(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20241211BHJP
【FI】
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2020210366
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】武藤 史弥
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-269365(JP,A)
【文献】特開2008-077525(JP,A)
【文献】国際公開第01/095186(WO,A1)
【文献】特開2002-175418(JP,A)
【文献】特開2012-194816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0178304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融に関するサービスを提供するための金融サービス提供システムから、前記サービスのユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記サービスに関連付けて表示される広告の要求と、を取得する広告要求取得部と、
所定の記憶部を参照して、前記ユーザ識別情報に対応付けられた
投資信託を識別するための投資信託識別情報を取得し、前記
投資信託に
含まれる銘柄を識別するための
、前記投資信託識別情報に対応付けられた銘柄識別情報を取得する銘柄識別情報取得部と、
コンテンツの提供者を識別するためのコンテンツ提供者識別情報に対応付けてコンテンツデータを管理するコンテンツサーバから、特定された前記銘柄識別情報に対応するコンテンツ提供者識別情報に対応付けられたコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得部と、
取得した前記コンテンツデータを含む広告データ
であって、前記投資信託に前記銘柄が含まれる旨の表示を含む広告データを生成する広告データ生成部と、
生成された前記広告データを、前記金融サービス提供システムに送信する広告データ送信部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記広告要求取得部は、前記サービスの提供者を識別するためのサービス提供者識別情報を、更に取得し、
前記銘柄識別情報取得部は、前記ユーザ識別情報及び前記サービス提供者識別情報に対応付けられた前記銘柄識別情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の記憶部は、ユーザ識別情報と、ユーザに関連する
投資信託を識別するための
投資信託識別情報と、を対応付けて記憶する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツデータは、画像、動画、及びウェブページのURLの少なくともいずれかを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記広告データ生成部は、前記広告データに、前記
投資信託に関する表
示を含める、請求項1から
4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記広告データ生成部は、前記広告データに、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)へのシェアの選択部を含める、請求項1から
5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
金融に関するサービスを提供するための金融サービス提供システムから、前記サービスのユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記サービスに関連付けて表示される広告の要求と、を取得するステップと、
所定の記憶部を参照して、前記ユーザ識別情報に対応付けられた
投資信託を識別するための投資信託識別情報を取得し、前記
投資信託に
含まれる銘柄を識別するための
、前記投資信託識別情報に対応付けられた銘柄識別情報を取得するステップと、
コンテンツの提供者を識別するためのコンテンツ提供者識別情報に対応付けてコンテンツデータを管理するコンテンツサーバから、特定された前記銘柄識別情報に対応するコンテンツ提供者識別情報に対応付けられたコンテンツデータを取得するステップと、
取得した前記コンテンツデータを含む広告データ
であって、前記投資信託に前記銘柄が含まれる旨の表示を含む広告データを生成するステップと、
生成された前記広告データを、前記金融サービス提供システムに送信するステップと、を実行する、情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
金融に関するサービスを提供するための金融サービス提供システムから、前記サービスのユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記サービスに関連付けて表示される広告の要求と、を取得するステップと、
所定の記憶部を参照して、前記ユーザ識別情報に対応付けられた
投資信託を識別するための投資信託識別情報を取得し、前記
投資信託に
含まれる銘柄を識別するための
、前記投資信託識別情報に対応付けられた銘柄識別情報を取得するステップと、
コンテンツの提供者を識別するためのコンテンツ提供者識別情報に対応付けてコンテンツデータを管理するコンテンツサーバから、特定された前記銘柄識別情報に対応するコンテンツ提供者識別情報に対応付けられたコンテンツデータを取得するステップと、
取得した前記コンテンツデータを含む広告データ
であって、前記投資信託に前記銘柄が含まれる旨の表示を含む広告データを生成するステップと、
生成された前記広告データを、前記金融サービス提供システムに送信するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ウェブサイトを通じて顧客にオンライン広告を配信する広告配信システムが広く利用されている。オンライン広告の配信において、高い広告効果を得るための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、顧客の特徴データを有する顧客関連データベースを統計処理して、特徴が類似する複数の顧客に対応する仮想顧客ごとの特徴データを備える加工後データベースを複数生成し、それらを結合する情報処理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今では、資産形成に対する関心の高まりを受けて、株式や投資信託等の金融商品の購入・管理のためのウェブサイトやアプリが充実してきており、一般消費者の間でも投資が広く普及してきている。資産運用の成績を向上させるためには、投資対象となる銘柄企業について調べて理解を深めることが有用な手段の一つであるとされており、投資家は、自身の資産運用に影響を与える銘柄企業に大きな関心を持つことが多い。そのため、投資家は銘柄企業にとって優良な潜在顧客となる可能性が高く、投資家に対して金融商品に関連する広告を適切に打つことで広告効果の大きな向上が見込まれる。
