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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20241211BHJP
   H01M 50/251 20210101ALI20241211BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241211BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241211BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20241211BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/251
H01M50/242
H01M50/262 E
H01M50/298
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021031719
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022132957
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 貴文
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-515003(JP,A)
【文献】特開2012-160347(JP,A)
【文献】特開2014-216189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素および前記発電要素を収容する包装体を有する電池セルが複数積層されたセル積層体と、
前記セル積層体を収容する筐体であって、
前面部と、
前記セル積層体に対して前記前面部とは反対側に位置する背面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に上方から臨む上面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に下方から臨む底面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に側方から臨む2つ側面部と、を有する筐体と、
前記筐体内に位置し、前記複数の電池セルが前記積層方向に圧縮されるように加圧する加圧手段と、
前記底面部に対向する第1固定面に固定可能とされ、前記底面部の前記2つの側面部に近い位置にそれぞれ配置される一対の脚部材と、
前記背面部に対向する第2固定面に固定可能な背面固定部および一対の脚部材固定部であって、前記一対の脚部材固定部の一方が前記一対の脚部材の一方に接続され、前記一対の脚部材固定部の他方が前記一対の脚部材の他方に接続され、一対の脚部材固定部を有する壁固定部材と、を備える、蓄電装置。
【請求項2】
前記脚部材は、前記第1固定面に沿った長手方向に延びる長尺形状であり、
前記脚部材固定部は、前記長手方向に垂直な幅方向における前記背面固定部の両側の側縁部にそれぞれ連なり、前記背面固定部に対して垂直に屈曲している、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記一対の脚部材はそれぞれ基部と、前記基部の長手方向に垂直な幅方向の両側の側縁部にそれぞれ連なり、前記基部に垂直な2つの屈曲部とを有し、前記一対の脚部材固定部は前記2つの屈曲部のうち前記セル積層体の積層方向の外側に配置される一方の屈曲部にそれぞれ固定される、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記背面部に対向する前記第2固定に固定可能な補強部材を、さらに含んでいる、請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記セル積層体に電気的に接続される電線を、さらに含み、
前記補強部材は、前記電線を挿通するための電線用透孔を有している、請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記背面部側において、上縁部分および側面部に沿って延びる凹状のカバー部材を、さらに含んでいる、請求項1~5のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記補強部材を貫通して前記壁に第1間隔をあけて取り付けられた複数の第1ねじ部材と、
