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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G08G1/16 E
G08G1/16 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022021777
(22)【出願日】2022-02-16
(65)【公開番号】P2023119112
(43)【公開日】2023-08-28
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 崇弘
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-114274(JP,A)
【文献】国際公開第2019/167247(WO,A1)
【文献】特開2021-056603(JP,A)
【文献】特開2021-189654(JP,A)
【文献】特開2021-060676(JP,A)
【文献】特開2009-070254(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0005646(US,A1)
【文献】特開2021-033505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両の前方を走行する第2車両が前記第1車両に対して煽り運転を行っているかを判定する判定装置であって、
前記第1車両及び前記第2車両が所定の接近状態にあるか否かを判定する接近状態判定部と、
前記第2車両の前方を走行する第3車両が存在するか否かを判定する第3車両判定部と、
前記接近状態判定部が前記接近状態にあると判定する第1条件及び、前記第3車両判定部が前記第3車両を存在しないと判定する第2条件の少なくとも一方の条件が成立しない場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1条件及び前記第2条件が成立する場合に、前記煽り運転が行われていると判定する煽り運転判定部と、を備え、
前記煽り運転判定部は、
前記第1条件及び前記第2条件が成立し、且つ、前記第1車両及び前記第2車両の走行中の道路に設定されている最低速度を取得した場合において、前記第1車両又は前記第2車両の車速が前記最低速度以上の場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1車両又は前記第2車両の車速が前記最低速度よりも低下した場合に、前記煽り運転が行われていると判定する
判定装置。
【請求項2】
第1車両の前方を走行する第2車両が前記第1車両に対して煽り運転を行っているかを判定する判定装置であって、
前記第1車両及び前記第2車両が所定の接近状態にあるか否かを判定する接近状態判定部と、
前記第2車両の前方を走行する第3車両が存在するか否かを判定する第3車両判定部と、
前記接近状態判定部が前記接近状態にあると判定する第1条件及び、前記第3車両判定部が前記第3車両を存在しないと判定する第2条件の少なくとも一方の条件が成立しない場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1条件及び前記第2条件が成立する場合に、前記煽り運転が行われていると判定する煽り運転判定部と、を備え、
前記煽り運転判定部は、
前記第1条件及び前記第2条件が成立した後、前記第1車両又は前記第2車両の少なくとも一方が互いの接近度合いが高い状態で停車した場合において、停車した場所が駐停車禁止区間以外の場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、停車した場所が駐停車禁止区間の場合に、前記煽り運転が行われていると判定する
判定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の判定装置であって、
前記接近状態判定部は、
前記第1車両と前記第2車両との車間距離が所定の閾値距離以下となる時間が所定の第1閾値時間以上継続した場合、又は、前記車間距離が前記閾値距離以下となる回数が所定の第2閾値時間内に所定の閾値回数に達した場合に、前記接近状態にあると判定する
判定装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の判定装置であって、
前記接近状態判定部は、
前記第2車両の減速回数が所定時間内に所定回数に達した場合に、前記接近状態にあると判定する
判定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の判定装置であって、
前記接近状態判定部は、
前記第2車両のブレーキランプの点滅回数を取得するとともに、取得した前記点滅回数を前記第2車両の減速回数とする
判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定装置、判定方法及び、プログラムに関し、車両の煽り運転の判定に好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、自車両に対して他車両が煽り運転を行っているかを判定する装置が開示されている。特許文献1記載の装置では、自車両と他車両との車間距離が所定距離以下となった継続時間や回数等に基づいて、自車両に対する他車両の煽り運転を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-201753号公報
【発明の概要】
【0004】
自車両と他車両との車間距離は、自車両及び他車両が走行中の道路の状況等によっては、他車両のドライバが煽り運転を意図していなくても縮まる場合がある。このため、特許文献1記載の装置のように、煽り運転であるか否かを、単に自車両と他車両との車間距離に基づいて判定すると、実際には他車両が煽り運転を行っていない場合であっても、煽り運転であると誤判定してしまう可能性があり、判定精度に改善の余地があるといえる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本開示の目的の一つは、煽り運転の判定精度を効果的に向上することにある。
【0006】
本開示の装置は、
第1車両(V1)の前方を走行する第2車両(V2)が前記第1車両(V1)に対して煽り運転を行っているかを判定する判定装置(1)であって、
前記第1車両(V1)及び前記第2車両(V2)が所定の接近状態にあるか否かを判定する接近状態判定部(12)と、
前記第2車両(V2)の前方を走行する第3車両(V3)が存在するか否かを判定する第3車両判定部(11)と、
前記接近状態判定部(12)が前記接近状態にあると判定する第1条件及び、前記第3車両取得部(11)が前記第3車両(V3)を存在しないと判定する第2条件の少なくとも一方の条件が成立しない場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1条件及び前記第2条件が成立する場合に、前記煽り運転が行われていると判定する煽り運転判定部(16)と、を備える。
【0007】
本開示の方法は、
第1車両(V1)の前方を走行する第2車両(V2)が前記第1車両(V1)に対して煽り運転を行っているかを判定する判定方法であって、
前記第1車両(V1)及び前記第2車両(V2)が所定の接近状態にあるか否かを判定し、
前記第2車両(V2)の前方を走行する第3車両(V3)が存在するか否かを判定し、
前記接近状態にあると判定する第1条件及び、前記第3車両(V3)を存在しないと判定する第2条件の少なくとも一方の条件が成立しない場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1条件及び前記第2条件が成立する場合に、前記煽り運転が行われていると判定する。
【0008】
本開示のプログラムは、
第1車両(V1)の前方を走行する第2車両(V2)が前記第1車両(V1)に対して煽り運転を行っているかを判定する判定装置(1)のコンピュータ(10)に、
