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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】身体装着機能用具
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20241211BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20241211BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F21L4/00 500
F21V14/02 200
A44C5/00 Z
A44C5/00 502D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020088783
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021051992
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2019167978
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519336285
【氏名又は名称】▲高▼橋 恒子
(74)【代理人】
【識別番号】100115613
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寧司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 恒子
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3182688(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107120551(CN,A)
【文献】中国実用新案第207167872(CN,U)
【文献】登録実用新案第3094684(JP,U)
【文献】特開2003-059302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
F21V 14/02
A44C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライト等の機能用具と、前記機能用具を挟んだ一方側と他方側の両側に延びるバンドと、を有する身体装着機能用具であって、
前記バンドの前記機能用具を挟んだ前記一方側には、前記機能用具が付いた面と同じ側の面に機能用具取付補助手段となりバンド巻付手段ともなる面ファスナーを有し、
前記バンドの前記機能用具を挟んだ前記他方側には、前記機能用具が付いた面と反対側の面にバンド巻付手段となる面ファスナーを有し、
前記バンドの前記機能用具が付いた部分には、前記機能用具が付いた面と反対側の面に機能用具取付補助手段となる面ファスナーを有し、
前記バンドの前記他方側の末端にリングを有する、身体装着機能用具。
【請求項2】
ライト等の機能用具と、バンドと、前記機能用具と前記バンドとを接続する連結具であって前記機能用具を挟んだ一方側と他方側の両側に延びる連結具と、を有する身体装着機能用具であって、
前記連結具の前記機能用具を挟んだ前記一方側には、前記連結具に接続して前記バンドが延びており、
前記バンドには、前記機能用具が付いた面と同じ側の面に機能用具取付補助手段となりバンド巻付手段ともなる面ファスナーを有し、
前記連結具の前記機能用具を挟んだ前記他方側には、前記機能用具が付いた面と反対側の面にバンド巻付手段となる面ファスナーを有し、
前記連結具の前記機能用具が付いた部分には、前記機能用具が付いた面と反対側の面に機能用具取付補助手段となる面ファスナーを有し、
前記連結具の前記他方側の末端にリングを有する、身体装着機能用具。
【請求項3】
前記機能用具を挟んだ一方側に延びるバンドには、丸まった状態で安定する帯状硬質材を含んで形成されている請求項1又は請求項2記載の身体装着機能用具。
【請求項4】
前記機能用具はライトであり、前記バンドとの接続に寄与するバンド受け部と、光源部を有するライト本体とを備え、光源部が当該バンド受け部に対して回転可能な回転機構を備えたものである請求項1~請求項3何れか1項記載の身体装着機能用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば夜間での犬の散歩の際に利用するライトを身体に簡単に装着させるなどの用途に利用することができる身体装着具、及びこれにライトを装着した身体装着ライト等の身体装着機能用具に関する。
【背景技術】
