(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】媒体搬送機構
(51)【国際特許分類】
B65H 5/02 20060101AFI20241211BHJP
B65H 43/00 20060101ALI20241211BHJP
B41J 11/14 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B65H5/02 F
B65H43/00
B41J11/14
(21)【出願番号】P 2020184086
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】山形 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】川井 宗明
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐輔
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-037486(JP,A)
【文献】特開2019-023119(JP,A)
【文献】中国実用新案第210528320(CN,U)
【文献】特開2017-043059(JP,A)
【文献】特開2017-013327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 43/00
B41J 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部と上下方向に対向するように配置され、前記媒体に対する処理を行う第1処理部と、
前記第1搬送部及び前記第1処理部のうちの上方に位置する一方である第1吊り下げ対象に連結され、当該第1吊り下げ対象を吊り下げる可撓性の吊り下げ部材と、
前記第1吊り下げ対象を下方に引っ張る可撓性の引っ張り部材と
を備えることを特徴とする媒体搬送機構。
【請求項2】
前記媒体の搬送方向における前記第1搬送部の上流側又は下流側において、前記第1搬送部とは前記媒体に対して上下反対側に配置された第2搬送部と、
前記第1処理部とは前記媒体に対して上下反対側において、前記第2搬送部と上下方向に対向するように配置され、前記媒体に対する処理を行う第2処理部とを更に備え、
前記吊り下げ部材は、前記第2搬送部及び前記第2処理部のうちの下方に位置する一方である第2吊り下げ対象に更に連結され当該第2吊り下げ対象を吊り下げることで、前記第1吊り下げ対象及び前記第2吊り下げ対象のうちの一方を上昇させると他方を下降させる
ことを特徴とする請求項1記載の媒体搬送機構。
【請求項3】
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記引っ張り部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記吊り下げ部材は、前記第1吊り下げ対象が前記第1搬送部及び前記第1処理部のうちの下方に位置する他方に接触した状態で、弛みを有し、
前記制御部は、前記引っ張り部材を弛ませてから前記吊り下げ部材により前記第1吊り下げ対象を上昇させるように前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の媒体搬送機構。
【請求項4】
前記第1駆動部の駆動量を計測する第1計測部と、
前記第2駆動部の駆動量を計測する第2計測部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1駆動部の駆動量と前記第2駆動部の駆動量とに基づき、前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうちの少なくとも一方の駆動量を調整する
ことを特徴とする請求項3記載の媒体搬送機構。
【請求項5】
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記引っ張り部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1搬送部及び前記第2搬送部による前記媒体の搬送時と前記第1処理部及び前記第2処理部による前記媒体の処理時とに、前記第1搬送部と前記第1処理部とが接触し且つ前記第2搬送部と前記第2処理部とが接触し、前記媒体のジャム解除時に、前記第1搬送部と前記第1処理部とが離隔し且つ前記第2搬送部と前記第2処理部とが離隔するように、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御することによって前記吊り下げ部材及び前記引っ張り部材を駆動する
ことを特徴とする請求項2記載の媒体搬送機構。
【請求項6】
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第2吊り下げ対象の取り外しを可能とするために、前記吊り下げ部材が前記第2吊り下げ対象を下降させ、当該第2吊り下げ対象が下方に位置する被接触部に接触して停止した後に前記吊り下げ部材が弛むまで前記吊り下げ部材を駆動するように前記第1駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項2記載の媒体搬送機構。
【請求項7】
第1取り付け位置において
、前記
第1搬送部及び前記第1処理部を収容する筐体に着脱可能に取り付けられる着脱部材と、
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1吊り下げ対象の取り外しを可能とするために、前記吊り下げ部材が前記第1吊り下げ対象を、前記着脱部材の上方から下降させ、前記第1吊り下げ対象が前記着脱部材に接触して停止した後に前記吊り下げ部材が弛むまで前記吊り下げ部材を駆動するように前記第1駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の媒体搬送機構。
【請求項8】
前記着脱部材は、前記第1取り付け位置の代わりに、前記第1吊り下げ対象を移動不能に固定する第2取り付け位置において前記筐体に着脱可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項7記載の媒体搬送機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙を搬送するベルトプラテン搬送部が、ワイヤにより吊り下げられることで昇降可能な印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、用紙等の媒体を搬送する搬送部と、この搬送部と上下に対向するように配置される処理部(例えば、検査部、印刷部等)とを備える媒体搬送機構において、搬送部と処理部とのうちの上方に位置する一方である吊り下げ対象を、ワイヤ等の例えば4本の吊り下げ部材により吊り下げる場合がある。
【0005】