【0005】
そこで、本発明は、広告効果を向上させることの可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、金融に関するサービスを提供するための金融サービス提供システムから、サービスのユーザを識別するためのユーザ識別情報と、サービスに関連付けて表示される広告の要求と、を取得する広告要求取得部と、所定の記憶部を参照して、ユーザ識別情報に対応付けられた、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄を識別するための銘柄識別情報を取得する銘柄識別情報取得部と、コンテンツの提供者を識別するためのコンテンツ提供者識別情報に対応付けてコンテンツデータを管理するコンテンツサーバから、特定された銘柄識別情報に対応するコンテンツ提供者識別情報に対応付けられたコンテンツデータを取得するコンテンツデータ取得部と、取得したコンテンツデータを含む広告データを生成する広告データ生成部と、生成された広告データを、金融サービス提供システムに送信する広告データ送信部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、金融に関するサービスを提供するための金融サービス提供システムにおいて、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄に対応するコンテンツ提供者に係るコンテンツデータを含む広告が表示されるため、広告効果が向上する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広告効果を向上させることの可能な情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】広告システム1の概要を説明するための図である。
【
図2】コンピュータ500のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
【
図3】媒体サーバ110の機能構成を示すブロック図の一例である。
【
図4】ユーザ端末120の機能構成を示すブロック図の一例である。
【
図5】マッチングサーバ200の機能構成を示すブロック図の一例である。
【
図6】ユーザ情報DB210Aのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】ファンド組入銘柄DB210Bのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】コンテンツサーバ300の機能構成を示すブロック図の一例である。
【
図9】コンテンツデータDB310のデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】広告システム1が実行する処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図11】金融サービスにおける広告の表示画面の一例を示す図である。
【
図12】SNSにおけるシェアされた広告の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一、又は同様の構成を有する。)
【0011】
(1)全体構成
図1は、実施形態に係る広告システム1の構成の一例を示す概略図である。
図1に示すとおり、広告システム1は、例えば、所定の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続された金融サービス提供システム100、マッチングサーバ200、コンテンツサーバ300、及びSNSサーバ400を有する。
【0012】
金融サービス提供システム100は、ユーザに対して所定の金融サービスを提供するためのシステムであって、例えば、金融サービスを提供する媒体サーバ110と、ユーザが利用するユーザ端末120とを有する。ここで、金融サービス提供システム100が提供する金融サービスの内容は、金融(業としての金融のみならず、資金の調達や使用等を含めた広義の金融も含む)に関するサービスであれば特に限定されず、例えば、株式、投資信託、債券、国債、為替等の金融商品に関するものや、法定通貨、電子マネーや暗号資産(仮想通貨を含む)による決済に関するものを含んでもよい。金融サービス提供システム100における金融サービスの提供の形式は、特に限定されないが、例えば、ユーザ端末120にインストールされたブラウザやアプリ(Webアプリ及び/又はクライアントアプリ)を介して、媒体サーバ110から供給される表示データ及び/又はユーザ端末120に記憶された表示データを、ユーザ端末120において表示する形式(いわゆる、ホームページ、サービスサイト、アプリ等)であってもよい。金融サービス提供システム100が提供する金融サービスとして具体的に想定されるのは、直販投信会社のホームページ(HP)やアプリ、金融商品の販売会社(銀行、証券会社、保険会社等)のHPやアプリ、家計簿サービスのアプリやWebサービス、決済(ペイメント)アプリ、投信情報サービス等が含まれるが、これらに限られるものではない。金融サービス提供システム100が提供する金融サービスは、媒体サーバ110の管理者と後述するマッチングサーバ200の管理者との共同利用型サービスとして提供される金融サービス(対面型及び/又は非対面型)を含んでもよい。なお、
図1では、ユーザ端末120は1つしか示されていないが、金融サービス提供システム100は、複数のユーザ端末120を有していてもよい。
【0013】
金融サービス提供システム100では、ユーザ端末120に表示される金融サービスの画面等において、例えば、マッチングサーバ200によって提供される、ユーザに関連する金融商品(株式、株式ファンド、ファンドオブファンズ、上場投資信託(ETF)、ファンドラップ・投資一任契約、ロボアドバイザー、ポイント運用サービスでポイント増減の指標に採用される金融商品等))に関連する銘柄に関する広告が表示され得る。ここで、「ユーザに関連する金融商品」は、任意の形式でユーザに関連付けられた金融商品を広く含んでもよく、具体的には、ユーザが保有する金融商品、ユーザにより関連付けられた金融商品(お気に入り登録、関心があるファンドの登録等)、及び金融サービスの提供者により関連付けられた金融商品(金融商品の販売会社(銀行、証券会社等)による勧めの登録等)等を含んでもよい。また、特定の事業者の商品・サービスを利用等することによりポイントが付与されるポイントサービスにおいて、当該ポイントが所定の指標に連動して増減する所謂「ポイント運用」というサービスが利用されている。そして、当該「ポイント運用」においては、所定の金融商品(ファンドやETF等)が、ポイント増減に連動させるための所定の指標となる場合がある。上述した、ユーザに関連する金融商品は、このように「ポイント運用」において、ポイント増減に連動させるための所定の指標となる金融商品を含んでもよい。また、「ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄」は、例えば、当該金融商品に含まれる銘柄そのもの(第1銘柄)であってもよいし、当該銘柄(第1銘柄)と関連する銘柄(第2銘柄)であってもよい。第1銘柄と第2銘柄との関係は、資本関係や取引関係その他の任意の関係であってよい。具体的には、例えば、第2銘柄は第1銘柄と資本関係のある銘柄(第1銘柄の子会社等)であってもよいし、第2銘柄は第1銘柄と取引関係のある銘柄(第1銘柄の顧客会社等)であってもよい。