前記第1車両(V1)及び前記第2車両(V2)が所定の接近状態にあるか否かを判定し、
前記第2車両(V2)の前方を走行する第3車両(V3)が存在するか否かを判定し、
前記接近状態にあると判定する第1条件及び、前記第3車両(V3)を存在しないと判定する第2条件の少なくとも一方の条件が成立しない場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1条件及び前記第2条件が成立する場合に、前記煽り運転が行われていると判定する処理を実行させる。
【0009】
以上の構成によれば、第1車両(V1)及び第2車両(V2)の接近状態のみならず、第2車両(V2)の前方を走行する第3車両(V3)の存在を考慮して煽り運転が行われているかを判定することで、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を効果的に向上することができる。
【0010】
本開示の他の態様において、
前記接近状態判定部(12)は、
前記車間距離(D)が所定の閾値距離(D1)以下となる時間が所定の第1閾値時間(T1)以上継続した場合、又は、前記車間距離(D)が前記閾値距離(D1)以下となる回数が所定の第2閾値時間(T2)内に所定の閾値回数(N1)に達した場合に、前記接近状態にあると判定する。
【0011】
本態様によれば、第1車両(V1)及び第2車両(V2)が接近状態にあることを効果的に判定することができる。
【0012】
本開示の他の態様において、
前記接近状態判定部(12)は、
前記第2車両(V2)の減速回数(Nb)が所定時間(T3)内に所定回数(Nb1)に達した場合に、前記接近状態にあると判定する。
【0013】
本態様によれば、第2車両(V2)の減速頻度を考慮して煽り運転が行われているかを判定することで、車間距離(D)のみに基づく判定手法では検知できない煽り運転を効果的に検知できるようになり、判定精度を確実に向上することができる。
【0014】
本開示の他の態様において、
前記接近状態判定部(12)は、
前記第2車両(V2)のブレーキランプの点滅回数を取得するとともに、取得した前記点滅回数を前記第2車両(V2)の減速回数(Nb)とする。
【0015】
本態様によれば、第2車両(V2)のブレーキランプの点滅回数を取得することで、第2車両(V2)の減速回数(Nb)を正確に把握することが可能になる。
【0016】
本開示の他の態様において、
前記煽り運転判定部(16)は、
前記第1条件及び前記第2条件が成立し、且つ、前記第1車両(V1)及び前記第2車両(V2)の走行中の道路に設定されている最低速度を取得した場合において、前記第1車両(V1)又は前記第2車両(V2)の車速(v)が前記最低速度以上の場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、前記第1車両(V1)又は前記第2車両(V2)の車速(v)が前記最低速度よりも低下した場合に、前記煽り運転が行われていると判定する。
【0017】
本態様によれば、第3車両(V3)が存在しない状態で、第1車両(V1)及び第2車両(V2)が接近状態となり、且つ、第1車両(V1)又は第2車両(V2)の車速(v)が最低速度よりも低下した場合に、煽り運転が行われていると判定する。これにより、第2車両(V2)が第1車両(V1)の走行を意図的に妨害している状況を的確に検知することができ、煽り運転の判定精度を確実に向上することが可能になる。
【0018】
本開示の他の態様において、
前記煽り運転判定部(16)は、
前記第1条件及び前記第2条件が成立した後、前記第1車両(V1)又は前記第2車両(V2)の少なくとも一方が互いの接近度合いが高い状態で停車した場合において、停車した場所が駐停車禁止区間以外の場合は、前記煽り運転が行われていると判定せず、停車した場所が駐停車禁止区間の場合に、前記煽り運転が行われていると判定する。
【0019】
本態様によれば、第3車両(V3)が存在しない状態で、第1車両(V1)及び第2車両(V2)が接近し、且つ、第1車両(V1)又は第2車両(V2)の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車した場合に、煽り運転が行われていると判定する。これにより、第2車両(V2)が第1車両(V1)の走行を意図的に妨害し、第1車両(V1)を強制的に停車させる状況を的確に検知することができ、煽り運転の判定精度を確実に向上することが可能になる。
【0020】
本開示の他の装置は、
第1車両(V1)の前方を走行する第2車両(V2)が前記第1車両(V1)に対して煽り運転を行っているかを判定する判定装置(1)であって、
前記第2車両(V2)の減速回数が所定時間内に所定回数に達した場合に、前記第1車両(V1)及び前記第2車両(V2)が所定の接近状態にあると判定する接近状態判定部(12)と、
前記接近状態判定部(12)が前記接近状態にあると判定した場合に、前記煽り運転が行われていると判定する煽り運転判定部(16)と、を備える。
【0021】
本態様によれば、第2車両(V2)の減速頻度に基づいて、煽り運転が行われているかを判定することで、車間距離のみに基づく判定手法では検知できない煽り運転を効果的に検知できるようになり、判定精度を確実に向上することができる。
【0022】
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成条件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成条件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る判定装置の模式的な全体構成図である。
図2】自車両、先行車、先々行車の関係を説明する図である。
図3】本実施形態の煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。
図4】変形例の煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。
図5】変形例の煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。
図6】変形例の煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本実施形態に係る判定装置、判定方法及び、プログラムを説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る判定装置1の模式的な全体構成図である。判定装置1は、車両V1に搭載されている。判定装置1が搭載された車両V1は、他車両と区別するために、以下では「自車両」と称する。
【0026】
図1に示す判定装置1は、自車両V1に対して他車両が煽り運転を行っているかを判定する。本実施形態において、煽り運転とは、自車両1の前方を走行する他車両が、自車両V1の走行を意図的に妨害したり、或は、走行中の自車両V1を強制的に停車させようとしたりする危険な運転をいう。
【0027】
判定装置1は、ECU10を有する。ECU10は、マイクロコンピュータを主要部として備える。なお、ECUは、Electronic Control Unitの略である。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含み、CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
【0028】
ECU10は、自車両V1の前方を走行する他車両が、自車両V1に対して煽り運転を行っているかを判定する煽り運転判定処理を行う中枢となる制御装置である。このため、ECU10には、車両状態取得装置20、周囲認識装置30、ナビゲーションシステム40、HMI(Human Machine Interface)50、ドライブレコーダ60等が通信可能に接続されている。
【0029】
車両状態取得装置20は、自車両V1の状態を取得するセンサ類である。具体的には、車両状態取得装置20は、車速センサ21、アクセルセンサ22、ブレーキセンサ23等を備えている。