このような場合、吊り下げ対象を、搬送部と処理部とのうちの下方に位置する他方に接触させるときに、吊り下げ部材により吊り下げ対象を下降させても、例えば処理部の歪みなどによって、吊り下げ対象の4隅が他方に接触しないことがある。このように吊り下げ対象の4隅が他方に接触しないと、処理部による媒体に対する処理や、搬送部による媒体の搬送に不具合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、上下方向に対向する搬送部及び処理部のうちの上方に位置する一方である吊り下げ対象を高精度に昇降させることができる媒体搬送機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、媒体搬送機構は、媒体を搬送する第1搬送部と、前記第1搬送部と上下方向に対向するように配置され、前記媒体に対する処理を行う第1処理部と、前記第1搬送部及び前記第1処理部のうちの上方に位置する一方である第1吊り下げ対象に連結され、当該第1吊り下げ対象を吊り下げる可撓性の吊り下げ部材と、前記第1吊り下げ対象を下方に引っ張る可撓性の引っ張り部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
前記態様によれば、上下方向に対向する搬送部及び処理部のうちの上方に位置する一方である吊り下げ対象を高精度に昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施の形態における印刷システムの内部構成を示す図である。
【
図2】一実施の形態における印刷システムの一部の制御構成を示す図である。
【
図3】一実施の形態に係る検査装置(搬送状態)を示す背面側斜視図である。
【
図4】一実施の形態に係る検査装置(ジャム解除状態)を示す背面側斜視図である。
【
図5A】一実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その1)である。
【
図5B】一実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その2)である。
【
図5C】一実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その3)である。
【
図5D】一実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その4)である。
【
図5E】一実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その5)である。
【
図6】他の実施の形態に係る検査装置(搬送状態)を示す正面側斜視図である。
【
図7】他の実施の形態に係る検査装置(取り外し状態)の一部を示す正面側斜視図である。
【
図8】他の実施の形態に係る検査装置(輸送固定状態)の一部を示す正面側斜視図である。
【
図9A】他の実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その1)である。
【
図9B】他の実施の形態に係る検査装置の第1搬送部及び第2搬送部の昇降動作を説明するための正面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態及び他の実施の形態に係る媒体搬送機構について、検査装置1,2を一例として、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<一実施の形態>
図1は、本実施の形態における印刷システム100の内部構成を示す図である。
【0012】
図2は、印刷システム100の一部の制御構成を示す図である。
なお、
図1並びに後述する
図3、
図4、及び
図5A~
図5Eに示す上下方向、左右方向、及び前後方向は、説明の便宜上の方向にすぎないが、例えば、上下方向は鉛直方向であり、左右方向及び前後方向は水平方向である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、印刷システム100は、媒体供給装置110と、第1印刷装置120と、中間搬送装置130と、第2印刷装置140と、検査装置1と、媒体排出装置150とを備える。ここで、検査装置1は、媒体Mを搬送する媒体搬送機構の一例である。この媒体搬送機構は、検査装置1に限定されず、媒体Mを搬送するものであればよい。なお、媒体Mは、例えば用紙(枚葉紙)であるが、フィルム等の他のシート状の媒体などであってもよい。
【0014】
媒体供給装置110、第1印刷装置120、中間搬送装置130、第2印刷装置140、検査装置1、及び媒体排出装置150は、媒体Mの搬送経路(搬送方向D)に直列に配置されている。なお、媒体供給装置110、第1印刷装置120、中間搬送装置130、第2印刷装置140、検査装置1、及び媒体排出装置150のうちの複数が、共通の筐体内に一体に配置されていてもよい。例えば、検査装置1が媒体排出装置150の一部として配置されていてもよい。また、印刷装置と検査装置1とが一体に配置されている場合には、これらを印刷装置と捉えることができる。
【0015】
図1には、第1印刷装置120、中間搬送装置130、第2印刷装置140、検査装置1、及び媒体排出装置150に、媒体Mの直進搬送経路R1,R4-1,R5、非反転経路R8-2、合流経路R9、正常収容経路R10、及び異常収容経路R11を実線で、循環搬送経路R2,R6を2点鎖線で、反転経路R3,R4-2,R7,R8-1を破線又は点線で、それぞれ示す。
【0016】
媒体供給装置110は、印刷前の媒体Mが積載される載置台111を有する。
第1印刷装置120は、複数の搬送ローラ対121と、第1印刷部122と、搬送部123と、搬送経路切替え部124,125と、スイッチバックローラ対126と、排出部127とを有する。
【0017】
搬送ローラ対121は、第1印刷装置20内に複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0018】
第1印刷部122は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。
【0019】
搬送部123は、第1印刷部122に対向するように配置されている。搬送部123は、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する。
【0020】
一方の搬送経路切替え部124は、第1印刷部122によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、中間搬送装置130へ続く直進搬送経路R1と、排出部127や反転経路R3へ続く循環搬送経路R2とに切替える。
【0021】
他方の搬送経路切替え部125は、媒体Mの循環搬送経路R2を、排出部127へ続く搬送経路と、スイッチバックローラ対126によって媒体Mの表裏を反転させる反転経路R3とに切替える。なお、反転経路R3において表裏が反転した媒体Mは、再び第1印刷部122へ搬送される。
【0022】
排出部127には、媒体排出装置100へ排出されない媒体Mが積載される。
中間搬送装置130は、複数の搬送ローラ対131と、スイッチバックローラ対132と、搬送経路切替え部133とを有する。
【0023】
搬送ローラ対131は、第1印刷装置120から排出された媒体Mをニップしながら搬送する。
【0024】
搬送経路切替え部133は、第1印刷装置120から排出された媒体Mをそのまま第2印刷装置140に搬送する直進搬送経路R4-1と、スイッチバックローラ対132によって媒体Mの表裏を反転させる反転経路R4-2とに搬送経路を切替える。なお、中間搬送装置130が省略され、第1印刷装置120から第2印刷装置140に直接的に媒体Mが搬送されてもよい。
【0025】
第2印刷装置140の構成は、第1印刷装置120の構成と同様にすることができる。例えば、第2印刷装置140は、第1印刷装置120と同様に、搬送ローラ対141と、第2印刷部142と、搬送部143と、搬送経路切替え部144と、スイッチバックローラ対145とを有する。
