(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20241211BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241211BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20241211BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G02F1/1333
H04N5/64 571A
H05K5/02 E
(21)【出願番号】P 2021030074
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】寺島 達也
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200543(JP,A)
【文献】国際公開第2009/130955(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0038112(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102007523(CN,A)
【文献】特開2010-049023(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
H04N 5/64
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、前記表示パネルの周縁部に取り付けられたフレームとを有するパネルアッセンブリーと、
シャーシ本体と、前記シャーシ本体に固定されており、前記フレームと係合しているホルダーとを有し、前記表示パネルの厚み方向における一方側に配置されているシャーシと、
を備え、
前記ホルダーは、前記シャーシ本体から露出している露出部を有し、
前記フレームは、前記露出部の外側を被っており、前記ホルダー側に突出する第1凸部を有し、
前記ホルダーは、前記フレーム側に突出しており、
前記第1凸部よりも前記厚み方向の他方側に位置して前記第1凸部と係合する第2凸部を有し、
前記第2凸部が前記フレームから離れる方向に変位可能に設けられている、表示装置であって、
前記ホルダーは、
前記シャーシ本体に直接固定されておらず、前記第2凸部を有する変位部と、
前記変位部に接続されており、前記シャーシ本体に固定されている固定部と、
を有する、表示装置。
【請求項2】
前記第2凸部は、前記変位部の前記固定部との接続部とは離れた位置に位置している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記変位部は、第1傾斜面を有する第3凸部をさらに有し、
前記厚み方向の一方側から視た際に、前記シャーシと前記フレームとの間に、前記第1傾斜面の少なくとも一部を露出させるギャップが設けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1傾斜面の前記ギャップから露出している部分は、平面である、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3凸部として、前記第2凸部の一方側に位置する凸部と、他方側に位置する凸部とを含む、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1凸部の前記厚み方向の一方側の面は、前記厚み方向の一方側に向かって外側に傾斜する第2傾斜面を含み、
前記第2凸部の前記厚み方向の他方側の面は、前記厚み方向の一方側に向かって外側に傾斜する第3傾斜面を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
表示パネルと、前記表示パネルの周縁部に取り付けられたフレームとを有するパネルアッセンブリーと、
シャーシ本体と、前記シャーシ本体に固定されており、前記フレームと係合しているホルダーとを有し、前記表示パネルの厚み方向における一方側に配置されているシャーシと、
を備え、
前記ホルダーは、前記シャーシ本体から露出している露出部を有し、
前記フレームは、前記露出部の外側を被っており、前記ホルダー側に突出する第1凸部を有し、
前記ホルダーは、前記フレーム側に突出しており、
前記第1凸部よりも前記厚み方向の他方側に位置して前記第1凸部と係合する第2凸部を有し、
前記第2凸部が前記フレームから離れる方向に変位可能に設けられている、表示装置であって、
前記第1凸部の前記厚み方向の一方側の面は、前記厚み方向の一方側に向かって外側に傾斜する第2傾斜面を含み、
前記第2凸部の前記厚み方向の他方側の面は、前記厚み方向の一方側に向かって外側に傾斜する第3傾斜面を含む、