前記壁固定部材を貫通して前記補強部材に前記第1間隔よりも大きい第2間隔をあけて取り付けられた複数の第2ねじ部材とを、さらに含んでいる、請求項~6のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウムイオン電池およびニッケル水素電池等の二次電池を備えた蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギとの組み合わせや災害時の電力供給を目的として、蓄電装置の普及が進んでいる。蓄電装置は、筐体の中に電池モジュールや制御回路、変換回路などの内部部品が収容されている。例えば、筐体内は棚状に構成されており、それぞれの棚に重量10~30kg、容量0.5~3.0kWhの複数の電池モジュールが収容されている。そして電池モジュールは、制御回路および変換回路等と配線によって電気的に接続されている。このような蓄電装置は、安全を確保するために、地震などで転倒・移動しないことが求められる。そこで、蓄電装置を建物に固定するための種々の技術が、例えば特許文献1~5に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-196857号公報
【文献】特開2017-155459号公報
【文献】特開2016-18608号公報
【文献】特開2016-85895号公報
【文献】特開2019-109986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1~3に記載される従来技術では、蓄電装置の建物への設置後は、当該蓄電装置が建物の床面に載置され、さらに蓄電装置の背面部や側面部などに取付けられた金具を介して建物の壁面にねじ止めされている。蓄電装置のトラック等の輸送車両や船舶による輸送時は、輸送車両や船舶の貨物室内に蓄電装置を固定しておくための壁面が存在しないことから、例えば蓄電装置の底面部を下側にして載置された状態で積載されている。この状態では、輸送時の振動と設置後の地震による慣性力とが蓄電装置に作用したとき、蓄電装置の蓄電容量が低下してしまう場合が生じ得る。このような蓄電容量の低下を抑制するために、それぞれの振動の伝達経路や振動モードに対して、電池モジュールを保護する設計が必要になる。複数の振動モードから蓄電装置を保護するために対策の一つとして、電池モジュールにそれぞれの振動モードに対応する緩衝機構を取付けられることが考えられる。このような緩衝機構によって、あらゆる振動モードに対処するためには、電池モジュールに取り付ける緩衝機構が増加し、そのため蓄電装置の使用材料、部品点数が多くなり、構造が複雑化してしまうという問題がある。
【0005】
上記特許文献4に記載される従来技術では、電池モジュールを構成する複数の電池セル積層体に圧縮力を加えることによって、蓄電池の初期容量を高める技術が記載されている。しかし、輸送時の振動や地震時の慣性力の作用に対する対策は考慮されておらず、取付構造については、何ら対策は提案されていない。
【0006】
また、上記の特許文献1~4に記載される従来技術では、蓄電装置中の電池モジュールの振動に対する対策が十分ではないために、蓄電装置の地震時および輸送時の振動に伴って生じる加速度は、蓄電装置の電池容量を低下させ、将来的に電池容量の低下速度を速めるおそれがあり、このような従来技術の技術的課題を簡素な構成で解決することができる蓄電装置が求められている。
【0007】
上記特許文献5に記載される従来技術では、背面部の金具によって壁掛けできる小型の蓄電装置が提案されている。この従来技術では、電池容量が大きくなると、蓄電装置の重量も大きくなり、壁掛け構造では十分な機械的強度を確保できなくなるため、小型の蓄電装置が取付け対象に限られてしまう。蓄電装置の梱包状態である、いわゆる荷姿がどのようなものであるかは記載されていないが、蓄電装置を安定に積載するために、蓄電装置を横向きに寝かせた姿勢で梱包箱に収容することが考えられる。このように蓄電装置を横向きに寝かせた姿勢で積載すると、輸送時の振動は、壁掛けした場合の地震の振動とは異なる形で蓄電装置に伝達されるので、蓄電装置を横倒しした状態と壁掛けした状態との2種類姿勢に対する振動モードに対応するため、筐体内の蓄電池モジュールおよび配線の固定箇所が増すなど、構造が複雑化し易いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る蓄電装置は、発電要素および前記発電要素を収容する包装体を有する電池セルが複数積層されたセル積層体と、
前記セル積層体を収容する筐体であって、
前面部と、
前記セル積層体に対して前記前面部とは反対側に位置する背面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に上方から臨む上面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に下方から臨む底面部と、
前記前面部および前記背面部間にわたって前記セル積層体に側方から臨む2つ側面部と、を有する筐体と、
前記筐体内に位置し、前記複数の電池セルが前記積層方向に圧縮されるように加圧する加圧手段と、
前記底面部に対向する第1固定面に固定可能とされ、前記底面部の前記2つの側面部に近い位置にそれぞれ配置される一対の脚部材と、
前記背面部に対向する第2固定面に固定可能な背面固定部および一対の脚部材固定部であって、前記一対の脚部材固定部の一方が前記一対の脚部材の一方に接続され、前記一対の脚部材固定部の他方が前記一対の脚部材の他方に接続され、一対の脚部材固定部を有する壁固定部材と、を備える構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る蓄電装置によれば、簡単な構成で取付け性を向上し、蓄電容量の減少を抑制することができる蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態の蓄電装置が木造家屋の壁および床に取付けされた設置例を示す斜視図である。
