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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/262 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
E06B9/262
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021115286
(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公開番号】P2023011439
(43)【公開日】2023-01-24
【審査請求日】2024-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】前原 竜二
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 輝
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-111763(JP,A)
【文献】特開2012-180638(JP,A)
【文献】特開2020-33802(JP,A)
【文献】特許第4551161(JP,B1)
【文献】国際公開第2017/131012(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/262
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に連なって設けられた2つの遮蔽材のうち下方側の遮蔽材の下方に設けられた第1移動部材と、前記2つの遮蔽材のうち上方側の遮蔽材と前記下方側の遮蔽材との間に設けられた第2移動部材とを独立して昇降可能な電動遮蔽装置を制御する制御装置において、
前記制御装置は、前記第1及び第2移動部材を互いに異なる方向に駆動させることができる制御部
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第1及び第2移動部材が互いに異なる方向に駆動するための操作信号を受信可能な受信部を更に備え、
前記制御部は、前記受信部により受信される前記操作信号に基づいて、前記第1及び第2移動部材を互いに異なる方向に駆動させる
ことを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記受信部により前記操作信号として受信された第1及び第2移動部材を互いに異なる方向に一括駆動させる信号に基づいて、前記第1及び第2移動部材を互いに異なる方向に一括駆動させる
ことを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1及び第2移動部材のいずれか一方の移動部材が駆動されている際、前記受信部により前記操作信号として受信された前記一方の移動部材の移動方向と異なる方向に前記第1及び第2移動部材のいずれか他方の移動部材を駆動させる信号に基づいて、前記一方の移動部材の駆動を維持させ、前記他方の移動部材を前記一方の移動部材の移動方向と異なる方向に駆動させる
ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記受信部により前記操作信号として受信された前記第1及び第2移動部材を互いに接近するように駆動させる信号に基づいて、前記第1移動部材を上昇駆動させ、前記第2移動部材を下降駆動させる
ことを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記受信部により前記操作信号として受信された前記第1及び第2移動部材を互いに離間するように駆動させる信号に基づいて、前記第1移動部材を下降駆動させ、前記第2移動部材を上昇駆動させる
ことを特徴とする請求項2~請求項5のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項7】
一方が前記第1移動部材の上昇、他方が該第1移動部材の下降のための入力を受け付ける一対の第1入力部と、一方が前記第2移動部材の上昇、他方が該第2移動部材の下降のための入力を受け付ける一対の第2入力部とを含む複数の入力部が設けられ、前記複数の入力部のうちのいずれかの押下が所定時間以上である場合、前記複数の入力部のうちの2以上の入力部の同時押下がなされた場合、または前記複数の入力部に一括入力部が含まれており該一括入力部の押下がなされた場合、前記操作信号を、前記受信部に出力する入出力部
を更に備えることを特徴とする請求項2~請求項6のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1移動部材を上昇駆動させると共に、前記第2移動部材を下降駆動させる場合、前記第1移動部材と前記第2移動部材との距離が所定距離となるまで互いに接近するように駆動させる
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1移動部材を下降駆動させると共に、前記第2移動部材を上昇駆動させる場合、前記第1移動部材を下限位置にまで下降駆動させ、前記第2移動部材を上限位置にまで上昇駆動させる
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1及び第2移動部材が互いに異なる方向に駆動される場合、前記第1及び第2移動部材の少なくともいずれかの移動部材は、該移動部材の上限位置と下限位置との間に設定された停止位置において昇降駆動が停止される