前記第2傾斜面と、前記第3傾斜面とのうちの少なくとも一方は、曲面状の部分を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示装置の一例が記載されている。特許文献1に記載の液晶表示装置では、光源の裏面側を被う裏面カバーと、樹脂フレームとが組み付けられている。詳細には、樹脂フレームの係止爪が裏面カバーに形成された孔部に挿入されることにより裏面カバーと樹脂フレームとが組み付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の液晶表示装置では、係止爪が孔部に挿入されて裏面カバーが樹脂フレームに組み付けられる際に、樹脂フレームの変形を伴う。このため、例えば、樹脂フレームが塑性変形し、変色したり、樹脂フレームの塗装にハガレが生じたりする場合がある。このため、製造が困難である。
【0005】
本開示の主な目的は、容易に製造し得る表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る表示装置は、表示パネルと、表示パネルの周縁部に取り付けられたフレームとを有するパネルアッセンブリーと、シャーシ本体と、シャーシ本体に固定されており、フレームと係合しているホルダーとを有し、表示パネルの厚み方向における一方側に配置されているシャーシとを備える。ホルダーは、シャーシ本体から露出している露出部を有する。フレームは、露出部の外側を被っており、ホルダー側に突出する第1凸部を有する。ホルダーは、フレーム側に突出しており、厚み方向の他方側に位置して第1凸部と係合する第2凸部を有する。第2凸部がフレームから離れる方向に変位可能に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る表示装置の模式的平面図である。
【
図2】一実施形態におけるシャーシの模式的平面図である。
【
図3】
図2の領域IIIにおける表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図4】一実施形態におけるシャーシの一部分の模式的斜視図である。
【
図5】
図3の線V-Vにおける表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図6】
図3の線VI-VIにおける表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図7】シャーシにパネルアッセンブリーを取り付ける工程を説明するための模式的断面図である。
【
図8】シャーシにパネルアッセンブリーを取り付ける工程を説明するための模式的断面図である。
【
図9】シャーシからパネルアッセンブリーを取り外す工程を説明するための模式的断面図である。
【
図10】シャーシからパネルアッセンブリーを取り外す工程を説明するための模式的断面図である。
【
図11】第1変形例における表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図12】第2変形例における表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図13】第3変形例における表示装置の一部分の模式的断面図である。
【
図14】第4変形例におけるシャーシの模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる一例である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る表示装置1の模式的平面図である。
図2は、本実施形態におけるシャーシ200の模式的平面図である。
図3は、
図2の領域IIIにおける表示装置1の一部分の模式的断面図である。
図4は、本実施形態におけるシャーシ200の一部分の模式的斜視図である。
図5は、
図3の線V-Vにおける表示装置1の一部分の模式的断面図である。
図6は、
図3の線VI-VIにおける表示装置1の一部分の模式的断面図である。
【0010】
以下の説明において、
図5及び
図6に示す表示パネル510の厚み方向(奥行き方向)をz軸方向とする。表示パネル510の表示面側(表面側)をz1側とし、裏面側をz2側とする。表示パネル510の厚み方向であるz軸方向に対して垂直な方向であって、表示パネル510の長手方向に沿った方向(幅方向)をx軸方向とし、短手方向に沿った方向(高さ方向)をy軸方向とする。x軸方向とy軸方向とは、互いに直交している。また、z軸方向に沿って視ることを「平面視」とする。
【0011】
図1に示す表示装置1は、画像、文字等を表示するための装置である。表示装置1は、例えば、ディスプレイ等であってもよいが、本実施形態においては、表示装置1は、テレビ信号を受信可能なチューナーを有するテレビジョン受信装置である。
【0012】
表示装置1は、
図1に示すパネルアッセンブリー100と、
図2に示すシャーシ200とを備えている。
【0013】
(パネルアッセンブリー100)
図5及び
図6に示すように、パネルアッセンブリー100は、表示パネル510と、フレーム530とを有する。
【0014】
