(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、および、ゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20241211BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241211BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2021128809
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】汲田 敦司
(72)【発明者】
【氏名】大家 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】垂石 実
(72)【発明者】
【氏名】関口 敬司
(72)【発明者】
【氏名】馬場 智子
(72)【発明者】
【氏名】瓦井 信行
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 光
(72)【発明者】
【氏名】喜多村 凌二
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-171549(JP,A)
【文献】特開2007-301104(JP,A)
【文献】特開2018-047169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシンボルが再配置されるディスプレイと、
以下の処理を実行するコントローラ、
とを有し、
前記コントローラは、
ベット操作後に第1抽選を実行し、前記第1抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する通常ゲームを実行し、
前記第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、前記第2抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行し、
前記第1特別状態の終了後、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも前記第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、前記第3抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行し、
前記第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、前記第2特別状態の終了後、再度前記第1特別状態へ移行することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第3抽選の対象として、異なる数値が対応付けられた複数の特殊シンボルを含み、
前記コントローラは、
前記第2特別状態における前記第2フリーゲームにおいて、前記特殊シンボルを再配置対象として決定した場合、当該特殊シンボルに割り当てられた数値を累積し、
前記第2特別状態において累積した累積値が、所定の閾値を超えた場合には、当該第2特別状態の後に前記第1特別状態へ移行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータにより実行されるゲーム制御方法であって、
複数のシンボルをディスプレイに再配置することと、
ベット操作後に第1抽選を実行し、前記第1抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する通常ゲームを実行することと、
前記第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、前記第2抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行することと、
前記第1特別状態の終了後、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも前記第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、前記第3抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行することと、
前記第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、前記第2特別状態の終了後、再度前記第1特別状態へ移行することと、を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および、ゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、据え置きのスロットマシン、最近では、スロットゲームのアプリケーションがインストールされたスマートフォン(情報処理装置)やソーシャルゲームなどにおいては、ベット数を指定したベットを条件として通常ゲームの抽選が行われ、その抽選結果に基づいてシンボルを再配置するものが存在する。
【0003】
例えば、特許文献1のスロットゲームにおいては、通常ゲームの抽選により再配置されたシンボルが所定の組み合わせを構成している場合、配当を付与する、通常ゲームよりも有利な特別ゲームに移行する、といった特典がプレイヤーに付与される。一般的に、1回の特別ゲームは、ベットを条件とせずにN回のシンボルの再配置(以下、フリーゲームという)を1セットとするものであり、フリーゲームでは通常ゲームよりも入賞による配当が得られやすく設定される。さらに、特別ゲーム中に実行されたフリーゲームにおいて、特別なシンボルの組み合わせが成立(リトリガー)した場合には、当該特別ゲーム中にフリーゲームの数が追加されて、1回の特別ゲームで実行されるフリーゲームの数が増加されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開2017-0200346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特別ゲーム中に実行される複数のフリーゲームのいずれかにおいて、前述したように特別なシンボルの組み合わせが成立することにより、更に、1回の特別ゲームが連荘するという、シンボル抽選に依存するような特別ゲームへの移行を採用しているスロットゲームが一般的になりすぎて、単調なものとなってしまっている。一方で、スロットゲームは、シンボル抽選を基調としてのゲームであるので、シンボル抽選に関連しつつ、特別ゲームに移行する際の趣向性を向上させようとすると、シンボル抽選処理に係わるデータが肥大化したり、プログラム自体が複雑化するという問題が生じる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決することができる、情報処理装置、および、ゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、
複数のシンボルが再配置されるディスプレイと、
以下の処理を実行するコントローラ、
とを有し、
前記コントローラは、
ベット操作後に第1抽選を実行し、前記第1抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する通常ゲームを実行し、
前記第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、前記第2抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行し、
前記第1特別状態の終了後、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも前記第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、前記第3抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行し、
