(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】NRF2活性剤としてのヒドロキシピリドキシアゼピン
(51)【国際特許分類】
C07D 498/04 20060101AFI20241211BHJP
C07D 498/10 20060101ALI20241211BHJP
A61K 31/553 20060101ALI20241211BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241211BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20241211BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20241211BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20241211BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241211BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20241211BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20241211BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241211BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241211BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20241211BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241211BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20241211BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241211BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20241211BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241211BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20241211BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20241211BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
C07D498/04 CSP
C07D498/10
A61K31/553
A61P1/00
A61P1/16
A61P3/10
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/06
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P9/12
A61P11/00
A61P11/06
A61P13/12
A61P15/00
A61P17/00
A61P17/06
A61P25/00
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/20
A61P25/28
A61P27/02
A61P35/00
A61P37/04
A61P37/06
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2021547429
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(86)【国際出願番号】 IB2020051100
(87)【国際公開番号】W WO2020165776
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-13
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513032275
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY DEVELOPMENT LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】マーク、エルバン
(72)【発明者】
【氏名】ミハル、パウエル、グロゴフスキ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、クリントン、ケッティング
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、グリフィン、ローホーン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ、エム.マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャクリン、レニー、パターソン
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-517731(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109646(WO,A1)
【文献】特表2017-503786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
[式中、
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R
1は、水素、-OH、-C
1-3アルキル、-CF
3、ジフルオロメチル、またはハロであり;
Yは、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、-CH
2CF
3であり;
Y’は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、-CH
2CF
3であるか;あるいはYおよびY’は、-C
3-7シクロアルキルを形成する。]
もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項2】
Rが水素またはメチルであり;
R’が水素またはメチルであり;
R
1が水素、-C
1-3アルキルまたはハロであり;かつ
Yが独立に-C
1-5アルキル、-C
3-5シクロアルキルまたは-CF
3であり;
Y’が水素である、
請求項1に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項3】
Rが水素またはメチルであり;
R’が水素またはメチルであり;
R
1が水素、-C
1-3アルキルまたはハロであり;
Yが-C
1-5アルキル、-C
3-5シクロアルキルまたは-CF
3であり;かつ
Y’がメチルである、
請求項1に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項4】
Rがメチルであり;
R’がメチルであり;
R
1が水素であり;
Yがメチル、エチルまたはイソプロピルであり;かつ
Y’が水素である、
請求項1に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項5】
Rが水素であり;
R’が水素であり;
R
1が水素であり;
Yがメチル、エチルまたはイソプロピルであり;
Y’が水素である、
請求項1に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項6】
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7’-ヒドロキシ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4’(5’H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;および
(R)-3-(3-(((R)-2-(tert-ブチル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)プロパン酸
である化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項7】
【化2】
である化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物。
【請求項8】
1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に15.76°、7.86°、9.58°、および19.07°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物の結晶。
【請求項9】
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩である請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体。
【請求項10】
1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に25.18°、22.53°、16.66°、および7.82°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩の結晶。
【請求項11】
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物である請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体。
【請求項12】
1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に19.84°、17.25°、21.06°、および13.45°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物の結晶。
【請求項13】
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶。
【請求項14】
以下の図:
に
示されるX線粉末回折パターンであることを特徴とする、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶。
【請求項15】
1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に12.38°、25.90°、19.35°、および7.54°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶。
【請求項16】
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の単離された結晶。
【請求項17】
前記結晶が
以下のX線粉末回折データ:
【表1】
から選択される少なくとも5つのピークを有することを特徴とする、請求項13に記載の結晶。
【請求項18】
請求項1~7、9もしくは11のいずれか一項に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、あるいは請求項8、10もしくは12~17のいずれか一項に記載の結晶と、1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
【請求項19】
COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよび心腎症候群(CRS)、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択されるNrf2調節疾患または障害を治療するための、請求項1~7、9もしくは11のいずれか一項に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、あるいは請求項8、10もしくは12~17のいずれか一項に記載の結晶を含んでなる、組成物。
【請求項20】
前記化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物含んでなる、経口投与のための、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を含んでなる、静脈内投与のための、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を含んでなる、吸入により投与するための、請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記疾患がCOPDである、請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
前記疾患が心不全である、請求項19に記載の組成物。
【請求項25】
前記疾患が駆出率低下心不全である、請求項19に記載の組成物。
【請求項26】
前記疾患が駆出率保持心不全である、請求項19に記載の組成物。
【請求項27】
請求項7に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物と、1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項28】
請求項7に記載の化合物、もしくはその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を含んでなる、心不全であるNrf2調節疾患または障害を治療するための組成物。
【請求項29】
前記疾患または障害が駆出率低下心不全である、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記疾患または障害が駆出率保持心不全である、請求項28に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシピリドキシアゼピン化合物、それらを製造する方法、それらを含有する医薬組成物およびNrf2活性剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
Nrf2(NF-E2関連因子2(NF-E2 related factor 2))は、特徴的な塩基性ロイシンジッパーモチーフを含有する転写因子のcap-n-collarファミリーのメンバーである。塩基性条件下で、Nrf2レベルは、Nrf2と結合しCul3に基づくE3-ユビキチンリガーゼ複合体を介してそれをユビキチン化およびプロテアソーム分解の標的とするサイトゾルアクチン結合リプレッサーKEAP1(Kelch様ECH結合タンパク質1(Kelch-like ECH associating protein 1))によって厳格に制御されている。酸化ストレスの条件下で、DJ1(PARK7)は活性化され、Nrf2がKEAP1と相互作用しないようにすることによってNrf2タンパク質を安定化させる。また、KEAP1上の反応性システインの修飾は、KEAP1に、Nrf2の結合を変化させてNrf2の安定化を促進するコンフォメーション変化を生じさせ得る。従って、細胞内のNrf2のレベルは通常の条件では低く維持されるが、このシステムは、Nrf2レベルおよび従って下流のNrf2活性を高めることにより環境ストレスに素早く応答するように設計されている。
【0003】
進行中の酸化ストレスに対して不適切に低いNrf2活性が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の基礎にある病理機序であると思われる。Yamada, K., et al. BMC Pulmonary Medicine, 2016, 16: 27。これは、DJ1等の正の活性剤の不適切な欠如ならびにKeap1およびBach1等の負の活性剤の過多の両方を有するNrf2活性剤の平衡の変化の結果であり得る。従って、COPD患者の肺におけるNrf2活性の回復は、構造細胞(肺胞上皮細胞および内皮細胞を含む)のアポトーシスおよび炎症等の有害なプロセスの不均衡の修復および緩和をもたらすはずである。これらの効果の結果は、COPD肺において細胞保護作用、肺構造の保存、および構造修復の促進、従って、疾患進行の緩徐化であろう。よって、Nrf2活性剤は、COPD(Boutten, A., et al. 2011. Trends Mol. Med. 17:363-371)、ならびに喘息、急性肺障害(ALI)(Cho, H.Y., およびKleeberger, S.R., 2015, Arch Toxicol. 89:1931-1957; Zhao, H. et al., 2017, Am J Physiol Lung Clee Mol Physiol 312:L155-L162, 初版2016年11月18日; doi:10.1152/ajplung.00449.2016)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および肺線維症(Cho, H.Y., and Kleeberger, S.R. 2010. Toxicol. Appl. Pharmacol. 244:43-56)を含むその他の呼吸器系疾患を治療し得る。
【0004】
Nrf2活性剤の治療能は、Nrf2経路が不適応と思われるCOPD患者由来の肺のマクロファージにおいて例示される。これらの細胞は、対照患者由来の同様の細胞に比べて細菌貪食作用が損なわれており、この作用はin vitroにおいてNrf2活性剤の添加により回復される。よって、上述の作用に加え、適当なNrf2活性の回復はまた、肺感染を軽減することによってCOPD増悪も救済することができる。
【0005】
このことはCOPDマクロファージおよび煙草の煙に曝されたマウス由来の肺胞マクロファージによるコラーゲン構造を有するマクロファージ受容体(Macrophage Receptor with Collagenous)(MARCO)の発現を増強し、それにより、ex vivoおよびin vivoの両方でこれらの細胞の細菌貪食作用(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、無莢膜型インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae))および細菌クリアランスを改善するNrf2活性剤としてのスルフォラファンによって実証される(Harvey, C. J., et al. 2011. Sci. Transl. Med. 3:78ra32)。
【0006】
この肺におけるNrf2を標的とする治療能はCOPDに限定されない。むしろ、Nrf2経路の標的化は、慢性喘息および急性喘息、限定されるものではないがオゾン、ディーゼル排気および職業的暴露を含む環境暴露続発性肺疾患、線維症、急性肺感染(例えばウイルス(Noah, T.L. et al. 2014. PLoS ONE 9(6): e98671)、細菌または真菌)、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、ALI、ARDSおよび嚢胞性線維症(CF, Chen, J. et al. 2008. PLoS One. 2008;3(10):e3367)等の酸化ストレス成分を呈する他のヒト肺および呼吸器系疾患の治療を提供し得る。
【0007】
Nrf2経路を標的とする療法はまた、肺および呼吸器系外での多くの潜在的使用も有する。Nrf2活性剤が有用であり得る疾患の多くは自己免疫疾患(乾癬、IBD、MS)であり得、Nrf2活性剤は一般に自己免疫疾患において有用であり得ることが示唆される。
【0008】
最も重篤な段階のCKDを有する患者におけるこの薬物を用いた第III相治験は終了したものの、診療所では、Nrf2経路を標的とする薬物(バルドキソロンメチル)は、糖尿病性腎症/慢性腎疾患(CKD)を有する糖尿病性患者において有効性を示した(Aleksunes, L.M., et al. 2010. J. Pharmacol. Exp. Ther. 335:2-12)。さらに、このような療法が敗血症誘発性急性腎傷害、その他の急性腎傷害(AKI)(Shelton, L.M., et al. 2013. Kidney International, Jun 19. doi: 10.1038/ki.2013.248.)、および腎移植の際に見られる腎疾患または腎不全に有効であると思われる証拠がある。
【0009】
心臓領域において、バルドキソロンメチルは、肺動脈性高血圧症患者において現在検討下にあり、従って、他の機構によりNrf2を標的化する薬物もこの疾患領域に有用であり得る。酸化ストレスは罹患した心筋で増加し、活性酸素種(ROS)の蓄積をもたらし、増加した壊死およびアポトーシスの直接の毒性作用によって[Circ Res (2000) 87(12); 1172-1179]心臓機能を低下させ[Circ (1987) 76(2); 458-468]、不整脈への感受性を増加させる[J of Mol & Cell Cardio (1991) 23(8); 899-918]。圧負荷(TAC)のマウスモデルにおいて、Nrf2遺伝子およびタンパク質の発現は、心臓適応性肥大化の初期段階に増加するが、収縮機能障害に関連する非適応性心臓リモデリングの後期段階で減少する[Arterioscler Thromb Vasc Biol (2009) 29(11); 1843-1850; PLOS ONE (2012) 7(9); e44899]。加えて、Nrf2活性は、圧負荷のマウスモデルにおいて、心筋酸化ストレスならびに心臓アポトーシス、線維症、肥大化および機能障害を抑制することが示されている[Arterioscler Thromb Vasc Biol (2009) 29(11); J of Mol & Cell Cardio (2014) 72; 305-315; および1843-1850; PLOS ONE (2012) 7(9); e44899]。また、Nrf2活性は、マウス10における心臓I/R外傷に対して保護し[Circ Res (2009) 105(4); 365-374; J of Mol & Cell Cardio (2010) 49(4); 576-586]、かつ、ラットにおける心臓I/R外傷に続く心筋酸化損傷を軽減することも示されている。従って、他の機構によりNrf2を標的とする薬物は、限定されるものではないが、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、および心不全を含む種々の心血管疾患(Oxidative Medicine and Cellular Longevity Volume 2013 (2013), Article ID 104308, 10頁)、急性冠症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全ならびに糖尿病性心筋症においても有用であり得る。最近、虚血性心傷害を有するラットにおいて、Nrf2活性剤としてのバルドキソロンメチルを用いて左室機能の改善が示された[Tian, C, et al., JPET, doi: 10.1124/jpet.119.261792 (October 10, 2019)]。
【0010】
Nrf2経路を活性化する薬物はまた、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(Brain Res. 2012 Mar 29;1446:109-18. 2011.12.064. Epub 2012 Jan 12.)、ハンチントン病(HD)、多発性硬化症(MS)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、および認知障害(FEBS 201 8, doi: 10.1111/febs.14379, Pharmacology & Therapeutics 2016, 157, 84-104)を含む重篤な神経変性疾患の治療にも有用であり得る。複数のin vivoモデルが、Nrf2KOマウスがそれらの野生型対応物よりも神経毒性傷害に感受性が高いことを示している。Nrf2活性剤としてのtert-ブチルヒドロキノン(tBHQ)によるラットの処置は、脳虚血再潅流モデルにおいてラットの皮質傷害を軽減し、皮質グルタチオンレベルはtBHQ投与後にNrf2野生型では上昇したが、KOマウスでは上昇しなかった(Shih, A.Y., et al. 2005. J. Neurosci. 25: 10321-10335)。他の標的の中でもNrf2を活性化するテクフィデラ(商標)(フマル酸ジメチル)は、再発寛解型多発性硬化症(MS)を治療するために米国で承認されている。Nrf2の活性化はまたフリードライヒ運動失調症の症例の治療を助けることもでき、そこでは酸化ストレスに対する感受性の上昇およびNrf2活性化の障害が報告されている(Paupe V., et al,2009. PLoS One; 4(1):e4253)。オマベロキソロン(Omaveloxolone)(RTA-408)はまた、フリードライヒ運動失調症に関して臨床試験中である。
【0011】
炎症性腸疾患(IBD、クローン病および潰瘍性大腸炎)および/または結腸癌モデルにおいてNrf2経路の特定の保護的役割の前臨床的証拠がある(Khor, T.O., et al 2008. Cancer Prev. Res. (Phila) 1:187-191)。
【0012】
加齢黄斑変性(AMD)は、50歳を超える人の視力低下の一般的な原因である。喫煙は非新生血管(ドライ型)AMDおよびおそらくはまた新生血管(ウェット型)AMDの発症の主要なリスク因子である。in vitroおよび前臨床形式における所見は、眼損傷の前臨床モデルにおいてNrf2経路が網膜上皮細胞の抗酸化応答および炎症の調節に関与しているという見解を裏付ける(Schimel, et al. 2011. Am. J. Pathol. 178:2032-2043)。フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)は、角膜内皮細胞のアポトーシスを特徴とする進行性の失明疾患である。それはNrf2の発現および/または機能のレベルの低さに関連する加齢性の酸化ストレスレベルが上昇した疾患である(Bitar, M.S., et al. 2012. Invest Ophthalmol. Vis. Sci. August 24, 2012 vol. 53 no. 9 5806-5813)。加えて、Nrf2活性剤はブドウ膜炎または他の炎症性眼病態にも有用であり得る。
【0013】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、飲酒をほとんどしないかまたは全くしない患者に見られる脂肪沈着、炎症、および肝臓傷害の疾患である。前臨床モデルでは、NASHの発症は、Nrf2を欠くKOマウスで、メチオニンおよびコリン欠乏食を与えた場合に著しく加速化される(Chowdhry S., et al. 2010. Free Rad. Biol. & Med. 48:357-371)。コリン欠乏L-アミノ酸規定食のラットにNrf2活性剤としてのオルチプラズおよびNK-252を投与すると、組織学的異常、特に肝線維症の進行が有意に減弱された(Shimozono R. et al. 2012. Molecular Pharmacology. 84:62-70)。Nrf2調節に従い得る他の肝疾患は毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、および肝硬変である(Oxidative Medicine and Cellular Longevity Volume 2013 (2013), Article ID 763257, 9頁)。
【0014】
また、最近の研究では、乾癬等の皮膚疾患におけるROSの役割も解明され始めた。乾癬患者の研究では、血清マロンジアルデヒドおよび酸化窒素終末産物の増加、ならびに赤血球スーパーオキシドジスムターゼ活性、カタラーゼ活性、および各症例で疾患重症度指数に相関のある総抗酸化状態の低下が示された(Dipali P.K., et al. Indian J Clin Biochem. 2010 October; 25(4): 388-392)。また、NrfF2活性剤は、皮膚炎/放射線の局所的影響(Schafer, M. et al. 2010. Genes & Devl. 24:1045-1058)、および放射線被爆による免疫抑制(Kim J.H. et al, J. Clin. Invest. 2014 Feb 3;124(2):730-41)の治療にも有用であり得る。
【0015】
また、Nrf2活性剤は、妊娠の2~5%に見られ、高血圧症およびタンパク尿症に関与する子癇前症に有益であり得ることを示唆するデータもある(Annals of Anatomy - Anatomischer Anzeiger
Volume 196, Issue 5, September 2014, Pages 268-277)。
【0016】
急性高山病の動物および細胞モデルを用いた前臨床データは、Nrf2活性化活性を有する化合物はNrf2活性を有さない化合物よりも高所誘発傷害を良好に回復することを示している(Lisk C. et al, 2013, Free Radic Biol Med. Oct 2013; 63: 264-273)。
【0017】
Nrf2調節剤は、2015年6月25日公開の国際公開第2015/092713、2016年12月22日公開の同時係属特許出願の国際公開第2016/203400、2016年12月22日公開の国際公開第2016/203401、2018年6月14日公開の国際公開第2018/104766、2016年12月22日出願の国際公開第2016/202253、および2018年6月21日公開の国際公開第2018/109646に開示されている。
【発明の概要】
【0018】
一態様において、本発明は、ヒドロキシピリドキシアゼピン類似体、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、およびそれらを含有する医薬組成物を提供する。特に、本発明の化合物には、式(I)の化合物:
【化1】
[式中、
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R
1は、水素、-OH、-C
1-3アルキル、-CF
3、ジフルオロメチル、またはハロであり;
Yは、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であり;かつ
Y’は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であるか;
あるいはYおよびY’は一緒になって-C
3-7シクロアルキルを形成する]
またはその薬学上許容可能な塩、またはその互変異性体、またはその水和物が含まれる。
【0019】
他の態様において、本発明は、医学的療法において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。本発明は、療法、特に、Nrf2調節疾患または障害(Nrf2-regulated disease of disorder)の治療に使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。さらなる態様において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害がCOPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよびCRS、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系または非呼吸器系障害である、療法において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。
【0020】
一態様において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。さらなる態様において、本発明は、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよびCRS、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系または非呼吸器系障害である疾患または障害の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。
【0021】
さらなる態様において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害を治療する方法であって、疾患または障害がCOPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、鎌形赤血球症(SCD)、プロジェリアおよび心腎症候群(CRS)、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系または非呼吸器系障害であり、それを必要とする対象に治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0022】
さらなる態様において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用に関する。さらなる態様において、Nrf2調節疾患または障害は、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよびCRS、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系または非呼吸器系障害である。
【0023】
他の態様において、本発明は、本明細書に列挙されるような疾患または障害の治療においてNrf2活性剤として使用するための式(I)の化合物もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。
【0024】
よって、本発明はまた、Nrf2を調節する方法も対象とし、その方法は、細胞を式(I)による化合物もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、または互変異性体、あるいはそれらの水和物と接触させることを含んでなる。
【0025】
一態様において、本発明は、式(I)による本発明の化合物もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0026】
他の態様において、本発明は、Nrf2により調節される疾患または障害の治療のための医薬組成物を対象とし、その組成物は、式(I)による化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる。
【0027】
本発明の他の態様および利点は、下記のその実施形態の詳細な説明でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、無水(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形、またはその互変異性体の粉末X線回折パターン(XRPD)を示す。
【
図2】
図2は、無水(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形、またはその互変異性体の示差走査熱量測定(DSC)曲線および熱重量分析(TGA)曲線を示す。
【
図3】
図3は、無水(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形、またはその互変異性体のフーリエ変換ラマン(FT-Raman)スペクトルを示す。
【
図4】
図4は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物の結晶性水和物形、またはその互変異性体のXRPDを示す。
【
図5】
図5は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体のFT-Ramanスペクトルを示す。
【
図6】
図6は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体のDSC曲線およびTGA曲線を示す。
【
図7】
図7は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体のFT-Ramanスペクトルを示す。
【
図8】
図8は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体のXRPDを示す。
【
図9】
図9は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体のXRPDを示す。
【
図10】
図10は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体のFT-Ramanスペクトルを示す。
【
図11】
図11は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体のDSCおよびTGA曲線を示す。
【
図12】
図12は、マウスTACモデルにおける心機能およびリモデリングに対するKEAP1遮断剤/Nrf2活性剤(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、塩酸塩、またはその互変異性体(実施例1の化合物)および(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[3,4-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物B)の効果を示す。研究は、厳密性と再現性の高い計画標準(層化盲検および適当な検出力)を使用した。データは平均(±s.e.m)として表した。p値は総てビヒクルと比較、一元配置ANOVA。
図12凡例:Sh(偽手術、n=6)、V(薬物無しのTAC、n=13)、EX 1[TAC+(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、塩酸塩、またはその互変異性体1mg/kg(n=11)、3mg/kg(n=12)および10mg/kg(n=10)]の、EX B[TAC+(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[3,4-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸100mg/kg、n=7]。
図12(A)は、LV駆出量のパーセントとしての駆出率を示す。(EX 1結果は、1、3および10と表示された棒グラフで示され;EX B結果は、100と表示された棒グラフで示される)。
図12(B)は、左室NQO1酵素活性の、ビヒクルに対する変化倍率を示す。(EX 1結果は、1、3および10と表示された棒グラフで示され;EX B結果は、100と表示された棒グラフで示される)。
図12(C)は、心拍数を1分当たりの拍数(bpm)で示す。(EX 1結果は、1、3および10と表示された棒グラフで示され;EX B結果は、100と表示された棒グラフで示される)。
図12(D)は、体重に対して正規化した左室質量(肥大)を示す。(EX 1結果は、1、3および10と表示された棒グラフで示され;EX B結果は、100と表示された棒グラフで示される)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、式(I)の化合物:
【化2】
[式中、
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R
1は、水素、-OH、-C
1-3アルキル、-CF
3、ジフルオロメチル、またはハロであり;
Yは、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であり;
Y’は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であるか:
あるいはYおよびY’は一緒になって-C
3-7シクロアルキルを形成する]
またはその薬学上許容可能な塩、またはその互変異性体、またはその水和物を提供する。
【0030】
「アルキル」は、指定数の炭素員原子を有する一価飽和炭化水素鎖を指す。例えば、C1-3アルキルは、1~3個の炭素員原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は直鎖または分岐型であり得る。代表的な分岐型アルキル基は、1、2、または3個の分岐を有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、(n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、およびt-ブチル)、ペンチル(n-ペンチル、tert-ペンチル、イソペンチル)、およびヘキシル(n-ヘキシル、イソヘキシル、ter-ヘキシル)が挙げられる。
【0031】
「シクロアルキル」は、指定数の炭素員原子を有する一価飽和または不飽和炭化水素環を指す。例えば、C3-7シクロアルキルは、特に限定されない限り、3~7個の炭素員原子を有するシクロアルキル基を指す。一実施形態において、C5-7シクロアルキルは、3~5個の炭素員原子を有するシクロアルキル基を指す。不飽和シクロアルキル基は、環内に1個以上の炭素-炭素二重結合を有する。シクロアルキル基は、芳香族でない。シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、およびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0032】
本明細書において使用する場合、用語「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、ならびにそれぞれフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
【0033】
基に関して「置換された」とは、その基内の員原子と結合した1以上の水素原子が定義された置換基の群から選択される置換基で置換されていることを示す。用語「置換された」は、そのような置換が置換された原子および置換基の原子の許容される価数に従う、ならびにその置換の結果安定な化合物(すなわち、転位、環化、または脱離による等の変換を自発的に受けず、かつ、反応混合物からの単離に耐えるに十分ロバストであるもの)が生じるという暗黙の規定を含むと理解されるべきである。基が1以上の置換基を含み得ると記載される場合、その基内の1以上(必要に応じて)の員原子が置換されてよい。加えて、その基内の単一の員原子は、そのような置換がその原子の許容される価数に従う限り、2個以上の置換基で置換されてよい。置換されたまたは場合により置換されてよい各基に関して本明細書において好適な置換基が定義される。
【0034】
用語「独立に」は、2個以上の置換基がいくつかのあり得る置換基から選択される場合に、それらの置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。すなわち、各置換基は、列挙されたあり得る置換基の全群から別個に選択される。
【0035】
発明はまた、式(I)の化合物の種々の異性体およびそれらの混合物も含む。「異性体」は、同じ組成および分子量を有するが、物理的特性および/または化合的特性が異なる化合物を意味する。構造の違いは、構成(幾何異性体)または偏光面の回転能(立体異性体)の違いであり得る。式(I)による化合物は、キラル中心とも呼ばれる1以上の不斉中心を含み、従って、個々の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、もしくはその他の立体異性形、またはそれらの混合物として存在し得る。このような異性形は総て、それらの混合物も含めて本発明に含まれる。
【0036】
キラル中心はまた、アルキル基等の置換基中にも存在してよい。式(I)、または本明細書に示される任意の化学構造中に存在するキラル中心の立体化学が明示されていない場合には、その構造はいずれの立体異性体もおよびそれらのあらゆる混合物も包含することが意図とされる。よって、1以上のキラル中心を含有する式(I)による化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性体的に富む混合物、または鏡像異性体的に純粋な個々の立体異性体として使用してもよい。
【0037】
1以上の不斉中心を含有する式(I)による化合物の個々の立体異性体は、当業者に公知の方法により分割され得る。例えば、このような分割は、(1)ジアステレオ異性体塩、複合体もしくはその他の誘導体の形成;(2)立体異性体特異的試薬との選択的反応、例えば、酵素的酸化もしくは還元;または(3)キラル環境中での、例えば、キラル配位子が結合したシリカ等のキラル担体上もしくはキラル溶媒の存在下でのガス-液体もしくは液体クロマトグラフィーによって行うことができる。当業者ならば、所望の立体異性体が上記の分離手順の1つによって別の化学実体に変換される場合に所望の形態を遊離させるためにさらなる工程が必要とされることを認識するであろう。あるいは、特定の立体異性体は、光学的に活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を用いた不斉合成によるか、またはある鏡像異性体を他へ不斉変換により変換することによって合成され得る。
【0038】
本発明の範囲内にある化合物に関して、本実施例において使用される構造変換は次の通りである:(a)絶対立体化学は構造により定義される;(b)「または」の注釈が付く場合、立体化学は未知であるが、分割されている;および(c)「および」の注釈が付く場合、立体化学は総体的であるが、ラセミである。
【0039】
本明細書において式(I)の化合物もしくはその塩という場合には、遊離塩基[もしくは該当する場合には酸]、またはその塩、例えば、その薬学上許容可能な塩としての式(I)の化合物を含むと理解されるべきである。よって、一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物を対象とする。他の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物の塩を対象とする。さらなる実施形態において、本発明は、式(I)の化合物の薬学上許容可能な塩を対象とする。他の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその塩を対象とする。さらなる実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を対象とする。
【0040】
式(I)の化合物が塩基性アミン基およびカルボン酸基の両方を有する場合、結果として、分子内塩としても知られる両性イオンの形態であり得る。よって、ある実施形態において、式(I)の化合物は両性イオン形態である。
【0041】
本明細書において使用する場合、「薬学上許容可能な」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激作用、またはその他の問題もしくは合併症なく、妥当なベネフィット/リスク比に見合って対象の組織との接触に使用するのに好適な化合物(塩を含む)、材料、組成物、および投与形、特に、医薬用に好適な化合物を意味する。医学における使用に好適な本発明の化合物の塩および溶媒和物(例えば、水和物および塩の水和物)は、対イオンまたは関連溶媒が薬学上許容可能なものである。薬学上許容可能でない対イオンまたは関連溶媒を有する塩および溶媒和物も、例えば、本発明の他の化合物ならびにそれらの塩および溶媒和物の製造において中間体として使用するために、本発明の範囲内にある。
【0042】
薬学上許容可能な塩としては、とりわけ、Berge, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されているもの、またはP H Stahl and C G Wermuth編, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Second Edition Stahl/Wermuth: Wiley- VCH/VHCA, 2011 (http://www.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-3906390519.html参照)に挙げられているものが含まれる。
【0043】
これらの薬学上許容可能な塩は、化合物の最終単離および精製中にin situで、または遊離酸もしくは遊離塩基の形態の精製化合物をそれぞれ好適な塩基もしくは酸で別個に処理することによって調製され得る。式(I)の塩基性化合物が塩として単離される場合、その化合物の対応する遊離塩基形は、その塩を無機または有機塩基、好適には、その化合物の遊離塩基形よりも高いpKaを有する無機または有機塩基で処理することを含む当技術分野で公知のいずれの好適な方法によって調製してもよい。好適には、カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示の化合物が塩として単離される場合、その化合物の対応する遊離酸形態は、その塩を無機または有機酸、好適には、化合物のその遊離酸形態よりも低いpKaを有する無機または有機酸で処理することを含む当技術分野で公知のいずれの好適な方法によって調製してもよい。本発明はまた、本発明の化合物のある塩、例えば、塩酸塩の、本発明の化合物の他の塩、例えば、硫酸塩への変換も提供する。
【0044】
式(I)の化合物が2以上の塩基性部分を含有する場合、塩形成の化学量論は1、2またはそれを超える当量の酸を含み得ると理解される。このような塩は、1、2またはそれを超える酸対イオンを含み、例えば、二塩酸塩である。
