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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】画像処理装置および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241211BHJP
【FI】
G06T7/00 650B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020171263
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022063001
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雄介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏彰
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204338(JP,A)
【文献】特開2010-020414(JP,A)
【文献】特開2013-161188(JP,A)
【文献】特開2005-141517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 ー 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステレオ画像に基づいて生成された距離画像に基づいて立体物を検出することにより第1の画像領域を設定する第1の領域設定部と、
前記ステレオ画像に含まれる左画像および右画像の一方に基づいて、前記立体物が車両である度合いを示す車両度を推定することにより第2の画像領域を設定する第2の領域設定部と、
前記第1の画像領域の大きさ、前記第2の画像領域の大きさ、および前記第1の画像領域および前記第2の画像領域の相対的な位置関係に基づいて、前記第1の画像領域と前記第2の画像領域とを比較する比較部と、
前記車両度、および前記比較部の処理結果に基づいて、前記立体物が車両であるかどうかを判定する判定部と
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記第1の画像領域および前記第2の画像領域が所定の判定条件を満たすかどうかを確認することにより、前記第1の画像領域と前記第2の画像領域とを比較し、
前記第1の画像領域および前記第2の画像領域は、第1の方向および第2の方向における領域であり、
前記所定の判定条件は、
前記第1の方向において、前記第2の画像領域が前記第1の画像領域に含まれることと、
前記第2の画像領域の前記第1の方向における幅を、前記第1の画像領域の前記第1の方向における幅で除算した値が、所定のしきい値より小さいことと
を含む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記所定の判定条件を満たす場合に、前記立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理を行う
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記立体物が連続構造物である度合いを示す連続構造物度を推定する推定部をさらに備え、
前記判定部は、前記所定の判定条件を満たす場合に、前記車両度および前記連続構造物度に基づいて、前記立体物が車両であるかどうかを判定する
請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置において実行される画像処理方法であって、
ステレオ画像に基づいて生成された距離画像に基づいて立体物を検出することにより第1の画像領域を設定することと、
前記ステレオ画像に含まれる左画像および右画像の一方に基づいて、前記立体物が車両である度合いを示す車両度を推定することにより第2の画像領域を設定することと、
前記第1の画像領域の大きさ、前記第2の画像領域の大きさ、および前記第1の画像領域および前記第2の画像領域の相対的な位置関係に基づいて、前記第1の画像領域と前記第2の画像領域とを比較する比較処理を行うことと、
前記車両度、および前記比較処理の処理結果に基づいて、前記立体物が車両であるかどうかを判定することと
を含む画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像された立体物を解析する画像処理装置、およびそのような画像処理装置において使用される画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される画像処理装置には、イメージセンサにより得られた撮像画像を解析するものがある。例えば、特許文献1には、探査レーダおよびイメージセンサを備え、探査レーダの検出結果に基づいて、撮像画像に含まれる車両の画像を囲む矩形領域を予測する車両検出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-141517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に搭載される画像処理装置では、検出した立体物が車両であるかどうかを精度よく判定できることが望ましく、さらなる判定精度の向上が期待されている。
【0005】