表示パネル510は、例えば、液晶表示パネル、OLED(Organic Light Emitting Diode)表示パネル、量子ドット発光ダイオード(QLED)表示パネル、プラズマディスプレイパネル等であってもよい。以下、本実施形態では、表示パネル510が液晶表示パネルである例について説明する。
【0015】
表示パネル510の厚み方向であるz軸方向のz2側(裏面側)には、バックライト520が配されている。バックライト520は、表示パネル510側に向けて光を照射する。バックライト520は、シャーシ200に対して取り付けられている。なお、自発光の表示パネルを用いる場合には、バックライトは必ずしも必要ない。
【0016】
(フレーム530)
表示パネル510は、フレーム530に取り付けられている。
図1に示すように、本実施形態では、表示パネル510及びバックライト520のそれぞれの平面視形状は矩形状であり、フレーム530は、表示パネル510及びバックライト520を囲うように額縁状に設けられている。表示パネル510側及びバックライト520のそれぞれの周縁部がフレーム530に取り付けられている。このため、
図5及び
図6に示すように、フレーム530は、表示装置1の側面の実質的に全体を構成している。
【0017】
なお、本発明において、フレームは、表示パネルを全周にわたって包囲するように設けられている必要は必ずしもない。フレームは、表示パネルの周縁部の少なくとも一部に取り付けられていればよい。例えば、フレームは、平面視形状が矩形状の表示パネルの4つの端辺部のうちの3つ以下に取り付けられていてもよい。例えば、フレームは、表示パネルの角部に取り付けられていてもよい。
【0018】
フレーム530は、表面上に塗膜が形成された樹脂部材により構成されていてもよい。
【0019】
主として
図5に示すように、フレーム530は、フレーム本体531と、取付部532と、第1凸部533とを有する。
図1に示すように、フレーム本体531は、平面視において、表示パネル510の外側に配されている。具体的には、フレーム本体531は、平面視において、表示パネル510を包囲するように額縁状に配されている。
【0020】
なお、「外側」とは、図心から離れる側のことをいう。具体的には、本実施形態における外側とは、
図1に示す表示パネル510の図心Cから離れる側をいう。
【0021】
図5及び
図6に示すように、フレーム本体531は、第1部分531aと、第2部分531bとを有する。
【0022】
第1部分531aは、z軸方向において表示パネル510と同じ高さ位置に位置する部分を含む。
【0023】
フレーム本体531の第1部分531aには、取付部532が接続されている。取付部532は、第1部分531aからx軸方向に沿って内側に向かって延びている。この取付部532に対して表示パネル510等が取り付けられている。
【0024】
第1部分531aのz2側端部(裏面側端部)には、第2部分531bが接続されている。具体的には、第2部分531bは、第1部分531aの外側部分からz2側(裏面側)に向かって延びている。第2部分531bは、第1部分531aよりも肉薄である。
【0025】
第1凸部533は、第2部分531bに接続されている。第1凸部533は、z軸方向において、第2部分531bの中央部よりも先端側(z2側)の部分に接続されていてもよい。
【0026】
第1凸部533は、例えば、全周にわたって設けられていてもよいが、本実施形態では、
図3に示すように、第2部分531bの周方向における一部分にのみ接続されている。
図5に示すように、第1凸部533は、第2部分531bの内周面から内側に向かって突出している。第1凸部533の横断面形状は、略三角形状である。
【0027】
第1凸部533は、相対的にz軸方向におけるz1側に位置している上面533aと、z2側に位置している下面533bとを有する。上面533aは、z1側を向いている。上面533aは、x軸方向及びy軸方向に沿って延びる略平面である。
【0028】
下面533bは、第2傾斜面を構成している。下面533bは、z軸方向に対して傾斜した面である。具体的には、本実施形態では、下面533bは、z軸方向に対して傾斜した略平面である。下面533bは、厚み方向であるz軸方向のz1側からz2側に向かって外側に傾斜している。換言すれば、下面533bは、z2側からz1側に向かって内側に傾斜している。
【0029】
なお、本発明において、第2傾斜面が略平面である必要は必ずしもない。第2傾斜面は、例えば、曲面状であってもよい。より具体的には、第2傾斜面は、例えば、z2側に向かって突出する曲面状の傾斜面であってもよい。
【0030】
(シャーシ200)
図5及び
図6に示すように、シャーシ200は、表示パネル510の厚み方向であるz軸方向におけるz2側(裏面側)に配置されている。具体的には、本実施形態では、シャーシ200には、表示パネル510のz2側において、フレーム530の内側に配されている。シャーシ200の側方は、フレーム530により被われている。
【0031】
なお、シャーシ200の材質は特に限定されない。シャーシ200は、例えば、樹脂部材により構成されていてもよい。シャーシ200を構成している樹脂部材は、塗膜によりコーティングされていてもよい。