【0045】
例えば、対イオンが2以上の酸性プロトンを含有する場合等、準化学量論塩を含め式(I)の化合物の薬学上許容可能な塩の化学量論形態および非化学量論形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0046】
塩基性アミンまたは他の塩基性官能基を含有する式(I)の化合物の塩は、遊離塩基を酸で処理する等、当技術分野で公知のいずれの好適な方法によって調製してもよい。代表的な薬学上許容可能な酸付加塩としては、限定されるものではないが、4-アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、カルシウムエデト酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン-1,2-ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩(glycerophosphorate)、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)-エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン-2-スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p-アミノベンゼンスルホン酸塩、p-アミノサリチル酸塩(p-aminosalicyclate)、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリン酸塩)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸、ウンデシレン酸塩、および吉草酸塩が挙げられる。
【0047】
カルボン酸または他の酸性官能基を含有する開示の化合物の塩は、好適な塩基と反応させることによって調製可能である。このような薬学上許容可能な塩は、薬学上許容可能な陽イオンを与える塩基を用いて作製され得る。代表的な薬学上許容可能な塩基付加塩としては、限定されるものではないが、アルミニウム、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(TRIS、トロメタミン)、アルギニン、ベネタミン(N-ベンジルフェネチルアミン)、ベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、ビスマス、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、クレミゾール(1-pクロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール)、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチルトリアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドーパミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、L-ヒスチジン、鉄、イソキノリン、レピジン、リチウム、リシン、マグネシウム、メグルミン(N-メチルグルカミン)、ピペラジン、ピペリジン、カリウム、プロカイン、キニーネ、キノリン、ナトリウム、ストロンチウム、t-ブチルアミン、および亜鉛が挙げられる。
【0048】
一実施形態において、本発明は、水和物である式(I)の化合物、またはその互変異性体を提供する。他の実施形態において、本発明は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、
図4に示されるものに実質的に従うXRPDパターンを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、表4の回折データから選択される少なくとも5つのピークを有することを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。なおさらなる実施形態において、本発明は、1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に15.76°、7.86°、9.58°、および19.07°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物の結晶形、またはその互変異性体を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、そのベシル酸塩である式(I)の化合物、またはその互変異性体を提供する。第2の実施形態において、本発明は、
【化3】
である化合物、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、
図8に示されるものに実質的に従うXRPDパターンを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、表5の回折データから選択される少なくとも5つのピークを有することを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体を提供する。なおさらなる実施形態において、本発明は、1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に25.18°、22.53°、16.66°、および7.82°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩の結晶形、またはその互変異性体を提供する。
【0050】
他の実施形態において、本発明は、そのメシル酸塩である式(I)の化合物、またはその互変異性体を提供する。第2の実施形態において、本発明は、そのメシル酸塩の水和物である式(I)の化合物、またはその互変異性体を提供する。他の実施形態において、本発明は、
【化4】
である化合物、またはその互変異性体を提供する。他の実施形態において、本発明は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、
図9に示されるものに実質的に従うXRPDパターンを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、表6の回折データから選択される少なくとも5つのピークを有することを特徴とする結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体を提供する。なおさらなる実施形態において、本発明は、1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に19.84°、17.25°、21.06°、および13.45°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物の結晶形、またはその互変異性体を提供する。
【0051】
本明細書において使用する場合、用語「式(I)の化合物」または「その式(I)の化合物」または「発明の化合物」または「本発明の化合物」は、式(I)による1以上の化合物を指す。式(I)の化合物はいずれの形態で存在してもよく、すなわち、任意の塩または非塩形態(例えば、遊離酸もしくは塩基形態として、または塩、特にその薬学上許容可能な塩として)およびその任意の物理的形態(例えば、非固体形態(例えば、液体または半固体形態)、および固体形態(例えば、非晶質または結晶性形態、特定の多形体形態)を含む)、および様々な形態の混合物で存在し得る。当業者ならば、薬学上許容可能な水和物が結晶化の際に結晶格子に水分子が組み込まれた結晶性化合物から形成され得ることを認識するであろう。水和物は、化学量論的水和物ならびに種々の量の水を含有する組成物を含む。本発明はこのような総ての水和物を含む。
【0052】
当業者ならば、その種々の溶媒和物を含め結晶形で存在する本発明の特定の化合物は多形(すなわち、種々の結晶構造で存在する能力)を呈する場合があることをさらに認識するであろう。これらの種々の結晶形は一般に「多形体」として知られる。本発明はこのような総ての多形体を含む。多形体は同じ化学組成を有するが、充填、幾何学的配置、および結晶固体状態の他の記述的特性が異なる。従って、多形体は、形状、密度、硬度、変形性、安定性、および溶解特性等の、異なる物理特性を持ち得る。多形体は一般に、異なる融点、IRスペクトル、およびX線粉末回折パターンを示し、同定に使用することができる。当業者ならば、例えば、その化合物の作製に使用される反応条件または試薬を変更または調整することによって、異なる多形体が作製できることを認識するであろう。例えば、温度、圧力、または溶媒を変化させると多形体を得ることができる。加えて、ある多形体は特定の条件下で別の多形体に自発的に変換し得る。
【0053】
当業者には、使用される装置、湿度、温度、粉末結晶の配向、および粉末X線回折(XRPD)パターンを得る上で関与する他のパラメーターは、回折パターン中の線の出現、強度、および位置に何らかの変動を生じさせ得ることが周知であり、理解される。本明細書に提供される図の回折パターンに「実質的に従う」粉末X線回折パターンは、図のXRPDパターンを示した化合物と同じ結晶形を有する化合物を表すと当業者により見なされるXRPDパターンである。例えば、XRPDパターンは、
図1の回折パターンと同一であり得るか、またはやや異なっている可能性が高い。このようなXRPDパターンは、本明細書に示される回折パターンの線のそれぞれを必ずしも示さなくてもよく、および/またはデータを得る上で関与する条件の違いから生じる前記の線の出現、強度、または位置にわずかな変化を示す場合がある。当業者は、結晶性化合物のサンプルが本明細書に開示される形態と同じ形態を有するか異なる形態を有するかをそれらのXRPDパターンの比較により決定することができる。例えば、当業者は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形のサンプルのXRPDパターンを
図1のXRPDパターンと重ね合わせ、当技術分野の専門性と知識を用いて、そのサンプルのXRPDパターンが
図1のXRPDパターンに実質的に従うかどうかを容易に決定することができる。そのXRPDパターンが
図1に実質的に従えば、そのサンプル形態は、本明細書に記載の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形と同じ形態を有すると容易かつ正確に特定することができる。同様に、当業者は、XRPDパターンから得られる所与の回折角(°2θで表される)が列挙された値とほぼ同じ位置にあるかどうかを決定することもできる。一態様において、本発明は、化合物が、既知の結晶形のXRPD回折パターンから選択される少なくとも5つのピークを有することを特徴とする、その既知の結晶形と同じ形態であると特定できる式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはその水和物を提供する。
【0054】
一態様において、本発明は、構造
【化5】
を有する(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸である化合物、もしくはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体を対象とする。
【0055】
一実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体とも呼ばれる、非水和物形態、非溶媒和物形態、結晶形(形態1)としての、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸の結晶性化合物、またはその互変異性体を提供する。一実施形態において、本発明は、単離された結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、実質的に純粋な結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。
【0056】
結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体は、
図1に示されるものに実質的に従うXRPDパターンを特徴とする。結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体は、表3の回折データを特徴とする。一実施形態において、本発明は、1.5406ÅのX線波長を用いてX線粉末回折により測定した場合に12.38°、25.90°、19.35°、および7.54°±0.2°2θにピークを含んでなるX線粉末回折パターンを有する(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)の結晶形、またはその互変異性体を提供する。
【0057】
一態様において、本発明は、実質的に純粋な式(I)の化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸である実質的に純粋な化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、実質的に純粋な結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。
【0058】
一態様において、本発明は、単離された式(I)の化合物、もしくはその塩、特にまたは薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸である単離された化合物、もしくはその塩、特に薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、単離された結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。
【0059】
当業者は、ある特定の場合、化学命名プログラムが構造的に示された化合物をその化合物の互変異性体として命名し得ることを認識するであろう。命名された化合物または構造的に示された化合物として言及するいずれの場合にも、そのような化合物の総ての互変異性体およびそれらの互変異性体のいずれの混合物も包含することを意図していると理解されるべきである。
【0060】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物を以下の互変異性体:
【化6】
すなわち、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-オキソ-2,3,6,7-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;および
【化7】
すなわち、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
とともに対象とする。
【0061】
本発明はまた、式(I)および下記に列挙されたものと同一であるが、1以上の原子が自然界に通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されているという点で異なる同位体標識化合物も含む。本発明の化合物およびその薬学上許容可能な塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0062】
前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物および前記化合物の薬学上許容可能な塩も本発明の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば、3H、14C等の放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、すなわち、3H、および炭素-14、すなわち、14C同位体は、それらの調製のしやすさおよび検出能のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体はPET(陽電子放射断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体はSPECT(単光子放射コンピューター断層撮影法)において特に有用であり、総てが脳撮像法において有用である。さらに、重水素、すなわち2H等のより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の延長または用量要求の低減をもたらすある種の治療的利点を与え得るので、状況によっては好ましいことがある。本発明の式(I)および下記の同位体標識化合物は一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることにより、以下のスキームおよび/または実施例に開示される手順を行うことで調製することができる。
【0063】
代表的な実施形態
本発明は、式(I)の化合物::
【化8】
[式中、
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R
1は、水素、-OH、-C
1-3アルキル、-CF
3、ジフルオロメチル、またはハロであり;
Yは、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であり;かつ
Y’は、水素、-C
1-5アルキル、-C
3-7シクロアルキル、-CF
3、-CHF
2、または-CH
2CF
3であるか;
あるいはYおよびY’は、一緒になって-C
3-7シクロアルキルを形成する]
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を対象とする。
【0064】
好適には、本発明の化合物は、Rが水素またはメチルであり;R’が水素またはメチルであり;R1が水素、-OH、-C1-3アルキル、-CF3、ジフルオロメチル、またはハロであり;Yが水素、-C1-5アルキル、-C3-7シクロアルキル、-CF3、-CHF2、または-CH2CF3であり;Yが水素、-C1-5アルキル、-C3-7シクロアルキル、-CF3、-CHF2、または-CH2CF3であるか;あるいはYおよびY’は、一緒になって-C3-7シクロアルキルを形成し;およびその塩、またはその薬学上許容可能な塩、またはその互変異性体、またはその水和物である。
【0065】
本発明の化合物の一実施形態において、Rは、水素またはメチルである。特定の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R’は、メチルである。
【0066】
本発明の化合物の一実施形態において、R’は、水素またはメチルである。特定の実施形態において、R’は水素である。他の実施形態において、Rは、メチルである。
【0067】
本発明の化合物の一実施形態において、RおよびR’は独立に、水素またはメチルである。特定の実施形態において、RおよびR’は両方とも水素である。他の実施形態において、RおよびR’は両方ともメチルである。さらに他の実施形態において、Rはメチルであり、R’は水素である。さらに他の実施形態において、Rは水素であり、R’はメチルである。
【0068】
本発明の化合物の一実施形態において、R1は、水素、-OH、-C1-3アルキル、-CF3、ジフルオロメチル、またはハロである。特定の実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1は-C1-3アルキルである。さらに他の実施形態において、R1はハロである。他の実施形態において、R1はメチルである。さらに他の実施形態において、R1はフッ素である。
【0069】
本発明の化合物の一実施形態において、Yは、水素、-C1-5アルキル、-C3-7シクロアルキル、-CF3、-CHF2、または-CH2CF3である。一実施形態において、Yは、-C1-5アルキル、-C3-5シクロアルキルまたは-CF3である。他の特定の実施形態において、Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3である。さらに他の特定の実施形態において、Yは、メチル、エチルまたはイソプロピルである。他の実施形態において、Yはメチルである。さらに他の実施形態において、Yはエチルである。さらなる実施形態において、Yはイソプロピルである。さらに他の実施形態において、Yは-CF3である。
【0070】
本発明の化合物の一実施形態において、Y’は、水素、-C1-5アルキル、-C3-7シクロアルキル、-CF3、-CHF2、または-CH2CF3である。一実施形態において、Y’は、水素または-C1-5アルキルである。他の実施形態において、Y’は、水素、メチルまたはエチルである。さらに他の実施形態において、Y’は、メチルまたはエチルである。他の実施形態において、Y’はメチルである。さらに他の実施形態において、Y’はエチルである。さらなる特定の実施形態において、Y’は水素である。
【0071】
好適には、Yがメチル、エチル、イソプロピルまたは-CF3である場合、Y’は、水素またはメチルである。一実施形態において、Yは、メチル、エチル、イソプロピルまたは-CF3であり、Y’は水素である。他の実施形態において、Yは、メチル、エチル、イソプロピルまたは-CF3であり、Y’はメチルである。特定の実施形態において、Yはメチルであり、Y’は水素である。他の特定の実施形態において、Yはエチルであり、Y’は水素である。さらに他の特定の実施形態において、Yはイソプロピルであり、Y’は水素である。なおさらに他の特定の実施形態において、Yは-CF3であり、Y’は水素である。さらに他の特定の実施形態において、Yはメチルであり、Y’はメチルである。
【0072】
本発明の特定の実施形態において、Rは水素であり、R’は水素であり、R1は水素であり、Yはエチルであり、Y’は水素である。
【0073】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素、-C1-3アルキルまたはハロであり;
Yは、-C1-5アルキル、-C3-5シクロアルキルまたは-CF3であり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0074】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素、-C1-3アルキルまたはハロであり;
Yは、-C1-5アルキル、-C3-5シクロアルキルまたは-CF3であり;かつ
Y’はメチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0075】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素、メチルまたはフッ素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0076】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素、メチルまたはフッ素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’はメチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0077】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0078】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素またはメチルであり;
R’は、水素またはメチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、水素であり;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0080】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0081】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0082】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチル、イソプロピル、または-CF3であり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0083】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチルまたはイソプロピルであり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0084】
本発明のさらに他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチルまたはイソプロピルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0085】
本発明のなおさらなる他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチルまたはイソプロピルであり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0086】
本発明のなおさらなる他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチル、エチルまたはイソプロピルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0087】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチルであり;かつ
Y’は、水素であり;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0088】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、メチルであり;かつ
Y’は、メチルであり;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0089】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチルであり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0090】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、メチルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0091】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、エチルであり;かつ
Y’は水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0092】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、エチルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0093】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、エチルであり;かつ
Y’は、水素であり;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0094】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、エチルであり;かつ
Y’は、メチルであり;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0095】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、イソプロピルであり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0096】
本発明のさらなる実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、メチルであり;
R’は、メチルであり;
R1は、水素であり;
Yは、イソプロピルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0097】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、イソプロピルであり;かつ
Y’は、水素である;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0098】
本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物は、以下:
Rは、水素であり;
R’は、水素であり;
R1は、水素であり;
Yは、イソプロピルであり;かつ
Y’は、メチルである;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0099】
本発明は上記の実施形態と特定の基のあらゆる組合せを包含すると理解されるべきである。
【0100】
本発明の化合物の具体例としては、
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;
(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7’-ヒドロキシ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4’(5’H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸;および
(R)-3-(3-(((R)-2-(tert-ブチル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)プロパン酸;
もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。
【0101】
本発明の化合物は医薬組成物における使用が意図されるので、それらはそれぞれ好ましくは、実質的に純粋な形態、例えば、少なくとも60%純度、より好適には少なくとも75%純度、好ましくは少なくとも85%、特には少なくとも98%純度(%は重量に対する重量に基づく)で提供されることが容易に理解されるであろう。これらの化合物の不純な調製物は、医薬組成物において使用されるより純粋な形態を調製するために使用可能である。
【0102】
化合物の調製
当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成方法に適合しなければ、その置換基はその反応条件に安定な好適な保護基で保護してよいことを認識するであろう。保護基は所望の中間体または目的化合物を得るための一連の反応の適切な時点で除去することができる。好適な保護基ならびにこのような好適な保護基を用いて種々の置換基を保護および脱保護するための方法は当業者に周知であり、その例はT. Greene and P. Wuts, Protecting Groups in Chemical Synthesis (第3版), John Wiley & Sons, NY (1999)に見出すことができる。いくつかの例では、置換基は、使用する反応条件下で反応性のあるように特に選択することができる。これらの状況下で、これらの反応条件は、選択された置換基を中間化合物として有用であるかまたは目的化合物において所望の置換基である別の置換基に変換する。
【0103】
一般式(I)の化合物およびその薬学上許容可能な誘導体および塩の合成は、下記のスキームA~Fに概略を示すように達成することができる。以下の説明において、基は特に断りのない限り、式(I)の化合物に関して上記で定義された通りである。略号は実施例の節に定義される通りである。出発材料は市販されているかまたは市販の出発材料から当業者に公知の方法を用いて作製される。
【0104】
一般合成法
化合物IおよびIIは市販されているか、または科学文献に記載されている既知の方法によって作製され得る。スキームAにおいて、化合物Iをボラン-テトラヒドロフラン、ボラン-ジメチルスルフィド、または水素化リチウムアルミニウム等の還元剤の存在下で反応させると化合物IIを得ることができ、水素化ナトリウム等の塩基で処理し、塩化p-メトキシベンジルでアルキル化すると中間体IIIが形成する。
【0105】
スキームA
【化9】
条件:a)BH
3-DMS;b)NaH、PMB-Cl
【0106】
スキームBは、式XIVの化合物の合成のための経路を示す。化合物IVは、極性プロトン性溶媒中、メチルアミンを用いて化合物Vに変換することができる。化合物VをN-ブロモスクシンイミドの存在下で臭素化すると、化合物VIを形成することができる。化合物VIを塩酸等の酸の存在下、鉄等の還元剤で処理すると式VIIの化合物を形成することができ、次に、極性非プロトン性溶媒中、亜硝酸tert-ブチルおよびテトラフルオロホウ酸で処理すると化合物VIIIを形成することができる。化合物VIIIを、トリフェニルホスフィンまたはトリ-o-トリルホスフィン等のホスフィン配位子と組み合わせた、酢酸パラジウム等のパラジウム源の存在下でアクリル酸メチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸tert-ブチル等のアクリル酸エステルで処理すると、化合物IXを形成することができる。化合物IXを水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウム等の塩基、またはトリフルオロ酢酸等の酸で処理すると化合物Xを形成することができる。化合物Xを、低温、極性非プロトン性溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、塩化ピバロイルで処理した後、塩化リチウムおよび(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンを添加すると化合物XIが形成される。化合物XIは、マグネシウム金属、レーキ金属またはターボ(イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム複合体)試薬のいずれかを、ヨウ素、ジブロモエタン、ヨウ化メチルまたは水素化ジイソブチルアルミニウムの形態の金属スクラブとともに使用して化合物IIIのグリニャール試薬を形成させることによって化合物XIIに変換することができ、一方、形成したグリニャール試薬を、次に、臭化銅、ヨウ化銅、またはシアン化銅等の銅源の存在下で使用して化合物XIIを形成することができる。化合物XIIは、エタノールまたはメタノール等の極性プロトン性溶媒中、臭化マグネシウムを用いて化合物XIIIに変換することができ、化合物XIIIは次に、極性非プロトン性溶媒中、酸化条件下でDDQを用いて脱保護して化合物XIVとすることができる。
【0107】
スキームB
【化10】
条件:a)MeNH
2、EtOH;b)NBS;c)Fe、HCl;d)t-BuONO、HF-BF
3;e)アクリル酸t-Bu、Pd(OAc)
2、P(o-tol)
3;f)TFA;g)THF、PivCl、TEA、-25℃;2.LiCl、(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン;h)1.THF、Mg、III;2.CuBr-DMS、-40~-30℃;i)EtOH、MgBr;j)DCM、DDQ。
【0108】
スキームCは、式XVIIIの化合物の合成のための経路を示す。化合物Xは、低温、極性非プロトン性溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミン等の塩基の存在下で塩化ピバロイルを用い、その後、塩化リチウムおよび(R)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンを添加して化合物XVに変換することができる。化合物XVは、マグネシウム金属、レーキ金属またはターボ試薬のいずれかを、ヨウ素、ジブロモエタン、ヨウ化メチルまたは水素化ジイソブチルアルミニウムの形態の金属スクラブとともに使用して化合物IIIのグリニャール試薬を形成することによって化合物XVIに変換することができ、一方、形成したグリニャール試薬を、次に、臭化銅、ヨウ化銅、またはシアン化銅等の銅源の存在下で使用して化合物XVIを形成することができる。化合物XVIは、エタノールまたはメタノール等の極性プロトン性溶媒中、臭化マグネシウムを用いて化合物XVIIに変換することができ、化合物XVIIは、次に、極性非プロトン性溶媒中DDQを用いて、酸化条件下で脱保護して化合物XVIIIとすることができる。
【0109】
スキームC
【化11】
条件:a)1.THF、PivCl、TEA、-25℃;2.LiCl、(R)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン;b)1.THF、Mg、A3;2.CuBr-DMS、-40~-30℃;c)MeOH、MgBr;d)DCM、DDQ。
【0110】
スキームDは、式XXの化合物の合成のための経路を示す。化合物XVIIIは、極性非プロトン性溶媒中、ヨウ化メチルの存在下、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の強塩基を用いて、化合物XIXに変換することができ、これを次に、極性非プロトン性溶媒中、DDQを用い、酸化条件下で化合物XXに変換することができる。
【0111】
スキームD
【化12】
条件:a)1.THF、NaHMDS、MeI、RT;2.NaHMDS、MeI、5℃;b)DCM、H
2O、DDQ。
【0112】
スキームEにおいて、化合物XXIおよびXXIIは市販されているか、または科学文献に記載されている既知の方法によって作製され得る。化合物XXIをメタノールまたはエタノール等の極性プロトン性溶媒中、アンモニア等のアミン源で処理すると、Yが従前に定義された式XXIIの化合物を得ることができる。化合物XXIIは、極性非プロトン性溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて適宜置換されたピリジルカルボキシアルデヒドで処理して、R’が従前に定義された通りである化合物XXIIIを得ることができる。あるいは、化合物XXIIは、極性プロトン性溶媒中、モレキュラーシーブスまたは硫酸マグネシウム等の乾燥剤の存在下、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いてピリジルカルボキシアルデヒドで処理することによって化合物XXIIIに変換することができる。化合物XXIIIは、極性非プロトン性溶媒中、カリウムt-ブトキシド等の強塩基の存在下で加熱した後にboc無水物を添加すると、環化して化合物XXIVとなり得る。各Yが同じではない場合、化合物XXIVは、キラルクロマトグラフィーを行った後に、bippyphos、XPhos、またはtBuXPhos等の配位子、および水酸化カリウムまたは水酸化セシウム等の水酸化物源の存在下でビス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等のパラジウム触媒を用いてヒドロキシル基を置換することによって、化合物XXVに変換することができる。化合物XXVは、非極性溶媒中、トリフルオロ酢酸または塩酸を用い、酸性条件下で脱保護して化合物XXVIとすることができる。
【0113】
スキームE
【化13】
条件:a)NH
3、MeOH;b)NaBH(OAc)
3、THFまたはMeOH、MgSO
4、NaBH
4;c)1.KOtBu、DMSO、100℃;2.Boc
2O;d)1.キラルクロマトグラフィー;2.CsOH、Pd(dba)
2、Bippyphos、90℃;e)HCl/ジオキサン。
【0114】
スキームFは、Y、RおよびR’が従前に定義された式XXIXの化合物の合成のための経路を示す。XXVIIの化合物は、極性非プロトン性溶媒の存在下、塩化チオニル等の塩素化源で処理した後に、極性非プロトン性溶媒中、高温下で、トリエチルアミンまたはジイソプロピルアミン等の塩基の存在下、XXVIでアルキル化することによって、化合物XXVIIIに変換することができる。式XXIXの化合物は、Rの性質に応じて様々な加水分解条件によって化合物XXVIIIから作製することができる。例えば、RがHであれば、加水分解条件は、高温下、メタノールまたはエタノール等の極性プロトン性溶媒中、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等の塩基を用いて実施される。逆に、RがMeであれば、加水分解条件は、高温、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム等の塩基を用いた、ジオキサン等の高沸点非極性溶媒中、またはマイクロ波照射下、メタノールおよび水等の極性プロトン性溶媒の組合せ中で実施される。
【0115】
スキームF
【化14】
条件:a)1.DCM、S(O)Cl
2;2.MeCN、XXVI、DIEA、55℃;b)ROH、NaOH水溶液、55℃(R=H)またはジオキサン、5N NaOH、100℃(R=Me)またはMeOH、H
2O、LiOH、120℃。
【0116】
スキームG
スキームGにおいて、ピリジルカルボキシアルデヒドは市販されているか、または科学文献に記載されている既知の方法によって作製され得る。ピリジルカルボキシアルデヒドを、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて、ジクロロメタン等の極性非プロトン性溶媒中、保護基、2-メトキシベンジルアミン、2,4-ジメトキシベンジルアミン等として働かせるためにアミン源で処理すると、Xが塩素または臭素等のハロゲンであり、R1が従前に定義されている式XXXの化合物を得ることができる。化合物XXXをメタノール等の極性プロトン性溶媒中、Yが従前に定義されたエポキシドXXIで処理すると化合物XXXIを得ることができる。化合物XXXIは、カリウムt-ブトキシド、水素化ナトリウム等の強塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒中で加熱すると、環化して化合物XXXIIとなり得る。化合物XXXIIを、ビス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等のパラジウム触媒、およびbippyphos、XPhos、またはtBuXPhos等の配位子の存在下、水酸化カリウムまたは水酸化セシウム等の水酸化物源で処理すると、化合物XXXIIIを得ることができる。化合物XXXIIIは、非極性溶媒中、トリフルオロ酢酸または塩酸を用い、酸性条件下で脱保護して化合物XXVIとすることができる。
【0117】
スキームG
【化15】
条件:a)NaBH(OAc)
3、DCM、HOAc;b)XXI、MeOH、40℃;c)NaH、DMF;d)Pd
2(dba)
3、
tBuXPhos、KOH、ジオキサン、H
2O、100℃;d)1.TFA、80℃;2.HCl、ジオキサン。
【0118】
スキームHにおいて、化合物IIを、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物等のパラジウム触媒および酢酸カリウム等の塩基の存在下、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)と反応させると式XXIVの化合物を得ることができる。
【0119】
スキームH
【化16】
条件:a)4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)、PdCl
2(dppf)-CH
2Cl
2付加物、KOAc、ジオキサン。
【0120】
生物活性
上述のように、Nrf2調節疾患または障害の治療において有用な式Iによる化合物はNrf2活性剤である。さらなる態様において、Nrf2調節疾患または障害は、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよびCRS、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系および非呼吸器系障害等の、酸化ストレス成分を示すヒト疾患または障害である。
【0121】
式Iによる化合物の生物活性は、Nrf2活性剤としての候補化合物の活性を決定するための任意の好適なアッセイ、ならびに組織およびin vivoモデルを用いて決定することができる。
【0122】
式(I)の化合物の生物活性は、以下の試験により示される。
【0123】
BEAS-2B NQO1 MTTアッセイ
DTジアホラーゼとも呼ばれるNAD(P)H:キノンオキシドレダクターゼ1(NQO1)は、キノンの必須のNAD(P)H依存性二電子還元を触媒し、一電子還元から生じるフリーラジカルおよび反応性酸素種の毒性作用および新生物作用から細胞を保護するホモ二量体FAD含有酵素である。NQO1の転写はNrf2により微調節され、従って、NQO1活性はNrf2活性化の良好なマーカーである。1日目に、冷凍BEAS-2B細胞(ATCC)を水浴で解凍し、計数し、250,000細胞/mLの密度で再懸濁させた。50マイクロリットルの細胞を384ウェル黒色透明底プレートに播種した。プレートを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。2日目に、プレートを遠心分離し、50nLの化合物または対照を細胞に加えた。次に、プレートを37℃、5%CO2で48時間インキュベートした。4日目に、培地をプレートから吸引し、13μLの1倍Cell Signaling Technologies溶解バッファーを、10mLの溶解バッファーにつき1個のComplete,Mini,EDTA不含プロテアーゼ阻害錠剤(Roche)を加えることにより粗細胞溶解液を作製した。溶解後、プレートを室温で20分間インキュベートした。2マイクロリットルの溶解液をCell Titer Gloアッセイ(Promega)で使用するために取り出し、NQO1活性の測定のためにMTTカクテルを作製した(Prochaska et. al. 1998)。50マイクロリットルのMTTカクテルを各ウェルに加え、プレートを遠心分離し、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)にて吸光度570nmラベルを用いて30分間分析した。生成物の形成を動態学的に測定し、吸光度の変化(ΔOD/分)を化合物濃度の対数に対してプロットした後に3パラメーターフィッティングを行うことによりNQO1特異的活性誘導のpEC50を計算した。
【0124】
本明細書に記載の総ての例が、特に断りのない限りBEAS-2B細胞アッセイにおいて活性を有していた(表1参照)。EC50s<1nM(+++++)、EC50s 1nM~10nM(++++)、EC50s 10nM~100nM(+++)、EC50s 100nM~1μM(++)、EC50s 1μM~10μM(+)。
【0125】
【0126】
ヒトPXR活性化アッセイ
PXRリガンドのトランス活性化活性を、全長ヒトPXRを含有する発現ベクターおよびルシフェラーゼ発現を駆動するヒトCYP3A4プロモーターを有するFuGENE(商標)で一過性にトランスフェクトされたヒト肝細胞癌系統(HepG2)バッチにおいて測定した。トランスフェクション後、細胞をアッセイに必要とされるまで冷凍した。
【0127】
アッセイ当日、細胞を採取し、CEDEX装置で計数した後、10%チャコール/デキストラン処理FBSを添加したフェノールレッド不含DMEM-F12中に、50,000細胞/mLの密度に再懸濁させた。次に、20μlの細胞懸濁液をDMSO中に0.1mLの試験化合物を含有する白色Nunc 384ウェルプラートの各ウェルに分注した。細胞を化合物の存在下で24時間インキュベートし、その後、10mLのSteady-Lite(商標)ルシフェラーゼ基質を各ウェルに加えた。ルシフェラーゼ活性をPherastar(商標)イメージャーでの測定により定量し、活性を10μMリファンピシンによる誘導と比べた場合の最大誘導パーセントとして表した。
【0128】
サルPK試験
総ての試験は、GSK所内動物実験委員会による検証の後、GSK Policy on the Care, Welfare and Treatment of Laboratory Animalsに従って行った。試験に使用する前の動物に対して、診察および全血算定を含んだ試験前健康診断を行った。試験日にサンプル収集のために頭部静脈または伏在静脈にカテーテルを一時的に留置した。これらの動物を投与前に一晩絶食させ、血液サンプルを収集した4時間後に食物を与えた。静脈溶液および経口液薬物動態試験を、非クロスオーバー計画を用いて行い、合計4個体の雄カニクイザルを各投与経路に2個体ずつ使用した。
【0129】
本試験に使用した化合物は、本明細書における実施例1の化合物、および化合物A(WO2018/109646の実施例1の化合物)であった。
【0130】
静脈内投与の用量は、20%Cavitron(商標)および5%DMSO中、最大5つの試験化合物のカセットとして調製した。静脈投与処方物は投与前に0.22ミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過した。経口液投与の用量は、6%Cavitron(商標)および5%DMSO中、最大5つの試験化合物のカセットとして調製し、投与前に0.22ミクロンのVWR PTFEフィルターで濾過した。
【0131】