【0002】
犬を散歩させるときには犬の首輪にまで伸びるリードを持って犬をコントロールしているが、夜間の散歩では辺りが暗くなり、周囲の人からは連れている小型犬やリードの紐が見え難くなる。そのため、未然に事故を防止するため、犬の首輪に蛍光性の器具や灯りを付けたり、スズを付けたり、飼い主がライトを持ったりして飼い主から離れた犬の存在を暗闇でも遠くからわかるようにしている場合が多い。こうした技術として、例えば実用新案登録第3117123号(特許文献1)には、犬の首輪にLEDを取り付けた技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3117123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、犬の首輪を点灯させる場合は犬の存在が遠くからわかっても飼い主には気付かない場合も多い。したがって、犬の首輪を点灯させる場合に比べてライトを持参する方が、周囲の人に対して犬の存在だけでなく飼い主の存在も知らしめることができ安全性が高い。加えて、飼い主の足下の確認もできるなど、単にペットに蛍光具やスズを付けるよりも安全確保上は優れている。しかしながら、リードを持つことに加えてライトを持つとなると、手の自由が失われてしまうという欠点がある。
【0005】
本発明は犬を夜間に散歩させる場合など、ライト等の機能用具を人間の手で把持しなくて良いような身体装着ライト等の身体装着機能用具を提供する。 また本発明はライト等の機能用具を人間に簡単に装着できる身体装着具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は次の態様を有するものである。
【0007】
[1]本発明の一態様は、ライト等の機能用具と、バンドと、を有する身体装着機能用具であって、前記バンドは、縛らずにヒトの腕又は手首に巻き付けた際に、当該バンドの端部が収まる長さの帯状材で形成された身体装着機能用具である。あるいはまた次に示す身体装着機能用具及び身体装着具である。
[2]前記機能用具はライトであり、前記バンドとの接続に寄与するバンド受け部と、光源部を有するライト本体とを備え、光源部が当該バンド受け部に対して回転可能な回転機構を備えたものである身体装着機能用具である。
【0008】
[3]前記バンドが丸まった状態で安定する帯状材で形成されている身体装着機能用具である。
[4]前記機能用具は、前記バンドとの接続に寄与するバンド受け部を備え、当該バンド受け部側にライト取付補助手段等の機能用具取付補助手段を設け、前記機能用具取付補助手段とは別の機能用具取付補助手段を前記バンドに設け、前記双方の機能用具取付補助手段を重ね合わせることで前記ライト等の前記機能用具の前記バンドへの取付けを強化する身体装着機能用具である。
【0009】
[5]ライト等の機能用具と、バンドと、これらを接続する連結具と、を有する身体装着機能用具であって、前記バンドは、前記連結具に取り付け可能なバンド側取付手段を有し、前記連結具は、前記機能用具に固定する本体部と、前記バンドに設けたバンド側取付手段に取り付け可能な連結具側取付手段とを有する身体装着機能用具である。
[6]前記バンド側取付手段又は前記連結具側取付手段の少なくとも一方がスナップボタン等のボタンからなり、前記バンドには前記連結具との接続を補助するバンド側取付補助手段を有し、前記連結具には前記バンドとの接続を補助する連結具側取付補助手段を有する身体装着機能用具である。
【0010】
[7]前記連結具の幅よりも前記バンドの幅を広く形成した身体装着機能用具である。
[8]前記連結具側取付手段が前記本体部から突出した突片部に備わる身体装着機能用具である。
[9]そして、前記何れかのバンド、又は前記何れかのバンドと連結具とからなる身体装着具である。
【発明の効果】
【0011】
上記身体装着ライト等の身体装着機能用具によれば、手首や腕などにワンタッチで簡単に取り付けることができ、手でライト等の機能用具を把持しなければならない拘束から解放される。
上記身体装着具によれば、ライト等の機能用具を簡単に手首や腕などに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の身体装着ライトの斜視図であり、分図1(A)はライト本体を寝かせた状態図、分図1(B)はライト本体を起立させた状態図、をそれぞれ示す。
図2】第1実施形態の身体装着ライトのバンドを装着しない状態の底面図である。
図3】第1実施形態の身体装着ライトの正面図である。
図4】第1実施形態の身体装着ライトにおけるバンドを取り付ける状態を説明する説明図であり、分図4(A)はバンドを取り付ける前の状態図、分図4(B)はバンドを取り付けた後の状態図、をそれぞれ示す。