【0026】
搬送ローラ対141は、第2印刷装置140内に複数対配置され、媒体Mをニップしながら搬送する。
【0027】
第2印刷部142は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有する。なお、印刷システム1は、第1印刷装置120の第1印刷部122、及び第2印刷装置140の第2印刷部142の計2つの印刷部を備えるが、1つのみの印刷部又は3つ以上の印刷部を備えていてもよい。
【0028】
搬送部143は、第2印刷部142に対向するように配置されている。搬送部143は、媒体Mを吸着しながらベルトによって媒体Mを搬送する。
【0029】
搬送経路切替え部144は、第2印刷部142によって印刷が行われた媒体Mの搬送経路を、検査装置1へ続く直進搬送経路R5と、反転経路R7へ続く循環搬送経路R6とに切替える。
【0030】
スイッチバックローラ対145は、反転経路R7において媒体Mの表裏を反転させる。反転経路R7において表裏が反転した媒体Mは、再び第2印刷部142へ搬送される。
【0031】
検査装置1については詳しく後述するが、ここでは、第1搬送部10、第1検査部20、第2搬送部30、及び第2検査部40について説明する。
【0032】
第1搬送部10は、媒体Mの上面側に配置され、媒体Mを搬送する。第1搬送部10は、例えば、エアを吸引する吸引部と、この吸引部が吸引するエアを通す複数の貫通孔が形成され、吸引部のエアの吸引によって吸着された媒体Mを搬送するベルトとを有する吸着搬送部である。
【0033】
第1検査部20は、第1搬送部10の下方において第1搬送部10と上下に対向するように配置されている。第1搬送部10によって搬送されている媒体Mの下面に印刷された画像を検査する。例えば、第1検査部20は、媒体Mに印刷された画像を撮像するCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)等の撮像部を有する。なお、第1検査部20は、媒体Mに対する処理を行う第1処理部の一例である。この第1処理部の他の例としては、処理の一例である特殊インク(ステルスインク、MICR(Magnetic ink character recognition)インクなど)を用いた機能印刷を行う機能印刷部、処理の一例である通常インク(KCMY色のインクなど)を用いた印刷を行う印刷部、処理の一例である乾燥を行う乾燥ヒータなどが挙げられる。
【0034】
第2搬送部30は、搬送方向Dにおける第1搬送部10の上流側において、第1搬送部10とは媒体Mに対して上下反対側である媒体Mの下面側に配置されている。第2搬送部30は、第1搬送部10の向きを上下に反転させたものとすることができる。例えば、第2搬送部30は、第1搬送部10と同様に、例えば、エアを吸引する吸引部と、この吸引部が吸引するエアを通す複数の貫通孔が形成され、吸引部のエアの吸引によって吸着された媒体Mを搬送するベルトとを有する吸着搬送部である。
【0035】
第2検査部40は、第1検査部20とは媒体Mに対して上下反対側である媒体Mの上面側において、第2搬送部30と上下に対向するように配置されている。第2検査部40は、第2搬送部30によって搬送されている媒体Mの上面に印刷された画像を検査する。例えば、第2検査部40は、媒体Mに印刷された画像を撮像するCIS等の撮像部を有する。なお、第2検査部40は、媒体Mに対する処理を行う第2処理部の一例である。この第2処理部の他の例としては、第1処理部と同様に、処理の一例である特殊インクを用いた機能印刷を行う機能印刷部、処理の一例である通常インクを用いた印刷を行う印刷部、処理の一例である乾燥を行う乾燥ヒータなどが挙げられる。
【0036】
なお、本実施の形態では、第1搬送部10及び第1検査部20(第1処理部)に対して搬送方向Dにおける上流側に第2搬送部30及び第2検査部40(第2処理部)が配置される場合を例に説明しているが、第2搬送部30及び第2検査部40は、第1搬送部10及び第1検査部20よりも搬送方向Dにおける下流側に配置されていてもよい。
【0037】
第1検査部20及び第2検査部40の撮像部によって撮像された画像は、後述する制御部91或いは印刷システム100全体の図示しない制御部によって、画像処理が行われ、媒体Mに印刷された画像が正常であるか異常であるかが判定される。画像が正常であるか異常であるかは、例えば、印刷用の原稿データと比較した、印刷精度や印刷内容の誤りの有無などに基づいて判定されればよい。また、第1検査部20及び第2検査部40のそれぞれが、撮像手法の互いに異なる複数種類の撮像部を有していてもよい。
【0038】
媒体排出装置150は、導入部151と、正常収容部152と、異常収容部153とを有する。
【0039】
導入部151は、複数の搬送ローラ対151aと、スイッチバックローラ対151bと、搬送経路切替え部151c,151dとを有する。
【0040】
複数の搬送ローラ対151aは、媒体Mをニップしながら搬送する。
スイッチバックローラ対151bは、反転経路R8-1において媒体Mの表裏を反転させる。
【0041】
搬送経路切替え部151cは、第2印刷装置140から検査装置1を通って導入部151に続く直進搬送経路R5を、スイッチバックローラ対151bへ向かう反転経路R8-1と、スイッチバックローラ対151bを通過する非反転経路R8-2とに切替える。
【0042】
搬送経路切替え部151dは、反転経路R8-1と非反転経路R8-2とが合流した合流経路R9を、正常収容部152へ向かう正常収容経路R10と、異常収容部153へ向かう異常収容経路R11とに切替える。
【0043】
正常収容部152は、第1検査部20及び第2検査部40の検査によって正常と判定された媒体Mが積載される昇降可能な載置台152aを有する。
【0044】
異常収容部153は、正常収容部152の上方に配置され、第1検査部20及び第2検査部40の検査によって異常と判定された媒体Mを収容する。
【0045】
次に、検査装置1の構成について説明する。
図3は、検査装置1(搬送状態)を示す背面側斜視図である。
【0046】
図4は、検査装置1(ジャム解除状態)を示す背面側斜視図である。
なお、
図3及び
図4は、第1搬送部10、第1検査部20、第2搬送部30、及び第2検査部40を
図1及び
図5A~
図5Eとは異なり、詳細に示している。
【0047】
図3に示すように、検査装置1は、上述の第1搬送部10、第1検査部20、第2搬送部30、及び第2検査部40と、吊り下げワイヤ51~54と、引っ張りワイヤ61~64と、第1駆動部71と、動力伝達部72と、駆動軸73,74と、プーリ75~78と、第2駆動部81と、動力伝達部82と、駆動軸83と、プーリ84とを備える。
【0048】
また、
図2に示すように、検査装置1は、制御部91と、記憶部92と、インターフェース部93と、第1計測部94と、第2計測部95と、下方第1位置検知センサS11と、下方第2位置検知センサS12と、上方第1位置検知センサS21と、上方第2位置検知センサS22とを備える。
【0049】
図3に示す吊り下げワイヤ51~54は、一端を第1搬送部10の例えば4隅に連結され、他端を第2搬送部30の例えば4隅に連結されていることによって、第1搬送部10及び第2搬送部30を吊り下げる。吊り下げワイヤ51~54は、可撓性の吊り下げ部材の一例である。
【0050】
