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特許7602379輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための座席取り付け具並びに関連システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための座席取り付け具並びに関連システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/075 20060101AFI20241211BHJP
   B60N 2/08 20060101ALI20241211BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20241211BHJP
【FI】
B60N2/075
B60N2/08
B64F5/10
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021004893
(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公開番号】P2021121530
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】16/746,189
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カントス, ホセ エー.
(72)【発明者】
【氏名】フェーストレーム, ブレット ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ラザレ, ケネス エム.
【審査官】丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-279433(JP,A)
【文献】実開昭63-050740(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - 2/90
B64F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための座席取り付け具であって、
前記座席トラックに対面する下面を有する本体、
固定スタッド、及び
前記本体内に配置されたソレノイドであって、前記固定スタッドを、前記固定スタッドが前記本体内に配置された後退位置と、前記固定スタッドが前記本体の前記下面から外向きに延伸して前記座席トラックの中に入る延伸位置と、の間で移動させるように動作可能なソレノイドを備え
前記固定スタッドは、前記ソレノイドが電力供給されるときに、前記延伸位置から前記後退位置に移動し、前記ソレノイドが電力供給されないときに、前記後退位置から前記延伸位置に移動し、
前記ソレノイドが電力供給されないときに、前記固定スタッドが、前記本体の前記下面から離れるように移動し、前記固定スタッドの軸の周りで回転する、座席取り付け具。
【請求項2】
前記ソレノイドが電力供給されるときに、前記固定スタッドが、前記固定スタッドの前記軸の周りで回転し、前記本体の前記下面に向けて移動する、請求項に記載の座席取り付け具。
【請求項3】
前記ソレノイドは、前記固定スタッドを約90度だけ回転させる、請求項に記載の座席取り付け具。
【請求項4】
前記固定スタッドは、ステム、及び前記ステムの遠位端に結合されたアームであって、前記ステムに対して横断するように延在するアームを有する、請求項1に記載の座席取り付け具。
【請求項5】
前記固定スタッドが前記後退位置にあるときに、前記アームが前記座席トラックの長手軸と平行に方向付けられ、前記固定スタッドが前記延伸位置にあるときに、前記アームが前記座席トラックの前記長手軸に対して横断するように方向付けられる、請求項に記載の座席取り付け具。
【請求項6】
前記ソレノイドは、電力供給されないときに、前記固定スタッドを前記延伸位置に付勢するためのバネを含む、請求項1に記載の座席取り付け具。
【請求項7】
前記固定スタッドが前記後退位置にあるときに、前記固定スタッドの下面が前記本体の前記下面を越えて延伸しない、請求項1に記載の座席取り付け具。
【請求項8】
輸送体内で座席取り付け具を座席トラックから解放するために、座席に結合された前記座席取り付け具内のソレノイドに電力供給すること、
前記ソレノイドが電力供給される間に、前記座席を第1の位置から第2の位置に移動させること、及び
前記座席が前記第2の位置にある間に、前記座席取り付け具を前記座席トラックに取り付けるために、前記ソレノイドへの電力供給を止めることを含み、
前記ソレノイドが電力供給されるときに、前記ソレノイドは、固定スタッドを、前記固定スタッドが前記座席取り付け具の本体の下面から延伸する延伸位置から、前記固定スタッドが前記座席取り付け具の前記本体内に配置される後退位置に移動させ、
前記ソレノイドが電力供給されないときに、前記ソレノイドは、前記固定スタッドを前記後退位置から前記延伸位置に移動させ、
前記ソレノイドが電力供給されないときに、前記固定スタッドが、前記本体の前記下面から離れるように移動し、前記固定スタッドの軸の周りで回転する、方法。
【請求項9】
前記ソレノイドに電力供給することは、ツールを前記座席又は前記座席取り付け具上のインターフェースに結合することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ソレノイドへの電力供給を止めることは、前記ツールを前記インターフェースから結合解除することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ツールは、前記ツールが前記インターフェースに結合されるときに前記ソレノイドに電力供給するための電源を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソレノイドが電力供給されるときに、前記固定スタッドが、前記固定スタッドの前記軸の周りで回転し、前記本体の前記下面に向けて移動する、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ソレノイドは、前記固定スタッドを前記後退位置から前記延伸位置に移動するためのバネを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記固定スタッドが前記後退位置にあるときに、前記固定スタッドの下面が前記本体の前記下面を越えて延伸しない、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、座席取り付け具(seat fitting)に関し、特に、輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための座席取り付け具並びに関連システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 航空機、バス、列車、地下鉄などの現代の輸送体は、座席又はベンチの列を含むことが多い。座席又はベンチは、輸送体の床に配置されたトラックに連結されている。座席又はベンチは、座席トラックから連結解除され得、所望の間隔及び/又は構成に応じて再配置することができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための例示的な座席取り付け具が、本明細書で開示される。例示的な座席取り付け具は、座席トラックに対面する下面を有する本体、固定スタッド(locking stud)、及び本体内に配置されたソレノイドを含む。ソレノイドは、固定スタッドを、固定スタッドが本体内に配置された後退位置と、固定スタッドが本体の下面から外向きに延伸して座席トラックの中に入る延伸位置と、の間で移動させるように動作可能である。
【0004】
[0004] 本明細書で開示される例示的な方法は、座席に結合された座席取り付け具内のソレノイドに電力供給して、輸送体内で座席取り付け具を座席トラックから解放すること、ソレノイドに電力供給しながら、座席を第1の位置から第2の位置に移動させること、及び、座席が第2の位置にある間に、ソレノイドへの電力供給を止めて、座席取り付け具を座席トラックに取り付けることを含む。
【0005】
[0005] 本明細書で開示される例示的な座席取り付けシステムは、座席に結合される座席取り付け具を含む。座席取り付け具は、上面と下面とを有する本体を含む。上面と下面に形成された凹部との間でチャネルが画定されている。座席取り付け具は、凹部内に配置された固定スタッドも含む。固定スタッドは、後退位置と延伸位置との間で移動可能である。座席取り付け具は、チャネル内に配置され且つ固定スタッドに結合されたプランジャーを更に含む。プランジャーは、開口部を有する。座席取り付け具は、固定スタッドを延伸位置に保持するために、プランジャー内の開口部の中に挿入可能なピンも含む。座席取り付けシステムは、ピンを開口部から取り外すためのツールを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0001] 本明細書で開示される実施例が実装され得る例示的な航空機を示す。
図2】[0002] 図1の航空機のキャビン内の床に座席を取り付けるために使用され得る、例示的な座席トラック及び例示的な座席取り付け具を含む、例示的な座席及び例示的な座席取り付けシステムを示す。
図3】[0003] 図2の例示的な座席取り付けシステムの例示的な座席トラックの一区域を示す。
図4】[0004] 図2の例示的な座席取り付けシステムの例示的な座席取り付け具の上面斜視図である。
図5】[0005] 図4の例示的な座席取り付け具の下面斜視図である。
図6】[0006] 図6A図6B、及び図6Cは、図4及び図5の例示的な座席取り付け具の例示的な固定スタッドを、後退位置から延伸位置に移動させる例示的なシーケンスを示す。
図7】[0007] 図1の航空機のキャビン内の床に座席を取り付けるために使用され得る、例示的な座席トラック及び例示的な座席取り付け具を含む、例示的な座席及び例示的な座席取り付けシステムを示す。