図2】蓄電装置がコンクリート構造の建物からなる家屋の壁に取付けられた設置例を示す斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
図4】前カバー体が外された筐体に電池モジュールを収容して壁側へ移動させた状態を示す斜視図である。
図5】筐体に前カバー体が取付けられた状態を示す斜視図である。
図6】壁固定部材および脚部材を示す斜視図である。
図7】電池モジュールの内部構造を示す断面図である。
図8】電池モジュールの分解斜視図である。
図9】電池セルの外観を示す斜視図である。
図10】電池モジュールの取付け手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示の蓄電装置の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態の蓄電装置1が木造家屋の壁W1および床F1に設置された設置例を示す斜視図である。図2は、蓄電装置1がコンクリート構造の建物から成る家屋の壁W2および床F2に設置された設置例を示す斜視図である。再生可能エネルギとの組合わせや災害時の電力供給を目的として蓄電装置の普及が進む中、木造家屋に限らず、コンクリート構造の家屋に蓄電装置1を設置するに際して、地震時および運搬時などの振動に対する高い安全性を有し、簡素な構成で取付け性に優れた蓄電装置の実施形態の一例について、以下に説明する。
【0013】
本実施形態の蓄電装置1が設置対象とされる場所は、図1に示す木造家屋の第2固定面である壁W1および第1固定面である床F1に設置される場合と、図2に示すコンクリート構造の家屋の壁W2および床F2に設置される場合とがある。なお、以下の説明において、各壁W1,W2を区別せずに総称する場合には、壁Wと記し、各床F1,F2を区別せずに総称する場合には、床Fと記す。
【0014】
まず、本実施形態の蓄電装置1の取付けられる建物の取付け対象箇所の一例である概略構造について説明する。木造建物の家屋の壁W1は、図1に示されるように、複数の間柱2が当て木3によって水平方向に等間隔に平行に立設され、各間柱2には屋外側から外壁パネル4が釘等によって固定され、屋内側から耐火ボードとも称される防火被覆パネル5が、釘等によって固定される。床F1は、圧縮合板等から成る床面材61を敷設して構成される。また、コンクリート構造の家屋の壁W2は、図2に示されるように、形鋼材から成る複数のスタッド6が水平方向に等間隔をあけて平行に立設され、各スタッド6間にグラスウール等の吸音材8が配設され、各スタッド6には屋外側からコンクリート壁材9が配設され、屋内側から石膏ボード等の下地材10および硬質質石膏ボード等の上張り面材11が配設され、さらに上張り面材11には、上張り面材11間の目地を覆うように難燃質系樹脂等から成る接合材12が貼着されて幅木13が取付けされる。床F2は、前述の木造建物の家屋の床F1と同様な圧縮合板等から成る床面材141を敷設して構成される。
【0015】
蓄電装置1は、上記のような壁Wと床Fとが近接した入隅部の幅木13の直前に近接して設置され、木造建物の家屋およびコンクリート構造の家屋のいずれの場合であっても、共通する同一の構成によって、地震時および運搬時の振動、衝撃などの外力の作用に対して、以下に述べるように、機械的に高い強度を有し、かつ設置工事の手間などの取付け性の点においても優れ、部材点数の少ない簡素な構成によって実現される。
【0016】
図3は、本開示に係る実施形態の蓄電装置1の分解斜視図である。図4は前カバー体29が外された筐体33に電池モジュール30を収容して壁W側へ移動させた状態を示す斜視図である。図5は、筐体33に前カバー体29が取付けられた状態を示す斜視図である。図6は、壁固定部材21および脚部材20a,20bを示す斜視図である。なお、脚部材20aの斜視図は、基部20a1を示すために、脚部材20aの一部を仮想的に切除して示した図である。図7は、電池モジュール30の内部構造を示す断面図である。
【0017】
本実施形態の蓄電装置1は、図3図4図7に示されるように、発電要素14および発電要素14を収容する包装体15を有する板状の電池セル16が複数積層された直方体状のセル積層体17と、セル積層体17を収容する直方体状の収容ケース18と、セル積層体17を収容した収容ケース18を収容する筐体33と、セル積層体17の積層方向Dの両側の各側面17a,17bを、複数の電池セル16が積層方向Dに圧縮されるように加圧する加圧手段19と、床Fに固定され、筐体33の底面部33d(図3,4参照)の積層方向Dの両端寄りの位置を支持する一対の脚部材20a,20bと、筐体33の背面部33aが対向する壁Wに固定される長手板状の背面固定部211を有する壁固定部材21と、を備える。
【0018】