立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る画像処理装置は、第1の領域設定部と、第2の領域設定部と、比較部と、判定部とを備えている。第1の領域設定部は、ステレオ画像に基づいて生成された距離画像に基づいて立体物を検出することにより第1の画像領域を設定するように構成される。第2の領域設定部は、ステレオ画像に含まれる左画像および右画像の一方に基づいて、立体物が車両である度合いを示す車両度を推定することにより第2の画像領域を設定するように構成される。比較部は、第1の画像領域の大きさ、第2の画像領域の大きさ、および第1の画像領域および第2の画像領域の相対的な位置関係に基づいて、第1の画像領域と第2の画像領域とを比較するように構成される。判定部は、車両度、および比較部の処理結果に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するように構成される。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る画像処理方法は、画像処理装置において実行される画像処理方法であって、ステレオ画像に基づいて生成された距離画像に基づいて立体物を検出することにより第1の画像領域を設定することと、ステレオ画像に含まれる左画像および右画像の一方に基づいて、立体物が車両である度合いを示す車両度を推定することにより第2の画像領域を設定することと、第1の画像領域の大きさ、第2の画像領域の大きさ、および第1の画像領域および第2の画像領域の相対的な位置関係に基づいて、第1の画像領域と第2の画像領域とを比較する比較処理を行うことと、車両度、および比較処理の処理結果に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定することとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施の形態に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態に係る画像処理装置の一構成例を表すブロック図である。
図2図1に示したステレオ画像の一例を表す説明図である。
図3図1に示した立体物検出部の一動作例を表す説明図である。
図4図1に示した車両探索部の一動作例を表す説明図である。
図5】立体物領域および車両領域の一例を表す説明図である。
図6】立体物領域および車両領域の他の一例を表す説明図である。
図7】立体物領域および車両領域の位置関係の一例を表す説明図である。
図8】立体物領域および車両領域の位置関係の他の一例を表す説明図である。
図9】立体物領域および車両領域の位置関係の他の一例を表す説明図である。
図10図1に示した車両判定部の一動作例を表すフローチャートである。
図11】変形例に係る画像処理装置の一構成例を表すブロック図である。
図12図11に示した車両判定部の一動作例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る画像処理装置(画像処理装置1)の一構成例を表すものである。なお、本開示の実施の形態に係る画像処理方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。画像処理装置1は、ステレオカメラ11と、処理部20とを備えている。画像処理装置1は、自動車等の車両10に搭載される。
【0012】
ステレオカメラ11は、車両10の前方を撮像することにより、互いに視差を有する一組の画像(左画像PLおよび右画像PR)を生成するように構成される。ステレオカメラ11は、左カメラ11Lと、右カメラ11Rとを有する。左カメラ11Lおよび右カメラ11Rのそれぞれは、レンズとイメージセンサとを含んでいる。左カメラ11Lおよび右カメラ11Rは、この例では、車両10の車両内において、車両10のフロントガラスの上部近傍に、車両10の幅方向に所定距離だけ離間して配置される。左カメラ11Lおよび右カメラ11Rは、互いに同期して撮像動作を行う。左カメラ11Lは左画像PLを生成し、右カメラ11Rは右画像PRを生成する。左画像PLおよび右画像PRは、ステレオ画像PICを構成する。ステレオカメラ11は、所定のフレームレート(例えば60[fps])で撮像動作を行うことにより、一連のステレオ画像PICを生成するようになっている。
【0013】
図2は、ステレオ画像PICの一例を表すものであり、(A)は左画像PLの一例を示し、(B)は右画像PRの一例を示す。この例では、車両10が走行している走行路における車両10の前方に、先行車両90が走行している。左カメラ11Lがこの先行車両90を撮像することにより左画像PLを生成し、右カメラ11Rがこの先行車両90を撮像することにより右画像PRを生成する。ステレオカメラ11は、このような左画像PLおよび右画像PRを含むステレオ画像PICを生成するようになっている。
【0014】
処理部20(図1)は、ステレオカメラ11から供給されたステレオ画像PICに基づいて、車両10の前方の車両を認識するように構成される。車両10では、例えば、処理部20が認識した立体物についての情報に基づいて、例えば、AEB(Automatic Emergency Braking)やACC(Adaptive Cruise Control)などの車両10の走行制御を行い、あるいは、認識した車両についての情報をコンソールモニタに表示することができるようになっている。処理部20は、例えば、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)、処理データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)などにより構成される。処理部20は、距離画像生成部21と、立体物検出部22と、連続構造物推定部23と、車両探索部24と、画像領域比較部25と、車両判定部26とを有している。