図8】[0008] 図7の例示的な座席取り付けシステムの例示的な座席トラックの一区域を示す。
図9】[0009] 図7の例示的な座席取り付けシステムの例示的な座席取り付け具の下面斜視図である。
図10】[0010] 図10A図10B、及び図10Cは、図9の例示的な座席取り付け具を図8の例示的な座席トラックに取り付けるために、例示的な座席取り付け具の例示的な固定スタッドを、後退位置から延伸位置に移動させる例示的なシーケンスを示す。
図11】[0011] 図1の航空機のキャビン内の床に座席を取り付けるために使用され得る、例示的な座席トラック及び例示的な座席取り付け具を含む、例示的な座席及び例示的な座席取り付けシステムを示す。
図12】[0012] 図1の航空機のキャビン内の床に座席を取り付けるために使用され得る、例示的な座席トラック及び例示的な座席取り付け具を含む、例示的な座席及び例示的な座席取り付けシステムを示す。
図13】[0013] 図7図11、及び図12の任意の例示的な座席取り付けシステムを用いて実行され得る、輸送体内で座席の位置を調整するための例示的な方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0014] 図面は原寸に比例しない。その代わりに、層又は領域の厚さは、図面では拡大され得る。一般に、(1以上の)図面及び添付の記載の全体を通して、同一の部分又は類似の部分は、同じ参照番号が使用されることとなる。
【0008】
[0015] 「第1の」、「第2の」、「第3の」などの記述は、個別に参照され得る複数の要素又は構成要素を特定するときに、本明細書で使用される。別段の定めがあるか又はこれらの使用の文脈に基づいて明らかである場合を除いて、そのような記述は、優先順位、物理的順序、若しくはリスト内の配置、又は時間順の意味を補完することを意図したものではなく、開示された例を理解し易くするために複数の要素又は構成要素を個別に参照するためのラベルとしてのみ使用される。ある実施例では、「第1の」という記述が、詳細な説明内で要素を参照するために使用され得るが、同じ要素が、請求項内で「第2の」又は「第3の」などの異なる記述で参照されてよい。そのような事例では、これらの記述が、単に複数の要素又は構成要素を参照することを容易にするために使用されると理解されるべきである。
【0009】
[0016] 輸送体内の床に座席を取り付けるための例示的な座席取り付け具が、本明細書で開示される。本明細書で開示される例示的な座席取り付け具は、座席を床に取り付ける/床から取り外すために使用される際により簡単であり且つより素早い。したがって、本明細書で開示される実施例は、輸送体内で1以上の座席を再配置又は再構成するために必要な時間の量を低減させる。
【0010】
[0017] 航空機、バス、列車などの既知の輸送体は、乗客が輸送体のキャビン内で座るための座席の1以上の列を含むことが多い。各座席は、キャビンの床の一対の座席トラックに着脱可能に結合されている。座席トラックは、輸送体のキャビン全体を通して長さ方向に延在する。座席は、座席トラックから取り外し、再配置又は再構成することができる。例えば、座席は、更に離れるように又は共に近づけるように移動され得る。更に、1以上の座席は、輸送体から完全に取り出すことができ、及び/又は、1以上の座席を、輸送体に追加することができる。しばしば、座席を再配置することが望まれる。例えば、航空機の飛行と飛行との間に、座席の列の間の間隔を増加又は低減させるために、座席を再配置することが望まれ得る。
【0011】
[0018] 既知の座席取り付けシステムでは、各座席が座席取り付け具を介して座席トラックに結合される。座席取り付け具は、座席の脚部に結合される。各座席取り付け具は、移動可能な固定スタッド(movable locking stud)及び複数の不動スタッド(fixed stud)を含む。座席を座席トラックに取り付けるために、一人の人員(例えば、輸送体の乗務員)が、座席取り付け具を座席トラック上に配置する。それによって、不動スタッドが、シートトラック内に形成された切り欠き(notch)の中に挿入される。次いで、各座席取り付け具について、一人の人員は、ネジ山付きシャフト(例えばボルト)を座席取り付け具の本体の中にネジ込んで、固定スタッドを配備する。それによって、座席取り付け具(及びしたがって座席)は座席トラックに固定される。ネジ山付きシャフトは、例えば、六角レンチ(Allen wrench)又は電動ドリルを介して回転され得る。座席を座席トラックから取り外すために、一人の人員は、座席取り付け具のそれぞれのネジ山付きシャフトを回して外すことができる。次いで、座席は、座席トラックから取り外すことができ、及び/又は座席トラックに沿って別の位置に移動することができる。
【0012】
[0019] ネジ山付きシャフトをネジ込んで固定スタッドを配備する/後退させるこの工程は、かなりの時間を要する。更に、各座席は4つの座席取り付け具を有し得る。したがって、一人の人員は、1つの座席を座席トラックに取り付ける/座席トラックから取り外すために、同じ動作を4回実行しなければならない。この動作は、輸送体が複数の座席を有する場合、更に時間がかかる。例えば、ある航空機は、数十又は数百の座席を有する。したがって、一人の人員は、輸送体のキャビン内で座席を再配置するためにかなりの時間を必要とし得る。
【0013】
[0020] 座席を座席トラックに取り付け/座席トラックから取り外すために、より簡単に且つ素早く動作する例示的な座席取り付け具が、本明細書で開示される。本明細書で開示される例示的な機械的に作動される座席取り付け具は、本体、及び本体に対して移動可能な固定スタッドを含む。固定スタッドは、固定スタッドが本体の下面に形成された凹部内に配置される後退位置と、固定スタッドが本体の下面から外向きに移動された延伸位置と、の間で移動可能である。例示的な座席取り付け具は、本体の上面と本体の下面に形成された凹部との間で延在するチャネル内に配置されたプランジャーを含む。プランジャーは、固定スタッドに結合されている。プランジャーは、本体の上面から外向きに延伸する。固定スタッドを後退位置から延伸位置に移動させるために、輸送体の作業員は、プランジャーの上端を押し下げることができる。それによって、固定スタッドは本体から外向きに延伸位置まで移動される。例えば、輸送体の作業員は、プランジャーの上端を彼/彼女の足で踏みつけることができる。次いで、輸送体の作業員は、プランジャーの中にピンを挿入して、固定スタッドを延伸位置に固定する。それによって、座席取り付け具は座席トラックに固定され、したがって、座席は座席トラックに固定される。
【0014】
[0021] 座席取り付け具を座席トラックから固定解除するために、一人の人員は、ピンを取り外すことができる。それによって、プランジャーは、固定スタッドを後退位置まで戻すように移動させることが可能になる(例えば、バネからの付勢力を介して)。幾つかの実施例では、ツールを使用して、ピンを挿入し及び/又は取り外す。プランジャーを押し下げ及び/又はピンを挿入し/取り外すこの工程は、ネジ山付きシャフトをネジ込む既知の工程と比較してより素早い。したがって、一人の人員は、より素早く且つ効率的に(1以上の)座席取り付け具を座席トラックに取り付け/座席トラックから取り外すことができる。これはまた、一人の人員が、座席取り付け具を操作するときに這ったり又は腰を屈めたりしなければならない時間の量を消去し又は低減させる。
【0015】
[0022] 例示的な電気機械的に作動される座席取り付け具も、本明細書で開示される。本明細書で開示される例示的な電気機械的に作動される座席取り付け具は、座席取り付け具の本体内に配置されたソレノイドを含む。座席取り付け具は、ソレノイドに結合された固定スタッドも含む。ソレノイドは、固定スタッドを、固定スタッドが本体内に配置された後退位置と、固定スタッドが本体の下面から外向きに延伸して座席トラックの中に入る延伸位置と、の間で移動させるように動作可能である。幾つかの実施例では、ソレノイドが、電力供給されたときに固定スタッドを後退位置に移動させ、電力供給されなくなったときに機械的な固定スタッドを延伸位置に移動させる(例えば、バネからの付勢力を介して)。したがって、座席取り付け具は、ソレノイドに電力供給することによって座席トラックから固定解除され得、ソレノイドへの電力供給を止めることによって座席トラックに固定され得る。
【0016】
[0023] 本明細書で開示される幾つかの実施例では、座席取り付け具内のソレノイドが、ツールを座席上のインターフェースに取り付けることによって、電力供給される。ツールは、電源を含み得る。ツールが、座席上のインターフェースに取り付けられたときに、電源は、座席取り付け具内のソレノイドに電力供給する。それによって、座席取り付け具は座席トラックから固定解除される。次いで、座席は、別の位置に移動され得るか及び/又は輸送体のキャビンから完全に取り出され得る。座席が新しい所望の位置にあるときに、ツールはインターフェースから取り外され得る。ツールがインターフェースから取り外されたときに、ソレノイドは、電力供給されなくなり、固定スタッドが配備される。それによって、座席取り付け具は座席トラックに固定され、したがって、座席は座席トラックに固定される。
【0017】
[0024] 本明細書で開示される実施例は、航空機上の座席との関連で説明されるが、本明細書で開示される実施例のうちの何れかは、バス、列車、又はボートなどの他の輸送体との関連において同様に実装され得ることが理解される。
【0018】
[0025] 次に図面を参照すると、図1は、本明細書で開示される実施例が実装され得る例示的な輸送体を示している。この実施例では、輸送体が航空機100である。航空機100は、胴体102、胴体102に結合された第1の主翼104(左翼)、及び胴体102に結合された第2の主翼106(右翼)を含む。図示されている実施例では、航空機100が、第1の主翼104によって運ばれる第1のエンジン108と、第2の主翼106によって運ばれる第2のエンジン110とを含む。他の実施例では、航空機100が、エンジンを1つだけ含んでよく、又は2つ以上のエンジンを含んでよい。胴体102は、乗客及び貨物が運ばれるキャビン112(破線で示されている)を画定する。キャビン112は、乗客及び/又は飛行乗務員のための1以上の座席を含み得る。