【0032】
図2、
図5及び
図6に示すように、シャーシ200は、シャーシ本体210と、ホルダー220とを有する。
【0033】
シャーシ本体210は、表示パネル510の背面の実質的に全体を被っている。シャーシ本体210は、表示パネル510とほぼ同形状である。シャーシ本体210の平面視形状は、実質的に矩形である。
【0034】
シャーシ本体210は、x軸方向及びy軸方向に沿って延びる平板状の第1部分211と、第1部分211の周縁部からz軸方向のz1側(表示パネル510側)に向かって延びる第2部分212とを有する。第2部分212は、z軸方向に沿って延びている。
図5及び
図6に示すとおり、第2部分212のz1側の先端部は、パネルアッセンブリー100の側方にまで延びている。具体的には、第2部分212のz1側の先端部は、バックライト520の側方に位置している。
【0035】
図3、
図5及び
図6に示すように、z軸方向に沿ってz2側から視た際に、シャーシ200とフレーム530との間には、ギャップGが形成されている。詳細には、
図5及び
図6に示すように、ギャップGは、z2側から視た際に、シャーシ200の第2部分212とフレーム530の第2部分531bとの間に、z軸方向に沿って延びている。
【0036】
(ホルダー220)
主として
図2に示すように、ホルダー220は、シャーシ本体210に固定されている。具体的には、複数のホルダー220がシャーシ本体210に固定されている。より具体的には、4つのホルダー220がシャーシ本体210に固定されている。シャーシ本体210の4つの端辺部のそれぞれにホルダー220が固定されている。
【0037】
図5に示すように、複数のホルダー220のそれぞれは、フレーム530と係合している。複数のホルダー220がフレーム530と係合することにより、シャーシ200に対してパネルアッセンブリー100が固定されている。
【0038】
図3~
図6を参照しながら、ホルダー220の構成についてさらに詳細に説明する。
【0039】
図3に示すように、ホルダー220は、固定部221と、変位部222とを有する。
【0040】
固定部221は、シャーシ本体210に直接固定されている。
【0041】
固定部221は、線状部221aと、第1端部221bと、第2端部221cとを有する。線状部221aは、シャーシ本体210の端辺の延びる方向に沿って延びる線状の部分である。
【0042】
線状部221aの長手方向における一方側端部には、第1端部221bが接続されており、他方側端部には、第2端部221cが接続されている。平面視において、第1端部221b及び第2端部221cのそれぞれは、線状部221aよりも外側にまで延びている。
【0043】
変位部222は、第1端部221bの外側端部221b1と、第2端部221cの外側端部221c1とに接続されている。変位部222は、シャーシ本体210に対して直接固定されておらず、変形可能である。また、変位部222は、線状部221aとは離間して設けられている。変位部222と、線状部221aとの間には、スリットSが形成されている。このため、外側端部221b1と、外側端部221c1とを起点として変位部222が変形することにより、変位部222の長手方向(シャーシ本体210の端辺の延びる方向)における中央部222aは、内側または外側に変位可能である。従って、変位部222の長手方向における中央部222aは、フレーム530から離れる方向及び近づく方向に変位可能である。変位部222は、例えば、
図3の一点破線で示すような弓形状に変形可能である。変位部222が直線状である状態から弓形状である状態に変形することにより、中央部222aが平面視における内側に変位し、フレーム530から離れる。
【0044】
図4に示すように、シャーシ本体210の第2部分212には、第2部分212を厚み方向に貫通している貫通孔213が形成されている。具体的には、第2部分212のうち、複数のホルダー220が設けられた部分のそれぞれに対応する位置に貫通孔213が設けられている。このため、ホルダー220は、シャーシ本体210から露出している露出部220aを含む。ホルダー220のシャーシ本体210から露出している露出部220aは、中央部222aにより構成されている。
図5及び
図6に示すように、露出部220aの外側には、フレーム530が位置している。このフレーム530により、露出部220aの外側が被われている。
【0045】
主として
図4及び
図5に示すように、ホルダー220は、第2凸部230を有している。第2凸部230は、具体的には、中央部222aにより構成された露出部220aに設けられている。このため、第2凸部230は、変位部222の固定部221との接続部である外側端部221b1及び外側端部221c1とは離れた位置に位置している。具体的には、第2凸部230は、変位部222の長手方向において、外側端部221b1と外側端部221c1との間に位置している。より具体的には、第2凸部230は、変位部222の長手方向において、変位部222の略中央部に設けられている。