前記第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、前記第2特別状態の終了後、再度前記第1特別状態へ移行することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、第1特別状態から移行可能な第2特別状態で繰り返されるフリーゲーム(実施形態では3回)の第3抽選で特別なゲーム結果が得られることにより、第1特別状態へ再度移行されることになる。これにより、第2特別状態を第1特別状態のトリガとして作用させることによって、シンボルの決定の制御に使用されるデータの肥大化やプログラムの複雑化を招来する恐れを低減しつつ、遊技者が通常ゲームよりも有利なフリーゲームの繰り返しを段階的かつ漸次に期待させることができるような趣向性を付加することが可能となる。
【0009】
本発明の情報処理装置において、
前記第3抽選の対象として、異なる数値が対応付けられた複数の特殊シンボルを含み、
前記コントローラは、
前記第2特別状態における前記第2フリーゲームにおいて、前記特殊シンボルを再配置対象として決定した場合、当該特殊シンボルに割り当てられた数値を累積し、
前記第2特別状態において累積した累積値が、所定の閾値を超えた場合には、当該第2特別状態の後に前記第1特別状態へ移行してもよい。
【0010】
上記構成によれば、第2特別状態における複数回のフリーゲームで特殊シンボルが当選することによる数値の累積により、第1特別状態への移行が決定されるため、フリーゲームの繰り返しを段階的かつ漸次に期待させることができるような趣向性をさらに付加することが可能となる。
【0011】
本発明のゲーム制御方法は、
複数のシンボルをディスプレイに再配置することと、
ベット操作後に第1抽選を実行し、前記第1抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する通常ゲームを実行することと、
前記第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、前記第2抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行することと、
前記第1特別状態の終了後、ベット操作が不要であり、前記第1抽選よりも前記第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、前記第3抽選により決定したゲーム結果を前記ディスプレイに表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行することと、
前記第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、前記第2特別状態の終了後、再度前記第1特別状態へ移行することと、
を含むことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、第1特別状態から移行可能な第2特別状態で繰り返されるフリーゲーム(実施形態では3回)の第3抽選で特別なゲーム結果が得られることにより、第1特別状態へ再度移行されることになる。これにより、第2特別状態を第1特別状態のトリガとして作用させることによって、シンボルの決定の制御に使用されるデータの肥大化やプログラムの複雑化を招来する恐れを低減しつつ、遊技者が通常ゲームよりも有利なフリーゲームの繰り返しを段階的かつ漸次に期待させることができるような趣向性を付加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ゲーム制御システムの概略構成を示す説明図である。
【
図2】ゲーム制御システムの電気構成を示すブロック図である。。
【
図3】情報処理端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】情報処理端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図8】第1特別状態実行処理のフローチャートである。
【
図9】第2特別状態実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態の情報処理装置を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の情報処理装置1は、通常ゲームから移行可能な第1特別状態の終了後、通常ゲームや第1特別状態で実行される第1フリーゲームとは異なるシンボル抽選を行う第2フリーゲームを行う第2特別状態へ移行可能であり、第2特別状態において特別なゲーム結果が成立すると、第1特別状態へ再度移行可能に構成されている。
【0016】
情報処理装置1は、ゲーム画面を表示するディスプレイ2と、メモリ3と、ベット数の切り替えやスロットゲームのスタートを受け付ける入力装置として機能するタッチパネル5と、コントローラ4とを有している。コントローラ4は、タッチパネル5で切替えられるゲーム価値の消費を条件とする通常ゲームを実行する機能と、特別ゲームにおいて通常ゲームよりも有利なフリーゲームを実行する機能と、を有している。
【0017】
本実施形態において、フリーゲームは、通常ゲームで所定のゲーム結果が成立することにより移行される特別ゲーム(第1特別状態)において所定回数実行される第1フリーゲームと、第1特別状態の後に移行可能な特別ゲーム(第2特別状態)において所定回数実行される第2フリーゲームと、を有している。本実施形態では、第1特別状態は、ベット数の消費を条件としない所定回数(例えば、8回)のフリーゲームを1セットとするものである。また、第2特別状態は、ベット数の消費を条件としない所定回数(例えば、3回)のフリーゲームを1セットとするものである。このように、情報処理装置1は、複数のゲーム状態(通常ゲームを実行する状態、第1フリーゲームを実行する第1特別状態、および、第2フリーゲームを実行する第2特別状態)で、スロットゲームを実行する。
【0018】
なお、ゲーム価値とは、通常ゲームを実行するための条件として消費され、通常ゲームおよびフリーゲームのゲーム結果として付与され得る。すなわち、ユーザは、ゲーム価値をベットして1のスロットゲーム(単位ゲーム)をプレイし、スロットゲームの結果としてゲーム価値等の特典を獲得し得る。ゲーム価値は、ゲーム内において擬似的にクレジットの代替として用いられる有価情報を含まないゲームポイントであってもよいし、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報であってもよい。なお、以下の説明において、ゲーム価値をクレジットと称す場合がある。また、ベットに用いるゲーム価値の数をベット数と称す場合がある。
【0019】
特別ゲームは、1以上のフリーゲームを含む。フリーゲームは、ゲーム価値のベットを条件とすることなく実行され、再配置されたシンボルに応じた量のゲーム価値を支払うゲームのことである。換言すれば、フリーゲームとは、ゲーム価値の消費を前提とせずに開始されるゲームである。すなわち、ユーザにとってフリーゲームとはベット操作が不要に開始されるゲームである。これに対し、通常ゲームは、ゲーム価値のベットを条件として実行され、再配置されたシンボルに応じた量のゲーム価値を支払うゲームのことである。換言すれば、通常ゲームとは、ゲーム価値の消費を前提として開始されるゲームのことである。すなわち、ユーザにとって通常ゲームとはベット操作を行うことを条件に開始されるゲームである。
【0020】
本実施形態では、情報処理装置1は、スロットゲームとして、通常ゲームと、第1フリーゲームと、第2フリーゲームとを実行可能に構成されている。スロットゲームは、抽選に基づきシンボルを再配置する位置を決定し、その配置位置に基づいてゲーム結果を得るものである。以下、通常ゲーム、第1フリーゲーム、および、第2フリーゲームのそれぞれにおいて行われる、シンボルを再配置する位置を決定するための抽選を、第1抽選、第2抽選、および、第3抽選と称す場合がある。情報処理装置1は、これらの第1抽選、第2抽選、および、第3抽選に応じて、ゲーム状態(通常ゲームを実行する状態、第1特別状態、および、第2特別状態)を遷移させる。情報処理装置1は、これらの抽選結果や、抽選結果から得られたゲーム結果を、ディスプレイ2に表示する。