【0019】
[0026] 図2は、この開示の教示にしたがって構築された例示的な座席取り付けシステム204を介して、航空機100(図1)のキャビン112内の例示的な床202に結合された例示的な座席200を示している。座席取り付けシステム204を使用して、座席200を床202に着脱可能に結合する。1つの座席200だけが図示されているが、キャビン112は、座席200の前及び/又は後ろに配置される、座席200と同じ又は異なる座席の複数の列を含み得ることが理解される。例示的な実施例では、座席200が、3つの個別の座る位置を含む(例えば、座席ユニット又はベンチを形成する)。他の実施例では、座席200が、より多い又はより少ない個別の座る位置(例えば、1つ、2つ、4つ、5つなど)を含み得る。
【0020】
[0027] 図示されている実施例では、座席200が、第1の脚部206、第2の脚部208、第3の脚部210、及び第4の脚部212を含む、4つの脚部を含む。他の実施例では、座席200が、より多い又はより少ない脚部を含み得る。座席取り付けシステム204は、脚部206~212を、キャビン112の床202に配置された例示的な第1及び第2の座席トラック214、216に取り付けるための座席取り付け具を含む。特に、この実施例では、座席取り付けシステム204が、第1の脚部206に結合された第1の座席取り付け具218、第2の脚部208に結合された第2の座席取り付け具220、第3の脚部210に結合された第3の座席取り付け具222、及び第4の脚部212に結合された第4の座席取り付け具224を含む。第1及び第3の座席取り付け具218、222は、それぞれの第1及び第3の脚部206、210を第1の座席トラック214に結合し、第2及び第4の座席取り付け具220、224は、それぞれの第2及び第4の脚部208、212を第2の座席トラック216に結合する。座席取り付け具218~224は、第1及び第2の座席トラック214、216に結合(例えば固定)されて、座席200を床202に取り付け得るか、又は、第1及び第2の座席トラック214、216から結合解除(例えば固定解除)されて、座席200を床202から取り外すことができる。例えば、座席200は、第1及び第2の座席トラック214、216から取り外され、第1及び第2の座席トラック214、216上の別の位置に移動され、第1及び第2の座席トラック214、216に再取り付けされ得る。
【0021】
[0028] 第1及び第2の座席トラック214、216は、床202と面一(flush with)であり得るか、又は床202の下方に凹み得る。幾つかの実施例では、カーペット又は他の床材が、座席の列の間で、第1及び第2のトラック214、216を覆って配置される。第1及び第2の座席トラック214、216は、比較的長くてよい(例えば30フィート)。それによって、座席の複数の列が、第1及び第2の座席トラック214、216に結合され得る。例えば、第1及び第2の座席トラック214、216は、胴体112(図1)の長さに沿って延在し得る。キャビン112内の他の座席も、座席取り付け具を介して、第1及び第2の座席トラック214、216に取り付けることができる。キャビン112内の座席は、第1及び第2の座席トラック214、216から連結解除され、再配置又は再構成され得る(例えば、共に近づけて、間隔を空けて、キャビン112から取り出すなど)。
【0022】
[0029] 図3は、第1の座席トラック214の一区域を示している。第2の座席トラック216(図2)は、第1の座席トラック214と同一である。したがって、第1の座席トラック214に関連して開示される任意の構造又は機能は、第2の座席トラック216に同様に適用することができる。図示されている実施例では、第1の座席トラック214が、第1のフランジ300と、スロット304によって第1のフランジ300から分離された第2のフランジ302とを有する。チャネル306が、第1及び第2のフランジ300、302の下方で画定されている。この実施例では、第1及び第2のフランジ300、302が、円形の溝又は切り欠き308を有する(それらのうちの1つが、第1及び第2のフランジ300、302のそれぞれで参照されている)。歯又はリブ310が、切り欠き308の間に形成されている。リブ310は、本明細書で更に詳細に開示されるように、座席取り付け具が第1の座席トラック214に結合され得る離散した位置を画定する。
【0023】
[0030] 図4及び図5は、それぞれ、第1の例示的な座席取り付け具218の斜視図である。第2、第3、及び第4の座席取り付け具220、222、224は、第1の座席取り付け具218と同一である。したがって、第1の座席取り付け具218に関連して開示される任意の構造及び機能は、第2、第3、及び第4の座席取り付け具220、222、224にも同様に適用され得る。
【0024】
[0031] 図4及び図5で示されているように、第1の座席取り付け具218は、本体400を含む。幾つかの実施例では、本体400が、アルミニウムなどの金属から構築される。他の実施例では、本体400が、他の材料(例えばプラスチック)から構築され得る。本体400は、第1の脚部206(図2)に結合されることになる。図示されている実施例では、本体400がファスナ開口部402を有する。ファスナ404(例えばボルト)は、ファスナ開口部402及び第1の脚部206内の対応する開口部を貫通して挿入されて、本体400を第1の脚部206に結合する。他の実施例では、第1の座席取り付け具218が、他の機械的及び/又は化学的固定技法(例えば、リベット、摩擦嵌合(friction fit)、溶接、接着剤など)を介して、第1の脚部206に結合され得る。
【0025】
[0032] 図示されている実施例では、本体400が、上側又は上面406、及び下側又は下面408を有する。下面408は、第1の座席取り付け具218が第1の座席トラック214(図2及び図3)に結合されたときに、第1の座席トラック214と対面することになる。幾つかの実施例では、第1の座席取り付け具218が、第1の座席トラック214に結合されたときに、下面408が、第1の座席トラック214に接触又は係合する。
【0026】
[0033] 第1の座席取り付け具218を第1の座席トラック214(図2)と摺動可能に結合するために、第1の座席取り付け具218は、1以上の不動スタッドを含む。この実施例では、第1の座席取り付け具218が、第1の不動スタッド410、第2の不動スタッド412、及び第3の不動スタッド414を含む。第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414は、本体400の下面408に結合され、本体400の下面408から延在する。第1、第2、及び第3のスタッド410~414のそれぞれは、ステム部分及び円板部分を有する。第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414は、間隔を空けられている。それによって、第1の座席取り付け具218が第1の座席トラック214の上端上に配置されたときに、第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414の3つ全ては、第1の座席トラック214内の対応する切り欠き308(図3)の中に且つチャネル306(図3)の中に同時に挿入され得る。第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414が、チャネル306内に挿入されると、第1の座席取り付け具218は、第1の座席トラック214に沿って何れの方向にも摺動することができる。第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414が、リブ310(図3)の下に位置付けられたときに、第1の座席取り付け具218は、第1の座席トラック214から引き出されることが防止される。これは、リブ310の間の間隔によって規定された特定の増分において生じる。この実施例では、第1の座席取り付け具218が、3つの不動スタッドを含んでいるが、他の実施例では、第1の座席取り付け具218が、より多くの(例えば、4つ、5つなど)又はより少ない(例えば、1つ、2つ)の不動スタッドを含み得る。
【0027】
[0034] 第1の座席取り付け具218を、第1の座席トラック214(図2及び図3)に沿った特定の位置に固定するために、例示的な第1の座席取り付け具218は、固定スタッド416を含む。この実施例では、固定スタッド416が、2つの対向する半円によって形成されている。固定スタッド416は、本体400の下面408から上下に移動可能である。図5で示されているように、凹部500が、本体400の下面408に形成されている。固定スタッド416は、凹部500内に配置される。固定スタッド416は、凹部500の中へ入るように及び凹部500から出るように移動可能である。固定スタッド416は、後退位置と称される第1の位置と、延伸位置と称される第2の位置(図4及び図5で示されている位置)と、の間で移動可能である。後退位置では、固定スタッド416が、凹部500内に配置されている。それによって、固定スタッド416は、第1の座席トラック214内の切り欠き308(図3)の中に延伸しない。幾つかの実施例では、固定スタッド416が後退位置にあるときに、固定スタッド416の下面502が、本体400の下面408と面一であるか、又は本体400の下面408より上方にある。他の実施例では、固定スタッド416が、後退位置にあるときに、固定スタッド416の下面502は、固定スタッド416が第1の座席トラック214内の切り欠き308の中に延伸しない限りにおいて、本体400の下面408を越えて延伸する。図4及び図5で示されている位置である延伸位置では、固定スタッド416が、凹部500から外向きに且つ本体400の下面408を越えて延伸する。第1の座席取り付け具218が第1の座席トラック214上に配置され、且つ、固定スタッド416が延伸位置にあるときに、固定スタッド416は、第1の座席トラック214内の2つの隣接する切り欠き308の中に延伸する。固定スタッド416は、第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414から間隔を空けてオフセットされる。それによって、固定スタッド416が切り欠き308のうちの2つの中に配置されたときに、第1、第2、及び第3の不動スタッド410~414は、リブ310(図3)の下方に配置される。したがって、第1、第2、及び第3の不動スタッド410~ 414は、第1の座席取り付け具218が、第1の座席トラック214から離れるように移動することを防止し、固定スタッド416は、第1の座席取り付け具218が、第1の座席トラック214に沿って摺動することを防止する。結果として、第1の座席取り付け具は、第1の座席トラック214に取り付けられる(例えば、固定される)。
