(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】商品表示カード用の保持板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/02 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G07F9/02 A
(21)【出願番号】P 2021017575
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】品川 大輔
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-125796(JP,A)
【文献】特開2006-277008(JP,A)
【文献】特開平11-096445(JP,A)
【文献】特開2003-245174(JP,A)
【文献】特開平11-031262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機で販売する商品についての情報を表示する商品表示カードを前面で左右方向に複数並置可能な商品表示カード用の保持板であって、
前記保持板の上部には、前記商品表示カードの上部に形成された上側取付部が係止される上側保持部が備えられ、
前記保持板の下部には、前記商品表示カードの下部に形成された下側取付部が係止される下側保持部が備えられ、
前記上側保持部または前記下側保持部の少なくとも一方には、前記商品表示カードのうち、隣り合う商品表示カードにおける前記上側取付部の双方または前記下側取付部の双方を受け入れる共有係止穴が形成されてなる商品表示カード用の保持板。
【請求項2】
前記上側保持部または前記下側保持部の少なくとも一方は、
左右方向に一列に複数形成された前記共有係
止穴と、
前記一列に複数形成された共有係止穴の両側方に形成され、前記上側取付部または前記下側取付部の一部が係止される単一係止穴と、を有する、請求項1に記載の商品表示カード用の保持板。
【請求項3】
前記共有係止穴は、前記単一係止穴と比較して2倍以上の左右方向長さに形成されている、請求項2に記載の商品表示カード用の保持板。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の前記保持板と、
前記保持板を支持する支持フレームと、を備え、
前記保持板の上端または下端のうち少なくとも一方には、上方または下方に延びる係止爪を含み、
前記支持フレームは、前記商品表示カードに表示された商品を選択する商品選択ボタンが取り付けられるフレームであり、前記係止爪を挿入可能な係止穴を含む表示装置。
【請求項5】
前記係止爪は、前記保持板の上端及び下端の双方に設けられ、
前記支持フレームは、前記保持板の上方及び下方にそれぞれ位置し、前記保持板の上端及び下端の双方に設けられた係止爪がそれぞれ係止される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持板及び前記支持フレームが内設されるサンプル室と、
前記サンプル室を覆う透明板と、を備え、
前記保持板は、前記透明板に当接または近接してなる、請求項4または5に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品表示カード用の保持板及び表示装置に係り、特に商品表示カードの保持性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、飲料を温調して販売する形態のもののほか、お菓子等の軽食を販売する形態のものがある。このような軽食を販売する自動販売機では、商品の包装や容器の形状を模した立体的なサンプルを展示する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術のように、商品を模した立体的なサンプルを商品の種類ごとに用意することは、サンプルの製造コストがかかり、好ましいことではない。