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、電動遮蔽装置における遮蔽材の昇降制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上下方向に連ねた上部遮蔽材及び下部遮蔽材を同方向に昇降可能な電動遮蔽装置が知られている(特許文献1参照)。この電動遮蔽装置は、上部遮蔽材の上昇動作下で更なる上昇信号を受信すると下部遮蔽材も上昇動作を開始する。更に、電動遮蔽装置は、上部遮蔽材が上限位置に到達すると上部遮蔽材の上昇動作を停止し、下部遮蔽材が上部遮蔽材と所定範囲内で同位置となると下部遮蔽材の上昇動作を停止する。しかしながら、この電動遮蔽装置によれば、上部遮蔽材と下部遮蔽材との昇降動作が同方向となるものであり、上部遮蔽材と下部遮蔽材とが互いに異なる方向に同時に昇降動作することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-033802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上部遮蔽材と下部遮蔽材とを同時に異方向に昇降させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、上下に連なって設けられた2つの遮蔽材のうち下方側の遮蔽材の下方に設けられた第1移動部材と、前記2つの遮蔽材のうち上方側の遮蔽材と前記下方側の遮蔽材との間に設けられた第2移動部材とを独立して昇降可能な電動遮蔽装置を制御する制御装置において、前記制御装置は、前記第1及び第2移動部材を互いに異なる方向に駆動させることができる制御部を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上部遮蔽材と下部遮蔽材とを同時に異方向に昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る電動遮蔽装置の構成を示す正面図である。
図2】実施形態に係る電動遮蔽装置の構成を示す概略平面透視図である。
図3】第1の操作装置の構成を示す概略図である。
図4】第2の操作装置の構成を示す概略図である。
図5】制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】制御装置の動作を示すフローチャートである。
図8】一括制御処理の動作を示すフローチャートである。
図9】一括離間駆動を説明するための図である。
図10】一括離間駆動を説明するための図である。
図11】一括離間駆動を説明するための図である。
図12】一括接近駆動を説明するための図である。
図13】一括接近駆動を説明するための図である。
図14】一括接近駆動を説明するための図である。
図15】中間バー制御処理の動作を示すフローチャートである。
図16】ボトムレール制御処理の動作を示すフローチャートである。
図17】実施形態の変形例に係る一括離間駆動を説明するための図である。
図18】実施形態の変形例に係る一括離間駆動を説明するための図である。
図19】実施形態の変形例に係る一括離間駆動を説明するための図である。
図20】実施形態の変形例に係る一括接近駆動を説明するための図である。
図21】実施形態の変形例に係る一括接近駆動を説明するための図である。
図22】実施形態の変形例に係る一括接近駆動を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては、遮蔽材として、昇降可能な2種のスクリーンを備えるプリーツスクリーンに本発明を適用した電動遮蔽装置を例にとり説明を行う。なお、本実施形態においては、電動遮蔽装置が設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面と背面とからなる方向を前後方向、電動遮蔽装置の長手方向を左右方向と称して以後説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0009】
(全体構成) 本実施形態に係る電動遮蔽装置の全体構成について説明する。図1図2は、それぞれ、本実施形態に係る電動遮蔽装置の構成を示す正面図、概略平面透視図である。なお、図1においてはボトムレールが下端位置まで下降された状態にある電動遮蔽装置が示されており、そのヘッドボックスのみ内部が示されている。
【0010】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1は、ヘッドボックス2と、第1移動部材としてのボトムレール31と、紐状またはテープ状に形成された2本の昇降コード32と、下方側の遮蔽材(下部遮蔽材)としてのスクリーン33と、第2移動部材としての中間バー41と、紐状またはテープ状に形成された2本の調光コード42と、上方側の遮蔽材(上部遮蔽材)としてのスクリーン43とを備える。
【0011】
ヘッドボックス2は、内部に収容空間を画成する略直方体状に形成され、複数のブラケット21を介して不図示の窓枠等に固定される。ヘッドボックス2内には、第1駆動軸201Aと、2つの第1巻取ドラム202Aと、第1モータ203Aと、第2駆動軸201Bと、2つの第2巻取ドラム202Bと、第2モータ203Bと、電源部204と、制御装置3とが収容される。
【0012】
第1駆動軸201A、2つの第1巻取ドラム202A、第1モータ203Aは、ボトムレール31を昇降する第1駆動系を構成する。また、第2駆動軸201B、2つの第2巻取ドラム202B、第2モータ203Bは、中間バー41を昇降する第2駆動系を構成する。本実施形態において、第1駆動系は後方側に配され、第2駆動系は前方側に配され、第1駆動系と第2駆動系とが前後方向に互いに位置を異ならせて並設される。なお、ここでは第1巻取ドラム202A及び第2巻取ドラム202Bの数を各々2つとしたが、3つ以上設けられていてもよい。
【0013】
第1駆動軸201A、第2駆動軸201Bは、それぞれ、左右方向に延在する角柱状の部材であり、ヘッドボックス2内において軸心方向を左右方向に向けて、第1モータ203A、第2モータ203Bにより回転可能に軸支される。2つの第1巻取ドラム202Aは、それぞれ、第1駆動軸201Aと一体回転するように第1駆動軸201Aに貫通され、2つの昇降コード32のうち対応する昇降コード32の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。2つの第2巻取ドラム202Bは、それぞれ、第2駆動軸201Bと一体回転するように第2駆動軸201Bに貫通され、2つの調光コード42のうち対応する調光コード42の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。
【0014】
ボトムレール31は、2本の昇降コード32の他端が接続され、電動遮蔽装置1において最下端に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持されており、左右方向に長尺に形成された部材である。中間バー41は、2本の調光コード42の他端が接続され、上下方向においてヘッドボックス2とボトムレール31との間に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持されており、左右方向に長尺に形成された部材である。