【0028】
[0035] 図6A図6B、及び図6Cは、固定スタッド416を後退位置から延伸位置に移動させる例示的なシーケンスを示す、例示的な第1の座席取り付け具218の断面図である。例示的なシーケンスを実行して、第1の座席取り付け具218を第1の座席トラック214(図2及び図3)に連結することができる。
【0029】
[0036] 図6Aで示されているように、本体400は、上面406と下面408に形成された凹部500との間で画定された第1のチャネル600を有する。第1の座席取り付け具218は、第1のチャネル600内に配置され且つ固定スタッド416に結合されたプランジャー602を含む。プランジャー602の上端部分604は、本体400の上面406から外向きに延伸する。プランジャー602は、第1のチャネル600内で上下に移動可能であって、固定スタッド416を、後退位置と延伸位置との間で凹部500の中に入るように及び凹部500から出るように移動させる。図6Aでは、固定スタッド416が後退位置にある。したがって、固定スタッド416は、凹部500の中に後退している。この実施例では、固定スタッド416の下面502が、本体400の下面408と面一であるか又は同一平面にある。
【0030】
[0037] 図示されている実施例では、第1の座席取り付け具218が、第1のチャネル600内に配置されたバネ606を含む。バネ606は、プランジャー602を本体400の上面406から外へ付勢し、したがって、固定スタッド416を後退位置に付勢する。例示的な第1の座席取り付け具218は、図6Aで示されている例示的なピン608も含む。本明細書で更に詳細に開示されるように、ピン608を使用して、固定スタッド416を延伸位置に固定する。ピン608は、本体400内に形成された第2のチャネル610の中に挿入可能である。第2のチャネル610は、第1のチャネル600に連結されている。この実施例では、第2のチャネル610が、第1のチャネル600を横断する(第1のチャネル600と直交する)。また、図6では、ピン608を第2のチャネル610の中に挿入し及び/又は第2のチャネル610から取り外すために使用することができる例示的なツール612が示される。ツール612は、例えば、一人の人員によって運ばれ得る。図6Aで示されているように、プランジャー602は開口部614を有する。図6Aの後退位置では、開口部614が、第2のチャネル610と整列していない。
【0031】
[0038] 固定スタッド416を後退位置から延伸位置に移動させるために、一人の人員はプランジャー602を押下し得る。例えば、一人の人員は、プランジャー602の上端部分604を彼/彼女の足で踏みつけ得るこれは、プランジャー602を第1のチャネル600の中に移動させる。それによって、図6Bで示されているように、固定スタッド416は、本体400の下面408から延伸位置まで外向きに移動される。図6Bで示されているように、プランジャー602の上端部分604は、第1のチャネル600内の棚(ledge)616と係合する。棚616は、固定スタッド416が延伸位置にあることを示すための停止又は限界を提供する。固定スタッド416が延伸位置にあるときに、プランジャー602内の開口部614は、第2のチャネル610と整列する。次いで、ピン608が、第2のチャネル610を通して開口部614の中に挿入される(例えば、ツール612を介して)。
【0032】
[0039] 図6Cは、第2のチャネル610及びプランジャー602内の開口部614の中に挿入されたピン608を示している。ツール612は、ピン608を解放し得る。ピン608は、第2のチャネル610及び開口部614内に残ったままである。したがって、固定スタッド416は、ピン608によって延伸位置に保持される。上述されたように、固定スタッド416が延伸位置にあるときに、固定スタッド416は、第1の座席取り付け具218(及びしたがって座席200(図2))が、第1の座席トラック214(図2及び図3)に沿って前方又は後方に摺動することを防止する。したがって、第1の座席取り付け具218は、前方又は後方に移動して、第1の座席トラック214から取り外すことができない。
【0033】
[0040] 第1の座席取り付け具218を第1の座席トラック214(図2及び図3)から解放するために、例示的なシーケンスが逆方向に実行され得る。例えば、ツール612が、第2のチャネル610の中に挿入され得、ピン608をプランジャー602内の開口部614から引き出すことができる。ピン608が、開口部614から取り出されてしまうと、バネ606がプランジャー602を上向きに付勢する。それによって、固定スタッド416が、後退位置(図6A)まで凹部500の中に戻るように移動される。一旦、固定スタッド416が後退位置にあると、座席200(図2)は、新しい位置まで第1の座席トラック214(図2及び図4)に沿って前方又は後方に摺動し得、及び/又は第1の座席トラック214から取り外され得る。この例示的な工程は、他の座席取り付け具220~224(図2)でも同様に実行され得る。
【0034】
[0041] 図6Cで示されているように、ピン608がプランジャー602の開口部614の中に挿入されたときに、ピン608は、第2のチャネル610から外向きに又は本体400の外面を越えて延伸しない。幾つかの実施例では、これによって、ピン608による意図しない改ざん(tampering)が防止される。その改ざんは、第1の座席取り付け具218を第1の座席トラック214(図2及び図3)から不注意で解放し得る。しかし、他の実施例では、ピン608が長いので、ピン608の一部分が第2のチャネル610から外向きに延伸し得る。
【0035】
[0042] ツール612は、ピン608を挿入し及び/又はピン608を取り外すために使用される任意のツールであってよい。例えば、ツール612は電磁石を含み得る。電磁石が電力供給されたときに、ピン608は電磁石に引き付けられる。電磁石は、ピン608を解放するために電力供給を止められ得る。別の一実施例として、ツール612は、ピン608を吸い付ける及び保持するために使用される真空を含み得る。真空は、ピン608を解放するために生成され得る。別の一実施例として、ツール612は、ピン608を掴むために作動され得るチップを含み得る。チップも、ピン608を解放するために作動解除され得る。幾つかの実施例では、ツール612を使用して、ピン608を挿入し及び回収する。他の実施例では、一人の人員が、ツール612なしにピン608を挿入し得る。例えば、ユーザは、彼/彼女の手を使用して、ピン608を挿入することができる。
【0036】
[0043] したがって、この実施例では、第1の座席取り付け具218が、既知の座席取り付け具で見られるように、固定スタッドを延伸又は後退させるためにネジ山付きシャフトをネジ込む必要がない。代わりに、プランジャー602を押す及び/又はピン608を挿入する/取り外す例示的なシーケンスは、既知の座席取り付け具と比較してより素早く且つ簡単である。したがって、ユーザは、素早く且つ効率的に座席200を床202に取り付け/床202から取り外すことができる。それによって、かなりの時間とエネルギーが節約される。
【0037】
[0044] 図7は、例示的な座席702を、航空機100(図1)のキャビン112内の床202に着脱可能に結合させるために使用され得る、別の例示的な座席取り付けシステム700を示している。1つの座席702だけが図示されているが、キャビン112は、座席702の前及び/又は後ろに配置される、座席702と同じ又は異なる座席の複数の列を含み得ることが理解される。例示的な実施例では、座席702が、3つの個別の座る位置を含む(例えば、座席ユニット又はベンチを形成する)。他の実施例では、座席702が、より多い又はより少ない個別の座る位置(例えば、1つ、2つ、4つ、5つなど)を含み得る。
【0038】
[0045] 図示されている実施例では、座席702が、第1の脚部704、第2の脚部706、第3の脚部708、及び第4の脚部710を含む、4つの脚部を含む。他の実施例では、座席702が、より多い又はより少ない脚部を含み得る。座席取り付けシステム700は、脚部704~710を、キャビン112の床202に配置された例示的な第1及び第2の座席トラック712、714に取り付けるための座席取り付け具を含む。特に、この実施例では、座席取り付けシステム700が、第1の脚部704に結合された第1の座席取り付け具716、第2の脚部706に結合された第2の座席取り付け具718、第3の脚部708に結合された第3の座席取り付け具720、及び第4の脚部710に結合された第4の座席取り付け具722を含む。第1及び第3の座席取り付け具716、720は、それぞれの第1及び第3の脚部704、708を第1の座席トラック712に結合し、第2及び第4の座席取り付け具718、722は、それぞれの第2及び第4の脚部706、710を第2の座席トラック714に結合する。座席取り付け具716~722は、第1及び第2の座席トラック712、714に結合(例えば固定)されて、座席702を床202に取り付け得るか、又は、第1及び第2の座席トラック712、714から結合解除(例えば固定解除)されて、座席702を床202から取り外すことができる。例えば、座席702は、第1及び第2の座席トラック712、714から取り外され、第1及び第2の座席トラック712、714上の別の箇所に移動され、第1及び第2の座席トラック712、714に再取り付けされ得る。