また、立体的なサンプルより安価な平面的なサンプルがあり、これを用いようとすると、当該平面的なサンプルは展示部において支持され難く、展示中に落下する可能性や、当該サンプルの取り付けに手間がかかる可能性があり、改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、商品表示カード(平面的なサンプル)を適切に支持することができる商品表示カード用の保持板及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の商品表示カード用の保持板は、自動販売機で販売する商品についての情報を表示する商品表示カードを前面で左右方向に複数並置可能な商品表示カード用の保持板であって、前記保持板の上部には、前記商品表示カードの上部に形成された上側取付部が係止される上側保持部が備えられ、前記保持板の下部には、前記商品表示カードの下部に形成された下側取付部が係止される下側保持部が備えられ、前記上側保持部または前記下側保持部の少なくとも一方には、前記商品表示カードのうち、隣り合う商品表示カードにおける前記上側取付部の双方または前記下側取付部の双方を受け入れる共有係止穴が形成されてなることを特徴とする。
【0007】
好ましくは、前記上側保持部または前記下側保持部の少なくとも一方は、左右方向に一列に複数形成された前記共有係止穴と、前記一列に複数形成された共有係止穴の両側方に形成され、前記上側取付部または前記下側取付部の一部が係止される単一係止穴と、を有するとよい。
好ましくは、前記共有係止穴は、前記単一係止穴と比較して2倍以上の左右方向長さに形成されているとよい。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、本発明の表示装置は、前記保持板と、前記保持板を支持する支持フレームと、を備え、前記保持板の上端または下端のうち少なくとも一方には、上方または下方に延びる係止爪を含み、前記支持フレームは、前記商品表示カードに表示された商品を選択する商品選択ボタンが取り付けられるフレームであり、前記係止爪を挿入可能な係止穴を含む。
【0009】
好ましくは、前記係止爪は、前記保持板の上端及び下端の双方に設けられ、前記支持フレームは、前記保持板の上方及び下方にそれぞれ位置し、前記保持板の上端及び下端の双方に設けられた係止爪がそれぞれ係止されるとよい。
好ましくは、前記保持板及び前記支持フレームが内設されるサンプル室と、前記サンプル室を覆う透明板と、を備え、前記保持板は、前記透明板に当接または近接してなるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の商品表示カード用の保持板によれば、隣り合う商品表示カードの上側取付部の双方または下側取付部の双方を受け入れる共有係止穴を、上側保持部または下側保持部の少なくとも一方に形成したので、隣り合う商品表示カードの上側取付部の双方または下側取付部の双方を共有係止穴で一度にまとめて取り付けることができる。また、商品表示カードが例えば規定の大きさの2倍の大きさの商品表示カードを取り付ける場合、規定の大きさの商品表示カード2つ分の支持力で規定の大きさの2倍の大きさの商品表示カードを保持することができる。
【0011】
また、本発明の表示装置によれば、商品表示カードに表示された商品を選択する商品選択ボタンが取り付けられる支持フレームに、係止爪を挿入可能な係止穴を形成することで、商品表示カードと商品選択ボタンとの相対的な位置がずれることを抑制することや、保持板を支持するための支持部材を支持フレームで兼用させて部品点数の削減をすることが可能とされる。
これにより、商品表示カードを適切に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】ホルダにフレーバーカードを取り付ける方法を説明する説明図である。
【
図5】本実施形態に係るフレーバーカードとは異なる種類のフレーバーカードが取り付けられたホルダの正面図である。
【
図6】支持フレーム及びホルダの後方斜視図である。
【
図7】支持フレームにホルダを取り付ける方法を説明する説明図である。
【
図8】支持フレームにホルダを取り付ける方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
なお、説明の便宜上、自動販売機の前面側、即ち後述する外扉が外方に臨む方向を前方、自動販売機の後部から前方を視て右手方向を右方、重力方向における上方を上方とし、当該前方、右方及び上方の反対方向をそれぞれ後方、左方及び下方とする。
【0014】
図1を参照すると、本発明に係る自動販売機1の正面図が示されている。自動販売機1は、飲料や軽食等の商品を顧客に無人で提供することが可能な装置である。この自動販売機1は、外扉3及び外扉3の後側に位置する本体を備えている。
【0015】
外扉3は、第1サンプル室11、第2サンプル室(サンプル室)12、コイン投入口13、紙幣投入口14、金額表示器15、釣銭返却口16、ロックレバー17、第1商品取出口21、第2商品取出口22、第1広告部25、第2広告部27を有している。