各動物は、60分の静脈注入または強制経口投与として1mg/kg/化合物(4mL/kg投与容量)の公称用量を受容した。血液サンプル(各およそ0.25mL)は、頭部静脈または伏在静脈から収集した。静脈投与を受けた動物からの血液サンプルを投与前ならびに静脈注入の開始後15分、30分、45分、60分(注入の終了前)、62分、65分、75分、90分、120分、180分、240分、360分、480分、600分、および1440分の対象時間に収集した。経口投与を受けた動物では、血液サンプルを投与前ならびに強制経口投与後5分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分、240分、360分、480分、600分、および1440分に収集した。血漿を遠心分離により血液から単離し、30μLのアリコートを、ヘパリン処理をしていないチューブに移し、固体二酸化炭素上で急速冷凍し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)により試験化合物濃度に関して分析するまで、およそ-80℃で保存した。
【0132】
マウスPK試験
総ての試験は、GSK所内動物実験委員会による検証の後、GSK Policy on the Care, Welfare and Treatment of Laboratory Animalsに従って行った。経口懸濁液薬物動態試験を単一試験日に行い、合計3個体の雄CD1マウスを使用した。
【0133】
本試験に使用した化合物は、本明細書における実施例1の化合物、および化合物A(WO2018/109646の実施例1の化合物)であった。
【0134】
経口懸濁液用量は、1%メチルセルロース水溶液で調製した。各動物は、強制経口投与として30mg/kg(10mL/kg投与容量)の公称用量を受容した。血液サンプル(各およそ0.025mL)は、尾静脈から収集した。血液サンプルは、投与前ならびに強制経口投与後15分、30分、60分、120分、240分、480分、および1440分の対象時間に収集した。25μLアリコートを、25μLの水を含有するヘパリン処理をしていないチューブに加え、固体二酸化炭素上で急速冷凍し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)により試験化合物濃度に関して分析するまで、およそ-80℃で保存した。
【0135】
ラットPK試験
総ての試験は、GSK所内動物実験委員会による検証の後、GSK Policy on the Care, Welfare and Treatment of Laboratory Animalsに従って行った。この試験は、2試験日で、各試験日の間に1日の回復期間を設けてクロスオーバー計画にて行った。試験開始の少なくとも3日前に、3個体のラットがそれぞれ試験分子の注入のための外科的に移植された大腿静脈、大腿動脈、および胃カテーテル、血液採取、および経口用量投与を受けた。投与溶液は投与前に濾過し、動物に投与された実際の用量を定量した。総てのPKパラメーターは、各動物に投与された実際の用量に基づいて計算した。腎クリアランスの決定のために各動物からiv投与後0~24時間に尿を収集した。
【0136】
本試験で使用した化合物は、本明細書における実施例1の化合物、および化合物A(WO2018/109646の実施例1の化合物)であった。
【0137】
静脈内投与のための用量を20%Cavitron(商標)および5%DMSOで調製した。静脈投与処方物は投与前に0.22ミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過した。経口液投与の用量は、6%Cavitron(商標)および5%DMSOで調製し、投与前に0.22ミクロンのVWR PTFEフィルターで濾過した。
【0138】
各動物は、試験1日目に30分の静脈注入として1mg/kg(4mL/kg投与容量)の公称用量を受容した。試験2日目に、各動物は、強制経口投与として2mg/kg(16mL/kg投与容量)の公称用量を受容した。血液サンプル(各およそ0.11mL)を大腿動脈カテーテルから収集した。静脈投与を受けた動物からの血液サンプルを投与前ならびに静脈注入の開始後5分、15分、29分(注入の終了前)、32分、35分、45分、60分、90分、120分、180分、240分、360分、480分、720分、960分、1200分、および1440分の対象時間に収集した。経口投与を受けた動物では、血液サンプルを投与前ならびに強制経口投与後5分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分、240分、360分、480分、720分、960分、1200分、および1440分の対象時間に収集した。血漿を遠心分離により血液から単離し、30μLのアリコートを、ヘパリン処理をしていないチューブに移し、固体二酸化炭素上で急速冷凍し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)により試験化合物濃度に関して分析するまで、およそ-80℃で保存した。
【0139】
総てのin vivo PK試験の薬物動態パラメーターは、Phoenix WinNonlinバージョン6.1.0または8.1.0を用いるノンコンパートメント法を使用して計算した。総てのパラメーターを、実際の血液採取時間および各動物の実際の用量を用いて計算した。外挿曲線下面積(AUC0-inf)を、終末排泄勾配の直線部分にあると視覚的に評価された少なくとも3つの対数変換濃度の非加重直線回帰分析を用いて決定した。経口液のバイオアベイラビリティは、サルPK試験の場合には、2個体の静脈投与動物からの平均静脈用量およびAUC0-inf値を用いた非クロスオーバー様式で、ラットPK試験の場合にはクロスオーバー様式で計算した。
【0140】
マウス血漿タンパク質結合試験
本明細書における実施例1の化合物、および化合物A(国際公開第2018/109646の実施例1の化合物)の保存溶液を、1mg/mLの濃度で、ジメチルスルホキシド(DMSO)で調製した。インキュベーション混合物は、この保存溶液をヘパリン処理マウス血漿に2000ng/mLの濃度となるように希釈することにより調製した。DMSOの終濃度は0.2%であった。解凍した血漿を遠心分離して残渣を除去した。必要に応じて、血漿サンプルのpHを、使用前に1%リン酸水溶液でおよそ7.5に調整した。インキュベーション混合物を調製した。各インキュベーション混合物の10μLアリコートを3反復で収集し、分析して最初の化合物濃度を確認した。各インキュベーション混合物の4つのアリコートを別個のポリアロマー超遠心管に入れた。これらのインキュベーション混合物をBeckman Type 42.2 Tiローターにて42,000rpm(214,361xg)にて37℃で3時間、最大の加速および減速で遠心分離した。遠心分離後、3本の管の、上清の最上層から1つの50μLアリコートを収集した。残りの管の内容物を均質となるまで混合し、遠心分離管からの化合物の回収率を決定するために3つの10μLアリコートを収集した。これらのサンプルを固体二酸化炭素上で急速冷凍し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)により試験化合物濃度に関して分析するまで、およそ-80℃で保存した。超遠心分離管からの化合物の総回収率は、下式を用いて計算した:
【数1】
式中、Cplasは、遠心分離後混合血漿化合物濃度であり、Cinitは、平均初期(遠心分離前)化合物濃度である。
【0141】
超遠心分離による非結合パーセント(Fu)は、下式を用いて計算した:
【数2】
式中、Csupは、遠心分離後血漿上清化合物濃度であり、Cinitは、平均初期(遠心分離前)化合物濃度である。
【0142】
【0143】
表2に示されるように、実施例1(EC50=13nM)および化合物A(EC50=16nM)は、細胞におけるNrf2経路の比較可能な活性化を示し、ラットにおける同等の薬物動態パラメーターを示す。しかしながら、実施例1は、サルおよびマウスの薬物動態試験で評価した場合に、化合物Aとの比較を示す。
【0144】
カニクイザルの薬物動態(PK)パラメーターは、臨床に進むための化合物の選択に使用される重要な基準であり、これはこれらのパラメーターは好適な投与計画を用いてヒトにおいて薬理学的効果を生じるに必要な薬物曝露を達成する可能性に関する情報を与えるからである。本明細書における実施例1の化合物の総クリアランス(CL)には約27倍の低下が見られ、示されたCLは0.41mL/分/kgであったが、化合物A(国際公開第2018/109646の実施例1の化合物)は、カニクイザルにおいて10.9mL/分/kgのCLを示した。本明細書における実施例1の化合物の平均滞留時間(MRT)には約11倍の増加が見られ、これは18時間のMRTを示したが、化合物Aは、カニクイザルにおいて1.6時間のMRTを示した。CLの低下およびより長いMRTは、本明細書における実施例1の化合物を示すPKプロファイルをもたらし、臨床において好ましい1日1回の投与計画にてより低用量で投与することができる。
【0145】
マウスにおいて、実施例1(クリアランス/バイオアベイラビリティ=15.6mL/分/kg)および化合物A(クリアランス/バイオアベイラビリティ=31mL/分/kg)は、経口投与後に同等の血中曝露を与えた。しかしながら、化合物Aは、マウス血漿タンパク質に高い割合で結合することが判明し(99.7%)、一方、実施例1は劇的に低い血漿タンパク質結合を示した(91.6%)。実施例1の低い血漿タンパク質結合は、所与の用量で化合物Aよりも高い有効性を有することを示唆する。
【0146】
ヒトプレグナン(preganane)X受容体(PXR)に対する活性は、臨床に進むための化合物の選択に使用される重要なもう1つの基準であり、これはPXR活性剤が、他の併用投与薬を無効にする可能性のある薬物間相互作用を引き起こし得るためである。本明細書における実施例1の化合物に関して測定可能なPXR活性(EC50>50,0000nM)が無いことは、本発明の化合物は臨床上の薬物間相互作用に遭遇するリスクが低いことを示す。
【0147】
マウス横大動脈収縮(TAC)左室圧負荷モデル
雄C57BLK/6Jマウス(10~12週齢)を個別に飼育し、1~3日間、標準齧歯類粉餌に馴化させた。試験中、水は自由に摂らせた。マウスをまず、チャンバー内で酸素とともに3%イソフルラン(1.0L/分)を用いて麻酔し、次いで、ノーズコーン(気管挿管無し)を介して1.5%で維持した。正中のすぐ左、胸郭のすぐ上に胸骨上窩のレベルで小さく切開した(約5mm)。筋肉組織を退けて胸腔の上の領域を露出させた。胸腺葉を分離し、退けて大動脈弓を露出させた。先端が丸い細い手術用鉗子を用いて大動脈の上下の領域を露出させた。7-0の絹縫合糸を結びつけたマイクロ鈍鉤を大動脈下でループにし、その縫合糸を引き出した。先の丸い27G針の小片に縫合糸を結びつけ、次いでその針を取り除いて大動脈収縮(内腔の60~70%収縮)を作出した。切開部を、筋肉層は6-0絹縫合糸を用いて、次いで、皮膚はMedbondを用いて閉じた。偽手術は大動脈を結紮することなく同じとした。個々の試験設計に応じて、薬物投与を手術当日または手術1~2週間後に開始し(図の凡例に詳細に示す)、試験の終了まで継続した。化合物は、そうではないことが
図12の凡例に示されない限り、マウスの餌中に投与した。TAC試験期間は6週間または10週間であった。TAC試験の評価項目は総て試験終了時に収集した。心臓解剖の後に、サンプルを液体窒素中で急速冷凍して-80℃で保存するか、または分析まで10%中性緩衝ホルマリン中に入れた。
【0148】
心エコー図法:マウスTAC試験については、Vevo 2100高周波イメージングシステムで心エコー図法を実施した。動物を2~3%イソフルランで麻酔し、ヒーティングパット上に動物を置いて1%イソフルランで鎮静を維持した。3心拍周期のBモードイメージングを用いて駆出率(EF)、拡張末期容積(EDV)、収縮末期容積(ESV)、LV重量、および心拍数を評価した。ECGを用いて心エコー図法手順中の心拍数を測定した。
【0149】
NADPHデヒドロゲナーゼ[キノン]-1(NQO1)活性:左室(LV)組織NQO1活性を、NQO1アッセイキットを製造者のプロトコール(Abcam、ケンブリッジ MA)に従って用いて決定した。
KEAP1遮断剤/Nrf2活性剤としての(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、塩酸塩、またはその互変異性体(実施例1)(用量応答)および(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[3,4-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸(実施例B)を、重度血行動態ストレスの10週マウスTACモデルで評価した。8週間毎日投与し、心機能が低下した後に開始した両化合物は、駆出率により評価されるような心機能の完全な正常化、LVにおけるNAD(P)Hキノンオキシドレダクターゼ1(NQO1;抗酸化酵素およびNrf2標識遺伝子産物)の有意な用量関連上昇を引き起こし、心肥大には影響を及ぼさず、多くの確立されたHF療法(ACEi/ARB、β-遮断剤、変力薬)が心機能を改善するが低血圧および不整脈のリスクも高める機序である心臓の減負荷(すなわち、血圧の低減)または心拍数の増大により駆出率の変化を引き起こすこともなかった。
図12参照。
【0150】
図12は、マウス10週TACモデルにおける心機能、リモデリング、およびNQO1酵素活性に対するKEAP1-kelchドメイン遮断剤/Nrf2活性剤(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、塩酸塩、またはその互変異性体(実施例1の化合物)および(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[3,4-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物B)の効果を示す。化合物は総て、TAC2週間後に開始し、食餌に投与した。図の表示は次の通り:Sh(偽手術、n=6)、V(TACおよび薬物不含餌、n=13)、EX1[TACおよび(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、塩酸塩、またはその互変異性体、食餌中1.0mg/kg/日(n=11)、3.0mg/kg/日(n=12)および10mg/kg/日(n=10)]、EXB[TACおよび(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[3,4-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸、食餌中100mg/kg/d、n=7]。(12A)駆出率、左室容積パーセント;(12B)左室NQO1酵素活性、ビヒクルの値を100%とする;(12C)心拍数、(bpm)毎分の拍;および(12D)脛骨長データに対して正規化した左室重量を平均(±s.e.m)として表す。p値は、ダネットの多重比較検定を用いて一元配置ANOVAにより決定した。p値(バーの上)は総てビヒクルと比較したものである(EX 1結果は1、3および10と表示した棒グラフで示し、EX Bは100と表示した棒グラフで示す)。
【0151】
使用方法
本発明の化合物はNrf2活性剤であり、COPD、喘息、ALI、ARDS、線維症、慢性喘息および急性喘息、環境暴露続発性肺疾患、急性肺感染、慢性肺感染、α1アンチトリプシン疾患、嚢胞性線維症、自己免疫疾患、糖尿病性腎症、慢性腎疾患、敗血症誘発性急性腎障害、急性腎障害(AKI)、腎臓移植中に見られる腎疾患または腎不全、肺動脈性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、心不全、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心筋修復、心臓リモデリング、心不整脈、駆出率保持心不全、駆出率低下心不全、糖尿病性心筋症、SCD、プロジェリアおよびCRS、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、フリードライヒ運動失調症(FA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、ハンチントン病(HD)、脊髄損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳卒中、脳卒中、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、および関連のプリオン疾患、進行性核上性麻痺、慢性外傷性脳症(CTE)、神経変性、認知症、前頭側頭骨認知症、タウオパチー、色素性網膜炎、ピック病、ニーマン・ピック病、アミロイドーシス、認知障害、炎症性腸疾患、結腸癌、新生血管(ドライ型)AMDおよび新生血管(ウェット型)AMD、眼損傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)、ブドウ膜炎またはその他の炎症性眼病態、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、毒素誘発性肝疾患(例えば、アセトアミノフェン誘発性肝疾患)、ウイルス性肝炎、肝硬変、乾癬、皮膚炎/放射線局所作用、放射線曝露による免疫抑制、子癇前症、および高所病から選択される呼吸器系および非呼吸器系障害の治療または予防に有用である。
【0152】
よって、一態様において、本発明は、このような病態を治療する方法を提供する。
【0153】
本発明の治療方法は、治療上有効な量の式(I)による化合物もしくはその塩、特に、その薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる。
【0154】
一実施形態において、本発明は、肺動脈性高血圧症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、アテローム性動脈硬化症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、高血圧症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、急性冠動脈症候群の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、心筋梗塞の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、心筋修復の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、心臓リモデリングの治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、心不整脈の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、糖尿病性心筋症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、鎌形赤血球症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、プロジェリアおよび心腎症候群の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、パーキンソン病の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、アルツハイマー病の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、フリードライヒ運動失調症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、筋萎縮性側索硬化症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、多発性硬化症の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、ハンチントン病の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、脊髄損傷の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、外傷性脳損傷の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、虚血性脳卒中の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、脳卒中の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。
【0155】
一態様において、本発明は、COPDを治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。具体的には、本発明は、COPDを治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0156】
一態様において、本発明は、心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。一実施形態において、本発明は、心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0157】
一態様において、本発明は、駆出率低下心不全を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法に関する。一実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法に関する。他の実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0158】
一態様において、本発明は、駆出率保持心不全を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法に関する。一実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法に関する。他の実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0159】
一態様において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全の症状を改善または緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。一実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全の症状を改善または緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全の症状を改善または緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全の症状を改善または緩和する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。これらの実施形態のそれぞれにおいて、非虚血傷害の結果としての心不全の症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。
【0160】
一態様において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。一実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を投与することを含んでなる方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0161】
一態様において、本発明は、Nrf2調節に関連する病態の治療および/または予防において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、Nrf2調節に関連する病態の治療および/または予防において使用するための、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、Nrf2調節に関連する病態の治療において使用するための、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、Nrf2調節に関連する病態の治療において使用するための、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を提供する。
【0162】
一態様において、本発明は、Nrf2を調節する方法であって、細胞を式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物と接触させることを含んでなる方法を提供する。一実施形態において、本発明は、Nrf2を調節する方法であって、細胞を(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物と接触させることを含んでなる方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、Nrf2を調節する方法であって、細胞を結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体と接触させることを含んで方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、Nrf2を調節する方法であって、細胞を結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物と接触させることを含んでなる方法を提供する。
【0163】
一態様において、本発明は、療法において使用するための本発明の化合物を提供する。一実施形態において、本発明は、療法において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、療法において使用するための、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、療法において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、療法において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を提供する。
【0164】
一態様において、本発明は、Nrf2活性剤として使用するための、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、Nrf2活性剤として使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、Nrf2活性剤として使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、Nrf2活性剤として使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物を提供する。
【0165】
一態様において、本発明は、COPDの治療のための、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用に関する。具体的には、本発明は、COPDの治療のための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用に関する。
【0166】
一態様において、本発明は、心不全の治療のための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、心不全の治療のための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0167】
一態様において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0168】
一態様において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0169】
一態様において、本発明は、COPDの治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。具体的には、本発明は、COPDの治療のための薬剤の製造における(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。
【0170】
一態様において、本発明は、心不全の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、心不全の治療のための薬剤の製造における(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0171】
一態様において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための薬剤の製造における(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0172】
一態様において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための薬剤の製造における(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の使用を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の使用を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療のための薬剤の製造における結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物の使用を提供する。
【0173】
一態様において、本発明は、COPDの治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。具体的には、本発明は、COPDの治療において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物に関する。
【0174】
一態様において、本発明は、心不全の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、式(I)の化合物は、心不全の治療において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物である。他の実施形態において、本発明は、心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。
【0175】
一態様において、本発明は、駆出率低下心不全の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率低下心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。
【0176】
一態様において、本発明は、駆出率保持心不全の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、駆出率保持心不全の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。
【0177】
駆出率低下心不全の状況において、式(I)の化合物もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物は、心機能の改善および失われた駆出率の回復を示す。一態様において、本発明は、心機能の改善および失われた駆出率の回復において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、心機能の改善および失われた駆出率の回復において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。他の実施形態において、本発明は、心機能の改善および失われた駆出率の回復において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらに他の態様では、本発明は、心機能の改善および失われた駆出率の回復において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。
【0178】
心不全の治療は、対症療法的であり得るか、または疾患修飾性であり得る。本発明の一態様において、心不全の治療は、疾患修飾性を指す。本発明の他の態様において、心不全の治療は、対症療法を指す。本発明のさらなる態様において、治療は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象における症状の改善または緩和を指す。高血圧が非虚血傷害における心不全の原因であり得ることが当業者により理解されるであろう。本発明のさらなる態様において、治療は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和を指し、これらの症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。
【0179】
一態様において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。これらの実施形態のそれぞれにおいて、非虚血傷害の結果としての心不全の症状としては、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。
【0180】
一実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供し、これらの症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。他の実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体を提供し、これらの症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。さらに他の実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供し、これらの症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。さらに他の実施形態において、本発明は、非虚血傷害の結果としての心不全を有する対象に存在する症状の改善または緩和において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供し、これらの症状には、限定されるものではないが、心拍数の増加、低血圧、くるぶしの腫脹、息切れ、倦怠感、過剰体液または体液貯留等が挙げられる。
【0181】
一態様において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を有する対象の治療において使用するための式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。一実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を有する対象の治療において使用するための(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を有する対象の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、虚血傷害の結果としての心不全を有する対象の治療において使用するための結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体を提供する。
【0182】
心不全および鬱血性心不全は互換的に使用されることが当業者により理解されるであろう。
【0183】
本明細書において使用する場合、「治療」は、少なくとも:(1)その病態もしくはその病態の生物学的発現の1以上を改善、軽減または予防すること、(2)(a)その病態をもたらすもしくはその病態の原因となる生物学的カスケードの1以上の点、または(b)その病態の生物学的発現の1以上に干渉すること、(3)その病態に関連する症状または影響の1以上を緩和すること、あるいは(4)その病態もしくはその病態の生物学的発現の1以上の進行を緩徐化することを意図する。疾患または障害の軽減のための治療の方法には、上記のように、例えば、Nrf2媒介疾患または障害の予防、遅延、防止、療法または治癒のための慣例的に許容可能ないずれの様式における本発明の化合物の使用も含まれる。
【0184】
当業者は、「予防」が絶対的な用語でないことを認識するであろう。医学では、「予防」は、病態もしくはその生物学的発現の尤度もしくは重症度を実質的に減らすため、またはこのような病態もしくはその生物学的発現の発症を遅延させるための薬物の予防的投与を指すと理解される。
【0185】
本明細書において使用する場合、本発明の化合物または他の薬学上活性な薬剤に関して「治療上有効な量」は、健全な医学的判断の範囲内で患者の病態を治療するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに十分低い化合物の量(妥当なベネフィット/リスク比で)を意味する。よって、例えば、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の治療上有効な量は、それを必要とする対象に投与した場合に、その活性により媒介される病態が治療される(軽減、緩和または予防を含む)ようにNrf2の活性を調整および/または活性化するのに十分な本発明の薬剤の量である。化合物の治療上有効な量は、選択される特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性、および半減期を考慮);選択される投与経路;治療される病態;治療される病態の重症度;治療される患者の年齢、体格、体重、および健康状態;治療される患者の病歴;治療の期間;併用療法の性質;所望の治療効果;および類似の因子によって異なるが、やはり当業者によって慣例的に決定できる。
【0186】
本明細書において使用する場合、「患者」または「対象」は、ヒトを指す。
【0187】
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の両方を含むいずれの好適な投与経路によって投与してもよい。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与、および吸入による投与が含まれる。非経口投与は、腸内、経皮、または吸入以外の投与経路を指し、一般に注射または注入による。非経口投与としては、静脈内、筋肉内、および皮下注射または注入が含まれる。吸入は、口腔を介する吸入か鼻腔を介する吸入かを問わず、患者の肺への投与を指す。局所投与としては、皮膚への適用、ならびに眼内、耳内、腟内、および鼻腔内投与が含まれる。
【0188】
本発明の化合物は、1回で投与してもよいし、または複数の用量が所与の期間に種々の時間間隔で投与される投与計画に従って投与してもよい。例えば、用量は1日に1回、2回、3回、または4回投与してよい。用量は所望の治療効果が達成されるまで、または所望の治療効果を維持するために無期限に、投与してよい。本発明の化合物に好適な投与計画は、吸収、分布、および半減期等の化合物の薬物動態特性によって決まり、当業者ならば決定することができる。加えて、本発明の化合物の好適な投与計画は、そのような計画が投じられる期間を含め、治療される病態、治療される病態の重症度、治療される患者の年齢および健康状態、治療される患者の病歴、併用療法の性質、所望の治療効果、および当業者の知識および専門技術の範囲内の類似の因子によって決まる。このような当業者には、好適な投与計画がその投与計画に対する個々の患者の応答が得られた際に、または個々の患者が変化を必要とする場合には経時的に調整を必要とする場合があることが理解されるであろう。
【0189】
典型的な1日用量は、選択される特定の投与経路によって異なり得る。経口投与の典型的な用量は、1mg~1000mg/人の範囲である。本発明の一実施形態において、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の投与は1日2回である。本発明の他の実施形態において、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の投与は1日1回である。さらなる実施形態において、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物の投与は1日1回未満である。
【0190】
組成物
本発明の化合物は,必ずではないが通常、患者に投与する前に医薬組成物として処方される。よって、他の態様において、本発明は、本発明の化合物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を対象とする。一態様によれば、本発明は、本発明の化合物および薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0191】
本発明の医薬組成物はバルク形態で調製および包装されてよく、この場合、本発明の化合物の治療上有効な量が抽出され、その後、例えば、粉末またはシロップとともに、患者に与えることができる。あるいは、本発明の医薬組成物は単位投与形で調製および包装されてよく、この場合、物理的に別個の各単位は本発明の化合物の治療上有効な量を含有する。単位投与形で調製される場合、本発明の医薬組成物は一般に1mg~1000mgを含有する。従って、一態様によれば、本発明は、1mg~1000mgの本発明の化合物を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0192】
本発明の医薬組成物は一般に、1種類の本発明の化合物を含有する。しかしながら、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、2種類以上の本発明の化合物を含有する。例えば、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、2種類の本発明の化合物を含有する。加えて、本発明の医薬組成物は、場合により、1種類以上の付加的な薬学上有効な化合物を含んでなり得る。
【0193】
本明細書において使用する場合、「薬学上許容可能な賦形剤」は、医薬組成物への形状または稠度の付与に関与する薬学上許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。各賦形剤は、混合した際に、患者に投与した場合に本発明の化合物の有効性を実質的に低下させる相互作用および薬学上許容可能でない医薬組成物をもたらす相互作用が回避されるように医薬組成物の他の成分と適合しなければならない。加えて、各賦形剤は、当然のことながら、それを薬学上許容可能とするために十分に高純度でなければならない。
【0194】
本発明の化合物および薬学上許容可能な1または複数の賦形剤は一般に、所望の投与経路による患者への投与に適合した投与形に処方される。例えば、投与形には、(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液、溶液、エマルション、サシェ剤、およびカシェ剤等の経口投与に適合した投与形;(2)無菌溶液、懸濁液、および再構成用散剤等の非経口投与に適合した投与形;(3)経皮パッチ等の経皮投与に適合した投与形;(4)坐剤等の直腸投与に適合した投与形;(5)乾燥粉末、エアロゾル、懸濁液、および溶液等の吸入に適合した投与形;ならびに(6)クリーム、軟膏、ローション、溶液、ペースト、スプレー、フォーム、およびゲル等の局所投与に適合した投与形が含まれる。
【0195】
好適な薬学上許容可能な賦形剤は、選択される特定の投与形によって異なる。加えて、好適な薬学上許容可能な賦形剤は、それらが組成物中で働き得る特定の機能のために選択され得る。例えば、ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、均一な投与形の製造を助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、安定な投与形の製造を助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、患者に投与された際に本発明の1または複数の化合物をある器官または身体部分から別の器官または身体部分に運搬または輸送するのを助けるそれらの能力のために選択され得る。ある種の薬学上許容可能な賦形剤は、患者のコンプライアンスを高めるそれらの能力のために選択され得る。
【0196】
好適な薬学上許容可能な賦形剤としては、下記の種の賦形剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存剤、安定剤、界面活性剤、および緩衝剤が挙げられる。当業者ならば、ある種の薬学上許容可能な賦形剤が2つ以上の機能を果たすことがあり、どのくらいの賦形剤が処方物中に存在するか、および他にどんな成分が処方物中に存在するかによって別の機能を果たすことがあることを認識するであろう。
【0197】
当業者は、本発明で使用するための適当な量で好適な薬学上許容可能な賦形剤を選択できるだけの知識と技量を有する。加えて、薬学上許容可能な賦形剤を記載し、好適な薬学上許容可能な賦形剤の選択に有用であり得る、当業者に利用可能ないくつかの情報源がある。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
【0198】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野で慣用される方法のいくつかはRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
【0199】
一態様において、本発明は、錠剤またはカプセル剤等の固体経口投与形を対象とする。本発明の化合物の経口投与に好適な薬学上許容可能な賦形剤としては、希釈剤または増量剤が挙げられる。好適な希釈剤および増量剤としては、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファー化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)、硫酸カルシウムおよび第二リン酸カルシウムが挙げられる。経口固体投与形は、結合剤をさらに含んでなり得る。好適な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファー化デンプン)、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカントガム、グアーガム、ポビドン、およびセルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)が挙げられる。経口固体投与形は、崩壊剤をさらに含んでなり得る。好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロース、アルギン酸、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。経口固体投与形は、滑沢剤をさらに含んでなり得る。好適な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびタルクが挙げられる。
【0200】
具体的には、本発明は、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を提供する。他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0201】
一態様において、本発明は、経口投与のための、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、経口投与のための、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、経口投与のための、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、経口投与のための、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0202】
一態様において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療のための医薬組成物を提供し、その組成物は、式(I)の化合物、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物を含んでなる。一実施形態において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療のための医薬組成物を提供し、その組成物は、(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、もしくはその塩、特にその薬学上許容可能な塩、またはそれらの互変異性体、あるいはそれらの水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を提供する。他の実施形態において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療のための医薬組成物を提供し、その組成物は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる。さらなる実施形態において、本発明は、Nrf2調節疾患または障害の治療のための医薬組成物を提供し、その組成物は、結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、またはその水和物、および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる。
【0203】
一実施形態において、本発明は、実質的に同じ
図1のXRPDパターンを有する結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体、(遊離形態)および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明は、経口投与のための、実質的に同じ
