例えば、電気機器は、インバータ等とすることもできる。
【0028】
図4及び
図5に示すように、内部装置14は、載置部60上で、ブロワ20に対して水平方向の特定方向に間隔を空けている。特に、内部装置14は、ブロワ20に対して幅方向に間隔を空けることができる。この場合、特定方向は幅方向となる。内部装置14及びブロワ20は、この特定方向に並ぶ。しかしながら、特定方向は、幅方向以外の水平方向の一つの方向とすることもできる。例えば、特定方向は、前後方向とすることもできる。
【0029】
図4~
図9を参照すると、バッテリパック10は、冷却装置11、バッテリモジュール群12、支持台13、及び内部装置14を収容するバッテリケース15を含む。バッテリケース15は、その上部を形成するアッパーケース15aを有する。バッテリケース15はまた、その下部を形成するロアケース15bを有する。
【0030】
バッテリケース15は、金属を用いて構成することができる。この場合、バッテリケース15のアッパー及びロアケース15a,15bは、金属製の板材料から成るプレス成型品とすることができる。しかしながら、バッテリケースは、樹脂を用いて構成することもできる。この場合、バッテリケースのアッパー及びロアケースの少なくとも一方は、樹脂成型品とすることができる。
【0031】
図1~
図3に示すように、バッテリパック10は、2つのサイドメンバ3に取り付けられるように構成される。バッテリパック10は、それを各サイドメンバ3に取り付けるように構成される複数の取付機構16を有する。言い換えれば、バッテリパック10は、バッテリケース15を車体1に取り付けるように構成される複数の取付機構16を有する。しかしながら、バッテリパックは、それを各サイドメンバに取り付けるように構成される1つの取付機構を有することもできる。
【0032】
「バッテリモジュールの詳細」
図4~
図8を参照すると、バッテリモジュール群12は、詳細には次のように構成することができる。
図4~
図8を参照すると、バッテリモジュール群12の各バッテリモジュール12a,12bは、車両の駆動電力に用いる電力を充電及び放電可能とするように構成される。複数のバッテリモジュール12a,12bは、水平方向にて互いに間隔を空けて配置されている。
【0033】
このバッテリモジュール群(電気機器群)12は、支持台13の載置部60に対して下方に配置されるの複数の第1バッテリモジュール(第1電気機器)12aを有する。しかしながら、バッテリモジュール群は、1つの第1バッテリモジュールのみを有することもできる。
【0034】
図4に示すように、バッテリモジュール群(電気機器群)12はまた、支持台13の載置部60に対して水平方向にズレて配置される少なくとも1つの複数の第2バッテリモジュール(第2電気機器)12bを有する。複数の第2バッテリモジュール12bは、支持台13の載置部60に対して、水平方向のうち上記特定方向に略直交する方向にズレて配置することができる。
【0035】
特に、複数の第2バッテリモジュール12bは、支持台13の載置部60に対して前後方向にズレて配置することができる。さらに、複数の第2バッテリモジュール12bは、支持台13の載置部60に対して前方にズレて配置することができる。しかしながら、バッテリモジュール群は、1つの第2バッテリモジュールのみを有することもできる。1つ又は複数の第2バッテリモジュールは、支持台の載置部に対して幅方向にズレて配置することもできる。
【0036】
「バッテリ冷却装置の詳細」
図4~
図8を参照すると、冷却装置11は、詳細には次のように構成することができる。特に
図6に示すように、冷却装置11のブロワ20は、その底面20aを載置部60に直接的に当接させた状態で載置部60に固定される。しかしながら、ブロワは、その底面を載置部上の台と当接させた状態でこの台に固定することができる。
【0037】
図4~
図8に示すように、冷却装置11のブロワ20は、ブロワ本体21を有する。ブロワ20はまた、第1ダクト30の上流端部31に接続されるブロワ側接続部22を有する。ブロワ本体21は、ブロワ20の駆動源23を有する。ブロワ20の駆動源23は、ブロワ本体21からブロワ側接続部22に向かって風を送ることができるように旋回可能に構成されるファン23とすることができる。
【0038】
特に