【0046】
図5に示すように、第2凸部230は、フレーム530側に突出している。
図5に示すように、第2凸部230は、ホルダー220側に突出する第1凸部533よりも、厚み方向であるz軸方向におけるz1側(表面側、表示パネル510側)に位置している。この第2凸部230と第1凸部533とが係合することにより、シャーシ本体210とパネルアッセンブリー100とがz軸方向に実質的に変位不能に固定されている。
【0047】
上述の通り、第2凸部230は、中央部222aに設けられている。中央部222aは、フレーム530から離れる方向及び近づく方向に変位可能である。このため、第2凸部230は、フレーム530から離れる方向及び近づく方向に変位可能である。
【0048】
図5に示すように、第2凸部230は、上面231と、下面232とを有する。上面231は、下面232よりもz軸方向のz1側(表面側)に位置している。上面231は、傾斜面である。具体的には、上面231は、z軸方向のz1側からz2側に向かって外側に傾斜する第3傾斜面を構成している。本実施形態では、上面231は、曲面により構成されている。具体的には、上面231は、z1側に向かって突出する凸面により構成されている。但し、本発明は、この構成に限定されない。上面231は、例えば、平面により構成されていてもよい。
【0049】
図3に示すように、第1凸部533の長手方向に沿った寸法と、第2凸部230の長手方向に沿った寸法とは、実質的に同じである。詳細には、第2凸部230の長手方向に沿った寸法の方が、第1凸部533の長手方向に沿った寸法よりも若干短い。
【0050】
図3に示すように、第1凸部533の平面視形状は、略矩形状である。
【0051】
図3、
図4及び
図6に示すように、変位部222には、第3凸部241,242が設けられている。具体的には、本実施形態では、変位部222には、複数の第3凸部241、242が設けられている。複数の第3凸部241、242は、それぞれ、傾斜面(第1傾斜面)241a、242aを有する。傾斜面241a、242aは、z軸方向におけるz2側からz1側に向かって外側に向かって延びている。本実施形態では、傾斜面241a、242aは、平面である。但し、傾斜面241a、242aは、平面でなくてもよい。例えば、凸面や凹面等の曲面であってもよい。
【0052】
傾斜面241a、242aの少なくとも一部は、z軸方向に沿ってz2側から視た際に、ギャップGを通して視認可能である。換言すれば、z軸方向に沿ってz2側から視た際に、シャーシ200とフレーム530との間に、傾斜面241a、242aを露出させるギャップGが形成されている。
【0053】
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、第2凸部230の両側に第3凸部241と第3凸部242とが設けられている。詳細には、変位部222の延びる方向において、第2凸部230の両側に第3凸部241と第3凸部242とが設けられている。このため、変位部222の一方側の固定端と第2凸部230との間と、変位部222の他方側の固定端と第2凸部230との間とのそれぞれに第3凸部241、242とが設けられている。
【0054】
(シャーシ200にパネルアッセンブリー100を取り付ける工程)
図7及び
図8は、それぞれ、シャーシ200にパネルアッセンブリー100を取り付ける工程を説明するための模式的断面図である。次に、
図7及び
図8を参照しながら、シャーシ200にパネルアッセンブリー100を取り付ける工程について説明する。
【0055】
まず、
図7に示すように、パネルアッセンブリー100とシャーシ200とを位置合わせする。このとき、パネルアッセンブリー100の一部を構成しているフレーム530の第1凸部533と、シャーシ200の一部を構成しているホルダー220の第2凸部230とがz軸方向において突き当たる。
【0056】
この状態から、パネルアッセンブリー100をシャーシ200側に相対的に押しつけると、
図8に示す様に、第2凸部230の上面231が、第1凸部533の傾斜面としての下面533bにより押圧されて、
図3の一点破線で示すような弓なり形状に変位部222が弾性変形することにより、第2凸部230が内側に移動する。この状態から、パネルアッセンブリー100をシャーシ200側に相対的にさらに押しつけると、第1凸部533が第2凸部230を乗り越えた後に、第2凸部230が再び外側に移動し、
図5に示すパネルアッセンブリー100とシャーシ200とが組み付けられた状態となる。
【0057】
このように、表示装置1では、第2凸部230がフレーム530から離れる方向に変位可能に設けられている。このため、例えば、変位部がシャーシに直接固定されており、第2凸部がフレームから離れる方向に実質的に変位不能である場合と比較して、パネルアッセンブリー100をシャーシ200に組み付けるために第1凸部533が第2凸部230を乗り越えるときにフレーム530が変形することを抑制することができる。このため、表示装置1の外観を構成しているフレーム530が変形したり、変色したり、損傷したりすることを抑制することができる。従って、表示装置1は、外観を損ねることなく、容易に製造し得る。