【0015】
スクリーン33は、上端が中間バー41の下面に連結されるとともに下端がボトムレール31の上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の昇降コード32が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。スクリーン43は、上端がヘッドボックス2の下面に連結されるとともに下端が中間バー41の上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の調光コード42が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。
【0016】
第1モータ203Aは、第1駆動軸201Aを回転駆動することによって、ボトムレール31を昇降駆動する。第2モータ203Bは、第2駆動軸201Bを回転駆動することによって、中間バー41を昇降駆動する。第1モータ203A、第2モータ203Bのそれぞれには、回転量、回転方向、回転速度を検出可能なエンコーダが設けられる。電源部204は、ヘッドボックス2外部に導出されるコンセントプラグ205を介して得られた電力を第1モータ203A、第2モータ203B、制御装置3に供給する。制御装置3は、後に詳述するように、第1モータ203A及び第2モータ203Bの回転方向、回転速度を制御することにより、ボトムレール31、中間バー41の昇降制御を行う。
【0017】
(操作装置の構成)
操作装置の構成について説明する。図3図4は、それぞれ、第1、第2の操作装置の構成を示す概略図である。
【0018】
図3に示すように、第1の操作装置4Aは、電動遮蔽装置1、具体的には制御装置3と通信可能に有線接続または無線接続され、制御装置3に対して、ボトムレール31、中間バー41のそれぞれの昇降制御に関する動作の指示を示す制御信号(操作信号)を送信する。第1の操作装置4Aは、ボトムレール上昇スイッチ401、ボトムレール下降スイッチ402、全停止スイッチ403、中間バー上昇スイッチ411、中間バー下降スイッチ412を備える。
【0019】
ボトムレール上昇スイッチ401が押下された場合、ボトムレール31を上昇させる個別上昇信号が送信される。ボトムレール下降スイッチ402が押下された場合、ボトムレール31を下降させる個別下降信号が送信される。全停止スイッチ403が押下された場合、ボトムレール31及び中間バー41の昇降を停止させる全停止信号が送信される。中間バー上昇スイッチ411が押下された場合、中間バー41を上昇させる個別上昇信号が送信される。中間バー下降スイッチ412が押下された場合、中間バー41を下降させる個別下降信号が送信される。
【0020】
また、ボトムレール上昇スイッチ401が所定時間長押しされた場合、ボトムレール31及び中間バー41を互いに接近する接近方向に移動、つまりボトムレール31が上昇し、中間バー41が下降する一括接近信号が送信される。したがって一括接近信号は、ボトムレール31及び中間バー41を互いに異なる方向に一括駆動させる信号であり、且つボトムレール31及び中間バー41を互いに接近するように駆動させる信号であると言える。この一括接近信号は、ボトムレール上昇スイッチ401と中間バー下降スイッチ412とが同時または略同時に押下された場合に送信されても良く、長押しするスイッチの種類や複数スイッチの組み合わせは適宜設定可能である。また、別途設けられた専用の一括入力スイッチが押下された場合に送信されても良い。
【0021】
また、ボトムレール下降スイッチ402が所定時間長押しされた場合、ボトムレール31及び中間バー41を互いに離間する離間方向に移動、つまりボトムレール31が下降し、中間バー41が上昇する一括離間信号が送信される。したがって一括離間信号は、ボトムレール31及び中間バー41を互いに異なる方向に一括駆動させる信号であり、且つボトムレール31及び中間バー41を互いに離間するように駆動させる信号であると言える。この一括離間信号は、ボトムレール下降スイッチ402と中間バー上昇スイッチ411とが同時または略同時に押下された場合に送信されても良く、長押しするスイッチの種類や複数スイッチの組み合わせは適宜設定可能である。また、別途設けられた専用の一括入力スイッチが押下された場合に送信されても良い。以降の説明において、第1の操作装置4Aと第2の操作装置4Bとを区別せず、これらを操作装置4と総称する。
【0022】
なお、ここでは上述したスイッチ操作により一括接近信号や一括離間信号が送信されるものとしたが、必ずしもこのような例に限る必要はない。例えば制御装置3に接続されたコントロールユニット(不図示)が、上述したスイッチ操作を検知した場合に、スイッチ操作に応じてボトムレール31および中間バー41を互いに接近または離間するように昇降させると判定するようにしてもよい。
【0023】
図4に示すように、第2の操作装置4Bは、少なくとも1つ以上の電動遮蔽装置1に備えられる制御装置3と通信可能に有線接続または無線接続され、更に選択スイッチ群50を備える点が第1の操作装置4Aとは異なる。この選択スイッチ群50は、制御信号の送信手段として、特定の電動遮蔽装置1を個別に指定する8つのスイッチと、第2の操作装置4Bに接続された全ての電動遮蔽装置1を指定する1つのスイッチとを有する。
【0024】
なお、第1の操作装置4A、第2の操作装置4Bにより送信される上述の制御信号は、少なくとも1つ以上の電動遮蔽装置1と通信可能に接続された中央制御装置により送信されても良い。また、以降の説明において、第1の操作装置4Aと第2の操作装置4Bとを区別せず、これらを操作装置4と総称する。また、上述した各種の制御信号は、接点信号であってもよいし、コマンドであってもよい。
【0025】
(制御装置の構成)
制御装置のハードウェア構成及び機能構成について説明する。図5図6は、それぞれ、制御装置のハードウェア構成、機能構成を示すブロック図である。
【0026】
図5に示すように、制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ312と、入出力IF(Interface)313とをハードウェアとして備える。CPU311及びメモリ312は協働して各種機能を実行する。入出力IF313は、制御装置3と通信可能に接続される第1モータ203A、第2モータ203B、操作装置4とのデータの入出力を行う。