【0030】
車速センサ21は、自車両V1の走行速度(車速v)を検出し、検出した車速vをECU10に送信する。車速センサ21は、車輪速センサであってもよい。アクセルセンサ22は、ドライバによる不図示のアクセルペダルの操作量を検出し、検出したアクセル操作量をECU10に送信する。ブレーキセンサ23は、ドライバによる不図示のブレーキペダルの操作量を検出し、検出したブレーキ操作量をECU10に送信する。
【0031】
周囲認識装置30は、自車両V1の周囲の物標に関する物標情報を取得するセンサ類である。具体的には、周囲認識装置30は、カメラ31、レーダセンサ32、超音波センサ33等を備えている。周囲認識装置30によって取得される自車両V1の周囲の物標情報はECU10に送信される。
【0032】
カメラ31は、例えば、自車両V1のフロントウインドシールドガラスの上部に配設されている。カメラ31は、例えば、ステレオカメラや単眼カメラであり、CMOSやCCD等の撮像素子を有するデジタルカメラを用いることができる。カメラ31は、自車両V1の前方を撮像し、撮像した画像データを処理することにより、自車両V1の前方の物標情報を取得する。物標情報は、自車両V1の前方に検知された物標の種類、自車両V1と物標との相対距離、自車両V1と物標との相対速度等を表す情報である。物標の種類は、例えば、パターンマッチング等の機械学習によって認識すればよい。本実施形態において、カメラ31は、物標情報として、特に、自車両V1の前方を走行する先行車、該先行車の前方を走行する先々行車、先行車のブレーキランプの点灯等を取得する。
【0033】
レーダセンサ32は、例えば、自車両V1の前端部に設けられており、自車両V1の前方領域に存在する物標を検知する。レーダセンサ32には、ミリ波レーダ及び、又はライダが含まれる。ミリ波レーダは、ミリ波帯の電波(ミリ波)を放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射されたミリ波(反射波)を受信する。ミリ波レーダは、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及び、ミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、自車両V1と物標との相対距離、自車両V1と物標との相対速度等を取得する。ライダは、ミリ波よりも短波長のパルス状のレーザ光を複数の方向に向けて順次走査し、物標により反射される反射光を受光することにより、自車両V1の前方に検知された物標の形状、自車両V1と物標との相対距離、自車両V1と物標との相対速度等を取得する。本実施形態において、レーダセンサ32は、物標情報として、特に、自車両V1の前方を走行する先行車との相対距離(車間距離)を取得する。
【0034】
超音波センサ33は、超音波をパルス状に自車両V1の周囲の所定の範囲に送信し、立体物によって反射された反射波を受信する。超音波センサ33は、超音波の送信から受信までの時間に基づいて、送信した超音波が反射された立体物上の点である反射点及び、超音波センサ33との距離等を表す物標情報を取得する。本実施形態において、超音波センサ33は、物標情報として、特に、自車両V1の前方を走行する先行車との相対距離(車間距離)を取得する。
【0035】
ナビゲーションシステム40は、GPS(Global Position System)受信装置41を有する。GPS受信装置41は、複数の人工衛星からGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づいて、自車両V1の現在位置(緯度及び経度)を取得する。GPS受信装置41は、取得した自車両V1の現在位置をECU10に送信する。また、ナビゲーションシステム40は、VICS(Vehicle Information and Communication System(登録商標))から送信される道路の渋滞情報、工事や事故に伴う道路の規制情報等を取得するVICS受信装置42を備えている。また、ナビゲーションシステム40は、地図データベース43を記憶している。地図データベース43は、高精度の地図情報を記憶するデータベースである。地図情報には、道路の位置情報および道路の種類(例えば、一般道路、高速道路など)が含まれる。また、地図情報には、道路に設置された標識情報(例えば、駐停車禁止区間、法定速度など)も含まれる。なお、地図データベース43は、自車両V1と通信可能な施設(例えば、管理センタ等)の情報処理装置に設けられてもよい。
【0036】
HMI50は、自車両V1のドライバとECU10との間で情報の入出力を行うためのインターフェースであって、入力装置及び出力装置などを備える。入力装置としては、タッチパネル、スイッチ、音声認識マイク等が挙げられる。出力装置としては、ディスプレイ51、スピーカ52等が挙げられる。ディスプレイ51は、例えば、マルチインフォメーションディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、ナビゲーションシステム40のディスプレイである。スピーカ52は、例えば、音響システムのスピーカ、ナビゲーションシステム40のスピーカである。
【0037】
ドライブレコーダ60は、前方カメラ61及び、メモリ62等を備えている。前方カメラ61は、例えば、自車両V1のフロントガラス(不図示)の車室側に取り付けられており、自車両V1の前方画像を撮像する。なお、前方カメラ61は、周囲認識装置30のカメラ31と共用のカメラであってもよい。メモリ62は、前方カメラ61によって撮像された画像データを記録する。ドライブレコーダ60は、前方カメラ61によって撮像される画像データをメモリ62に逐次格納し、メモリ62の記憶容量に応じて古いものから順に適宜上書き保存する常時記録型、或は、自車両V1に所定のイベントが発生した場合に、イベント発生前後の所定期間に前方カメラ61によって撮像された画像データをメモリ62に記録するイベント記録型、或は、メモリ62の記録領域を常時記録用とイベント記録用に分け、常時記録用の画像の解像度を下げることにより、常時記録型とイベント記録型との両方の特徴を備えるハイブリッド型であってもよい。
【0038】
[煽り運転判定処理]
次に、煽り運転判定処理について説明する。ECU10は、その機能に着目すると、前方車両判定部11、接近状態判定部12、規制情報取得部14、衝突予測判定部15、調停部16を一部の機能要素として有する。これら機能要素は、一体のハードウェアであるECU10に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部をECU10とは別体のECUに設けることもできる。また、ECU10の各機能要素の全部又は一部は、自車両V1と通信可能な施設(例えば、管理センタ等)の情報処理装置に設けることもできる。
【0039】
前方車両判定部11は、周囲認識装置30の検出結果に基づき、自車両V1の前方を走行している先行車が存在するか否かを判定するとともに、先行車が存在すると判定した場合には、該先行車の前方を走行している先々行車が存在するか否かを判定する。ここで、先行車とは、図2に示すように、自車両V1と同じ車線を走行している他車両のうち、自車両V1の直前方を走行している車両V2をいう。また、先々行車とは、自車両V1及び、先行車V2と同じ車線を走行している他車両のうち、先行車V2の直前方を走行している車両V3をいう。先行車V2及び、先々行車V3の存在は、周囲認識装置30のカメラ31やレーダセンサ32等の検出結果に基づき、公知の手法を用いて取得することができる。前方車両判定部11は、先行車V2や先々行車V3が存在するか否かを判定できればよく、自車両V1との相対距離や相対速度までは取得する必要はない。前方車両判定部11による判定結果は、調停部16に送信される。
【0040】
接近状態判定部12は、車間距離判定部12a及び、減速頻度判定部12bを備えており、これら判定部12a,12bの判定結果に基づき、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあるか否かを判定する。