図5に示すように、駆動源23の旋回中心は、ブロワ本体21の水平方向の中心21aと略一致させることができる。駆動源23の旋回によって、ブロワ本体21内にて旋回中心周りに渦巻状の空気の流れを発生させることができる。このような渦巻状の空気が、ブロワ20のブロワ側接続部22から排出される。
【0039】
駆動源23の旋回方向は、平面視における時計回りの方向となっており、この場合、渦巻状の空気の流れは、平面視における時計回りとなる。しかしながら、駆動源の旋回方向は、平面視における反時計回りの方向とすることもでき、この場合、渦巻状の空気の流れは、平面視における反時計回りとなり、かつブロワに対する電気機器の特定方向の位置は、時計回りの場合とは反対側になる。
【0040】
ブロワ20のブロワ側接続部22は、ブロワ本体21内にて発生する渦巻状の空気の流れ方向に対応する方向に延びる。ブロワ側接続部22の延伸方向に延びる延伸軸線20bは、ブロワ本体21の中心21aを通ると共に特定方向に延びる基準軸線20cに対して、時計回りに所定の傾斜角度θ傾いている。この傾斜角度θは鋭角とすることができる。しかしながら、傾斜角度は、これに限定されない。
【0041】
ブロワ側接続部22は、ブロワ本体21の中心21aに対して内部装置14寄りに配置される。さらに、ブロワ側接続部22は、ブロワ20及び内部装置14間の空間に配置することができる。ブロワ側接続部22は、ブロワ本体21から第1ダクト30の上流端部31に向かうに従って内部装置14に接近するように傾斜しながら延びている。
【0042】
第1ダクト30の上流端部31の全体は、平面視にて、特定方向に略直交する方向にてブロワ20及び内部装置14とオーバーラップするように配置される。さらに、第1ダクト30の上流端部31の全体の全体は、平面視にて、車両前後方向にてブロワ20及び内部装置14とオーバーラップするように配置することができる。
【0043】
第1ダクト30の上流端部31は、ブロワ20のブロワ側接続部22と実質的に同方向に延びる。第1ダクト30の上流端部31は、ブロワ側接続部22から第1ダクト30の中間部33に向かうに従って内部装置14に接近するように傾斜しながら延びる。第1ダクト30における上流端部31の延伸方向の長さは、ブロワ側接続部22の延伸方向の長さよりも長くなっている。特に
図6に示すように、第1ダクト30の上流端部31の頂上壁31a及び底壁31bは、仮想平面Pに対して略平行にすることができる。
【0044】
特に
図5に示すように、第1ダクト30の中間部33は、特定方向に略直交する方向に沿って配置される。中間部33は、車両前後方向に沿って配置することができる。第1ダクト30の中間部33は、ブロワ20及び内部装置14間の空間を通過する。特定方向において、中間部33及び内部装置14間の距離は、中間部33及びブロワ本体21間の距離以下とすることができる。
【0045】
特に
図6に示すように、第1ダクト30の中間部33は、その流れ方向の上流側に位置する中間上流区域36を有する。中間上流区域36の頂上壁36a及び底壁36bは、仮想平面Pに対して略平行にすることができる。中間上流区域36の底壁36bには、上下方向に貫通する貫通孔36cが形成されている。この貫通孔36cは、載置部60の貫通孔60aと対応するように形成されている。中間部33の中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bは、互いに対して略平行にすることができる。
【0046】
第1ダクト30の下流端部32の突き当り壁32aは、上下方向に沿って立ち上がっている。下流端部32の底壁32bは、載置部60に沿って形成される。下流端部32の底壁32bは、上下方向にて、ブロワ20の底面20aと略一致するように配置される。しかしながら、下流端部の底壁は、ブロワの底面よりも下方に配置することもできる。下流端部の底壁は、ブロワの底面よりも上方に配置することもできる。
【0047】
特に
図5に示すように、突き当り壁32aは、平面視にて上記特定方向に延びる。特に、突き当り壁32aは、平面視にて幅方向に延びることができる。下流端部32の上側傾斜壁32cは、平面視にて上記特定方向に延びる。特に、上側傾斜壁32cは、平面視にて幅方向に延びることができる。
【0048】
図4~
図6及び