【0021】
本実施形態では、情報処理端末1は、タッチパネル5がディスプレイ2に設けられたスマートフォンであるがこれに限定されない。情報処理端末1は、携帯型及び据置型の何れであってもよい。携帯型の情報処理端末1としては、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、及び、PDA(Personal Data Assistant)等の携帯情報機器が例示される。
【0022】
ディスプレイ2の表示方式としては、液晶方式、有機エレクトロルミネッセンス方式、CRT(Cathode Ray Tube)方式、プラズマ方式等の各種の表示方式が例示される。タッチパネル5は、ユーザの指等が接触した部位の座標を検出可能に構成されている。タッチパネル5には、電磁誘導方式、及び、静電容量方式等の既知の技術が採用される。情報処理端末1は、タッチパネル5からの信号に基づいて、ユーザがタッチした座標やスワイプ等のタッチの態様を検出して、ユーザがタッチした画面上のオブジェクト等を判定し、判定結果に応じた応答を行う。
【0023】
本実施形態では、タッチパネル5がベット数の切り替えを受け付ける入力装置として作動するようになっているがこれに限定されない。例えば、入力装置として、マイクやカメラであってもよく、ユーザの音声やジェスチャを指示操作として受け付けてもよい。
【0024】
ディスプレイ2には、後述するように、複数のシンボルが再配置されるシンボル表示領域が設けられる。なお、複数のシンボルが再配置される、とは、シンボル抽選の結果としてシンボルが決定される概念を含んでおり、実際に演出としてシンボルが再配置されることに限定されない。
【0025】
メモリ3には、コントローラ4が有する機能を実現するためのプログラムや各種のデータが格納されている。メモリ3に格納されるデータやプログラムは、工場出荷段階において予め格納されていてもよいし、或いは、図示しないサーバ等から通信手段によりダウンロードされて格納されていてもよい。すなわち、上記プログラムは、非一過性の記録媒体であるメモリ3に格納されている。通信手段は、インターネットやケーブルテレビ等の双方向に通信可能な伝送路であってもよいし、一方向にだけ情報を送信する放送であってもよい。また、メモリ3に格納されるデータやプログラムは、フロッピーディスクやCD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納され、必要に応じて記録媒体から読み出されてメモリにインストールされてもよい。
【0026】
図1に例示するように、メモリ3に格納されたプログラムは、上記の機能を実現すべく、以下のような処理を実行する。すなわち、メモリ3に格納されたプログラムは、第1抽選を実行する通常ゲームを実行する処理(A1)と、通常ゲームにおいて所定のゲーム結果が成立したか否かを判定する処理(A2)と、所定条件が成立した場合(A2:YES)には通常ゲームから第1特別状態へ移行し、それぞれで第2抽選を行う所定回数の第1フリーゲームを実行する処理(A3)と、第2特別状態へ移行し、それぞれで第3抽選を行う所定回数の第2フリーゲームを実行する処理(A4)と、第2特別状態で行われた複数回の第3抽選によって特別なゲーム結果が成立したか否かを判定する処理(A5)と、を情報処理装置1に実行させるように構成されている。すなわち、上記プログラムは、上述した処理を情報処理端末1(コンピュータ)に実行させるようになっている。
【0027】
また、上記のプログラムを備えた情報処理端末1が、(A1)~(A6)の処理を実行することによって、(A1)~(A6)の処理を含むゲーム制御方法が情報処理装置1において実現されている。すなわち、情報処理装置1において、ベット操作後に第1抽選を実行し、第1抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2に表示する通常ゲームを実行することと、第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、第2抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2に表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行することと、第1フリーゲーム終了後、ベット操作が不要であり、第1抽選よりも第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、第3抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2に表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行することと、第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、第2特別状態の終了後、再度第1特別状態へ移行することと、を含むゲーム制御方法が実現されている。
【0028】
また、後述するが、本実施形態では、ディスプレイ2、タッチパネル5、及び、コントローラ4とを有する情報処理端末1と、サーバ10と、を備えた情報処理システム1000が構成されている。例えば、情報処理装置1において、サーバ10が、コントローラ4の機能を少なくとも一部備えるものであってもよい。すなわち、上記プログラムが上述した処理を実行させるコンピュータとは、情報処理端末1を示すものであってもよいし、情報処理端末1及びサーバ10を示すものであってもよい。後者の場合、サーバ10及び情報処理装置1を、一体制御される情報処理装置とみることができる。また、サーバ10及び情報処理装置1での処理や動作を、プログラム、ゲーム制御方法、または、サーバ10および情報処理装置1間で実現されるシステムの発明として置き換えることができる。
【0029】
このように、情報処理装置1は、複数のシンボルが再配置されるディスプレイ2と、コントローラ4、とを有し、コントローラ4は、ベット操作後に第1抽選を実行し、第1抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2に表示する通常ゲームを実行し、第1抽選で所定のゲーム結果が成立すると、ベット操作が不要であり、第1抽選よりも有利なゲーム結果が得られる可能性が高い第2抽選を実行し、第2抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2表示する第1フリーゲームを所定回数実行可能な第1特別状態へ移行し、第1フリーゲーム終了後、ベット操作が不要であり、第1抽選よりも第1フリーゲームへ移行する可能性が高い第3抽選を実行し、第3抽選により決定したゲーム結果をディスプレイ2に表示する第2フリーゲームを所定回数実行可能な第2特別状態へ移行し、第2特別状態における複数回の第3抽選で特別なゲーム結果が成立すると、第2特別状態の終了後、再度第1特別状態へ移行する構成にされている。
【0030】
この構成によれば、第1特別状態から移行可能な第2特別状態で繰り返されるフリーゲームの第3抽選で特別なゲーム結果が得られることにより、第1特別状態へ再度移行されることになる。これにより、第2特別状態を第1特別状態のトリガとして作用させることによって、シンボルの決定の制御に使用されるデータの肥大化やプログラムの複雑化を招来する恐れを低減しつつ、遊技者が通常ゲームよりも有利なフリーゲームの繰り返しを段階的かつ漸次に期待させることができるような趣向性を付加することが可能となる。
【0031】
図2に示すように、情報処理端末1は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、センサーコントローラ118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを、筐体11内に備えている。
【0032】