【0027】
図6に示すように、制御装置3は、信号受信部301と、状態判定部302と、昇降制御部303とを機能として備える。
【0028】
信号受信部301は、操作装置4により送信された制御信号を受信する。状態判定部302は、信号受信部301により受信された制御信号の制御対象と種別とを判定する。制御対象としては、ボトムレール31、中間バー41、または、ボトムレール31及び中間バー41が挙げられる。種別としては、ボトムレール31または中間バー41を対象とした個別上昇信号及び個別下降信号、ボトムレール31及び中間バー41を対象とした一括接近信号及び一括離間信号、全停止信号が挙げられる。なお、以降の説明においては、簡単のため、全停止信号については考慮しないものとする。また、状態判定部302は、ボトムレール31、中間バー41の駆動状態について判定する。
【0029】
昇降制御部303は、ボトムレール31及び中間バー41の昇降を制御する。ボトムレール31及び中間バー41を個別、同一方向、または互いに異なる方向に駆動させることができるものであり、ボトムレール31及び中間バー41を制御信号に基づく方向に昇降駆動するように第1モータ203A及び第2モータ203Bのいずれか、または双方を駆動させる。
【0030】
(制御装置の動作)
制御装置の動作について説明する。図7は、制御装置の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは一定周期で実行されるものとする。
【0031】
図7に示すように、まず、状態判定部302は、信号受信部301により制御信号が受信されたか否かを判定し(S101)、制御信号が受信されていないと判定された場合(S101,NO)、再度、状態判定部302は、信号受信部301により制御信号が受信されたか否かを判定する(S101)。
【0032】
一方、制御信号が受信された場合(S101,YES)、状態判定部302は、受信された制御信号が一括制御を示す一括制御信号であるか否かを判定する(S102)。ここでの一括制御信号とは、一括接近信号または一括離間信号である。
【0033】
受信された制御信号が一括制御信号である場合(S102,YES)、後述する一括制御処理が実行される(S103)。実行後、再度状態判定部302は、信号受信部301により制御信号が受信されたか否かを判定する(S101)。
【0034】
受信された制御信号が一括制御信号でない場合(S102,NO)、状態判定部302は、受信された制御信号が中間バー41の個別制御を示す中間バー制御信号であるか否かを判定する(S104)。ここでの中間バー制御信号とは、中間バー41を対象とした個別上昇信号や個別下降信号である。
【0035】
受信された制御信号が中間バー制御信号である場合(S104,YES)、後述する中間バー制御処理が実行される(S105)。実行後、再度状態判定部302は、信号受信部301により制御信号が受信されたか否かを判定する(S101)。
【0036】
一方、受信された制御信号が中間バー制御信号でない場合(S104,NO)、状態判定部302は、受信された制御信号がボトムレール31の個別制御を示すボトムレール制御信号であると判定し、後述するボトムレール制御処理が実行される(S106)。ここでのボトムレール制御信号とは、ボトムレール31を対象とした個別上昇信号や個別下降信号である。実行後、再度状態判定部302は、信号受信部301により制御信号が受信されたか否かを判定する(S101)。
【0037】
(一括制御処理)
一括制御処理について説明する。図8は、一括制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0038】
図8に示すように、まず、状態判定部302は、受信された制御信号の種別が一括離間信号であるか否かを判定する(S201)。
【0039】
受信された制御信号の種別が一括離間信号である場合(S201,YES)、状態判定部302は、ボトムレール31及び中間バー41がいずれも昇降駆動可能であるか否かを判定する(S202)。この判定では、ボトムレール31が第1下限位置より上方に位置し、且つ中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合にボトムレール31及び中間バー41いずれも昇降駆動可能であると判定する。第1下限位置は、ボトムレール31の昇降範囲における下端に位置し、第2上限位置は、中間バー41の昇降範囲における上端に位置する。
【0040】
これら第1下限位置及び第2上限位置は、電動遮蔽装置1の稼働に先立って予め設定されてもよいし、使用開始後に適宜設定されてもよい。なお、ここではボトムレール31の昇降範囲における下端をボトムレール31の物理的な限界下降位置とし、中間バー41の昇降範囲における上端を中間バー41の物理的な限界上昇位置としている。ここでの物理的な限界とは、第1及び第2巻取ドラム202A,202Bにおける、昇降コード32,調光コード42の巻取り及び巻解きの限界を示す。また、状態判定部302は、第1モータ203A、第2モータ203Bそれぞれのエンコーダの出力に基づいてボトムレール31、中間バー41の上下方向位置を判定している。
【0041】
ボトムレール31及び中間バー41がいずれも昇降駆動可能であると判定された場合(S202,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31及び中間バー41の一括離間駆動を開始し(S203)、本フローは終了となる。一括離間駆動は、ボトムレール31及び中間バー41が一括で、即ち略同時に互いに異なる方向に昇降駆動するものであり、ここではボトムレール31は第1下限位置まで下降駆動され、中間バー41は第2上限位置まで上昇駆動される。以下、図9図11を用いて一括離間駆動について説明する。
【0042】
図9図11は一括離間駆動を説明するための図である。図9に示すようにボトムレール31が第1下限位置になく、中間バー41が第2上限位置にない状態において、一括離間駆動がなされると、図10に示すようにボトムレール31が下降すると共に、中間バー41が上昇することとなる。この一括離間駆動が継続されると図11に示すようにボトムレール31は第1下限位置に到達し、中間バー41は第2上限位置に到達することとなる。したがって、それぞれを個別に昇降駆動する場合と比較して、スクリーン43を全て畳み込んだ状態と、スクリーン33を全て展開したスクリーン33による全閉状態とを極めて迅速に行うことができる。
