(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】粉体回収容器及びそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G03G21/12
(21)【出願番号】P 2021142536
(22)【出願日】2021-09-01
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 聡志
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-014008(JP,A)
【文献】特開2019-082642(JP,A)
【文献】特開2012-185466(JP,A)
【文献】特開2019-184985(JP,A)
【文献】特開2010-032656(JP,A)
【文献】特開2019-113639(JP,A)
【文献】特開2013-228544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0161272(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0082192(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
15/08
15/095
21/00
21/04
21/10-21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出口を開閉するシャッター部材が設けられた粉体排出部を有する粉体排出装置の前記排出口から排出される粉体を収容する粉体回収容器であって、
前記シャッター部材と当接することで前記粉体排出装置の前記排出口が開放する第1位置と、前記シャッター部材と当接しないことで前記粉体排出装置の前記排出口が開放しない第2位置との間で移動可能な移動部材
と、
前記移動部材を前記第1位置側へ付勢する第2付勢部材と、
を備え
、
前記移動部材は、前記第2付勢部材の付勢力により前記第1位置側へ付勢された状態で所定の移動方向に移動自在に粉体回収容器本体に設けられていることを特徴とする粉体回収容器。
【請求項2】
請求項
1に記載の粉体回収容器であって、
前記粉体回収容器本体には、前記移動部材の前記第1位置での前記移動方向における前記第2位置側への移動を規制する規制部が設けられ、
前記移動部材には、前記規制部に対して解除可能に規制される被規制部が設けられていることを特徴とする粉体回収容器。
【請求項3】
請求項
1又は請求項
2に記載の粉体回収容器であって、
前記粉体回収容器本体に対して着脱自在なストッパー部材をさらに備え、
前記ストッパー部材は、前記粉体回収容器本体に装着された状態では前記第2付勢部材の付勢力による前記移動部材の前記第1位置への移動を規制する一方、前記粉体回収容器本体から離脱されると、前記第2付勢部材の付勢力による前記移動部材の前記第1位置への移動を許容することを特徴とする粉体回収容器。
【請求項4】
請求項
3に記載の粉体回収容器であって、
前記粉体回収容器本体には、前記移動部材側に突出した突出部が設けられ、
前記移動部材には、前記移動部材が前記第2位置に位置しているときに前記移動方向における前記第1位置側に隣接する貫通孔が設けられ、
前記ストッパー部材は、前記移動部材が前記第2位置に位置しているときに前記貫通孔に着脱自在に挿通されて前記突出部と当接することにより前記移動部材の前記第1位置への移動を規制することを特徴とする粉体回収容器。
【請求項5】
請求項
3又は請求項
4に記載の粉体回収容器であって、
前記ストッパー部材には長尺なシートが設けられていることを特徴とする粉体回収容器。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までの何れか1つに記載の粉体回収容器であって、
前記粉体排出部は、廃トナーを排出する廃トナー排出部と、廃現像剤を排出する廃現像剤排出部とのうちの少なくとも一方であることを特徴とする粉体回収容器。
【請求項7】
請求項
6に記載の粉体回収容器であって、
前記廃トナー排出部及び前記廃現像剤排出部は、それぞれ複数設けられ、
前記移動部材は、前記第1位置に位置しているときには複数の前記廃トナー排出部及び複数の前記廃現像剤排出部のうちの少なくとも一方における前記シャッター部材とすべて当接することで前記排出口が何れも開放し、前記第2位置に位置しているときには前記シャッター部材とすべて当接しないことで前記排出口が何れも開放しないことを特徴とする粉体回収容器。
【請求項8】
排出口を開閉するシャッター部材が設けられた粉体排出部を有する粉体排出装置の前記排出口から排出される粉体を収容する粉体回収容器であって、
前記シャッター部材と当接することで前記粉体排出装置の前記排出口が開放する第1位置と、前記シャッター部材と当接しないことで前記粉体排出装置の前記排出口が開放しない第2位置との間で移動可能な移動部材を備え、
前記粉体排出部は、廃トナーを排出する廃トナー排出部と、廃現像剤を排出する廃現像剤排出部とのうちの少なくとも一方であり、
前記廃トナー排出部及び前記廃現像剤排出部は、それぞれ複数設けられ、
前記移動部材は、前記第1位置に位置しているときには複数の前記廃トナー排出部及び複数の前記廃現像剤排出部のうちの少なくとも一方における前記シャッター部材とすべて当接することで前記排出口が何れも開放し、前記第2位置に位置しているときには前記シャッター部材とすべて当接しないことで前記排出口が何れも開放しないことを特徴とする粉体回収容器。
【請求項9】
請求項1
から請求項8までの何れか1つに記載の粉体回収容器であって、
前記シャッター部材は、所定の開閉方向に移動自在に粉体排出部本体に設けられ、
前記粉体排出部には、前記シャッター部材を閉じ側へ付勢する第1付勢部材が設けられ、
前記移動部材は、前記第1位置に位置しているときには、前記シャッター部材と当接して前記シャッター部材を前記第1付勢部材による前記シャッター部材の前記閉じ側への付勢力に抗して開放側へ移動させる一方、前記第2位置に位置しているときには、前記シャッター部材とは当接せずに前記シャッター部材の前記第1付勢部材による閉じ状態を維持することを特徴とする粉体回収容器。