また、サーバ10は、CPU1101、ROM1102、RAM1103、ハードディスクドライブ等の記憶装置1104、ネットワークI/F1111を備える所謂コンピュータである。情報処理端末1とサーバ10とは図示しないインターネットを介して接続される。すなわち、サーバ10は、複数のユーザ端末装置としての情報処理装置1に、コミュニケーションネットワークを介して通信するとともに、複数の情報処理装置1に対してゲームを提供する。このように、本実施形態で実行されるスロットゲームは、オンラインゲームとして実行される。これにより、プレイヤーはスマートフォンやPC等の情報処理装置1によって、サーバ10が提供するコンテンツに、ブラウザ等のアプリケーションを介してアクセスすることにより、スロットゲームを実行することができる。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)101は、情報処理端末1におけるコントローラの主たる構成として機能し、情報処理端末1全体の動作を制御する。CPU1101は、サーバ10におけるコントローラの主たる構成として機能し、サーバ10全体の動作を制御する。すなわち、CPU101・1101は、情報処理システム1000全体の動作を制御するコントローラとして機能する。ROM(Read Only Memory)102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
【0034】
RAM(Random Access Memory)103・RAM1103は、CPU101・CPU1101のワークエリアとして使用される。操作ボタン108は、情報処理端末1を初期設定する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、情報処理端末1の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
【0035】
本実施形態において、メモリ3として機能するフラッシュメモリ104は、ゲームプログラム、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。記憶装置1104は、データベースとして機能し、複数の情報処理端末1毎のゲームデータを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。サーバ10は、情報処理端末1のゲームプログラムからの要求に対して、適宜記憶装置1104のデータベースを参照して応答を返す。
【0036】
ネットワークI/F(Interface)111・ネットワークI/F1111は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従ってディスプレイ2に画像データを送信する回路である。ディスプレイ2は、筐体11の前面に設けられている。センサーコントローラ118は、ディスプレイ2に設けられたタッチパネル5からの入力を受け付ける回路である。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。バスライン110は、CPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0037】
次に、本実施形態の情報処理装置1が実行するスロットゲームについて説明する。スロットゲームは、情報処理端末1にインストールされたアプリケーションにおけるゲーム要素としてユーザがプレイ可能にされている。スロットゲームは、複数のシンボルがシンボル表示領域内において変動後に停止され(再配置)、シンボル表示領域内に表示されたシンボルの組み合わせによりゲーム価値等の特典が付与されるゲームである。すなわち、シンボル表示領域内に予め定められた組み合わせが表示された場合には当該組み合わせに応じた特典が付与され、シンボル表示領域内に予め定められた組み合わせが表示されなければ特典は付与されない。
【0038】
図3に示すように、複数のシンボルが配列された、6個のビデオリールをシンボル表示領域21内で変動させ(6個のビデオリールのスクロール映像)、その後に停止して表示(再配置)し、シンボル表示領域21内に表示された24個のシンボルの組み合わせ(同種のシンボルの個数)により特典(配当やフリーゲームなど)を付与するゲームである。尚、6個のビデオリールをシンボル表示領域21内において変動後に停止させて表示した状態を、『再配置』と称している。シンボル表示領域21内に表示されたシンボルの組み合わせにより、クレジットが配当として付与される。
【0039】
『単位ゲーム』とは、ベットの受付開始から賞成立(シンボルの組み合わせが所定の関係を満たす)となり得る状態までの一連の動作である。即ち、単位ゲームは、ベットを受け付けるベットタイムと、シンボルを再配置するゲームタイムと、配当を付与する払出処理の払出タイムと、をそれぞれ1回含む状態である。
【0040】
次に、スマートフォン1のディスプレイ120に表示される、スロットゲーム画面について説明する。スロットゲーム画面は、通常ゲームおよび特別ゲームにおけるフリーゲームにおいて表示される。具体的には、スロットゲーム画面は、通常ゲームおよび特別ゲームにおけるフリーゲームにおけるシンボル抽選によって決定された再配置シンボルに基づく演出として表示される。
【0041】
図3に示すように、スロットゲームが実行された場合、ディスプレイ120にスロットゲーム画面が表示される。スロットゲーム画面には、シンボル表示領域21と、スロットゲームの実行に伴って増減する情報(現在の所持コイン数など)等を表示するゲーム情報表示領域22と、スロットゲームの展開やゲーム状態に応じた演出が行われる演出領域23と、プレイヤーがスロットゲームの進行のために操作する操作表示領域24と、が表示される。操作表示領域24には、スピンボタン241と、AUTOボタン242と、ITEMボタン243と、ベットボタン244と、WIN表示部245と、ショップボタン246とが表示される。
【0042】
シンボル表示領域21は、行方向に配列される6つのビデオリール表示領域(第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216)を有している。各ビデオリール表示領域において、複数のシンボルが配列されるビデオリールが変動表示された後に停止されてシンボルが再配置される。各ビデオリール表示領域は、4つの列方向に配列されるセル20からなり、このセル20にシンボルが再配置されることになる。すなわち、シンボル表示領域21には、シンボルが再配置されるセル20が6列×4段のマトリックス状(行列状)に配列されている。このように、本実施形態では、シンボル表示領域において、複数のシンボルが再配置される領域をシンボル変動領域に設定しているがこれに限定されない。例えば、1つのシンボルが再配置される領域のそれぞれを個別のシンボル変動領域としてもよい。なお、本実施形態では、1つのビデオリール表示領域全体(列方向の4つのセル20)を占有するロングシンボルがシンボル列に含まれる場合がある。このように、1つのセル20に1個のシンボルが再配置されることに限定されず、シンボルは、複数のセル20を占有するものであってもよい。
【0043】
このように、スロットゲームにおける抽選の結果として、シンボル表示領域21にはそれぞれのビデオリールにシンボルが再配置される。なお、シンボル表示領域21にはペイラインが設定され、ペイライン上のシンボルに基づいて配当に関するゲーム結果が、シンボル再配置の前に予め決定される。具体的に、ペイラインは、各ビデオリール表示領域(第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216)から、1つずつ選択されたセル20のセットである。ペイラインは複数設定されており、ペイライン上に再配置されるシンボルが入賞となる所定の組み合わせであるか否かをシンボルの再配置前に予め判定し、所定の組み合わせであるすべてのペイラインに対して配当が付与されることになる。
【0044】
なお、本実施形態では、入賞の判定に「LEFT TO RIGHT」タイプを採用している。これは、シンボル表示領域21に再配置されるシンボルにおいて、シンボル表示領域21のリール211からリール216に掛けて、同種のシンボルが所定数以上(本実施形態では、3~6個)連続して繋がっていれば入賞となる(配当が付与される)。