【0015】
距離画像生成部21は、ステレオ画像PICに含まれる左画像PLおよび右画像PRに基づいて、ステレオマッチング処理やフィルタリング処理などを含む所定の画像処理を行うことにより、距離画像PZを生成するように構成される。距離画像生成部21は、左画像PLおよび右画像PRに基づいて、互いに対応する2つの画像点を含む対応点を特定することにより、ステレオマッチング処理を行う。距離画像PZの各画素における画素値は、視差値であり、例えば左画像PLにおける画像点の横座標の座標値と、右画像PRにおける画像点の横座標の座標値との差である。この視差値は、3次元の実空間における、各画素に対応する点までの距離値に対応している。なお、これに限定されるものではなく、例えば、複数の画素値のそれぞれは、3次元の実空間における、各画素に対応する点までの距離を示す距離値であってもよい。距離画像生成部21は、生成した距離画像PZを、立体物検出部22および連続構造物推定部23に供給するようになっている。
【0016】
立体物検出部22は、距離画像PZに基づいて立体物を検出するように構成される。そして、立体物検出部22は、距離画像PZにおける、検出した立体物に対応する画像領域に、立体物領域Robjを設定するようになっている。
【0017】
図3は、立体物検出部22により検出された、距離画像PZにおける立体物領域Robjの一例を表すものである。なお、距離画像PZは視差値の画像であるが、この図3では、説明の便宜上、立体物そのものを描いている。距離画像PZでは、先行車両90、ガードレール、壁、建物、人物などの立体物に対応する画像領域において、連続した視差値を有する。立体物検出部22は、距離画像PZに含まれるこのような連続した視差値を利用して、立体物を検出する。そして、立体物検出部22は、距離画像PZにおける、検出した立体物に対応する画像領域に立体物領域Robjを設定する。立体物検出部22は、例えばガードレールや壁のように、視差値が連続する画像領域が広い場合には、その視差値に対応する距離に車両がある場合において想定される車両の大きさに応じた所定の大きさを超えない範囲で、立体物領域Robjを設定する。そして、立体物検出部22は、設定した立体物領域Robjについての情報と、その立体物領域Robjにおける視差値についての情報を、連続構造物推定部23、画像領域比較部25、および車両判定部26に供給するようになっている。
【0018】
連続構造物推定部23は、距離画像PZに基づいて、立体物検出部22が検出した立体物が連続構造物である度合いを推定するように構成される。連続構造物は、例えば、ガードレールや壁など、走行路に沿って比較的長い距離にわたって連なる構造物である。連続構造物推定部23は、立体物がこのような連続構造物である度合い(連続構造物度D)を推定し、その連続構造物度Dについての情報を車両判定部26に供給するようになっている。
【0019】
連続構造物推定部23は、例えば、立体物検出部22が設定した立体物領域Robjおよびその立体物領域Robjの左右の画像領域において、視差値が連続しているかどうかを確認することにより、連続構造物度Dを推定する。連続構造物度Dは、立体物が連続構造物である可能性が高いほど、高い値を示すものである。
【0020】
具体的には、例えば、図3に示したように、立体物が先行車両90である場合には、立体物領域Robjおよびその立体物領域Robjの左右の画像領域では、視差値は連続しない。すなわち、立体物領域Robjにおける視差値は、先行車両90までの距離に対応し、立体物領域Robjの左右の画像領域における視差値は、例えば、車両10が走行している走行路までの距離に対応するので、立体物領域Robjにおける視差値よりも小さい。この場合には、連続構造物推定部23は、その立体物が連続構造物である度合い(連続構造物度D)は低いと推定する。
【0021】
また、例えば、立体物がガードレールや壁である場合には、立体物領域Robjおよびその立体物領域Robjの左右の画像領域では、視差値は連続する。すなわち、立体物領域Robjは、上述したように、視差値に対応する位置に車両があった場合において想定される車両の大きさに応じた所定の大きさを超えない範囲で設定されるので、立体物領域Robjは、例えば、ガードレールや壁に対応する領域の一部に設定される。よって、この場合には、立体物領域Robjおよびその立体物領域Robjの左右の画像領域では、視差値は連続するので、連続構造物推定部23は、その立体物が連続構造物である度合い(連続構造物度D)は高いと推定するようになっている。
【0022】
車両探索部24は、左画像PLおよび右画像PRの一方である画像Pに基づいて、機械学習の技術を用いて、車両を探索するように構成される。
【0023】
図4は、車両探索部24の一動作例を模式的に表すものである。画像Pは、車両10の前方を走行する先行車両90の画像を含んでいる。車両探索部24は、画像Pにおいて、矩形状の複数の処理対象領域Rpを、例えば位置および大きさを少しずつ変化させながら順次設定する。そして、車両探索部24は、機械学習の技術を用いて、各処理対象領域Rpにおける車両スコアSCを算出する。この車両スコアSCは、処理対象領域Rpの画像が車両の特徴を含むほど高い値を示す。車両探索部24は、例えば、複数の処理対象領域Rpのうちの、車両スコアSCが最も高い処理対象領域Rpにおいて、その車両スコアSCが所定のスコア以上である場合に、その処理対象領域Rpを車両領域Rvとして設定する。そして、車両探索部24は、車両領域Rvについての情報、および車両スコアSCを、画像領域比較部25および車両判定部26に供給するようになっている。