図5】第1実施形態の連結具に設けた縫い付け部を説明する説明図である。
図6】連結具に設けた連結具側取付手段の位置とバンドの半径の大きさの関係を説明する説明図であり、分図6(A)は連結具側取付手段が連結具受け部の大きさの範囲内にある場合の説明図、分図6(B)は連結具側取付手段が連結具受け部の大きさの範囲より外側にある場合の説明図、をそれぞれ示す。
図7】連結具とバンドのそれぞれに連結具側取付補助手段とバンド側取付補助手段をそれぞれ設けた状態を説明する説明図である。
図8】身体装着ライトを手首に巻いて使用する状態を説明する説明図である。
図9】身体装着ライトを腕に巻いて使用する状態を説明する説明図である。
図10】第2実施形態の身体装着ライトの正面図である。
図11】第3実施形態の身体装着ライトの正面図である。
図12】第4実施形態の身体装着ライトの斜視図である。
図13】第4実施形態の身体装着ライトの一部分の底面図であり、分図13(A)は連結具の底面図、分図13(B)はバンドの底面図をそれぞれ示す。
図14】第4実施形態の身体装着ライトのライト部分の底面図である。
図15】第4実施形態の身体装着ライトの正面図である。
図16】第5実施形態の身体装着ライトの斜視図である。
図17】第5実施形態の身体装着ライトのバンドの底面図である。
図18】第6実施形態の身体装着扇風機を腕に巻いて使用する状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に種々の実施形態を説明する。各実施形態で共通する部材については、同一の符号を付して重複説明を省略する。また、共通する材質、作用、効果等についても重複説明を省略するが、身体装着機能用具は、基本的には少なくともライト等の機能用具と、バンドとを有し、バンドは、縛らずにヒトの腕又は手首に巻き付けた際に、当該バンドの端部が収まる長さの帯状材で形成される。また、身体装着具は、この身体装着機能用具から、ライト等の機能用具を除いた部分から形成される。
【0014】
<第1実施形態>〔図1図9〕:
図1図9を通じて第1実施形態として、身体装着機能用具の一例としての身体装着ライト1とこれに用いる身体装着具1aを説明する。図1で示すように、バンド13と、連結具14とから身体装着具1aが形成されており、これにライト12が加わり身体装着ライト1が形成されている。身体装着ライト1は、腕に簡単に装着することで夜間の歩行の際などに手でライトを保持する不便さを解消するものである。以下、身体装着ライト1の構成要素について詳細に説明する。
【0015】
身体装着ライト1を構成するライト12は、市販のアウトドア用ヘッドライト等である。こうしたライト12には、頭にライトを装着するためのバンドを取り付けるバンド装着溝やバンド装着片、あるいはバンド装着穴等からなるバンド接続部12b(図2参照)を備えたバンド受け部12aがあり、これを利用して後述の連結具14を用いてライト12にバンド13を装着するようにしている。即ち、通常の市販ライト12ではバンド接続部12bでバンドに直接接続しているところ、本発明ではバンド接続部12bを連結具接続部12bとし用い、バンド受け部12aを連結具受け部12aとして用いて、バンドではなく連結具14に接続している。また、ライト12には、光源部12dを備えたライト本体12cがバンド受け部12aに対して起立可能な回転ができるように回転機構12eを備えている。したがって、回転機構12eによって、図1(A)で示すようにバンド13の表面に垂直な方向から、図1(B)で示すようにバンド13の表面に平行な方向に光を照射する向きを変えることができる。
【0016】
バンド13は、本実施形態では、図3の正面図で示すように、丸まった状態で安定する帯状材13aで形成している。帯状材13aは、図3の部分拡大図で示すように、所定の帯状硬質材13dの表面を布等の外皮13eで包んで構成されるものである。帯状硬質材13dとしては、反射板などの芯材として利用されている帯状薄鋼であって、伸ばした状態では長手方向に垂直な断面がややアーチ状に表れる形状をなし、アーチ形状を解こうとすると瞬時に丸まった状態で安定するくせを備えたバネ鋼等を利用することができる。鋼材であることが形状安定性や耐久性の観点から好ましいが、その材質は鉄以外の金属材でも良く、またプラスチック材であっても良い。伸ばした状態から簡単に丸くなる性質を備えていれば材質は不問である。さらに、この帯状硬質材13dは、金属で芯材13fが形成されていれば、その表面はプラスチック材13gで被覆されていることが好ましい。後述する外皮13eとなる布に対してプラスチック材13gが接触すると滑り性が抑制され、帯状硬質材13dと外皮13eとの密着性が向上することで帯状硬質材13dと外皮13eとの一体性が高まるからである。