【0045】
このように、情報処理装置1は、スロットゲームの抽選を予め行って再配置するシンボルを決定し、ディスプレイ120のシンボル表示領域21にその抽選結果を表示する。
【0046】
また、ディスプレイ120の前面には、スロットゲーム画面を透過するタッチパネル5が設けられている。タッチパネル5は、プレイヤーの指等が接触した部位の座標を検出可能に構成されている。これにより、例えば、スピンボタン241の画像がタッチされることによって、1回のスロットゲーム(単位ゲーム)が実行可能にされている。また、AUTOボタン242の画像がタッチされることによって、連続してスロットゲームが実行可能にされている。また、ITEMボタン243の画像がタッチされると、プレイヤーが、過去に獲得したアイテム(スロットゲームに影響を与える効果が得られる)を選択・使用することができる。また、ショップボタン246の画像がタッチされると、スマートフォン1からサーバ100にアクセスし、キャッシュ(プレイヤーが所持する現金、クレジットカード、電子マネー、プリペイドカードなどでの決済可能なもの)から、スロットゲームで使用可能なクレジット(コイン)への交換や、キャッシュ又はコインからアイテムへの交換をすることができるショップに移動することができる。なお、交換されたスロットゲームで使用可能なクレジット(コイン)は、RAM103に設けられているコイン数カウンタの値に加算される。
【0047】
なお、特別ゲームにおいて、スピンボタン241は、残りのフリーゲーム数を表示する領域241aに変化する。すなわち、特別ゲームが開始されると、領域241aに示される数値が、フリーゲームが実行されるごとに、4から0までカウントされる。
【0048】
次に、シンボル表示領域21に表示される、6個のビデオリールが有するシンボル列の構成について説明する(リールセットに相当)。6個のビデオリールが有するシンボル列は、通常ゲームと、第1フリーゲームと、第2フリーゲームと、で異なった構成となっている。
【0049】
具体的に、シンボルは、配当シンボルと、ロングワイルドシンボルと、トリガーシンボルと、特殊シンボルと、を有している。配当シンボルは、スロットゲームにおいて配当を得るためのシンボルである。なお、本実施形態において、配当シンボルは、すべてのスロットゲームで表示されるシンボルである。すなわち、配当シンボルは、第1抽選、第2抽選および第3抽選の抽選対象となるシンボルである。
【0050】
ロングワイルドシンボルは、配当シンボルと同様に、スロットゲームにおいて配当を得るためのシンボルである。ロングワイルドシンボルは、ビデオリール表示領域全体(列方向の4つのセル20)を占有し、かつ、配当シンボルの代替となるシンボルである。配当シンボルの代替とは、例えば、ペイライン上において、同種のシンボルの間に1以上のロングワイルドシンボルが存在する態様となる場合、当該1以上のロングワイルドシンボルは、同種のシンボルと見なされて入賞が判定されることを示す。このように、ロングワイルドシンボルが抽選の対象となると、ペイライン上での入賞がされやすくなる。なお、本実施形態において、ロングワイルドシンボルは、通常ゲーム及び第1フリーゲームにおいてのみ、表示されるシンボルである。すなわち、ロングワイルドシンボルは、第1抽選および第2抽選の抽選対象となるシンボルである。
【0051】
なお、本実施形態では、通常ゲームにおいて、必ず1つのロングワイルドシンボルが、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれかに再配置される。すなわち、第1抽選は、ロングワイルドシンボルを、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれに再配置するかの抽選と、ロングワイルドシンボルを再配置しない5個のビデオリール表示領域に再配置するシンボルの抽選と、を含む。また、第1フリーゲームにおいて、必ず2つのロングワイルドシンボルが、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれかに再配置される。すなわち、第2抽選は、ロングワイルドシンボルを、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれの2個に再配置するかの抽選と、ロングワイルドシンボルを再配置しない4個のビデオリール表示領域に再配置するシンボルの抽選と、を含む。
【0052】
トリガーシンボルは、通常ゲームにおいて特別ゲームへ移行するための条件を成立させるためのシンボルである。本実施形態において、通常ゲームの第1抽選で3個以上のトリガーシンボルが当選した場合、ゲーム状態は第1特別状態へ移行され、所定回数の第1フリーゲームが実行されることになる。なお、本実施形態において、トリガーシンボルは、通常ゲームにおいてのみ表示されるシンボルである。すなわち、トリガーシンボルは、第1抽選の抽選対象となるシンボルである。
【0053】
本実施形態において、特殊シンボルは、第2特別状態における第2フリーゲームにおいてのみ表示されるシンボルである。すなわち、特殊シンボルは、第3抽選のみの抽選対象となるシンボルである。特殊シンボルは、異なる数値が対応付けられた複数の種類を含んでいる。第2特別状態における第2フリーゲームにおいて、特殊シンボルを再配置対象として決定した場合、当該特殊シンボルに割り当てられた数値が累積される。そして、第2特別状態において累積した累積値が、フラッシュメモリ104に記憶される所定の閾値を超えた場合には、当該第2特別状態の後に第1特別状態へ移行されることになる。
【0054】
このように、再配置される複数のシンボルは、配当を成立させる条件となる配当シンボルと、所定の条件を成立させる条件となるトリガーシンボルと、を有している。そして、特別ゲームにおいて、再配置される複数のシンボルの抽選対象として、トリガーシンボルは含められないように構成される。これにより、シンボル表示領域21に特別ゲーム中に機能しないトリガーシンボルが除外されるため、視覚的に配当性が向上したことを示すことができる。また、特別ゲームにおけるフリーゲームにおいて、トリガーシンボルが除外されたリールが変動表示されるため、視覚的に、通常ゲームであるか、特別ゲームであるかが明確に示される。したがって、このような構成により、電子デバイスのための改善されたユーザインターフェースをもたらしている。また、特殊シンボルを第2特別状態のみに表示することで、第2特別状態での第2フリーゲームが、第1特別状態へ移行するためのトリガーとなるゲームであることを明示し、電子デバイスのための改善されたユーザインターフェースをもたらしている。
【0055】
そして、各ビデオリールに配列されたシンボルには、コードナンバーが対応付けられており、乱数抽選の結果、決定したコードナンバーに対応するシンボルが、シンボル表示領域21に表示される。なお、各ビデオリールに配列するシンボルは、種類やその個数や配列順序について、任意に設定可能である。
【0056】
図4を参照して、情報処理端末1が制御する基本的なゲーム状態の遷移について説明する。情報処理端末1は、ゲーム状態として、通常ゲームと、第1特別状態と、第2特別状態と、を有している。第1特別状態、および、第2特別状態でのフリーゲームの第2抽選および第3抽選は、ベットが不要であるという点で、通常ゲームよりも有利に設定されている。また、第1特別状態での第1フリーゲームの第2抽選は、ロングワイルドシンボルが多く再配置されることにより有利なゲーム結果が得られる可能性が高いという点で、通常ゲームや第2特別状態の第1抽選および第2抽選よりも有利に設定されている。
【0057】
図4に示すように、通常ゲームのスロットゲームの第1抽選において決定される24個のシンボルに、トリガーシンボルが3個以上含まれる場合、通常ゲームから、第1特別状態へ移行し、7回のフリーゲームが実行される。
【0058】