【0058】
変位部222の塑性変形を効果的に抑制する観点からは、変位部222の長手方向における両端が固定部221に固定されていることが好ましい。変位部222の長手方向における両端が固定部221に固定されていると共に、第2凸部230が変位部222の長手方向における略中央部に設けられていることがより好ましい。この場合、第2凸部230の変位に伴う変位部222の単位長さあたりの変形量をより小さくできるためである。
【0059】
表示装置1では、第2凸部230の上面231と、第1凸部533の下面533bとの少なくとも一方が、厚み方向であるz軸方向に対して傾斜した傾斜面により構成されている。このため、パネルアッセンブリー100をシャーシ200に対して押しつける際に第2凸部230を内側に変位させるのに必要となる力が小さくなる。従って、パネルアッセンブリー100とシャーシ200との組み付けが容易であり、表示装置1の製造容易性がさらに向上されている。
【0060】
表示装置1では、第2凸部230の上面231と、第1凸部533の下面533bとの両方が傾斜面とされているため、パネルアッセンブリー100をシャーシ200に挿入する際に、上面231と下面533bとが滑りやすく、発生する摩擦力を小さくし得る。従って、パネルアッセンブリー100とシャーシ200の組み付けがさらに容易である。
【0061】
さらに、本実施形態では、第1凸部533の下面533bにより構成された第2傾斜面と、第2凸部230の上面231により構成された第3傾斜面との少なくとも一方が曲面状の部分を有する。このため、パネルアッセンブリー100をシャーシ200に対して組み付ける際の、第2傾斜面と第3傾斜面との接触面積を小さくすることができる。よって、第2傾斜面と第3傾斜面との間に生じる摩擦力をより小さくし得る。従って、パネルアッセンブリー100をシャーシ200に対して押しつける力をさらに小さくすることができる。よって、表示装置1の製造容易性がさらに向上されている。この観点からは、第2傾斜面と第3傾斜面とのうちの少なくとも一方が曲面状であり、他方が平面状であることがより好ましい。
【0062】
(シャーシ200からパネルアッセンブリー100を取り外す工程)
図9及び
図10は、それぞれ、シャーシ200からパネルアッセンブリー100を取り外す工程を説明するための模式的断面図である。
【0063】
例えば、表示装置1を修理したりメンテナンスしたりする際に、パネルアッセンブリー100からシャーシ200を取り外したい場合もある。次に、
図9及び
図10を主として参照しながら、シャーシ200からパネルアッセンブリー100を取り外す工程について説明する。
【0064】
図9に示すように、シャーシ200からパネルアッセンブリー100を取り外す場合、まず、治具900をギャップGに挿入する。この治具900により第3凸部241の傾斜面241aを押圧することにより、
図10に示すように、第3凸部241と共に変位部222の中央部222aを内側に変位させることができる。そうすることにより、変位部222が
図3に一点破線で示す弓形状に弾性変形する。これにより、変位部222の中央部222aに設けられた第2凸部230を
図8に示すような状態にまで内側に変位させることができる。その結果、第2凸部230と第1凸部533との係合状態が解除される。よって、パネルアッセンブリー100をシャーシ200から取り外すことができる。
【0065】
このように、表示装置1では、傾斜面241aを有する第3凸部241が設けられており、傾斜面241aを露出させるギャップGが形成されているため、治具900を用いてパネルアッセンブリー100をシャーシ200から容易に取り外すことができる。
【0066】
治具900により第3凸部241を変位させる観点からは、傾斜面241aは、z軸方向に対して傾斜している限りにおいてどのような形状を有していてもよい。但し、治具900に加えなければならない最大応力を小さくする観点からは、傾斜面241aは、平面であることが好ましい。
【0067】
表示装置1では、第2凸部230の両側に第3凸部241、242が設けられている。このため、これら複数の第3凸部241、242を治具900を用いて変位させることにより、第2凸部230をより円滑に変位させることができる。
【0068】
以下、本発明を実施した好ましい形態の変形例について説明する。以下の説明において、上記実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。また、以下の変形例の説明においては、上記実施形態と異なる部分のみを説明し、その他の部分の説明に関しては、上記実施形態における説明を参照するものとする。
【0069】
(変形例)
上記実施形態に係る表示装置1では、平面視において、変位部222の長手方向における両端部が固定部221により支持されている例について説明した。しかし、変位部222の固定部221に対する固定態様は、この構成に特に限定されない。