図1のXRPDパターンを有する結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、またはその互変異性体(遊離形態)および1種類以上の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0204】
他の態様において、本発明は、皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む、患者への非経口的投与に適合した投与形を対象とする。非経口投与に適合した医薬処方物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および処方物を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る水性および非水性無菌注射溶液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る水性および非水性無菌懸濁液が含まれる。これらの処方物は単位用量容器または複数用量容器、例えば、密閉アンプルおよびバイアルで提供されてよく、使用直前に無菌液体担体、例えば、注射水の添加を必要とするだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存してもよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、無菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製可能である。
【0205】
他の態様において、本発明は、吸入による患者への投与に適合した投与形を対象とする。例えば、本発明の化合物は、乾燥粉末、エアロゾル、懸濁液、または溶液として肺に吸入され得る。
【0206】
吸入による肺送達のための乾燥粉末組成物は、一般に、微粉粉末としての本発明の化合物を微粉粉末としての1以上の薬学上許容可能な賦形剤とともに含んでなる。乾燥粉末で使用するために特に適した薬学上許容可能な賦形剤は当業者の公知であり、ラクトース、デンプン、マンニトール、および単糖類、二糖類、および多糖類を含む。
【0207】
Nrf2標的遺伝子発現を増強する本発明の化合物は、細胞ストレス応答を阻害する療法と組み合わせた場合に付加的に利益を与え得る。小胞体ストレス応答(unfolded protein response)(UPR)および統合的ストレス応答(integrated stress response)(ISR)は、慢性ストレスおよび加齢の条件下で不適応となり得る重要な保護経路である(Martinez et al, 2017. Aging Cell, 1-9.; Pakos-Zebrucka et al, 2016. EMBO Reports. DOI 10.15252/embr.201642195)。UPR経路およびISR経路は両方とも、4つのeIF2αキナーゼ(PERK、PKR、HRI、およびGCN2)のファミリーによって達成される、真核生物タンパク質合成開始因子2(eukaryotic initiation factor-2)(eIF2α)のαサブユニットのリン酸化を介して、タンパク質翻訳全体を抑制する。神経変性疾患では、eIF2αリン酸化の増大および対応するタンパク質合成の低下が広く見られ、これがシナプスの可塑性を著しく損ない、認知機能の低下に関与している可能性がある(Moon et al. 2018. Trends Mol. Med. https://doi.org/10.1016/j.molmed.2018.04.001; Trinh and Klann, 2013. Neurobio Learning Memory, 105, 93-99)。さらに、脳検体に見られるUPRおよびISRの活性化の病理学的特徴は、酸化ストレスならびに加齢および神経変性の疾患に関連している場合が多い(Hoozemans et al, 2005. Acta Neuropathol 110, 165-172; Scheper and Hoozemans, 2016. Acta Neuropath, DOI 10.1007/s00401-015-1462-8; Stutzbach et al. 2013. Acta Neuropathol Comm, 1, 31, http://www.actaneurocomms.org/content/1/1/31)。ゆえに、UPR阻害剤、eIF2αキナーゼ阻害剤、またはエンハンサーeIF2B活性の促進剤等の、ストレス応答シグナル伝達および翻訳抑制を遮断する化合物が、神経変性疾患および認知障害の潜在的療法として登場した(Smith and Mallucci, 2016. Brain, doi:10.1093/brain/aww101; Freeman and Mallucci, 2016. Brain Res. http://dx.doi.org/10.1016/j.brainres.2016.03.029; Sidrauski et al., 2013. eLIFE, 2:e00498, DOI: 10.7554/eLife.00498)。
【0208】
Nrf2は、UPRの際に活性化される保護的ストレス応答タンパク質であり、PERKキナーゼ活性に依存することが報告されている(Cullinan et al., 2003. Mol Cell Biol, 23, 7198-7209)。しかしながら、慢性ストレスおよび不適応UPRシグナル伝達の疾病関連状況では、Nrf2機能は、核輸送の欠陥によって枯渇しているか、または損なわれている可能性がある。例えば、Nrf2局在欠陥の証拠は、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、およびプロジェリアで報告されている(Ramsey et al., 2007. J Neuropathol Exp Neurol, 66, 75-85; Kubben et al., 2016. Cell, 165, 1361-1374)。タンパク質合成が抑制されている場合の慢性UPRおよびISRの活性化の際のNrf2標的遺伝子転写の低下は、病因をさらに促進または加速化する可能性があり、細胞およびニューロンはさらにアポトーシスを受けやすくなる。よって、ストレス応答阻害剤と組み合わせたNrf2活性の活性剤は、翻訳全体の回復を介して保護的な抗酸化応答およびシナプスの可塑性の維持の両方を増強することにより重要な治療上の利益を提供し得る。
【0209】
好適には、喘息の治療の場合、本発明の化合物または医薬処方物は、例えば、コルチコステロイド等の抗炎症薬、またはその医薬処方物とともに投与することができる。例えば、本発明の化合物は、吸入用のドライパウダー処方物等の単一の処方物として、コルチコステロイド等の抗炎症薬とともに処方することができる。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、コルチコステロイド等の抗炎症薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時にまたは逐次に投与することができる。1つの実施形態において、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物、およびコルチコステロイド等の抗炎症薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入を介した両処方物の同時投与に好適な装置に保持してもよい。
【0210】
本発明の化合物とともに投与するために好適なコルチコステロイドとしては、限定されるものではないが、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ベクロメタゾンジプロプリオナート(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリドおよびプレドニゾロンが挙げられる。本発明の一実施形態において、吸入により本発明の化合物とともに投与するためのコルチコステロイドとしては、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ベクロメタゾンジプロプリオナート(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、およびフルニソリドが挙げられる。
【0211】
好適には、COPDの治療の場合、本発明の化合物または医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬、またはそれらの医薬処方物とともに投与することができる。例えば、本発明の化合物は、吸入用のドライパウダー処方物等の単一の処方物として1以上の気管支拡張薬とともに処方することができる。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時にまたは逐次に投与することができる。さらなる選択肢において、本発明の化合物および気管支拡張薬を含んでなる処方物は、さらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに投与することができる。一実施形態において、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物および1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入を介した両処方物の同時投与に好適な装置に保持してもよい。さらなる実施形態において、本発明の化合物を気管支拡張薬とともに含んでなる医薬処方物、およびさらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入を介した両処方物の同時投与に好適な装置に保持してもよい。
【0212】
本発明の化合物とともに投与するために好適な気管支拡張薬としては、限定されるものではないが、β2-アドレナリン受容体作用薬および抗コリン作用薬が挙げられる。β2-アドレナリン受容体作用薬の例としては、例えば、ビランテロール、サルメテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロール カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレルブテロール、レプロテロール、バムブテロール、インダカテロール、テルブタリンおよびそれらの塩、例えば、サルメテロールのキシナホ酸塩(1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸)塩、サルブタモールの硫酸塩またはフォルモテロールのフマル酸塩が挙げられる。好適な抗コリン作用薬としては、ウメクリジニウム(例えば、臭化物として)、イプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)が挙げられる。本発明の一実施形態において、本発明の化合物は、ビランテロール等のβ2-アドレナリン受容体作用薬、およびウメクリジニウム等の抗コリン作用薬ともに投与することができる。
【0213】
これらの化合物はまた、シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、プレドニゾン、アザチオプリン、シロリムス、ダクリズマブ、バシリキシマブおよびOKT3を含む、移植を補助するための薬剤と組み合わせて使用してもよい。
【0214】
本発明の化合物は、利尿剤、ACE阻害剤、β遮断薬、ARBS、カルシウムチャネル遮断薬、および鉱質コルチコイド受容体拮抗薬(MRA)等の抗高血圧薬と組み合わせて使用してもよい。
【0215】
本発明の化合物は、ネプリライシン等の別の心不全薬と組み合わせて使用してもよい。
【0216】
本発明の化合物は、SGLT2拮抗薬等の抗糖尿病薬と組み合わせて使用してもよい。
【0217】
本発明の一実施形態は、1種類または2種類の他の治療薬を含んでなる組合せを包含する。適当であれば、他の1または複数の治療成分は、その治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特性、例えば溶解度を至適化するために塩、例えば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩または酸付加塩、またはプロドラッグ、またはエステル、例えば、低級アルキルエステル、または溶媒和物、例えば、水和物の形態で使用されてよいことが当業者には自明である。また、適当であれば、治療成分は光学的に純粋な形態で使用されてよいことも自明である。
【0218】
上記で言及した組合せは、医薬処方物の形態で使用するために提供され得ることが好都合であり、従って、上記で定義された組合せを薬学上許容可能な希釈剤または担体とともに含んでなる医薬処方物は、本発明のさらなる態様に相当する。
【0219】
このような組合せの個々の化合物は、別個のまたは組合せられた医薬処方物で逐次または同時に投与され得る。一実施形態において、個々の化合物は組合せ医薬処方物で同時に投与される。よって、本発明は、さらなる態様において、本発明の化合物と別の治療上有効な薬剤の組合せを含んでなる医薬組成物を提供する。
【実施例】
【0220】
以下、実施例により本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、本発明の化合物、組成物、および方法を調製および使用するために当業者に指針を与えることを意図する。本発明の特定の実施形態が記載されるが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変化および改変をなし得ることを認識するであろう。
【0221】
温度は総て摂氏度で示し、溶媒は総て利用可能な最高純度であり、反応は総て、要すれば、アルゴン(Ar)または窒素(N2)雰囲気中、無水条件下で行う。
【0222】
AnaltechシリカゲルGFおよびE.Merckシリカゲル60 F-254薄層プラートを薄層クロマトグラフィーに使用した。フラッシュおよび重力の両クロマトグラフィーは、E. Merck Kieselgel 60(230~400メッシュ)シリカゲルで行った。本適用で精製に使用したCombiFlash(商標)システムはIsco,Inc.から購入した。CombiFlash(商標)精製は、プレパックシリカゲルカラム、UV波長254nmを備えた検出器および種々の溶媒または溶媒組合せを用いて行った。
【0223】
分取HPLCは、可変波長UV検出を用いるGilson分取システムまたは質量と可変波長UV検出の両方を用いるAgilent Mass Directed AutoPrep(MDAP)またはUV/PDA検出もしくはShimadzu PREP LC 20APを用いるWaters分取システムを用いて行った。様々な逆相カラム、例えば、Luna 5m C18(2)、SunFire C18、XBridge C18 100A、SunFire C18、XBridge C18、Atlantics T3、Kromasil C18、Xbridge Phenyl-Hexylを精製に使用し、精製に使用する条件に応じたカラムサポートを選択した。化合物はCH3CNおよび水勾配を用いて溶出する。中性条件はCH3CNおよび水勾配を改質剤の添加無く使用し、酸性条件は、酸改質剤、0.1%TFA(CH3CNおよび水の両方に添加)または0.1% ギ酸を使用し、塩基性条件は、塩基性改質剤、通常には0.1%NH4OH(水に添加)または10mM重炭酸アンモニウム(水に添加)、または0.05%NH4HCO3(水に添加)を使用した。
【0224】
分析的HPLCは、0.02または0.1%TFA改質剤(各溶媒に添加)を含むCH3CNおよび水勾配とともに逆相クロマトグラフィーを使用する可変波長UV検出を用いるAgilentシステム、Shimadzu/Sciex LCMSを使用して行った。LC-MSは、PE Sciexシングル四重極150EX LC-MS、またはWaters ZQシングル四重極LC-MSまたはAgilent 1200シリーズSL(検出器:Agilent 6140シングル四重極およびAgilent 1200 MWD SL)機のいずれかを用いて決定した。化合物は、低パーセンテージの酸性改質剤、例えば、0.02%TFAもしくは0.1%ギ酸または塩基改質剤、例えば、5mM重炭酸アンモニウム(アンモニア水溶液でpH10に調整)を含むCH3CNおよび水勾配を用いて溶出される逆相カラム、例えば、Thermo Hypersil Gold C18を用いて分析する。明示される場合、「酸性法」は、Waters Acquity UPLC HSS C18;1.8μ;2.1×50mm 50℃を用いた水中0.1%ギ酸およびCH3CN勾配(1.8分 流速0.9mL/分)を指し、「塩基性法」は、Waters Acquity UPLC BEH C18;1.7μ;2.1×50mm 50℃を用いた95:5 H2O+0.1% NH4OH:CH3CN(pH=9.4)および水勾配(1.8分 流速0.9mL/分)を指し、「一晩塩基性法」は、Waters Acquity UPLC BEH C18;1.7μ;2.1×50mm 50℃を用いた95:5 H2O+0.1% NH4OH:CH3CN(pH=9.4)および水勾配(16分 流速0.8mL/分)を指す。
【0225】
分析的キラルSFCは、Thar/Waters SFCシステムを単一波長UV検出システムまたはPDA検出器とともに用いて行った。種々のキラルSFCカラム、例えば、Chiralpak IA、IC、AY、AD、OD、OJ、C2を精製に使用した。これらの化合物は、超臨界流体CO2および補助溶媒、例えば、MeOH、EtOH、IPA、および化合物の選択性に基づいた種々の比でのこれら溶媒の組合せを使用して溶出する。改質剤(0.1%のTFA、NH4OH、DEA、またはDIA)が必要に応じて使用される。
【0226】
分析的キラルSFCは、可変波長UV検出またはPDA検出器を用いるThar/Waters SFCシステムを使用して行った。様々なキラルSFCカラム、例えば、Chiralpak IA、IB、IC、ID、AY、AD、AS、CCL4を精製に使用した。これらの化合物は、超臨界流体CO2および補助溶媒、例えば、MeOH、EtOH、IPA、および化合物の選択性に基づいた種々の比でのこれら溶媒の組合せを使用して溶出する。改質剤(0.1%のTFA、NH4OH、DEA)が必要に応じて使用される。
【0227】
セライト(商標)は、酸で洗浄した珪藻土シリカから構成される濾過助剤であり、Manville Corp.、デンバー、コロラド州の登録商標である。Isolute(商標)は、官能基を有するシリカゲルに基づく吸着剤であり、Biotage AB Corp.、スウェーデンの登録商標である。
【0228】
核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AVANCE 400またはBrucker DPX400またはVarian MR400分光計を用いて400MHzで記録した。CDCl3はジュウテリオクロロホルムであり、DMSO-D6はヘキサジュウテリオジメチルスルホキシドであり、メタノール-d4はテトラジュウテリオメタノールであり、CD2Cl2はジュウテリオジクロロメタンである。化学シフトは、内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場側へ100万分の1(δ)で報告するか、またはNMR溶媒(例えば、CDCl3中CHCl3)中の残余プロトンシグナルに対して較正する。NMRデータの略号は次の通りである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=明瞭、br=幅広。Jは、ヘルツで測定されたNMR結合定数を示す。
【0229】
マイクロ波照射による反応混合物の加熱は、Biotage Initiator(登録商標)マイクロ波反応器にて行い、一般に高吸光度設定を用いた。
【0230】
ポリマーに基づく官能基(酸、塩基、金属キレーター等)を含有するカートリッジまたはカラムを化合物の後処理の一部として使用できる。酸性反応混合物または生成物を中和または塩基性化するためには、「アミン」カラムまたはカートリッジを使用する。これらには、Applied Separationsから入手可能なNH2アミノプロピルSPE-ed SPEカートリッジおよびUnited Chemical Technologies,Inc.から入手可能なジエチルアミノSPEカートリッジを含まれる。
【0231】
FT-ラマン分光法 ラマンスペクトルは、1064nm Nd:YVO4 励起レーザー、InGaAsおよび液体N2冷却Ge検出器、およびMicroStageを備えたNicolet NXR9650またはNXR 960分光計(Thermo Electron)を用いて収集した。スペクトルは総て、Happ-Genzelアポダイゼーション関数および2レベルゼロフィリングを用い、4cm-1分解能、64スキャンで取得した。
【0232】
粉末X線回折(XRPD)PANalytical XRPDディフラクトグラムは、PANalytical X’Pert Pro回折装置にて、NiフィルターCu Ka(45kV/40mA、1.5406Å波長)照射およびステップサイズ0.03°2θおよびX’celerator(商標)RTMS(Real Time Multi-Strip)検出器を用いて取得した。入射ビーム側の構成:可変発散スリット(照射長10mm)、0.04ラッドソーラースリット、固定散乱線除去スリット(0.50°)、および10mmビームマスク。回折ビーム側の構成:可変散乱線除去スリット(観測長10mm)および0.04ラッドソーラースリット。サンプルは、ゼロバックグラウンドSiウエハー上に平らに載せた。
【0233】
粉末X線回折(XRPD)Bruker XRPDディフラクトグラムは、Bruker D8 Advanceシステム(SN:2631)にて、Cu Ka(40kV/40mA)照射およびステップサイズ0.03°2θおよびLynxEye検出器を用いて取得することができる。入射ビーム側の構成:ゲーベルミラー、ミラー出口スリット(0.2mm)、2.5°ソーラースリット、ビームナイフ。回折ビーム側の構成:散乱線除去スリット(8mm)および2.5°ソーラースリット。サンプルは、ゼロバックグラウンドSiウエハー上に平らに載せた。
【0234】
示差走査熱量測定法(DSC) DSCは、オートサンプラーおよび40mL/分 N2パージ下の冷蔵冷却システムを備えたTA Instruments Q100またはQ2000示差走査熱量計を用いて行った。DSCサーモグラムは、特に断りのない限り、圧着Alパンにて15℃/分で得た。
【0235】
【0236】
中間体
【化17】
工程A:(5-ブロモ-2-メチルフェニル)メタノール(II)
テトラヒドロフラン(1.2L)中、5-ブロモ-2-メチル安息香酸(100g、465mmol)の撹拌溶液を、氷浴中で0℃に冷却した。THF中、2Nボラン-硫化メチル錯体(302mL、605mmol)を、添加漏斗を介して90分かけて滴下した。反応混合物を室温まで温め、24時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、メタノール(200mL)で急冷し、1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた油状物をジエチルエーテル(1L)と1N HCl(1L)とで分配した。層を分離し、水層をジエチルエーテル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を1N HCl(2×500ml)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物IIを黄色固体として得た(97g、収率100%)。
1H NMR (CHCl
3-d) δ: 7.54 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.05 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.99 (br. s., 1H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z 183.0 [M-OH]
+。
【0237】
工程B:4-ブロモ-2-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-1-メチルベンゼン(III)
テトラヒドロフラン(800mL)中、鉱油中60%水素化ナトリウム(24.83g、621mmol)の撹拌懸濁液を0℃に冷却した。テトラヒドロフラン(100mL)中、化合物II(96g、477mmol)の溶液を90分かけて滴下した後、15分間撹拌した。1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(71.5mL、525mmol)を10分かけて滴下した。得られたものを室温まで温め、24時間撹拌した。3時間後、この反応混合物にDMF(200mL)を加えた。24時間後、ピペラジン(8.23g、95mmol)を加え、この混合物を1時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却し、水(200mL)で急冷した後、ジエチルエーテル(1.5L)および水(1L)で希釈し、層を分離した。水層をジエチルエーテル(500mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を水(2×500mL)、1N HCl(2×500mL)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物IIIを無色の油状物として得た(145g、収率95%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.49 (m, 1H), 7.38 (m, 1H), 7.24-7.33 (m, 2H), 7.14 (m, 1H), 6.88-6.97 (m, 2H), 4.48 (m, 4H), 3.70 (s, 3H), 2.20 (s, 3H)。LC-MS: rt = 2.93分(UPLC), m/z = 321.0 [M+H]+。
【0238】
【化18】
工程A:(2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メタノール(XXXIV)
1,4-ジオキサン(400mL)中、化合物II(70g、348mmol)の撹拌溶液に、酢酸カリウム(34.2g、348mmol)、次いで、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(80g、315mmol)を加え、反応混合物をアルゴンで30分間脱気した。この反応混合物にPdCl
2(dppf)-CH
2Cl
2付加物(17.0g、20.9mmol)を加え、反応混合物を16時間100℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(4:1 石油エーテル-EtOAc)により精製し、化合物XXXIVを黄色固体として得た(60g、収率64%)。
1H NMR (CDCl
3) δ 7.80 (d, J=31.6Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 16.3, 7.5 Hz, 1H), 7.23-7.08 (m, 1H), 4.73 (t, J = 92.0 Hz, 2H), 2.51-2.23(m,3H), 1.33 (d, J=6.4Hz, 12H)。LC-MS: rt = 2.93分(UPLC), m/z 231.3 [M-OH]
+。
【0239】
【化19】
工程A:N,3-ジメチル-2-ニトロアニリン(V)
1-フルオロ-3-メチル-2-ニトロベンゼン(50g、322mmol)をエタノール(250mL)に溶解させ、水中40%メタンアミン(98mL、1128mmol)を加えた。反応混合物を8時間加熱還流した後、再び室温まで冷却した。反応混合物を濾過し、化合物Vを橙色の固体として得た(47.9g、収率89%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.29 (t, J=8.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.55 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.51 (d, J=4.3 Hz, 1H), 2.78 (d, J=4.8 Hz, 3H), 2.30 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.47分(UPLC), m/z 167.2 [M+H]
+。
【0240】
工程B:4-ブロモ-N,3-ジメチル-2-ニトロアニリン(VI)
化合物V(47.9g、288mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(250mL)に溶解させ、反応混合物を5℃に冷却した。N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)に溶解させたN-ブロモスクシンイミド(51.3g、288mmol)を、添加漏斗を介して滴下し、室温で24時間撹拌した。反応混合物を水(1.5L)に注ぎ、濾過し、化合物VIを橙色の固体として得た(73.5g、収率99%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.56 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.66 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.26 (d, J=4.5 Hz, 1H), 2.73 (d, J=4.8 Hz, 3H), 2.25 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.47分(UPLC), m/z 247.0 [M+H]+。
【0241】
工程C:4-ブロモ-N1,3-ジメチルベンゼン-1,2-ジアミン(VII)
0℃で、酢酸(500mL)およびエタノール(500mL)中、化合物VI(78.4g、320mmol)の溶液に、鉄粉(89g、1600mmol)、次いで、2N HCl(320mL、640mmol)を加えた。この混合物を1時間撹拌した後、セライトで濾過し、濾液を濃縮して大部分のエタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(800mL)および水(800mL)で希釈し、層を分離した。有機抽出液を水(500mL)、10%重炭酸ナトリウム溶液(500mL)、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮し、化合物VIIを赤色油状物として得た(67g、収率97%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 6.75 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.22 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.48-4.90 (m, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.17 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.38分(UPLC), m/z = 215.2 [M+H]+。
【0242】
工程D:5-ブロモ-1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(VIII)
亜硝酸tert-ブチル(61.5mL、467mmol、90%工業級)およびテトラフルオロホウ酸(97mL、623mmol、48%水溶液)を50mLのアセトニトリルに溶解させ、0℃に冷却した。アセトニトリル(200mL)およびテトラフルオロホウ酸(97mL、623mmol、48%水溶液)の溶液に溶解させた化合物VII(67g、311mmol)の溶液を、内部温度を5℃に維持するように滴下した。反応混合物を5℃で2時間、次いで、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(4 L)中、水酸化ナトリウム(100g、2500mmol)の撹拌溶液に注いだ。塩化ナトリウムを、溶液が飽和に達するまで加えた。生じた固体を濾取し、水(2×3L)で洗浄し、風乾し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(25~100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物VIIIを淡黄色固体として得た(61g、収率86%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.66 (m, 2H), 4.30 (s, 3H), 2.70 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.03分(UPLC), m/z = 226.0 [M+H]+。
【0243】
工程E:(E)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)アクリル酸tert-ブチル(IX)
化合物VIII(100g、443mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(1000mL)の溶液を30分間、窒素でパージした。トリ-o-トリルホスフィン(27.0g、89mmol)、Pd(OAc)2(9.95g、44.3mmol)、炭酸カリウム(184g、1330mmol)およびアクリル酸tert-ブチル(130mL、886mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下、100℃で24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(1L)および酢酸エチル(1L)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(2×1L)で抽出した後、合わせた有機抽出液を水(2回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。この暗色の粗固体をジエチルエーテルで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、化合物IXを淡褐色固体として得た(109.3g、収率89%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.89-8.00 (m, 2H), 7.67 (m, 1H), 6.54 (d, J=15.8 Hz, 1H), 4.29 (s, 3H), 2.79 (s, 3H), 1.51 (s, 9H)。LCMS: rt = 1.45分(UPLC), m/z 274.2 [M+H]+。
【0244】
工程F:(E)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)アクリル酸(X)
ジクロロメタン(300mL)中、化合物IX(107g、391mmol)の溶液に、冷トリフルオロ酢酸(250mL)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、クロロホルムと共沸させた。得られた固体をジエチルエーテルで摩砕し、化合物Xをベージュ色の固体として得た(80g、収率94%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.90-8.02 (m, 2H), 7.69 (m, 1H), 6.55 (d, J=16.1 Hz, 1H), 4.30 (s, 3H), 2.80 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.66分(UPLC), m/z 218.2 [M+H]+。
【0245】
工程G:(S,E)-3-(3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)アクリロイル)-4-フェニル-オキサゾリジン-2-オン(XI)
テトラヒドロフラン(1.5L)中、化合物X(82g、376mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(131mL、939mmol)を加えた。反応混合物を-25℃に冷却し、塩化ピバロイル(46mL、376mmol)を滴下し、-25℃で30分間撹拌した。塩化リチウム(17.52g、413mmol)を一度に、次いで、(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(58.8g、361mmol)を加え、反応混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。この混合物を-25℃に再冷却し、追加の塩化ピバロイル(12ml、98mmol)を滴下し、さらに1時間撹拌した。THF(300mL)、次いで、(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(10g、61mmol)および塩化ピバロイル(18mL、147mmol)を加え、この混合物を10℃で1時間、次いで、室温で18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(1L)で希釈し、5%NaHSO3(1L)で洗浄した。生じた固体を濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄し、化合物XIを淡黄色固体として得た(104.4g、収率77%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.05 (d, J=15.8 Hz, 1H), 7.71-7.88 (m, 3H), 7.30-7.45 (m, 5H), 5.61 (m, 1H), 4.83 (m, 1H), 4.30 (s, 3H), 4.24 (m, 1H), 2.78 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.29分(UPLC), m/z 363.2 [M+H]+。
【0246】
工程H:(S)-3-((R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-4-メチルフェニル)プロパノイル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(XII)
マグネシウム(4.87g、200mmol)およびヨウ素(0.141g、0.556mmol)の混合物を5分間75℃に加熱した。THF(200mL)中、化合物III(50.0g、156mmol)の溶液を15分かけて少量ずつ加え、この混合物を還流下で1時間撹拌した後、室温に冷却して溶液Aを得た。別途、テトラヒドロフラン(150mL)中、臭化銅(I)-硫化ジメチル錯体(16.0g、78mmol)の混合物を-40℃に冷却し、硫化ジメチル(41.1mL、556mmol)で処理した。反応混合物を25分間-40℃で撹拌した。冷却した溶液Aを、温度を-35~-45℃に維持しながら1時間かけて滴下した。反応混合物を-20℃に温めた後、化合物XI(20.2g、55.6mmol)を一度に加えた。得られた混合物を30分間-20℃で撹拌した後、-10℃に温め、30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで、酢酸エチル(1.5L)を加え、層を分離した。有機抽出液を水(4×500mL)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて油状物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(0~100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物XIIを白色泡沫として得た(24.5g、収率73%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.56 (m, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.21-7.25 (m, 3H), 7.16-7.20 (m, 3H), 7.04-7.16 (m, 4H), 6.82-6.89 (m, 2H), 5.36 (m, 1H), 4.91 (m, 1H), 4.69 (m, 1H), 4.34-4.41 (m, 4H), 4.24 (s, 3H), 4.10 (m, 1H), 3.88 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.60 (m, 1H), 2.70 (s, 3H), 2.18 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.81分(UPLC), m/z 605.2 [M+H]+。
【0247】
工程I:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XIII)
エタノール(30mL)中、化合物XII(2.140g、3.54mmol)の溶液に臭化マグネシウム(1.629g、8.85mmol)を加え、反応混合物を4時間撹拌した。追加の臭化マグネシウムe(0.81g、4.5mmol)を加え、この混合物を18時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、生じた白色沈澱を集め、エタノールで洗浄し、化合物XIIIを粘稠な油状物を得た(1.46g、収率85%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.56-7.62 (m, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.12-7.22 (m, 4H), 7.05-7.11 (m, 1H), 6.83-6.90 (m, 2H), 4.84 (m, 1H), 4.39 (m, 4H), 4.24 (s, 3H), 3.87-3.97 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.08-3.23 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.01 (m, 3H)。LC-MS: rt = 1.77分(UPLC), m/z = 488.2 [M+H]+。
【0248】
工程J:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(ヒドロキシ-メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XIV)
ジクロロメタン(700mL)中、化合物XIII(53.6g、110mmol)の溶液に、水(35mL)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。DDQ(37.4g、165mmol)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を10%重炭酸ナトリウム溶液(1L)およびジクロロメタン(750mL)で希釈し、濾過した。濾液を分離し、水層をジクロロメタン(3×750mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0~100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物XIVを橙色の油状物として得た(38.1g、収率94%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.55-7.63 (m, 1H), 7.46-7.52 (m, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.07-7.14 (m, 1H), 6.99-7.06 (m, 1H), 4.98 (m, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.41 (m, 2H), 4.25 (s, 3H), 3.94 (m, 2H), 3.07-3.21 (m, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 1.03 (m, 3H)。LC-MS: rt = 1.20分(UPLC), m/z = 368.2 [M+H]+。
【0249】
【化20】
工程A:(R,E)-3-(3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)アクリロイル)-4-フェニル-オキサゾリジン-2-オン(XV)
化合物XVは、(S)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンを(R)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンに置き換え、スキームB、工程Gに従って製造し、黄色固体を得た(195g、収率81%)。
1H NMR (CDCl
3-d) δ: 8.20-8.25 (d, 1H), 7.80-7.88 (m, 2H), 7.25-7.45 (m, 6H), 5.60 (m, 1H), 4.67-4.81 (t, 1H), 4.25-4.28 (m, 1H), 4.23 (s, 3H), 2.82 (s, 3H)。LC-MS: rt m/z = 363.0 [M+H]
+。
【0250】
工程B:(R)-3-((S)-(3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((4-メトキシ-ベンジル)オキシ)メチル)-4-メチルフェニル)プロパノイル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(XVI)
化合物XVIは、化合物XIを化合物XVに置き換え、スキームB、工程Hに従って製造し、白色固体(104g、収率59%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.50-7.60 (d, 1H), 7.38-7.42 (d, 1H), 7.10-7.22 (m, 10H), 6.80-6.90 (d, 2H), 5.35-5.42 (m, 1H), 4.84-4.97 (t, 1H), 4.62-4.72 (t, 1H), 4.38-4.40 (d, 4H), 4.25 (s, 3H), 4.08-4.18 (m, 1H), 3.80-3.90 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.50-3.62 (m, 1H), 2.70 (s, 3H), 2.20 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.81分(UPLC), m/z = 605.2 [M+H]+。
【0251】
工程C メチル(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)-メチル)-4-メチルフェニル)プロパノイル)-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン(XVII)
化合物XVIIは、化合物XIIを化合物XVIに置き換え、エタノールをメタノールに替え、スキームB、工程Iに従って製造し、白色固体(148g、収率92%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.50-7.60 (d, 1H), 7.45-7.48 (d, 1H), 7.10-7.21 (m, 4H), 7.05-7.09 (m, 1H), 6.81-6.85 (d, 2H), 4.81-4.90 (t, 1H), 4.30-4.42 (d, 4H), 4.21 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 3.08-3.22 (m, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.18 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.66分(UPLC), m/z = 474.2 [M+H]+。
【0252】
工程D:(S)-メチル-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(ヒドロキシメチル)-4-メチルフェニル)-プロパノアート(XVIII)
化合物XVIIIは、化合物XIIIを化合物XVIIに置き換え、スキームB、工程Jに従って製造し、白色固体を得た(5.2g、収率67%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.46-7.61 (m, 2H), 7.26 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.08-7.14 (m, 1H), 7.01-7.07 (m, 1H), 5.01 (t, J=5.4 Hz, 1H), 4.85 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.41 (d, J=5.3 Hz, 2H), 4.25 (s, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.17 (dd, J=7.9, 2.8 Hz, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.17 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.82分(UPLC), m/z = 354.2 [M+H]+。