筐体33は、前面部である前カバー体29と、セル積層体17に対して前カバー体29とは反対側に位置する背面部33aと、前カバー体29および背面部33a間にわたってセル積層体17に上方から臨む上面部33eと、前カバー体29および背面部33a間にわたってセル積層体17に下方から臨む底面部33dと、前カバー体29および背面部33aにわたってセル積層体17に側方から臨む2つ側面部33b,33cと、を有する。
【0019】
前記一対の脚部材20a,20bのそれぞれは、図6に示されるように、床F上に位置する長手板状の基部20a1,20b1と、基部20a1、20b1の長手方向に垂直な幅方向の両側の側縁部にそれぞれ連なり、基部20a1,20b1に垂直な各2つの屈曲部20a2,20a3;20b2,20b3と、各一対の屈曲部20a2,20a3;20b2,20b3の上端縁に外側に直角に連なり、筐体33の底面部33dの積層方向Dの両端寄りの位置にねじ止めされるフランジ部20a4,20a5;20b4,20b5を有し、略U字状に形成される。これらの脚部材20a,20bは、基部20a1,20b1と、屈曲部20a2,20a3;20b2,20b3と、フランジ部20a4,20a5;20b4,20b5とを有するので、長手方向に垂直な断面の断面二次モーメントが大きく、地震や振動によって蓄電装置1に働く転倒モーメントに対して大きな曲げ剛性を有する。
【0020】
壁固定部材21は、図6に示されるように、背面固定部211の長手方向の両端部に連なり、背面固定部211に垂直に屈曲して連なる略L字状の一対の脚部材固定部212,213であって、各脚部材20a,20bの各2つの屈曲部20a2,20a3;20b2,20b3のうちセル積層体17の積層方向Dの外側に配置される一方の屈曲部20a2,20b3がそれぞれねじ止めされて固定される一対の脚部材固定部212a,213aを有する。各脚部材固定部212a,213aには、タッピングビスが各脚部材20a,20bの外側に配置される一方の屈曲部20a2,20b3を挿通して螺着される各複数のタッピング孔212b,213bが形成される。各タッピング孔212b,213bは、タッピングビスの螺着強度を高めるためにバーリング加工されている。
【0021】
図8は、電池モジュール30の分解斜視図である。図9は、電池セル16の外観を示す斜視図である。収容ケース18は、前面部181と、セル積層体17に対して前面部181とは反対側に位置する背面部182と、前面部181および背面部182間にわたってセル積層体17に上方から臨む上面部183と、前面部181および背面部182間にわたってセル積層体17に下方から臨む底面部184と、前面部181および背面部182間にわたってセル積層体17に側方から臨む2つ側面部185,186と、を有する。
【0022】
電池モジュール30は、セル積層体17と、集電部材40と、収容ケース18と、加圧手段19とを含んで構成される。
【0023】
セル積層体17は、複数の電池セル16が積層方向Dに互いに積層されている。複数の電池セル16は、積層方向Dから見たときに、それらの外形が略一致するように積層されて、外観が略直方体状のセル積層体17を構成している。セル積層体17は、各電池セル16の正極端子161および負極端子162は、セル積層体7の端面17cから突出している。電池セル16は、セル積層体17の積層方向Dから見たときの形状が、例えば、矩形状、正方形状、円形状、楕円形状等のいずれであってもよく、その他の形状であってもよい、本実施形態では、例えば図8に示されるように、電池セル16は、積層方向Dから見て、略矩形状である。積層方向Dから見たときの電池セル16の寸法を一例として述べると、長辺の長さが50mm~500mmであり、短辺の長さが50mm~300mmである。また、積層方向Dにおける電池セル16の厚みは、例えば、0.1mm~2mmである。
【0024】
電池セル16は、図9に示されるように、発電要素14、包装体15、正極端子161および負極端子162を有する。発電要素14は、電気化学反応を利用して電荷を蓄え、放出するための部材である。発電要素14は、例えば、正極端子161に接続された正極および負極端子162に接続された負極と、正極と負極との間に位置するセパレータとを有している。発電要素14は、セパレータ(図示せず)を介して、正極と負極との間で陽イオンおよび陰イオンを交換する電気化学反応によって発生した電力を、正極端子161および負極端子162を外部装置と電気的に接続することによって、外部装置に供給することができる。正極および負極は、例えば、電気化学的に活性な物質から成る。
【0025】
集電部材40は、複数の電池セル16を互いに電気的に接続する部材である。集電部材40は、複数の電池セル16を電気的に並列に接続されるように構成されてもよい。すなわち、集電部材40は、複数のセル積層体17の各正極端子161同士を電気的に接続し、複数の電池セル16の負極端子162同士を電気的に接続してもよい。これにより、電池モジュール30の蓄電容量を大きくすることができる。
【0026】
集電部材40は、複数のセル積層体17が電気的に直列に接続されるように、複数の電池セル16の正極端子161および負極端子162を電気的に接続する構成であってもよい。これにより、電池モジュール30の出力電圧を高くすることができる。