【0014】
まず、媒体サーバ110は、例えばユーザが所定の操作を行った場合等に、金融サービスに関連付けて表示される広告の要求である広告要求をマッチングサーバ200に送信する。次に、マッチングサーバ200は、ユーザに関連する金融商品(ユーザが保有する金融商品や、ユーザに関連付けられた金融商品)や当該金融商品に含まれる銘柄(金融商品に含まれる第1銘柄、及び第1銘柄と所定の関係を有する第2銘柄等)を直接的又は間接的にユーザIDに対応付けて記憶する金融商品データベース群210から適宜情報を取得した上で、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄を特定する。次に、マッチングサーバ200は、広告の基となるコンテンツデータを記憶したコンテンツデータDB310を管理するコンテンツサーバ300から、特定された銘柄に対応付けられたコンテンツデータを取得する。次に、マッチングサーバ200は、取得したコンテンツデータに基づいて広告データを生成し、これを媒体サーバ110に送信する。そして、ユーザ端末120は、媒体サーバ110から広告データを取得し、当該広告データに基づいて金融サービスの画面等において、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄に関する広告を表示する。
【0015】
このように、本実施形態に係る広告システム1では、金融サービス提供システム100における金融サービスにおいて、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄の広告が表示され得る。金融商品を保有等するユーザは、金融商品に関連する銘柄の企業等に対する感度は高い場合が多いと言え、そのため、本実施形態に係る広告システム1により広告効果が向上する。
【0016】
本実施形態に係る広告システム1では、ユーザは、ユーザ端末120に表示された広告を任意のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にシェア(共有)することが可能である。SNSにシェアされる広告には、「#invested by ファンド名」等の金融商品に関する表示を含むハッシュタグ等が付されてもよい。これにより、SNSにおいてシェアされた広告には、当該広告に係るコンテンツの提供者や当該提供者と関連する企業等を銘柄として含む金融商品に関する表示が付されるため、当該表示に接する他のユーザに対して金融商品に対する認知度を高めることができる。そして、媒体サーバ110により提供される金融サービスのユーザや、認知された金融商品に関連付けられるユーザが増加し、その結果、更に上記広告の表示の対象者が増加し得る。また、これら効果によって、延いては一般消費者において広く投資を普及させる効果も期待できる。
【0017】
(2)各部の構成
(2-1)ハードウェア構成
媒体サーバ110、ユーザ端末120、マッチングサーバ200、コンテンツサーバ300、及びSNSサーバ400それぞれのハードウェア構成について説明する。これらはそれぞれ、1台又は複数台のコンピュータ500によって構成することができる。
図2は、コンピュータ500のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
【0018】
図2に示すように、コンピュータ500は、プロセッサ501、メモリ503、記憶装置505、入力I/F部507、データI/F部509、通信I/F部511、及び表示装置513を含む。
【0019】
プロセッサ501は、メモリ503に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ500における様々な処理を制御する。例えば、媒体サーバ110が有する広告要求送信部111、広告データ取得部112、広告データ送信部113、広告シェア要求送信部114、ユーザ端末120が有する操作受付部121、広告要求送信部122、広告データ取得部123、出力部124、広告シェア要求送信部125、マッチングサーバ200が有する広告要求取得部201、顧客属性情報取得部202、ファンドID取得部203、組入銘柄ID取得部204、コンテンツサーバ300が有する広告データ生成部206、広告データ送信部207等は、メモリ503に一時記憶された上で、主にプロセッサ501上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0020】
メモリ503は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ503は、プロセッサ501によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0021】
記憶装置505は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置505は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ503にロードされることにより、プロセッサ501から参照される。
【0022】
入力I/F部507は、管理者からの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部507の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部507は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ500に接続されても良い。
【0023】
データI/F部509は、コンピュータ500の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部509の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部509は、コンピュータ500の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部509は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ500へと接続される。