【請求項10】
請求項1から請求項
9までの何れか1つに記載の粉体回収容器であって、
前記粉体排出装置を備えた画像形成装置に備えられ、画像形成装置本体に着脱可能に設けられることを特徴とする粉体回収容器。
【請求項11】
請求項1から請求項10までの何れか1つに記載の粉体回収容器を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置であって、
前記移動部材が前記第1位置及び/又は前記第2位置に位置しているか否かを検知する検知部を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体回収容器及びそれを備えた複写機、複合機、プリンター装置及びファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体排出部の排出口から排出される粉体を収容する粉体回収容器は、例えば、画像形成装置に備えられ、画像形成装置本体に着脱可能に設けられる。
【0003】
画像形成装置に備えられる粉体回収容器は、例えば、粉体排出装置として作用するクリーニング装置から排出された廃トナー、及び/又は、粉体排出装置として作用する現像装置(いわゆるトリクル現像方式の現像装置)の現像槽における廃現像剤を現像装置から排出する。ここで、クリーニング装置は、中間転写ベルト等の中間転写体もしくは記録用紙等の記録シートに転写されずに残った感光体ドラム等の像担持体上の廃トナー或いは記録シートに転写されずに残った中間転写体上の廃トナーを回収して粉体回収容器に排出する。また、トリクル現像方式の現像装置は、トナーが新しいキャリアと共に現像槽に供給される一方、劣化したキャリアを含む廃現像剤を現像槽から粉体回収容器に排出する。
【0004】
粉体排出装置の粉体排出部には、例えば、排出口を開閉するシャッター部材が設けられることがある。この場合、粉体回収容器は、例えば、画像形成装置本体に装着されたときに、粉体排出部のシャッター部材を開放し、動作中の搬送部材(回転される搬送スクリュー)によって搬送されて粉体排出部のシャッター部材が開放された状態で排出口から排出される粉体を収容する(例えば特許文献1参照)。
【0005】
このような粉体回収容器は、画像形成装置を輸送するときに(例えば工場から出荷するときや設置後に移動させるときに)、梱包形態を最小化するという観点から、粉体回収容器を画像形成装置本体に装着したまま輸送することがある。この場合、粉体排出装置は、輸送中の振動や衝撃によって粉体排出装置における粉体が動作停止中の搬送部材(回転停止中の搬送スクリュー)の隙間を通って排出口から粉体回収容器に流出することがある。従来は、粉体排出部の排出口に輸送用の流出防止シートを装着して粉体排出部の排出口を流出防止シートで封止することにより粉体の粉体回収容器への流出を防止していた。しかし、輸送中に粉体の流出を回避するために行う作業の作業性が悪く、また、流出防止シートの排出口への装着の仕方によっては、排出口を十分に封止できずに輸送中の振動や衝撃によって粉体が排出口から粉体回収容器に流出することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、輸送中の振動や衝撃によって粉体が排出口から粉体回収容器に流出することを効果的に防止することができると共に輸送中に粉体の流出を回避するために行う作業の作業性を向上させることができる粉体回収容器及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、次の第1態様及び第2態様の粉体回収容器及び画像形成装置を提供する。
【0009】
(1-1)第1態様の粉体回収容器
本発明に係る第1態様の粉体回収容器は、排出口を開閉するシャッター部材が設けられた粉体排出部を有する粉体排出装置の前記排出口から排出される粉体を収容する粉体回収容器であって、前記シャッター部材と当接することで前記粉体排出装置の前記排出口が開放する第1位置と、前記シャッター部材と当接しないことで前記粉体排出装置の前記排出口が開放しない第2位置との間で移動可能な移動部材と、前記移動部材を前記第1位置側へ付勢する第2付勢部材と、を備え、前記移動部材は、前記第2付勢部材の付勢力により前記第1位置側へ付勢された状態で所定の移動方向に移動自在に粉体回収容器本体に設けられていることを特徴とする。
(1-2)第2態様の粉体回収容器
本発明に係る第2態様の粉体回収容器は、排出口を開閉するシャッター部材が設けられた粉体排出部を有する粉体排出装置の前記排出口から排出される粉体を収容する粉体回収容器であって、前記シャッター部材と当接することで前記粉体排出装置の前記排出口が開放する第1位置と、前記シャッター部材と当接しないことで前記粉体排出装置の前記排出口が開放しない第2位置との間で移動可能な移動部材を備え、前記粉体排出部は、廃トナーを排出する廃トナー排出部と、廃現像剤を排出する廃現像剤排出部とのうちの少なくとも一方であり、前記廃トナー排出部及び前記廃現像剤排出部は、それぞれ複数設けられ、前記移動部材は、前記第1位置に位置しているときには複数の前記廃トナー排出部及び複数の前記廃現像剤排出部のうちの少なくとも一方における前記シャッター部材とすべて当接することで前記排出口が何れも開放し、前記第2位置に位置しているときには前記シャッター部材とすべて当接しないことで前記排出口が何れも開放しないことを特徴とする。
【0010】
(2)画像形成装置
本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る第1態様又は第2態様の粉体回収容器を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、輸送中の振動や衝撃によって粉体が排出口から粉体回収容器に流出することを効果的に防止することができると共に輸送中に粉体の流出を回避するために行う作業の作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る画像形成装置を正面から視た概略断面図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置において開閉扉を取り外して粉体回収容器を離脱した様子を正面側の斜め上方から視た分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す粉体回収容器を背面側の斜め上方から視た斜視図である。