【0043】
この一括離間駆動は、ボトムレール31が第1下限位置に到達し、中間バー41が第2上限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。
【0044】
図8に戻り、ステップS202において、ボトムレール31及び中間バー41のうち少なくとも一方が昇降駆動可能でないと判定された場合(S202,NO)、状態判定部302は、ボトムレール31及び中間バー41のいずれか一方が昇降駆動可能か否かを判定する(S204)。この判定では、ボトムレール31が第1下限位置より上方に位置する場合、または中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合にボトムレール31及び中間バー41のいずれか一方が昇降駆動可能であると判定する。
【0045】
ボトムレール31及び中間バー41のいずれか一方が昇降駆動可能である場合(S204,YES)、昇降制御部303は、昇降駆動可能である一方の昇降駆動を開始し(S205)、本フローは終了となる。例えば、ボトムレール31が第1下限位置に位置し、中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合、ボトムレール31は駆動されずに中間バー41のみが第2上限位置にまで上昇駆動される。
【0046】
一方、ボトムレール31及び中間バー41の双方が昇降駆動可能でない場合(S204,NO)、ボトムレール31が第1下限位置に位置し、中間バー41が第2上限位置に位置していると判定され、これらの昇降駆動がなされずに本フローは終了となる。
【0047】
ステップS201において、受信された制御信号の種別が一括離間信号でない場合(S201,NO)、状態判定部302は、受信された制御信号の種別が一括接近信号であると判定し、ボトムレール31及び中間バー41が互いに接近可能であるか否かを判定する(S206)。この判定では、ボトムレール31と中間バー41とが所定の接近限界距離以上離間し、ボトムレール31が第1上限位置より下方に位置し、さらに中間バー41が第2下限位置より上方に位置する場合に、ボトムレール31及び中間バー41が互いに接近可能であると判定する。第1上限位置は、ボトムレール31の昇降範囲における上端に位置し、第2下限位置は、中間バー41の昇降範囲における下端に位置する。
【0048】
これら第1上限位置及び第2下限位置は、電動遮蔽装置1の稼働に先立って予め設定されてもよいし、使用開始後に適宜設定されてもよい。なお、ここではボトムレール31の昇降範囲における上端をボトムレール31の物理的な限界上昇位置とし、中間バー41の昇降範囲における下端を中間バー41の物理的な限界下降位置としている。また、ここでの所定の接近限界距離とは、スクリーン33が最も畳み込まれた場合の畳み代に相当し、ボトムレール31と中間バー41とが最も接近した場合における距離であるものとする。
【0049】
ボトムレール31及び中間バー41が互いに接近可能であると判定された場合(S206,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31及び中間バー41の一括接近駆動を開始し(S207)、本フローは終了となる。一括接近駆動は、上述した一括離間駆動とは逆にボトムレール31及び中間バー41が一括で、即ち略同時に互いに接近する方向に昇降駆動するものであり、ボトムレール31と中間バー41との距離が接近限界距離となるまでボトムレール31が上昇駆動され、中間バー41が下降駆動される。以下、図12図14を用いて一括接近駆動について説明する。
【0050】
図12図14は一括接近駆動を説明するための図である。図12に示すようにボトムレール31が第1上限位置になく、中間バー41が第2下限位置になく、ボトムレール31及び中間バー41が接近限界距離以上離間している状態において、一括接近駆動がなされると、図13に示すようにボトムレール31が上昇すると共に、中間バー41が下降することとなる。ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまでこの一括接近駆動が継続されると、図14に示すようにボトムレール31と中間バー41との距離が接近限界距離Dとなり、それぞれの昇降駆動が停止される。したがって、それぞれを個別に昇降駆動する場合と比較して、スクリーン33の畳み込みと、スクリーン43の展開とを極めて迅速に行うことができる。
【0051】
この一括接近駆動は、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。また、ボトムレール31が第1上限位置に到達する、または中間バー41が第2下限位置に到達するなどしても、接近限界距離となるまで未到達の一方の昇降駆動が継続されてもよい。また、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで、状態判定部302により一定周期でボトムレール31と中間バー41との位置を判定することが好ましい。
【0052】
図8に戻り、ステップS206において、ボトムレール31及び中間バー41が互いに接近可能でないと判定された場合(S206,NO)、本フローは終了となる。なお、この判定において、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離以上離間しているが、ボトムレール31が第1上限位置にある場合は、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで中間バー41を下降駆動させてもよい。同様に、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離以上離間しているが、中間バー41が第2下限位置にある場合は、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまでボトムレール31を上昇駆動させてもよい。
【0053】
(中間バー制御処理)