【0253】
【化21】
工程A:(S)-メチル-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((4-メトキシベンジル)-オキシ)-メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパノアート(XIX)
N
2でパージした、THF(175mL)中、化合物XVIII(21.5g、45.4mmol)の溶液に、THF中、NaHMDSの1M溶液(91mL、91mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で25分間撹拌し、これにMeI(1.35mL、21.5mmol)を一度に加え、反応混合物を25分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して粘稠な油状物とし、これにTHF中NaHMDSの1M溶液(363mL、363mmol)を加え、反応混合物を室温で25分間撹拌し、氷浴中で5℃に冷却し、これにMeI(28.4mL、454mmol)をゆっくり加えた。氷浴を外し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で5℃に冷却し、飽和塩化アンモニウムで急冷し、EtOAcで抽出し(5×)、有機抽出物液を合わせ、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。複数のバッチを1バッチとしてシリカゲルクロマトグラフィー(0~0%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物XIXを白色泡沫として得た(13.4g、収率59%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.55-7.64 (m, 2H), 7.11-7.24 (m, 4H), 7.03-7.09 (m, 1H), 6.84-6.91 (m, 2H), 4.79 (s, 1H), 4.34-4.46 (m, 4H), 4.25 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.70 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.20-1.36 (m, 6H)。LC-MS: rt = 1.79分(UPLC),m/z = 502.2 [M+H]
+。
【0254】
工程B:(S)-メチル-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(ヒドロキシメチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパノアート(XX)
ジクロロメタン(400mL)中、化合物XIX(26.4g、52.6mmol)の溶液に、水(20mL)を加え、反応混合物を0℃に冷却した。DDQ(17.9g、79mmol)を2つの等量に分けて加え、反応混合物を1.5時間0℃で撹拌した。反応混合物を10%重炭酸ナトリウム水溶液(1L)に注ぎ、黒色の固体を濾過し、水およびDCMで洗浄した。合わせた有機相を分離し、水相をDCM(3×750mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を複数のバッチと合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(20~100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物XXを白色固体として得た(48.5g、収率57%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.55-7.68 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 6.98-7.13 (m, 2H), 4.99 (t, J=5.4 Hz, 1H), 4.78 (s, 1H), 4.42 (d, J=5.3 Hz, 2H), 4.25 (s, 3H), 3.43 (s, 3H), 2.70 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 1.21-1.36 (m, 6H)。LC-MS: rt = 1.25分(UPLC), m/z = 382.2 [M+H]+。
【0255】
【化22】
工程A:(R)-1-アミノブタン-2-オール(XXII-1)
(R)-エチルオキシラン(74.4g、1.03mol)を含有する2L丸底フラスコに、メタノール中、アンモニアの7M溶液(1L、6.99mol)を加え、反応混合物を5℃に冷却し、これに30分間アンモニアガスをバブリングさせ、この反応物を密閉し、48時間撹拌した。反応混合物を5℃に再冷却し、これに30分間アンモニアガスをバブリングさせ、これに30分間アンモニアガスをバブリングさせ、この反応物を密閉し、室温でさらに72時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた油状物をDCMに溶解させ、蒸発させ(3回)、真空下で乾燥させ、XXII-1を透明な油状物として得た(101g、収率62%、純度56%)。
1H NMR (メタノール-d
4) δ: 3.44-3.47 (tdd, J=8.0, 4.5, 3.6 Hz, 1H), 2.68-2.72 (dd, J=13.1, 3.5 Hz, 1H), 2.52-2.57 (m, 1H), 1.41-1.53 (m, 2H), 0.97-1.00 (t, 3H)。
【0256】
工程B:(R)-1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)ブタン-2-オール(XXIII-1)
THF(200mL)中、化合物XXII-1(17.6g、197mmol)の溶液に、6-クロロ-3-フルオロピコリンアルデヒド(10.5g、65.8mmol)、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(34.9g、165mmol)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を10%重炭酸ナトリウム溶液で急冷し、EtOAcで抽出し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(0~70% 3:1 EtOAc-EtOH/ヘキサン)により精製し、化合物XXIII-1をベージュ色の固体として得た(6.73g、収率44%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.81 (t, J=8.7 Hz, 1H), 7.51 (dd, J=8.6, 3.3 Hz, 1H), 4.49 (d, J=4.8 Hz, 1H), 3.72-3.91 (m, 2H), 3.29-3.51 (m, 1H), 2.55 (s, 1H), 2.39-2.47 (m, 1H), 2.16 (br. s., 1H), 1.35-1.47 (m, 1H), 1.23-1.35 (m, 1H), 0.85 (t, J=7.5 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.32分(UPLC), m/z = 233.1 / 235.1 [M+H]+。
【0257】
工程C:(R)-tert-ブチル-7-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-1)
DMSO(55mL)中、化合物XXIII-1(6.73g、28.9mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシド(4.87g、43.4mmol)を加え、反応混合物を90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(600mL)で希釈し、水(3回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をDCM(200mL)に溶解させ、これにTEA(6.05mL、43.4mmol)、次いで、boc無水物(7.58g、34.7mmol)を加え、反応混合物を5時間撹拌した。反応混合物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%EtOAc/ヘキサン)により精製し、化合物XXIV-1を黄色固体として得た(4.71g、収率52%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.45 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.6 Hz, 1H), 4.39-4.74 (m, 2H), 3.90-4.15 (m, 1H), 3.50-3.75 (m, 2H), 1.54-1.67 (m, 2H), 1.21-1.42 (m, 9H), 1.01 (t, J=6.7 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.15分(UPLC), m/z = 313.1 / 315.1 [M+H]+。
【0258】
工程D:2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸(R)-tert-ブチル(XXV-1)
N2でパージした、ジオキサン(120mL)中、化合物XXIV-1(8.32g、26.6mmol)の溶液に、Pd(dba)2(0.612g、1.064mmol)、5-(ジ-tert-ブチルホスファニル)-1’,3’,5’-トリフェニル-1H-1,4’-ビピラゾール(Bippyphos)(1.078g、2.128mmol)、および水酸化セシウム一水和物(13.40g、80mmol)を加え、反応混合物を5時間100℃で撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。水(20mL)を加え、5N HClを用いて水相のpHを約pH7に調整し、水相をEtOAc(2×300mL)で抽出し、抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をDCMに溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0~60% 3:1 EtOAc-EtOH/ヘプタン)により精製し、化合物XXV-1をベージュ色の固体として得た(5.5g、収率70%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.41 (d, J=9.6 Hz, 1H), 6.41 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.28-4.69 (m, 2H), 3.83-4.00 (m, 1H), 3.70 (br. s., 1H), 3.36-3.48 (m, 1H), 1.55-1.72 (m, 2H), 1.44 (br. s., 9H), 1.10 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.76分(UPLC), m/z = 295.1 [M+H]+。
【0259】
工程E:(R)-2-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール二塩酸塩(XXVI-1)
ジクロロメタン(20mL)中、化合物XXV-1(5.50g、18.7mmol)の溶液に、ジオキサン中4N HClの溶液(75mL、2.46mol)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、固体をジエチルエーテルで摩砕し、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、窒素を用いて真空下で乾燥させ、化合物XXVI-1を白色固体として得た(4.79g、収率91%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.93 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.49-4.68 (m, 2H), 4.12-4.24 (m, 1H), 3.64-3.79 (m, 1H), 3.51 (dd, J=13.7, 10.4 Hz, 1H), 1.69-1.91 (m, 2H), 1.17 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt 0.24分(UPLC), m/z = 177.0 [M-H2O]+。
【0260】
【化23】
工程A:(S)-1-アミノブタン-2-オール(XXII-2)
化合物XXII-2は、(R)-エチルオキシランを(S)-エチルオキシランに置き換え、スキームE、工程Aに従って製造し、透明な油状物を得た(28.9g、収率71%、純度75%)。
1H NMR (メタノール-d
4) δ: 3.46 (tdd, J=8.0, 4.6, 3.7 Hz, 1H), 2.70 (dd, J=12.9, 3.5 Hz, 1H), 2.54 (dd, J=13.1, 8.0 Hz, 1H), 1.35-1.60 (m, 2H), 0.93-1.06 (m, 3H)。
【0261】
工程B:(S)-1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)ブタン-2-オール(XXIII-2)
化合物XXIII-2は、化合物XXII-1を化合物XXII-2に置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、透明な油状物を得た(7.4g、収率48%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.81 (t, J=8.7 Hz, 1H), 7.51 (dd, J=8.6, 3.3 Hz, 1H), 4.49 (d, J=5.1 Hz, 1H), 3.74-3.88 (m, 2H), 3.42 (td, J=7.5, 4.3 Hz, 1H), 2.54-2.55 (m, 1H), 2.39-2.46 (m, 1H), 2.16 (br. s., 1H), 1.35-1.46 (m, 1H), 1.23-1.35 (m, 1H), 0.85 (t, J=7.5 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.37分(UPLC), m/z = 233.2 [M+H]+。
【0262】
工程C:7-クロロ-2-エチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸(S)-tert-ブチル(XXIV-2)
化合物XXIV-2は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-2に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、透明な油状物を得た(5.2g、収率53%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.45 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.36 Hz, 1H), 4.44-4.69 (m, 2H), 3.93-4.11 (m, 1H), 3.51-3.75 (m, 2H), 1.52-1.69 (m, 2H), 1.15-1.45 (m, 9H), 1.02 (t, J=6.72 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.24分(UPLC), m/z = 257.2 / 259.2 [M+H]+。
【0263】
工程D:2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸(S)-tert-ブチル(XXV-2)
化合物XXV-2は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-2に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、透明な油状物を得た(0.80g、収率34%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.12 (br. s., 1H), 7.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 6.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.48 (d, J=9.6 Hz, 1H), 4.27-4.39 (m, 1H), 3.74 (br. s., 1H), 3.29-3.47 (m, 2H), 1.46-1.59 (m, 2H), 1.36 (d, J=17.5 Hz, 9H), 1.00 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.77分(UPLC), m/z = 295.3 [M+H]+。
【0264】
工程E:(S)-2-エチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール二塩酸塩(XXVI-2)
化合物XXVI-2は、化合物XXV-1を化合物XXV-2に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、透明な油状物を得た(0.63g、収率82%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.99 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.12 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.54-4.72 (m, 2H), 4.22 (tdd, J=8.3, 4.1, 2.2 Hz, 1H), 3.75 (dd, J=13.7, 2.0 Hz, 1H), 3.53 (dd, J=13.8, 10.5 Hz, 1H), 1.69-1.92 (m, 2H), 1.17 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.29分(UPLC), m/z = 195.3 [M+H]+。
【0265】
【化24】
工程A:(R)-1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)プロパン-2-オール(XXIII-3)
化合物XXIII-3は、化合物XXII-2を(R)-1-アミノプロパン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、橙色の油状物を得た(36.0g、収率>100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.82 (t, J=8.9 Hz, 1H), 7.51 (dd, J=8.6, 3.3 Hz, 1H), 3.94 (br. s., 1H), 3.83 (dd, J=5.7, 1.9 Hz, 2H), 3.69 (dd, J=11.4, 6.3 Hz, 1H), 2.41-2.49 (m, 2H), 1.03 (d, J=6.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt m/z = 219.1 [M+H]
+。
【0266】
工程B:(R)-tert-ブチル-7-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-3)
化合物XXIV-3は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-3に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、透明な油状物を得た(9.5g、収率23%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.38-7.45 (m, 1H), 7.31-7.35 (m, 1H), 4.43-4.69 (m, 2H), 4.20-4.42 (m, 1H), 3.52-3.70 (m, 2H), 1.15-1.46 (m, 12H)。LC-MS: rt = 1.05分(UPLC), m/z = 299.0 [M+H]+。
【0267】
工程C:(R)-tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-3)
化合物XXV-3は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-3に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、橙色の固体を得た(6.8g、収率73%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.13 (br. s., 1H), 7.21 (d, J=9.4 Hz, 1H), 6.25 (d, J=8.9 Hz, 1H), 4.44-4.54 (m, 1H), 4.27-4.41 (m, 1H), 3.89-4.08 (m, 1H), 3.70 (d, J=14.2 Hz, 1H), 3.40 (br. s., 1H), 1.36 (d, J=15.7 Hz, 9H), 1.21 (br. s., 3H)。LC-MS: rt = 0.65分(UPLC), m/z = 281.1 [M+H]+。
【0268】
工程D:(R)-2-メチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール二塩酸塩(XXVI-3)
化合物XXVI-3は、化合物XXV-1を化合物XXV-3に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(6.2g、収率96%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.44 (br. s., 2H), 7.47 (d, J=9.1 Hz, 1H), 6.65 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.29 (d, J=8.6 Hz, 1H), 4.13-4.25 (m, 2H), 3.45-3.54 (m, 1H), 3.18 (d, J=12.9 Hz, 1H), 1.33 (d, J=6.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.15分(UPLC), m/z = 181.1 [M+H]+。
【0269】
【化25】
工程A:1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)-3-メチルブタン-2-オール(XXIII-4)
化合物XXIII-4は、化合物XXII-1を1-アミノ-3-メチルブタン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、灰白色固体を得た(14.4g、収率88%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.81 (t, J=8.87 Hz, 1H), 7.50 (dd, J=3.30, 8.62 Hz, 1H), 4.45 (d, J=5.07 Hz, 1H), 3.74-3.88 (m, 2H), 3.20-3.29 (m, 1H), 2.57 (dd, J=3.55,11.66 Hz, 1H), 2.44 (dd, J=8.24, 11.53 Hz, 1H), 2.17 (br. s., 1H), 1.52-1.63 (m, 1H), 0.83 (dd, J=3.68, 6.72 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.41分(UPLC), m/z = 247.2 [M+H]
+。
【0270】
工程B:tert-ブチル-7-クロロ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-4)
化合物XXIV-4は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-4に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、透明な油状物を得た(22.1g、収率84%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.43 (d, J=8.36 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.36 Hz, 1H), 4.60-4.72 (m, 1H), 4.43-4.55 (m, 1H), 3.58-3.85 (m, 3H), 1.88 (qd, J=6.59, 13.18 Hz, 1H), 1.18-1.42 (m, 9H), 1.01 (dd, J=6.59, 18.00 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 1.25 mins (UPLC)、m/z = 271.1 [(M-tBu)+H]+。化合物XXIII-4をEtOH(70mL)に溶解させ、鏡像異性体を、20%EtOHで溶出するSCFキラル精製(Chiralpak IG、30×250mm、5μ)により分離し、化合物XXIV-4-aを黄色油状物(10.3g、46%)としておよび化合物XXIV-4-bを黄色油状物(10.3g、46%)として得た。
【0271】
(R)-tert-ブチル-7-クロロ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-4-a)
1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.44 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.36 Hz, 1H), 4.60-4.72 (m, 1H), 4.43-4.55 (m, 1H), 3.57-3.85 (m, 3H), 1.88 (qd, J=6.59, 13.18 Hz, 1H),1.17-1.43 (m, 9H), 1.01 (dd, J=6.84, 18.00 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 1.25分(UPLC), m/z = 271.1 [(M-tBu)+H]+。
(S)-tert-ブチル-7-クロロ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-4-b)
1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.44 (d, J=8.36 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.36 Hz, 1H), 4.61-4.72 (m, 1H), 4.44-4.54 (m, 1H), 4.36 (t, J=5.07 Hz, 1H), 3.78 (dd, J=5.83, 11.15 Hz, 1H), 3.57-3.74 (m, 2H), 3.45 (dq, J=5.20, 6.97 Hz, 1H), 1.83-1.93 (m, 1H), 1.18-1.42 (m, 9H), 0.94-1.10 (m, 6H)。LC-MS: rt = 1.25分(UPLC), m/z = 271.1 [(M-tBu)+H]+。
【0272】
工程C:(R)-tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-4-a)
化合物XXV-4-aは、化合物XXIV-1を化合物XXIV-4-aに置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、白色固体を得た(4.4g、収率46%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.86-11.34 (m, 1H), 7.22 (d, J=9.12 Hz, 1H), 6.24 (d, J=9.12 Hz, 1H), 4.43-4.61 (m, 1H), 4.21-4.36 (m, 1H), 3.69-3.90 (m, 1H), 3.39 (br. s.,2H), 1.74-1.86 (m, 1H), 1.26-1.42 (m, 9H), 0.92-1.05 (m, 6H)。LC-MS: rt = 0.86分(UPLC), m/z = 309.2 [M+H]+。
【0273】
(S)-tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-4-b)
化合物XXV-4-bは、化合物XXIV-1を化合物XXIV-4-bに置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(2.9g、収率72%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.06 (br. s., 1H), 7.22 (d, J=9.29 Hz, 1H), 6.25 (d, J=9.03 Hz, 1H), 4.43-4.62 (m, 1H), 4.20-4.36 (m, 1H), 3.70-3.91 (m, 1H), 3.34-3.54 (m, 2H), 1.72-1.90 (m, 1H), 1.35 (d, J=18.57 Hz, 9H), 0.90-1.10 (m, 6H)。LC-MS: rt = 0.87分(UPLC), m/z = 309.3 [M+H]+。
【0274】
工程D:(R)-2-イソプロピル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール二塩酸塩(XXVI-4-a)
化合物XXVI-4-aは、化合物XXV-1を化合物XXV-4-aに置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(1.0g、収率94%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.79 (d, J=9.38 Hz, 1H), 6.93 (d, J=9.38 Hz, 1H), 4.54 (d, J=7.60 Hz, 2H), 3.99 (ddd, J=2.53, 5.39, 8.05 Hz, 1H), 3.69-3.80 (m, 1H), 3.57 (dd, J=10.77, 13.56 Hz, 1H), 2.03 (d, J=5.58 Hz, 1H), 1.13 (t, J=6.59 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.35分(UPLC), m/z = 209.3 [M+H]+。
【0275】
(S)-2-イソプロピル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール、二塩酸(XXVI-4-b)
化合物XXVI-4-bは、化合物XXV-1を化合物XXV-4-bに置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(2.4g、収率86%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.89 (d, J=9.12 Hz, 1H), 7.03 (d, J=9.38 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.07 (ddd, J=2.03, 5.32, 10.65 Hz, 1H), 3.77 (dd, J=2.15, 13.56 Hz, 1H), 3.59 (dd, J=10.77, 13.56 Hz, 1H), 1.95-2.14 (m, 1H), 1.03-1.23 (m, 6H)。LC-MS: rt = 0.36分(UPLC), m/z = 209.0 [M+H]+。
【0276】
【化26】
工程A:1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)-2-メチルプロパ-2-オール(XXIII-5)
化合物XXIII-5は、化合物XXII-1を1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、灰白色固体を得た(38.2g、収率85%)。
1H NMR (CDCl
3) δ: 7.34-7.39 (t,1H), 7.20-7.24 (m,1H), 3.99 (s, 2H), 2.56 (s, 2H), 1.34 (s, 6H)。LC-MS: rt = 0.83分(UPLC), m/z = 233.2 [M+H]
+。
【0277】
工程B:tert-ブチル-7-クロロ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-5)
化合物XXIV-5は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-5に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、黄色固体を得た(3.0g、収率65%)。1H NMR (CDCl3) δ: 7.13-7.23 (m, 2H), 4.58-4.63 (d, 2H), 3.59-3.63 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.22 (s, 6H)。LC-MS: rt = 1.13分(UPLC), m/z = 313.0 [M+H]+。
【0278】
工程C:tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-5)
化合物XXV-5は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-5に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、淡黄色固体を得た(2.5g、収率53%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.57-7.18 (d, 1H), 6.24-6.27 (d, 1H), 4.36 (s, 2H), 3.52 (s, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.13 (s, 6H)。LC-MS: rt = 0.82分(UPLC), m/z = 295.2 [M+H]+。
【0279】
工程D:2,2-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼパ-7-オール二塩酸塩(XXVI-5)
化合物XXVI-5は、化合物XXV-1を化合物XXV-5に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(9.4g、収率93%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.19 (s, 2H), 10.26 (s, 2H), 7.46 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.23 (s, 2H), 3.33 (s, 2H), 1.30 (s, 6H)。LC-MS: rt = 0.62分(UPLC), m/z = 195.0 [M+H]+。
【0280】
【化27】
工程A:(S)-3-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール(XXIII-6)
化合物XXIII-6は、化合物XXII-1を(S)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(5.5g、収率87%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.82 (t, J=8.7 Hz, 1H), 7.52 (dd, J=8.6, 3.3 Hz, 1H), 6.31 (d, J=6.3 Hz, 1H), 4.02-4.14 (m, 1H), 3.81-3.94 (m, 2H), 2.76-2.85 (m, 1H), 2.65-2.74 (m, 1H), 2.35 (br. s., 1H)。LC-MS: rt = 0.36分(UPLC), m/z = 273.1 / 275.1 [M+H]
+。
【0281】
工程B:(S)-tert-ブチル-7-クロロ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-6)
化合物XXIV-6は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-6に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、黄色固体を得た(2.7g、収率38%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.58 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.42 (d, J=8.4 Hz, 1H), 5.05 (d, J=6.3 Hz, 1H), 4.67-4.78 (m, 1H), 4.52-4.65 (m, 1H), 3.85-4.04 (m, 2H), 1.11-1.49 (m, 9H)。LC-MS: rt = 1.20分(UPLC), m/z = 353.2 / 355.2 [M+H]+。
【0282】
工程C:(S)-tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-6)
化合物XXV-6は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-6に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、灰白色固体を得た(0.54g、収率30%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.27 (br. s., 1H), 7.31 (d, J=9.1 Hz, 1H), 6.33 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.53-4.75 (m, 2H), 4.36-4.47 (m, 1H), 3.98 (d, J=12.4 Hz, 1H), 3.74 (d, J=9.4 Hz,1H), 1.37 (d, J=19.8 Hz, 9H)。LC-MS: rt = 0.85分(UPLC), m/z = 335.3 [M+H]+。
【0283】
工程D:(S)-2-(トリフルオロメチル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール、二塩酸(XXVI-6)
化合物XXVI-6は、化合物XXV-1を化合物XXV-6に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.33g、収率66%)。
1H NMR (メタノール-d
4) δ: 7.56 (d, J=9.1 Hz, 1H), 6.70 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.77-4.86 (m, 1H), 4.57-4.63 (m, 1H), 4.41-4.48 (m, 1H), 3.99 (d, J=2.0 Hz, 1H), 3.95 (d, J=2.0 Hz, 1H), 3.79 (s, 1H), 3.76 (d, J=2.8 Hz, 1H), 3.73 (s, 1H)。LC-MS: rt = 0.30分(UPLC), m/z = 235.2 [M+H]
+。
【化28】
工程A:(R)-3-(((6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール(XXIII-7)
化合物XXIII-7は、化合物XXII-1を(R)-3-アミノ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、無色の固体を得た(16.6g、収率97%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.69-7.77 (m, 1H), 7.62-7.66 (m, 1H), 6.29 (d, J=6.4 Hz, 1H), 4.07 (td, J=11.3, 3.3 Hz, 1H), 3.88 (br. s., 2H), 2.75-2.85 (m, 1H), 2.65-2.74 (m, 1H), 2.34 (d, J=1.7 Hz, 1H)。LC-MS: rt = 0.41分(UPLC), m/z = 319.0 [M+H]
+。
【0284】
工程B:(R)-tert-ブチル-7-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXIV-7)
化合物XXIV-7は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-7に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、黄色油状物を得た(3.79g、収率18%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.51-7.56 (m, 1H), 7.45-7.49 (m, 1H), 5.07 (br. s., 1H), 4.59 (br. s., 1H), 3.92 (d, J=8.6 Hz, 1H), 2.68 (s, 1H), 2.33 (d, J=2.0 Hz, 1H), 1.15-1.48 (m, 9H)。LC-MS: rt = 1.22分(UPLC), m/z = 342.9 [M-tBu]+。
【0285】
工程C:(R)-tert-ブチル-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボキシラート(XXV-7)
化合物XXV-7は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-7に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(2.66g、収率83%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.81-11.85 (m, 1H), 7.30 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.33 (br. s., 1H), 4.52-4.75 (m, 2H), 4.36-4.46 (m, 1H), 3.98 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.72 (br. s., 1H), 1.36 (d, J=18.3 Hz, 9H)。LC-MS: rt = 0.84分(UPLC), m/z = 335.1 [M+H]+。
【0286】
工程D:(R)-2-(トリフルオロメチル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール二塩酸塩(XXVI-7)
化合物XXVI-7は、化合物XXV-1を化合物XXV-7に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(2.24g、収率92%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.61 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.76 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.82 (ddd, J=10.9, 6.2, 2.2 Hz, 1H), 4.39-4.67 (m, 2H), 3.97 (dd, J=13.6, 2.1 Hz, 1H), 3.77 (dd, J=13.7, 11.0 Hz, 1H), 3.68 (s, 2H)。LC-MS: rt = 0.31分(UPLC), m/z = 235.1 [M+H]+。
【0287】
【化29】
工程A:(R)-1-(((6-クロロ-3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)ブタン-2-オール(XXIII-8)
化合物XXIII-8は、6-クロロ-3-フルオロピコリンアルデヒドを6-クロロ-3,5-ジフルオロピコリンアルデヒドに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、黄色固体を得た(2.3g、収率31%)。
1H NMR (CDCl
3) δ: 7.31-7.35 (t, 1H), 4.15 (br. s., 2H), 3.97-4.01 (m, 2H), 3.65-3.71 (m, 1H), 2.80-2.84 (dd, 1H), 2.55-2.66 (dd, 1H), 1.47-1.58 (m, 2H), 1.26-1.28 (t, 3H)。LC-MS: rt = 0.78分(UPLC), m/z = 251.0 [M+H]
+。
【0288】
工程B:(R)-7-クロロ-2-エチル-8-フルオロ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-8)
化合物XXIV-8は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-8に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、褐色油状物を得た(1.43g、収率62%)。1H NMR (CDCl3) δ: 7.15-7.18 (d, 1H), 4.73-4.78 (m, 1H), 4.44-4.49 (m, 1H), 3.87-3.99 (m, 2H), 3.47-3.50 (m, 1H), 1.61-1.78 (m, 2H), 1.42 (s, 9H), 1.08-1.13 (t, 3H)。LC-MS: rt = 1.95分(UPLC), m/z = 275.1 [M-tBu]+。
【0289】
工程C:(R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXV-8)
化合物XXV-8は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-8に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、白色固体を得た(1.1g、収率90%)。1H NMR (CDCl3) δ: 7.14-7.16 (d, 1H), 4.75-4.79 (d, 1H), 4.25-4.33 (dd, 2H), 3.63-3.68 (m, 1H), 3.14-3.20 (m, 1H), 3.14-3.20 (m, 1H), 1.59-1.70 (m, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.07-1.11 (t, 3H)。LC-MS: rt = 1.24分(UPLC), m/z = 313.1 [M+H]+。
【0290】
工程D:(R)-2-エチル-8-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール二塩酸塩(XXVI-8)
化合物XXVI-8は、化合物XXV-1を化合物XXV-8に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(0.70g、収率96%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.36 - 7.38 (m, 1H), 4.40 - 4.44 (m, 1H), 4.27 - 4.30 (m, 1H), 3.91 - 3.96 (m, 1H), 3.60 - 3.63 (m, 1H),3.35 - 3.41 (m, 1H), 1.69 - 1.76 (m, 2H), 1.11 - 1.16 (m, 3H)。LC-MS: rt = 0.58分(UPLC), m/z = 213.1 [M+H]+。
【0291】
【化30】
工程A:(S)-1-(((6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)プロパン-2-オール(XXIII-9)