【
図4】
図3に示す粉体回収容器から移動部材を取り外した様子を示す分解斜視図である。
【
図5A】シャッター部材により排出口が開放していない状態の斜視図である。
【
図5B】シャッター部材により排出口が開放していない状態の一部断面を含む底面図である。
【
図6A】シャッター部材により排出口が開放している状態の斜視図である。
【
図6B】シャッター部材により排出口が開放している状態の一部断面を含む底面図である。
【
図7】
図6Bに示すA-A線に沿った断面図である。
【
図8A】現像装置の粉体排出部における被当接部と粉体回収容器の当接部との当接部分において移動部材の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図9A】
図3に示す粉体回収容器において第1位置に位置する移動部材の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図9B】
図3に示す粉体回収容器において第2位置に位置する移動部材の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図10】
図9Bに示す状態においてストッパー部材が貫通孔に挿入される様子を示す斜視図である。
【
図11】粉体回収容器において貫通孔に挿入されたストッパー部材にシートが設けられている様子を示す斜視図である。
【
図12】粉体回収容器の移動部材における被検知部及び被検知部を検知する検知部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
[画像形成装置]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100を正面から視た概略断面図である。また、
図2は、
図1に示す画像形成装置100において開閉扉を取り外して粉体回収容器300を離脱した様子を正面側の斜め上方から視た分解斜視図である。図において、符号Xは左右方向を、符号Yは奥行方向を、符号Zは上下方向(鉛直方向)をそれぞれ表している。
【0015】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、用紙等の記録シートPに対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置90により読み取られた画像データ、又は、外部から伝達された画像データに応じて、画像形成処理を行う。なお、画像形成装置100は、他の形態のカラー画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置であってもよい。
【0016】
画像形成装置100は、原稿読取装置90と、画像形成装置本体110とを備えている。画像形成装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
【0017】
画像形成部102は、露光装置1(露光ユニット)、複数の現像装置2BK,2C,2M,2Y(現像ユニット)、像担持体として作用する複数の感光体ドラム3~3、複数のクリーニング装置4BK,4C,4M,4Y(感光体クリーニングユニット)、複数の帯電装置5~5、中間転写ベルト装置6、クリーニング装置4T(ベルトクリーニングユニット)、複数のトナーカートリッジ15~15及び定着装置7(定着ユニット)を備えている。また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、排出ローラ31及び排出トレイ14を備えている。ここで、BK,C,M,Yは、それぞれ、黒色、シアン、マゼンタ、イエローを意味する。中間転写ベルト装置6は、複数の中間転写ローラ65~65及び中間転写ベルト61を備えている。中間転写ローラ65~65は、中間転写ベルト61の内側に設けられている。中間転写ベルト61は、所定の周回移動方向Rに周回移動する。中間転写ローラ65~65は、感光体ドラム3~3の表面に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61の周回移動に伴い従動回転しつつ中間転写ベルト61に重ねて転写する。
【0018】
画像形成装置本体110の上部には、図示しない原稿の画像を読み取るための原稿読取装置90が設けられている。原稿読取装置90は、原稿の画像を読み取るものであり、原稿搬送部90aと、原稿読取部90bとを備えている。原稿読取装置90は、原稿搬送部90aにて原稿を搬送しつつ原稿の画像を原稿読取部90bで読み取るか、又は、原稿読取部90bの原稿台上に載置された原稿を原稿読取部90bでスキャンして読み取る。原稿読取装置90で読み取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置本体110に送られ、記録シートP上に画像が記録される。
【0019】
画像形成装置本体110にはシート搬送路W1が設けられている。シート供給部11aは、記録シートPをシート搬送路W1に供給する。シート搬送路W1は、記録シートPを2次転写装置10の転写ローラ10a及び定着装置7を経て排出トレイ14に導く。定着装置7は、記録シートP上に形成されたトナー像を記録シートPに加熱定着する。シート搬送路W1の近傍には、シート供給部11a、複数の搬送ローラ12a~12a、レジストローラ13、転写ローラ10a、定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配設されている。
【0020】