【0024】
通信I/F部511は、コンピュータ500の外部の装置と有線又は無線により、インターネットを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部511は、コンピュータ500の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部511は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ500に接続される。
【0025】
表示装置513は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置513の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置513は、コンピュータ500の外部に設けられても良い。その場合、表示装置513は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ500に接続される。
【0026】
(2-2)媒体サーバ110の機能構成
図3は、媒体サーバ110の機能構成を示すブロック図の一例である。媒体サーバ110は、1台又は複数台のコンピュータ500によって構成され、ユーザ端末120からの要求に応じて金融サービスに関する各種のデータを処理する。媒体サーバ110は、例えば、広告要求送信部111と、広告データ取得部112と、広告データ送信部113と、広告シェア要求送信部114とを有する。
【0027】
広告要求送信部111は、例えば、ユーザ端末120から広告要求(金融サービスに関連付けて表示される広告の要求)を受信した場合等に、所定の広告要求をマッチングサーバ300に送信する。広告要求送信部111は、当該ユーザ端末120に対応付けられたユーザIDと、媒体サーバ110に対応付けられた媒体社IDとを、広告要求に含めてもよい。また、広告要求送信部111は、広告の表示領域に関する情報(位置やサイズ等に関する情報)を含んでもよい。広告データ取得部112は、例えば、マッチングサーバ200から広告データを取得する。広告データ送信部113は、例えば、ユーザ端末120に広告データを送信する。広告シェア要求送信部114は、SNSサーバ400に対して、所定の広告のシェアを要求する。
【0028】
(2-3)ユーザ端末120の機能構成
図4は、ユーザ端末120の機能構成を示すブロック図の一例である。ユーザ端末120は、例えば、1台又は複数台のコンピュータ500によって構成される。ユーザ端末120は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話(スマートフォンやフィーチャーフォン等)、及びタブレット端末等の情報処理装置である。ユーザ端末120は、例えば、操作受付部121と、広告要求送信部122と、広告データ取得部123と、出力部124と、広告シェア要求送信部125とを有する。
【0029】
操作受付部121は、例えば、ユーザによる入力I/F部507に対する任意の操作を受け付ける。広告要求送信部122は、例えば、ユーザによる操作(広告表示操作)等に応じて、金融サービスにおいて表示される広告の要求である広告要求を媒体サーバ110に送信する。広告データ取得部123は、例えば、媒体サーバ110から広告データを取得する。出力部124は、例えば、表示装置513を制御して広告データに基づく広告を出力する。広告シェア要求送信部125は、例えば、ユーザによる操作(広告シェア操作)等に応じて、広告のシェアの要求を、媒体サーバ110を介して又は直接的に、SNSサーバ400に送信する。
【0030】
(2-4)マッチングサーバ200の機能構成
図5は、マッチングサーバ200の機能構成を示すブロック図の一例である。マッチングサーバ200は、例えば、1台又は複数台のコンピュータ500によって構成され、媒体サーバ110から取得した広告要求に応じて、コンテンツサーバ300から所定のコンテンツデータを取得し、これに基づいて広告データを生成し媒体サーバ110に送信する。マッチングサーバ200は、例えば、サプライサイドプラットフォーム(SSP)としての機能を有していてもよい。マッチングサーバ200は、例えば、広告要求取得部201と、顧客属性情報取得部202と、ファンドID取得部203と、組入銘柄ID取得部204と、コンテンツデータ取得部205と、広告データ生成部206と、広告データ送信部207と、を有する。
【0031】
広告要求取得部201は、例えば、広告要求を媒体サーバ110から取得する。広告要求には、例えば、ユーザIDと、媒体社IDとを含んでもよい。顧客属性情報取得部202は、例えば、ユーザ情報DB210A等において、ユーザIDに対応付けられた顧客属性情報(性別、年代、居住地、勤務先住所等)を取得する。
【0032】
ファンドID取得部203及び組入銘柄ID取得部204は、例えば、「銘柄識別情報取得部」を構成する。ここで、「銘柄識別情報取得部」は、金融商品データベース群210等の所定の記憶部を参照して、ユーザIDに直接的又は間接的に対応付けられた、ユーザに関連する金融商品に関連する銘柄を識別するための銘柄識別情報を取得する機能を有する。ファンドID取得部203は、例えば、ユーザ情報DB210AにおいてユーザID及び媒体社IDに対応付けられたファンドIDを取得する。ユーザID及び媒体社IDに対応付けられたファンドIDが複数ある場合は、所定の条件に基づいて取得するファンドIDを決定してもよい。例えば、ファンド残高に基づいて取得するファンドIDとして決定してもよく、特に、ファンド残高が最も高いファンドIDを、取得するファンドIDとして決定してもよい。なお、ファンドID取得部203は、他の情報処理装置(媒体サーバ110やユーザ端末120等)から、ユーザIDに対応付けられたファンドIDを取得してもよい。組入銘柄ID取得部204は、例えば、ファンド組入銘柄DB210BにおいてファンドIDに対応付けられた組入銘柄ID(第1銘柄を識別するためのIDである第1銘柄ID)を取得する。ファンドIDに対応付けられた組入銘柄IDが複数ある場合は、所定の条件に基づいて、取得する組入銘柄IDを決定してもよい。例えば、組入銘柄の構成比率に基づくものであってよく、同一のファンドIDのうちで構成比率が最も高い組入銘柄IDを、上記1つの組入銘柄IDとして決定してもよい。なお、「銘柄識別情報取得部」は、更に、第2銘柄ID取得部を有していてもよい。第2銘柄ID取得部は、例えば、第1銘柄ID(組入銘柄ID)に基づいて、第1銘柄IDに対応付けられた第2銘柄(第1銘柄に関連する銘柄)を識別するためのIDである第2銘柄IDを取得する。第2銘柄ID取得部は、第1銘柄IDと第2銘柄IDとを対応付けて記憶する所定の記憶部を参照することにより、第1銘柄IDに基づいて第2銘柄IDを取得することができる。ここで、第1銘柄IDと第2銘柄IDとを対応付けて記憶する当該所定の記憶部は、金融商品データベース群210に含まれていてもよいし、マッチングサーバ200の一部として構成されてもよい。当該所定の記憶部は、第1銘柄と第2銘柄との関係の種類に応じて任意に構成することができるが、例えば、株主データベース等のような第1銘柄と第2銘柄との間の資本関係を規定するものであってもよいし、(重要)顧客データベース等のような第1銘柄と第2銘柄との間の取引関係を規定するものであってもよい。