【0017】
帯状硬質材13dを覆う外皮13eは、布製であることが好ましい。プラスチック製でも良いが、布地の暖かさは肌に触れる部分として心地よいからである。また、布製とすることで衣服やバッグ等に合わせたコーディネートが豊富になる。帯状材13aのうち、裏面側の肌に触れる部分を布製とし、反対側の表面の部分を、バリエーションを持たせる観点から布以外の素材で形成することも可能である。バンド13の表面には布の材質を選択するだけでなく、各種装飾をしてデザイン性を高めることが好ましい。
【0018】
また、バンド13は、図4で示すように、後述する連結具14と接続することでライト12を取り付けるものであるが、バンド13には、連結具14と接続するためのバンド側取付手段13bを設けている。この図ではバンド側取付手段13bとしてスナップボタン13bを利用した例を示している。バンド側取付手段13bとしてスナップボタン13bを用いたのは、連結具14との接続が確実で外れ難く、また、取り外しを意図した際には容易に取り外しできるからである。これにより外皮13eに施した装飾が異なるバンド13を複数種類準備しておくことで、外出する際の洋服などのファッションに合わせて、あるいは装着する人が子どもであるかおじいちゃんであるか等によってデザインの異なるバンド13を適宜取り替えることができる。
【0019】
バンド13の長さは、腕や手首に巻いてほどよい長さとすることが好ましく、換言すれば、縛らずにヒトの腕又は手首に巻き付けた際に、バンド13の端部が収まる長さであり、15~50cm程度とすることができる。15cmよりも短いと腕や手首に巻いた状態で安定せず、脱落してしまう危険性がある。また50cmを超えると長すぎて、腕や手首に巻き付けた際に余分な部分が膨らんだりライト12を覆ったりして収まりが悪くなる。30cmを超えると巻き付けた際に余分な部分が生じるが、丸まった状態で安定する帯状材13aを用いれば長くなった部分も容易に重なって巻くことができ安定する。バンド13の長さは、40~45cmとすることは好ましい一態様である。
また、バンド13の幅は、2~8cm程度とすることができる。2~4cmとすることが好ましい。2cmよりも短いとライト12を安定的に保持できなくなるおそれがある。また8cmよりも長いと圧迫される感じが生じて付け心地が悪くなる。2~4cmとすれば安定感と付け心地良さが両立する。2~3cmとすることは好ましい一態様である。
【0020】
連結具14は、前述のライト12とバンド13とをその名のとおり連結して接続する部材である。連結具14を予めライト12に装着しておけば、バンド13との着脱が容易であり、また、連結具14はライト12に固定することができることから、ライト12が無作為にバンド13から外れることを防止することができる。
【0021】
ライト12に連結具14を取り付けた状態の底面図である図2、及びその正面図である図5で示すように、連結具14は、ライト12に設けられたバンド装着溝やバンド装着片、あるいはバンド装着穴等からなる連結具接続部12bに対し、接続布を巻き付けたり、通したりして連結具受け部12aに取り付けた本体部14aと、この本体部14aから突出した突片部14eとを有している。そして、突片部14eにはバンド13に接続するための連結具側取付手段14bを設けた構成をしている。特に本実施形態では、図5で示すように、ライト12の連結具受け部12aに設けたバンド通し片(連結具接続部12b)に対して、接続布を通して折り返し、その折り返し部分を縫い付けて縫い付け部14dを構成しており、縫い付け部14dでライト12に固定されライト受け部12aと一体化した部分が本体部14aとなっている。そして、この縫い付け部14dのある本体部14aから先を折り返して突片部14eを形成し、その突片部14eに連結具側取付手段14bとしてのスナップボタン14bを取り付けている。そのため、スナップボタン14bの位置は、連結具接続部12bと一体となった本体部14aからは突出しているものの、図2で示すように底面から見ると、連結具接続部12bを備える連結具受け部12aの範囲内に収まる位置に設けられている。
【0022】
仮に、スナップボタン14bを連結具受け部12aの大きさの範囲内から飛び出した外側に設けると、図6(B)で示すように、バンド13が丸まった際の半径が大きくなるのに対し、スナップボタン14bを連結具受け部12aの大きさの範囲内に設けると、図6(A)で示すように、バンド13が丸まった際の半径が小さくなる。そのため、腕の細い人にとってもその腕に密着し易くなり、無駄に腕との間隔が空いて収まりが悪くなることを防止できる。加えて、突片部14eは連結具受け部12aからバンド13側に傾くことができるため、さらに柔軟にバンド13が丸くなるようにすることができる。