ここで、第1搬送部10及び第1検査部20のうちの上方に位置する一方であり、吊り下げワイヤ51~54に連結される第1搬送部10は、第1吊り下げ対象の一例である。また、第2搬送部30及び第2検査部40のうちの下方に位置する一方であり、吊り下げワイヤ51~54に連結される第2搬送部30は、第2吊り下げ対象の一例である。なお、本実施の形態では、第1吊り下げ対象の一例が第1搬送部10で、第2吊り下げ対象の一例が第2搬送部30であるが、第1検査部20、第2検査部40等の処理部が吊り下げ対象であってもよい。
【0051】
引っ張りワイヤ61~64は、第1搬送部10の例えば4隅に連結され、第1搬送部10を下方に引っ張る。引っ張りワイヤ61~64は、可撓性の引っ張り部材の一例である。
【0052】
なお、吊り下げワイヤ51~54を一例とする吊り下げ部材、及び引っ張りワイヤ61~64を一例とする引っ張り部材は、線状に限らず、帯状などを呈していてもよく、また、弛む(可撓性を有する)ものであれば、材質や本数も特に制限されない。
【0053】
第1駆動部71は、吊り下げワイヤ51~54を駆動する。第1駆動部71は、例えば、モータ等のアクチュエータである。
【0054】
動力伝達部72は、第1駆動部71が生じさせる動力を2つの駆動軸73,74のそれぞれに伝達する。なお、動力伝達部72は、
図3及び
図4に示すように、例えば複数のギアであるが、
図5A~
図5Eに示すように、複数のベルトなどであってもよい。
【0055】
駆動軸73,74は、第2検査部40の上方において、前後方向に延びるように配置されている。一方の駆動軸73には、2本の吊り下げワイヤ51,53が引っ掛けられ、他方の駆動軸74には、残りの2本の吊り下げワイヤ52,54が引っ掛けられている。
【0056】
プーリ75~78は、吊り下げワイヤ51~54の第1搬送部10に対する連結位置の上方に配置され、吊り下げワイヤ51~54が引っ掛けられている。
【0057】
そのため、駆動軸73,74が動力伝達部72から伝達される動力によって回転することで、吊り下げワイヤ51~54が、
図3に示すように第1検査部20又は第2検査部40に接触する搬送位置P1に、第1搬送部10を下降させ且つ第2搬送部30を上昇させること、及び、
図4に示すように第1検査部20又は第2検査部40から離隔したジャム解除位置P2に、第1搬送部10を上昇させ且つ第2搬送部30を下降させることが可能となる。
【0058】
第2駆動部81は、引っ張りワイヤ61~64を駆動する。第2駆動部81は、例えば、モータ等のアクチュエータである。
【0059】
動力伝達部82は、第2駆動部81が生じさせる動力を駆動軸83に伝達する。なお、動力伝達部82は、例えばギアを有するが、
図5A~
図5Eに示すように、ベルトを有していてもよい。
【0060】
駆動軸83は、第1検査部20の後方において、左右方向に延びるように配置され、引っ張りワイヤ61~64が引っ掛けられている。なお、駆動軸83の向きは任意の方向とすることができる。例えば、
図5A~
図5Eでは、駆動軸83が前後方向に延びるように図示されている。
【0061】
プーリ84には、第1搬送部10の右前部に連結される引っ張りワイヤ62が引っ掛けられている。なお、第1搬送部10の左前部に連結される引っ張りワイヤ61が引っ掛けられるプーリは
図3及び
図4では図示されないが、例えば、
図5A~
図5Eに示すプーリ85である。
【0062】
駆動軸83が動力伝達部82から伝達される動力によって回転することで、引っ張りワイヤ61~64が第1搬送部10を下降させることが可能となる。
【0063】
なお、第2駆動部81が引っ張りワイヤ61~64を用いて第1搬送部10を下方に引っ張るため、吊り下げワイヤ51~54を介して第1搬送部10に連結された第2搬送部30を上昇させることが可能である。そのため、例えば、第2搬送部30に重りを配置する構成などによって、第2駆動部81の駆動が停止した状態で、第2搬送部30を下降させ第1搬送部10を上昇させるように吊り下げワイヤ51~54を移動させることが可能であれば、第1駆動部71を省略することが可能である。
【0064】
図2に示す制御部91は、演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit)を有し、第1駆動部71、第2駆動部81等の検査装置1の各部を制御する。なお、印刷システム100の図示しない制御部が制御部91を兼ねてもよい。
【0065】
記憶部92は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
【0066】
インターフェース部93は、外部機器との間で各種情報の授受を行う。例えば、インターフェース部93は、第1印刷装置120、第2印刷装置140、媒体排出装置150等に媒体Mの検査結果を送信する。
【0067】
第1計測部94は、第1駆動部71の駆動量を計測する。例えば、第1計測部94は、第1駆動部71の出力軸の回転数を検出するエンコーダである。
【0068】
第2計測部95は、第2駆動部81の駆動量を計測する。例えば、第2計測部95は、第2駆動部81の出力軸の回転数を検出するエンコーダである。
【0069】
下方第1位置検知センサS11は、後述する
図5Aに示すように中間位置P0における第2搬送部30を検知する。
【0070】
下方第2位置検知センサS12は、後述する
図5Dに示すようにジャム解除位置P2における第2搬送部30を検知する。
【0071】
上方第1位置検知センサS21は、
図5Aに示すように中間位置P0における第1搬送部10を検知する。
【0072】
上方第2位置検知センサS22は、
図5Dに示すようにジャム解除位置P2における第1搬送部10を検知する。
【0073】
なお、下方第1位置検知センサS11、下方第2位置検知センサS12、上方第1位置検知センサS21、及び上方第2位置検知センサS22のそれぞれは、同一高さに複数配置されているとよい。
【0074】
次に、検査装置1の動作について説明する。
図5A~
図5Eは、検査装置1の第1搬送部10及び第2搬送部30の昇降動作を説明するための正面図である。なお、
図5A~
図5Eでは、吊り下げワイヤ53が吊り下げワイヤ51と重なって隠れて表れず、吊り下げワイヤ54が吊り下げワイヤ52と重なって隠れて表れないが、吊り下げワイヤ53,54の符号を吊り下げワイヤ51,52の符号とともに記す。同様に、
図5A~
図5Eでは、引っ張りワイヤ63が引っ張りワイヤ61と重なって隠れて表れず、引っ張りワイヤ64が引っ張りワイヤ62と重なって隠れて表れないが、引っ張りワイヤ63,64の符号を引っ張りワイヤ61,62の符号とともに記す。
【0075】
まず、
図5Aに示すように、下方第1位置検知センサS11が中間位置P0の第2搬送部30の上端を検知し、上方第1位置検知センサS21が中間位置P0の第1搬送部10の下端を検知した状態から、第1駆動部71が所定量、吊り下げワイヤ51~54を駆動することにより、第1搬送部10を下降させるとともに第2搬送部30を上昇させる。なお、第2駆動部81が所定量、引っ張りワイヤ61~64を駆動し、引っ張りワイヤ61~64が弛むのを抑制することによっても、第1搬送部10を下降させることができる。
これにより、
図5Bに示すように、第1搬送部10が第1検査部20に接触する搬送位置P1に移動し、第2搬送部30が第2検査部40に接触する搬送位置P1に移動する。これにより、第1搬送部10の四隅を第1検査部20に確実に接触させ、第2搬送部30の四隅を第2検査部40に確実に接触させることができる。このように、第1搬送部10が第1検査部20に接触し、第2搬送部30が第2検査部40に接触した状態で、吊り下げワイヤ51~54は、弛み51a~54aを有する。一方、引っ張りワイヤ61~64は、第1搬送部10を第1検査部20に接触させるために第1搬送部10を下方に引っ張っているため、弛みを有さない。