【0024】
画像領域比較部25は、立体物検出部22が設定した立体物領域Robjと、車両探索部24が設定した車両領域Rvとを比較するように構成される。
【0025】
図5,6は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvの一例を表すものであり、図5は立体物が先行車両90である場合を示し、図6は立体物がガードレールである場合を示す。
【0026】
図5の例では、立体物検出部22は、先行車両90に対応する領域に立体物領域Robjを設定し、車両探索部24は、先行車両90に対応する領域に車両領域Rvを設定している。立体物が車両である場合には、例えば、図5に示したように、立体物領域Robjの位置および大きさと、車両領域Rvの位置および大きさとはほぼ同じである。
【0027】
また、図6の例では、立体物検出部22は、ガードレール91、ポール92、標識93に対応する領域に立体物領域Robjを設定し、車両探索部24は、ガードレール91の一部およびポール92の一部に対応する領域に車両領域Rvを設定している。すなわち、この例では、立体物が遠方にあるので、画像が粗いため、車両探索部24は、この例では、ガードレール91の一部およびポール92の一部が示す画像パターンが車両のような特徴を有すると判断し、車両スコアSCを高くし、ガードレール91の一部およびポール92の一部に車両領域Rvを設定している。立体物が連続構造物を含む場合には、図6に示したように、立体物領域Robjが大きくなり得る。特に、この例では、立体物が遠方にあるので視差値の精度が低い。また、連続構造物であるガードレール91の近くにポール92や標識93があるので、同じような視差値を有する画像領域が広い。その結果、立体物検出部22は、車両領域Rvよりも大きい立体物領域Robjを設定している。
【0028】
図7~9は、立体物が連続構造物を含む場合における、立体物領域Robjおよび車両領域Rvの関係の一例を表すものである。
【0029】
図7の例では、車両領域Rvは、図6の例と同様に、立体物領域Robjの下辺をまたぐように設定されている。言い換えれば、この例では、横方向(x方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれる。なお、これに限定されるものではなく、例えば、車両領域Rvは、立体物領域Robjの上辺をまたぐように設定されることもあり得る。
【0030】
図8の例では、車両領域Rvは、立体物領域Robjの右辺をまたぐように設定されている。言い換えれば、この例では、縦方向(y方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれる。なお、これに限定されるものではなく、例えば、車両領域Rvは、立体物領域Robjの左辺をまたぐように設定されることもあり得る。
【0031】
図9の例では、車両領域Rvは、立体物領域Robjに内包されている。すなわち、この例では、横方向(x方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれ、同様に、縦方向(y方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれる。
【0032】
画像領域比較部25は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvが所定の判定条件Cを満たすかどうかを確認することにより、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較する。この判定条件Cは、例えば、少なくとも横方向(x方向)および縦方向(y方向)の一方において、車両領域Rvが立体物領域Robjに含まれ、かつ、その方向において、車両領域Rvの幅Wvを立体物領域Robjの幅Wobjで除算することにより得られた重複率Aが所定のしきい値THより小さい(A=Wv/Wobj<TH)ことを含む。この判定条件Cを満たすことは、立体物が連続構造物を含む可能性が高いことを示す。
【0033】
例えば、図7,9に示したように、横方向(x方向)において、車両領域Rvが立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率A(重複率Ax)が所定のしきい値THxより小さくてもよい(Ax=Wvx/Wobjx<THx)。また、例えば、図8,9に示したように、縦方向(y方向)において、車両領域Rvが立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率A(重複率Ax)が所定のしきい値THyより小さくてもよい(Ay=Wvy/Wobjy<THy)。
【0034】
画像領域比較部25は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvがこのような判定条件Cを満たすかどうかを確認することにより、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較する。そして、画像領域比較部25は、この比較結果を車両判定部26に供給するようになっている。
【0035】