画像形成装置100では、給紙トレイ81からシート供給部11aにて供給された記録シートPは搬送ローラ12a~12aを経てレジストローラ13まで搬送される。次に、記録シートPはレジストローラ13により記録シートPと中間転写ベルト61上のトナー像とを整合するタイミングで転写ローラ10aに搬送され、転写ローラ10aによりトナー像が記録シートP上に転写される。その後、記録シートPは定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72に通過し、搬送ローラ12a,12a及び排出ローラ31を経て排出トレイ14上に排出される。記録シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録シートPは排出ローラ31から反転シート搬送路W2へ逆方向に搬送される。記録シートPは反転搬送ローラ12b~12bを経て記録シートPの表裏を反転してレジストローラ13へ再度導かれる。そして、記録シートPは、表面と同様にして、裏面にトナー像が形成されて定着された後、排出トレイ14へ向けて排出される。
【0021】
現像装置2BK,2C,2M,2Yは、トナー及びキャリアを主成分とする2成分現像剤により感光体ドラム3~3上の静電潜像を現像する。この例では、現像装置2BK,2C,2M,2Yは、トリクル現像方式の現像装置である。トナーカートリッジ15~15にはキャリアがトナーに対して一定の比率で混合されている。現像装置2BK,2C,2M,2Yは、トナーカートリッジ15~15からトナーが新しいキャリアと共に現像槽2a~2aに供給される一方、劣化したキャリアを含む廃現像剤を現像槽2a~2aから粉体回収容器300に排出する。
【0022】
クリーニング装置4BK,4C,4M,4Yは、中間転写ローラ65~65にて中間転写ベルト61に転写されずに感光体ドラム3~3上に残った廃トナーを収集し、粉体回収容器300に搬送する。クリーニング装置4Tは、2次転写装置10の転写ローラ10aにて記録シートPに転写されずに中間転写ベルト61上に残った廃トナーを収集し、粉体回収容器300に搬送する。
【0023】
すなわち、現像装置2BK,2C,2M,2Y及びクリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4Tは、粉体排出装置として作用する。
【0024】
(粉体回収容器)
次に、本実施の形態に係る粉体回収容器300について
図3から
図12を参照しながら以下に詳しく説明する。
【0025】
図3は、
図2に示す粉体回収容器300を背面側の斜め上方から視た斜視図である。
図4は、
図3に示す粉体回収容器300から移動部材310を取り外した様子を示す分解斜視図である。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、シャッター部材211により排出口21aが開放していない状態の斜視図及び一部断面を含む底面図である。
図6A及び
図6Bは、それぞれ、シャッター部材211により排出口21aが開放している状態の斜視図及び一部断面を含む底面図である。なお、
図5A及び
図6Aにおいて粉体回収容器300は図示を省略している。
【0026】
図7は、
図6Bに示すA-A線に沿った断面図である。
図8Aは、現像装置2Cの粉体排出部(21)における被当接部211aと粉体回収容器300の当接部311との当接部分において移動部材310の一部を切り欠いて示す斜視図である。
図8Bは、
図8Aに示すα枠部分を拡大して示す斜視図である。
図8A及び
図8Bにおいて、シアン用の現像装置2Cに対応する構成を示しているが、他の現像装置2BK,2M,2Yに対応する構成も同じ構成であり、シアン用の現像装置2Cに代表させて示している。
【0027】
画像形成装置100では、トナーカートリッジ15~15から供給されるトナーにより画像形成部102で画像を形成(印刷)する一方、画像形成部102から排出される粉体(廃トナー及び/又は廃現像剤、この例では廃トナー及び廃現像剤)を粉体回収容器300に回収する。
【0028】
粉体回収容器300は、画像形成装置100に対して図中矢印の方向(Y2方向)に取り付けられる。詳しくは、粉体回収容器300は、
図2に示すように、画像形成装置本体110において奥行方向Yの一方側Y1(この例では正面側、操作側)に設けられている。具体的には、粉体回収容器300は、画像形成装置本体110に対して奥行方向Yの一方側Y1(この例では正面側)に取り外され、正面側から奥行方向Yの他方側Y2(この例では背面側)に向けて装着されて画像形成装置本体110の前面に取り付けられる。
【0029】
粉体回収容器300は、画像形成装置本体110から排出される粉体F(
図7参照)を収容する。詳しくは、粉体回収容器300は、クリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4Tから送られてきた廃トナー、並びに、現像装置2BK,2C,2M,2Yから送られてきた廃現像剤を収容する。現像装置2BK,2C,2M,2Y(粉体排出装置の一例)は、粉体(廃現像剤)が排出される粉体排出部(廃現像剤排出部21~21)を備えている。
【0030】
粉体回収容器300には、粉体Fの受入れ口302~302,304~304が設けられている。受入れ口302~302は、現像装置2BK,2C,2M,2Yから送られてきた廃現像剤をそれぞれ受け入れるための開口である。受入れ口302~302は、粉体回収容器300が画像形成装置本体110に装着された状態で現像装置2BK,2C,2M,2Yの排出口21aとそれぞれ連通する(
図7参照)。受入れ口304~304は、クリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4Tから送られてきた廃トナーをそれぞれ受け入れるための開口である。受入れ口304~304は、粉体回収容器300が画像形成装置本体110に装着された状態でクリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4Tの排出口とそれぞれ連通する。
【0031】
粉体回収容器300は、粉体回収室として廃現像剤回収室300a及び廃トナー回収室300bを備えている(