【0027】
筐体33は、電池モジュール30を収容し、外部環境から電池モジュール30を保護するための部材である。筐体33は、外部環境から受ける外力から電池モジュール30を保護するための部材であってもよい。本実施形態では、筐体33は、例えば図4に示すように、一面が開口した直方体形状の箱体である。筐体33は、例えば、1つの部材を一面が開口した直方体形状にすることで構成されてもよい。筐体33は、例えば、本実施形態のように2つ以上の部材が互いに結合されて構成されてもよい。
【0028】
筐体33は、例えば、金属材料によって構成されてもよい。これにより、筐体33の剛性が高くなり、外部環境から受ける外力を電池モジュール30に伝わりにくくすることができる。その結果、電池モジュール30を外部環境から保護することができる。筐体33に用いられる金属材料として、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等が用いられてもよい。これにより、セル積層体17で発生した熱が筐体33に伝わりやすくなり、放熱性を高めることができ、セル積層体17に蓄熱されにくくなる。その結果、セル積層体17を熱から保護し、セル積層体17の熱による劣化を抑制し、寿命を向上することができる。
【0029】
収容ケース18は、例えば、複数の部材を有していてもよい。複数の部材は、例えば、前述のように前面部181と、背面部182と、上面部183と、底面部184と、2つ側面部185,186と、をそれぞれ構成する板状部材によって実現されてもよい。前面部181と、背面部182と、上面部183と、底面部184と、2つ側面部185,186とは、金属材料および樹脂材料を含んでいてもよい。
【0030】
2つの側面部185,186は、セル積層体17の積層方向Dにおける端面17a,17bを保護するための部材である。
【0031】
各側面部185,186の内側には、主面板51がそれぞれ対向して配設される。主面板51は、例えば、樹脂材料から成っていてもよい。主面板51に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の耐熱性樹脂材料が挙げられる。これにより、セル積層体17と外部環境とを電気的に絶縁することができるため、セル積層体17と外部環境とが短絡すること防ぎ、安全性を向上することができる。ひいては、セル積層体17の寿命を向上させることができる。
【0032】
各側面部185,186は、セル積層体17の、上面に連なり且つ積層方向Dに沿った側面17a,17bをそれぞれ保護するための部材である。2つの側面部185,186は、セル積層体17の側面17a,17bにそれぞれ対向している。
【0033】
各側面部185,186は、セル積層体17の側面17a,17bにそれぞれ接触していてもよい。これにより、セル積層体17で発生した熱が、185,186を介して、外部へ伝わりやすくなるため、セル積層体17の熱影響を少なくし、セル積層体17の寿命を向上することができる。また、本実施形態の電池モジュール30は、上記実施形態のセル積層体17を備えることにより、各側面部185,186にいずれか一方だけがセル積層体17の対向する一方の側面17a(または17b)に接触している場合であっても、セル積層体17の寿命を向上することができる。
【0034】
各側面部185,186は、セル積層体17の側面17a,17bに垂直な方向(すなわち、積層方向D)から見たときに、矩形状であってもよい。この場合、側面部185,186は、例えば、長辺が200mm~600mm、短辺が50mm~300mmであってもよい。各側面部165,166は、例えば、厚みが0.5mm~5mmであってもよい。
【0035】
各側面部185,186は、例えば、金属材料から成ってもよい。側面部185,186に用いられる金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。これにより、セル積層体17で発生した熱が、各側面部185,186を介して、外部へ伝わりやすくなるため、セル積層体17の熱による劣化を抑制して寿命を長寿命化することができる。
【0036】
各側面部185,186は、例えば、樹脂材料から成っていてもよい。各側面部185,186に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の耐熱性樹脂材料が挙げられる。これにより、セル積層体17と外部環境とを電気的に絶縁することができるため、セル積層体17と外部環境とが短絡すること防ぐことができる。ひいては、セル積層体17の寿命を長寿命化することができる。
【0037】
底面部184は、セル積層体17の上面とは反対側の下面を保護するための部材である。底面部184は、前面部181または側面部185,186の一部を折り曲げて形成されていてもよい。
【0038】
底面部184は、セル積層体17の、上面17cとは反対側の下面17fに接触していてもよい。これにより、セル積層体17で発生した熱が、底面部184を介して、外部へ熱伝導しやすくなるため、セル積層体17の寿命を長寿命化することができる。