車両判定部26は、立体物検出部22の検出結果、連続構造物推定部23により得られた連続構造物度D、車両探索部24の探索結果、画像領域比較部25の比較結果、および車両10の車両制御装置(図示せず)から取得した車両10の走行情報に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するように構成される。
【0036】
ここで、立体物検出部22は、本開示における「第1の領域設定部」の一具体例に対応する。立体物領域Robjは、本開示における「第1の画像領域」の一具体例に対応する。車両探索部24は、本開示における「第2の領域設定部」の一具体例に対応する。車両領域Rvは、本開示における「第2の画像領域」の一具体例に対応する。車両スコアSCは、本開示における「車両度」の一具体例に対応する。画像領域比較部25は、本開示における「比較部」の一具体例に対応する。車両判定部26は、本開示における「判定部」の一具体例に対応する。判定条件Cは、本開示における「判定条件」の一具体例に対応する。しきい値THは、本開示における「しきい値」の一具体例に対応する。連続構造物推定部23は、本開示における「推定部」の一具体例に対応する。連続構造物度Dは、本開示における「連続構造物度」の一具体例に対応する。
【0037】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の画像処理装置1の動作および作用について説明する。
【0038】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、画像処理装置1の全体動作概要を説明する。ステレオカメラ11は、車両10の前方を撮像することにより、互いに視差を有する左画像PLおよび右画像PRを含むステレオ画像PICを生成する。距離画像生成部21は、ステレオ画像PICに含まれる左画像PLおよび右画像PRに基づいて、距離画像PZを生成する。立体物検出部22は、距離画像PZに基づいて立体物を検出することにより、立体物領域Robjを設定する。連続構造物推定部23は、距離画像PZに基づいて、立体物検出部22が検出した立体物が連続構造物である度合い(連続構造物度D)を推定する。車両探索部24は、左画像PLおよび右画像PRの一方である画像Pに基づいて、機械学習の技術を用いて、車両を探索することにより、車両領域Rvを設定する。画像領域比較部25は、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較する。車両判定部26は、立体物検出部22の検出結果、連続構造物推定部23により得られた連続構造物度D、車両探索部24の探索結果、画像領域比較部25の比較結果、および車両10の車両制御装置(図示せず)から取得した車両10の走行情報に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定する。
【0039】
(詳細動作)
車両探索部24は、車両を探索する際、画像Pにおいて複数の処理対象領域Rpを順次設定し、機械学習の技術を用いて、各処理対象領域Rpにおける画像が車両の特徴を含むかどうかを確認することにより、車両スコアSCを算出する。その際、処理対象領域Rpにおける画像が車両の画像でないにもかかわらず、画像パターンが車両のような特徴を有する場合には、車両スコアSCが高くなってしまう。例えば、処理対象領域Rpの画像がガードレールや壁などの連続構造物の画像である場合に、画像パターンが車両のような特徴を有することがあり、このような場合には車両スコアSCが高くなってしまう。
【0040】
このように、連続構造物が車両であると誤判定された場合には、例えば、AEBやACCなどの車両10の走行制御に不具合が生じてしまう。そこで、画像処理装置1では、画像領域比較部25は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvが判定条件Cを満たすかどうかを確認することにより、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較する。そして、車両判定部26は、立体物検出部22の検出結果、連続構造物推定部23により得られた連続構造物度D、車両探索部24の探索結果、および画像領域比較部25の比較結果に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定する。特に、車両判定部26は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvが判定条件Cを満たす場合には、立体物が連続構造物を含む可能性が高いと判定し、その立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理Bを行うことができる。この車両判定抑制処理Bでは、車両判定部26は、例えば、車両探索部24により得られた車両スコアSCをより低いスコアに補正したり、車両スコアSCに基づいて車両判定を行う際のしきい値をより高い値に変更したりすることにより、その立体物が車両であると判定されにくくすることができる。このようにして、画像処理装置1では、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0041】
図10は、車両判定部26における、車両判定抑制処理Bを行うかどうかを判断する処理の一例を表すものである。
【0042】
まず、車両判定部26は、立体物検出部22が設定した立体物領域Robjにおける立体物が遠方の立体物であるかどうかを確認する(ステップS101)。具体的には、車両判定部26は、立体物領域Robjにおける視差値が示すその立体物までの距離が、以下の条件を満たすかどうかを確認することにより、立体物が遠方の立体物であるかどうかを確認する。