図7参照)。廃現像剤回収室300aは、奥行方向Yの他方側Y2(この例では背面側)に設けられている。廃現像剤回収室300aは、現像装置2BK,2C,2M,2Yから送られてきた廃現像剤をそれぞれ受入れ口302~302を介して収容する。廃トナー回収室300bは、奥行方向Yの一方側Y1(この例では正面側、操作側)に設けられている。廃トナー回収室300bは、クリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4Tから送られてきた廃トナーをそれぞれ受入れ口304~304を介して収容する。
【0032】
現像装置2BK,2C,2M,2Yでは、粉体回収容器300が画像形成装置本体110に装着される前は、
図5A及び
図5Bに示すように、巻ばね等の第1付勢部材22の付勢力によって付勢されたシャッター部材211により粉体排出部(21)の排出口21aは開放していない(閉じている)。一方、粉体回収容器300が画像形成装置本体110に装着されると、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、シャッター部材211に設けられた被当接部211aが粉体回収容器300の移動部材310に設けられた当接部311に当接することでシャッター部材211が第1付勢部材22の付勢力に抗して開放側に移動する。これにより、回転される搬送スクリュー23(
図7参照)によって搬送されて排出口21aから排出された粉体Fは、粉体回収容器300の受入れ口302を通じて粉体回収容器300の廃現像剤回収室300a内に落下する。
【0033】
詳しくは、シャッター部材211は、粉体排出部(21)に対して粉体回収容器300の着脱方向S(この例では奥行方向Y)に受入れ口302の開放位置と閉塞位置との間で移動自在に設けられている。シャッター部材211の移動部材310における当接部311側には当接部311に当接される被当接部211aが設けられている。第1付勢部材22は、シャッター部材211を閉塞位置側に向けて付勢するようにシャッター部材211と粉体排出部(21)との間に設けられている。
【0034】
本実施の形態に係る粉体回収容器300は、排出口21aを開閉するシャッター部材211が設けられた粉体排出部(21)を有する粉体排出装置(この例では現像装置2BK,2C,2M,2Y)の排出口21aから排出される粉体Fを収容する。粉体回収容器300は、移動部材310を備えている。移動部材310は、シャッター部材211と当接することで粉体排出装置(2BK,2C,2M,2Y)の排出口21aが開放する第1位置と、シャッター部材211と当接しないことで粉体排出装置(2BK,2C,2M,2Y)の排出口21aが開放しない第2位置との間で移動可能とされている。
【0035】
本実施の形態によれば、移動部材310(当接部311)が第1位置に位置しているときに、シャッター部材211(被当接部211a)と当接することで排出口21aが開放する。また、移動部材310(当接部311)が第2位置に位置しているときに、シャッター部材211(被当接部211a)と当接しないことで排出口21aが開放しない。
【0036】
例えば、画像形成装置100を輸送するときに、移動部材310を第2位置に位置させておくことができる。これにより、粉体回収容器300を画像形成装置本体110に装着したままでも、シャッター部材211により排出口21aを開放していないので、たとえ輸送中に粉体排出装置(2BK,2C,2M,2Y)に対して振動が発生したり、及び/又は、衝撃が発生したりしても、粉体排出装置(2BK,2C,2M,2Y)における粉体Fが動作停止中の搬送部材(回転停止中の搬送スクリュー23)の隙間を通って排出口21aから粉体回収容器300に流出することを確実に防止することができる。
【0037】
一方、画像形成装置100の設置時には移動部材310を第1位置に位置させておくことができる。このとき、シャッター部材211により排出口21aを開放しているので、動作中の搬送部材(回転される搬送スクリュー23)によって搬送されて粉体排出部(21)のシャッター部材211が開放された状態で排出口21aから排出される粉体Fを粉体回収容器300に収容することができる。しかも、移動部材310を第2位置又は第1位置に移動させるといった簡単な作業でシャッター部材211により排出口21aが開放している状態と開放していない状態とを実現させることができ、従って、輸送中に粉体Fの流出を回避するために行う作業の作業性を向上させることができる。
【0038】
本実施の形態において、シャッター部材211は、所定の開閉方向に移動自在に粉体排出部本体201に設けられている。粉体排出部(21)には、シャッター部材211を閉じ側へ付勢する第1付勢部材22(
図5B、
図6B参照)が設けられている。移動部材310は、第1位置に位置しているときには(
図5A、
図5B、
図8A、
図8B参照)、シャッター部材211と当接してシャッター部材211を第1付勢部材22によるシャッター部材211の閉じ側への付勢力に抗して開放側へ移動させる。一方、移動部材310は、第2位置に位置しているときには(後述する
図10参照)、シャッター部材211とは当接せずにシャッター部材211の第1付勢部材22による閉じ状態を維持する。
【0039】
こうすることで、粉体排出部本体201に移動自在に設けられたシャッター部材211を第1付勢部材22により閉じ側へ付勢した状態とすることができる。これにより、移動部材310が第1位置に位置しているときにシャッター部材211と当接することで排出口21aが開放する状態と、移動部材310が第2位置に位置しているときにシャッター部材211と当接しないことで排出口21aが開放しない状態とを容易に実現させることができる。
【0040】
ところで、画像形成装置100の設置後に、移動部材310が第2位置に移動してしまうと、シャッター部材211と当接しないことで排出口21aが開放しない状態となる。そうすると、粉体Fを粉体回収容器300に排出できないことになる。
【0041】
この点、本実施の形態に係る粉体回収容器300は、移動部材310を第1位置側へ付勢する第2付勢部材320(