【0039】
[0046] 第1及び第2の座席トラック712、714は、床202と面一であり得るか、又は床202の下方に凹み得る。幾つかの実施例では、カーペット又は他の床材が、座席の列の間で、第1及び第2のトラック214、216を覆って配置される。第1及び第2の座席トラック712、714は、比較的長くてよい(例えば30フィート)。それによって、座席の複数の列が、第1及び第2の座席トラック712、714に結合され得る。例えば、第1及び第2の座席トラック712、714は、胴体112(図1)の長さに沿って延在し得る。キャビン112内の座席は、第1及び第2の座席トラック712、714から連結解除され、再配置又は再構成され得る(例えば、共に近づけて、間隔を空けて、キャビン112から取り出すなど)。
【0040】
[0047] この実施例では、座席取り付け具716~722が、電気機械的に作動される。座席取り付け具716~722は、座席702を、第1及び第2の座席トラック712、714に連結するか、又は第1及び第2の座席トラック712、714から連結解除するように操作(例えば、起動又は起動解除)され得る。座席取り付け具716~722のそれぞれは、ソレノイドを含む。ソレノイドの例は、図10A図10Cに関連して更に詳細に示される。ソレノイドが電力供給されたときに、座席取り付け具716~722は、それぞれの座席トラック712~714から解放又は結合解除され、ソレノイドが電力供給されなくなったときに、座席取り付け具716~722は、それぞれの座席トラック712、714に取り付けられ又は結合される。
【0041】
[0048] 座席取り付け具716~722のソレノイドに電力供給するために、例示的な座席取り付けシステム700は、ツール724を含む。ツール724は、一人の人員によって運ばれ使用され得る。図示されている実施例では、ツール724が、電源726と第1及び第2の端子728、730(例えば、電気コネクタ、ピン、又はプラグ)とを含む。電源726は、1以上のバッテリ(例えば、アルカリ電池、リチウムイオン電池など)によって実装され得る。座席取り付けシステム700は、インターフェース732も含む。例示的な一実施例では、インターフェース732が、座席702の片側(例えば通路側)の上に配置されている。他の実施例では、インターフェース732が、座席取り付け具716~722のうちの1つ、脚部704~710のうちの1つ、座席702のアームなどの他の位置の上に配置され得る。インターフェース732の拡大図が、図7のコールアウト(callout)で示されている。インターフェース732は、第1及び第2の端子734、736(例えば、電気コネクタ、ピン、又はプラグ)を含む。座席702は、インターフェース732の端子734、736を、座席取り付け具716~722に電気的に結合する、配線用ハーネス738(破線で示されている)を含む。配線用ハーネス738は、座席702の部分及び脚部704~710を通って延在し得る。
【0042】
[0049] ツール724がインターフェース732に取り付けられたときに、ツール724の第1及び第2の端子728、730は、インターフェース732の第1及び第2の端子734、736と通じ又は接続される。例えば、端子728、730、734、736は、オス又はメスの端子であってよい。次いで、電源726が、座席取り付け具716~722内のソレノイドに電力供給し又は電流を流す。幾つかの実施例では、電源726が、ツール724がインターフェース732に接続されたときに、自動的にソレノイドに電力供給する。他の実施例では、ツール724が、起動されたときにソレノイドに電力を提供するボタン又はトリガを含み得る。ソレノイドに電力供給することによって、座席取り付け具716~722は、第1及び第2の座席トラック712、714から解放される。したがって、一人の人員は、ツール724をインターフェース732に接続して、座席702を床202から取り外すことができる。それによって、一人の人員は、座席702を、別の位置に移動させるか又はキャビン112から取り出すことができる。
【0043】
[0050] 幾つかの実施例では、ツール724及び/又はインターフェース732が、端子728、730、734、736の適正な接続/位置合わせを確実にし、及び/又はツール724をインターフェース732上に保持する助けとなるための、1以上の特徴を含み得る。例えば、図7で示されているように、ツール724は、第1及び第2の磁石740、742を含み、インターフェース732は、第1及び第2の磁石744、746を含む。ツール724がインターフェース732に係合されたときに、ツール724の磁石740、742は、インターフェース732の磁石744、746に磁気的に取り付けられる。これは、ツール724とインターフェース732との間の接続及び位置合わせを維持する助けとなる。幾つかの実施例では、磁気接続が、ツール724をインターフェース732上に保持するのに十分である。それによって、一人の人員は、ツール724を解放することができ、ツール724はインターフェース732に接続されたままである。この実施例では、ツール724とインターフェース732とが、それぞれ、2つの磁石を含んでいるが、他の実施例では、ツール724及び/又はインターフェース732が、より多い又はより少ない磁石を含み得る。更に、磁石740、742、744、746のうちの1以上は、磁気材料(例えば、ニッケルなどの強磁性材料)の断片によって置き替えられてよい。
【0044】
[0051] 図8は、第1の座席トラック712の一区域を示している。第2の座席トラック714(図7)は、第1の座席トラック712と同一である。したがって、第1の座席トラック712に関連して開示される任意の構造又は機能は、第2の座席トラック714に同様に適用することができる。図示されている実施例では、第1の座席トラック712が、第1のフランジ800と、スロット804によって第1のフランジ800から分離された第2のフランジ802とを有する。チャネル806が、第1及び第2のフランジ800、802の下方で画定されている。第1の座席トラック712は、長手軸808を有する。この実施例では、第1及び第2のフランジ800、802が、図3の実施例のような切り欠き又は歯を有さない。これにより、第1及び第3の座席取り付け具716、720(図7)は、第1の座席トラック712に沿った任意の位置に配置されることが可能になる。しかし、他の実施例では、第1及び第2の座席トラック712、714が、図3で示された第1のトラック214と同じであってよい。それは、第1及び第3の座席取り付け具716、720が取り付けられ得る離散した位置を画定する切り欠き及びリブを含む。
【0045】
[0052] 図9は、第1の例示的な座席取り付け具716の斜視図である。第2、第3、及び第4の座席取り付け具718、720、722は、第1の座席取り付け具716と同一である。したがって、第1の座席取り付け具716に関連して開示される任意の(1以上の)構造又は(1以上の)機能は、第2、第3、及び第4の座席取り付け具718、720、722にも適用される。
【0046】
[0053] 図示されている実施例では、第1の座席取り付け具716が、本体900を含む。幾つかの実施例では、本体900が、アルミニウムなどの金属から構築される。他の実施例では、本体900が、他の材料から構築され得る。本体900は、第1の脚部704(図7)に結合されることになる。図示されている実施例では、本体900がファスナ開口部902を有する。ファスナ904(例えばボルト)は、ファスナ開口部902及び第1の脚部704内の対応する開口部を貫通して挿入されて、本体400を第1の脚部704に結合する。他の実施例では、第1の座席取り付け具716が、他の機械的及び/又は化学的固定技法(例えば、リベット、摩擦嵌合(friction fit)、溶接、接着剤など)を介して、第1の脚部704に結合され得る。
【0047】
[0054] 図示されている実施例では、本体900が、下側又は下面906を有する。下面906は、第1の座席取り付け具716が第1の座席トラック712に取り付けられたときに、第1の座席トラック712(図7及び図8)に対面することになる。幾つかの実施例では、第1の座席取り付け具716が、第1の座席トラック712に結合されたときに、下面906は、第1の座席トラック712に接触又は係合する。
【0048】
[0055] 第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712(図7及び図8)に結合するために、第1の座席取り付け具716は固定スタッド908を含む。図9で示されているように、固定スタッド908は、本体900の下面906に形成された凹部910から外向きに延伸する。本明細書で更に詳細に開示されるように、固定スタッド908は、凹部910の中へ入るように及び凹部910から出るように移動可能である。図示されている実施例では、固定スタッド908が、ステム912及びステム912の遠位端に結合されたアーム914を有する。アーム914は、ステム912を横断(例えば直交)するように延在する。
【0049】
[0056] 固定スタッド908は、後退位置と称される第1の位置と、延伸位置と称される第2の位置(図9で示されている位置)と、の間で移動可能である。この移動の例示的なシーケンスが、図10A図10Cに関連して更に詳細に示される。固定スタッド908が、図9で示されている延伸位置にあるときに、固定スタッド908は、本体900の凹部910及び下面906から外向きに延伸する。更に、固定スタッド908が延伸位置にあるときに、アーム914は、第1の座席トラック712(図8)の長手軸808(図8)を横断(例えば直交)するように方向付けられる。第1の座席取り付け具716が、第1の座席トラック712上に配置され、固定スタッド908が、延伸位置にあるときに、固定スタッド908は、第1の座席トラック712の中に延伸して、第1の座席取り付け具716を、第1の座席トラック712に固定し、取り付け、及び/又はさもなければ結合する。