しきい値THmin < 距離 < しきい値THmax
立体物が遠方の立体物である場合には、車両探索部24は、連続構造物が車両であると誤判定しやすい。しきい値THmin,THmaxは、車両探索部24が誤判定しやすいような距離の上限および下限である。車両判定部26は、この条件を満たすかどうかを確認することにより、車両探索部24が誤判定しやすいかどうかを確認する。遠方の立体物ではない場合(ステップS101において“N”)には、このフローは終了する。すなわち、この場合には、車両探索部24が誤判定する可能性は低いので、車両判定部26は、車両判定抑制処理Bを行わずに、この処理を終了する。
【0043】
ステップS101において、遠方の立体物である場合(ステップS101において“Y”)には、車両判定部26は、画像領域比較部25の比較結果が、横方向(x方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率Axは所定のしきい値THx以下であるとの判定条件Cを満たすことを示すかどうかを確認する(ステップS102)。
【0044】
ステップS102において、この判定条件Cを満たさない場合(ステップS102において“N”)には、車両判定部26は、画像領域比較部25の比較結果が、縦方向(y方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率Ayは所定のしきい値THy以下であるとの判定条件Cを満たすことを示すかどうかを確認する(ステップS103)。この判定条件Cを満たさない場合(ステップS103において“Y”)、処理は終了する。すなわち、この場合には、ステップS102の判定条件CおよびステップS103の判定条件Cを満たさないので、立体物が連続構造物を含む可能性が低いため、車両判定部26は、車両判定抑制処理Bを行わずに、この処理を終了する。
【0045】
ステップS102の判定条件Cを満たす場合(ステップS102において“Y”)、またはステップS103の判定条件Cを満たす場合(ステップS103において“Y”)には、車両判定部26は、連続構造物推定部23が推定した連続構造物度Dを確認する(ステップS104)。この例では、連続構造物推定部23は、連続構造物度Dを3レベル(“高”、“中”、“低”)で推定している。
【0046】
ステップS104において、連続構造物度Dが高レベルである場合(ステップS104において“高”)には、車両判定部26は、車両10が立体物に衝突するまでの時間(TTC:Time to Collision)が5秒以上であるかどうかを確認する(ステップS105)。具体的には、車両判定部26は、例えば、立体物領域Robjにおける視差値が示す立体物までの距離と、車両10の車両制御装置(図示せず)から取得した車両10の車速についての情報に基づいて、車両10がその立体物に衝突するまでの時間を算出し、この時間が5秒以上であるかどうかを確認する。この時間が5秒以上ではない場合(ステップS105において“N”)には、この処理は終了する。すなわち、この場合には、衝突までの時間が短いので、立体物が車両であるかどうかはさほど問題にならない。また、立体物は車両であるにもかかわらず、連続構造物推定部23が、連続構造物度Dが高レベルであると誤判定している場合もあり得る。よって、車両判定部26は、車両判定抑制処理Bを行わずに、この処理を終了する。
【0047】
ステップS104において、連続構造物度Dが中レベルである場合(ステップS104において“中”)には、車両判定部26は、車両10が立体物に衝突するまでの時間(TTC)が7秒以上であるかどうかを確認する(ステップS106)。この時間が7秒以上ではない場合(ステップS106において“N”)には、この処理は終了する。
【0048】
ステップS105において、車両10が立体物に衝突するまでの時間が5秒以上である場合(ステップS105において“Y”)、またはステップS106において、車両10が立体物に衝突するまでの時間が7秒以上である場合(ステップS106において“Y”)には、車両判定部26は、その立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理Bを行う(ステップS107)。
【0049】
以上でこのフローは終了する。このようにして、車両判定部26は、このフローを繰り返すことにより、立体物が連続構造物を含む可能性が高いかどうかをモニタし、立体物が連続構造物を含む可能性が高い場合には、その立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理Bを行う。これにより、画像処理装置1では、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0050】
このように、画像処理装置1では、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較する画像領域比較部25を設け、車両判定部26は、車両探索部24から供給された車両スコアSCと、画像領域比較部25における比較結果に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するようにした。これにより、例えば、車両判定部26は、画像領域比較部25における比較結果に基づいて、立体物が、ガードレールや壁などの連続構造物である可能性が高いかどうかを把握することができる。その結果、画像処理装置1では、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0051】