【0039】
底面部184は、セル積層体17の下面17fに垂直な方向から見たときに、矩形状であってもよい。この場合、底面部184は、例えば、長辺が200mm~600mm、短辺が50mm~300mmであってもよい。また、底面部184は、例えば、厚みが0.5mm~5mmであってもよい。
【0040】
底面部184は、例えば、金属材料から成っていてもよい。底面部184に用いられる金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。これにより、セル積層体17で発生した熱が、底面部184を介して、外部へ伝わりやすくなるため、セル積層体17の寿命を長寿命化することができる。
【0041】
底面部184は、例えば、樹脂材料から成っていてもよい。底面部184に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の耐熱性樹脂材料が挙げられる。これにより、セル積層体17と外部環境とを電気的に絶縁することができるため、セル積層体17と外部環境とが短絡する危険性を低減することができる。ひいては、セル積層体17の寿命を長寿命化することができる。
【0042】
セル積層体17は、筐体33内で、積層方向Dにおける側面17a,17bが押圧されて保持されていてもよい。セル積層体17は、押圧板54と弾性体55とによって押圧されて保持されていてもよい。
【0043】
押圧板54として、例えば、金属材料が用いられてもよい。これにより、セル積層体17から発生した熱を外部へ伝わりやすくすることができる。その結果、セル積層体17の寿命を向上させることができる。押圧板54に用いられる金属材料としては、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。
【0044】
押圧板54として、例えば、絶縁性の樹脂材料が用いられてもよい。これにより、セル積層体17と外部環境とを電気的に絶縁することができるため、セル積層体17と外部環境とが短絡する可能性を低減することができる。押圧板54に用いられる樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0045】
押圧板54として、例えば、樹脂材料と金属材料とが用いられてもよい。樹脂材料は、例えば、押圧板54におけるセル積層体17に接触する部分に用いられてもよい。これにより、セル積層体17と押圧板54とを電気的に絶縁することができる。その結果、セル積層体17と外部環境とが短絡する可能性を低減することができる。また、押圧板54に金属材料を用いることで、押圧板を破損しにくくすることができる。
【0046】
弾性体55は、押圧板54と筐体33の主面板51との間に位置している。弾性体55は、押圧板54に圧力を加えることにより、セル積層体17に圧縮力を加えるために設けられている。弾性体55は、例えば、ばねを用いることができる。ばねは、例えば、螺旋状の圧縮コイルばねであってもよく、捩じりばねであってもよい。また、ばねは、例えば、曲がった板形状の板ばねであってもよい。ばねは、例えば、金属材料から成っていてもよい。ばねに用いられる金属材料としては、例えば、ばね鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。ばねの寸法は、例えば、螺旋形状の場合、直径が5mm~50mmであり、長さが、10mm~50mmであり、ピッチが1mm~10mmであってもよい。
【0047】
弾性体55として、例えば、板状のゴム材料が用いられてもよい。ゴム材料は、例えば、押圧板54と同じ形状であってもよい。ゴム材料は、例えば、天然ゴムであってもよく、合成ゴムであってもよい。
【0048】
また、セル積層体17は、筐体33によって、積層方向Dに垂直な第2方向Eにおける端面17c,17dに圧力が加えられていてもよい。筐体33は、例えば、主面板51と側面部185,186とをねじ止めすることで、主面板51がセル積層体17の側面17a,17bを押圧することで圧縮される方向に圧縮力を加えてもよい。
【0049】
電池モジュール30によれば、セル積層体17を備えることにより、耐久性に優れる電気化学セルモジュールを提供することができる。また、電池モジュール30によれば、高剛性の筐体33によって、外部環境から受ける外力をセル積層体17に伝わりにくくすることができる。このため、耐久性に一層優れる電気化学セルモジュールを提供することが可能になる。
【0050】
そこで本開示に係る蓄電装置1では、輸送時や設置後の固定対象が床Fや壁Wと異なる場合であっても、脚部材20a,20bおよび壁固定部材21という共通の部材で筐体33を固定することで、荷重の伝達経路を輸送時と設置後とで同じにすることができるので、補強等のために別部品を設け、または別の補強構造に変更する必要がなく、蓄電装置1を簡素な構造にすることができる。
【0051】