【0076】
次に、第1搬送部10及び第2搬送部30を第1検査部20又は第2検査部40から離隔させる際には、まず、制御部91は、
図5Cに示すように引っ張りワイヤ61~64を巻き出して弛み61a~64aを形成するように第2駆動部81を制御し、その後、遅れて吊り下げワイヤ51~54によって第1搬送部10を上昇させるように第1駆動部71を制御する。これにより、引っ張りワイヤ61~64が弛んでから第1搬送部10が上昇する。このように引っ張りワイヤ61~64が弛んだ状態で第1搬送部10が上昇するため、第1駆動部71による吊り下げワイヤ51~54の駆動停止前に第2駆動部81による引っ張りワイヤ61~64の駆動が停止することで、第1搬送部10の上昇停止後に引っ張りワイヤ61~64の弛み61a~64aを解消してもよい。なお、吊り下げワイヤ51~54には予め上述の弛み51a~54aが形成されているため、第1搬送部10を上昇させるために第1駆動部71及び第2駆動部81が同時に駆動を開始しても、引っ張りワイヤ61~64が弛んでから第1搬送部10が上昇する。
【0077】
上述の
図5Cに示すように、第1搬送部10及び第2搬送部30が搬送位置P1に位置し、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64の両方が弛み51a~54a,61a~64aを有する状態では、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64との連結をユーザの手動で解除することによって第1搬送部10の例えば交換又はメンテナンスのための取り外しが可能となる。
【0078】
ここで、
図5Cに示す吊り下げワイヤ51~54の弛み51a~54a及び引っ張りワイヤ61~64の弛み61a~64aが大きくなったり、或いは、第1搬送部10及び第2搬送部30の昇降時に吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64の弛みが大きくなったりすると、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64が第1駆動部71、第2駆動部81、動力伝達部72,82などの他の部材に接触したり第1搬送部10の軌道が不安定になったりしやすい。また、第1搬送部10の昇降時に吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64に強い張力が働くと、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64、ひいては第1駆動部71及び第2駆動部81に負荷がかかる。
【0079】
そこで、制御部91は、
図2に示す第1計測部94による第1駆動部71の駆動量と、第2計測部95による第2駆動部81の駆動量とに基づき、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64の駆動量(引っ張りワイヤ61~64のでは巻き取り量又は巻き出し量)を調整して第1駆動部71及び第2駆動部81のうち少なくとも一方を制御するとよい。例えば、制御部91は、第1計測部94による第1駆動部71の駆動量と、第2計測部95による第2駆動部81の駆動量とに基づき、吊り下げワイヤ51~54の弛み量が一定以上になったり、吊り下げワイヤ51~54に負荷がかかったりしていると判別した場合に、第1駆動部81の駆動速度を調整するとよい。或いは、制御部91は、第1計測部94による第1駆動部71の駆動量と、第2計測部95による第2駆動部81の駆動量とに基づき、引っ張りワイヤ61~64の弛み量が一定以上になったり、引っ張りワイヤ61~64に負荷がかかったりしていると判別した場合に、第2駆動部81の駆動速度を調整するとよい。
【0080】
上述のように、第1搬送部10が第1検査部20から離隔するように上昇し、第2搬送部30が第2検査部40から離隔するように下降すると、
図5Dに示すように、下方第2位置検知センサS12が第2搬送部30の上端を検知し、上方第2位置検知センサS22が第1搬送部10の下端を検知する。このとき、第1搬送部10及び第2搬送部30は、検査装置1において媒体Mのジャムが発生した場合のジャム解除位置P2にある。なお、第1搬送部10及び第2搬送部30を搬送位置P1に戻す場合には、第1駆動部71及び第2駆動部81が同時に駆動を開始すればよい。
【0081】
次に、第2搬送部30の取り外しを可能とするためには、制御部91は、
図5Eに示すように、第1搬送部10を
図5Dに示すジャム解除位置P2よりも更に上昇させ、第2搬送部30をジャム解除位置P2よりも更に下降させるように第1駆動部71及び第2駆動部81を制御する。そして、第2搬送部30が下方に位置する被接触部96に接触して停止することで(取り外し位置P3)、それ以上は下降しなくなると、吊り下げワイヤ51~54に弛み51b~54bが形成されていく。これにより、吊り下げワイヤ51~54との連結をユーザの手動で解除することによって第2搬送部30の例えば交換又はメンテナンスのための取り外しが可能となる。なお、被接触部96は、例えば上面が水平な板材やブロック材などであるとよい。
【0082】
以上説明した本実施の形態では、検査装置(媒体搬送機構の一例)1は、媒体Mを搬送する第1搬送部10と、この第1搬送部10と上下方向に対向するように配置され、媒体Mに対する処理を行う第1検査部(第1処理部の一例)20と、第1搬送部10及び第1検査部20のうちの上方に位置する一方である第1搬送部(第1吊り下げ対象の一例)10に連結され、この第1搬送部10を吊り下げる可撓性の吊り下げワイヤ(吊り下げ部材の一例)51~54と、第1搬送部10を下方に引っ張る可撓性の引っ張りワイヤ61~64(引っ張り部材の一例)とを備える。
【0083】
これにより、第1搬送部10を第1検査部20に接触させるように下降させる際に、第1搬送部10を吊り下げる吊り下げワイヤ51~54のみならず、第1搬送部10を下方に引っ張る引っ張りワイヤ61~64によって、第1搬送部10を第1検査部20に確実に接触させることができる。また、引っ張りワイヤ61~64が第1搬送部10の昇降時に弛みを有さない場合やわずかな弛みのみを有する場合には、第1搬送部10の軌道を安定させることができる。よって、本実施の形態では、上下方向に対向する第1搬送部10及び第1検査部20のうちの上方に位置する第1搬送部10(第1吊り下げ対象の一例)を高精度に昇降させることができる。この結果、
図5Bに示すように、第1搬送部10(及び第2搬送部30)と第1検査部20(及び第2検査部40)とを接触させた検査時(処理時)に、検査精度(処理精度)の低下を防止できる。
【0084】
また、本実施の形態では、検査装置1は、媒体Mの搬送方向Dにおける第1搬送部10の上流側(上流側又は下流側の一例)において、第1搬送部10とは媒体Mに対して上下反対側である下側に配置された第2搬送部30と、第1検査部20とは媒体Mに対して上下反対側である下側において、第2搬送部30と上下方向に対向するように配置され、媒体Mに対する処理を行う第2検査部(第2処理部の一例)40とを更に備える。吊り下げワイヤ51~54は、第2搬送部30及び第2検査部40のうちの下方に位置する一方である第2搬送部(第2吊り下げ対象の一例)30に更に連結され第2搬送部30を吊り下げることで、第1搬送部10及び第2搬送部30のうちの一方を上昇させると他方を下降させる。