中間バー制御処理について説明する。図15は、中間バー制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図15に示すように、まず、状態判定部302は、既に制御信号としてボトムレール31を対象とする個別上昇信号や個別下降信号が信号受信部301により受信されるなどしてボトムレール31が動作中であるか否かを判定する(S301)。
【0055】
ボトムレール31が動作中であると判定された場合(S301,YES)、状態判定部302は、ボトムレール31が上昇駆動されているか否かを判定する(S302)。
【0056】
ボトムレール31が上昇駆動されていると判定された場合(S302,YES)、状態判定部302は、受信された中間バー制御信号の種別が個別下降信号であるか否かを判定する(S303)。
【0057】
受信された中間バー制御信号の種別が個別下降信号であると判定された場合(S303,YES)、状態判定部302は、当該個別下降信号が、ボトムレール31の移動方向とは異なるように中間バー41を下降駆動させる信号であると判定し、中間バー41が下降駆動可能であるか否かを判定する(S304)。この判定では、中間バー41が第2下限位置より上方に位置し、且つボトムレール31の位置に対して接近限界距離以上上方に位置する場合、中間バー41が下降駆動可能であると判定する。
【0058】
中間バー41が下降駆動可能であると判定された場合(S304,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31の第1上限位置までの上昇駆動を維持しつつ、中間バー41の下降駆動を開始し(S305)、本フローは終了となる。なお、この下降駆動は、中間バー41が第2下限位置に到達するまで、またはボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。また、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで、状態判定部302により一定周期でボトムレール31と中間バー41との位置を判定することが好ましい。一方、中間バー41が下降駆動可能でないと判定された場合(S304,NO)本フローは終了となる。
【0059】
ステップS303において、受信された中間バー制御信号の種別が個別下降信号でないと判定された場合(S303,NO)、状態判定部302は、制御信号の種別が個別上昇信号であると判定し、中間バー41が上昇駆動可能であるか否かを判定する(S306)。この判定では、中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合、中間バー41が上昇駆動可能であると判定する。
【0060】
中間バー41が上昇駆動可能であると判定された場合(S306,YES)、昇降制御部303は、中間バー41の上昇駆動を開始し(S307)、本フローは終了となる。なお、この上昇駆動は、中間バー41が第2上限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、中間バー41が上昇駆動可能でないと判定された場合(S306,NO)、本フローは終了となる。
【0061】
ステップS302において、ボトムレール31が上昇駆動されていないと判定された場合(S302,NO)、状態判定部302は、ボトムレール31が下降駆動されていると判定し、受信された中間バー制御信号の種別が個別上昇信号であるか否かを判定する(S308)。
【0062】
受信された中間バー制御信号の種別が個別上昇信号であると判定された場合(S308,YES)、状態判定部302は、当該個別上昇信号が、ボトムレール31の移動方向とは異なるように中間バー41を上昇駆動させる信号であると判定し、中間バー41が上昇駆動可能であるか否かを判定する(S309)。この判定では、中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合、中間バー41が上昇駆動可能であると判定する。
【0063】
中間バー41が上昇駆動可能であると判定された場合(S309,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31の第1下限位置までの下降駆動を維持しつつ、中間バー41の上昇駆動を開始し(S310)、本フローは終了となる。なお、この上昇駆動は、中間バー41が第2上限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、中間バー41が上昇駆動可能でないと判定された場合(S309,NO)本フローは終了となる。
【0064】
ステップS308において、受信された中間バー制御信号の種別が個別上昇信号でないと判定された場合(S308,NO)、状態判定部302は、中間バー制御信号の種別が個別下降信号であると判定し、中間バー41が下降駆動可能であるか否かを判定する(S311)。この判定では、中間バー41が第2下限位置より上方に位置する場合、中間バー41が下降駆動可能であると判定する。
【0065】
中間バー41が下降駆動可能であると判定された場合(S311,YES)、昇降制御部303は、中間バー41の下降駆動を開始し(S312)、本フローは終了となる。なお、この下降駆動は、中間バー41が第2下限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、中間バー41が下降駆動可能でないと判定された場合(S311,NO)、本フローは終了となる。
【0066】
ステップS301において、ボトムレール31が動作中でないと判定された場合(S301,NO)、状態判定部302は、中間バー41が昇降駆動可能であるか否かを判定する(S313)。この判定は、中間バー制御信号の種別が個別上昇信号である時、中間バー41が第2上限位置より下方に位置する場合、または中間バー制御信号の種別が個別下降信号である時、中間バー41が第2下限位置より上方に位置し、且つボトムレール31の位置に対して接近限界距離以上上方に位置する場合、中間バー41が昇降駆動可能であると判定される。
【0067】
中間バー41が昇降駆動可能であると判定された場合(S313,YES)、昇降制御部303は、制御信号に基づいて中間バー41の昇降駆動を開始し(S314)、本フローは終了となる。なお、この昇降駆動は、中間バー41が上昇する場合は第2上限位置に到達するまで、下降する場合は第2下限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、中間バー41が昇降駆動可能でないと判定された場合(S313,NO)、本フローは終了となる。