図9に示すように、接合部34は、平面視にて第1ダクト30の中間部33と実質的に同方向に突出する。接合部34は、載置部60に沿って形成される。第1ダクト30の接合部34は、ボルト及びナット等の締結手段を用いた締結によって載置部60に接合されている。しかしながら、第1ダクトの接合部と載置部との接合は、締結に限定されない。例えば、第1ダクトの接合部と載置部との接合は、溶接等とすることもできる。
【0049】
特に
図4及び
図5に示すように、第2ダクト40は、2つの第2ダクト本体41を有する。2つの第2ダクト本体41の一方における上流端部41aは、第1ダクト30における下流端部32の特定方向の一方端に接続される。2つの第2ダクト本体41の他方における上流端部41aは、第1ダクト30における下流端部32の特定方向の他方端に接続される。
【0050】
しかしながら、第2ダクトは、1つ又は3つ以上の第2ダクト本体を有することもできる。第2ダクトが、1つの第2ダクト本体を有する場合、この第2ダクト本体における上流端部を第1ダクトにおける下流端部の特定方向の一方端に接続でき、かつ第1ダクトにおける下流端部の特定方向の他方端を塞ぐことができる。第2ダクトが、3つ以上の第2ダクト本体を有する場合、1つ以上の第2ダクト本体における上流端部を第1ダクトにおける下流端部の特定方向の一方端に接続でき、かつ2つ以上の第2ダクト本体における上流端部を第1ダクトにおける下流端部の特定方向の他方端に接続できる。
【0051】
図6に示すように、各第2ダクト本体41は特定方向に延びる。各第2ダクト本体41は、第1ダクト30の下流端部32の上側傾斜壁32cと実質的に同様に傾斜する上側傾斜壁41bを有する。各第2ダクト本体41の上側傾斜壁41bは、第1ダクト30の下流端部32の上側傾斜壁32cと実質的に同様に特定方向に延びる。各第2ダクト本体41における底壁41cは、上下方向にて、第1ダクト30における下流端部32の突き当り壁32aの上端に対応するように配置される。
【0052】
特に
図4及び
図5に示すように、特定方向における第1ダクト30の中間部33及び内部装置14間の距離は、特定方向に略直交する方向における第2ダクト40の第2ダクト本体41及び内部装置14間の距離よりも小さくなっている。
図7に示すように、第1ダクト30の上端及び第2ダクト本体41の上端は、内部装置14の上端よりも上方に位置する。
【0053】
冷却装置11は、それぞれ2つの第2ダクト本体41を通る空気を複数の第2バッテリモジュール12bに送ることができるように構成される2つの分配ダクト50を有する。2つの分配ダクト50は、それぞれ2つの第2ダクト本体41に接続される。このような冷却装置11においては、ブロワ20から第1ダクト30に送られる空気は、第1ダクト30における中間上流区域36の底壁36bの貫通孔36c及び載置台60の貫通孔60aを通って第1バッテリモジュール12aに送られる部分と、第2ダクト40を通って第2バッテリモジュール12bに送られる部分とに分配される。
【0054】
このような第1ダクト30、第2ダクト40の第2ダクト本体41、及び分配ダクト50のそれぞれは、樹脂を用いて構成されている。この場合、第1ダクト30、第2ダクト40の第2ダクト本体41、及び分配ダクト50のそれぞれは、樹脂成型品とすることができる。しかしながら、第1ダクト、第2ダクトの第2ダクト本体、及び分配ダクトの少なくとも1つは、金属を用いて構成することもできる。この場合、第1ダクト、第2ダクトの第2ダクト本体、及び分配ダクトの少なくとも1つは、金属製の板材料から成るプレス成型品とすることができる。
【0055】
以上、本実施形態に係る車両用冷却装置11は、車両に搭載される電気機器12a,12bを冷却可能とするように構成される車両用冷却装置11であって、前記電気機器12a,12bを冷却するように送られる空気の供給源となるブロワ20と、前記ブロワ20からの空気を通過可能とするように形成される内部空間を有し、かつ水平方向に沿って配置される第1ダクト30と、前記ブロワ20及び前記第1ダクト30を載置した載置部60とを備え、前記第1ダクト30が、前記ブロワ20に接続される上流端部31と、平面視にて前記上流端部31に対して前記第1ダクト30を流れる空気の流れ方向の反対側に位置する下流端部32と、平面視にてこの空気の流れ方向にて前記上流及び下流端部31,32間に位置する中間部33とを有し、前記下流端部32が、前記中間部33から前記下流端部32に流入する空気を受けると共にこの空気の流れを水平方向にて屈曲させるように前記中間部33と間隔を空けて配置される突き当り壁32aを有し、前記第1ダクト30が、平面視にて、前記中間部33から前記下流端部32に流入する空気の流れ方向にて前記突き当り壁32aに対して前記中間部33とは反対側に位置し、かつ前記載置部60に接合される接合部34を有している。