なお、本実施形態では、第1特別状態への移行のタイミングにおいて、第1特別状態が終了した後に第2特別状態へ移行するか否かを決定するように構成される。具体的に、第1特別状態への移行が決定された通常ゲームにおいてトリガーシンボルが3個再配置された場合には、第1特別状態への移行のタイミングで、第1特別状態の後に第2特別状態へ移行するか否かの抽選(第2特別状態抽選)が実行される。この第2特別状態抽選で当選した場合には第1特別状態の終了後に第2特別状態へ移行され、非当選の場合には第1特別状態の終了後にゲーム状態は通常ゲームへ戻る。また、第1特別状態への移行が決定された通常ゲームにおいてトリガーシンボルが4個再配置された場合には、第1特別状態への移行のタイミングで、第1特別状態の後に第2特別状態へ移行することが確定される。このように、トリガーシンボルの入賞は、ペイラインに関係のない、所謂スキャッター方式で判定される。なお、本実施形態では、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のそれぞれにトリガーシンボルが1つずつ配列されているため、トリガーシンボルが再配置される数は最大4個となっている。なお、トリガーシンボルが配列されるリールや個数はこれに限定されない。
【0059】
第1特別状態では、7回の第1フリーゲームが実行され、それぞれで第2抽選が行われる。上述のように、第1フリーゲームでは2個のロングワイルドシンボルが必ず当選となる。第2特別状態への移行が確定されている場合、第1特別状態が終了後に第2特別状態へ移行される。第2特別状態抽選で非当選の場合には、第1特別状態が終了後にゲーム状態は通常ゲームへ戻る。なお、本実施形態では、第2特別状態から移行された第1特別状態の場合は、第1特別状態が終了後そのまま通常ゲームへ戻るがこれに限定されない。例えば、第1特別状態が開始された際に、第2特別状態抽選を再度に行って、当選した場合にはさらに第2特別状態へ移行してもよい。
【0060】
第2特別状態では、3回の第2フリーゲームが実行され、それぞれで複数の特殊シンボルを抽選対象に含む第3抽選が行われる。複数の特殊シンボルにはそれぞれ異なる数値(例えば、150、350、600)が対応付けられており、特殊シンボルが当選する毎に、当選した特殊シンボルに対応する数値が累積される。1回の第2特別状態で累積した累積値が所定の閾値(例えば、1000)に到達するという特別なゲーム結果となった場合、第2特別状態の終了後に第1特別状態へ再度移行される。1回の第2特別状態で累積した累積値が所定の閾値に到達せずに特別なゲーム結果とならなかった場合には、第2特別状態の終了後にゲーム状態が通常ゲームに戻ることになる。
【0061】
このように、情報処理装置1は、特殊シンボルを含む複数のシンボルが再配置されるシンボル表示領域21を表示するディスプレイ120と、シンボル表示領域21に再配置する複数のシンボルを決定して結果を出力する、通常ゲーム、及び、通常ゲームよりも有利なフリーゲームを実行するコントローラと、コントローラに接続され、複数のシンボルと、所定の閾値が記憶された記憶装置と、を有している。そして、コントローラは、通常ゲームが実行される通常ゲーム状態から移行可能な第1特別状態と、第1特別状態から移行され、シンボル表示領域21への再配置対象に特殊シンボルが含まれる第2特別状態と、において、所定回数の前記フリーゲームを実行する。そして、コントローラは、通常ゲームにおいてシンボル表示領域21に表示する複数のシンボルが所定のゲーム結果条件を満たす場合、通常ゲーム状態から第1特別状態へ移行する。そして、コントローラは、所定のタイミング(例えば、第1特別状態へ移行するタイミング)において、第1特別状態の終了後に第2特別状態へ移行するか否かを決定する。そして、コントローラは、第2特別状態におけるフリーゲームにおいて特殊シンボルを再配置する場合、当該特殊シンボルに割り当てられた数値を累積し、第2特別状態における数値の累積値が、所定の閾値を超えた場合には、第2特別状態の後に第1特別状態へ移行する。
【0062】
これにより、第1特別状態から移行可能な第2特別状態で繰り返されるフリーゲームにおいて、特殊シンボルが表示されることによって累積される数値の累積値が所定の閾値を越えることにより、第1特別状態へ再度移行されることになる。これにより、第2特別状態を第1特別状態のトリガとして作用させることによって、シンボルの決定の制御に使用されるデータの肥大化やプログラムの複雑化を招来する恐れを低減しつつ、遊技者が通常ゲームよりも有利なフリーゲームの繰り返しを段階的かつ漸次に期待させることができるような趣向性を付加することが可能となる。
【0063】
次に、
図5を参照して、第2特別状態において、情報処理装置1のディスプレイ120に表示されるゲーム画面の一例について説明する。第2特別状態においては、演出領域23において、撃破対象オブジェクト231が表示される。本実施形態では、撃破対象オブジェクト231に、所定の閾値に対応する数値である「1000」が示されているがこれに限定されない。
【0064】
第2特別状態における第2フリーゲームでの第3抽選において、特殊シンボルが当選すると、特殊シンボル400がシンボル表示領域21に再配置される。
図5に示す例では、2つの特殊シンボル400が再配置されている。
【0065】
特殊シンボル400がシンボル表示領域21に再配置されると、シンボル表示領域21における特殊シンボル400が再配置された位置から撃破対象オブジェクト231に向けて、オブジェクトが移動して、撃破対象オブジェクト231に攻撃演出232が行われる。本実施形態では、攻撃演出232に、特殊シンボル400に対応付けられた数値が示されているがこれに限定されない。なお、特殊シンボル400の対応付けられる数値に応じて、その攻撃演出232が異なる表示態様となるように構成されていてもよい。
【0066】
そして、攻撃演出232が行われた後、撃破対象オブジェクト231に示される数値は、再配置された特殊シンボル400に対応する数値が減算された値となる。
図5に示す例では、「150」の数値に対応する特殊シンボル400と、「350」の数値に対応する特殊シンボル400と、が再配置されたため、「1000」から累積値である「500」が減算されて、撃破対象オブジェクト231には、減算結果である「500」が示されている。
【0067】
そして、合計3回の第2フリーゲームにおいて、特殊シンボル400が再配置されて、累積値が「1000」に到達する値となった場合には、当該第2特別状態が終了後に第1特別状態へ移行されることになる。
【0068】
このように、閾値は、撃破対象オブジェクト231のライフゲージとして設定されており、特殊シンボルが再配置されることで、撃破対象オブジェクト231への攻撃映像の演出を表示することができるように構成されている。
【0069】
次に、
図6を参照して、情報処理装置1のフラッシュメモリ104に記憶される特殊シンボルテーブルについて説明する。特殊シンボルテーブルは、第2フリーゲームのスロットゲームのシンボル抽選(第3抽選)において、特殊シンボルが当選した場合に、当該特殊シンボルにいずれの数値を対応付けるのかを決定するために用いられる。すなわち、第3抽選は、第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216に再配置するシンボルを決定するための抽選と、当該抽選で特殊シンボルが当選した場合に特殊シンボルに対応付ける数値を決定するための抽選と、を含む。
【0070】
具体的に、特殊シンボルテーブルは、特殊シンボル欄と、数値欄と、確率欄と、を有している。本実施形態では、特殊シンボルは3種類(第1特殊シンボル、第2特殊シンボル、第3特殊シンボル)が設けられており、特殊シンボル欄には、これら3種類の特殊シンボルを示すデータが格納される。数値欄には、特殊シンボル毎の数値が格納される。確率欄には、特殊シンボルを、3種類のいずれにするかを決定するための確率が格納される。すなわち、特殊シンボルが第3抽選で当選した場合には、当選したすべての特殊シンボルについて、確率欄に基づく抽選を行って、いずれの種類の特殊シンボルとするのかを決定する。なお、これに限定されず、例えば、特殊シンボルの種類ごとに映像を変更する場合には映像データを参照するためのデータ等を特殊シンボルテーブルに含めてもよい。