化合物XXIII-9は、6-クロロ-3-フルオロピコリンアルデヒドを6-ブロモ-3-フルオロピコリンアルデヒドに、また、XXII-1を(S)-1-アミノプロパン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、無色の固体を得た(22.6g、収率70%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.68-7.74 (m, 1H), 7.59-7.65 (m, 1H), 4.49 (d, J=4.4 Hz, 1H), 3.81 (d, J=3.7 Hz, 2H), 3.62-3.72 (m, 1H), 2.39-2.47 (m, 3H), 1.03 (d, J=6.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.31分(UPLC), m/z = 263.1 / 265.1 [M+H]
+。
【0292】
工程B:(S)-7-ブロモ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-9)
化合物XXIV-9は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-9に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、黄色油状物を得た(1.3g、収率4%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.45 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.57-4.70 (m, 1H), 4.19-4.43 (m, 1H), 3.51-3.70 (m, 2H), 3.34 (s, 1H), 1.21-1.41 (m, 12H)。LC-MS: rt = 1.09分(UPLC), m/z = 345.1 [M+H]+。
【0293】
工程C:(S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXV-9)
化合物XXV-9は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-9に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.64g、収率60%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.19 (br. s., 1H), 7.21 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.24 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.42-4.55 (m, 1H), 4.24-4.41 (m, 1H), 3.88-4.09 (m, 1H), 3.69 (d, J=13.9 Hz, 1H), 3.40 (d, J=10.5 Hz, 1H), 1.35 (d, J=15.9 Hz, 9H), 1.20 (br. s., 3H)。LC-MS: rt = 0.67分(UPLC), m/z = 281.2 [M+H]+。
【0294】
工程D:(S)-2-メチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール塩酸塩(XXVI-9)
化合物XXVI-9は、化合物XXV-1を化合物XXV-9に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.45g、収率92%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.94 (br. s., 1H), 9.59 (br. s., 1H), 7.36 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.50 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.30 (dd, J=14.4, 9.0 Hz, 1H), 4.04-4.18 (m, 2H), 3.52 (br. s., 1H), 3.13-3.27 (m, 1H), 1.33 (d, J=6.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.21分(UPLC), m/z = 181.0 [M+H]。
【0295】
【化31】
工程A:1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)エタン-2-オール(XXIII-10)
化合物XXIII-10は、XXII-1を2-アミノプロパン-1-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、黄色固体を得た(3.37g、収率52%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.81 (t, J=8.74 Hz, 1H), 7.50 (dd, J=3.30, 8.62 Hz, 1H), 4.53 (t, J=5.07 Hz, 1H), 3.82 (d, J=2.03 Hz, 2H), 3.46 (q, J=5.32 Hz, 2H), 2.61 (t,J=5.70 Hz, 2H), 2.19 (br. s., 1H)。LC-MS: rt = 0.17分(UPLC), m/z = 205.3 [M+H]
+。
【0296】
工程B:7-クロロ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-10)
化合物XXIV-10は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-10に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、淡黄色固体を得た(2.09g、収率43%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.43 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.31-7.36 (m, 1H), 4.63 (d, J=19.77 Hz, 2H), 4.25 (br. s., 2H), 3.74 (br. s., 2H), 1.13-1.48 (m, 9H)。LC-MS: rt = 0.97分(UPLC), m/z = 229.2 ((M-tBu)+)。
【0297】
工程C:7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXV-10)
化合物XXV-10は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-10に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(1.16g、収率63%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.13 (br. s., 1H), 7.22 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.25 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.43 (br. s., 2H), 4.00 (br. s., 2H), 3.66 (br. s., 2H), 1.35 (d, J=15.4 Hz, 9H)。LC-MS: rt = 0.58分(UPLC), m/z = 267.2 [M+H]+。
【0298】
工程D:2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール二塩酸塩(XXVI-10)
化合物XXVI-10は、化合物XXV-1を化合物XXV-10に置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(1.03g、収率96%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 6.96 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.10 (d, J=9.3 Hz, 1H), 3.99-4.19 (m, 5H), 3.55 (dt, J=4.5, 2.4 Hz, 2H), 2.90 (dt, J=4.5, 2.4 Hz, 2H)。LC-MS: rt = 0.09分(UPLC), m/z = 167.2 [M+H]+。
【0299】
【化32】
工程A:1-(((6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)アミノ)-2-メチルブタン-2-オール(XXIII-11)
化合物XXIII-11は、化合物XXII-1を1-アミノ-2-メチルブタン-2-オールに置き換え、スキームE、工程Bに従って製造し、褐色油状物を得た(12g、収率83%)。
1H NMR (CDCl
3) δ: 7.37-7.42 (t, 1H), 7.24-7.27 (dd, 1H), 5.20 (br. S, 2H), 4.03-4.03 (d, 2H), 2.57-2.76 (q, 2H), 1.46-1.59 (m, 2H), 1.17 (s, 3H), 0.85-0.98 (t, 3H)。LC-MS: rt = 0.72分(UPLC), m/z = 247.0 [M+H]
+。
【0300】
工程B:7-クロロ-2-エチル-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-11)
化合物XXIV-11は、化合物XXIII-1を化合物XXIII-11に置き換え、スキームE、工程Cに従って製造し、褐色油状物を得た(8.0g、収率66%)。化合物XXIV-11は工程Cと同様に使用した。
【0301】
工程C:2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXV-11)
化合物XXV-11は、化合物XXIV-1を化合物XXIV-11に置き換え、スキームE、工程Dに従って製造し、黄色固体を得た(0.64g、収率26%)。1H NMR (CDCl3) δ: 7.18-7.24 (m, 1H), 6.39-6.43 (m, 1H), 4.59-4.63 (d, 1H), 4.36-4.40 (d, 1H), 3.64-3.83 (dd, 1H), 3.43-3.48 (d, 1H), 1.50-1.66 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.09-1.11 (d, 3H), 0.99-1.02 (t, 3H)。LC-MS: rt = 0.92分(UPLC), m/z = 309.1 [M+H]+。化合物XXIV-11をMeOHに溶解させ、鏡像異性体を、ヘキサン-MeOH勾配で溶出するキラルHPLC(Lux 5μ Celluloes-3、AXIA)により分離し、化合物XXIV-11-aを黄色固体(0.27g、42%)として、化合物XXIV-11-bを黄色固体(0.265g、41%)として得た。
【0302】
(R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-11-a)
1H NMR (CDCl3) δ: 7.18-7.25 (m, 1H), 6.40-6.44 (m, 1H), 4.57-4.62 (m, 1H), 4.35-4.39 (d, 1H), 3.64-3.84 (dd, 1H), 3.42-3.48 (m, 1H), 1.50-1.67 (m, 2H),1.45 (s, 9H), 1.09-1.11 (m, 3H), 0.90-1.05 (t, 3H)。LC-MS: rt = 0.98分(UPLC), m/z = 253.2 [(M-tBu)+H]+。
【0303】
(S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-カルボン酸tert-ブチル(XXIV-11-b)
1H NMR (CDCl3) δ: 7.22-7.27 (m, 1H), 6.47-6.49 (d, 1H), 4.56-4.62 (m, 1H), 4.34-4.40 (m, 1H), 3.65-3.85 (dd, 1H), 3.44-3.49 (m, 1H), 1.54-1.67 (m, 2H),1.46 (s, 9H), 1.10-1.11 (m, 3H), 0.99-1.03 (t, 3H)。LC-MS: rt = 0.98分(UPLC), m/z = 253.2 [(M-tBu)+H]。
【0304】
工程D:(R)-2-エチル-2-メチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール、二塩酸(XXVI-11-a)
化合物XXVI-11-aは、化合物XXV-1を化合物XXV-11-aに置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(0.173g、収率81%)。1H NMR (CD3OD) δ: 7.78 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.35 - 4.54 (m, 2H), 3.56 (s, 2H), 1.60 - 1.85 (m, 2H), 1.33 (s, 3H), 1.04 - 1.19 (m, 3H). LC-MS: rt = 0.54分(UPLC), m/z = 209.1 [M+H]+。
【0305】
(S)-2-エチル-2-メチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール二塩酸塩(XXVI-11-b)
化合物XXVI-11-bは、化合物XXV-1を化合物XXV-11-bに置き換え、スキームE、工程Eに従って製造し、白色固体を得た(0.179g、収率81%)。1H NMR (CD3OD) δ: 7.88 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.45 - 4.58 (m, 2H), 3.57 (s, 2H),1.68 - 1.87 (m, 2H), 1.34 (s, 3H), 1.04 - 1.08 (m, 3H)。LC-MS: rt = 0.54分(UPLC), m/z = 209.1 [M+H]+。
【0306】
【化33】
工程A:1-(6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)メタンアミン(XXX)
ジクロロメタン(150mL)中、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(10.6g、63.4mmol)の溶液に、6-ブロモ-3-フルオロピコリンアルデヒド(11.7g、57.6mmol)、次いで、酢酸(3.30mL、57.6mmol)を加え、この反応混合物を氷浴中で冷却し、これにトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(18.3g、86mmol)を加えた。氷浴を外し、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をpH7になるまで飽和Na
2CO
3で注意深く急冷し、層を分離し、水相をDCMで抽出し、有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサンから50%EtOAcへ)により精製し、化合物XXXを淡黄色油状物として得た(12.6g、62%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.63-7.69 (m, 1H), 7.56-7.60 (m, 1H), 7.18 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.45 (dd, J=8.2, 2.3 Hz, 1H), 3.71-3.78 (m, 9H), 3.62 (s, 2H), 2.39 (br. s., 1H)。LC-MS: rt = 0.59分(UPLC), m/z = 355.1 [M+H]
+。
【0307】
工程B:1-((((6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)(2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-メチル)シクロブタン-1-オール(XXXI-1)
メタノール(9mL)中、化合物XXX(1.99g、5.60mmol)の溶液に、1-オキサスピロ[2.3]ヘキサン(0.66g、7.84mmol)を加え、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を高真空下で一晩乾燥させ、化合物XXXI-1を淡黄色油状物として得た(2.3g、93%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.58-7.68 (m, 2H), 7.30 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.46-6.49 (m, 1H), 6.45 (d, J=2.4 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 3.78 (d, J=1.2 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 2.63 (s, 2H), 1.73-1.90 (m, 4H), 1.42-1.57 (m, 1H), 1.08 (dt, J=10.6, 8.9 Hz, 1H)。LC-MS: rt = 0.78分(UPLC), m/z = 441.1 [M+H]+。
【0308】
工程C:7’-ブロモ-4’-(2,4-ジメトキシベンジル)-4’,5’-ジヒドロ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン](XXXII-1)
0℃に冷却したN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中、化合物XXXI-1(2.30g、5.24mmol)の溶液に、60%水素化ナトリウム(0.314g、7.85mmol)を一度に加え、氷浴を取り外し、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をH2Oで急冷し、EtOAcで抽出し(2回)、有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサンから100%EtOAcへ)により精製し、化合物XXXII-1を黄色油状物として得た(1.61g、73%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.35-7.50 (m, 2H), 7.23 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.57 (d, J=2.2 Hz, 1H), 6.52 (dd, J=8.3, 2.4 Hz, 1H), 3.77 (d, J=4.6 Hz, 6H), 3.67 (s, 4H), 2.91 (s, 2H), 1.88-2.03 (m, 4H), 1.75-1.87 (m, 1H), 1.51 (dt, J=10.9, 8.7 Hz, 1H)。LC-MS: rt = 0.72分(UPLC), m/z = 421.3 [M+H]+。
【0309】
工程D:4’-(2,4-ジメトキシベンジル)-4’,5’-ジヒドロ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン]-7’-オール(XXXIII-1)
N2でパージした100mLのフラスコに、Pd2(dba)3(0.176g、0.192mmol)およびtBuXPhos(0.326g、0.768mmol)、次いで、ジオキサン(15mL)中、化合物XXXII-1(1.610g、3.84mmol)および水(15mL)中、KOH(0.646g、11.52mmol)の溶液を加え、反応混合物をN2下、100℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、H2Oで希釈し、水相のpHを1N HClで約6に調整した。水相をEtOAc(3回)で抽出し、合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%ヘキサンから100% 3:1 EtOAc-EtOH/ヘプタンへ)により精製し、化合物XXXIII-1を黄褐色固体として得た(311.7mg、23%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.06 (br. s., 1H), 7.15-7.29 (m, 2H), 6.46-6.61 (m, 2H), 6.22 (d, J=9.0 Hz, 1H), 3.77 (d, J=2.7 Hz, 6H), 3.61 (s, 2H), 3.50 (s, 2H), 2.82 (s, 2H), 1.84-1.99 (m, 4H), 1.72-1.84 (m, 1H), 1.40-1.56 (m, 1H)。LC-MS: rt = 0.55分(UPLC), m/z = 357.2 [M+H]+。
【0310】
工程E:4’,5’-ジヒドロ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン]-7’-オール二塩酸塩(XXVI-12)
化合物XXXIII-1(300mg、0.842mmol)にトリフルオロ酢酸(3mL)を加え、反応混合物を80℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、CHCl3と共沸させた(2回)。紫色の粗固体をEtOAcと6N HClとで分配し、懸濁液を濾過し、H2OおよびEtOAcで洗浄し、層を分離し、水相を減圧下で蒸発させた。紫色の固体をMeOHに溶解させ、減圧下で2回蒸発させ、固体を最小量のMeOHに溶解させ、これにジエチルエーテルを加え、溶媒を減圧下で蒸発させ、泡沫を真空下で乾燥させ、化合物XXVI-12を紫色の固体として得た(237mg、101%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.86 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.95 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.44 (s, 2H), 3.75 (s, 2H), 2.24-2.35 (m, 2H), 2.14-2.23 (m, 2H), 1.97-2.09 (m, 1H), 1.76-1.90 (m, 1H)。LC-MS: rt = 0.30分(UPLC), m/z = 207.2 [M+H]+。
【0311】
【化34】
工程A:(R)-1-(((6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル)(2,4-ジメトキシベンジル)アミノ)-3,3-ジメチルブタン-2-オール(XXXI-2)
化合物XXXI-2は、化合物1-オキサスピロ[2.3]ヘキサンを(R)-2-(tert-ブチル)オキシランに置き換え、スキームG、工程Bに従って製造し、化合物XXXI-2を白色固体として得た(13.4g、92%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.58-7.70 (m, 2H), 7.21 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.50 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.45 (dd, J=8.2, 2.3 Hz, 1H), 4.03 (d, J=2.0 Hz, 1H), 3.76-3.82 (m, 1H), 3.72 (d, J=13.2 Hz, 6H), 3.52-3.69 (m, 3H), 3.21-3.27 (m, 1H), 2.60 (dd, J=12.8, 2.8 Hz, 1H), 2.36 (dd, J=12.8, 9.9 Hz, 1H), 0.75 (s, 9H)。LC-MS: rt = 0.78分(UPLC), m/z = 457.3 [M+H]
+。
【0312】
工程B:(R)-7-ブロモ-2-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジメトキシベンジル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン(XXXII-2)
化合物XXXII-2は、化合物XXXI-1を化合物XXXI-2に置き換え、スキームG、工程Cに従って製造し、化合物XXXII-2を黄色油状物として得(4.69g、22%)、25%の化合物XXX1-2が混ざっていた。1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.58-7.69 (m, 1H), 7.31-7.47 (m, 2H), 7.21 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.54 (d, J=2.2 Hz, 1H), 6.47-6.51 (m, 1H), 6.45 (dd, J=8.2, 2.3 Hz, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.75 (d, J=5.4 Hz, 7H), 3.71 (s, 2H), 3.63 (dd, J=8.4, 1.6 Hz, 1H), 3.56 (s, 2H), 3.05 (d, J=12.5 Hz, 1H), 2.85 (dd, J=13.7, 10.3 Hz, 1H), 2.60 (dd, J=12.7, 2.7 Hz, 1H), 2.37 (dd, J=12.8, 9.9 Hz, 1H), 0.96 (s, 9H), 0.75 (s, 4H)。LC-MS: rt = 0.84分(UPLC), m/z = 437.3 [M+H]+。
【0313】
工程C:(R)-2-(tert-ブチル)-4-(2,4-ジメトキシベンジル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール(XXXIII-2)
化合物XXXIII-2は、化合物XXXII-1を化合物XXXII-2に置き換え、スキームG、工程Dに従って製造し、化合物XXXIII-2を黄色固体として得た(1.78g、45%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.43 (d, J=9.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.50-6.58 (m, 2H), 6.41 (d, J=9.5 Hz, 1H), 3.85-3.94 (m, 1H), 3.81 (s, 6H), 3.69 (d, J=2.0 Hz, 2H), 3.58 (dd, J=10.1, 1.3 Hz, 1H), 3.20 (d, J=13.9 Hz, 1H), 2.85 (dd, J=14.1, 10.1 Hz, 1H), 1.00 (s, 9H)。LC-MS: rt = 0.66分(UPLC), m/z = 377.3 [M+H]+。
【0314】
工程D:(R)-2-(tert-ブチル)-2,3,4,5-テトラヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-7-オール(XXVI-13)
化合物XXVI-13は、化合物XXXIII-1を化合物XXXIII-2に置き換え、スキームG、工程Eに従って製造し、化合物XXVI-13を薄桃色の泡沫として得た(1.20g、92%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.83 (d, J=9.3 Hz, 1H), 6.96 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 3.96 (dd, J=11.0, 2.2 Hz, 1H), 3.81 (dd, J=13.4, 2.4 Hz, 1H), 3.60 (dd, J=13.4, 11.0 Hz, 1H), 1.13 (s, 9H)。LC-MS: rt = 0.43分(UPLC), m/z = 223.3 [M+H]+。
【0315】
実施例1:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化35】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-1)
ジクロロメタン(20mL)中、化合物XIV(2.64g、7.18mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.05mL、14.3mmol)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、クロロホルムを用いて共沸させた(3回)。残渣をアセトニトリル(20mL)に溶解させ、これにXXVI-1(2.32g、10.06mmol)、次いで、ジイソプロピルアミン(6.27mL、35.9mmol)を加え、反応混合物を60℃で48時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水およびブラインで洗浄し(2回)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をDCMに溶解させ、シリカゲルプレパックカラムに吸収させ、50%ヘキサン-3:1EtOAc/EtOHから100% 3:1 EtOAc/EtOH勾配(20分)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、120g、Gold)により精製し、化合物XXVIII-1を白色泡沫として得た(3.70g、収率95%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.13 (br. s., 1H), 7.42-7.57 (m, 2H), 7.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.09-7.13 (m, 2H), 7.04-7.08 (m, 1H), 6.25 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.83 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.92 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.87 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.64-3.74 (m, 2H), 3.45-3.58 (m, 2H), 3.06-3.22 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.54-2.71 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.28-1.41 (m, 1H), 1.05-1.15 (m, 1H), 1.01 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.80 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 544.2 [M+H]
+。
【0316】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
エタノール(30mL)中、化合物XXVIII-1(3.70g、6.81mmol)の溶液に、NaOHの5M溶液(5.44mL、27.2mmol)を加え、反応混合物を60℃で24時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた固体をH2O(およそ20mL)に溶解させ、5℃に冷却し、pHを、6N HCl溶液(滴下)を用いてpH5~6に調整した。固体を濾過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥させ、実施例1を白色固体として得た(3.21g、収率91%)。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.52 (q, J=8.8 Hz, 2H), 7.45 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.14-7.23 (m, 3H), 6.48 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.96 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.30 (s, 3H), 4.08 (d, J=13.4 Hz, 1H), 3.83 (d, J=4.8 Hz, 4H), 3.03-3.22 (m, 3H), 2.94 (br. s., 1H), 2.78 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.44-1.59 (m, 1H), 1.23-1.38 (m, 1H), 0.96 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.62分(UPLC), m/z = 516.2 [M+H]+。
【0317】
実施例に関して上記した手順に従い、当業者に公知の適当な試薬、出発材料および精製方法の置換を行い、本発明の下記の化合物を製造した。
【0318】
実施例2:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化36】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-4)
化合物XXVIII-4は、化合物XXVI-1をXXV1-4-bに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、黄色固体を得た(0.181g、収率68%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.45-7.59 (m, 2H), 7.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.03-7.14 (m, 3H), 6.25 (br. s., 1H), 4.80 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.65-3.96 (m, 4H), 3.44-3.57 (m, 3H), 3.13 (d, J=7.8 Hz, 2H), 2.59-2.77 (m, 5H), 2.21 (s, 3H), 1.41-1.53 (m, 1H), 1.00 (t, J=7.2 Hz, 3H), 0.65-0.88 (m, 6H)。LCMS: rt = 1.16分(UPLC), m/z = 558.3 [M+H]
+。
【0319】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例2は、化合物XXVIII-1をXXVIII-4に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄色固体を得た(0.057g、収率60%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.63 (br. s., 2H), 7.44-7.57 (m, 2H), 7.25 (d, J=9.29 Hz, 1H), 7.09-7.15 (m, 1H), 7.07 (br. s., 2H), 6.24 (d, J=9.29 Hz, 1H), 4.78 (t, J=7.78 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.66-3.90 (m, 2H), 3.44-3.57 (m, 3H), 3.04 (d, J=7.53 Hz, 2H), 2.60-2.76 (m, 5H), 2.21 (s, 3H), 1.47 (dd, J=6.27, 12.80 Hz, 1H), 0.82 (d, J=6.78 Hz, 3H), 0.69 (d, J=6.78 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.950分(UPLC), m/z = 530.2 [M+H]+。
【0320】
実施例3:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化37】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1エチル,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(XXVIII-5)
化合物XXVIII-5は、化合物XXVI-1をXXV1-4-aに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、白色固体を得た(0.104g、収率70%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.30 (br. s., 1H), 7.40-7.57 (m, 2H), 7.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.03-7.15 (m, 3H), 6.24 (br. s., 1H), 4.82 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.92 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.86 (d, J=14.8 Hz, 1H), 3.69 (d, J=14.8 Hz, 1H), 3.44-3.57 (m, 3H), 3.08-3.16 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.65 (br. s., 2H), 2.21 (s, 3H), 1.37 (d, J=6.5 Hz, 1H), 1.00 (t, J=7.0 Hz, 3H), 0.78 (d, J=6.5 Hz, 3H), 0.66 (d, J=6.8 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.14分(UPLC), m/z = 558.2 [M+H]
+。
【0321】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例3は、化合物XXVIII-1をXXVIII-5に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄色固体を得た(0.054g、収率54%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.66 (br. s., 2H), 7.39-7.57 (m, 2H), 7.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.03-7.14 (m, 3H), 6.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.80 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.64-3.90 (m, 2H), 3.44-3.57 (m, 3H), 3.03 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.65 (br. s., 2H), 2.22 (s, 3H), 1.29-1.41 (m, 1H), 0.78 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.65 (d, J=6.5 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.877分(UPLC), m/z = 504.2 [M+H]+。
【0322】
実施例4:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化38】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-6)
化合物XXVIII-6は、化合物XXVI-1をXXV1-3に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡橙色の泡沫を得た(0.196g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.47-7.58 (m, 2H), 7.26 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.03-7.11 (m, 2H), 6.24 (d, J=7.6 Hz, 1H), 4.83 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.96-4.08 (m, 1H), 3.93 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.86 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.68 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.52 (s, 2H), 3.15 (dd, J=8.0, 3.4 Hz, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.55-2.73 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 0.98-1.05 (m, 6H)。LC-MS: rt = 0.69分(UPLC), m/z = 530.2 [M+H]
+。
【0323】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例4は、化合物XXVIII-1をXXVIII-6に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、橙色の油状物を得た(0.136g、収率95%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.65 (br. s., 1H), 7.53-7.57 (m, 1H), 7.45-7.49 (m, 1H), 7.27 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.03-7.11 (m, 2H), 6.25 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.81 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.96-4.06 (m, 1H), 3.87 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.67 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.53 (s, 2H), 3.18 (s, 2H), 2.97-3.13 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.66-2.73 (m, 1H), 2.60 (dd, J=14.2, 9.4 Hz, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.02 (d, J=6.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.57分(UPLC), m/z = 502.2 [M+H]+。
【0324】
実施例5:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化39】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-12)
化合物XXVIII-12は、化合物XXVI-1をXXV1-5に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、橙色の油状物を得た(0.152g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.49-7.55 (m, 1H), 7.41-7.46 (m, 1H), 7.04-7.17 (m, 4H), 6.24 (br. s., 1H), 4.83 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.93 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.53 (d, J=6.6 Hz, 4H), 3.15 (dd, J=10.0, 8.2 Hz, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 0.93-1.05 (m, 9H)。LC-MS: rt = 0.81分(UPLC), m/z = 544.3 [M+H]
+。
【0325】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例5は、化合物XXVIII-1をXXVIII-12に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡橙色の固体を得た(0.140g、収率76%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.58 (br. s., 2H), 7.50-7.54 (m, 1H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.04-7.16 (m, 4H), 6.24 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.81 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.53 (d, J=6.8 Hz, 4H), 3.35 (br. s., 2H), 2.93-3.14 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 0.97 (d, J=13.2 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.66分(UPLC), m/z = 516.4 [M+H]+。
【0326】
実施例6:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化40】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパ酸エチル(XXVIII-16)
化合物XXVIII-16は、化合物XXVI-1をXXV1-6に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、黄色油状物を得た(0.159g、収率83%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.32 (br. s., 1H), 7.51-7.59 (m, 2H), 7.39 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.03-7.14 (m, 2H), 6.34 (br. s., 1H), 4.77-4.90 (m, 2H), 4.24 (s, 3H), 4.04-4.13 (m, 1H), 3.91 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.79 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.51-3.65 (m, 2H), 3.05-3.22 (m, 2H), 2.95 (br. s., 2H), 2.74 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.00 (t, J=7.1 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.06分(UPLC), m/z = 584.4 [M+H]
+。