【0033】
コンテンツデータ取得部205は、媒体サーバ110等から取得した広告要求に応じて、コンテンツサーバ300に対して所定のコンテンツデータ要求を送信した上で、コンテンツサーバ300から所定のコンテンツデータを取得する。その際、コンテンツデータ取得部205は、コンテンツサーバ300に送信するコンテンツデータ要求に、媒体サーバ110に係る媒体社のコンテンツ掲載条件(広告の位置やサイズ、掲載期間等の、広告に関する任意の条件)を含めて、当該コンテンツ掲載条件に合致するコンテンツデータを要求するようにしてもよい。媒体社のコンテンツ掲載条件は、例えば、マッチングサーバ200の記憶装置505に記憶されていてもよい。
【0034】
マッチングサーバ200は、金融商品データベース群210にアクセス可能である。
図1に示すとおり、金融商品データベース群210は、例えば、ユーザ情報DB210Aと、ファンド組入銘柄DB210Bとを有する。なお、金融商品データベース群210は、ユーザ情報DB210A、及びファンド組入銘柄DB210Bの他に、上述した第1銘柄と第2銘柄とを対応付けて記憶するデータベースを有していてもよい。
【0035】
図6は、ユーザ情報DB210Aのデータ構造の一例を示す図である。ユーザ情報DB210Aには、例えば、「ユーザID」に対応付けて、「ユーザ情報」、「性別」、「年代」、「居住地」、「勤務先住所」、「媒体社ID」、「ファンドID」、及び「ファンド残高」等が記録される。ユーザ情報DB210Aによって、特定のユーザが保有等するファンドを特定することが可能となる。
【0036】
「ユーザID」には、例えば、ユーザを識別するための識別情報(ID)が記録される。「性別」、「年代」、「居住地」、及び「勤務先住所」は、ユーザの属性情報であるユーザ属性情報の一例であり、これら項目にはそれぞれ、当該ユーザの性別、年代、居住地、勤務先住所を示す情報が記録される。なお、ユーザ属性情報は、これら項目に限らず、他の任意の項目を含んでもよい。
【0037】
「媒体社ID」には、例えば、媒体サーバ110の管理者を識別するためのID(金融サービスの提供者(媒体社)を識別するための「サービス提供者識別情報」の一例)が記録される。「ファンドID」には、例えば、ユーザに関連するファンドを識別するためのID(ユーザに関連する投資信託等の金融商品を識別するための「金融商品識別情報」の一例)が記録される。ここで、ユーザに関連するファンドは、任意の形式でユーザに関連付けられたファンドを広く含んでもよく、具体的には、ユーザが保有するファンド、ユーザにより関連付けられたファンド(お気に入り登録、関心があるファンドの登録等)、及び金融サービスの提供者により関連付けられたファンド(金融商品の販売会社(銀行、証券会社等)による勧めの登録等)等を含んでもよい。また、ユーザに関連するファンドは、例えば、ポイント運用サービスでポイント増減の指標に採用されるファンドを含んでもよい。「ファンド残高」には、例えば、ファンドIDにより特定されるファンドの残高が記録される。なお、同一の媒体社が提供する金融サービスにおいて複数のファンドが管理される場合は、1つの「媒体社ID」に対して複数の「ファンドID」が対応付けられてもよい。
【0038】
図6に示したユーザ情報DB210Aが有する情報は一例であり、ユーザ情報DB210Aは、上述した項目の少なくとも一部を含まなくてもよく、また、他の項目を含んでもよい。
【0039】
図7は、ファンド組入銘柄DB210Bのデータ構造の一例を示す図である。ファンド組入銘柄DB210Bには、例えば、「ファンドID」に対応付けて、「ファンド情報」、及び「組入銘柄ID」等が記録される。ファンド組入銘柄DB210Bによって、特定のファンドIDに係るファンドに含まれる銘柄を特定することが可能となる。
【0040】
「ファンドID」には、例えば、任意のファンドIDが記録される。「ファンド情報」には、例えば、当該ファンドIDにより特定されるファンドに関する任意の情報(名称、属性情報、販売会社等)が記録される。「組入銘柄ID」には、例えば、当該ファンドIDにより特定されるファンドが含む銘柄を特定するための識別情報(ユーザが保有する金融商品に含まれる銘柄を識別するための「銘柄識別情報」の一例)が記録される。
【0041】
図7に示したファンド組入銘柄DB210Bが有する情報は一例であり、ファンド組入銘柄DB210Bは、上述した項目の少なくとも一部を含まなくてもよく、また、他の項目を含んでもよい。
【0042】
上述した例では、金融商品データベース群210に含まれるユーザ情報DB210Aにより、ユーザIDに基づいて当該ユーザに関連するファンドを特定することが可能であり、また、金融商品データベース群210に含まれるファンド組入銘柄DB210Bにより、ファンドIDに基づいて当該ファンドに含まれる銘柄を特定することが可能であるものとした。しかしながら、金融商品データベース群210は、上述した例に限らず、ユーザID(ユーザを識別するためのユーザ識別情報)に、ユーザに関連する金融商品や当該金融商品に含まれる銘柄等を直接的又は間接的に対応付けて記憶するものであれば、1つ又は複数のデータベース等により任意に構成可能である。また、これら金融商品データベース群210に含まれるデータベースの管理者は、特に限定されない。例えば、金融商品データベース群210に含まれるデータベースは、サービスの提供のために媒体サーバ110が主体的に管理するデータベースであってもよく、マッチングサーバ200は媒体サーバ110等からこれらデータベースへのアクセス許可を取得した上でアクセスを行ってもよい。また、例えば、金融商品データベース群210に含まれるデータベースは、金融商品の運用会社等が主体的に管理するデータベースであってもよく、マッチングサーバ200は当該運用会社等からこれらデータベースへのアクセス許可を取得した上でアクセスを行ってもよい。また、例えば、金融商品データベース群210は、マッチングサーバ200が主体的に管理するデータベース群であってもよい。
【0043】
なお、上述した例では、「銘柄」は、投資信託等の金融商品に含まれる個別の企業等に係るものとして説明した。しかしながらこれに限らず、「銘柄」は、例えば、ファンドオブファンズや、投資信託の組成金融商品がETF等のような親子関係がある金融商品の場合における、親ファンドや組成ETF等の組入銘柄であってもよい。すなわち、第1金融商品が少なくとも1つの第2金融商品を銘柄として含む場合において、「銘柄」は、当該第2金融商品であってもよい。この場合、金融商品データベース群210は、少なくとも1つのデータベースにおいて、ユーザIDを第1金融商品の識別情報(第1金融商品ID)に対応付け、第1金融商品IDを第2金融商品の識別情報(第2金融商品ID)に対応付けて記憶してもよい。また、マッチングサーバ200が含む「銘柄識別情報取得部」は、金融商品データベース群210等の所定の記憶部を参照して、ユーザID又はこれに対応付けられた第1金融商品IDに基づいて、当該ユーザIDに直接的又は間接的に対応付けられた第2金融商品IDを取得してもよい。