【0056】
このような冷却装置11においては、ブロワ20からの空気が、この空気の流れを水平方向にて屈曲させるように第1ダクト30の下流端部32の突き当り壁32aに当たるので、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分には振動が発生し易くなるおそれがある。これに対して、第1ダクト30の下流端部32が、突き当り壁32aに対して第1ダクト30の中間部33とは反対側に位置する接合部34によって載置部60に接合されており、かつこの載置部60は、ブロワ20にも接合されている。
【0057】
そのため、第1ダクト30の下流端部32は、ブロワ20を載置可能とするように大型かつ高剛性である載置部60に強固かつ安定的に固体されるので、第1ダクト30の下流端部32の剛性を高めることができる。よって、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分の振動を低減することができる。すなわち、冷却装置11のダクト30,40の振動を低減することができる。その結果、ビビリ音を低減することができ、かつ空気の流量を安定させることができる。
【0058】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第1ダクト30の下流端部32の底壁32bが、上下方向にて前記載置部に当接している。このような冷却装置11によれば、第1ダクト30の下流端部32の底壁32bが、ブロワ20を載置可能とするように大型かつ高剛性である載置部60に強固かつ安定的に押さえられるので、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分の振動を低減することができる。
【0059】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第1ダクト30の接合部34が、前記第1ダクト30の下流端部32と一体となって、かつ前記第1ダクト30の下流端部32の底壁32bから突出するように形成されている。
【0060】
このような冷却装置11によれば、第1ダクト30の下流端部32と一体である接合部34は、その剛性を高めることができ、かつ第1ダクト30の下流端部32の底壁32bから突出する接合部34を、載置部60によって安定的に支持することができる。よって、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分の振動を低減することができる。
【0061】
本実施形態に係る冷却装置11は、前記第1ダクト30から送られる空気を通過可能とするように形成される内部空間を有する第2ダクト本体41を含む第2ダクト40を備え、前記第2ダクト本体41が、前記第1ダクト30の下流端部32にて屈曲した空気を前記第2ダクト本体41に流入させるように前記第1ダクト30の下流端部32に接続される上流端部41aを有し、前記第2ダクト本体41の上流端部41aが、上下方向にて前記載置部60と間隔を空けるように配置されている。
【0062】
このような冷却装置11においては、第2ダクト本体41の上流端部41aの振動は、上述のように剛性を高めた第1ダクト30の下流端部32の振動よりも大きくなり易い。これに対して、第2ダクト本体41の上流端部41aが上下方向にて載置部60と間隔を空けるので、第2ダクト本体41の上流端部41a及び載置部60間にて発生するビビリ音を低減できる。
【0063】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第2ダクト本体41の内部空間の横断面が、前記第1ダクト30の内部空間の横断面よりも小さくなっている。このような冷却装置11によれば、第2ダクト本体41は第1ダクト30よりもブロワ20から離れているので、第2ダクト本体41の空気の流速は第1ダクト30の空気の流速よりも低くなり易く、その結果、第2ダクト本体41の空気の流量は第1ダクト30の空気の流量よりも減少し易い。これに対して、第2ダクト本体41の内部空間の横断面が第1ダクト30の内部空間の横断面よりも小さくなっているので、第1及び第2ダクト30,40間における空気の流量のバラツキを低減することができる。よって、空気の流量を安定させることができる。