【0050】
[0057] 固定スタッド908が後退位置にあるときに、固定スタッド908は凹部910内に後退している。それによって、固定スタッド908は、第1の座席トラック712(図7及び図8)の中に延伸しない。幾つかの実施例では、固定スタッド908が後退位置にあるときに、固定スタッド908の下面916が、本体900の下面906を越えて延伸しない。言い換えると、固定スタッド908の下面916は、本体900の下面906に対して整列し又は凹み得る。これは有利である。というのも、第1の座席取り付け具716は、座席702(図7)を移動させるときに、床202(例えばカーペット)に潜在的に損傷を与え得る下面906から延伸した任意の構造物を含まないからである。他の実施例では、固定スタッド908が、後退位置にあるときに、固定スタッド908の下面916は、固定スタッド908が第1の座席トラック712と係合するように回転され又は回されない限りにおいて、本体900の下面906を越えて又はその下方に配置される。更に、固定スタッド908が後退位置にあるときに、固定スタッド908は、アーム914が第1の座席トラック712の長手軸808(図8)に対して平行に方向付けられるように、回転される。
【0051】
[0058] 図10A図10B、及び図10Cは、第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712に取り付ける例示的なシーケンスを示す、例示的な第1の座席取り付け具716及び第1の座席トラック712の断面図である。図10Aで示されているように、第1の座席取り付け具716はソレノイド1000を含む。この実施例では、ソレノイド1000が、ロータリーリニアソレノイド(rotary-linear solenoid)である。ソレノイド1000は、固定スタッド908を、本体900内に配置された後退位置と、本体900の下面906から外向きに延伸し第1の座席トラック712の中に入る延伸位置と、の間で移動させるように動作可能である。図10Aでは、固定スタッド908が後退位置にある。
【0052】
[0059] 図示されている実施例では、ソレノイド1000が、第1の座席取り付け具716の本体900内に配置されている。特に、ソレノイド1000は、本体900内に形成された空洞1002内に配置されている。ソレノイド1000は、コイル1004及びコア1006を含む。コイル1004が電力供給されたときに、コア1006は、固定スタッド908を引き付け、固定スタッド908を図10Aの上向きに後退位置まで移動させる。これは、ユーザが、ツール724(図7)をインターフェース732(図7)に取り付けたときに生じる。図10Aで示されているように、固定スタッド908は、本体900の内側に配置されている。この実施例では、後退位置では、固定スタッド908の下面916が、本体900の下面906と整列している。固定スタッド908が後退位置にあるときに、アーム914は、第1の座席トラック712の長手軸808(図8)と平行に方向付けられている。
固定スタッド908は、ソレノイド1000が電力供給されている限り、この位置に残ったままである。図10Aで示されている状態では、第1の座席取り付け具716が、第1の座席トラック712に結合されていない。したがって、第1の座席取り付け具716(及びしたがって座席702(図7))は、第1の座席トラック712の別の位置に移動され得るか、又は第1の座席トラック712から取り外され得る。
【0053】
[0060] 図示されている実施例では、ソレノイド1000が、バネ1008などの付勢部材を含んで、ソレノイド1000が電力供給されなくなったときに、固定スタッド908を延伸位置に付勢する。図10Aでは、バネ1008が圧縮されている。ソレノイド1000は、ガイド1010も含む。ガイド1010は、図10B及び図10Cに関連して更に詳細に開示されるように、固定スタッド908を、その移動の終わり近くで回転させる。
【0054】
[0061] 第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712に固定するために、一人の人員は、ツール724(図7)をインターフェース732(図9)から取り外す。それによって、ソレノイド1000への電流が止められるか、及び/又はさもなければソレノイド1000は電力供給されなくなる。ソレノイド1000が電力供給されなくなったときに、バネ1008は、図10Bで示されているように、固定スタッド908を本体900の下面906から外向きに付勢する。図10Bで示されているように、固定スタッド908は、スロット804を通して直線的に移動され、第1の座席トラック712のチャネル806の中に入る。
【0055】
[0062] 固定スタッド908の直線的な動きの終わりで、ガイド1010は、図10Cで示されているように、固定スタッド908を回転又はスピンさせる。固定スタッド908は、例えば、ステム912の軸1012の周りで回転する。したがって、ソレノイド1000が電力供給されなくなったときに、固定スタッド908は、本体900の下面906から離れるように(例えば、直線的に離れるように)移動し、固定スタッド908の軸の周りで回転する。図10Cでは、固定スタッド908が延伸位置にある。図10Cで示されているように、固定スタッド908が回転されてしまうと、アーム914は第1の座席トラック712のフランジ800、802の下方に配置される。これは、第1の座席取り付け具716が、第1の座席トラック712から離れるように移動することを防止する。更に、固定スタッド908のアーム914は、フランジ800、802の下面と接触するように回転される。更に又は代替的に、アーム914は、チャネル806内の第1の座席トラック712の他の表面と接触し得る。アーム914と第1の座席トラック712との間の摩擦係合は、第1の座席取り付け具716を適所に保持し、第1の座席取り付け具716が第1の座席トラック712に沿って移動することを防止するのに十分である。幾つかの実施例では、摩擦係合が、座席900を米国連邦航空局(FAA)によって要求される特定の負荷(例えば、重力の9倍)の下で保持するのに十分である。幾つかの実施例では、ソレノイド1000が、固定スタッド908を、図10A及び図10Bで示されている位置から図10Cで示されている位置まで、約90度(例えば±10度)だけ回転させる。したがって、幾つかの実施例では、固定スタッド908が延伸位置にあるときに、アーム914は、第1の座席トラック712の長手軸808(図8)に対して横断(例えば直交)するように方向付けられる。他の実施例では、固定スタッド908が、90度より更に多く又は少なく回転される。回転の量は、例えば、アーム914の長さ及びチャネル806の形状に基づいて最適化され得る。
【0056】
[0063] ユーザが、第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712から取り外すことを望んだ場合に、ユーザは、ツール724(図7)をインターフェース732(図7)に取り付けて、ソレノイド1000に電力供給することができる。そのような事例では、ソレノイド1000が、固定スタッド908を後退位置まで本体900の中に戻すように引っ張る。特に、固定スタッド908は、図10A図10Cのシーケンスの逆方向に、軸1012の周りで回転し、本体900の下面906に向けて(例えば、向けて直線的に)移動する。したがって、固定スタッド908は、ソレノイド1000が電力供給されたときに、延伸位置から後退位置まで移動し、ソレノイド1000が電力供給されなくなったときに、後退位置から延伸位置まで移動する。例示的な座席取り付けシステム700(図7)は、座席取り付け具716~722が座席トラック712、714に固定されたままであるために任意の電力を必要としないので、有利である。代わりに、電力は、座席702を座席トラック712、714から取り外すことを望んだときに、短い期間だけソレノイドに電流を流すために使用される。更に、ソレノイドの構成は、フェイルセーフ(failsafe)として作用する。というのも、電力が失われた場合、座席は座席トラック712、714に固定されるからである。
【0057】
[0064] 図7の示されている実施例では、ツール714及びインターフェース732が、電力を座席取り付け具716~722内のソレノイドに伝達するための端子を含む。他の実施例では、ツール724及びインターフェース732が、無線で電力を伝達するための無線電力デバイスを含み得る。例えば、ツール724は、送信コイルを含み得、インターフェース732は、受信コイルを含み得る。ツール724は、ソレノイドに電力供給するために、インターフェース732の近くに配置され得るか、又はインターフェース732と接触するように配置され得る。
【0058】
[0065] 図8で示されているように、第1の座席トラック712の第1及び第2のフランジ800、802は、任意の切り欠き又はリブを含まない。したがって、第1の座席取り付け具716は、第1の座席トラック712に沿った何れの位置にも取り付けることができる。それにより、座席702を第1の座席トラック712に沿った何れの位置にも配置することが可能になる。他の実施例では、第1の座席取り付け具716が、図3で示された座席トラックなどの、切り欠き及びリブを有する座席トラックと共に使用され得る。そのような事例では、固定スタッド908が、リブ310のうちの特定のものの下に位置付けられるはずである。
【0059】