【0044】
(2-5)コンテンツサーバ300の機能構成
図8は、コンテンツサーバ300の機能構成を示すブロック図の一例である。コンテンツサーバ300は、例えば、1台又は複数台のコンピュータ500によって構成され、マッチングサーバ200から取得したコンテンツデータ要求に応じて、コンテンツデータDB310から所定のコンテンツデータを取得し、これをマッチングサーバ200に送信する。コンテンツサーバ300は、例えば、ディマンドサイドプラットフォーム(DSP)としての機能を有していてもよい。コンテンツサーバ300は、例えば、コンテンツデータ取得部301と、コンテンツデータ送信部302と、を有する。
【0045】
コンテンツデータ取得部301は、例えば、マッチングサーバ200から取得したコンテンツデータ要求に応じて、コンテンツデータDB310から所定のコンテンツデータを取得する。具体的には、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310から、コンテンツデータ要求に含まれる組入銘柄ID(第1銘柄ID)又は第2銘柄IDに対応するコンテンツ提供者IDに対応付けられたコンテンツデータを取得する。また、マッチングサーバ200から受信したコンテンツデータ要求に顧客属性情報が含まれる場合、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310に含まれるターゲット設定のうち当該顧客属性情報に適したものを選択してもよい。また、マッチングサーバ200から受信したコンテンツデータ要求にコンテンツ掲載条件(広告の位置やサイズ、掲載期間等の、広告に関する任意の条件)が含まれる場合、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310に含まれるコンテンツ出稿条件のうち当該コンテンツ掲載条件に適したものを選択してもよい。コンテンツデータ送信部302は、例えば、コンテンツデータ取得部301が取得したコンテンツデータを、マッチングサーバ200に送信する。なお、コンテンツデータDBが、コンテンツサーバ300が備える記憶部の一部として構成される場合は、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータ取得部301は、当該コンテンツサーバ300が備える記憶部を参照してコンテンツデータを取得してもよい。
【0046】
図9は、コンテンツデータDB310のデータ構造の一例を示す図である。コンテンツデータDB310には、例えば、「コンテンツ提供者ID」に対応付けて、「ターゲット設定」、「コンテンツ出稿条件」、及び「コンテンツデータ」が記録される。「コンテンツ提供者ID」には、例えば、広告データの基となるコンテンツの提供者を識別するためのID(コンテンツの提供者を識別するための「コンテンツ提供者識別情報」の一例)が記録される。コンテンツ提供者は、任意のファンドに含まれる銘柄に対応しており、例えば国内外で販売される任意の金融商品(株式ファンド、ファンドオブファンズ、上場投資信託(ETF)、ファンドラップ・投資一任契約、ロボアドバイザー等)の銘柄を含んでもよい。「ターゲット設定」は、例えば、コンテンツデータを含む広告を閲覧させることが想定されたターゲットの範囲であり、年代、性別、居住地、職業等の任意の顧客属性情報によって規定することができる。「コンテンツ出稿条件」は、コンテンツの出稿に関する条件であって、コンテンツ提供者等が任意に設定可能である。「コンテンツデータ」は、例えば、画像、動画、及びURL等の任意の種類のコンテンツに関するデータであってよい。画像、動画、及びURL等のコンテンツデータは、例えば、特定の商品・サービスやコンテンツ提供者自身に関する広告宣伝用のものであってよい。また、URLは、例えば、消費者アンケートを収集可能としたアンケートサイトのURLであってもよい。なお、コンテンツデータDB310は、コンテンツサーバ300が備える記憶部の一部として構成されてもよい。
【0047】
コンテンツデータDB310においては、例えば、任意のコンテンツ提供者ID(第1コンテンツ提供者ID)は、他の任意のコンテンツ提供者ID(第2コンテンツ提供者ID)に対応付けられていてもよい。この場合、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータ要求に含まれる組入銘柄ID(第1銘柄ID)又は第2銘柄IDに対応する第1コンテンツ提供者IDを特定した上で、特定した第1コンテンツ提供者IDに対応付けられた第2コンテンツ提供者IDに対応付けられたコンテンツデータを取得してもよい。そして、コンテンツデータ送信部302は、コンテンツデータ取得部301が取得した当該第2コンテンツ提供者IDに対応付けられたコンテンツデータを、マッチングサーバ200に送信してもよい。第1コンテンツ提供者IDと第2コンテンツ提供者IDとの対応付けは、第1コンテンツ提供者及び第2コンテンツ提供者を含む任意のユーザが、コンテンツデータDB310において登録・指定することが可能であってよい。第1コンテンツ提供者及び第2コンテンツ提供者の対応付けられる関係は、第1銘柄及び第2銘柄の対応付けに準じてもよく、例えば、資本関係や取引関係その他の任意の関係であってよい。より具体的には、例えば、第1コンテンツ提供者が部品(例えば、自動車のパーツ)の製造者A社である場合に、第1コンテンツ提供者A社に対応付けられた第2コンテンツ提供者として、当該部品の納入先である最終製品(例えば、自動車)の製造者X社やY社を登録・指定することが想定される。この場合、マッチングサーバ200からコンテンツサーバ300に送信されるコンテンツデータ要求に組入銘柄ID等としてA社が含まれる場合、コンテンツサーバ300により、A社に対応付けられたX社やY社のコンテンツデータがマッチングサーバ200に送信される。そして、ユーザ端末20において、当該X社やY社の広告が表示され得る。このようにして、A社は、顧客であるX社やY社に対して広告宣伝や最終製品の販売に協力・寄与することが可能となる。
【0048】
(2-6)SNSサーバ400
SNSサーバ400は、1つ又は複数のコンピュータにより構成され、少なくとも1つのユーザ端末120に対してソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を提供する。すなわち、SNSサーバ400は、複数のユーザ相互のリンクにより構成されるグラフ(ソーシャルグラフ)や、各ユーザに対応付けられたページ(アカウントページ)を管理する。