【0041】
車間距離判定部12aは、周囲認識装置30の検出結果に基づき、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短くなる所定の短縮状態にあるか否かを判定する。具体的には、車間距離判定部12aは、周囲認識装置30によって取得される自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる時間が所定の第1閾値時間T1以上継続した場合、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。また、車間距離判定部12aは、周囲認識装置30によって取得される自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる回数Nが所定の第2閾値時間T2内に所定の閾値回数N1に達した場合、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。判定に用いる閾値距離D1、第1閾値時間T1、閾値回数N1及び、第2閾値時間T2は、固定値であってもよく、或いは、自車両V1の車速vや走行中の道路の種類(一般道路、高速道路など)に応じて設定される可変値としてもよい。車間距離判定部12aが車間距離Dを所定の短縮状態にあると判定すると、接近状態判定部12は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その判定結果を調停部16に送信する。
【0042】
減速頻度判定部12bは、周囲認識装置30の検出結果に基づき、先行車V2の減速頻度が高いか否かを判定する。具体的には、減速頻度判定部12bは、先行車V2の減速回数Nbが所定の第3閾値時間T3内に所定回数Nb1に達すると、先行車V2の減速頻度を高いと判定する。先行車V2の減速回数Nbは、例えば、先行車V2のブレーキランプやハイマウントストップランプの点滅回数を検出することによりカウントすればよい。ブレーキランプやハイマウントストップランプの点滅は、カメラ31によって撮像される先行車V2のブレーキランプ又はハイマウントストップランプの画像データに基づき、パターンマッチング等の機械学習を行うことにより取得すればよい。判定に用いる第3閾値時間T3及び、所定回数Nb1は、固定値であってもよく、或いは、自車両V1の車速vや走行中の道路の種類(一般道路、高速道路など)に応じて設定される可変値としてもよい。減速頻度判定部12bが先行車V2の減速頻度を高いと判定すると、接近状態判定部12は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その判定結果を調停部16に送信する。
【0043】
規制情報取得部14は、自車両V1が走行している道路の規制情報を取得する。具体的には、規制情報取得部14は、ナビゲーションシステム40のGPS受信装置41により検出される自車両V1の現在位置及び、地図データベース43の地図情報に基づき、自車両V1が走行中の道路の種類(一般道路、高速道路など)や標識情報(駐停車禁止区間、法定最低速度など)を取得する。また、規制情報取得部14は、VICS受信装置42の検出結果に基づき、走行中の道路の自車両V1の前方に工事区間や事故車両が存在する規制情報を取得する。規制情報取得部14によって取得されるこれらの情報は、調停部16に送信される。
【0044】
衝突予測判定部15は、自車両V1が先行車V2に衝突するまでの予測時間である衝突予測時間TTCに基づいて、自車両V1が先行車V2に衝突する可能性が高いか否かを判定する。ここで、衝突予測時間TTCとは、ある時点における自車両V1と先行車V2との車間距離Dを、相対速度vrで除したもの(TTC=D/vr)である。車間距離D及び、相対速度vrは、周囲認識装置30の検出結果に基づいて取得すればよい。衝突予測判定部15は、衝突予測時間TTCが所定の判定閾値TTCv以下に減少した場合、自車両V1が先行車V2に衝突する可能性を高いと判定する。衝突予測判定部15による判定結果は、調停部16に送信される。
【0045】
調停部16は、前方車両判定部11、接近状態判定部12、規制情報取得部14及び、衝突予測判定部15からの入力に基づき、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っているかを判定するとともに、判定結果に基づいてHMI50やドライブレコーダ60の作動を制御する調停処理を実行する。以下、調停部16が行う具体的な処理内容を説明する。
【0046】
調停部16は、まず、接近状態判定部12からの入力に基づき、煽り運転の前提となる第1条件が成立するか否かを判定する。接近状態判定部12が自車両V1及び先行車V2を所定の接近状態にあると判定した場合、すなわち、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返している場合、調停部16は、第1条件が成立すると判定する。第1条件が成立すると、調停部16は、前方車両判定部11からの入力に基づき、煽り運転の前提となる第2条件が成立するか否かを判定する。この第2条件は、先々行車V3が存在しない場合に成立する。第2条件が成立しない場合、すなわち、先々行車V3が存在する場合、調停部16は、煽り運転が行われていると判定しない(又は、煽り運転が行われていないと判定する)。
【0047】
このように、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返している状況であっても、先々行車V3が存在する場合には、煽り運転が行われていると判定しないことで、例えば、渋滞によって先行車V2が先々行車V3の影響を受けて減速し、これに伴い自車両V1が先行車V2に接近した場合等、先行車V2のドライバが煽り運転を意図していない場合に、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止できるようになる。
【0048】
調停部16は、第1条件及び、第2条件が成立すると、以下に説明する第3条件~第6条件の少なくとも何れかが成立するか否かを判定する。第3条件~第6条件のうち、少なくとも一つが成立すると、調停部16は、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。一方、第3条件~第6条件の何れもが成立しない場合、調停部16は、煽り運転が行われていると判定しない(又は、煽り運転が行われていないと判定する)。以下、第3条件~第6条件の詳細を説明する。
【0049】
第3条件は、自車両V1が高速道路などの自動車専用道路を走行している際に、規制情報取得部14が走行中の道路に設定されている法定最低速度(以下、最低速度)を取得した場合において、車速センサ21によって取得される自車両V1の車速vが最低速度よりも低下した場合に成立する。先々行車V3が存在しないにもかかわらず、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返し、自車両V1の車速vが最低速度よりも低下するような状況は、先行車V2のドライバが意図的に自車両V1の走行を妨害しようとしていることが推測される。
【0050】
調停部16は、第1条件及び第2条件が成立し、且つ、第3条件が成立する場合、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。すなわち、先々行車V3が存在しない状態で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返し、且つ、自車両V1の車速vが最低速度よりも低下した場合、調停部16は、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。このように、接近状態のみならず、先々行車V3の存在、さらには最低速度を考慮して煽り運転を判定することで、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、煽り運転の判定精度を確実に向上することができる。