[0066] 図11は、航空機100(図1)のキャビン112内の床202に座席を取り付けるために使用される、別の例示的な座席取り付けシステム1100を示している。図11では、座席702、座席トラック712、714、及び座席取り付け具716~722が、図7に関連して上述されたのと同じである。しかし、この実施例では、電力が電源1102を介して座席702に供給される。電源1102は、航空機100上の電源(例えば、バッテリ、発電機など)である。座席702は、配線用ハーネス1104を介して電源1102に電気的に結合されている。配線用ハーネス1104は、座席702のディスプレイスクリーンなどの他のデバイスのために座席702に電力を提供することができる。他の実施例では、無線電力デバイス(例えば、床202内の送信コイル及び座席702内の受信コイル)を介して、電力が座席702に提供され得る。図示されている実施例では、座席取り付けシステム1100が、座席702の側面上のインターフェース1106を含む。インターフェース1106の拡大図が、図11のコールアウトで示されている。インターフェース1106は、第1の端子1108と第2の端子1110を含む。第1及び第2の端子1108、1110は、電源1102と座席取り付け具716~722に接続された配線用ハーネス738との間の回路の部分である。座席取り付けシステム1100は、ツール1112を含む。この実施例では、ツール1112がジャンパー(例えば電線)である。ツール1112が、インターフェース1106の第1及び第2の端子1108、1110に接続されたときに、ツール1112は、ソレノイド(例えば、ソレノイド1000(図10A))に電力供給するために、電力が座席取り付け具716~722に供給されるように回路を完成する。ツール1112がインターフェース1106から取り外されたときに、ソレノイドは電力供給されなくなる。したがって、この実施例では、ユーザによって運ばれるツール1112が電源を含まない。
【0060】
[0067] 別の一実施例では、インターフェース1106が、特有の無線周波数識別(RFID)信号によって起動され得るスイッチを含み得る。一人の人員は、RFID信号を発するツールを運び得る。ツールが、インターフェース1106の近くに運ばれるか、又はインターフェースに接続されたときに、RFID信号がスイッチを起動して、スイッチはソレノイドに電力供給するために回路を閉じる。
【0061】
[0068] 図12は、航空機100(図1)のキャビン112内の床202に座席を取り付けるために使用される、別の例示的な座席取り付けシステム1200を示している。図12では、座席702、座席トラック712、714、及び座席取り付け具716~722が、図7及び図11に関連して上述されたのと同じである。図11と同様に、電源1102によって電力が座席702に供給される。しかし、この実施例では、座席702がインターフェースを含まない。代わりに、座席取り付け具716~722は、コントローラ1202によって遠隔で電力供給される。コントローラ1202は、座席取り付け具716~720内のソレノイドへの電力を調整する。コントローラ1202は、キャビン112の別の一部分内の(例えば、操縦室内の、調理室内の、など)デバイス(例えば、ボタンを有する制御パネル、タッチスクリーンディスプレイなど)によって実装され得る。一人の人員は、コントローラ1202と相互作用して、座席取り付け具716~720内のソレノイドに電力供給して、座席702を第1及び第2の座席トラック712、714から取り外し、座席取り付け具716~722内のソレノイドに電力供給するのを止めて、座席702を第1及び第2の座席トラック712、714に取り付ける。幾つかの実施例では、各座席が個別に制御可能である。したがって、一人の人員は、ある時に1つの座席を取り付け/取り外すか、又は同時の複数の座席を取り付け/取り外すことができる。
【0062】
[0069] 図13は、輸送体内で座席の位置を調整するために実行され得る例示的な方法1300を表すフローチャートである。例示的な方法1300は、図7図11、及び図12の座席702、第1の座席トラック712、及び第1の座席取り付け具716に関連して説明される。しかし、例示的な方法1300は、他の例示的な座席取り付け具718~722及び/又は第2の座席トラック714に関連しても、同様に実行され得ることが理解される。例示的な方法1300は、図7図11、及び図12の例示的な座席取り付けシステム700、1100、1200の何れかに関連して実行され得る。
【0063】
[0070] ブロック1302では、例示的な方法1300が、航空機100内で座席702を第1の座席トラック714から解放するために、座席702に結合された第1の座席取り付け具716内のソレノイド1000に電力供給することを含む。ソレノイド1000が電力供給されると、ソレノイド1000は、固定スタッド908を、本体900の下面906から延伸する延伸位置から、本体900内に配置されている後退位置に移動させる。幾つかの実施例では、図10A図10Cで示されているように、延伸位置から後退位置へのこの移動は、固定スタッド908の回転する動き及び直線的な動きを含む。
【0064】
[0071] 幾つかの実施例では、ソレノイド1000に電力供給することが、ツールを座席702又は第1の座席取り付け具716上のインターフェースに結合することを含む。幾つかの実施例では、ツールが電源を含む。例えば、図7の座席取り付けシステム700では、ツール724が、座席702上のインターフェース732に結合され得る。ツール724は、電源726を含む。ツール724が座席702上のインターフェース732に結合されたときに、電源726は、第1の座席取り付け具716内のソレノイド1000に電力供給する。図11の座席取り付けシステム1100などの他の実施例では、ツール1112が電源を含まない。座席取り付けシステム1200などの他の実施例では、ソレノイド1000が、コントローラ1202を介して遠隔で電力供給され得る。
【0065】
[0072] ブロック1304では、例示的な方法1300が、ソレノイド1000が電力供給されている間に、座席702を第1の位置から第2の位置に移動させることを含む(ブロック1304)。例えば、座席702は、第1及び第2の座席トラック712、714の新しい位置まで前方又は後方に移動され得る。
【0066】
[0073] ブロック1306では、例示的な方法1300が、座席702が第2の位置にある間に、第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック714に取り付けるために、ソレノイド1000への電力供給を止めることを含む(ブロック1306)。幾つかの実施例では、ソレノイド1000への電力供給を止めることは、ツールをインターフェースから結合解除することを含む。例えば、図7の座席取り付けシステム700では、ツール724が、座席702上のインターフェース732から取り外され得る。それによって、ソレノイド1000は電力供給されなくなる。別の一実施例として、図11の座席取り付けシステム1100では、ツール1112が、座席702上のインターフェース1106から取り外され得る。それによっても、ソレノイド1000は電力供給されなくなる。座席取り付けシステム1200などの他の実施例では、ソレノイド1000が、コントローラ1202を介して遠隔で電力供給を止められ得る。
【0067】
[0074] 第1の座席取り付け具716のソレノイド1000が電力供給されなくなったときに、固定スタッド908は、図10A図10Cで示されているように、後退位置から延伸位置に移動する。それによって、第1の座席取り付け具716(及びしたがって座席702)が、第1の座席トラック712に取り付けられる。固定スタッド908は、バネ1008からの力を介して、後退位置から延伸位置に移動される。
【0068】
[0075] この実施例では、座席702が第2の位置まで移動されている間に、ソレノイド1000が電力供給されたままであるが、他の実施例では、座席702が第1の座席トラック712から取り外された後で、ソレノイド1000は電力供給されなくなる。ソレノイド1000は、次いで、第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712上に配置する前に再び電力供給され得、第1の座席取り付け具716を第1の座席トラック712に取り付ける。
【0069】
[0076] 本明細書で開示される幾つかの実施例では、ソレノイドが、座席取り付け具716~722を第1及び第2の座席トラック712、714から取り外すために電力供給され、座席取り付け具716~722を第1及び第2の座席トラック712、714に取り付けるために電力供給されなくなるが、他の実施例では、ソレノイドが逆に動作するように構成され得る。特に、ソレノイドは、座席取り付け具716~722を第1及び第2の座席トラック712、714から取り外すために電力供給されなくてもよく、座席取り付け具716~722を第1及び第2の座席トラック712、714に取り付けるために電力供給されなくてもよい。そのような一実施例では、ソレノイドに電流を流し続けるために、絶えず電力を供給することが必要である。例えば、電源(例えば、1以上のバッテリ)が、座席702に接続され得る。他の実施例では、配線用ハーネス1104を介して電力が供給され得る。
【0070】