【0016】
第1サンプル室11は、本体に保管されている飲料の商品(飲料商品)を模した飲料サンプル11aが展示されている。この第1サンプル室11には、飲料サンプル11aごとに飲料商品選択ボタン11bが設けられている。第2サンプル室12は、本体に保管されている軽食の商品(軽食商品)を模したフレーバーカード(商品表示カード)12aが展示されている。この第2サンプル室12には、フレーバーカード12aごとに軽食商品選択ボタン(商品選択ボタン)12bが設けられている。なお、第2サンプル室12の詳細な構成については、後述する。
【0017】
コイン投入口13は、顧客が商品を購入する際に硬貨を投入するための投入口であり、紙幣投入口14は、紙幣を投入するための投入口である。金額表示器15は、コイン投入口13や紙幣投入口14から投入された金額を表示することが可能なデジタルパネルである。釣銭返却口16は、例えば顧客がコイン投入口13や紙幣投入口14から投入した金額より安価な商品を購入した際に顧客に返却する釣銭の硬貨を排出する返却口である。ロックレバー17は、外扉3を開閉する際に用いられるレバーである。
【0018】
第1商品取出口21は、顧客が購入した飲料商品を搬出する取出し口である。第2商品取出口22は、顧客が購入した軽食商品を搬出する取出し口である。第1広告部25は、例えば飲料商品に関する広告を表示することが可能な広告部であり、第2広告部27は、例えば軽食商品に関する広告を表示することが可能な広告部である。
【0019】
したがって、顧客は、コイン投入口13や紙幣投入口14に硬貨や紙幣を投入したあと、飲料商品選択ボタン11bや軽食商品選択ボタン12bを押すことで選択した商品を、本体から第1商品取出口21や第2商品取出口22を介して取り出すことが可能である。
【0020】
ここで、第1サンプル室11、第2サンプル室12、コイン投入口13、紙幣投入口14、金額表示器15、釣銭返却口16、ロックレバー17、第1商品取出口21、第2商品取出口22、第1広告部25及び第2広告部27が外扉3に形成及び配設される位置について説明する。
【0021】
まず、外扉3は、上下方向の長さが第1長さL1、左右方向の長さが第2長さL2の長方形に形成されている。第1サンプル室11は、自動販売機1の上下方向略中央Cと、自動販売機1の上端より第3長さL3下方の位置との間に形成されている。また、第1サンプル室11は、右端が自動販売機1の右端から第4長さL4左方の位置に、左端が第2サンプル室12の右端から第5長さL5右方の位置との間に形成されている。第2サンプル室12は、第1サンプル室11と同様に、自動販売機1の上下方向略中央Cと、自動販売機1の上端より第3長さL3下方の位置との間に形成されている。また、第2サンプル室12は、左端が自動販売機1の左端から第6長さL6右方の位置になるように形成されている。
【0022】
コイン投入口13は、第1サンプル室11及び第2サンプル室12の下側近傍であって、左右方向で視て第1サンプル室11と第2サンプル室12との間に位置している。紙幣投入口14は、コイン投入口13の左側近傍に位置している。金額表示器15は、コイン投入口13の左側近傍であって、紙幣投入口14と第1サンプル室11との間に位置している。釣銭返却口16は、コイン投入口13の下方であって、自動販売機1の下端より第7長さL7上方の位置に配設されている。ロックレバー17は、第2サンプル室12の左側下端の下方に位置している。
【0023】
第1商品取出口21は、第1サンプル室11の下方に位置している。第2商品取出口22は、第2サンプル室12の下方に位置している。第1広告部25は、第1商品取出口21と第1サンプル室11との間に位置している。
【0024】
したがって、自動販売機1は、飲料商品を模した飲料サンプル11aが展示される第1サンプル室11と、軽食商品を模したフレーバーカード12aが展示される第2サンプル室12と、を第5長さL5だけ離間させて並置させることで、飲料商品と軽食商品とを同時に販売することが可能な高性能な自動販売機であるという印象を顧客に与えることができる。また、自動販売機1は、顧客が購入した飲料商品を排出する取出し口である第1商品取出口21が第1サンプル室11の下方に位置し、顧客が購入した軽食商品を排出する取出し口である第2商品取出口22が第2サンプル室12の下方に位置することで、第1サンプル室11に対応する商品と第2サンプル室12に対応する商品とがそれぞれ分けられているという感覚を顧客に与えることができる。
【0025】
図2を参照すると、