壁固定部材21は、背面固定部211の長手方向の両端部に連なり、背面固定部211に対して垂直に屈曲した一対の脚部材固定部212,213であって、各2つの屈曲部20a2,20a3;20b2,20b3のうちセル積層体17の積層方向Dの外側に配置される一方の屈曲部20a2,20b3がそれぞれ固定される一対の脚部材固定部212a,213aを有する。
【0052】
蓄電装置1は、筐体33の背面部33aに対向する壁Wに固定される平板状の補強部材22を、さらに含んでいる。補強部材22は、壁Wの床F近傍の下端に略水平に配設された幅木13の上面に支持された状態で壁Wに複数箇所でねじ止めされて固定される。
【0053】
蓄電装置1は、セル積層体17に電気的に接続される電線であるケーブル23を、さらに含む。補強部材22は、ケーブル23を挿通するための電線用透孔24を有している。ケーブル23は、複数の金属製の芯線が合成樹脂等の絶縁材によって被覆された平行ケーブル線であってもよい。
【0054】
さらに蓄電装置1は、筐体33の背面部33aの上縁部分および背面部33aのセル積層体17の積層方向Dの両側の2つの側面部33b,33cに沿って延びる正面視で凹状の背後カバー部材25を、さらに含んでいる。
【0055】
補強部材22を貫通して壁Wに第1間隔ΔL1をあけて螺着された複数の第1ねじ部材26と、壁固定部材21を貫通して補強部材22に第1間隔ΔL1よりも大きい第2間隔ΔL2をあけて螺着された複数の第2ねじ部材27とを、さらに含んでいる。
【0056】
(効果)
蓄電装置1が地震によって上下方向Yおよび壁Wに垂直な前後方向Xに振動したときに、壁固定部材21が、上下方向Yに沿う方向から見て略コの字状に形成されているとともに、脚部材固定部212,213が上下方向Yおよび前後方向Xの振動方向に沿う面を有しているため、変形を生じくい。これにより固定強度が高められる。
【0057】
蓄電装置1の重量は、一般の戸建住宅で使用される蓄電容量3~6kWhのもので40kg~100kg程度あることから非常に重い。壁固定部材21は、設置対象の壁Wに垂直な脚部材固定部212,213を有することから、蓄電装置1を床Fに沿って壁Wに向けてスライドして移動させることで、蓄電装置1を壁固定金具にねじ止めする位置へ配置できる。住宅内の狭いスペースへ蓄電池を設置する際の施工性を高められる。
【0058】
補強部材22が、壁Wを補強するので、地震荷重が加わった際に壁Wに加わる負荷を低減して壁Wの破損を抑制することができる。補強部材22の外周側に第1ねじ部材26が配設されていることによって、第1ねじ部材26同士の第1間隔ΔL1を広くすることができ、壁Wに加わる負荷を分散しつつ、十分な数の第1ねじ部材26を打ち込めることから、蓄電装置1を壁Wへ強固に固定することができる。狭い範囲に密集して第1ねじ部材26を打つと、壁Wによる引抜強度が低下するとともに、壁Wの第1ねじ部材26間が多数のクサビを打ったのと同様に圧縮破壊の状態になるため、壁Wが破損しやすくなる。このような不具合が生じないように、第1間隔ΔL1は設定されている。
【0059】
壁Wにケーブル23を挿通させるために形成された電線用透孔24を補強部材22によって保護することができるので、施工時や地震時に壁Wの電線用透孔24がケーブル23に引っ張られて破損し、電線用透孔の周囲が欠損して広がることによる壁Wの破損を抑制し、壁Wを保護することができる。
【0060】
蓄電装置1の背面部33aやケーブル23をその周囲から遮蔽することによって、住人が掃除などの際に誤って蓄電装置1の背面を接触することによる感電事故を防止することができる。
【0061】
以上のように本実施形態によれば、十分な蓄電装置1に固定強度を得つつ、地震荷重などが加わった際に、壁Wに加わる負荷を抑制できる。特に木造住宅の場合、任意の位置に木ネジ等に第1ねじ部材26を打てることから、蓄電装置1の配置上の自由度を高めつつ、壁裏の柱や間柱2へ第1ねじ部材26によって補強部材22を固定することができる。これによって蓄電装置1を施工性良く強固に固定することができる。
【0062】
蓄電装置1は、前述のように、2つの脚部材20a,20bを介して床F上に配設され、各脚部材20a,20bは、壁固定部材21の脚部材固定部212,213がそれぞれねじ止めされるので、地震等の振動による蓄電装置1の慣性荷重は、各脚部材20a,20bを介して床Fに分散して伝えられるとともに、壁固定部材21および補強部材22を介して壁Wに分散して伝えられ、蓄電装置1に各脚部材20a,20bおよび各脚部材固定部212,213から過大な反力が蓄電装置1の収容ケース18に作用することが抑制されるので、収容ケース18内に収容されるセル積層体17に積層方向Dの両側から加圧手段19を介して大きな衝撃力が作用することが抑制される。
【0063】
セル積層体17に積層方向Dの両側から衝撃力が作用すると、セル積層体17を構成している複数の電池セル16に大きな圧縮力が作用することになる。各電池セルは、前述してように、発電要素14がセパレータを介してその両側から正極および負極によって挟まれた構成であるので、セル積層体17の積層方向Dの両側に位置する電池セル16に加圧手段19から局所的に高い圧縮力が作用することになる。
【0064】