アカウントページは、例えば、当該ユーザによるテキストや画像その他のコンテンツの投稿が随時追加された上で、ユーザが設定した範囲のユーザに対してSNSサーバ400を介して公開される。SNSサーバ400は、投稿の内容として、「投稿文書(投稿本文)のテキスト」、リンクがある場合は「参照ファイルのURI((Uniform Resource Identifier)(例えばURL)」を管理し、投稿に付随するメタデータとして、少なくとも「ユーザ名」、「ハッシュタグ」等を管理している。ここで、ハッシュタグは、例えば投稿においてハッシュマーク「#」を頭に付けた文字列により表される。SNSサーバ400は、ハッシュタグを指定することにより、ハッシュタグを含む投稿データを一括で検索して取得することが可能である。
【0049】
(2)動作
図10は、本実施形態に係る広告システム1が実行する処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【0050】
(S101)
まず、媒体サーバ110により提供される金融サービスに関するホームページ、サービスサイト、アプリ等の任意の画面がユーザ端末120の表示装置513に表示された状態において、ユーザが入力I/F部507を介して広告表示の契機として予め設定された所定の操作(広告表示操作)を行うと、ユーザ端末120の操作受付部121は、当該広告表示操作を受け付ける。広告表示操作は、例えば、表示画面に含まれる所定の領域や選択部が選択されたことを示す情報であってよい。
【0051】
(S102)
次に、ユーザ端末120の広告要求送信部122は、媒体サーバ110に広告要求を送信する。当該広告要求は、広告の表示領域に関する情報(位置やサイズ等に関する情報)を含んでもよい。
【0052】
(S103)
次に、媒体サーバ110の広告要求送信部111は、ユーザ端末120から広告要求を受信すると、当該ユーザ端末120に対応付けられたユーザIDと、媒体サーバ110に対応付けられた媒体社IDとを含めた広告要求を、マッチングサーバ200に送信する。媒体サーバ110は、コンテンツ掲載条件を広告要求に含めてもよい。なお、媒体サーバ110の広告要求送信部111は、ユーザIDに対応付けられたファンドIDを、マッチングサーバ200に送信してもよい。
【0053】
(S104)
マッチングサーバ200の顧客属性情報取得部202は、ユーザ情報DB210Aから、媒体サーバ110から送信された広告要求に含まれるユーザIDに対応付けられたユーザの顧客属性情報を取得する。顧客属性情報は、
図6に示すユーザ情報DB210Aの場合、例えば、性別、年代、居住地、勤務先住所であるが、マッチングサーバ200は、ユーザ情報DB210Aの構成に応じて任意の項目を顧客属性情報として取得してもよい。
【0054】
(S105)
次に、マッチングサーバ200のファンドID取得部203は、ユーザ情報DB210Aから、媒体サーバ110から送信された広告要求に含まれるユーザID及び媒体社IDに対応付けられたファンドIDを取得する。当該ユーザID及び媒体社IDに対応付けられたファンドIDが複数ある場合は、所定の条件に基づいて取得するファンドIDを決定してもよい。例えば、ファンド残高に基づいて取得するファンドIDとして決定してもよく、特に、ファンド残高が最も高いファンドIDを、取得するファンドIDとして決定してもよい。なお、ファンドIDを取得する当該ステップS105は、媒体サーバ110からマッチングサーバ200に対してファンドIDが連携される場合(ファンドIDが送信される場合)は、実行されなくてもよい。
【0055】
(S106)
次に、マッチングサーバ200の組入銘柄ID取得部204は、ファンド組入銘柄DB210Bから、ステップS105で取得された(又は媒体サーバ110から提供された)ファンドIDに対応付けられた組入銘柄IDを取得する。組入銘柄IDが複数ある場合は、所定の条件に基づいて、取得する組入銘柄IDを決定してもよい。例えば、組入銘柄の構成比率に基づくものであってよく、同一のファンドIDのうちで構成比率が最も高い組入銘柄IDを、上記1つの組入銘柄IDとして決定してもよい。なお、マッチングサーバ200は、更に、取得された組入銘柄IDを第1銘柄IDとして、所定の記憶部を参照して、当該第1銘柄IDに対応付けられた第2銘柄IDを取得してもよい。当該第2銘柄IDの取得処理は、任意の条件において実行されてもよいが、例えば、コンテンツサーバ300から、後述するステップS107等におけるコンテンツデータ要求に含まれる組入銘柄ID(第1銘柄ID)に対応付けられたコンテンツデータが利用不可能である等の通知を取得したことを条件としてもよい。
【0056】
(S107)
次に、マッチングサーバ200のコンテンツデータ取得部205は、コンテンツサーバ300に、ステップS106で取得された組入銘柄ID(第1銘柄ID)又は第2銘柄IDを含むコンテンツデータ要求を送信する。このとき、コンテンツデータ取得部205は、ステップS104で取得された顧客属性情報を、コンテンツデータ要求に含めてもよい。また、コンテンツデータ取得部205は、媒体サーバ110に係る媒体社のコンテンツ掲載条件をコンテンツデータ要求に含めてもよい。
【0057】
(S108)
コンテンツサーバ300のコンテンツデータ取得部301は、マッチングサーバ200からコンテンツデータ要求を受信すると、コンテンツデータDB310から、コンテンツデータ要求に応じたコンテンツデータ(画像、動画、及びURL等)を取得する。具体的には、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310から、コンテンツデータ要求に含まれる組入銘柄ID(第1銘柄ID)又は第2銘柄IDに対応するコンテンツ提供者IDに対応付けられたコンテンツデータを取得する。なお、「コンテンツデータ」は、コンテンツ提供者自身が提供する商品・サービスに関するコンテンツに限らず、コンテンツ提供者と所定の関係(上述した第1銘柄と第2銘柄との関係に準じた関係であり、資本関係や取引関係その他の任意の関係を含む)にある関連企業等が提供する商品・サービスに関するコンテンツを含んでもよい。また、マッチングサーバ200から受信したコンテンツデータ要求に顧客属性情報が含まれる場合、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310に含まれるターゲット設定のうち当該顧客属性情報に適したものを選択してもよい。また、マッチングサーバ200から受信したコンテンツデータ要求にコンテンツ掲載条件(広告の位置やサイズ、掲載期間等の、広告に関する任意の条件)が含まれる場合、コンテンツデータ取得部301は、コンテンツデータDB310に含まれるコンテンツ出稿条件のうち当該コンテンツ掲載条件に適したものを選択してもよい。なお、コンテンツデータDB310が、コンテンツサーバ300が備える記憶部の一部として構成される場合は、コンテンツデータ取得部301は、当該コンテンツサーバ300が備える記憶部を参照してコンテンツデータを取得してもよい。