【0023】
連結具14の幅は、ライト12の連結具接続部12bの大きさにある程度拘束される。連結具接続部12bが本実施形態で説明しているバンド通し片のような場合には、そのバンド通し片に連結具14の本体部14aを通す必要があることから、バンド通し片の大きさよりも大きくし難い。そのため、連結具14の本体部14aの幅はライト12の種類によるが通常2~2.5cm程度である。これに対してバンド13の幅は、連結具14の本体部14aの幅よりも小さくも大きくもすることができる。スナップボタン13b,14bで連結具14とバンド13が互いに接続している以外の部分は拘束されないからである。したがって、例えば連結具14の幅が短くてもこれよりもバンド13の幅を大きくでき、腕や手首に巻いた際に細すぎることなしに、収まり良く安定的な装着を実現できる。厚みや硬さについても同様で、バンド13が手首や腕等に巻き付けた際の安定性を求める見地からある程度の厚みや硬さが必要なのに対して、連結具14の厚みや硬さは連結具接続部12bに接続できるように薄く、柔らかくすることができる。
【0024】
そしてまた、図7で示すように、連結具14のスナップボタン14bどうしの間と、これに対応するバンド13の部分にそれぞれ連結具側取付補助手段14c及びバンド側取付補助手段13cとして面ファスナー14c,13cを設けることができる。面ファスナー14c,13cを設けることで、連結具14とバンド13との密着性を高めることができる。これにより、ライト12がその重みでバンド13に対してやや下向きに倒れ込むことを防止できる。この連結具側取付補助手段14c及びバンド側取付補助手段13cは、それらの面ファスナーを重ね合わせることでライト12をしっかりとバンド13に取り付け、その取付を強化する意味で、ライト取付補助手段16でもある。
【0025】
こうした身体装着ライト1によれば、バンド13を伸ばした状態から、帯状硬質材13dの丸くなろうとする力により手首や腕などにワンタッチで取り付けることができる。そして、図8で示すように、手首に装着した場合には、ライト12のライト本体12cを連結具受け部12aに対して約90度起立させると、腕の長さ方向に光が照射されるようになるため、夜間に犬を散歩させた場合にリードの先に繋げた犬を照らすことができる。こうして夜間でも安全に犬の散歩をすることができる。この際、手はライトを把持しなければならない拘束から解放される。別の使用態様として、図9で示すように、腕に装着すれば、夜間に一人で散歩するような場合でも地面を照らすことができ、夜間歩行の安全性を高めることができる。そうした一方で、ライト本体12cは寝かせた状態でライト12を歩行前方に位置するように腕に装着すれば、前方を照らすことができる。
【0026】
身体装着ライト1によれば、帯状材13aが、丸まった状態で安定する材質から構成さえるため、縛ってヒトの腕又は手首に巻き付ける必要がなく、また、人の腕又は手首に巻き付けると、バンド13の端部は手首等に沿って巻き付くことで収まるため、バンド13の端部がだらだらと垂れ下がるようなことがない。
【0027】
<第1実施形態の変形例>:
ライト12は、回転機構12eを備えていれば、取付位置に対して角度を付けて照射できるが、回転機構12eが無くても連結具受け部12aに対して起立した状態のライトを用いることができる。また、専用の連結具接続部12bや連結具受け部12aを有しないライトに対しては、接続布をライトの一部分の形状に合わせて適宜取付けてそこから突片部14eを突出させて連結具側取付手段14bを設けることができる。
【0028】
連結具14は布製の接続布を用いたがこれに代えてプラスチック材などを成形して用いることができる。こうした場合には、例えば縫い付け部14dでは折り返した部分同士を接着したり融着したりできる。また、突片部14eに設けた連結具側取付手段14bをライト12の連結具受け部12aの大きさの範囲内に設けたが、腕や手首の太い人用や、帯状硬質材13dの丸くなる力が大きいような場合には、連結具受け部12aの大きさの範囲から飛び出した外側に位置するように設けることもできる。
【0029】
バンド側取付手段13bと連結具側取付手段14bのそれぞれのスナップボタン13b,14bを、上記図面では、ゲンコ(スタッド)とバネ(ソケット)としたが、これらを反対にしても良く、スナップボタン13b,14b以外の取付手段を用いることとしても良い。スナップボタン13b,14b以外の取付手段としては普通のボタンや、面ファスナーとすることもできるが、取付の確実性と密着性の観点でスナップボタンが好ましい。
【0030】
<第2実施形態>〔図10〕:
図10には、身体装着具2aを用いた身体装着ライト2を示し、身体装着機能用具の別の実施形態を説明する。身体装着ライト2では、先の実施形態で説明した身体装着ライト1とはバンド23の構造が異なる。即ち、身体装着ライト1で帯状材13aとして用いた帯状硬質材13d及び外皮13eの組合せに代えて、身体装着ライト2では、柔らかな帯状布23dを帯状材23aとして用いており、折り返しフレーム23eに通して長さ調整できるようにしたものである。したがって身体装着具2aはバンド23と連結具14とで構成される。
【0031】
即ち、バンド23は、帯状布23dと、折り返しフレーム23eと、固定部23fと、バンド側取付手段13bとを有し、帯状布23dの一方端に設けた折り返しフレーム23eに他方端を通して折り返し、他方端の先端部分に設けた面ファスナーのような固定部23fで帯状布23dどうしを留めて固定する。手首や腕など、取り付ける人の大きさによって自由に帯状布23dの固定位置を動かすことができるため、締め付け程度を個人の好みに合わせて調整できる。連結具14との固定に寄与するバンド側取付手段13bは、身体装着ライト1と同様に、スナップボタン13bが好ましい。
【0032】
帯状布23dとしては、伸縮性のある織物や材質のものを用いることが好ましく、ゴムひもを芯材として用いることも好ましい。帯状布23dを腕や手首に巻く際の弾力性を与え、やや伸ばして止めれば固定し易くなるからである。
【0033】
身体装着ライト2では、バンド23の芯材として帯状硬質材13dを用いずに柔らかい帯状布23dを用いていることから、腕や手首に装着した際の装着感が柔らかくソフトである点で好ましい。
【0034】
身体装着ライト2では、バンド23の表面に面ファスナーを固定部23fとして設けているため、この固定部23fどうしがバンド巻付手段17となって、バンド23の端部が手首等に沿って収まるため、バンド長さが15~50cmであればバンド23の端部がだらだらと垂れ下がるようなことがない。
【0035】
<第3実施形態>[図11]:
図11には、身体装着具3aを用いた身体装着ライト3を示し、身体装着機能用具のまた別の実施形態を説明する。身体装着ライト3では、これまでの各実施形態で用いていたバンド13,23に対して着脱可能な連結具14を用いずに、バンド33に固定した連結具34、換言すれば、身体装着具3aを連結具一体型バンド35として用いている点でこれまでの実施形態とは異なる。
より具体的には、先の実施形態で用いていたバンド側取付手段13bと連結具側取付手段14bを、連結具34の本体部14aとバンド33の帯状材13aとを直接縫い付ける等の手段として固着したものである。
【0036】
身体装着ライト3によれば、連結具を介してバンドの着脱が容易にできるという利点が失われる一方で、バンドがライトに直接取り付けられたのと同じ態様となるため、バンド側取付手段や連結具側取付手段を備える必要がなく、部品点数を削減でき、また、ライト12とバンド33の一体性が高まることから、ライト12の照光方向が安定し易いという利点がある。
【0037】
<第4実施形態>〔図12図15〕:
図12には、身体装着具4aを用いた身体装着ライト4を示し、身体装着機能用具である別の実施形態を説明する。身体装着ライト4では、先の実施形態で説明した身体装着ライト1~3とは連結具44の構造が異なる。身体装着ライト4では、図12で示すように、連結具44は短尺帯状の本体部14aで構成され、バンド43とそれぞれの端部で連結している。
【0038】
各部材の構成をより詳しく説明すると、まず連結具44は、図13(A)で示すように、短尺帯状の本体部14aからなり、その略中央部分でライト42の連結具接続部12bと接続できるように、やや細くなった細幅部44fを構成している。また、この細幅部44fの表面には連結具側取付補助手段14c又はライト取付補助手段16としての面ファスナーが取り付けられている。そうした一方で、連結具44の一方端にはバンド43に取り付けるための連結具側取付手段14bであるスナップボタン(図13(A)ではバネ)が設けられており、他方端にはリング44gがとり付けられている。また、リング44gが付いた他方端側にも連結具側取付補助手段14cである面ファスナーが設けられている。このライト42が取り付けられる部分からは離れた部分における連結具側取付補助手段14cは、バンド43の手首等への巻付きをしっかりと固定するバンド巻付手段17でもある。
【0039】
連結具44とライト42との接合は、図14で示すように、ライト42の連結具受け部12aに設けた連結具接続部12bに、連結具44の細幅部44fを通すことにより行う。これまでの実施形態で示した縫い付け部14dを設けるなどの必要がなく連結具44を簡単にライト42に取り付けることができる。なお、本実施形態におけるライト42の連結具接続部12bの形状は、第1実施形態で説明したライト12の連結具接続部12bの形状と異なるが、連結具44は第1実施形態で説明したライト12の連結具接続部12bのような形状でも同様に簡単に取り付けることができる。