図4、
図8A、
図8B参照)をさらに備えている。移動部材310は、第2付勢部材320の付勢力により第1位置側へ付勢された状態で所定の移動方向M(この例では左右方向X)に移動自在に粉体回収容器本体301に設けられている。
【0042】
こうすることで、第2付勢部材320の付勢力により移動部材310を第1位置に位置させる状態を維持させることができる。従って、画像形成装置100の設置後に、移動部材310が第2位置に移動することを効果的に防止することができ、シャッター部材211と当接することで排出口21aを確実に開放している状態とすることができる。これにより、粉体Fを粉体回収容器300に確実に排出することができる。
【0043】
詳しくは、移動部材310には、固定部材SCを挿通する移動方向Mに沿った複数の貫通長孔310a,310a(
図3、
図4、
図8A、
図8B参照)が設けられている。粉体回収容器本体301には、移動方向Mに並設された4つの固定部3011~3011のうち両端部の固定部3011,3011が貫通長孔310a,310aのピッチで設けられている。固定部3011~3011は、粉体回収容器本体301から画像形成装置本体110側に突出している。移動部材310は、粉体回収容器本体301の両端部の固定部3011,3011が貫通長孔310a,310aに挿通された状態で固定部材SC~SCが固定部3011,3011に固定される。これにより、移動部材310は、粉体回収容器本体301に対して移動方向Mに沿って往復移動することができる。この例では、貫通長孔310a,310aは、雄螺子SCa(
図4参照)を有し、両端部の固定部3011,3011には、貫通長孔310a,310aの雄螺子SCaに螺合する雌螺子3011a(
図4参照)が設けられている。
【0044】
また、
図8Bに示すように、移動部材310の移動方向Mにおける第2位置側M2の端部には、第2付勢部材320の一端部321と当接する当接部310bと、第2付勢部材320を覆うカバー部310cが設けられている。粉体回収容器本体301には、第2付勢部材320の他端部322と当接する当接部301aが設けられている。当接部301aは、粉体回収容器本体301から画像形成装置本体110側に突出している。当接部310b及び当接部301aは、それぞれ、上下方向Z及び着脱方向Sの双方に沿った当接面310b1,301a1を有している。カバー部310cは、粉体回収容器本体301の当接部301aも覆っている。なお、
図8A、
図8Bではカバー部310cを切り欠いて示しており、実際には第2付勢部材320及び当接部301aを覆っている。
【0045】
ところで、粉体排出部(21)において、第1位置に位置する移動部材310が当接して移動部材310がシャッター部材211を開放側へ移動させる際には、移動部材310を第1位置に確実に維持させることが望まれる。
【0046】
この点、本実施の形態において、
図8Bに示すように、粉体回収容器本体301には、規制部305が設けられている。規制部305は、移動部材310の第1位置での移動方向Mにおける第2位置側への移動を規制する。移動部材310には、被規制部312が設けられている。被規制部312は、規制部305に対して解除可能に規制される。
【0047】
このように、粉体回収容器本体301の規制部305が移動部材310の被規制部312を規制することにより移動部材310の第2位置側への移動を確実に防止することができ、これにより、第1位置に位置する移動部材310の被規制部312が粉体回収容器本体301の規制部305に当接して移動部材310を開放側へ移動させる際に、移動部材310を第1位置に確実に維持させることができる。また、移動部材310の被規制部312は、粉体回収容器本体301の規制部305に対する規制を解除することができ、これにより、画像形成装置100が輸送されるときには、移動部材310を第2位置側へ移動させることができる。
【0048】
詳しくは、粉体回収容器本体301及び移動部材310は、樹脂材料で形成されている。移動部材310には、可撓性を有する揺動部313が設けられている。揺動部313は、移動部材310の移動方向Mにおける第2位置側M2の端部において移動部材310の下面310dから移動方向Mにおける第2位置側M2の斜め下方に延びている。揺動部313は、可撓性を有し、基端側が移動部材310に片持ち支持され、先端側が上下方向Zに揺動可能とされている。被規制部312は、揺動部313の先端側に設けられている。揺動部313の揺動部313よりもさらに先端側には、作業者が操作する操作部313aが設けられている。規制部305は、粉体回収容器本体301から画像形成装置本体110側に突出している。規制部305及び被規制部312は、それぞれ、上下方向Z及び着脱方向Sの双方に沿った規制面305a及び被規制面312aを有している。移動部材310は、第1位置に位置するときに規制面305a及び被規制面312aが互いに係合する。
【0049】
以上説明した粉体回収容器300では、作業者は、移動部材310が第1位置に位置するときに、揺動部313の操作部313aを把持し、操作部313aを上方に揺動させる。そうすると、移動部材310の被規制部312と粉体回収容器本体301の規制部305との係合を解除する。これにより、被規制部312の規制部305に対する規制を容易に解除することができる。この解除動作により、移動部材310の第2位置への移動が可能となる。また、作業者は、揺動部313の操作部313aを開放すると、被規制部312が元の位置に戻る。
【0050】
本実施の形態において、粉体回収容器300は、画像形成装置100に備えられ、画像形成装置本体110に着脱可能に設けられる。
【0051】
こうすることで、粉体排出部(21)を有する粉体排出装置をトリクル現像方式の現像装置2BK,2C,2M,2Y及び/又はクリーニング装置4BK,4C,4M,4Y,4T(この例では現像装置2BK,2C,2M,2Y)に適用することができる。
【0052】