【0051】
第4条件は、規制情報取得部14が、走行中の道路の自車両V1の前方に工事区間や事故車両が存在する規制情報を取得しない場合に成立する。先々行車V3が存在しない状態で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返しても、走行中の道路に工事区間や事故車両が存在するような場合は、先行車V2が故障車両の手前で停車、或いは、工事区間を減速して走行するなど、煽り運転を意図していないことが考えられる。一方、先々行車V3が存在せず、且つ、走行中の道路に工事区間や事故車両が存在しないにもかかわらず、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が減速を繰り返すような状況は、先行車V2のドライバが意図的に自車両V1の走行を妨害しようとしていることが推測される。
【0052】
調停部16は、第1条件及び第2条件が成立し、且つ、第4条件が成立する場合、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。すなわち、先々行車V3が存在しない状態で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返し、且つ、走行中の道路に工事区間や事故車両が存在しない場合、調停部16は、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。このように、接近状態のみならず、先々行車V3の存在、さらには事故車両や工事区間等の規制情報を考慮して煽り運転を判定することで、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、煽り運転の判定精度を確実に向上することができる。
【0053】
第5条件は、規制情報取得部14が、自車両V1の走行中の道路が駐停車禁止区間であることを取得した場合において、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定距離以下の接近度合いが高い状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車した場合に成立する。自車両V1又は先行車V2が互いに接近して停車しても、停車した場所が駐停車禁止区間でない場合は、自車両V1及び先行車V2のドライバが知り合いであり、互いに意図して路肩に停車する場合等が考えられる。一方、先々行車V3が存在しないにもかかわらず、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が減速を繰り返し、且つ、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で接近して停車するような状況は、先行車V2のドライバが意図的に自車両V1の走行を妨害し、且つ、自車両V1を強制的に停車させようとしたことが推測される。
【0054】
調停部16は、第1条件及び第2条件が成立し、且つ、第5条件が成立する場合、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。すなわち、先々行車V3が存在しない状況で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返した後、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が接近度合いの高い状態で、駐停車禁止区間に停車した場合、調停部16は、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っていると判定する。このように、接近状態のみならず、先々行車V3の存在、さらには、先行車V2や自車両V1が停車した道路の標識情報(駐停車禁止区間)等を考慮して煽り運転を判定することで、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を確実に向上することができる。
【0055】
第6条件は、規制情報取得部14が、自車両V1の走行中の道路が駐停車禁止区間であることを取得した場合において、衝突予測判定部14が先行車V2と自車両V1との衝突の可能性を高いと判定し、且つ、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車した場合に成立する。先々行車V3が存在しないにもかかわらず、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返した後、衝突予測時間TTCが判定閾値TTCv以下となる接近度合いが高い状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間に停車するような状況は、先行車V2のドライバが衝突の危険を顧みずに、自車両V1を強制的に停車させようとしたことが推測される。
【0056】
調停部16は、第1条件及び第2条件が成立し、且つ、第6条件が成立する場合、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っている判定する。すなわち、先々行車V3が存在しない状況で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返した後、衝突予測時間TTCが判定閾値TTCv以下となる接近度合いが高い状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車した場合、調停部16は、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っている判定する。このように、接近状態のみならず、先々行車V3の存在、さらには、先行車V2が停車した道路の標識情報(駐停車禁止区間)や衝突予測時間TTCを考慮して煽り運転を判定することで、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を確実に向上することができる。
【0057】
調停部16は、第1条件及び第2条件が成立する場合において、第3条件~第6条件の少なくとも一つの条件が成立すると、先行車V2が自車両V1に対して煽り運転を行っている判定し、HMI50やドライブレコーダ60を作動させる。
【0058】
具体的には、調停部16は、先行車V2が煽り運転を行っている判定すると、先行車V2から煽り運転を受けていることを自車両V1のドライバに報知する画像をディスプレイ51に表示させる。また、調停部16は、ドライバへの報知と同時に、ドライバに対して警察等の外部機関に通報を行うか否かを確認する画像をディスプレイ51に表示させる。これらドライバへの報知や確認は、スピーカ52による音声を併用してもよく、或いは、スピーカ52による音声のみで行ってもよい。外部機関への通報は、HMI50の入力装置(タッチパネル、スイッチ等)がドライバの入力操作を受け付けることにより実行してもよく、或いは、音声認識マイクがドライバの音声を受け付けることにより実行してもよい。なお、外部機関への通報は、ドライバに対する確認を省略し、調停部16が煽り運転と判定すると同時に行うように構成してもよい。
【0059】
調停部16は、自車両V1が先行車V2によって停車させられる第5条件又は第6条件の成立により、先行車V2が煽り運転を行っていると判定した場合において、自車両V1のドアロックが解錠されている場合には、ドライバに対して安全を確保するためにドアロックの施錠を行うか否かを確認する画像、又は、ドアロックの施錠を促す画像をディスプレイ51に表示させる。係る処理は、スピーカ52による音声を併用してもよく、或いは、スピーカ52による音声のみで行ってもよい。調停部16は、ドアロックの施錠を確認する画像をディスプレイ51に表示させた場合において、ドライバの施錠指示を受け付けると、自車両V1のドアロックを自動的に施錠状態にする。ドライバからの施錠指示は、HMI50の入力装置(タッチパネル等)又は、音声認識マイクによって受け付ければよい。