図1中の範囲Aの拡大斜視図が示されている。第2サンプル室12は、支持フレーム31、ボタン支持部33及びホルダ(保持板)35並びに前述したフレーバーカード12a及び軽食商品選択ボタン12bを備え、透明な樹脂製の窓(透明板)12cによって覆われる空間である。
【0026】
支持フレーム31は、軽食商品選択ボタン12bの後方下側を左右方向に延びる骨格部材である。この支持フレーム31は、左右両端が外扉3に固定されている。なお、支持フレーム31の詳細な構成については後述する。
【0027】
ボタン支持部33は、窓12cの前側に位置し、窓12cを挟むようにして支持フレーム31の前部に固定された、軽食商品選択ボタン12bを支持するケースである。ホルダ35は、フレーバーカード12aを前面に支持する平板部材である。このホルダ35は、窓12cより後側の支持フレーム31に取り付けられている。したがって、ボタン支持部33及び軽食商品選択ボタン12bは、窓12cの前側に位置することで顧客に触れさせることができ、支持フレーム31に取り付けられたホルダ35は、窓12cの後側に位置することでフレーバーカード12aを窓12cで覆い保護することができる。
【0028】
図3を参照すると、ホルダ35の正面図が示されている。ホルダ35には、下側保持部41、上側保持部43、下側係止部(係止爪)45及び上側係止部(係止爪)47が形成されている。下側保持部41は、左右方向に延びる下側保持穴41aが4つ、ホルダ35の下部に、左右方向に互いに間隔をおいて並んで形成されている。上側保持部43は、左右方向に延びる第1上側保持穴(共有係止穴)43a及び第2上側保持穴(単一係止穴)43bが計5つ、ホルダ35の上部に、左右方向に互いに間隔をおいて並んで形成されている。
【0029】
ここで、下側保持穴41a、第1上側保持穴43a及び第2上側保持穴43bの位置関係や大きさについて説明する。第2上側保持穴43bは、上側保持部43中の左右両側部に位置し、第1上側保持穴43aが第2上側保持穴43bの間に3つ位置している。また、第1上側保持穴43aは第2上側保持穴43bの略2倍の左右方向長さに形成されている。そして、下側保持穴41aは、第1上側保持穴43a及び第2上側保持穴43bの間に対応する位置や、隣り合う第1上側保持穴43aの間に対応する位置に形成されている。
【0030】
図4を参照すると、ホルダ35にフレーバーカード12aを取り付ける方法を説明する説明図が示されている。フレーバーカード12aには、下側保持爪(下側取付部)51及び上側保持爪(上側取付部)53が形成されている。下側保持爪51は、例えば1cm程度の幅でフレーバーカード12aの下端の左右方向中央から下方に延びる爪状の部位である。上側保持爪53は、例えば1cm程度の幅でフレーバーカード12aの上端の左右方向両端から上方に延びる爪状の部位である。
【0031】
ホルダ35にフレーバーカード12aを取り付ける際、まず、フレーバーカード12aの下側保持爪51及び上側保持爪53を根本で折り曲げる。次には、フレーバーカード12aの上側保持爪53をホルダ35の第1上側保持穴43aあるいは第2上側保持穴43bに差し込む。そして、フレーバーカード12aの上側保持爪53をホルダ35の下側保持穴41aに差し込む。なお、フレーバーカード12aの上下の保持爪を根本で折り曲げることなく、保持穴に差し込んでもよい。
【0032】
このようにホルダ35及びフレーバーカード12aを形成することで、簡単にホルダ35にフレーバーカード12aを取り付けることができる。また、ホルダ35及びフレーバーカード12aを簡単な形状にしてホルダ35にフレーバーカード12aを好適に取り付けることができる。また、上側保持部43には、左右方向に長い第1上側保持穴43aが形成されている。これにより、第1上側保持穴43aには、隣り合うフレーバーカード12aの上側係止部47の双方を受け入れることができる(
図3参照)。
【0033】
図5を参照すると、本実施形態に係るフレーバーカード12aとは異なる種類のフレーバーカード12dが取り付けられたホルダ35の正面図が示されている。フレーバーカード12dは、本実施形態に係るフレーバーカード12aと比較して左右方向の長さが約2倍である。具体的には、フレーバーカード12dは、フレーバーカード12aを左右方向に2枚並べて一体化させた形状をしている。
【0034】
ホルダ35には、下側保持部41の下側保持穴41a並びに上側保持部43の第1上側保持穴43a及び第2上側保持穴43bが形成されているので、