【0040】
バンド43は、図13(B)で示すように、第1実施形態で用いたバンド13と同様に丸まった状態で安定する帯状材13aが用いられる。但し、連結具44と接続するためのバンド側取付手段13bは、スナップボタン(図13(B)ではゲンコ)がバンド43の一方端側にのみ設けられている。また、中央部分には比較的広い面積を占めるようにバンド側取付補助手段13cである面ファスナーが設けられている。このバンド側取付補助手段13cは、第1実施形態での身体装着ライト1では、ライト12をしっかりとバンド13に取り付けるライト取付補助手段16であったが、本実施形態での身体装着ライト4では、ライト取付補助手段16であるだけでなく、バンド43の手首等への巻付きをしっかりと固定するバンド巻付手段17でもある点で異なる。
【0041】
こうした構成からなる身体装着ライト4の使い方を次に示す。まずバンド43は丸まった状態ではなく伸ばした状態にしておく。そして、手首や腕などの所定の位置にバンド43を押し当てることで、バンド43が丸まりながら手首や腕などに巻きつく。続けてリング44g側をバンド43の丸まり状態に重ねて巻き付けると、バンド43に設けたバンド側取付補助手段13cであり、ライト取付補助手段16及びバンド巻付手段17でもある面ファスナーと、連結具44に設けた2つの連結具側取付補助手段14cであり、ライト取付補助手段16である1つの面ファスナーとバンド巻付手段17であるもう1つの面ファスナーとが接合し、図15で示すように、手首等にしっかりと巻き付いてバンド43が固定され、そのバンド43にライト42が固定される。
【0042】
身体装着ライト4では、連結具44を短尺帯状に形成したため、ライト42への取付が容易である。特に、バンド43は手首や腕等に巻き付けた際に安定性や巻き付き易さなどから上記所定の幅や厚みがあった方が良いが、そうした幅や厚みがあるとライト42の連結具接続部12bへの接続が困難な場合も多い。そうした場合においても、バンド43とは異なる幅、厚みとなる連結具44を準備することができるため、ライト42への取付が容易である。
【0043】
ライト42の裏面になる部位に連結具側取付補助手段14cであり、かつライト取付補助手段16である面ファスナーを設けたため、ライト42がしっかりとバンド43に接続されることで、ライト42のぐらつきを防止し、手首や腕に取り付けた際の安定性を高め、バンド43からライト42がより外れ難くすることができる。
【0044】
さらに身体装着ライト4では、連結具44がバンド43を覆うようにしており、連結具44のリング44g側に連結具側取付補助手段14cであり、かつバンド巻付手段17を設けたため、男性の太い腕や女性の細い手首など巻き付けた際の太さの相違にも対応がし易く、より外れ難い。また、連結具側取付補助手段14cである面ファスナーをバンド側取付補助手段13cである面ファスナーに重ね合わせ固定することで、バンド43の端部が連結具44の内側に収まり、バンド43の端部がだらだらと垂れ下がるようなことがない。
【0045】
<第5実施形態>〔図16図17〕:
図16には、身体装着具5aを用いた身体装着ライト5を示し、身体装着機能用具である別の実施形態を説明する。身体装着ライト5では、先の実施形態で説明した身体装着ライト4の連結具44とバンド43とを一体としたバンド53として構成した構造が異なる。即ち、身体装着ライト5では、身体装着ライト4における連結具44の部分をバンド53の一部としており、連結具を用いずに、バンド53を直接、ライト42の連結具接続部12bに接続するようにしている。
【0046】
各部材の構成をより詳しく説明すると、バンド53は、図17で示すように、ライト42に接続する部分では、ライト42の連結具接続部12bと接続できるように、やや細くなった細幅部44fを構成している。また、この細幅部44fの表面にはバンド側取付補助手段13cでありライト取付補助手段16でもある面ファスナーが取り付けられている。そして、リング44gを有する先端側にはバンド53の手首等への巻付きをしっかりと固定するバンド側取付補助手段13cがバンド巻付手段17として設けられている。そうした一方で、リング44gを有する側と反対側には、第1実施形態で用いたバンド13と同様に丸まった状態で安定する帯状材13aが用いられ、その中央部分には比較的広い面積を占めるようにバンド側取付補助手段13cでありバンド巻付手段17である面ファスナーが設けられている。
【0047】