【0064】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第1ダクト30の中間部33が、その流れ方向の下流側に位置し、かつ前記下流端部32に連結される中間下流区域35を有し、前記中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの少なくとも一方が、前記突き当り壁32aと略垂直に交差する仮想平面Pに対して傾斜している。また、本実施形態に係る冷却装置11においては、前記中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの両方が、前記仮想平面Pに対して実質的に同じ角度で傾斜している。
【0065】
このような冷却装置11によれば、ブロワ20からの空気が、第1ダクト30の中間部33の中間下流区域35を通って下流端部32に送られるときに、この空気は、突き当り壁32aに対して略垂直な垂直方向から傾いた傾斜方向にて突き当り壁32aに当たることとなる。このように傾斜方向にて空気を受けた突き当り壁32aにて生じる振動は、垂直方向にて空気を受けた突き当り壁32aにて生じる振動よりも低減することができる。
【0066】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第1ダクト30の下流端部32が、前記突き当り壁32aに対して上方に隣接する上側傾斜壁32cを有し、前記上側傾斜壁32cが、前記突き当り壁32aと略垂直に交差する仮想平面Pに対して、下方から上方に向かうに従って前記中間部33に接近するように傾斜している。
【0067】
このような冷却装置11によれば、空気が突き当り壁32aに対して略垂直な垂直方向から傾いた傾斜方向で上側傾斜壁32cに当たった後、この空気は、勢いを和らげられた状態で突き当り壁32aに当たるか、又はこの空気は、突き当り壁32aに送られずにその流れを水平方向にて屈曲させられることとなる。そのため、空気から加えられる力を上側傾斜壁32c及び突き当り壁32aに分散することができて、その結果、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分の振動を低減することができる。
【0068】
本実施形態に係る冷却装置11においては、前記第1ダクト30の中間部33が、その流れ方向の下流側に位置し、かつ前記下流端部32に連結される中間下流区域35を有し、前記中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの少なくとも一方が、前記仮想平面Pに対して、下方から上方に向かうに従って前記中間部33に接近するように傾斜しており、前記仮想平面Pに対する前記上側傾斜壁32cの傾斜角度αが、前記仮想平面Pに対する前記中間下流区域35の頂上壁35a及び底壁35bの少なくとも一方の傾斜角度β,γよりも大きくなっている。
【0069】
このような冷却装置11によれば、第1ダクト30の中間下流区域35を通った空気は、その勢いを和らげられた状態で上側傾斜壁32cに当たるので、空気を受けた上側傾斜壁32cにて生じる振動を低減することができる。また、空気の流れを、中間下流区域35及び上側傾斜壁32cによって段階的に変えるので、空気から上側傾斜壁32c及び突き当り壁32aに加えられる力を効率的に低減することができて、その結果、第1ダクト30の下流端部32及びその周辺部分の振動を低減することができる。
【0070】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
11…冷却装置、12a…電気機器、第1電気機器、第1バッテリモジュール、12b…電気機器、第2電気機器、第2バッテリモジュール
20…ブロワ
30…第1ダクト、31…上流端部、32…下流端部、32a…突き当り壁、32b…底壁、32c…上側傾斜壁、33…中間部、34…接合部、35…中間下流区域、35a…頂上壁、35b…底壁
40…第2ダクト、41…第2ダクト本体、41a…上流端部
60…載置部
P…仮想平面
α,β,γ…傾斜角度