[0077] 「含む」(「including」及び「comprising」)(並びに、その全ての形態及び時制)は、本明細書では、オープンエンド形式の(open-ended)用語として使用される。従って、請求項で、「含む(include)」又は「含む(comprise)」(例えば、comprises, includes, comprising, including, having等)の如何なる形態が、プリアンブルとして利用されても、又は、如何なる請求項の記載の範囲で使用されていても、対応する請求項又記載の範囲から外れることなく、追加的な構成要素、用語等が存在しうると解されたい。本明細書では、「少なくとも(at least)」という語句は、例えば、請求項のプリアンブルで移行部の用語として使用されるが、「含む」(「including」及び「comprising」)という用語がオープンエンド形式であるのと同様に、オープンエンド形式である。例えば、「及び/又は(and/or)」という用語が、A、B、及び/又はCのような形式で用いられる場合には、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AとB、(5)AとC、(6)BとC、及び(7)AとBとCのような、A、B及び/又はCの任意の結合又は部分集合を意味する。本明細書で使用される際に、構造、構成要素、物品、物体、及び/又は物を説明する文脈では、「AとBのうちの少なくとも1つ」という表現は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、及び(3)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBのうちのいずれかを含む実施態様を指すことが意図される。同様に、本明細書で使用される際に、構造、構成要素、物品、物体、及び/又は物を説明する文脈では、「A又はBのうちの少なくとも1つ」という表現は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、及び(3)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBのうちのいずれかを含む実施態様を指すことが意図される。本明細書で使用される際に、プロセス、指示命令、動作、及び/又はステップの実施又は実行を説明する文脈では、「AとBのうちの少なくとも1つ」という表現は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、及び(3)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBのうちのいずれかを含む実施態様を指すことが意図される。同様に、本明細書で使用される際に、プロセス、指示命令、動作、及び/又はステップの実施又は実行を説明する文脈では、「A又はBのうちの少なくとも1つ」という表現は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、及び(3)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBのうちのいずれかを含む実施態様を指すことが意図される。
【0071】
[0078] 本明細書で使用されるように、単数形の参照(例えば、「a」、「an」、「第1の」、「第2の」など)は、複数を除外しない。用語「a」または「an」エンティティは、本明細書で使用される場合、そのエンティティの1以上を指し、用語「a」(又は「an」)、「1以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書で互換的に使用することができる。更に、個別に列挙されているが、複数の手段、要素、又は方法動作は、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装され得る。更に、個々の特徴は、異なる実施例又は特許請求の範囲に含まれてもよいが、これらは、おそらく組み合わされてもよく、異なる実施例又は特許請求の範囲に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能ではなく、且つ/又は有利ではないことを意味しない。
【0072】
[0079] 前述のことから、本開示の例示的な座席取り付け具、座席取り付けシステム、及び方法を使用して、輸送体内で容易に且つ素早く座席を床に取り付ける/床から取り外すことができる。結果として、本明細書で開示される実施例は、座席の急速な再構成を可能にする。それは、座席の構成を変更することに関連する時間及び費用を節約する。本明細書で開示される幾つかの例示的な座席取り付け具はまた、より軽く且つ製造することがより安価である。更に、本明細書で開示される幾つかの実施例は、座席取り付け具の改ざんを低減させ又は防止する専用ツールを利用する。
【0073】
[0080] 輸送体内で座席を床に取り付けるための例示的な方法、装置、及び物品が、本明細書で開示される。本明細書で開示される実施例の種々の態様は、他の実施例と組み合わされ得る。更なる実施例及びその組み合わせは、以下の条項を含む。
【0074】
[0081] 条項クレーム1は、輸送体内で座席を座席トラックに取り付けるための座席取り付け具である。座席取り付け具は、座席トラックに対面する下面を有する本体、固定スタッド、及び本体内に配置されたソレノイドを含む。ソレノイドは、固定スタッドを、固定スタッドが本体内に配置された後退位置と、固定スタッドが本体の下面から外向きに延伸して座席トラックの中に入る延伸位置と、の間で移動させるように動作可能である。
【0075】
[0082] 条項2は、固定スタッドが、ソレノイドが電力供給されたときに、延伸位置から後退位置に移動し、ソレノイドが電力供給されなくなったときに、後退位置から延伸位置に移動する、条項1に記載の座席取り付け具を含む。
【0076】
[0083] 条項3は、ソレノイドが電力供給されなくなったときに、固定スタッドが、本体の下面から離れるように移動し、固定スタッドの軸の周りで回転する、条項2に記載の座席取り付け具を含む。
【0077】
[0084] 条項4は、ソレノイドが電力供給されたときに、固定スタッドが、固定スタッドの軸の周りで回転し、本体の下面に向けて移動する、条項3に記載の座席取り付け具を含む。
【0078】
[0085] 条項5は、ソレノイドが固定スタッドを約90度だけ回転させる、条項3又は条項4に記載の座席取り付け具を含む。
【0079】
[0086] 条項6は、固定スタッドが、ステム、及びステムの遠位端に結合されたアームであって、ステムに対して横断するように延在するアームを有する、条項1から5のいずれか一項に記載の座席取り付け具を含む。
【0080】
[0087] 条項7は、固定スタッドが後退位置にあるときに、アームが座席トラックの長手軸と平行に方向付けられ、固定スタッドが延伸位置にあるときに、アームが座席トラックの長手軸に対して横断するように方向付けられる、条項6に記載の座席取り付け具を含む。
【0081】
[0088] 条項8は、ソレノイドが、ソレノイドが電力供給されなくなったときに、固定スタッドを延伸位置に付勢するためのバネを含む、条項1から7のいずれか一項に記載の座席取り付け具を含む。
【0082】
[0089] 条項9は、固定スタッドが後退位置にあるときに、固定スタッドの下面が本体の下面を越えて延伸しない、条項1から8のいずれか一項に記載の座席取り付け具を含む。
【0083】
[0090] 条項10は、座席に結合された座席取り付け具内のソレノイドに電力供給して、輸送体内で座席取り付け具を座席トラックから解放すること、ソレノイドに電力供給しながら、座席を第1の位置から第2の位置に移動させること、及び、座席が第2の位置にある間に、ソレノイドへの電力供給を止めて、座席取り付け具を座席トラックに取り付けることを含む、方法である。
【0084】
[0091] 条項11は、ソレノイドに電力供給することが、ツールを座席又は座席取り付け具上のインターフェースに結合することを含む、条項10に記載の方法を含む。
【0085】
[0092] 条項12は、ソレノイドへの電力供給を止めることが、ツールをインターフェースから結合解除することを含む、条項11に記載の方法。
【0086】
[0093] 条項13は、ツールが、インターフェースに結合されたときに、ソレノイドに電力供給するための電源を含む、条項12に記載の方法を含む。
【0087】
[0094] 条項14は、ソレノイドが電力供給されたときに、ソレノイドが、固定スタッドを、固定スタッドが座席取り付け具の本体の下面から延伸する延伸位置から、固定スタッドが座席取り付け具の本体内に配置された後退位置に移動させる、条項10から13のいずれか一項に記載の方法を含む。
【0088】
[0095] 条項15は、ソレノイドが電力供給されなくなったときに、ソレノイドが、固定スタッドを後退位置から延伸位置に移動させる、条項14に記載の方法を含む。
【0089】
[0096] 条項16は、ソレノイドが、固定スタッドを後退位置から延伸位置に移動させるためのバネを含む、条項15に記載の方法を含む。
【0090】
[0097] 条項17は、座席に結合される座席取り付け具を含む座席取り付けシステムである。座席取り付け具は、上面と下面とを有する本体、上面と下面に形成された凹部との間で画定されたチャネル、凹部内に配置された固定スタッドであって、後退位置と延伸位置との間で移動可能な固定スタッド、チャネル内に配置され且つ固定スタッドに結合されたプランジャーであって、開口部を有するプランジャー、及び固定スタッドを延伸位置に保持するためにプランジャー内の開口部の中に挿入可能なピンを含む。座席取り付けシステムはまた、ピンを開口部から取り外すためのツールも含む。
【0091】
[0098] 条項18は、座席取り付け具が、プランジャーを本体の上面から外へ付勢するバネを含む、条項17に記載の座席取り付けシステムを含む。
【0092】
[0099] 条項19は、固定スタッドが後退位置にあるときに、固定スタッドの下面が本体の下面と面一である、条項17から又は18に記載の座席取り付けシステムを含む。
【0093】
[00100] 条項20は、ピンが開口部の中に挿入されたときに、ピンが本体の外面を越えて延在しない、条項17から19のいずれか一項に記載の座席取り付けシステム。
【0094】
[00101] 本明細書では、特定の例示的な方法、装置、及び製品が開示されているが、本特許出願の範囲はこれらに限定されるものではない。反対に、本特許出願は、本特許出願の特許請求の範囲内に公正に当てはまる全ての方法、装置、及び製品を包含する。
【0095】
[00102] 後述の特許請求の範囲は、この参照によって本明細書の「発明を実施するための形態」の中に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として単独のものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13