図3におけるフレーバーカード12aの2枚分に相当する下側保持穴41a、及び第1上側保持穴43aあるいは第2上側保持穴43bを使用することで、ホルダ35は、左右方向や上下方向のぶれを抑制しつつフレーバーカード12dを支持することができる。
【0035】
図3に戻り、下側係止部45は、ホルダ35における下端の左右両端部近傍で下方に延びてなる凸部である。上側係止部47は、下側係止部45と同様に、ホルダ35における上端の左右両端部近傍で上方に延びてなる凸部である。ここで、上側係止部47を除いた下側係止部45の下端までの上下長さW1は、支持フレーム31間の上下距離よりも僅かに短い。また、上側係止部47は、下側係止部45と比較して、約2倍の長さで上方に延びている。
【0036】
図6を参照すると、支持フレーム31及びホルダ35の後方斜視図が示されている。支持フレーム31は、前面平板部61、上面平板部63及び下面平板部65を有し、断面コの字状に形成されている。前面平板部61は、上下方向及び左右方向に延びる平板部である。この前面平板部61は、ホルダ35の下側係止部45と上側係止部47の上下方向の長さとを加えた長さよりも上下方向の幅が長い。
【0037】
上面平板部63及び下面平板部65は、前面平板部61の上端及び下端から後方に延びる平板部である。上面平板部63には、下側係止部45に対応する位置に第1係止開口部(係止穴)67が形成されており、下面平板部65には、上側係止部47に対応する位置に第2係止開口部(係止穴)69が形成されている。したがって、ホルダ35は、第1係止開口部67に下側係止部45が係止され、第2係止開口部69に上側係止部47が係止されることで、支持フレーム31に支持される。
【0038】
図7、8を参照すると、支持フレーム31にホルダ35を取り付ける方法を説明する説明図が示されている。支持フレーム31にホルダ35を取り付ける際、まずは、支持フレーム31の後方から、ホルダ35の上方に位置する支持フレーム31の第2係止開口部69にホルダ35の上側係止部47を下から差し込むようにして係止させる(
図7)。このように第2係止開口部69にホルダ35の上側係止部47を下から差し込むとき、上側係止部47がすべて第2係止開口部69に挿入されるように差し込むことで、下側係止部45の下端がホルダ35の下方に位置する支持フレーム31のいずれかの第1係止開口部67の直上に位置することになる。したがって、ホルダ35は、第1係止開口部67の後方から直上に位置することができる(
図7から
図8)。
【0039】
その後、ホルダ35の上方に位置する支持フレーム31の第2係止開口部69にホルダ35の上側係止部47を挿入したまま、ホルダ35を下方に移動して、ホルダ35の下方に位置する第1係止開口部67に下側係止部45を差し込む(
図8)。したがって、上記のように支持フレーム31及びホルダ35を構成することで、上方に位置する支持フレーム31の第2係止開口部69にホルダ35の上側係止部47を係止させたあと、下方に位置する第1係止開口部67にホルダ35の下側係止部45を係止させることができ、簡単にホルダ35を支持フレーム31に取り付けることができる。
【0040】
特に、上側係止部47が下側係止部45と比較して約2倍の長さで延びているので、支持フレーム31の第2係止開口部69にホルダ35の上側係止部47を挿入した状態を維持しつつ、第1係止開口部67に下側係止部45を容易に差し込むことができ、ホルダ35の上端から順に簡単に取り付けることができる。
【0041】
また、支持フレーム31の上面平板部63及び下面平板部65に第1係止開口部67及び第2係止開口部69を形成することで、支持フレーム31を上下方向に複数配設することにより、ホルダ35を上下方向に複数配設することができる。さらに、ホルダ35の下側係止部45の上下方向長さと上側係止部47の上下方向の長さを加えた長さよりも支持フレーム31の上下方向の幅が長いため、上段に位置するホルダ35の下側係止部45と下段に位置するホルダ35の上側係止部47とが接触することを防止することができる。
【0042】
特に、このようにして取り付けられたホルダ35は、窓12cに当接または近接して配置されるので、窓12cを介して顧客にフレーバーカード12aを見易くすることができる。また、ホルダ35は、フレーバーカード12aを窓12cに挟むようにして支持することができる。
【0043】