【0070】
図11は、第1変形例における表示装置の一部分の模式的断面図である。
図11に示す例では、平面視における変位部222の長手方向であるy軸方向におけるy2側においてのみ変位部222が固定部221により固定されている。第1変形例においては、変位部222は、片持ち梁とされている。この場合、第2凸部230を変位させるために必要となる応力が小さくなる。換言すれば、小さな応力で第2凸部230が変位しやすくなる。このため、パネルアッセンブリー100のシャーシ200への取り付けがさらに容易となる。
【0071】
上記実施形態及び第1変形例では、平面視における変位部222の長手方向の両端部のうちの少なくとも一方が固定部221により固定されている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
【0072】
図12は、第2変形例における表示装置の一部分の模式的断面図である。
図12に示す例では、変位部222のz軸方向におけるz2側端部(下端)に固定部221が設けられている。すなわち、変位部222のz2側端部が固定部221を介してシャーシ200に対して固定されている。このため、変位部222のうち、固定部221から離れたz1側部分が相対的に大きく変位し、固定部221との接続部分は、実質的に変位しない。第2凸部230は、変位部222のz1側端部に設けられているが、そのz1側端部は、固定部221との接続部分を中心として、周方向に沿って移動する。この場合、y軸方向において、固定部221を変位部222の外側に設ける必要が必ずしもない。このため、ホルダー220のy軸方向に沿った寸法を大きくすることができる。
【0073】
なお、y軸方向において、変位部222に対して固定部221が設けられている位置は、特に限定されない。例えば、変位部222は、y軸方向において、固定部221が設けられている領域の実質的に全体に設けられていてもよいし、一部にのみ設けられていてもよい。例えば、変位部222は、y軸方向において、第2凸部230が設けられている領域の少なくとも一部に設けられていてもよい。例えば、変位部222は、y軸方向において、変位部222の両端部の少なくとも一方に接続されていてもよい。この場合、小さな力で第2凸部230が変位しやすくなる。
【0074】
上記実施形態では、平面視において、第3凸部241、242が、第1凸部533と第2凸部230とがz軸方向に対向している領域の両側に配されている例について説明した。但し、本発明において、第3凸部が設けられる位置は特に限定されない。
【0075】
例えば、z軸方向において対向している第1凸部533及び第2凸部230の対である凸部対がy軸方向に沿って複数設けられており、y軸方向において隣接する凸部対の間に第3凸部241が設けられていてもよい。
【0076】
また、
図13に示すように、第3凸部241は、第2凸部230のz2側において同軸上に存在していてもよい。この場合、第2凸部230と第3凸部241との間のz軸方向に沿った間隔(a)は、第1凸部533のz軸方向に沿った寸法(b)以上(a>b)であることが好ましい。
【0077】
上記実施形態では、ホルダー220が、矩形状のシャーシ本体210の4つの端辺のそれぞれに設けられている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。シャーシ本体210が矩形状である場合、4つの端辺の少なくともひとつにホルダー220が設けられていることが好ましく、少なくとも対向する2つの端辺にホルダー220が設けられていることがより好ましい。例えば、
図14に示すように、矩形状のシャーシ本体210の3つの端辺にホルダー220が設けられていてもよい。
【0078】
また、シャーシ本体210のひとつの端辺に複数のホルダー220が設けられていてもよい。
【0079】
図6に示すように、上記実施形態では、傾斜面241a、242aがz軸方向に沿って傾斜しており、ギャップGがz軸方向に沿って直線状に設けられている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。第3凸部の傾斜面及びギャップは、ギャップから治具を挿入して傾斜面を押圧することにより第2凸部230を変位させる態様に設けられていればよい。例えば、第3凸部の傾斜面は、y軸方向に対して傾斜しており、ギャップは、y軸方向に沿って設けられていてもよい。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく変形可能であり、上記の構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 表示装置
100 パネルアッセンブリー
200 シャーシ
210 シャーシ本体
220 ホルダー
220a 露出部
221 固定部
222 変位部
230 第2凸部
241a 傾斜面
242 第3凸部
242a 傾斜面
510 表示パネル
530 フレーム
531 フレーム本体
533 第1凸部
533a 上面