【0060】
調停部16は、先行車V2が煽り運転を行っていると判定すると、ドライブレコーダ60に先行車V2の煽り運転行為を記録させる。具体的には、調停部16は、煽り運転と判定した時点の前後所定時間に亘って前方カメラ61が撮像した画像データを上書き禁止データとしてメモリ62に保存する。ここで、前後所定時間は、予め設定した固定時間であってもよく、或は、可変時間であってもよい。可変時間とする場合は、例えば、調停部16が煽り運転の兆候を検知した時から、煽り運転が終了したと判定する時までを前後所定時間とすればよい。煽り運転の兆候があるか否かは、例えば、上述の第1条件及び第2条件が成立した時に煽り運転の兆候があると判定すればよい。また、煽り運転が終了したか否かは、先行車V2が自車両1から所定の距離以上離れた場合に煽り運転が終了したと判定すればよい
【0061】
次に、図3に示すフローチャートに基づいて、ECU10による煽り運転判定処理のルーチンを説明する。本ルーチンは、例えば、自車両V1が走行すると開始される。
【0062】
ステップS100では、ECU10は、自車両V1の前方に先行車V2が存在するか否かを判定する。自車両V1の前方に先行車V2が存在する場合(Yes)、ECU10は、その処理をステップS110に進める。一方、自車両V1の前方に先行車V2が存在しない場合(No)、ECU10は本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0063】
ステップS110では、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあるか否かを判定する。自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる時間が所定の第1閾値時間T1以上継続した場合、又は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる回数Nが所定の第2閾値時間T2内に所定の閾値回数N1に達した場合、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。車間距離Dが所定の短縮状態にある場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS130に進める。一方、車間距離Dが所定の短縮状態にない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS120に進める。
【0064】
ステップS120では、ECU10は、先行車V2の減速頻度が高いか否かを判定する。先行車V2の減速回数Nb(例えば、ブレーキランプの点滅回数)が所定の第3閾値時間T3内に所定回数Nb1に達した場合、ECU10は、先行車V2の減速頻度を高いと判定する。先行車V2の減速頻度を高いと判定した場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS130に進める。一方、先行車V2の減速頻度を高くないと判定した場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0065】
ステップS130では、ECU10は、煽り運転の前提となる第1条件が成立すると判定する。次いで、ステップS140では、ECU10は、先行車V2の前方に先々行車V3が存在するか否かを判定する。先々行車V3が存在しない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS150に進める。一方、先々行車V3が存在する場合(Yes)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。すなわち、先行車V2が渋滞などにより先々行車V3の影響を受けて減速しているような場合は、煽り運転であると判定しない。これにより、誤判定を効果的に防止することができ、ドライバの煩わしさを低減することが可能になる。
【0066】
ステップS150では、ECU10は、煽り運転の前提となる第2条件が成立すると判定する。次いで、ステップS160では、ECU10は、第3~第6条件のうち、少なくとも一つの条件が成立するか否かを判定する。具体的には、ECU10は、自車両V1の車速vが最低速度よりも低下する第3条件、走行中の道路の自車両V1の前方に工事区間や故障車両が存在する規制情報を取得しない第4条件、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定距離以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第5条件、衝突予測時間TTCが判定閾値TTCv以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第6条件のうち、少なくとも一つ以上の条件が成立するか否かを判定する。
【0067】
第3~第6条件の何れの条件も成立しない場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。一方、第3~第6条件のうち、一つ以上の条件が成立する場合(Yes)、ECU10はステップS170に進み、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。
【0068】
ステップS170にて、煽り運転が行われていると判定すると、ECU10は、ステップS180の処理に進み、HMI50やドライブレコーダ60を作動させる。具体的には、ECU10は、先行車V2から煽り運転を受けていることをドライバに報知する画像や、外部機関に通報を行うか否かをドライバに確認する画像をディスプレイ51に表示させる。また、条件5,6の成立により自車両V1が停車した場合において、自車両V1のドアロックが解錠されている場合、ECU10は、ドアロックの施錠要否をドライバに確認する画像や、ドアロックの施錠をドライバに促す画像をディスプレイ51に表示させる。これら報知や確認は、スピーカ52による音声を併用してもよく、或いは、スピーカ52による音声のみで行ってもよい。また、ECU10は、ドライブレコーダ60に、先行車V2が煽り運転を行っていると判定した時点の前後所定時間の画像データを上書き禁止データとして保存させる。
【0069】
ステップS180にて、HMI50やドライブレコーダ60を作動させると、ECU10は、その後、本ルーチンを終了する。
【0070】
以上詳述した本実施形態によれば、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にある第1条件が成立しても、第2条件が成立しない場合、すなわち、先々行車V3が存在する場合には、煽り運転が行われていると判定しないように構成されている。これにより、例えば、渋滞などにより先行車V2が先々行車V3の影響で減速し、これに伴い先行車V2が自車両V1に接近した場合等、先行車V2が実際には煽り運転を行っていない場合に、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止することが可能になる。
【0071】
また、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にある第1条件が成立し、且つ、先々行車V3が存在しない第2条件が成立する場合には、自車両V1の車速vが最低速度よりも低下する第3条件、走行中の道路の自車両V1の前方に工事区間や故障車両が存在する規制情報を取得しない第4条件、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定距離以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第5条件、衝突予測時間TTCが判定閾値TTCv以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第6条件のうち、少なくとも一つ以上の条件が成立すると、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。