本実施の形態において、粉体排出部は、廃トナーを排出する廃トナー排出部41と、廃現像剤を排出する廃現像剤排出部21とのうちの少なくとも一方(この例では廃現像剤排出部21)であることで、輸送中の振動や衝撃によって廃トナー及び/又は廃現像剤(この例では廃現像剤)が排出口から粉体回収容器300に流出することを効果的に防止することができると共に輸送中に廃トナー及び/又は廃現像剤(この例では廃現像剤)の流出を回避するために行う作業の作業性を向上させることができる。
【0053】
本実施の形態において、廃トナー排出部41及び廃現像剤排出部21は、それぞれ複数設けられている。移動部材310は、第1位置に位置しているときには複数の廃トナー排出部41~41及び複数の廃現像剤排出部21~21のうちの少なくとも一方(この例では複数の廃現像剤排出部21~21)におけるシャッター部材211~211とすべて当接することで排出口21a~21aが何れも開放する。また、移動部材310は、第2位置に位置しているときにはシャッター部材211~211とすべて当接しないことで排出口21a~21aが何れも開放しない。
【0054】
こうすることで、移動部材310は、第1位置に位置しているときに、複数色の廃トナー排出部41~41及び複数色の廃現像剤排出部21~21のうちの少なくとも一方(この例では複数の廃現像剤排出部21~21)においてすべての排出口21a~21aから排出される粉体Fを粉体回収容器300に収容することができる。すなわち、複数色のトナー及び複数色の現像剤を用いるカラー画像形成装置(100)に適用することができる。
【0055】
(第2実施形態)
図9A及び
図9Bは、それぞれ、
図3に示す粉体回収容器300において第1位置及び第2位置に位置する移動部材310の一部を切り欠いて示す斜視図である。
図10は、
図9Bに示す状態においてストッパー部材330が貫通孔310eに挿入される様子を示す斜視図である。
【0056】
ところで、画像形成装置100の輸送中は、移動部材310を第2位置に確実に維持させるが望まれる。
【0057】
この点、本実施の形態において、粉体回収容器本体301に対して着脱自在なストッパー部材330(
図9B及び
図10参照)をさらに備えている。ストッパー部材330は、粉体回収容器本体301に装着された状態では第2付勢部材320の付勢力による移動部材310の第1位置への移動を規制する一方、粉体回収容器本体301から離脱されると、第2付勢部材320の付勢力による移動部材310の第1位置への移動を許容する。
【0058】
こうすることで、作業者によりストッパー部材330が粉体回収容器本体301に装着された状態ではストッパー部材330により第2位置に位置する移動部材310を確実に第2位置に維持させることができる。また、作業者によりストッパー部材330が粉体回収容器本体301に離脱されたときには、第2位置に位置する移動部材310を第2付勢部材320の付勢力により第1位置に移動させることができる。このとき、本実施の形態のように、粉体回収容器本体301に規制部305が設けられ、移動部材310に被規制部312が設けられている場合(
図8B参照)、第2付勢部材320の付勢力により移動部材310の被規制部312が粉体回収容器本体301の規制部305を乗り越えることができる。この例では、被規制部312は、移動方向Mにおける第1位置側M1に行くに従って低くなるように傾斜する傾斜面312b(
図8B参照)を有している。この構成では、第2位置に位置する移動部材310を第2付勢部材320の付勢力により第1位置に移動させるにあたり、移動部材310の傾斜面312bが粉体回収容器本体301の規制部305に当接しつつ揺動部313が規制部305とは反対側に弾性変形する。このとき、被規制部312が規制部305を乗り越え、揺動部313が元の位置に戻る。そうすると、被規制部312が規制部305に規制される。
【0059】
本実施の形態において、粉体回収容器本体301には、移動部材310側に突出した突出部306が設けられている。移動部材310には、移動部材310が第2位置に位置しているときに移動方向Mにおける第1位置側M1に隣接する貫通孔310eが設けられている。ストッパー部材330は、移動部材310が第2位置に位置しているときに貫通孔310eに着脱自在に挿通されて突出部306と当接することにより移動部材310の第1位置への移動を規制する。
【0060】
こうすることで、移動部材310の第1位置への移動を規制するにあたり、移動部材310が第2位置に位置している状態においてストッパー部材330を貫通孔310eに容易に挿通することができる。また、移動部材310の第1位置への移動を許容するにあたり、ストッパー部材330を貫通孔310eから容易に引き出すことができる。これにより、ストッパー部材330の粉体回収容器本体301への着脱を作業者による簡単な作業により行うことができる。
【0061】
詳しくは、移動部材310の貫通孔310eは、移動方向Mに沿ったスリット状に形成されている。ストッパー部材330には、貫通孔310eに挿通される挿通片332がストッパー部材本体331から粉体回収容器本体301側に立設されている。ストッパー部材本体331は、移動方向M及び上下方向Zの双方に沿った板状に形成されている。挿通片332は、移動方向M及び着脱方向Sの双方に沿った板状に形成されている。ストッパー部材本体331及び挿通片332は、一体的に形成されている。これにより、挿通片332を貫通孔310eに挿通したときのストッパー部材本体331の占有スペースを可及的に小さくすることができる。また、貫通孔310eの移動方向Mにおけるサイズは、挿通片332の移動方向Mにおけるサイズよりも挿通片332が貫通孔310eに円滑に挿通できる程度に所定の距離だけ大きくなっている。これにより、挿通片332を貫通孔310eに挿通したときに移動部材310を確実に第2位置に維持させることができる。
【0062】
(第3実施形態)
図11は、粉体回収容器300において貫通孔310eに挿入されたストッパー部材330にシート340が設けられている様子を示す斜視図である。
【0063】
ところで、画像形成装置100を設置する際には、ストッパー部材330を取り外す必要があるが、作業者にとってストッパー部材330の位置がわかり難い場合がある。