また、画像処理装置1では、画像領域比較部25は、立体物領域Robjおよび車両領域Rvが判定条件Cを満たすかどうかを確認することにより、立体物領域Robjと車両領域Rvとを比較するようにした。判定条件Cは、少なくとも横方向(x方向)および縦方向(y方向)の一方において、車両領域Rvが立体物領域Robjに含まれることと、車両領域Rvのその方向における幅を、立体物領域Robjのその方向における幅で除算した重複率Aが、所定のしきい値THより小さいこととを含むようにした。これにより、例えば、車両判定部26は、画像領域比較部25における比較結果に基づいて、立体物が、ガードレールや壁などの連続構造物である可能性が高いかどうかを把握することができる。その結果、画像処理装置1では、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0052】
また、画像処理装置1では、車両判定部26は、判定条件Cを満たす場合に、立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理を行うようにしたので、立体物が、ガードレールや壁などの連続構造物である可能性が高い場合に、車両判定抑制処理を行うことができる。よって、画像処理装置1では、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0053】
また、画像処理装置1では、立体物が連続構造物である度合いを示す連続構造物度Dを推定する連続構造物推定部23を設け、車両判定部26は、判定条件Cを満たす場合に、車両スコアSCおよび連続構造物度Dに基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するようにした。これにより、画像処理装置1では、立体物が連続構造物である度合いをより詳細に確認することができるので、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0054】
また、画像処理装置1では、図10に示したステップS105,S106において、車両10が立体物に衝突するまでの時間(TTC)に応じて、車両判定抑制処理Bを行うかどうかを判定した。これにより、例えば、車両10が立体物に衝突するまでの時間が短い場合には、立体物が車両であるかどうかに関係なく、車両判定抑制処理Bを行わないようにすることができる。また、連続構造物度Dが高レベルである場合における、車両10が立体物に衝突するまでの時間の基準時間(図10のステップS105における“5秒”)を、連続構造物度Dが中レベルである場合における、車両10が立体物に衝突するまでの時間の基準時間(図10のステップS105における“5秒”)よりも短くした。これにより、画像処理装置1では、立体物が連続構造物である可能性が高い場合には、車両判定抑制処理Bを行いやすくすることができるので、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0055】
[効果]
以上のように本実施の形態では、立体物領域と車両領域とを比較する画像領域比較部を設け、車両判定部は、車両探索部から供給された車両スコアと、画像領域比較部における比較結果に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するようにしたので、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0056】
本実施の形態では、画像領域比較部は、立体物領域および車両領域が判定条件を満たすかどうかを確認することにより、立体物領域と車両領域とを比較するようにした。判定条件は、少なくとも横方向(x方向)および縦方向(y方向)の一方において、車両領域が立体物領域に含まれることと、車両領域のその方向における幅を、立体物領域のその方向における幅で除算した重複率が、所定のしきい値より小さいこととを含むようにした。これにより、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0057】
本実施の形態では、車両判定部は、判定条件を満たす場合に、立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理を行うようにしたので、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0058】
本実施の形態では、立体物が連続構造物である度合いを示す連続構造物度Dを推定する連続構造物推定部を設け、車両判定部は、判定条件を満たす場合に、車両スコアおよび連続構造物度に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するようにしたので、立体物が車両であるかどうかの判定精度を高めることができる。
【0059】
[変形例1]
上記実施の形態では、図10に示したように、ステップS102の判定条件C、およびステップS103の判定条件Cのうちの少なくとも一方を満たした場合に、車両判定部26が車両判定抑制処理Bを行うことができるようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、ステップS102の判定条件C、およびステップS103の判定条件Cの両方を満たした場合に、車両判定部26が車両判定抑制処理Bを行うことができるようにしてもよい。また、例えば、ステップS103を省き、ステップS102の判定条件Cを満たした場合に、車両判定部26が車両判定抑制処理Bを行うことができるようにしてもよい。また、例えば、ステップS102を省き、ステップS103の判定条件Cを満たした場合に、車両判定部26が車両判定抑制処理Bを行うことができるようにしてもよい。