【0058】
(S109)
コンテンツサーバ300のコンテンツデータ送信部302は、取得したコンテンツデータを、マッチングサーバ200に送信する。
【0059】
(S110)
マッチングサーバ200の広告データ生成部206は、コンテンツサーバ300から取得されたコンテンツデータに基づいて、広告データを生成する。このとき、広告データ生成部206は、ステップS105で取得されたファンドIDに係るファンドに関する表示(金融商品に関する表示である「金融商品表示」の一例)のデータを生成し、広告データに含めてもよい。当該表示は、ファンド(金融商品)の名称等を表示するものであれば特に内容は限定されないが、例えば、「invested by (ファンド名)」のテキスト等であってよい。これにより、例えばユーザ端末120が当該広告データを表示装置513等に表示する際に、広告のコンテンツと共に、ファンドに関する表示が表示される。
【0060】
(S111)
マッチングサーバ200の広告データ送信部207は、生成された広告データを、ステップS103で広告要求を送信した媒体サーバ110に送信する。
【0061】
(S112)
次に、媒体サーバ110の広告データ送信部113は、マッチングサーバ200から取得した広告データを、ユーザ端末120に送信する。
【0062】
(S113)
ユーザ端末120の出力部124は、媒体サーバ110から受信した広告データに基づいて、表示装置513に広告を表示する。
【0063】
図11は、金融サービスにおける広告の表示画面の一例を示す図である。
図11には、一例として、投資信託を管理する家計簿アプリの画面600が示されている。画面600には、メイン領域601と、広告領域602とが含まれる。メイン領域601には、家計簿アプリにおける投資信託等の管理のためのメイン機能に関する情報が表示される。例えば、メイン領域601には、ユーザが保有する各投資信託の名称と、その評価額/評価損益とが表示される。
【0064】
広告領域602には、マッチングサーバ200により生成された広告データに基づく広告や、これに関連する情報等が表示される。広告領域602には、マッチングサーバ200により生成された広告データに基づいて表示される広告等が含まれる。具体的には、広告領域602には、広告画像603と、「invested by ○○ファンド」とのテキスト604とが含まれている。広告画像603は、上述した組入銘柄ID(第1銘柄ID)に対応する銘柄企業等が提供する商品・サービス等に関する広告であってもよいし、或いは、上述した第2銘柄IDに対応する関連企業等が提供する商品・サービス等に関する広告であってもよい。
図11に示す例では、広告領域602には広告として広告画像603が含まれるが、画像に限らず、動画やURL等が表示されてもよい。テキスト604は、広告画像603の広告主(コンテンツ提供者)が特定のファンドの銘柄であることを示す表示(金融商品に関する表示である「金融商品表示」の一例)である。当該表示(金融商品表示)の態様は、金融商品に関する表示であれば、特にその態様は限定されず、テキストのみならず画像や動画等を含んでもよい。また、
図11の例では、広告主が所定のファンドによる投資を受けていることを表す「invested by」との語句が示されているが、これに限らず任意の文言等であってよい。
【0065】
また、
図11に示すとおり、画面600には、広告画像603の右下付近に、SNSへのシェアを選択するためのシェア選択部605が含まれる。シェア選択部605の各矩形オブジェクトは、特定のSNSに広告領域602に示される広告をシェアするための選択部である。
【0066】
(S114)
図10に戻る。
図11に示す画面600等がユーザ端末120の表示装置513に表示された状態において、ユーザが入力I/F部507を介して、シェア選択部605に含まれるいずれかのオブジェクトを選択する操作(広告シェア操作)を行うと、ユーザ端末120の操作受付部121は、当該広告シェア操作を受け付ける。
【0067】
(S115)
次に、ユーザ端末120の広告シェア要求送信部125は、選択されたオブジェクトに対応するSNSへ広告をシェアすることを要求する広告シェア要求を媒体サーバ110に送信する。広告シェア要求は、例えば、ユーザIDと、シェアすべき広告データを識別するための識別情報とを含む。
【0068】
(S116)
次に、媒体サーバ110の広告シェア要求送信部114は、広告シェア要求に広告データを含めて、SNSサーバ400へ送信する。
【0069】
(S117)
SNSサーバ400は、媒体サーバ110から受信した広告シェア要求に基づいて、広告をシェアする処理を実行する。具体的には、SNSサーバ400は、広告シェア要求に含まれるユーザIDにより特定されるユーザアカウントに対応付けられたアカウントページに、広告シェア要求に含まれる広告データに基づくコンテンツを投稿として追加する。これにより、当該投稿は、SNSサーバ400が提供するSNSの所定のユーザに対して公開される。
【0070】
図12は、SNSにおけるシェアされた広告の表示画面の一例を示す図である。
図12には、一例として、広告をシェアしたユーザのSNSにおけるアカウントページの画面700が示されている。画面700では、シェアされた広告の投稿が領域701に表示される。領域701のうち符号702に示した部分には、当該アカウントページに係るユーザのサムネイル画像、ユーザ名、及びユーザが入力した投稿テキスト等が含まれている。また、領域701には、広告画像703が含まれる。また、領域701には、ハッシュタグ704が含まれる。ハッシュタグ704は、当該投稿に対応付けられたメタデータである。ハッシュタグ704は、ユーザが上述したステップS114において広告シェア操作を行う際に自身で指定したものであってもよい。或いは、SNSサーバ400の機能により自動で付与されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…広告システム、100…金融サービス提供システム、110…媒体サーバ、111…広告要求送信部、112…広告データ取得部、114…広告シェア要求送信部、120…ユーザ端末、121…操作受付部、122…広告要求送信部、123…広告データ取得部、124…出力部、125…広告シェア要求送信部、200…マッチングサーバ、201…広告要求取得部、202…顧客属性情報取得部、203…ファンドID取得部、204…組入銘柄ID取得部、205…コンテンツデータ取得部、206…広告データ生成部、207…広告データ送信部、300…コンテンツサーバ、301…コンテンツデータ取得部、302…コンテンツデータ送信部、400…SNSサーバ、500…コンピュータ、501…プロセッサ、503…メモリ、505…記憶装置、507…入力I/F部、509…データI/F部、511…通信I/F部、513…表示装置