以上説明したように、本発明に係るフレーバーカード12a用のホルダ35は、自動販売機1で販売する商品についての情報を表示するフレーバーカード12aを前面で左右方向に複数並置可能であって、ホルダ35の上部にはフレーバーカード12aの上部に形成された上側係止部47が係止される上側保持部43が備えられ、ホルダ35の下部にはフレーバーカード12aの下部に形成された下側係止部45が係止される下側保持部41が備えられ、上側保持部43には、フレーバーカード12aのうち、隣り合うフレーバーカード12aにおける上側係止部47の双方を受け入れる第1上側保持穴43aが形成されてなる。
【0044】
従って、隣り合うフレーバーカード12aの上側保持爪53の双方を受け入れる第1上側保持穴43aを上側保持部43に形成したので、隣り合うフレーバーカード12aの上側保持爪53の双方を第1上側保持穴43aで一度にまとめて取り付けることができる。また、フレーバーカード12aが例えば規定の大きさの2倍の大きさのフレーバーカード12dを取り付ける場合、規定の大きさのフレーバーカード12aの支持力の2倍の力でフレーバーカード12dを保持することができる。
【0045】
また、上側保持部43は、左右方向に一列に複数形成された第1上側保持穴43aと、一列に複数形成された第1上側保持穴43aの両側方に形成され、上側保持爪53が係止される左右幅の比較的短い第2上側保持穴43bと、を有するので、左右方向に並ぶフレーバーカード12aのうちの両端のフレーバーカード12aの取付位置を作業者に明確にさせることができる。
【0046】
また、第1上側保持穴43aは、第2上側保持穴43bと比較して2倍以上の長さに形成したので、フレーバーカード12aを重ねることなく2枚並べて配設することができる。
【0047】
また、本発明に係る表示装置では、前述したホルダ35と、ホルダ35を支持する支持フレーム31と、を備え、ホルダ35の上端及び下端には、上方及び下方に延びる上側係止部47及び下側係止部45が備えられている。更に、支持フレーム31は、フレーバーカード12aに表示された商品を選択する軽食商品選択ボタン12bが取り付けられるフレームであり、上側係止部47及び下側係止部45を挿入可能な第2係止開口部69及び第1係止開口部67を備えている。
【0048】
従って、フレーバーカード12aに表示された商品を選択する軽食商品選択ボタン12bが取り付けられる支持フレーム31に、上側係止部47及び下側係止部45を挿入可能な第2係止開口部69及び第1係止開口部67を形成したので、フレーバーカード12aと軽食商品選択ボタン12bとを、相対的な位置のずれが生じることを抑制することや、ホルダ35を支持するための支持部材を支持フレーム31で兼用させて部品点数の削減をすることができる。
【0049】
また、上側係止部47及び下側係止部45は、ホルダ35の上端及び下端にそれぞれ設けられ、支持フレーム31は、ホルダ35の上方及び下方にそれぞれ位置し、ホルダ35の上端及び下端のそれぞれに設けられた上側係止部47及び下側係止部45がそれぞれ係止されるので、簡単な構成にしてホルダ35を支持フレーム31に確実に支持させることができる。
【0050】
また、ホルダ35及び支持フレーム31が内設される第2サンプル室12と、第2サンプル室12を覆う窓12cと、を備え、ホルダ35は、窓12cに当接または近接してなるので、窓12cを介して顧客に直接的にフレーバーカード12aを示すことができるとともに、フレーバーカード12aを窓12cとホルダ35とで挟むようにして支持することができる。
【0051】
以上で本発明に係る商品表示カード用の保持板及び表示装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0052】
例えば、本実施形態では、軽食商品についてのフレーバーカード12aを支持する保持板及び表示装置について説明したが、飲料商品等の他の商品に用いるようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、第1サンプル室11及び第2サンプル室12を備える自動販売機1に本発明を適用するよう説明したが、第2サンプル室12のみを備える自動販売機に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 自動販売機
12 第2サンプル室(サンプル室)
12a フレーバーカード(商品表示カード)
12b 軽食商品選択ボタン(商品選択ボタン)
12c 窓(透明板)
35 ホルダ(保持板)
41 下側保持部
43 上側保持部
43a 第1上側保持穴(共有係止穴)
43b 第2上側保持穴(単一係止穴)
45 下側係止部(係止爪)
47 上側係止部(係止爪)
51 下側保持爪(下側取付部)
53 上側保持爪(上側取付部)
67 第1係止開口部(係止穴)
69 第2係止開口部(係止穴)