【0085】
これにより、第1搬送部10及び第2搬送部30の昇降を単一の第1駆動部71を用いて行うことができる。更には、上述のように第2駆動部81を用いて第1搬送部10の昇降時の軌道を安定させることで、吊り下げワイヤ51~54を介して第1搬送部10に連結された第2搬送部30の昇降時の軌道を安定させることもできる。したがって、簡素な構成で第1搬送部10及び第2搬送部30を高精度に昇降させることができる。
【0086】
また、本実施の形態では、検査装置1は、吊り下げワイヤ51~54を駆動する第1駆動部71と、引っ張りワイヤ61~64を駆動する第2駆動部81と、第1駆動部71及び第2駆動部81を制御する制御部91とを更に備える。吊り下げワイヤ51~54は、第1搬送部10が第1搬送部10及び第1検査部20のうちの下方に位置する他方である第1検査部20に接触した状態で、弛み51a~54aを有する。制御部91は、引っ張りワイヤ61~64を弛ませてから吊り下げワイヤ51~54により第1搬送部10を上昇させるように第1駆動部71及び第2駆動部81を制御する。
【0087】
このように吊り下げワイヤ51が弛み51a~54を有することによって、第1搬送部10が第1検査部20に接触した状態で、吊り下げワイヤ51~54に負荷がかかるのを抑制することができる。更には、引っ張りワイヤ61~64が弛み61a~64aを有する状態で第1搬送部10が上昇することによって、引っ張りワイヤ61~64に強い張力が働き、引っ張りワイヤ61~64、ひいては第2駆動部81に負荷がかかるのを抑制することができる。
【0088】
また、本実施の形態では、検査装置1は、第1駆動部71の駆動量を計測する第1計測部94と、第2駆動部81の駆動量を計測する第2計測部95とを更に備える。制御部91は、第1駆動部71の駆動量と第2駆動部81の駆動量とに基づき、第1駆動部71及び第2駆動部81のうちの少なくとも一方の駆動量を調整する。
【0089】
これにより、第1駆動部71及び第2駆動部81の実際の駆動量と制御部91の制御信号に対応する所望の駆動量とにズレが生じることに起因して、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64が大きく弛んで第1駆動部71、第2駆動部81、動力伝達部71,82などの他の部材に接触したり、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64に強い張力が働き、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64ひいては第1駆動部71及び第2駆動部81に負荷がかかったり、第1搬送部10の昇降時の軌道が不安定になったりするのを防止することができる。
【0090】
また、本実施の形態では、制御部91は、第1搬送部10及び第2搬送部30による媒体Mの搬送時と第1検査部20及び第2検査部40による媒体Mの検査時(処理時)とに、第1搬送部10と第1検査部20とが接触し且つ第2搬送部30と第2検査部40とが接触し、媒体Mのジャム解除時に、第1搬送部10と第1検査部20とが離隔し且つ第2搬送部30と第2検査部40とが離隔するように、第1駆動部71及び第2駆動部81を制御することによって吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64を駆動する。
【0091】
これにより、媒体Mの搬送時及び検査時(処理時)に接触している第1搬送部10及び第2搬送部30と第1検査部20及び第2検査部40とを、媒体Mのジャム解除時に同時に離隔させ、第1搬送部10と第1検査部20との間(又は、第2搬送部30と第2検査部40との間)に存在するジャム媒体Mのみならず、第1搬送部10と第2搬送部30とにまたがるジャム媒体Mも、スムーズに取り除くことができる。
【0092】
また、本実施の形態では、制御部91は、第2搬送部30の取り外しを可能とするために、吊り下げワイヤ51~54が第2搬送部30を下降させ、この第2搬送部30が下方に位置する被接触部96に接触して停止した後に吊り下げワイヤ51~54が弛む(弛み51b~54bを有する)まで吊り下げワイヤ51~54を駆動するように第1駆動部71を制御する。
【0093】
これにより、吊り下げワイヤ51~54を弛ませることで第2搬送部30の取り外しを可能とすることができるとともに、第2搬送部30が被接触部96に接触した安定した状態で、第2搬送部30の取り外しを可能とすることができる。
【0094】
<他の実施の形態>
他の実施の形態の搬送機構の一例である検査装置2は、第1吊り下げ対象の一例である第1搬送部10の取り外し手法が上述の一実施の形態の検査装置1と異なり、また、他の実施の形態では新たに検査装置2の輸送時の第1搬送部10及び第2搬送部30の固定について説明する。その他の事項については上述の一実施の形態と同様にすることができるため、各部に共通の符号を付して説明を省略する。
【0095】
図6は、検査装置2(搬送状態)を示す正面側斜視図である。
図7は、検査装置2(取り外し状態)の一部を示す正面側斜視図である。
【0096】
図8は、検査装置2(輸送固定状態)の一部を示す正面側斜視図である。
なお、
図6~
図8並びに後述する
図9A及び
図9Bに示す上下方向、左右方向、及び前後方向は、説明の便宜上の方向にすぎないが、例えば、上下方向は鉛直方向であり、左右方向及び前後方向は水平方向である。
【0097】
図6~
図8においては、上述の一実施の形態では省略していた筐体210とともに検査装置2を示す。また、
図6~
図8においては、引っ張りワイヤ61~64の図示を省略する。なお、吊り下げワイヤ51~54の一部は前側板211等に隠れて表れない。
【0098】
図6に示すように、筐体210は、この筐体210の前端に設けられた前側板211と、筐体210の後端に設けられた後側板212と、収納部213とを有する。筐体210内には、上述の第1搬送部10(第1吊り下げ対象の一例)、第1検査部20(第1処理部の一例)、第2搬送部30(第2吊り下げ対象の一例)、第2検査部40(第2処理部の一例)等が収容されている。
【0099】
収納部213は、前側板211の上部と後側板212の上部との間に配置され、下流側固定軸221,222、下流側固定板223,224、上流側固定軸231,232、及び上流側固定板233を収納する。なお、収納部213に収納された状態の下流側固定軸221,222及び上流側固定軸231,232は、前端を前側板211に、後端を後側板212に、それぞれ例えばネジによって着脱可能に固定されているとよい。
【0100】
下流側固定軸221,222及び下流側固定板223,224は、第1搬送部10の取り外しのための第1取り付け位置P11(
図7(
図9A)参照)、及び検査装置2の輸送時に第1搬送部10を移動不能に固定する第2取り付け位置P12(
図8(
図9B)参照)において、例えばネジによって筐体210に着脱可能に取り付けられる。なお、第1取り付け位置P11は、第2取り付け位置P12と同一位置であってもよいが、ここでは、第2取り付け位置P12とは異なる位置(例えば、第2取り付け位置P12の下方の位置)としている。また、検査装置2の輸送は、例えば、工場出荷からユーザに届くまでの輸送であるが、検査装置2の配置場所変更に伴う輸送などであってもよい。また、下流側固定軸221,222は、着脱部材の一例である。この着脱部材としては、下流側固定軸221,222のような円柱形状の2本の軸部材に限らず、任意の形状及び任意の数とすることができる。また、下流側固定軸221,222を直接的に筐体210(前側板211及び後側板212)に取り付けることができれば、下流側固定板223,224は省略可能である。