【0068】
(ボトムレール制御処理)
ボトムレール制御処理について説明する。図16は、ボトムレール制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0069】
図16に示すように、まず、状態判定部302は、既に制御信号として中間バー41に対する個別上昇信号や個別下降信号が信号受信部301により受信されるなどして中間バー41が動作中であるか否かを判定する(S401)。
【0070】
中間バー41が動作中であると判定された場合(S401,YES)、状態判定部302は、中間バー41が下降駆動されているか否かを判定する(S402)。
【0071】
中間バー41が下降駆動されていると判定された場合(S402,YES)、状態判定部302は、受信されたボトムレール制御信号の種別が個別上昇信号であるか否かを判定する(S403)。
【0072】
受信されたボトムレール制御信号の種別が個別上昇信号であると判定された場合(S403,YES)、状態判定部302は、当該個別上昇信号が、中間バー41の移動方向とは異なるようにボトムレール31を上昇駆動させる信号であると判定し、ボトムレール31が上昇駆動可能であるか否かを判定する(S404)。この判定では、ボトムレール31が第1上限位置より下方に位置し、且つ中間バー41の位置に対して接近限界距離以上下方に位置する場合、ボトムレール31が上昇駆動可能であると判定する。
【0073】
ボトムレール31が上昇駆動可能であると判定された場合(S404,YES)、昇降制御部303は、中間バー41の第2下限位置までの下降駆動を維持しつつ、ボトムレール31の上昇駆動を開始し(S405)、本フローは終了となる。なお、この上昇駆動は、ボトムレール31が第1上限位置に到達するまで、またはボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。また、ボトムレール31と中間バー41とが接近限界距離となるまで、状態判定部302により一定周期でボトムレール31と中間バー41との位置を判定することが好ましい。一方、ボトムレール31が上昇駆動可能でないと判定された場合(S404,NO)本フローは終了となる。
【0074】
ステップS403において、受信されたボトムレール制御信号の種別が個別上昇信号でないと判定された場合(S403,NO)、状態判定部302は、ボトムレール制御信号の種別が個別下降信号であると判定し、ボトムレール31が下降駆動可能であるか否かを判定する(S406)。この判定では、ボトムレール31が第1下限位置より上方に位置する場合、ボトムレール31が下降駆動可能であると判定する。
【0075】
ボトムレール31が下降駆動可能であると判定された場合(S406,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31の下降駆動を開始し(S407)、本フローは終了となる。なお、この下降駆動は、ボトムレール31が第1下限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、ボトムレール31が下降駆動可能でないと判定された場合(S406,NO)、本フローは終了となる。
【0076】
ステップS402において、中間バー41が下降駆動されていないと判定された場合(S402,NO)、状態判定部302は、中間バー41が上昇駆動されていると判定し、受信されたボトムレール制御信号の種別が個別下降信号であるか否かを判定する(S408)。
【0077】
受信されたボトムレール制御信号の種別が個別下降信号であると判定された場合(S408,YES)、状態判定部302は、当該個別下降信号が、中間バー41の移動方向とは異なるようにボトムレール31を下降駆動させる信号であると判定し、ボトムレール31が下降駆動可能であるか否かを判定する(S409)。この判定では、ボトムレール31が第1下限位置より上方に位置する場合、ボトムレール31が下降駆動可能であると判定する。
【0078】
ボトムレール31が下降駆動可能であると判定された場合(S409,YES)、昇降制御部303は、中間バー41の第2上限位置までの上昇駆動を維持しつつ、ボトムレール31の下降駆動を開始し(S410)、本フローは終了となる。なお、この下降駆動は、ボトムレール31が第1下限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、ボトムレール31が下降駆動可能でないと判定された場合(S409,NO)本フローは終了となる。
【0079】
ステップS408において、受信されたボトムレール制御信号の種別が個別下降信号でないと判定された場合(S408,NO)、状態判定部302は、ボトムレール制御信号の種別が個別上昇信号であると判定し、ボトムレール31が上昇駆動可能であるか否かを判定する(S411)。この判定では、ボトムレール31が第1上限位置より下方に位置し、且つ中間バー41と接近限界距離以上離間している場合、ボトムレール31が上昇駆動可能であると判定する。
【0080】
ボトムレール31が上昇駆動可能であると判定された場合(S411,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール31の上昇駆動を開始し(S412)、本フローは終了となる。なお、この上昇駆動は、ボトムレール31が第1上限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、ボトムレール31が上昇駆動可能でないと判定された場合(S411,NO)、本フローは終了となる。
【0081】
ステップS401において、中間バー41が動作中でないと判定された場合(S401,NO)、状態判定部302は、ボトムレール31が昇降駆動可能であるか否かを判定する(S413)。この判定は、ボトムレール制御信号の種別が個別上昇信号である時、ボトムレール31が第1上限位置より下方に位置し、且つ中間バー41の位置に対して接近限界距離以上下方に位置する場合、またはボトムレール制御信号の種別が個別下降信号である時、ボトムレール31が第1下限位置より上方に位置する場合、ボトムレール31が昇降駆動可能であると判定される。
【0082】