【0327】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例6は、化合物XXVIII-1をXXVIII-16に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.072g、収率49%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.80 (br. s., 2H), 7.53 (q, J=8.79 Hz, 2H), 7.38 (d, J=9.38 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.03-7.12 (m, 2H), 6.33 (d, J=9.38 Hz, 1H), 4.72-4.92 (m, 2H), 4.24 (s, 3H), 4.06 (d, J=15.21 Hz, 1H), 3.78 (d, J=14.95 Hz, 1H), 3.52-3.64 (m, 2H), 2.92-3.10 (m, 4H), 2.73 (s, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.94分(UPLC), m/z = 556.4 [M+H]+。
【0328】
実施例7:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化41】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-18)
化合物XXVIII-18は、化合物XXVI-1をXXV1-2に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、無色の泡沫を得た(0.250g、84%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.53-7.57 (m, 1H), 7.47-7.52 (m, 1H), 7.25 (d, J収率=9.1 Hz, 1H), 7.03-7.13 (m, 3H), 6.24 (br. s., 1H), 4.81 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.92 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.86 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.68 (d, J=13.7 Hz, 2H), 3.51 (d, J=4.3 Hz, 2H), 3.43-3.48 (m, 1H), 3.14 (d, J=7.9 Hz, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.68 (s, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.35 (br. s., 1H), 1.25 (br. s., 1H), 1.01 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.85 (t, J=5.8 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.75分(UPLC), m/z = 544.5 [M+H]
+。
【0329】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例7は、化合物XXVIII-1をXXVIII-18に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄褐色固体を得た(0.182g、収率77%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.77 (br. s., 2H), 7.54 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.87 Hz, 1H), 7.25 (d, J=9.38 Hz, 1H), 6.96-7.13 (m, 3H), 6.24 (d, J=9.12 Hz, 1H), 4.79 (t, J=7.86 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.79-3.87 (m, 1H), 3.60-3.73 (m, 2H), 3.41-3.58 (m, 2H), 2.92-3.10 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.54-2.70 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.30-1.45 (m, 1H), 1.10-1.21 (m, 1H), 0.82-0.92 (m, 3H)。LC-MS: rt = 0.62分(UPLC), m/z = 516.5 [M+H]+。
【0330】
実施例8:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化42】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-9)
化合物XXVIII-9は、化合物XIVをXVIIIに、、また、化合物XXVI-1をXXVI-4-aに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、白色固体を得た(0.263g、収率92%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.51-7.56 (m, 1H), 7.43-7.49 (m, 1H), 7.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.08-7.13 (m, 1H), 7.02-7.08 (m, 2H), 6.14-6.33 (m, 1H), 4.80 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.16-4.28 (m, 3H), 3.85 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.69 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.43-3.56 (m, 6H), 3.14 (d, J=8.1 Hz, 2H), 2.59-2.74 (m, 5H), 2.13-2.26 (m, 3H), 1.39-1.53 (m, 1H), 0.82 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.69 (d, J=6.6 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.76分(UPLC), m/z = 544.5 [M+H]
+。
【0331】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例8は、化合物XXVIII-1をXXVIII-9に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄褐色固体を得た(0.178g、収率66%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.56-11.84 (m, 2H), 7.53 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.10 (dd, J=7.9, 1.8 Hz, 1H), 7.02-7.07 (m, 2H), 6.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.78 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.17-4.29 (m, 3H), 3.84 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.68 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.41-3.55 (m, 3H), 2.94-3.09 (m, 2H), 2.59-2.77 (m, 5H), 2.13-2.27 (m, 3H), 1.40-1.54 (m, 1H), 0.82 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.70 (d, J=6.8 Hz, 3H)。LC-MS: = 0.68分(UPLC), m/z = 530.5 [M+H]+。
【0332】
実施例9:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化43】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-10)
化合物XXVIII-10は、化合物XIVをXVIIIに、また、化合物XXVI-1をXXVI-4-bに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、白色固体を得た(0.267g、収率90%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.52 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.41 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.09-7.15 (m, 1H), 7.02-7.08 (m, 2H), 6.10-6.36 (m, 1H), 4.82 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.16-4.29 (m, 3H), 3.85 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.68 (br d, J=15.2 Hz, 1H), 3.42-3.57 (m, 6H), 3.06-3.21 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.57-2.69 (m, 2H), 2.13-2.28 (m, 3H), 1.29-1.43(m, 1H), 0.77 (br d, J=6.6 Hz, 3H), 0.65 (br d, J=6.6 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 544.5 [M+H]
+。
【0333】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例9は、化合物XXVI-1をXXVIII-10に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄褐色固体を得た(0.198g、収率72%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.53-11.92 (m, 2H), 7.52 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.08-7.13 (m, 1H), 7.02-7.07 (m, 2H), 6.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.79 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.22 (s, 3H), 3.85 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.68 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.42-3.57 (m, 3H), 2.93-3.07 (m, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.59-2.69 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.29-1.43 (m, 1H), 0.77 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.65 (d, J=6.8 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.67分(UPLC), m/z = 530.5 [M+H]+。
【0334】
実施例10:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化44】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-11)
化合物XXVIII-11は、化合物XIVをXVIII、また、化合物XXVI-1をXXV1-2に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、白色泡沫を得た(0.150g、収率95%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.47-7.58 (m, 2H), 7.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.03-7.13 (m, 3H), 6.25 (br. s., 1H), 4.81 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.87 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.69 (d, J=14.4 Hz, 2H), 3.51 (d, J=4.8 Hz, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.34 (s, 1H), 3.17 (d, J=8.1 Hz, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.54-2.69 (m, 2H), 2.47 (d, J=1.8 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.35 (dd, J=14.6, 7.2 Hz, 1H), 1.12 (br. s., 1H), 0.85 (t, J=7.2 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.71分(UPLC), m/z = 530.3 [M+H]
+。
【0335】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例10は、化合物XXVIII-1をXXVIII-11に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.091g、収率61%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.63 (br. s., 2H), 7.46-7.58 (m, 2H), 7.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.03-7.14 (m, 3H), 6.25 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.79 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.24 (s, 3H), 3.86 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.69 (d, J=14.4 Hz, 2H), 3.45-3.57 (m, 2H), 3.05 (dd, J=7.7, 2.9 Hz, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.54-2.70 (m, 2H), 2.47 (d, J=1.8 Hz, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.29-1.43 (m, 1H), 1.12 (ddd, J=13.9, 7.4, 4.3 Hz, 1H), 0.85 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.63分(UPLC), m/z = 516.2 [M+H]+。
【0336】
実施例11:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化45】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-プロパン酸メチル(XXVIII-13)
化合物XXVIII-13は、 に従って製造し スキームF、工程A、化合物XIVをXVIIIに、また、化合物XXVI-1をXXV1-5に置き換え、橙色の油状物を得た(0.202g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.49-7.55 (m, 1H), 7.40-7.45 (m, 1H), 7.04-7.16 (m, 4H), 6.24 (br. s., 1H), 4.84 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.53 (d, J=7.4 Hz, 4H), 3.48 (s, 3H), 3.29-3.33 (m, 1H), 3.10-3.25 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.54 (s, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.25 (br. s., 1H), 0.97 (d, J=11.4 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.76分(UPLC), m/z = 530.3 [M+H]
+。
【0337】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例11は、化合物XXVIII-1をXXVIII-13に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡橙色固体を得た(0.165g、収率86%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.61 (br. s., 2H), 7.49-7.54 (m, 1H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.03-7.16 (m, 4H), 6.24 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.81 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.53 (d, J=6.8 Hz, 4H), 2.97-3.14 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.54 (s, 2H), 2.21 (s, 3H), 0.97 (d, J=13.2 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.67分(UPLC), m/z = 516.4 [M+H]+。
【0338】
実施例12:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化46】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-19)
化合物XXVIII-19は、化合物XIVをXVIII、また、化合物XXVI-1をXXVI-2に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、無色の泡沫を得た(0.300g、収率80%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.54 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.44 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.03-7.15 (m, 3H), 6.24 (br. s., 1H), 4.83 (t, J=8.0 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.86 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.63-3.74 (m, 2H), 3.40-3.57 (m, 5H), 3.31 (s, 1H), 3.16 (t, J=7.6 Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.54-2.69 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.33 (dd, J=14.1, 7.0 Hz, 1H), 0.79 (t, J=7.2 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.70分(UPLC), m/z = 530.6 [M+H]
+。
【0339】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例12は、化合物XXVIII-1をXXVIII-19に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄褐色固体を得た(0.152g、収率56%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.65 (br. s., 2H), 7.54 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.43 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.25 (d, J=9.12 Hz, 1H), 7.00-7.14 (m, 3H), 6.24 (d, J=9.38 Hz, 1H), 4.80 (t, J=7.73 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.86 (d, J=14.70 Hz, 1H), 3.67 (d, J=14.45 Hz, 2H), 3.43-3.57 (m, 2H), 2.95-3.11 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 2.57-2.70 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.27-1.40 (m, J=7.20, 14.60 Hz, 1H), 1.04-1.13 (m, 1H), 0.74-0.83 (m, 3H)。LC-MS: rt = 0.63分(UPLC), m/z = 516.5 [M+H]+。
【0340】
実施例13:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化47】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-2)
化合物XXVIII-2は、化合物XIVをXXに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、黄色泡沫を得た(0.187g、収率63%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.40 (s, 1H), 7.61-7.67 (m, 1H), 7.54-7.59 (m, 1H), 7.26 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.01-7.15 (m, 3H), 6.24 (br. s., 1H), 4.73 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.88 (d, J=14.8 Hz, 1H), 3.59-3.76 (m, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.37-3.43 (m, 4H), 2.65 (s, 3H), 2.55-2.62 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.25 (d, J=18.1 Hz, 6H), 1.10 (t, J=7.0 Hz, 2H), 0.83 (t, J=6.7 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.15分(UPLC), m/z = 558.2 [M+H]
+。
【0341】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
メタノール(2mL)中、化合物XXVIII-2(0.167g、0.29mmol)の懸濁液に、水(1mL)中、水酸化リチウム(0.143g、5.97mmol)の溶液を加え、反応混合物をマイクロ波照射下、120℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発乾固させ、残存固体を水(10mL)に溶解させ、溶液のpHを1N HClでpH5~6に調整した。白色沈澱を酢酸エチルで抽出し(3回)、抽出液を合わせ、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗固体をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲル充填プレカラムに予備吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0~100% 3:1 EtOAc/EtOH-ヘキサン)により精製し、実施例13を白色固体として得た(0.143g、収率84%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.77 (br. s., 2H), 7.70 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.01-7.12 (m, 3H), 6.26 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.88 (d, J=14.8 Hz, 1H), 3.58-3.74 (m, 2H), 3.51 (s, 2H), 2.55-2.68 (m, 6H), 2.22 (s, 3H), 1.27-1.37 (m, 1H), 1.19-1.27 (m, 6H), 1.03 (ddd, J=13.9, 7.4, 4.0 Hz, 1H), 0.83 (t, J=7.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.83分(UPLC), m/z = 544.6 [M+H]+。
【0342】
実施例14:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化48】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-3)
化合物XXVIII-3は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-3に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、橙色の泡沫を得た(7.43g、収率99%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.11 (br. s., 1H), 7.64-7.70 (m, 1H), 7.55-7.61 (m, 1H), 7.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.01-7.11 (m, 2H), 6.25 (d, J=8.6 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 4.26 (s, 3H), 3.92-4.00 (m, 1H), 3.88 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.71 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.53 (d, J=1.8 Hz, 2H), 3.42 (s, 3H), 2.66 (s, 4H), 2.54-2.64 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.27 (d, J=17.2 Hz, 6H), 0.97 (d, J=6.1 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.75分(UPLC), m/z = 544.2 [M+H]
+。
【0343】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例14は、化合物XXVIII-1をXXVIII-3に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、橙色~黄色泡沫を得た(2.65g、収率36%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.78 (br. s., 2H), 7.73 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.58 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.28 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.02-7.11 (m, 2H), 6.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.26 (s, 3H), 3.91-4.00 (m, 1H), 3.88 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.69 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.52 (d, J=1.5 Hz, 2H), 2.65 (s, 4H), 2.53-2.61 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.24 (d, J=17.7 Hz, 6H), 0.96 (d, J=6.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.69分(UPLC), m/z = 530.3 [M+H]+。
【0344】
実施例15:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化49】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-7)
化合物XXVIII-7は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-4-aに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.284g、収率93%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.60-7.65 (m, 1H), 7.54-7.59 (m, 1H), 7.25 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.03-7.14 (m, 3H), 6.25 (br. s., 1H), 4.74 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.82-3.90 (m, 1H), 3.72 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.53 (s, 2H), 3.46 (d, J=5.1 Hz, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.34 (s, 2H), 2.66 (s, 5H), 2.22 (s, 3H), 1.42 (d, J=5.8 Hz, 1H), 1.21-1.32 (m, 6H), 0.84-0.90 (m, 3H), 0.81 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.67 (d, J=6.6 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.82分(UPLC), m/z = 572.5 [M+H]
+。
【0345】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例15は、化合物XXVIII-1をXXVIII-7に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.201g、収率69%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.54-11.97 (m, 2H), 7.69 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.56 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.10-7.17 (m, 1H), 7.00-7.10 (m, 2H), 6.26 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.69-4.81 (m, 1H), 4.19-4.31 (m, 3H), 3.86 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.70 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.41-3.56 (m, 3H), 2.59-2.73 (m, 5H), 2.15-2.29 (m, 3H), 1.34-1.48 (m, 1H), 1.26 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 0.80 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.67 (d, J=6.8 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.77分(UPLC), m/z = 558.5 [M+H]+。
【0346】
実施例16:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化50】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-8)
化合物XXVIII-8は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-4-bに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.305g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.49-7.58 (m, 2H), 7.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.07-7.14 (m, 2H), 7.01-7.07 (m, 1H), 6.12-6.34 (m, 1H), 4.75 (s, 1H), 4.17-4.29 (m, 3H), 3.84 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.70 (br d, J=14.7 Hz, 1H), 3.44-3.58 (m, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.57-2.69 (m, 5H), 2.20 (s, 3H),1.18-1.31 (m, 6H), 0.82-0.89 (m, 3H), 0.78 (br d, J=6.6 Hz, 3H), 0.69 (br d, J=6.6 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.82分(UPLC), m/z = 572.5 [M+H]
+。
【0347】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-イソプロピル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例16は、化合物XXVIII-1をXXVIII-8に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.222g、収率71%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.69-11.90 (m, 2H), 7.59-7.66 (m, 1H), 7.51-7.57 (m, 1H), 7.25 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=7.7, 1.6 Hz, 1H), 7.02-7.09 (m, 2H), 6.24 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.77 (s, 1H), 4.18-4.30 (m, 3H), 3.85 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.67 (d, J=15.0 Hz, 1H), 3.43-3.57 (m, 3H), 2.59-2.71 (m, 5H), 2.15-2.27 (m, 3H), 1.30-1.40 (m, 1H), 1.26 (s, 3H), 1.14-1.21 (m, 3H), 0.78 (d, J=6.6 Hz, 3H), 0.69 (d, J=6.8 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.77分(UPLC), m/z = 558.5 [M+H]+。
【0348】
実施例17:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化51】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5yl)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-14)
化合物XXVIII-14は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-5に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡橙色の固体を得た(0.185g、収率96%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.57-7.61 (m, 1H), 7.50-7.55 (m, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.11 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.03-7.08 (m, 2H), 6.24 (br. s., 1H), 4.25 (s, 3H), 3.51-3.60 (m, 4H), 3.43 (s, 3H), 3.32 (s, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.54 (br. s., 1H), 2.22 (s, 3H), 1.21-1.32 (m, 8H), 1.01 (s, 3H), 0.95 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.85分(UPLC), m/z = 558.3 [M+H]
+。
【0349】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例17は、化合物XXVIII-1をXXVIII-14 に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡橙色の固体を得た(0.121g、収率65%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.66 (br. s., 2H), 7.64 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.52 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.02-7.19 (m, 4H), 6.23 (d, J=9.1 Hz, 1H), 4.78 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.35 (br. s., 4H), 2.65 (s, 3H), 2.53 (s, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.16-1.30 (m, 6H), 0.97 (d, J=19.0 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 0.79分(UPLC), m/z = 544.4 [M+H]+。
【0350】
実施例18:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化52】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-15)
化合物XXVIII-15は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-2に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.079g、収率38%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.52-7.67 (m, 2H), 7.27 (d, J=9.1 Hz, 1H), 7.02-7.16 (m, 3H), 6.25 (d, J=8.6 Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.89 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.65-3.75 (m, 2H), 3.40-3.60 (m, 5H), 2.69 (s, 3H), 2.54-2.66 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.21-1.40 (m, 7H), 0.85 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.79分(UPLC), m/z = 558.5 [M+H]
+。
【0351】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例18は、化合物XXVIII-1をXXVIII-15に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.035g、収率36%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.77 (br. s., 2H), 7.52-7.68 (m, 2H), 7.29 (d, J=9.4 Hz, 1H), 7.03-7.16 (m, 3H), 6.26 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.78 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.90 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.64-3.75 (m, 2H), 3.45-3.60 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.55-2.66 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 1.33 (dd, J=15.0, 7.4 Hz, 1H), 1.18-1.30 (m, 6H), 1.05-1.16 (m, 1H), 0.84 (t, J=7.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 544.4 [M+H]+。
【0352】
実施例19:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化53】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-17)
化合物XXVIII-17は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-6に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、白色固体を得た(0.221g、収率66%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.67 (d, J=8.87 Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.38 (d, J=9.38 Hz, 1H), 7.26 (d, J=1.27 Hz, 1H), 7.04-7.15 (m, 2H), 6.34 (br. s., 1H), 4.70-4.82 (m, 2H), 4.25 (s, 3H), 4.07 (d, J=15.21 Hz, 1H), 3.82 (d, J=15.21 Hz, 1H), 3.60 (d, J=3.80 Hz, 2H), 3.40 (s, 3H), 2.95 (d, J=5.58 Hz, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.27 (d, J=4.82 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 1.19分(UPLC), m/z = 598.4 [M+H]
+。
【0353】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例19は、化合物XXVIII-1をXXVIII-17に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.091g、収率42%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.78 (br. s., 2H), 7.73 (d, J=8.62 Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.87 Hz, 1H), 7.38 (d, J=9.38 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.10-7.15 (m, 1H), 7.03-7.09 (m, 1H), 6.33 (d, J=9.13 Hz, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.25 (s, 3H), 4.06 (d, J=15.21 Hz, 1H), 3.81 (d, J=14.95 Hz, 1H), 3.59 (d, J=4.56 Hz, 2H), 2.92-2.99 (m, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.24 (d, J=4.82 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 1.11分(UPLC), m/z = 584.4 [M+H]+。
【0354】
実施例20:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化54】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-20)
化合物XXVIII-20は、化合物XXVI-1をXXV1-7に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の泡沫を得た(0.600g、収率77%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.42-7.53 (m, 2H), 7.38 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.06 (s, 2H), 6.33 (br. s., 1H), 4.82 (t, J=7.9 Hz, 2H), 4.23 (s, 3H), 4.05-4.12 (m, 1H), 3.91 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.80 (d, J=15.6 Hz, 1H), 3.59 (d, J=5.4 Hz, 2H), 3.14 (d, J=8.1 Hz, 2H), 2.94 (br. s., 2H), 2.76 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.18 (t, J=7.1 Hz, 1H), 0.99 (t, J=7.1 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 1.06分(UPLC), m/z = 584.4 [M+H]