【0101】
例えば、
図7に示すように、一方の下流側固定板223は、第1取り付け位置P11において前側板211に固定され、他方の下流側固定板223は、第1取り付け位置P11において後側板212に固定される。また、下流側固定軸221,222は、同一高さで且つ左右方向に間隔を隔てて、第1搬送部10の昇降経路内の第1取り付け位置P11において、前端を下流側固定板223に固定され、後端を下流側固定板224に固定される。第1取り付け位置P11の下流側固定軸221,222には、例えば交換又はメンテナンスのための取り外し時に第1搬送部10が載置される。
【0102】
同様に、
図8に示すように、一方の下流側固定板223は、第2取り付け位置P12において前側板211に固定され、他方の下流側固定板224は、第2取り付け位置P12において後側板212に固定される。また、下流側固定軸221,222は、同一高さで且つ左右方向に間隔を隔てて、第2取り付け位置P12において、第1搬送部10を貫通して前端を下流側固定板223に固定され、後端を下流側固定板224に固定される。第2取り付け位置P12の下流側固定軸221,222は、例えば検査装置2の輸送固定時に、第1搬送部10を貫通することで第1搬送部10を移動不能に固定する。
【0103】
また、上流側固定軸231,232についてのみ
図9Bに図示するが、上流側固定軸231,232及び上流側固定板233は、検査装置2の輸送時に第2搬送部30を移動不能に固定する取り付け位置において、例えばネジによって筐体210に着脱可能に取り付けられる。なお、上流側固定板233は、下流側固定板223,224とは異なり、単一の部材であり、上流側固定軸231,232は、同一高さで且つ左右方向に間隔を隔てて、前端を上流側固定板233に固定され、後端を後側板212に固定される。なお、上流側固定軸231,232を直接的に筐体210(前側板211及び後側板212)に取り付けることができれば、上流側固定板233も省略可能である。
【0104】
ここで、第2搬送部30は、交換時に上述の一実施の形態の被接触部96に載置されるが、上流側固定軸231,232及び上流側固定板233が第2搬送部30の交換のための取り付け位置に取り付けられる場合には、上流側固定軸231,232に載置されてもよい。この場合、上流側固定軸231,232は、上述の被接触部の一例として機能する。これにより、第2搬送部30を移動不能に固定するために用いられる上流側固定軸231,232を用いた簡素な構成で、第2搬送部30の取り外しを行うことができる。
【0105】
次に、検査装置2の動作について説明する。
図9A及び
図9Bは、検査装置2の第1搬送部10及び第2搬送部30の昇降動作を説明するための正面図である。なお、
図9A及び
図9Bでは、吊り下げワイヤ53が吊り下げワイヤ51と重なって隠れて表れず、吊り下げワイヤ54が吊り下げワイヤ52と重なって隠れて表れないが、吊り下げワイヤ53,54の符号を吊り下げワイヤ51,52の符号とともに記す。同様に、
図9A及び
図9Bでは、引っ張りワイヤ63が引っ張りワイヤ61と重なって隠れて表れず、引っ張りワイヤ64が引っ張りワイヤ62と重なって隠れて表れないが、引っ張りワイヤ63,64の符号を引っ張りワイヤ61,62の符号とともに記す。
【0106】
まず、
図7に示すように下流側固定軸221,222が第1取り付け位置P11において筐体210に取り付けられる前に、
図2に示す制御部91の制御によって第1駆動部71が所定量、吊り下げワイヤ51~54を駆動することにより、第1取り付け位置P11の下流側固定軸221,222よりも上方まで第1搬送部10を上昇させる。
【0107】
そして、制御部91は、
図9Aに示すように、第1搬送部10の取り外しを可能とするために、吊り下げワイヤ51~54が第1搬送部10を、第1取り付け位置P11に固定された状態の下流側固定軸221,222の上方から下降させるように、第1駆動部71を制御する。そして、第1搬送部10が下方に位置する下流側固定軸221,222に接触して停止することで(取り外し位置P4)、それ以上は下降しなくなると、吊り下げワイヤ51~54に弛み51c~54cが形成されていく。また、制御部91は、第1搬送部10が下流側固定軸221,222に接触して停止した状態で、引っ張りワイヤ61~64に弛み61b~64bを形成するように第2駆動部81を制御する。このように吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61が弛んだ状態で、吊り下げワイヤ51~54及び引っ張りワイヤ61~64との第1搬送部10の連結をユーザの手動で解除することによって第1搬送部10の例えば交換又はメンテナンスのための取り外しが可能となる。なお、第1搬送部10と第1検査部20との位置決めが、第1搬送部10と第1検査部20とのうちの一方に設けられ上下方向に延びるピンが他方に設けられた孔に挿入されることにより行われる場合には、第1搬送部10の取り外し位置P4は、ピンが孔から抜ける位置であるとよい。
【0108】
次に、
図8に示すように下流側固定軸221,222が第2取り付け位置P12において筐体210に取り付けられる前に、制御部91は、第2取り付け位置P12の下流側固定軸221,222に固定される輸送固定位置P5に第1搬送部10及び第2搬送部30が昇降するように第1駆動部71及び第2駆動部81を制御する。
【0109】
そして、
図9Bに示すように輸送固定位置P5の第1搬送部10を移動不能に固定する第2取り付け位置P12に下流側固定軸221,222が取り付けられ、輸送固定位置P5の第2搬送部30を移動不能に固定する第2取り付け位置P12に上流側固定軸231,232が取り付けられた状態で、検査装置2が輸送される。なお、第1検査部20又は第2検査部40との位置決めが上述のピンの孔への挿入により行われる場合には、第1搬送部10及び第2搬送部30の取り外し位置P5は、ピンが孔から抜ける位置であるとよい。
【0110】
以上説明した他の実施の形態では、上述の一実施の形態と同様の事項については同様の効果、例えば、第1搬送部10(第1吊り下げ対象の一例)を高精度に昇降させることができるなどの効果を得ることができる。
【0111】
また、本実施の形態では、検査装置2は、第1取り付け位置P11において筐体210に着脱可能に取り付けられる着脱部材の一例である下流側固定軸221,222を更に備え、制御部91は、第1吊り下げ対象の一例である第1搬送部10の取り外しを可能とするために、吊り下げワイヤ51~54が第1搬送部10を、下流側固定軸221,222の上方から下降させ、第1搬送部10が下流側固定軸221,222に接触して停止した後に吊り下げワイヤ51~54が弛む(弛み51c~54cを有する)まで、吊り下げワイヤ51~54を駆動するように第1駆動部71を制御する。
【0112】
これにより、第1検査部20に接触した状態で第1搬送部10を取り外す態様と比較して、第1搬送部10を第1検査部20に接触させずに容易に取り出すことができる。そのため、第1搬送部10と第1検査部20とが接触した状態で第1搬送部10の交換やメンテナンス作業を行う場合には、ユーザの作業に基づき第1検査部20の設定位置の変動を起こす可能性もあるが、第1搬送部10と第2検査部20とが接触しない状態で第1搬送部10の交換やメンテナンス作業を行う場合には、上記の変動を回避することができ、第1検査部20の検査精度を下げてしまうことを回避できる。