ボトムレール31が昇降駆動可能であると判定された場合(S413,YES)、昇降制御部303は、ボトムレール制御信号に基づいてボトムレール31の昇降駆動を開始し(S414)、本フローは終了となる。なお、この昇降駆動は、ボトムレール31が上昇する場合は第1上限位置に到達するまで、下降する場合は第1下限位置に到達するまで継続されるが、ステップS101の処理において、異なる制御信号が受信されると停止されるようにしてもよい。一方、ボトムレール31が昇降駆動可能でないと判定された場合(S413,NO)、本フローは終了となる。
【0083】
(変形例)
本実施形態においては、ボトムレール31及び中間バー41における昇降駆動を、各昇降範囲の上端と下端である第1及び第2上限位置、第1及び第2下限位置に到達するまで継続させると説明したが、これに限定するものではない。それぞれの限界上昇位置と限界下降位置との間の中間位置を、プリセット位置(停止位置)として設定し、少なくともボトムレール31及び中間バー41が互いに異なる方向に昇降駆動される場合に、これらのいずれかが、プリセット位置に到達した時点で昇降駆動が停止されるようにしてもよい。
【0084】
図17図19は、本変形例に係る一括離間駆動を説明するための図であり、図20図22は、本変形例に係る一括接近駆動を説明するための図である。中間バー41の昇降範囲にプリセット位置が設定された場合に一括離間駆動が開始されると、ボトムレール31及び中間バー41は、先ず図17に示す状態から互いに離間する方向に昇降駆動する。図18に示すようにプリセット位置P1は限界上昇位置よりやや下方の位置となるため、先に中間バー41がプリセット位置P1で停止することとなる。一方、ボトムレール31は、限界下降位置である第1下限位置に到達していないため、図19に示すように継続して下降駆動することとなる。
【0085】
また、中間バー41の昇降範囲内にプリセット位置を設定すると共に、ボトムレール31の昇降範囲内にプリセット位置が設定された場合に一括接近駆動が開始されると、ボトムレール31及び中間バー41は、先ず図20に示す状態から互いに接近する方向に昇降駆動する。図21に示すように中間バー41のプリセット位置P1は、その限界上昇位置よりやや下方の位置であり、ボトムレール31のプリセット位置P2は、その下方近傍の位置となるため、先に中間バー41がプリセット位置P1で停止することとなる。一方、ボトムレール31は、図22に示すように遅れてプリセット位置P2で停止することとなる。なお、図22では、プリセット位置P1とプリセット位置P2との距離を接近限界距離Dにボトムレール31の厚みを加算した距離としている。
【0086】
以上に説明したように、本実施形態に係る電動遮蔽装置1によれば、ボトムレール31と中間バー41とを互いに異なる方向に昇降駆動させることができ、したがって上部遮蔽材であるスクリーン43と下部遮蔽材であるスクリーン33とを同時に異方向に昇降させることができる。例えばボトムレール31と中間バー41とを離間させる場合、スクリーン43が畳み込まれてスクリーン33が全て展開されたスクリーン33による全閉状態となる。スクリーン43が半透明生地、スクリーン33が不透明生地の場合には、窓等の開口部を迅速に遮蔽することができる。また、ボトムレール31と中間バー41とを接近させる場合、スクリーン33が畳み込まれた状態となる。そのため、スクリーン43を半透明生地にすれば眺望性を向上できると共に、ボトムレール31の下方から通風させる、日射熱を導入させるなど、利用シーン等において有利な形態を迅速にとることができる。これは、スクリーン43を不透明生地、スクリーン33を透明生地として外部から視線を遮蔽すると共に、ボトムレール31の下方から外光を採り込むシーン等においても同様である。
【0087】
また、本実施形態に係る電動遮蔽装置1によれば、ボトムレール31と中間バー41との異方向への離間または接近を一括操作で実現することができる。一括操作は第1の操作装置4Aや第2の操作装置4Bにおけるスイッチの押下時間や押下するスイッチの数等により行うことができるため、その操作は極めて簡単である。また、ボトムレール31及び中間バー41のいずれか一方が昇降駆動中であっても、当該昇降駆動を阻害することなく、いずれか他方を異方向に昇降駆動させることができる。そのため個別に昇降駆動させる場合と比較して所望形態となる時間を短縮することができる。
【0088】
また、ボトムレール31と中間バー41とが互いに接近する場合、予め設定された接近限界距離内で停止するため、双方が過度に接近することを防止することができる。また、プリセット位置を設定することにより任意の位置でボトムレール31と中間バー41とを停止させることができるため、使用方法や使用環境に適した所望の状態とすることができ、高い利便性を有する。
【0089】
また、本実施形態において、ボトムレール31および中間バー41は予め設定された略同一の速度で昇降するようにしてもよいし、異なる速度で昇降するようにしてもよい。後者の場合、例えばボトムレール31が第1上限位置に到達するタイミングと中間バー41が第2下限位置に到達するタイミングが略同一となるように速度差を設けるようにしてもよいし、ボトムレール31が第1下限位置に到達するタイミングと中間バー41が第2上限位置に到達するタイミングが略同一となるように速度差を設けるようにしてもよい。これにより、少なくとも何れか一方の昇降速度を減速させて消費電力を低減させるとともに動作音の静音化を実現することができたり、少なくとも何れか一方の昇降速度を増速させて昇降制御に掛かる時間を短縮させたりすることができる。
【0090】
なお、本実施形態において、2種のスクリーンを備えるプリーツスクリーンを電動遮蔽装置1としたが、上下方向に連なる2つの遮蔽材を備え、これらを電動で昇降可能なものであれば良い。このような電動遮蔽装置1としては、それぞれが複数のスラットを含み、上下方向に連なる2つのスラット群を備えるブラインドが挙げられる。
【0091】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0092】
1 電動遮蔽装置
3 制御装置
31 ボトムレール(第1移動部材)
33 スクリーン(下方側の遮蔽材)
301 信号受信部(受信部)
303 昇降制御部(制御部)
4A 第1の操作装置(入出力部)
4B 第2の操作装置(入出力部)
41 中間バー(第2移動部材)
44 スクリーン(上方側の遮蔽材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22