バンド53とライト42との接合は、ライト42のバンド受け部12aに設けたバンド接続部12bに、バンド53の細幅部44fを通すことにより行う。第4実施形態における連結具44を取り付けるのと同様に、バンド53を簡単にライト42に取り付けることができる。
【0048】
こうした構成からなる身体装着ライト5は、身体装着ライト4と同様に使うことができる。身体装着ライト5では、連結具を用いずにバンド53をライト42に取り付けるようにしたため、部品点数が少なくなり製造が容易で、コストを抑えることができる。また、バンド53には手首や腕等に巻き付けた際に安定性や巻き付き易さなどから上記所定の幅や厚みがあった方が良いが、そうした幅や厚みがあっても、それとは異なる幅、厚みとなる細幅部44fを設けたため、ライト42への取付が容易である。
【0049】
ライト42の裏面になる部位にライト取付補助手段16を設けたため、ライト42がしっかりとバンド53に接続されるため、ライト42のぐらつきを防止し、手首や腕に取り付けた際の安定性を高め、バンド53からライト42離脱をし難くすることができる。
【0050】
さらに身体装着ライト5では、ライト42が取り付けられた側のバンド53の一端が反対側の帯状材13aが手首等に巻き付いた他端側を覆うようにしており、バンド53の表裏両面にバンド巻付手段17を設けたため、男性の太い腕や女性の細い手首など巻き付けた際の太さの相違にも対応がし易く、そうした巻付太さが異なる場合であってもしっかりとバンド53を巻き付けることができ、バンド53を外れ難くすることができる。また、バンド側取付補助手段13cである面ファスナーをバンド側取付補助手段13cである別の面ファスナーに重ね合わせ固定することで、バンド53の端部が手首等に沿って収まり、バンド53の端部がだらだらと垂れ下がるようなことがない。
【0051】
<第6実施形態>〔図18〕:
図18には、バンドと連結具からなる身体装着具1a、2a、3a、4a、及び身体装着具5aをライト以外の機能用具として、例えばコンパクト扇風機62を取り付けた身体装着扇風機6として利用する場合の身体装着機能用具の実施形態を説明する。身体装着扇風機6は、換言すれば、これまでの各実施形態で用いていたバンド及び連結具を用い、ライト12,42に代えて、コンパクト扇風機62を用いた例である。なお、機能用具(又は機能部品)とは何らかの用に足りる用具であれば良く、コンパクトな電機製品の他、ペットボトル入れ等の道具入れなどが例示できる。
【0052】
コンパクト扇風機62は、直径10cm程度で簡単に携帯できる扇風機であり、ファンを支持するアームの先にはクリップ(図示せず)が設けられており、衣服に止めることができるようになっている。このクリップ部分に連結具14~44を取り付けることで形成する身体装着扇風機6は、図18で示すように、腕に取り付けることで外出時にも利用することができ、夏場の日中の暑さを緩和することができる。
【0053】
なお、連結具としては上記各実施形態に用いた連結具14~44を利用することができるが、コンパクト扇風機62の様々なクリップ形状に対応できるように、接続布14aの先端に面ファスナーを設けた形状とすることができる。面ファスナーを用いれば、コンパクト扇風機62の一部分を接続布で巻いて面ファスナーで固定することができ、多少の長さが異なる部位にも対応できる。
【0054】
上記実施形態は本発明の一例であり、こうした形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限度において、種々の変更や置換を行い得るものである。
【符号の説明】
【0055】
1,2,3,4,5 身体装着ライト(身体装着機能用具)
1a,2a,3a,4a,5a 身体装着具
12、42 ライト
12a 連結具受け部(バンド受け部)
12b 連結具接続部(バンド接続部)
12c ライト本体
12d 光源部
12e 回転機構
13,23,33,43,53 バンド
13a 帯状材
13b バンド側取付手段(スナップボタン)
13c バンド側取付補助手段(面ファスナー)
13d 帯状硬質材
13e 外皮
13f 芯材
13g プラスチック材
23a 帯状材
23d 帯状布
23e 折り返しフレーム
23f 固定部(面ファスナー)
14,34,44 連結具
14a 本体部
14b 連結具側取付手段(スナップボタン)
14c 連結具側取付補助手段(面ファスナー)
14d 縫い付け部
14e 突片部
44f 細幅部
44g リング
16 ライト取付補助手段(機能用具取付補助手段)
17 バンド巻付手段
35 連結具一体バンド
6 身体装着扇風機(身体装着機能用具)
62 コンパクト扇風機
図1
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