【0064】
この点、本実施の形態において、ストッパー部材330には長尺なシート340が設けられている。この例では、長尺なシート340は、接着部材(具体的には両面粘着シート)によりストッパー部材330に接着されている。
【0065】
こうすることで、画像形成装置100を設置する際に、ストッパー部材330を粉体回収容器本体301から離脱させることをシート340により作業者に対して注意喚起することができる。
【0066】
ここで、シート340の色としては、作業者が設置時にストッパー部材330を取り外すべきことを認識しやすい色、この例では、赤色とされている。シートの長さとしては、外装の粉体回収容器300を画像形成装置本体110に装着したときに外部にはみ出る程度の長さとすることができる。シートの材質としては、例えば、紙や樹脂等を挙げることができる。
【0067】
(第4実施形態)
図12は、粉体回収容器300の移動部材310における被検知部314及び被検知部314を検知する検知部350を示す斜視図である。
【0068】
ところで、画像形成装置100の設置後に、作業者が移動部材310を第1位置に位置させるのを忘れて、移動部材310が第2位置のままになっていると、粉体排出部(21)におけるシャッター部材211により排出口21aが開いていないにも拘わらず、画像形成動作を行うことになる。そうすると、粉体Fが粉体排出部(21)で詰まり、ひいては、粉体排出装置(現像装置2BK,2C,2M,2Y)がロックしてしまうといった不都合がある。
【0069】
この点、本実施の形態において、画像形成装置100は、移動部材310が第1位置及び/又は第2位置(この例では第2位置)に位置しているか否かを検知する検知部350を備えている。
【0070】
こうすることで、作業者が移動部材310を第1位置に位置させるのを忘れても、画像形成装置100は、検知部350にて移動部材310が第2位置に位置している(及び/又は第1位置に位置していない)ことを検知した場合に、移動部材310が第2位置に位置していることを作業者に報知し、さらには、画像形成動作を禁止することができる。すなわち、画像形成装置100は、検知部350にて移動部材310が第2位置に位置している(及び/又は第1位置に位置していない)ことを検知した場合に、移動部材310が第2位置に位置していることを作業者に報知する報知手段を備え、さらには、画像形成動作を禁止する禁止制御手段を備えるようにすることができる。
【0071】
詳しくは、移動部材310には、検知部350に検知される被検知部314が設けられている。検知部350は、画像形成装置本体110において移動部材310の被検知部314に対応する位置に設けられている。この例では、被検知部314は、移動部材310の移動方向Mにおける第2位置側の端部に設けられている。検知部350は、被検知部314の有無を検知する。検知部350は、被検知部314の有無による光学的変化を検知する光センサーとされている。この例では、検知部350は、発光部351と受光部352とを備えている。検知部350は、発光部351と受光部352との間の被検知部314の有無を検知する。
【0072】
検知部350は、制御部400(
図1参照)の入力系に電気的に接続されている。検知部350は、発光部351と受光部352との間に被検知部314が存在していないときの第1信号(ON信号)を制御部400に送信する。また、検知部350は、発光部351と受光部352との間に被検知部314が存在しているときの第2信号(OFF信号)を制御部400に送信する。これにより、制御部400は、移動部材310が第1位置及び/又は第2位置(この例では第2位置)に位置しているか否かを検出することができる。
【0073】
制御部400は、報知手段及び禁止制御手段を備える。報知手段は、電源をオンして画像形成装置100が立ち上がり、検知部350にて移動部材310が第2位置に位置していることを検知する(及び/又は第1位置に位置していない)と、画像形成装置本体110に設けられた表示部(図示省略)の表示画面にメッセージを表示するか、及び/又は、警報灯(LED)を点灯するか、及び/又は、警報音を発する動作を行う。また、禁止制御手段は、検知部350にて移動部材310が第2位置に位置している(及び/又は第1位置に位置していない)ことを検知すると、使用者が画像形成動作を指示しても、画像形成動作を禁止する。
【0074】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0075】
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
201 粉体排出部本体
21 廃現像剤排出部
210a 当接部
211 シャッター部材
211a 被当接部
21a 排出口
22 第1付勢部材
23 搬送スクリュー
2BK 現像装置(粉体排出装置)
2C 現像装置(粉体排出装置)
2M 現像装置(粉体排出装置)
2Y 現像装置(粉体排出装置)
2a 現像槽
300 粉体回収容器
300a 廃現像剤回収室
300b 廃トナー回収室
301 粉体回収容器本体
3011 固定部
3011a 雌螺子
301a 当接部
302 受入れ口
304 受入れ口
305 規制部
305a 規制面
306 突出部
310 移動部材
310a 貫通長孔
310b 当接部
310b1 当接面
310c カバー部
310d 下面
310e 貫通孔
311 当接部
312 被規制部
312a 被規制面
312b 傾斜面
313 揺動部
313a 操作部
314 被検知部
320 第2付勢部材
321 一端部
322 他端部
330 ストッパー部材
331 ストッパー部材本体
332 挿通片
340 シート
350 検知部
351 発光部
352 受光部
400 制御部
41 廃トナー排出部
4BK クリーニング装置
4C クリーニング装置
4M クリーニング装置
4T クリーニング装置
4Y クリーニング装置
F 粉体
M 移動方向
M1 第1位置側
M2 第2位置側
S 着脱方向
SC 固定部材
X 左右方向
Y 奥行方向
Y1 一方側
Y2 他方側
Z 上下方向