電池セル16の主面を微視的にみると、微細な凹凸があり、電池セル16同士は、この凸部同士だけが接触しており、その接触面積は主面全体の面積よりもはるかに小さい。凸部同士の接触によって拘束具の加圧を支えていることから、上記の圧縮量によって、主面に加わる荷重がわずか数グラム変わっても、凸部では圧力が極めて高くなり、凸部が塑性変形を起こす。この現象により、あたかも砂の入った箱を揺すると、砂の見掛けの体積が減るように、電池セル16の積層方向Dの厚みが減少することから、加圧手段19による圧縮荷重が減少し、電池容量の減少を招くおそれがある。このような不具合を本実施形態に係る蓄電装置1は防止することができる。
【0065】
電池セル16は、内部抵抗等の抵抗の変動を抑制し、長期に渡って電池容量を保つために圧縮コイルばね等の加圧手段19により所定の圧縮荷重を加えられている。この圧縮荷重は、高すぎても低すぎても電池容量を損なうことから、一定の範囲に保つ必要がある。
【0066】
ところで、電池セル16の主面を微視的にみると、微細な凹凸があり、電池セル同士は、この凸部同士だけが接触しており、その接触面積は主面全体の面積よりもはるかに小さい。凸部同士の接触によって拘束具の加圧を支えていることから、加わる荷重がわずか数グラム変わっても凸部では圧力が極めて高くなり、凸部が塑性変形を起こす。この現象により、電池セル16群の積層方向Dの厚みが減少することから、加圧手段19による圧縮荷重が減少し、電池容量の減少を招くおそれがある。
【0067】
一方で蓄電装置1は、輸送中にパレットに固定され、設置されると屋内の壁W、屋外の基礎など様々な対象に固定される。蓄電装置1は、輸送中に輸送振動が作用し、設置後は地震などによる振動が作用する。この振動により、前述のように、電池セル16群の厚みが減少し、ばねの弾性回復力は、変位量に比例することから、セル積層体17の圧縮荷重が変化する可能性がある。
【0068】
蓄電装置1に加えられる振動の入力の経路が異なると、その経路の違いによって振動モードに異なりが生じて、電池セル16群の積層方向Dの厚みに影響を与えて、圧縮荷重の減少量が違ってくることから、蓄電装置1への振動のそれぞれの入力経路ごとに対応する制振対策の部材や構造が必要になる。
【0069】
(取付け方法について)
図10は、本開示の一実施形態の蓄電装置1の取付け手順を示すフローチャートである。図3図5をも参照して、蓄電装置1の取付け作業が開始されると、ステップS1で、取付け作業者は予め選定してある取付け位置の壁Wに、図3に示されるように補強部材22を第1ねじ部材26によって固定した後、壁固定部材21を第2ねじ部材27よって補強部材22および幅木13上に固定する。
【0070】
次に、ステップS2で、前カバー体29が外された電池モジュール1aを筐体33に収容した状態で壁固定部材21の直前に搬入される。筐体33の底面部33dには予め脚部材20a,20bがねじ止めによって固定されている。このような筐体33を、各脚部材固定部212,213の間を各脚部材固定部212,213に沿って壁Wに向かってスライド移動させ、図4に示されるように、脚部材20a,20bに脚部材固定部212,213をねじ止めして固定する。
【0071】
次に、ステップS3で、背後カバー部材25を電池モジュール1aの直上から電池モジュール1aと壁Wとの間の隙間へ差込み、リベット31によって背後カバー部材25を脚部材固定部212,213に固定した後、ステップS4で、図5に示されるように、電池モジュール1aに前カバー体29を装着して、蓄電装置1の取付け作業が完了する。
【0072】
上記のように蓄電装置1が脚部材20a,20bが接続された壁固定部材21によって壁Wおよび床Fに取付けられるので、少ない部品点数で蓄電装置1を強固に壁Wおよび床Fに容易に固定することができる。
【0073】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、また、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。上記各実施形態をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 蓄電装置
2 間柱
3 当て木
4 外壁パネル
5 防火パネル
6 スタッド
61 床面材
8 吸音材
9 コンクリート壁材
10 下地材
11 上張り面材
12 接合材
13 幅木
14 発電要素
15 包装体
16 電池セル
17 セル積層体
17a,17b 側面
18 収容ケース
181 前面部
182 背面部
183 上面部
184 底面部
185,186側面部
19 加圧手段
20a,20b 脚部材
20a1,20b1 基部
20a2,20a3;20b2,20b3 屈曲部
21 壁固定部材
211 背面固定部
22 補強部材
23 ケーブル
24 電線用透孔
25 背後カバー部材
26 第1ねじ部材
27 第2ねじ部材
29 前カバー体
30 電池モジュール
33 筐体
33a 背面部
33e 上面部
33d 底面部
33b,33c 側面部
D 積層方向
W;W1,W2 壁
F;F1,F2 床
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10