【0113】
また、本実施の形態では、着脱部材の一例である下流側固定軸221,222は、第1取り付け位置P11の代わりに、第1搬送部10を移動不能に固定する第2取り付け位置P12において筐体210に着脱可能に取り付けられる。
【0114】
これにより、第1搬送部10の取り外しのために用いられる下流側固定軸221,222を用いた簡素な構成で、第1搬送部10を移動不能に固定することができる。そのため、下流側固定軸221,222を第2取り付け位置P12に固定することで、固定の必要な、検査装置2の輸送時にも下流側固定軸221,222を使えるし、第1搬送部10の交換のときでも交換性に都合がよい。
【0115】
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0116】
[付記1]
媒体を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部と上下方向に対向するように配置され、前記媒体に対する処理を行う第1処理部と、
前記第1搬送部及び前記第1処理部のうちの上方に位置する一方である第1吊り下げ対象に連結され、当該第1吊り下げ対象を吊り下げる可撓性の吊り下げ部材と、
前記第1吊り下げ対象を下方に引っ張る可撓性の引っ張り部材と
を備えることを特徴とする媒体搬送機構。
【0117】
[付記2]
前記媒体の搬送方向における前記第1搬送部の上流側又は下流側において、前記第1搬送部とは前記媒体に対して上下反対側に配置された第2搬送部と、
前記第1処理部とは前記媒体に対して上下反対側において、前記第2搬送部と上下方向に対向するように配置され、前記媒体に対する処理を行う第2処理部とを更に備え、
前記吊り下げ部材は、前記第2搬送部及び前記第2処理部のうちの下方に位置する一方である第2吊り下げ対象に更に連結され当該第2吊り下げ対象を吊り下げることで、前記第1吊り下げ対象及び前記第2吊り下げ対象のうちの一方を上昇させると他方を下降させる
ことを特徴とする付記1記載の媒体搬送機構。
【0118】
[付記3]
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記引っ張り部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記吊り下げ部材は、前記第1吊り下げ対象が前記第1搬送部及び前記第1処理部のうちの下方に位置する他方に接触した状態で、弛みを有し、
前記制御部は、前記引っ張り部材を弛ませてから前記吊り下げ部材により前記第1吊り下げ対象を上昇させるように前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する
ことを特徴とする付記1又は2記載の媒体搬送機構。
【0119】
[付記4]
前記第1駆動部の駆動量を計測する第1計測部と、
前記第2駆動部の駆動量を計測する第2計測部とをさらに備え、
前記制御部は、前記第1駆動部の駆動量と前記第2駆動部の駆動量とに基づき、前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうちの少なくとも一方の駆動量を調整する
ことを特徴とする付記3記載の媒体搬送機構。
【0120】
[付記5]
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記引っ張り部材を駆動する第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1搬送部及び前記第2搬送部による前記媒体の搬送時と前記第1処理部及び前記第2処理部による前記媒体の処理時とに、前記第1搬送部と前記第1処理部とが接触し且つ前記第2搬送部と前記第2処理部とが接触し、前記媒体のジャム解除時に、前記第1搬送部と前記第1処理部とが離隔し且つ前記第2搬送部と前記第2処理部とが離隔するように、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御することによって前記吊り下げ部材及び前記引っ張り部材を駆動する
ことを特徴とする付記2記載の媒体搬送機構。
【0121】
[付記6]
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第2吊り下げ対象の取り外しを可能とするために、前記吊り下げ部材が前記第2吊り下げ対象を下降させ、当該第2吊り下げ対象が下方に位置する被接触部に接触して停止した後に前記吊り下げ部材が弛むまで前記吊り下げ部材を駆動するように前記第1駆動部を制御する
ことを特徴とする付記2記載の媒体搬送機構。
【0122】
[付記7]
第1取り付け位置において前記筐体に着脱可能に取り付けられる着脱部材と、
前記吊り下げ部材を駆動する第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する制御部とを更に備え、
前記制御部は、前記第1吊り下げ対象の取り外しを可能とするために、前記吊り下げ部材が前記第1吊り下げ対象を、前記着脱部材の上方から下降させ、前記第1吊り下げ対象が前記着脱部材に接触して停止した後に前記吊り下げ部材が弛むまで前記吊り下げ部材を駆動するように前記第1駆動部を制御する
ことを特徴とする付記1又は2記載の媒体搬送機構。
【0123】
[付記8]
前記着脱部材は、前記第1取り付け位置の代わりに、前記第1吊り下げ対象を移動不能に固定する第2取り付け位置において前記筐体に着脱可能に取り付けられる
ことを特徴とする付記7記載の媒体搬送機構。
【符号の説明】
【0124】
1,2 検査装置(搬送機構の一例)
10 第1搬送部(第1吊り下げ対象の一例)
20 第1検査部(第1処理部の一例)
30 第2搬送部(第2吊り下げ対象の一例)
40 第2検査部(第2処理部の一例)
51~54 吊り下げワイヤ(吊り下げ部材の一例)
51a,52a,53a,54a 弛み
51b,52b,53b,54b 弛み
51c,52c,53c,54c 弛み
61~64 引っ張りワイヤ(引っ張り部材の一例)
61a,62a,63a,64a 弛み
61b,62b,63b,64b 弛み
71 第1駆動部
72 動力伝達部
73,74 駆動軸
75~78 プーリ
81 第2駆動部
82 動力伝達部
83 駆動軸
84,85 プーリ
91 制御部
92 記憶部
93 インターフェース部
94 第1計測部
95 第2計測部
96 被接触部
100 印刷システム
110 媒体供給装置
120 第1印刷装置
130 中間搬送装置
140 第2印刷装置
150 媒体排出装置
210 筐体
211 前側板
212 後側板
213 収納部
221,222 下流側固定軸(着脱部材の一例)
223,224 下流側固定板
231,232 上流側固定軸
233 上流側固定板
M 媒体
P0 中間位置
P1 搬送位置
P2 ジャム解除位置
P3 取り外し位置
P4 取り外し位置
P5 輸送固定位置
P11 第1取り付け位置
P12 第2取り付け位置
R1,R4-1,R5 直進搬送経路
R2,R6 循環搬送経路
R3,R4-2,R7,R8-1 反転経路
R8-2 非反転経路
R9 合流経路
R10 正常収容経路
R11 異常収容経路
S11 下方第1位置検知センサ
S12 下方第2位置検知センサ
S21 上方第1位置検知センサ
S22 上方第2位置検知センサ