【0072】
すなわち、先々行車V3が存在しない状態で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返す場合には、走行中の道路の標識情報(最低速度、駐停車禁止区間)や規制情報(事故車両、工事区間等)を考慮して煽り運転を判定するように構成されている。これにより、例えば、先行車V2が安全性を確保するために減速する場合、或いは、先行車V2及び自車両V1のドライバが意図して路肩に停車する場合などに、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止でき、判定精度を確実に向上することが可能になる。また、誤判定が防止されることで、ドライバの煩わしさも効果的に低減することが可能になる。
【0073】
以上、本実施形態に係る判定装置、判定方法及び、プログラムについて説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
【0074】
[変形例1]
煽り運転の前提となる第1条件は、先行車V2の減速頻度が高いか否かを判定する処理(図3のステップS120)を省略し、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にある場合に成立すると判定してもよい。
【0075】
図4は、変形例1のECU10が行う煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。ステップS200では、ECU10は、自車両V1の前方に先行車V2が存在するか否かを判定する。自車両V1の前方に先行車V2が存在する場合(Yes)、ECU10は、その処理をステップS210に進める。一方、自車両V1の前方に先行車V2が存在しない場合(No)、ECU10は本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0076】
ステップS210では、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあるか否かを判定する。自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる時間が所定の第1閾値時間T1以上継続した場合、又は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる回数Nが所定の第2閾値時間T2内に所定の閾値回数N1に達した場合、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。車間距離Dが所定の短縮状態にある場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS230に進める。一方、車間距離Dが所定の短縮状態にない場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0077】
ステップS230では、ECU10は、煽り運転の前提となる第1条件が成立すると判定する。次いで、ステップS240では、ECU10は、先行車V2の前方に先々行車V3が存在するか否かを判定する。先々行車V3が存在しない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS250に進める。一方、先々行車V3が存在する場合(Yes)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。すなわち、先行車V2が先々行車V3の影響を受けて減速するような場合に、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止することが可能になる。
【0078】
ステップS250では、ECU10は、煽り運転の前提となる第2条件が成立すると判定する。次いで、ステップS260では、ECU10は、第3~第6条件のうち、少なくとも一つの条件が成立するか否かを判定する。具体的には、ECU10は、自車両V1の車速vが最低速度よりも低下する第3条件、走行中の道路の自車両V1の前方に工事区間や故障車両が存在する規制情報を取得しない第4条件、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定距離以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第5条件、衝突予測時間TTCが判定閾値TTCv以下の状態で、自車両V1又は先行車V2の少なくとも一方が駐停車禁止区間で停車する第6条件のうち、少なくとも一つ以上の条件が成立するか否かを判定する。
【0079】
第3~第6条件の何れの条件も成立しない場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。一方、第3~第6条件のうち、一つ以上の条件が成立する場合(Yes)、ECU10はステップS270に進み、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。
【0080】
ステップS270にて、煽り運転が行われていると判定すると、ECU10は、ステップS280の処理に進み、HMI50やドライブレコーダ60を作動させる。これらを作動させる処理は、上記実施形態のステップS180と同様のため、詳細な説明は省略する。ステップS280にて、HMI50やドライブレコーダ60を作動させると、ECU10は、その後、本ルーチンを終了する。
【0081】
以上述べた変形例1によれば、先々行車V3が存在しない状態で、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にある場合は、走行中の道路の標識情報(最低速度、駐停車禁止区間)や規制情報(事故車両、工事区間等)を考慮して煽り運転か否かを判定する。これにより、例えば、先行車V2が安全性を確保するために減速する場合、或いは、先行車V2及び自車両V1のドライバが意図して路肩に停車する場合などに、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止でき、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を確実に向上することが可能になる。
【0082】
[変形例2]
先行車V2が煽り運転を行っているか否かは、第3~第6条件の判定処理(図3のステップS160)を省略し、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にある第1条件の成立及び、先々行車V3が存在しない第2条件の成立に基づいて判定することにより、判定処理を簡略化することも可能である。
【0083】
図5は、変形例2のECU10が行う煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。ステップS300では、ECU10は、自車両V1の前方に先行車V2が存在するか否かを判定する。自車両V1の前方に先行車V2が存在する場合(Yes)、ECU10は、その処理をステップS310に進める。一方、自車両V1の前方に先行車V2が存在しない場合(No)、ECU10は本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0084】
ステップS310では、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあるか否かを判定する。自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる時間が所定の第1閾値時間T1以上継続した場合、又は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる回数Nが所定の第2閾値時間T2内に所定の閾値回数N1に達した場合、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。車間距離Dが所定の短縮状態にある場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS330に進める。一方、車間距離Dが所定の短縮状態にない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS320に進める。