+。
【0355】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例20は、化合物XXVIII-1をXXVIII-20に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、黄褐色固体を得た(0.420g、収率74%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.70 (br. s., 2H), 7.40-7.53 (m, 2H), 7.38 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.06 (s, 2H), 6.33 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.73-4.90 (m, 2H), 4.23 (s, 3H), 4.04-4.11 (m, 1H), 3.80 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.53-3.65 (m, 2H), 3.01-3.07 (m, 2H), 2.96 (d, J=5.9 Hz, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.92分(UPLC), m/z = 556.4 [M+H]+。
【0356】
実施例21:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化55】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-21)
化合物XXVIII-21は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-7に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の泡沫を得た(0.270g、収率86%)。LC-MS: rt = 1.09分(UPLC), m/z = 598.4 [M+H]
+。
【0357】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例21は、化合物XXVIII-1をXXVIII-21に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、無色の固体を得た(0.235g、収率89%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.69-11.90 (m, 2H), 7.74-7.78 (m, 1H), 7.54-7.59 (m, 1H), 7.36-7.41 (m, 1H), 7.21-7.30 (m, 2H), 7.09-7.16 (m, 1H), 7.01-7.08 (m, 1H), 6.32 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.78-4.87 (m, 1H), 4.71-4.76 (m, 1H), 4.24 (s, 3H), 4.03-4.14 (m, 1H), 3.79 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.53-3.61 (m, 2H), 2.95 (br d, J=5.9 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.23 (d, J=16.1 Hz, 6H)。LC-MS: rt = 1.12分(UPLC), m/z = 584.4 [M+H]+。
【0358】
実施例22:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化56】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-22)
化合物XXVIII-22は、化合物XXVI-1をXXV1-8に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡黄色固体を得た(0.157g、収率81%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 12.02 (br. s., 1H), 7.42-7.56 (m, 3H), 7.34 (d, J=11.2 Hz, 1H), 7.04-7.14 (m, 3H), 4.82 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.92 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.64-3.88 (m, 3H), 3.45-3.56 (m, 2H), 3.13 (dd, J=8.1, 2.4 Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.61 (br. s., 2H), 2.20 (s, 4H), 1.24-1.40 (m, 1H), 1.00 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.77 (t, J=7.1 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.78分(UPLC), m/z = 562.4 [M+H]
+。
【0359】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-8-フルオロ-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例22は、化合物XXVIII-1をXXVIII-22に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡黄色固体を得た(0.114g、収率76%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.00 (br. s., 2H), 7.54 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J=11.2 Hz, 1H), 7.03-7.14 (m, 3H), 4.80 (t, J=7.8 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.65-3.92 (m, 3H), 3.44-3.56 (m, 2H), 2.95-3.11 (m, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.53-2.69 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.22-1.38 (m, 1H), 0.98-1.13 (m, 1H), 0.77 (t, J=7.2 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.65分(UPLC), m/z = 534.3 [M+H]+。
【0360】
実施例23:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化57】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-23)
化合物XXVIII-23は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-9に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、無色の油状物を得た(0.330g、収率100%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.52-7.65 (m, 2H), 7.27 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.01-7.10 (m, 2H), 6.24 (br. s., 1H), 4.75 (s, 1H), 4.24 (s, 3H), 4.03 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.89 (d, J=14.4 Hz, 1H), 3.70 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.46-3.59 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 2.68 (s, 3H), 2.57-2.66 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 1.21-1.32 (m, 6H), 0.99-1.09 (m, 3H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 544.4 [M+H]
+。
【0361】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例23は、化合物XXVIII-1をXXVIII-23に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、無色の固体を得た(0.230g、収率72%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.78 (br s, 2H), 7.68 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.56 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.29 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.00-7.11 (m, 2H), 6.25 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.77 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.97-4.10 (m, 1H), 3.90 (d, J=14.7 Hz, 1H), 3.67 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.46-3.58 (m, 2H), 2.55-2.73 (m, 5H), 2.21 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.20 (s, 3H), 1.03 (d, J=6.4 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.68分(UPLC), m/z = 530.5 [M+H]+。
【0362】
実施例24:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
【化58】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸メチル(XXVIII-24)
化合物XXVIII-24は、化合物XIVをXXに、また、化合物XXVI-1を化合物XXVI-10に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡黄色固体を得た(0.128g、収率98%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.53-7.66 (m, 2H), 7.28 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.00-7.08 (m, 2H), 6.26 (br. s., 1H), 4.75 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.88-3.96 (m, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.48-3.61 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.34 (s, 3H), 2.79 (br. s., 2H), 2.68 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.21-1.30 (m, 6H)。LC-MS: rt = 0.69分(UPLC), m/z = 530.4 [M+H]
+。
【0363】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン酸
実施例24は、化合物XXVIII-1をXXVIII-24に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.071g、収率64%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.78 (br. s, 2H), 7.69 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 9.29 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.01-7.09 (m, 2H), 6.27 (d, J = 9.29 Hz, 1H), 4.77 (s, 1H), 4.25 (s, 3H), 3.89-3.93 (m, 2H), 3.79 (q, J = 14.80 Hz, 2H), 3.54 (q, J =13.5 Hz, 2H), 2.79-2.84 (m, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.20 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.64分(UPLC), m/z = 516.3 [M+H]+。
【0364】
実施例25:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化59】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-25)
化合物XXVIII-25は、化合物XIVをXVIIIに、また、化合物XXVI-1をXXV1-6に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、灰白色固体を得た(0.248g、収率98%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.47-7.54 (m, 1H), 7.36-7.46 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.03-7.11 (m, 2H), 6.33 (br. s., 1H), 4.78-4.89 (m, 3H), 4.23 (s, 3H), 4.08 (d, J=14.9 Hz, 1H), 3.80 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.53-3.66 (m, 2H), 3.46 (s, 3H), 3.16 (d, J=7.8 Hz, 2H), 2.95 (d, J=5.6 Hz, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.00分(UPLC), m/z = 570.3 [M+H]
+。
【0365】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例25は、化合物XXVIII-1をXXVIII-25に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.092g、38%収率)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.88 (br. s., 1H), 7.46-7.53 (m, 1H), 7.35-7.44 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.01-7.10 (m, 2H), 6.32 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.72-4.92 (m, 2H), 4.23 (s, 3H), 3.99-4.09 (m, 1H), 3.78 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.52-3.65 (m, 2H), 2.91-3.13 (m, 4H), 2.75 (s, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.90分(UPLC), m/z = 556.3 [M+H]+。
【0366】
実施例26:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化60】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-26)
化合物XXVIII-26は、化合物XXVI-1をXXV1-11-aに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡ベージュ色の固体を得た(0.177g、収率77%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 10.61-11.63 (m, 1H), 7.47-7.56 (m, 1H), 7.37-7.46 (m, 1H), 6.98-7.18 (m, 4H), 6.23 (br. s., 1H), 4.83 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.93 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.45-3.58 (m, 4H), 3.06-3.23 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.41-2.49 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.22-1.38 (m, 1H), 1.09-1.21 (m, 1H), 1.02 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.86 (s, 3H), 0.53 (t, J=7.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.84分(UPLC), m/z = 558.4 [M+H]
+。
【0367】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例26は、化合物XXVIII-1をXXVIII-26に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡黄色固体を得た(0.072g、収率46%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.60 (br. s., 2H), 7.36-7.54 (m, 2H), 7.04-7.15 (m, 4H), 6.22 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.80 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.46-3.58 (m, 4H), 2.96-3.13 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.40-2.49 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.09-1.37 (m, 2H), 0.81-0.89 (m, 4H), 0.52 (t, J=7.5 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.70分(UPLC), m/z = 530.4 [M+H]+。
【0368】
実施例27:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化61】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-27)
化合物XXVIII-27は、化合物XXVI-1をXXV1-11-bに置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡ベージュ色の固体を得た(0.161g、収率77%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 7.40-7.55 (m, 2H), 7.02-7.15 (m, 4H), 6.23 (br. s., 1H), 4.82 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.93 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.44-3.59 (m, 4H), 3.06-3.23 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.46 (s, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.31-1.43 (m, 1H), 1.12-1.25 (m, 1H), 1.02 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.83 (s, 3H), 0.53 (t, J=7.3 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.84分(UPLC), m/z = 558.4 [M+H]
+。
【0369】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例27は、化合物XXVIII-1をXXVIII-27に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.067g、収率46%)。1H NMR (DMSO-d6) d: 11.58 (br. s., 2H), 7.38-7.56 (m, 2H), 7.03-7.16 (m, 4H), 6.22 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.80 (t, J=7.7 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.46-3.58 (m, 4H), 2.97-3.13 (m, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.46 (s, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.11-1.42 (m, 2H), 0.77-0.90 (m, 4H), 0.53 (t, J=7.5 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.70分(UPLC), m/z = 530.4 [M+H]+。
【0370】
実施例28:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化62】
工程A:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((S)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メチル(XXVIII-28)
化合物XXVIII-28は、化合物XIVをXVIIIに、また、化合物XXVI-1をXXV1-7に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、灰白色固体を得た(0.228g、収率90%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.37 (br. s., 1H), 7.47-7.59 (m, 2H), 7.38 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.28 (d, J=1.2 Hz, 1H), 7.02-7.15 (m, 2H), 6.33 (br. s., 1H), 4.75-4.88 (m, 2H), 4.23 (s, 3H), 4.03-4.12 (m, 1H), 3.78 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.51-3.66 (m, 2H), 3.46 (s, 3H), 3.06-3.26 (m, 2H), 2.94 (br. s., 2H), 2.69-2.80 (m, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 1.00分(UPLC), m/z = 570.3 [M+H]
+。
【0371】
工程B:(S)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-7-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例28は、化合物XXVIII-1をXXVIII-28に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.051g、収率28%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.71 (br. s., 2H), 7.53 (q, J=8.7 Hz, 2H), 7.38 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.02-7.12 (m, 2H), 6.32 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.75-4.89 (m, 2H), 4.23 (s, 3H), 3.73-4.10 (m, 2H), 3.58 (d, J=5.4 Hz, 2H), 2.89-3.15 (m, 4H), 2.73 (s, 3H), 2.22 (s, 3H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 556.3 [M+H]+。
【0372】
実施例29:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7’-ヒドロキシ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4’(5’H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
【化63】
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7’-ヒドロキシ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4’(5’H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル(XXVIII-29)
化合物XXVIII-29は、化合物XXVI-1をXXV1-12に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、淡ベージュ色の固体を得た(0.117g、収率47%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.20 (br. s., 1H), 8.14 (s, 1H), 7.42-7.57 (m, 2H), 7.23 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.03-7.14 (m, 2H), 6.24 (d, J=9.0 Hz, 1H), 4.84 (t, J=7.9 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.93 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.57 (s, 2H), 3.34 (s, 2H), 3.07-3.22 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.65 (s, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.71-1.86 (m, 2H), 1.46-1.67 (m, 3H), 1.02 (t, J=7.1 Hz, 3H)。LC-MS: rt = 0.80分(UPLC), m/z = 556.4 [M+H]
+。
【0373】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-((7’-ヒドロキシ-3’H-スピロ[シクロブタン-1,2’-ピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4’(5’H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
実施例29は、化合物XXVIII-1をXXVIII-29に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、淡黄色固体を得た(0.028g、収率24%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.52 (br. s., 1H), 7.41-7.55 (m, 2H), 7.23 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.04-7.14 (m, 2H), 6.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.82 (t, J=7.8 Hz, 1H), 4.22 (s, 3H), 3.55 (d, J=12.5 Hz, 4H), 2.96-3.13 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.66 (s, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.71-1.86 (m, 2H), 1.45-1.68 (m, 3H), 0.95-1.11 (m, 1H)。LC-MS: rt = 0.66分(UPLC), m/z = 528.4 [M+H]+。
【0374】
実施例30:(R)-3-(3-(((R)-2-(tert-ブチル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)プロパン酸
【化64】
工程A:(R)-3-(3-((R)-2-(tert-ブチル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)プロパン酸エチル(XXVIII-30)
化合物XXVIII-30は、化合物XXVI-1をXXV1-13に置き換え、スキームF、工程Aに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(0.155g、収率83%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ: 11.26 (br. s., 1H), 7.43-7.58 (m, 2H), 7.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.02-7.15 (m, 3H), 6.23 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.81 (t, J=8.1 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.81-3.97 (m, 3H), 3.67-3.78 (m, 1H), 3.52 (s, 2H), 3.42 (d, J=9.5 Hz, 1H), 3.12 (d, J=8.1 Hz, 2H), 2.80 (d, J=13.9 Hz, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.63 (dd, J=13.8, 10.1 Hz, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.00 (t, J=7.1 Hz, 3H), 0.74 (s, 9H)。LC-MS: rt = 0.84分(UPLC), m/z = 572.4 [M+H]
+。
【0375】
工程B:(R)-3-(3-((R)-2-(tert-ブチル)-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)プロパン酸
実施例30は、化合物XXVIII-1をXXVIII-30に置き換え、スキームF、工程Bに従って製造し、白色固体を得た(0.105g、収率95%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.66 (br. s., 2H), 7.57 - 7.42 (m, 2H), 7.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.13 -7.03 (m, 3H), 6.24 (d, J=9.3 Hz, 1H), 4.79 (t, J=7.8 Hz, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.91 - 3.68 (m, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.42 (d, J=9.8 Hz, 1H), 3.01 (d, J=7.8 Hz, 2H), 2.81 (d, J=13.7 Hz, 1H), 2.71 (s, 3H), 2.63 (dd, J=10.3, 13.7 Hz, 1H), 2.22 (s, 3H), 0.74 (s, 9H)。LC-MS: rt = 0.74分(UPLC), m/z = 544.2 [M+H]+。
【0376】
実施例31:結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸
工程A:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸エチル、非晶質
化合物XXVIII-31エチルエステルは、実施例1、工程Aに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(収率143.8g、65%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.9-11.7 (m, 1H), 7.5-7.6 (m, 1H), 7.45 (d, 1H, J=8.6 Hz), 7.25 (d, 1H, J=9.4 Hz), 7.0-7.2 (m, 3H), 6.2-6.3 (m, 1H), 4.82 (t, 1H, J=8.0 Hz), 4.23 (s, 3H), 3.8-4.0 (m, 3H), 3.6-3.8 (m, 2H), 3.4-3.6 (m, 2H), 3.14 (dd, 2H, J=4.1, 7.9 Hz), 2.74 (s, 3H), 2.62 (br d, 2H, J=10.9 Hz), 2.20 (s, 3H), 1.3-1.4 (m, 1H), 1.0-1.2 (m, 1H), 1.01 (t, 3H, J=7.1 Hz), 0.79 (t, 3H, J=7.4 Hz)。LCMS: rt = 0.75分(UPLC), m/z = 544.5 [M+H]+。
【0377】
工程B:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、非晶質
化合物XXVIII-31遊離酸は、実施例1、工程Bに従って製造し、ベージュ色の固体を得た(122.9g、収率90%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5-11.9 (m, 2H), 7.54 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.43 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.26 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.0-7.1 (m, 3H), 6.24 (d, 1H, J=9.3 Hz), 4.80 (t, 1H, J=7.8 Hz), 4.23 (s, 3H), 3.87 (d, 1H, J=14.7 Hz), 3.6-3.7 (m, 2H), 3.4-3.6 (m, 2H), 3.03 (dd, 2H, J=7.8, 12.2 Hz), 2.74 (s, 3H), 2.5-2.7 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.33 (dd, 1H, J=7.1, 15.4 Hz), 1.0-1.1 (m, 1H), 0.79 (t, 3H, J=7.3 Hz)。LCMS: rt = 0.63分(UPLC), m/z = 516.5 [M+H]+。
【0378】
工程C:(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸、結晶性
XXVIII-31遊離酸、非晶質の(3.02g、5.58mmol)およびアセトニトリル(30mL)の混合物を50℃で20分間加熱した後、4時間かけて25℃に冷却した。固体を濾取し、アセトニトリル(3×10mL)ですすぎ、真空炉にて50℃で一晩乾燥させ、実施例31を結晶性の白色固体を得た(2.55g、収率84%)。
1H NMR (メタノール-d
4) δ: 7.5-7.5 (m, 2H), 7.43 (d, 1H, J=9.8 Hz), 7.1-7.1 (m, 3H), 6.41 (d, 1H, J=9.8 Hz), 4.93 (s, 1H), 4.29 (s, 3H), 3.90 (d, 1H, J=15.2 Hz), 3.7-3.8 (m, 1H), 3.6-3.7 (m, 3H), 3.0-3.2 (m, 2H), 2.87 (s, 1H), 2.76 (s, 4H), 2.29 (s, 3H), 1.4-1.5 (m, 1H), 1.25 (s, 1H), 0.91 (t, 3H, J=7.6 Hz)。LCMS: rt = 0.64分(UPLC), m/z = 516.4 [M+H]
+。
この材料のXRPDを
図1に示し、対応する回折データを表3に示す。
【0379】
実施例31~34の粉末X線ディフラクトグラムは、PANalytical X’Pert Pro回折装置にて、NiフィルターCu Ka(45kV/40mA、1.5406Å波長)照射およびステップサイズ0.03°2θをX’celeratorTM RTMS(Real Time Multi-Strip)検出器とともに用いて取得した。入射ビーム側の構成:可変発散スリット(照射長10mm)、0.04ラッドソーラースリット、固定散乱線除去スリット(0.50°)、および10mmビームマスク。回折ビーム側の構成:可変散乱線除去スリット(観測長10mm)および0.04ラッドソーラースリット。サンプルは、ゼロバックグラウンドSiウエハー上に平らに載せた。
【0380】
【0381】
結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸(遊離形態)、またはその互変異性体の他の識別スペクトルを
図2(DSCおよびTGA)および
図3(FT-Raman)に示す。
【0382】
実施例32:結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物
実施例32-1:実施例31(39.1mg、0.076mmol)を1mLの20:80エタノール水に加えた。得られた懸濁液を40~5℃の間で循環しながら48時間、絶えず撹拌した(2℃/分で加熱および冷却し、40℃および5℃で1時間保持)。48時間後、5℃から始め、懸濁液を20℃で撹拌しながら平衡化し、生じた固体を室温で濾過することにより採取し、3時間風乾した。固体はXRPDにより結晶性実施例32-1であると同定され(
図4参照)、下記のより大きなスケールアップバッチの種結晶として使用した。
【0383】
実施例32-2:実施例31(300.8mg、0.583mmol)をエタノール:水(20:80)(95:5 v:v、10mL)と合わせた。スラリーを室温で1時間撹拌した後、実施例32-1、(6mg、0.011mmol)を播種した。この懸濁液を、40~5℃の間で温度を循環しながら2時間撹拌した後、室温で2日間撹拌した。固体をブフナー漏斗での真空濾過により単離し、固体を真空濾過により単離し、3時間風乾し、実施例32-2を得た(305.4mg、68%)。1H NMR (メタノール-d4) δ 7.5-7.6 (m, 2H), 7.43 (d, 1H, J=9.3 Hz), 7.0-7.1 (m, 3H), 6.42 (d, 1H, J=9.3 Hz), 4.94 (t, 1H, J=7.8 Hz), 4.29 (s, 3H), 3.90 (d, 1H, J=15.2 Hz), 3.7-3.8 (m, 1H), 3.6-3.7 (m, 3H), 3.0-3.2 (m, 2H), 2.8-2.9 (m, 1H), 2.7-2.8 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 1.45 (td, 1H, J=7.1, 8.3 Hz), 1.24 (ddd, 1H, J=4.4, 7.5, 14.1 Hz), 0.91 (t, 3H, J=7.3 Hz)。LCMS: rt = 0.77分(UPLC), m/z = 516.4 [M+H]+。
【0384】
この材料のXRPDを
図4に示し、対応する回折データを表4に示す。
【0385】
【0386】
結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸水和物、またはその互変異性体の他の識別スペクトルを
図5(FT-Raman)および
図6(DSCおよびTGA)に示す。
【0387】
実施例33:結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩
実施例33-1:化合物XXVIII-31遊離酸(19.2mg、0.037mmol)を2mLのバイアルに分注し、これに2-プロパノール(400μL)、次いで、3Mベンゼンスルホン酸水溶液(12.4μL)を加えた。得られた混合物を40~5℃の間で温度を循環しながら48時間、絶えず撹拌した(2℃/分で加熱および冷却し、40℃および5℃で1時間保持)。48時間後、5℃から始め、懸濁液を20℃で30分間撹拌しながら平衡化し、生じた固体を室温で濾過することにより採取し、4時間風乾し、XRPDにより1:1化学量論の実施例33-1ベシル酸塩を得た、
図8参照。
【0388】
実施例33-2:化合物XXVIII-31遊離酸(738mg;1.43mmol)に、2-プロパノール(14.8mL;20vol)、次いで、3Mベンゼンスルホン酸水溶液(477μL、1.43mmol)および実施例33-1の種結晶を加えた。この混合物を2時間40℃に加熱した後、0.1℃/分で20℃までゆっくり冷却し、数時間撹拌した。この混合物は極めて薄かったので、温度を5℃に下げ、一晩(約20時間)撹拌した。スラリー/ガムのアリコートを濾過し、XRPDにより非晶質であると判定され撹拌を止め、スラリー/ガムをバイアルの底に沈降させた後、淡黄色の上清をデカントした。このスラリー/ガムに新鮮な2-プロパノール(14.8mL)を加え、この混合物を40℃に加熱したところ、ほとんどの固体が溶解していることが観察された。この混合物を1hブロック内で一晩、40~5℃の温度循環にかけ、粘稠な混合物を得た。スラリーの第2アリコートを濾過したところ、XRPDにより所望のベシル酸塩と一致した。固体を濾過し、30分間風乾した後、真空炉にて40℃で窒素を通じながら2時間乾燥させ、実施例33-2ベシル酸塩(609mg、収率63%)を得、これはXRPD分析によりベシル酸塩と一致した。1H NMR (メタノール-d4) δ 7.8-7.9 (m, 2H), 7.5-7.6 (m, 3H), 7.4-7.5 (m, 5H), 7.3-7.4 (m, 1H), 6.62 (d, 1H, J=8.8 Hz), 5.03 (t, 1H, J=8.1 Hz), 4.60 (br s, 1H), 4.50 (br s, 2H), 4.3-4.4 (m, 1H), 4.27 (s, 3H), 3.8-4.1 (m, 1H), 3.5-3.7 (m, 2H), 3.1-3.3 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 2.43 (s, 3H), 1.65 (s, 1H), 1.4-1.6 (m, 1H), 1.07 (t, 3H, J=7.3 Hz)。LCMS: rt = 0.76分(UPLC), m/z = 516.3 [M+H]+。
【0389】
この材料のXRPDを
図8に示し、対応する回折データを表5に示す。
【0390】
【0391】
結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸ベシル酸塩、またはその互変異性体の別の識別スペクトルを
図7に示す(FT-Raman)。
【0392】
実施例34:結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物
実施例34-1:化合物XXVIII-31遊離酸(19.5mg;0.038mmol)を2mLのバイアルに分注し、これに、酢酸エチル(400μL)、次いで、3Mメタンスルホン酸水溶液(12.6μL、0.042mmol)を加えた。得られたスラリーを40~5℃の間で温度を循環しながら48時間、絶えず撹拌した(2℃/分で加熱および冷却し、40℃および5℃で1時間保持)。48時間後、5℃から始め、懸濁液を20℃で30分間撹拌しながら平衡化し、生じた固体を室温で濾過することにより採取し、4時間風乾し、XRPDにより判定した場合に1:1API:メシル酸塩の化学量論の実施例34-1ベシル酸塩を得た。
【0393】
実施例34-2:化合物XXVIII-31遊離酸(623mg;1.21mmol)に、酢酸エチル(12.5mL;20vol)、次いで、3Mメタンスルホン酸水溶液(403μL、1.34mmol)および実施例34-1の種結晶を加えた。この混合物を2時間40℃に加熱した後、0.1℃/分で20℃までゆっくり冷却し、一晩(約20時間)撹拌した。これらの固体を真空炉にて40℃で窒素を通じながら2時間乾燥させ、実施例34-2メシル酸塩水和物(710mg、収率90%)を得、これはXRPD分析によりメシル酸塩水和物と一致した。1H NMR (メタノール-d4) δ 7.4-7.6 (m, 4H), 7.4-7.4 (m, 1H), 7.3-7.4 (m, 1H), 6.65 (d, 1H, J=8.8 Hz), 5.04 (t, 1H, J=8.1 Hz), 4.62 (s,1H), 4.52 (br s, 2H), 4.3-4.4 (m, 1H), 4.29 (s, 3H), 3.97 (td, 1H, J=3.3, 6.1 Hz), 3.5-3.7 (m, 2H), 3.1-3.3 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.68 (br dd, 1H, J=7.6, 14.9 Hz), 1.56 (br d, 1H, J=3.9 Hz), 1.09 (t, 3H, J=7.3 Hz)。LCMS: rt = 0.77分(UPLC), m/z = 516.4 [M+H]+。
【0394】
この材料のXRPDを
図9に示し、対応する回折データを表6に示す。
【0395】
【0396】
結晶性(R)-3-(1,4-ジメチル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-5-イル)-3-(3-(((R)-2-エチル-7-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロピリド[2,3-f][1,4]オキサゼピン-4(5H)-イル)メチル)-4-メチルフェニル)プロパン酸メシル酸塩水和物、またはその互変異性体の他の識別スペクトルを
図10(FT-Raman)および
図11(DSCおよびTGA)に示す。