【0071】
次に、
図7を参照して、情報処理装置1のCPU101によって実行されるゲーム制御処理について説明する。
【0072】
まず、CPU101は、ベット・スタートチェック処理を行う(S10)。このベット・スタートチェック処理では、情報処理装置1のディスプレイ120の操作表示領域24のベットボタン244の「+」ボタン及び「-」ボタン(
図3参照)のタッチ操作などにより、ベットするクレジット数(コイン数)を決定する。そして、ベットしたクレジット数が、RAM103のBET数カウンタに記憶される。なお、ベットが行われた場合、RAM103に設けられているコイン数カウンタの値から、ベットしたクレジット数が減算される。このように、ベットしたクレジット数が決定されることにより、スロットゲームの結果、シンボル表示領域21のペイライン上に再配置(表示)される、同種のシンボルの個数(3個~6個)に対応する払出数に、ベットしたクレジット数が乗算された値がその入賞による配当になる。また、このベット・スタートチェック処理では、CPU101は、スピンボタン241のタッチ操作が行われたか否かを判定し、スピンボタン241のタッチ操作が行われた場合には、S21の処理に移行して、スロットゲームを進行する。
【0073】
次に、CPU101は、第1抽選処理を実行する(S11)。上述のように、CPU101は、第1抽選において、1つのロングワイルドシンボルを、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれに再配置するかの抽選と、ロングワイルドシンボルを再配置しない5個のビデオリール表示領域に再配置するシンボルの抽選と、を含む処理を実行する。ここでは、6個の各ビデオリール(第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216)に配列された複数のシンボルの中から停止予定シンボルを、抽選により決定する。この停止予定シンボルは、シンボル表示領域21に表示する24個のシンボルデータである。これにより、シンボル表示領域21に表示される24個のシンボルが決定される。
【0074】
そして、CPU101は、決定した24個の停止予定シンボルをRAM103に設けられているシンボル格納領域に格納する。
【0075】
次に、CPU101は、シンボル抽選処理の結果に基づく払出数決定処理を行う(S12)。この処理では、CPU101は、シンボル表示領域21のペイライン上に再配置(表示)する予定の、同種のシンボルの個数を「LEFT TO RIGHT」で判定する。そして、CPU101は、同種のシンボルの個数が、所定の個数以上(3個~6個)再配置される場合には、RAM103に格納されたペイテーブルに基づいて、配置される種類のシンボルの個数に対応する払出数(配当値)を決定する。なお、いずれの種類のシンボルも所定の個数以上再配置されない場合には、払出数が無し(配当値が0)となる。そして、決定された払出数(配当)は、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0076】
そして、CPU101は、ステップS11の第1抽選処理においてトリガーシンボルが3個当選されて、第1特別状態への移行条件が成立したか否かを判定する(S13)。ステップS13において、トリガーシンボルが3個当選したと判定した場合(S13:YES)には、CPU101は、第2特別状態抽選を実行し(S14)、第1特別状態が終了した後に第2特別状態へ移行するか否かを決定する。そして、CPU101は、第2特別状態抽選が当選であるか否かを判定する(S15)。そして、第2特別状態抽選が当選である場合(S15:YES)に、CPU101は、第2特別状態フラグをONに設定する(S16)。そして、第2特別状態抽選が当選である場合、または、非当選である場合(S15:NO)のいずれにおいても、CPU101は、第1特別状態フラグをONに設定する(S17)。
【0077】
一方、ステップS11の第1抽選処理においてトリガーシンボルが3個当選されていない場合(S13:NO)、CPU101は、第1抽選処理においてトリガーシンボルが4個当選されているか否かを判定する(S18)。トリガーシンボルが4個当選されている場合(S18:YES)、CPU101は、第2特別状態フラグをONに設定し(S16)、さらに第1特別状態フラグをONに設定する(S17)。
【0078】
ステップS17の後、または、ステップS18においてトリガーシンボルが4個当選されていない場合(S18:NO)、CPU101は、演出決定処理を実行する(S19)。CPU101は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽選により決定する。例えば、CPU101は、シンボル表示領域21(
図3参照)において、第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のそれぞれのスクロールを開始し、ステップS11の第1抽選処理で決定した24個のシンボルをそれぞれに停止表示する演出を決定する。より具体的には、例えば、トリガーシンボルが停止シンボルとして当選している場合、スクロール中にトリガーシンボルが停止される表示領域に、トリガーシンボルが停止される旨を示す予兆演出を行う等を決定してもよい。また、例えば、CPU101は、停止表示されたシンボルのうち入賞に係るシンボルの強調表示演出、WIN表示部245(
図3参照)において配当を表示する演出、配当がベット数の所定倍数以上である場合の特別なWIN演出等を決定する。
【0079】
そして、CPU101は、決定された演出内容のタイミングで当該演出内容を実行する(S20)。例えば、CPU101は、ディスプレイ120に演出用の映像を表示し、スピーカ115により音声を出力する等の制御を行う。また、例えば、CPU101は、シンボル表示領域21においてリール上の複数のシンボルのスクロール表示を開始した後、停止予定シンボルを停止表示する映像を表示する。また、例えば、CPU101は、停止表示されたシンボルのうち入賞に係るシンボルを強調表示する映像を行い、所持クレジット数がインクリメントされる演出を行う。また、例えば、CPU101は、特別ゲームへの移行演出を行う。そして、CPU101は、上記のゲームの結果として加算するクレジット数がある場合には、当該クレジット数を所持クレジットに加算する払出処理を実行する(S21)。なお、払出処理は、ステップS24の演出実行処理中の所定のタイミング(例えば、所持クレジット数がインクリメントされる演出のタイミング)にて行われてもよい。そして、CPU101は、本サブルーチンを終了する。ここで、CPU101は、例えば、実行した単位ゲームでのBET数記憶領域のベットカウンタの値や抽選によりシンボル表示領域21に表示することに決定されたシンボルなど、RAM103の作業領域において1回の単位ゲームごとに不要となるデータをクリアしてもよい。
【0080】
その後、CPU101は、第1特別状態フラグがONであるか否かを判定する(S22)。第1特別状態フラグがOFFである場合(S22:NO)、本ルーチンが終了される。第1特別状態フラグがONである場合(S22:YES)、CPU101は、第1特別状態実行処理を実行する(S23)。第1特別状態実行処理については、
図8を参照して後述する。このように、CPU101は、第1特別状態フラグがONであることを判定して、通常ゲームから第1特別状態への移行を確定する。
【0081】
その後、CPU101は、第2特別状態フラグがONであるか否かを判定する(S24)。第2特別状態フラグがOFFである場合(S24:NO)、本ルーチンが終了される。第1特別状態フラグがONである場合(S24:YES)、CPU101は、第2特別状態実行処理を実行する(S25)。第2特別状態実行処理については、
図9を参照して後述する。このように、CPU101は、第2特別状態フラグがONであることを判定して、第1特別状態から第2特別状態への移行を確定する。CPU101は、第2特別状態実行処理を実行後、処理をステップS22へ移行し、第2特別状態において特別なゲーム結果が満足されて第1特別状態へ移行が決定されたかされたか否か(第1特別状態フラグがONにされたか否か)を判定する。