【0060】
[変形例2]
上記実施の形態では、画像領域比較部25は、横方向(x方向)において、重複率Axが所定のしきい値THxより小さいかどうかを確認したが、例えば、このしきい値THxは、変更可能であってもよい。具体的には、例えば、しきい値THxは、立体物までの距離に応じて変化してもよいし、車両スコアSCに応じて変化してもよい。
【0061】
同様に、画像領域比較部25は、縦方向(y方向)において、重複率Ayが所定のしきい値THyより小さいかどうかを確認したが、例えば、このしきい値THyは、変更可能であってもよい。具体的には、例えば、しきい値THyは、立体物までの距離に応じて変化してもよいし、車両スコアSCに応じて変化してもよい。
【0062】
[変形例3]
上記実施の形態では、連続構造物推定部23を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、連続構造物推定部23を省いてもよい。以下に、本変形例に係る画像処理装置1Aについて詳細に説明する。
【0063】
図11は、画像処理装置1Aの一構成例を表すものである。画像処理装置1Aは、処理部20Aを備えている。処理部20Aは、距離画像生成部21と、立体物検出部22と、車両探索部24と、画像領域比較部25と、車両判定部26Aとを有している。すなわち、本変形例に係る処理部20Aは、上記実施の形態に係る処理部20(図1)から連続構造物推定部23を省くとともに、車両判定部26を車両判定部26Aに変更したものである。
【0064】
車両判定部26Aは、立体物検出部22の検出結果、車両探索部24の探索結果、画像領域比較部25の比較結果、および車両10の車両制御装置(図示せず)から取得した車両10の走行情報に基づいて、立体物が車両であるかどうかを判定するように構成される。
【0065】
図12は、車両判定部26Aにおける、車両判定抑制処理Bを行うかどうかを判断する処理の一例を表すものである。
【0066】
まず、車両判定部26は、立体物検出部22が設定した立体物領域Robjにおける立体物が遠方の立体物であるかどうかを確認する(ステップS101)。遠方の立体物ではない場合(ステップS101において“N”)には、このフローは終了する。
【0067】
ステップS101において、遠方の立体物である場合(ステップS101において“Y”)には、車両判定部26は、画像領域比較部25の比較結果が、横方向(x方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率Axは所定のしきい値THx以下であるとの判定条件Cを満たすことを示すかどうかを確認する(ステップS102)。
【0068】
ステップS102において、この判定条件Cを満たさない場合(ステップS102において“N”)には、車両判定部26は、画像領域比較部25の比較結果が、縦方向(y方向)において、車両領域Rvは立体物領域Robjに含まれ、かつ、重複率Ayは所定のしきい値THy以下であるとの判定条件Cを満たすことを示すかどうかを確認する(ステップS103)。この判定条件Cを満たさない場合(ステップS103において“Y”)、処理は終了する。
【0069】
ステップS102の判定条件Cを満たす場合(ステップS102において“Y”)、またはステップS103の判定条件Cを満たす場合(ステップS103において“Y”)には、車両判定部26Aは、その立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理Bを行う(ステップS107)。すなわち、ステップS102の判定条件CおよびステップS103の判定条件Cのうちの少なくとも一方を満たすことは、その立体物が連続構造物である可能性が高いことを示すので、車両判定部26Aは、その立体物が車両であると判定されにくくする車両判定抑制処理Bを行う。以上でこのフローは終了する。
【0070】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0071】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0072】
例えば、上記実施の形態では、ステレオカメラ11は車両10の前方を撮像するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、車両10の側方や後方を撮像してもよい。
【0073】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1A…画像処理装置、11…ステレオカメラ、11L…左カメラ、11R…右カメラ、20,20A…処理部、21…距離画像生成部、22…立体物検出部、24…車両探索部、25…画像領域比較部、26,26A…車両判定部、A,Ax,Ay…重複率、B…車両判定抑制処理、C…判定条件、D…連続構造物度、PIC…ステレオ画像、PL…左画像、PR…右画像、PZ…距離画像、Robj…立体物領域、Rp…処理対象領域、Rv…車両領域、THx,THy…しきい値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12