【0085】
ステップS320では、ECU10は、先行車V2の減速頻度が高いか否かを判定する。先行車V2の減速回数Nb(例えば、ブレーキランプの点滅回数)が所定の第3閾値時間T3内に所定回数Nb1に達した場合、ECU10は、先行車V2の減速頻度を高いと判定する。先行車V2の減速頻度を高いと判定した場合(Yes)、ECU10は、その処理をステップS330に進める。一方、先行車V2の減速頻度を高くないと判定した場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0086】
ステップS330では、ECU10は、第1条件が成立すると判定する。次いで、ステップS340では、ECU10は、先行車V2の前方に先々行車V3が存在するか否かを判定する。先々行車V3が存在しない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS350に進める。一方、先々行車V3が存在する場合(Yes)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0087】
ステップS350では、ECU10は、第2条件が成立すると判定する。次いで、ステップS370では、ECU10は、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。
【0088】
ステップS370にて、煽り運転が行われていると判定すると、ECU10は、ステップS280の処理に進み、HMI50やドライブレコーダ60を作動させる。これらを作動させる処理は、上記実施形態のステップS180と同様のため、詳細な説明は省略する。ステップS280にて、HMI50やドライブレコーダ60を作動させると、ECU10は、その後、本ルーチンを終了する。
【0089】
以上述べた変形例2によれば、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返しても、先々行車V3が存在する場合には、煽り運転が行われていると判定しない。これにより、例えば、先々行車V3の減速により先行車V2も減速し、これに伴い先行車V2が自車両V1に接近する場合等、先行車V2が実際には煽り運転を行っていない場合に、煽り運転であると誤判定することを効果的に防止でき、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を確実に向上することが可能になる。
【0090】
[変形例3]
先行車V2が煽り運転を行っているか否かは、第2~第6条件の判定を省略し、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが短縮、又は、先行車V2が頻繁に減速を繰り返す第1条件の成立に基づいて判定することにより、判定処理をさらに簡略化することも可能である。
【0091】
図6は、変形例3のECU10が行う煽り運転判定処理のルーチンを説明するフローチャートである。ステップS400では、ECU10は、自車両V1の前方に先行車V2が存在するか否かを判定する。自車両V1の前方に先行車V2が存在する場合(Yes)、ECU10は、その処理をステップS410に進める。一方、自車両V1の前方に先行車V2が存在しない場合(No)、ECU10は本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0092】
ステップS410では、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあるか否かを判定する。自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる時間が所定の第1閾値時間T1以上継続した場合、又は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の閾値距離D1以下となる回数Nが所定の第2閾値時間T2内に所定の閾値回数N1に達した場合、ECU10は、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にあると判定する。車間距離Dが所定の短縮状態にある場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS470に進める。一方、車間距離Dが所定の短縮状態にない場合(No)、ECU10は、その処理をステップS420に進める。
【0093】
ステップS420では、ECU10は、先行車V2の減速頻度が高いか否かを判定する。先行車V2の減速回数Nb(例えば、ブレーキランプの点滅回数)が所定の第3閾値時間T3内に所定回数Nb1に達した場合、ECU10は、先行車V2の減速頻度を高いと判定する。先行車V2の減速頻度を高いと判定した場合(Yes)、ECU10は、自車両V1及び先行車V2が所定の接近状態にあると判定し、その処理をステップS470に進める。一方、先行車V2の減速頻度を高くないと判定した場合(No)、ECU10は、煽り運転が行われていると判定することなく、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
【0094】
ステップS470では、ECU10は、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。ステップS470にて、煽り運転が行われていると判定すると、ECU10は、ステップS480の処理に進み、HMI50やドライブレコーダ60を作動させる。これらを作動させる処理は、上記実施形態のステップS180と同様のため、詳細な説明は省略する。ステップS480にて、HMI50やドライブレコーダ60を作動させると、ECU10は、その後、本ルーチンを終了する。
【0095】
以上述べた変形例3によれば、自車両V1と先行車V2との車間距離Dが所定の短縮状態にない場合であっても、先行車V2が減速を頻繁に繰り返すような場合には、自車両V1に対して先行車V2が煽り運転を行っていると判定する。これにより、先行車V2のドライバが意図的にブレーキ操作を短い周期で繰り返す等、自車両V1の走行を妨害するような行為を煽り運転であると判定できるようになり、車間距離のみに基づく従来の判定手法に比べ、判定精度を確実に向上することが可能になる。
【0096】
[その他]
本開示において、判定装置1は自車両V1に搭載されるものとして説明したが、先行車V2に搭載されてもよい。この場合、上記実施形態の先行車V2を自車両、自車両V1を後続車とし、自車両V2が後続車V1に対して煽り運転を行っているか否かを判定するように構成すればよい。自車両V2と後続車V1との車間距離などは、自車両V2に搭載された後方カメラ、後方レーダセンサ等の検出結果に基づき取得すればよい。また、自車両V2の減速頻度が高いか否かは、ブレーキランプの点滅ではなく、ブレーキセンサにより取得されるブレーキペダルの踏み込み回数に基づいて判定すればよい。また、煽り運転を行っていると判定した場合には、自車両V2のドライバに対して煽り運転を行っていることを報知する画像や、煽り運転をやめることを促す画像をディスプレイ51に表示させればよい。
【符号の説明】
【0097】
1…判定装置,10…ECU,11…前方車両判定部,12…接近状態判定部,12a…車間距離判定部,12b…減速頻度判定部,14…規制情報取得部,15…衝突予測判定部,16…調停部,20…車両状態取得装置,30…周囲認識装置,40…ナビゲーションシステム,50…HMI,60…ドライブレコーダ,V1…自車両,V2…先行車,V3…先々行車
図1
図2
図3
図4
図5
図6