【0082】
次に、
図8を参照して、情報処理装置1のCPU101によって実行される第1特別状態実行処理について説明する。
【0083】
まず、CPU101は、第2抽選処理を実行する(S44)。上述のように、CPU101は、第2抽選において、ロングワイルドシンボルを、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216のいずれの2個に再配置するかの抽選と、ロングワイルドシンボルを再配置しない4個のビデオリール表示領域に再配置するシンボルの抽選と、を含む処理を実行する。そして、CPU101は、第2抽選処理の結果に基づく払出数決定処理を行う(S45)。この処理では、RAM103に格納された、ペイテーブルに基づいて、シンボル表示領域21に再配置(表示)する予定の、ペイライン上の同種のシンボルの個数(3個~6個)に対応する払出数(配当値)を決定する。そして、決定されたこれらの払出数(配当)の合計が、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0084】
そして、CPU101は、演出決定処理を実行する(S46)。CPU101は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽選により決定し、決定された演出内容のタイミングで当該演出内容を実行する(S47)。例えば、CPU101は、ディスプレイ120に演出用の映像を表示し、スピーカ115により音声を出力する等の制御を行う。また、例えば、CPU101は、シンボル表示領域21においてリール上の複数のシンボルのスクロール表示を開始した後、停止予定シンボルを停止表示する映像を表示する。また、例えば、CPU101は、停止表示されたシンボルのうち入賞に係るシンボルを強調表示する映像を行い、所持クレジット数がインクリメントされる演出を行う。そして、CPU101は、上記のゲームの結果として加算するクレジット数がある場合には、当該クレジット数を所持クレジットに加算する払出処理を実行する(S48)。
【0085】
そして、CPU101は、フリーゲーム数減算処理を実行する(S49)。具体的には、CPU101は、フリーゲーム残り数欄の数値から1を減算する。そして、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S50)。ステップS50においては、例えば、実行した単位ゲームでのBET数記憶領域のベットカウンタの値や抽選によりシンボル表示領域21に表示することに決定されたシンボル、表示領域23に表示することに決定されたシンボル列など、RAM103の作業領域において1回の単位ゲームごとに不要となるデータがクリアされる。
【0086】
そして、CPU101は、第1特別状態における残りフリーゲーム数が無いか否かを判定する(S51)。残りフリーゲーム数がある場合(S51:NO)、CPU101は、処理をステップS44へ移行し、再度フリーゲームを実行する。残りフリーゲーム数が無い場合(S51:YES)、CPU101は、払出合計表示処理を実行する(S52)。CPU101は、払出合計表示処理において、第1特別状態のフリーゲームで払い出したすべての配当の合計額を表示する演出を実行する。そして、CPU101は、第1特別状態フラグをOFFに設定(S53)した後、本サブルーチンを終了し、
図7のゲーム制御処理へ処理を戻す。
【0087】
次に、
図9を参照して、情報処理装置1のCPU101によって実行される第2特別状態実行処理について説明する。
【0088】
まず、CPU101は、第3抽選処理を実行する(S60)。上述のように、CPU101は、第3抽選処理において、第1リール211、第2リール212、第3リール213、第4リール214、第5リール215、第6リール216に再配置するシンボルを決定するための抽選と、当該抽選で特殊シンボルが当選した場合に特殊シンボルに対応付ける数値を決定するための抽選と、を含む処理を実行する。そして、CPU101は、第3抽選処理の結果、特殊シンボルが当選したか否かを判定する(S61)。特殊シンボルが当選した場合(S61:YES)には、CPU101は、全ての特殊シンボルに対応付けられた数値を、累積値に累積する累積処理を実行する(S62)。そして、CPU101は、第3抽選処理の結果に基づく払出数決定処理を行う(S63)。この処理では、RAM103に格納された、ペイテーブルに基づいて、シンボル表示領域21に再配置(表示)する予定の、ペイライン上の同種のシンボルの個数(3個~6個)に対応する払出数(配当値)を決定する。そして、決定されたこれらの払出数(配当)の合計が、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0089】
そして、CPU101は、演出決定処理を実行する(S64)。CPU101は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽選により決定し、決定された演出内容のタイミングで当該演出内容を実行する(S65)。例えば、CPU101は、ディスプレイ120に演出用の映像を表示し、スピーカ115により音声を出力する等の制御を行う。また、例えば、CPU101は、シンボル表示領域21においてリール上の複数のシンボルのスクロール表示を開始した後、停止予定シンボルを停止表示する映像を表示する。また、例えば、CPU101は、停止表示されたシンボルのうち入賞に係るシンボルを強調表示する映像を行い、所持クレジット数がインクリメントされる演出を行う。
【0090】
また、例えば、第3抽選にて、特殊シンボルが当選した場合には、
図5において説明したような演出領域23における演出を行う。そして、CPU101は、上記のゲームの結果として加算するクレジット数がある場合には、当該クレジット数を所持クレジットに加算する払出処理を実行する(S66)。
【0091】
そして、CPU101は、フリーゲーム数減算処理を実行する(S67)。具体的には、CPU101は、フリーゲーム残り数欄の数値から1を減算する。そして、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S68)。ステップS67においては、例えば、実行した単位ゲームでのBET数記憶領域のベットカウンタの値や抽選によりシンボル表示領域21に表示することに決定されたシンボル、表示領域23に表示することに決定されたシンボル列など、RAM103の作業領域において1回の単位ゲームごとに不要となるデータがクリアされる。
【0092】
そして、CPU101は、第2特別状態における残りフリーゲーム数が無いか否かを判定する(S69)。残りフリーゲーム数がある場合(S69:NO)、CPU101は、処理をステップ60へ移行し、再度フリーゲームを実行する。残りフリーゲーム数が無い場合(S69:YES)、CPU101は、払出合計表示処理を実行する(S70)。CPU101は、払出表示処理において、第1特別状態において払い出したすべての配当の合計額を表示する演出を実行する。
【0093】
そして、CPU101は、第2特別状態フラグをOFFに設定(S71)する。そして、CPU101は、累積値が閾値に到達したか否かを判定する(S72)。累積値が閾値に到達している場合には(S72:YES)、CPU101は、第1特別状態フラグをONに設定した後(S73)、本サブルーチンを終了し、
図7のゲーム制御処理へ処理を戻す。累積値が閾値に到達していない場合には(S72:NO)、そのまま
図7のゲーム制御処理へ処理を戻す。
【0094】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成、例えば、第1特別状態や第2特別状態におけるフリーゲーム数、第2特別状態における特殊シンボルに対応付ける数値や累積値と比較する閾値等は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1 情報処理端末
2 ディスプレイ
3 メモリ
4 コントローラ
5 タッチパネル